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JP2010048190A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Hisayuki Yano
寿行 矢野
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】可変動弁装置を備える内燃機関において、車両の快適性の低下を抑制しつつモータ周辺部の過熱を抑制する。
【解決手段】アクチュエータ300のスイッチング回路310の駆動制御により、吸気弁201の作用角A及びリフト量Lを連続的に可変とし得る第1可変機構600を有する可変動弁装置210を備えたエンジン200に対し、ECU100は、スイッチング周波数制御処理を実行する。当該処理において、ECU100は、機関回転速度NEが基準値NE1以下であるか又は吸気弁201の作用角Aが基準値A1以下である場合に、駆動モータ320のPWM制御に係るスイッチング回路310のスイッチング周波数FpwmをF2に設定すると共に、機関回転速度NEが基準値NE1より高く且つ吸気弁201の作用角Aが基準値A1より大きい場合に、スイッチング周波数FpwmをF1(F1<F2)に設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータの駆動力により吸気弁又は排気弁の開弁特性を可変とし得る可変動弁装置を備えた内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
この種の可変動弁装置として、モータにより制御軸を回転させ、制御軸の回転位置に応じて吸気又は排気バルブのリフト量を可変とするものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種の可変動弁機構を備える内燃機関において、第1吸気弁を、第2吸気弁よりも燃焼状態に与える影響が大きくなるように設定し、所定のデポジット除去条件が成立した場合に、第1吸気弁を第2吸気弁よりも先に開弁させる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−100564号公報 特開2007−231741号公報
この種の可変動弁装置において、モータへの通電にはPWM制御が用いられることが多い。この際、モータから発せられる電磁音は、ドライバにとっては不快な音であり、車両の快適性能を低下させる要因となり得るため、その抑制に関する何らかの措置を講じる必要が生じる。この際、PWM制御に係るスイッチング周波数を上昇させることが考えられる。
ところが、当該スイッチング周波数を上昇させると、単位時間におけるモータのオンオフ回数が増加するため、モータを駆動する駆動手段の発熱量が増加する。この際、可変動弁装置の動作に支障をきたす可能性が生じ得る点に鑑みれば、駆動手段の発熱を抑制するために、別途何らかの放熱手段を設ける必要が生じるが、この場合、必然的に装置構成が肥大化して、コストの増加或いは搭載性の悪化を招きかねない。
上記各種従来の技術には、このように相互に背反の関係にある、モータ電磁音と駆動装置の発熱とを共に抑制するための装置構成及び制御態様について何ら言及されておらず、車両の快適性の低下を抑制しつつ駆動装置の過熱を抑制することが、少なくとも実践的に見て著しく困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、この種の可変動弁装置を備える内燃機関において、車両の快適性の低下を抑制しつつモータ周辺部の過熱を抑制し得る内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明の内燃機関の制御装置は、モータと、該モータをPWM制御により駆動可能な駆動手段とを有し、該モータから付与される駆動力により吸気弁又は排気弁における作用角及びリフト量のうち少なくとも一方を変化させることが可能な可変動弁装置を備えた内燃機関の制御装置であって、前記少なくとも一方を特定する特定手段と、前記特定された少なくとも一方の増加及び減少に伴って前記PWM制御に係るスイッチング周波数が夫々低下及び上昇するように前記駆動手段を制御する第1制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「可変動弁装置」とは、直接的にせよ間接的にせよモータ(直流駆動であっても交流駆動であってもよい)から付与される駆動力によって吸気弁又は排気弁(以下、適宜「制御対象弁」と表現する。尚、制御対象弁は、吸気弁と排気弁との両方であってもよい)における作用角及びリフト量のうち少なくとも一方(以下、適宜「制御要素値」と表現する)を二値的に、段階的に又は連続的に可変とし得る物理的、機械的、電気的又は磁気的な構成を有する装置であって、このモータの駆動系として特に、PWM(Pulse Width Modulation)制御(好適には周期Tとデューティ比Dとによってモータ通電量を制御する手法)によりこのモータを駆動可能な、例えば各種電源、各種スイッチング回路及び各種電気駆動回路等を含む駆動手段を含んでなる装置を指す。
このモータがPWM制御により駆動される際に発生する、一種の騒音としてのモータ電磁音は、当該PWM制御に係るスイッチング周波数により変化する。より具体的には、当該スイッチング周波数が高い場合、モータ電磁音は、スイッチング周波数が低い場合と較べて二値的に、段階的に又は連続的に低下し得る。とりわけ、スイッチング周波数が人間の可聴域を超えた高周波領域にあれば、モータ電磁音は顕著に低下し得る。
一方で、このスイッチング周波数は、モータを駆動する駆動手段(例えば、スイッチング回路等)の発熱量と相関がある。より具体的には、スイッチング周波数が高い場合、駆動手段の発熱量は、単位時間当たりのモータのオンオフ動作回数が増加することに起因して、スイッチング周波数が低い場合と較べて大きくなる傾向がある。このように、モータ電磁音と駆動手段の発熱とは、これらに影響を与える制御パラメータとしてスイッチング周波数を選択した場合に相互に背反の関係にあり、同時に抑制することが難しい。
ここで、モータ電磁音が車両の快適性に与える影響の度合いは一律ではなく、またスイッチング周波数によって駆動手段に生じる発熱の許容量も一律ではない。前者に関して言えば、可変動弁装置の駆動音を含む内燃機関の機械的な動作ノイズが大きければモータ電磁音が車両の快適性に与える影響は小さくなる(別言すれば、当該動作ノイズが大きければ、モータ電磁音が大きかろうが小さかろうが快適性にさしたる変化がない)。従って、当該機械的な動作ノイズが大きい領域では、モータ電磁音を抑制する必要性は低下する。
また、後者に関して言えば、駆動手段に許容される熱負荷(熱負荷の指標はどのようなものでもよい)の上限が一義に規定される場合、スイッチング周波数とは無関係に生じる駆動手段の発熱に係る発熱量(言わばベースとしての発熱量)が小さければ、それだけスイッチング周波数に起因する発熱の許容量は増えることになる。従って、当該ベースとなる発熱量が小さい領域では、スイッチング周波数を低下させる必要性が自然と低下する。
ここで特に、制御要素値(即ち、作用角或いはリフト量)が大きい場合、制御要素値が小さい場合と較べて、上述した動作ノイズは大きくなり、且つモータの保持電流が制御対象弁のバルブ反力に影響を受ける関係上、上述したベースとなる発熱量は増大する。即ち、モータ電磁音を抑制する必要性が低下すればスイッチング周波数に起因する発熱量の許容値は小さくなり、反対に当該必要性が上昇すれば当該許容値は大きくなる。
この点に着目し、本発明の内燃機関の制御装置では、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る特定手段により上記制御要素値が特定され、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1制御手段により、この特定された制御要素値に応じて駆動手段が制御される。この際、制御手段は、制御要素値の小大が夫々PWM制御に係るスイッチング周波数の高低に、例えば一対一、一対多、多対一又は多対多に、或いは二値的に、段階的又は連続的に対応するように駆動手段を制御する。
第1の制御手段の作用によれば、モータ電磁音を抑制する必要性が低い(即ち、発熱量の許容値が小さい)場合にはスイッチング周波数が低下するため、車両の快適性を低下させることなく(モータ電磁音以外の要素により生じる、例えば上述した機械的な動作ノイズは、本発明の対象外であって、その大小は本発明の効果を阻害しない)、駆動手段の過熱を抑制することができる。また第1の制御手段の作用によれば、モータ電磁音を抑制する必要性が高い(即ち、発熱量の許容値が大きい)場合にはスイッチング周波数が上昇する(高周波側に変化する)ため、駆動手段の過熱を抑制しつつ、車両の快適性の低下を抑制することができる。即ち、本発明の内燃機関の制御装置によれば、車両の快適性の低下とモータ周辺部としての駆動手段の過熱とを共に抑制することが可能となるである。
補足すれば、本発明は、制御対象弁(吸気弁又は排気弁或いはその両方)における制御要素値(作用角又はリフト量或いはその両方)に応じて、モータ電磁音抑制に係る必要性と、駆動手段の過熱抑制に係る必要性とが変化し、更には、これら各必要性の大小が、相互に背反の関係にある点に着眼してなされたものであり、言い換えれば、当該制御要素値に基づいて、モータ電磁音の抑制を優先すべきか、駆動手段の過熱抑制を優先すべきかについての判断を的確になし得る点に着眼してなされたものである。
従って、本発明は、スイッチング周波数が単一である、或いは何らの指針に基づくことなく単にスイッチング周波数が可変である等の制御態様とは、その本質において全く異なっており、これらと較べて、明らかに高い実践上の利益を提供し得るものである。
尚、本発明に係る「特定」とは、特定対象(本発明では、作用角及びリフト量の少なくとも一方)又は特定対象と相関する物理量、制御量又は指標値を、所定の検出手段を介して直接的に又は間接的に検出すること、当該検出手段を介して直接的に又は間接的に検出された特定対象と相関する物理量、制御量又は指標値に基づいて予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する値を選択すること、この種の特定対象と相関する物理量、制御量若しくは指標値又は選択された値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出すること、或いはこのように検出、選択又は導出された値等を、例えば電気信号等の形で単に取得すること等を包括する広い概念であり、係る概念の範囲において、特定手段は如何にして当該少なくとも一方(即ち、上記「制御要素値」である)を特定してもよい。この際、第1制御手段が、或いは第1制御手段と相互に通信可能に構成された各種コントローラが、制御要素値を目標値に収束させるべくフィードバック制御等を介して駆動手段を制御するのであれば、特定手段は、比較的簡便に制御要素値の特定を行うことが可能である。
本発明の内燃機関の制御装置の一の態様では、前記第1制御手段は、前記特定された少なくとも一方が所定値以上である場合に、前記特定された少なくとも一方が該所定値未満である場合と較べて前記スイッチング周波数が低下するように前記駆動手段を制御する。
この態様によれば、特定された制御要素値が所定値以上である(尚、「以上である」とは所定値の設定次第で容易に「より大きい」と置換し得る概念であり、所定値はいずれの領域に属してもよく、いずれの領域に属するかは本発明の本質に影響を与えない)場合に、スイッチング周波数が低下せしめられる。即ち、本態様においては、スイッチング周波数が、複数の候補値の中で選択的に切り替えられる。このため、本態様によれば、本発明に係る実践上の利益を制御上の負荷の増大を抑制しつつ簡便に享受することができる。
尚、「所定値」とは、単一の値であっても複数の値であってもよく、スイッチング周波数の候補値も、予め設定或いは記憶されているかに関係なく少なくとも二種類以上存在すればよい。また、所定値とは、概念上は制御要素値の採り得る範囲内の値であればよく、好適な一形態としては、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、それ以上の領域において内燃機関の機関ノイズがモータ電磁音よりも実践上十分に支配的となり得るように、或いはそれ以上の領域において駆動手段の発熱量が実践上無視し難い程度に増大し得るように定められていてもよい。
尚、この態様では、前記第1制御手段は、前記特定された少なくとも一方が前記所定値以上であり、且つ前記内燃機関の機関回転速度が所定の高回転領域にある場合に前記スイッチング周波数を低下させてもよい。
機関回転速度が、例えば適合値により区別される高回転領域に属する場合、上述した機関ノイズとしての、機関回転音が大きくなる。従って、この場合、モータ電磁音の低減に伴う車両の快適性の低下をより確実に防止することが可能となる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記スイッチング周波数を連続的に変化させることにより前記内燃機関の機関ノイズと周波数が同期し且つ位相が逆転してなる機関ノイズ抑制音が生じるように前記駆動手段を制御する第2制御手段を更に具備する。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2制御手段により、スイッチング周波数を周期的に且つ連続的に変化させることにより生じる周期音(即ち、機関ノイズ抑制音)が、機関ノイズ(好適な一形態としては、機関回転速度に応じた周期音である)と周波数が同期(必ずしも厳密に一致しておらずともよい趣旨である)し且つ逆位相の音として生成されるため、車両の快適性をより向上させることが可能となる。この第2制御手段の作用に係る実践上の利益は、上述の第1制御手段の作用に係る実践上の利益と相反するものではなく、第1及び第2制御手段は、相互に協調して各々の動作を行ってもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<1:第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10のブロック図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100、エンジン200、アクチュエータ300、角度センサ400及びアクセル開度センサ500を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、エンジンシステム10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するスイッチング周波数制御処理を実行することが可能に構成されている。尚、本実施形態において、ECU100は、本発明に係る「特定手段」及び「第1制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に対応する各動作は、全てECU100によって実行される構成となっている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、車両の動力源として機能するように構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ガソリンエンジンである。エンジン200は、当該気筒各々の内部において燃焼室に点火プラグの一部が露出してなる点火装置による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストンの往復運動がコネクティングロッドを介してクランク軸の回転運動に変換されるように構成されている。
尚、エンジン200はガソリンエンジンであるが、本発明に係る「内燃機関」とは、少なくとも一の気筒を備え、当該気筒の各々において、ガソリン、軽油、アルコール又はこれらが適宜に混合されてなる混合燃料等各種の形態を採り得る燃料が燃焼(好適には、燃料と空気の混合気が燃焼)した際に生じる動力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランクシャフト等の機械的な伝達経路を経て車両の駆動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であって、その詳細な構成は、公知及び非公知の別を問わず各種の態様を採り得る。
エンジン200は、各気筒について二個の吸気弁201(図1には不図示)を有しており、可変動弁装置210の作用により、各気筒について、これら各吸気弁201の作用角及びリフト量を連続的に変化させることが可能に構成されている。ここで、図2を参照し、可変動弁装置210の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、可変動弁装置210周辺部の断面構成を概念的に表してなる模式的な側面断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、可変動弁装置210は、一方の吸気弁201に対応して設けられた第1可変機構600と、他方の吸気弁201に対応して設けられた第2可変機構(不図示)とを備える。尚、第1可変機構600と第2可変機構とは略同一の構成を有しており、ここでは、第1可変機構600の構成についてのみ説明することとする。
第1可変機構600は、紙面奥行方向に伸長し且つタイミングベルトを介してクランク軸(不図示)と連結されることによりクランク軸の回転に伴って図示矢線A方向に回転駆動されるエンジン200の吸気カム軸202に、当該吸気カム軸202と一体回転可能に固定されてなる断面視楕円形状の第1吸気カム203の回転運動を、直線運動(図示矢線B参照)に変換して各吸気弁201に伝達することが可能に構成されている。
第1可変機構600は、制御軸601と、油圧式ラッシュアジャスタ602に一端を支持されて吸気弁201と連動して揺動するロッカーアーム603と、制御軸601に対し制御軸601と一体回転可能に固定された制御アーム604とを有している。制御アーム604は、制御軸601の径方向に突出しており、その突出部には弧状のリンクアーム605が取り付けられている。
リンクアーム605の基端部は、ピン606によって制御アーム604に回転自在に連結されている。ピン606の位置は、制御軸601の軸中心から偏心しており、このピン606が、リンクアーム605の揺動の支点となる。リンクアーム605における、上記基端部とは反対側の先端部には、リンクアーム605と、第2可変機構のリンクアームとを連結する連結軸607が設けられている。連結軸607には、連結軸607に対し夫々回転可能に支持される第1ローラ608及び第2ローラ609が設けられている。第1ローラ608は、第1吸気カム203と接触している。
第1可変機構600は、制御軸601に揺動可能に支持されてなる揺動カムアーム610を有している。この揺動カムアーム610における、第1吸気カム203に対向する側には、リンクアーム605の先端部に設けられた第2ローラ609と接触するスライド面610aが形成され、スライド面610aの反対側には、ロッカーアーム603の中間部に回転可能に設けられたロッカーローラ611に接触する揺動カム面610bが形成されている。スライド面610aの図示断面形状は、第2ローラ609が制御軸601の軸中心側から揺動カムアーム610の先端側に向かって移動する程、スライド面610aと吸気カム203との間隙が徐々に狭まるような曲線で形成されている。揺動カム面610bは、揺動カムアーム610の揺動中心からの距離が一定になるように形成された非作用面610baと、非作用面610baから離れた位置程、制御軸601の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面610bbとを有している。
以上の第1可変機構600によれば、第1吸気カム203が第1ローラ608を駆動すると、スライド面610aが第2ローラ609に押されるので、揺動カムアーム610が制御軸601を中心として図2の下方向に回転する。この揺動カムアーム610の回転に伴って揺動カム面610bとロッカーローラ611との接触位置が非作用面610baから作用面610bbに移動すると、ロッカーアーム603が押し下げられて吸気201が開弁される。即ち、吸気カム軸202の回転運動が、吸気弁201の直線運動に変換されるのである。
また、第1可変機構600によれば、制御軸601の回転角度を変更することによって、吸気弁201のリフト量及び作用角を変更することが可能となる。図2には、第1可変機構600によって変更可能な範囲内において、吸気弁201のリフト量L及び作用角Aが夫々最大とされた状態(以下、適宜「大リフト状態」と称する)が示されている。ここで、図2に示された状態から制御軸601を図2の左回りに回転させると、制御軸601と一体に回転する制御アーム604によりリンクアーム605の先端部に設けられた第2ローラ609がスライド面610aに沿って揺動カムアーム610の先端側に移動する。この場合、第2ローラ609の位置が制御軸601の軸中心から離れるので、揺動カムアーム610が揺動する振幅が小さくなる。この振幅の縮小は、ロッカーアーム603が押し下げられたときのロッカーアーム603の移動量を減少させるため、結果的に吸気弁201のリフト量が減少する。
このようにリフト量が相対的に小とされた状態(以下、適宜「小リフト状態」と称する)においては、揺動カムアーム610が揺動を開始する前におけるローラーロッカ611と揺動カム面610bとの接触位置が、リフト量が最大とされた上記大リフト状態よりも制御軸601を中心に右回り、すなわち非作用面610ba側に移動した位置に変更される。そのため、小リフト状態では、大リフト状態よりも揺動カムアーム610の揺動開始後にロッカーローラ611と揺動カム面610bとの接触位置が非作用面610baから作用面610bbに移動するタイミングが遅くなる。吸気弁201は、ロッカーローラ611が作用面610bbと接触している間、開弁されるので、このように非作用面610baから作用面610bbに移動するタイミングが遅くなることにより、小リフト状態においては大リフト状態よりも吸気弁201の開弁時期が遅く、且つ吸気弁201の閉弁時期が早まることとなる。即ち、吸気弁201の作用角が小さくなる。
尚、吸気カム軸202は、図示の通り右回りに回転しているので、小リフト状態においては、大リフト状態よりも、連結軸607が第1吸気カム203の回転方向の上流側に移動する。そのため、第1吸気カム203によって揺動カムアーム610の揺動が開始されるタイミングは、大リフト状態よりも小リフト状態の方が早くなる。その結果、大リフト状態よりも小リフト状態の方が吸気弁201の開弁時期が早くなる。これにより、ロッカーローラ611と揺動カム面610bとの接触位置が非作用面610baから作用面610bbに移動するタイミングが遅くなったことによる、吸気弁201の閉弁時期の遅れがほぼ相殺される。このように、第1可変機構600では、吸気弁201の開弁時期(バルブタイミング)を殆ど変化させることなく、吸気弁201のリフト量及び作用角をそれぞれ変更することができる。
一方、吸気カム軸202には、第1吸気カム203と同様断面視楕円状の第2吸気カム(不図示)が固定されており、不図示のロック機構を介して、第2可変機構の揺動カムアーム(即ち、上記揺動カムアーム610と同等の構成を有する)と適宜に連結される構成となっている。ロック機構は、制御軸601上に、第2可変機構の揺動カムアームと並んで、且つ当該揺動カムアームとは独立して揺動可能に設けられた大リフトアームと、連結装置とを有している。
大リフトアームは、当該大リフトアームに回転可能に固定され且つ第2吸気カムに接触する入力ローラが第2吸気カムに駆動されることによって、先述した第1可変機構600が大リフト状態にある場合の揺動カムアーム610の振幅と同等の振幅で揺動する構成となっている。
また、連結装置は、大リフトアームに形成された油圧室と、この油圧室に対し所定の油圧路を介して作動油を供給可能なオイルコントロールバルブと、この油圧室の油圧に応じて出没状態が可変となるロックピンとを備える。このロックピンは、当該油圧室に所定の油圧が加えられた場合に、第2可変機構の揺動カムアームにおける大リフトアーム側に形成されたロック孔に嵌まり込む構成となっており、このようにロックピンがロック孔に嵌まり込んだ状態において、第2可変機構の揺動カムアームは、大リフトアームに固定される構成となっている。
即ち、第2可変機構の揺動カムアームは、ロック機構によって大リフトアームに固定された状態においては、第2吸気カムによって駆動され、ロック機構によって大リフトアームに固定されていない状態においては、先述した第1可変機構の揺動カムアームと同様に第1吸気カム203により駆動される。言い換えれば、可変動弁装置210においては、大リフトアームと第2可変機構の揺動カムアームとが連結された場合、制御軸601の回転角度の変更によるリフト量L及び作用角Aの変更は、第1可変機構600に対応する一方の吸気弁203にのみ作用し、大リフトアームと第2可変機構の揺動カムアームとの連結が解除されている場合、制御軸601の回転角度の変更によるリフト量L及び作用角Aの変更は、両吸気弁203に作用する。
尚、可変動弁装置210には、これら各可変機構とは独立してVVT(Variable Valve Timing:可変バルブタイミング機構)が備わる。このVVTは、吸気カム軸202とエンジン200のクランク軸との間の位相関係を変化させ、各吸気弁の開弁時期及び閉弁時期を変化させることが可能に構成されている。但し、VVTは、例えば吸気カム軸202に同期して回転可能なベーンロータを、例えばオイル等の作動液の液圧に応じて進角側又は遅角側に回転させる構成を有していてもよいし、或いは吸気カム軸202にヘリカルギア又はヘリカルスプライン等を適宜介して連結される、カム軸方向に往復運動可能な軸体或いはピストン等を、液圧を駆動源とするアクチュエータ等によって駆動せしめ、それらの往復運動をカム軸の回転運動に変換せしめる構成であってもよく、その構成は周知であり且つ本発明との相関が薄いため、ここではその詳細な説明を省略することとする。
図1に戻り、アクチュエータ300は、可変動弁装置210における先述した制御軸601を回転駆動することが可能に構成された駆動装置である。ここで、図3を参照し、アクチュエータ300について説明する。ここに、図3は、アクチュエータ300の模式的な回路図である。
図3において、アクチュエータ300は、夫々スイッチング素子として機能するFET311、312、313及び314から構成されるスイッチング回路310と、直流駆動型の駆動モータ320とを備える。
スイッチング回路310においては、FET311とFET313とが直列に接続され、またFET312とFET314とが直列に接続され、これらが夫々駆動力源たる車載用バッテリ(図示+B)に対し並列に接続されている。また、スイッチング回路310は、FET311とFET313との接続点と、FET312とFET314との接続点との間に、駆動モータ320が接続された、所謂Hブリッジ回路として構築されている。また、スイッチング回路310を構成する各FETは、夫々ECU100と電気的に接続されており、その駆動状態たるオンオフ状態が、ECU100により制御される構成となっている。
係る構成において、FET311及びFET312からなる上流側素子群は、選択的に一方がON状態且つ他方がOFF状態とされ、駆動モータ320への通電方向が切り替えられる。また、FET313及びFET314からなる下流側素子群は、ECU100から供給されるPWMパルス信号により、別途決定されるデューティ比に応じて、そのオンオフ状態が切り替えられる。即ち、アクチュエータ300において、駆動モータ320への通電量は、所謂PWM制御により制御される構成となっている。この際、このPWM制御におけるスイッチング周波数Fpwmは、ECU100により実行されるスイッチング周波数制御処理によって制御される。
図1に戻り、角度センサ400は、可変動弁装置210における、上述した制御軸601の回転角を検出可能に構成されたホールセンサである。角度センサ400は、ECU100と電気的に接続されており、検出された制御軸610の回転角θは、ECU100により一定又は不定のタイミングで参照される構成となっている。
<実施形態の動作>
<作用角及びリフト量の制御>
上述したように、エンジンシステム10においては、可変動弁装置210における第1可変機構600の作用により、吸気弁201の作用角A及びリフト量Lを連続的に変化させることが可能となっている。この際、作用角A及びリフト量Lの制御目標値は、エンジン200の負荷状態に基づいて決定される。より具体的には、ECU100は、アクセル開度センサ(図1に不図示)により検出されるアクセル開度、或いはエアフローメータ(図1には不図示)により検出される吸入空気量等に基づいて、エンジン200の負荷状態を判別し、定性的な傾向として、軽負荷から高負荷へ向かう程、作用角A及びリフト量Lが増大するように、作用角A及びリフト量Lの制御目標値を決定する。
ここで、作用角A及びリフト量Lの制御目標値とは、実践的には制御軸610の回転角の目標値と等価である。このため、ECU100のROMには、予めエンジン200の負荷状態と制御軸610の回転角とを対応付けてなる制御マップが格納されており、当該制御マップから適宜選択的に制御軸610の目標回転角が取得される構成となっている。
ECU100は、このように制御マップに基づいて現時点のエンジン200の負荷状態に対応する制御軸610の目標回転角を決定し、現時点の制御軸610の回転角(即ち、角度センサ400により検出される)との偏差に応じたフィードバック制御を実行する。この際、先述したように、アクチュエータ300の駆動モータ320はPWM制御され、基本的には、当該偏差が大きい程デューティ比(即ち、スイッチング周波数Fpwmに応じて定まるスイッチング周期Tに対する、スイッチング回路310の下流側素子群を構成するFET313又はFET314のオン時間の割合である)が大きく設定される。尚、制御軸610の回転角のフィードバック制御に関しては、PID制御或いはPI制御等公知のフィードバック手法を適用することが可能であり、ここではその詳細については触れないこととする。
一方、このようにスイッチング回路310を介して駆動モータ320をPWM制御するに際しては、アクチュエータ300から生じる騒音(主として駆動モータ320の電磁音(以下、適宜「モータ電磁音」と称する))及び発熱(主としてスイッチング回路310を構成するFETの発熱量(以下、適宜「FET発熱量」と称する)を考慮する必要がある。他方、このモータ電磁音及びFET発熱量は、スイッチング回路310のスイッチング周波数Fpwmと相関がある。
ここで、図4を参照し、スイッチング周波数Fpwmとモータ電磁音及びFET発熱量との関係について説明する。ここに、図4は、モータ電磁音及びFET発熱量の各々の、スイッチング周波数Fpwmに対する一特性を例示する模式的な特性図である。
図4において、モータ電磁音の特性が図4(a)に、またFET発熱量の特性が図4(b)に夫々表されている。
図4(a)から明らかなように、モータ電磁音は、スイッチング周波数Fpwmが高い程低下する。また、図4(b)から明らかなように、FET発熱量は、各FETのオンオフ状態が瞬時に切り替わらないことに起因して、スイッチング周波数Fpwmが高い程(即ち、デューティ比に関係なくFETのオンオフ回数が増加する)上昇する。即ち、両者はスイッチング周波数Fpwmに対し相互に背反の関係にある。このため、モータ電磁音を低下させてアクチュエータ300から発せられる騒音を低減し車両の快適性を向上させようとした場合には、FET発熱量の増大によるアクチュエータ300の過熱が避け難くなり、反対に、FET発熱量を低減させてアクチュエータ300の過熱を抑制しようとした場合には、モータ電磁音の増大による車両の快適性の低下が避け難くなる。そこで、本実施形態では、ECU100により実行されるスイッチング周波数制御処理により、このような問題の好適な解決が図られる。
<スイッチング周波数制御処理の詳細>
ここで、図4を参照し、本実施形態の動作として、係るスイッチング周波数制御処理の詳細について説明する。ここに、図5は、スイッチング周波数制御処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、エンジン200の機関回転速度NEが所定の基準値NE1よりも高回転側にあるか否かを判別する(ステップS11)。尚、基準値NE1については後述する。機関回転速度NEが基準値NE1よりも高回転側にある場合(ステップS11:YES)、ECU100は更に、可変動弁装置210の第1可変機構600により制御される吸気弁の作用角Aが、基準値A1よりも大きいか否かを判別する(ステップS12)。尚、基準値A1については後述する。尚、ステップS12の判別処理に供される指標値は、作用角Aの代わりにリフト量Lであってもよい。また、作用角A及びリフト量Lが、制御軸610の回転角により規定される点に鑑みれば、当該指標値は、当該回転角であってもよい。
ECU100は、作用角Aが基準値A1よりも大きい場合(ステップS12:YES)、スイッチング周波数FpwmをF1に設定し(ステップS13)、作用角Aが基準値A1以下であるか(ステップS12:NO)、又は機関回転速度NEが基準値NE1以下である(ステップS11:NO)場合、スイッチング周波数FpwmをF2(F2>F1)に設定する(ステップS14)。ステップS13又はステップS14が実行されると、スイッチング周波数制御処理は終了する。尚、スイッチング周波数制御処理は、所定周期で繰り返し実行されており、然るべき時間経過を経て再びステップS11以降の処理が繰り返し実行される。
ここで、図4に示した通り、スイッチング周波数Fpwmの高低は、モータ電磁音の小大及びFET発熱量の大小に夫々対応する。従って、上記スイッチング周波数制御処理によれば、(1)機関回転速度NEが相対的に低い又は作用角Aが相対的に小さい場合には、モータ電磁音は相対的に小となり且つFET発熱量は相対的に大となると共に、(2)機関回転速度NEが相対的に高く且つ作用角Aが相対的に大きい場合には、モータ電磁音は相対的に大となり且つFET発熱量は相対的に小となる。
ここで特に、エンジン200の動作音は機関回転速度が高い程大きく、また吸気弁201の作用角が大きい程大きい。従って、車両全体としての騒音に対する、モータ電磁音の影響の度合いは、機関回転速度NEが高い程、また作用角Aが大きい程低くなり、モータ電磁音の許容量は大きくなる。このため、ステップS12が「YES」側に分岐する場合に、スイッチング周波数Fpwmを相対的に低く設定したとしても、車両の快適性が損なわれることがない。一方で、作用角Aが大きい程吸気弁201のバルブ反力が大きくなるため、制御軸610の回転角を維持するために駆動モータ320に供給すべき保持電流の値は大きくなり、スイッチング周波数Fpwmとは無関係に消費電力に応じた発熱量が大きくなることに起因して、スイッチング周波数FpwmによるFET発熱量の許容量は小さくなる。このため、ステップS12が「YES」側に分岐する場合、FET発熱量の低減を優先すべき旨の判断を下すことが可能となり、スイッチング周波数FpwmをF1に設定することによりスイッチング回路310の過熱抑制が図られるのである。
反対に、作用角Aが小さい程吸気弁201のバルブ反力が小さくなるため、制御軸610の回転角を維持するために駆動モータ320に供給すべき保持電流の値は小さくなり、スイッチング周波数Fpwmとは無関係に消費電力に応じた発熱量が小さくなることに起因して、スイッチング周波数FpwmによるFET発熱量の許容量は大きくなる。このため、ステップS11又はS12が「NO」側に分岐する場合に、スイッチング周波数Fpwmを相対的に高く設定したとしても、スイッチング回路310の過熱が生じることがない。一方で、車両全体としての騒音に対する、モータ電磁音の影響の度合いは、機関回転速度NEが低い程、また作用角Aが小さい程大きくなり、モータ電磁音の許容量は小さくなる。このため、ステップS12が「YES」側に分岐する場合、モータ電磁音の低減を優先すべき旨の判断を下すことが可能となり、スイッチング周波数FpwmをF2に設定することによりモータ電磁音の低減が図られるのである。
以上の点に鑑みれば、機関回転速度NEに対し設定される基準値NE1及び作用角Aに対し設定される基準値A1とは、例えば、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、モータ電磁音に対し十分に大きいエンジン動作音が生じるものとして、又はスイッチング回路が過熱状態に陥りかねないものとして、或いはこれらの要素を勘案して協調的に設定される各種の適合値であってよく、その正確な値は、車両の要求性能や仕様又は仕向け等に応じて適宜変化し得る性質のものであって、本発明の本旨に影響を与えない。
また、スイッチング周波数F1とF2との間にF2>F1なる関係が成立する限りにおいて本発明に係る効果は十分に得られるものであって、これらスイッチング周波数Fpwmの具体的な数値については、本発明の本旨に影響を与えない。
スイッチング周波数制御処理の効果は、エンジン200の応答速度の観点からも合理的である。ここで、図6を参照し、スイッチング周波数Fpwmと吸気弁201のレスポンスとの関係について説明する。ここに、図6は、スイッチング周波数Fpwmに対する吸気弁201のレスポンスの一特性を例示する模式的な特性図である。尚、同図において、図4と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、吸気弁201のレスポンス(端的には、開弁(閉弁)状態から閉弁(開弁)状態を経由して再び開弁(閉弁)状態となるまでに要する時間、言い換えれば応答速度である)は、スイッチング周波数Fpwmが高い程高くなる。
ここで、エンジン200の負荷状態が、軽負荷から高負荷へ向かう加速時等には、吸気弁201には相対的に高い応答速度が要求されるが、本実施形態に係るスイッチング周波数制御処理によれば、軽負荷状態(即ち、小作用角)においてはスイッチング周波数FpwmがF2に設定されるため、エンジン200の応答性が向上する。また、エンジン200の負荷状態が、高負荷から軽負荷へ向かう場合、吸気弁201に高い応答速度が要求されることはなく、本実施形態に係るスイッチング周波数制御処理によりスイッチング周波数FpwmがF1に設定されたとしても実践上何らの不具合も生じない。即ち、スイッチング周波数制御処理は、吸気バルブ201の応答性の観点からも有効である。
以上説明したように、本実施形態に係るスイッチング周波数制御処理によれば、機関回転速度NE及び吸気弁201の作用角Aに基づいて、スイッチング回路の過熱抑制とモータ電磁音の抑制との間で、適切に優先順位を付与することが可能となっており、エンジン200が高回転且つ吸気弁201が大作用角である場合にスイッチング周波数Fpwmが相対的に小とされ、車両の快適性を損ねることなくスイッチング回路310の過熱が抑制されると共に、エンジン200が低回転又は吸気弁201が小作用角である場合にスイッチング周波数Fpwmが相対的に大とされ、スイッチング回路の過熱を招くことなくモータ電磁音が低減される。即ち、車両の快適性の低下を抑制しつつモータ周辺部の過熱を抑制することが可能となるのである。
尚、本実施形態では、スイッチング周波数Fpwmは、F1とF2との間で二値的に制御されるが、これは一例であり、ECU100は、作用角A或いはリフト量L等に応じて段階的に又は連続的にスイッチング周波数Fpwmを変化させてもよい。また、本実施形態では、作用角Aと共に機関回転速度NEが勘案されるが、本発明に係る実践上の利益は、作用角(又はリフト量)のみに基づいてスイッチング周波数Fpwmを制御した場合にも享受されることは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、図7を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図7は、エンジン音とモータ電磁音との関係を例示する模式的な特性図である。
図7において、図7(a)には、スイッチング回路310におけるスイッチング周波数Fpwmの一変化特性が例示される。スイッチング周波数Fpwmを、FpwmAとFpwmB(FpwmB>FpwmA)との間で、図示するように(FpwmA→FpwmB→FpwmA・・・)と変化させた場合、このスイッチング周波数Fpwmの周期的な変化により、図示破線に例示するモータ電磁音Nmtが発生する。このモータ電磁音Nmtの周波数は、FpwmA及びFpwmBの値及びその切り替え周期により可変となる。
ここで、図7(b)において、エンジン音Nengが図示鎖線に例示する特性で変化する場合、上述したモータ電磁音Nmt(破線)を、このエンジン音Nengに対し振幅が等しく且つ位相が逆転するように生成することによって、図示合成音Nmixを生成することができる。この合成音Nmixは、エンジン音Nengとモータ電磁音Nmtとが、振幅が等しく且つ位相が180度異なる関係を有する場合には、理想的にはゼロとなる。
このように、本実施形態によれば、スイッチング周波数Fpwmの切り替えにより、エンジン音を抑制するモータ電磁音(即ち、本発明に係る「機関ノイズ抑制音」の一例である)を生成することができ、少なくとも車両の騒音を抑制、理想的にはゼロとすることが可能となる。従って、車両の快適性を一層向上させることが可能となる。
尚、本実施形態に係るモータ電磁音Nmtの生成は、上記第1実施形態に係るスイッチング周波数制御処理と相反するものではなく、相互に協調的に実行されてよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。 図1のエンジンシステムにおける可変動弁装置周辺部の断面構成を概念的に表してなる模式的な側面断面図である。 図1のエンジンシステムにおけるアクチュエータの模式的な回路図である。 モータ電磁音及びFET発熱量の各々の、スイッチング周波数Fpwmに対する一特性を例示する模式的な特性図である。 スイッチング周波数制御処理のフローチャートである。 スイッチング周波数Fpwmに対する吸気弁のレスポンスの一特性を例示する模式的な特性図である。 エンジン音とモータ電磁音との関係を例示する模式的な特性図である
符号の説明
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、201…吸気弁、210…可変動弁装置、300…アクチュエータ、310…スイッチング回路、320…駆動モータ、400…角度センサ、600…第1可変機構。

Claims (4)

  1. モータと、該モータをPWM制御により駆動可能な駆動手段とを有し、該モータから付与される駆動力により吸気弁又は排気弁における作用角及びリフト量のうち少なくとも一方を変化させることが可能な可変動弁装置を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記少なくとも一方を特定する特定手段と、
    前記特定された少なくとも一方の増加及び減少に伴って前記PWM制御に係るスイッチング周波数が夫々低下及び上昇するように前記駆動手段を制御する第1制御手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記第1制御手段は、前記特定された少なくとも一方が所定値以上である場合に、前記特定された少なくとも一方が該所定値未満である場合と較べて前記スイッチング周波数が低下するように前記駆動手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記第1制御手段は、前記特定された少なくとも一方が前記所定値以上であり、且つ前記内燃機関の機関回転速度が所定の高回転領域にある場合に前記スイッチング周波数を低下させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記スイッチング周波数を連続的に変化させることにより前記内燃機関の機関ノイズと周波数が同期し且つ位相が逆転してなる機関ノイズ抑制音が生じるように前記駆動手段を制御する第2制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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