JP2010043624A - 内燃機関の触媒劣化判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクティブ制御によって触媒の劣化判定を行う際に、サブフィードバック補正量による悪影響を排除して、触媒の最大酸素吸蔵量を正確に算出できる触媒劣化判定装置を提供する。
【解決手段】アクティブ制御の実行によって得られた触媒の最大酸素吸蔵量(ecmaxd)に対し、基準サブフィードバック値とアクティブ制御実行中のサブフィードバック補正量の平均値との差分に三元触媒42の容量等に応じて決定される比例定数Kを乗算することで得られた補正量だけ補正することで、補正後の最大酸素吸蔵量(Cmax)を算出する。これによってサブフィードバック補正量の影響を廃した真の最大酸素吸蔵量が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】アクティブ制御の実行によって得られた触媒の最大酸素吸蔵量(ecmaxd)に対し、基準サブフィードバック値とアクティブ制御実行中のサブフィードバック補正量の平均値との差分に三元触媒42の容量等に応じて決定される比例定数Kを乗算することで得られた補正量だけ補正することで、補正後の最大酸素吸蔵量(Cmax)を算出する。これによってサブフィードバック補正量の影響を廃した真の最大酸素吸蔵量が得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用エンジンに代表される内燃機関の排気系に備えられた触媒の劣化を判定するための装置に係る。特に、本発明は、触媒の上流側および下流側にそれぞれ排気ガスセンサ(空燃比センサや酸素濃度センサ)を備えた排気系における触媒劣化判定の信頼性向上を図るための対策に関する。
従来より、例えば下記の特許文献1および特許文献2に開示されているように、自動車用エンジンの排気系において、触媒(例えば三元触媒)の上流側に空燃比センサ(以下、A/Fセンサと呼ぶ場合もある)を、触媒の下流側に酸素濃度センサ(以下、単に酸素センサと呼ぶ場合もある)をそれぞれ備えた構成が知られている。
このような構成とすることで、上記A/Fセンサの出力信号に基づき、触媒に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)になるよう燃料噴射量がフィードバック制御されている(メインフィードバック制御)。また、このメインフィードバック制御と併せて、上記酸素センサの出力信号に基づきA/Fセンサの出力信号を補正する制御も行われている(サブフィードバック制御)。尚、このサブフィードバック制御における補正量(以下、サブフィードバック補正量と呼ぶ場合もある)は、エンジンなどの経時的な変化に対応する値として算出され、サブフィードバック学習動作が行われる度に更新される。このような各フィードバック制御の実行により、例えば空燃比が理論空燃比となるようにインジェクタからの燃料噴射量が調整され、排気ガスのエミッションが改善される。
また、上述した排気系の構成によれば、酸素センサの出力に基づいて触媒劣化判定(触媒劣化診断)動作を行うことが可能である。以下、具体的に説明する。
排気ガスを浄化するための三元触媒は、酸素を貯蔵(吸蔵)するO2ストレージ機能(酸素貯蔵機能)を有している。このため、流入する排気ガスの空燃比がリッチである場合には貯蔵している酸素によりHC,CO等の未燃成分を酸化する一方、流入する排気ガスの空燃比がリーンである場合には窒素酸化物(NOx)を還元して、このNOxから奪った酸素を触媒内部に吸蔵する。これにより、三元触媒は、エンジンの実空燃比が理論空燃比から偏移した場合でも、上記未燃成分や窒素酸化物を効果的に浄化することが可能である。従って、三元触媒が吸蔵し得る酸素量の最大値が大きいほど、三元触媒の浄化能力は高いと言える。
ところが、この種の触媒は、継続使用するに従って、燃料中に含まれる鉛や硫黄等による被毒、あるいは触媒に加わる熱によって劣化が生じ、この劣化の程度に応じて最大酸素吸蔵量は減少していく。従って、この最大酸素吸蔵量が精度良く算出・推定できれば、触媒の劣化を判定することができる。
この触媒の最大酸素吸蔵量を算出するための手法としてアクティブ制御が知られている(例えば、下記の特許文献3および特許文献4を参照)。このアクティブ制御では、上記酸素センサがリーン出力を発している場合に、エンジンに供給する混合気の空燃比をリッチにし、その後、酸素センサがリッチ出力を発するようになると、エンジンに供給する混合気の空燃比をリーンに切り換える。このようにして、触媒下流側に設けられた酸素センサの出力信号がリッチ/リーンで反転する毎に、混合気の目標空燃比を所定のリッチ目標値と所定のリーン目標値との間で反転させる。
その結果、触媒が酸素を一杯に吸蔵した状態と、吸蔵酸素を完全に放出した状態とが繰り返し実現されることになる。従って、それらの期間内に、触媒に流入した酸素量を積算したり、或いは、触媒に流入した排気ガス中の酸素不足量を積算すれば、触媒の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量)Cmaxを計算により求めることができる。そして、この手法で算出したCmaxに基づいて、触媒の劣化の状態を診断することができる。以上がアクティブ制御による触媒劣化判定動作である。
図7は、このアクティブ制御が適正に実行されている場合における目標空燃比(目標A/F)、インジェクタからの燃料噴射量(mfr)、酸素センサの出力信号、Cmax(最大酸素吸蔵量)の計算値、触媒の酸素吸蔵量の変化をそれぞれ示すタイミングチャートである。尚、Cmaxの計算値におけるCmaxLは触媒の吸蔵酸素量の算出値であり、CmaxRは触媒の離脱酸素量の算出値である。
この図に示すように、酸素センサの出力信号がリッチ/リーンで反転する毎に、混合気の目標空燃比を所定のリッチ目標値と所定のリーン目標値との間で反転させている。これらリッチ目標値およびリーン目標値は、理想的には、理論空燃比(ストイキ)に対して互いに同一幅だけリッチ側およびリーン側に移行(例えば空燃比でリッチ側に0.5、リーン側に0.5ずつ移行)させた値として設定される。このような目標空燃比の変化に伴い、燃料噴射量も増減変化され、燃料増量が行われているタイミングでは、実空燃比がリッチ側となり、触媒は酸素を離脱している。一方、燃料減量が行われているタイミングでは、実空燃比がリーン側となり、触媒は酸素を吸蔵している。
そして、触媒の最大酸素吸蔵量(Cmax)は、これら算出値(CmaxLおよびCmaxR)を平均化することで求められる。
特開2006−329008号公報
特開2008−57493号公報
特開2002−138887号公報
特開2004−28029号公報
ところが、上述したアクティブ制御を行う場合、上記酸素センサの出力信号(出力電圧値)に基づいたサブフィードバック制御による補正量(サブフィードバック補正量)の分だけアクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが適正な値(理論空燃比を制御中心値として互いに同一幅だけリッチ側およびリーン側に移行させた目標空燃比)からずれることになる。
例えば、サブフィードバック補正量がリッチ側の値に設定されている場合には、アクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが、適正な値からサブフィードバック補正量だけ低下したリッチ側にずれてしまうことになる。逆に、サブフィードバック補正量がリーン側の値に設定されている場合には、アクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが、適正な値からサブフィードバック補正量だけ上昇したリーン側にずれてしまうことになる。
このように、サブフィードバック補正量による悪影響を受けてしまい、本来、理論空燃比に対して互いに同一幅だけリッチ側およびリーン側に移行させた値としてリッチ目標値およびリーン目標値を設定すべきであるアクティブ制御に対し、これら目標値が適正な値からずれた状態で上記触媒劣化判定が行われることになる。その結果、触媒の酸素吸蔵能力を適切に診断することができなくなるといった状況を招くことがあった。
図8は、上記サブフィードバック補正量がリッチ側の値に設定されている場合におけるインジェクタからの燃料噴射量(mfr)、酸素センサの出力信号、Cmaxの計算値、触媒の酸素吸蔵量の変化をそれぞれ示すタイミングチャートである。
この図に示すように、上記サブフィードバック補正量分だけ各目標値(リッチ目標値およびリーン目標値)がずれていることによりCmaxLの算出値は大きめに得られ、CmaxRの算出値は小さめに得られてしまうことになる。これら値は、本来は同一値として得られるべきものであるが、上記サブフィードバック補正量の影響を受け、互いに異なる値として求められてしまう。そして、上述した如く、触媒の最大酸素吸蔵量(Cmax)は、これら算出値を平均化することで求められるため、これら算出値が適正な値として得られていないことから触媒の最大酸素吸蔵量も正確な値として得られない可能性があった。
その結果、正常な触媒(酸素吸蔵能力が十分にある触媒)であるにも拘わらず劣化した触媒(酸素吸蔵能力が不十分である触媒)として判定してしまったり、逆に、劣化した触媒であるにも拘わらず正常な触媒として判定してしまう可能性があり、触媒劣化判定の信頼が十分に高いとは言えなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記アクティブ制御によって触媒の劣化判定を行う際に、サブフィードバック補正量による悪影響を排除して、触媒の最大酸素吸蔵量を正確に算出できる触媒劣化判定装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、アクティブ制御(触媒劣化判定動作)の実行によって得られた触媒の最大酸素吸蔵量に対し、サブフィードバック補正量による影響分を補正し、これによって真の最大酸素吸蔵量が得られるようにしている。
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、アクティブ制御(触媒劣化判定動作)の実行によって得られた触媒の最大酸素吸蔵量に対し、サブフィードバック補正量による影響分を補正し、これによって真の最大酸素吸蔵量が得られるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた触媒の上流側および下流側に排気ガスセンサがそれぞれ設けられ、内燃機関の空燃比が目標空燃比になるように各排気ガスセンサの出力値に基づくフィードバック補正量によって空燃比を制御する空燃比フィードバック制御と、触媒上流の排気空燃比を強制的にリッチ側およびリーン側の間で交互に切り換えることにより触媒の最大酸素吸蔵量を求める触媒劣化判定動作とを行う内燃機関を前提とする。この内燃機関に対し、上記触媒下流側の排気ガスセンサの出力値に基づくサブフィードバック補正量によって吸蔵補正量を求め、上記触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量を上記求められた吸蔵補正量によって補正することで補正後の最大酸素吸蔵量を算出する最大酸素吸蔵量補正手段を備えさせている。
具体的に、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた触媒の上流側および下流側に排気ガスセンサがそれぞれ設けられ、内燃機関の空燃比が目標空燃比になるように各排気ガスセンサの出力値に基づくフィードバック補正量によって空燃比を制御する空燃比フィードバック制御と、触媒上流の排気空燃比を強制的にリッチ側およびリーン側の間で交互に切り換えることにより触媒の最大酸素吸蔵量を求める触媒劣化判定動作とを行う内燃機関を前提とする。この内燃機関に対し、上記触媒下流側の排気ガスセンサの出力値に基づくサブフィードバック補正量によって吸蔵補正量を求め、上記触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量を上記求められた吸蔵補正量によって補正することで補正後の最大酸素吸蔵量を算出する最大酸素吸蔵量補正手段を備えさせている。
この特定事項により、先ず、上記触媒劣化判定動作によって触媒の最大酸素吸蔵量を求める。この最大酸素吸蔵量は、上記空燃比フィードバック制御によるサブフィードバック補正量の影響を受けた値として求められており、真の最大酸素吸蔵量からずれた値として求められている可能性がある。このため、この触媒劣化判定動作で求められた最大酸素吸蔵量に対し、上記サブフィードバック補正量に基づいて求められた吸蔵補正量分だけ補正することで、触媒の真の最大酸素吸蔵量を得ることができる。その結果、正常な触媒(酸素吸蔵能力が十分にある触媒)を劣化した触媒(酸素吸蔵能力が不十分な触媒)として判定してしまったり、逆に、劣化した触媒を正常な触媒として判定してしまうといったことが回避され、触媒の酸素吸蔵能力を適切に診断することができて触媒劣化判定の信頼の向上を図ることができる。
上記吸蔵補正量の算出手法として具体的には以下のものが挙げられる。先ず、この吸蔵補正量を、上記触媒劣化判定動作中におけるサブフィードバック補正量の平均値に基づいて算出するものである。
触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量と、真の最大酸素吸蔵量との偏差は、触媒劣化判定動作中においてサブフィードバック補正量によって触媒劣化判定動作の制御中心が理論空燃比からずれている量の積算値に相関がある。このため、この触媒劣化判定動作中におけるサブフィードバック補正量の平均値に基づいて算出した吸蔵補正量も、この制御中心のズレ分の積算値に対応した値として求められることになり、これによって上記ズレ分に略合致した値として吸蔵補正量を求めることができ、真の最大酸素吸蔵量が正確に算出可能となる。
また、吸蔵補正量は、触媒の容量が大きいほど大きな値として求められ、また、触媒の劣化度合いが大きいほど小さな値として求められる。
最大酸素吸蔵量に対するフィードバック補正量の影響度合いは、触媒の容量や触媒の劣化度合いによって異なる。これを反映させるため、上記吸蔵補正量を、触媒の容量や触媒の劣化度合いに応じて変更するようにしたものである。これにより、真の最大酸素吸蔵量をより正確に算出することが可能となる。
上記最大酸素吸蔵量補正手段による最大酸素吸蔵量の補正動作として、より具体的には、以下の演算式に従って補正演算が行われる。
補正後の最大酸素吸蔵量=ecmaxd+K×{(基準サブフィードバック値)−(サブフィードバック補正量平均値)} …(1)
・ecmaxd:触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量(補正前の最大酸素吸蔵量)、
・K:サブフィードバック補正量が最大酸素吸蔵量に与える影響度合いに応じた比例定数であり、触媒の大きさが大きいほど大きく設定され、また、触媒の劣化度合いが大きいほど小さく設定される値、
・基準サブフィードバック値:触媒劣化判定動作中に触媒の内部を理論空燃比に補正するための補正量の平均値、
・サブフィードバック補正量平均値:触媒劣化判定動作中に変化していくサブフィードバック補正量の平均値
これにより最大酸素吸蔵量補正手段による最大酸素吸蔵量の補正動作が具体化でき、本発明の実用性を高めることができる。
・ecmaxd:触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量(補正前の最大酸素吸蔵量)、
・K:サブフィードバック補正量が最大酸素吸蔵量に与える影響度合いに応じた比例定数であり、触媒の大きさが大きいほど大きく設定され、また、触媒の劣化度合いが大きいほど小さく設定される値、
・基準サブフィードバック値:触媒劣化判定動作中に触媒の内部を理論空燃比に補正するための補正量の平均値、
・サブフィードバック補正量平均値:触媒劣化判定動作中に変化していくサブフィードバック補正量の平均値
これにより最大酸素吸蔵量補正手段による最大酸素吸蔵量の補正動作が具体化でき、本発明の実用性を高めることができる。
上記空燃比フィードバック制御の具体的な制御動作としては、触媒上流側の排気ガスセンサの出力値に基づいて内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御するメインフィードバック制御と、触媒下流側の排気ガスセンサの出力値に基づいて内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように上記触媒上流側の排気ガスセンサの出力値を補正するサブフィードバック制御とが実行されるようになっている。
本発明では、触媒劣化判定動作の実行によって得られた触媒の最大酸素吸蔵量に対し、サブフィードバック補正量による影響分を補正し、これによって真の最大酸素吸蔵量が得られるようにしている。このため、触媒の酸素吸蔵能力を適切に診断することができて触媒劣化判定の信頼の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る触媒劣化判定装置を自動車用4気筒ガソリンエンジン(内燃機関)に適用した場合について説明する。
−エンジン−
図1は本実施形態に係るエンジン1、および、その吸排気系の概略構成を示す図である。なお、この図1ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
図1は本実施形態に係るエンジン1、および、その吸排気系の概略構成を示す図である。なお、この図1ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
本実施形態におけるエンジン1は、例えば4気筒ガソリンエンジンであって、燃焼室11を形成するピストン12および出力軸であるクランクシャフト13を備えている。上記ピストン12はコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されており、ピストン12の往復運動がコネクティングロッド14によってクランクシャフト13の回転へと変換されるようになっている。
上記クランクシャフト13には、外周面に複数の突起(歯)16を有するシグナルロータ15が取り付けられている。このシグナルロータ15の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)71が配置されている。このクランクポジションセンサ71は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト13が回転する際にシグナルロータ15の突起16に対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
エンジン1のシリンダブロック17には、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ72が配置されている。
エンジン1の燃焼室11には点火プラグ2が配置されている。この点火プラグ2の点火タイミングはイグナイタ21によって調整される。このイグナイタ21はエンジンECU(Electronic Control Unit)6によって制御される。
エンジン1の燃焼室11には吸気通路3と排気通路4とが接続されている。吸気通路3と燃焼室11との間に吸気バルブ31が設けられており、この吸気バルブ31を開閉駆動することにより、吸気通路3と燃焼室11とが連通または遮断される。また、排気通路4と燃焼室11との間に排気バルブ41が設けられており、この排気バルブ41を開閉駆動することにより、排気通路4と燃焼室11とが連通または遮断される。これら吸気バルブ31および排気バルブ41の開閉駆動は、クランクシャフト13の回転が伝達される吸気カムシャフトおよび排気カムシャフト(共に図示省略)の各回転によって行われる。
上記吸気通路3には、エアクリーナ32、熱線式のエアフローメータ73、吸気温センサ74(エアフローメータ73に内蔵)、および、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ33が配置されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動される。スロットルバルブ33の開度はスロットル開度センサ75によって検出される。
エンジン1の排気通路4には三元触媒42が配置されている。この三元触媒42は、酸素を貯蔵(吸蔵)するO2ストレージ機能(酸素貯蔵機能)を有しており、この酸素貯蔵機能により、空燃比が理論空燃比からある程度まで偏移したとしても、HC,COおよびNOxを浄化することが可能となっている。即ち、エンジン1の空燃比がリーンとなって、三元触媒42に流入する排気ガス中の酸素およびNOxが増加すると、酸素の一部を三元触媒42が吸蔵することでNOxの還元・浄化を促進する。一方、エンジン1の空燃比がリッチになって、三元触媒42に流入する排気ガスにHC,COが多量に含まれると、三元触媒42は内部に吸蔵している酸素分子を放出し、これらのHC,COに酸素分子を与え、酸化・浄化を促進する。
上記三元触媒42の上流側の排気通路4には空燃比センサ(A/Fセンサ)76が配置されている。この空燃比センサ(排気ガスセンサ)76は、例えば限界電流式の酸素濃度センサが適用されており、広い空燃比領域に亘って空燃比に対応した出力電圧を発生する構成となっている。つまり、図3に示すように、三元触媒42の上流側の空燃比(A/F)に応じた電圧信号vabyfsを出力するようになっている。この図3から明らかなように、この空燃比センサ76によれば、広範囲にわたる空燃比を精度良く検出することができる。
また、三元触媒42の下流側の排気通路4には酸素センサ(O2センサ)77が配置されている。この酸素センサ(排気ガスセンサ)77は、例えば起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサが適用されており、図4に示すように、理論空燃比において急変する電圧Voxsを出力するようになっている。より具体的に述べると、この酸素センサ77は、例えば、空燃比が理論空燃比よりもリーンのときは略0.1(V)、空燃比が理論空燃比よりもリッチのときは略0.9(V)、及び空燃比が理論空燃比のときは略0.5(V)の電圧を出力するようになっている。
これら空燃比センサ76および酸素センサ77の発生する信号は、それぞれA/D変換された後に、エンジンECU6に入力される。
そして、吸気通路3には燃料噴射用のインジェクタ35が配置されている。このインジェクタ35には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路3に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室11に導入される。燃焼室11に導入された混合気(燃料+空気)は、エンジン1の圧縮行程を経た後、点火プラグ2にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室11内での燃焼・爆発によりピストン12が往復運動してクランクシャフト13が回転する。
−制御ブロックの説明−
以上のエンジン1の運転状態は上記エンジンECU6によって制御される。このエンジンECU6は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63およびバックアップRAM64などを備えている。
以上のエンジン1の運転状態は上記エンジンECU6によって制御される。このエンジンECU6は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63およびバックアップRAM64などを備えている。
ROM62は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。
CPU61は、ROM62に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。
RAM63は、CPU61での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。
バックアップRAM64は、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらROM62、CPU61、RAM63およびバックアップRAM64は、バス67を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路65および外部出力回路66と接続されている。
外部入力回路65には、上記クランクポジションセンサ71、水温センサ72、エアフローメータ73、吸気温センサ74、スロットル開度センサ75、空燃比センサ76、酸素センサ77の他に、アクセル開度センサ78、カム角センサ79、ノックセンサ7A等が接続されている。一方、外部出力回路66には、上記スロットルバルブ33を駆動するスロットルモータ34、上記インジェクタ35、イグナイタ21等が接続されている。
クランクポジションセンサ71は、上述した如くクランクシャフト13の近傍に配設されており、クランクシャフト13の回転角(クランク角CA)および回転速度(エンジン回転数Ne)を検出するものである。
上記水温センサ72は、上記シリンダブロック17に形成されているウォータジャケット17a内を流れる冷却水の温度を検出し、その冷却水温信号をエンジンECU6に送信する。
エアフローメータ73は、吸入空気量を検出し、その吸入空気量信号をエンジンECU6に送信する。
吸気温センサ74は、上記エアフローメータ73と一体的に設けられ、吸入空気温度を検出して、その吸気温信号をエンジンECU6に送信する。
スロットル開度センサ75は、上記スロットルバルブ33の開度を検出し、そのスロットル開度信号をエンジンECU6に送信する。
空燃比センサ76は、燃焼室11から排出された排気(三元触媒42の上流側における排気)の空燃比に対応した出力電圧を発生し、その出力電圧信号をエンジンECU6に送信する。
酸素センサ77は、三元触媒42の下流側における排気の酸素濃度に対応した出力電圧を発生し、その出力電圧信号をエンジンECU6に送信する。
アクセル開度センサ78は、ドライバにより操作されるアクセルペダルの開度(操作量)を検知し、その開度信号をエンジンECU6に送信する。
カム角センサ79は、吸気カムシャフトの近傍に配設されており、例えば第1番気筒の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力することにより気筒判別センサとして使用される。つまり、このカム角センサ79は、吸気カムシャフトの1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサによるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフトと回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ79を配置し、吸気カムシャフトの回転に伴って外歯がカム角センサ79の近傍を通過した際に、このカム角センサ79が出力パルスを発生するようになっている。このロータはクランクシャフト13の1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフト13が720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば第1番気筒が圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
ノックセンサ7Aは、シリンダブロック17に伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサである。
そして、エンジンECU6は、上記した各種センサの検出信号に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。例えば、エンジン1の排気通路4に配置した空燃比センサ76および酸素センサ77の各出力に基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出し、その算出した酸素濃度から得られる実際の空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致するように、インジェクタ35から吸気通路3に噴射する燃料噴射量を制御する「空燃比フィードバック制御」を実行する。
−空燃比フィードバック制御−
次に、上記空燃比フィードバック制御の具体的な動作手順について説明する。
次に、上記空燃比フィードバック制御の具体的な動作手順について説明する。
上記三元触媒42は、空燃比がほぼ理論空燃比のときに未燃成分(HC,CO)を酸化し、同時に窒素酸化物(NOx)を還元する機能を発揮する。更に、この三元触媒42は、上述した如く、酸素を吸蔵する機能(酸素吸蔵機能、O2ストレージ機能)を有し、この酸素吸蔵機能により、空燃比が理論空燃比からある程度まで偏移したとしても、HC,COおよびNOxを浄化することができる。即ち、エンジン1の空燃比がリーンとなって三元触媒42に流入するガスにNOxが多量に含まれると、三元触媒42はNOxから酸素分子を奪ってこの酸素分子を吸蔵するとともにNOxを還元し、これによりNOxを浄化する。また、エンジン1の空燃比がリッチになって三元触媒42に流入するガスにHC,COが多量に含まれると、三元触媒42はこれらに吸蔵している酸素分子を与えて酸化し、これによりHC,COを浄化する。
従って、三元触媒42が、連続的に流入する多量のHC,COを効率的に浄化するためには、この三元触媒42が酸素を多量に貯蔵していなければならず、逆に、連続的に流入する多量のNOxを効率的に浄化するためには、この三元触媒42が酸素を十分に吸蔵できる状態にあることが必要となる。以上のことから明らかなように、三元触媒42の浄化能力は、この三元触媒42が吸蔵し得る最大の酸素量(最大酸素吸蔵量)に依存する。
一方、三元触媒42は燃料中に含まれる鉛や硫黄等による被毒、或いは触媒に加わる熱により劣化し、これに伴い最大酸素吸蔵量が次第に低下してくる。このように最大酸素吸蔵量が低下した場合であっても、エミッションを良好に維持するには、三元触媒42から排出されるガスの空燃比が、理論空燃比に極めて近い状態となるように制御する必要がある。
そこで、本実施形態では、エンジン1の排気に関する状態量の一つである酸素センサ77の出力が理論空燃比に略相当する目標値Voxsrefとなるように、酸素センサ77の出力Voxs(即ち、三元触媒42下流の空燃比)に応じてエンジン1の空燃比をフィードバック制御する。
なお、本実施形態では、空燃比センサ76の出力vabyfsにも応じて空燃比をフィードバック制御し、これをメインフィードバック制御と称呼する。これに対し、酸素センサ77の出力による空燃比フィードバック制御をサブフィードバック制御と称呼する。
上記メインフィードバック制御では、空燃比センサ76の出力を基礎として検知される排気空燃比が、理論空燃比と一致するように、インジェクタ35からの燃料噴射量の増減が調整される。より具体的には、検知された排気空燃比が理論空燃比よりリッチであれば、燃料噴射量が減量調整され、逆に、その排気空燃比が理論空燃比よりリーンであれば、燃料噴射量が増量調整される。
このメインフィードバック制御によれば、理想的には、三元触媒42に流れ込む排気ガスの空燃比を理論空燃比に維持することができる。そして、その状態が厳密に維持されれば、三元触媒42の吸蔵酸素量がほぼ一定量に保たれるため、その下流に未浄化の成分を含む排気ガスが流出してくるのを完全に阻止することができる。
しかしながら、空燃比センサ76の出力にはある程度の誤差が含まれている。また、インジェクタ35の噴射特性にもある程度のバラツキがある。このため、現実的には、メインフィードバック制御を実行するだけで三元触媒42の上流の排気空燃比を厳密に理論空燃比に制御することは困難である。
以上のような理由により、メインフィードバック制御が実行されていても、三元触媒42の下流には未浄化の成分を含む排気ガスが流出してくることがある。つまり、メインフィードバック制御が実行されていても、三元触媒42の上流の排気空燃比は、全体としてリッチ側或いはリーン側に偏ることがあり、その結果、三元触媒42の下流には、HCやCOを含むリッチな排気ガス、或いは、NOxを含むリーンな排気ガスが流出してくることがある。
このような流出が生ずると、酸素センサ77は、排気ガスの空燃比に応じてリッチ出力或いはリーン出力を発生する。このため、本実施形態のシステムでは、酸素センサ77からリッチ出力が発せられた場合には、三元触媒42の上流の排気空燃比が全体としてリッチ側に偏っていたと判断することができ、また、酸素センサ77からリーン出力が発せられた場合には、三元触媒42の上流の排気空燃比が全体としてリーン側に偏っていたと判断することができる。
サブフィードバック制御では、酸素センサ77の出力が理論空燃比よりリーンの空燃比を表す値となると、この酸素センサ77の出力Voxsと理論空燃比に略相当する目標値Voxsrefとの偏差を比例・積分処理(PID処理)してサブフィードバック補正量vafsfbを求める。そして、このサブフィードバック補正量vafsfb分だけ空燃比センサ76の出力vabyfsを補正し、これにより、エンジン1の実際の空燃比が、空燃比センサ76の検出空燃比よりも見かけ上リーン側であるように設定し、その補正した見かけ上の空燃比が目標空燃比(エンジン1の目標空燃比、ここでは理論空燃比)となるようにフィードバック制御する。
同様に、酸素センサ77の出力が理論空燃比よりリッチの空燃比を表す値となると、この酸素センサ77の出力Voxsと理論空燃比に略相当する目標値Voxsrefとの偏差を比例・積分処理(PID処理)してサブフィードバック補正量vafsfbを求める。そして、このサブフィードバック補正量vafsfb分だけ空燃比センサ76の出力vabyfsを補正し、これにより、エンジン1の実際の空燃比が、空燃比センサ76の検出空燃比よりも見かけ上リッチ側であるように設定し、その補正した見かけ上の空燃比が目標空燃比(エンジン1の目標空燃比、ここでは理論空燃比)となるようにフィードバック制御する。
以上により、三元触媒42の下流の空燃比が同部位における目標空燃比(略理論空燃比)と一致せしめられる。
また、このサブフィードバック制御は、経時的な変化に対応するべく、その補正の速度は上記メインフィードバック制御による補正速度よりも低くなっている。また、このサブフィードバック制御の学習動作により得られた学習値(サブフィードバック補正量)は、上記バックアップRAM64に記憶され、学習動作が行われる度に更新されていく。
以上のような、メインフィードバック制御による短期的な変化に対応する補正値と、サブフィードバック制御による経時的な変化に対応する学習値と和がフィードバック補正量として求められて燃料噴射量が増量調整または減量調整されることになる。
特に、本実施形態に係るサブフィードバック制御では、サブフィードバック学習動作時における学習ゲインを学習動作の途中で変更するようになっている。具体的には、学習動作の初期期間、学習動作の完了判定期間、学習動作の完了判定後の順で学習ゲインを徐々に小さく設定している。このため、学習値が大きくずれている場合であっても、学習初期期間における大きな学習ゲインによって学習値を大きく補正することができ(学習速度を高めることができ)、その補正後には、学習ゲインを小さく設定することで、学習値が再び大きくずれてしまうといったことを回避できるようにしている。また、上記学習動作の初期期間、つまり学習ゲインを大きく設定する期間は、その他の期間、つまり学習ゲインを小さく設定する期間よりも短く設定している。以上が本実施形態における空燃比フィードバック制御である。
−アクティブ制御−
次に、排気系の診断動作(三元触媒42の劣化判定動作)であるアクティブ制御について説明する。
次に、排気系の診断動作(三元触媒42の劣化判定動作)であるアクティブ制御について説明する。
このアクティブ制御は、酸素センサ77がリーン出力を発している場合に、エンジン1に供給する混合気の空燃比(目標空燃比)を強制的にリッチ側に設定し、その後、酸素センサ77がリッチ出力を発するようになると、エンジン1に供給する混合気の空燃比(目標空燃比)を強制的にリーン側に切り換える。このようにして、酸素センサ77の検出値がリッチ/リーンで反転する毎に、混合気の目標空燃比を、リーン側とリッチ側との間で反転させる。
このアクティブ制御によって三元触媒42の劣化診断を行う場合、上記目標空燃比の反転動作に伴って、三元触媒42が酸素を一杯に吸蔵した状態と、吸蔵酸素を完全に放出した状態とが繰り返し実現される。従って、それらの期間内に、触媒に流入した酸素量を積算したり、或いは、触媒に流入した排気ガス中の酸素不足量を積算することで三元触媒42の酸素吸蔵能力(最大酸素吸蔵量)Cmaxを計算により求める。Cmaxの算出手順については上述したので、ここでの説明は省略する。
一方、上記アクティブ制御によって酸素センサ77の故障診断を行う場合、酸素センサ77の検出値がリッチ/リーンで反転する状況が生じない場合には酸素センサ77に故障が発生していると判断することができる。
尚、これら三元触媒42の劣化診断および酸素センサ77の故障診断は同時並行することも可能である。
−Cmax補正動作−
本実施形態の特徴は、上述したアクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量を補正することにより、正確な最大酸素吸蔵量を求める動作にある。
本実施形態の特徴は、上述したアクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量を補正することにより、正確な最大酸素吸蔵量を求める動作にある。
つまり、上記アクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量は、上記サブフィードバック制御によるサブフィードバック補正量の影響を受け、真の値からずれた状態で算出されている可能性がある。即ち、上記酸素センサ77の出力信号に基づいた上記サブフィードバック制御による補正量(サブフィードバック補正量)の分だけアクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが適正な値(理論空燃比を制御中心値として互いに同一幅だけリッチ側およびリーン側に移行させた目標空燃比)からずれた状態で算出されている可能性がある。
例えば、サブフィードバック補正量がリッチ側の値に設定されている場合には、アクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが、適正な値から、このサブフィードバック補正量だけリッチ側にずれてしまうことになる。逆に、サブフィードバック補正量がリーン側の値に設定されている場合には、アクティブ制御実行時におけるリッチ側の目標空燃比とリーン側の目標空燃比とが、適正な値から、このサブフィードバック補正量だけリーン側にずれてしまうことになる。
このように、サブフィードバック補正量による悪影響を受けてしまい、本来、理論空燃比に対して互いに同一幅だけリッチ側およびリーン側に移行させた値としてリッチ目標値およびリーン目標値を設定すべきであるアクティブ制御に対し、これら目標値が適正な値からずれた状態で上記触媒劣化判定が行われることになる。その結果、触媒の酸素吸蔵能力を適切に診断することができなくなる可能性があった。
本実施形態では、この点に鑑み、上記サブフィードバック補正量の悪影響を排除するようなCmax補正動作を実施することによって、正確な三元触媒42の最大酸素吸蔵量が求められるようにしている。以下に具体的に説明する。
上記Cmax補正動作では、上述したアクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量(補正前の最大酸素吸蔵量:ecmaxd)に対し、「基準サブフィードバック値」および「アクティブ制御実行中のサブフィードバック補正量の平均値(以下、単に、サブフィードバック補正量平均値と呼ぶ)」に基づいた「Cmax補正量」を求め、上記補正前の最大酸素吸蔵量(ecmaxd)に対して、この「Cmax補正量」を加算することで、補正後のCmax値、つまり、三元触媒42の真の最大酸素吸蔵量を求めるようにしている(最大酸素吸蔵量補正手段による最大酸素吸蔵量の補正動作)。そのための演算式を以下の演算式(1)に示す。
補正後のCmax値=ecmaxd+K×{(基準サブフィードバック値)−(サブフィードバック補正量平均値)} …(1)
ここで、ecmaxdは、補正前の最大酸素吸蔵量、つまり、上記アクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量であり、上述したサブフィードバック補正量の影響による誤差分を含んだ値である。
ここで、ecmaxdは、補正前の最大酸素吸蔵量、つまり、上記アクティブ制御によって得られた三元触媒42の最大酸素吸蔵量であり、上述したサブフィードバック補正量の影響による誤差分を含んだ値である。
Kは、上記サブフィードバック補正量がCmax値に与える影響度合いに応じた比例定数である。この比例定数Kは、三元触媒42の大きさ(容量)や三元触媒42の劣化度合いに応じて変化する値である。具体的には、三元触媒42の大きさが大きいほど(つまり、初期の(三元触媒42新品時の)最大酸素吸蔵量が大きいほど)Kの値も大きくなり、三元触媒42の劣化度合いが大きいほど(劣化が進んでいるほど)Kの値は小さくなる。この三元触媒42の劣化度合いは、前回実施されたアクティブ制御によって求められた補正後のCmax値に応じて変更されていく。つまり、この比例定数Kはアクティブ制御が実施される度に更新されていく値である。これら三元触媒42の大きさおよび劣化度合いと比例定数Kとの関係は、実験的または経験的に求められ、予めマップ化されて上記エンジンECU6のROM62に格納されている。
「基準サブフィードバック値」とは、上記アクティブ制御実行中に三元触媒42の内部を理論空燃比(ストイキ)に補正するための補正量の平均値である。つまり、この三元触媒42の内部のA/F雰囲気を排気の浄化率が良好となる状態にするための補正値の平均値である。具体的には、上記サブフィードバック補正量を求めるための演算式は、上記PID処理による補正項と、エンジン1などの経時的な変化に対応する学習値としての補正項と、三元触媒42の内部を理論空燃比(ストイキ)に補正するための補正量であってエンジン負荷に応じて決定される補正項とから成る。そして、上記「基準サブフィードバック値」は、この第3の補正項(三元触媒42の内部を理論空燃比に補正するための補正量)のアクティブ制御実行中における平均値として求められる。
「サブフィードバック補正量平均値」は、上記アクティブ制御実行中に変化していくサブフィードバック補正量(上述したサブフィードバック補正量を求めるための演算式のうちの特に第2の補正項と第3の補正項との影響により変化する補正量)を所定のサンプリングタイミング毎に読み取っていき、その積算値をサンプリング回数によって除した値である。また、このサブフィードバック補正量は、主にアクティブ制御実行中のエンジン負荷に応じて変化していくものであり、予め、エンジン負荷とサブフィードバック補正量との関係はエンジンECU6のROM62に格納されている。このため、エンジン負荷を読み込んでその平均値を算出することにより、上記「サブフィードバック補正量平均値」を求めることも可能である。尚、この「サブフィードバック補正量平均値」の算出手法はこれに限定されるものではない。
尚、上記演算式(1)の右辺の第2項である”K×{(基準サブフィードバック値)−(サブフィードバック補正量平均値)”が本発明でいう吸蔵補正量に相当する。
上述したCmax補正動作の概念を、図5を用いて説明する。この図5は、横軸がサブフィードバック値であり、縦軸がCmax値である。
この図5に示すように、予め、バックアップRAM64に書き込まれている上記「基準サブフィードバック値」と「比例定数K」とを取得しておき、上記アクティブ制御実行後に「サブフィードバック補正量平均値」を算出する。そして、「基準サブフィードバック値」と「サブフィードバック補正量平均値」との偏差(図中のL)が求められ、この偏差Lに、上記「比例定数K」を乗算した値が、求めるべき真の最大酸素吸蔵量と、上記アクティブ制御の実行によって求められた「補正前の最大酸素吸蔵量(ecmaxd)」との間の偏差(図中のCmax補正量)として得られる。このため、上記「補正前の最大酸素吸蔵量(ecmaxd)」に対して、上記偏差(図中のCmax補正量)を加算することによって真の最大酸素吸蔵量(サブフィードバック補正量の悪影響が排除された真のCmax値:図中の補正後のCmax)が求められることになる。
図6は、上述したCmax補正動作の制御手順を示すフローチャートである。先ず、アクティブ制御の実行条件が成立すると、ステップST1においてアクティブ制御が開始される。このアクティブ制御の実行条件は、例えば、前回のアクティブ制御が完了してから所定時間または所定走行距離を経ており、且つ車速が一定であり、アクセル開度が大きく変化していないときなどに成立する。そして、ステップST2において、このアクティブ制御によって算出されるecmaxd(補正前の最大酸素吸蔵量)の算出動作が完了したか否かを判定する。
ecmaxdの算出動作が完了し、ステップST2でYES判定されると、ステップST3に移り、今回のアクティブ制御の実行中におけるサブフィードバック補正量の平均値を算出する。つまり、上述した如く、フィードバック制御中に読み取ったサブフィードバック補正量の平均値を求める。
その後、ステップST4に移り、上述した演算式(1)に、上記ecmaxdおよびサブフィードバック補正量平均値を当て嵌めて補正後のCmax値を算出する。この際、上記比例定数Kおよび基準サブフィードバック値はバックアップRAM64から読み出される。
更に、その後、ステップST5に移り、上記ステップST4で算出されたCmax値に対し、触媒温度に応じた補正を行うことで真の最大酸素吸蔵量を求める。ここで、触媒温度に応じた補正は、エンジン1の運転状態などに基づいて推定される触媒温度(触媒推定温度)に基づき、例えば触媒推定温度が高いほど最大酸素吸蔵量を大きな値に補正するような動作を行う。この触媒推定温度と最大酸素吸蔵量に対する補正量との関係は、実験的または経験的に求められ、予めマップ化されて上記エンジンECU6のROM62に格納されている。
以上説明したように、本実施形態では、アクティブ制御で求められた最大酸素吸蔵量に対し、上記サブフィードバック補正量をパラメータとして最大酸素吸蔵量を補正する上記演算式(1)による補正動作によって、三元触媒42の真の最大酸素吸蔵量を得ることができる。その結果、正常な触媒を劣化した触媒として判定してしまったり、逆に、劣化した触媒を正常な触媒として判定してしまうといったことが回避され、三元触媒42の酸素吸蔵能力を適切に診断することができて触媒劣化判定の信頼の向上を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、触媒劣化判定装置を自動車用4気筒ガソリンエンジン1に適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンに対しても適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
以上説明した実施形態は、触媒劣化判定装置を自動車用4気筒ガソリンエンジン1に適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンに対しても適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、サブフィードバック学習動作時における学習ゲインを学習動作の途中で変更するようにしたものに対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、学習ゲインを変更することなしにサブフィードバック学習動作を行うものに対しても適用可能である。
また、上記実施形態では、上記比例定数Kを、三元触媒42の大きさおよび劣化度合いの両方に応じて変化する値としていたが、これらのうちの一方のみに応じて変化する値として設定されていてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン1の運転状態などに基づいて触媒温度を推定していたが、センサにより触媒温度を取得するようにしてもよい。例えば、三元触媒42に触媒温度センサを設けておき、その出力信号に基づいて触媒温度を検知することが挙げられる。
1 エンジン(内燃機関)
4 排気通路
42 三元触媒
76 空燃比センサ(上流側排気ガスセンサ)
77 酸素センサ(下流側排気ガスセンサ)
4 排気通路
42 三元触媒
76 空燃比センサ(上流側排気ガスセンサ)
77 酸素センサ(下流側排気ガスセンサ)
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に設けられた触媒の上流側および下流側に排気ガスセンサがそれぞれ設けられ、内燃機関の空燃比が目標空燃比になるように各排気ガスセンサの出力値に基づくフィードバック補正量によって空燃比を制御する空燃比フィードバック制御と、触媒上流の排気空燃比を強制的にリッチ側およびリーン側の間で交互に切り換えることにより触媒の最大酸素吸蔵量を求める触媒劣化判定動作とを行う内燃機関において、
上記触媒下流側の排気ガスセンサの出力値に基づくサブフィードバック補正量によって吸蔵補正量を求め、上記触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量を上記求められた吸蔵補正量によって補正することで補正後の最大酸素吸蔵量を算出する最大酸素吸蔵量補正手段を備えていることを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 上記請求項1記載の内燃機関の触媒劣化判定装置において、
上記吸蔵補正量は、上記触媒劣化判定動作中におけるサブフィードバック補正量の平均値に基づいて算出されることを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 上記請求項1または2記載の内燃機関の触媒劣化判定装置において、
上記吸蔵補正量は、触媒の容量が大きいほど大きな値として求められることを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 上記請求項1、2または3記載の内燃機関の触媒劣化判定装置において、
上記吸蔵補正量は、触媒の劣化度合いが大きいほど小さな値として求められることを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 上記請求項1記載の内燃機関の触媒劣化判定装置において、
上記最大酸素吸蔵量補正手段は、
以下の演算式、
補正後の最大酸素吸蔵量=ecmaxd+K×{(基準サブフィードバック値)−(サブフィードバック補正量平均値)} …(1)
・ecmaxd:触媒劣化判定動作によって求められた触媒の最大酸素吸蔵量(補正前の最大酸素吸蔵量)、
・K:サブフィードバック補正量が最大酸素吸蔵量に与える影響度合いに応じた比例定数であり、触媒の大きさが大きいほど大きく設定され、また、触媒の劣化度合いが大きいほど小さく設定される値、
・基準サブフィードバック値:触媒劣化判定動作中に触媒の内部を理論空燃比に補正するための補正量の平均値、
・サブフィードバック補正量平均値:触媒劣化判定動作中に変化していくサブフィードバック補正量の平均値
によって補正後の最大酸素吸蔵量を算出することを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。 - 上記請求項1〜5のうち何れか一つに記載の内燃機関の触媒劣化判定装置において、
上記空燃比フィードバック制御では、触媒上流側の排気ガスセンサの出力値に基づいて内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御するメインフィードバック制御と、触媒下流側の排気ガスセンサの出力値に基づいて内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように上記触媒上流側の排気ガスセンサの出力値を補正するサブフィードバック制御とが実行されるよう構成されていることを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置。
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012097671A (ja) * | 2010-11-02 | 2012-05-24 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射量制御装置 |
| US8826642B2 (en) | 2010-04-13 | 2014-09-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Device for purifying exhaust gas of internal combustion engine |
| CN105317511A (zh) * | 2014-07-23 | 2016-02-10 | 丰田自动车株式会社 | 内燃机的排气净化装置 |
| CN113670389A (zh) * | 2021-09-28 | 2021-11-19 | 潍柴动力股份有限公司 | 三元催化器老化测试方法、装置、设备、存储介质及程序 |
-
2008
- 2008-08-18 JP JP2008209897A patent/JP2010043624A/ja not_active Withdrawn
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