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JP2010058365A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルム Download PDF

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JP2010058365A
JP2010058365A JP2008225915A JP2008225915A JP2010058365A JP 2010058365 A JP2010058365 A JP 2010058365A JP 2008225915 A JP2008225915 A JP 2008225915A JP 2008225915 A JP2008225915 A JP 2008225915A JP 2010058365 A JP2010058365 A JP 2010058365A
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Nobue Munakata
伸枝 宗像
Atsushi Koyamamatsu
淳 小山松
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Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

【課題】玉虫色の金属光沢性を付与するとともに、PETボトルなどの容器を被覆するフィルムとして溶剤を用いた接合が可能で、優れた熱収縮性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供する。
【解決手段】エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に25層以上1001層以下の範囲で積層された積層構造を有するフィルムにおいて、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計が80%以上96%以下であり、該ポリエステル(A)がポリエステル(A)の全酸成分を基準として20モル%以上60モル%以下の範囲で第2の酸成分を含有し、該フィルムが波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において反射率25%以上の反射ピークを少なくとも1つ有し、80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向のいずれか一方において30%以上、該方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満である熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は特定の波長の光を反射する意匠性に富んだ熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、特定の波長の光を反射する光沢性の意匠性に富むと同時に、PETボトルなどの容器や電線の外面を被覆するフィルムとして溶剤を用いて容易に接合が可能な、シュリンクラベルや電線被覆等に用いられる熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。
近年、飲料容器の包装、例えば、金属缶のラミネートフィルムや、PETボトルの外面に被覆可能なシュリンクフィルムとして種々のポリエステルフィルムが用いられている。また包装用袋などにおいては、より高品質な意匠性を付与するため印刷品位に優れたグラビアなどによる印刷を施したフィルムを熱融着により貼り合せたフィルムを包装用の袋などとして使用する方法などが提案されている。
最近シュリンクラベルに対しても、従来の熱収縮率性、ハンドリング性、耐薬品性などの改良だけでなく、ますます美麗なものが求められつつある。
シュリンクラベル用フィルムとして、ポリエステル系からなるフィルムが種々検討されてきており、例えば特許文献1には熱風型の収縮トンネルでの収縮ムラの発生を抑制するために、ナフタレンジカルボン酸残基を含有する熱収縮性ポリエステル系フィルムが開示されている。また、特許文献2においてラベル化した際のミシン目カット性、接着部の強度、耐衝撃性、ボトル装着時の意匠性の全てに優れる熱収縮性ポリエステル系フィルムとして多層積層の熱収縮性ポリエステルフィルムが提案されており、ブレンド比の異なるポリエステルをそれぞれの層に用いることが開示されている。一方、特許文献2で検討されている意匠性とは角型のボトルに装着した際に縦引けによって意匠性が損なわれないことであり、熱収縮性に起因した表面外観性についてであって、金属光沢性といった美麗な意匠性については検討されていない。
一方、光沢性を有するフィルムとして、光干渉性に着目したポリエステル系多層フィルムが検討されてきており、例えば特許文献3にはポリエチレンナフタレート層と共重合ポリエチレンナフタレート層などの他層とを交互に積層し、これらの層間の構造的な光干渉によって特定の波長を選択的に反射する多層積層フィルムが開示されている。しかしながら特許文献3は、反射偏光子またはミラーに適した偏向および反射特性の向上を目的とするものであり、シュリンクラベルとしての熱収縮特性や溶剤接着性について何ら検討されていない。
また特許文献4には任意の波長帯の光を選択的に反射させる目的でポリエチレン−2,6−ナフタレート層とポリエチレン−2,6−ナフタレートよりも屈折率が低い熱可塑性樹脂からなる層が交互に少なくとも11層積層された多層積層フィルムが開示されているものの、熱収縮特性や溶剤接着性について何ら検討されていない。
また、特許文献5には、玉虫色の金属光沢性を有する11層以上の積層熱収縮性フィルムが開示されているものの、溶剤を用いたフィルム同士の接着性(接合)に関する開示はない。
このように、従来の熱収縮性ポリエステルフィルムは、シュリンクラベルに対して求められている熱収縮性、ハンドリング性等の改良を目的としたものがほとんどであり、最近、意匠性も備えた熱収縮性ポリエステルフィルムが検討され始めたところである。しかしながら、これらの熱収縮性ポリエステルフィルムは、最表面のポリエステル樹脂の特性より、溶剤を用いたフィルム接着強度が十分ではなかった。
そこで、金属光沢性が良好であり、かつ溶剤を用いたフィルム接合加工性に優れ、収縮特性に優れた熱収縮性ポリエステルフィルムが求められているのが現状である。
特開平9−174684号公報 特開2007−152943号公報 特表平9−506837号公報 特開2002−160339号公報 特開2007−237434号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解消し、玉虫色の金属光沢性を付与するとともに、PETボトルなどの容器を被覆するフィルムとして溶剤を用いた接合が可能で、優れた熱収縮性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。更に本発明の目的は、玉虫色の金属光沢性を付与するとともに、PETボトルなどの容器を被覆するフィルムとして溶剤を用いた接合が可能で、より低温で熱収縮加工が可能な熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、屈折率の異なる樹脂を交互に多層積層し、またそれら両樹脂の各層厚み、及びフィルム厚みに対するエチレンテレフタレートを必須成分とする層の割合を調整し、玉虫色の金属光沢性を有する収縮性ポリエステル系フィルムが得られることに加え、更にラベル作成時に溶剤を用いた接合を可能とするためには、フィルム全体に占める割合の高いエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステルが、ジカルボン酸成分由来の第2の酸成分を一定量以上含むことにより解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、本発明の目的は、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に25層以上1001層以下の範囲で積層された積層構造を有するフィルムにおいて、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計が80%以上96%以下であり、該ポリエステル(A)がポリエステル(A)の全酸成分を基準として20モル%以上60モル%以下の範囲で第2の酸成分を含有し、該フィルムが波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において反射率25%以上の反射ピークを少なくとも1つ有し、80℃ の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向のいずれか一方において30%以上、該方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満である熱収縮性ポリエステル系フィルムによって達成される。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、その好ましい態様として、積層構造が交互積層体(I)およびその両面に配置されてなる厚み調整層(II)で構成される積層構造であり、厚み調整層(II)はエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A’)を含む第1の層で構成され、かつ交互積層体(I)における第1の層の平均厚みが0.02〜0.4μm、第2の層の平均厚みが0.03〜0.5μmであること、積層構造がエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に積層された積層構造のみからなり、第1の層の平均厚みが0.05〜3.6μm、第2の層の平均厚みが0.005〜1.0μmであること、65℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向のいずれか一方において15%以上、該方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満であること、ポリエステル(A)を構成する第2の酸成分が、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であること、全フィルム厚みに対する厚み調整層(II)の層厚みの総計が50〜85%であること、第1の層または第2の層の少なくとも1つが粒子の含有量が0重量%以上0.1重量%未満の範囲であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
また本発明によれば本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるシュリンクラベルが提供される。
本発明によれば、特定の波長の光を反射する光沢性の意匠性に富むことにより、玉虫色の金属光沢性を付与するとともに、PETボトルなどの容器を被覆するフィルムとして溶剤を用いた接合が可能な熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することができ、PETボトルのシュリンクラベルに好適に用いることができる。その他、熱収縮性および意匠性を求められる電線被覆にも好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[第1の層]
本発明における第1の層は、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)からなる。該ポリエステル(A)は、ポリエステル(A)の全酸成分を基準として20モル%以上60モル%以下の範囲で第2の酸成分を含有する必要がある。ポリエステル(A)に占めるエチレンテレフタレートの割合は40モル%以上80モル%以下の範囲である。また、ポリエステル(A)を構成する第2の酸成分の割合の下限値は、好ましくは全酸成分を基準として25モル%であり、第2の酸成分の割合の上限値は、好ましくは全酸成分を基準として50モル%である。本発明の第1の層を構成するポリエステル(A)は、エチレンテレフタレートを必須成分とし、上記範囲で第2の酸成分を含有するポリエステルであることにより、シュリンクラベル作成時に溶剤を用いた接着を可能とすることができる。第2の酸成分の割合が下限値に満たない場合、これらの溶剤接着性が十分発現しない。また、第2の酸成分の割合が上限値を超える場合、シュリンク特性が損なわれたり、ガラス転移温度が低くなりすぎ、製膜が困難になる。
第1の層を構成するポリエステル(A)は、共重合ポリエステルでもよく、又、他の種類のポリエステル樹脂とブレンドしたものであってもよい。
共重合成分のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸を例示することができる。これらの共重合成分の中でも、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、さらにイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これら共重合成分は単独で用いても2成分以上用いてもよい。
イソフタル酸を共重合成分として用いる場合は、第2の層を構成するポリエステルとの屈折率差が2,6−ナフタレンジカルボン酸を使用した場合よりも大きくなるため金属光沢性が強くなる利点がある。また2,6−ナフタレンジカルボン酸を共重合成分として用いる場合は第2の層を構成するポリエステルと成分が近いため、製膜性、層構造の制御がしやすくなる利点がある。さらにイソフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸を共重合成分として併用することにより双方の特徴を兼備することができる。
他のポリエステル樹脂をブレンドする場合、ブレンド成分として、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンイソフタレートを例示することができる。
また、本発明のポリエステル(A)は、ジオール成分が0モル%以上20モル%以下の範囲内で従たる成分を含んでいてもよい。また、かかる従たる成分は、共重合成分として含まれていてもよく、他の種類のポリエステル樹脂とのブレンドとして含まれていてもよい。
ジオール成分の共重合成分として、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールを例示することができる。
エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)は、50℃を超え85℃以下の範囲であることが好ましい。ポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)が下限に満たない場合、金属光沢性を発現するための交互積層層を構成するもう一方の層、すなわち第2の層を構成するエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)とのガラス転移温度差が大きくなりすぎ、フィルム製膜性が低下することがある。一方、ポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)が上限を超える場合、シュリンクラベルとしてシュリンク加工を施す際の80℃以下の比較的低温で、十分な収縮率特性を得られないばかりか、溶剤接着性が発現しないことがある。
さらに、ポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)は、50℃を超え70℃以下の範囲であることが好ましい。ポリエステル(A)のガラス転移温度が70℃以下の範囲にある場合、比較的低温でのシュリンクラベルの加工温度域でも一定の収縮特性を有し、80℃以下を含む複数の温度条件を組み合わせてシュリンク加工を施すことができ、部分的な収縮斑が発生しにくい。
ポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)は、より好ましくは55℃以上であり、一方ポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)の上限は、より好ましくは68℃、さらに好ましくは65℃である。
第1の層は、本発明の目的を損なわない範囲で着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、紫外線吸収剤などをごく少量含有しても良い。
エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)は、公知の方法を適用して製造することができる。例えば、テレフタル酸、エチレングリコールおよび必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。また、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)は、ポリエチレンテレフタレートと他の種類のポリエステル樹脂とをブレンドし、溶融時の熱でエステル交換反応させる方法で製造することもできる。
第1の層を構成するポリエステル(A)の固有粘度は、好ましくは0.55〜0.80dl/gであり、更には0.55〜0.75dl/gの範囲であることが好ましい。第1の層を構成するポリエステル(A)の固有粘度がかかる範囲内にない場合は、製膜はできるものの製膜性が低下することがある。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムが厚み調整層(II)を含む層構成を有する場合、厚み調整層(II)はエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A’)を含んでなり、第1の層の一部を構成するものである。ここで、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A’)は、ポリエステル(A)に規定されるポリエステルに準じる。ポリエステル(A’)は、後述する交互積層体(I)における第1の層と同一組成であっても、ポリエステル(A)に規定される他の組成であってもよい。
[第2の層]
本発明における第2の層は、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)からなる。ここで「主たる」とは、ポリエステル(B)を構成する全酸成分を基準として80モル%以上100モル%以下を指す。ポリエステル(B)を構成する主たる成分の割合の下限値は、好ましくは全酸成分を基準として85モル%、さらに好ましくは90モル%である。
本発明の第2の層を構成するポリエステル(B)は、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステルであることにより、第1の層との屈折率差が0.05以上となり、交互積層構造とした場合に波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において反射率25%以上の反射ピークが出現し、金属光沢性が発現する。なお、第1の層を構成するポリエステル(A)の屈折率は1.40〜1.70の範囲であり、第2の層を構成するポリエステル(B)の屈折率は1.70〜1.80の範囲であり、かつ第2の層の屈折率が第1の層の屈折率よりも0.05以上大きいことが好ましい。なお、第2の層のポリエステルがエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)であることにより、ポリエチレンテレフタレートを主たる成分とする層同士を積層した場合に比べ、屈折率差が大きくなり、反射率がより高くなるものである。
第2の層を構成するポリエステル(B)は、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単独でもよく、小割合の他の種類のポリエステル樹脂とブレンドしたもの、又は他の共重合成分を共重合したものであってもよい。ここで小割合とは、ポリエステル(B)を構成する全酸成分を基準として0モル%以上20モル%以下の割合を指し、好ましい上限は15モル%、さらに好ましくは10モル%である。
共重合成分のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸を例示することができる。共重合成分のジオール成分としては、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールを例示することができる。これらの共重合成分の中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましいが、テレフタル酸は第1の層を構成するポリエステルと成分が近いため、製膜性、層構造の制御がしやすくなる利点がある。
小割合の他のポリエステル樹脂をブレンドする場合、ブレンド成分として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートを例示することができる。
第2の層を構成するエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)は、ガラス転移温度(Tg2)が95℃以上125℃以下の範囲であることが好ましい。ポリエステル(B)のガラス転移温度(Tg2)の下限値は、より好ましくは100℃、さらに好ましくは105℃であり、一方ポリエステル(B)のガラス転移温度(Tg2)の上限値は、より好ましくは120℃である。ポリエステル(B)の主たる成分および共重合成分の構成上、ポリエステル(B)のガラス転移温度(Tg2)の下限は自ずと上述の範囲に限定される。一方、ポリエステル(B)のガラス転移温度(Tg2)が上限を超える場合、金属光沢性を発現するための積層構造を構成するもう一方の層、すなわち第1の層を構成するエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)とのガラス転移温度差が大きくなりすぎ、フィルム製膜性が低下し、また熱収縮性が低下することがある。
第2の層は、本発明の目的を損なわない範囲で着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、紫外線吸収剤などをごく少量含有しても良い。
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)は、公知の方法を適用して製造することができる。例えば、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコールおよび必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。また、ポリエステル(B)は、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートと他の種類のポリエステル樹脂とをブレンドし、溶融時の熱でエステル交換反応させる方法で製造することもできる。
第2の層を構成するポリエステル(B)の固有粘度は、好ましくは0.40〜0.65dl/gであり、更には0.45〜0.62dl/gの範囲であることが好ましい。第2の層を構成するポリエステル(B)の固有粘度がかかる範囲内にない場合は、製膜はできるものの製膜性が低下することがある。
[熱収縮性ポリエステル系フィルム]
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に25層以上1001層以下の範囲で積層された積層構造を有する。積層数が下限に満たない場合、光の干渉が十分でないため発色しない。積層数が上限を超える場合、各層の厚みが1層あたりの厚みの下限よりも薄く、反射波長が紫外線領域になり発色しない。
積層構造の層数の下限は、好ましくは45層、さらに好ましくは75層である。また積層構造の総数の上限について、1001層以下の範囲であれば特に制限されないが、工業的観点で好ましくは701層以下、より好ましくは501層以下、さらに好ましくは201層以下である。
また、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計が80%以上96%以下である。第1の層の層厚みの総計がかかる範囲にあることにより、金属光沢性と熱収縮性とを兼備することができる。第1の層の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して下限に満たない場合、シュリンク加工温度において十分な熱収縮性が得られない。一方、第1の層の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して上限を超える場合、金属光沢性が十分に発現しない。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの全フィルム厚みは30〜80μmであることが好ましく、更に好ましくは35〜60μmである。全フィルム厚みが下限に満たない場合、フィルムにコシがなくなり、加工時のハンドリング性に劣ることがある。一方、全フィルム厚みが上限を超える場合、フィルムが硬すぎて加工時のハンドリング性が低下することがある。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において反射率25%以上の反射ピークが少なくとも1つ観察される。反射ピークの反射率は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上であり、反射率が高くなるほど金属光沢発色性が鮮明になる。反射ピークの反射率はより高い方が好ましいが、高々95%、さらには高々90%である。
反射ピークが波長400nmに満たない範囲に存在する場合、または反射ピークが波長800nmを超える範囲に存在する場合は、可視光領域からはずれるため、金属光沢発色性が発現しない。また反射ピークの反射率が下限に満たない場合、十分に反射色を認識することができない。
ここで反射率曲線とは、分光光度計を用い、主配向方向(収縮率の大きい方向または主収縮方向と称することがある)に合わせてフィルムと受光部の間に偏光板を挟み、400〜800nmの各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を測定して得られる曲線であり、反射率曲線において反射率25%以上とは、波長ごとに測定された反射率の中でピークとなる反射率が25%以上であることを指す。
かかる金属光沢性に優れた反射率特性を達成する手段は、第1の層と第2の層の各層が屈折率の異なる樹脂として、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)とエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を交互に25層以上1001層以下の範囲で積層し、積層構造におけるそれぞれの層厚みが一定範囲にあることによって達成される。
また本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向及び幅方向のいずれか一方において30%以上の特性を有する。80℃の温水中に10秒間放置したときの収縮率の大きい方向における熱収縮率が下限に満たない場合、シュリンクラベルの加工温度域での収縮量が小さく、シュリンクラベルとしてPETボトルと十分な密着性を示さない。80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率は、かかる範囲内でより大きい方が密着性の観点から好ましいが、シュリンク後の外観を考慮して上限は高々70%程度である。
かかる熱収縮率特性を達成する手段として、第1の層の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して80%以上であり、2.5〜4.5倍の所定の延伸倍率で主収縮方向に延伸することにより達成される。
また本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率が30%以上である方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満の特性を有する。80℃の温水中に10秒間放置したときの収縮率の小さい方向における熱収縮率の絶対値が上限を超える場合、タテヒケと呼ばれる収縮斑部分が発生する。80℃の温水中に10秒間放置したときの収縮率の小さい方向における熱収縮率の絶対値はかかる範囲内でより小さい方が好ましく、その下限は0%であるが、通常は8%以下、さらには6%以下である。
かかる熱収縮率特性を達成する手段は、第1の層を構成するポリエステルの種類およびフィルム全層に占める第1の層の割合の他、上述の収縮率の大きい方向と直交方向については、収縮率を下げるためにフィルムを延伸しないのが好ましく、フィルム強度を高める場合には1.5倍以下の低倍率で延伸することによって達成される。
なお80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率とは、サンプルを10cm×10cmの正方形に切り出して80℃の温水に10秒間浸漬し、その後冷水中で冷却して標線間の長さを測定し、原寸法に対する収縮量の割合を熱収縮率として求めた値である。
また本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、65℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向及び幅方向のいずれか一方において15%以上の特性を有することが好ましい。65℃の温水中に10秒間放置したときの収縮率の大きい方向における熱収縮率が下限に満たない場合、比較的低温でのシュリンクラベルの加工温度域での収縮量が小さく、シュリンクラベルとしてPETボトルと十分な密着性を示さない。65℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率は、かかる範囲内でより大きい方が密着性の観点から好ましいが、シュリンク後の外観を考慮して上限は高々25%程度である。
また本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、65℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率が15%以上である方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満の特性を有することが好ましい。
かかる65℃での熱収縮率特性は、80℃での熱収縮率特性の達成手段に加え、さらに、第1の層を構成するポリエステル(A)の第2の酸成分がイソフタル酸、アジピン酸またはセバシン酸であることによって発現する。その場合のポリエステル(A)のガラス転移温度(Tg1)は、50℃を超え70℃以下の範囲であることが好ましい。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの積層構成は、以下の積層構成を有することが好ましい。
(交互積層体(I)および厚み調整層(II)を有する積層構造)
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの積層構造は、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に積層された交互積層体(I)、およびその両面に配置されてなる厚み調整層(II)で構成されてなる積層構造を有することが好ましい。
交互積層体(I)は、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に積層された積層構造である。
かかる交互積層体(I)は、光の干渉による金属光沢発色性の観点から、第1の層の1層あたりの厚みが0.02〜0.4μm、第2の層の1層あたりの厚みが0.03〜0.5μmの範囲である。なお、それぞれの層の1層あたりの平均厚みは、層数の増加に応じて薄くなり、また層数の減少に応じて厚くなる関係にある。
第1の層および第2の層それぞれの1層あたりの厚みがかかる範囲にあることにより、波長400〜800nmの範囲において反射ピークが出現し、可視光での反射色を発現する。各層の厚みがそれぞれ下限に満たない場合、反射波長が紫外線領域になるために発色しない。一方、各層の厚みがそれぞれ上限を超える場合、反射波長が赤外線領域になるために発色しない。
本発明の熱収縮率性ポリエステル系フィルムは、かかる層厚み範囲内で第1の層および第2の層の各層の厚み斑が小さく、均一な層厚みを有することにより、反射率曲線における反射ピーク強度が高くなり、発色性を高めることができる。
厚み調整層(II)は、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A’)を含んでなり、第1の層の一部を構成するものである。本発明における厚み調整層(II)は、交互積層体(I)の第1層の平均厚み、第2層の平均厚みのうち、数値の大きい方を基準として少なくとも5倍以上の厚みを有する層で定義される。
厚み調整層(II)は、PETボトルのシュリンクラベルを収縮させる温度近傍での熱収縮率を高めるために設けるものであり、さらに詳しくは、収縮加工温度に近いガラス転移温度を有するポリエステルを一定量以上含み、なおかつ金属光沢性も高めるべく、交互積層体(I)における第1の層と第2の層との厚みを均一なものとする目的で設けるものである。また、厚み調整層(II)を両方の最表面に配置することにより、最表層の表面が平滑になるため、フィルムの透明性が高まり、かつ、第2の酸成分量が20モル%以上60モル%以下であるため、溶剤を用いた接着加工を施すことができる。
かかる積層構造を有する場合、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計は、86%以上96%以下であることが好ましい。ここで該積層構造における第1の層の層厚みの総計は、交互積層体(I)における第1の層と厚み調整層(II)の層厚みの総計を指す。
また、本積層構造の場合、全フィルム厚みに対する厚み調整層(II)の層厚みの総計は50〜85%であることが好ましい。厚み調整層(II)の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して下限に満たない場合、交互積層体(I)に占める第1の層の割合が相対的に増えるため、交互積層体(I)における第1の層厚みが上限を超えることがあり、反射波長が赤外線領域になるため発色しないことがある。一方、厚み調整層(II)の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して上限を超える場合、交互積層体(I)に占める第1の層の割合が相対的に低下して第1の層厚みが下限に満たないことがあり、反射波長が紫外線領域になるために発色しないことがある。
本積層構造を有する場合、波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において観察されるフィルムの反射率ピークの反射率は30%以上であることが好ましい。本積層構造における反射率が30%以上となる理由は、第1の層と第2の層のポリエステルの屈折率差に加え、第一の層と第二の層を一定の厚みの範囲内とすることに起因している。
なお、交互積層体(I)におけるポリエステル(A)と、厚み調整層(II)を構成するポリエステル(A’)が同一組成である場合、フィルム製造工程において同じ押出機を用いることができる。
(厚み調整層を有しない積層構造)
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの積層構造は、別の態様として、エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に積層された積層構造のみからなる積層構造を有することが好ましい。
本積層構造において、第1の層の平均厚みは0.05〜3.6μmであり、ポリエステル(B)からなる第2の層の平均厚みは0.005〜1.0μmである。
本積層構成の場合、本積層構造における第1の層の各層厚みは、厚み方向に連続的に変化していることが好ましい。第1の層の各層厚みが厚み方向に連続的に変化しておらず均一な場合、光学的厚みの規則性から極めて狭い幅の波長域しか選択的に反射しないため、反射ピークを可視光域にコントロールするのが難しいことがある。
本積層構造における第1の層の各層厚みは、厚み方向に連続的に変化している場合、第1の層の1層あたりの平均厚みは、各層の厚みの合計を層数で割った値で求められる。また第1の層の各層厚みが、フィルム両表層から中心層にかけて連続的に層厚みが減少していく態様の場合は、フィルム表層付近が最大厚み、フィルム中心層が最小厚みとなることから、最大となる層厚みと最小となる層厚みの平均値で求められる。
第1の層の1層あたりの平均厚みの下限は、好ましくは0.1μm、より好ましくは0.2μm、さらに好ましくは0.3μm、特に好ましくは0.4μmである。また第1の層の1層あたりの平均厚みの上限は、好ましくは3.0μm、さらに好ましくは1.0μmである。なお、第1の層の1層あたりの平均厚みは、層数の増加に応じて薄くなり、また層数の減少に応じて厚くなる関係にある。
第1の層および第2の層それぞれの1層あたりの厚みがかかる範囲にあり、好ましくは第1の層が厚み勾配を有することにより、波長400〜800nmの範囲において反射ピークが出現し、可視光での反射色を発現する。各層の厚みがそれぞれ下限に満たない場合、反射波長が紫外線領域になるために発色しない。一方、各層の厚みがそれぞれ上限を超える場合、反射波長が赤外線領域になるために発色しない。
ここで、「厚み方向に連続的に変化している」とは、フィルム厚み方向のフィルム断面を観察した場合に、一方のフィルム表層から他方のフィルム表層にかけて、第1の層の各層が徐々に連続的に変化していることを指し、具体的には一方のフィルム表層から他方のフィルム表層にかけて連続的に各層厚みが増加または減少しているか、あるいはフィルム両表層から内部にかけて連続的に各層厚みが増加または減少している状態を指す。なお、「連続的に変化」には、等割合の変化、階段状の変化、傾きを持った変化が含まれる。
このような厚み変化を厚みの分布曲線で表わした場合、厚み分布の極大値および最小値はそれぞれ1つに限られず、複数であってもよい。なお、本発明では、厚みの分布曲線の最大値を最大厚み、厚みの分布曲線の最小値を最小厚みと称することがある。
かかる態様の中でも、第1の層の各層厚みはフィルム両表層から中心層にかけて連続的に層厚みが減少していく態様が好ましく、その場合、フィルム表層付近が最大厚み、フィルム中心層が最小厚みとなる。
また最大厚みを最小厚みで割った比は1.0を越え3.0以下であることが好ましく、さらに好ましい下限は1.1以上、またさらに好ましい上限は2.0以下である。最大厚みを最小厚みで割った比が上限を超えると、反射波長帯が広くなりすぎ、十分な反射率が得られないことがある。第1の層の各層厚みは、フィードブロックの各層厚みを制御して調整される。
本積層構造において、第1の層の平均厚みで均一に積層された状態では、反射ピークを可視光域にコントロールするのが難しいが、均一に積層された状態と同じ平均厚みであっても、第1の層の各層厚みを厚み方向に連続的に変化させることにより反射ピークの波長域を広げ、かつ1次干渉、2次干渉、3次干渉も含めた少なくともいずれかのピークが可視光域に生じることにより、金属光沢感のある発色が生じやすいと考えられる。
なお、本構成のような第1の層厚みの場合、反射率のメインピークは赤外域となるものの、反射ピークが多重に発生するために上述の1次干渉、2次干渉などのピークが可視光域に生じ、反射色が観察されるものである。厚み調整層を有する層構成の場合に比べ、1つ1つの反射率は弱い傾向にあるものの、複数のピークが重なるため、反射色が視認できる。
本積層構造において、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計は80%以上86%以下であることが好ましい。第1の層の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して下限に満たない場合、シュリンク加工温度において十分な収縮が得られないことがある。一方、本積層構造における第1の層の層厚みの総計が全フィルム厚みに対して上限を超える場合、フィルム表面近くの層構成に乱れが生じてフィルム表面に凹凸が形成され、透明性が低下し、すりガラス調外観となることがある。
[粒子]
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの透明性を高める観点から、粒子を含有しないか、フィルムへの滑り性付与等を目的として粒子を含有させるとしてもごく少量の範囲で添加させることが好ましく、具体的には、第1の層または第2の層の少なくとも1つが、粒子の含有量が0重量%以上0.1重量%未満の範囲であることが好ましい。粒子含有量の下限は、より好ましくは0.005重量%、さらに好ましくは0.01重量%である。また粒子含有量の上限は、より好ましくは0.08重量%、さらに好ましくは0.06重量%である。
かかる粒子含有量は、粒子含有層の重量を基準として、該層に含まれる粒子の重量の比(%)で表わされる。
粒子の種類として、例えば炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレーなどの無機粒子、シリコーン、アクリルなどの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれかからなる有機粒子などを少なくとも1種用いることができ、これらの中でも真球状シリカ粒子が好ましい。粒子の平均粒径は0.001〜5μmの範囲であれば特に限定されないが、0.01〜3μmであることがより好ましい。
[製造方法]
次に、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法について詳述する。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、第1の押出機より供給された第1の層用ポリエステル(A)と、第2の押出機より供給された第2の層用ポリエステル(B)とを、多層フィードブロック装置を用いて溶融状態で交互に25層以上1001層以下の範囲で重ね合わせた状態を形成する。
その後、ダイを用いて該溶融積層体を回転するドラム上にキャストすることにより、多層未延伸フィルムとする。また積層構造における最外層は溶剤接着性の点で第1の層であり、第1の層が奇数層、第2の層が偶数層となる。
このようにして得られた多層未延伸フィルムは、製膜方向またはその直交方向である幅方向のいずれか1軸方向に延伸される。延伸温度は、第1の層を構成するポリエステル(A)のガラス転移点の温度(Tg)〜Tg+50℃の範囲が好ましい。このときの面積倍率は2〜6倍、更に好ましくは2.5〜5倍であることが好ましい。延伸倍率が大きい程、第1の層および第2の層の個々の層における層厚みのバラツキが、延伸による薄層化により小さくなり、多層延伸フィルムの光干渉が面方向に均一になる一方、収縮特性に対しては、延伸倍率が高すぎると、結晶化により主収縮方向の収縮率が得られないばかりか、主収縮方向の直交方向の収縮率も大きくなってしまうことから、延伸倍率は主収縮方向について2.5〜4.5倍の範囲とする必要があり、主収縮方向の直交方向は延伸しないか、最大でも1.5倍以下の範囲で延伸する必要がある。また収縮率の精度を高めるために、さらに70℃以上80℃未満の温度で熱処理を施してもよい。
厚み調整層を有する積層構成の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製造する場合、第1の押出機より供給された第1の層用ポリエステル(A)と、第2の押出機より供給された第2の層用ポリエステル(B)とを、多層フィードブロック装置を用いて溶融状態で交互に25層以上1001層以下の範囲で重ね合わせた状態(交互積層体(I))を形成し、さらに、第3の押出機より供給された厚み調整層(II)用ポリエステル(A’)を、厚み調整されたフィードブロック最外層を通じて、交互積層体(I)の両面に積層する。厚み調整層(II)用ポリエステル(A’)が第1の層用ポリエステル(A)と同一の場合は、第1の押出機より供給されたポリエステル(A)の一部を厚み調整層として、厚み調整されたフィードブロック最外層を通じて交互積層体(I)の両面に積層すればよい。その後、ダイを用いて該溶融積層体を回転するドラム上にキャストする以降の製膜方法は、前述の方法に準ずる。
また、厚み調整層を含まない積層構成の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製造する場合、第1の押出機より供給された第1の層用ポリエステル(A)と、第2の押出機より供給された第2の層用ポリエステル(B)とを、多層フィードブロック装置を用いて溶融状態で交互に25層以上1001層以下の範囲で重ね合わせた状態を形成し、ダイを用いてこれを回転するドラム上にキャストすることにより、多層未延伸フィルムとする。なおフィードブロックは、第1の層に厚み勾配をつける場合は第1の層の各層厚みが所望の厚み勾配となるよう制御され、第2の層の各層厚みがそれぞれ均一な厚みとなるように制御される。その結果、第1の層については厚み勾配を有し、第2の層については各層厚みのばらつきをなくすことができる。その後、ダイを用いて該溶融積層体を回転するドラム上にキャストする以降の製膜方法は、前述の方法に準ずる。
上記工程中にプライマー層などを塗設する場合は、例えば縦延伸後にフィルムの片面ないし両面に、水分散性の塗剤を塗布し、横延伸の前に乾燥してフィルムに皮膜を形成させることが好ましい。塗工法は限定されないが、リバースロールコーターによる塗工が好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例において用いた特性の測定方法ならびに評価方法は、次のとおりである。
(1)熱収縮率
フィルムサンプルを10cm×10cmの正方形に切り出し、65℃、80℃の温水に浸漬し、10秒後に引き上げて冷水に入れた。標線間の長さを測定し、フィルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表した。
S=100×(L−L)/L
(上式中、Sは熱収縮率(単位:%)、Lは熱処理後の標線間長さ(単位:mm)、Lは熱処理前の標線間長さ(単位:mm)をそれぞれ表わす)
また、65℃における熱収縮率特性についても、温度条件を変える以外は、上述の80℃での測定方法と同様の方法で行った。
(2)光線反射率
分光光度計(島津製作所製、MPC−3100)を用い、主配向方向(収縮率の大きい方向または主収縮方向)に合わせてフィルムと受光部の間に偏光板を挟み、各波長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を波長400nmから800nmの範囲で測定する。その測定された反射率の中で最大のものを最大反射率とし、その波長を反射波長とした。
更に意匠性について、目視評価により以下の基準で評価した。
○: 金属光沢の色調が観察される
×: 金属光沢の色調が観察されない
(3)収縮(シュリンク)フィルムとしての評価
フィルムサンプルを収縮ラベルとして円筒形にした後、PETボトルに被せ、第1ゾーンを85℃で滞留時間5秒、第2ゾーンを90℃で滞留時間5秒とする条件でシュリンクトンネルを通過させて収縮させた。以下の4つの評価方法により、シュリンク加工を施した場合の溶剤接着性、シュリンク特性及び意匠性を評価した。
i)ラベル端にテトラヒドロフランを2mm幅で塗布し、乾燥しないうちに迅速にラベル両端を重ねて貼り合せた。このときの接着(接合)状態を以下の基準で評価した。
○ : ラベル端部が完全に接着されている。
× : ラベル端部が接着しているが、極軽い力で剥がれてしまう。
××: ラベル端部に剥がれが見られる。
ii)トンネル通過後、該フィルムが十分にPETボトルに密着しているかを目視評価により以下の基準で評価した。
○: PETボトルの形状に密着しており、PETボトルとの間に隙間が観察されない
×: PETボトルとの間に一部隙間が観察される
iii)シュリンクトンネル通過後のフィルムの収縮斑について、上端部又は下端部が収縮後に斜めになったり歪んでいないかを目視評価により以下の基準で判定した。
◎ : 上端部または下端部のいずれにも収縮斑により斜めになったり歪んだ部分が観察されず、ボトル胴体部分にも収縮斑によるシワなどが観察されない。
○ : 上端部または下端部のいずれかに、収縮斑により斜めになったり歪んだ部分か、ボトル胴体部分に収縮斑によるシワのいずれかが観察される。
× : 上端部または下端部のいずれにも収縮斑により斜めになったり歪んだ部分が観察される
iv)さらにシュリンクトンネル通過後のフィルムの意匠性について、透明性および金属光沢性を目視評価により以下の基準で評価した。
A: 金属光沢の色調が観察され、かつフィルムに濁りがなく透明
B: 金属光沢の色調が観察されるが、フィルムに濁りが発生
C: 金属光沢の色調が観察されない。
(4)各層厚み、層数
フィルムサンプルの断面を株式会社日立サイエンスシステムズ製の走査電子顕微鏡(S−4300SE/N形)で観察し、厚さ方向で略中心付近の第1の層および第2の層の各層の厚みを3層ずつn=3で測定し、平均値より求めた。厚み調整層(II)の層厚みについても同じ測定装置を用い、両層について3箇所ずつ測定し、平均値より求めた。
なお、第1の層に厚み勾配がある場合は、第1の層について、フィルム表層付近と、厚さ方向で略中心付近のについてそれぞれ3層ずつn=3で測定し、両測定位置における平均値より両測定位置における平均厚みを求めた。
また、層数についても、同様にフィルムサンプルの断面を株式会社日立サイエンスシステムズ製の走査電子顕微鏡(S−4300SE/N形)で観察して求めた。
(5)全フィルム厚み
フィルムの全フィルム厚みは、電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用いて針圧30gにて10箇所測定し、それらの平均値より求めた。
(6)全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計
(4)の方法で得られた第1の層の厚みに第1の層数を乗じて第1の層厚みの総計を求め、また厚み調整層を有する場合は、(4)の方法で得られた厚み調整層(II)の層厚みを用いて、ポリエステル(A)からなる層の層厚みの総計を求めた。一方、全フィルム厚みは(5)の方法に準じて求め、全フィルム厚みに対する第1の層(厚み調整層を含む)の層厚みの総計(%)を算出した。
(7)全フィルム厚みに対する厚み調整層(II)の層厚みの総計
(4)の方法で得られた厚み調整層(II)の層厚み、および(5)の方法で得られた全フィルム厚みをもとに、全フィルム厚みに対する厚み調整層(II)の層厚みの総計(%)を算出した。
(8)ヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。
(9)ガラス転移温度
フィルムサンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷する。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定した。
(10)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
(11)ポリエステル成分量
フィルムサンプルの各層について、H−NMR測定よりポリエステルの成分および共重合成分及び各成分量を特定した。
[実施例1]
第1の層用のポリエステル(A)及び厚み調整層(II)用のポリエステル(A’)として、固有粘度0.70dl/g、ガラス転移温度(Tg1)86℃のポリエチレンテレフタレート−ナフタレート共重合体(2,6−ナフタレンジカルボン酸含有量:20モル%)を用意し、第2の層用のポリエステル(B)として、固有粘度0.51dl/g、ガラス転移温度(Tg2)117℃のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートホモポリマーを用意し、それぞれペレットを攪拌しながら110℃で10時間加熱し表面を結晶化させたものを用意した。なお厚み調整層(II)用のポリエステル(A’)は第1の層用のポリエステル(A)と同一のポリマーであるため、以降はポリエステル(A)として記載した。
ポリエステル(A)およびポリエステル(B)を、それぞれ170℃で4時間乾燥後、ポリエステル(A)を第1の押出機に、またポリエステル(B)を第2の押出機に供給し、290℃まで加熱して溶融状態にして、ポリエステル(A)を交互積層体(I)における第1の層として99層と厚み調整層2層に分岐させ、ポリエステル(B)を第2の層として100層に分岐させた後、第1の層と第2の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して、積層状態の溶融体とし、その積層状態を保持したままキャスティングドラム上にキャストして、第1の層と第2の層が交互に積層された総数199層からなる交互積層体(I)およびその両面に厚み調整層を有する未延伸多層積層フィルムを作成した。なお押出量の比はポリエステル(A)87%(交互積層体(I)における第1の層として26%、厚み調整層(II)として61%)、第2の層用ポリエステル(B)13%に調整した。またフィードブロックの第1の層の各層厚み、第2の層の各層厚みは均一層となるように制御した。
この多層未延伸フィルムを80℃の温度で連続製膜方向は延伸せずに、幅方向に3.0倍延伸し、75℃で3秒間熱処理を行い、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例2]
第1の層用ポリエステル(A)を固有粘度0.65dl/g、ガラス転移温度(Tg1)69℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:25モル%)とし、押出量の比を第1の層用ポリエステル(A)を92%(交互積層体(I)における第1の層として28%、厚み調整層(II)として64%)、第2の層用ポリエステル(B)を8%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例3]
第1の層用ポリエステル(A)を固有粘度0.68dl/g、ガラス転移温度(Tg1)71℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:20モル%)とし、第2の層用ポリエステル(B)を固有粘度を0.58dl/g、ガラス転移温度(Tg2)109℃のポリエチレンナフタレート−テレフタレート共重合体(テレフタル酸含有量:8モル%)とし、押出量の比をポリエステル(A)を92%(交互積層体(I)における第1の層として28%、厚み調整層(II)として64%)、第2の層用ポリエステル(B)を8%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例4]
第1の層用ポリエステル(A)を、固有粘度0.71dl/g、ガラス転移温度(Tg)69℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:25モル%)と、固有粘度0.70dl/g、ガラス転移温度(Tg1)88℃のポリエチレンテレフタレート−ナフタレート共重合体(2,6−ナフタレンジカルボン酸含有量:25モル%)を重量比1:1でブレンドした樹脂とし、第2の層用のポリエステル(B)として、固有粘度0.51dl/g、ガラス転移温度(Tg2)117℃のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートホモポリマーをとし、押出量の比をポリエステル(A)を90%(交互積層体(I)における第1の層として27%、厚み調整層(II)として63%)、第2の層用ポリエステル(B)を10%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例5]
第1の層用ポリエステル(A)を固有粘度0.71dl/g、ガラス転移温度(Tg1)95℃のポリエチレンテレフタレート−ナフタレート共重合体(2,6−ナフタレンジカルボン酸含有量:42モル%)とし、押出量の比をポリエステル(A)を90%(交互積層体(I)における第1の層として27%、厚み調整層(II)として63%)、第2の層用ポリエステル(B)を10%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例6]
第1の層用ポリエステル(A)を固有粘度0.71dl/g、ガラス転移温度(Tg1)95℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:40モル%)とし、押出量の比をポリエステル(A)を92%(交互積層体(I)における第1の層として28%、厚み調整層(II)として64%)、第2の層用ポリエステル(B)を8%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例7]
第1の層用ポリエステル(A)に平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.10重量%添加した以外は、実施例2と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[実施例8]
第1の層用ポリエステル(A)に実施例3と同じポリエステルを用い、ポリエステル(B)として、固有粘度0.51dl/g、ガラス転移温度(Tg2)117℃のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートホモポリマーを用意し、それぞれペレットを攪拌しながら110℃で10時間加熱し表面を結晶化させたものを用意した。
ポリエステル(A)およびポリエステル(B)を、それぞれ170℃で4時間乾燥後、ポリエステル(A)を第1の押出機に、またポリエステル(B)を第2の押出機に供給し、290℃まで加熱して溶融状態とし、ポリエステル(A)を第1の層として101層、ポリエステル(B)を第2の層として100層に分岐させた後、第1の層と第2の層が交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して、積層状態の溶融体とし、その積層状態を保持したまま、キャスティングドラム上にキャストして、第1の層と第2の層が交互に積層された総数201層の未延伸多層積層フィルムを作成した。なお押出量の比は第1の層用ポリエステル(A)を80%、第2の層用ポリエステル(B)を20%に調整した。またフィードブロックの第1の層の厚み勾配は、フィルム両表層から中心層にかけて連続的に層厚みが減少し、その厚み比が1.30となるよう制御し、第2の層の各層厚みは均一層となるように制御した。
この多層未延伸フィルムを80℃の温度で連続製膜方向は延伸せずに、幅方向に3.0倍延伸し、75℃で3秒間熱処理を行い、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例1]
第1の層用ポリエステル(A)を固有粘度を0.71dl/g、ガラス転移温度(Tg1)71℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:20モル%)とし、押出量の比をポリエステル(A)を78%(交互積層体(I)における第1の層として13%、厚み調整層(II)として65%)、第2の層用ポリエステル(B)を22%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例2]
実施例1と同じポリエステル樹脂を用い、押出量の比をポリエステル(A)を97%(交互積層体(I)における第1の層として29%、厚み調整層(II)として68%)、第2の層用ポリエステル(B)を3%とした以外は、実施例1と同様にして製膜したところ、第2の層用ポリエステル(B)の層をダイの幅方向に均一に押出すことができず、フィルムを製膜することができなかった。
[比較例3]
第1の層用ポリエステル(A)を、固有粘度0.65dl/g、ガラス転移温度(Tg1)79℃のポリエチレンテレフタレートホモポリマーとし、押出量の比をポリエステル(A)を90%(交互積層体(I)における第1の層として27%、厚み調整層(II)として63%)、第2の層用ポリエステル(B)を10%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例4]
第1の層用ポリエステル(A)を、固有粘度0.51dl/g、ガラス転移温度(Tg1)117℃のポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートホモポリマーとし、第2の層用のポリエステル(B)を、固有粘度0.71dl/g、ガラス転移温度(Tg2)69℃のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:25モル%)とし、押出量の比をポリエステル(A)を87%(交互積層体(I)における第1の層として26%、厚み調整層(II)として61%)、第2の層用ポリエステル(B)を13%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例5]
比較例4と同じポリエステル樹脂を用い、押出量の比をポリエステル(A)を92%(交互積層体(I)における第1の層として28%、厚み調整層(II)として64%)、第2の層用ポリエステル(B)を8%とした以外は比較例4と同様にして製膜したところ、第2の層用ポリエステル(B)の層をダイの幅方向に均一に押出すことができず、フィルムを製膜することができなかった。
[比較例6]
実施例8と同じポリエステル樹脂を用い、押出量の比をポリエステル(A)を88%(交互積層体(I)における第1の層として26%、厚み調整層(II)として62%)、第2の層用ポリエステル(B)を12%とし、ポリエステル(A)を交互積層体(I)における第1の層として9層に、ポリエステル(B)を第2の層として10層に分岐させた以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例7]
実施例8と同じポリエステル樹脂を用い、押出量の比を第1の層用ポリエステル(A)を86%、第2の層用ポリエステル(B)を14%とし、ポリエステル(A)を第1の層として101層、ポリエステル(B)を第2の層として100層に分岐させ、厚み調整層(II)を付与しない以外は、実施例1と同様にして厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例8]
実施例5と同じポリエステル樹脂を用い、押出量の比を第1の層用ポリエステル(A)を78%(第1の層として13%、厚み調整層(II)として65%)、第2の層用ポリエステル(B)を22%とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
[比較例9]
実施例8と同じポリエステル樹脂を用い、第1の層に厚み勾配を設けなかった以外は、実施例8と同様にして、厚さ60μmのフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
Figure 2010058365
Figure 2010058365
本発明は、特定の波長の光を反射する光沢性の意匠性に富むことにより玉虫色の金属光沢性を付与するとともに、PETボトルなどの容器を被覆するフィルムとして溶剤を用いた接合が可能な熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することができ、PETボトルのシュリンクラベルに好適に用いることができる。その他、熱収縮性および意匠性を求められる電線被覆にも好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. エチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に25層以上1001層以下の範囲で積層された積層構造を有するフィルムにおいて、全フィルム厚みに対する第1の層の層厚みの総計が80%以上96%以下であり、該ポリエステル(A)がポリエステル(A)の全酸成分を基準として20モル%以上60モル%以下の範囲で第2の酸成分を含有し、該フィルムが波長400〜800nmの範囲の反射率曲線において反射率25%以上の反射ピークを少なくとも1つ有し、80℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向のいずれか一方において30%以上、該方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  2. 積層構造が交互積層体(I)およびその両面に配置されてなる厚み調整層(II)で構成される積層構造であり、厚み調整層(II)はエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A’)を含む第1の層で構成され、かつ交互積層体(I)における第1の層の平均厚みが0.02〜0.4μm、第2の層の平均厚みが0.03〜0.5μmである請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 積層構造がエチレンテレフタレートを必須成分とするポリエステル(A)を含む第1の層と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる成分とするポリエステル(B)を含む第2の層とが交互に積層された積層構造のみからなり、第1の層の平均厚みが0.05〜3.6μm、第2の層の平均厚みが0.005〜1.0μmである請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  4. 65℃の温水中に10秒間放置したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向のいずれか一方において15%以上、該方向と直交方向において絶対値で0%以上10%未満である請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  5. ポリエステル(A)を構成する第2の酸成分が、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  6. 全フィルム厚みに対する厚み調整層(II)の層厚みの総計が50〜85%である請求項2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  7. 第1の層または第2の層の少なくとも1つが、粒子の含有量が0重量%以上0.1重量%未満の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムからなるシュリンクラベル。
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