本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物に、ベースコート塗料を塗装してベースコート塗膜を形成し、該未硬化のベースコート塗膜上に、水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する2液型クリヤコート塗料を塗装してクリヤコート塗膜を形成し、ベースコート塗膜及びクリヤコート塗膜を同時に加熱硬化する複層塗膜形成方法において、該ベースコート塗料が、(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)アルコールを除くポリイソシアネート化合物のブロック剤を含有するベースコート塗料であって、(C)成分の含有量が、(A)成分及び(B)成分の総量を基準にして、1〜10質量%であることを特徴とする複層塗膜形成方法である。
ベースコート塗料
本方法において被塗物に、最初に塗装されるベースコート塗料は、(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)アルコールを除くポリイソシアネート化合物のブロック剤を特定量含有するベースコート塗料である。
水酸基含有樹脂(A)
水酸基含有樹脂(A)は、水酸基を含有する樹脂であれば、特に限定されるものではなく、樹脂の種類としては、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂などをあげることができる。特に、水酸基含有樹脂(A)として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリウレタン樹脂を好適に使用することができる。
水酸基含有樹脂(A)の水酸基価は硬化性等の観点から、10〜200mgKOH/g、特に20〜180mgKOH/gであるのが好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和モノマー(M−1)及びその他の共重合可能な不飽和モノマー(M−2)を常法により共重合せしめることによって合成することができる。
水酸基含有不飽和モノマー(M−1)は、1分子中に水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物であり、この水酸基は主として、水酸基含有アクリル樹脂が、架橋剤と反応する官能基として作用するものである。該モノマーとしては、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
また、上記アクリル酸又はメタクリル酸と多価アルコールとのモノエステル化物としては他に、上記2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のモノエステル化物に、さらに、ε−カプロラクトン等を開環重合した化合物、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学社製、商品名)等、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
その他の共重合可能な不飽和モノマー(M−2)は、上記モノマー(M−1)以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下の(1)〜(8)に列挙する。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等。
(2)芳香族系不飽和モノマー:例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
(3)グリシジル基含有不飽和モノマー:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(4)不飽和結合含有アミド系化合物:例えば、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等。
(5)その他の不飽和化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサティック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(6)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(7)カルボキシル基含有不飽和モノマー:1分子中に1個以上のカルボキシル基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等をあげることができる。
カルボキシル基含有不飽和モノマーの使用量は水酸基含有アクリル樹脂の酸価は、溶剤系ベースコート塗料の樹脂とする場合は、0〜50mgKOH/g好ましくは2〜30mgKOH/g、水性ベースコート塗料の樹脂とする場合は、10〜100mgKOH/g、特に15〜80mgKOH/g、さらに好ましくは、20〜60mgKOH/gとなるような量とすることができる。
(8)酸基(カルボキシル基を除く)含有不飽和モノマー:1分子中に1個以上のカルボキシル基以外の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどの如きスルホン酸基含有不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系不飽和モノマーなどを挙げることができる。
これらのその他の不飽和モノマー(M−2)は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
また、水酸基含有アクリル樹脂については、水性ベースコート塗料として使用される場合は、分散安定剤水溶液の存在下で乳化重合によって製造されるものも使用することができる。
乳化重合で用いる分散安定剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤のほか、酸価5〜150mgKOH/g程度で、数平均分子量が5000〜30000程度のアクリル樹脂等の水性樹脂を好適に使用することができる。
乳化重合は既知の方法で行うことができる。なかでも、多段重合法により製造されるアクリルエマルションは塗装作業性に優れた水性ベースコート塗料を得ることができるので好ましい。すなわち、例えば、最初にカルボキシル基含有不飽和モノマーを全くもしくは殆ど含まない(通常全モノマー中3質量%以下)組成のモノマー混合部を用いて重合反応を行い、次いでカルボキシル基含有不飽和モノマーを含有する(通常全モノマー中5〜30質量%程度)組成のモノマー混合部を用いて重合反応を行なうことにより得られるアクリルエマルションは、塩基性物質を用いた中和による粘性発現効果を有しているので、耐タレ性等の塗装作業性に優れた水性ベースコート塗料を得ることができるので好ましい。
中和に用いる塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−またはジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミンなどを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。その使用量は上記多段重合法により製造されるアクリルエマルションのカルボキシル基に対して0.1〜2.0当量、特に、0.3〜1.2当量であるのが適している。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、好ましくは10〜200mgKOH/g、さらに好ましくは20〜180mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満であると、硬化性が不十分な場合があり、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有アクリル樹脂が酸価を有する場合、溶剤系ベースコート塗料の樹脂とする場合は、酸価は、好ましくは0〜50mgKOH/g、さらに好ましくは2〜30mgKOH/g、水性ベースコート塗料の樹脂とする場合は、酸価は、好ましくは10〜100mgKOH/g、さらに好ましくは15〜80mgKOH/g、さらに特に好ましくは20〜60mgKOH/gである。溶剤系ベースコート塗料の樹脂とする場合、酸価が50mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。また、水性ベースコート塗料の樹脂とする場合、酸価が10mgKOH/g未満であると、水性塗料とした場合の水分散性が低下する場合があり、また、100mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
また、水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は、得られる塗膜の塗面平滑性及び耐侯性等の観点から、溶液重合により得られるものにあっては、一般に5000〜80000、好ましくは7000〜60000、さらに好ましくは9000〜50000である。重量平均分子量が5000未満であると塗膜の耐候性が不十分な場合があり、80000を超えると塗面平滑性が低下する場合がある。また、乳化重合により得られるものにあっては、100000以上、好ましくは500000以上である。
なお、本明細書において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。
水酸基含有ポリエステル樹脂
水酸基含有ポリエステル樹脂は、既知の方法で、常法に従い、多塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させることによって合成することができる。
多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられ、また、該多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフェノールA等のジオール類、およびトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のポリオール成分、並びに、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(HEXION Specialty Chemicals社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて、これらの化合物をポリエステル樹脂に導入しても良い。
水酸基含有ポリエステル樹脂は必要に応じてカルボキシル基を含有することができる。カルボキシル基の導入は、例えば、前記多塩基酸と多価アルコールのエステル化反応後、さらに、トリメリット酸、無水トリメリット酸などの多塩基酸及びそれらの無水物を反応させる方法、また、水酸基含有ポリエステルに無水酸を付加し、ハーフエステル化する方法で導入することもできる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂は、あまに油脂肪酸、やし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸などの(半)乾性油脂肪酸などで変性された脂肪酸変性ポリエステル樹脂であってもよい。これらの脂肪酸の変性量は一般に油長で30質量%以下であることが適している。また、水酸基含有ポリエステル樹脂は安息香酸などの一塩基酸を一部反応させたものであってもよい。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は、好ましくは10〜180mgKOH/g、さらに好ましくは30〜150mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満であると、硬化性が不十分な場合があり、また、180mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂が酸価を有する場合、溶剤系ベースコート塗料の樹脂とする場合は、酸価は、好ましくは5〜80mgKOH/g、さらに好ましくは10〜60mgKOH/g、水性ベースコート塗料の樹脂とする場合は、酸価は、好ましくは10〜100mgKOH/g、さらに好ましくは15〜80mgKOH/g、さらに特に好ましくは20〜60mgKOH/gである。溶剤系ベースコート塗料の樹脂とする場合、酸価が、5mgKOH/g未満であると、光輝材顔料やその他着色顔料の分散安定性に劣る場合があり、酸価が80mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。水性ベースコート塗料の樹脂とする場合、酸価が10mgKOH/g未満であると、水性塗料とした場合の水分散性が低下する場合があり、また、100mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、好ましくは500〜50000、さらに好ましくは1000〜30000、さらに特に好ましくは1500〜20000である。数平均分子量が500未満であると塗膜の耐候性が不十分な場合があり、50000を超えると塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂
水酸基含有ポリウレタン樹脂は、常法により、例えば、ポリオールとジイソシアネートとを反応させることにより得ることができる。
カルボキシル基を含有しないポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価アルコールなどをあげることができる。高分子量のものとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどをあげることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどをあげることができる。
カルボキシル基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などが挙げられるが、特に2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましい。これらを使用する際に、反応を速やかに進行させるためにN−メチルピロリドンのような溶媒を少量使用することもできる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;などを挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価は、好ましくは10〜150mgKOH/g、さらに好ましくは30〜100mgKOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満であると、硬化性が不十分な場合があり、また、150mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂が酸価を有する場合、酸価は、好ましくは5〜100mgKOH/g、さらに好ましくは20〜80mgKOH/g、さらに特に好ましくは30〜60mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満であると水性塗料とした場合の水分散性が低下する場合があり、また、100mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
また、水酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、好ましくは500〜50000、さらに好ましくは3000〜30000、さらに特に好ましくは5000〜20000である。数平均分子量が500未満であると塗膜の耐候性が不十分な場合があり、50000を超えると塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂(A)は、カルボキシル基を含有し、水性塗料として使用する場合にはそのカルボキシル基を、塩基性物質を用いて中和するのが好ましい。
中和に用いる塩基性物質としては、上記水酸基含有アクリル樹脂で例示した塩基性物質を同様に使用することができる。
中和に用いる塩基性物質の使用量は水酸基含有樹脂(A)中のカルボキシル基に対して0.1〜2.0当量、特に0.3〜1.2当量であるのが適している。
架橋剤(B)
架橋剤(B)は、水酸基含有樹脂(A)の水酸基と反応性を有するものであれば特に制限なく使用することができる。特に、メラミン樹脂及びブロックポリイソシアネート化合物を好適に使用することができる。
メラミン樹脂としては、具体的には、ジ−、トリー、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミン及びそれらのアルコールによるアルキルエーテル化物(アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル等が挙げられる)並びにそれらの縮合物などを挙げることができる。
市販品としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル303、サイメル323、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル380、サイメル385、サイメル212、サイメル251、サイメル254、マイコート776;モンサント社製のレジミン735、レジミン740、レジミン741、レジミン745、レジミン746、レジミン747;住友化学社製のスミマールM55、スミマールM30W、スミマールM50W;三井化学社製のユーバン20SBなどのユーバンシリーズなどを挙げることができる。
特に好ましいメラミン樹脂として、単核体含有率が35質量%以上であり、かつ、メトキシ基とブトキシ基の比率が100/0〜60/40mol%であるメラミン樹脂をあげることができる。このようなメラミン樹脂の具体例としては、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル212、マイコート212、マイコート776等を挙げることができる。
また、メラミン樹脂を架橋剤として使用する場合は必要に応じて、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、及びこれらの酸とアミンとの塩を触媒として使用することができる。
メラミン樹脂は、1種で又は2種以上を混合して使用することができる。
ブロックポリイソシアネート化合物は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤で封鎖した化合物である。
ポリイソシアネート化合物とブロック剤との反応は既知の条件で行なうことができる。また、両成分の比率は、遊離のイソシアネート基が残存しないようポリイソシアネート化合物中の全イソシアネート基に対して、ブロック剤が若干過剰量となるような比率とするのが好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、シクロペンタンジイソシアネートなどの脂環式系ジイソシアネート化合物;キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネ−ト、ジフェニルエーテルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、ジメチル−ビフェニレンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアナトベンゼン、トリイソシアナトトルエン、ジメチルジフェニルメタンテトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパンなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環タイプ付加物などをあげることができる。
上記ポリイソシアネート化合物のうち、耐候性の観点から、脂肪族系ジイソシアネート化合物、脂環式系ジイソシアネート化合物やそれらのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環タイプ付加物を好適に使用することができる。
ブロック剤は遊離のイソシアネート基を封鎖する化合物である。ブロックされたイソシアネート基は、通常、例えば100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基が再生され、水酸基等と容易に反応させることができる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどのグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル;メチロール尿素、ジアセトンアルコールなどのアルコール系;アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系;3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、及び4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系の化合物などをあげることができる。
上記ブロック剤のうち、硬化性、塗膜黄変性の観点から、オキシム系、ピラゾール系の化合物を好適に使用することができる。
ブロックポリイソシアネート化合物は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
ブロックポリイソシアネート化合物の数平均分子量は、塗装外観向上の観点から、250〜4000、特に300〜3000、さらに特に300〜2500の範囲であるのが好ましい。
架橋剤(B)は、1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有樹脂(A)と架橋剤(B)との比率は、両成分の合計量に基いて、水酸基含有樹脂(A)が、50〜90質量%、特に60〜80質量%、架橋剤(B)が10〜50質量%、特に20〜40質量%程度であるのが好ましい。
アルコールを除くポリイソシアネート化合物のブロック剤(C)
本方法のベースコート塗料に含有されるアルコールを除くポリイソシアネート化合物のブロック剤(C)は、遊離のイソシアネート基を封鎖する化合物である。
本方法において、該化合物は、水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する塗料である2液型クリヤコート塗料のポリイソシアネート化合物のブロック剤となる化合物である。複層塗膜の加熱硬化過程において、ポリイソシアネート化合物が、ベースコート層とクリヤコート層の混層によりベースコート層に混入し、ベースコート層の硬化が促進されてしまうことになるが、ベースコート層にブロック剤が存在することにより、ポリイソシアネート化合物がブロック体となるため、ベースコート塗膜の上記原因による硬化促進を抑制することができ、ベースコート塗膜の光輝性顔料等が再配向により良好な配向状態となった後でベースコート塗膜を硬化させるために水性ベースコート塗料に含有せしめるものである。
ブロック剤としては、アルコールを除く前記架橋剤で例示したブロック剤を使用することができる。アルコールは加熱硬化時の解離温度が高く、十分な硬化性が得られず、耐水性等の塗膜性能が低下するので適さない。ポリイソシアネートとの反応性、加熱硬化時の解離温度からアセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;アゾール系化合物を好適に使用することができる。
アゾール系化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ベンジル−3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−フェニルピラゾール等のピラゾール又はピラゾール誘導体;イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体;2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン誘導体などをあげることができる。
ブロック剤(C)は水酸基含有樹脂(A)と架橋剤(B)の総量を基準にして1〜10質量%であり、好ましくは、2〜9質量%、より好ましくは3〜8質量%である。ブロック剤(C)の量が、水酸基含有樹脂(A)と架橋剤(B)の総量を基準にして1質量%未満であると硬化抑制効果が不十分となるため、複層塗膜の塗装外観向上効果が不十分となる場合がある。また、10質量%を超えると、塗膜のメタリック感が低下し、また、塗膜の耐水性等の塗膜性能が低下する場合がある。
ベースコート塗料は、水酸基含有樹脂(A)、架橋剤(B)及びブロック剤(C)を溶媒中に混合分散することによって調製することができる。
ベースコート塗料には、顔料を使用することができる。顔料としては、特に制限されるものではなく、着色顔料、光輝性顔料及び体質顔料が包含され、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルーなどの無機顔料、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンズイミダゾロン顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、インジゴ顔料、ジオキサン系顔料、金属錯体顔料などの有機顔料をあげることができる。光輝性顔料としては、メタリック顔料、光干渉顔料等をあげることができる。メタリック顔料としては、代表的なものとして、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等の金属または合金等の無着色あるいは着色された金属製光輝剤等をあげることができ、又、特殊な金属蒸着フィルムフレーク等も含まれる。光干渉顔料としては、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄、グラファイト顔料、ホログラム顔料などをあげることができる。また、体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどをあげることができる。これらの顔料は単独で又は2種以上を使用することができる。
上記光輝性顔料としては、形状は特に限定されず、更に着色されていても良いが、例えば、平均粒径(D50)が2〜50μmであり、且つ厚さが0.1〜5μmであるものが好ましい。また、平均粒径が10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、特に好適に用いられる。
顔料の配合量は、水酸基含有樹脂(A)及び架橋剤(B)の総量を基準にして、一般に、0〜250質量%、特に3〜150質量%であるのが適している。
更に、ベースコート塗料中には、塗装作業性の観点から、レオロジーコントロール剤を添加することが好ましい。レオロジーコントロール剤は、ムラ及びタレのない塗膜を良好に形成するために用いられるものであり、一般に、擬塑性を示すものを使用することができる。
ベースコート塗料には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、硬化触媒、分散剤、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、沈降防止剤等を使用することができる。
ベースコート塗料の塗装時における不揮発分濃度は、通常15〜40質量%が好ましい。40質量%を越えると、高粘度となるため塗面平滑性が低下する場合があり、15質量%を下回ると低粘度であることによりムラ等の外観不良となる場合がある。
本方法が適用される被塗物としては、特に制限はないが、例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等が好ましい。また、これらにより形成される自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体等であってもよい。
また、該被塗物は、金属基材や上記車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
また、これらの被塗物はあらかじめ、下塗塗装(例えばカチオン電着塗装など)及び場合によりさらに中塗塗装などを行なったものであってもよい。
本方法においては、まず上記被塗物に、ベースコート塗料が塗装される。
ベースコート塗料の塗装は、溶剤系ベースコート塗料の場合は、塗装粘度を例えば、フォードカップNo.4を用いて20℃において、希釈溶媒を用いて13〜60秒、好ましくは15〜40秒程度の粘度に調整し、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装などにより、必要に応じて静電印加を行ない、硬化時の膜厚が5〜45μm、特に10〜40μm、さらに特に15〜35μm程度になるように塗装することができる。水性ベースコート塗料の場合は、B型粘度計により、60回転での粘度が200〜1200mPa.s、好ましくは300〜1000mPa.sの粘度に調整し、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装などにより、必要に応じて静電印加を行ない、硬化時の膜厚が5〜45μm、特に10〜40μm、さらに特に15〜35μm程度になるように塗装することができる。
ベースコート塗料塗装後、必要に応じて常温で1〜20分間放置してから、また、さらに、水性ベースコート塗料の場合、ベースコート塗膜の予備乾燥(プレヒート)を行なった後、未硬化の該塗面に、2液型クリヤコート塗料の塗装が行なわれる。予備乾燥は50〜100℃程度、特に60〜80℃程度の温度で行なうのが好ましい。また、予備乾燥時間は、1〜20分間程度、特に3〜10分間程度であるのが好ましい。予備乾燥は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用することができる。
2液型クリヤコート塗料
本方法に用いられる2液型クリヤコート塗料は、水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する2液型クリヤコート塗料である。
水酸基含有樹脂
本発明の2液型クリヤコート塗料の水酸基含有樹脂は、水酸基を含有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂などをあげることができ、好ましいものとして、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂及び水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和モノマー及びその他の共重合可能な不飽和モノマーを常法により共重合せしめることによって製造することができる。
水酸基含有不飽和モノマーは、1分子中に水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物であり、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用するものである。該モノマーとしては、具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをあげることができる。さらに、該モノマーとして、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンなどのラクトン類との開環重合付加物等も挙げることができる。具体的には、例えば、「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等を挙げることができる。
上記のうち、炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和モノマー(1a)を、塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。モノマー(1a)を構成成分とすることにより、得られる塗膜の高架橋密度化を図ることができることから、塗膜の耐擦り傷性向上の効果を得ることができる。
炭素原子数4以上の水酸基含有炭化水素基を有する水酸基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数4〜10の2価アルコールとのモノエステル化物
としては、具体的には上記したもののうち、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートをあげることができる。
アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10の2価アルコールとのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物としては、具体的には上記したもののうち、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFM−3」(以上、いずれもダイセル化学(株)製、商品名)等をあげることができる。
また、塗膜の耐酸性を低下させることなく耐擦り傷性を向上させる観点から、シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和モノマーも好適に使用でき、具体的にはCHDMMA(日本化成社製、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート)等を挙げることができる。
シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和モノマーとして、例えば、分子両末端にヒドロキシシクロヘキシル基又はメチロールシクロヘキシル基を有するポリエステルオリゴマーと、ジイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートの(等モル)反応物とを反応させて得られるマクロモノマー等も使用することができる。上記ポリエステルオリゴマーとしては、例えばフレキソレッズ148、フレキソレッズ188(いずれも商品名、米国、キング・インダストリイズ社製)等をあげることができる。
また、上記シクロヘキシル環及び水酸基を併有する不飽和モノマーを共重合成分とすることにより得られる、シクロヘキシル環及び水酸基を併有するアクリル樹脂は、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂と、シクロヘキシル環を有する酸無水物(例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸)を付加反応させ、さらに該付加反応により生成したカルボン酸に、エポキシ基含有化合物を酸・エポキシ反応で付加反応させて生成した水酸基を利用する方法や、エポキシ基及び水酸基を併有する化合物(例えば、グリシドール等)を酸・エポキシ反応で付加反応させて末端水酸基とする方法等によっても得ることができる。
水酸基含有不飽和モノマーの配合割合は、モノマー混合物全量に基づいて20〜50質量%、特に、25〜45質量%の範囲内であるのが好ましい。
水酸基含有不飽和モノマーの配合割合が20質量%未満となると、硬化塗膜の架橋が不十分となって、所定の耐擦り傷性が得られにくくなる場合がある。一方、50質量%を超えると、その他の共重合可能な不飽和モノマーとの相溶性や共重合反応性が低下し、さらに得られた水酸基含有アクリル樹脂のポリイソシアネート化合物との相溶性が低下することにより、塗膜の仕上り外観が低下する場合がある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
その他の共重合可能な不飽和モノマーは、上記水酸基含有不飽和モノマー以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下(1)〜(8)に列挙する。
(1)酸基含有不飽和モノマー:1分子中に1個以上の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸などの如きカルボキシル基含有不飽和モノマー;ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどの如きスルホン酸基含有不飽和モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸などの酸性リン酸エステル系不飽和モノマーなどを挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。上記酸基含有不飽和モノマーは水酸基含有アクリル樹脂がポリイソシアネート化合物と架橋反応する時の内部触媒としても作用することができるものであり、その使用量は水酸基含有アクリル樹脂を構成するモノマー混合物全量に基づいて、0〜5質量%、特に、0.1〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート,tert−ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
上記のうち、炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和モノマー及び/又は炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和モノマー(2a)を塗膜の耐汚染性を向上させる観点から好適に使用することができる。モノマー(2a)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、極性が低下することから、表面の平滑化による仕上り性の向上及び耐水性、耐汚染性の向上の効果を得ることができる。炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基の代表例としては、イソボルニル基、トリシクロデカニル基及びアダマンチル基などを挙げることができる。
炭素原子数10〜20の有橋脂環式炭化水素基を有する不飽和モノマーの具体例としては、上記したもののうち、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3−テトラシクロドデシルメタアクリレート等を挙げることができる。
炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基を有する不飽和モノマーの具体例としては、上記したもののうち、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等をあげることができる。
モノマー(2a)を構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
また、上記のうち、分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和モノマー(2b)を塗膜の耐擦り傷性を向上させる観点から好適に使用することができる。モノマー(2b)を構成成分とすることにより、得られる樹脂のTg及び極性が低下することから、柔軟性付与による塗膜の耐擦り傷性の向上及び表面の平滑化による仕上り性の向上効果を得ることができる。また、分岐構造を有していることから、直鎖状の炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和モノマーを構成成分とする場合にくらべて塗膜のTgの低下を抑えることができるため、耐酸性の向上の観点からも有利である。
分岐構造を有する炭素原子数8以上の炭化水素基を有する不飽和モノマーの具体例としては、上記したもののうち、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)をあげることができる。
モノマー(2b)を構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(3)アルコキシシリル基含有不飽和モノマー:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等。これらのうち好ましいアルコキシシラン基含有不飽和モノマーとして、ビニルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルコキシシリル基含有不飽和モノマーを構成成分とすることにより、水酸基とイソシアネート基との架橋結合に加え、アルコキシシリル基同士の縮合反応及びアルコキシシリル基と水酸基の反応による架橋結合を生成することができる。それにより、得られる塗膜の架橋密度が向上することから、耐酸性、耐汚染性の向上効果を得ることができる。
アルコキシシリル基含有不飽和モノマーを構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー混合物全量に基づいて1〜30質量%、特に、3〜20質量%の範囲内であるのが好ましい。
(4)芳香族系不飽和モノマー:例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
芳香族系不飽和モノマーを構成成分とすることにより、得られる樹脂のTgが上昇し、また、高屈折率で疎水性の塗膜を得ることができることから、塗膜の光沢向上による仕上り性の向上、耐水性および耐酸性の向上という効果を得ることができる。
芳香族系不飽和モノマーを構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー混合物全量に基づいて3〜50質量%、特に、5〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(5)グリシジル基含有不飽和モノマー:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(6)窒素含有不飽和モノマー:例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等。
(7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサティック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらのその他の共重合可能な不飽和モノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記水酸基含有不飽和モノマー及びその他の共重合可能な不飽和モノマーからなるモノマー混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得ることができる。
上記モノマー混合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を得るための共重合方法は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の共重合方法を用いることができるが、なかでも有機溶剤中にて、重合開始剤の存在下で重合を行なう溶液重合法を好適に使用することができる。
上記溶液重合法に際して使用される有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、高沸点石油系溶剤)などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上を組合せて使用することができるが、樹脂の溶解性の点から高沸点のエステル系溶剤、ケトン系溶剤を使用することが好ましい。また、さらに高沸点の芳香族系溶剤を好適に組合せて使用することもできる。
水酸基含有アクリル樹脂の共重合に際して使用できる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのそれ自体既知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であるのが好ましく、100〜180mgKOH/gの範囲内であるのがさらに好ましい。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、架橋密度が低いために耐擦り傷性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は2500〜40000の範囲内であるのが好ましく、5000〜30000の範囲内であるのがさらに好ましい。重量平均分子量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、40000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
なお、本明細書において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜20℃、特に−30℃〜10℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、20℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
本明細書において、ガラス転移温度はDSC(示差走査型熱量計)でJISK7121(プラッスチックの転移温度測定方法)に基づいて10℃/分の昇温スピードで測定した値である。下記製造例等における測定は、DSCとして、「SSC5200」(商品名、セイコー電子工業(株)製)を用い、試料をサンプル皿に所定量秤取した後、130℃で3時間乾燥させてから行なった。
水酸基含有樹脂として用い得る水酸基含有ポリエステル樹脂は、常法により、例えば、多塩基酸と多価アルコ−ルとのエステル化反応によって製造することができる。該多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられ、また、該多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフェノールA等のジオール類、およびトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の三価以上のポリオール成分、並びに、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステ)などのモノエポキシ化合物などを酸と反応させて、これらの化合物をポリエステル樹脂に導入しても良い。
ポリエステル樹脂へカルボキシル基を導入する場合、例えば、水酸基含有ポリエステルに無水酸を付加し、ハーフエステル化することで導入することもできる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であるのが好ましく、100〜180mgKOH/gの範囲内であるのがさらに好ましい。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、架橋密度が低いために耐擦り傷性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は1000〜30000の範囲内であるのが好ましく、1500〜20000の範囲内であるのがさらに好ましい。数平均分子量が1000未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、30000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度は−40℃〜20℃、特に−30℃〜10℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、20℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
また、水酸基含有樹脂には、いわゆるウレタン変性アクリル樹脂及びウレタン変性ポリエステル樹脂も包含される。
水酸基含有ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる水酸基含有ポリウレタン樹脂をあげることができる。
ポリオールとしては、例えば、低分子量のものとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価アルコールなどをあげることができる。高分子量のものとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどをあげることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどがあげられる。ポリエステルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオールなどをあげることができる。また、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などのカルボキシル基含有ポリオールも使用することができる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;などを挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価は80〜200mgKOH/gの範囲内であるのが好ましく、100〜180mgKOH/gの範囲内であるのがさらに好ましい。水酸基価が80mgKOH/g未満であると、架橋密度が低いために耐擦り傷性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂の数平均分子量は1000〜30000の範囲内であるのが好ましく、1500〜20000の範囲内であるのがさらに好ましい。数平均分子量が1000未満であると耐酸性等の塗膜性能が低下する場合があり、また、30000を越えると塗膜の平滑性が低下するため、仕上り性が低下する場合がある。
水酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は−40℃〜20℃、特に−30℃〜10℃の範囲内であるのが好ましい。ガラス転移温度が−40℃未満であると塗膜硬度が不十分な場合があり、また、20℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下する場合がある。
水酸基含有樹脂は単独で又は2種以上を併用して使用することができ、水酸基含有樹脂としては、水酸基含有アクリル樹脂又は水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料のポリイソシアネート化合物は、1分子中に遊離のイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、従来からポリウレタンの製造に使用されているものを使用することができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体などをあげることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネートまたはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどをあげることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどをあげることができる。
また、ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDIなどをあげることができる。
これらポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネート化合物のうち、耐擦り傷性、耐候性等の観点から、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体を好適に使用することができる。脂肪族ジイソシアネートのなかでもヘキサメチレンジイソシアネート系化合物、脂環族ジイソシアネートのなかでも4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を好適に使用することができる。その中でも特に、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体が最適である。
ポリイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の2液型クリヤコート塗料において、塗膜の硬化性及び耐擦り傷性等の観点から、水酸基含有樹脂の水酸基とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は好ましくは0.5〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲内である。
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料中の水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物の量は、両者の固形分合計100質量部を基準として、不揮発分として、水酸基含有樹脂が40〜80質量%、好ましくは50〜70質量%、ポリイソシアネート化合物が20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%の範囲内であるのが適している。
その他の成分
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料には、得られる塗膜の透明性を阻害しない程度の範囲で、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、防錆顔料等の公知の顔料を配合できる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等を挙げることができる。体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイト等を挙げることができる。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などをあげることができる。
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料には、必要に応じて、上記樹脂以外のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の各種樹脂を添加することも可能である。また、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物等の架橋剤を少量併用することも可能である。更に、必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤等の一般的な塗料用添加剤を配合することも可能である。
硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒、第三級アミンなどを挙げることができる。
硬化触媒として上記したこれらの化合物は単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の量はその種類により異なるが、水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分合計100質量部に対し、通常、0〜5質量部、好ましくは0.1〜4質量部程度である。
紫外線吸収剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等の紫外線吸収剤をあげることができる。紫外線吸収剤を配合することによって、塗膜の耐候性、耐黄変性等を向上させることができる。
2液型クリヤコート塗料中の紫外線吸収剤の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部程度である。また、紫外線吸収剤の含有量は、0.2〜5質量部程度であるのが好ましく、0.3〜2質量部程度であるのがより好ましい。
光安定剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤をあげることができる。光安定剤を配合することによって、塗膜の耐候性、耐黄変性等を向上させることが出来る。
2液型クリヤコート塗料中の光安定剤の含有量としては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対して0〜10質量部程度である。また、光安定剤の含有量は、0.2〜5質量部程度であるのが好ましく、0.3〜2質量部程度であるのがより好ましい。
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料の形態は特に制限されるものではないが、通常、有機溶剤型の塗料組成物として使用される。この場合に使用する有機溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤;エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶剤等が使用できる。使用する有機溶剤は、水酸基含有樹脂等の調製時に用いたものをそのまま用いても良いし、更に適宜加えても良い。
2液型クリヤコート塗料の調製方法
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料は、水酸基含有樹脂、ポリイソシアネート化合物及び必要に応じて使用される硬化触媒、顔料、各種樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤等を、公知の方法により、混合することによって、調製することができる。
本発明にかかる2液型クリヤコート塗料は、貯蔵安定性から、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物とが分離した2液型塗料であり、使用直前に両者を混合して調整される。
2液型クリヤコート塗料の固形分濃度は、30〜70質量%程度であるのが好ましく、40〜60質量%程度の範囲内であるのがより好ましい。
2液型クリヤコート塗料の塗装
ベースコート塗料を塗装してベースコート塗膜を形成した後、該未硬化のベースコート塗膜上に、前述の2液型クリヤコート塗料の塗装が行なわれる。2液型クリヤコート塗料の塗装は、特に限定されずベースコート塗料と同様の方法で行うことができ、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法により行なうことができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。これらのうち静電印加による回転霧化塗装が好ましい。2液型クリヤコート塗料の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10〜50μm程度となる量とするのが好ましい。
また、2液型クリヤコート塗料の塗装にあたっては、2液型クリヤコート塗料の粘度を、塗装方法に適した粘度範囲、例えば、静電印加による回転霧化塗装においては、20℃でフォードカップNo.4粘度計による測定で、15〜60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
複層塗膜の加熱硬化
2液型クリヤコート塗料を塗装し、クリヤコート塗膜を形成させた後(必要に応じてさらにクリヤコート塗膜の形成後、揮発成分の揮散を促進するために、プレヒートを行なうこともできる(例えば、50〜80℃程度の温度で3〜10分間程度))、ベースコート塗膜及びクリヤコート塗膜が同時に加熱硬化される。加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。加熱温度は、80〜180℃、好ましくは100〜160℃の範囲内にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが、10〜40分間の範囲内であるのが好適である。