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JP2010048171A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置 Download PDF

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JP2010048171A
JP2010048171A JP2008213023A JP2008213023A JP2010048171A JP 2010048171 A JP2010048171 A JP 2010048171A JP 2008213023 A JP2008213023 A JP 2008213023A JP 2008213023 A JP2008213023 A JP 2008213023A JP 2010048171 A JP2010048171 A JP 2010048171A
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heat
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JP2008213023A
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Junichi Mori
純一 森
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】燃焼が排気弁の開弁後も継続し得る内燃機関において失火を正確に検出する。
【解決手段】排気弁開弁前の熱発生率の履歴が検出される。次いで、燃焼期間にわたる熱発生率履歴を表すモデル式が排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて決定される。次いで、少なくとも燃焼期間にわたりモデル式を積分することによって熱発生量が算出される。その上で、熱発生量がしきい値よりも小さいときには失火が発生していると判断され、熱発生量がしきい値よりも大きいときには失火が発生していないと判断される。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の失火検出装置に関する。
燃焼期間を含むクランク角範囲における筒内圧履歴を算出し、筒内圧履歴から実際の熱発生率履歴を算出し、実際の熱発生率履歴を理論上の熱発生履歴と比較することにより異常燃焼ないしノックの発生を検出する内燃機関が公知である(特許文献1参照)。この内燃機関では、熱力学上のエネルギ保存則を用いて筒内圧から熱発生率履歴を算出するようにしている。
特開2007−170345号公報
ところで、例えば点火時期又は燃料噴射時期を遅角すると燃焼期間が遅角され、その結果排気弁が開弁した後にも燃焼が継続し、熱発生が継続する場合がある。
しかしながら、排気弁が開弁した後には、筒内圧と熱発生率との間にエネルギ保存則はもはや成立しない。そうすると、排気弁が開弁した後にも燃焼が継続する場合には、エネルギ保存則を用いて筒内圧履歴から実際の熱発生率履歴を正確に検出することができず、したがって異常燃焼の発生を正確に検出できないおそれがある。
前記課題を解決するために本発明によれば、燃焼が排気弁の開弁後も継続し得る内燃機関において、排気弁開弁前の熱発生率履歴を求める手段と、排気弁開弁後の熱発生率履歴を該排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて推定する手段と、該排気弁開弁後の熱発生率履歴に基づいて熱発生量を推定する手段と、該熱発生量がしきい値よりも小さいときに失火が発生していると判断する手段と、を具備している。
燃焼が排気弁の開弁後も継続し得る内燃機関において失火を正確に検出することができる。
図1は本発明を火花点火式内燃機関に適用した場合を示している。しかしながら、本発明を圧縮着火式内燃機関に適用することもできる。
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポート、10は点火栓をそれぞれ示す。吸気ポート7は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介してエアクリーナ14に連結される。吸気ダクト13内には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ15と、アクチュエータ16により駆動されるスロットル弁17とが配置される。また、吸気ポート7には電子制御式の燃料噴射弁18が取り付けられる。これら燃料噴射弁18は共通のコモンレール19を介し燃料ポンプ20に連結され、燃料ポンプ20は燃料タンク21に連結される。一方、排気ポート9は排気マニホルド22及び排気管23を介して触媒コンバータ24に連結され、触媒コンバータ24は排気管25に連結される。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。シリンダブロック2には機関冷却水温を検出するための水温センサ26が取り付けられる。また、機関本体1にはエンジンオイル温度を検出するためのオイル温度センサ27が取り付けられる。更に、アクセルペダル39にはアクセルペダルの踏み込み量を検出するための負荷センサ40が取り付けられる。エアフローメータ15、水温センサ26、オイル温度センサ27及び負荷センサ40の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが一定角度例えば30クランク角度回転するごとに出力パルスを発生するクランク角センサ41が接続される。エアフローメータ15により検出される吸入空気量、水温センサ27により検出される機関冷却水温Tw、オイル温度センサ27により検出されるエンジンオイル温度To、クランク角センサ41により検出されるクランク角θは一定時間ごとに時間tの関数としてRAM33内に記憶される。なお、CPU34ではクランク角センサ41からの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火栓10、アクチュエータ16、燃料噴射弁18及び燃料ポンプ20にそれぞれ接続される。
次に、本発明による第1実施例を、図2を参照しながらまず概略的に説明する。なお、図2において、dQ(θ)/dθは熱発生率を、θはクランク角を、θEVOは排気弁8の開弁時期を、それぞれ表している。
本発明による第1実施例ではまず、排気弁開弁前の熱発生率の履歴dQ(θ)/dθ、すなわちクランク角間隔Δθごとの複数のデータ組(θ,dQ(θ)/dθ)が検出される。排気弁開弁前の熱発生率履歴dQ(θ)/dθの一例が図2(A)にプロットの形で示されている。次いで、少なくとも燃焼期間にわたる熱発生率履歴dQ(θ)/dθを表すモデル式Mが排気弁開弁前の熱発生率履歴dQ(θ)/dθに基づいて決定される。このモデル式Mの一例が図2(B)に実線で示されている。次いで、少なくとも燃焼期間にわたりモデル式Mを積分することによって熱発生量Qtが算出される。この熱発生量Qtは図2(C)にハッチングが付された領域の形で示されている。
その上で、熱発生量Qtが例えば一定のしきい値Qmfよりも小さいときには失火が発生していると判断され、熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも大きいときには失火が発生していないと判断される。
本発明による第1実施例では、熱発生率dQ(θ)/dθは熱力学上のエネルギ保存則から得られる次式(1)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、γは筒内ガスの比熱比、Pc(θ)は筒内圧、V(θ)は筒内容積、をそれぞれ表している。
比熱比γは一定値とされる。なお、比熱比γを温度の関数としてもよい。
筒内容積V(θ)はクランク角θの関数として図3に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。また、筒内容積の変化率dV(θ)/dθは筒内容積V(θ)から算出される。
筒内圧Pc(θ)は例えば筒内圧センサによって検出することもできるが、本発明による第1実施例では次式(2)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、TQp(θ)は筒内圧Pc(θ)がピストン4に及ぼす力によって生ずるトルクである筒内圧トルクを表している。
筒内圧トルクTQp(θ)はクランクシャフトについての運動方程式から導かれる次式(3)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、J(θ)は機関本体1の慣性モーメントを、ω(θ)はクランク角θの関数としてのクランク角速度を、TQm(θ)は機関本体1のピストン等の運動部材の慣性により生ずるトルクである慣性質量トルクを、TQf(θ)は機関本体1の機械損失によって生ずるトルクである機械損失トルクを、それぞれ表している。
慣性モーメントJ(θ)及び慣性質量トルクTQm(θ)はそれぞれ、クランク角θの関数として図4及び図5に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。
クランク角速度ω(θ)は時間tの関数としてのクランク角速度ω(t)をクランク角θの関数に変換することにより算出される。クランク角速度ω(t)は時間tの関数としてのクランク角θ(t)から次式(4)を用いて算出される。
Figure 2010048171
機械損失トルクTQf(θ)はクランク角速度ω(θ)と、クランク角θの関数としての機関負荷率KL(θ)と、クランク角θの関数としてのエンジンオイル温度To(θ)との関数として図6に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。
機関負荷率KL(θ)は全負荷に対する機関負荷の割合を表すものである。本発明による第1実施例では、エアフローメータ15により検出される吸入空気量に基づいて時間tの関数としての機関負荷率KL(t)があらかじめ算出されており、このKL(t)をクランク角θ(t)を用いてクランク角θの関数に変換することによりKL(θ)が算出される。
エンジンオイル温度To(θ)は時間tの関数としてのエンジンオイル温度To(t)をクランク角θ(t)を用いてクランク角θの関数に変換することにより算出される。
すなわち、クランク角履歴θ(t)からクランク角速度履歴ω(θ)が算出され、クランク角速度履歴ω(θ)、機関負荷率履歴KL(θ)及びエンジンオイル温度履歴To(θ)から機械損失トルク履歴TQf(θ)が算出される。次いで、慣性モーメント履歴J(θ)、クランク角速度履歴ω(θ)、慣性質量トルク履歴TQm(θ)及び機械損失トルク履歴TQf(θ)から式(3)を用いて筒内圧トルク履歴TQp(θ)が算出される。次いで、筒内圧トルク履歴TQp(θ)及び筒内容積履歴V(θ)から式(2)を用いて筒内圧履歴Pc(θ)が算出される。次いで、筒内圧履歴Pc(θ)及び筒内容積履歴V(θ)から式(1)を用いて熱発生率履歴dQ(θ)/dθが算出される。
ここで、本発明による第1実施例では、熱発生率履歴dQ(θ)/dθはクランク角間隔Δθごとに、燃焼開始前の時期例えば点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでにわたり算出される。燃焼開始前は当然のことながら熱発生がなく、排気弁8の開弁後は式(1)で表されるエネルギ保存則が成立しないからである。もっとも、熱発生率履歴dQ(θ)/dθを燃焼開始前の例えば吸気弁閉弁時期θIVCから算出するようにしてもよい。なお、他のクランク速度履歴ω(θ)や機関負荷率履歴KL(θ)等は熱発生量Qtの算出に必要な限りで算出されればよい。
一方、モデル式Mには種々の関数式を用いることができる。本発明による第1実施例では、モデル式Mとして次式(5)で示されるWiebe関数が用いられる。
Figure 2010048171
ここで、aは定数(例えば6.9)、Qfは筒内に供給された燃料の熱量、kは燃料の熱量Qfが熱に変換される効率を表す効率パラメータ、θpはクランク角幅により表される燃焼期間、mは熱発生率曲線の形状を表す形状パラメータ、θbは熱発生開始クランク角、をそれぞれ表している。
燃料の熱量Qfは例えば図7に示されるように燃料噴射時間TAUの関数としてあらかじめROM32内に記憶されている。なお、燃料の熱量Qfを燃料噴射時間TAU及び燃料噴射時期の一方又は両方に基づいて求めるようにしてもよい。
そうすると、効率パラメータk、燃焼期間θp、形状パラメータm及び熱発生開始クランク角θbという4つのパラメータを算出すれば、モデル式Mを決定できることになる。
本発明による第1実施例では、まず、上述した熱発生率履歴dQ(θ)/dθすなわちn個のデータ組(θ,dQ(θ)/dθ)を式(5)に代入することにより、n個の方程式が作成される。これら方程式は次式(6)により表される。
Figure 2010048171
次いで、これら方程式を例えば最小二乗法を用いて解くことにより、4つのパラメータk,θp,m,θbが算出される。したがって、モデル式Mが決定される。
なお、未知のパラメータの数が4であるから、モデル式Mを決定するために必要な方程式又はデータ組の数n4以上であるということになる。
モデル式Mが決まると、燃焼発生前の時期例えば点火時期θSAから燃焼完了後の時期例えば排気上死点θTDCEまで、モデル式Mないし式(5)を積分することにより、熱発生量Qtが算出される。すなわち、熱発生量Qtは次式(7)により表される。
Figure 2010048171
このようにして算出されるQtは燃焼が排気弁開弁後も継続する場合でも熱発生量を正確に表している。したがって、失火の発生の有無を正確に判断することができる。
したがって、一般化して言うと、排気弁開弁前の熱発生率履歴を求め、排気弁開弁後の熱発生率履歴を排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて推定し、排気弁開弁後の熱発生率履歴に基づいて熱発生量を推定しているということになる。この場合、排気弁開弁前の筒内圧履歴が求められ、排気弁開弁前の熱発生率履歴が排気弁開弁前の筒内圧履歴に基づいて求められる。更に、少なくとも排気弁開弁後の熱発生率履歴を表すモデル式が排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて決定され、モデル式を用いて熱発生量が推定される。
図8は本発明による第1実施例の失火検出ルーチンを実行するためのフローチャートを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。
図8を参照すると、まずステップ100では熱発生率履歴dQ(θ)/dθの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図9に示されている。続くステップ200ではモデル式Mの決定ルーチンが実行される。このルーチンは図10に示されている。続くステップ300では熱発生量Qtの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図11に示されている。続くステップ400では熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも小さいか否かが判別される。Qt<Qmfのときにはステップ500に進み、失火が発生していると判断される。これに対し、Qt≧Qmfのときには次いでステップ600に進み、失火が発生していないと判断される。
熱発生率履歴dQ(θ)/dθの算出ルーチンを示す図9を参照すると、ステップ101では図4のマップを用いて慣性モーメント履歴J(θ)が算出される。続くステップ102では、クランク角センサ41により検出されているクランク角履歴θ(t)が獲得され、すなわち読み込まれる。続くステップ103では、式(4)を用いてクランク角速度履歴ω(t)が算出される。続くステップ104では、ω(t)からクランク角速度履歴ω(θ)が算出される。続くステップ105では、クランク角速度ω(θ)の変化率の履歴dω(θ)/dtが算出される。続くステップ106では、図5のマップを用いて慣性質量トルク履歴TQm(θ)が算出される。続くステップ107では、吸入空気量に基づいて算出されている機関負荷率履歴KL(t)が獲得される。続くステップ108では、KL(t)及びθ(t)から機関負荷率履歴KL(θ)が算出される。続くステップ109では、オイル温度センサ27により検出されているエンジンオイル温度履歴To(t)が獲得される。続くステップ110では、To(t)及びθ(t)からエンジンオイル温度履歴To(θ)が算出される。続くステップ111では、図6のマップを用いて機械損失トルク履歴TQf(θ)が算出される。続くステップ112では、式(3)を用いて筒内圧トルク履歴TQp(θ)が算出される。続くステップ113では、図3のマップを用いて筒内容積履歴V(θ)が算出される。続くステップ114では、筒内容積V(θ)の変化率の履歴dV(θ)/dθが算出される。続くステップ115では、式(2)を用いて筒内圧履歴Pc(θ)が算出される。
続くステップ116では、筒内圧Pc(θ)の変化率の履歴dPc(θ)/dθが算出される。続くステップ117では、比熱比γが獲得される。続くステップ118では、点火時期θSAが獲得される。続くステップ119では、排気弁開弁時期θEVOが獲得される。続くステップ120では、点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでの熱発生率履歴dQ(θ)/dθが式(1)を用いて算出される。
モデル式Mの決定ルーチンを示す図10を参照すると、ステップ201では、図7のマップを用いて燃料の熱量Qfが算出される。続くステップ202では、熱発生率履歴dQ(θ)/dθを用いて方程式が作成される。続くステップ203では、方程式を解くことにより未知のパラメータ(k,θp,m,θb)が算出される。このようにして、モデル式Mが決定される。
熱発生量Qtの算出ルーチンを示す図11を参照すると、ステップ301では、排気上死点θTDCEが獲得される。続くステップ302では、点火時期θSAから排気上死点θTDCEまで、モデル式Mを積分することにより、熱発生量Qtが算出される。
次に、本発明による第2実施例を説明する。
筒内ガスの熱量の変化は燃焼だけでなく、筒内ガスと筒壁との間の熱移動ないし熱損失によっても生じ得る。すなわち、上述のdQ(θ)/dθを見かけ上の熱発生率dQ(θ)/dθと称すると、この見かけ上の熱発生率dQ(θ)/dθは次式(8)で表される。
Figure 2010048171
ここで、dQcomb(θ)/dθは燃焼による熱発生率である燃焼熱発生率を、dQth(θ)/dθは筒内ガスから筒壁への熱損失率を、それぞれ表している。
したがって、燃焼熱発生率dQcomb(θ)/dθは次式(9)によって表される。
Figure 2010048171
さて、本発明による第2実施例ではまず、排気弁開弁前の燃焼熱発生率の履歴dQcomb(θ)/dθが算出される。次いで、少なくとも燃焼期間にわたる燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθを表すモデル式Mが燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθに基づいて決定される。
この場合、モデル式Mとして燃焼熱発生率dQcomb(θ)/dθを表す次式(10)が用いられる。
Figure 2010048171
次いで、少なくとも燃焼期間にわたりモデル式Mないし式(10)を積分することによって熱発生量Qtが算出される。
その上で、熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも小さいときには失火が発生していると判断され、熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも大きいときには失火が発生していないと判断される。
この場合の熱発生量Qtは燃焼による熱発生量を正確に表しており、この熱発生量Qtに基づいて失火検出が行われるので、失火検出をより正確に行うことができる。また、Weibe関数が燃焼による熱発生を模擬するものであることから、燃焼熱発生率dQcomb(θ)/dθを表すモデル式Mを用いることにより、燃焼熱発生率dQcomb(θ)/dθを正確に表すことができ、したがって熱発生量Qtを正確に算出することができる。
具体的に説明すると、本発明による第2実施例では、第1実施例と同様に、点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでの見かけ上の熱発生率dQ(θ)/dθの履歴が算出される。また、点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでの熱損失率履歴dQth(θ)/dθが算出される。次いで、式(9)を用いて点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでの燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθが算出される。
熱損失率dQth(θ)/dθは本発明による第2実施例では次式(11)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、kは筒内ガスと筒壁ないし機関冷却水との間の熱伝達係数を、Tc(θ)は筒内ガス温度を、Twは機関冷却水温(θ)を、それぞれ表している。
筒内ガス温度Tc(θ)は状態方程式から導かれる次式(12)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、Rはガス定数を表している。
機関冷却水温Tw(θ)は時間tの関数としての機関冷却水温Tw(t)をクランク角θの関数に変換することにより算出される。
熱伝達係数kは、燃焼開始前の時期例えば点火時期θSAにおける筒内ガス温度Tc(θSA)、機関冷却水温Tw(θSA)及び熱損失率dQth(θSA)/dθを式(11)に代入して得られる式(13)を用いて算出される。
Figure 2010048171
点火時期θSAにおける熱損失率dQth(θSA)/dθは点火時期θSAにおける見かけ上の熱発生率dQ(θSA)/dθの負値(−dQ(θSA)/dθ)に相当し、したがって次式(14)で表される。
Figure 2010048171
すなわち、点火時期θSAにおける筒内ガス温度Tc(θSA),機関冷却水温Tw(θSA),熱損失率dQth(θSA)/dθから式(13)を用いて熱伝達係数kが算出され、熱伝達係数k、筒内ガス温度履歴Tc(θ)及び機関冷却水温履歴Tw(θ)から式(11)を用いて熱損失率履歴dQth(θ)/dθが算出される。次いで、見かけ上の熱発生率履歴dQ(θ)/dθ及び熱損失率履歴dQth(θ)/dθから式(9)を用いて燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθが算出される。
次いで、点火時期θSAから排気弁開弁時期θEVOまでの燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθを式(10)に代入することにより、複数の方程式が作成される。これら方程式は例えば次式(15)により表される。
Figure 2010048171
次いで、これら方程式を例えば最小二乗法を用いて解くことにより、モデル式Mが決定される。
次いで、このモデル式Mないし式(10)を例えば点火時期θSAから排気上死点θTDCEまで積分することにより、熱発生量Qtが算出される。すなわち、熱発生量Qtは次式(16)により表される。
Figure 2010048171
したがって、一般化して言うと、排気弁開弁前の熱損失率履歴を求め、排気弁開弁前の熱発生率履歴と熱損失率履歴とに基づいて排気弁開弁前の燃焼熱発生率履歴を求め、排気弁開弁後の燃焼熱発生率履歴を排気弁開弁前の燃焼熱発生率履歴に基づいて推定し、排気弁開弁後の燃焼熱発生率履歴に基づいて熱発生量を推定しているということになる。
図12は本発明による第2実施例の失火検出ルーチンを実行するためのフローチャートを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。
図12を参照すると、まずステップ100では見かけ上の熱発生率履歴dQ(θ)/dθの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図9に示されている。続くステップ140では、熱損失率履歴dQth(θ)/dθの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図13に示されている。続くステップ160では、式(9)を用いて燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθが算出される。
続くステップ200ではモデル式Mの決定ルーチンが実行される。このルーチンは図10に示されている。ただし、本発明による第2実施例では、このルーチンで決定されるモデル式Mは式(10)で表されるものである。また、ステップ202において燃焼熱発生率履歴dQcomb(θ)/dθを用いて方程式が作成される。
続くステップ300では熱発生量Qtの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図11に示されている。ただし、本発明による第2実施例では、ステップ302で積分されるモデル式Mは式(10)で表されるものである。
続くステップ400では熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも小さいか否かが判別される。Qt<Qmfのときにはステップ500に進み、失火が発生していると判断される。これに対し、Qt≧Qmfのときには次いでステップ600に進み、失火が発生していないと判断される。
熱損失率履歴dQth(θ)/dθの算出ルーチンを示す図13を参照すると、ステップ141ではPc(θ)及びV(θ)から式(12)を用いて筒内ガス温度履歴Tc(θ)が算出される。続くステップ142では、水温センサ26により検出されている機関冷却水温履歴Tw(t)が獲得される。続くステップ143では、Tw(t)及びθ(t)から機関冷却水温履歴Tw(θ)が算出される。続くステップ144では、点火時期θSAにおける筒内ガス温度履歴Tc(θSA)が算出される。続くステップ145では、点火時期θSAにおける機関冷却水温履歴Tw(θSA)が算出される。続くステップ146では、式(14)を用いて点火時期θSAにおける熱損失率dQth(θSA)/dθが算出される。続くステップ147では、式(13)を用いて熱伝達係数kが算出される。続くステップ148では、熱伝達係数k、筒内ガス温度履歴Tc(θ)及び機関冷却水温履歴Tw(θ)から式(11)を用いて熱損失率履歴dQth(θ)/dθが算出される。
本発明による第2実施例その他の構成及び作用は本発明による第1実施例と同様であるので説明を省略する。
次に、本発明による第3実施例を説明する。
これまで述べてきた本発明による第1及び第2実施例では、しきい値Qmfは一定値に設定されている。
しかしながら、燃焼による熱発生量、特に燃料の低位発熱量はガソリン、アルコール、軽油といった燃料の種類に応じて変動し得る。
そこで本発明による第3実施例では、燃料の種類を表す燃料性状を検出し、しきい値Qmfを燃料性状に基づいて設定するようにしている。その結果、燃料の種類にかかわらず、失火検出を正確に行うことができる。
具体的に説明すると、本発明による第3実施例では、しきい値Qmfは次式(17)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、kmfは失火判定余裕代係数を、Qbsは燃料の低位発熱量を、それぞれ表している。
失火判定余裕代係数kmfは0から1までの値であって、例えば0.2から0.3が好ましい。
低位発熱量Qbsは燃料性状に応じて定まる燃料性状代表値Iの関数として図14に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。
燃料性状代表値Iは次のようにして算出される。すなわち、層流燃焼が終了する時間ないし時刻tLEにおける燃焼速度を層流燃焼速度SLと称すると、層流燃焼速度SLが燃料性状代表値Iの関数として図15に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。本発明による第3実施例では、層流燃焼速度SLが算出され、この層流燃焼速度SLに最も近いSLを与えるIが燃料性状代表値Iとされる。
層流燃焼速度SLは次のようにして算出される。すなわち、まず燃焼速度の履歴Sf(t)が算出される。次いで、層流燃焼終了時間tLEが算出される。次いで、層流燃焼終了時間tLEにおける燃焼速度Sf(tLE)が層流燃焼速度SLとされる。すなわち、層流燃焼速度SLは次式(18)を用いて算出される。
Figure 2010048171
燃焼速度Sf(t)は次のようにして算出される。すなわち、燃焼期間中には図16に示されるように筒内に球状の既燃ガス部分Pbとその周りの未燃ガス部分Pubとが形成されると考えると、燃焼の進行と共に既燃ガス部分Pbは拡大する。したがって、燃焼速度Sf(t)は既燃ガス部分Pbの半径rb(t)から次式(19)を用いて算出される。
Figure 2010048171
既燃ガス部分Pb半径rb(t)は既燃ガス部分Pbの容積Vb(t)から次式(20)を用いて算出される。
Figure 2010048171
既燃ガス部分容積Vb(t)は次式(21)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、V(t)は時間tの関数としての筒内容積を、xb(t)は燃焼割合を、それぞれ表している。
筒内容積V(t)は筒内容積V(θ)及びクランク角θ(t)から算出される。筒内容積V(θ)は図3に示されるマップを用いて算出される。
燃焼割合xb(t)は次式(22)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、t(θ)はクランク角がθのときの時間を表している。
式(22)において、分母は上述したように燃焼開始から燃焼終了までの熱発生量Qt、すなわち総熱発生量を表している。一方、分子は点火時期θSAからクランク角θまで熱発生率dQ(θ)/dθを積分したもの、すなわち燃焼開始から時間t(θ)までの熱発生量を表している。したがって、燃焼割合xb(t)は時間tにおける燃焼の進行の程度を表している(0≦xb(t)≦1)。
すなわち、熱発生率履歴dQ(θ)/dθ及びクランク角履歴θ(t)から式(22)を用いて燃焼割合履歴xb(t)が算出される。次いで、筒内容積履歴V(t)及び燃焼割合履歴xb(t)から式(21)を用いて既燃ガス部分容積履歴Vb(t)が算出される。次いで、既燃ガス部分容積履歴Vb(t)から式(20)を用いて既燃ガス部分半径履歴rb(t)が算出される。次いで、既燃ガス部分半径履歴rb(t)から式(19)を用いて燃焼速度履歴Sf(t)が算出される。
一方、層流燃焼終了時間tLEは次のようにして算出される。すなわち、時間tの関数としての燃焼速度履歴Sf(t)が、燃焼が開始されてから層流燃焼が行われている間は下に凸の曲線を描き、層流燃焼が終了すると上に凸の曲線を描くと仮定すると、層流燃焼終了時間tLEは燃焼速度履歴Sf(t)に燃焼開始後初めて変曲点が生ずる時間tであるということになる。したがって、本発明による第3実施例では、層流燃焼終了時間tLEは次式(23)を用いて算出される。
Figure 2010048171
ここで、関数min{x|y,z}は条件y及びzを同時に満たすxのうち最小のものを与える関数である。すなわち、燃焼速度履歴Sf(t)の2回微分値をゼロにする時間tのうち最小のものが層流燃焼終了時間tLEとされる。
層流燃焼終了時間tLEが算出されると、式(18)を用いて層流燃焼速度SLが算出される。次いで、層流燃焼速度SLから図15のマップを用いて燃料性状代表値Iが算出される。次いで、燃料性状代表値Iから図14のマップを用いて燃料の低位発熱量Qbsが算出される。次いで、燃料の低位発熱量Qbsから式(17)を用いてしきい値Qmfが算出される。
図17は本発明による第3実施例の失火検出ルーチンを実行するためのフローチャートを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。
図17を参照すると、まずステップ100では熱発生率履歴dQ(θ)/dθの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図9に示されている。続くステップ200ではモデル式Mの決定ルーチンが実行される。このルーチンは図10に示されている。続くステップ300では発生量Qtの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図11に示されている。続くステップ320では、しきい値Qmfの算出ルーチンが実行される。このルーチンは図18に示されている。続くステップ400では熱発生量Qtがしきい値Qmfよりも小さいか否かが判別される。Qt<Qmfのときにはステップ500に進み、失火が発生していると判断される。これに対し、Qt≧Qmfのときには次いでステップ600に進み、失火が発生していないと判断される。
しきい値Qmfの算出ルーチンを示す図18を参照すると、ステップ321では、熱発生率履歴dQ(θ)/dθ及びクランク角履歴θ(t)から式(22)を用いて燃焼割合履歴xb(t)が算出される。続くステップ322では、筒内容積V(θ)及びクランク角θ(t)から筒内容積履歴V(t)が算出される。続くステップ323では、筒内容積履歴V(t)及び燃焼割合履歴xb(t)から式(21)を用いてVb(t)が算出される。続くステップ324では、既燃ガス部分容積履歴Vb(t)から式(20)を用いて既燃ガス部分半径履歴rb(t)が算出される。続くステップ325では、既燃ガス部分半径履歴rb(t)から式(19)を用いて燃焼速度履歴Sf(t)が算出される。続くステップ326では、燃焼速度履歴Sf(t)から式(23)を用いて層流燃焼終了時間tLEが算出される。続くステップ327では、層流燃焼終了時間tLEから式(18)を用いて層流燃焼速度SLが算出される。続くステップ328では、層流燃焼速度SLから図15のマップを用いて燃料性状代表値Iが算出される。続くステップ329では、燃料性状代表値Iから図14のマップを用いて燃料の低位発熱量Qbsが算出される。続くステップ330では、燃料の低位発熱量Qbsから式(17)を用いてしきい値Qmfが算出される。
なお、本発明による第3実施例のその他の構成及び作用は本発明による第1実施例と同様であるので説明を省略する。また、本発明による第3実施例を第2実施例と組み合わせることもできる。
内燃機関の全体図である。 本発明による第1実施例を説明するための図である。 筒内容積V(θ)のマップを示す図である。 慣性モーメントJ(θ)のマップを示す図である。 慣性質量トルクTQm(θ)のマップを示す図である。 機械損失トルクTQf(θ)のマップを示す図である。 燃料の熱量Qfのマップを示す図である。 本発明による第1実施例の失火検出ルーチンを示すフローチャートである。 熱発生率履歴dQ(θ)/dθの算出ルーチンを示すフローチャートである。 モデル式Mの決定ルーチンを示すフローチャートである。 熱発生量Qtの算出ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による第2実施例の失火検出ルーチンを示すフローチャートである。 熱損失率履歴dQth(θ)/dθの算出ルーチンを示すフローチャートである。 燃料の低位発熱量Qbsのマップを示す図である。 層流燃焼速度SLのマップを示す図である。 既燃ガス部分Pbを説明するための図である。 本発明による第3実施例の失火検出ルーチンを示すフローチャートである。 しきい値Qmfの算出ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
5 燃焼室
8 排気弁
41 クランク角センサ

Claims (5)

  1. 燃焼が排気弁の開弁後も継続し得る内燃機関において、排気弁開弁前の熱発生率履歴を求める手段と、排気弁開弁後の熱発生率履歴を該排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて推定する手段と、該排気弁開弁後の熱発生率履歴に基づいて熱発生量を推定する手段と、該熱発生量がしきい値よりも小さいときに失火が発生していると判断する手段と、を具備した失火検出装置。
  2. 排気弁開弁前の熱損失率履歴を求め、前記排気弁開弁前の熱発生率履歴と該熱損失率履歴とに基づいて、燃焼による熱発生率の履歴である燃焼熱発生率履歴であって排気弁開弁前の燃焼熱発生率履歴を求め、排気弁開弁後の燃焼熱発生率履歴を該排気弁開弁前の燃焼熱発生率履歴に基づいて推定し、該排気弁開弁後の燃焼熱発生率履歴に基づいて熱発生量を推定するようにした請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
  3. 燃料性状を求め、前記しきい値を該燃料性状に基づいて設定するようにした請求項1又は2に記載の内燃機関の失火検出装置。
  4. 排気弁開弁前の筒内圧履歴を求め、前記排気弁開弁前の熱発生率履歴を該排気弁開弁前の筒内圧履歴に基づいて求めるようにした請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の失火検出装置。
  5. 少なくとも排気弁開弁後の熱発生率履歴を表すモデル式を前記排気弁開弁前の熱発生率履歴に基づいて決定し、該モデル式を用いて熱発生量を推定するようにした請求項1から4までのいずれか一項に記載の内燃機関の失火検出装置。
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