JP2010060212A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】臭気を吸着した吸着剤の再生に必要なエネルギーおよび時間が低減され、脱臭能力が向上する加熱調理装置を提供する。
【解決手段】調理庫12を形成する本体11の内壁には、塗膜層部28が設けられている。塗膜層部28は、物理吸着剤としてのゼオライトを含む耐熱性のシリコーン樹脂で形成されている。水との親和性を有するゼオライトは、オーブン調理やグリル調理に比較して低温の例えば60℃程度で水蒸気を吸着する。そのため、塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、水蒸気供給部15から供給された水蒸気によって置換され、ゼオライトから脱離する。ゼオライトから脱離した臭気成分は、供給された水蒸気の凝縮によって生成した水滴に溶解する。その結果、60℃程度の比較的低温で臭気成分を吸着したゼオライトは再生される。これにより、臭気を吸着したゼオライトの再生に必要なエネルギーおよび時間が低減される。
【選択図】図1
【解決手段】調理庫12を形成する本体11の内壁には、塗膜層部28が設けられている。塗膜層部28は、物理吸着剤としてのゼオライトを含む耐熱性のシリコーン樹脂で形成されている。水との親和性を有するゼオライトは、オーブン調理やグリル調理に比較して低温の例えば60℃程度で水蒸気を吸着する。そのため、塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、水蒸気供給部15から供給された水蒸気によって置換され、ゼオライトから脱離する。ゼオライトから脱離した臭気成分は、供給された水蒸気の凝縮によって生成した水滴に溶解する。その結果、60℃程度の比較的低温で臭気成分を吸着したゼオライトは再生される。これにより、臭気を吸着したゼオライトの再生に必要なエネルギーおよび時間が低減される。
【選択図】図1
Description
本発明は、加熱調理装置に関する。
加熱調理装置による調理の際に発生する臭気は、加熱調理時に調理庫を形成する本体の壁面に付着する。この臭気は、使用者に不衛生な印象を与えるとともに、他の調理時に調理庫に収容された調理物に付着するおそれがある。そこで、調理庫を形成する本体の壁面に触媒や吸着剤などを含む塗膜層部を設けることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。例えば特許文献1の場合、オーブンやグリル調理時のように壁面の温度が高くなると、加熱された触媒によって臭気が分解される。一方、壁面の温度が低いときでも、臭気は吸着剤に吸着される。これらの結果、調理庫内に残留する臭気は低減される。また、特許文献1の場合、オーブン調理やグリル調理の際に調理庫内を加熱することにより、吸着剤に吸着された臭気は、吸着剤から脱離するとともに、触媒によって分解される。その結果、吸着剤による吸着脱臭能力を再生させることができる。
特許第3234682号明細書
特許第2934122号明細書
しかしながら加熱調理装置の通常の利用では、オーブン調理やグリル調理の頻度は、マイクロ波を用いたレンジ調理の頻度に比較して低い。そのため、通常の利用では、吸着剤を十分に再生させることが困難であるという問題がある。また、吸着剤を再生するためには、オーブン調理やグリル調理に相当する150℃から200℃程度まで加熱する必要がある。そのため、吸着剤の再生に大きなエネルギーおよび長時間を必要とするという問題がある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、臭気を吸着した吸着剤の再生に必要なエネルギーおよび時間が低減され、脱臭能力が向上する加熱調理装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願の加熱調理装置は、調理庫を形成する本体と、前記調理庫を形成している前記本体の内壁の少なくとも一部に設けられ、水との親和性を有する物理吸着剤を含む耐熱性シリコーン膜からなる塗膜層部と、前記調理庫の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出した前記調理庫の温度が予め設定された上限温度以下であるとき、前記塗膜層部へ加熱水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、を備えることを特徴とする。
水との親和性を有する物理吸着剤は、オーブン調理やグリル調理に比較して低温の上限温度以下であるときに水蒸気供給手段から供給される水蒸気と結合する。そのため、物理吸着剤に吸着された臭気成分は、水蒸気によって置換され、物理吸着剤から脱離する。そして、物理吸着剤から脱離した臭気成分は、水蒸気の供給によって生成した水滴に溶解する。その結果、比較的低温で臭気成分を吸着した吸着剤は再生される。したがって、臭気を吸着した吸着剤の再生に必要なエネルギーおよび時間を低減することができ、脱臭能力を向上することができる。
以下、本発明の複数の実施形態による加熱調理装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による加熱調理装置を図1に示す。加熱調理装置10は、箱状の本体11を備えている。本体11は、内部に調理庫12を形成している。調理の対象となる食品は、調理庫12に収容される。加熱調理装置10は、調理庫12に収容された食品を加熱調理するための加熱手段としての加熱ヒータ13を備えている。加熱ヒータ13は、図2および図3に示すように調理庫12を形成する本体11の後壁に設けられている。加熱ヒータ13は、例えば矩形状あるいは円形状などの任意の枠状に形成されている。この加熱ヒータ13の内側に循環ファン14が配置されている。循環ファン14は、調理庫12に気流を形成し、調理庫12の温度を概ね均一に保持する。循環ファン14が駆動されると、調理庫12の空気は加熱ヒータ13の近傍を通過しながら調理庫12を循環する。これにより、加熱ヒータ13に通電されているとき、調理庫12の空気は加熱ヒータ13によって加熱され、調理庫12も加熱される。一方、加熱ヒータ13に通電されていないとき、調理庫12の空気は加熱ヒータ13によって加熱されることなく調理庫12を循環する。加熱ヒータ13および循環ファン14は、調理庫12に加熱した空気すなわち温風を供給する温風供給手段を構成している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による加熱調理装置を図1に示す。加熱調理装置10は、箱状の本体11を備えている。本体11は、内部に調理庫12を形成している。調理の対象となる食品は、調理庫12に収容される。加熱調理装置10は、調理庫12に収容された食品を加熱調理するための加熱手段としての加熱ヒータ13を備えている。加熱ヒータ13は、図2および図3に示すように調理庫12を形成する本体11の後壁に設けられている。加熱ヒータ13は、例えば矩形状あるいは円形状などの任意の枠状に形成されている。この加熱ヒータ13の内側に循環ファン14が配置されている。循環ファン14は、調理庫12に気流を形成し、調理庫12の温度を概ね均一に保持する。循環ファン14が駆動されると、調理庫12の空気は加熱ヒータ13の近傍を通過しながら調理庫12を循環する。これにより、加熱ヒータ13に通電されているとき、調理庫12の空気は加熱ヒータ13によって加熱され、調理庫12も加熱される。一方、加熱ヒータ13に通電されていないとき、調理庫12の空気は加熱ヒータ13によって加熱されることなく調理庫12を循環する。加熱ヒータ13および循環ファン14は、調理庫12に加熱した空気すなわち温風を供給する温風供給手段を構成している。
加熱調理装置10は、水蒸気供給手段としての水蒸気供給部15を備えている。水蒸気供給部15は、図2に示すように貯水タンク16、給水ポンプ17および加熱部18などを有している。本実施形態の場合、貯水タンク16は、本体11の底壁側に設けられている。加熱部18は、貯水タンク16から供給された水を貯える容器状に形成されている。貯水タンク16と加熱部18との間は、給水パイプ19で接続されている。貯水タンク16は、本体11から着脱可能に設けられ、加熱部18に供給される水が貯えられている。給水ポンプ17は、給水パイプ19を経由して貯水タンク16に貯えられている水を加熱部18へ供給する。給水ポンプ17によって貯水タンク16から吸入された水は、給水パイプ19を経由して加熱部18へ供給される。加熱部18は、例えばアルミニウムダイカストなどにより容器状に形成され、ヒータ21が取り付けられている。これにより、ヒータ21に通電することにより、加熱部18に貯えられている水は加熱される。これにより、加熱部18では、水蒸気が発生する。加熱部18で発生した水蒸気は、本体11の左側壁に設けられている水蒸気孔22を経由して調理庫12へ供給される。
加熱調理装置10は、加熱手段として上述した加熱ヒータ13に加えて例えばマグネトロン23やグリル用の面状のヒータ24などを備える構成としてもよい。マグネトロン23は、調理庫12を形成する本体11の外側に設けられ、高周波を発生する。マグネトロン23で発生した高周波は、図示しない導波管を通して本体11の底壁側から調理庫12へ照射される。また、面状のヒータ24は、調理庫12を形成する本体11の天壁側に設けられ、赤外線などの電磁波を発生する。ヒータ24で発生した電磁波は、例えば本体11の天壁側から調理庫12へ照射される。
加熱調理装置10は、換気部25を備えている。換気部25は、図示しない換気用ファン、本体11に設けられている図示しない吸気口および排気口を有している。換気部25は、換気用ファンを駆動することにより、調理庫12に外気を導入するとともに、調理庫12の空気を外部へ排出する。加熱調理装置10は、調理庫12に温度検出手段としての温度センサ26を備えている。温度センサ26は、例えばサーミスタなどを有しており、調理庫12の温度を検出する。調理庫12は、図1に示すように前方に設けられた蓋27によって開閉される。
加熱調理装置10は、本体11の内壁に塗膜層部28を備えている。塗膜層部28は、調理庫12を形成する本体11の内壁に設けられている。塗膜層部28は、本体11の内壁の全体に設けてもよく、本体11の内壁の一部に設けてもよい。塗膜層部28は、水との親和性を有する物理吸着剤を含む耐熱性シリコーン膜で形成されている。具体的には、塗膜層部28は、物理吸着剤としてゼオライトを含んでいる。ゼオライトは、周知の通りシリカ成分とアルミナ成分とを含み、水との親和性を有している。本実施形態の場合、塗膜層部28のゼオライトに含まれるシリカおよびアルミナのモル比は、シリカ/アルミナ≦10に設定されている。塗膜層部28は、ゼオライトなどの吸着剤に加え、臭気成分を分解するマンガン系の触媒も含んでいる。塗膜層部28は、例えば3質量%から20質量%のゼオライト系の吸着剤、およびマンガン系の触媒として5質量%から40質量%の二酸化マンガンを含んでいる。ゼオライトおよびマンガン系の触媒が上記の混合範囲であれば、耐熱性のシリコーン膜から形成される塗膜層部28は塗膜としての性能が確保され、剥離などを招くことがない。
次に、図4に基づいて、加熱調理装置10の電気的な構成について説明する。加熱調理装置10は、制御部31を備えている。制御部31は、CPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部31は、ROMに格納された制御プログラムにしたがって加熱調理装置10の各部を制御する。具体的には、制御部31は、例えば図1に示すようにキーやスイッチなど本体11の外側に設けられている操作部32から選択的に実施される操作入力に基づいて、予め設定された調理メニューに応じて加熱調理装置10の全体を制御する。制御部31には、操作部32のキーやスイッチなどの操作による各種の入力信号、および温度センサ26からの温度検出信号などが入力される。制御部31は、操作部32の操作によって調理庫12における設定温度が入力される。すなわち、使用者は、操作部32を操作することにより、調理メニューを入力する。制御部31は、操作部32を経由して入力された調理メニューに基づいて、調理温度すなわち調理庫12の温度を設定温度として設定する。制御部31の出力側には、加熱ヒータ13、循環ファン14、水蒸気供給部15の給水ポンプ17およびヒータ21、マグネトロン23、面状のヒータ24、ならびに換気部25などが接続している。これら加熱ヒータ13、循環ファン14、給水ポンプ17、ヒータ21、マグネトロン23、ヒータ24および換気部25は、それぞれ図示しない駆動回路を経由して制御部31によって制御される。また、制御部31は、照明33の点灯または消灯を制御する。照明33は、調理庫12の内部に光を照射し、加熱調理装置10が作動中であることを使用者に認識させる。さらに、制御部31には、本体11の外側に設けられている表示部34が接続している。表示部34は、例えば液晶表示装置などから構成され、制御部31の制御により調理メニューや調理庫12内の温度など種々の情報を表示する。
次に、塗膜層部28による臭気の吸着および脱離について説明する。
例えばマイクロ波を用いたレンジ調理のように調理庫12の温度が比較的低いとき、図5(A)に示すように調理庫12の内部の臭気成分の分子40は塗膜層部28に含まれるゼオライトに吸着される。ゼオライトは、微細な多孔質構造を有しているため、臭気成分を吸着する。これにより、レンジ調理の際に発生する臭気成分は、塗膜層部28に含まれるゼオライトによって除去される。一方、塗膜層部28に含まれるゼオライトによる臭気成分の吸着が進むにつれて、塗膜層部28による臭気成分の吸着能力すなわち脱臭能力は低下する。そのため、塗膜層部28に含まれるゼオライトは、臭気成分の脱離すなわち再生を適宜実施する必要がある。
例えばマイクロ波を用いたレンジ調理のように調理庫12の温度が比較的低いとき、図5(A)に示すように調理庫12の内部の臭気成分の分子40は塗膜層部28に含まれるゼオライトに吸着される。ゼオライトは、微細な多孔質構造を有しているため、臭気成分を吸着する。これにより、レンジ調理の際に発生する臭気成分は、塗膜層部28に含まれるゼオライトによって除去される。一方、塗膜層部28に含まれるゼオライトによる臭気成分の吸着が進むにつれて、塗膜層部28による臭気成分の吸着能力すなわち脱臭能力は低下する。そのため、塗膜層部28に含まれるゼオライトは、臭気成分の脱離すなわち再生を適宜実施する必要がある。
本実施形態の場合、臭気成分を吸着した塗膜層部28には、水蒸気供給部15から水蒸気が供給される。ゼオライトは、上述のように水との親和性が高い。すなわち、ゼオライトは、臭気成分に対する吸着能力よりも水の吸着能力の方が高い。そのため、水蒸気供給部15から塗膜層部28へ水蒸気を供給すると、図5(B)に示すようにゼオライトに吸着されている臭気成分の分子40は水蒸気すなわち水分子41に置換される。言い換えると、塗膜層部28へ水蒸気を供給することにより、ゼオライトに水分子41が吸着され、ゼオライトに吸着されている臭気成分の分子40はゼオライトから追い出される。そして、ゼオライトから脱離すなわち追い出された臭気成分は、水蒸気の凝縮によって生成した水とともに塗膜層部28の表面すなわち本体11の内壁に付着する。これにより、例えば布巾などで本体11の内壁を拭くことにより、ゼオライトから脱離した臭気成分は水とともに除去される。また、ゼオライトに吸着されている水分子41は、例えば加熱ヒータ13を用いたオーブン調理などにより調理庫12を加熱することにより、ゼオライトから脱離する。これらの結果、塗膜層部28のゼオライトの再生が実施される。
塗膜層部28に含まれるゼオライトは、上述のようにモル比がシリカ/アルミナ≦10であり、アルミナの含有率が高められている。そのため、ゼオライトは水に対する親和性が高められ、臭気成分を吸着した後における水分子との置換性能が向上する。この塗膜層部28による臭気成分と水分子との置換について図6を用いて説明する。図6では、水蒸気の供給時間と塗膜層部28に残留する臭気成分の量との関係を示している。この場合、塗膜層部28を形成したテストピースには、予め一定の臭気成分を吸着させた後、100℃の水蒸気を供給している。塗膜層部28に残留する臭気成分の量は、塗膜層部28が形成されたテストピースを260℃に加熱し、塗膜層部28に吸着された臭気成分を脱離させ、ガスクロマトグラフィーを用いて検量している。また、比較例として、水蒸気を供給することなく、テストピースを単に100℃で加熱した場合も示している。
図6では、塗膜層部28に吸着された臭気成分は水蒸気の供給から数分程度の短時間で塗膜層部28から脱離することが分かる。比較例のように水蒸気を供給することなく塗膜層部28を単に100℃で加熱する場合でも、塗膜層部28に吸着された臭気成分は塗膜層部28から脱離する。しかし、水蒸気を供給することにより、臭気成分の脱離はより迅速に生じる。これにより、塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、水蒸気で置換されることにより塗膜層部28から迅速に脱離することが分かる。
次に、上記の構成による加熱調理装置10による塗膜層部28の再生手順について図7に基づいて説明する。図7では、使用者が任意の時期に臭気を除去する場合について説明する。使用者は、例えば魚など臭いの強い食品を調理した後、臭いに敏感な調理をしたい場合、あるいは調理庫12の内部の臭いが気になるときなど、任意の時期に操作部32から「水蒸気消臭コース」を選択し、塗膜層部28の再生を実施する。
まず、使用者は、蓋27を開けて調理庫12の内部に食品が収容されていないかを確認する(S101)。そして、使用者は、調理庫12の内部に食品が収容されていないことを確認すると、操作部32から「水蒸気消臭コース」を入力する(S102)。制御部31は、操作部32から入力があると、調理庫12に設けられている照明33を点灯させる(S103)。照明33の点灯を確認することにより、使用者は加熱調理装置10が正常に動作していること認識することができる。
制御部31は、照明33を点灯させた後、温度センサ26から調理庫12の温度を取得し、調理庫12の温度が60℃以下であるか否かを判断する(S104)。調理庫12の内部の温度が高い場合、水蒸気供給部15から調理庫12へ供給された水蒸気は凝縮しにくい。上述のように塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、ゼオライトから脱離した後、塗膜層部28の表面に凝縮した水に溶解する。そのため、調理庫12の内部は、水蒸気が凝縮し結露する程度の温度であることが望ましい。すなわち、調理庫12の内部の温度が低いほど、ゼオライトにおける臭気成分の分子40と水分子41との置換、および脱離した臭気成分の水への溶解が促進される。そこで、制御部31は、調理庫12の温度が上限温度である60℃以下であるか否かを判断する。制御部31は、ステップS104において調理庫12の温度が60℃より高いと判断すると、使用者に調理庫12の温度が60℃以下になるまで待機を促す(S105)。制御部31は、例えば表示部34などに待機を促す表示を行う。
制御部31は、ステップS104において調理庫12の温度が60℃以下であると判断すると、水蒸気供給部15へ通電する(S106)。水蒸気供給部15では、給水ポンプ17が貯水タンク16から加熱部18へ水を供給する。給水ポンプ17により貯水タンク16から加熱部18へ供給された水は、加熱部18においてヒータ21で100℃以上に加熱される。これにより、加熱部18で水蒸気が発生し、発生した水蒸気は調理庫12の内部へ供給される。調理庫12の内部へ供給された水蒸気は、調理庫12を形成する本体11の内壁に設けられた塗膜層部28においてゼオライトを再生する。
制御部31は、水蒸気供給部15への通電から所定時間が経過すると、水蒸気供給部15への通電を停止するとともに、終了を報知する(S107)。制御部31は、例えば表示部34に終了を示す表示、あるいは図示しないブザーの鳴動などにより水蒸気の供給が終了したことを報知する。使用者は、ステップS107において終了が報知されると、蓋27を開放し、例えば布巾や雑巾などで調理庫12の水滴を拭き取る(S108)。水蒸気の供給が終了したとき、調理庫12を形成する本体11の内壁すなわち塗膜層部28の表面には臭気物質が溶解した水滴が付着している。そのため、調理庫12の水滴を拭き取ることにより、再生によってゼオライトから脱離した臭気成分は、結露した水滴とともに除去される。
ここで、調理庫12の温度と水蒸気の凝縮量および臭気成分の脱離割合との関係について図8を用いて説明する。図8は、調理庫12の内壁すなわち塗膜層部28の温度と水蒸気の凝縮量(mg/cm2)および臭気成分の脱離割合(%)との関係を示している。水蒸気の凝縮量とは、調理庫12の内壁に結露した水滴の量を意味する。また、脱離割合とは、臭気成分を吸着した塗膜層部28の再生の前における吸着量と再生の後における吸着量との比である。具体的には、魚の臭気成分として代表的な10ppmのトリメチルアミンを含む10リットルの空気を封入した容器に塗膜層部28を形成したテストピースを1時間入れる。そして、このテストピースを250℃で加熱したときに放出されたトリメチルアミンを、吸着総量すなわち塗膜層部28の再生前の吸着量A0として設定した。上記と同一の条件でトリメチルアミンを吸着させたテストピースをそれぞれ設定した所定の温度まで加熱した後、各テストピースに水蒸気を1分間供給した。これにより、塗膜層部28に吸着されたトリメチルアミンは一部が水滴とともに表面に付着し、残部が塗膜層部28に残留する。各温度まで加熱して水蒸気を供給した後のテストピースは、いずれも250℃まで加熱して、放出されたトリメチルアミンの量を検出した。この放出されたトリメチルアミンの量Aと上述の再生前の吸着量A0から脱離割合を算出した。したがって、塗膜層部28におけるトリメチルアミンの残留量Aが上記の吸着量A0と同一のA=A0であるとき脱離割合は0%となり、塗膜層部28におけるトリメチルアミンの残留量Aが0のA=0のとき脱離割合は100%となる。
図8に示すように、調理庫12の温度が低いほど塗膜層部28の表面に結露する水滴の量は増加する。これに対し、0℃から60℃程度では調理庫12の温度の上昇にともなってゼオライトにおける臭気成分(トリメチルアミン)の分子と水分子との置換が促進されるため、脱離割合は上昇する。しかし、調理庫12の温度が60℃を超えると、塗膜層部28の表面への水滴付着量が減少するため、ゼオライトにおける臭気成分の分子と水分子との置換が低下し、水蒸気の供給による塗膜層部28の再生効率は悪化する。したがって、水蒸気を用いて塗膜層部28を再生する場合、調理庫12の温度を30℃から60℃程度に維持することが望ましい。
一方、100℃以上のように調理庫12の温度がさらに上昇すると、塗膜層部28に水滴がほとんど付着しないため、水蒸気の供給による臭気成分の置換効果は低下するものの、物理的な臭気成分の脱離が促進される。しかし、調理庫12の温度を高めると、調理庫12の加熱に多大なエネルギーを必要とするとともに、塗膜層部28の再生を実施した後の調理庫12の温度が高く次の調理への移行が困難になる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態では、以下のような効果を奏する。
水との親和性を有するゼオライトは、オーブン調理やグリル調理に比較して低温の上限温度以下(例えば60℃以下)であるときに水蒸気供給部15から供給される水蒸気を吸着しやすい。そのため、塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、供給された水蒸気によって置換され、ゼオライトから脱離する。そして、ゼオライトから脱離した臭気成分は、供給された水蒸気の凝縮によって生成した水滴に溶解する。その結果、60℃程度の比較的低温で臭気成分を吸着したゼオライトは再生される。したがって、臭気を吸着したゼオライトの再生に必要なエネルギーおよび時間を低減することができ、脱臭能力を向上することができる。
水との親和性を有するゼオライトは、オーブン調理やグリル調理に比較して低温の上限温度以下(例えば60℃以下)であるときに水蒸気供給部15から供給される水蒸気を吸着しやすい。そのため、塗膜層部28のゼオライトに吸着された臭気成分は、供給された水蒸気によって置換され、ゼオライトから脱離する。そして、ゼオライトから脱離した臭気成分は、供給された水蒸気の凝縮によって生成した水滴に溶解する。その結果、60℃程度の比較的低温で臭気成分を吸着したゼオライトは再生される。したがって、臭気を吸着したゼオライトの再生に必要なエネルギーおよび時間を低減することができ、脱臭能力を向上することができる。
ゼオライトに含まれるシリカおよびアルミナの割合をモル比でシリカ/アルミナ≦10に設定したことにより、ゼオライトは水との親和性が向上する。そのため、ゼオライトに吸着された臭気成分の分子は、供給された水蒸気によって置換される。したがって、より少ないエネルギーで塗膜層部28に含まれるゼオライトを再生することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による加熱調理装置について説明する。
第2実施形態の場合、加熱調理装置10の構成は第1実施形態と同一であり、塗膜層部28の再生の処理手順が第1実施形態と異なる。したがって、第2実施形態では、図9に基づいて塗膜層部28の再生手順について説明する。また、第1実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
まず、使用者は、蓋27を開けて調理庫12の内部に食品が収容されていないかを確認する(S201)。そして、調理庫12の内部に食品が収容されていないことを確認すると、操作部32から「水蒸気消臭コース」を入力する(S202)。制御部31は、操作部32から入力があると、調理庫12に設けられている照明33を点灯させる(S203)。制御部31は、照明33を点灯させた後、温度センサ26から調理庫12の温度を取得し、調理庫12の温度が60℃以下であるか否かを判断する(S204)。制御部31は、ステップS204において調理庫12の温度が60℃より高いと判断すると、使用者に調理庫12の温度が60℃以下になるまで待機を促す(S205)。一方、制御部31は、ステップS204において調理庫12の温度が60℃以下であると判断すると、水蒸気供給部15へ通電する(S206)。
本発明の第2実施形態による加熱調理装置について説明する。
第2実施形態の場合、加熱調理装置10の構成は第1実施形態と同一であり、塗膜層部28の再生の処理手順が第1実施形態と異なる。したがって、第2実施形態では、図9に基づいて塗膜層部28の再生手順について説明する。また、第1実施形態と同一の処理については詳細な説明を省略する。
まず、使用者は、蓋27を開けて調理庫12の内部に食品が収容されていないかを確認する(S201)。そして、調理庫12の内部に食品が収容されていないことを確認すると、操作部32から「水蒸気消臭コース」を入力する(S202)。制御部31は、操作部32から入力があると、調理庫12に設けられている照明33を点灯させる(S203)。制御部31は、照明33を点灯させた後、温度センサ26から調理庫12の温度を取得し、調理庫12の温度が60℃以下であるか否かを判断する(S204)。制御部31は、ステップS204において調理庫12の温度が60℃より高いと判断すると、使用者に調理庫12の温度が60℃以下になるまで待機を促す(S205)。一方、制御部31は、ステップS204において調理庫12の温度が60℃以下であると判断すると、水蒸気供給部15へ通電する(S206)。
制御部31は、水蒸気供給部15へ通電することにより、調理庫12へ水蒸気を供給する。そして、制御部31は、水蒸気供給部15へ通電から所定時間が経過すると、調理庫12の内壁すなわち塗膜層部28の表面に付着した水滴を乾燥させる(S207)。このとき、制御部31は、オーブン調理に利用する加熱ヒータ13に通電するとともに、循環ファン14および換気部25を駆動する。これにより、調理庫12の内部の温度は上昇し、調理庫12の内壁に付着している臭気成分を含む水滴は乾燥される。循環ファン14を用いることにより、加熱ヒータ13で加熱された空気は温風となって調理庫12へ供給される。そして、換気部25を駆動することにより、調理庫12へ供給された温風によって気化した水蒸気および臭気成分は調理庫12の外部へ排出される。そのため、調理庫12の内部は、布巾などにより拭き取りをすることなく乾燥される。制御部31は、調理庫12の乾燥が終了すると、加熱ヒータ13、循環ファン14および換気部25への通電を停止するとともに、終了を報知する(S208)。
第2実施形態では、上記の第1実施形態の効果に加え以下のような効果を奏する。
水蒸気供給部15から調理庫12の塗膜層部28へ加熱した水蒸気を供給した後、調理庫12には加熱ヒータ13および循環ファン14から温風が供給される。そのため、水蒸気の供給によって調理庫12の内壁に結露した水滴は、引き続いて供給される温風によって乾燥される。これにより、水滴に溶解した臭気成分は、水滴とともに気化する。このとき、換気部25も駆動されるため、気化した臭気成分は水滴の気化によって生じた水蒸気とともに調理庫12の外部へ排出される。その結果、水蒸気の供給によってゼオライトから置換された臭気成分は、気化した水蒸気とともに外部へ排出される。したがって、調理庫12の内壁の拭き取りなどが不要となり、取り扱いをより容易にすることができる。
水蒸気供給部15から調理庫12の塗膜層部28へ加熱した水蒸気を供給した後、調理庫12には加熱ヒータ13および循環ファン14から温風が供給される。そのため、水蒸気の供給によって調理庫12の内壁に結露した水滴は、引き続いて供給される温風によって乾燥される。これにより、水滴に溶解した臭気成分は、水滴とともに気化する。このとき、換気部25も駆動されるため、気化した臭気成分は水滴の気化によって生じた水蒸気とともに調理庫12の外部へ排出される。その結果、水蒸気の供給によってゼオライトから置換された臭気成分は、気化した水蒸気とともに外部へ排出される。したがって、調理庫12の内壁の拭き取りなどが不要となり、取り扱いをより容易にすることができる。
また、第2実施形態のように水蒸気の供給後に調理庫12を加熱する場合でも、触媒によって臭気成分を分解するほどの高温は不要である。すなわち、調理庫12の内部は、臭気成分が溶解した水滴を水蒸気へ気化させる程度に加熱すれば足りる。したがって、オーブン調理機能を利用して例えば調理庫12の内部の温度を200℃以上の高温に加熱する場合と比較して、より少ないエネルギーで調理庫12の内部を乾燥および臭気成分を除去することができる。また、水滴が結露する場合でも、調理庫12の内部は短時間で乾燥される。したがって、塗膜層部28や本体11各部の腐食を低減することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、物理吸着剤としてゼオライトを例に説明した。しかし、物理吸着剤は、耐熱性および水との親和性を有しており、粉末状で塗膜層部28に分散可能な吸着剤であれば、例えばシリカ粉末、アルミナ粉末、触媒能を併せ持つ二酸化マンガンなどの金属酸化物、あるいは活性炭などゼオライトに限らず適用することができる。
また、第2実施形態では、加熱調理装置10が備える加熱ヒータ13および循環ファン14を利用して調理庫12へ温風を供給する例について説明した。しかし、調理庫12の内部を乾燥させるためのヒータなどを別途設けてもよい。
以上説明した複数の実施形態では、物理吸着剤としてゼオライトを例に説明した。しかし、物理吸着剤は、耐熱性および水との親和性を有しており、粉末状で塗膜層部28に分散可能な吸着剤であれば、例えばシリカ粉末、アルミナ粉末、触媒能を併せ持つ二酸化マンガンなどの金属酸化物、あるいは活性炭などゼオライトに限らず適用することができる。
また、第2実施形態では、加熱調理装置10が備える加熱ヒータ13および循環ファン14を利用して調理庫12へ温風を供給する例について説明した。しかし、調理庫12の内部を乾燥させるためのヒータなどを別途設けてもよい。
図面中、10は加熱調理装置、11は本体、12は調理庫、13は加熱ヒータ(温風供給手段)、14は循環ファン(温風供給手段)、15は水蒸気供給部(水蒸気供給手段)、26は温度センサ(温度検出手段)、28は塗膜層部を示す。
Claims (3)
- 調理庫を形成する本体と、
前記調理庫を形成している前記本体の内壁の少なくとも一部に設けられ、水との親和性を有する物理吸着剤を含む耐熱性シリコーン膜からなる塗膜層部と、
前記調理庫の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出した前記調理庫の温度が予め設定された上限温度以下であるとき、前記塗膜層部へ加熱水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、
を備えることを特徴とする加熱調理装置。 - 前記物理吸着剤は、ゼオライトであって、
前記ゼオライトに含まれるシリカおよびアルミナのモル比がシリカ/アルミナ≦10であることを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。 - 前記水蒸気供給手段によって前記塗膜層部へ前記加熱水蒸気を供給した後、前記調理庫へ加熱した温風を供給する温風供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2008227050A JP2010060212A (ja) | 2008-09-04 | 2008-09-04 | 加熱調理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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| JP2010060212A true JP2010060212A (ja) | 2010-03-18 |
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ID=42187205
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| JP2008227050A Pending JP2010060212A (ja) | 2008-09-04 | 2008-09-04 | 加熱調理装置 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017026214A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | シャープ株式会社 | 加熱調理器 |
| WO2018016052A1 (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
-
2008
- 2008-09-04 JP JP2008227050A patent/JP2010060212A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2018016052A1 (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
| JPWO2018016052A1 (ja) * | 2016-07-21 | 2018-08-23 | 三菱電機株式会社 | 加熱調理器 |
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