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JP2010072180A - 補正システム及び電子線描画装置 - Google Patents

補正システム及び電子線描画装置 Download PDF

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JP2010072180A
JP2010072180A JP2008237758A JP2008237758A JP2010072180A JP 2010072180 A JP2010072180 A JP 2010072180A JP 2008237758 A JP2008237758 A JP 2008237758A JP 2008237758 A JP2008237758 A JP 2008237758A JP 2010072180 A JP2010072180 A JP 2010072180A
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Hiroshi Yoshikawa
浩史 吉川
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Abstract

【課題】基板に照射される電子線の照射位置を補正することにより、精度よく基板にパターンを描画する。
【解決手段】回転テーブルの回転誤差を、第1の検出器からの検出信号と、第2の検出器からの検出信号とに基づいて測定する。そして、第1の検出器からの検出信号と、第2の検出器からの検出信号とを用いた演算を行うことで、電子線の入射位置誤差を算出し、この算出結果に基づいて電子線の入射位置の補正を行う。これにより、電子線を所望の位置に精度よく入射させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、補正システム及び電子線描画装置に係り、更に詳しくは、電子線の入射位置を補正する補正システム、及び試料にパターンを描画する電子線描画装置に関する。
近年、情報のデジタル化に伴い、光ディスクやハードディスクの大容量化に対する要求が高まっており、CD(Compact Disk)や、DVD(Digital Versatile Disk)などの従来型光ディスクに代わり、例えば波長が400nm程度の紫外光により情報の記録及び再生が行なわれる次世代型の光ディスクや、高密度記録が可能なパターンドメディアの研究開発が盛んに行なわれている。
次世代型光ディスクの原盤(スタンパ)やパターンドメディアの記録媒体等の製造工程では、記録層に形成されるパターンが従来型の光ディスクに比べて微細であることから、回転する基板に電子線を照射して基板の表面に、例えば、0.05μm以下の極細線によるスパイラル状又は同心円状の微細パターンを描画することが可能な電子線描画装置が用いられる。
この種の装置では、基板上の目的の位置に正確に電子線を入射させなければならい。しかしながら、電子線の入射位置は、基板が載置された回転テーブルの回転誤差や回転速度ムラ等によっては、目的の位置から外れてしまうことがある。そこで、基板上の目的の位置に正確に電子線を入射せる方法が種々提案されている。
特開2005−50084号公報 特開2002−92977号公報 NTN TECHNICAL REVIEW No.69
特許文献1に記載の装置では、ロータリエンコーダからの出力信号と、ライトクロックPLL回路におけるVCOからの出力信号を分周したものとを位相比較して、位相誤差を検出している。しかしながら、この装置では、位相計からの出力値は電圧値で出力されるが、出力電圧のフルスケールを位相差±2πの範囲に設定する必要があるため、位相検出感度をあげることが困難である。また16ビットのADコンバータを用いたのでは、分解能(1LSB)は、200μrad程度となり、記録面上に換算すると10μm弱相当になってしまう。さらに、位相換算ノイズも50μrad程度であり、nmオーダの回転むらの補正信号を生成することができない。
また、特許文献2に記載の装置では、試料を搭載するターンテーブルの側面を用いて、回転振れの測定を行っている。しかしながら、ターンテーブルの形状誤差値を予め正確に測定したとしても、ターンテーブルを実際にスピンドルへ取付けることにより、その形状誤差が変化してしまう。このため、ターンテーブルの形状誤差を加味して、ターンテーブルの回転振れをnmオーダで計測することは極めて困難である。また、回転振れは、ターンテーブルを回転させるスピンドルの精度も加味して計測しなければならず、従来の方法では、回転振れをnmオーダで正確に測定することは困難である。
本発明は上述の事情の下になされたもので、その第1の目的は、試料に入射する電子線の入射位置を精度よく補正することが可能な補正システムを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、電子線の入射位置の補正を行うことにより、試料にパターンを精度よく描画することが可能な電子線描画装置を提供することにある。
本発明は第1の観点からすると、回転テーブルの回転誤差による電子線の入射位置の変動を補正する補正システムであって、前記回転テーブルに設けられた回転軸の異なる2カ所の回転角度を検出するための、第1の検出器、及び第2の検出器と、前記第1の検出器及び前記第2の検出器からの検出信号に基づいて、前記回転誤差を測定する測定装置と;前記測定装置の測定結果に基づいて前記電子線を偏向して、前記回転テーブルに載置された試料に対する前記電子線の入射位置を補正する偏向装置と;を備える補正システムである。
これによれば、回転テーブルの回転誤差が、第1の検出器からの検出信号と、第2の検出器からの検出信号とに基づいて測定される。そして、第1の検出器からの検出信号と、第2の検出器からの検出信号とを用いた演算が行われることで、第1の検出器及び第2の検出器の取り付け誤差の影響が排除された回転誤差が計測され、この計測誤差に基づいて電子線の入射位置の補正が行われる。したがって、電子線を所望の位置に精度よく入射させることが可能となる。
また、本発明は第2の観点からすると、回転する試料に電子線を照射して、前記試料にパターンを描画する電子線描画装置であって、前記試料を回転可能に保持する回転テーブルと;前記回転テーブルの回転軸を中心に、前記回転テーブルを回転させる回転機構と;本発明の補正システムと;を備える電子線描画装置である。
これによれば、本発明の補正システムにより電子線の入射位置の補正が行われることで、試料上の所望の位置に電子線が入射されるので、結果的に試料に精度よくパターンを描画することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には本実施形態に係る電子線描画装置200の概略構成が示されている。この電子線描画装置200は、例えば真空度が10−4Pa程度の環境下において、レジスト材がコーティングされた基板Wに電子線を照射して、基板Wの描画面に微細パターンを描画する電子線描画装置である。
図1に示されるように、この電子線描画装置200は、電子線を基板に照射する照射装置10、基板が載置される回転テーブル31を備える回転テーブルユニット30、回転テーブルユニット30を収容する真空チャンバ40、及び上記各部を制御する制御系を備えている。
前記真空チャンバ40は、直方体状の中空部材であり上面には円形の開口が形成されている。
前記回転テーブルユニット30は、真空チャンバ40内部の底壁面上に配置されている。この回転テーブルユニット30は、基板Wが載置される回転テーブル31、回転テーブル31を、鉛直軸にほぼ平行な回転軸31aを中心に所定の回転数で回転させるスピンドルモータ35、回転テーブル31をX軸方向に移動可能に保持する移動ステージ34、及び前記移動ステージ34を所定のストロークでX軸方向に駆動するスライドユニット33、回転テーブル31に形成された回転軸31aの下端部と上端部の回転角度を、それぞれ計測する第1エンコーダ36A、第2エンコーダ36Bを備えている。
前記照射装置10は、長手方向をZ軸方向とするケーシング11と、該ケーシング11の内部上方から下方に向かって順次配置された、電子銃12、磁界レンズ13、ブランキング電極14、アパーチャ部材15、走査電極16、及び対物レンズ17を備えている。
前記ケーシング11は、下方が開放された円筒状のケーシングであり、真空チャンバ40上面に形成された開口に、上方から隙間なく嵌合されている。そして、真空チャンバ40内部に位置する部分は、その直径が−Z方向に向かって小さくなるテーパー形状となっている。
前記電子銃12は、前記ケーシング11の内部上方に配置されている。この電子銃12は、陰極から熱と電界により取り出した電子を射出する熱電界放射型の電子銃であり、例えば、直径20〜50nm程度の電子線を下方(−Z方向)へ射出する。
前記磁界レンズ13は、電子銃12の下方に配置された環状のレンズであり、電子銃12から下方に射出された電子線に対して集束する方向のパワーを作用させる。
前記ブランキング電極14は、X軸方向に所定間隔隔てて相互に対向するように配置された1組の長方形板状の電極を有し、制御装置70によって印加される電圧に応じて、磁界レンズ13を通過した電子線を、図中の点線で示されるように+X方向へ偏向する。
前記アパーチャ部材15は、中央に電子線が通過する開口が設けられた板状の部材である。このアパーチャ部材15は、ブランキング電極14を通過した電子線が収束する点近傍に開口が位置するように配置されている。
前記走査電極16は、アパーチャ部材15の下方に配置されている。この走査電極16は、X軸方向に相互に対向するように配置された1対の電極と、Y軸方向に相互に対向するように配置された1対の電極とを有し、印加される電圧に応じて、アパーチャ部材15を通過した電子線をX軸方向又Y軸方向へ偏向する。
前記対物レンズ17は、走査電極16の下方に配置され、走査電極16を通過した電子線を、回転テーブル31に載置された基板の表面に収束させる。
上述のように構成された照射装置10では、電子銃12から射出された電子線は、磁界レンズ13を通過することにより集束され、アパーチャ部材15に設けられた開口近傍(以下、クロスオーバポイントという)で一旦交差される。次に、クロスオーバポイントを通過した電子線は、発散しつつアパーチャ部材15を通過することによりそのビーム径が整形される。そして、対物レンズ17によって、回転テーブル31に載置された基板Wの表面に収束される。
また、照射装置10では、上記動作と並行してブランキング電極14を制御して、電子線をX軸方向に偏向することで、アパーチャ部材15で電子線を遮蔽し、基板Wに対する電子線のブランキングをすることができるようになっている。また、走査電極16に印加する電圧を制御して、電子線をX軸方向又はY軸方向に偏向させることで、基板W上の電子線の照射位置の調整を行うことができるようになっている。
前記制御系は、基本クロック生成回路100、フォーマッタ101、トラック方向ビーム照射位置補正回路102、送り方向ビーム照射位置補正回路103、パルスジェネレートシステム104、ブランカ制御回路105、トラック方向偏向制御回路106、送り方向偏向制御回路107、回転誤差測定回路108、回転駆動制御回路109、及び横送り駆動制御回路110等を含んで構成されている。
前記基本クロック生成回路100は、制御系を構成する各部の動作を規定する所定周波数の基本クロック信号CLKを生成する。
前記ブランカ制御回路105は、フォーマッタ101から供給される信号に基づいて、電圧信号であるブランキング信号を生成し、ブランキング電極14に供給する。これにより、電子線は、基板Wに描画されるパターン情報に基づいて変調される。
パルスジェネレートシステム104は、CLV駆動状態で基板Wの表面にCAVフォーマットの情報トラックを形成するための、信号Fclk、及び該信号Fclkに対する誤差情報を含む信号dFclkと、信号Tclk、及び該信号Tclkに対する誤差情報を含む信号dTclkと、信号Sclk、及び該信号dSclkに対する誤差情報を含む信号dSclkとをそれぞれ生成し出力する。図2は、パルスジェネレートシステム104の一例を示すブロック図である。前記パルスジェネレートシステム104は、図2に示されるように、分周データラッチ回路120、分周回路121、遅延回路122、遅延パルス選択回路123、遅延パルス選択データラッチ回路124を有している。このように構成されたパルスジェネレートシステム104では、例えば、基本クロックCLKが分周回路121で分周され、その結果得られる分周パルスが遅延回路122へ入力される。そして、遅延回路122で、微小時間分解能を有する遅延パルス群が生成され、遅延パルス選択回路123へ供給される。遅延パルス選択回路123は、遅延パルス群の中から所望の発生時間にもっとも近いパルスを選んで出力パルスとし、信号Fclk、信号Tclk、信号Sclkとして出力する。また、分周データ及び遅延パルス選択データは、出力パルス毎に更新される。
前記フォーマッタ101は、基本クロック信号CLKと、パルスジェネレートシステム104からの信号Fclkに基づいて、基板Wに描画されるパターン情報を含む信号を生成しブランカ制御回路105に出力する。
前記回転駆動制御回路109は、第1エンコーダ36Aを介して回転テーブル31に形成された回転軸31aの下端部の回転数を計測しつつ、パルスジェネレートシステム104からの信号Tclkに基づいて、スピンドルモータ35を駆動する。これにより、基板Wは所望の回転数で回転される。
前記横送り駆動回路110は、干渉計37を介して回転テーブル31のX軸方向の位置を計測しつつ、パルスジェネレートシステム104からの信号Sclkに基づいて、スライドユニット33を介して移動ステージ34をX軸方向に移動させる。これにより、回転テーブル31は、位置指令情報に含まれる回転テーブル31の目標位置と、干渉計37を介して計測した回転テーブル31の実測位置との偏差が零となるようにX軸方向へ移動される。また、横送り駆動回路110は、回転テーブル31の目標位置と実測位置との偏差を含む偏差情報を送り方向ビーム照射位置補正回路103へ出力する。
前記回転誤差測定回路108は、図3に示されるように、第1高速クロックカウンタ108a、第2高速クロックカウンタ108b、第1ラッチ回路108c、第2ラッチ回路108d、補正量演算回路108eを含んで構成されている。
前記第1高速クロックカウンタ108aには、基本クロック生成回路100からの基本クロック信号CLKと、第1エンコーダ36Aからのパルス信号Tfbが入力される。図4には、基本クロック信号CLKとパルス信号Tfbとが示されている。第1高速クロックカウンタ108aは、第1エンコーダ36Aからの原点信号ORGに同期して、パルス信号Tfbの立ち上がりから次の立ち上がり、すなわちパルス信号Tfbの1周期を単位とするクロック信号CLKのパルス数をカウントし、このカウント数と基準カウント数の差分を含むデータΔT1(n)を第1ラッチ回路108cに供給する。なお、パルス信号の周期は、例えば回転軸31aの傾きや偏心度合いなどにより増減するため、例えば図5における周期Aを基準周期とすると、基準周期よりも周期の短い周期Bではカウント数が減少し、基準周期よりも周期の長い周期Cではカウント数が増加することとなる。
同様に、前記第2高速クロックカウンタ108bには、基本クロック生成回路100からの基本クロック信号CLKと、第2エンコーダ36Bからのパルス信号Mfbが入力される。そして、第2高速クロックカウンタ108bは、第1エンコーダ36Aからの原点信号ORGに同期して、パルス信号1周期を単位とするクロック信号CLKのパルス数をカウントし、このカウント数と基準カウント数との差分を含むデータΔT2(n)を第2ラッチ回路108dに供給する。
前記第1ラッチ回路108c、及び前記第2ラッチ回路108dは、前記データΔT1(n)、ΔT2(n)をそれぞれ記憶し、順次補正量演算回路108eに供給する。
前記補正量演算回路108eは、前記データΔT1(n)、ΔT2(n)を用いた演算を行うことで、試料に入射する電子線のX軸方向(送り方向)の補正量r・Δθxと、Y軸方向の(トラック方向)の補正量r・Δθyを生成するための誤差データを算出する。
第1エンコーダ36A、及び第2エンコーダ36Bからの出力に含まれるスピンドルモータに起因する回転誤差データは、回転軸振れ誤差と回転速度むら誤差が混ざったデータとなる。このうち、回転軸振れ誤差はトラック方向(Y軸方向)と送り方向(X軸方向)の入射位置ずれを生じさせ、回転速度むら誤差は、トラック方向の入射位置ずれを生じさせる。補正量演算回路108eは、回転軸振れ誤差すなわち、送り方向の補正量を算出するためのデータを生成するとともに、トラック方向の補正量を算出するためのデータを生成する。
《回転誤差の測定》
まず、回転誤差を測定するにあたっては、基板Wに対する描画を開始する前に、第1エンコーダ36A及び第2エンコーダ36Bの取付偏芯による読取り誤差データを作成し、メモリへ保存しておく。また、予め回転テーブル31に形成された回転軸31aの回転軸ぶれ運動の回転中心Pの位置を測定しておく。図5は、回転軸31aの軸倒れの回転中心Pの求め方を説明するための図である。図5に示されるように、回転軸31aは、所定の軸倒れ角だけ倒れた状態で回転運動を続ける。
第1エンコーダ36A、及び第2エンコーダ36Bそれぞれからのパルス信号の周期と、基準となる時間Tcbとの偏差ΔT1(n)、及び偏差ΔT2(n)それぞれを角度換算し、偏差ΔT1(n)と偏差ΔT2(n)の変化を示す曲線の振幅B、振幅Aから、回転中心Pを求めることがでる。例えば、2つのエンコーダと回転中心Pまでの距離をそれぞれS、Rとすると、測定用ロータリエンコーダの振幅B、Aとの関係は次式(1)で示される。
A:B=R:S…(1)
このように、予め回転中心Pを測定しておけば、2つのエンコーダ36A,36Bの振幅比を予め把握しておくことができる。また、2つのエンコーダ36A,36Bを回転中心に対して、対称に配置することで、2つのロータリエンコーダからの出力波形の位相差を180度とすることができる。
次に、第1エンコーダ36Aと、第2エンコーダ36Bとの位置合わせを行う。この位置合わせは、回転軸31aの回転角度を、第1エンコーダ36Aと、第2エンコーダ36Bとで同時に検出できるように、各エンコーダ36A,36Bの検出ヘッドを微調整する。
回転誤差の測定では、回転軸31aの回転角度ごとに、回転軸31aの向きと味噌すり運動の回転中心を検出する必要がある。回転軸振れの検出については、第1エンコーダ36Aと、第2エンコーダ36Bとからのパルス信号Tfb、及びパルス信号Mfbに基づいて算出したデータΔT1(n)(n=1〜N)と、ΔT2(n)(n=1〜N)を用いる。そして、同時刻に測定した回転速度むらの測定データは両方のエンコーダ36A,36Bで同じ値だけ検出されることに着目する。すなわち、両方の測定データの差分をとることで回転速度むら成分をキャンセルすることができる。予め、測定しておいた回転中心をもとに、回転軸振れの成分のみ分離抽出することができる。
次に、分離された回転軸振れ誤差と回転速度むら誤差から、トラック方向の位置誤差と送り方向位置誤差とを演算する。
図6(A)は、データΔT1(n)の変化を示す図であり、図6(B)は、データΔT2(n)の変化を示す図である。補正量演算回路108eは、データΔT1(n)及びデータΔT2(n)が供給されると、まずデータΔT2(n)からデータT1(n)を減じることにより、図7(A)に示されるデータΔT12(n)を算出する。
第1エンコーダ36A、及び第2エンコーダ36Bは、同時に回転軸31aの角度を測定しているので、測定値に入り込む回転速度むら成分は時間的に等しくなる。したがって、データΔT1(n)とデータΔT2(n)との差を取ることで、速度むらの影響を除去することができる。さらに、データΔT1(n)とデータΔT2(n)との位相差は180度となるので、データΔT2(n)の変化を示す曲線の振幅はA+Bで表される。
次に、補正量演算回路108eは、データΔT2(n)の振幅Aの算出と、トラック方向の誤差データを生成する。第1エンコーダ36A及び第2エンコーダ36Bによる回転軸31aの計測位置から、回転軸31aの軸倒れ回転中心Pまでの距離R及び距離Sは既知である。データΔT1(n)の変化曲線の振幅とデータΔT2(n)の変化曲線の振幅との比がわかっているので、双方の変化曲線の振幅の和A+Bは、次式(2)で示される。つまり、図7(A)に示されるデータΔT12nを(1+S/R)で割ることで、トラック方向の回転軸振れ誤差データΔT2(n)を生成することができる。この誤差データΔT2(n)は、図7(B)の変化曲線に示されるようにその値が変化する。
A+B=A+S×A/R=A(1+S/R) …(2)
次に、補正量演算回路108eは、送り方向の回転軸振れ誤差データΔT2(n)を生成する。送り方向の回転軸振れ誤差の大きさは、トラック方向の回転軸振れ誤差、すなわち誤差データΔT2(n)の変化曲線と同じ振幅となり、時間的に90度位相が遅れた波形となる。このため、誤差データΔT2(n)の変化曲線は、図7(C)に示されるようになる。
なお、回転軸31aの回転速度むら(コギング)は、図8に示される曲線のように変化する。この曲線は、ΔT2(n)からΔT2(n)を減ずることで得られる。ただし、このデータは、実際には、補正信号の生成には利用しない。
上述のように算出された、誤差データΔT2(n)、誤差データΔT2(n)それぞれは、トラック方向ビーム照射位置補正回路102、送り方向ビーム照射位置補正回路103へ供給される。
前記トラック方向ビーム照射位置補正回路102は、回転誤差測定回路108から供給された誤差データΔT2(n)に基づいて、Y軸方向の(トラック方向)補正量r・Δθyを算出し、この算出結果を含む制御信号をトラック方向偏向制御回路106に出力する。Y軸方向の補正量r・Δθyは、上述のデータΔT2(n)に、回転軸31aの回転角速度と、回転テーブル31の回転中心から電子線の入射位置までの距離rとが乗じられることで算出される。なお、この補正量r・Δθyは、非同期誤差が考慮されていないが、非同期誤差を考慮する場合には、補正量r・ΔθyにY軸方向の非同期成分ΔYを加算して、これを補正量としてもよい。非同期誤差は、例えば特開2005−274550号公報に開示された方法で検出することができる。また、この補正量r・Δθyは、回転軸31aの回転角度ごとに算出される。
前記トラック方向偏向制御回路106は、トラック方向ビーム照射位置補正回路102から出力された制御信号に基づいて、電子線をトラック方向(Y軸補方向)に偏向させるための信号Btを生成し、走査電極16へ出力する。これにより、電子線は、Y軸方向に偏向され、基板Wに対する電子線の入射位置は、信号Btに応じた量だけY軸方向へ補正される。
前記送り方向ビーム照射位置補正回路103は、回転誤差測定回路108から供給された誤差データΔT2(n)に基づいて、X軸方向の(送り方向)補正量r・Δθxを算出し、この算出結果を含む制御信号を送り方向偏向制御回路107に出力する。X軸方向の補正量r・Δθxは、上述のデータΔT2(n)に、回転軸31aの回転角速度と、回転テーブル31の回転中心から電子線の入射位置までの距離rとが乗じられることで算出される。なお、この補正量r・Δθxは、非同期誤差が考慮されていないが、非同期誤差を考慮する場合には、補正量r・ΔθyにX軸方向の非同期成分ΔXを加算して、これを補正量としてもよい。さらに、横送り駆動制御回路110からの送り誤差情報ΔSを補正量r・Δθxに加算してこれを補正量としてもよい。また、この補正量r・Δθyは、回転軸31aの回転角度ごとに算出される。
前記送り方向偏向制御回路107は、送り方向ビーム照射位置補正回路103から供給される制御信号に基づいて、電子線を送り方向(X軸補方向)に偏向させるための信号Bsを生成し、走査電極16へ出力する。これにより、電子線は、X軸方向に偏向され、基板Wに対する電子線の入射位置は、信号Bsに応じた量だけX軸方向へ補正される。
上述した電子線描画装置200では、例えばユーザや上位装置からの描画開始指令を受けると、制御系の横送り駆動制御回路110により移動ステージ34が駆動されるとともに、回転駆動制御回路109により回転テーブル31が所定の回転数で回転される。そして、照射装置10から、描画パターンに基づいて変調された電子線が基板Wの表面に照射されることで、基板Wの表面に同心円状又はスパイラル状のパターンが形成される。
そして、基板Wに電子線が照射されている間は、回転誤差測定回路108、トラック方向ビーム照射位置補正回路102、送り方向ビーム照射位置補正回路103により、電子線のX軸方向及びおY軸方向の入射位置ずれが演算され、この演算結果に基づいて、電子線の入射位置が補正される。したがって、基板Wに対して精度よくパターンが描画される。
なお、一般に、回転軸31aの回転誤差に起因する誤差成分には、回転軸振れ誤差、回転速度むら(コギング)、非同期回転誤差が含まれる。
《回転軸振れ誤差》
スピンドルモータの軸受構成としては、高い回転精度が得られるので、静圧軸受が一般的に用いられる。しかし、回転精度は、軸受の加工精度に依存するところが大きく、回転軸振れ誤差が生じる。また、その大きさは、負荷慣性によって異なり、回転速度依存性もある。回転数が大きいほど回転軸の軸倒れが大きくなり、回転軸振れ誤差が大きくなる傾向がある。特に、回転体の慣性モーメントにアンバランスがあると、回転軸の傾きも大きくなる。この運動を味噌すり運動などと呼ぶこともある。この味噌すり運動は結果として、スピンドルの回転周期に同期して、試料面の傾きの方向が変わるため、電子線は試料上を蛇行するように描画されてしまう。
図9(A)は、回転軸の軸倒れを示す図である。回転軸は、中心軸に対して、回転中心Pにて倒れ角αで傾いた状態で回転を続ける。図9(B)は、回転軸が1回転する間の回転テーブル面における軸心の軌跡を現している。軸心軌跡は直径約0.2μmの円形で、回転軸が1回転する間に回転軸心はこの軌跡上を1周する。図9(C)は、基板上に描画された電子線の軌跡である。
《回転速度むら(コギング)》
エアスピンドルを用いた場合、駆動モータとしてはACサーボモータが一般的に用いられる。ACサーボモータでは、モータ部の極数による影響のため、回転速度むらを完全にゼロにすることは難しい。図10は、コギングによって回転速度むらに及ぼす影響を説明するための図である。本実施形態の場合には、一回転に4山の周期で回転速度むらが生じている。回転速度むらが生じると、トラック方向の描画位置において、スピンドル1回転に4回の粗密となって、描画されてしまう。
《非同期回転誤差》
静圧軸受隙間における気体の流れの非定常成分やモータからの振動や軸受の動的な角度剛性の不足などによって、非繰り返し成分の回転誤差が生じる。このように、非回転同期誤差が生じると、描画位置の非同期な描画位置ずれが、トラック方向と送り方向に生じてしまう。
図11は、ロータリエンコーダの誤差データをフィードバック信号の補正を行えるように組み込んだ誤差補正制御系であり、参考文献3に開示されている。通常のPLL制御系に対して、誤差データを記録したメモリ、回転位置に応じた誤差データをメモリから取り出す読み取り回路、及び偏差検出回路の出力から誤差データを減じる減算器が付加された構成となっている。位相比較器は、基準パルスとロータリエンコーダの出力パルスの位相差に相当する幅のパルス列を出力する。このパルス出力は、偏差検出回路で位相差に比例する電圧に変換される。これにより、スピンドルの回転制御用のフィードバック信号として用いられる制御用ロータリエンコーダの測定値において、偏芯による誤差を除去した信号を得ることができるので、スピンドルの回転精度を向上させることができる。
また、ロータリエンコーダ取付け偏芯による測定誤差は、特許文献3に開示されている基準比較法,または時間法によって測定することができる。図12は,エンコーダの誤差測定法を示す図である。図のように、基準比較法とは、予め精度が保証されている高精度ロータリーエンコーダ(基準エンコーダ)をターンテーブル上面にカップリングを介して取付け、制御用エンコーダの読取り値と順次比較測定していく方法である。時間法は、オープンループでモータに一定電流を流し、回転が安定した状態でのエンコーダの出力パルスを測定する方法である。ターンテーブルの慣性モーメントにより、スピンドルモータは、オープンループ制御のもと等速回転しているとみなすことができることを利用している。本実施形態においては、第1エンコーダ36A,第2エンコーダ36Bの取付け偏芯に起因する測定誤差を、予め測定しておき、記憶手段に保存することとすることができる。
以上説明したように、本発明の補正システムは、電子線の入射位置を補正するのに適している。また、本発明の電子線描画装置は、基板にパターンを描画するのに適している。
本発明の一実施形態に係る電子線描画装置200の概略的な構成を示す図である。 パルスジェネレートシステム104のブロック図である。 回転誤差測定回路108のブロック図である。 クロック信号とエンコーダ36A,36Bからのパルス信号を示す図である。 回転軸31aの軸倒れの回転中心Pの求め方を説明するための図である。 図6(A)及び図6(B)は、補正量演算回路108eの動作を説明するための図(その1、その2)である。 図7(A)〜図7(C)は、補正量演算回路108eの動作を説明するための図(その3〜5)である。 回転軸31aの回転速度むらを説明するための図である。 図9(A)は、回転軸の軸倒れを示す図である。図9(B)は回転テーブル面における軸心の軌跡を示す図である。図9(C)は、基板上に描画された電子線の軌跡を示す図である。 コギングによって回転速度むらに及ぼす影響を説明するための図である。 誤差補正制御系の一例を示す図である。 エンコーダの誤差測定法を説明するための図である。
符号の説明
10…照射装置、11…ケーシング、12…電子銃、13…磁界レンズ、14…ブランキング電極、15…アパーチャ部材、16…走査電極、17…対物レンズ、30…回転テーブルユニット、31…回転テーブル、31a…回転軸、33…スライドユニット、34…移動ステージ、35…スピンドルモータ、36A…第1エンコーダ、36B…第2エンコーダ、37…干渉計、40…真空チャンバ、100…基本クロック生成回路、101…フォーマッタ、102…トラック方向ビーム照射位置補正回路、103…送り方向ビーム照射位置補正回路、104…パルスジェネレートシステム、105…ブランカ制御回路、106…トラック方向偏向制御回路、107…送り方向偏向制御回路、108…回転誤差測定回路、108a…第1高速クロックカウンタ、108b…第2高速クロックカウンタ、108c…第1ラッチ回路、108d…第2ラッチ回路、108e…補正量演算回路、109…回転駆動制御回路、110…横送り駆動制御回路、120…分周データラッチ回路、121…分周回路、122…遅延回路、123…遅延パルス選択回路、124…遅延パルス選択データラッチ回路、200…電子線描画装置、W…基板。

Claims (6)

  1. 回転テーブルの回転誤差による電子線の入射位置を補正する補正システムであって、
    前記回転テーブルに設けられた回転軸の異なる2カ所の回転角度を検出するための、第1の検出器、及び第2の検出器と;
    前記第1の検出器及び前記第2の検出器からの検出信号に基づいて、前記回転誤差を測定する測定装置と;
    前記測定装置の測定結果に基づいて前記電子線を偏向して、前記回転テーブルに載置された試料に対する前記電子線の入射位置を補正する偏向装置と;を備える補正システム。
  2. 前記測定装置は、
    基本クロック信号を発生する基本クロック発生装置と;
    前記第1の検出器からのパルス信号の1周期あたりの前記基本クロック信号のクロック数をカウントする第1カウンタ回路と;
    前記第2の検出器からのパルス信号の1周期あたりの前記基本クロック信号のクロック数をカウントする第2カウンタ回路と;
    前記第1カウンタ回路のカウント結果及び前記第2カウンタ回路のカウント結果と、基準値とを比較して得られたデータから、前記回転誤差を演算する演算回路と;を備えることを特徴とする請求項1に記載の補正システム。
  3. 前記第1の検出器は、前記回転軸の一側の前記回転テーブル近傍の位置の回転角度を検出し、前記第2の検出器は、前記回転軸の他側の位置の回転角を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の補正システム。
  4. 前記回転誤差には、前記回転テーブルの回転軸ぶれと回転速度むらが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の補正システム。
  5. 回転する試料に電子線を照射して、前記試料にパターンを描画する電子線描画装置であって、
    前記試料を回転可能に保持する回転テーブルと;
    前記回転テーブルの回転軸を中心に、前記回転テーブルを回転させる回転機構と;
    請求項1〜4に記載の補正システムと;を備える電子線描画装置。
  6. 前記回転機構に回転される試料を保持する移動ステージと;
    前記移動ステージを所定方向へ移動させる移動機構と;を更に含む請求項5に記載の電子線描画装置。
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