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JP2010063012A - 電力線通信装置 - Google Patents

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JP2010063012A
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Kuniaki Matsui
邦晃 松井
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Abstract

【課題】高品質の通信が維持される電力線通信装置を提供する。
【解決手段】電力線通信装置のCPUが実行するステップは、電力線通信装置の動作状態を、停止状態から待機状態に切り換えるステップ(S710)と、優先度と必要なキャリア数とを受信したか否かを判定するステップ(S720)と、他の電力線通信装置から受信した優先度および必要なキャリア数をRAMに登録するステップ(S730)と、予め設定された一定時間が経過したか否かを判定するステップ(S740)と、通信の優先度を各通信信号から取得し、また、各通信に必要なキャリア数を算出するステップ(S750)と、各通信に必要な帯域を算出するステップ(S760)と、他の電力線通信装置に、通信ごとに使用できる帯域をそれぞれ通知するステップ(S770)とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は複数のキャリアを用いた通信に関し、特に、通信の品質を確保する技術に関する。
高速電力線通信では、データを高速転送するために1.8MHz〜30MHzの周波数で、1,155本のキャリアを用いて通信している。しかし、電力線にはいろいろな機器が接続されており、種々のノイズが存在する。そのため、信号が妨害され、正しく通信できないことがある。また、たとえば、VoIP(Voice over Internet Protocol)などの優先度の高い通信が行われている時に、優先度の低い通信が大量に行われると、優先度の高い通信に悪影響を及ぼす。上記のVoIPの場合、音声が途切れるなどの問題が発生する。
特開2006−129470号公報(特許文献1)は、「他の電力線通信システム又は他のシステムからの、あるいは雑音源からの干渉による電力線通信相手装置間の電力線通信の妨害を、単純で信頼性のある方法で低減し、通信品質及び通信の信頼度のみならず、電力線通信ネットワークを介する可能なデータスループットを高めることができる電力線通信方法」を開示している(段落0004)。
特開2000−165304号公報(特許文献2)は、「電力線に複数の周波数スペクトルを有する搬送波を重畳して、電力線のノイズ環境、減衰環境に応じた通信制御を行う電力線搬送通信装置」を開示している(段落0001)。
特開2004−336204号公報(特許文献3)は、「マルチキャリア通信により複数の通信装置が通信を行う際に、それぞれの通信装置のデータ量に適したキャリア配分を行う通信装置および通信システム」を開示している(段落0001)。
特表2004−531944号公報(特許文献4)は、「電力線ネットワークを介したデータのポイント・ツー・マルチポイントディジタル伝送のマルチユーザシステムのためのデータの多重アクセス及び多重伝送の方法」に関する技術を開示している(段落0001)。
特開2003−018117号公報(特許文献5)は、「変調方式としてOFDMを用いた通信システムにおいて、サブキャリアを各ユーザに適応的に割り当てることで多元接続を実現する装置」に関する技術を開示している(段落0001)。
特開2000−216752号公報(特許文献6)は、「マルチキャリア変復調方式によりデータ通信を行うマルチキャリア通信装置に関し、特に、DMT変復調方式により電力線通信を行う電力線モデム等のマルチキャリア通信装置」に関する技術を開示している(段落0001)。
特開2006−129470号公報 特開2000−165304号公報 特開2004−336204号公報 特表2004−531944号公報 特開2003−018117号公報 特開2000−216752号公報
電力線通信において、電力線上のノイズが問題になる。優先度の高い重要な通信があった場合に、ノイズ状況により通信が途切れたりする可能性がある。
たとえば、高速電力線通信では、データを高速転送するために1.8MHz〜30MHzの周波数で、1,155本のキャリアを用いて通信している。しかし、電力線には、情報家電、生活家電その他の機器が接続されており、種々のノイズが存在する。その結果、信号が妨害され正しく通信できないことがある。
また、優先度の高い通信が、優先度の低い通信が増大したために送信しにくくなるといったことも発生する。電力線上のノイズは、その時々で変わるため、通信速度が悪化するという問題もある。
従来、通信種別ごとに帯域を動的に変更して通信する技術はなかった。通信装置のユーザがマニュアル操作によって各装置を設定することにより、使用するキャリアを変更することはできるが、データ量、種別に応じて制御することなどはできなかった。これは、複数の通信装置で通信する場合、使用するキャリアの場所が分からないと、変調/復調ができないためである。
ある通信は10〜15MHz帯域を使うが、ある通信は12〜18MHzの帯域を使うという風にすると、一方が優先度の高い通信である場合、帯域の重なっている部分で優先度の高い通信の品質を圧迫することになる。したがって、基本的には、通信種別ごとに同じ帯域を用いて通信し、かつ、帯域が重ならないことが必要である。キャリア数を変更するためには、この同期を解決する必要がある。
また、たとえば、特開2004−336204号公報に開示された技術によると、通信コネクションごとの優先度の判定はできない上、細かな帯域管理ができないという問題がある。
特表2004−531944号公報に開示された技術によると、通信コネクションごとの優先度を管理して各電力線通信装置に細かく帯域を割り当てることができないという問題がある。
特開2003−018117号公報に開示された技術によると、コネクション毎に各電力線通信装置に帯域を割り当てることができないという問題がある。また、周波数変更の同期を取ることも困難な場合がある。
特開2000−216752号公報に開示された技術によると、周波数変更の同期タイミングを図る方法が困難であるという問題がある。
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、通信品質を維持できる電力線通信装置を提供することである。他の目的は、電力線を用いた通信の品質が維持される方法を提供することである。
この発明のある局面に従う電力線通信装置は、通信回線に接続されて、複数の帯域を用いて他の電力線通信装置と通信するように構成された通信手段と、通信回線における信号の伝送状態を検知するように構成された検知手段と、検知手段により検知された伝送状態に基づいて、信号に専用の帯域を割り当てるように構成された通信制御手段とを備える。
好ましくは、検知手段は、通信回線において伝送される信号のデータ量または種類を検知するように構成されている。通信制御手段は、データ量または種類に応じて、信号に専用の帯域を割り当てるように構成されている。
好ましくは、通信手段は、複数の帯域のうちの1つの帯域を用いて、他の電力線通信装置との通信に使用される帯域の割り当てのための制御情報を、他の電力線通信装置との間で通信するように構成されている。検知手段は、他の電力線通信装置が使用する帯域の情報を含む信号を取得するように構成されている。通信制御手段は、他の電力線通信装置による通信以外の通信に使用される帯域を、情報に基づいて変更するように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置は、当該電力線通信装置と他の電力線通信装置との通信ネットワークを管理するように構成されたネットワーク管理手段をさらに備える。
好ましくは、検知手段は、他の電力線通信装置との通信のために使用される帯域の数または通信の優先度を受信するように構成されている。通信制御手段は、帯域の数または通信の優先度に応じて、他の電力線通信装置との通信に専用の帯域を割り当てるように構成されている。
好ましくは、通信手段は、電力線通信装置と他の電力線通信装置との間の通信に必要な帯域の数を、予め定められた帯域を用いて他の電力線通信装置から受信するように構成されている。通信制御手段は、必要な帯域の数に基づいて、予め定められた帯域と異なる帯域を、他の電力線通信装置との通信に割り当てるように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置は、通信回線における各帯域についての予め規定されたエラー情報または転送レートを格納するように構成された記憶手段をさらに備える。通信制御手段は、記憶手段に格納されているエラー情報または転送レートに基づいて、電力線通信装置と他の電力線通信装置との間の通信に必要な帯域の数を決定するように構成されている。
好ましくは、検知手段は、他の電力線通信装置から受信した信号に基づいて、予め規定された優先度よりも高い優先度を有する通信が発生したか否かを判定するように構成されている。通信制御手段は、高い優先度を有する通信が発生したことに基づいて、高い優先度を有する通信に対して、帯域を優先的に割り当てるように構成されている。
好ましくは、通信制御手段は、高い優先度を有する通信におけるデータの転送量を決定し、決定された転送量に応じて帯域を割り当てるように構成されている。
好ましくは、通信手段は、通信回線における通信の優先度とデータの転送量とを、予め定められた時間ごとに、他の電力線通信装置から受信するように構成されている。通信制御手段は、予め定められた時間ごとに他の電力線通信装置による通信のための帯域を確保するように構成されている。
好ましくは、通信手段は、予め定められた時間ごとに、他の電力線通信装置に、通信回線における通信を許可する送信権を送信するように構成されている。通信制御手段は、送信権の受信に応答して他の電力線通信装置によって送信される優先度またはデータの転送量に基づいて、他の電力線通信装置による通信のための帯域を割り当てるように構成されている。
好ましくは、検知手段は、通信回線を用いた通信に必要な帯域数として他の電力線通信装置から送られた帯域数が、他の電力線通信装置に割り当てられている帯域数を上回るか否かを判定するように構成されている。通信制御手段は、通信回線を用いた通信に必要な帯域数として他の電力線通信装置から送られた帯域数が、他の電力線通信装置に割り当てられている帯域数を上回る場合に、通信回線における各通信の優先度に応じて、各通信に帯域を再割り当てするように構成されている。
好ましくは、通信制御手段は、優先度が低い通信に割り当てられた帯域を開放し、当該帯域を優先度が高い通信に割り当てるように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置は、通信回線における各帯域のノイズ情報として予め準備されたノイズ情報を格納するように構成された記憶手段と、ノイズ情報に基づいて通信に必要なキャリア数を決定するように構成された決定手段とをさらに備える。通信制御手段は、決定手段によって決定されたキャリア数に基づいて帯域を通信に割り当てるように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置は、通信回線における各帯域のノイズ情報を格納するように構成された記憶手段をさらに備える。検知手段は、他の電力線通信装置から受信した信号に基づいて、他の電力線通信装置による通信の優先度を取得するように構成されている。通信制御手段は、取得された優先度に応じて、他の電力線通信装置による通信を、通信回線の複数の帯域のうちのノイズの少ない帯域に割り当てるように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置が複数の他の電力線通信装置と通信している場合に、通信制御手段は、各帯域に対する各他の電力線通信装置による通信の割り当てを、優先度が高い順に、かつ、帯域のノイズが低い順に行なうように構成されている。
好ましくは、通信制御手段は、ノイズのレベルが予め設定された基準を下回る帯域に、優先度の高い通信を割り当てるように構成されている。
好ましくは、電力線通信装置は、通信回線の複数の帯域への通信の割り当てを行なう前に、記憶手段に格納されているノイズ情報を更新するように構成された更新手段をさらに備える。
本発明によると、電力線を用いた通信において通信品質の低下が防止され得る。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、異なる実施の形態が説明される場合には、その実施の形態に係る構成の説明は、当該実施の形態に固有な構成を除き、繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[技術思想]
最初に、本発明の実施の形態に係る電力線通信装置の技術思想について説明する。まず、一般に、電力線通信においては、そのネットワーク上に常にネットワークを管理する電力線通信装置(CCo、「マスター」ともいう。)がある。CCoは、ネットワーク上の他の電力線通信装置(STA、「スレーブ」ともいう。)を管理する。CCoの電源が落ちた場合には、他のSTAがCCoとして機能する。これにより、電力線通信ネットワーク上には、常に、1台のCCoが存在することになる。CCoが、各電力線通信装置によって使用可能な帯域(チャンネル)を管理し、使用すべき帯域を他のSTAに対して通知することにより、ノイズの多いチャンネルの使用を避けたり、優先的に制御チャンネルを割り当てて通信品質を上げることができる。なお、本実施の形態において制御チャンネルとは、各電力線通信装置間の帯域の同期その他の管理のために使用されるチャンネルをいう。
各電力線通信装置(STA、CCo)は、自己に送られて来ているデータ量と通信種類に応じて、各通信に必要なキャリア数をCCoに定期的に通知する。なお、CCoは、自分自身に向けて、キャリア数を送ることになる。
CCoは、各電力線通信装置からのキャリア数の合計値を算出し、実際に通信に使用可能なキャリアを決定する。CCoは、使用すべきキャリアを各電力線通信装置に通知し、各電力線通信装置は、そのキャリアを用いた変復調を行う。なお、CCoは、各帯域のエラー情報(S/N(Signal to Noise)レベル)を含む情報テーブルを参照し、ノイズの少ない帯域に優先度の高い通信を専用に割り当てる。
このようにすれば、優先度の高い通信が使用する帯域は確保されるため、優先度の低い通信が急激に増加したとしても、優先度の高い通信は専用のキャリアを用いて安定して通信することができる。また、CCoが各電力線通信装置が使用するキャリアを管理することで、制御の複雑性を回避することができる。
すなわち、CCoという仮想的なマスターと、周波数制御と、ノイズ情報(S/Nテーブル(電力線通信では、チャンネル評価という))を組み合わせることで、通信品質(QoS)の改善が実現できる。
[システム構成]
そこで、最初に、図1を参照して、電力線通信システム100について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システム100の構成をブロック図形式で示す図である。
電力線通信システム100は、電力線通信装置102と、ケーブル150によって電力線通信装置102に接続された端末120と、電力線通信装置104と、ケーブル151によって電力線通信装置104に接続された端末130と、電力線通信装置106と、ケーブル152によって電力線通信装置に接続された端末140とを備える。
端末120,130,140は、たとえば、PC(Personal Computer)、IP(Internet Protocol)電話、ネットワーク通信機能を備えたテレビ、ドアホン等である。
ケーブル150、151,152は、たとえば、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))規格に従う信号を伝送するための媒体であるが、伝送の規格はこれに限られない。また、ケーブル150,151,152に代えて無線接続が用いられてもよい。無線接続の伝送形式は、たとえば、ブルートゥース等であるが、これに限られない。
電力線通信装置102,104,106は、それぞれ、プラグ103,105,107によって、コンセント112,114,116を介して電力線110に接続されている。
電力線通信装置102,104,106は、いわゆるPLC(Power Line Communication)アダプタとして機能する。詳しくは、電力線通信装置102,104,106は、各端末と各電力線通信装置との間で伝送される信号と電力線通信信号(以下「PLC信号」ともいう。)とを相互に変換する。
電力線通信装置102,104,106は、電力線110を経由して通信する。電力線110上では、データは、複数のキャリア(搬送波)によって伝送される。また、電力線通信装置102,104,106は、それぞれ、後述するように、通信に使用するキャリアを制御するための機能を備える。ここで、キャリアの制御とは、キャリアの選択、割り当て、再割り当て等を含み得る。
電力線通信装置102,104,106のうちの1つの電力線通信装置は、いわゆるマスター(CCo:Central Coordinator)となり、残りの電力線通信装置は、いわゆるスレーブ装置(STA:Station)となる。たとえば、電力線通信規格の1つであるHomePlugAVでは、同じ電力線に接続された電力線通信装置のうち最初に起動した装置が、マスターとして機能する。本実施の形態では、電力線通信装置102が、最初に起動され、マスターとして機能するとして説明する。
なお、マスターとして機能している電力線通信装置102の電源が遮断された場合、他の電力線通信装置104,106のいずれかがマスターとして機能する。たとえば、残りの電力線通信装置104,106は、互いに識別データをやり取りして、最も小さな識別番号を有する装置がマスターとして機能するように構成されていてもよい。あるいは、接続されている端末が通信を行なっていない電力線通信装置がマスターとして機能してもよい。この場合、マスターとして機能するための設定を、端末との通信によって妨げられないため、誤った動作の発生が防止され得る。ただし、マスターとして機能する電力線通信装置の決定方法は、実装に応じて異なり、上記のものに限られない。
本実施の形態では、電力線通信装置のうち、マスターとして機能する電力線通信装置が電力線通信を管理する主体となる「通信管理装置」として機能する。マスターは、電力線通信に必要なキャリアを決定し、各電力線通信装置に対して、決定したキャリアで通信を行なうように指示を与える。なお、「各電力線通信装置」には、マスター自身も含まれるものとする。
[ハードウェア構成]
図2を参照して、電力線通信装置102,104,106の具体的構成について説明する。図2は、電力線通信装置102のハードウェア構成を表すブロック図である。なお、電力線通信装置104,106も、同様のハードウェア構成によって実現される。電力線通信装置のマスターとスレーブとの違いは、たとえば、当該電力線通信装置が、マスターとしての処理を実現する機能をソフトウェアによって実行させるか否かに基づく。
電力線通信装置102は、CPU(Central Processing Unit)210と、PLCモデム212と、アナログフロントエンド214と、トランス216と、プラグ103と、ローパスフィルタ220と、サービスコンセント222と、挿入検出部224と、AC−DC(Alternating Current−Direct Current)電源変換部226と、RAM(Random Access Memory)228と、フラッシュROM(Read Only Memory)230と、イーサネット(登録商標)コントローラ232と、RJ45コネクタ234と、LED(Light Emitting Diode)236と、スピーカ238と、操作パネル240とを備える。RJ45コネクタ234には、端末120その他の情報通信装置が接続可能である。サービスコンセント222には、PCその他の通信端末装置の電源プラグが接続可能である。
CPU210は、電力線通信装置102に与えられる命令と、電力線通信装置102の内部に格納されているデータおよびプログラム等に基づいて、電力線通信装置102の動作を制御する。より具体的には、CPU210は、RAM228、フラッシュROM230に格納されているデータと、フラッシュROM230に格納されているプログラムとに基づいて命令を実行し、その命令に応じて通信を制御する。
PLCモデム212は、CPU210によって生成されたデータあるいはイーサネット(登録商標)コントローラ232を介して取得されたデータを電力線通信のための形式に変換し、変換後のデータをアナログフロントエンド214に出力する。また、PLCモデム212は、プラグ103を介して電力線から取得された信号から、データを取り出し、その取得したデータをCPU210に伝送する。
アナログフロントエンド214は、PLCモデム212から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換し、変換によって生成されたアナログ信号をトランス216に伝送する。逆に、アナログフロントエンド214は、トランス216から出力されるアナログ信号をデジタルデータに変換し、その変換によって生成されたデジタルデータをPLCモデム212に送出する。
トランス216は、アナログフロントエンド214からのアナログ信号を電力線上に重畳する。また、トランス216は、電力線上の信号を取り出し、その取り出した信号をアナログフロントエンド214に送信する。プラグ103は、電力線通信装置102が設置される部屋の壁に設けられるコンセント112に接続され、電力線110から電力の供給を受ける。
ローパスフィルタ220は、信号を除去する。ローパスフィルタ220は、設定情報の送信が行なわれない間は、その動作は無効にされる。この切り換えは、たとえばCPU210からの命令に従って行なわれる。
サービスコンセント222は、電力線通信装置102によって電力の供給を受ける他の装置(たとえばIP電話機、端末120など)の電源プラグの挿入を受け付ける。挿入検出部224は、サービスコンセント222に他のプラグが挿入されたことを検出する。挿入検出部224は、その検出が表す信号をCPU210に向けて送出する。なお、サービスコンセント222および挿入検出部224は、本実施の形態に係る電力線通信装置102に必須の構成ではない。
AC−DC電源変換部226は、電力線通信装置102に与えられた交流電源を直流電源に変換し、直流電流を、電力線通信装置102を構成するハードウェアに供給する。
RAM228は、CPU210によって生成されたデータを一時的に格納する。また、RAM228は、イーサネット(登録商標)コントローラ232によって外部から取得されたデータも格納する。
フラッシュROM230は、電力線通信装置102の製造者によって予め準備されたデータおよびプログラムを格納している。さらに、フラッシュROM230は、CPU210の書込動作によって、電力線通信装置102の通信によって取得されたデータも格納する。
イーサネット(登録商標)コントローラ232は、CPU210から出力される命令に従って、電力線通信装置102と、RJ45コネクタ234に接続された端末120との通信を制御する。イーサネット(登録商標)コントローラ232は、RAM228に格納されているデータの読み出し、RJ45コネクタ234にそのデータを送出する。また、電力線通信装置102が端末120から送られたデータを受信すると、イーサネット(登録商標)コントローラ232は、RJ45コネクタ234から送られたデータをRAM228において確保した領域に書き込む。CPU210は、その書き込みの完了の割込信号に応答してRAM228を参照して、その書き込まれたデータを読み出す。
RJ45コネクタ234は、端末120その他の情報通信装置に接続されるケーブルの装着を受け付ける。
LED236は、CPU210から出力される発光命令に従って、予め規定された点灯動作あるいは点滅動作を実行する。たとえば、LED236は、電力線通信装置102の動作状態(通常の通信、設定情報の通信、他の通信端末とのペアリング)を示す信号をそれぞれ発信する。電力線通信装置102の使用者は、その点灯あるいは点滅の状態により、電力線通信装置102の動作状態を認識することができる。
スピーカ238は、CPU210から出力される信号に従って、電力線通信装置102の動作を通知するために予め規定された音を出力する。たとえば電力線通信装置102において異常が検出された場合、スピーカ238は、その異常を報知するブザーを発することができる。
操作パネル240は、電力線通信装置102に対する設定の入力を受け付ける。たとえば、電力線通信装置102による設定情報の送信を許可あるいは禁止するための設定は、操作パネル240に対する操作に従って実現される。また、使用者がローパスフィルタ220の動作を強制的に実行させたい場合には、操作パネル240に対する操作に従って、その動作が強制的に切り換えられる。この場合、CPU210から出力される命令は、無効化される。操作パネル240は、タッチパネル、トグルスイッチ等によって実現される。あるいは、光電変換素子が用いられても良い。この場合、電力線通信装置102の使用者による操作に代えて、光が操作入力を規定することになる。
[情報の通信態様]
図3を参照して、通信キャリアの決定にあたっての電力線通信装置間の情報のやり取りについて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システム100における情報の通信態様を表わす図である。
スレーブ装置(STA)である電力線通信装置104は、流入する転送データ量に基づいて算出した必要キャリア数を伝えるメッセージ320を、マスター(CCo)である電力線通信装置102に送信する。電力線通信装置106も同様に、必要キャリア数を伝えるメッセージ310を電力線通信装置102に送信する。電力線通信装置102は、自己に向けて同様のメッセージを送信する。
電力線通信装置102,104,106は、それぞれ、当該メッセージを、予め定められたタイミングで電力線通信装置102に向けて送信する。たとえば、電力線通信装置102,104,106は、一定の時間間隔で当該メッセージを電力線通信装置102に送信する。この場合、電力線通信装置102,104,106は、それぞれ、当該一定の時間間隔内に算出された必要キャリア数の最大値を通知するメッセージを電力線通信装置102に送信してもよい。このようにすることにより、通信が確実に保証され得る。
あるいは、電力線通信装置102,104,106は、それぞれ内部で監視しているデータ量あるいは転送速度の変化量が予め設定された閾値を超えたときに、メッセージを送信してもよい。たとえば、CPU210は、監視しているデータ量あるいは転送速度に基づいて、それらの変化量を計算し、変化量が閾値を超える場合に、メッセージを生成して送信する構成であってもよい。このような構成によれば、メッセージを送信する回数が削減され得るため、通信ネットワークの負荷が軽減される。
マスターである電力線通信装置102は、各電力線通信装置からの必要キャリア数を伝えるメッセージを受信すると、その必要キャリア数に基づいて通信に使用可能なキャリア(以下「通信キャリア」という。)を決定する。そして、通信キャリアで通信する設定を要求する命令330を、その必要キャリア数を送信した電力線通信装置に送信する。
電力線通信装置102は、予め定められたタイミングで命令330を送信する。具体的には、電力線通信装置102は、たとえば、一定の時間間隔で命令330を送信する。あるいは、電力線通信装置102は、必要キャリア数の受信に応答して通信キャリアを決定する度に、即座に(待ち時間を伴うことなく)命令330を送信してもよい。
本実施の形態に係る電力線通信装置102,104,106は、転送データ量に応じて通信キャリアを決定し、通信状態に応じて通信キャリアを動的に変更することができる。したがって、各電力線通信装置が必要とする通信キャリアの干渉を防止することができるため、通信の混雑あるいはノイズによる通信品質の低下を防止することができる。また、必要以上のキャリアが使用されることを防止できるため、電力線通信における消費電力を削減することもできる。特に、待機状態が長い通信機器を多く含むネットワークに本電力線通信装置を導入すれば、劇的に消費電力を削減することができる。
そこで、図4を参照して、本実施の形態に係る電力線通信システムにおける通信キャリアの決定について説明する。図4は、転送データ量と、電力線通信に使用されるキャリアとの関係を概念的に表わす図である。
図4(A)は、従来の電力線通信における転送データ量とキャリアとの関係を表わす。図4(A)に示されるように、転送データ量の多少にかかわらず、常に、最大数のキャリア401で電力線通信が行なわれている。そのため、この通信方法によれば、データの送信が行なわれていないときにも、電力線通信装置間の通信のために最低限必要な制御チャンネル400以外にも多数のキャリアを用いて通信することとなる。その結果、この場合のキャリアの稼働率(使用率)は低くなる。
図4(B)および図4(C)は、それぞれ、本実施の形態に係る電力線通信装置を用いた場合における転送データ量とキャリア数との関係を表わす。図4(B)は、転送データ量が少ない場合の関係を表わす。通信に用いられるキャリアは、制御チャンネル400と優先度が低いデータを送信するためのキャリア402と、優先度が高いデータを送信するためのキャリア410とを含む。ここで、キャリア402の数は、転送データ量が少ないことに応じて、転送データ量が多い場合よりも少なく、あるいは最大キャリア数よりも少なく割り当てられる。その結果、全体として使用されるキャリア数も少なくなる。
一方、図4(C)は、転送データ量が多い場合の関係を表わす。通信に用いられるキャリアは、制御チャンネル400と、キャリア403と、キャリア410とを含む。キャリア403の数は、転送データ量に応じて割り当てられる。キャリア410は、優先度が高いため、割り当ては変わらない。なお、キャリア403の割り当ての際に、割り当て可能なキャリアが不足すれば、キャリア410以外のキャリアを使用する各通信の優先度が判定され、キャリア403を使用する通信の優先度が他の通信の優先度を上回る場合、当該他の通信に割り当てられていたキャリアが、キャリア403に含められる場合も有り得る。この場合でも、キャリア410は確実に維持されるため、優先度の高い通信の品質を維持することができる。
このように、本実施の形態に係る電力線通信装置によれば、転送データ量に応じて通信に使用されるキャリア数が変更される。したがって、空きキャリアが確保しやすくなるため、より多くのデータ量が伝送される他の通信に空きキャリアを割り当てることができる。その結果、複数の通信間でキャリアの割り当てを変更しやすくなり、帯域不足に起因する伝送データ量あるいはノイズの発生を防止しやすくなり、通信品質の低下を防止できる。
[機能構成]
図5を参照して、本実施の形態に係る電力線通信装置の構成についてさらに説明する。図5は、電力線通信装置102,104,106の各々によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。電力線通信装置102は、通信部510と、検知部520と、通信制御部530と、ネットワーク管理部540とを備える。
通信部510は、通信回線に接続されて、複数の帯域を用いて他の電力線通信装置と通信するように構成されている。検知部520は、通信回線における信号の伝送状態を検知するように構成されている。好ましくは、検知部520は、通信回線において伝送される信号のデータ量または種類もしくは優先度を検知するように構成されている。通信制御部530は、検知部520によって検知された伝送状態に基づいて、専用の帯域を当該信号に割り当てるように構成されている。好ましくは、通信制御部530は、データ量または種類もしくは優先度に応じて、当該信号に帯域を専用に割り当てるように構成されている。
他の局面において、通信部510は、複数の帯域のうちの1つの帯域を用いて、他の電力線通信装置との通信に使用される帯域の割り当てのための制御情報を、他の電力線通信装置との間で通信するように構成されている。検知部520は、他の電力線通信装置が使用する帯域の情報を含む信号を取得するように構成されている。通信制御部530は、他の電力線通信装置による通信以外の通信に使用される帯域を、当該情報に基づいて変更するように構成されている。
ネットワーク管理部540は、電力線通信装置102と他の電力線通信装置との通信ネットワークを管理するように構成されている。ネットワーク管理部540が機能することにより、電力線通信装置102は、電力線通信ネットワークにおける所謂マスターとして(あるいは、CCo(Central Coordinator)として)機能することができる。
好ましくは、通信部510は、他の電力線通信装置との通信のために使用される帯域の数または通信の優先度を受信するように構成されている。通信制御部530は、帯域の数または通信の優先度に応じて、他の電力線通信装置との通信に専用の帯域を割り当てるように構成されている。
好ましくは、通信部510は、他の電力線通信装置と電力線通信装置102との間の通信に必要な帯域の数を、予め定められた帯域を用いて、他の電力線通信装置から受信するように構成されている。通信制御部530は、その必要な帯域の数に基づいて、予め定められた帯域と異なる帯域を、他の電力線通信装置との通信に割り当てるように構成されている。
好ましくは、検知部520は、他の電力線通信装置から受信した信号に基づいて、他の電力線通信装置による通信の優先度を取得するように構成されている。通信制御部530は、その取得された優先度に応じて、他の電力線通信装置による通信を、通信回線の複数の帯域のうちのノイズの少ない帯域に割り当てるように構成されている。
[制御構造]
図6を参照して、電力線通信装置の制御構造について説明する。図6は、スレーブとして機能する電力線通信装置104,106のCPU210が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。
ステップS610にて、CPU210は、操作パネル240に対する操作によって電源スイッチがオンに設定されたことに基づいて、その動作状態を待機状態に切り換える。
ステップS620にて、CPU210は、予め設定された一定時間が経過したか否かを判定する。たとえば、CPU210は、それが有する計時機能に基づいて時間を計測する。あるいは、電源スイッチがオンに設定されたことに応答して計測し始めるカウンタの値によって、CPU210は、時間の経過を検知する。CPU210は、一定時間が経過したと判定すると(ステップS620にてYES)、制御をステップS630に切り換える。そうでない場合には(ステップS620にてNO)、CPU210は、制御をステップS610に戻し、待機状態を継続する。
ステップS630にて、CPU210は、通信I/F(インターフェイス)において、たとえばPLCモデム212において受信した信号(パケット)から、通信の優先度(「パケット優先度」ともいう。)を取得し、また、その信号から伝送されるデータ量を取得する。優先度は、たとえば、パケットのヘッダの中のTOS(Type of Service)フィールド、あるいは、DSCP(Differentiated Services Code Point)を解読することにより取得できる。さらに、CPU210は、データ転送速度を算出する。
ステップS640にて、CPU210は、その優先度ごとに通信に必要なキャリア数(帯域数)を算出する。算出の一態様をHomePlugAVの場合について説明する。通信規格としてHomePluAVを用いる電力線通信の場合、1キャリア当たり約200kbps程度のデータ転送が可能である。そこで、たとえば、10Mbps程度の速度が必要である場合には、CPU210は、(10Mbps÷200kbps=)50キャリアを当該通信に必要なキャリア数として算出する。
ステップS650にて、電力線通信装置104は、マスター(CCo)として機能する電力線通信装置102に対して、その優先度とそれぞれ必要なキャリア数とを通知する。
なお、上述の説明では、スレーブとして機能する電力線通信装置104,106がマスターとして機能する電力線通信装置102に優先度およびキャリア数を通知する場合について説明した。マスターとして機能する電力線通信装置102も、同様に、自己の通信の優先度を取得し、キャリア数を算出し、優先度およびキャリア数を自己に通知する構成としてもよい。これにより、電力線通信装置102も、通信に必要なキャリアを確保することができる。
[マスターの制御構造]
図7は、マスター(CCo)として機能する電力線通信装置102が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。
ステップS710にて、電力線通信装置102のCPU210は、電源スイッチとしての操作パネル240に対する操作に基づいて、その動作状態を、停止状態から待機状態に切り換える。なお、電力線通信装置102の電源が常時オンに設定されている場合には、この処理は不要である。
ステップS720にて、CPU210は、外部から受信した信号に基づいて、優先度と、必要なキャリア数とを受信したか否かを判定する。この判定は、たとえば、CPU210が当該信号に含まれるデータ項目を抽出することにより行なわれる。CPU210は、優先度および必要なキャリア数を受信したと判定すると(ステップS720にてYES)、制御をステップS730に切り換える。そうでない場合には(ステップS720にてNO)、CPU210は、制御をステップS740に切り換える。
ステップS730にて、CPU210は、他の電力線通信装置104,106から受信した優先度および必要なキャリア数をRAM228に登録する。RAM228は、各電力線通信装置による通信と、当該通信の優先度と、必要なキャリア数とを、互いに関連付けて保持する。
ステップS740にて、CPU210は、予め設定された一定時間が経過したか否かを判定する。この判定は、前述の電力線通信装置104における判定と同様に、CPU210の計時機能またはカウンタの値に基づいて行なわれる。CPU210は、一定時間が経過したと判定すると(ステップS740にてYES)、制御をステップS750に切り換える。そうでない場合には(ステップS740にてNO)、CPU210は、制御をステップS710に戻し、待機状態を継続する。
ステップS750にて、CPU210は、電力線通信装置102自身による通信の優先度を各通信信号から取得し、また、各通信に必要なキャリア数を算出する。優先度の取得およびキャリア数の算出は、ステップS630,S640における処理と同様にして実行される。
ステップS760にて、CPU210は、その取得した優先度および算出したキャリア数に基づいて、各通信に必要な帯域を算出する。たとえば、最初に、CPU210は、優先度の高い通信から、必要なキャリア数を算出する。全ての通信が必要とするキャリア数が確保される場合もあれば、優先度の低い通信については、帯域の割り当てが既になくなっている場合もありえる。少なくとも、優先度の高い通信に必要なキャリアは割り当てが確実に行なわれることになる。
ステップS770にて、電力線通信装置102は、他の電力線通信装置104,106に対して、通信ごとに使用できる帯域をそれぞれ通知する。各電力線通信装置は、使用する帯域情報について同期を取ることができ、各々に割り当てられた帯域を用いて通信する。これにより、たとえば、ホームネットワークにおいて、録画映像の転送のような優先度が低い通信は、一時的に中断される場合もあるが、優先度が高い通信の一例としてIP電話の通信が確保されるため、通信品質の低下が防止され得る。
なお、他の局面において、利用可能な帯域全てが使用されている場合、あるいは、新たに発生した通信であって優先度が高い通信によるキャリアの割り当て要求があった場合、マスターとして機能する電力線通信装置102は、優先度の低い通信に対するキャリアの割り当て数を削減し、そのキャリアを当該新たに発生した通信に割り当てることもできる。
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る電力線通信装置は、伝送される信号から優先度を取得し、データ量から必要なキャリア数を算出する。さらに、電力線通信装置は、優先度およびキャリア数に基づいて、電力線通信ネットワークを構成する各電力線通信装置による通信に割り当てる。各電力線通信装置は、割り当てられたキャリアを用いて通信する。このようにすると、優先度の高い通信に対するキャリアの割り当てが優先度の低い通信に対するキャリアの割り当てよりも優先して行なわれるため、優先度の高い通信の遮断が防止される。これにより、通信品質を確保することができる。
<変形例>
図8を参照して、本実施の形態の変形例について説明する。図8は、第1の実施の形態の変形例に係る電力線通信装置102によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。本変形例に係る電力線通信装置102は、前述の構成に加えて、記憶部810と決定部820とをさらに備える。
記憶部810は、通信回線における各帯域のノイズ情報として予め準備されたノイズ情報を格納するように構成されている。決定部820は、当該ノイズ情報に基づいて通信に必要なキャリア数を決定するように構成されている。通信制御部530は、決定部820によって決定されたキャリア数に基づいて帯域を当該通信に割り当てるように構成されている。
好ましくは、当該電力線通信装置が複数の他の電力線通信装置と通信している場合に、通信制御部530は、各帯域に対する他の電力線通信装置による通信の割り当てを、優先度の高い順に、かつ、帯域のノイズが低い順に行なうように構成されている。
他の局面において、通信制御部530は、ノイズのレベルが予め設定された基準を下回る帯域に、優先度の高い通信を割り当てるようにしてもよい。
[データ構造]
図9を参照して、本変形例に係る電力線通信装置102のデータ構造について説明する。図9は、記憶部810に格納されているテーブルの構成を概念的に表わす図である。記憶部810は、キャリアを識別するための番号910と、S/N(Signal to Noise)920と、送信ゲイン930と、受信ゲイン940と、当該キャリアにおける変調方式950と、誤り率960とを格納している。
S/N920と、送信ゲイン930と、受信ゲイン940とは、通信ネットワークが構築された際に、当該ネットワークの構築者によって計測され、記憶部810に入力される。変調方式950は、そのネットワークの構築時に当該構築者によって入力され、あるいは通信制御部530によって指定される。誤り率960は、電力線通信装置102を含む通信ネットワークが構築された後に行なわれるたとえば試験的な通信によって計測され、その計測結果が誤り率960として記憶部810に格納される。
本変形例に係る電力線通信装置102は、マスターとして機能する場合には、図9に示されるテーブルを参照して、キャリアを決定する。たとえば、CPU210は、通信の優先度の高い順に、ノイズの少ない帯域を割り当てる。あるいは、CPU210は、誤り率の低いキャリアを割り当てる。これにより、優先度の高い通信の品質の悪化を防止することができる。
また、このようにすると、キャリアの割り当てのための通信が行なわれなくなるため、ネットワークにおける実データの伝送量をふやすことができる。また、各電力線通信装置のCPU210の負荷を軽減することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る電力線通信装置は、送信権を他の電力線通信装置に与える点、および、当該他の電力線通信装置が送信権の保持に対応して優先度の高い通信の品質を維持する機能を有する点で、第1の実施の形態と異なる。本実施の形態に係る電力線通信装置を有する電力線通信システムによると、メッセージの送信権が各電力線通信装置間で中継され、送信権を受信した電力線通信装置がメッセージを送信することができる。
なお、本実施の形態に係る電力線通信装置のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態に係る電力線通信装置のハードウェア構成と同じである。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。
本実施の形態によると、たとえば、マスターとして機能する電力線通信装置102のCPU210は、通信制御部530として、送信権を示す信号(以下単に「送信権」という。)を生成する。電力線通信装置102は、最初に他の電力線通信装置による通信に対するキャリアの割り当てを行なった後、スレーブとして機能する他の電力線通信装置104,106のいずれかに送信権を送信する。ここで、送信権の送信順序は、たとえば、スレーブとしてマスターに登録された順序に従う。あるいは、電力線通信システムの構築時にシステムの構築者または管理者によって管理番号が設定される場合には、そのような管理番号の昇順あるいは降順に従ってもよい。
[制御構造]
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態に係る電力線通信装置の制御構造について説明する。図10は、電力線通信装置102が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。なお、前述の第1の実施の形態における処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがってそれらの説明は繰り返さない。以下、送信権が電力線通信装置102から電力線通信装置104に渡される場合について説明する。この場合、電力線通信装置106は、送信権を含む信号の受信を検知しても、自己に対する信号ではないとして当該信号を無視する。
ステップS1010にて、電力線通信装置104,106の各CPU210は、外部から受信した情報に基づいて送信権を取得したか否かを判定する。たとえば、電力線通信装置104は、外部から受信した情報が当該電力線通信装置の識別番号と、送信権を表わす制御コードとを有しているか否かを判断する。CPU210は、送信権を取得したと判定すると(ステップS1010にてYES)、制御をステップS630に切り換える。そうでない場合には(ステップS1010にてNO)、CPU210は、制御をステップS610に戻し、待機状態を継続する。
ステップS1020にて、CPU210は、コネクションごとに必要なキャリア数を算出する。ここで、コネクションとは、電力線通信装置104が実行する各通信の各々をいう。たとえば、同一の2つの電力線通信装置間において異なる通信が行なわれている場合には、各通信ごとに別個のコネクションが特定される。
ステップS1030にて、CPU210は、記憶部810に格納されているノイズテーブル(図9)を確認し、そのテーブルに基づいて、各コネクションごとに割り当てる帯域を決定する。CPU210は、その決定した帯域を他の電力線通信装置102,106に通知する。割り当てる帯域の決定は、たとえば、コネクションごとの優先度、各キャリアのノイズ情報、各コネクションにおいて伝送されるデータ量などに基づく。電力線通信装置104は、他の電力線通信装置102,106と、その通知した帯域を用いて通信する。
割り当ての詳細な一例は、以下のとおりである。たとえば、電力線通信装置102(マスター)と電力線通信装置106とが、優先度の高い通信をしている場合、電力線通信装置104のCPU210は、ノイズの少ない15MHz〜17MHzの帯域を当該通信に割り当てる。一方、電力線通信装置102と電力線通信装置104とが、優先度の低い通信をしている場合、電力線通信装置104のCPU210は、比較的ノイズのある2MHz〜8MHzの帯域を当該通信に割り当てる。この場合、電力線通信装置102は、2MHz〜8MHzと、15MHz〜17MHzを使用する。電力線通信装置104は、2MHz〜8MHzを使用する。電力線通信装置106は、15MHz〜17MHzを使用する。
ステップS1040にて、CPU210は、予め設定された時間待機した後、次の電力線通信装置106に送信権を中継する。詳しくは、CPU210は、送信権と、電力線通信装置106の識別データとを含む信号を送出する。この場合、電力線通信装置102がこの信号を受信しても、識別データが一致しないため、この信号を無視する。
[送信権を有さない電力線通信装置の制御構造]
図11は、送信権を有さない電力線通信装置(たとえば、電力線通信装置102,106)が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。なお、図7に示される処理と同一の処理には同一のステップ番号を付し、当該処理の説明は繰り返さない。
ステップS1110にて、電力線通信装置102,106の各CPU210は、電力線通信装置104から受信した情報から、通信に使用できる帯域を示す帯域情報を受信したか否かを判定する。この判定は、たとえば、受信した情報が、帯域の通知を示すコードと、当該帯域を識別するデータを含んでいるか否かを判定することにより行なわれる。各CPU210は、帯域情報を受信したと判定すると(ステップS1110にてYES)、制御をステップS1120に切り換える。そうでない場合には(ステップS1110にてNO)、CPU210は、制御をステップS710に戻し、待機状態を継続する。
ステップS1120にて、CPU210は、その通知された帯域をRAM228に登録し、その帯域を用いて通信部510を経由して他の電力線通信装置と通信する。
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態に係る電力線通信装置は、送信権を有する場合に、帯域の割り当てを決定し、送信権を有さない他の電力線通信装置に帯域を通知する。送信権の中継は、たとえば、電力線通信ネットワークに登録された順、各電力線通信装置の識別番号順に行なわれる。このようにすると、各電力線通信装置が通信のための帯域を確保する処理を実行できるため、通信が公平に行なわれる。また、帯域の割り当てがマスターとして機能する電力線通信装置以外の電力線通信装置によっても実行できるため、帯域の管理および割り当ての自由度が増し、高品質の通信を維持することができる。
<変形例>
以下、上述の各実施の形態の変形例について説明する。本変形例に係る電力線通信装置は、記憶部810に格納されている情報を更新する機能を有する点で、前述の実施の形態に係る電力線通信装置と異なる。
[機能構成]
そこで、図12を参照して、本実施の形態に係る電力線通信装置1200の構成について説明する。図12は、電力線通信装置1200によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。電力線通信装置1200は、図8に示される構成に加えて、さらに、入力部1210と、更新部1220とを備える。
入力部1210は、電力線通信装置1200に対するデータまたは指示の入力を受けるように構成されている。更新部1220は、通信回線の複数の帯域への通信の割り当てを行なう前に、記憶部810に格納されているノイズ情報を更新するように構成されている。
入力部1210は、電力線通信装置1200に対するデータの入力、あるいは命令の入力を受け付ける。入力部1210は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスなどにより実現される。
更新部1220は、入力部1210によって入力が受け付けられたデータを記憶部810に書き込む。更新部1220は、たとえばCPU210その他のプロセッサにより実現される。更新部1220がデータを更新すると、図9に示される各キャリアのノイズ情報が更新される。これにより、電力線通信装置を用いた通信ネットワークにおけるノイズ情報を容易に更新することができる。
[実施の形態の効果]
以上詳述したように、本発明の第1および第2の実施の形態および各変形例に係る電力線通信装置は、各電力線通信装置間の通信の優先度に応じてキャリアを割り当てることにより、より高品質の通信を行うことができる。たとえば、VoIPなどの優先度が高い通信は、ノイズの少ない帯域(チャンネル)の割り当てを受けることができる。その他の通信であって優先度が低い通信は、残りのキャリアの割り当てを受ける。このようにすると、他の通信が突然増えた場合でも、少なくとも、VoIP通信は、安定して高品質で信号を伝送することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る電力線通信システム100の構成をブロック図形式で示す図である。 電力線通信装置102,104,106のハードウェア構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電力線通信システム100における情報の通信態様を表わす図である。 転送データ量と、電力線通信に使用されるキャリアとの関係を概念的に表わす図である。 図5は、電力線通信装置102,104,106の各々によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。 スレーブとして機能する電力線通信装置104,106のCPU210が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。 マスター(CCo)として機能する電力線通信装置102のCPU210が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例に係る電力線通信装置102によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。 第1の実施の形態の変形例に係る電力線通信装置102の記憶部810に格納されているテーブルの構成を概念的に表わす図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電力線通信装置102のCPU210が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。 送信権を有さない電力線通信装置のCPU210が実行する一連の動作の一部を表わすフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に係る電力線通信装置1200によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。
符号の説明
100 電力線通信システム、102,104,106 電力線通信装置、103,105,107 プラグ、110 電力線、112,114,116 コンセント、120,130,140 端末、310,320 メッセージ、330 命令、400 制御チャンネル、401,402,403,410 キャリア。

Claims (18)

  1. 電力線通信装置であって、
    通信回線に接続されて、複数の帯域を用いて他の電力線通信装置と通信するように構成された通信手段と、
    前記通信回線における信号の伝送状態を検知するように構成された検知手段と、
    前記検知手段により検知された伝送状態に基づいて、前記信号に専用の帯域を割り当てるように構成された通信制御手段とを備える、電力線通信装置。
  2. 前記検知手段は、前記通信回線において伝送される信号のデータ量または種類を検知するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記データ量または種類に応じて、前記信号に専用の帯域を割り当てるように構成されている、請求項1に記載の電力線通信装置。
  3. 前記通信手段は、前記複数の帯域のうちの1つの帯域を用いて、前記他の電力線通信装置との通信に使用される帯域の割り当てのための制御情報を、前記他の電力線通信装置との間で通信するように構成されており、
    前記検知手段は、前記他の電力線通信装置が使用する帯域の情報を含む信号を取得するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記他の電力線通信装置による通信以外の通信に使用される帯域を、前記情報に基づいて変更するように構成されている、請求項1または請求項2に記載の電力線通信装置。
  4. 前記電力線通信装置と前記他の電力線通信装置との通信ネットワークを管理するように構成されたネットワーク管理手段をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電力線通信装置。
  5. 前記検知手段は、前記他の電力線通信装置との通信のために使用される帯域の数または通信の優先度を受信するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記帯域の数または通信の優先度に応じて、前記他の電力線通信装置との通信に専用の帯域を割り当てるように構成されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電力線通信装置。
  6. 前記通信手段は、前記電力線通信装置と前記他の電力線通信装置との間の通信に必要な帯域の数を、予め定められた帯域を用いて前記他の電力線通信装置から受信するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記必要な帯域の数に基づいて、前記予め定められた帯域と異なる帯域を、前記他の電力線通信装置との通信に割り当てるように構成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電力線通信装置。
  7. 前記通信回線における各帯域についての予め規定されたエラー情報または転送レートを格納するように構成された記憶手段をさらに備え、
    前記通信制御手段は、前記記憶手段に格納されているエラー情報または転送レートに基づいて、前記電力線通信装置と前記他の電力線通信装置との間の通信に必要な帯域の数を決定するように構成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電力線通信装置。
  8. 前記検知手段は、前記他の電力線通信装置から受信した信号に基づいて、予め規定された優先度よりも高い優先度を有する通信が発生したか否かを判定するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記高い優先度を有する通信が発生したことに基づいて、前記高い優先度を有する通信に対して、帯域を優先的に割り当てるように構成されている、請求項1から請求項7のいずれかに記載の電力線通信装置。
  9. 前記通信制御手段は、前記高い優先度を有する通信におけるデータの転送量を決定し、決定された前記転送量に応じて帯域を割り当てるように構成されている、請求項8に記載の電力線通信装置。
  10. 前記通信手段は、前記通信回線における通信の優先度と前記データの転送量とを、予め定められた時間ごとに、前記他の電力線通信装置から受信するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記予め定められた時間ごとに前記他の電力線通信装置による通信のための帯域を確保するように構成されている、請求項8に記載の電力線通信装置。
  11. 前記通信手段は、予め定められた時間ごとに、前記他の電力線通信装置に、前記通信回線における通信を許可する送信権を送信するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記送信権の受信に応答して前記他の電力線通信装置によって送信される優先度またはデータの転送量に基づいて、前記他の電力線通信装置による通信のための帯域を割り当てるように構成されている、請求項1から10のいずれかに記載の電力線通信装置。
  12. 前記検知手段は、前記通信回線を用いた通信に必要な帯域数として前記他の電力線通信装置から送られた帯域数が、前記他の電力線通信装置に割り当てられている帯域数を上回るか否かを判定するように構成されており、
    前記通信制御手段は、前記通信回線を用いた通信に必要な帯域数として前記他の電力線通信装置から送られた帯域数が、前記他の電力線通信装置に割り当てられている帯域数を上回る場合に、前記通信回線における各通信の優先度に応じて、各前記通信に帯域を再割り当てするように構成されている、請求項1に記載の電力線通信装置。
  13. 前記通信制御手段は、優先度が低い通信に割り当てられた帯域を開放し、当該帯域を優先度が高い通信に割り当てるように構成されている、請求項12に記載の電力線通信装置。
  14. 前記通信回線における各帯域のノイズ情報として予め準備されたノイズ情報を格納するように構成された記憶手段と、
    前記ノイズ情報に基づいて通信に必要なキャリア数を決定するように構成された決定手段とをさらに備え、
    前記通信制御手段は、前記決定手段によって決定されたキャリア数に基づいて帯域を前記通信に割り当てるように構成されている、請求項1から請求項13のいずれかに記載の電力線通信装置。
  15. 前記通信回線における各帯域のノイズ情報を格納するように構成された記憶手段をさらに備え、
    前記検知手段は、前記他の電力線通信装置から受信した信号に基づいて、前記他の電力線通信装置による通信の優先度を取得するように構成されており、
    前記通信制御手段は、取得された前記優先度に応じて、前記他の電力線通信装置による通信を、前記通信回線の複数の帯域のうちのノイズの少ない帯域に割り当てるように構成されている、請求項1から請求項13のいずれかに記載の電力線通信装置。
  16. 前記電力線通信装置が複数の他の電力線通信装置と通信している場合に、前記通信制御手段は、各帯域に対する各前記他の電力線通信装置による通信の割り当てを、前記優先度が高い順に、かつ、帯域のノイズが低い順に行なうように構成されている、請求項15に記載の電力線通信装置。
  17. 前記通信制御手段は、ノイズのレベルが予め設定された基準を下回る帯域に、優先度の高い通信を割り当てるように構成されている、請求項15に記載の電力線通信装置。
  18. 前記通信回線の複数の帯域への通信の割り当てを行なう前に、前記記憶手段に格納されているノイズ情報を更新するように構成された更新手段をさらに備える、請求項15から請求項17のいずれかに記載の電力線通信装置。
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