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JP2010058192A - 加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法 - Google Patents

加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法 Download PDF

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JP2010058192A
JP2010058192A JP2008224531A JP2008224531A JP2010058192A JP 2010058192 A JP2010058192 A JP 2010058192A JP 2008224531 A JP2008224531 A JP 2008224531A JP 2008224531 A JP2008224531 A JP 2008224531A JP 2010058192 A JP2010058192 A JP 2010058192A
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英雄 江藤
Shuichi Saito
秀一 齋藤
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Abstract

【課題】本発明は、加工精度を向上させることができる加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】被加工物に対峙させる電解部を軸方向の一方の端面に有し導電性を有する基体と、前記基体の軸方向と略直交する方向の面上に設けられ絶縁性を有する絶縁部と、前記絶縁部の前記基体とは反対側の面上に設けられ導電性を有する遮蔽部と、を備えたことを特徴とする加工電極が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法に関する。
構造体の表面に凹凸部を形成する技術として電解加工法が知られている。電解加工法は、加工形状に対応した形状を有する加工電極を電解加工液中において被加工物の表面に対峙させ、加工電極と被加工物との間に電圧を印加することにより電解反応を起こさせて、被加工物の表面を電気化学的に溶解させるという加工方法である。
近年、この電解加工法は、ハードディスク駆動装置の動圧軸受け、フラットパネルディスプレイなどの配線、半導体装置などの製造において、構造体の表面に微細な凹凸部を形成する技術として利用されるようになってきている。
ここで、構造体の表面に微細な凹凸部を加工精度よく形成するためには、所望の領域以外の部分が電気化学的に溶解されるのを抑制する必要がある。そのため、加工電極に設けられる基体において被加工物に対峙させる部分(以下、電解部と称する)以外の表面を絶縁体で覆う技術が提案されている(特許文献1を参照)。
この特許文献1に開示がされた技術によれば、迷走電流や透過電流の発生を抑制することができるので加工精度を向上させることができる。しかしながら、近年の微細化が進む状況下においては、さらなる加工精度の向上が求められている。
特開2006−239803号公報
本発明は、被加工物の加工精度を向上させることができる加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、被加工物に対峙させる電解部を軸方向の一方の端面に有し導電性を有する基体と、前記基体の軸方向と略直交する方向の面上に設けられ絶縁性を有する絶縁部と、前記絶縁部の前記基体とは反対側の面上に設けられ導電性を有する遮蔽部と、を備えたことを特徴とする加工電極が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、電源と、電解加工液を収納する電解槽と、前記電解槽の内部に設けられ、被加工物を載置する載置台と、前記載置台と対向して設けられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の加工電極と、前記加工電極を移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする電解加工装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、電解加工液の中で、加工電極と、被加工物と、の間に電圧を印加することにより電解反応を起こさせて、前記被加工物の表面を加工する電解加工方法であって、前記加工電極には、前記被加工物に対峙させる電解部を軸方向の一方の端面に有する基体と、前記基体の軸方向と略直交する方向の面上に設けられ、絶縁性を有する絶縁部と、前記絶縁部の前記基体とは反対側の面上に設けられた遮蔽部と、が設けられ、前記被加工物と、前記遮蔽部と、の電位が略同一とされること、を特徴とする電解加工方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、上記の電解加工方法を用いて、前記被加工物に凹凸部を形成することを特徴とする構造体の製造方法が提供される。
本発明によれば、被加工物の加工精度を向上させることができる加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る加工電極を例示するための模式断面図である。
図2は、比較例に係る加工電極を例示するための模式断面図である。
まず、比較例に係る加工電極100について例示をする。
図2に示すように、加工電極100には、基体102、絶縁部103が設けられている。基体102の断面形状、断面寸法は、被加工物104の加工部分の形状や寸法に対応したものとなっている。
基体102は、被加工物104に対峙させる電解部102aを軸方向の一方の端面に有している。また、基体102は、導電性を有する材料により形成されている。例えば、金属材料などで形成されるものとすることができる。金属材料としては特に限定されないが、電解加工液105に浸漬させることを考慮して耐食性に優れる材料を選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、白金、ステンレスなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
電解加工液105に浸漬させる部分であって、電解部102a(被加工物104を加工するために対峙させる部分)以外の基体102の表面は絶縁性を有する絶縁部103で覆われている。すなわち、基体102の軸方向と略直交する方向の面に設けられた絶縁性を有する絶縁部103を備えている。絶縁部103の材料としては特に限定されないが、電解加工における耐電圧、電解加工液105に対する耐食性、誘電率が低いことなどを考慮して、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
加工電極100の一端は電解加工液105に浸漬され、電解部102aが被加工物104の表面と対峙するようになっている。また、基体102の電解部102aと対向する側の端面と、直流電圧を印加するための電源106の陰極側とが電気的に接続されている。また、電源106の陽極側と被加工物104とが電気的に接続されている。そして、加工電極100(基体102)と被加工物104との間に電圧を印加することができるようになっている。そのため、電解部102aと被加工物104の加工部分との間で電解反応を起こさせることができるので、被加工物104の表面を電気化学的に溶解させることで所望の形状の加工が行えるようになっている。
図3、図4は電束密度の分布のシミュレーション結果を例示するための模式図である。なお、図3は、絶縁部が設けられていない加工電極の場合(加工電極が基体102のみからなる場合)を例示するための模式図である。この場合、加工電極(基体102)の直径を5mmとしている。また、図4は、絶縁部103が設けられた加工電極100の場合(図2に例示をしたものの場合)を例示するための模式図である。この場合、基体102の直径を5mm、絶縁部103の厚みを5mmとしている。また、図3、図4の(a)、(b)、(c)は、電解部102aと被加工物104との間の距離を変えた場合を例示するものであり、(a)の場合は15mm、(b)の場合は10mm、(c)の場合は5mmとしている。
また、図3、図4は電束密度の拡がりをシミュレーションしたものであるが、電束密度の高低はモノトーン色の濃淡で表し、電束密度が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示している。
図3に示すように、加工電極に絶縁部を設けないものとすれば、すなわち、基体102のみからなる加工電極とすれば、電束密度の拡がりが大きくなってしまう。この場合、図3(a)〜(c)に示すように、電解部102aと被加工物104との間の距離を変えても電束密度の拡がりを抑制することができない。そのため、所望の領域以外の部分が電気化学的に溶解されてしまうので加工精度が悪くなるおそれがある。
これに対し図4に示すように、絶縁部103を設けた加工電極100を用いるものとすれば、電束密度の拡がりを抑制することができる。また、図4(a)〜(c)に示すように、電解部102aと被加工物104との間の距離を変えることで電束密度の拡がりを抑制することもできる。そのため、所望の領域以外の部分が電気化学的に溶解されてしまうことを抑制することができるので、加工精度を向上させることができる。
しかしながら、近年の微細化が進む状況下においては、さらなる加工精度の向上が求められている。例えば、図2に例示をした加工電極100を用いるものとすれば、いわゆる「ミリオーダー」の加工を精度よく行うことができる。しかしながら、「サブミリオーダー」以下の加工(例えば、ミクロンオーダーの加工)を行う場合には、電束密度の拡がりをさらに抑制する必要がある。
次に、図1に戻って本実施の形態に係る加工電極1について例示をする。
図1に示すように、加工電極1には、基体2、絶縁部3、遮蔽部4が設けられている。基体2の断面形状、断面寸法は、被加工物104の加工部分の形状や寸法に対応したものとなっている。
基体2は、被加工物104に対峙させる電解部2aを軸方向の一方の端面に有している。また、基体2は、導電性を有する材料により形成されている。例えば、金属材料などで形成されるものとすることができる。金属材料としては特に限定されないが、電解加工液105に浸漬させることを考慮して耐食性に優れる材料を選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、白金、ステンレスなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
電解加工液105に浸漬させる部分であって、電解部2a(被加工物104を加工するために対峙させる部分)以外の基体2の表面は絶縁性を有する絶縁部3で覆われている。すなわち、基体2の軸方向と略直交する方向の面に設けられた絶縁性を有する絶縁部3を備えている。絶縁部3の材料としては特に限定されないが、電解加工における耐電圧、電解加工液105に対する耐食性、誘電率が低いことなどを考慮して、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、絶縁部3を覆うようにして遮蔽部4が設けられている。すなわち、絶縁部3の基体2に設けられる側と対向する側の面には遮蔽部4が設けられている。遮蔽部4は、導電性を有する材料により形成され、例えば、金属材料などで形成されるものとすることができる。金属材料としては特に限定されないが、電解加工液105に浸漬させることを考慮して耐食性に優れる材料を選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、白金、ステンレスなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
加工電極1の一端は電解加工液105に浸漬され、電解部2aが被加工物104の表面と対峙するようになっている。また、基体2の電解部2aと対向する側の端面と、直流電圧を印加するための電源106の陰極側とが電気的に接続されている。また、電源106の陽極側と被加工物104とが電気的に接続されている。そして、加工電極1(基体2)と被加工物104との間に電圧を印加することができるようになっている。そのため、電解部2aと被加工物104の加工部分との間で電解反応を起こさせることができるので、被加工物104の表面を電気化学的に溶解させることで所望の形状の加工が行えるようになっている。
また、遮蔽部4と電源106の陽極側とが電気的に接続されている。すなわち、遮蔽部4は、被加工物104と電気的に接続されることになる。そのため、遮蔽部4と被加工物104との電位が略同一となることになる。
本実施の形態によれば、絶縁部3を覆うようにして遮蔽部4を設け、遮蔽部4と被加工物104とが略同一の電位となるようにしているので、基体2をシールドすることができる。そのため、電束密度の拡がりをより抑制することができるので、加工精度をさらに向上させることができる。
図5は、本実施の形態に係る加工電極における電束密度の分布のシミュレーション結果を例示するための模式図である。この場合、基体2の直径を5mm、絶縁部3の厚みを5mm、遮蔽部4の厚みを5mmとしている。また、図5(a)、(b)、(c)は、電解部2aと被加工物104との間の距離を変えた場合を例示するものであり、(a)の場合は15mm、(b)の場合は10mm、(c)の場合は5mmとしている。また、図5は電束密度の拡がりをシミュレーションしたものであるが、電束密度の高低はモノトーン色の濃淡で表し、電束密度が高い程濃く、低いほど淡くなるように表示している。
図5に示すように、本実施の形態に係る加工電極1を用いるものとすれば、電束密度の拡がりを加工電極1の直下に収めることができる。また、図5(a)〜(c)に示すように、電解部2aと被加工物104との間の距離を変えることで電束密度の拡がりを抑制することもできる。そのため、所望の領域以外の部分が電気化学的に溶解されてしまうことをより抑制することができるので、加工精度をさらに向上させることができる。
図6は、被加工物の加工部分を例示するための模式平面図である。
この場合、被加工物としては、ガラス基板上にTi(チタン;膜厚は20nm)およびCu(銅;膜厚は0.9μm)をスパッタ成膜したものを用いた。また、基体としては、直径0.5mmの針状のものを用いた。また、基体の電解部と被加工物との間の距離1mmとし、電解加工液としては1M(モル/リットル)のNaOH水溶液(水酸化ナトリウム水溶液)を用いた。また、印加電圧は2Vとした。そして、Cu(銅)膜を1分間電解加工し、Cu膜表面を光学顕微鏡で観察することにした。
なお、図6(a)は針状の基体のみからなる加工電極を用いた場合、図6(b)は厚み600μmのポリエチレンからなる絶縁部を設けた加工電極を用いた場合、図6(c)は図6(b)の絶縁部をさらに厚み150μmの遮蔽部で覆った場合、すなわち本実施の形態に係る加工電極1を用いた場合である。この場合、遮蔽部はCu膜と略同一の電位としている。
図6(c)に示すように、本実施の形態に係る加工電極1を用いるものとすれば、遮蔽部の内側の範囲のみを加工することができた。すなわち、本実施の形態に係る加工電極1を用いるものとすれば、図6(a)〜(c)に示すように、同じ直径寸法を有する基体を用いた電解加工であったとしても被加工物の加工部分の寸法を格段に小さくすることができる。このことは、被加工物の加工において意図していない部分が溶解されることを抑制することができ、加工精度を格段に向上させることができることを意味する。
以上例示をしたように、本実施の形態に係る加工電極によれば、絶縁部3を覆うようにして遮蔽部4を設け、遮蔽部4と被加工物104とが略同一の電位となるようにしているので、基体2をシールドすることができる。そのため、電束密度の拡がりをより抑制することができるので、加工精度をさらに向上させることができる。
次に、本実施の形態に係る電解加工液について例示をする。
電解加工における加工精度を向上させるためには、加工電極の汚れ、加工電極と被加工物との間における異物の発生、加工された部分の表面状態(いわゆる表面荒れ)も問題となる。
図7は、加工電極の汚れと加工された部分の表面状態(いわゆる表面荒れ)を例示するための模式図である。なお、図7(a)は加工電極100の汚れを例示するための模式図、図7(a)は加工された溝107の模式平面図である。また、図7(a)、(b)ともCu膜を電解加工した場合である。
図7(a)に示すように、電解加工を行うと加工電極100の表面に析出物が付着し、これが「汚れ」となる場合がある。また図示は省略するが、加工電極100と被加工物との間にも析出物が発生し、これが「異物」となる場合がある。このような汚れや異物がある状態で電解加工を行うと電解加工の加工速度が不均一となる。また、図7(b)に示すように、加工部分(図7(b)に例示をしたものは「溝」)の角部分(エッジ部分)にいわゆるダレた部分107aが生じたり、加工部分の側壁に荒れた部分などが生じたり、残渣108などが発生したりする場合がある。
すなわち、加工された部分の表面状態がいわゆる表面荒れの状態となる場合がある。このような表面荒れが生じると加工精度が悪化するおそれがある。そして、サブミリ〜ミクロンオーダーの加工精度が要求される場合には、表面荒れの発生が問題となる場合がある。特に、フラットパネルディスプレイなどの配線や半導体装置などにおけるCu膜の加工においては高い加工精度を要求される場合が多く、表面荒れの抑制が望まれている。
本発明者は検討の結果、Cu膜などのCu(銅)を含む被加工物を電解加工する際に電解加工液のpH(水素イオン濃度指数)をpH8以上とすれば表面荒れを抑制することができるとの知見をえた。
例えば、Cu膜の電解加工をpH8未満、特にpH7以下の電解加工液を用いて行う場合、被加工物であるCu膜は以下の(1)式の反応により溶解、除去される。

Cu→Cu2++2e ・・・(1)

この際、溶解したCuイオンがCuとして析出し、加工電極の表面の汚れとなったり、異物となったりする。そして、汚れや異物が生じると電解加工の加工速度が不均一となり、表面荒れや残渣などが発生するおそれが高くなる。
ここで、Cu膜などのCu(銅)を含む被加工物の電解加工をpH8以上の電解加工液を用いて行えば、Cuイオンの生成を抑制することができる。例えば、電解加工液のpH(水素イオン濃度指数)をpH8〜pH12程度とすれば、Cuイオンの生成が抑制され代わりにCuOやCuOなどの酸化物が生成されるようになる。特に、pH12以上とすれば、CuO 2+が生成されるようになる。この場合、CuOやCuOなどの酸化物が生成される場合よりもCuO 2+が生成される方がより好ましい。そのため、電解加工液のpH(水素イオン濃度指数)はpH12以上とすることがより好ましい。
このようなpH(水素イオン濃度指数)を有する電解加工液としては、NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの水溶液を例示することができる。ただし、これらの水溶液に限定されるわけではなく、pH8以上のアルカリ性水溶液とすることができるものに適宜変更することができる。この場合、pH12以上のアルカリ性水溶液とすることができるものがより好ましい。
図8は、加工された部分の表面状態を例示するための模式図である。なお、図8は電解加工時間30秒後のCu膜の表面状態を例示するための模式図である。また、図8(a)は電解加工液として1M(モル/リットル)のリン酸水溶液(pH2程度)を用いた場合であり、図8(b)は1M(モル/リットル)の食塩水(pH7程度)を用いた場合である。
図8(a)、(b)の示すように、pH8未満、特にpH7以下の電解加工液を用いるものとすれば、表面にCuが析出することで表面が荒れた状態となることがわかる。
一方、図示は省略するが、電解加工液として1M(モル/リットル)の水酸化ナトリウム水溶液(pH13程度)を用いるものとすれば、Cuの析出を抑制することができるので、表面を平滑にすることができることを確認できた。また、電解加工を行った後の加工電極の表面にも「汚れ」がなく、「異物」が発生することもないことを確認できた。また、加工部分(幅約380μmの溝)の角部分(エッジ部分)にダレた部分が生じることもなく、加工部分の側壁に荒れなどが生じたり、残渣などが発生したりすることもないことを確認できた。
以上例示をしたように、本実施の形態に係る電解加工液によれば、Cuが析出することを抑制することができる。そのため、加工電極に汚れが発生することを抑制することができ、また異物の発生も抑制することができる。その結果、電解加工速度の均一化、表面荒れの抑制を図ることができるので、加工精度をより向上させることができる。
次に、本実施の形態に係る電解加工装置について例示をする。
図9は、本実施の形態に係る電解加工装置を例示するための模式断面図である。なお、図9(a)は電解加工前の状態を表し、図9(b)は電解加工中の状態を表している。
図9に示すように、電解加工装置50には、加工電極51、移動手段52、電源53、電源制御手段54、電解槽55が設けられている。
加工電極51には、基体51a、絶縁部51b、遮蔽部51cが設けられている。また、基体51aには被加工物104の加工部分の形状寸法に対応した複数の凸部51dが設けられている。また、凸部51dの端面には電解部51e(被加工物104を加工するために対峙させる部分)が設けられている。そして、電解部51eを複数設けることで被加工物104の表面にパターン状の加工を一括して行うことができるようになっている。
基体51aは、導電性を有する材料により形成され、例えば、金属材料などで形成されるものとすることができる。金属材料としては特に限定されないが、電解加工液105に浸漬させることを考慮して耐食性に優れる材料を選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、白金、ステンレスなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
電解加工液105に浸漬させる部分であって、電解部51e以外の基体51aの表面は絶縁性を有する絶縁部51bで覆われている。絶縁部51bの材料としては特に限定されないが、電解加工における耐電圧、電解加工液105に対する耐食性、誘電率が低いことなどを考慮して、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などとすることができる。ただし、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、絶縁部51bを覆うようにして遮蔽部51cが設けられている。遮蔽部51cは、導電性を有する材料により形成され、例えば、金属材料などで形成されるものとすることができる。金属材料としては特に限定されないが、電解加工液105に浸漬させることを考慮して耐食性に優れる材料を選択することが好ましい。そのようなものとしては、例えば、白金、ステンレスなどを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
基体51aの凸部51dが設けられた面と対向する側の面には、加工電極51を保持、移動させるための移動手段52が設けられている。移動手段52には、加工電極51を保持するための保持部52bと、保持部52bを介して加工電極51を移動させるための駆動部52aとが設けられている。保持部52bに設けられる図示しない保持手段としては、例えば、機械的なチャックなどを例示することができる。駆動部52aとしては、例えば、サーボモータのような駆動手段とボールネジなどのような動力伝達手段などを備えたものを例示することができる。なお、駆動部52a、保持部52bの構成は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
直流電圧を印加するための電源53の陰極側は、基体51aと電気的に接続されている。また、電源53の陽極側は、被加工物104、遮蔽部51cと電気的に接続されている。すなわち、加工電極51は、被加工物104に対峙させる電解部51eを軸方向の一方の端面に複数有する基体51aと、基体51aの軸方向と略直交する方向の面に設けられ、絶縁性を有する絶縁部51bと、絶縁部51bの基体51aに設けられる側と対向する側の面に設けられた遮蔽部51cと、を備え、電源53の陰極側は、基体51aと電気的に接続され、電源53の陽極側は、遮蔽部51cと被加工物104とに電気的に接続されている。
また、電源53の陽極側には電源制御手段54が設けられ、印加電圧のON/OFF制御ができるようになっている。
また、電解加工液105を収納するための電解槽55の内部には、被加工物104を載置、保持するための載置台56が設けられている。また、載置台56の載置面は、移動手段52の保持部52bと対向するように設けられ、載置台56載置された被加工物104と、保持部52bに保持された加工電極51とが対峙するようになっている。すなわち、加工電極51は載置台56と対向させて設けられている。
被加工物104としては、ガラス基板104bの主面にCu膜104aが形成されたものを例示することができる。この場合、Cu膜104aが加工対象となり。その表面に所定の形状、寸法の電解加工が行われることになる。なお、加工対象はCuで形成されたものに限定されるわけではなく、陽極酸化することができる材料で形成されたものであればよい。
電解加工液105としては特に限定はないが、加工対象がCu(銅)膜などのCu(銅)を含むものである場合には、pH(水素イオン濃度指数)がpH8以上の電解加工液105とすることが好ましい。
このようなpH(水素イオン濃度指数)を有する電解加工液としては、NaOH、KOH、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの水溶液を例示することができる。ただし、これらの水溶液に限定されるわけではなく、pH8以上のアルカリ性水溶液とすることができるものに適宜変更することができる。なお、前述したようにpH12以上とすることがより好ましい。
また、電解加工液105を供給するための図示しない供給手段、電解加工液105の温度を制御するための図示しない温度制御手段などを適宜設けるようにすることもできる。また、図9に例示をしたものは、電解槽55に電解加工液105を貯留し、電解加工液105中に加工電極51と被加工物104とを浸漬させるようにしているがこれに限定されるわけではない。例えば、加工電極51と被加工物104との間が電解加工液105で満たされるように電解加工液105を供給するようにしてもよい。
次に、電解加工装置50の作用について例示をするとともに、本実施の形態に係る電解加工方法について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により被加工物104が搬入され、載置台56の載置面に載置、保持される。また、被加工物104が載置台56に載置された際に、被加工物104のCu膜104a(加工対象)が電源53の陽極側と電気的に接続される。
次に、図示しない供給手段から電解槽55の内部に電解加工液105が供給される。そして、移動手段52により加工電極51を図中下方に移動させることで、加工電極51の電解部51eとCu膜104aとの間が所定の距離に保持される。なお、被加工物104の載置後に電解加工液105を供給するようにしたが、電解加工液105が供給、貯留された後に被加工物104を搬入、載置するようにしてもよい。
次に、電源制御手段54により電源回路を閉じることで、加工電極51の基体51aとCu膜104a(加工対象)との間に直流電圧を印加する。そして、電解部51eとCu膜104a(加工対象)との間に電解反応を起こさせることで、Cu膜104a(加工対象)の表面を電気化学的に溶解させる。また、移動手段52により加工電極51を図中下方に移動させることで所定の加工深さとなるように電解加工を行う。この場合、遮蔽部51cとCu膜104a(加工対象)とが電源53の陽極側に電気的に接続されているため、両者を略同一の電位とすることができる。
所定の電解加工が終了した場合には、移動手段52により加工電極51を図中上方に移動させ、図示しない搬送装置により被加工物104を搬出する。
すなわち、本実施の形態に係る電解加工方法は、加工電極51と、被加工物104と、の間に電圧を印加することにより電解反応を起こさせて、被加工物104の表面を加工する電解加工方法である。そして、加工電極51には、被加工物104に対峙させる電解部51eを軸方向の一方の端面に有する基体51aと、基体51aの軸方向と略直交する方向の面に設けられ、絶縁性を有する絶縁部51bと、絶縁部51bの基体51aに設けられる側と対向する側の面に設けられた遮蔽部51cと、が備えられ、被加工物104と、遮蔽部51cと、の電位が略同一とされている。
また、加工対象がCu(銅)膜などのCu(銅)を含むものである場合には、pH(水素イオン濃度指数)がpH8以上の電解加工液105を用いるものとしている。
本実施の形態によれば、加工電極51に設けられた遮蔽部51cとCu膜104a(加工対象)とが略同一の電位とされているので、基体51aをシールドすることができる。そのため、電束密度の拡がりをより抑制することができる。その結果、加工の進行方向に略直交する方向における意図しない溶解が抑制されるので、異方性の高い加工を行うことができる。このことは、加工精度をさらに向上させることができることを意味する。
また、加工対象がCuで形成されたものである場合、pH(水素イオン濃度指数)がpH8以上の電解加工液105を用いるものとすれば、加工電極51に汚れが発生することを抑制することができ、また異物の発生も抑制することができる。その結果、電解加工速度の均一化、表面荒れの抑制を図ることができるので、加工精度をさらに向上させることができる。
また、電解部51e(被加工物104を加工するために対峙させる部分)が複数設けられた加工電極51を用いることで、パターン状の加工を一括して行うことができる。なお、加工電極の形状は図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、図1に例示をしたような加工電極とすることもできる。
また、図1や図9においては、平面状の電解部を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、図10(a)、(b)に例示をするような凸状の電解部57a、57b、図10(c)に例示をするような凹状の電解部57cとすることもできる。なお、電解部の形状は例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、任意の曲線や直線で形成された形状を適宜選択することができる。
次に、本実施の形態に係る構造体の製造方法について例示をする。
構造体としては表面に凹凸部を有するものを例示することができる。例えば、プリント基板、フラットパネルディスプレイなどの配線部分、フォトマスク、半導体装置、ハードディスク駆動装置の動圧軸受けなどの機械部品などを例示することができる。
ここでは、フラットパネルディスプレイの製造方法を例にとって説明をする。フラットパネルディスプレイとしては、薄膜トランジスタ駆動液晶ディスプレイ(TFT-LCD)、プラズマディスプレイ(PD)、電子放出型ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイなどを例示することができる。そして、これらのフラットパネルディスプレイの配線部分の形成工程において、前述した本実施の形態に係る加工電極、電解加工液、電解加工装置、電解加工方法を用いることができる。
ここで、一般的には、フラットパネルディスプレイの配線部分の形成には、ウエットエッチング法、ドライエッチング法が用いられている。
ウエットエッチング法は、簡便で低コストの加工方法であるが、エッチングが等方的に進むため微細加工が難しいという問題がある。一方、RIE(reactive ion etching:反応性イオンエッチング)法に代表されるドライエッチング法を用いるものとすれば、サイドエッチングを抑えた異方性の高い加工を行うことができる。そのため、加工精度の高い微細加工を行うことができる。しかしながら、ドライエッチング法には装置コストが高く、被エッチング膜と下地膜やレジストとのエッチング選択比をあまり大きくとれないという問題がある。
そこで、本実施の形態に係る構造体の製造方法においては、ウエットエッチング法やドライエッチング法に換えて、前述した本実施の形態に係る加工電極、電解加工液、電解加工装置、電解加工方法を用いた配線部分の形成を行うようにしている。なお、前述した本実施の形態に係る加工電極、電解加工液、電解加工装置、電解加工方法以外は、既知の各工程の技術を適用できるのでそれらの説明は省略する。
本実施の形態によれば、低コストで加工精度の高い配線部分の形成を行うことができる。また、製品歩留まりを向上させることができ、生産性も向上させることができる。
なお、一例として、フラットパネルディスプレイの製造方法を例にとって説明をしたがこれに限定されるわけではない。表面に凹凸部を有する構造体に広く適用させることができる。
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、前述した加工電極、電解加工装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、電解加工液の組成も例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本実施の形態に係る加工電極を例示するための模式断面図である。 比較例に係る加工電極を例示するための模式断面図である。 電束密度の分布のシミュレーション結果を例示するための模式図である。 電束密度の分布のシミュレーション結果を例示するための模式図である。 本実施の形態に係る加工電極における電束密度の分布のシミュレーション結果を例示するための模式図である。 被加工物の加工部分を例示するための模式平面図である。 加工電極の汚れと加工された部分の表面状態を例示するための模式図である。 加工された部分の表面状態を例示するための模式図である。 本実施の形態に係る電解加工装置を例示するための模式断面図である。 電解部の形状を例示するための模式断面図である。
符号の説明
1 加工電極、2 基体、2a 電解部、3 絶縁部、4 遮蔽部、50 電解加工装置、51 加工電極、51a 基体、51b 絶縁部、51c 遮蔽部、51d 凸部、51e 電解部、52 移動手段、53 電源、54 電源制御手段、55 電解槽、56 載置台、57a〜57c 電解部、100 加工電極、102 基体、102a 電解部、103 絶縁部、104 被加工物、104a Cu膜、104b ガラス基板、105 電解加工液、106 電源、107 溝、107a ダレた部分、108 残渣

Claims (11)

  1. 被加工物に対峙させる電解部を軸方向の一方の端面に有し導電性を有する基体と、
    前記基体の軸方向と略直交する方向の面上に設けられ絶縁性を有する絶縁部と、
    前記絶縁部の前記基体とは反対側の面上に設けられ導電性を有する遮蔽部と、
    を備えたことを特徴とする加工電極。
  2. 前記遮蔽部は、前記被加工物と電気的に接続されること、を特徴とする請求項1記載の加工電極。
  3. 前記基体は、電源の陰極側と電気的に接続され、
    前記遮蔽部は、前記電源の陽極側と電気的に接続されること、を特徴とする請求項1または2に記載の加工電極。
  4. 前記電解部が複数設けられていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の加工電極。
  5. 電源と、
    電解加工液を収納する電解槽と、
    前記電解槽の内部に設けられ、被加工物を載置する載置台と、
    前記載置台と対向して設けられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の加工電極と、
    前記加工電極を移動させる移動手段と、
    を備えたことを特徴とする電解加工装置。
  6. 前記電源の陰極側は、前記基体と電気的に接続され、
    前記電源の陽極側は、前記遮蔽部と前記被加工物とに電気的に接続されること、を特徴とする請求項5記載の電解加工装置。
  7. 前記電解槽は、水素イオン濃度指数がpH8以上の電解加工液を収納すること、を特徴とする請求項5または6に記載の電解加工装置。
  8. 電解加工液の中で、加工電極と、被加工物と、の間に電圧を印加することにより電解反応を起こさせて、前記被加工物の表面を加工する電解加工方法であって、
    前記加工電極には、前記被加工物に対峙させる電解部を軸方向の一方の端面に有する基体と、前記基体の軸方向と略直交する方向の面上に設けられ、絶縁性を有する絶縁部と、前記絶縁部の前記基体とは反対側の面上に設けられた遮蔽部と、が設けられ、
    前記被加工物と、前記遮蔽部と、の電位が略同一とされること、を特徴とする電解加工方法。
  9. 前記被加工物は、Cu(銅)を含むことを特徴とする請求項8記載の電解加工方法。
  10. 前記電解加工液の水素イオン濃度指数は、pH8以上であること、を特徴とする請求項8または9に記載の電解加工方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1つに記載の電解加工方法を用いて、前記被加工物に凹凸部を形成することを特徴とする構造体の製造方法。
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