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JP2010077028A - 齲蝕予防のための食品及び口腔ケア剤組成物 - Google Patents

齲蝕予防のための食品及び口腔ケア剤組成物 Download PDF

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JP2010077028A JP2008243568A JP2008243568A JP2010077028A JP 2010077028 A JP2010077028 A JP 2010077028A JP 2008243568 A JP2008243568 A JP 2008243568A JP 2008243568 A JP2008243568 A JP 2008243568A JP 2010077028 A JP2010077028 A JP 2010077028A
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Akira Yano
明 矢野
Yasuo Yoshida
康夫 吉田
Hirohisa Kato
裕久 加藤
Hiroko Nakagawa
裕子 中川
Akika Kikuchi
明香 菊地
Yuichi Sakamoto
裕一 坂本
Toshiji Sato
利次 佐藤
Keiko Nakade
啓子 中出
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Abstract

【課題】より安全かつ安価で、消費者に受け入れられやすく、機能性食品への使用も可能なバイオフィルム形成阻害、バイオフィルム分解成分を提供する。
【解決手段】キノコ類、特にシイタケから、歯垢生成阻害、及び分解を促すことで齲蝕予防を促進する成分を含む水溶液を抽出し、その水溶性抽出液に含まれる成分を有効成分とする齲蝕予防用組成物、洗口剤、歯磨剤等の口腔ケア剤、及び齲蝕予防用食品とする。また、本発明はシイタケ等α‐グルカンを細胞壁に有するキノコ子実体のタンパク質抽出液で、好ましくは0.4M以上の塩を含んだバッファーによって破砕抽出した成分を含む。子実体のみならず、菌糸体培養物からの水溶性抽出成分、あるいはキノコの菌床栽培にて菌床中に蓄積する水溶液を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、齲蝕の原因となる歯垢生成阻害及び分解を促すことで、齲蝕予防を促進する成分に関し、さらに、キノコ類、特にシイタケの水溶性抽出液に含まれる歯垢、齲蝕原性口腔バイオフィルムの形成阻害能、及び分解能をもつ成分を、齲蝕予防用食品、洗口剤、歯磨剤等の有効成分として有する食品、及び口腔ケア剤に関する。
齲蝕予防には、デンタルプラーク、齲蝕原性バイオフィルム等と呼ばれる歯垢の除去や形成阻害が必要である。齲蝕の原因となる歯垢は、ミュータンス連鎖球菌が砂糖を基質として合成するα‐1,3‐1,6‐グルカンを多量に含む、強固なバイオフィルムであることが知られている(非特許文献1)。
一方、シイタケ等のキノコ類は免疫活性化能を持つなど、一般に全身の健康維持増進に有効であることが知られ、様々な健康食品が作られている(特許文献1)。特に、免疫賦活成分である、シイタケβ‐グルカンを主成分とした健康食品はヒトにおける臨床試験での安全性も確認されている。
しかしながら、キノコの口腔保健への効果については情報が少なく、齲蝕予防においての研究例に関してはほとんど見あたらない。ところが、キノコ類は多種多用なグルカン分解酵素を持つことが分かってきており(特許文献2)、その細胞壁、特にシイタケには、大量のα‐1,3‐グルカンが多量に含まれることも、報告されている(非特許文献2)。したがって、シイタケを代表とする、α‐グルカンを細胞壁成分に含むキノコ類はα‐グルカンの合成や分解、伸長調整等に関与するタンパク質等の機能性成分を有することが予想される。
現在、歯垢の除去や形成阻害を目的として、デキストラナーゼ(α‐1,6‐グルカナーゼ)が実用化され、歯磨剤等に配合されている(特許文献3及び4)。しかし、デキストラナーゼ単独では歯垢の除去や形成阻害効果は限定的であることも知られており、α‐1,3‐グルカナーゼ(ムタナーゼ)等の開発研究が継続して行われている(特許文献5〜7)。
これまでの報告や研究は主としてバチルス属やペニシリウム属といった土壌細菌や糸状菌が生産するデキストラナーゼ及びムタナーゼに限定されていた。デキストラナーゼやムタナーゼの由来となる微生物は我々が食経験を持たない生物種であり、それらの生産にはAspergillus oryzaeやBacillus subtillisなどの組換え微生物が想定されている。消費者に受け入れられやすいとはいえないものであり、より安全かつ安価で、さらには機能性食品への使用も可能なバイオフィルム形成阻害、バイオフィルム分解成分の開発が求められていた。
Kuramitsu and Ellen (2000) Oral Bacterial Ecology. P226-228. Horizon scientific press. 松田和雄 編著(1987)多糖の分離・精製法 p50-51. 学会出版センター 国際公開02/087603号パンフレット 特開2007−312618号公報 特許第3351035号公報 特許第3496279号公報 特表2000−505649号公報 特開平8−308558号公報 特開2006−136284号公報 特開2005−341882号報
本発明は、上記問題に鑑み、より安全かつ安価で、消費者に受け入れられやすく、機能性食品への使用も可能なバイオフィルム形成阻害、バイオフィルム分解成分を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、キノコ類、特にシイタケの水溶性抽出液に含まれる成分を有効利用した齲蝕予防用組成物、及び、食品、洗口剤及び歯磨剤等の有効成分とすることによって、より安全かつ安価で消費者に受け入れやすい機能性食品及び口腔ケア剤等を提供することを目的とする。
シイタケ等の食用キノコ類は世界各地で長い食経験を有し、健康機能性を認知されてきた有用食品であり、細胞壁中にβ‐グルカンやα‐グルカンを有することが知られている。従って、α‐グルカンの合成や分解、伸長促進など、様々な調整成分を有することが予想される。しかし、キノコのα‐グルカンには、β‐グルカンのような顕著な健康機能が見いだされなかった経緯から、α‐グルカンに関連する研究はほとんど行われていないのが現状であった。発明者は、α‐グルカンを主要な構成成分とする歯垢の除去や形成阻害にキノコの有するα‐グルカン関連成分を利用すべく鋭意研究した結果、齲蝕原性バイオフィルムの形成阻害、分解能を有するシイタケの水溶性抽出液の開発に成功した。
すなわち、本発明はキノコ類、特にシイタケから、歯垢生成阻害、及び分解を促すことで齲蝕予防を促進する成分を含む水溶液を抽出し、その水溶性抽出液に含まれる成分を有効成分とする齲蝕予防用組成物、洗口剤、歯磨剤等の口腔ケア剤、及び齲蝕予防用食品を提供するものであり、具体的には次の技術を基礎とする。
(1) キノコ由来の水溶性抽出成分を有効成分とする齲蝕予防用組成物。
(2) 水溶性抽出成分が歯垢形成抑制及び分解活性を有するものであることを特徴とする(1)記載の齲蝕予防用組成物。
(3) キノコ由来の水溶性抽出成分がシイタケ由来のものであることを特徴とする(2)記載の齲蝕予防用組成物。
(4) キノコ由来の水溶性抽出成分がシイタケ菌床培養廃液中に含まれる成分であることを特徴とする(3)記載の齲蝕予防用組成物。
(5) キノコ由来の水溶性抽出成分がスクロース依存的なバイオフィルム形成を阻害する活性を有するタンパク質を含むことを特徴とする(1)記載の齲蝕予防用組成物。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする食品。
(7) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする口腔ケア剤。
(8) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする家畜用飼料。
本発明はシイタケ等α‐グルカンを細胞壁に有するキノコ子実体のタンパク質抽出液で、好ましくは0.4M以上の塩を含んだバッファーによって破砕抽出した成分を含む。
また、子実体のみならず、菌糸体培養物からの水溶性抽出成分、あるいはキノコの菌床栽培にて菌床中に蓄積する水溶液を含む。
また、α‐グルカンを細胞壁に有することが知られる他の微生物、例えば麹菌等の糸状菌、酵母等のタンパク質抽出液にも、一定のバイオフィルム抑制、分解効果が期待できる。
本発明により、多彩な健康機能を持つキノコ、好ましくはシイタケを齲蝕予防に活用することが可能となった。シイタケ抽出液は簡便に調整でき、グルカナーゼ等の活性成分を高度に精製すること無くバイオフィルムの形成阻害効果のある齲蝕予防用組成物を得ることができる。
また、加工食品中にシイタケ抽出成分を添加することで、口腔バイオフィルムへ作用する新規の機能性食品を得ることができる。
各種キノコから水溶性の有効成分を抽出し、齲蝕予防用組成物を得る。効果の確認は、齲蝕病原細菌であるS. mutans, S. sobrinusが形成するスクロース依存的バイオフィルム、すなわち歯垢の実験モデルを分解、あるいは形成阻害することを確認することによって行う。
<キノコ成分の抽出について>
キノコは生でも乾燥したものでもよく、カッター等で切り刻んだものや各種のミルで粉状に粉砕したものでも良い。各種キノコからの水溶性成分抽出は、一般的なタンパク質抽出に用いられる方法、例えば標準的なナトリウムリン酸緩衝液(PBS)を用い、好ましくは0.4M以上の食塩を加えたPBSを用いる。また、キノコの重量に対し2倍容量以上の緩衝液を使用すること、及び抽出を4℃程度の低温で行うことが望ましい。キノコに緩衝液を加えた後、ブレンダー(ワーリング社ブレンダー等)やホモジナイザー(KINEMATICA社ポリトロン等)など標準的な装置を用いて破砕する。破砕後、冷却遠心機で遠心を行って細胞残渣を沈殿させ、上清の水溶性画分を回収し、ポアサイズ0.45μm以下のフィルター(ミリポア社マイレクス‐HVフィルターユニット等)で滅菌を行い、実験に用いる。
<バイオフィルムの形成>
歯垢モデルである、スクロース依存的バイオフィルムの形成は、S. mutans, S. sobrinusを0.5%のスクロースを加えたBrain Heart Infusion(BHI)培地中でアネロパック・ケンキ(三菱ガス化学株式会社)等を用いて、組織培養用96穴プレート(コーニング社、住友ベークライト社など)中に嫌気的に培養することによって行う。
<バイオフィルム分解効果及び形成阻害効果の定量>
バイオフィルムの分解効果は、バイオフィルム形成後、プレートをPBS等の緩衝液で洗浄して浮遊する菌を除き、乾燥させたバイオフィルムに対し、キノコ抽出成分を緩衝液と共に加え、37℃でインキュベートすることで行う。その後、バイオフィルム量を定量することによって、バイオフィルム形成阻害効果、バイオフィルム分解効果を定量することが出来る。
<バイオフィルムの定量>
バイオフィルムの定量は、1%クリスタルバイオレット水溶液等の色素溶液でバイオフィルムを染色し、PBS等の水溶性バッファーを用いて余分な色素を洗い流した後、メタノールでバイオフィルムを染色した色素を溶出させ、メタノール中の色素量を、吸光度(OD595)を測定することによって行う。
以上の方法を用いることで、キノコ抽出成分に含まれるバイオフィルム分解、及びバイオフィルム形成阻害効果を定量できる。
<キノコ抽出成分を含む歯磨剤、及び口腔洗浄液>
齲蝕予防のために様々な成分が開発され、歯磨剤や洗口液中に配合されており、バイオフィルムの分解や形成抑制を目的として、デキストラナーゼを配合した商品も販売されている。
本発明のシイタケ抽出液等に含まれる成分を配合して歯磨剤及び口腔洗浄液を得る。
デキストラナーゼとの相乗効果が認められることから、デキストラナーゼを含む歯磨剤や洗口液中にキノコ由来成分を配合することで、よりいっそうのバイオフィルム形成抑制及び分解効果が発揮される。このとき、安定剤や、殺菌成分、抗炎症成分、フッ化ナトリウム等の成分を適宜加えてもよい。
<キノコ抽出成分をふくむ食品>
本発明のキノコ抽出成分をガムなどの食品中に配合することで、バイオフィルム形成阻害効果のある食品を製造することができる。シイタケ抽出液5%、あるいは凍結乾燥粉末1%をチューインガムに配合することによってバイオフィルム形成阻害効果を付加し、齲蝕予防を推進する。好ましくは、精製デキストラナーゼ0.5%と共に配合することで、強力なバイオフィルム抑制が実現可能である。また、キシリトールなど、既知の齲蝕予防成分と併用することで、相乗的な齲蝕予防効果を期待できる。
また、食後に食べること、あるいは間食を行うことで齲蝕抑制効果が期待できる食品として、シイタケの風味を生かした菓子類も製造できる。
<シイタケ菌床培養廃液由来成分を含む、齲蝕抑制機能を持つ家畜飼料>
シイタケの菌床栽培、特に菌床を覆う袋の上面のみを開封して培養する上面栽培においては、定期的に菌床に含まれる水を交換することにより、菌糸、及び子実体の品質を維持できることが知られている。このときに排出される水は廃棄されてしまうが、この廃液中にもバイオフィルム分解活性、形成抑制活性が含まれることを見いだしている。この廃液(特許文献8)は、JAS法に基づいた生産法を採用するシイタケ生産工場では、食べて有害な成分を含むことは考えにくいが、ヒトに用いることは困難である。そこで、5,000 ×g 連続遠心分離を行い不溶性の高分子成分を除き、UV照射等による滅菌行程を経て限外濾過により10倍に濃縮した菌床廃液を、家畜の飼料に配合することで、家畜の齲蝕予防効果のある飼料を作製する。タンパク質成分を大きく変成させない、より経済的あるいは、効果的な前処理方法があれば、そちらを採用してもよい。濃縮液を牛や豚など、歯を有する家畜の飼料に1%混合することによって、家畜の齲蝕予防が可能である。また、犬や猫、ハムスターなどの愛玩動物用に、齲蝕抑制効果の高いペットフードを作製することが可能である。また、バイオフィルムが制御されることによって、ペットの口腔細菌が正常化し、口臭等の予防効果も期待できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜4]
市販の食用キノコよりエリンギ(株式会社 雪国まいたけ)、シメジ(株式会社 雪国まいたけ)、ナメコ(JA岩手)、シイタケ(株式会社 北研H600株:菌床から採取後5日以上経過し褐色に変色した物を使用)から、水溶性抽出成分を得、各キノコについて、バイオフィルム形成阻害活性、及びバイオフィルム分解活性を調べた。
各キノコ子実体をはさみで5mm角程度の大きさに裁断したのち、2倍量(v/w)の1xPBS/0.5M NaClバッファーを加え、モーターホモジナイザー(IKA社T25ウルトラスタックス)を用いて、氷上で冷却しながら破砕した。6,000×g5分の遠心を行い上清を回収し、フィルター滅菌した。これを水溶性抽出液として、以下の実験に用いた。抽出液のタンパク質濃度はエリンギ2.9 mg/ml、 シメジ1.3 mg/ml、 ナメコ1.2 mg/ml、シイタケ0.6 mg/mlであった。これらの抽出液を各20μgのタンパク質相当量を用いてバイオフィルム形成阻害、及びバイオフィルム分解実験を行った。
バイオフィルム形成にはS.mutansXC株、S.sobrinusATCC33478株に加え、非水溶性のα‐1,3‐グルカンのみを生成するS.mutansUA130△gtfC/gtfD/ftf株(Δgtf株)を用いた。BHI培地で1日培養した培養液20μlをCorning社の細胞培養用96穴プレートの各ウェルにいれ、さらに180μlの0.5%スクロース入りBHIを加え、アネロパック・ケンキを用いて、37℃20時間培養することでプレートのウェルの底にバイオフィルムを形成させた。このとき、各抽出液20μgタンパク質相当のキノコ抽出液を加え、バイオフィルム形成阻害効果を検討した。ネガティブコントロールとして、BSA(牛血清アルブミン)を用いた。
また、形成済みのバイオフィルムにキノコ抽出液20μgタンパク質相当分と100μl PBSを加え、37℃で12時間インキュベートして、バイオフィルム分解活性を測定した。さらに各キノコ抽出液にα‐1,6‐グルカンを分解することが知られているデキストラナーゼ(Novozyme社Chaetomium erraticum由来)を各ウェルに0.1μlづつ加え、同様にバイオフィルム分解活性を測定した。
バイオフィルム量は、培養液を吸引し、PBS又はTBS(中性トリス緩衝液)バッファーで3回洗浄した。65〜70℃の乾燥器中で乾燥後、1% クリスタルバイオレット水溶液100μlを各ウェルに添加し15分間バイオフィルムを染色した。染色後、余分な色素をPBS又はTBSで洗い流し、再び乾燥器中で乾燥させた。200μlの100%メタノールでバイオフィルムから色素を溶出し、溶出液中の色素量を、OD595を測定することで定量し、バイオフィルム量の指標とした。BSA存在下で形成されるバイオフィルムから得られたOD595値を1としたときの相対吸光度で示す。
表1にバイオフィルム形成阻害活性及び分解活性についての試験結果を表1に、バイオフィルム分解活性についての試験結果を表2〜4に示す。
表1によれば、バイオフィルムの形成阻害効果は、シイタケ抽出液ではS.mutans,S.sobrius, Δgtf株すべてにおいて確認できた。Δgtf株については、エリンギ、ナメコでも非常に強い形成阻害効果が見られた。
バイオフィルム分解活性は、表2〜4に示すように、S.mutansのバイオフィルム分解効果がナメコ、シイタケとデキストラナーゼを併用したときに分解活性が見られ、S.sobrinusのバイオフィルム分解活性はシイタケ単独、あるいはシメジ、ナメコ、シイタケとデキストラナーゼを併用したときに分解活性が見られた。また、Δgtf株が生成したバイオフィルムについては、すべての抽出液中に分解活性が確認できた。
[実施例5]
<シイタケ抽出液によるミュータンス連鎖球菌のスクロース依存的バイオフィルム形成の阻害>
レンチヌラ・エドデス(H600)株の子実体を菌床から収穫し、すぐに−80℃にて凍結保存した新鮮なサンプル、及び湿度約80%、25℃の環境下で5日から6日間保存し、自己溶解が始まった老化サンプルを用いた。各々のサンプルは2倍量(v/w)のPBSに0.5Mの食塩が添加された抽出バッファーを用いて、モーターホモジナイザー(IKA社 ウルトラスタックス)にて粉砕、又は凍結乾燥後、乳鉢で粉末にした後に湿重量の2倍量(v/w)のバッファーを加えモーターホモジナイザーを用いて氷上で破砕した。遠心後、上清を回収し、ポアサイズ0.45mmのフィルターで滅菌したものを以下の実験に用いた。シイタケ菌床より回収した廃液を濃縮した溶液についても、PBSで1μg/μl程度のタンパク質量に調製し、遠心、フィルター滅菌後、実験を行った。
齲蝕の原因菌として知られるS.mutans,S.sobrinus, 及びα‐1,6‐グルカン合成遺伝子であるgtfC, gtfDを破壊しα‐1,3‐グルカンのみを菌体外多糖として生産するS.mutans 破壊株ΔgtfをBHI(Difco)を培地として37℃24時間、アネロパック・ケンキ(三菱化学)を用いて静止培養を行い定常期に達した培養液20μl、0.5%スクロース入りBHI培地を加え200μlとし、タンパク質25μgを含むシイタケ抽出液(8〜30μl)あるいは0.1%BSA溶液(25μl)と共に細胞培養用96 穴プレート (Corning)の各ウェルに入れ、37℃24時間アネロパック・ケンキにてバイオフィルム形成を行った。
また、各サンプルに、0.1μlのデキストラナーゼ(Novozyme社)を加え、バイオフィルム形成の阻害効果を調べた。コントロールとして、バイオフィルム形成能が非常に弱いS.gordonniを用いた。培養後、バイオフィルムを壊さないよう静かに培養液を吸引し、各バイオフィルムをPBS又はTBSで3回洗浄した。65〜70℃の乾燥器中で乾燥後、1%クリスタルバイオレット水溶液100μlをウェルに添加し15分間バイオフィルムを染色した。染色後、余分な色素を洗い流し、再び乾燥器で乾燥させた。0.2mlの100%メタノールでバイオフィルムから色素を溶出し、溶出液中の色素量を、OD595を測定することで定量し、バイオフィルム量の指標とした(バイオフィルム形成阻害活性)。
BSA存在下で形成されるバイオフィルムから得られたOD595値を1としたときの相対吸光度を表5に示す。
表5に示す結果より、S.mutans,S.sobrinus及びS.mutansΔgtf株において、シイタケ抽出液にバイオフィルム形成阻害効果があることが分かった。また、デキストラナーゼの併用により、バイオフィルム形成阻害効果が増強されることが分かった。
[実施例6]
<ミュータンス連鎖球菌がスクロース存在下で生成した非水溶性グルカンのシイタケ抽出液による分解>
S.mutans,S.sobrinus,S.mutansΔgtfを5%スクロース入りBHI培地2Lを用いて、37℃4日間マグネティックスターラーを用いて静かに撹拌しながら培養したのち、遠心して菌体とグルカンからなる沈殿を回収した。沈殿を蒸留水で洗浄後、1N 水酸化ナトリウム溶液によりアルカリ可溶性グルカンのみを溶解させ、遠心によってアルカリ不溶性の菌体成分を除いた。グルカン溶液を酢酸によって中和し、非水溶性グルカンを析出させ遠心で回収後、蒸留水で洗浄、再びアルカリで溶解し、中和して回収、洗浄する作業を数回繰り返した。残存タンパク質が吸光度による測定で検出できなくなるまで操作を行い、得られた沈殿物を凍結乾燥し、0.3M水酸化ナトリウムにて水溶液にして実験に用いた。
実施例4、実施例5で用いたシイタケ抽出液等各100μgに100μlの0.3M酢酸ナトリウムpH5.2とグルカン溶液(S.mutansグルカン5mg又はS.sobrinusグルカン8mg又はΔgtfグルカン0.5mg)をマイクロチューブに入れ、蒸留水で反応液を1mlに調整した後、37℃で撹拌しながら一晩(12時間)反応させた。このとき、S.mutans,S.sobrinusの生成するグルカンはα‐1,3結合とα‐1,6結合が混じり合ったグルカンであるのに対し、Δgtf株が生成するグルカンはグルカン合成酵素gtfBによって合成されたα‐1,3‐グルカンのみで構成されていると考えられる。反応後、卓上遠心機を用いて14,000rpm 2minx2回の遠心を行い、非水溶性グルカンを完全に沈殿させ、上清を回収し、フェノール硫酸法にて、上清中に可溶化された糖の量を測定し、非水溶性αグルカンを可溶化するグルカナーゼ活性とした(表6)。
その結果、表6のように、S.sobrinus由来のグルカンを基質としたときに、グルカンの分解活性が見られ、α‐1,3グルカンを基質としたときにも若干の活性が確認できた。また、サンプルを10分間煮沸すると、グルカナーゼ活性、バイオフィルム形成阻害活性が失われること、40%硫安沈殿画分、あるいは80%硫安沈殿画分にも、グルカナーゼ活性、バイオフィルム形成阻害活性が見られたことから、シイタケ抽出液中のタンパク質が、バイオフィルム制御因子であると考えられる。
[実施例7]
<キノコ抽出成分を含む歯磨剤>
リン酸水素カルシウム35%、ソルビトール20%、プロピレングリコール5%、カルボキシルメチルセルロース2%、ポリエチレングリコール1%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油1%、香料1%、ラウリル硫酸ナトリウム1%、精製デキストラナーゼ0.25%、シイタケ抽出成分凍結乾燥粉末1%に水を加え100%とし、これらを混合し歯磨剤を調整した。安定剤や、殺菌成分、フッ化ナトリウム等成分を必要に応じて適宜加える。
[実施例8]
<キノコ抽出成分を含むガム>
ガムベース25%、キシリトール25%、マルトース21%、コーンシロップ20%、トレハロース5%、軟化剤1%、香料0.5%、ローズマリー抽出物1%、シイタケ抽出液粉末1%、デキストラナーゼ0.5%という組成をニーダーで混合し、圧延機や成形機を用いて成形し、1個当り3gの板状の無糖、及び2gの糖衣ガムを得た。
[実施例9]
<キノコ抽出成分を含む菓子>
ブドウ糖果糖液20%、トレハロース5%、梅エキス(又は梅酒)5%を水63.75%に粉末寒天0.75%を加えて混合し70℃まで加熱し、寒天を完全に溶かす。寒天が50℃以下に冷えた状態でかつ固化しないうちにフィルター滅菌済みのシイタケ抽出液5%、デキストラナーゼ0.5%を混合して冷却することで、和風味の寒天菓子が得られた。寒天は、冷蔵保存することで食品衛生上問題のない保存期間においては齲蝕予防効果が維持される。
[実施例10]
<シイタケ菌床培養廃液由来成分を含む、齲蝕抑制機能を持つ家畜飼料>
以下により、ハムスター等のげっ歯類用の合成餌を製造した。
カゼイン20%、コーンスターチ30%、デキストリン2.5%、マルトース30%、セルロース5%、大豆オイル2.5%、ラード2.0%、AIN‐93G ミネラル混合物 3.5%, AIN‐93ビタミン混合物1%(AIN:American Institute of Nutrition(米国国立栄養研究所)によって作られた標準飼料)、デキストラナーゼ0.5%、菌床廃液3%、以上を混合し、成形機によってペレットに加工したものを齲蝕予防用の飼料とした。
本発明により、多彩な健康機能を持つキノコ、好ましくはシイタケを齲蝕予防に活用することが可能になる。シイタケ抽出液は簡便に調整可能で、グルカナーゼ活性成分を高度に精製すること無くバイオフィルムの形成阻害効果が期待できる。シイタケ抽出成分は他のデキストラナーゼ等との併用によって、さらに齲蝕予防効果を高めることが可能である。
また、加工食品中にシイタケ抽出成分を添加することで、口腔バイオフィルムへ作用する新規の機能性食品の開発も可能になる。
さらに、シイタケ由来の新規遺伝子を用いることで、遺伝子工学的なバイオフィルム制御タンパク質の生産を行うことも可能である。組換え技術への消費者の抵抗感がなくなれば、レタスなどの可食性の植物等に本発明のタンパク質や既知のデキストラナーゼを発現させることで、齲蝕予防レタスなどの開発も可能である。






Claims (8)

  1. キノコ由来の水溶性抽出成分を有効成分とする齲蝕予防用組成物。
  2. 水溶性抽出成分が歯垢形成抑制及び分解活性を有するものであることを特徴とする請求項1記載の齲蝕予防用組成物。
  3. キノコ由来の水溶性抽出成分がシイタケ由来のものであることを特徴とする請求項2記載の齲蝕予防用組成物。
  4. キノコ由来の水溶性抽出成分がシイタケ菌床培養廃液中に含まれる成分であることを特徴とする請求項3記載の齲蝕予防用組成物。
  5. キノコ由来の水溶性抽出成分がスクロース依存的なバイオフィルム形成を阻害する活性を有するタンパク質を含むことを特徴とする請求項1記載の齲蝕予防用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする食品。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする口腔ケア剤。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の齲蝕予防用組成物を有効成分として含むことを特徴とする家畜用飼料。
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