JP2010073586A - 電解質膜−電極接合体 - Google Patents
電解質膜−電極接合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010073586A JP2010073586A JP2008241733A JP2008241733A JP2010073586A JP 2010073586 A JP2010073586 A JP 2010073586A JP 2008241733 A JP2008241733 A JP 2008241733A JP 2008241733 A JP2008241733 A JP 2008241733A JP 2010073586 A JP2010073586 A JP 2010073586A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas diffusion
- diffusion layer
- electrolyte membrane
- base material
- cathode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、上記問題点を解決し、低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示す電解質膜−電極接合体を提供することを目的とする。
【解決手段】 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された、カソード触媒層およびカソードガス拡散層を含むカソードガス拡散電極と、前記電解質膜の他方の面に配置された、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を含むアノードガス拡散電極と、を有する電解質膜−電極接合体であって、
前記カソードガス拡散層または前記アノードガス拡散層が、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなり、前記ガス拡散層基材中、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材Sとしたときに、前記ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高く、かつ、厚みは最も薄い、電解質膜−電極接合体。
【選択図】なし
【解決手段】 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された、カソード触媒層およびカソードガス拡散層を含むカソードガス拡散電極と、前記電解質膜の他方の面に配置された、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を含むアノードガス拡散電極と、を有する電解質膜−電極接合体であって、
前記カソードガス拡散層または前記アノードガス拡散層が、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなり、前記ガス拡散層基材中、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材Sとしたときに、前記ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高く、かつ、厚みは最も薄い、電解質膜−電極接合体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解質膜−電極接合体に関するものである。特に、本発明は、ガス拡散層基材に改良を加えた電解質膜−電極接合体に関するものである。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動して高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。特に、固体高分子形燃料電池は、比較的低温で作動することから、電気自動車用電源として期待されている。固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、電解質膜−電極接合体(MEA)を、セパレータで挟持した構造となっている。電解質膜−電極接合体は、高分子電解質膜が一対の電極触媒層およびガス拡散層により挟持されてなるものである。
上記したようなMEAを有する固体高分子型燃料電池では、固体高分子電解質膜を挟持する両電極(カソード及びアノード)において、その極性に応じて以下に記す反応式で示される電極反応を進行させ、電気エネルギーを得ている。まず、アノード(燃料極)側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒成分により酸化され、プロトンおよび電子となる(2H2→4H++4e−:反応1)。次に、生成したプロトンは、電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらに電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、カソード(酸素極)側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、電極触媒層を構成している導電性担体(電子伝導性担体)、さらに電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する(O2+4H++4e−→2H2O:反応2)。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。
上記電気化学的反応において、アノード側で上記反応1により生成した水素イオン(H+)(以下、「プロトン」とも称する)は、水和状態(H3O+)で固体高分子電解質膜を透過(拡散)し、膜を透過したプロトンは、カソードで、ガス拡散層(以下、「GDL」とも称する)を透過(拡散)した酸素および電子とともに、上記反応2に供される。すなわち、アノードおよびカソードでの反応は、固体高分子電解質膜に密着した電極触媒層を反応サイトとし、当該電極触媒層内の触媒と固体高分子電解質(以下、「高分子電解質」とも称する)との界面で進行する。したがって、触媒と高分子電解質との界面が増大し、界面形成が均一化すれば、上記した反応1及び2が、より円滑かつ活発に進行するため、好ましい。このように、燃料電池は自動車用や定置用電源としての利用が試みられている。
しかしながら、燃料極及び酸素極で発生した電気エネルギーを長期にわたり燃料電池外部に効率良く取り出すためには低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示す燃料電池を提供する必要がある。
かような状況下、触媒電極層上に多孔質層を設け、この多孔質層を介して、燃料電池に供給された反応ガスを効率良く触媒電極層に供給することによって、電気化学反応におけるガス利用率を向上させることを試みる技術が存在する(特許文献1)。特許文献1は、触媒電極上に設ける複数の層から成る多孔質層を介して触媒電極層にガスが供給される際の、ガス利用率を確保することを目的としている。そして、その目的は、金属多孔質部材と導電性多孔質部材を積層した構造で、金属多孔質部材を外側に積層、ガス供給部として配置し、内側GDLに比べ圧縮弾性率が高い構造とすることにより達成しようとしている。
特開2007−53007号公報
しかしながら、上記特許文献においては、金属多孔質体を通してガスを供給していたため燃料電池運転における圧損が大きく発電性能が低いという問題があった。また、燃料電池運転条件や生涯(経たり)から性能低下が大きいという問題があった。さらには、ガス流路を構成しないセパレータが使用されること前提であり、ガス拡散性から第2のガス拡散層を厚くする問題があった。
したがって、本発明は、上記問題点を解決し、低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示す電解質膜−電極接合体を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、かような電解質膜−電極接合体をセパレータにより挟持されてなる、燃料電池を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の目的は、かような燃料電池を搭載した車両を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。その結果、ガス拡散層をセパレータ側の基材が最も硬く、かつ、薄くするように2以上のガス拡散基材で構成することにより、本目的を達成することを見出した。
本発明の電解質膜−電極接合体は、低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示す。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明のMEAを有する燃料電池を好適な実施形態として詳細に説明する。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された、カソード触媒層およびカソードガス拡散層を含むカソードガス拡散電極と、前記電解質膜の他方の面に配置された、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を含むアノードガス拡散電極と、を有する電解質膜−電極接合体であって、前記カソードガス拡散層または前記アノードガス拡散層が、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなり、前記ガス拡散層基材中、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材Sとしたときに、前記ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高く、かつ、厚みは最も薄い、電解質膜−電極接合体(MEA)である。
このように、ガス拡散層として、高弾性率GDLと低弾性率GDLとが積層されてなるガス拡散層基材を適用し、セパレータと隣接して配置されたガス拡散層基材を、高弾性率GDLとし、その厚みを最も薄くすることで、本発明の課題を解決することができる。すわち、セパレータ側にガス拡散層基材Sを配置することにより、ガス流路内へのGDLのテンティングを抑制し、また、触媒層側にガス拡散層基材Cを配置することにより、運転時の寸法変化による面圧変化を吸収し、長期に亘り発電性能を維持することが可能となる。
本発明のMEAは、固体高分子型燃料電池(PEFC)に用いられると特に好ましいため、固体高分子型燃料電池を中心に説明する。固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、電解質膜−電極接合体(MEA)を、セパレータで挟持した構造となっている。電解質膜−電極接合体は、高分子電解質膜が一対の電極触媒層およびガス拡散層により挟持されてなるものである。すなわち、本発明の燃料電池は、本発明の電解質膜−電極接合体(MEA)と、前記電解質膜−電極接合体を挟持する、カソード側セパレータおよびアノード側セパレータからなる1対のセパレータと、を有する。かかる構成を採用することで、本発明の燃料電池は、低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示し、出力性能に非常に優れる。つまり、本発明は、流路内へのGDLのテンティングを抑制し、優れた発電特性を有する燃料電池を提供することが可能となる。
図1は、燃料電池(固体高分子型燃料電池;PEFC)の模式断面図である。なお、図1には燃料電池の単セルが図示されている。図1に示すPEFC200は、本発明のMEA100を有する。本発明のMEA100は、固体高分子電解質膜110と、前記固体高分子電解質膜110の一方の面は、カソード触媒層122cおよびカソードガス拡散層124cを含むカソードガス拡散電極120cとが配置される。また、前記固体高分子電解質膜110の他方の面は、アノード触媒層122aおよびアノードガス拡散層124aを含むアノードガス拡散電極120aと、が配置される。なお、本願において、「電解質膜−電極接合体(MEA)」とは、固体高分子電解質膜110と、前記固体高分子電解質膜110を挟持する1対のガス拡散電極(120c、120a)とを有する集合体を意味する。なお、電解質膜−電極接合体を単に、「膜電極接合体」と称することもある。
本発明においては、カソードガス拡散層124cまたはアノードガス拡散層124aは、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなる。図1に示す形態においては、カソードガス拡散層124cおよびアノードガス拡散層124aいずれもが、圧縮弾性率の異なる2つのガス拡散層基材(124cs、124cc、124as、124ac)が積層されてなる。そして、前記ガス拡散層基材中、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材S(124cs、124as)としたときに、前記ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高く、かつ、厚みは最も薄い。また、前記ガス拡散層基材中、前記触媒層に最も近いガス拡散層基材をガス拡散層基材Cとする。無論、カソードガス拡散層122cおよびアノードガス拡散層124aいずれかが、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されていればよい。
その場合、好ましくは、カソードガス拡散層124cの方に圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されているとよい。それは、以下の理由による。すなわち、アノード側、カソード側で燃料電池に供給するガス流量が違い、カソード側の流量が大きい。そのためガス流すための流路もカソードの側の方が大きくする必要があるため、リブ(後述する)を小さくしなくてはならない。この時、同じ荷重かけても、ガス拡散層にかかる面圧が高いのはカソード側である。寸法変化が起こったときに、面圧変化を小さくするためには、カソード側ガス拡散層の寸法変化に融通が効くようにするとよい。よって、カソードガス拡散層124cの方に圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されると好ましい。
ここで、本明細書中、「圧縮弾性率」は、実施例の欄に記載の方法によって測定された値とする。なお、GDLの圧縮特性は、後述もするが、非線形特性を有するため、どの面圧(応力)に着目するかにより圧縮弾性率が異なる。よって、「ガス拡散層基材中、ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高い」とは、同じ条件下(例えば、「同じ面圧条件下」を含む)において、ガス拡散層基材中の前記ガス拡散層基材S以外の他のガス拡散層基材と比較することを前提とする。なお、圧縮弾性率は、後述する図3aの各応力点の接線の傾きである。
少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されるとは、そのガス拡散層基材の数が2つ以上であれば、その数に特に制限はなく、3つでも、4つでも、それ以上でもよい。ただ、コスト、燃料電池寸法の観点で、好ましくは、3つ、より好ましくは2つである。また、ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高ければ、積層されるガス拡散層基材の種類にも特に制限はなく、同じ材料を使用してもよいし、異なる材料を使用してもよい。3つ以上の場合、電解質膜の膨潤収縮による影響を抑制する観点で、ガス拡散層基材Cからガス拡散層基材Sに近づくにつれて、傾斜的に、圧縮弾性率が大きくなるとよい。ガス拡散層基材Sと、ガス拡散層基材Cとの具体的な圧縮弾性率の比についても特に制限はないが、テンティングを十分抑制し、GDLにかかる面圧変化を十分抑制し、燃料電池の長期安定性を確保するとの観点から、ガス拡散層基材Cの圧縮弾性率に対するガス拡散層基材Sの圧縮弾性率の比が、1.3〜5.0、より好ましくは1.4〜3.0である。また、ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が、ガス拡散層基材中、相対的に最も高ければ具体的な値に関しては、特に制限されない。
本発明においては、様々な使用環境における、テンティングと、面圧変動に対応する目的で、ガス拡散層基材S(硬いGDL)と、ガス拡散層基材C(柔らかいGDL)とを使用する。
また、ガス拡散層基材Sの厚さに関しては、上記を満たせば(つまり、前記ガス拡散層基材中の前記ガス拡散層基材S以外の他のガス拡散層基材と比較して、最も薄ければ)、具体的な数値については制限されない。テンティングを十分抑制し、GDLにかかる面圧変化を十分抑制するとの観点で、ガス拡散層基材Sの厚みは、好ましくは30〜150μm、より好ましくは40〜130μmである。なお、寸法変化のガス拡散層による吸収の観点で、ガス拡散層基材Cの厚みは、好ましくは70〜300μm、より好ましくは100〜270μm、さらに好ましくは、130〜250μmである。基材の厚さがかような範囲内の値であれば、燃料電池収縮に伴うMEAの膨潤収縮に対し有意に働くと伴に、機械的強度とガスおよび水などの拡散性とのバランスが適切に制御される。また、ガス拡散層基材Cに対するガス拡散層基材Sの厚みの比も特に制限はないが、好ましくは0.1〜0.9、より好ましくは0.2〜0.7である。かような範囲であると、ガス拡散層としての性能を有意に向上させる。つまり、ガス拡散層基材S(硬いGDL)が厚くなると、ガス拡散性が悪くなるため、かような範囲であると好ましい。
所望の圧縮弾性率を有するガス拡散層基材は、例えば市販のものを購入することによって準備することができる。所望しているものと完全一致する圧縮弾性率を有するガス拡散層基材が市販されてない場合は、その値に近いものを購入し、圧縮弾性率の制御することにより、所望の圧縮弾性率に調節することができる。圧縮弾性率を制御する方法としても、特に制限されず、当業者であれば従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせることで、所望の圧縮弾性率に調節することができる。具体的な調節方法の指針を示すと、目付量、嵩密度、空孔率、材料を適宜設計変更・調節・添加することで行うことができる。
本発明のPEFC200においてMEA100は、カソード側セパレータ150cおよびアノード側セパレータ150aからなる1対のセパレータにより挟持されている。ここで、カソード側セパレータ150cのカソードガス拡散層124c側表面には、運転時に酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流路152cが設けられており、反対側の表面には、運転時に冷却剤が流通する冷却流路(図示せず)が設けられている。一方、アノード側セパレータ150aのアノード側ガス拡散層124a側表面には、運転時に燃料ガスが流通する燃料ガス流路152aが設けられており、反対側の表面には、運転時に冷却剤が流通する冷却流路(図示せず)が設けられている。そして、PEFC200の周囲には、1対のガス拡散電極(120c,120a)を包囲するように、ガスケットが配置されてもよい(図示せず)。
上記では、本発明の具体的な構成について説明したが、かかる構成を採用することが好ましい理由を、燃料電池の作用機序を参照しながら、以下においてさらに詳しく説明する。
燃料電池の電極触媒層は、導電性担体、触媒粒子および電解質(プロトン導電性電解質)を含む。アノード(燃料極)側に供給された水素を含むガスは、触媒層の外側に配置されたガス拡散層を通して触媒層に達し、触媒粒子により酸化されプロトンと電子が生成される。生成したプロトンは、触媒層を構成しているプロトン導電性電解質、さらに触媒層と接触している電解質膜を通りカソード極(酸素)側触媒層に達する。また、アノード側触媒層で生成した電子は、触媒層を構成している導電性担体、さらに触媒層の電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、ガスセパレータおよび外部回路を通してカソード側触媒層に達する。カソード側に供給された酸素を含むガスは、アノード側同様に触媒層の外側に配置されたガス拡散層を通して触媒層に達している。カソード触媒層に達したプロトンおよび電子は酸素と反応し水を形成する。この反応を通して、燃料電池は外部に電気を取り出すことが可能となる。
燃料電池のガス拡散層は、少なくとも導電性材料を含んだ基材を用いて構成されている。ガス拡散層は、電極触媒層、セパレータ間の電子伝導経路を提供するとともに、セパレータ側から供給されたガスを電極触媒層へ良好に供給する必要がある。
燃料電池は、電解質膜、電極触媒層、ガス拡散層を含む膜電極接合体を所定の面圧(荷重)で、セパレータにより挟持されてなる。ガス拡散層にガス流路を有するセパレータでガス拡散層に面圧を印加すると、ガス流路溝内にガス拡散層が侵入する。つまり、テンティング(ガス拡散層のガス流路内への侵入)が発生し、触媒層へのガス供給が抑制され良好な発電性能が得られなくなる。
本発明においては、ガス拡散層へかかる面圧変化を抑制し、寸法変化に伴う流路内へのテンティングを抑制し、触媒層へのガス供給を確保すべく、下記構成を採用する。すなわち、ガス拡散層基材に、セパレータに接するように高弾性率且つ薄いガス拡散層基材を使用し、電解質側に低弾性率基材が積層された基材を使用する。かかる構成を採用することにより、流路内へのGDLのテンティングを抑制し、優れた発電特性を有する燃料電池を提供することに繋がる。つまり、流路溝内へのGDLのテンティングを抑制することで、発電特性の優れた燃料電池を提供することが可能となる。
続いて、「テンティング」についてより具体的に説明する。図2は、テンティングの発生を模式的に表した図である。燃料電池は、所定の荷重(面圧)をかけて組み立てられる。実際には、運転条件によりこの初期面圧から変化する。つまり、燃料電池の組み立てが完成した時から、一定の面圧(初期面圧)が加わっており、荷重(面圧)は、その初期面圧から変化する。そして、その積層に伴う荷重は、燃料電池の運転状態により変化する。この荷重により、GDLに面圧が直接かかる部分(セパレータと接触部分;リブ部分)と、直接はかからない部分(接触していない部分;流路部分)と、が発生する。このため、GDLにかかる面圧により、テンティング量(GDLの流路内への侵入量)は変わり、面圧が高いほどテンティング量は大きくなる。テンティング量が大きくなると、有効なガス流路部が小さくなり、ガスの流れが阻害され発電性能が悪化する。なお、ガス流路流れ方向は、手前から奥行き方向または、奥行きから手前方向である。
セパレータのガス流路としての特性を客観的に示す数値として、本明細書においては、「テンティング割合」を使用する。テンティング割合は、下記式で表される。
ここで、「テンティング量m」とは、図2に示すとおり、ガス拡散層基材Sが、ガス流路溝に侵入した最大寸法(μm)を言う。また、「流路深さL(μm)」とは、図2に示すとおり、セパレータのガス流路溝の最大深さである。ここで、本明細書中、「テンティング割合」は、実施例の欄に記載の方法によって「テンティング量m」、「流路深さL」を測定して算出した値とする。セパレータのガス流路としての特性としては、「テンティング割合」は、小さい方が好ましく、具体的に好ましくは、触媒層へのガス供給を確保する観点で、10%以下であり、より好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは4%以下、特に好ましくは3%以下である。この範囲であれば、十分な量のガスが各触媒層に供給できる。
本発明によれば、「テンティング割合」を小さくすることにより、「セパレータのガス流路としての特性」を向上させ、それにより、「ガスの流れの特性」の低下を抑制し、発電性能の低下を抑えることが可能になる。
ここで、ガスの流れの特性を客観的に示す数値として、本明細書においては、「透気度」を使用する。ここで、本明細書中、「透気度」とは、実施例の欄に記載の方法によって測定された値とする。無論「透気度」は低い方が好ましくは、ガス供給のする働きを考慮すると、好ましくは1秒以下、より好ましくは0.7秒以下、さらに好ましくは0.5秒以下である。
さらに、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材Sは、圧縮弾性率が最も高い必要があるが、「(面方向)破断伸び」も、流路内へのGDLのテンティングを防止し、発電特性を確保した燃料電池を提供するとの観点で、低い方が好ましい。具体的には、燃料電池運転条件の変化に伴う寸法変化による面圧変化および、運転の繰り返しに伴う寸法変化による面圧変化によらず、ガス拡散層基材のガス流路内への侵入を抑制する観点で、5%以下であることが好ましく、より好ましくは2.0%以下であり、さらに好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.6%以下である。
なお、本明細書中、「破断伸び」とは、実施例の欄に記載の方法によって測定された値とする。
破断伸びを制御する方法としても、特に制限されず、当業者であれば従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせることで、調節することができる。具体的な調節方法の指針を示すと、目付量、嵩密度、繊維電気抵抗、黒鉛化度、空孔率、材料を適宜設計変更・調節・添加することで行うことができる。
上記の通り、燃料電池運転においては、低加湿〜高加湿、低温〜高温環境下での運転が余儀なくされることがある。かかる環境下、低加湿、高加湿状態においては、電解質膜の膨潤・収縮による「寸法変化」が発生し、また低温、高温運転では燃料電池を構成している部品(例えば、セパレータなど)は、熱膨張・収縮により同様に「寸法変化」が発生する。本明細書中、この「寸法変化」を客観的に示す値として、「圧縮ひずみの差」を使用する。
図3aは、GDLにかかる「圧縮ひずみの差」と、「面圧(応力)」との関係を表したものである。図3bは、GDLにかかる「面圧」と「厚み」との関係を示したものである。図3aは、GDLの一般的な物性を示したものであり、具体的には、図3bの測定を行うことで示すことができる。例えば、同一の組成からなり、厚みが異なるGDLを作製すると、図3bにおける特性は違うが、図3aの特性は同一である。つまり、図3aを参照することで「圧縮ひずみの差」と、「面圧(応力)」との関係をより一般的に理解することができる。
ここで、「圧縮ひずみの差」とは、GDLに荷重(面圧)を印加された際のGDLの「変位」と「初期厚み」の比であり、具体的には、
により算出することができる。
図3bを参照すれば明らかな通り、面圧により、変位(初期厚み−各面圧の厚み)(μm)が変わる。よって、これと同様に、「圧縮ひずみの差」も変わる(図3a参照)。また、GDLへの面圧荷重方向と除荷方向でGDLへかかる「荷重(面圧)」は同一でも厚み(圧縮ひずみの差)が異なることが分かる。同一面圧における荷重方向圧縮ひずみの差と除荷重方向圧縮ひずみの差が小さいGDLの方が燃料電池を運転することにより発生する面圧変化に対して、長期に亘り安定した発電性能を示す。つまり、運転条件、経たりによらず、安定した発電性能を長期にわたり示す燃料電池を提供することが可能となる。燃料電池の荷重調整機構を簡略化することが可能となる。
ここで、上述した通り、ガス拡散層基材Cは、運転時の寸法変化による面圧変化を抑制(吸収)し、これを長期に渡り維持するために配置される。この点を考慮すると、ガス拡散層基材Cの荷重印加時と、除荷時のある面圧で、ガス拡散層基材Cの圧縮ひずみの差は小さいことが好ましい。具体的には、本発明において、前記ガス拡散層基材Cへ荷重印加時と除荷時との同一面圧での圧縮ひずみの差が、0.1以下であると、燃料電池運転条件の変化に伴う面圧変化および、運転の繰り返しに伴う面圧変化を抑制する観点で好ましい。より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。なお、本明細書中、「圧縮ひずみの差」とは、実施例の欄に記載の方法によって測定された値とする。
圧縮ひずみの差を制御する方法としても、特に制限されず、当業者であれば従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせることで、所望の圧縮ひずみの差に調節することができる。具体的な調節方法の指針を示すと、構造(ペーパ、不織布、クロス)、厚さ方向配向繊維割合、繊維長さ、バインダ量、バインダ割合、を適宜設計変更・調節することで行うことができる。
以上を図4に纏める。図4中のAは、所定面圧でのテンティングに相関する量を示している。図4中のBの範囲は、燃料電池で初期に組み立てた面圧から膨潤収縮、生涯(経たり)に伴う寸法変化に相関する量を示している。また、図4中のCの範囲は、寸法変化に伴うGDLへかかる面圧の変化を示している。
本発明は、ガス拡散層基材に、セパレータに接するように高弾性率且つ薄いガス拡散層基材を使用し、触媒層側に低弾性率基材が積層された基材を使用し、十分なガス供給量を確保し、面圧変化を小さくし、運転時に安定した発電性能を示し、長期にわたり維持する。
以下、各構成要素につき、詳説する。
[セパレータ]
セパレータ(150c、150a)は、PEFC200等の燃料電池の単セルを複数個直列に接続して燃料電池スタックを構成する際に、各セルを電気的に直列接続する機能を有する。また、セパレータは、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却剤を互に分離する隔壁としての機能も有する。そのため、上述したように、セパレータのそれぞれにはガス流路および冷却流路が設けられている。
セパレータ(150c、150a)は、PEFC200等の燃料電池の単セルを複数個直列に接続して燃料電池スタックを構成する際に、各セルを電気的に直列接続する機能を有する。また、セパレータは、燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却剤を互に分離する隔壁としての機能も有する。そのため、上述したように、セパレータのそれぞれにはガス流路および冷却流路が設けられている。
セパレータを構成する材料としては、緻密カーボングラファイト、炭素板等のカーボンや、ステンレス等の金属など、従来公知の材料が適宜制限なく用いられうる。
セパレータの厚さやサイズ、設けられる各流路の形状や各流路の溝のサイズ(流路深さL)などは特に限定されず、得られる燃料電池の所望の出力特性などを考慮して適宜決定されうる。設けられる各流路の形状は、好ましくは、凹状、半円状などである。
[ガスケット]
ガスケットは、1対のガス拡散電極(120c,120a)を包囲するようにPEFC200の周囲に配置され、触媒層に供給されたガスが外部にリークするのを防止する機能を有する。
ガスケットは、1対のガス拡散電極(120c,120a)を包囲するようにPEFC200の周囲に配置され、触媒層に供給されたガスが外部にリークするのを防止する機能を有する。
ガスケットを構成する材料としては、特に制限はないが、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系の高分子材料、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。また、ガスケットの厚さにも特に制限はなく、燃料電池の所望の出力特性、構成材料の特性などを考慮して適宜決定されうる。
[電解質膜]
本発明の電解質膜は、固体高分子電解質膜であると特に好ましい。よって、電解質膜は、固体高分子電解質膜を中心に説明する。
本発明の電解質膜は、固体高分子電解質膜であると特に好ましい。よって、電解質膜は、固体高分子電解質膜を中心に説明する。
固体高分子電解質膜110は、プロトン伝導性電解質の固体高分子電解質(以下、単に「アイオノマ」とも称する)から構成される。アイオノマは、PEFCの運転時にアノード触媒層122aで生成したプロトンを膜厚方向に沿ってカソード触媒層122cへと選択的に透過させる機能を有する。また、固体高分子電解質膜110は、アノード側に供給される燃料ガスとカソード側に供給される酸化剤ガスとを混合させないための隔壁としての機能をも有する。
固体高分子電解質膜110の具体的な構成は特に制限されず、燃料電池の技術分野において従来公知のアイオノマからなる膜が適宜採用されうる。固体高分子電解質膜110は、構成材料であるアイオノマの種類に応じて、フッ素系固体高分子電解質膜と炭化水素系固体高分子電解質膜とに大別される。
フッ素系固体高分子電解質としては、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー、パーフルオロカーボンホスホン酸系ポリマー、トリフルオロスチレンスルホン酸系ポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン−g−スチレンスルホン酸系ポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオリド−パーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーなどが挙げられる。耐熱性、化学的安定性などの発電性能上の観点からはこれらのフッ素系固体高分子電解質膜が好ましく用いられ、特に好ましくはパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(パーフルオロスルホン酸系ポリマー)から構成されるフッ素系固体高分子電解質膜が用いられる。
炭化水素系固体高分子電解質としては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)、スルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、ホスホン化ポリベンズイミダゾールアルキル、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)、スルホン化ポリフェニレン(S−PPP)などが挙げられる。原料が安価で製造工程が簡便であり、かつ材料の選択性が高いといった製造上の観点からは、これらの炭化水素系固体高分子電解質膜が好ましく用いられる。なお、上述したイオン交換樹脂は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上述した固体高分子電解質膜を構成するアイオノマ以外の材料がアイオノマとして用いられてもよい。かような材料としては、例えば、高いプロトン伝導性を有する液体、固体、ゲル状材料などが利用可能であり、リン酸、硫酸、アンチモン酸、スズ酸、ヘテロポリ酸などの固体酸、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたゲル状プロトン導電性材料などが例示される。
固体高分子電解質膜110の厚さは、MEA100やPEFCの特性を考慮して適宜決定され、特に限定はされない。ただし、固体高分子電解質膜110の厚さは、好ましくは5〜300μmであり、より好ましくは10〜200μmであり、さらに好ましくは15〜150μmであり、特に好ましくは15〜30μmである。厚さがかような範囲内の値であると、製膜時の強度や使用時の耐久性、および使用時の出力特性のバランスが適切に制御されうる。
[カソードガス拡散電極]
カソードガス拡散電極120cは、カソード触媒層122cとカソードガス拡散層124cとから構成される。
カソードガス拡散電極120cは、カソード触媒層122cとカソードガス拡散層124cとから構成される。
カソード触媒層122cは、触媒成分が担持されてなる電極触媒、およびアイオノマを含む層である。
カソード触媒層122cにおいて、電極触媒は、主に固体高分子電解質膜110経由のプロトン(H+)と、外部回路経由の電子(e−)と、酸化剤ガス由来の酸素(O2)とから水を生成する反応(すなわち、酸素の還元反応)を促進する機能を有する。
電極触媒は、簡単に言えば、カーボンなどからなる導電性担体の表面に、白金などの触媒成分が担持されてなる構造を有する。
電極触媒を構成する導電性担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるのに充分な比表面積を有し、かつ、充分な電子伝導性を有するものであればよい。導電性担体(電子伝導性担体)の組成は、主成分がカーボンであることが好ましい。導電性担体の材質として、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。場合によっては、燃料電池の特性を向上させるために、炭素原子以外の元素が含まれていてもよい。なお、「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されうることを意味する。
導電性担体のBET比表面積は、触媒成分を高分散担持させるのに充分な比表面積であればよく、特に制限はないが、好ましくは100〜1500m2/gであり、より好ましくは200〜1000m2/gである。導電性担体の比表面積がかような範囲内の値であると、導電性担体上での触媒成分の分散性と触媒成分の有効利用率とのバランスが適切に制御されうる。
導電性担体の平均粒子径についても特に制限はないが、通常は5〜200nmであり、好ましくは10〜100nm程度である。なお、「導電性担体の平均粒子径」の値としては、透過型電子顕微鏡(TEM)による一次粒子径測定法によって算出される値を採用するものとする。
導電性担体に担持される触媒成分は、上述した酸素の還元反応を触媒的に促進する機能を有するものであれば特に制限はなく、従来公知の触媒成分が適宜用いられうる。触媒成分として、具体的には、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、およびこれらの合金などが挙げられる。これらのうち、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性などに優れるという観点からは、触媒成分は少なくとも白金を含むことが好ましい。この際、触媒成分としての形状としても特に制限はなく例えば、粒子状が好ましい。カソード触媒層122cにおける触媒成分として合金を使用する場合の合金の組成は、合金化する金属の種類などによって異なり、当業者によって適宜選択されうるが、好ましくは白金が30〜90原子%程度、合金化する他の金属が10〜70原子%程度である。なお、「合金」とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本願ではいずれであってもよい。ここで、合金組成の特定は、ICP発光分析法を用いることで可能である。
触媒成分の形状や大きさは特に制限されず、従来公知の触媒成分と同様の形状および大きさが適宜採用されうるが、触媒成分の形状は、粒状であることが好ましい。そして、触媒粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜30nmであり、より好ましくは1.5〜20nmである。触媒粒子の平均粒子径がかような範囲内の値であると、電気化学反応が進行する有効電極面積に関連する触媒利用率と担持の簡便さとのバランスが適切に制御されうる。なお、本発明において、「触媒粒子の平均粒子径」の値は、X線回折における触媒成分の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径や、透過型電子顕微鏡像より調べられる触媒成分の粒子径の平均値として算出されうる。
電極触媒における導電性担体と触媒成分との含有量の比は、特に制限されない。ただし、触媒成分の含有率(担持量)は、導電性担体100質量%を基準として、好ましくは10〜150質量%であり、より好ましくは25〜120質量%であり、さらに好ましくは40〜100質量%である。触媒成分の含有率が10質量%以上であると、電極触媒の触媒製能が充分に発揮され、ひいてはPEFC100の発電性能の向上に寄与しうる。一方、触媒成分の含有率が150質量%以下であると、導電性担体の表面における触媒成分どうしの凝集が抑制され、触媒成分が高分散担持されるため、好ましい。なお、上述した含有量の比の値としては、ICP発光分析法により測定される値を採用するものとする。
カソード触媒層122cは、上述した電極触媒に加えて、アイオノマをさらに含む。カソード触媒層122cに含まれるアイオノマの具体的な形態に特に制限はなく、燃料電池の技術分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、カソード触媒層122cに含まれるアイオノマとしては、上述した固体高分子電解質膜110を構成するアイオノマが同様に用いられうる。そのため、アイオノマの具体的な形態の詳細はここでは省略する。なお、カソード触媒層122cに含まれるアイオノマは、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
カソード触媒層122cに含まれるアイオノマのイオン交換容量は、イオン伝導性に優れるという観点から、0.9〜1.5mmol/gであることが好ましく、1.1〜1.5mmol/gであることがより好ましい。
なお、アイオノマの「イオン交換容量」とは、アイオノマの単位乾燥質量当りのスルホン酸基のモル数を意味する。「イオン交換容量」の値は、アイオノマ分散液の分散媒を加熱乾燥等により除去して固形の高分子電解質とし、これを中和滴定することにより、算出されうる。
カソード触媒層122cにおけるアイオノマの含有量についても特に制限はない。ただし、カソード触媒層122cにおける導電性担体の含有量に対するアイオノマの含有量の比(アイオノマ/導電性担体の質量比)は、好ましくは0.5〜2.0であり、より好ましくは0.7〜1.5であり、さらに好ましくは0.9〜1.3である。アイオノマ/導電性担体の質量比が0.9以上であると、電解質膜−電極接合体の内部抵抗の抑制という観点から好ましい。一方、アイオノマ/導電性担体の質量比が2.0以下であると、フラッディングの抑制という観点から好ましい。
カソードガス拡散層124cは、上述したカソード触媒層122cの、固体高分子電解質膜110と対向する面に配置される。前述の通り、カソードガス拡散層122cは、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなりうる。前記ガス拡散層基材中、前記触媒層に最も近いガス拡散層基材はガス拡散層基材C(124cc)であり、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材S(124cs)である。そして、前記ガス拡散層基材S(124cs)の圧縮弾性率は、ガス拡散層基材中最も高く、かつ、厚みは最も薄い。
カソードガス拡散層124cは、後述するセパレータの有するガス流路を介して供給された酸化剤ガスのカソード触媒層122cへの拡散を促進させる機能、および電子伝導パスとしての機能を有する。
カソードガス拡散層124cの基材が、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなる場合、ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が、ガス拡散層基材中、相対的に最も高ければ特に限定されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。カソードガス拡散層124cの基材としては、例えば、ステンレス繊維製ペーパ、カーボンペーパ、炭素製の織物、不織布、その他金属性の紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性および多孔質性を有するシート状材料が挙げられる。ここで、圧縮弾性率が異なる2つのガス拡散層基材の組み合わせの具体例としては、ガス拡散層基材S:ガス拡散層基材Cとして、それぞれ、ステンレス繊維製ペーパ:ステンレス繊維製ペーパ、カーボンペーパ:カーボン不織布、カーボンペーパ:カーボンペーパ、金属製抄紙体:カーボンペーパ、金属製抄紙体:カーボン不織布など、また、これらに表面処理を行ったものが挙げられる。中でも、発電性能向上の観点で、ステンレス繊維製ペーパ:ステンレス繊維製ペーパであると、電気抵抗低減の点で好ましい。コストの観点で、カーボンペーパ:カーボン不織布であると、汎用性、作業性の点で好ましい。
また、圧縮弾性率が異なる3つのガス拡散層基材の組み合わせの具体例としては、ガス拡散層基材S:ガス拡散層基材X:ガス拡散層基材Cとして、それぞれ、ステンレス繊維製ペーパ:カーボンペーパ:カーボン不織布、カーボンペーパ:カーボン不織布:カーボンペーパ、カーボンペーパ:カーボンクロス:カーボン不織布、ステンレス繊維製ペーパ:カーボン不織布:カーボンペーパ、などが挙げられる。中でも、耐久性の観点で、ステンレス繊維製ペーパ:カーボンペーパ:カーボン不織布、カーボンペーパ:カーボン不織布:カーボンペーパであると、寸法変化にともなう面圧変動低減の点で好ましい。圧縮弾性率が異なる3つのガス拡散層基材の組み合わせである場合、許容寸法変化量拡大、荷重調整機構の更なる簡略化のような効果もある。
カソードガス拡散層124cは、燃料電池の所望の運転条件、出力特性、構成材料の特性などから適宜、撥水処理、親水処理を行ったものを採用しても良い。
カソードガス拡散電極120cは、必要に応じて、他の部材(層)をさらに含んでもよい。例えば、カソード触媒層122cに存在する過剰な水分の排出を促進させてフラッディング現象の発生を抑制するために、カソードガス拡散層124cは、カーボン粒子を含むカソードマイクロポーラス層140cを基材の触媒層側に有してもよい。
かかるカーボン粒子は特に限定されず、電子伝導性物質としてカーボンブラック、黒鉛、膨張黒鉛などの従来公知の材料が適宜採用されうる。なかでも、電子伝導性に優れ、比表面積が大きいことから、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましく用いられうる。カーボン粒子の平均粒子径は、10〜100nm程度とするのがよい。これにより、毛細管力による高い排水性が得られるとともに、触媒層との接触性も向上させることが可能となる。
カソードマイクロポーラス層140cは撥水剤(導電性撥水層)を含んでもよい。撥水剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系の高分子材料、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。なかでも、撥水性、電極反応時の耐食性などに優れることから、フッ素系の高分子材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)が好ましく用いられうる。
[アノードガス拡散電極]
アノードガス拡散電極120aは、アノード触媒層122aとアノードガス拡散層124aとから構成される。
アノードガス拡散電極120aは、アノード触媒層122aとアノードガス拡散層124aとから構成される。
アノード触媒層122aは、触媒成分が担持されてなる電極触媒、およびアイオノマを含む層である。
アノード触媒層122aにおいて、電極触媒は、燃料ガス由来の水素(H2)を、プロトン(H+)および電子(e−)とする反応(すなわち、水素の酸化反応)を促進する機能を有する。
アノード触媒層122aを構成する電極触媒やアイオノマの具体的な形態については、カソード触媒層122cの欄において上述した形態が同様に採用されうる。従って、ここでは詳細な説明を省略する。なお、カソード触媒層122cとアノード触媒層122aとで、触媒層を構成する電極触媒やアイオノマの具体的な形態は同じであってもよいし、異なってもよい。
本実施形態のMEA100において、アノード触媒層122aの平均厚み(Ya)は、カソード触媒層122cの平均厚み(Yc)よりも小さいことが好ましい。YaがYcよりも小さいことにより、カソード触媒層122cへのプロトン伝導性が向上する。具体的には、Ya/Ycは、好ましくは0.1〜0.9であり、より好ましくは0.2〜0.5である。なお、アノード触媒層122aの平均厚みは、好ましくは1.0〜20.0μmであり、より好ましくは2.0〜5.0μmである。なお、触媒層の厚みの値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)により触媒層断面を観察して得られた値を採用するものとする。
アノードガス拡散電極120aを構成するアノードガス拡散層124aの具体的な形態については、カソードガス拡散電極120cを構成するカソードガス拡散層124cの欄において上述した形態が同様に採用されうる。従って、ここでは詳細な説明を省略する。また、アノードガス拡散電極120aが、必要に応じてアノードマイクロポーラス層140aなどの部材(層)をさらに含んでもよいこともまた、上述したカソードガス拡散電極120cと同様である。
ここまでは、本発明のMEAをPEFCを代表とする燃料電池に使用することについて説明したが、本発明のMEAはこの用途に限定されない。
本発明は、燃料電池が所望する電圧を得られるように、セパレータを介してMEAを複数積層して直列に繋いだスタックを形成してもよい。燃料電池の形状などは、特に制限されず、所望する電圧などの電池特性が得られるように適宜決定すればよい。
また、本発明は、上述した本発明のPEFCや燃料電池スタックを搭載した車両も、本発明の技術的範囲に包含される。本発明のPEFCや燃料電池スタックは、低加湿〜高加湿運転、低温〜高温運転で安定した発電性能を示すと共に、燃料電池使用期間中に安定した性能を示し、出力性能に非常に優れているため、高出力を要求される車両用途に適している。また、家庭用燃料電池、電子機器用燃料電池など幅広く適用可能である。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<テンティング割合>
テンティング割合(%)は、上記の通り、下記の数式により算出される。
テンティング割合(%)は、上記の通り、下記の数式により算出される。
テンティング量mおよび流路深さLは、ガス拡散層基材Sと使用するガス流路付セパレータを接触させ荷重を印加した際のGDLおよびセパレータの断面を、測長機能付き光学顕微鏡によって観察することにより算出した。
<圧縮試験(圧縮弾性率、圧縮ひずみの差)・引張試験(破断伸び)>
市販の装置(Instron社製万能材料試験機 5867型)を用い、ガス拡散層(GDL)への印加荷重とその際の変位を計測することにより測定した。
市販の装置(Instron社製万能材料試験機 5867型)を用い、ガス拡散層(GDL)への印加荷重とその際の変位を計測することにより測定した。
測定条件は、以下の通りである。
上記の測定条件で、圧縮弾性率(厚み方向)、圧縮ひずみの差および破断伸び(面方向)をそれぞれ測定した。
<透気度>
JIS(1998年) P8117 ガーレ試験機法に記載された、透気抵抗度に相当する値として測定した。 具体的には、市販の装置(PMI社製 Automated Perm Porometer CFP 1200)を用いて、GDL両面に印加した圧力差とその時GDLの厚み方向に流れたガス流量を計測し、ガーレーに換算した値を算出した。
JIS(1998年) P8117 ガーレ試験機法に記載された、透気抵抗度に相当する値として測定した。 具体的には、市販の装置(PMI社製 Automated Perm Porometer CFP 1200)を用いて、GDL両面に印加した圧力差とその時GDLの厚み方向に流れたガス流量を計測し、ガーレーに換算した値を算出した。
<実施例1>
1.電極触媒層の作製
カーボンブラック(三菱化学株式会社製 ケッチェンブラック BET比表面積 800m2/g、平均粒子径 40nm)を電子伝導性担体として用い、この電子伝導性担体に平均粒子径2〜3nmの白金粒子を41wt%担持した電極触媒を準備した。
1.電極触媒層の作製
カーボンブラック(三菱化学株式会社製 ケッチェンブラック BET比表面積 800m2/g、平均粒子径 40nm)を電子伝導性担体として用い、この電子伝導性担体に平均粒子径2〜3nmの白金粒子を41wt%担持した電極触媒を準備した。
この電極触媒、純水、およびプロトン伝導性電解質溶液(DuPont社製 Nafion溶液DE520、電解質含量5wt%)を、電極触媒の導電性担体とプロトン伝導性電解質との質量比(プロトン伝導性電解質の質量/導電性担体の質量)を0.79として、混合、攪拌、および脱泡することにより電極触媒スラリーを調製した。
この調製した電極触媒スラリーを、テフロンシート上に、スクリーン印刷法を用いて塗布し電極触媒層を作製した。このとき、単位面積あたりのPt質量が0.4mg/cm2、電極触媒層の面積を5cm×5cm、電極触媒層の厚さ10μm、となるように触媒スラリー塗布条件を調整した。
2.ガス拡散層の作製
厚み200μmのステンレス繊維製ペーパに、燃料電池運転環境下で発生することが想定される面圧以上であらかじめ圧縮処理を行い、厚み70μmにして、1MPa点での圧縮弾性率を60MPaとし、7cm角に打ち抜き、それをガス拡散層基材Sとした。このとき、破断ひずみは、0.9%であった。また、厚み500μmのステンレス繊維製ペーパに、上記と同様に圧縮処理を行い、厚み250μmにして、1MPa点での圧縮弾性率 40MPaとし、7cm角に打ち抜き、それをガス拡散層基材Cとした。なお、ガス拡散層基材Cの荷重印加方向の圧縮ひずみの差と除荷方向の圧縮ひずみの差は、1MPa点で比較すると0.04であった。
厚み200μmのステンレス繊維製ペーパに、燃料電池運転環境下で発生することが想定される面圧以上であらかじめ圧縮処理を行い、厚み70μmにして、1MPa点での圧縮弾性率を60MPaとし、7cm角に打ち抜き、それをガス拡散層基材Sとした。このとき、破断ひずみは、0.9%であった。また、厚み500μmのステンレス繊維製ペーパに、上記と同様に圧縮処理を行い、厚み250μmにして、1MPa点での圧縮弾性率 40MPaとし、7cm角に打ち抜き、それをガス拡散層基材Cとした。なお、ガス拡散層基材Cの荷重印加方向の圧縮ひずみの差と除荷方向の圧縮ひずみの差は、1MPa点で比較すると0.04であった。
続いて、このガス拡散層基材Sと、ガス拡散層基材Cに撥水処理を行なうために、各ガス拡散層を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液(ダイキン工業株式会社製 D−1、PTFE60質量%含有、を純水で希釈した溶液)中に、5分浸漬後、引き上げて液切りを行なった。その後、大気中、60℃、30分間乾燥させた。
続いて、この撥水処理されたガス拡散層Cの表面にマイクロポーラス層(カーボン粒子層、導電性撥水層)を形成するために、カーボンブラック(CABOT社製 VULCAN XC−72R)と、上記で用いたのと同じPTFE分散液および純水をホモジナイザーにて3時間混合分散し、スラリー化した。得られたスラリーを、先に撥水処理したガス拡散層基材Cの一方の表面にドクターブレード法を用いて均一に塗布した。その後、同様に大気中、60℃、30分間乾燥させた後、撥水剤を溶着させて固定させるために、ガス拡散層基材Sおよびマイクロポーラス層が塗布されたガス拡散層基材Cを、350℃、30分間焼成した。その後、マイクロポーラス層が塗布されたガス拡散層基材Cおよびガス拡散層基材Sを積層した状態で5cm角に打ち抜いた。これにより、ガス拡散層基材Sとガス拡散層基材Cが積層されガス拡散層基材C上にマイクロポーラス層(厚さ50μm)が形成されたガス拡散層を得た。
3.膜電極接合体および単セルの組立て
電解質膜(Dupont社製 Nafion112 厚さ50μm、面積10cm×10cm)の両面に、電極触媒層が塗布されたテフロンシートを配置し、150℃、10分間、2.0MPaの圧力でホットプレスした後、テフロンシートのみを剥がすことにより電極触媒層付き電解質膜を作製した。
電解質膜(Dupont社製 Nafion112 厚さ50μm、面積10cm×10cm)の両面に、電極触媒層が塗布されたテフロンシートを配置し、150℃、10分間、2.0MPaの圧力でホットプレスした後、テフロンシートのみを剥がすことにより電極触媒層付き電解質膜を作製した。
続いて、電極触媒層付き電解質膜の両面に、先に準備したガス拡散層をマイクロポーラス層内側となるように配置し、膜電極接合体とした。
得られた膜電極接合体の両面にシール材、ガス流路付きガスセパレータを配置し所定の面圧(1.0MPa)になるように締め付け、図1に示すような燃料電池の単セルを作製した。
図1に示すように、実施例1の燃料電池は、電解質膜−電極接合体100と、電解質膜−電極接合体100を挟持する、カソード側セパレータ150cおよびアノード側セパレータ150aからなる1対のセパレータと、を有する。前記MEA100は、プロトン導電性を有する電解質膜110と、前記電解質膜110の一方の面に配置された、カソード触媒層122cおよびカソードガス拡散層124cを含むカソードガス拡散電極120aと、前記電解質膜110の他方の面に配置された、アノード触媒層122cおよびアノードガス拡散層124aを含むアノードガス拡散電極120aと、を有する。各触媒層(122a、122c)は、電子伝導性担体としてのカーボンブラックおよび触媒粒子としての白金粒子、プロトン伝導性電解質としてパーフルオロスルホン酸系電解質が含まれたものが配置されている。また、カソードガス拡散層124cおよびアノードガス拡散層124aは、厚みおよび圧縮弾性率の異なる2つのガス拡散層基材(124cs,124cc、124ac、124as)により構成されている。また、導電性撥水層(マイクロポーラス層)(140a、140c)が、各触媒層(122a、122c)に接するように設置されている。
<実施例2>
ガス拡散層基材Sとして、カーボンペーパ(厚み130μm、1MPa点での圧縮弾性率約25MPa、破断伸び 0.4%)を用い、ガス拡散層基材Cとして、カーボン不織布(厚み200μm、1MPa点での圧縮弾性率17MPa 圧縮ひずみの差 0.03)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。実施例2の燃料電池も、実施例1と同様の構造である。
ガス拡散層基材Sとして、カーボンペーパ(厚み130μm、1MPa点での圧縮弾性率約25MPa、破断伸び 0.4%)を用い、ガス拡散層基材Cとして、カーボン不織布(厚み200μm、1MPa点での圧縮弾性率17MPa 圧縮ひずみの差 0.03)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。実施例2の燃料電池も、実施例1と同様の構造である。
100 膜電極接合体(MEA)、
110 固体高分子電解質膜、
120a アノードガス拡散電極、
120c カソードガス拡散電極、
122a アノード触媒層、
122c カソード触媒層、
124a アノードガス拡散層、
124c カソードガス拡散層、
140a アノードマイクロポーラス層、
140c カソードマイクロポーラス層、
150a アノード側セパレータ、
150c カソード側セパレータ、
152a 燃料ガス流路、
152c 酸化剤ガス流路。
110 固体高分子電解質膜、
120a アノードガス拡散電極、
120c カソードガス拡散電極、
122a アノード触媒層、
122c カソード触媒層、
124a アノードガス拡散層、
124c カソードガス拡散層、
140a アノードマイクロポーラス層、
140c カソードマイクロポーラス層、
150a アノード側セパレータ、
150c カソード側セパレータ、
152a 燃料ガス流路、
152c 酸化剤ガス流路。
Claims (8)
- 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された、カソード触媒層およびカソードガス拡散層を含むカソードガス拡散電極と、前記電解質膜の他方の面に配置された、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を含むアノードガス拡散電極と、を有する電解質膜−電極接合体であって、
前記カソードガス拡散層または前記アノードガス拡散層が、圧縮弾性率の異なる少なくとも2つのガス拡散層基材が積層されてなり、前記ガス拡散層基材中、セパレータに隣接して配置されたガス拡散層基材をガス拡散層基材Sとしたときに、前記ガス拡散層基材Sの圧縮弾性率が最も高く、かつ、厚みは最も薄い、電解質膜−電極接合体。 - 前記ガス拡散層基材中、前記触媒層に最も近いガス拡散層基材をガス拡散層基材Cとしたとき、
ガス拡散層基材Cの圧縮弾性率に対するガス拡散層基材Sの圧縮弾性率の比が、1.3〜5.0である、請求項1に記載の電解質膜−電極接合体。 - ガス拡散層基材Cに対するガス拡散層基材Sの厚みの比が、0.1〜0.9である、請求項1または2に記載の電解質膜−電極接合体。
- 前記ガス拡散層基材Cへ荷重印加時と除荷時との同一面圧での、ガス拡散層基材Cの圧縮ひずみの差が、0.2以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体。
- 前記ガス拡散層基材Sの破断伸びが、5%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体。
- ガス拡散層基材Sのテンティング割合は10%以下であり、かつ、透気度は、1秒以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質膜−電極接合体と、
前記電解質膜−電極接合体を挟持する、カソード側セパレータおよびアノード側セパレータからなる1対のセパレータと、
を有する、燃料電池。 - 請求項7に記載の燃料電池をモータ駆動用電源として搭載した、車両。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008241733A JP2010073586A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | 電解質膜−電極接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008241733A JP2010073586A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | 電解質膜−電極接合体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010073586A true JP2010073586A (ja) | 2010-04-02 |
Family
ID=42205166
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008241733A Pending JP2010073586A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | 電解質膜−電極接合体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2010073586A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014022140A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用の膜電極接合体及びこれを備える燃料電池、並びに、膜電極接合体に用いられるガス拡散層。 |
| JP2014123556A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-07-03 | Honda Motor Co Ltd | 電解質膜・電極構造体 |
| US20150228943A1 (en) * | 2010-08-30 | 2015-08-13 | Makita Corporation | Battery pack of electric power tool |
| JP2016207656A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー | 向上した診断能力を有する燃料電池スタック端電池 |
| JP2021184374A (ja) * | 2020-05-22 | 2021-12-02 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用の積層体 |
| CN113745556A (zh) * | 2020-05-14 | 2021-12-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 燃料电池单体、燃料电池以及燃料电池单体的制造方法 |
| CN113964356A (zh) * | 2021-09-28 | 2022-01-21 | 三一汽车制造有限公司 | 燃料电池膜电极、膜电极制备方法、燃料电池系统和车辆 |
-
2008
- 2008-09-19 JP JP2008241733A patent/JP2010073586A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20150228943A1 (en) * | 2010-08-30 | 2015-08-13 | Makita Corporation | Battery pack of electric power tool |
| US9786877B2 (en) * | 2010-08-30 | 2017-10-10 | Makita Corporation | Battery pack of electric power tool |
| JP2014022140A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用の膜電極接合体及びこれを備える燃料電池、並びに、膜電極接合体に用いられるガス拡散層。 |
| JP2014123556A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-07-03 | Honda Motor Co Ltd | 電解質膜・電極構造体 |
| JP2016207656A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・エルエルシー | 向上した診断能力を有する燃料電池スタック端電池 |
| CN106450403A (zh) * | 2015-04-24 | 2017-02-22 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 具有改进的诊断能力的燃料电池堆端电池 |
| CN113745556A (zh) * | 2020-05-14 | 2021-12-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 燃料电池单体、燃料电池以及燃料电池单体的制造方法 |
| JP2021184374A (ja) * | 2020-05-22 | 2021-12-02 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用の積層体 |
| JP7272319B2 (ja) | 2020-05-22 | 2023-05-12 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用の積層体 |
| CN113964356A (zh) * | 2021-09-28 | 2022-01-21 | 三一汽车制造有限公司 | 燃料电池膜电极、膜电极制备方法、燃料电池系统和车辆 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US9601793B2 (en) | Electrolyte film—electrode assembly | |
| JP4882314B2 (ja) | 電解質膜−電極接合体およびその製造方法 | |
| JPWO2005106994A1 (ja) | 燃料電池用膜−電極接合体、および、これを用いた燃料電池 | |
| JP2008176990A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体、およびこれを用いた燃料電池 | |
| JP2009199935A (ja) | 膜電極接合体 | |
| JP2010073586A (ja) | 電解質膜−電極接合体 | |
| JP2007141588A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体およびこれを用いた固体高分子形燃料電池 | |
| JP5157050B2 (ja) | 膜電極接合体及びその製造方法 | |
| JP2007042348A (ja) | 膜電極接合体及びその製造方法 | |
| CN100508266C (zh) | 膜电极单元 | |
| JP2006294594A (ja) | 燃料電池用電極触媒層、および、これを用いた燃料電池 | |
| JP2008243378A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体、およびこれを用いた燃料電池 | |
| JP5884550B2 (ja) | アノードガス拡散層 | |
| JP2020057516A (ja) | 電極層ならびに当該電極層を用いた膜電極接合体および燃料電池 | |
| JP2006085984A (ja) | 燃料電池用mea、および、これを用いた燃料電池 | |
| JP2007026783A (ja) | 固体高分子型燃料電池 | |
| JP2006012449A (ja) | 膜電極接合体およびこれを用いた固体高分子型燃料電池 | |
| JP2006079917A (ja) | 燃料電池用mea、および、これを用いた燃料電池 | |
| JP7354928B2 (ja) | 燃料電池用のガス拡散層 | |
| JP5458774B2 (ja) | 電解質膜−電極接合体 | |
| JP2020077474A (ja) | 膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 | |
| JP2009146760A (ja) | 燃料電池用電極触媒層及び燃料電池用電極触媒層の製造方法 | |
| JP6661954B2 (ja) | 触媒および電解質を含む構造体の評価方法、ならびに当該評価方法を用いる燃料電池の製造方法 | |
| JP2006079840A (ja) | 燃料電池用電極触媒、および、これを用いた燃料電池用mea | |
| JP2007128665A (ja) | 燃料電池用電極触媒層、および、それを用いた膜電極接合体の製造方法 |