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JP2010048305A - 油圧式テンショナ - Google Patents

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JP2010048305A
JP2010048305A JP2008211779A JP2008211779A JP2010048305A JP 2010048305 A JP2010048305 A JP 2010048305A JP 2008211779 A JP2008211779 A JP 2008211779A JP 2008211779 A JP2008211779 A JP 2008211779A JP 2010048305 A JP2010048305 A JP 2010048305A
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Yuichi Yano
裕一 矢野
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】リークダウン特性を可変させることにより、巻掛伝動部材の移動速度の全域で巻掛伝動部材の張力を低減することができ、巻掛伝動部材の寿命を延ばすことができる油圧式テンショナを提供すること。
【解決手段】シリンダ孔26を有するハウジング27と、シリンダ孔26に移動自在に設けられ、周回移動するタイミングチェーン21に当接するプランジャ28と、プランジャ28をシリンダ孔26から突出するように付勢するリターンスプリング30と、プランジャ28の突出時に油圧ポンプから供給される作動油をシリンダ孔26内に導入してプランジャ28に油圧を作用させるとともに、プランジャ28の後退移動を阻止するボールシート32とを備え、プランジャ28の突出量に応じてタイミングチェーン21の張力を調整するようにした油圧式テンショナ24において、プランジャ28の外周面に、プランジャ28の軸方向に沿って延在し、プランジャ28の突出方向先端部に向かって断面積が徐々に小さくなる溝部36を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧式テンショナに関し、特に、内燃機関のカム軸駆動用のタイミングチェーン等のような巻掛伝動部材の張力を一定に保持する油圧式テンショナに関する。
内燃機関のカム軸駆動用のタイミングチェーン等のような巻掛伝動部材の張力を一定に保持する油圧式テンショナとして、シリンダブロックに取付けられるシリンダ孔を有するハウジングと、シリンダ孔に移動自在に設けられたプランジャと、プランジャをシリンダ孔から突出するように付勢するリターンスプリングと、プランジャの突出時に油圧源から供給される作動油をシリンダ孔内に導入してプランジャに油圧を作用させるとともに、プランジャの後退移動を阻止する逆止弁とを備えたものが知られている。
この油圧式テンショナは、リターンスプリングによって外方向への突出性が付与されたプランジャによりタイミングチェーンを押圧し、そのタイミングチェーンからプランジャに付与される押し込み力をシリンダ孔内の作動油によって緩衝することにより、タイミングチェーンのばたつきを防止して、タイミングチェーンの張力を一定に保持するようになっている。
また、内燃機関の動弁システム等では、内燃機関の回転数がアイドル回転域から高回転域までの極めて広い回転域で変化するので、それに伴ってタイミングチェーンの移動速度や張力も大きく変わる。このため、内燃機関の回転数がタイミングチェーンのスパン長およびチェーン張力から定まるタイミングチェーンの共振点(共振周波数)と一致すると、チェーンスパンが共振を起こして激しく横方向に振動するのは避けられず、このチェーンスパンの共振によるチェーン張力の変動が大きい。
このため、従来の油圧式テンショナにおいては、チェーンスパンの共振に起因したタイミングチェーンの張力の増大により過張力となったタイミングチェーンからプランジャに過大な押付力が作用したとき、シリンダ孔内の油圧が増大して、プランジャからタイミングチェーンに対して過大な押付反力が作用し、その結果、タイミングチェーンのフリクションが増大する場合がある。
このようにタイミングチェーンの張力による押圧力がリターンスプリングの押圧力およびシリンダ孔の油圧よりも大きい場合に、シリンダ孔内の作動油をプランジャとプランジャの摺動面間に形成されたリーク隙間から外部にリークさせてプランジャの押し込み力とリターンスプリングの押圧力およびシリンダ孔の油圧とが釣り合う位置までゆっくりと後退動させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、シリンダ孔内の作動油がリーク隙間から外部にリークする際のリークダウンタイムは、油圧式テンショナの性能を決める重要な要素であり、このリークダウンタイムは、シリンダ孔内の作動油のオイル漏れの速さに依存し、これが長いものは、テンショナとしての剛性が高く、タイミングチェーンを高張力に保持することができるが、リークダウンタイムが必要以上に長くなると、タイミングチェーンが過張力となってタイミングチェーンの疲労が増大してタイミングチェーンの寿命が短くなってしまい、好ましくない。
また、反対に、リークダウンタイムが短い場合、タイミングチェーンの張力を低く抑えることができるが、極端に短いとプランジャの変位が過大となり、異音の発生の原因となる。このため、油圧式テンショナのリークダウンタイムの管理に際して、従来は、プランジャとシリンダ孔の摺動面間に形成されたリーク隙間の大きさや長さを調整するようにしている。
特開2008−157380号公報
しかしながら、このような従来の油圧式テンショナにあっては、プランジャとシリンダ孔の摺動面間に形成されたリーク隙間の大きさや長さを調整することにより、リークダウン特性を設定しているが、1つの油圧式テンショナに対して1つのリークダウン特性しか設定することができないため、チェーンスパンによる共振点を避けることができない。
すなわち、チェーンスパンによる共振点は、リークダウン特性で変化するものであり、図6に示すように、リークダウンタイムが短くなるように(リーク隙間からの作動油の漏れ量が多くなるように)、リーク隙間を調整した場合には、内燃機関の低回転域でチェーンスパンによる共振点が発生してしまい、リークダウンタイムが長くなるように(リーク隙間からの作動油の漏れ量が多くなるように)、リーク隙間を調整した場合には、内燃機関の高回転域でチェーンスパンによる共振点が発生してしまった。
したがって、リークダウンタイムの初期値を上述したいずれか一方の長さに調整した場合には、チェーンスパンによる共振点を完全に避けることはできないため、タイミングチェーンの共振によりタイミングチェーンの張力が大きくなってしまう。この結果、タイミングチェーンの疲労が増大してタイミングチェーンの寿命が短くなってしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、リークダウン特性を可変させることにより、巻掛伝動部材の移動速度の全域で巻掛伝動部材の張力を低減することができ、巻掛伝動部材の寿命を延ばすことができる油圧式テンショナを提供することを目的とする。
本発明に係る油圧式テンショナは、上記目的を達成するため、(1)シリンダ孔を有するハウジングと、前記シリンダ孔に移動自在に設けられ、周回移動する巻掛伝動部材に当接するプランジャと、前記プランジャを前記シリンダ孔から突出するように付勢する付勢手段と、前記プランジャの突出時に油圧源から供給される作動油を前記シリンダ孔内に導入して前記プランジャに油圧を作用させるとともに、前記プランジャの後退移動を阻止する逆止弁とを備え、前記プランジャの突出量に応じて前記巻掛伝動部材の張力を調整するようにした油圧式テンショナにおいて、前記プランジャの外周面に溝部を形成し、前記溝部は、前記プランジャの基端部から前記プランジャの突出方向先端部に向かって断面積が徐々に小さくなるように前記プランジャの軸線方向に延在するものから構成されている。
この構成により、プランジャの外周面に、プランジャの軸方向に沿って延在し、プランジャの突出方向先端部に向かって断面積が徐々に小さくなる溝部を設けたので、巻掛伝動部材の張力が小さくなったときは、プランジャが油圧および付勢手段により付勢されてシリンダ孔から突出する方向に移動して巻掛伝動部材の弛みを吸収し、巻掛伝動部材の張力が大きくなったときには、付勢手段の付勢力およびシリンダ孔の油圧に抗してプランジャがシリンダ孔内に押し込まれることにより、巻掛伝動部材の緊張を吸収する。このとき、逆止弁が閉じるのでシリンダ孔内の作動油を溝部から外部にリークさせることにより、張力による巻掛伝動部材からプランジャへの押圧力と付勢手段の付勢力およびシリンダ孔の油圧とが釣り合う位置までゆっくりとプランジャを後退動させて巻掛伝動部材の張力を安定させることができる。
また、巻掛伝動部材の移動速度が高速(例えば、内燃機関の回転数が高い)になる程、巻掛伝動部材の張力が高くなるため、プランジャの突出量を増大させて巻掛伝動部材の張力を調整するが、このときに巻掛伝動部材の押し込み力が大きくなると、断面積の大きい溝部を通して作動油がリークされるため、作動油のリークダウンタイムが短くなる。このため、張力が大きい巻掛伝動部材の高速移動時にシリンダ孔内の油圧を速やかに低減して、大きな減衰効果を発揮して巻掛伝動部材のスパンによる共振を抑制することができる。
また、巻掛伝動部材の移動速度が低い(例えば、内燃機関の回転数が低い)場合には、巻掛伝動部材の張力が高速移動時に比べて小さいので、プランジャの突出量を少なくして巻掛伝動部材の張力を調整するが、このときに巻掛伝動部材の押し込み力が大きくなると、断面積の小さい溝部を通して作動油がリークされるため、作動油のリークダウンタイムが長くなる。このため、張力の小さい巻掛伝動部材の低速移動時にシリンダ孔内の油圧を高く維持して巻掛伝動部材のスパンによる共振を抑制することができる。
したがって、巻掛伝動部材の移動速度に応じて作動油のリークダウン特性を変えることができ、巻掛伝動部材の移動速度の全域において巻掛伝動部材のスパンによる共振を抑制することができる。この結果、巻掛伝動部材の移動速度の全域で巻掛伝動部材の張力を低減することができ、巻掛伝動部材の寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、リークダウン特性を可変させることにより、巻掛伝動部材の移動速度の全域で巻掛伝動部材の張力を低減することができ、巻掛伝動部材の寿命を延ばすことができる油圧式テンショナを提供することができる。
以下、本発明に係る油圧式テンショナの実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図5は、本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、本実施の形態の油圧式テンショナを車両の内燃機関に適用した例を示している。
まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関であるエンジン11は、車両の前後方向(図1では紙面と直交する方向)に配列された複数の気筒を有するシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12上に取付けられたシリンダヘッド13とを備えている。
シリンダブロック12には、エンジン11の出力軸であり、かつ車両の前後方向に延びるように配置されたクランクシャフト14が回転可能に支持されており、シリンダヘッド13には、気筒毎の燃焼室に対する吸気通路の接続部分(吸気ポート)を開閉する吸気バルブと、気筒毎の燃焼室に対する排気通路の接続部分(排気ポート)を開閉する排気バルブ(いずれも図示略)とが設けられている。
また、シリンダヘッド13には、吸気バルブを開閉駆動するための吸気カムシャフト15と、排気バルブを開閉駆動するための排気カムシャフト16とがそれぞれクランクシャフト14に略平行に配置されている。これらの吸気カムシャフト15および排気カムシャフト16は軸受によりシリンダヘッド13に回転自在に支持されている。
クランクシャフト14の回転を吸気カムシャフト15および排気カムシャフト16に伝達するために、クランクシャフト14の前端部にはクランクスプロケット17が一体回転自在に取付けられている。
また、吸気カムシャフト15および排気カムシャフト16の各前端部にはカムスプロケット18、19がそれぞれ一体回転自在に取付けられており、これらクランクスプロケット17およびカムスプロケット18、19には巻掛伝動部材としてのタイミングチェーン21が巻掛けられている。
このため、吸気カムシャフト15および排気カムシャフト16は、周回移動するタイミングチェーン21を介してクランクシャフト14の回転が伝達されて回転駆動される。
また、エンジン11には、作動油により作動することで、クランクシャフト14に対するカムシャフト(ここでは吸気カムシャフト15)の回転位相を変更することにより、吸気カムシャフト15により駆動される吸気バルブの開閉タイミングを変更するためのバルブタイミング可変機構(VVT)22が設けられている。
クランクスプロケット17およびカムスプロケット18間に位置するチェーンスパン21aの外側方近傍には、チェーンスパン21aの振れを規制および減衰するためのチェーンダンパ23が設けられている。
また、エンジン11には、タイミングチェーン21にかかる張力が一定となるように調整するために油圧式テンショナ24が設けられており、油圧式テンショナ24は、クランクスプロケット17およびカムスプロケット19の間のチェーンスパン21bの外側方近傍に配置されたテンションレバー25を備えている。
テンションレバー25は、その下端部において軸25aによりシリンダヘッド13に対して車両幅方向(図1の左右方向)に揺動自在となるように支持されている。
油圧式テンショナ24は、図2に示すように、シリンダ孔26を有する有底のハウジング27を備えており、このシリンダ孔26にプランジャ28が摺動自在に収納されている。プランジャ28は、一端が開口した有底円筒状に形成されており、プランジャ28の外周面には長手方向にラック歯29が形成されている。
プランジャ28の内部にはシリンダ孔26の底部との間に付勢手段としてのリターンスプリング30が配置されており、リターンスプリング30は、プランジャ28をシリンダ孔26から突出する方向(図2の右方)に付勢している。
プランジャ28は、リターンスプリング30により、テンションレバー25を介してチェーンスパン21bを押圧して、タイミングチェーン21に張力を付与するようになっており、この張力は、プランジャ28の突出量に応じて調整される。
また、ハウジング27には給油穴31が穿設されており、この給油穴31は、図示しない給油通路を介して油圧ポンプに接続されており、給油穴31には油圧源としての油圧ポンプから給油通路を介して作動油が供給されるようになっている。
また、シリンダ孔26の底部に位置するハウジング27にはボールシート32が設けられており、このボールシート32には給油穴31に連通する給油孔32aが形成されている。
ボールシート32の先端部にはリテーナ33が設けられており、ボールシート32の先端部とリテーナ33の間には逆止弁としてのチェックボール34が設けられている。このチェックボール34とリテーナ33の内部頂部との間にはコイルスプリング35が設けられており、チェックボール34は、コイルスプリング35によって給油孔32aを閉塞するようにリテーナ33の先端部に付勢されている。このため、油圧ポンプから供給される作動油が給油穴31および給油孔32aを介してシリンダ孔26に流入することが許容、または、阻止される。
また、図1、図3に示すように、プランジャ28の外周面には溝部36が形成されており、この溝部36は、プランジャ28の基端部(図1中、左端部)からプランジャ28の突出方向先端部(図1中、右端部)に向かって断面積が徐々に小さくなるようにプランジャ28の軸線方向に延在している。この溝部36は、シリンダ孔26内の作動油を外部にリークする機能を有している。
また、ハウジング27にはラチェット軸37が設けられており、このラチェット軸37にはラチェット38が揺動自在に支持されている。
このラチェット38は、ラチェットスプリング39によって反時計回転方向に付勢されており、このラチェット38は、ラック歯29と噛合う一対のラチェット爪38a、38bと、ラチェットスプリング39の先端が当接することにより、ラチェットスプリング39の付勢力を受ける当接面38cとを備えている。このラチェット38は、ラック歯29とラチェット爪38a、38との噛合いによってプランジャ28の後退移動を阻止するバックストップ機能を有している。
ラチェット38の外縁部分の前方に形成されているラチェット爪38aは、ラック歯29の歯形に対応した逆三角形状をなしており、ラック歯29の間に隙間なく係合するようになっている。
ラチェット38の外縁部分の後方に形成されているラチェット爪38bは、ラチェット爪38aより小さい爪、すなわち、爪高さが小さく形成されている。ラチェット爪38bは、ラチェット爪38aがラック歯29の間に隙間なく係合している状態では、後方のラック歯29と非接触状態に位置するようになっており、ラチェット爪38aとは異なり、ラック歯29と係合してプランジャ28の移動を規制するものではない。
タイミングチェーン21がラック歯29の一歯分緩んでプランジャ28が前方に移動開始し、ラチェット爪38aが前方のラック歯29の頂部に乗り上げて越えるとき、ラチェット爪38bは、後方のラック歯29に当たってラチェット爪38aをラック歯29に係合するように下降させるようになっている。この結果、プランジャ28は、ラチェット爪38bがラック歯29の間にあるときは、タイミングチェーン21の緩み、緊張に応じてラック歯29のバックラッシュの範囲内で前後に僅かに移動してタイミングチェーン21に適切な張力を付与する。
そして、タイミングチェーン21の張力による押圧力がリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧よりも大きい場合に、チェックボール34が給油孔32aを閉塞してシリンダ孔26内の油圧を上昇させるため、シリンダ孔26内の作動油を溝部36から外部にリークさせることにより、バックラッシュの範囲内でプランジャ28の押し込み力とリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧とが釣り合う位置までプランジャ28がゆっくりとシリンダ孔26内に押し込まれる。
次に、作用を説明する。
給油穴31を通して給油孔32aに油圧ポンプから作動油が供給されると、コイルスプリング35の付勢力に抗してチェックボール34がリテーナ33の内部頂部側に移動し、シリンダ孔26に作動油が供給される。このため、シリンダ孔26からプランジャ28が突出してテンションレバー25が押圧される。
このとき、テンションレバー25が軸25aを中心に揺動してタイミングチェーン21が押圧されることにより、タイミングチェーン21に所定の張力が付与される。このため、タイミングチェーン21の弛みが発生することが防止され、タイミングチェーン21のばたつきが防止される。
ここで、タイミングチェーン21の張力は、エンジン11の回転数の上昇に伴い増加するようになっている。これは、エンジン11の回転数の上昇によってクランクスプロケット17およびカムスプロケット18、19の歯とタイミングチェーン21との噛合い速度が高まるためである。
したがって、プランジャ28は、タイミングチェーン21の張力が増大する程、すなわち、エンジン11の回転数が高回転になる程(タイミングチェーン21の移動速度が高くなる程)、シリンダ孔26から突出してテンションレバー25を押圧することにより、タイミングチェーン21の弛みが発生するのを防止することができる。
ここで、エンジン11の低回転時と高回転時、すなわち、タイミングチェーン21の低速移動時と高速移動時には、プランジャ28の突出量がラック歯29のバックラッシュの範囲内において異なるようになっており、図4に示すように、エンジン11の低回転時のプランジャ28の突出量は、高回転時に比べて突出量Sだけシリンダ孔26内に押し込まれた状態となる(実線で示す)。
そして、エンジン11の低回転時にタイミングチェーン21のチェーンスパン21bの共振による張力変動によってタイミングチェーン21の張力による押圧力がリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧よりも大きい場合には、チェックボール34が給油孔32aを閉塞してシリンダ孔26内の油圧を上昇させるため、シリンダ孔26内の作動油を溝部36から外部にリークさせることにより、バックラッシュの範囲内でプランジャ28の押し込み力とリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧とが釣り合う位置までプランジャ28がゆっくりとシリンダ孔26内に押し込まれ、タイミングチェーン21のばたつきが防止される。
本実施の形態では、図3に示すように、溝部36の断面積がプランジャ28の基端部からプランジャ28の突出方向先端部に向かって徐々に小さくなっており、エンジン11の低回転時のプランジャ28の突出量は、エンジン11の高回転時のプランジャ28の突出量よりも少ないため、タイミングチェーン21から押圧力を受ける直前の溝部36の断面積は、エンジン11の高回転時の溝部36の断面積よりも小さいものとなる。このため、プランジャ28がシリンダ孔26に押し込まれるときにシリンダ孔26から溝部36を介してリークされる作動油量は、少なくなり、リークダウンタイムが長くなる。
一方、エンジン11の高回転時にタイミングチェーン21のチェーンスパン21bの共振による張力変動によってタイミングチェーン21の張力による押圧力がリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧よりも大きい場合には、チェックボール34が給油孔32aを閉塞してシリンダ孔26内の油圧を上昇させる。
このとき、シリンダ孔26内の作動油を溝部36から外部にリークさせることにより、バックラッシュの範囲内でプランジャ28の押し込み力とリターンスプリング30の押圧力およびシリンダ孔26の油圧とが釣り合う位置までプランジャ28がゆっくりとシリンダ孔26内に押し込まれ、タイミングチェーン21のばたつきが防止される。
エンジン11の高回転時のプランジャ28の突出量は、エンジン11の低回転時のプランジャ28の突出量よりもSだけ大きくなるため(破線で示す)、タイミングチェーン21から押圧力を受ける直前の溝部36の断面積は、エンジン11の低回転時の溝部36の断面積よりも大きいものとなる。
このため、プランジャ28がシリンダ孔26に押し込まれるときのシリンダ孔26から溝部36を介してリークされる作動油量は、多くなり、リークダウンタイムが短くなる。
また、長期間の使用によってタイミングチェーン21が伸長してきて、プランジャ28がバックラッシュの範囲を越えてさらに突出方向に変位すると、ラチェット爪38a、38bがそれぞれ新たなラックは29に噛合い、テンションレバー25は、プランジャ28に押圧されてタイミングチェーン21の伸びに追従するように揺動変位する。
この状態でも上述したようにラチェット爪38bとラック歯29のバックラッシュの範囲内でプランジャ28の突出量がエンジン11の低回転時と高回転時とで異なり、プランジャ28がシリンダ孔26内に押し込まれるときに断面積の異なる溝部36からリークされる作動油量がエンジン11の低回転時と高回転時とで異なることになる。
このように本実施の形態では、プランジャ28の外周面に、プランジャ28の軸方向に沿って延在し、プランジャ28の突出方向先端部に向かって断面積が徐々に小さくなる溝部36を設けたので、エンジン11が高回転時にタイミングチェーン21からの押し込み力が大きい場合に、断面積の大きい溝部36を通して作動油がリークして、作動油のリークダウンタイムを短くすることができる。
このため、タイミングチェーン21の張力が大きいエンジン11の高回転時にシリンダ孔26内の油圧を速やかに低減して、減衰効果を発揮してチェーンスパン21bによる共振を抑制することができる。
また、エンジン11の低回転時にタイミングチェーン21からの押し込み力が大きい場合には、断面積の小さい溝部36を通して作動油をリークして、作動油のリークダウンタイムを長くすることができる。このため、タイミングチェーン21の張力の小さいエンジン11の低回転時にシリンダ孔26内の油圧を高く維持して、チェーンスパン21bによる共振を抑制することができる。
したがって、エンジン11の回転速度に応じて作動油のリークダウン特性を変えることができ、エンジン11の回転領域の全域においてタイミングチェーン21のチェーンスパン21bによる共振を抑制することができる。
この結果、図5に示すように、エンジン11の回転領域の全域でタイミングチェーン21の張力を低減することができ、タイミングチェーン21の寿命を延ばすことができる。
なお、本実施の形態では、巻掛伝動部材としてタイミングチェーン21を用いているが、巻掛伝動部材としてベルト等を用いてもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る油圧式テンショナは、リークダウン特性を可変させることにより、巻掛伝動部材の移動速度の全域で巻掛伝動部材の張力を低減することができ、巻掛伝動部材の寿命を延ばすことができるという効果を有し、内燃機関のカム軸駆動用のタイミングチェーン等のような巻掛伝動部材の張力を一定に保持する油圧式テンショナ等として有用である。
本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、油圧式テンショナ装置を備えた内燃機関の要部構成図である。 本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、油圧式テンショナの断面図である。 本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、(a)は、プランジャの外観図、(b)は、同図(a)のA方向から見たプランジャの正面図である。 本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、エンジンの低回転時と高回転時とにおけるプランジャの突出量を示す図である。 本発明に係る油圧式テンショナの一実施の形態を示す図であり、従来と本実施の形態とにおけるエンジン回転数とタイミングチェーンの張力との関係を示す図である。 従来のエンジン回転数とタイミングチェーンの張力との関係を示す図であり、リークダウンタイムを短くしたときと長くしたときにおけるエンジン回転数とタイミングチェーンの張力との関係を示す図である。
符号の説明
21 タイミングチェーン(巻掛伝動部材)
24 油圧式テンショナ
26 シリンダ孔
27 ハウジング
28 プランジャ
30 リターンスプリング(付勢手段)
34 チェックボール(逆止弁)
36 溝部

Claims (1)

  1. シリンダ孔を有するハウジングと、前記シリンダ孔に移動自在に設けられ、周回移動する巻掛伝動部材に当接するプランジャと、前記プランジャを前記シリンダ孔から突出するように付勢する付勢手段と、前記プランジャの突出時に油圧源から供給される作動油を前記シリンダ孔内に導入して前記プランジャに油圧を作用させるとともに、前記プランジャの後退移動を阻止する逆止弁とを備え、前記プランジャの突出量に応じて前記巻掛伝動部材の張力を調整するようにした油圧式テンショナにおいて、
    前記プランジャの外周面に溝部を形成し、前記溝部は、前記プランジャの基端部から前記プランジャの突出方向先端部に向かって断面積が徐々に小さくなるように前記プランジャの軸線方向に延在することを特徴とする油圧式テンショナ。
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