前記問題点に鑑み、本発明は、トレンチの底面の開口を介してライフタイムキラーとしてのPtまたはAuがトレンチの底面の下方に拡散せしめられない場合よりも、N−型エピタキシャル層に注入されるキャリアとしての正孔の注入量を制限すると共に、N型ショットキー接合界面にPtまたはAuが到達してしまうおそれを低減することができるJBSの製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、トレンチの底面の真下付近のガードリング部、P型層およびN−型エピタキシャル層のキャリアのライフタイムよりも、トレンチの側面の側方のガードリング部、P型層およびN−型エピタキシャル層のキャリアのライフタイムを長くすることができるJBSの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、N+型半導体基板(1)上にエピタキシャル成長させたN−型エピタキシャル層(2)を形成し、次いで、
N−型エピタキシャル層(2)上に形成された酸化膜(3)に複数の開口(3a)を形成し、次いで、
それらの複数の開口(3a)を介してN−型エピタキシャル層(2)に、概略鉛直方向に広がっている側面(2a1)と概略水平方向に広がっている底面(2a2)とを有する複数のトレンチ(2a)を形成し、次いで、
それらの複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)および底面(2a2)を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層(2)中に導入して拡散させることにより、ガードリング部(4)と、ガードリング部(4)よりも半導体チップの中心側に位置するP型層(5)とを形成し、次いで、
複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)上および底面(2a2)上に酸化膜(3)を形成し、次いで、
半導体チップの外周部のN−型エピタキシャル層(2)の表面にN+型チャンネルストッパー(6)を形成し、次いで、
N+型チャンネルストッパー(6)の表面上に酸化膜(3)を形成し、次いで、
酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)を形成し、次いで、
半導体チップの表面全体にPtまたはAu(7)を蒸着し、次いで、
蒸着されたPtまたはAu(7)の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン(8)を堆積させることにより、複数のトレンチ(2a)の内部にポリシリコン(8)を充填し、次いで、
複数のトレンチ(2a)の内部以外のポリシリコン(8)およびPtまたはAu(7)を除去し、次いで、
複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)を複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散させ、次いで、
半導体チップの表面を覆っている酸化膜(3)のうち、ガードリング部(4)よりも半導体チップの中心側に位置する部分に開口(3c)を形成すると共に、N+型チャンネルストッパー(6)の表面上に位置する部分に開口(3d)を形成し、次いで、
酸化膜(3)の開口(3c)を介してバリアメタル(9)を形成し、次いで、
バリアメタル(9)上にアノード電極メタル(10)を形成すると共に、酸化膜(3)の開口(3d)を介してEQR電極メタル(11)を形成し、次いで、
N+型半導体基板(1)の裏面にカソード電極メタル(13)を形成し、
それにより、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによってショットキー接合界面が形成され、P型層(5)とN−型エピタキシャル層(2)とによってPN接合界面が形成されることを特徴とするJBSの製造方法が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)を形成した後であって、
半導体チップの表面全体にPtまたはAu(7)を蒸着する前に、
複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して高濃度のP型不純物をガードリング部(4)およびP型層(5)中に導入して拡散させることにより、ガードリング部(4)およびP型層(5)よりも高濃度のP+型層(14)を形成することを特徴とする請求項1に記載のJBSの製造方法が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、複数のトレンチ(2a)の内部以外のポリシリコン(8)およびPtまたはAu(7)を除去した後であって、
複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)を複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散させる前に、
複数のトレンチ(2a)の内部のポリシリコン(8)に砒素またはリンのイオン注入を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のJBSの製造方法が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)を形成した後であって、
半導体チップの表面全体にPtまたはAu(7)を蒸着する前に、
複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して高濃度のP型不純物をガードリング部(4)およびP型層(5)中に導入し、アニールを行うことなく拡散させることにより、ガードリング部(4)およびP型層(5)よりも高濃度のP+型層(14)を形成することを特徴とする請求項2又は3に記載のJBSの製造方法が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、活性領域(A1)中のN−型エピタキシャル層(2)の表面を線状に構成し、
活性領域(A1)中のN−型エピタキシャル層(2)の表面の長手方向寸法を、活性領域(A1)に収まる最長の長さに設定し、
複数の線状のN−型エピタキシャル層(2)の表面をストライプ状に配列することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のJBSの製造方法が提供される。
請求項1に記載のJBSの製造方法では、N+型半導体基板(1)上にエピタキシャル成長させたN−型エピタキシャル層(2)が形成される。次いで、N−型エピタキシャル層(2)上に形成された酸化膜(3)に複数の開口(3a)が形成される。次いで、それらの複数の開口(3a)を介してN−型エピタキシャル層(2)に、概略鉛直方向に広がっている側面(2a1)と概略水平方向に広がっている底面(2a2)とを有する複数のトレンチ(2a)が形成される。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、次いで、それらの複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)および底面(2a2)を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層(2)中に導入して拡散させることにより、ガードリング部(4)と、ガードリング部(4)よりも半導体チップの中心側に位置するP型層(5)とが形成される。次いで、複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)上および底面(2a2)上に酸化膜(3)が形成される。次いで、半導体チップの外周部のN−型エピタキシャル層(2)の表面にN+型チャンネルストッパー(6)が形成される。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法では、次いで、N+型チャンネルストッパー(6)の表面上に酸化膜(3)が形成される。次いで、酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)が形成される。次いで、半導体チップの表面全体にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu(7)が蒸着される。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、次いで、蒸着されたPtまたはAu(7)の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン(8)を堆積させることにより、複数のトレンチ(2a)の内部にポリシリコン(8)が充填される。次いで、複数のトレンチ(2a)の内部以外のポリシリコン(8)およびPtまたはAu(7)が除去される。次いで、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のライフタイムキラーとしてのPtまたはAu(7)が、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散せしめられる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法では、次いで、半導体チップの表面を覆っている酸化膜(3)のうち、ガードリング部(4)よりも半導体チップの中心側に位置する部分に開口(3c)が形成されると共に、N+型チャンネルストッパー(6)の表面上に位置する部分に開口(3d)が形成される。次いで、酸化膜(3)の開口(3c)を介してバリアメタル(9)が形成される。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、次いで、バリアメタル(9)上にアノード電極メタル(10)が形成されると共に、酸化膜(3)の開口(3d)を介してEQR電極メタル(11)が形成される。次いで、N+型半導体基板(1)の裏面にカソード電極メタル(13)が形成される。
つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合と、P型層(5)とN−型エピタキシャル層(2)とによるPN接合とが並存している。
換言すれば、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、トレンチ構造が採用されている。そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSによれば、トレンチ構造が採用されていない場合よりも半導体チップの水平方向寸法を小型化することができる。
酸化膜(3)中のPtまたはAu(7)の拡散速度がN−型エピタキシャル層(2)中のPtまたはAu(7)の拡散速度よりも遅い点に鑑み、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介してガードリング部(4)、P型層(5)およびN−型エピタキシャル層(2)にPtまたはAu(7)が拡散される。そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)の真下付近のガードリング部(4)、P型層(5)およびN−型エピタキシャル層(2)にPtまたはAu(7)を局所的に拡散させることができる。つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)に隣接する酸化膜(3)の側方のガードリング部(4)、P型層(5)およびN−型エピタキシャル層(2)のキャリアのライフタイムを長いままに維持することができる。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介してその真下のガードリング部(4)およびP型層(5)にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu(7)が導入されている。つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)の真下のガードリング部(4)およびP型層(5)において、キャリアとしての正孔のライフタイムが短くなっている。そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)、および、その真下のガードリング部(4)およびP型層(5)を介してN−型エピタキシャル層(2)に注入されるキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)上に酸化膜(3)が残されている状態で、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が拡散せしめられる。つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)に隣接する酸化膜(3)、および、その側方のガードリング部(4)およびP型層(5)を介してN−型エピタキシャル層(2)にキャリアとしての正孔が注入されることはない。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、トレンチ(2a)の側面(2a1)に沿って形成されたP型層(5)とその上側のバリアメタル(9)との界面は、P型ショットキー接合界面を構成している。つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、順方向バイアス時に、トレンチ(2a)の側面(2a1)に沿って形成されたP型層(5)とその上側のバリアメタル(9)とのP型ショットキー接合界面が、逆向きに接続されたP型ショットキーバリアダイオードとして機能する。そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSによれば、バリアメタル(9)およびトレンチ(2a)の側面(2a1)に沿って形成されたP型層(5)を介してN−型エピタキシャル層(2)に注入されるキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSによれば、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)からライフタイムキラーとしてのPtまたはAu(7)が導入されていない場合や、複数のトレンチ(2a)の側面(2a1)に酸化膜(3)が形成されていない場合や、トレンチ(2a)の側面(2a1)に沿って形成されたP型層(5)とバリアメタル(9)とによってP型ショットキー接合界面が構成されていない場合よりも、N−型エピタキシャル層(2)へのキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)がPtまたはAu(7)の拡散源に設定されている。つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法では、PtまたはAu(7)の拡散源が、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面よりも深い位置に設定されている。
そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)の拡散源と、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面とが同一の高さに設定されている場合よりも、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面にPtまたはAu(7)が到達してしまうおそれを低減することができる。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散せしめられる前に、複数のトレンチ(2a)の内部以外のPtまたはAu(7)が予め除去される。
そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)の拡散工程の前に複数のトレンチ(2a)の内部以外のPtまたはAu(7)が予め除去されない場合よりも、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)以外の経路を介してPtまたはAu(7)がN−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面に到達してしまうおそれを低減することができる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)の拡散工程の前に複数のトレンチ(2a)の内部以外のPtまたはAu(7)が予め除去されない場合よりも、ガードリング部(4)とN+型チャンネルストッパー(6)との間の酸化膜(3)がPtまたはAu(7)によって汚染されるのに伴って、JBSの耐圧維持構造が低下してしまうおそれを低減することができる。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、蒸着されたPtまたはAu(7)の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン(8)を堆積させることにより、複数のトレンチ(2a)の内部にポリシリコン(8)が充填され、その後、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散せしめられる。
つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法では、PtまたはAu(7)が蒸着されてからPtまたはAu(7)の拡散工程が実施されるまでの間、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が、ポリシリコン(8)によって封じ込められている。
そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)が蒸着されてからPtまたはAu(7)の拡散工程が実施されるまでの間に複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)がポリシリコン(8)によって封じ込められていない場合よりも、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が飛散するのに伴って、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)以外の経路を介してPtまたはAu(7)がN−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面に到達してしまうおそれを低減することができる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)が蒸着されてからPtまたはAu(7)の拡散工程が実施されるまでの間に複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)がポリシリコン(8)によって封じ込められていない場合よりも、ガードリング部(4)とN+型チャンネルストッパー(6)との間の酸化膜(3)がPtまたはAu(7)によって汚染されるのに伴って、JBSの耐圧維持構造が低下してしまうおそれを低減することができる。
更に、請求項1に記載のJBSの製造方法では、半導体チップの表面全体にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu(7)が蒸着され、次いで、蒸着されたPtまたはAu(7)の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン(8)が堆積せしめられ、次いで、複数のトレンチ(2a)の内部以外のポリシリコン(8)およびPtまたはAu(7)が除去されることにより、PtまたはAu(7)が複数のトレンチ(2a)の内部のみに局所的に配置される。
つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法では、PtまたはAu(7)を局所的に配置するためのマスクを特別に用意する必要なく、PtまたはAu(7)が複数のトレンチ(2a)の内部のみに局所的に配置される。
そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、PtまたはAu(7)を局所的に配置するためのマスクが特別に用意される場合よりも、JBSの製造コストを抑制することができる。
また、請求項1に記載のJBSの製造方法では、N−型エピタキシャル層(2)に形成されたトレンチ(2a)の底面(2a2)を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層(2)中に導入して拡散させることにより、P型層(5)が形成される。
そのため、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、N−型エピタキシャル層(2)の表面を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層(2)中に導入して拡散させることによってP型層(5)が形成される場合よりも、P型層(5)とN−型エピタキシャル層(2)とによるPN接合界面を深い位置に形成することができる。
つまり、請求項1に記載のJBSの製造方法によれば、N−型エピタキシャル層(2)の表面を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層(2)中に導入して拡散させることによってP型層(5)が形成される場合よりも、P型層(5)とN−型エピタキシャル層(2)とによるPN接合界面とN−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面とを上下方向に離間させることができ、それにより、N−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面が受ける悪影響を低減することができる。
請求項2に記載のJBSの製造方法では、酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)が形成された後であって、半導体チップの表面全体にPtまたはAu(7)が蒸着される前に、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して高濃度のP型不純物をガードリング部(4)およびP型層(5)中に導入して拡散させることにより、ガードリング部(4)およびP型層(5)よりも高濃度のP+型層(14)が形成される。
そのため、請求項2に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、ガードリング部(4)のうち、トレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に、高濃度のP+型層(14)が形成されている。また、請求項2に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSでは、P型層(5)のうち、トレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に、高濃度のP+型層(14)が形成されている。
その結果、請求項2に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSによれば、ガードリング部(4)のうちトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に高濃度のP+型層(14)が形成されていない場合よりも、その部分のオーミックコンタクト性を向上させることができる。また、請求項2に記載のJBSの製造方法により製造されたJBSによれば、P型層(5)のうちトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に高濃度のP+型層(14)が形成されていない場合よりも、その部分のオーミックコンタクト性を向上させることができる。
請求項3に記載のJBSの製造方法では、複数のトレンチ(2a)の内部以外のポリシリコン(8)およびPtまたはAu(7)が除去された後であって、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して、複数のトレンチ(2a)の内部のPtまたはAu(7)が複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の下方に拡散せしめられる前に、複数のトレンチ(2a)の内部のポリシリコン(8)に砒素またはリンのイオン注入が行われる。
そのため、請求項3に記載のJBSの製造方法によれば、複数のトレンチ(2a)の内部のポリシリコン(8)に砒素またはリンのイオン注入が行われない場合よりも、複数のトレンチ(2a)の内部のポリシリコン(8)のシート抵抗(比抵抗)を低減することができる。
請求項4に記載のJBSの製造方法では、酸化膜(3)のうち、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)に隣接する部分に開口(3b)が形成された後であって、半導体チップの表面全体にPtまたはAu(7)が蒸着される前に、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介して高濃度のP型不純物をガードリング部(4)およびP型層(5)中に導入し、アニールを行うことなく拡散させることにより、ガードリング部(4)およびP型層(5)よりも高濃度のP+型層(14)が形成される。
つまり、請求項4に記載のJBSの製造方法では、高濃度のP+型層(14)を形成するために高濃度のP型不純物が注入された後にアニールが行われない。
そのため、請求項4に記載のJBSの製造方法によれば、アニールが行われる場合よりも、高濃度のP+型層(14)を浅い位置に形成することができる。更に、請求項4に記載のJBSの製造方法によれば、アニールが行われる場合よりも製造コストを抑制することができる。また、請求項4に記載のJBSの製造方法によれば、アニールが行われる場合よりも、複数のトレンチ(2a)の底面(2a2)の開口(3b)を介してPtまたはAu(7)の拡散を促進することができる。その結果、請求項4に記載のJBSの製造方法によれば、アニールが行われるよりも、PtまたはAu(7)の拡散温度を低く設定することができ、それにより、PtまたはAu(7)がN−型エピタキシャル層(2)とバリアメタル(9)とによるショットキー接合界面に与えるおそれがある悪影響を低減することができる。
請求項5に記載のJBSの製造方法では、活性領域(A1)中のN−型エピタキシャル層(2)の表面が線状に構成される。詳細には、活性領域(A1)中のN−型エピタキシャル層(2)の表面の長手方向寸法が、活性領域(A1)に収まる最長の長さに設定される。更に、つまり、請求項5に記載のJBSの製造方法では、複数の線状のN−型エピタキシャル層(2)の表面がストライプ状に配列される。
そのため、請求項5に記載のJBSの製造方法によれば、活性領域(A1)のコーナー部分に占めるセルN−型エピタキシャル層(2)の表面の割合を増加させることができる。換言すれば、請求項5に記載のJBSの製造方法によれば、活性領域(A1)のコーナー部分に占めるP型層(5)およびポリシリコン(8)の表面の割合を低減することができる。
以下、本発明のJBSの製造方法により製造されたJBSの第1の実施形態について説明する。図1および図2は第1の実施形態のJBSの製造工程を示した断面図である。
第1の実施形態のJBSの製造時には、まず最初に、図1(A)に示すように、N+型半導体基板1上にエピタキシャル成長させたN−型エピタキシャル層2が形成される。次いで、例えば0.5μm程度の酸化膜3が、N−型エピタキシャル層2の表面全体に形成される。第1の実施形態のJBSでは、N−型エピタキシャル層2として、例えば3.50Ω・cm(1.33×1015/cm3)/15μmの厚さ、あるいは、4.85Ω・cm(9.56×1014/cm3)/15μmの厚さのものが選定されている。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図1(B)に示すように、複数の開口3aが、例えばフォトリソグラフィ技法などによってN−型エピタキシャル層2上の酸化膜3に形成される。次いで、図1(C)に示すように、酸化膜3の複数の開口3aを介してN−型エピタキシャル層2に、概略鉛直方向に広がっている側面2a1と概略水平方向に広がっている底面2a2とを有する複数のトレンチ2aが、例えばリアクティブイオンエッチング法などによって形成される。第1の実施形態のJBSでは、例えば3〜5μm程度の深さのトレンチ2aが形成される。
更に、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図1(C)に示すように、複数のトレンチ2aの側面2a1および底面2a2を介して例えばボロンイオンなどのようなP型不純物をN−型エピタキシャル層2中に導入して拡散させることにより、ガードリング部4と、ガードリング部4よりも半導体チップの中心側(図1(C)の左側)に位置するP型層5とが形成される。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物が、通常通り左右から斜め注入されることに加え、垂直面から追加注入される。また、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物の注入条件が、トレンチ2aの底面2a2において、例えば注入エネルギー:70KeV、ドーズ量:5×1013/cm2に設定されている。更に、例えば1100℃/120分の条件下で例えばボロンイオンなどのようなP型不純物の引き伸ばし拡散が行われる。その結果、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの底面2a2において、表面濃度が例えば4×1017/cm3程度になり、Xjpが例えば2.0μm程度になる。
また、第1の実施形態のJBSでは、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物がトレンチ2aの側面2a1に対して斜めに当たるため、概略、注入ドーズ量×sinθ(θはトレンチ2aの側面2a1に対する例えばボロンイオンなどのようなP型不純物の入射角)に相当する量しか、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物がトレンチ2aの側面2a1に取り込まれない。その結果、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1におけるP型不純物の濃度は、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの底面2a2におけるP型不純物の濃度よりも低くなっている。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図1(C)に示すように、トレンチ2aの側面2a1の上側部分に当たった例えばボロンイオンなどのようなP型不純物の一部が酸化膜3に取り込まれる(偏析する)。また、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物がトレンチ2aの側面2a1の上側部分に注入される時に、トレンチ2aの側面2a1の真上に位置する酸化膜3によって、例えばボロンイオンなどのようなP型不純物の注入が部分的に遮られる。その結果、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1の上側部分におけるP型不純物の濃度は、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1の下側部分におけるP型不純物の濃度よりも低くなっている。また、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1の上側部分の側方に位置するPN接合界面とトレンチ2aの側面2a1との間隔は、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1の下側部分の側方に位置するPN接合界面とトレンチ2aの側面2a1との間隔よりも狭くなっている。
また、第1の実施形態のJBSでは、上述したように、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの底面2a2におけるP型不純物の濃度は、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの側面2a1におけるP型不純物の濃度よりも高くなっている。そのため、第1の実施形態のJBSでは、図1(C)に示すように、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの底面2a2よりも下側に位置するPN接合界面は、ガードリング部4およびP型層5のトレンチ2aの底面2a2よりも上側に位置するPN接合界面よりも側方(図1(C)の右側および左側)に突出している。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図1(D)に示すように、複数のトレンチ2aの側面2a1上および底面2a2上に酸化膜3が形成される。次いで、N+型チャンネルストッパー形成用開口(図示せず)がN−型エピタキシャル層2の表面上の酸化膜3に形成され、次いで、図1(D)に示すように、半導体チップの外周部のN−型エピタキシャル層2の表面にN+型チャンネルストッパー6が形成される。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、例えば砒素イオンなどのようなN型不純物が、酸化膜3のN+型チャンネルストッパー形成用開口(図示せず)を介してN−型エピタキシャル層2に注入(30keV/1×1015ドーズ(1/cm2))される。更に、例えば1050℃/30分の条件下で例えば砒素イオンなどのようなN型不純物の引き伸ばし拡散(アニール)が行われる。その結果、第1の実施形態のJBSでは、N+型チャンネルストッパー6の表面濃度が例えば1×1020/cm3程度になり、XjN+が例えば0.2μm程度になる。
更に、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図1(D)に示すように、N+型チャンネルストッパー6の表面上に酸化膜3が形成される。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、図1(D)に示すように、ガードリング部4がいわゆるガードリング領域に相当しており、ガードリング部4の左隣に位置するトレンチ2aおよびその左側(半導体チップの中心側)がいわゆる活性領域(セル領域)に相当しており、活性領域(セル領域)内のN−型エピタキシャル層2の表面がいわゆるセルに相当しており、ガードリング部4とN+型チャンネルストッパー6との間のN−型エピタキシャル層2の表面がいわゆる耐圧維持領域に相当している。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図1(E)に示すように、酸化膜3のうち、複数のトレンチ2aの底面2a2に隣接する部分に、開口3bが、例えばリアクティブイオンエッチング法などによって形成される。
更に、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu7が、例えばスパッタ、Eガンなどの適宜の方法によって蒸着される。次いで、蒸着されたPtまたはAu7の上からPtまたはAu7を覆うように半導体チップの表面全体にポリシリコン8を堆積させることにより、複数のトレンチ2aの内部にポリシリコン8が充填される。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、酸化膜3の表面で酸化膜3とPtまたはAu7が反応してしまうおそれが低い600〜650℃程度の比較的低温の条件下で、ポリシリコン8が堆積せしめられる。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの内部以外の余分なポリシリコン8およびPtまたはAu7が、例えば半導体チップの表面全体のドライエッチングなどによって除去(エッチバック)される。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、この時に用いられるエッチングガスとして、酸化膜3に対するエッチングレイトが低く、ポリシリコン8に対するエッチングレイトが高いガス種が選択されている。そのため、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの内部以外の余分なポリシリコン8およびPtまたはAu7の除去工程において、酸化膜3は除去されない。
また、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの内部以外の余分なポリシリコン8およびPtまたはAu7の除去工程において、まず最初に、トレンチ2aの外部(酸化膜3の上面よりも図2(A)の上側)の余分なポリシリコン8およびPtまたはAu7が除去される。次いで、トレンチ2aの内部のポリシリコン8およびPtまたはAu7のうち、トレンチ2aの入口付近(図2(B)の上端付近)のメサ部(図2(B)の断面形状が台形状の部分)のポリシリコン8およびPtまたはAu7が除去される。次いで、ポリシリコン8およびPtまたはAu7の除去が更に進み、複数のトレンチ2aの内部のポリシリコン8の断面形状が図2(B)に示すようになる。
また、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示す断面形状を有する半導体チップが王水中のボイル工程に曝され、不必要なPtまたはAu7が完全に除去される。詳細には、耐圧維持領域の酸化膜3に蒸着されたPtまたはAu7が耐圧維持構造に悪影響を及ぼすおそれがあるため、第1の実施形態のJBSでは、耐圧維持領域の酸化膜3に蒸着されたPtまたはAu7が完全に除去される。また、複数のトレンチ2aの側壁2a1上の酸化膜3の上端(メサ部)に蒸着されたPtまたはAu7がショットキー接合界面に悪影響を及ぼすおそれがあるため、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの側壁2a1上の酸化膜3の上端(メサ部)に蒸着されたPtまたはAu7が完全に除去される。
更に、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介して、複数のトレンチ2aの内部のライフタイムキラーとしてのPtまたはAu7が、例えば900〜930℃/20〜30分程度の条件下で、複数のトレンチ2aの底面2a2の下方に拡散せしめられる。図2(B)中の「×」が拡散せしめられたPtまたはAuを示している。
詳細には、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が、複数のトレンチ2aの側面2a1(図1(C)参照)上の酸化膜3によって遮断されている。そのため、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が、トレンチ2aの側面2a1を介して側方に拡散せしめられることはない。つまり、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7の大部分が、N−型エピタキシャル層2の表面から遠ざかる向き(図2(B)の下向き)に拡散せしめられ、N−型エピタキシャル層2の表面に近づく向き(図2(B)の上向き)には、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が殆ど拡散せしめられない。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(C)に示すように、半導体チップの表面を覆っている酸化膜3のうち、ガードリング部4よりも半導体チップの中心側(図2(C)の左側)に位置する部分に開口3cが形成されると共に、N+型チャンネルストッパー6の表面上に位置する部分に開口3dが形成される。詳細には、第1の実施形態のJBSでは、この時、耐圧維持領域の酸化膜3はレジストによって保護される。
更に、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(D)に示すように、酸化膜3の開口3c(図2(C)参照)を介してバリアメタル9が、例えばスパッタ法、蒸着法などによって形成される。次いで、バリアメタル9上にアノード電極メタル10が例えばスパッタ法、蒸着法などによって形成されると共に、酸化膜3の開口3d(図2(C)参照)を介してEQR電極メタル11が形成される。次いで、半導体チップの表面のうち、活性領域以外の部分が最終保護膜12によって覆われる。
また、第1の実施形態のJBSの製造時には、次いで、図2(E)に示すように、N+型半導体基板1の厚さが所望の厚さになるように、N+型半導体基板1の裏面が適宜研削され、ポリッシングされる。次いで、N+型半導体基板1の裏面にカソード電極メタル13が例えばスパッタ法、蒸着法などによって形成される。
つまり、第1の実施形態のJBSでは、図2(E)に示すように、N−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合と、P型層5とN−型エピタキシャル層2とによるPN接合とが並存している。
換言すれば、第1の実施形態のJBSでは、トレンチ構造が採用されている。そのため、第1の実施形態のJBSによれば、トレンチ構造が採用されていない場合よりも半導体チップの水平方向寸法(図2(E)の左右方向寸法)を小型化することができる。
また、酸化膜3中のPtまたはAu7の拡散速度がN−型エピタキシャル層2中のPtまたはAu7の拡散速度よりも遅い点に鑑み、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介してガードリング部4、P型層5およびN−型エピタキシャル層2にPtまたはAu7が拡散される。そのため、第1の実施形態のJBSによれば、複数のトレンチ2aの底面2a2の開口3bの真下付近のガードリング部4、P型層5およびN−型エピタキシャル層2にPtまたはAu7を局所的に拡散させることができる。つまり、第1の実施形態のJBSによれば、複数のトレンチ2aの側面2a1に隣接する酸化膜3の側方のガードリング部4、P型層5およびN−型エピタキシャル層2のキャリアのライフタイムを長いままに維持することができる。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介してその真下のガードリング部4およびP型層5にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu7が導入されている。つまり、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの底面2a2の開口3bの真下のガードリング部4およびP型層5において、キャリアとしての正孔のライフタイムが短くなっている。そのため、第1の実施形態のJBSによれば、複数のトレンチ2aの底面2a2の開口3b、および、その真下のガードリング部4およびP型層5を介してN−型エピタキシャル層2に注入されるキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
また、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの側面2a1(図1(C)参照)上に酸化膜3が残されている状態で、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が拡散せしめられる。つまり、第1の実施形態のJBSでは、複数のトレンチ2aの側面2a1に隣接する酸化膜3、および、その側方のガードリング部4およびP型層5を介してN−型エピタキシャル層2にキャリアとしての正孔が注入されることはない。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図2(E)に示すように、トレンチ2aの側面2a1に沿って形成されたP型層5とその上側のバリアメタル9との界面が、P型ショットキー接合界面を構成している。つまり、第1の実施形態のJBSでは、順方向バイアス時に、トレンチ2aの側面2a1に沿って形成されたP型層5とその上側のバリアメタル9とによるP型ショットキー接合界面が、逆向きに接続されたP型ショットキーバリアダイオードとして機能する。そのため、第1の実施形態のJBSによれば、バリアメタル9およびトレンチ2aの側面2a1に沿って形成されたP型層5を介してN−型エピタキシャル層2に注入されるキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
つまり、第1の実施形態のJBSによれば、複数のトレンチ2aの底面2a2からライフタイムキラーとしてのPtまたはAu7が導入されていない場合や、複数のトレンチ2aの側面2a1に酸化膜3が形成されていない場合や、トレンチ2aの側面2a1に沿って形成されたP型層5とバリアメタル9とによってP型ショットキー接合界面が構成されていない場合よりも、N−型エピタキシャル層2へのキャリアとしての正孔の注入量を制限することができる。
また、第1の実施形態のJBSでは、図2(B)および図2(E)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)がPtまたはAu7の拡散源に設定されている。つまり、第1の実施形態のJBSでは、PtまたはAu7の拡散源が、N−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面よりも深い位置(図2(E)の下側)に設定されている。
そのため、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7の拡散源と、N−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面とが同一の高さに設定されている場合よりも、N−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面にPtまたはAu7が到達してしまうおそれを低減することができる。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図2(A)および図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介して、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が、複数のトレンチ2aの底面2a2の下方に拡散せしめられる前に、複数のトレンチ2aの内部以外のPtまたはAu7が予め除去される。
そのため、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7の拡散工程の前に複数のトレンチ2aの内部以外のPtまたはAu7が予め除去されない場合よりも、複数のトレンチ2aの底面2a2の開口3b以外の経路を介してPtまたはAu7がN−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面に到達してしまうおそれを低減することができる。
また、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7の拡散工程の前に複数のトレンチ2aの内部以外のPtまたはAu7が予め除去されない場合よりも、ガードリング部4とN+型チャンネルストッパー6との間の耐圧維持領域の酸化膜3がPtまたはAu7によって汚染されるのに伴って、JBSの耐圧維持構造が低下してしまうおそれを低減することができる。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図2(A)に示すように、蒸着されたPtまたはAu7の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン8を堆積させることにより、複数のトレンチ2aの内部にポリシリコン8が充填され、その後、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介して、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が、複数のトレンチ2aの底面2a2の下方に拡散せしめられる。
つまり、第1の実施形態のJBSでは、PtまたはAu7が蒸着されてからPtまたはAu7の拡散工程が実施されるまでの間、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が、ポリシリコン8によって封じ込められている。
そのため、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7が蒸着されてからPtまたはAu7の拡散工程が実施されるまでの間に複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7がポリシリコン8によって封じ込められていない場合よりも、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が飛散するのに伴って、複数のトレンチ2aの底面2a2の開口3b以外の経路を介してPtまたはAu7がN−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面に到達してしまうおそれを低減することができる。
また、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7が蒸着されてからPtまたはAu7の拡散工程が実施されるまでの間に複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7がポリシリコン8によって封じ込められていない場合よりも、ガードリング部4とN+型チャンネルストッパー6との間の耐圧維持領域の酸化膜3がPtまたはAu7によって汚染されるのに伴って、JBSの耐圧維持構造が低下してしまうおそれを低減することができる。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にライフタイムキラーとしてのPtまたはAu7が蒸着され、次いで、蒸着されたPtまたはAu7の上から半導体チップの表面全体にポリシリコン8が堆積せしめられ、次いで、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの内部以外のポリシリコン8およびPtまたはAu7が除去されることにより、PtまたはAu7が複数のトレンチ2aの内部のみに局所的に配置される。
つまり、第1の実施形態のJBSでは、PtまたはAu7を局所的に配置するためのマスクを特別に用意する必要なく、PtまたはAu7が複数のトレンチ2aの内部のみに局所的に配置される。
そのため、第1の実施形態のJBSによれば、PtまたはAu7を局所的に配置するためのマスクが特別に用意される場合よりも、JBSの製造コストを抑制することができる。
また、第1の実施形態のJBSでは、図1(C)に示すように、N−型エピタキシャル層2に形成されたトレンチ2aの底面2a2を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層2中に導入して拡散させることにより、P型層5が形成される。
そのため、第1の実施形態のJBSによれば、N−型エピタキシャル層2の表面を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層2中に導入して拡散させることによってP型層5が形成される場合よりも、P型層5とN−型エピタキシャル層2とによるPN接合界面を深い位置(図1(C)の下側)に形成することができる。
つまり、第1の実施形態のJBSによれば、N−型エピタキシャル層2の表面を介してP型不純物をN−型エピタキシャル層2中に導入して拡散させることによってP型層5が形成される場合よりも、P型層5とN−型エピタキシャル層2とによるPN接合界面とN−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面とを上下方向に離間させることができ、それにより、N−型エピタキシャル層2とバリアメタル9とによるショットキー接合界面が受ける悪影響を低減することができる。
図3は第2の実施形態のJBSの製造工程の一部を示した断面図である。
第1の実施形態のJBSでは、図1(E)に示すように、酸化膜3のうち、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に開口3bが形成された後、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にPtまたはAu7が蒸着される。それに対し、第2の実施形態のJBSでは、図1(E)に示すように、酸化膜3のうち、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に開口3bが形成された後であって、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にPtまたはAu7が蒸着される前に、図3に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3bを介して例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物をガードリング部4およびP型層5中に導入して拡散させることにより、ガードリング部4およびP型層5よりも高濃度のP+型層14が形成される。
そのため、第2の実施形態のJBSでは、図3に示すように、ガードリング部4のうち、トレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に、高濃度のP+型層14が形成されている。また、第2の実施形態のJBSでは、図3に示すように、P型層5のうち、トレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に、高濃度のP+型層14が形成されている。
詳細には、第2の実施形態のJBSでは、例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物が、例えば70KeV/6.0×1013ドーズ(1/cm2)の条件下で注入され、例えば1050℃/30分の条件下でアニールが行われる。それにより、第2の実施形態のJBSでは、例えば表面濃度が1.6×1018/cm3で、深さが0.8μm程度の高濃度のP+型層14が形成されている。
その結果、第2の実施形態のJBSによれば、ガードリング部4のうちトレンチ2aの底面2a2に隣接する部分に高濃度のP+型層14が形成されていない場合よりも、その部分のオーミックコンタクト性を向上させることができる。また、第2の実施形態のJBSによれば、P型層5のうちトレンチ2aの底面2a2に隣接する部分に高濃度のP+型層14が形成されていない場合よりも、その部分のオーミックコンタクト性を向上させることができる。
第1の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの内部以外のポリシリコン8およびPtまたはAu7が除去された後、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介して、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が複数のトレンチ2aの底面2a2の下方に拡散せしめられる。それに対し、第3の実施形態のJBSでは、図2(B)に示すように、複数のトレンチ2aの内部以外のポリシリコン8およびPtまたはAu7が除去された後であって、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)を介して、複数のトレンチ2aの内部のPtまたはAu7が複数のトレンチ2aの底面2a2の下方に拡散せしめられる前に、複数のトレンチ2aの内部のポリシリコン8に砒素またはリンのイオン注入が行われる。
そのため、第3の実施形態のJBSによれば、複数のトレンチ2aの内部のポリシリコン8に砒素またはリンのイオン注入が行われない場合よりも、複数のトレンチ2aの内部のポリシリコン8のシート抵抗(比抵抗)を低減することができる。
図4は第1の実施形態のJBSの一部の概略的な平面図である。詳細には、図4は図2(E)に示した第1の実施形態のJBSのN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見た図である。更に詳細には、OX軸を対称に図4に示す図を鏡像複写し、更に、OY軸を対称にそれらを鏡像複写したものが、第1の実施形態のJBSの全体のN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見たものに相当している。
図4において、Oが半導体チップの中心に相当しており、A1が活性領域(セル領域)に相当しており、A2がガードリング領域に相当しており、A3が耐圧維持領域に相当している。また、白ヌキ部分が、N−型エピタキシャル層2の表面に相当している。つまり、白ヌキ部分が半導体チップのセルに相当している。更に、ベタ黒部分が、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面に相当している。
第1の実施形態のJBSでは、図4に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が円形形状に構成されている。また、正三角形の各頂点上に位置するように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が配列されている。その結果、隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間隔がすべて均一になるように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が分散されて配列されている。つまり、第1の実施形態のJBSでは、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)がいわゆる「丸形セル正三角形状配置パターン」に構成・配列されている。
更に、第1の実施形態のJBSでは、図4に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、ガードリング領域A2にはみ出さないように配列されている。そのため、活性領域(セル領域)A1の外周部分のうち、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が収まりきらない部分は、P型層5およびポリシリコン8によって構成されている(ベタ黒部分になっている)。
図5は第4の実施形態のJBSの一部の概略的な平面図である。詳細には、OX軸を対称に図5に示す図を鏡像複写し、更に、OY軸を対称にそれらを鏡像複写したものが、第4の実施形態のJBSの全体のN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見たものに相当している。
第4の実施形態のJBSでは、図5に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が長方形形状に構成されている。詳細には、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の奥行き方向(図5の上下方向)寸法が、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の左右方向(図5の左右方向)寸法の例えば約2.7倍に設定されている。更に、左右方向(図5の左右方向)に隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間の隙間(ベタ黒部分)の左右方向(図5の左右方向)寸法が、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の左右方向(図5の左右方向)寸法の例えば約0.7倍に設定されている。また、奥行き方向(図5の上下方向)に隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間の隙間の奥行き方向(図5の上下方向)寸法が、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の左右方向(図5の左右方向)寸法の例えば約0.9倍に設定されている。更に、奥行き方向(図5の上下方向)に隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、互いに左右方向(図5の左右方向)にオフセットして配列されており、その結果、長方形形状の各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が千鳥状に分散されて配列されている。つまり、第4の実施形態のJBSでは、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)がいわゆる「長方形セル千鳥状配置パターン」に構成・配列されている。
更に、第4の実施形態のJBSでは、図5に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、ガードリング領域A2にはみ出さないように配列されている。そのため、活性領域(セル領域)A1の外周部分のうち、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が収まりきらない部分は、P型層5およびポリシリコン8によって構成されている(ベタ黒部分になっている)。
図6は第5の実施形態のJBSの一部の概略的な平面図である。詳細には、OX軸を対称に図6に示す図を鏡像複写し、更に、OY軸を対称にそれらを鏡像複写したものが、第5の実施形態のJBSの全体のN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見たものに相当している。
第5の実施形態のJBSでは、図6に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が正方形形状に構成されている。また、正方形の各頂点上に位置するように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が配列されている。その結果、左右方向(図6の左右方向)および奥行き方向(図6の上下方向)に隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間隔がすべて均一になるように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が分散されて配列されている。つまり、第5の実施形態のJBSでは、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)がいわゆる「四角形セル正方形状配置パターン」に構成・配列されている。
更に、第5の実施形態のJBSでは、図6に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、ガードリング領域A2にはみ出さないように配列されている。そのため、活性領域(セル領域)A1の外周部分のうち、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が収まりきらない部分は、P型層5およびポリシリコン8によって構成されている(ベタ黒部分になっている)。
図7は第6の実施形態のJBSの一部の概略的な平面図である。詳細には、OX軸を対称に図7に示す図を鏡像複写し、更に、OY軸を対称にそれらを鏡像複写したものが、第6の実施形態のJBSの全体のN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見たものに相当している。
第6の実施形態のJBSでは、図7に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が正六角形形状に構成されている。また、正三角形の各頂点上に位置するように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が配列されている。その結果、隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間隔がすべて均一になるように、各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が分散されて配列されている。つまり、第6の実施形態のJBSでは、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)がいわゆる「六角形セル正三角形状配置パターン」に構成・配列されている。
更に、第6の実施形態のJBSでは、図7に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、ガードリング領域A2にはみ出さないように配列されている。そのため、活性領域(セル領域)A1の外周部分のうち、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が収まりきらない部分は、P型層5およびポリシリコン8によって構成されている(ベタ黒部分になっている)。
図8は第7の実施形態のJBSの一部の概略的な平面図である。詳細には、OX軸を対称に図8に示す図を鏡像複写し、更に、OY軸を対称にそれらを鏡像複写したものが、第7の実施形態のJBSの全体のN−型エピタキシャル層2の表面、ガードリング部4の表面、P型層5の表面およびポリシリコン8の表面を図2(E)の上側から透視して見たものに相当している。
第7の実施形態のJBSでは、図8に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が奥行き方向(図8の上下方向)に延びている線(リニア)状に構成されている。詳細には、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の奥行き方向(図8の上下方向)寸法が、活性領域(セル領域)A1に収まる最長の長さに設定されている。更に、左右方向(図8の左右方向)に隣接する2個のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の間の隙間(ベタ黒部分)の左右方向(図8の左右方向)寸法が、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の左右方向(図8の左右方向)寸法の例えば約0.7倍に設定されている。つまり、第7の実施形態のJBSでは、複数の奥行き方向(図8の上下方向)に長い線(リニア)状のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)がストライプ状に(平行に)配列されている。
更に、第7の実施形態のJBSでは、図8に示すように、活性領域(セル領域)A1中のセル(N−型エピタキシャル層2の表面)が、ガードリング領域A2にはみ出さないように配列されている。そのため、活性領域(セル領域)A1の外周部分のうち、セル(N−型エピタキシャル層2の表面)が収まりきらない部分は、P型層5およびポリシリコン8によって構成されている(ベタ黒部分になっている)。
換言すれば、第4の実施形態のJBSでは、図5に示すように、活性領域(セル領域)A1中の各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の奥行き方向(図5の上下方向)寸法が均一に設定されている。それに対し、第7の実施形態のJBSでは、図8に示すように、活性領域(セル領域)A1中の各セル(N−型エピタキシャル層2の表面)の奥行き方向(図8の上下方向)寸法が、活性領域(セル領域)A1にぎりぎり収まるように、不均一に設定されている。
そのため、第7の実施形態のJBSによれば、活性領域(セル領域)A1のコーナー部分(図8の右上部分)に占めるセル(N−型エピタキシャル層2の表面)の割合を第4の実施形態のJBSよりも増加させることができる。換言すれば、第7の実施形態のJBSによれば、活性領域(セル領域)A1のコーナー部分(図8の右上部分)に占めるP型層5およびポリシリコン8の表面(ベタ黒部分)の割合を第4の実施形態のJBSよりも低減することができる。
図9は第1の実施形態のJBSのアノード電極Aとカソード電極Kとの間に印加電圧を加えた時にJBSの内部に広がる空乏層の形状を概略的に示した断面図である。図9において、(1)は順方向印加電圧VF=0[V]の時の空乏層の形状を示しており、(2)は逆方向印加電圧VR≒20[V]のピンチオフ開始時の空乏層の形状を示しており、(3)は逆方向印加電圧VRが定格VRの時の空乏層の形状を示している。
電圧(VD−V)と空乏層幅Wdとの関係は周知の下記の数式1を用いて計算することができる。ただし、VDはPN接合の作りつけ電圧であり、Vは印加電圧である。また、順方向電圧が印加されている時にV=VFになり、逆方向電圧が印加されている時にV=−VRになり、VR>>VDの時に(VD−V)≒VRになる。
ここで、E0:真空の誘電率、Esi:シリコンの比誘電率、VR:逆方向印加電圧、VF:順方向印加電圧、q:電荷素量、Nd:N型層不純物濃度である。
第1実施例では、3.5Ω・cm(Nd=1.33×1015/cm3)/15μmの仕様1のウエハが用いられ、第2実施例では、4.85Ω・cm(Nd=9.56×1014/cm3)/15μmの仕様2のウエハが用いられた。
この時のNdの値を上記の数式1に適用し、空乏層幅の計算をする。
(1)順方向印加電圧VFが0[V]の時
作りつけ電圧VDは、周知の下記の数式2から見積もることができるが、通常、0.4[V]〜0.6[V]であるから、下記の表1のようになる。
ここで、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、Na:P型層濃度、Nd:N−型層濃度、Ni:真性半導体の濃度、(kT/q)=0.0259である。
(2)逆方向印加電圧VR≒20[V]のピンチオフ開始時
逆方向印加電圧VRがピンチオフ付近での空乏層幅は下記の表2のようになる。
図10は表2に示す計算結果、つまり逆方向印加電圧VR≒20[V]時のピンチオフ開始時を予想する(見積もる)ためのVRとWdとの関係を示したグラフである。なお、これらの計算は、(表2および)図10に示すように、便宜上、VR=5〜60[V]の範囲に渡って行ってある。
表1に示すように、順方向電圧VFが0[V]の場合の作りつけ電圧VDによる空乏層幅Wdは、概略0.6〜0.9μmであり、これを図示すると、図9中の空乏層形状(1)になる。
ここで注目したいのは、後述のセルピッチ(この場合、特にSBD幅)と、この程度のWdの関係であれば、図9中に矢印で示す順方向電圧の印加時の電子電流の通り道に対して、例えば特開平4−321274号公報に記載されている課題に対しても、大きな障害を与えることがないということがわかる。つまり、第1の実施形態のJBSでは、順方向電圧の印加時の電子電流の通り道は十分に確保されている。
また、逆方向印加電圧VRがピンチオフ付近での空乏層幅Wdは、表2に示すようになり、これを図示すると、図9中の空乏層形状(2)になる。
空乏層形状(1),(2)は、セルピッチ(つまり、活性(セル)領域A1におけるN型ショットキー接合界面の幅(N−型エピタキシャル層2の表面の幅)(SBD幅)とP型層5の幅(PIN幅)との合計寸法)との関係が深い。
第1実施例および第2実施例では、JBSが仕上がった状態で、SBD幅が10μmになり、PIN幅が10μmになり、Xjpが2.5μmになるように設定した。つまり、マスク寸法のSBD幅が14μmになり、PIN幅が6μmになるように設定した。
表2および図10に示すように、逆方向印加電圧VRが20[V]の時に、第1実施例の仕様1のウエハでは、空乏層幅Wdが4.45μmになり、第2実施例の仕様2のウエハでは、空乏層幅Wdが5.25μmになった。そのため、逆方向印加電圧VRが概略20[V]の時に、もう既にピンチオフが始まっており、従って、これ以降、逆方向印加電圧VRを更に増大した場合、N型ショットキー接合界面の電界が更に低下する効果を享受することができるという結果になる。
なお、逆方向印加電圧VR≒20[V]のピンチオフ開始時における空乏層形状(2)(図9参照)に関して補足する。図9に示すように、空乏層は左右にしかも縦方向に位置する(両側の)PN接合界面から、各々の空乏層幅Wd≒5μmがN−型エピタキシャル層2(図2(E)参照)の中央部に向かって延びてくると同時に、バリアメタル9(図2(E)参照)とN−型エピタキシャル層2とによるN型ショットキー接合界面からも下方に延びてくる。更に、トレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)より下側に位置するPN接合界面が、トレンチ2aの底面2a2より上側に位置するPN接合界面よりも横方向に張り出しているため、この張り出している部分のPN接合界面から上方向に向かう(押し上げる)空乏層もある。従って、1つのセル内のN−型エピタキシャル層2の領域空間においては、これらの空乏層から放たれる電界ベクトル同士が3次元的に相殺すると考えられる。
逆方向印加電圧VRが更に大きくなってくると、1つのセル内のN−型エピタキシャル層2の領域空間においては、空乏層が3次元的に満たし合う(ピンチオフする)。その結果、バリアメタル9(図2(E)参照)とN−型エピタキシャル層2とによるN型ショットキー接合界面の電界が大きく下がってくる。一方、逆方向印加電圧VRが大きくなっても、N型ショットキー接合界面のリーク電流がさほど上昇しなくなる(ピンチオフの効果がない場合に比べてリーク電流が大きく下がる)。
(3)逆方向印加電圧VRが定格VRの時
逆方向印加電圧VRが定格VRに近づいてくると、空乏層が横方向および下方向に更に延びてきて、空乏層の形状が、図9中の空乏層形状(3)になる。この時、ガードリング領域A2(図4参照)と活性(セル)領域A1(図4参照)との境界部分に位置する環状の白ヌキ部分(図4参照)のN−型エピタキシャル層2(図2(E)参照)の下方では、空乏層の端部がN+型半導体基板1(図2(E)参照)にほぼ到達する程度まで延びている。更に、ガードリング部4(図2(E)参照)の下方では、空乏層の端部がN+型半導体基板1に到達(リーチスルー)している。また、活性(セル)領域A1(図4参照)の下方でも、空乏層の端部がN+型半導体基板1に到達(リーチスルー)している。一方、耐圧維持領域A3(図4参照)のN−型エピタキシャル層2(図2(E)参照)では、空乏層が、N+型チャンネルストッパー6(図2(E)参照)の付近まで横方向に延びている。
つまり、第1実施例および第2実施例では、順方向電圧の印加時における主電流となる電子電流の通り道が十分確保されている一方で、逆方向印加電圧VRが大きくなった時にも空乏層によるピンチオフが十分に確保されると同時に、耐圧維持領域A3(図4参照)のN−型エピタキシャル層2(図2(E)参照)における高耐圧維持構造が十分に確保されている。
第2の実施形態のJBSでは、図1(E)に示すように、酸化膜3のうち、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に開口3bが形成された後であって、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にPtまたはAu7が蒸着される前に、図3に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3bを介して例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物をガードリング部4およびP型層5中に導入し、アニールを行って拡散させることにより、ガードリング部4およびP型層5よりも高濃度のP+型層14が形成される。それに対し、第8の実施形態のJBSでは、図1(E)に示すように、酸化膜3のうち、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)に隣接する部分に開口3bが形成された後であって、図2(A)に示すように、半導体チップの表面全体にPtまたはAu7が蒸着される前に、図3に示すように、複数のトレンチ2aの底面2a2(図1(C)参照)の開口3bを介して例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物をガードリング部4およびP型層5中に導入し、アニールを行うことなく拡散させることにより、ガードリング部4およびP型層5よりも高濃度のP+型層14が形成される。
つまり、第2の実施形態のJBSでは、高濃度のP+型層14を形成するために例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物が注入された後にアニールが行われるのに対し、第8の実施形態のJBSでは、高濃度のP+型層14を形成するために例えばボロンイオンなどのような高濃度のP型不純物が注入された後にアニールが行われない。
図11は第2の実施形態のJBSのP+型層14の濃度プロファイルと第8の実施形態のJBSのP+型層14の濃度プロファイルとを比較して示したグラフである。図12はトレンチ2aの中央部におけるトレンチ2aの底面2a2よりも下方の縦方向の濃度分布を第2の実施形態のJBSと第8の実施形態のJBSとで比較して示したグラフである。図11において、「◇」は第2の実施形態のJBSのP+型層14の濃度プロファイルを示しており、「■」は第8の実施形態のJBSのP+型層14の濃度プロファイルを示している。図12において、破線は第2の実施形態のJBSのトレンチ2aの中央部におけるトレンチ2aの底面2a2よりも下方の縦方向の濃度分布を示しており、実線は第2の実施形態のJBSのトレンチ2aの中央部におけるトレンチ2aの底面2a2よりも下方の縦方向の濃度分布を示している。
アニールが行われない第8の実施形態のJBSによれば、図11および図12に示すように、アニールが行われる第2の実施形態のJBSよりも、高濃度のP+型層14を浅い位置に形成することができる。更に、第8の実施形態のJBSによれば、アニールが行われない分だけ第2の実施形態のJBSよりも製造コストを抑制することができる。また、アニールが行われない第8の実施形態のJBSによれば、アニールが行われる第2の実施形態のJBSよりも、イオン注入によってできた複数のトレンチ2a(図2(E)参照)の底面2a2(図1(C)参照)の開口3b(図1(E)参照)の欠陥層を利用してPtまたはAu7の拡散を促進することができる。その結果、第8の実施形態のJBSによれば、第2の実施形態のJBSよりも、PtまたはAu7の拡散温度を低く設定することができ、それにより、PtまたはAu7がN型ショットキー接合界面に与えるおそれがある悪影響を低減することができる。
第9の実施形態では、上述した第1から第8の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。