JP2010077919A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動変速機を搭載した車両においてパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際、エンジンのアイドル回転数を適切に上昇させて強制再生処理を効率よく実行可能としたエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】フィルタ(42)の強制再生処理を行う際に、自動変速機(4)のシフトレンジがDレンジである場合、エンジン(2)のアイドル回転数が目標回転数演算部(60)により目標回転数として設定されたDレンジ用回転数(Nd)となるよう、回転数制御部(62)がエンジン2を制御する。Dレンジ用回転数(Nd)は、自動変速機(4)のシフトレンジをDレンジとして走行しているときの走行速度(V)とエンジン回転数(Ne)とに基づき、シフトレンジをDレンジとした状態でブレーキペダルに標準的な踏力である基準踏力(A)を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数として求められる。
【選択図】図3
【解決手段】フィルタ(42)の強制再生処理を行う際に、自動変速機(4)のシフトレンジがDレンジである場合、エンジン(2)のアイドル回転数が目標回転数演算部(60)により目標回転数として設定されたDレンジ用回転数(Nd)となるよう、回転数制御部(62)がエンジン2を制御する。Dレンジ用回転数(Nd)は、自動変速機(4)のシフトレンジをDレンジとして走行しているときの走行速度(V)とエンジン回転数(Ne)とに基づき、シフトレンジをDレンジとした状態でブレーキペダルに標準的な踏力である基準踏力(A)を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数として求められる。
【選択図】図3
Description
本発明はエンジン制御装置に関し、特に排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと自動変速機とが搭載された車両のエンジンを制御するためのエンジン制御装置に関する。
従来より、ディーゼルエンジン等のエンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するため、パティキュレートフィルタが用いられている。パティキュレートフィルタをエンジンの排気通路に設けることにより、大気中へのパティキュレートの放出が防止される。
このようなパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置では、例えばその上流側に酸化触媒が配置される。この排気浄化装置では、酸化触媒により排気中のNO(一酸化窒素)が酸化して生成されたNO2(二酸化窒素)を酸化剤とし、パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートを連続的に酸化除去する連続再生が行われるようになっている。しかし、エンジンの排気温度が低い運転状態が継続して酸化触媒によるNO2の生成が十分に行われないなどの理由により、このような連続再生が良好に行われない場合がある。連続再生が良好に行われない状態が継続すると、捕集されたパティキュレートが堆積することによって次第にパティキュレートフィルタにおける排気流動抵抗が増大するため、堆積しているパティキュレートを何らかの方法で強制的に焼却してパティキュレートフィルタを再生する、いわゆる強制再生処理を行う必要がある。
このようなパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置では、例えばその上流側に酸化触媒が配置される。この排気浄化装置では、酸化触媒により排気中のNO(一酸化窒素)が酸化して生成されたNO2(二酸化窒素)を酸化剤とし、パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートを連続的に酸化除去する連続再生が行われるようになっている。しかし、エンジンの排気温度が低い運転状態が継続して酸化触媒によるNO2の生成が十分に行われないなどの理由により、このような連続再生が良好に行われない場合がある。連続再生が良好に行われない状態が継続すると、捕集されたパティキュレートが堆積することによって次第にパティキュレートフィルタにおける排気流動抵抗が増大するため、堆積しているパティキュレートを何らかの方法で強制的に焼却してパティキュレートフィルタを再生する、いわゆる強制再生処理を行う必要がある。
パティキュレートフィルタの強制再生処理では、例えば、エンジンの膨張行程や排気行程で気筒内に追加燃料を噴射する、いわゆるポスト噴射が行われる。このようなポスト噴射を行って排気通路に供給したHCを、パティキュレートフィルタ上流の酸化触媒で酸化させることにより、パティキュレートフィルタに流入する排気の温度を上昇させる。このような排気温度の上昇により、パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレートが燃焼し、パティキュレートフィルタから除去される。このようにして強制再生処理を実行することにより、パティキュレートフィルタに堆積していたパティキュレートの除去が完了すると、パティキュレートフィルタの強制再生処理が終了する。
強制再生処理を行う際に車両が停止状態にある場合、エンジンの回転数が強制再生処理の行われない通常時のアイドル回転数のままであると、排気温度が十分上昇せず、パティキュレートの焼却が十分行われなくなるおそれがある。また、パティキュレートの焼却に時間を要し、上述したような追加燃料の供給量が増大することによって燃費が悪化するという問題もある。そこで、強制再生処理を行う際に車両が停止している場合には、エンジンのアイドル回転数を上昇させる、いわゆるアイドルアップを行い、排気温度の低下を抑制するようにしている。
ここで、車両に自動変速機が搭載されている場合、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジなどの走行レンジとなっているときには、エンジンの駆動力が自動変速機を介して駆動輪に伝達されるため、アイドルアップによって大幅にエンジン回転数を上昇させると、車両を停止状態とする必要があるときに、フットブレーキを作動させて車両の停止状態を維持することが難しくなる。一方、自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合には、強制再生処理を行う際に上述したようなアイドルアップを行っても、エンジンの駆動力が駆動輪には伝達されないため、車両の停止状態を維持することが困難になるようなことはない。
そこで、パティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジとなっている場合には、シフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合よりも、アイドルアップによるエンジン回転数の上昇度合いを少なくするようにしたエンジン制御装置が特許文献1によって提案されている。
特許文献1のエンジン制御装置のような制御を行うことにより、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジにあるような場合であっても、フットブレーキにより車両を停止状態に維持しながら、アイドルアップにより可能な限りエンジン回転数を上昇させ、エンジンの排気温度を上昇させて短時間で強制再生処理を終了させることが可能となる。
特開2005−146904号公報
特許文献1のエンジン制御装置のような制御を行うことにより、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジにあるような場合であっても、フットブレーキにより車両を停止状態に維持しながら、アイドルアップにより可能な限りエンジン回転数を上昇させ、エンジンの排気温度を上昇させて短時間で強制再生処理を終了させることが可能となる。
上記特許文献1の制御装置のように、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジなどの走行レンジとなっているときにアイドルアップを行うようにした場合、エンジンの駆動力によって自動変速機に発生するクリープトルクも、エンジン回転数の上昇に伴って増大する。このため、アイドルアップによるエンジン回転数の上昇幅は、そのアイドルアップによって生じるクリープトルクが、ブレーキペダルの踏み込みによって車両を停止状態に保持可能な程度の大きさとなるように設定される必要がある。従って、パティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとしてアイドルアップを行う場合、ブレーキペダルの踏み込みによって車両を停止状態に保持可能なクリープトルクがその上限となるようにエンジン回転数を上昇させるのが望ましいことになる。
このとき、ブレーキペダルに対して加えることが可能な踏力の上限値については、予め実験などを行うことによって標準的な値を求めることが可能である。一方、自動変速機が発生するクリープトルクは、自動変速機と駆動輪との間に設けられたデファレンシャル装置と駆動輪とを介して路面に伝達されるため、デファレンシャル装置に組み込まれた最終減速機及び駆動輪のタイヤ径の少なくとも一方が異なる車両ごとに、ブレーキペダルの踏み込みによって車両を停止状態に保持可能なクリープトルクの上限の大きさが相違することになる。
ところが、上記特許文献1の制御装置では、自動変速機のシフトレンジがドライブレンジにある場合のアイドルアップによるエンジン回転数の上昇幅が、予め定められた一定量となっている。このため、デファレンシャル装置の最終減速機或いは駆動輪のタイヤ径が異なる車両ごとに、上述のようにアイドルアップ時において上限となるクリープトルクを得るためのエンジン回転数の上昇幅を、実験などによって個別に求めて設定しなければならず、非常に手間がかかるという問題がある。
また、このような手間を省くためには、デファレンシャル装置の最終減速機或いは駆動輪のタイヤ径が異なる車両のうちから、アイドルアップによって同じエンジン回転数まで上昇させたときに最もクリープトルクが大きくなる車両を選定し、選定車両に対して実験などにより上述のようにして求められたエンジン回転数の上昇幅を、対象となる全ての車両に適用することが考えられる。
このようにした場合、上記選定車両以外の車両については、実際にはエンジン回転数を更に上昇可能であるにもかかわらず、上記選定車両に対応した上昇幅でしかエンジン回転数が上昇されないことになる。このため、より効率的に実行可能な強制再生処理を、効率が低下した状態で実行することになり、強制再生処理に要する時間が長くなると共に無駄に燃料を消費するという問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動変速機を搭載した車両においてパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際、エンジンのアイドル回転数を適切に上昇させて強制再生処理を効率よく実行可能としたエンジン制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のエンジン制御装置は、車両に搭載されたエンジンと、上記エンジンが排出する排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、上記車両に搭載され、シフトレンジが走行レンジとなっているときには上記エンジンの駆動力を上記車両の駆動輪に伝達する一方、シフトレンジがニュートラルレンジとなっているときには上記駆動輪への上記エンジンの駆動力の伝達を遮断する自動変速機と、上記自動変速機のシフトレンジを走行レンジとして上記車両が走行しているときの上記車両の走行速度と上記エンジンの回転数とに基づき、上記シフトレンジを走行レンジとした状態で上記車両のブレーキペダルに予め設定された基準踏力を加えた場合に、上記車両を停止状態に保持可能な上記エンジンの回転数を走行レンジ用回転数として求め、上記自動変速機のシフトレンジが走行レンジとなっているときには、上記走行レンジ用回転数を目標回転数として設定する目標回転数設定手段と、上記パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、上記エンジンのアイドル回転数が、上記目標回転数設定手段によって設定された目標回転数となるように、上記エンジンを制御する回転数制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成されたエンジン制御装置によれば、パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、自動変速機のシフトレンジが走行レンジである場合、エンジンのアイドル回転数が目標回転数設定手段により目標回転数として設定された走行レンジ用回転数となるように、回転数制御手段がエンジンを制御する。シフトレンジが走行レンジとなっており、エンジンの駆動力が自動変速機を介しクリープトルクとして駆動輪に伝達されるが、回転数制御手段が目標回転数として用いる走行レンジ用回転数は、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとした状態で車両のブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数となっているので、車両の乗員はブレーキペダルを踏み込むことにより車両を停止状態に保持することができる。
ここで、エンジンの駆動力によって自動変速機に発生するクリープトルクは、最終減速機が組み込まれたデファレンシャル装置や駆動輪など自動変速機と路面との間に介在する要素を介して路面に伝達されるため、これら要素の特性の相違によって、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なクリープトルクに対応したエンジン回転数は異なる。
シフトレンジを走行レンジとして走行しているときの車両の走行速度とエンジンの回転数との間の関係には、自動変速機と路面との間に介在する要素の特性が反映されている。従って、本発明のエンジン制御装置のように、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとして車両が走行しているときの車両の走行速度とエンジンの回転数とに基づき、走行レンジ用回転数を求めることにより、自動変速機と路面との間に介在する要素の特性を反映した上で、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数、即ち走行レンジ用回転数を求めることができる。
また、上記エンジン制御装置において、上記目標回転数設定手段は、上記自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっているときには、予め設定されたニュートラルレンジ用回転数を上記目標回転数として設定することを特徴とする(請求項2)。
このように構成されたエンジン制御装置によれば、パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、自動変速機のシフトレンジが走行レンジとなっている場合、上述のようにエンジンのアイドル回転数が目標回転数設定手段により目標回転数として設定された走行レンジ用回転数となるように、回転数制御手段がエンジンを制御する一方、自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合、エンジンのアイドル回転数が目標回転数設定手段により目標回転数として設定されたニュートラルレンジ用回転数となるように、回転数制御手段がエンジンを制御する。
このように構成されたエンジン制御装置によれば、パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、自動変速機のシフトレンジが走行レンジとなっている場合、上述のようにエンジンのアイドル回転数が目標回転数設定手段により目標回転数として設定された走行レンジ用回転数となるように、回転数制御手段がエンジンを制御する一方、自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合、エンジンのアイドル回転数が目標回転数設定手段により目標回転数として設定されたニュートラルレンジ用回転数となるように、回転数制御手段がエンジンを制御する。
自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合、エンジンから駆動輪への駆動力の伝達が遮断されるので、走行レンジとなっているときに自動変速機に発生するクリープトルクの影響を考慮することなく、パティキュレートフィルタの強制再生処理を効率よく実行できる最適な回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させることができる。従って、このようにシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合と、走行レンジとなっている場合とで、個別に目標回転数を設定することにより、パティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、それぞれの場合においてパティキュレートフィルタの強制再生処理を実行する上で最適な回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させ、効率よく強制再生処理を行うことが可能となる。
更に、このようなエンジン制御装置において、上記目標回転数設定手段は、上記シフトレンジが走行レンジとなっている場合に、上記走行レンジ用回転数が上記ニュートラルレンジ用回転数より低いと、上記走行レンジ用回転数を上記目標回転数に設定する一方、上記走行レンジ用回転数が上記ニュートラルレンジ用回転数以上であると、上記ニュートラルレンジ用回転数を上記目標回転数に設定することを特徴とする(請求項3)。
上述したように、自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合には、パティキュレートフィルタの強制再生処理を効率よく実行できる最適な回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させることが可能であるため、ニュートラルレンジ用回転数は、パティキュレートフィルタの強制再生処理を実行する上で最適な回転数に設定することができる。また、シフトレンジが走行レンジとなっている場合の走行レンジ用回転数は、必ずしもニュートラルレンジ用回転数より低くなるとは限らない。
そこで、このように構成されたエンジン制御装置によれば、走行レンジ用回転数がニュートラルレンジ用回転数より低い場合、目標回転数設定手段は、走行レンジ用回転数をシフトレンジが走行レンジとなっているときの目標回転数に設定する。これにより、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとした状態でパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、ブレーキペダルを踏み込むことによって車両を停止状態に保持することができる。
一方、走行レンジ用回転数がニュートラルレンジ用回転数以上である場合、目標回転数設定手段は、ニュートラルレンジ用回転数をシフトレンジが走行レンジとなっているときの目標回転数に設定する。これにより、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとした状態でパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、ブレーキペダルを踏み込んで車両を停止状態に保持しながら、強制再生処理に最適となる回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させ、強制再生処理を効率よく行うことができる。また、必要以上にエンジンのアイドル回転数が上昇されるのを防止して燃費の悪化を防止することができる。
また、上記エンジン制御装置において、上記目標回転数設定手段は、上記シフトレンジを走行レンジとして上記車両が走行しているときの上記車両の走行速度と上記エンジンの回転数とに基づき、上記自動変速機と上記駆動輪との間の最終減速比、及び上記駆動輪のタイヤ径の少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を求め、求められた上記所定パラメータの値を用いて上記走行レンジ用回転数を求めることを特徴とする(請求項4)。
前述したように、自動変速機に発生するクリープトルクは、デファレンシャル装置や駆動輪など自動変速機と路面との間に介在する要素を介して路面に伝達されるため、これら要素の特性の相違によって、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なクリープトルクに対応するエンジン回転数は異なる。
そこで、このように構成されたエンジン制御装置によれば、上記要素によって変化する特性を表すパラメータとして、自動変速機と駆動輪との間の最終減速比、及び駆動輪のタイヤ径の少なくとも一方によって変化する所定パラメータを定め、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとして車両が走行しているときの車両の走行速度とエンジンの回転数とに基づき求めた所定パラメータの値を用いて走行レンジ用回転数を求める。
そこで、このように構成されたエンジン制御装置によれば、上記要素によって変化する特性を表すパラメータとして、自動変速機と駆動輪との間の最終減速比、及び駆動輪のタイヤ径の少なくとも一方によって変化する所定パラメータを定め、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとして車両が走行しているときの車両の走行速度とエンジンの回転数とに基づき求めた所定パラメータの値を用いて走行レンジ用回転数を求める。
最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方は、同じ車種であっても、その車種のバリエーションとして異なるものが採用される場合がある。従って、このようにして最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を用いて走行レンジ用回転数を求めることにより、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のそれぞれについて、実験などにより予め走行レンジ用回転数を個別に求めておく必要がなくなる。
また、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のいずれにおいても、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能な適切なエンジン回転数となる走行レンジ用回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させることが可能となる。
具体的には、このようなエンジン制御装置において、上記目標回転数設定手段は、上記所定パラメータの値を用い、上記シフトレンジを走行レンジとした状態で上記車両のブレーキペダルに上記基準踏力を加えた場合に、上記車両を停止状態に保持可能な上記自動変速機のクリープトルクを求め、求められたクリープトルクが得られる上記エンジンの回転数を上記走行レンジ用回転数として求めることを特徴とする(請求項5)。
自動変速機に発生するクリープトルクと、車両を停止状態に保持可能なブレーキペダルに対する踏力との間には密接な関係がある。そして、前述したように自動変速機に発生するクリープトルクは、デファレンシャル装置や駆動輪など自動変速機と路面との間に介在する要素を介して路面に伝達されるため、クリープトルクと踏力との間の関係はこれら要素の特性の相違によって変化する。
そこで、このようにエンジン制御装置を構成することにより、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なクリープトルクを、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のそれぞれに対し、精度よく求めることが可能となる。この結果、クリープトルクから求められる走行レンジ用回転数についても、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数として、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のそれぞれに対し、精度よく求めることができる。
また具体的には、このようなエンジン制御装置において、上記所定パラメータは、上記最終減速比と上記タイヤ径との比であることを特徴とする(請求項6)。
この場合には、最終減速比とタイヤ径のいずれが変化しても所定パラメータを変化させることができる。また、同じクリープトルクでも、車両を停止状態に保持するためには、最終減速比が増大するほど、またタイヤ径が減少するほど、ブレーキペダルへの踏力は大きな値を要することになる。従って、最終減速比とタイヤ径との比を所定パラメータとすることにより、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に車両を停止状態に保持可能なクリープトルクを的確に求めることが可能となる。
この場合には、最終減速比とタイヤ径のいずれが変化しても所定パラメータを変化させることができる。また、同じクリープトルクでも、車両を停止状態に保持するためには、最終減速比が増大するほど、またタイヤ径が減少するほど、ブレーキペダルへの踏力は大きな値を要することになる。従って、最終減速比とタイヤ径との比を所定パラメータとすることにより、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に車両を停止状態に保持可能なクリープトルクを的確に求めることが可能となる。
本発明のエンジン制御装置によれば、自動変速機と路面との間に介在する要素の特性を反映した上で、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数、即ち走行レンジ用回転数を求めることができる。従って、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う場合に、アイドルアップする際のエンジンの目標回転数を、上記要素が相違する車両ごとに予め実験などにより個別に求めて記憶する必要がなくなり、開発や実験などにおける手間を省くことができる。
また、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、上記要素が相違する車両のいずれにおいてもブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能な走行レンジ用回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させることができるので、できるだけエンジンのアイドル回転数を上昇させて排気温度を上昇させることが可能となり、パティキュレートフィルタの強制再生処理を効率的に行うことが可能となる。この結果、パティキュレートフィルタの強制再生処理に要する時間を短縮することができると共に、排気温度上昇のための追加燃料の消費量を低減し、燃費を向上させることができる。
また、請求項2のエンジン制御装置によれば、シフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合と、走行レンジとなっている場合とで、個別に目標回転数を設定することにより、パティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、それぞれの場合においてパティキュレートフィルタの強制再生処理を実行する上で最適な回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させ、効率よく強制再生処理を行うことが可能となる。
このように、シフトレンジがニュートラルレンジとなっている場合と、走行レンジとなっている場合との両方において、効率的に強制再生処理を実行することができるので、パティキュレートフィルタの強制再生処理に要する時間をより一層短縮することができると共に、排気温度上昇のための追加燃料の消費量を更に低減し、燃費を向上させることができる。
また、請求項3のエンジン制御装置によれば、走行レンジ用回転数がニュートラルレンジ用回転数より低い場合、走行レンジ用回転数をシフトレンジが走行レンジとなっているときの目標回転数とすることにより、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとした状態でパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、ブレーキペダルを踏み込むことによって車両を停止状態に保持することが可能な状態で、できるだけ効率よくパティキュレートフィルタの強制再生処理を実行することができる。
一方、走行レンジ用回転数がニュートラルレンジ用回転数以上である場合、ニュートラルレンジ用回転数をシフトレンジが走行レンジとなっているときの目標回転数に設定することにより、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとした状態でパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、必要以上にエンジンのアイドル回転数が上昇されるのを防止することができると共に、パティキュレートフィルタの強制再生処理に最適となる回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させて、強制再生処理を効率よく実行することが可能となる。
従って、パティキュレートフィルタの強制再生処理に要する時間をより一層短縮し、排気温度上昇のための追加燃料の消費量を更に低減することができると共に、無駄なエンジン回転数の上昇による燃料の消費を防止し、燃費を向上させることができる。
また、請求項4のエンジン制御装置によれば、最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を用いて走行レンジ用回転数を求めるので、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のそれぞれについて、予め実験などにより走行レンジ用回転数を個別に求めておく必要がなくなる。
また、請求項4のエンジン制御装置によれば、最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を用いて走行レンジ用回転数を求めるので、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のそれぞれについて、予め実験などにより走行レンジ用回転数を個別に求めておく必要がなくなる。
また、自動変速機のシフトレンジを走行レンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生処理を行う際に、最終減速比及びタイヤ径の少なくとも一方が相違する車両のいずれにおいても、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能な適切なエンジン回転数となる走行レンジ用回転数までエンジンのアイドル回転数を上昇させることが可能となる。
また、請求項5のエンジン制御装置によれば、最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を用いることにより、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なクリープトルクを、最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方が相違する車両のそれぞれに対し、精度よく求めることが可能となる。この結果、クリープトルクから求められる走行レンジ用回転数についても、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に、車両を停止状態に保持可能なエンジン回転数として、最終減速比と駆動輪のタイヤ径との少なくとも一方が相違する車両のそれぞれに対し、精度よく求めることができる。
また、請求項6のエンジン制御装置によれば、最終減速比とタイヤ径との比を所定パラメータとすることにより、シフトレンジを走行レンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力を加えた場合に車両を停止状態に保持可能なクリープトルクを、最終減速比及びタイヤ径とクリープトルクとの関係に対応させて的確に求めることが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用された車両における駆動系の主要部分を示す構成図である。図1に示されるように、エンジン2の出力軸は自動変速機4の入力軸と機械的に連結され、エンジン2の駆動力が自動変速機4に入力される。また、自動変速機4の出力軸はデファレンシャル装置6の入力軸と機械的に連結され、自動変速機4から出力された駆動力が、最終減速機を組み込まれたデファレンシャル装置6に伝達される。そして、デファレンシャル装置6によって左右に分配された駆動力が、左右の駆動軸8を介して左右の駆動輪10に伝達される。
図1は、本発明が適用された車両における駆動系の主要部分を示す構成図である。図1に示されるように、エンジン2の出力軸は自動変速機4の入力軸と機械的に連結され、エンジン2の駆動力が自動変速機4に入力される。また、自動変速機4の出力軸はデファレンシャル装置6の入力軸と機械的に連結され、自動変速機4から出力された駆動力が、最終減速機を組み込まれたデファレンシャル装置6に伝達される。そして、デファレンシャル装置6によって左右に分配された駆動力が、左右の駆動軸8を介して左右の駆動輪10に伝達される。
自動変速機4は従来より知られている形式のものであって、シフトレンジとしてドライブレンジ(以下、Dレンジという)が選択された場合、エンジン2の駆動力が左右の駆動輪10に伝達され、ニュートラルレンジ(以下、Nレンジという)が選択された場合、エンジン2から左右の駆動輪10への駆動力の伝達が遮断される。従って、本実施形態ではDレンジが本発明の走行レンジに相当する。また、自動変速機4は内部にトルクコンバータ(図示せず)を備え、Dレンジが選択されている場合には、エンジン2の駆動力によりクリープトルクが出力軸に発生するようになっている。
また、デファレンシャル装置6も従来より知られている形式のものであって、自動変速機4の出力回転数を減速するための最終減速機(図示せず)が内部に組み込まれている。
図2は、本発明の実施形態に係るエンジン制御装置の全体構成図である。エンジン2は4気筒のディーゼルエンジンであって、各気筒に共通に設けられた高圧蓄圧室(以下コモンレールという)12を備えている。コモンレール12には、図示しない燃料噴射ポンプから供給された高圧の燃料が蓄えられ、コモンレール12から各気筒に設けられたインジェクタ14に供給された燃料が、各インジェクタ14を介してそれぞれの気筒内に噴射されるようになっている。
図2は、本発明の実施形態に係るエンジン制御装置の全体構成図である。エンジン2は4気筒のディーゼルエンジンであって、各気筒に共通に設けられた高圧蓄圧室(以下コモンレールという)12を備えている。コモンレール12には、図示しない燃料噴射ポンプから供給された高圧の燃料が蓄えられ、コモンレール12から各気筒に設けられたインジェクタ14に供給された燃料が、各インジェクタ14を介してそれぞれの気筒内に噴射されるようになっている。
吸気管16にはターボチャージャ18が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気管16からターボチャージャ18のコンプレッサ18aへと流入し、コンプレッサ18aで過給された吸気はインタークーラ20及び吸気制御弁22を介して吸気マニホールド24に導入される。吸気管16のコンプレッサ18aより上流側には、エンジン2に吸入される空気の質量流量を検出するための吸気量センサ26が設けられている。
一方、エンジン2の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド28を介して排気管30に接続されている。なお、排気マニホールド28と吸気マニホールド24との間には、EGR弁32を介して排気マニホールド28と吸気マニホールド24とを連通するEGR通路34が設けられており、EGR弁32の開度を変更することにより排気マニホールド28から吸気マニホールド24への排気還流量を調整可能となっている。
排気管30は、ターボチャージャ18のタービン18bが介装されると共に、排気ブレーキとして作動する排気絞り弁36を介して排気後処理装置38に接続されている。タービン18bの回転軸はコンプレッサ18aの回転軸と機械的に連結されており、排気管30内を流動する排気を受けたタービン18bがコンプレッサ18aを駆動するようになっている。
排気後処理装置38には、酸化触媒40が収容されると共に、この酸化触媒40の下流側に、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン2の排気を浄化するパティキュレートフィルタ(以下、フィルタという)42が収容されている。
この酸化触媒40は、流入する排気中に含まれるNOを酸化させてNO2を生成し、このNO2を酸化剤としてフィルタ42に供給する機能を有している。また、フィルタ42はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、それぞれ隣接する通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン2の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。フィルタ42の上流側には、フィルタ42に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ44が設けられている。
この酸化触媒40は、流入する排気中に含まれるNOを酸化させてNO2を生成し、このNO2を酸化剤としてフィルタ42に供給する機能を有している。また、フィルタ42はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、それぞれ隣接する通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン2の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。フィルタ42の上流側には、フィルタ42に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ44が設けられている。
酸化触媒40で排気中のNOから生成されたNO2はフィルタ42に流入し、フィルタ42に捕集されて堆積したパティキュレートに対して酸化剤として作用する。フィルタ42に堆積しているパティキュレートは、酸化剤として作用するNO2によって酸化されることにより、N2やCO2などに変換され、フィルタ42から除去される。こうしてフィルタ42の連続再生が行われる。
ECU46は、エンジン2の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU46の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気量センサ26及び排気温度センサ44のほかに、エンジン2の回転数を検出する回転数センサ48、車両の走行速度を検出する車速センサ50、アクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ52、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みの有無を検出するためのブレーキスイッチ54、自動変速機4で選択されているシフトレンジを検出するレンジ位置センサ56、及び自動変速機4で選択されている変速段を検出する変速段センサ58などの各種センサ類が電気的に接続されている。
ECU46の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気量センサ26及び排気温度センサ44のほかに、エンジン2の回転数を検出する回転数センサ48、車両の走行速度を検出する車速センサ50、アクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ52、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込みの有無を検出するためのブレーキスイッチ54、自動変速機4で選択されているシフトレンジを検出するレンジ位置センサ56、及び自動変速機4で選択されている変速段を検出する変速段センサ58などの各種センサ類が電気的に接続されている。
一方、ECU46の出力側には、演算した制御量に基づいて制御が行われる各気筒のインジェクタ14、吸気制御弁22、EGR弁32及び排気絞り弁36などの各種デバイス類が電気的に接続されている。
例えばECU46は、エンジン2の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ14からの燃料供給制御を行う。エンジン2の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ48によって検出されたエンジン2の回転数とアクセル開度センサ52によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ14の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ14が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン2の運転に必要な燃料量が供給される。
例えばECU46は、エンジン2の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ14からの燃料供給制御を行う。エンジン2の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ48によって検出されたエンジン2の回転数とアクセル開度センサ52によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ14の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ14が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン2の運転に必要な燃料量が供給される。
またECU46は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ42を強制再生して機能回復させるための制御も行う。フィルタ42に捕集されて堆積しているパティキュレートは、前述したように酸化触媒40によって生成されフィルタ42に流入するNO2を酸化剤とした連続再生により酸化除去される。しかしながら、エンジン2のアイドル運転時などのように、排気温度が低い運転状態が長時間続いた場合などでは、このような連続再生だけでは堆積したパティキュレートが十分に酸化除去されない場合がある。そして、このような状態が継続すると、フィルタ42内にパティキュレートが過剰に堆積することによってフィルタ42が目詰まりを起こすおそれがある。
そこでECU46は、フィルタ42におけるパティキュレートの堆積状況に応じ、フィルタ42を強制的に再生するための強制再生処理を自動的に実行する。即ち、フィルタ42におけるパティキュレートの堆積量が、予め設定された再生開始判定値に達すると、強制再生処理を実行可能な運転状態として予め設定された再生実行運転状態で車両が走行しているときに、ECU46が強制再生処理を自動的に実行する。なお、再生実行運転状態とは、例えば回転数センサ48によって検出されたエンジン2の回転数が所定回転数領域にあると共に、エンジン2の負荷が所定負荷領域にあり、車速センサ50によって検出された車両の走行速度が所定車速以上である運転状態である。
ECU46は強制再生処理を開始すると、まず酸化触媒40が活性化しているか否かを判定する。酸化触媒40が活性化していない場合には、吸気制御弁22や排気絞り弁36の閉方向への制御と共に、各気筒の膨張行程においてインジェクタ14から第1の追加燃料噴射を行って、酸化触媒40を活性化温度まで昇温する。
酸化触媒40が既に活性化している場合、或いはこのような昇温によって酸化触媒40が活性化すると、ECU46はフィルタ42に流入する排気の温度を、パティキュレートが燃焼可能な再生温度(例えば600℃)に維持するように、インジェクタ14から第2の追加燃料を排気行程で各気筒に噴射させる。このような噴射タイミングで第2の追加燃料が各気筒に噴射されることにより、第2の追加燃料は気筒内や排気マニホールド28内で燃焼することなく酸化触媒40に達し、第2の追加燃料のHCが酸化触媒40で酸化される。フィルタ42に流入する排気の温度は、このHCの酸化によりパティキュレートが燃焼可能な再生温度まで上昇し、フィルタ42に堆積しているパティキュレートが燃焼してフィルタ42から除去される。
酸化触媒40が既に活性化している場合、或いはこのような昇温によって酸化触媒40が活性化すると、ECU46はフィルタ42に流入する排気の温度を、パティキュレートが燃焼可能な再生温度(例えば600℃)に維持するように、インジェクタ14から第2の追加燃料を排気行程で各気筒に噴射させる。このような噴射タイミングで第2の追加燃料が各気筒に噴射されることにより、第2の追加燃料は気筒内や排気マニホールド28内で燃焼することなく酸化触媒40に達し、第2の追加燃料のHCが酸化触媒40で酸化される。フィルタ42に流入する排気の温度は、このHCの酸化によりパティキュレートが燃焼可能な再生温度まで上昇し、フィルタ42に堆積しているパティキュレートが燃焼してフィルタ42から除去される。
こうして強制再生処理が実行されることにより、フィルタ42に堆積したパティキュレートが焼却され、フィルタ42におけるパティキュレートの堆積量が予め設定された再生完了判定値以下となると、ECU46は強制再生処理を終了する。
このような強制再生処理は、上述したように車両が所定の再生実行運転状態で走行しているときに自動的に行われるが、アイドル運転時間の頻度が比較的高いなど、車両の運転形態によっては、パティキュレートが燃焼可能な排気の温度に維持できない場合があり、このような場合には強制再生処理の完了までに長時間を要するおそれがある。
このような強制再生処理は、上述したように車両が所定の再生実行運転状態で走行しているときに自動的に行われるが、アイドル運転時間の頻度が比較的高いなど、車両の運転形態によっては、パティキュレートが燃焼可能な排気の温度に維持できない場合があり、このような場合には強制再生処理の完了までに長時間を要するおそれがある。
強制再生処理の実行中に車両が停止状態となった場合、エンジン2はアイドル運転状態となる。このとき、エンジン2の回転数が通常のアイドル回転数であると、エンジン2の排気温度が低すぎて、フィルタ42の強制再生処理を効率的に行うことができない。そこで、フィルタ42の強制再生処理を実行する場合、ECU46はエンジン2のアイドル回転数を上昇させるためのアイドルアップ制御を行う。
以下では、ECU46が行うアイドルアップ制御について詳細に説明する。図3は、アイドルアップ制御の制御ブロック図であるが、図3に示されるように、ECU46はアイドルアップ制御で用いられる目標回転数を演算して設定する目標回転数演算部(目標回転数設定手段)60と、強制再生処理を行う際に、エンジン2のアイドル回転数が、目標回転数演算部60によって設定された目標回転数となるようにエンジン2の各気筒への燃料供給量を制御する回転数制御部(回転数制御手段)62と、強制再生処理を行う再生制御部64とを有する。
回転数制御部62には、アクセル開度センサ52、ブレーキスイッチ54及び回転数センサ48からの各信号が入力され、回転数制御部62の制御信号が各気筒のインジェクタ14に送られるようになっている。また、目標回転数演算部60には、レンジ位置センサ56、変速段センサ58及び車速センサ50の各信号が入力されるようになっている。なお、図3はアイドルアップ制御の制御ブロック図であるので、再生制御部64とECU46外部との間の信号の入出力については省略している。
強制再生処理が開始されると回転数制御部62は、再生制御部64から強制再生処理を実行中である旨の情報を受け取る。回転数制御部62は、このような情報を受け取ると、回転数センサ48によって検出されたエンジンのアイドル回転数が、目標回転数演算部60によって設定された目標回転数となるように、各インジェクタ14からエンジン2の各気筒に供給される燃料の供給量を制御する。
目標回転数演算部60は、自動変速機4で選択されているシフトレンジに応じ、目標回転数を切り換えて設定する。即ち、シフトレンジがDレンジとなっている場合にはDレンジ用回転数(走行レンジ用回転数)を目標回転数とする一方、シフトレンジがNレンジとなっている場合にはNレンジ用回転数(ニュートラルレンジ用回転数)を目標回転数とする。
ここで、シフトレンジがDレンジとなっている場合、エンジン2から伝達される駆動力によって生じる自動変速機4のクリープトルクが左右の駆動輪10に伝達されるため、例えば交差点での信号待ちの場合などのように、車両を停止状態に保持する必要がある場合は、車両の乗員がブレーキペダルを踏み込む必要がある。このためDレンジ用回転数は、標準的な踏力である所定の基準踏力でブレーキペダルを踏み込んだときに、車両を停止状態に保持可能なクリープトルクの上限である上限クリープトルクが自動変速機4に生じるようなエンジン2のアイドル回転数となるように設定される。
一方、シフトレンジがNレンジとなっている場合、エンジン2から左右の駆動輪10への駆動力の伝達は遮断されているため、自動変速機4のクリープトルクが左右の駆動輪10に伝達されることはない。従って、Dレンジ用回転数のように自動変速機4のクリープトルクを考慮した制限を受けることはないので、Nレンジ用回転数については、フィルタ42の強制再生処理を実行する上で最適となるエンジン2のアイドル回転数となるように設定することができる。
このように、目標回転数演算部60によって設定される目標回転数は、自動変速機4で選択されているシフトレンジに対応してそれぞれ設定されるが、いずれの場合においても強制再生処理を行わない場合の通常のアイドル回転数よりも高いエンジン回転数となるように設定される。従って、再生制御部64が強制再生処理を実行している間は、エンジン2のアイドル回転数の上昇によってエンジン2の排気温度が上昇し、効率よく確実にフィルタ32の強制再生処理が行われる。
上述したように、Dレンジ用回転数は、標準的な踏力でブレーキペダルを踏み込んだときに、車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクが自動変速機4に生じるようなエンジン2のアイドル回転数となるように設定される。
ここで、自動変速機4に発生するクリープトルクは、デファレンシャル装置6や駆動輪10を介して路面に伝達されるため、同じクリープトルクが自動変速機4に発生しても、これらデファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって、駆動輪10から路面に伝達される駆動力は相違する。即ち、同じ駆動力が駆動輪から路面に伝達されるような自動変速機4のクリープトルクは、デファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって異なるものとなる。
ここで、自動変速機4に発生するクリープトルクは、デファレンシャル装置6や駆動輪10を介して路面に伝達されるため、同じクリープトルクが自動変速機4に発生しても、これらデファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって、駆動輪10から路面に伝達される駆動力は相違する。即ち、同じ駆動力が駆動輪から路面に伝達されるような自動変速機4のクリープトルクは、デファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって異なるものとなる。
従って、標準的な基準踏力をブレーキペダルに加えた場合に、車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクも、デファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって異ったものとなる。この結果、ブレーキペダルに基準踏力を加えたときに車両を停止状態に保持可能なエンジン2のアイドル回転数の上限は、デファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性の相違によって異なるものとなる。
このような状況に対応するため、デファレンシャル装置6或いは駆動輪10の特性が異なる車両ごとに、予め実験などを行って最適なDレンジ用回転数を求めておくことも考えられるが、このようにした場合には実験などを多く実施しなければならず、非常に手間がかかる。
そこで本実施形態では、目標回転数演算部60がDレンジ用回転数演算制御を実行することにより、Dレンジ用回転数を演算して設定するようにしている。図4は、Dレンジ用回転数演算制御のフローチャートである。本実施形態において目標回転数演算部60は、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとして車両の発進が行われるたびに、図4に示されるフローチャートに従いDレンジ用回転数演算制御を実行する。
そこで本実施形態では、目標回転数演算部60がDレンジ用回転数演算制御を実行することにより、Dレンジ用回転数を演算して設定するようにしている。図4は、Dレンジ用回転数演算制御のフローチャートである。本実施形態において目標回転数演算部60は、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとして車両の発進が行われるたびに、図4に示されるフローチャートに従いDレンジ用回転数演算制御を実行する。
目標回転数演算部60はDレンジ用回転数演算制御を開始すると、ステップS1でDレンジ用回転数の演算に必要な情報を各センサやメモリから取り込む。次に目標回転数演算部60は、デファレンシャル装置6に組み込まれた最終減速機の最終減速比Ifと、駆動輪10のタイヤ径rとの比(所定パラメータ)If/rをステップS2で演算する。
ここで、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとして走行しているときの車両の走行速度Vとエンジン回転数Neとの間の関係には、自動変速機2と路面との間に介在するデファレンシャル装置6の最終減速比Ifと駆動輪10のタイヤ径rとが反映され、走行速度Vとエンジン回転数Neとの関係は、自動変速機4で選択されている変速段の変速比をImとした場合、下式(1)によって表される。
ここで、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとして走行しているときの車両の走行速度Vとエンジン回転数Neとの間の関係には、自動変速機2と路面との間に介在するデファレンシャル装置6の最終減速比Ifと駆動輪10のタイヤ径rとが反映され、走行速度Vとエンジン回転数Neとの関係は、自動変速機4で選択されている変速段の変速比をImとした場合、下式(1)によって表される。
Ne={1000/(120・π)}・(Im・If/r)・V ・・・ (1)
上記式(1)を変形することにより、最終減速比Ifとタイヤ径rとの比If/rは、下記式(2)によって表される。
If/r={120・π/(1000・Im)}・(Ne/V) ・・・ (2)
目標回転数演算部60は、上記式(2)に基づき、回転数センサ48によって検出されたエンジン回転数Neと、車速センサ50によって検出された車両の走行速度Vとを用いて最終減速比Ifとタイヤ径rとの比If/rを求める。
上記式(1)を変形することにより、最終減速比Ifとタイヤ径rとの比If/rは、下記式(2)によって表される。
If/r={120・π/(1000・Im)}・(Ne/V) ・・・ (2)
目標回転数演算部60は、上記式(2)に基づき、回転数センサ48によって検出されたエンジン回転数Neと、車速センサ50によって検出された車両の走行速度Vとを用いて最終減速比Ifとタイヤ径rとの比If/rを求める。
次に、ステップS3において目標回転数演算部60は、このようにして求めた比If/rを用い、ブレーキペダルに加えることが可能な標準的な踏力として予め設定された基準踏力Aでブレーキペダルを踏み込んだときに、車両を停止状態に保持可能な自動変速機4の上限クリープトルクTmを求める。
ここで、基準踏力Aでブレーキペダルを踏み込んだときに、車両を停止状態に保持している場合、基準踏力Aと上限クリープトルクTmとの間には、下記式(3)が成立する。
ここで、基準踏力Aでブレーキペダルを踏み込んだときに、車両を停止状態に保持している場合、基準踏力Aと上限クリープトルクTmとの間には、下記式(3)が成立する。
Tm・Im・(If/r)=α・A+C ・・・ (3)
なお、上記式(3)中の係数α及び定数Cは、予め実験などによって求められるものであるが、車両に装備されたブレーキ機構の仕様などによって定まるものであり、最終減速比If及びタイヤ径rにより影響を受けるものではない。また、変速比Imは、車両停止中に自動変速機4のシフトレンジをDレンジとした場合に選択される変速段の変速比であるので、本実施形態においては、上記式(1)で用いられた車両発進時の変速段の変速比と同じとなっている。
なお、上記式(3)中の係数α及び定数Cは、予め実験などによって求められるものであるが、車両に装備されたブレーキ機構の仕様などによって定まるものであり、最終減速比If及びタイヤ径rにより影響を受けるものではない。また、変速比Imは、車両停止中に自動変速機4のシフトレンジをDレンジとした場合に選択される変速段の変速比であるので、本実施形態においては、上記式(1)で用いられた車両発進時の変速段の変速比と同じとなっている。
上記式(3)を変形することにより、ブレーキペダルへの踏力を基準踏力Aとしたときの、上限クリープトルクTmは下記式(4)によって表される。
Tm=(α・A+C)/{Im・(If/r)} ・・・ (4)
目標回転数演算部60は上記式(4)に基づき、ステップS2で求めた比If/rと、自動変速機4で選択されている変速段の変速比Imとを用い、上限クリープトルクTmを求める。
Tm=(α・A+C)/{Im・(If/r)} ・・・ (4)
目標回転数演算部60は上記式(4)に基づき、ステップS2で求めた比If/rと、自動変速機4で選択されている変速段の変速比Imとを用い、上限クリープトルクTmを求める。
比If/rは最終減速比Ifとタイヤ径rとのいずれか一方のみが変化した場合にも変化するので、最終減速比If及びタイヤ径rの少なくとも一方が相違する場合に、その相違に対応して上限クリープトルクTmを精度よく求めることができる。また、同じクリープトルクでも、車両を停止状態に保持するためには、最終減速比Ifが増大するほど、またタイヤ径rが減少するほど、ブレーキペダルへの踏力は大きな値を要することになる。従って、上述のように最終減速比Ifとタイヤ径rとの比If/rを用いて上限クリープトルクTmを求めることにより、シフトレンジをDレンジとした状態でブレーキペダルに基準踏力Aを加えた場合に車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクTmを、デファレンシャル装置6及び駆動輪10の特性に合わせ、的確に求めることが可能となる。
このようにして、最終減速比If及びタイヤ径rの相違を反映して上限クリープトルクTmを求めることにより、デファレンシャル装置6の最終減速比If及び駆動輪10のタイヤ径rが相違する車両であっても、これらに影響を受けることのない係数α及び定数Cを予め把握しておけば、基準踏力Aをブレーキペダルに加えた場合に車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクTmを精度良く的確に求めることができる。
また、本実施形態では車両の発進のたびに上述のようにして上限クリープトルクTmを求めるので、タイヤ空気圧の変化や経年変化により駆動輪10のタイヤ径に変化が生じたとしても、精度よく上限クリープトルクTmを求めることができる。
目標回転数演算部60は、処理をステップS4に進めると、ステップS3で上述のようにして求めた上限クリープトルクTmが得られるエンジン回転数Naを求める。自動変速機4のクリープトルクはエンジン回転数の上昇と共に増大し、両者の関係は自動変速機4の仕様によって定まる。図5は、このようなエンジン回転数とクリープトルクとの関係の一例を示すグラフであり、目標回転数演算部60は、予め求められたエンジン回転数とクリープトルクとの間のこのような関係に従って作成されたクリープトルクマップを記憶している。従って目標回転数演算部60は、このクリープトルクマップを用い、ステップS3で求められた上限クリープトルクTmに対応するエンジン回転数Naを求める。
目標回転数演算部60は、処理をステップS4に進めると、ステップS3で上述のようにして求めた上限クリープトルクTmが得られるエンジン回転数Naを求める。自動変速機4のクリープトルクはエンジン回転数の上昇と共に増大し、両者の関係は自動変速機4の仕様によって定まる。図5は、このようなエンジン回転数とクリープトルクとの関係の一例を示すグラフであり、目標回転数演算部60は、予め求められたエンジン回転数とクリープトルクとの間のこのような関係に従って作成されたクリープトルクマップを記憶している。従って目標回転数演算部60は、このクリープトルクマップを用い、ステップS3で求められた上限クリープトルクTmに対応するエンジン回転数Naを求める。
上述したように、デファレンシャル装置6の最終減速比If及び駆動輪10のタイヤ径rが相違する車両であっても、上限クリープトルクTmを精度良く求めることができるので、このようなクリープトルクマップを用いることにより、この上限クリープトルクTmを得るためのエンジン回転数Naも同様に精度良く求めることができる。また、本実施形態では車両の発進のたびに上述のようにして上限クリープトルクTmに対応したエンジン回転数Naを求めるので、タイヤ空気圧の変化や経年変化により駆動輪10のタイヤ径に変化が生じたとしても、精度よくエンジン回転数Naを求めることができる。
次に、目標回転数演算部60はステップS5において、予め設定されているNレンジ用回転数Nnと、ステップS4で求められたDレンジ用回転数Naとを比較し、Nレンジ用回転数Nnの方がDレンジ用回転数Naより大きいときには処理をステップS6に進める一方、Nレンジ用回転数NnがDレンジ用回転数Na以下であるときには処理をステップS7に進める。
ステップS6に処理を進めた場合、目標回転数演算部60はステップS4で求められたエンジン回転数NaをDレンジ用回転数Ndとし、次のステップS8で、このDレンジ用回転数Ndを記憶してDレンジ用回転数演算制御を終了する。なお、前回実行したDレンジ用回転数演算制御により、Dレンジ用回転数Ndが記憶されている場合は、既に記憶されているDレンジ用回転数Ndを、今回求められたDレンジ用回転数Ndに更新する。
前述したようにNレンジ用回転数Nnは、フィルタ42の強制再生処理を実行する上で最適となるエンジン2のアイドル回転数である。しかしながら、このようにステップS5からステップS6に処理を進めた場合、Nレンジ用回転数Nnの方がステップS4で求められたエンジン回転数Naより大きいため、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしているときにアイドルアップ制御によってエンジン2のアイドル回転数をNレンジ用回転数Nnまで上昇させてしまうと、自動変速機4のクリープトルクが上限クリープトルクTmを上回り、ブレーキペダルの踏み込みによって車両を停止状態に維持することができなくなる。そこで、この場合にはステップS4で求められたエンジン回転数NaをDレンジ用回転数Ndとする。
自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしているときに、アイドルアップ制御を実行する際の目標回転数を、このようにして設定されたDレンジ用回転数Ndとすることにより、自動変速機4のクリープトルクは上限クリープトルクTmとなるので、標準的な踏力である基準踏力Aでブレーキペダルを踏み込むことで車両を確実に停止状態に保持することができる。
また、基準踏力Aでブレーキペダルを踏み込むことで車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクTmが自動変速機4に発生するDレンジ用回転数Ndまでエンジン2のアイドル回転数が上昇されるので、フィルタ42の強制再生処理を可能な限り効率的に行うことが可能となる。
一方、ステップS5からステップS7に処理を進めた場合、目標回転数演算部60はNレンジ用回転数NnをDレンジ用回転数Ndとし、次のステップS8において、このDレンジ用回転数Ndを記憶してDレンジ用回転数演算制御を終了する。なお、この場合も、前回実行したDレンジ用回転数演算制御により、Dレンジ用回転数Ndが記憶されている場合は、既に記憶されているDレンジ用回転数Ndを、今回求められたDレンジ用回転数Ndに更新する。
一方、ステップS5からステップS7に処理を進めた場合、目標回転数演算部60はNレンジ用回転数NnをDレンジ用回転数Ndとし、次のステップS8において、このDレンジ用回転数Ndを記憶してDレンジ用回転数演算制御を終了する。なお、この場合も、前回実行したDレンジ用回転数演算制御により、Dレンジ用回転数Ndが記憶されている場合は、既に記憶されているDレンジ用回転数Ndを、今回求められたDレンジ用回転数Ndに更新する。
この場合、Nレンジ用回転数Nnがエンジン回転数Na以下となっているため、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしているときに、基準踏力をブレーキペダルに加えて車両を停止状態に保持しながら、アイドルアップ制御によりNレンジ用回転数Nn以上のエンジン回転数Naまでエンジン2のアイドル回転数を上昇させることが可能となる。しかし、前述したようにNレンジ用回転数Nnは、フィルタ42の強制再生処理を実行する上で最適となるエンジン2のアイドル回転数に基づき設定されているので、このようなNレンジ用回転数Nnを超えてエンジン2のアイドル回転数を上昇させると、必要以上にエンジン回転数を上昇させることになり、かえって強制再生処理に支障をきたしたり、燃費が悪化したりするなどの問題が生じるおそれがある。
そこで、Nレンジ用回転数Nnがエンジン回転数Na以下である場合には、Nレンジ用回転数NnをDレンジ用回転数Ndとして用いる。これにより、アイドルアップ制御でエンジン2のアイドル回転数はエンジン回転数Na以下のNレンジ用回転数Nnまで上昇されることになり、フィルタ42の強制再生処理を最適なエンジン2のアイドル回転数のもとで効率よく実行することが可能となると共に、必要以上にエンジン2のアイドル回転数を上昇させずにすむ。従って、フィルタ42の強制再生処理に要する時間を短縮することが可能となり、排気温度上昇のための追加燃料の消費量を低減すると共に、無駄なエンジン回転数の上昇に伴う燃費の悪化を防止することができる。
目標回転数演算部60は、レンジ位置センサ56によって検出された選択中のシフトレンジがDレンジとなっている場合には、このようにしてDレンジ用回転数演算制御を実行することにより記憶したDレンジ用回転数Ndを目標回転数として回転数制御部62に送出する。一方、レンジ位置センサ56によって検出された選択中のシフトレンジがNレンジとなっている場合には、予め記憶しているNレンジ用回転数Nnを目標回転数として回転数制御部62に送出する。
回転数制御部62は、再生制御部64から強制再生処理を実行中である旨の情報を受け取ると、回転数センサ48によって検出されたエンジン2のアイドル回転数が、目標回転数演算部60によって設定された目標回転数となるように、各インジェクタ14からエンジン2の各気筒に供給される燃料の供給量を制御する。
自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、以上のようにしてDレンジ用回転数演算制御で求められたDレンジ用回転数を目標回転数とし、アイドルアップ制御によってエンジン2のアイドル回転数を上昇させることにより、デファレンシャル装置6の最終減速比If及び駆動輪10のタイヤ径rの少なくとも一方が相違する車両ごとに予め実験などにより求めて記憶する必要がなくなる。この結果、車両の開発や実験に要する時間を短縮することが可能となる。
自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、以上のようにしてDレンジ用回転数演算制御で求められたDレンジ用回転数を目標回転数とし、アイドルアップ制御によってエンジン2のアイドル回転数を上昇させることにより、デファレンシャル装置6の最終減速比If及び駆動輪10のタイヤ径rの少なくとも一方が相違する車両ごとに予め実験などにより求めて記憶する必要がなくなる。この結果、車両の開発や実験に要する時間を短縮することが可能となる。
また、自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしてパティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、最終減速比If及びタイヤ径rの少なくとも一方が相違する車両のいずれにおいても、ブレーキペダルに基準踏力Aを加えたときに車両を停止状態に保持可能な上限クリープトルクTmが得られる回転数である走行レンジ用回転数Ndまでエンジン2のアイドル回転数を上昇させることが可能であるので、できるだけエンジン2のアイドル回転数を上昇させて排気温度を上昇させ、フィルタ42の強制再生処理を効率的に行うことが可能となる。この結果、フィルタ42の強制再生処理に要する時間を短縮することができると共に、排気温度上昇のための追加燃料の消費量を低減し、燃費を向上させることができる。
以上で、本発明の一実施形態に係るエンジン制御装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではDレンジ用回転数演算制御を車両の発進時ごとに行うようにしたが、Dレンジ用回転数演算制御の実施時期はこれに限定されるものではなく、定期点検時ごとなど所定期間ごとに実施してもよいし、1回限り実行するようにしてもよい。但し、1回限り実施する場合には、駆動輪10の空気圧変化や経年変化に対応することはできなくなる。
また、上記実施形態では、Dレンジ用回転数演算制御を車両発進時に実行することにより、式(2)に用いる変速比Imと、式(4)に用いる変速比Imとが同じ変速比となるようにした。しかし、それぞれ式に用いる変速比Imは、必ずしも同じものである必要はなく、式(4)に用いる変速比Imが、車両停止時に自動変速機4のシフトレンジをDレンジとしたときに選択される変速段の変速比でなければならない一方、式(2)で用いる変速比Imは、式(2)で用いられる車速V及びエンジン回転数Neが検出されたときに自動変速機4で選択されている変速段の変速比Imを用いればよい。
また、上記実施形態では、Dレンジが本発明の走行レンジに対応したが、Dレンジ以外にも、前進用シフトレンジを備えている場合には、これを本発明における走行レンジとしてもよい。また、後退用のリバースレンジを本発明における走行レンジとしてもよい。
また、上記実施形態では、アクセルペダルの踏み込みの有無を判定する際に、アクセル開度センサ52を用いたが、アクセルペダルの踏み込みの有無に応じてオン・オフするアクセルペダルスイッチをこれに代えて用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、アクセルペダルの踏み込みの有無を判定する際に、アクセル開度センサ52を用いたが、アクセルペダルの踏み込みの有無に応じてオン・オフするアクセルペダルスイッチをこれに代えて用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン2を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジン2の気筒数及び形式についてはこれに限定されるものではなく、様々なエンジンを用いることが可能である。
2 エンジン
4 自動変速機
6 デファレンシャル装置
10 駆動輪
42 パティキュレートフィルタ
60 目標回転数演算部(目標回転数設定手段)
62 回転数制御部(回転数制御手段)
4 自動変速機
6 デファレンシャル装置
10 駆動輪
42 パティキュレートフィルタ
60 目標回転数演算部(目標回転数設定手段)
62 回転数制御部(回転数制御手段)
Claims (6)
- 車両に搭載されたエンジンと、
上記エンジンが排出する排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、
上記車両に搭載され、シフトレンジが走行レンジとなっているときには上記エンジンの駆動力を上記車両の駆動輪に伝達する一方、シフトレンジがニュートラルレンジとなっているときには上記駆動輪への上記エンジンの駆動力の伝達を遮断する自動変速機と、
上記自動変速機のシフトレンジを走行レンジとして上記車両が走行しているときの上記車両の走行速度と上記エンジンの回転数とに基づき、上記シフトレンジを走行レンジとした状態で上記車両のブレーキペダルに予め設定された基準踏力を加えた場合に、上記車両を停止状態に保持可能な上記エンジンの回転数を走行レンジ用回転数として求め、上記自動変速機のシフトレンジが走行レンジとなっているときには、上記走行レンジ用回転数を目標回転数として設定する目標回転数設定手段と、
上記パティキュレートフィルタの強制再生を行う際に、上記エンジンのアイドル回転数が、上記目標回転数設定手段によって設定された目標回転数となるように、上記エンジンを制御する回転数制御手段と
を備えたことを特徴とするエンジン制御装置。 - 上記目標回転数設定手段は、上記自動変速機のシフトレンジがニュートラルレンジとなっているときには、予め設定されたニュートラルレンジ用回転数を上記目標回転数として設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 上記目標回転数設定手段は、上記シフトレンジが走行レンジとなっている場合に、上記走行レンジ用回転数が上記ニュートラルレンジ用回転数より低いと、上記走行レンジ用回転数を上記目標回転数に設定する一方、上記走行レンジ用回転数が上記ニュートラルレンジ用回転数以上であると、上記ニュートラルレンジ用回転数を上記目標回転数に設定することを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御装置。
- 上記目標回転数設定手段は、上記シフトレンジを走行レンジとして上記車両が走行しているときの上記車両の走行速度と上記エンジンの回転数とに基づき、上記自動変速機と上記駆動輪との間の最終減速比、及び上記駆動輪のタイヤ径の少なくとも一方によって変化する所定パラメータの値を求め、求められた上記所定パラメータの値を用いて上記走行レンジ用回転数を求めることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 上記目標回転数設定手段は、上記所定パラメータの値を用い、上記シフトレンジを走行レンジとした状態で上記車両のブレーキペダルに上記基準踏力を加えた場合に、上記車両を停止状態に保持可能な上記自動変速機のクリープトルクを求め、求められたクリープトルクが得られる上記エンジンの回転数を上記走行レンジ用回転数として求めることを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。
- 上記所定パラメータは、上記最終減速比と上記タイヤ径との比であることを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008247969A JP2010077919A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | エンジン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010077919A true JP2010077919A (ja) | 2010-04-08 |
Family
ID=42208625
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008247969A Withdrawn JP2010077919A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | エンジン制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2010077919A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008247969A patent/JP2010077919A/ja not_active Withdrawn
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