(実施形態の詳細な説明)
本開示を通して、種々の刊行物、特許および公開された特許明細書は、引用を同定することによって参照される。これらの刊行物、特許および公開された特許明細書の開示は、本明細書によって、本発明が属する技術水準をより十分に記載する本開示に参考として援用される。
本発明の他の目的、特徴、利点および局面は、以下の記載から以下の記載から当業者に明らかとなる。しかし、以下の記載及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施例を示す一方で、例示目的でのみ与えられることが、理解されるべきである。開示された本発明の精神および範囲内における種々の変更および改変は、以下の記載および本開示の他の部分を読むことから当業者に容易に明らかとなる。
一般的技術:
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の技術範囲内である免疫学、生物化学、化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、ゲノミクスおよび組換えDNAの従来技術を使用する。Sambrook、Fritsch and Maniatis、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubelら編、(1987));METHODS IN ENZYMOLOGYのシリーズ(Academic Press,Inc.):PCR 2:A PRACTICAL APPROACH(MJ.MacPherson、B.D.HamesおよびG.R.Taylor編(1995))、HarlowおよびLane編(1988)ANTIBODIES、A LABORATORY MANUAL,and ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Freshney編(1987))を参照のこと。
定義:
明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り複数を含む。例えば、用語「細胞」は、複数の細胞(その混合物を含む)を含む。
用語「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸」および「オリゴヌクレオチド」は、交換可能に使用される。それらは、任意の長さの、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれか、あるいはそのアナログのヌクレオチドの重合体形態をいう。ポリヌクレオチドは、任意の3次元構造を有することができ、そして既知または未知の任意の機能を行い得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子フラグメントのコード領域または非コード領域、連鎖解析から規定された遺伝子座(遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド(例えば、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログ)を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する改変は、重合体の組み立ての前後に与えられ得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、(例えば、標識成分との結合体化によって)重合体化後にさらに改変され得る。
本明細書中で使用される場合、「発現」とは、ポリヌクレオチドがmRNAへと転写されるプロセスおよび/または転写されたmRNA(「転写物」ともいう)が次いでペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質へと翻訳されるプロセスをいう。転写物およびコードされたポリペプチドは、「遺伝子産物」と総称される。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核生物細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
用語「示差的に発現される」とは、被験体においてヌクレオチド配列またはポリペプチド配列に適用される場合、コントロールにおいて検出されるものと比較してその配列の多い発現または少ない発現をいう。少ない発現はまた、コントロールと比較して試験被験体において検出可能な発現の欠如によって証明されるような特定の配列の発現の欠如を包含する。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸の重合体を称するために、交換可能に使用される。上記重合体は、直鎖状または分枝状であり得、それは改変されたアミノ酸を含み得、そしてそれは非アミノ酸によって中断され得る。用語はまた、以下で改変されたアミノ酸重合体を包含する;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作(例えば、標識成分との結合体化)。本明細書中で使用される場合、用語「アミノ酸」とは、天然アミノ酸および/または非天然アミノ酸のいずれかあるいは合成アミノ酸(グリシンおよびD光学異性体またはL光学異性体の両方、およびアミノ酸アナログおよびペプチド模倣物)をいう。
「被験体」、「個体」または「患者」は、本明細書中で交換可能に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトをいう。哺乳類としては、マウス(マウス)、ラット、イヌ、ブタ、類人猿(サル)、家畜、競技用動物、およびペットが挙げられるが、これらに限定されない。組織、細胞およびインビボで得られた生物学的実体またはインビトロで培養された生物学的実体のそれらの子孫がまた、包含される。
本明細書中で使用される場合、「細胞」は、通常の生物学的な意味において使用され、そして多細胞生物全体をいわない。細胞は、例えば、インビトロ(例えば、細胞培養)、多細胞生物(例えば、鳥、植物およびヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌ、ネコ、マウスまたはラットなどの哺乳類が挙げられる)であり得る。
用語「薬剤」および「生物学的に活性な薬剤」は、交換可能に使用され、そして記載される文脈における複数の参考文献を包含する。本明細書に記載される動物モデルアッセイまたは細胞培養アッセイにおいて使用される「生物学的に活性な薬剤」は、生物学的化合物または化学的化合物(例えば、単一または複数の有機分子または無機分子、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質(例えば抗体)、炭水化物含有分子、リン脂質、リポソーム、低分子干渉RNA、またはポリヌクレオチド(例えばアンチセンス)からなる群から選択され得る。さらに、複雑な有機分子または無機分子を含むこのような薬剤は、化合物の不均一な混合物(例えば、粗植物抽出物または精製された植物抽出物)を含み得る。
用語「コントロール」は、比較目的のための実験において使用される代替的な被験体、細胞またはサンプルである。さらに、「コントロール」はまた、異なる時点の比較のための実験における同じ被験体、細胞またはサンプルを示し得る。
用語「関門」は、血液脳関門(BBB)の参照において使用される。さらに、用語「関門」はまた、BBB機能に関与する細胞表面タンパク質をいうために使用される。
用語「標的」、「標的とする」、「標的とすること」とは、薬剤に適用される場合、使用される特定の文脈において直接的または間接的に機能または効果を及ぼす薬剤をいう。例えば、抗体が抗原を「標的とする」場合、抗体は、その抗原に特異的である。他の場合において、薬剤が抗原(例えば、NgRH1)を「標的とする」場合、例えば、その抗原との直接相互作用または同じかもしくは関連する経路において作用する他の中間体メッセンジャー分子を介する抗原との間接的会合による、抗原の活性(例えば、NgRH1活性またはシグナル伝達経路)および/または発現に対する効果を直接的または間接的に断定し得る。
用語「回復すること」、「回復される」または「回復」は、交換可能に使用され、そして透過性の状況(context)に現在存在しない状態に復帰させることを意味する。
用語「モジュレートすること」、「モジュレートされる」または「モジュレーション」は、交換可能に使用され、そして所定の状況の直接的または間接的な変化を意味する。例えば、透過性のモジュレーションは、減少または増大し得る。
タンパク質を称するために使用される場合、「NgR2」(Nogoレセプター2)としても知られる「NgRH1」(Nogoレセプターホモログ1)は、全長タンパク質のフラグメント、選択的スプライス改変体、対立遺伝子ホモログを包含し、それらは、BBBの透過性に関わる。
「BBB関連障害」は、コントロールまたは参照(同じ被験体における時間的コントロールまたは参照を含む)と比較して閉鎖または開放する(即ち、透過性を減少または増大させる)BBBをもたらす任意の障害、状態または疾患を含む。
「相補性」とは、伝統的なWatson−Crick型または他の非伝統的な型のいずれかによって別のRNA配列と水素結合を形成する核酸の能力をいう。本発明の核酸分子に対する参照において、核酸分子とその標的または相補的配列との結合自由エネルギーは、核酸の関連する機能が進行(例えば、酵素的な核酸切断、アンチセンスまたは三重らせん体の阻害)することを可能にするために十分である。核酸分子の結合自由エネルギーの決定は、当該分野において周知である(例えば、Turnerら、1987、CSH Symp.Quant.Biol.LII pp.123−133;Frierら、1986、Proc.Nat.Acad.Sci USA 83:9373−9377;Turnerら、1987、J.Am.Chem.Soc.109:3783−3785を参照のこと)。%相補性は、第2の核酸配列と水素結合(例えば、Watson−Crick塩基対形成)を形成し得る核酸分子中の隣接する残基の%を示す(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、および100%相補的である10個のうちの5個、6個、7個、8個、9個、10個)。「完全に相補的」は、核酸配列中の全ての隣接する残基が第2の核酸配列中の同じ数の隣接する残基と水素結合することを意味する。
用語「治療剤」、「治療可能な薬剤」または「治療薬」は、交換可能に使用され、そして被験体に対する投与の際にいくつかの有利な効果を与える分子または化合物をいう。上記有利な効果は、診断的決定の使用可能性、疾患、障害または病理学的状態の寛解、疾患、障害または状態の発症の減少または予防、そして一般に、疾患、障害または病理学的状態の相殺を含む。
(BBB透過性のモジュレーション)
1つの局面において、本発明は、血液脳関門(BBB)の透過性をモジュレートする方法を提供する。その方法は、被験体に薬剤を投与することを包含し、その薬剤は、脳に存在するNgRH1細胞表面レセプターを標的とする。
上記方法は、部分的に、NgRH1がBBBを構成する内皮細胞(特に、内皮細胞の管腔の膜)において優勢に発現される関門タンパク質であるという観察を利用する。NgRH1は漏出性の脈管(肝臓、心臓、肺、筋肉、および脳室周囲の器官のものを含む)において低いレベルで発現されるか、または存在さえしないことが、本明細書中で示されている。
本方法の実施において、BBBの透過性に関与するNgRH1標的は、本明細書中に例示されるアミノ酸配列を有するタンパク質またはその任意のスプライス改変体(例えば、本明細書に添付された図面に例示される配列によってコードされる改変体)であり得る。少なくとも約70%、80%、90%、95%、98%、または99%でさえの配列相同性を示す他のNgRH1レセプターもまた、標的とされ得る。当業者は、配列アライメントを行うか、または相同性検索を実施することによって標的の選択を確認することができ、それらは、しばしばコンピューターによる方法の支援によって行われる。一般に、同定する%配列は、2つが最適に整列される場合、問い合わせ配列と既知の配列との間におけるヌクレオチドまたはアミノ酸の一致の数の割合によって規定される。種々のソフトウェアプログラムが、当該分野において利用可能である。これらのプログラムの非限定的な例は、BlastおよびFastaである。遺伝子またはそのセグメントに対応するDNA配列を含む任意の配列データベースは、配列分析のために使用され得る。一般的に使用されるデータベースとしては、GenBank、EMBL、DDBJ、PDB、SWISS−PROT、EST、STS、GSS、およびHTGSが挙げられるが、これらに限定されない。配列類似性は、推定上の標的配列を核酸配列データベースまたはタンパク質データベースに対して整列することによって識別され得る。
目的の薬剤は、レセプターに直接結合することによってか、またはレセプターの活性もしくはシグナル伝達経路に対する作用を間接的に会合することによってNgRH1レセプターを標的とし得る。特に、上記薬剤は、同じかまたは関連する経路において作用する他の中間体メッセンジャー分子を介するレセプターとの間接的に会合し得る。NgRH1レセプターを標的とするために使用され得る適切な薬剤としては、生物学的化合物または化学的化合物(例えば、単一または複数の有機分子または無機分子、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質(例えば抗体)、炭水化物含有分子、リン脂質、リポソーム、低分子干渉RNA、アンチセンスおよび外部ガイド配列、ならびにハンマーヘッド型リボザイム、DNAザイム、アロザイム、アプタマー、およびデコイが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のさらに別の局面において、1つ以上の抗NgRH1抗体が、被験体においてBBBの透過性をモジュレートするために投与される。いくつかの実施形態において、1つ以上の抗NgRH1抗体が、本明細書に記載される投与のための種々の投薬量および時間的局面を利用して被験体に投与される。
用語「抗体」とは、本明細書中で使用される場合、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分(即ち、抗原と特異的に結合(「免疫反応」)する抗原結合部位を含む分子)をいう。構造的に、もっとも単純な天然に存在する抗体(例えば、IgG)は、4つのポリペプチド鎖(ジスルフィド結合によって相互接続された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖)を含む。免疫グロブリンは、分子のいくつかの型(例えば、IgD、IgG、IgA、IgMおよびIgE)を含む分子の大きなファミリーを示す。用語「免疫グロブリン分子」は、例えば、ハイブリッド抗体、または変化した抗体、およびそれらのフラグメントを含む。抗体の抗原結合機能が天然に存在する抗体のフラグメントによって行われ得ることを示している。
本発明の適切な抗体は、非単鎖抗体および単鎖抗体を含み得る。非単鎖抗体の例としては、(i)米国特許第6,833,441号に記載されるccFvフラグメント;(ii)本明細書に記載される少なくとも1つのccFvフラグメントを含む任意の他の1価分子および多価分子;(iii)VLドメイン、VHドメイン、CLドメインおよびCH1ドメインからなるFabフラグメント;(iv)VHドメインおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(v)抗体の単腕のVLドメインおよびVHドメインからなるFvフラグメント;(vi)F(ab’)2フラグメント(ヒンジ領域にてジスルフィド架橋によって連結された2つのFabフラグメントを含む2価フラグメント);ならびに(vii)ダイアボディ(diabody)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の抗体は、「1価」または「多価」のいずれかであり得る。前者が、抗原結合ユニットあたり1つの結合部位を有するのに対して、後者は、同じかまたは異なる種類の1つより多くの抗原に結合し得る複数の結合部位を含む。結合部位の数に依存して、本発明の抗体は、2価(2つの抗原結合部位を有する)、3価(3つの抗原結合部位を有する)、4価(4つの抗原結合部位を有する)などであり得る。多価抗体は、それらの結合特異性に基づいてさらに分類され得る。「単一特異性」抗体は、同種の1つ以上の抗原に結合し得る分子である。「多重特異性」抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する分子である。
BBBの透過性をモジュレートするために、NgRH1レセプターの任意のエピトープに対する1価抗体または多価抗体(そのスプライス改変体を含む)を使用し得る。このようなエピトープは、上記レセプター配列のN末端、C末端、または中央に存在し得る(任意のロイシンが豊富な配列(例えば、図26を参照のこと))。上記エピトープは、少なくとも3個、好ましくは6個、7個、8個以上アミノ酸を含み得る。全長NgRH1レセプターに対する少なくとも1つの結合部位、およびNgRH1レセプターのスプライス改変体に対する別の結合部位を有する多重特異性抗体もまた、使用できる。所望される場合、上記多重特異性抗体は、CNS障害に関わる抗原に対する結合部位を含み得、この障害としては、脳腫瘍および別のBBBに関連する障害が挙げられるが、これらに限定されない。このような構造は、BBBの透過性に関わる抗原(例えば、NgRH1(そのスプライス改変体を含む))を標的させ、それによってBBBの透過性を増大させ、そして目的の疾患抗原を同時に標的させる。
二重特異性抗原結合ユニットの例としては、BBBの透過性に関わる抗原に対する一方の腕、および細胞傷害性誘発分子(BBBを通って送達される)に対する他の腕を有するものが挙げられる(例えば、抗FcγRI/抗CD15、抗p185HER2 /FcγRIII(CD16)、抗CD3/抗悪性B細胞(1D10)、抗CD3/抗p185HER2、抗CD3/抗p97、抗CD3/抗腎細胞癌、抗CD3/抗OVCAR−3、抗CD3/L−Dl(抗結腸癌)、抗CD3/抗メラニン細胞刺激ホルモンアナログ、抗EGFレセプター/抗CD3、抗CD3/抗CAMA1、抗CD3/抗CD19、抗CD3/MoV18、抗神経細胞接着分子(NCAM)/抗CD3、抗葉酸結合タンパク質(FBP)/抗CD3、抗全癌腫関連抗原(pan carcinoma associated antigen)(AMOC−31)/抗CD3;腫瘍抗原に特異的に結合する1つの腕および毒素に結合する1つの腕を有する二重特異性抗体(例えば、抗サポリン/抗Id−1、抗CD22/抗サポリン、抗CD7/抗サポリン、抗CD38/抗サポリン、抗CEA/抗リシンA鎖、抗インターフェロン−α(IFN−α)/抗ハイブリドーマイディオタイプ、抗CEA/抗ビンカアルカロイド);酵素によって活性化されるプロドラッグを変換するためのBsAb(例えば、抗CD30/抗アルカリホスファターゼ(リン酸マイトマイシンプロドラッグのマイトマイシンアルコールへの変換を触媒する));線維素溶解剤として使用され得る二重特異性抗体(例えば、抗フィブリン/抗組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、抗フィブリン/抗ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA));細胞表面レセプターに対する免疫複合体を標的とするための二重特異性抗原結合ユニット(例えば、抗低密度リポタンパク質(LDL)/抗Fcレセプター(例えばFcγRI、FcγRIIまたはFcγRIII));感染症の治療に使用するための二重特異性抗体(例えば、抗CD3/抗単純ヘルペスウイルス(HSV)、抗T細胞レセプター:CD3複合体/抗インフルエンザ、抗FcγR/抗HIV);インビトロまたはインビボでの腫瘍検出のための二重特異性抗体(例えば、抗CEA/抗EOTUBE、抗CEA/抗DPTA、抗p185HER2/抗ハプテン;ワクチンアジュバントとしてのBsAb(Fangerら、前出を参照のこと);ならびに診断ツールとしての二重特異性抗体(例えば、抗ウサギIgG/抗フェリチン、抗西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)/抗ホルモン、抗ソマトスタチン/抗サブスタンスP、抗HRP/抗FITC、抗CEA/抗β−ガラクトシダーゼ(Nolanら、前出を参照のこと))。三重特異性抗体の例としては、抗CD3/抗CD4/抗CD37、抗CD3/抗CD5/抗CD37および抗CD3/抗CD8/抗CD37が挙げられる。
適切な抗体は、無脊椎動物および脊椎動物を含む種々の種起源の免疫グロブリン分子である。好ましい抗体としては、ヒト遺伝子によって発現されるヒト抗体またはそのフラグメントが挙げられる。抗体はまた、非ヒト(例えば、げっ歯類または霊長類)抗体に適用されるようにヒト化され得、それは、ハイブリッド免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖または非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含むそのフラグメントである。ほとんどは、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは霊長類などの非ヒト種のCDR由来の残基(ドナー抗体)によって置換されるヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、上記ヒト化抗体は、レシピエント抗体においても移入されたCDRまたはフレームワーク配列においても見出されない残基を含み得る。ヒトの身体に導入される場合、これらの改変は、抗体の性能をさらに洗練および最適化し、そして免疫原性を最小化するために行われる。一般に、上記ヒト化抗体は、少なくとも1つ、そして代表的に2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここでCDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、そしてFR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。上記ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)(代表的に、ヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部を含み得る。
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野において周知である。「ヒト化」抗体は、配列の少なくとも一部がむしろヒト免疫グロブリンに近くするためにその最初の形態から変更されている抗体である。1つのバージョンにおいて、H鎖C領域およびL鎖C領域は、ヒト配列によって置換される。これは、V領域および異種免疫グロブリンC領域を含む融合ポリペプチドである。別のバージョンにおいて、CDR領域は、非ヒト抗体配列を含む一方で、Vフレームワーク領域はまた、ヒト配列に変換されている。例えば、EP 0329400を参照のこと。第3のバージョンにおいて、V領域は、ヒトV領域およびマウスV領域のコンセンサス配列を設計し、そしてコンセンサス配列間で異なるCDRの外側の残基を変更することによってヒト化される。
ヒト化抗体の作製において、フレームワーク残基の選択は、高い結合親和性を維持することにおいて重要であり得る。原理において、任意のHuAb由来のフレームワーク配列は、CDR移植のための鋳型として機能し得る;しかし、このようなフレームワーク中への直鎖状CDR置換は、抗原に対する結合親和性の著しい喪失をもたらし得る。Glaser(1992)J.Immunol.149:2606;Tempestら(1992)Biotechnology 9:266;およびShalabyら(1992)J.Exp.Med.17:217。より相同的なHuAbは、元のmuAbに対するものであり、ヒトフレームワークが親和性を減少させ得るマウスCDRに歪みを導入することが少なくなるようである。抗体配列データベースに対する配列相同性検索に基づいて、HuAb IC4は、muM4TS.22に対するフレームワークの良好な相同性を提供するが、他の高度に相同的なHuAbも、同様に適切である(ヒトサブグループI由来のκ L鎖またはヒトサブグループIII由来のH鎖)。Kabatら(1987)。種々のコンピュータープログラム(例えば、ENCAD(Levittら(1983)J.Mol.Biol.168:595)は、V領域についての理想的な配列を予想するために利用可能である。したがって、本発明は、異なるV領域を有するHuAbを包含する。適切なV領域配列を決定することおよびこれらの配列を最適化することは、当業者の技術範囲内である。減少した免疫原性を有する抗体を得るための方法はまた、米国特許第5,270,202号およびEP 699,755に記載される。
所望される場合、上記抗体は、抗原に対する高い親和性の維持および他の好ましい生物学的特性を伴ってヒト化される。この目的を達成するために、好ましい方法に従って、ヒト化抗体は、親配列およびヒト化配列の3次元モデルを使用する親配列および種々の概念的なヒト化産物の分析プロセスによって調製される。3次元免疫グロブリンモデルは、当業者によく知られている。適切な選択された候補免疫グロブリン配列の3次元コンホメーション構造を例示および表示するコンピュータープログラムが、利用可能である。これらの表示の検討は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の考えられる役割の分析(即ち、その抗原に結合する候補免疫グロブリンの能力に影響を及ぼす残基の分析)を可能にする。この方法において、FR残基は、所望の抗体の特徴(例えば、標的抗原に対する親和性の増大)が達成されるように、コンセンサス配列および移入配列から選択され、そして組み合わせられ得る。
本発明はまた、化学的に機能的な部分に結合体化される抗体を包含する。代表的に、上記部分は、検出可能なシグナルを生成し得る標識である。これらの結合体化抗体は、例えば、検出システム(例えば、ミエリン病変の定量、腫瘍量(tumor burden)の定量、ならびに転移病巣の画像化および腫瘍の画像化)において有用である。このような標識は、当該分野において公知であり、そしてその標識としては、放射性同位体、酵素、蛍光化合物、化学発光化合物、生物発光化合物、基質補因子およびインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、このような標識の使用を教示する特許、米国特許第第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号を参照のこと。上記部分は、抗体に共有結合されても、第2の試薬(例えば、第2の抗体、プロテインA、またはビオチン−アビジン複合体)によって抗体に組換え的に結合されても、結合体化されてもよい。
他の機能的な部分としては、シグナルペプチド、免疫学的反応性を増強させる薬剤、固体支持体、ワクチンキャリア、生物応答改変因子、常磁性標識および薬物へのカップリングを容易にする薬剤が挙げられる。シグナルペプチドは、細胞膜、通常は、真核生物細胞中の小胞体、および細菌の内膜または内膜および外膜の両方のいずれかを通って新規に合成されたタンパク質を指向する短いアミノ酸配列である。シグナルペプチドは、代表的に、ポリペプチドのN末端部分にあり、そして代表的に、生合成および細胞からのポリペプチドの分泌との間において酵素的に除去される。このようなペプチドは、合成された分子の分泌を可能にするために本発明の抗体に組み込まれ得る。
本発明のさらなる局面は、1つ以上の抗NgRH1抗体に特異的でもあり、それによってその1つ以上の抗NgRH1抗体がその抗原およびそのNgRH1細胞表面レセプターの両方に結合し得る可溶性抗原を投与することに関する。好ましい実施形態において、上記抗原は、標的とされたNgRH1細胞表面レセプターおよび1つ以上の抗NgRH1抗体と比較して、1つ以上の抗NgRH1抗体に対して小さい結合特異性または大きい結合特異性のいずれかを有するか、または有するように改変される。いくつかの実施形態において、上記抗原は、上記1つ以上の抗体が被験体に投与される前、それと同時、またはその後に投与される。
他の局面において、上記可溶性抗原は、上記NgRH1細胞表面レセプターに結合する1つ以上の抗NgRH1抗体と比較して、大きい結合特異性または小さい結合特異性で、NgRH1細胞表面レセプターに結合するように設計される。1つの実施形態において、上記抗原は、NgRH1細胞表面レセプターに結合する1つ以上の抗NgRH1抗体と競合する。別の実施形態において、上記可溶性抗原は、上記1つ以上の抗NgRH1抗体が被験体に投与される前、それと同時、またはその後に投与される。
このような変化したNgRH1を有する可溶性抗原または抗NgRH1抗体は、当該分野において利用可能なプロテオミクスの計算的分析方法を利用して選択または設計され得る。特に、このような分析は、天然に存在する結合対と比較して異なる結合動態を有するタンパク質(即ち、可溶性抗原)を選択または設計するために使用される。KortemmeおよびBaker.Curr.Opin.Chem.Biol.2004;8:91−97;米国特許第第6,951,715号を参照のこと。
本発明に従う有用な他の生理活性ペプチド(または抗原)は、合成ペプチドコンビナトリアルライブラリー(例えば、Houghtonら、Biotechniques、13(3):412−421(1992)およびHoughtonら、Nature、354:84−86(1991)によって開示されるもの)の使用またはファージディスプレイ手順(例えば、Hartら、J.Biol.Chem.269:12468(1994)に記載されるもの)の使用によって同定され得る。Hartらは、哺乳動物細胞レセプターに対する新規ペプチドリガンドを同定するための線維状ファージディスプレイライブラリーを報告する。一般に、例えば、M13またはfdファージを使用するファージディスプレイライブラリーは、従来の手順(例えば、上述の参考文献に記載されるもの)を使用して調製される。上記ライブラリーは、4個〜80個のアミノ酸残基を含む挿入物を示す。上記挿入物は、必要に応じて、ペプチドの完全に変性した配列または偏った配列を示す.特定の分子(例えば、細胞表面レセプター)に選択的に結合するリガンドは、特定の分子を結合するリガンドをそれらの表面上に発現するファージを選択することによって得られる。所望の生物学的活性を有するリガンドは、公知の生物学的活性においてスクリーニングされ得、そしてその根拠に基づいて選択され得る。次いで、これらのファージは、もっとも有用な特徴を有するペプチド発現ファージを同定するためにいくつかのサイクルの再選択に供される。代表的に、結合特性(例えば、最も高い結合親和性または細胞刺激活性)を示すファージは、ファージ表面上に発現されるペプチドの特定のアミノ酸配列および最適な生物学的活性を達成する発現されるペプチドの最適な長さを同定するために核酸分析によってさらに特徴付けられる。
あるいは、このようなペプチドは、1個以上のアミノ酸を含むペプチドのコンビナトリアルライブラリーから選択され得る。非ペプチド合成部分を含むこのようなライブラリーが、さらに合成され得、その非ペプチドの合成部分は、それらの天然に存在する対応物と比較してあまり酵素的分解に供されない。米国特許第5,591,646号は、生理活性ペプチドをスクリーニングおよび同定するために有用である生体分子ライブラリーに関する方法および装置を開示する。ペプチドライブラリーをスクリーニングするための方法はまた、米国特許第5,565,325号に開示される。コンビナトリアルライブラリーまたは他の供給源から得られるペプチドは、当該分野において公知である方法によって機能活性についてスクリーニングされ得る。したがって、当業者は、NgRH1に対してある程度のレベルの特異性を有するペプチドを同定することができ、そしてこのようなペプチドは、BBB透過性をモジュレートするために利用され得る。
NgRH1を標的とするアプタマーは、特に有用なクラスの薬剤を示す。アプタマーは、特定の分子に対する特異的結合特性に基づいて選択されるDNA、RNAまたはペプチドを含む。例えば、アプタマーは、当該分野において公知である方法を使用してNgRH1の結合のために選択され得る。次いで、上記アプタマーは、BBBの透過性をモジュレートするために被験体に投与され得る。特定のタンパク質、DNA、アミノ酸およびヌクレオチドに対して親和性を有するいくつかのアプタマーが、記載されている(例えば、K.Y.Wangら、「A DNA Aptamer Which Binds to and Inhibits Thrombin Exhibits a New Structural Motif for DNA」、Biochemistry 32:1899−1904(1993);Pitnerら、米国特許第5,691,145号;Goldら、「Diversity of Oligonucleotide Function」、Ann.Rev.Biochem.64:763−97(1995);Szostakら、米国特許第5,631,146号)。高い親和性結合アプタマーおよび高い特異性結合アプタマーは、コンビナトリアルライブラリー(前出、Goldら)に由来している。アプタマーは、高い親和性を有し得、その親和性は、使用される選択に依存してマイクロモル〜ナノモル以下の範囲の平衡解離定数である。アプタマーはまた、例えば、7−メチルGとGとの間(Haller,A.A.、およびSarnow,P.、「In Vitro Selection of a 7−Methyl−Guanosine Binding RNA That Inhibits Translation of Capped mRNA molecules」、PNAS USA 94:8521−8526(1997))、またはD−トリプトファンとL−トリプトファンとの間(前出、Goldら)で1000倍の識別を示す高い選択性を示し得る。
ランダム化されたオリゴヌクレオチドをアプタマー活性についてスクリーニングするための一般的方法は、記載されている。例えば、Goldら(米国特許第5,270,163号)は、「SELEX」(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)法を記載する。Goldらにおいて、ランダム化された配列の領域を有する一本鎖核酸の候補混合物は、標的分子と接触される。上記標的に対する増大した親和性を有する核酸は、候補混合物の残部から分割される。分割された核酸は、リガンドが豊富な混合物を産生するために増幅される。Szostakら(米国特許第5,631,146号)は、アデノシンまたはアデノシン−5’−リン酸に結合する一本鎖DNA分子を生成するための方法を記載する。
本発明に従うアプタマーは、そのアプタマーがその標的モノマーに結合し、そしてそれを認識するその能力の一部を維持する限り、結合特異性または安定性を改善するために改変され得る。例えば、ヌクレオチドの塩基および糖を改変するための方法は、当該分野において公知である。代表的に、ホスホジエステル結合は、RNAまたはDNAのヌクレオチド間に存在する。本発明に従うアプタマーは、その安定性を増大させるために、そのヌクレオチド間にホスホジエステル、ホスホラミダイト、ホスホロチオエートまたは他の公知の結合を有し得るが、但しその結合は、アプタマーとその標的モノマーとの相互作用を実質的に妨害しない。
本発明の方法において使用するために適したアプタマーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(DNAポリメラーゼまたはRNAポリメラーゼ)、化学反応または当該分野において公知である標準的な方法による機械によって合成され得る。例えば、アプタマーは、標準的な化学を使用してApplied Biosystems,Inc.(Foster City、Calif.)からの自動化DNA合成機によって合成され得る。
さらに、NgRH1に結合するアプタマーは、選択後に最適化され得る。例えば、1つの改変が、タンパク質標的に対する親和性および特異性を増強する、チオリン酸ODN剤およびジチオリン酸ODN剤の「粘着性」である。既存の技術を上回る顕著な改善において、選択の方法は、同時に、非標的タンパク質に対する非特異的結合を減少させ、そして標的との特定の好ましい相互作用のみを増強するためにチオール化したリン酸の総数を制御および最適化する。したがって、本発明の方法において使用される選択されたアプタマーは、親和性、特異性およびヌクレアーゼ抵抗性の組み合わせた特性を有するアプタマーの選択的開発を可能にするために改変され得る。このような最適化方法は、当該分野において公知である(例えば、米国特許第6,867,289号の開示)。
上記薬剤はまた、デコイの形態をとり得る。「デコイ」によって、所定のリガンドまたは未知のリガンドに優勢に結合するように設計されている核酸分子(例えばRNAまたはDNA)、またはアプタマーが意味される。このような結合は、標的分子の阻害または活性化をもたらし得る。デコイまたはアプタマーは、特定のリガンドの結合に関して、天然に存在する結合標的と競合し得る。例えば、HIVトランス活性化応答(TAR)RNAの過剰発現は「デコイ」として機能し得、そしてHIV tatタンパク質に効率的に結合し、それによってHIV tatタンパク質がHIV RNAにコードされるTAR配列に対して結合することを妨げることが、示されている(Sullengerら、1990、Cell、63、601−608)。しかし、これは、具体例であり、そして当業者は、他の実施形態が一般に当該分野において公知である技術を使用して容易にもたらされ得ることを認識する(例えば、Goldら、1995、Annu.Rev.Biochem.、64、763;BrodyおよびGold、2000、J.Biotechnol、74、5;Sun、2000、Curr.Opin.Mol.Ther.、2、100;Kusser、2000、J.Biotechnol.、74、27;HermannおよびPatel、2000、Science、287、820;ならびにJayasena、1999、Clinical Chemistry、45、1628を参照のこと)。同様に、デコイは、NgRH1またはNgRH2に結合し、そしてそれらの結合をブロックするように設計され得るか、またはデコイは、NgRH1に結合し、そして別のリガンドタンパク質との相互作用を妨げるように設計され得る。
所望される場合、本発明の薬剤は、siRNAの形態である。本発明のsiRNA分子は、代表的に、二本鎖RNAを含み、そのRNAの一方の鎖は、NgRH1遺伝子またはNgRH2遺伝子のRNAに相補的である。別の実施形態において、本発明のsiRNA分子は、二本鎖RNAを含み、そのRNAの一方の鎖は、NgRH1遺伝子配列またはNgRH2遺伝子配列を有するRNAの配列の一部を含む。さらに別の実施形態において、本発明のsiRNA分子は、二本鎖RNAを含み、RNAの両方の鎖は、非ヌクレオチドリンカーによって連結される。あるいは、本発明のsiRNA分子は、二本鎖RNAを含み、RNAの両方の鎖は、ヌクレオチドリンカー(例えば、ループ構造またはステムループ構造)によって連結される。
siRNAの設計における標準的な方法は、当該分野において公知である(Elbashirら、Methods 26:199−213(2002))。一般に、適切なsiRNAは、約10〜50ヌクレオチドの間、または約20〜25ヌクレオチドの間、または約20〜22ヌクレオチドの間である。標的部位は、代表的に、配列の3’末端にAAジヌクレオチドを有する。なぜならば、UUオーバーハングを有するsiRNAは、遺伝子サイレンシングにおいてより有効であり得るからである。残りのヌクレオチドは、一般に、AAジヌクレオチドのヌクレオチド3’に対する相同性を示す。一般に、上記siRNAは、代表的に、標的配列(例えば、NgRH1レセプター配列)に対する少なくとも約50%の相同性(好ましくは少なくとも約70%、約80%、90%または95%でさえの相同性)を示す。所望される場合、潜在的な標的部位はまた、適切なゲノムデータベースと比較されて、標的配列は、他の遺伝子に対する70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または1%未満でさえの相同性を有するべきである。NCBIサーバー、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST上の容易に利用可能な公のデータベースは、配列相同性を決定するために使用される簡便なツールである。公のsiRNA設計ツールはまた、MITのWhitehead Institute of Biomedical Research、http://jura.wi.mit.edu/pubint/http://iona.wi.mit.edu/siRNAext/から容易に利用可能である。
適切なsiRNAはまた、ヘアピンsiRNAの形態をとり得る。適切なヘアピンsiRNAの設計において多くの公知である因子を変化させ得る。このような変数は、推定上のヘアピンのステムをコードする逆方向反復の長さ、逆方向反復の順序、ヘアピンのループをコードするスペーサー配列の長さおよび組成、ならびに標的および予想された逆方向領域に依存して変動し得る5’−オーバーハングの存在または非存在を含む;その全ては、当該分野における標準的な手順によって変化またはカスタマイズされ得る。上記ステムは、19〜20ヌクレオチド長、好ましくは 約19、21、25、または29ヌクレオチド長であり得る。上記ループは、3ヌクレオチド〜23ヌクレオチドの範囲であり得、好ましくは、約3、4、5、6、7および9ヌクレオチドのループのサイズであり得る。ヘアピンsiRNAの選択および設計を支援する公に利用可能なデータベースもまた、利用可能であり(例えば、www.RNAinterference.org)、そしてヘアピンsiRNAおよびsiRNAの両方についてのオンラインの設計ツールは、商業サイト(例えば、PromegaおよびAmbion)から利用可能である。
本発明の方法を実施するために有用な薬剤の別のクラスは、外部ガイド配列(EGS)である。EGSは、遺伝子サイレンシング剤として使用することができ、NgRH1の機能をダウンレギュレートするか、NgRH1のネガティブな調節因子を阻害することによってNgRH1の機能をアップレギュレートするために適用可能であり得る。EGSは、標的mRNAと水素結合機構によって塩基対形成してトランスファーRNA(tRNA)の分子構造と同様の分子構造を形成するように設計される。次いで、EGS/mRNA標的は、RNase Pによって切断および不活化される。RNase Pは、全ての生存可能な真核生物細胞中に大量に存在し、それは、プロセス前駆体転写物の切断によってトランスファーRNA(tRNA)をプロセシングするために機能する。一般に、EGSは、それが細胞メッセンジャーRNA(mRNA)内に含まれる別のRNA配列と生体分子複合体を形成する場合、tRNA分子の特定の構造的特徴を模倣するように設計される。したがって、任意のmRNAは、原則として、共触媒として関与するEGSおよびRNase Pの両方に関してRNase Pの基質として認識され得る。真核生物RNAase Pのための好ましいEGSは、標的RNA分子との複合体において、クローバー型tRNAまたはその部分に似ている二次構造を形成する配列からなる。所望の二次構造は、tRNAに似ている構造を形成するために、従来のWatson−Crick塩基対形成スキームを使用して決定される。RNase Pは、配列とは対照的に構造を認識するので、水素結合した領域の特定の配列は、形成される所望の構造よりも重要ではない。EGSおよび標的RNA基質は、RNAase Pによる標的RNAの切断をもたらすために、tRNAの二次構造および三次構造の十分な部分に似ているべきである。EGSの配列は、任意のtRNAから送達され得る。
NgRH1(そのスプライス改変体を含む)のmRNA一次配列を含むEGSは、特に興味深い。EGSを設計する種々の方法は、例えば、Yuanらに対する米国特許第5,624,824号、Takleらに対する米国特許第6,610,478号、WO 93/22434、WO 95/24489、およびWO 96/21731に記載される。
薬剤のさらに別のクラスは、NgRH1を標的とするアンチセンス分子である。例示的なアンチセンス核酸またはアンチセンス分子は、RNA−RNAまたはRNA−DNAまたはRNA−PNA(タンパク質核酸;Egholmら、1993 Nature 365、566)の相互作用によって標的RNAに結合し、そして標的RNAの活性を変化させる非酵素的核酸分子である(概説については、SteinおよびCheng、1993 Science 261、1004およびWoolfら、米国特許第5,849,902号を参照のこと)。代表的に、アンチセンス分子は、アンチセンス分子の単一の隣接する配列に沿って標的配列と相補的である。しかし、特定の実施形態において、アンチセンス分子は、基質分子がループを形成するように基質に結合し得、そして/またはアンチセンス分子は、アンチセンス分子がループを形成するように結合し得る。したがって、上記アンチセンス分子は、2つ(またはそれ以上)の隣接しない基質配列に相補的であっても、アンチセンス分子の2つ(またはそれ以上)の隣接しない配列部分は、標的配列に相補的であっても、その両方であってもよい。現在のアンチセンスストラテジーの概説については、Schmajukら、1999、J.Biol.Chem.、274、21783−21789、Delihasら、1997、Nature、15、751−753、Steinら、1997、Antisense N.A.DrugDev.、7、151、Crooke、2000、Methods Enzymol、313、3−45;Crooke、1998、Biotech.Genet.Eng.Rev.、15、121−157、Crooke、1997、Ad.Pharmacol、40、1−49を参照のこと。さらに、アンチセンスDNAは、DNA−RNA相互作用によってRNAを標的とし、それによってで標的RNAを消化するRNase Hを活性化するために使用され得る。上記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的RNAのRNAse H切断を活性化し得る1つ以上のRNAse H活性化領域を含み得る。アンチセンスDNAは、化学的に合成され得るか、あるいは一本鎖DNA発現ベクターまたはその等価物の使用によって発現され得る。これは、非限定的な例であり、そして当業者は、他の実施形態が一般に当該分野において公知である技術(例えば、Goldら、米国特許第5,475,096号および同第5,270,163号;Goldら、1995、Annu.Rev.Biochem.、64、763;BrodyおよびGold、2000、J.Biotechnoi、74、5;Sun、2000、Curr.Opin.Mol.Ther.、2、100;Kusser、2000、J.Biotechnoi.、74、27;HermannおよびPatel、2000、Science、287、820;ならびにJayasena、1999、Clinical Chemistry、45、1628を参照のこと)を使用して容易にもたらされ得ることを認識する。
所望される場合、RNase H活性化領域は、核酸薬剤中に設計され得る。RNase H活性化領域は、細胞性RNase H酵素によって認識される非共有結合性の複合体を形成するために、標的RNAに結合し得る核酸分子の領域(一般に、4〜25ヌクレオチド長以上、好ましくは5〜11ヌクレオチド長)である(例えば、Arrowら、米国特許第5,849,902号;Arrowら、米国特許第5,989,912号を参照のこと)。RNase H酵素は、核酸分子−標的RNA複合体に結合し、そして標的RNA配列を切断する。RNase H活性化領域は、例えば、ホスホジエステル骨格化学、ホスホロチオエート骨格化学(好ましくは、ヌクレオチドのうちの少なくとも4個は、ホスホロチオエート置換である;より具体的には、ヌクレオチドのうちの4〜11個は、ホスホロチオエート置換である);ホスホロジチオエート骨格化学、5−チオホスフェート骨格化学、またはメチルホスホネート骨格化学あるいはその組合せを含む。上に記載される1つ以上の骨格化学に加えて、RNase H活性化領域はまた、種々の糖化学を含み得る。例えば、RNase H活性化領域は、デオキシリボース、アラビノ、フルオロアラビノまたはその組合せ、ヌクレオチド糖化学を含み得る。当業者は、前記のものが非限定的な例であること、ならびにRNase H酵素の活性を支持する核酸のリン酸化学、糖化学、および塩基化学の任意の組合せがRNase H活性化領域の定義および本発明の範囲内であることを認識する。
所望される場合、NgRH1を標的とする酵素的核酸分子、アンチセンス核酸分子、デコイRNA、dsRNA、siRNA、EGS、またはアプタマー分子は、少なくとも1つの2’−糖改変を含む。別の実施形態において、その分子は、少なくとも1つの核酸改変を含む。別の実施形態において、その分子は、少なくとも1つの骨格改変を含む。
別の実施形態において、NgRH1を標的とする酵素的核酸またはアンチセンス核酸分子または本発明の他の核酸分子は、キャップ構造を含み、そのキャップ構造は、5’末端、または3’末端、または5末端および3末端の両方(例えば、3’、3’−連結または5’、5’−連結の脱デオキシ塩基(deoxyabasic)誘導体)にある。
本発明のさらに別の実施形態において、本発明の核酸分子は、約10ヌクレオチド長と100ヌクレオチド長との間であり得る。例えば、本発明の酵素的核酸分子は、好ましくは約15ヌクレオチド長と50ヌクレオチド長との間、より好ましくは約25ヌクレオチド長と40ヌクレオチド長との間(例えば、34ヌクレオチド長、36ヌクレオチド長、または38ヌクレオチド長)である(例えば、Jarvisら、1996、J.Biol.Chem.、271、29107−29112を参照のこと)。本発明の例示的なDNAザイムは、好ましくは約15ヌクレオチド長と40ヌクレオチド長との間、より好ましくは約25ヌクレオチド長と35ヌクレオチド長との間(例えば、29ヌクレオチド長、30ヌクレオチド長、31ヌクレオチド長、または32ヌクレオチド長である(例えば、Santoroら、1998、Biochemistry、37、13330−13342;Chartrandら、1995、Nucleic Acids Research、23、4092−4096を参照のこと)。本発明の例示的なアンチセンス分子は、好ましくは約15ヌクレオチド長と75ヌクレオチド長との間、より好ましくは約20ヌクレオチド長と35ヌクレオチド長との間(例えば、25ヌクレオチド長、26ヌクレオチド長、27ヌクレオチド長、または28ヌクレオチド長)である(例えば、Woolfら、1992、PNAS.、89、7305−7309;Milnerら、1997、Nature Biotechnology、15、537−541を参照のこと)。本発明の例示的な三重鎖形成オリゴヌクレオチド分子は、好ましくは約10ヌクレオチド長と40ヌクレオチド長との間、より好ましくは約12ヌクレオチド長と25ヌクレオチド長との間(例えば、18ヌクレオチド長、19ヌクレオチド長、20ヌクレオチド長、または21ヌクレオチド長)である(例えば、Maherら、1990、Biochemistry、29、8820−8826;StrobelおよびDervan、1990、Science、249、73−75を参照のこと)。当業者は、核酸分子(即ち、NgRH1コードDNAまたはNgRH1コードRNA)がその標的と相互作用し、そして/または本明細書で企図される反応を触媒する上記核酸分子のための十分な長さおよび適切なコンホメーションであることが必要とされることを認識する。本発明の核酸分子の長さは、記載された一般的な境界内に限られるものではない。
好ましくは、NgRH1発現をモジュレート(例えば、ダウンレギュレート)する核酸分子は、NgRH1のRNA分子に相補的な12個と100個との間の塩基を含む。さらにより好ましくは、例えば、NgRH1発現をモジュレートする核酸分子は、NgRH1のRNA分子に相補的な14個と24個との間の塩基を含む。
本発明の核酸薬剤は、発現ベクターによって細胞に送達され得る。したがって、本発明のベクターは、本発明の少なくとも1つの酵素的核酸分子、アンチセンス、または他の核酸分子の核酸配列を、細胞(例えば、内皮細胞)における核酸分子の複製および/または発現を可能にする様式で含む。所望される場合、本発明の発現ベクターは、同じかまたは異なり得る2つ以上の酵素的核酸分子をコードする核酸配列を含む。
発現ベクターを設計する方法は、当該分野において公知である。所望される場合、本発明の特定の核酸分子は、真核生物プロモーターから細胞内で発現され得る(例えば、IzantおよびWeintraub、1985、Science、229、345;McGarryおよびLindquist、1986、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 83、399;Scanlonら、1991、Proc.Natl.Acad.Sci USA、88、10591−5;Kashani−Sabetら、1992、Antisense Res.Dev.、2、3−15;Dropulicら、1992、J.Virol.、66、1432−41 ;Weerasingheら、1991、J.Virol.、65、5531−4;Ojwangら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci USA、89、10802−6;Chenら、1992、Nucleic Acids Res.、20、4581−9;Sarverら、1990 Science、247、1222−1225;Thompsonら、1995、Nucleic Acids Res.、23、2259;Goodら、1997、Gene Therapy、4、45;これらの参考文献の全ては、本明細書にその全体が参考として援用される)。当業者は、任意の核酸が適切なDNA/RNAベクターから真核生物細胞において発現され得ることを理解する。このような核酸の活性は、酵素的核酸による一次転写物からのそれらの放出によって増大し得る(Draperら、PCT WO 93/23569、およびSullivanら、PCT WO 94/02595;Ohkawaら、1992、Nucleic Acids Symp.Ser.、27、15−6;Tairaら、1991、Nucleic Acids Res.、19、5125−30;Venturaら、1993、Nucleic Acids Res.、21、3249−55;Chowriraら、1994、J.Biol.Chem.、269、25856;これらの参考文献の全ては、本明細書にその全体が参考として援用される)。CNSに特異的な遺伝子治療アプローチは、Bleschら、2000、Drug News Perspect.、13、269−280;Petersonら、2000、Cent.Nerv.Syst.Dis.、485−508;PeelおよびKlein、2000、J.Neurosci.Methods、98、95−104;Hagiharaら、2000、Gene Ther.、7、759−763;ならびにHerrlingerら、2000、Methods Mol.Med.、35、287−312によって記載される。核酸の神経系の細胞に対するAAV媒介性送達は、Kaplittら、米国特許第6,180,613号によってさらに記載される。
インビボ方法またはインビトロ方法において使用されるベクターは、SV−40、アデノウイルス、レトロウイルスに由来するDNA配列ならびに機能的な哺乳動物ベクターおよび機能的なプラスミドの組合せに由来するシャトルベクターならびにファージDNAの誘導体を含み得る。真核生物発現ベクターは、周知である(例えば、P J SouthernおよびP Berg、J Mol Appl Genet 1:327−341(1982);Subraminiら、Mol Cell.Biol.1:854−864(1981)、KaufinannおよびSharp、J Mol.Biol.159:601−621(1982);Scahillら、PNAS USA 80:4654−4659(1983)ならびにUrlaubおよびChasin PNAS USA 77:4216−4220(1980)(これらは、本明細書に参考として援用される)によって記載されるもの)。本発明の方法において使用されるベクターは、ウイルスベクター、好ましくはレトロウイルスベクターであり得る。複製欠損アデノウイルスが、好ましい。例えば、末端反復配列に含まれるウイルス調節配列の制御下でレトロウイルスの構造遺伝子が目的の単一遺伝子によって置換されている「単一遺伝子ベクター」が、使用され得る(例えば、EglitisおよびAndersen、BioTechniques 6(7):608−614(1988)(これらは、本明細書に参考として援用される)によって記載されるような、Moloneyマウス白血病ウイルス(MoMuIV)、Harveyマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)およびマウス骨髄増殖性肉腫ウイルス(MuMPSV)、ならびにトリレトロウイルス(例えば、細胞内皮症ウイルス(Rev)およびラウス肉腫ウイルス)。
複数遺伝子が導入され得る組換えレトロウイルスベクターがまた、本発明の方法によって使用され得る。独立プロモーターの調節下でcDNAを含む内部プロモーターを有するベクター(例えば、ヒトアデノシンデアミナーゼ(hADA)のcDNAがその独自の調節配列(SV40ウイルス(SV40)由来の初期プロモーター)と一緒に挿入された選択マーカー(noe.sup.R)を有するN2ベクターに由来するSAXベクター)は、当該分野において公知である本発明の方法によって設計および使用され得る。
哺乳動物宿主細胞細胞において、多くのウイルスベースの発現系が、利用され得る。アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合において、目的のヌクレオチド配列(例えば、治療可能な薬剤をコードする)は、アデノウイルスの転写制御複合体または翻訳制御複合体(例えば、後期プロモーターおよびトリパータイトリーダー(tripartite leader)配列)に連結され得る。次いで、このキメラ遺伝子は、インビトロ組換えまたはインビボ組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入され得る。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)における挿入は、生存可能であり、そして感染した宿主においてAQP1遺伝子産物を発現し得る組換えウイルスを生じる。(例えば、LoganおよびShenk、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 1:3655−3659(1984)を参照のこと)。
特定の開始シグナルもまた、挿入された治療用ヌクレオチド配列の効率的な翻訳に必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。その独自の開始コドンおよび隣接配列を含む治療用遺伝子または治療用cDNAの全体が適切な発現ベクターに挿入される場合において、さらなる翻訳制御シグナルが、必要とされる可能性がない。しかし、治療用コード配列の一部のみが挿入される場合において、外来性翻訳制御シグナル(おそらく、ATG開始コドンを含む)が、提供されなければならない。さらに、開始コドンは、挿入物全体の翻訳を確実にするにするために所望のコード配列のリーディングフレームと一致していなければならない。これらの外来性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、種々の起源(天然および合成の両方)のものであり得る。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含むことによって増強され得る(例えば、Bittnerら、Methods in Enzymol、153:516−544(1987)を参照のこと)。細胞は、遺伝子発現の時間的制御のための種々の誘導性プロモーターを含むベクターまたは核酸分子(相同組換え)によってトランスフェクトされ得る。
誘導性発現系は、本発明のモジュレーション方法の実施において特に有用である。誘導性発現系の非限定的な例は、以下に記載される。
(一般的な真核生物の誘導性遺伝子発現系2)
NgRH1を標的とするために設計された本発明の薬剤は、それがBBBの透過性をモジュレートすることにおける効果を媒介する限り、アゴニストまたはアンタゴニストとして機能し得る。例えば、NgRH1が、BBBの完全性を維持するために必要である場合、上記薬剤(例えば、NgRH1に特異的な抗体)は、アンタゴニストとして機能し得る。NgRH1を介するシグナル伝達が、病理学的状態(例えば、MS)などにおいてBBBを破壊する場合、上記薬剤は、アゴニストとして作用し得る。
1つの実施形態において、変化したBBBの透過性は、可逆的または一過性である。BBB透過性の一過性の増大は、BBB内皮に対する永久的な損傷を回避する。これは、BBBに対して不透過性である診断用物質および/または治療用物質の適用のために特に望ましい。所望される場合、上記薬剤は、BBBの透過性をある期間にわたって、BBBを通る薬剤が所望の生物学的効果をもたらすこと可能にするために十分である程度まで一過性に増大させる。例えば、抗NgRH1抗体の注射は、一過性のBBB透過性をもたらし、BBBの不透過性は、約2時間未満で回復した。BBBの透過性が増大する持続期間を制御するために適用される薬剤の量を、変化させ得る。意図される適用に依存して、約5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、または60分間にわたってBBBの透過性を増大させ得る。あるいは、上記薬剤は、1時間、2時間、3時間、4時間、または5時間より長くBBBの透過性を増大させ得る。透過性の程度はまた、意図される適用に依存して調整され得る。上記薬剤は、短期間(例えば、約30分間、20分間、10分間、または5分間未満)にわたってBBBの透過性をわずかか、または劇的に増大させるように設計され得る。対照的に、薬剤は、BBBを締めるために適用され得、したがって、所望の期間および程度にわたってその透過性を減少させる。投薬時間/濃度を制御することによって、BBBの透過性のモジュレーションは、有効に持続性であり得るか、または所望の期間にわたって持続性であり得る。
(BBB透過性のモジュレータの同定)
本発明はまた、候補薬剤がBBBの透過性をモジュレートするか否かを評価する方法を提供する。その方法は、(a)被験体の中枢神経系をBBBの透過性のインジケーターに曝露する工程;(b)被験体にNgRH1細胞表面レセプターを標的とする候補薬剤を投与する工程であって、BBBの透過性の増大または減少は、候補薬剤がBBBの透過性をモジュレートし得ることを示す、工程を包含する。
BBBの透過性は、当該分野において公知である種々のインジケーター(例えば、Olsonら 1994;Sarisら 1988;Rapoport 2000;SternbergerおよびSternberger 1987;Ghabrielら 2000)を利用することによって試験され得る。例えば、180Daよりも大きい分子量の色素、トレーサーまたはマーカー(例えば、フルオレセインナトリウムまたはエバンスブルー)は、インタクトなBBBの通過を妨げられる。アッセイは、実験動物において行われ得、その実験動物としては、マウス、ラット、イヌ、ブタ、またはサルが挙げられるが、これらに限定されない。
適切なインジケーターは、血液脳関門透過性を決定、可視化、測定、同定、または定量するために利用される、当該分野において公知である任意の色素、マーカー、またはトレーサーを含む。非限定的な例としては、エバンスブルーおよびフルオレセインナトリウムが挙げられる。このようなインジケーターの例は、当業者に明らかであり、そしてインタクトなBBBを横切ることはできないが、より透過性であるBBBを横切ることができ、そして同定、測定、または定量し得る任意の化合物を本質的に含む。
インジケーターは、BBBの透過性の変化を決定するために利用される酵素、トレーサーまたはマーカーであり得、それらの非限定的な例は、以下の通りである:
色素、トレーサーまたはマーカーのさらなる例は、デキストラン、ビオチン、フィブリノーゲン、アルブミン、Coons反応を使用する血液グロブリン、Texas Red結合体化デキストラン(70,000da MW)、Na(+)−フルオレセイン(MW 376)またはフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識化デキストラン(MW 62,000または145,000)、または分子量10,000DaのFITC標識化デキストラン(FITC−デキストラン−10K)を含む。
所望される場合、変化したBBBの透過性は、NgRH1(そのスプライス改変体を含む)の変化した発現および/または活性に相関し得る。NgRH1関連遺伝子またはNgRH1関連遺伝子産物は、候補薬剤の投与の前、間または後における対応する遺伝子のmRNAレベルの違いについてアッセイすることによって決定され得る。あるいは、NgRH1関連遺伝子またはNgRH1関連遺伝子産物の示差的発現は、コードされるポリペプチドまたは遺伝子産物のレベルの違いを検出することによって決定される。
広範な種々の定量的核酸分析が、当該分野において利用可能である。それらとしては、定量的PCR、DNAアレイハイブリダイゼーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。上で概説された一般原理に基づくタンパク質分析のための多くの技術が、当該分野において利用可能である。それらとしては、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線アッセイ、インサイチュイムノアッセイ(例えば、コロイド金、酵素標識または放射性同位体標識を使用する)、ウェスタンブロット分析、免疫沈降アッセイ、免疫蛍光アッセイ、およびSDS−PAGEが挙げられるが、これらに限定されない。
NgRH1(そのスプライス改変体を含む)を特異的に認識または結合する抗体は、上述のタンパク質分析を行うために好ましい。これらの抗体は、従来のハイブリドーマ技術または当該分野において利用可能である他の方法によって産生され得る。
本発明の方法はまた、トランスジェニック動物の使用によって実施され得る。トランスジェニック動物は、以下の2つの型に大まかに分類され得る:「ノックアウト」および「ノックイン」。「ノックアウト」は、好ましくは標的遺伝子発現がわずかであるか、または検出不能であるように標的遺伝子の機能の低下をもたらすトランスジェニック配列の導入によって、標的遺伝子における変化を有する。「ノックイン」は、例えば、標的遺伝子のさらなるコピーの導入によってか、または標的遺伝子の内因性コピーの発現の増強を提供する調節配列を作動可能に挿入することによって標的遺伝子の増大した発現をもたらす宿主細胞ゲノムの変化を有する、トランスジェニック動物である。ノックイントランスジェニック動物またはノックアウトトランスジェニック動物は、標的遺伝子に関してヘテロ接合性またはホモ接合性であり得る。本発明のトランスジェニック動物は、NgRH1を過剰発現または過小発現し得るノックインとして大まかに分類され得る。
本発明において、トランスジェニック動物は、BBBの透過性のモジュレーションを決定、同定および/または定量するためのモデル系を提供するように設計される。このような決定は、BBBの透過性の破壊または改変の前または後を含む動物の寿命の間の任意の時間において起こり得る。トランスジェニックモデル系はまた、BBBの透過性を促進するか、または増大させる生物学的に活性な薬剤の開発のために使用され得る。さらに、上記モデル系は、試験薬剤が、例えば、外傷または疾患によって生じるBBBの開放などのBBBの「開放」後(即ち、透過性を増大させる)に上記関門を回復するか、または透過性を減少させるか否かをアッセイするために利用され得る。さらに、細胞は、エキソビボ技術を含む細胞ベースまたは細胞培養の設定において行われるさらなる研究またはアッセイのために、本発明のトランスジェニック動物から単離され得る。
本発明の動物モデルは、動物の神経系におけるBBBの透過性状態の改変をもたらす手順に従う任意の非ヒト脊椎動物を包含する。好ましいモデル生物としては、哺乳類、霊長類、およびげっ歯類が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいモデルの非限定的な例は、ラット、マウス、モルモット、ネコ、イヌ、ウサギ、ブタ、チンパンジー、およびサルである。試験動物は、野生型またはトランスジェニックであり得る。
本発明のいくつかの局面において、トランスジェニック動物は、NgRH1欠損である。本発明のなお他の局面において、NgRH1欠損動物は、さらなる遺伝子型/表現型のバックグラウンドを包含するように操作される。1つの実施形態において、さらなるバックグラウンドは、オクルディン、クローディン7、クローディン10およびクローディン11から選択される1つ以上の密着結合タンパク質が欠損している。なお他の実施形態において、動物は、クローディン2、クローディン5、クローディン6、クローディン12、クローディン15およびクローディン19から選択されるタンパク質を欠損し得る。
胚の顕微操作のための技術における利点は、ここで、受精した哺乳動物の卵子中への異種DNAの導入をも可能にする。例えば、全能性幹細胞または多能性幹細胞は、マイクロインジェクション、リン酸カルシウム媒介性沈殿、リポソーム融合、レトロウイルス感染または他の手段によって形質転換され得る。次いで、形質転換細胞は、胚に導入され、次いでその胚は、トランスジェニック動物に発生する。好ましい実施形態において、発生する胚を、導入遺伝子を発現するトランスジェニック動物が感染した胚から産生され得るように所望の導入遺伝子を含むウイルスベクターに感染させる。別の好ましい実施形態において、所望の導入遺伝子は、好ましくは、単一の細胞期において胚の前核または細胞質に同時注射され、その胚は、成熟トランスジェニック動物に発生することが可能になる。トランスジェニック動物を産生するためのこれらおよび他の改変体方法は、当該分野において良好に確立されており、したがって本明細書で詳述されない。例えば、米国特許第5,175,385号および同第5,175,384号を参照のこと。
(治療剤のCNSに対する送達)
本発明はまた、被験体の中枢神経系(CNS)に治療剤を送達する方法を特徴とする。その方法は、NgRH1細胞表面レセプターの活性および/または発現レベルをモジュレートする結果としてBBBの透過性を増大させる前、それと同時、またはその後に治療剤をCNSに投与することを包含する。このような方法は、任意のCNS疾患、そして特に、BBBに関連する障害(例えば、関門の完全性が損なわれる場合)の処置において使用され得る。
NgRH1(スプライス改変体を含む)を標的とする本明細書中に記載される任意の薬剤は、本発明の方法において使用され得る。いくつかの実施形態において、投与される薬剤は、BBBの透過性をモジュレートする、NgRH1(スプライス改変体を含む)を標的とする抗体である。
抗体が使用される例として、その抗体は、NgRH1を標的とし、そして被験体においてBBBの透過性を増大させる。例えば、被験体は、BBB関連障害に罹患しているか、またはBBB関連障害に罹患しているようであり、増大した透過性は、治療性能を提供する。このような治療性能は、疾患を寛解させる治療剤のBBBを通る送達を含み得る。CNSに特異的な多くの状態は、治療剤がBBBを横切ることを妨げられるので、処置することが困難である。したがって、このような場合における抗体の投与は、NgRH1の機能または活性をダウンレギュレートし、透過性の増大を生じ、次いで特定の治療剤がCNSに送達されることを可能にする。
治療剤の送達は、NgRH1細胞表面レセプターの活性および/または発現レベルをモジュレートする結果としてBBBの透過性を増大させることと同時であり得るか、またはその後であり得る。
このような方法は、任意のCNS疾患、そして特に、BBBに関連する障害(例えば、関門の完全性が損なわれる場合)の処置において使用され得る。別の実施形態において、BBB関連障害(例えば、BBBを「開放する」)に罹患する被験体において、抗体は、上記関門を有効に回復または維持するために投与される。例えば、抗体は、BBBを横切るアルブミン(またはインタクトなBBBを横切らないいくつかの任意のタンパク質)の有害作用に罹患する被験体に投与され得る。このような被験体において、NgRH1を標的とする抗体は、NgRH1の機能をアップレギュレートし、したがって透過性を減少させる。効果において、NgRH1のダウンレギュレーションは、BBBの回復と同じである。本発明の1つ以上の方法において使用するための抗体(このような抗体の薬学的に需要可能な形態を含む)を産生する方法は、当業者に公知である。(例えば、米国特許第5,585,097号;同第5,846,534号;同第6,706,265号;同第6,982,321号;同第6,491,916号;同第5,885,573号;またはWO 04/043386;EP 1098909;あるいは米国特許出願公開第2003/0216551号;同第2005/0037000号;同第2005/0064514号;または同第2005/0054832号)。
BBBに関連する状態/障害の例は、筋委縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、免疫機能不全性の筋中枢神経崩壊(Immune Dysfunction Muscular Central Nervous System Breakdown)、筋ジストロフィー(MD)、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脳虚血、脳性麻痺、皮質基底核神経節変性、クロイツフェルト−ヤコブ症候群、ダンディー−ウォーカー症候群、認知症、血管性脳炎、脳脊髄炎、癲癇、本態性振戦、クールー−ランドウ−クレフナー症候群、レビー小体病、マシャド−ジョセフ病、メージュ症候群、片頭痛、灰白脊髄炎、多系統委縮症、髄膜炎、ドレーガー症候群、トゥレット症候群、ハラーホルデン−スパッツ症候群、水頭症、オリーブ橋小脳委縮症、核上性麻痺、または脊髄空洞症を含む。
1つの実施形態において、化合物(抗体に結合し得るペプチドまたは他の分子であり得る)は、ヒトに投与される抗体の抗体結合部位に可逆的に結合される。上記化合物は、抗原に対する抗体の結合部位を占有し、それによって抗原に対する抗体の結合を阻害する。上記化合物は、抗体結合部位に可逆的に結合され、そして抗体結合の制限された低下を有するように選択されるので、抗体は、抗体が指向する抗原に結合し得る。そのようなものとして、上記抗体および化合物の組合せおよび濃度は、NgRH1の機能、したがってBBBの透過性をモジュレートするための1つの高感度な機構を提供する。
このような薬剤の投薬レベルは、BBBに関連する状態の処置に有用な、1キログラムの体重あたり約0.1mg〜約140mg、1キログラムの体重あたり0.01〜100mgのオーダーであり得る(患者または被験体につき1日あたり約0.5mg〜約7g)。上記量の薬剤は、処置される宿主および投与の特定の様式に依存して変動する単一投薬形態を産生するためにキャリア材料と合わせられ得る。投薬単位形態は、一般に、約1mg〜約500mgの活性成分を含む。任意の特定の患者または被験体に対する特定の用量レベルは種々の因子(使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全身的健康状態(general health)、性別、食事、投与時間、投与経路、および排泄速度、薬物の組合せおよび治療を受ける特定の疾患の重篤度を含む)に依存することが、理解される。本明細書に記載される投薬レジメンは、NgRH1を標的とする核酸、抗体、リガンド、ペプチまたはタンパク質分子に等しく適用可能である。
1つの局面において、本発明は、BBBの透過性をモジュレートするための方法に関し、その方法は、被験体に少なくとも1つのNgRH1特異的な生物学的に活性な薬剤またはその結合フラグメントを投与することを包含し、それらは、1つ以上の別個の用量で約20mg/kg〜40mg/kgの用量にて投与される。いくつかの実施形態において、上記生物学的に活性な薬剤は、抗体および/またはリガンドである。1つの実施形態において、抗体は、SMI71である。1つの実施形態において、リガンドは、MAGである。
1つの実施形態において、少なくとも1つのNgRH1特異的抗体および/またはNgRH1特異的リガンドは、約20mg/kgの用量で投与される。さらに、上記抗体は、1つ以上の用量で投与される。所望される場合、NgRH1抗体は、処置の間において抗NgRH1抗体の血清濃度を約20μg/mlのレベルに維持するために十分な用量で投与される。
本発明の1つ以上の方法に適用できるような1つの好ましい実施形態において、NgRH1を標的とする少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤は、別個の機会において投与され、投与される用量の数は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20用量であり、そして/または用量が投与される機会の数は、週、月、年(必要とされる場合)、被験体の寿命にわたって少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20の異なる時点である。このような実施形態において、生物学的に活性な薬剤は、抗体またはリガンド(例えば、SMI71またはMAG)である。
別の局面において、本発明は、NgRH1の少なくとも1つの生物学的に活性な薬剤が処置の間に被験体において血管内皮細胞上のNgRH1部位の約85%の飽和を達成するために十分な用量で投与される、本発明の1つ以上の方法に関する。いくつかの実施形態において、約少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%のレベルから選択される。
治療剤は、治療薬または予防薬(例えば、神経変性疾患の発症を阻害または予防する)として送達され得る。治療的利益によって、処置される基礎をなす障害の根絶または寛解が意味される。予防的利益のために、診断が依然として行われていないとしても、上記薬剤は、疾患を発症する危険性がある患者またはこのような疾患の生理学的症状の1つ以上を報告する患者に投与され得る。あるいは、予防的投与は、特に、症状が周期的に発現する場合、基礎をなす障害の生理学的症状の発症を回避するために適用され得る。この後者の実施形態において、治療は、基礎をなす徴候の代わりの関連する生理学的症状に関して予防的である。特定の適用に有効である実際の量は、とりわけ、処置される状態および投与経路に依存する。
本発明の1つの局面において、治療可能な薬剤は、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗増殖剤、抗遊走剤、抗線維症剤(anti fibrotic agent)、アポトーシス促進剤、カルシウムチャンネル遮断剤、抗悪性腫瘍剤、抗体、抗血栓剤、抗血小板剤、IIbIIIIa因子、抗ウイルス剤、およびそれらの組合せからなる群より選択され得る。治療可能な薬剤の特定の例としては、以下が挙げられる:ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、ミゾリビン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、サーティカン、ラパマイシン、トリプトライド、メトトレキサート、ベニジピン、アスコマイシン、ワートマニン、LY294002、カンプトテシン、トポテカン、ヒドロキシ尿素、タクロリムス(FK 506)、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダクリズマブ、アザチオプリン、プレドニゾン、ゲムシタビン、それらの誘導体、薬学的な塩および組合せ。
治療可能な薬剤のさらなる例は、抗癌剤;化学療法剤;血栓溶解剤;血管拡張剤;抗微生物剤または抗生物質;有糸分裂阻害剤;増殖因子アンタゴニスト;フリーラジカルスカベンジャー;生物製剤;放射線治療剤;放射線不透過剤;放射標識された薬剤;抗凝固剤(例えば、へパリンおよびその誘導体);血管新生抑制薬(例えば、サリドマイド;血管新生薬;PDGF−Bおよび/またはEGFインヒビター;乾癬剤を含む抗炎症剤;リボフラビン;チアゾフリン;ザフリン(zafurin);シクロオキシゲナーゼインヒビター(例えば、アセチルサリチル酸、ADPインヒビター(例えば、クロピドグレル(例えば、プラビックス)およびチクロピジン(例えば、チクリド(ticlid))、ホスホジエステラーゼI11インヒビター(例えば、シロスタゾール(例えば、プレタール)、糖タンパク質II/IIIIa因子(例えば、アブシキシマブ(例えば、RheoproTM);エプチフィバチド(例えば、Integrilin)、およびアデノシン再取り込みインヒビター(例えば、ジピリダモール)を含む抗血小板剤;抗酸化剤、窒素酸化物ドナーを含む治癒剤および/または促進剤;制吐剤;鎮吐剤;トリプディオライド(tripdiolide)、ジテルペン、トリテルペン、ジテルペンエポキシド、ジテルペノイドエポキシド、トリテルペノイド、またはtripterygium wifordii hook F(TWHF)、SDZ−RAD、RAD、RAD666、または40−0−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、それらの誘導体、薬学的な塩および組合せからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
抗腫瘍剤または抗癌剤はまた、本発明の1つ以上の方法を利用して送達され得る。治療可能な抗腫瘍剤または治療可能な抗癌剤は、腫瘍の増殖のさらなる増大を減少または予防する分子であり、そしてそれらとしては、以下のような抗癌剤が挙げられる:アシビシン(Acivicin);アクラルビシン;塩酸アコダゾール(Acodazole);アクロニン;アドリアマイシン;アドゼレスチン(Adozelestin);アルデスロイキン(Aldesleukin);アルトレタミン(Altretamine);アンボマイシン(Ambomycin);酢酸アメタントロン(Ametantrone);アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール(Anastrozole);アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(Asperlin);アザシチジン;アゼテパ(Azetepa);アゾトマイシン(Azotomycin);バチマスタト(Batimastat);ベンゾデパ(Benzodepa);ビカルタミド(Bicalutamide);塩酸ビスアントレン(Bisantrene);ビスナフィドジメシラート(Bisnafide Dimesylate);ビゼレシン(Bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナル(Brequinar)ナトリウム;ブロピリミン(Bropirimine);ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(Caracemide);カルベチマー(Carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレスチン(Carzelestin);セデフィンゴール(Cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン(Cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン(Cladribine);クリスナトール(Crisnatol)メシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン(Decitabin );デキソルマプラチン(Dexormaplatin);デザグアニン(Dezaguanine);デザグアニンメシラート;ジアジクオン(Diaziquone);デセタキセル(Docetaxel);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(Droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(Duazomycin);エダトレキセート(Edatrexate);塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(Elsamitrucin);エンロプラチン(Enloplatin);エンプロメート(Enpromate);エピプロピジン(Epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(Erbulozole);塩酸エソルビシン(Esorubicin);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール(Etanidazole);エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(Etoprine);塩酸ファドロゾール(Fadrozole);ファザラビン(Fazarabine);フェンレチニド(Fenretinide);フロクスウリジン;リン酸フルダラビン(Fludarabine);フルオロウラシル;フルロシタビン(Flurocitabine);ホスキドン(Fosquidone);ホストリエシン(Fostriecin)ナトリウム;ゲムシタビン(Gemcitabine);塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イバルビシン(Ibarubicin);イホスファミド;イルモホスフィン(Ilmofosfine);インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−1a;インターフェロンγ−1b;イプロプラチン(Iproplatin);塩酸イリノテカン(Irinotecan);酢酸ランレオチド(Lanreotide);レトロゾール(Letrozole);酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール(Liarozole);ロメトレキソル(Lometrexol)ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(Losoxantrone);マソプロコル(Masoprocol);メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル(Menogaril);メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ(Meturedepa);ミチンドミド(Mitindomide);ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン(Mitogillin);ミトマルシン(Mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(Mitosper);ミトタン(Mitotane);塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール(Nocodazole);ノガラマイシン(Nogalamycin);オルマプラチン(Ormaplatin);オキシスラン(Oxisuran);パクリタキセル(Paclitaxel);ペガスパルガーゼ(Pegaspargase);ペリオマイシン(Peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン(Plicamycin);プロメスタン(Plomestane);ポルフィマー(Porfimer)ナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン(Pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド(Rogletimide);サフィンゴル(Safingol);塩酸サフィンゴル;セムスチン;シムトラゼン(Simtrazene);スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン(Sparsomycin);塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン(Streptnigrin);ストレプトゾシン;スロフェヌル(Sulofenur);タリソマイシン(Talisomycin);テコガラン(Tecogalan)ナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン(Temoporfin);テニポシド(Teniposide);テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(Tirapazamine);塩酸トポテカン(Topotecan);クエン酸トレミフェン(Toremifen);酢酸トレストロン(Trestolone);リン酸トリシリビン(Triciribine);トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン(Triptorelin);塩酸ツブロゾール(Tubulozole);ウラシルマスタード;ウレデパ(Uredepa);バプレオチド(Vapreotide);ベルテポルフィン(Verteporfin);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(Vinepidine);硫酸ビングリシネート(Vinglycinate);硫酸ビンレウロシン(Vinleurosine);酒石酸ビノレルビン(Vinorelbine);硫酸ビンロシジン(Vinrosidine);硫酸ビンゾリジン(Vinzolidine);ボロゾール(Vorozole);ゼニプラチン(Zeniplatin);ジノスタチン;塩酸ゾルビシン;およびタキソール。
本発明の別の局面において、治療可能な薬剤は、生理活性タンパク質または生理活性ペプチドである。このような生理活性タンパク質または生理活性ペプチドの例としては、以下が挙げられる:細胞をモジュレートするペプチド、走化性ペプチド、抗凝固ペプチド、抗血栓ペプチド、抗腫瘍ペプチド、抗感染ペプチド、増殖増強ペプチド、および抗炎症ペプチド。タンパク質の例としては、抗体、酵素、ステロイド、増殖ホルモンおよび増殖ホルモン放出ホルモン、ゴナドトロピン放出ホルモン、およびそのアゴニストアナログおよびアンタゴニストアナログ、ソマトスタチンおよびそのアナログ、ゴナドトロピン(例えば、黄体形成ホルモンおよび卵胞刺激ホルモン、ペプチドT、チロカルシトニン、副甲状腺ホルモン、グルカゴン、バソプレシン、オキシトシン、アンギオテンシンIおよびアンギオテンシンII、ブラジキニン、カリジン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、インスリン、グルカゴンならびに上記分子の多数のアナログおよび同類物が挙げられる。上記治療剤は、インスリン、MMR(ムンプス、麻疹および風疹)ワクチン、腸チフスワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、単純ヘルペスウイルス、細菌トキソイド、これら毒素B−サブユニット、インフルエンザワクチンウイルス、bordetela pertussisウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、カナリアポックス、ポリオワクチンウイルス、Plasmodium falciparum、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、klebsiella pneumoniae、HIVエンベロープ糖タンパク質およびサイトカインからなる群から選択される抗原、ならびにウシ成長ホルモン(時として、BSTと称される)、エストロゲン、アンドロゲン、インスリン増殖因子(時として、IGFと称される)、インターロイキンI、インターロイキンIIおよびサイトカインからなる群から選択される他の薬剤から選択され得る。3つのこのようなサイトカインは、インターフェロン−α、インターフェロン−βおよびタフトシンである。
本発明のいくつかの局面において、BBBの透過性は、抗生物質、または治療可能な抗感染剤を送達するために、上で本明細書に記載される1つ以上の方法によってモジュレートされる。このような抗感染剤は、微生物の活性を減少させるか、または微生物を殺し、そしてそれらとしては、以下が挙げられる:アズトレオナム; グルコン酸クロルヘキシジン;イミド尿素(Imidurea);リセタミン(Lycetamine);ニブロキサン(Nibroxane);ピラズモナム(Pirazmonam)ナトリウム;プロピオン酸;ピリチオンナトリウム;塩化サンギナリウム;チゲモナムジコリン(Tigemonam Dicholine);アセダプソン;アセトスルホンナトリウム;アラメシン(Alamecin);アレキシジン;アムジノシリン;アムジノシリンピボキシル;アミサイクリン;アミフロキサシン(Amifloxacin);アミフロキサシンメシラート;アミカシンサルフェート;アミノサリチル酸;アミノサリチル酸ナトリウム;アモキシシリン;アンホマイシン;アンピシリン;アンピシリンナトリウム;アパルシリンナトリウム;アプラマイシン;アスパルトシン;硫酸アストロミシン;アビラマイシン(Avilamycin);アボパルシン(Avoparcin);アジスロマイシン;アズロシリン;アズロシリンナトリウム;塩酸バカンピシリン;バシトラシン;バシトラシンメチレンジサリチル酸塩;バシトラシン亜鉛;バンベルマイシン;ベンゾイルパスカルシウム;ベリスロマイシン(Berythromycin);硫酸ベタマイシン;ビアペネム(Biapenem);ビニラマイシン(Biniramycin);塩酸ビフェナミン;ビスピリチオンマグスルフェクス(Bispyrithione Magsulfex);ブチカシン(Butikacin);硫酸ブチロシン;硫酸カプレオマイシン;カルバドックス;カルベニシリン二ナトリウム;カルベニシリンインダニルナトリウム;カルベニシリンフェニルナトリウム;カルベニシリンカリウム;カルモナム(Carumonam)ナトリウム;セファクロル;セファドロキシル;セファマンドール;セファマンドールナファート;セファマンドールナトリウム;セファパロール(Cefaparole);セファトリジン;セファザフルール(Cefazaflur)ナトリウム;セファゾリン;セファゾリンナトリウム;セフブペラゾン(Cefbuperazone);セフジニル(Cefdinir);セフェピメ(Cefepime);塩酸セフェピメ;セフェテコール(Cefetecol);セフィキシム(Cefixime);塩酸セフメノキシム;セフメタゾール;セフメタゾールナトリウム;セフォニシド一ナトリウム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾンナトリウム;セフォラニド;セフォタキシムナトリウム;セフォテタン;セフォテタン二ナトリウム;塩酸セフォチアム;セフォキシチン;セフォキシチンナトリウム;セフピミゾール(Cefpimizole);セフピミゾールナトリウム;セフピラミド(Cefpiramide);セフピラミドナトリウム;硫酸セフピローム(Cefpirome);セフポドキシムプロキセチル(Cefpodoxime Proxetil);セフプロジル(Cefprozil);セフロキサジン;セフスロジンナトリウム;セフタジジム;セフチブテン(Ceftibuten);セフチゾキシムナトリウム;セフトリアキソンナトリウム;セフロキシム;セフロキシムアクセチル(Axetil);セフロキシムピボキセチル(Pivoxetil);セフロキシムナトリウム;セファセトリル(Cephacetrile)ナトリウム;セファレキシン;塩酸セファレキシン;セファログリシン;セファロリジン;セファロチンナトリウム;セファピリンナトリウム;セフラジン;塩酸セトサイクリン;セトフェニコール;クロラムフェニコール;パルミチン酸クロラムフェニコール;パントテン酸クロラムフェニコール錯体;コハク酸クロラムフェニコールナトリウム;クロルヘキシジンホスファニラート;クロロキシレノール;二硫酸クロルテトラサイクリン;塩酸クロルテトラサイクリン;シノキサシン;シプロフロキサシン;塩酸シプロフロキサシン;シロレマイシン(Cirolemycin);クラリスロマイシン(Clarithromycin);塩酸クリナフロキサシン(Clinafloxacin);クリンダマイシン;塩酸クリンダマイシン;バルミチン酸クリンダマイシン塩酸塩;リン酸クリンダマイシン;クロファジミン;クロキサシリンベンザチン;クロキサシリンナトリウム;クロキシキン(Cloxyquin);コリスチメサートナトリウム;硫酸コリスチン;クメルマイシン(Coumermycin);クメルマイシンナトリウム;シクラシリン;シクロセリン;ダルフォプリスチン(Dalfopristin);ダプソン;ダプトマイシン;デメクロサイクリン;塩酸デメクロサイクリン;デメサイクリン;デノフンギン(Denofungin);ジアベリジン(Diaveridine);ジクロキサシリン;ジクロキサシリンナトリウム;硫酸ジヒドロストレプトマイシン;ジピリチオン;ジリスロマイシン;ドキシサイクリン;ドキシサイクリンカルシウム;ドキシサイクリンホスファテックス(Fosfatex);ドキシサイクリンヒクラート;ドロキサシン(Droxacin)ナトリウム;エノキサシン(Enoxacin);エピシリン;塩酸エピテトラサイクリン;エリスロマイシン;エリスロマイシンアシストレート(Acistrate);エリスロマイシンエストレート;エリスロマイシンエチルスクシネート;エリスロマイシングルセプテート(Gluceptate);ラクトビオン酸エリスロマイシン;プロピオン酸エリスロマイシン;ステアリン酸エリスロマイシン;塩酸エタンブトール;エチオナミド;フレロキサシン(Fleroxacin);フロキサシリン;フルダラニン(Fludalanine);フルメキン(Flumequine);ホスホマイシン;ホスホマイシントロメタミン;フモキシシリン(Fumoxicillin);塩化フラゾリウム;酒石酸フラゾリウム;フシジン酸ナトリウム;フシジン酸;硫酸ゲンタマイシン;グロキシモナム(Gloximonam);グラミシジン;ハロプロジン;ヘタシリン;ヘタシリンカリウム;ヘキセジン(Hexedine);イバフロキサシン(Ibafloxacin);イミペネム;イソコナゾール;イセパミシン(Isepamicin);イソニアジド;ジョサマイシン;硫酸カナマイシン;キタサマイシン;レボフラルタドン(Levofuraltadone);レボプロピルシリンカリウム;レキシスロマイシン;リノマイシン;塩酸リノマイシン;ロメフロキサシン(Lomefloxacin);塩酸ロメフロキサシン;ロメフロキサシンメシラート;ロラカルベフ(Loracarbef);マフェナイド;メクロサイクリン(Meclocycline);スルホサリチル酸メクロサイクリン;リン酸メガロミシン(Megalomicin)カリウム;メキドクス(Mequidox);メロペネム(Meropenem);メタサイクリン;塩酸メタサイクリン;メテナミン;馬尿酸メテナミン;マンデル酸メテナミン;メチシリンナトリウム;メチオプリム(Metioprim);塩酸メトロニダゾール;リン酸メトロニダゾール;メズロシリン;メズロシリンナトリウム;ミノサイクリン;塩酸ミノサイクリン;塩酸ミリンカマイシン(Mirincamycin);モネンシン;モネンシンナトリウム;ナフシリンナトリウム;ナリジクス酸ナトリウム;ナリジクス酸;ナタマイシン;ネブラマイシン;パルミチン酸ネオマイシン;硫酸ネオマイシン;ウンデシレン酸ネオマイシン;硫酸ネチルマイシン;ニュートラマイシン;ニフラデン(Nifuradene);ニフラルデゾン;ニフラテル;ニフラトロン(Nifuratrone);ニフルダジル;ニフリミド;ニフルピリノール;ニフルキナゾール;ニフルチアゾール;ニトロサイクリン;ニトロフラントイン;ニトロミド(Nitromide);ノルフロキサシン;ノボビオシンナトリウム;オフロキサシン;オルメトプリム(Ormetoprim);オキサシリンナトリウム;オキシモナム(Oximonam);オキシモナムナトリウム;オキソリン酸;オキシテトラサイクリン;オキシテトラサイクリンカルシウム;塩酸オキシテトラサイクリン;パルジマイシン(Paldimycin);パラクロロフェノール;パウロマイシン(Paulomycin);ペフロキサシン(Pefloxacin);ペフロキサシンメシラート;ペナメシリン(Penamecillin);ベンザチンペニシリンG;ペニシリンGカリウム;プロカインペニシリンG;ペニシリンGナトリウム;ペニシリンV;ベンザチンペニシリンV;ヒドラバミンペニシリンV;ペニシリンVカリウム;ペンチジドン(Pentizidone)ナトリウム;アミノサリチル酸フェニル;ピペラシリンナトリウム;ピルベニシリン(Pirbenicillin)ナトリウム;ピリジシリンナトリウム;塩酸ピルリマイシン(Pirlimycin);塩酸ピバンピシリン;ピバンピシリンパモエート;ピバンピシリンプロベネート;硫酸ポリミキシンB;ポルフィロマイシン;プロピカシン(Propikacin);ピラジンアミド;ピリチオン亜鉛;酢酸キンデカミン(Quindecamine);キヌプリスチン(Quinupristin);ラセフェニコール;ラモプラニン(Ramoplanin);ラニマイシン(Ranimycin);レロマイシン(Relomycin);レプロマイシン(Repromicin);リファブチン;リファメタン;リファメキシル;リファミド;リファンピン;リファペンチン;リファキシミン;ロリテトラサイクリン;硝酸ロリテトラサイクリン;ロサラマイシン(Rosaramicin);酪酸ロサラマイシン;プロピオン酸ロサラマイシン;リン酸ロサラマイシンナトリウム;ステアリン酸ロサラマイシン;ロソキサシン(Rosoxacin);ロキサルソン;ロキシスロマイシン;サンサイクリン(Sancycline);サンフェトリネン(Sanfetrinem)ナトリウム;サルモキシシリン(Sarmoxicillin);サルピシリン(Sarpicillin);スコパフンギン(Scopafungin);シソマイシン;硫酸シソマイシン;スパルフロキサシン(Sparfloxacin);塩酸スペクチノマイシン;スピラマイシン;塩酸スタリマイシン(Stallimycin);ステフィマイシン(Steffimycin);硫酸ストレプトマイシン;ストレプトニコジド;スルファベンズ;スルファベンザミド;スルファセトアミド;スルファセトアミドナトリウム;スルファシチン;スルファジアジン;スルファジアジンナトリウム;スルファドキシン;スルファレン;スルファメラジン;スルファメータ;スルファメタジン;スルファメチゾール;スルファメトキサゾール;スルファモノメトキシン;スルファモキソール;スルファニル酸亜鉛;スルファニトラン;スルファサラジン;スルファソミゾール;スルファチアゾール;スルファザメト(Sulfazamet);スルフィソキサゾール;スルフィソキサゾールアセチル;スルフィソキサゾールジオラミン;スルホミキシン;スロペネム(Sulopenem);スルタミシリン(Sultamicillin);サンシリン(Suncillin)ナトリウム;塩酸タランピシリン;テイコプラニン;塩酸テマフロキサシン(Temafloxacin);テモシリン;テトラサイクリン;塩酸テトラサイクリン;リン酸テトラサイクリン錯体;テトロキソプリム(Tetroxoprim);チアンフェニコール;チフェンシリン(Thiphencillin)カリウム;チカルシリンクレシルナトリウム;チカルシリン二ナトリウム;チカルシリン一ナトリウム;チクラトン(Ticlatone);塩化チドニウム(Tidonium);トブラマイシン;硫酸トブラマイシン;トスフロキサシン(Tosuf
loxacin);トリメトプリム;硫酸トリメトプリム;トリスルファピリミジン;トロレアンドマイシン;硫酸トロスペクトマイシン(Trospectomycin);チロスリシン;バンコマイシン;塩酸バンコマイシン;バージニアマイシン;ゾルバマイシン;塩酸ジフロキサシン(Difloxacin);ラウリルイソキノリニウムブロミド;モキサラクタム二ナトリウム;オルニダゾール;ペンチソマイシン(Pentisomicin);および塩酸サラフロキサシン(Sarafloxacin)、ならびにそれらの誘導体、および組合せ。
本発明のいくつかの局面において、BBBの透過性は、治療可能な抗炎症剤を送達するためにモジュレートされる。このような抗炎症剤は、炎症応答を減少させ、そしてそれらとしては、以下のステロイド系化合物および非ステロイド系化合物が挙げられる:アルクロフェナック;ジプロピオン酸アルクロメタゾン;アルゲストンアセトニド;αアミラーゼ;アンシナファル(Amcinafal);アンシナフィド(Amcinafide);アンフェナクナトリウム;塩酸アミプリロース(Amiprilose);アナキンラ(Anakinra);アニロラク(Anirolac);アニトラザフェン(Anitrazafen);アパゾン;バルサラジド(Balsalazide)二ナトリウム;ベンダザック;ベノキサプロフェン;塩酸ベンジダミン;ブロメライン;ブロペラモル(Broperamole);ブデソニド;カルプロフェン;シクロプロフェン(Cicloprofen);シンタゾン(Cintazone);クリプロフェン(Cliprofen);プロピオン酸クロベタゾール;クロベタゾンブチラート;クロピラク(Clopirac);プロピオン酸クロチカゾン(Cloticasone);酢酸コルメタゾン(Cormethasone);コルトドキソン(Cortodoxone);デフラザコート(Deflazacort);デソニド;デスオキシメタゾン;デキサメタゾン;ジプロピオネート;ジクロフェナクカリウム;ジクロフェナクナトリウム;二酢酸ジフロラゾン;ジフルミドン(Diflumidone)ナトリウム;ジフルニサル;ジフルプレドネート(Difluprednate);ジフタロン(Diftalone);ジメチルスルホキシド;ドロシノニド(Drocinonide);エンドリソン;エンリモマブ(Enlimomab);エノリカム(Enolicam)ナトリウム;エピリゾール;エトドラク(Etodolac);エトフェナメート(Etofenamate);フェルビナク(Felbinac);フェナモル(Fenamole);フェンブフェン;フェンクロフェナク;フェンクロラク(Fenclorac);フェンドサール(Fendosal);フェンピパロン;フェンチアザク;フラザロン(Flazalone);フルアザコート(Fluazacort);フルフェナム酸;フルミゾール;酢酸フルニソリド;フルニキシン;フルニキシンメグルミン;フルオコルチンブチル;酢酸フルオロメトロン;フルカゾン(Fluquazone);フルルビプロフェン;フルレトフェン(Fluretofen);プロピオン酸フルチカゾン(Fluticazone);フラプロフェン(Fraprofen);フロブフェン(Furobufen);ハルシノニド;プロピオン酸ハロベタゾール;酢酸ハロプレドン;イブフェナク;イブプロフェン;イブプロフェンアルミニウム;イブプロフェンピコノール;イロニダプ(Ilonidap);インドメタシン;インドメタシンナトリウム;インドプロフェン;インドキソール;イントラゾール(Intrazole);酢酸イソフルプレドン;イソキセパク(Isoxepac);イソキシカム;ケトプロフェン;塩酸ロフェミゾール(Lofemizole);ロルノキシカム(Lornoxicam);ロテプレドノールエタボネート(Loteprednol Etabonate);メクロフェナム酸ナトリウム;メクロフェナム酸;メクロリソン(Meclorisone)ジブチラート;メフェナム酸;メサラミン;メセクラゾン(Meseclazone);メチルプレドニゾロンスレプタネート;モルニフルメート(Morniflumate);ナブメトン(Nabumetone);ナプロキセン;ナプロキセンナトリウム;ナプロキソール;ニマゾン(Nimazone);オルサラジン(Olsalazine)ナトリウム;オルゴテイン(Orgotein);オルパノキシン(Orpanoxin);オキサプロジン;オキシフェンブタゾン;塩酸パラニリン(Paranyline);ペントサンポリ硫酸ナトリウム;グリセリン酸フェンブタゾンナトリウム;ピルフェニドン(Pirfenidone);ピロキシカム;ケイ皮酸ピロキシカム;ピロキシカムオラミン;ピルプロフェン;プレドナザート(Prednazate);プリフェロン(Prifelone);プロドール酸;プロカゾン;プロキサゾール;クエン酸プロキサゾール;リメキソロン(Rimexolone);ロマザリト(Romazarit);サルコレクス(Salcolex);サルナセジン(Salnacedin);サルサラート;塩化サンギナリウム;セクラゾン(Seclazone);セルメタシン(Sermetacin);スドキシカム(Sudoxicam);スリンダク;スプロフェン;タルメタシン(Talmetacin);タルニフルメート(Talniflumate);タロサラート;テブフェロン(Tebufelone);テニダプ(Tenidap);テニダプナトリウム;テノキシカム;テシカム(Tesicam);テシミド;テトリダミン;チオピナク(Tiopinac);ピバル酸チキソコルトル(Tixocortol);トルメチン;トルメチンナトリウム;トリクロニド(Triclonide);トリフルミデート(Triflumidate);ジドメタシン(Zidometacin);ゾメピラックナトリウム。
使用され得るさらなる非ステロイド系抗炎症剤としては、アスピリン、ジクロフェナク、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトロラク、ナプロキセン、およびスプロフェンが挙げられるが、これらに限定されない。さらなるバリエーションにおいて、上記抗炎症剤は、ステロイド系抗炎症剤である。
本発明のいくつかの局面において、BBBの透過性は、抗凝固性である治療可能な薬剤を送達するためにモジュレートされる。このような抗凝固剤は、血液の凝固を妨げる分子であり、そしてそれらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アンクロッド;抗凝固性クエン酸デキストロース溶液;抗凝固性クエン酸リン酸デキストロースアデノシン溶液;抗凝固性クエン酸リン酸デキストロース溶液;抗凝固性へパリン溶液;抗凝固性クエン酸ナトリウム溶液;アルデパリンナトリウム;ビバリルジン;ブロミンジオン;ダルテパリンナトリウム;デシルジン;ジクマロール;へパリンカルシウム;へパリンナトリウム;アポラート(Lyapolate)ナトリウム;メシル酸ナファモスタット;フェンプロクモン;チンザパリンナトリウム;ワルファリンナトリウム。
本発明のいくつかの局面において、BBBの透過性は、抗血栓性である治療可能な薬剤を送達するためにモジュレートされる。抗血栓分子は、本明細書中で使用される場合、血栓の形成を妨げる分子であり、そしてそれらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:塩酸アナグレリド;ビバリルジン;ダルテパリンナトリウム;ダナパロイドナトリウム;塩酸ダゾキシベン;硫酸エフェガトラン;エノキサパリンナトリウム;イフェトロバン;イフェトロバンナトリウム;チンザパリンナトリウム;トリフェナグレル。
本発明のいくつかの局面において、造影剤(例えば、放射性同位体および蛍光性薬剤)は、変化したBBBを通って送達される。これらの薬剤は、CNSまたはCNSの特定の領域を画像化するために特に有用である。さらに、放射性同位体は、例えば、Harbert、「Nuclear Medicine Therapy」、New York、Thieme Medical Publishers、1987、pp.1−340に記載されるように、癌および他の病理学的状態の処置のために使用され得る。いくつかの実施形態においては、放射性同位体としては、短い半減期を有する同位体および同位体の塩が挙げられるが、これらに限定されない:例えば、Y−90、P−32、1−131、Au 198。
放射性同位体、薬物、および毒素が特定の細胞によって産生されるか、または特定の細胞に関連するマーカーに特異的に結合する抗体または抗体フラグメントに結合体化され得ること、およびこのような抗体結合体が、放射性同位体、薬物または毒素を腫瘍部位に対して標的化して、それらの治療効力を増強し、そして副作用を最小化するために使用され得ることもまた、周知である。これらの薬剤および方法の例は、WawrzynczakおよびThorpe(Cellular and Molecular Biology of Cancerに対する導入、L.M.FranksおよびN.M.Teich編、第18章、pp.378−410、Oxford University Press、Oxford、1986)、Immunoconjugates.Antibody Conjugates in Radioimaging and Therapy of Cancer(C.−W.Vogel編、3−300、Oxford University Press、New York、1987)、Dillman,R.O.(CRC Critical Reviews in Oncology/Hematology 1:357、CRC Press,Inc.、1984)、Pastanら(Cell 47:641、1986)、Vitettaら(Science 238:1098−1104、1987)およびBradyら(Int.J.Rad.Oncol.Biol.Phys.13:1535−1544、1987)において概説される。癌のための免疫結合体の使用および他の形態の治療の他の例は、とりわけ、Goldenberg、米国特許第4,331,647号、同第4,348,376号、同第4,361,544号、同第4,468,457号、同第4,444,744号、同第4,460,459号、同第4,460,561号および同第4,624,846号、ならびにRowland、米国特許第4,046,722号、Rodwellら、米国特許第4,671,958号、ならびにShihら、米国特許第4,699,784号(これらの全ての開示は、本明細書にその全体が参考として援用される)に開示されている。
血管新生因子または抗血管新生因子はまた、必要とされる場合、脳の状態を処置するために送達され得る。血管新生(組織における新規の血管の増殖)は、最近増加した研究の目的となっている。組織の領域に対する酸素負荷された血液の新規供給を提供するこのような血管増殖は、種々の組織および筋肉の病気、特に、虚血を治療する可能性を有する。主に、研究は、血管新生因子(例えば、遺伝子工学技術から産生されるヒト増殖因子)を完成させることに集中している。心筋組織へのこのような増殖因子の注入は新規の高密度な組織内の毛細血管網によって示されるその部位での血管新生を開始するが、報告されている。Schumacherら、「Induction of Neo−Angiogenesis in Ischemic Myocardium by Human Growth Factors」、Circulation、1998;97:645−650。血管新生因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:VEGF、低酸素誘導因子(HIF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、HO−1、SOD、NOSII、NOSIII、胎盤増殖因子(PLGF)、TGF−β、アンギオポエチン−1、bFGF、およびマクロファージ走化活性化タンパク質−1(MCP−1)、およびそれらの機能的誘導体または組合せ。
処置の持続期間およびレジメンは、処置される特定の状態および被験体に依存して変動し得る。例えば、治療剤は、少なくとも1、7、14、30、60、90日、または数カ月、数年にわたってか、あるいは被験体の寿命を通して本発明の方法によって投与され得る。
(本発明の薬学的組成物)
本明細書に開示される本発明の1つ以上の方法は、生物学的に活性な薬剤を選択するために利用され得、その生物学的に活性な薬剤は、次いで脱髄の処置に関与し得る。再ミエリン化をモジュレートするために有効な選択された生物学的に活性な薬剤は、ニューロンの脱髄障害を処置するための医薬の調製のために使用され得る。1つの局面において、本発明の同定/選択された生物学的に活性な薬剤は、病原体(例えば、細菌およびウイルス)によって与えられたニューロンの脱髄を処置するために投与され得る。別の局面において、上記選択された薬剤は、毒性物質によって引き起こされるニューロンの脱髄、または例えば、橋中央ミエリン溶解およびビタミン欠乏症などでの身体における毒性代謝産物の蓄積を処置するために使用され得る。なお他の局面において、上記薬剤は、身体的な傷害(例えば、脊髄傷害)によって引き起こされる脱髄を処置するために使用され得る。さらになお別の局面において、上記薬剤は、遺伝的特性を有する障害、遺伝的障害(白質ジストロフィー、副腎白質ジストロフィー、変性性多系統委縮症、ビンスワンガー脳症、中枢神経系における腫瘍、および多発性硬化症が挙げられるが、これらに限定されない)において発現される脱髄を処置するために投与され得る。
種々の送達系が、公知であり、そして本発明の生物学的に活性な薬剤を投与するために使用され得る(例えば、リポソーム中の封入、微粒子、マイクロカプセル、組換え細胞による発現、レセプター媒介性エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、(1987)、J.Biol.Chem.262:4429−4432を参照のこと)、レトロウイルスまたは他のベクターの部分としての治療用核酸の構築など)。送達の方法としては、動脈内経路、筋肉内経路、静脈内経路、鼻腔内経路、および経口経路が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物を処置が必要な領域に対して局所的に投与することが、望まれ得る;これは、例えば、限定のためではなく、外科手術の間の局所注入、注射、またはカテーテルによって達成され得る。特定の実施形態において、上記薬剤は、被験体の神経系、好ましくは中枢神経系に送達される。別の実施形態において、上記薬剤は、再ミエリン化を受けるニューロン組織に投与される。
選択された薬剤の投与は、処置の過程全体を通して連続的または間欠的に1つの用量で達成され得る。投与の最も有効な手段および投薬量を決定する方法は、当業者に周知であり、そして治療のために使用される組成物、治療の目的、処置される標的細胞、および処置される被験体に伴って変化する。単回投与または複数回投与は、処置する医師によって選択される用量のレベルおよび様式によって行われ得る。
本発明の薬学的組成物の調製は、薬学的調製物の調製のための一般に受容される手順に従って行われる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第18版(1990)、E.W.Martin編、Mack Publishing Co.、PAを参照のこと。投与の意図される用途および様式に依存して、薬学的組成物の調製において活性成分をさらに処理することが、望まれ得る。適切な処理は、適切な非毒性成分および非干渉成分と混合すること、滅菌すること、用量単位に分割すること、および送達デバイスに封入することを含み得る。
経口投与、鼻腔内投与、または局所投与のための薬学的組成物は、固体形態、半固体形態または液体形態(錠剤、カプセル、粉末、液体、および懸濁物が挙げられる)で供給され得る。注射のための組成物は、液体溶液または懸濁物、エマルション、あるいは注射前の液体における溶解または懸濁に適した固体形態として供給され得る。気道を介する投与に関して、好ましい組成物は、適切なエアロゾル噴霧器(aerosolizer)デバイスと一緒に使用される場合に固体、粉末、またはエアロゾルを提供するものである。
薬学的に受容可能な液体組成物は、例えば、液体賦形剤(例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、またはエタノール)に本明細書中で例示されるポリペプチドを溶解または分散することによって調製され得る。上記組成物はまた、他の薬剤、医薬品、アジュバント、キャリア、または補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝化剤)を含み得る。
(実施例1)
トレーサー透過性研究:ラットを、ケタミン/キシラジンカクテルによって麻酔した。胸腔を、切開し、そして右心房を、小さい解剖用剪刀によって切開した。ビオチン(DPBS中にl〜2mg/ml)を、dynamax蠕動ポンプを10分間にわたって使用して左心室に15分間にわたって灌流し、次いで、10〜15分間の4%パラホルムアルデヒドを灌流した。次いで、固定したラット脳/組織を、30%スクロース中に沈める前に4%パラホルムアルデヒド中で4度にて一晩インキュベートした。次いで、その脳および組織を、2:1 30%スクロース対OCT混合物中で凍結し、そして12〜16μmの凍結切片を、クリオスタットを使用して作製した。切片を、PBSにおいて再水和し、次いで、1:500ストレプトアビジンalexa−488と一緒にインキュベートする前に50%ヤギ血清によってブロックした。次いで、アビジン−ビオチン複合体を、蛍光顕微鏡検査によって可視化した。透過性をまた、ビオチンの代わりに10kDローダミン−デキストラン(DPBS中に0.5mg/ml)を使用して評価した。この場合において、デキストランを、切片した後に直接的に可視化した。
免疫組織化学を使用し、それは、EBA免疫反応性は成体ラット中枢神経系全体にわたる血管において特異的に可視化され得るが、末梢組織(例えば、肝臓、肺または筋肉)においては特異的に可視化されないことを示した(図23)。EBA反応性は、初期の出生後発達の間に可視化されないが、p17でCNS脈管のサブセットにおいて最初に観察され、次いでp20で全てのCNS脈管全体にわたって観察される(図23;C〜D)。このことは、胚形成においてCNS内皮細胞によって発現され始め、そして出生後の生活全体を通して持続するオクルディン、p−糖タンパク質、glut−1およびトランスフェリンレセプターを含む他の公知のBBBマーカーとは対照的である。
BBBの透過性は、分子トレーサーによってラットを灌流し、そしてこれらのトレーサーが脳実質中に拡散し得るか否かを可視化することによって決定される。BBBは、誕生後および出生後の発達および成人期を通して、ビオチン(MW−250ダルトン 1mg/ml)またはテトラメチル−ローダミンデキストラン(約10kD、2mg/ml)に対して不透過性であることが示され、このことは、BBB出生後の発達前に形成することを示す(図23;B〜E)。しかし、増大したビオチン濃度(例えば、2mg/ml)によって、BBBは、p18までこの高いレベルのトレーサーに感受性であった(図24;I〜K)。興味深いことに、これは、EBA発現の時期と一致する。
(実施例2)
SMI71(抗EBA抗体)による染色:成体ラット(Sprague Dawley)を、ケタミン/キシラジンカクテルの腹腔内注射によって麻酔した。そのラットの胸腔を、切開して心臓を露出させた。その心臓の右心房を、鋭利な剪刀によって切り、次いで、リン酸緩衝化生理食塩水を、その心臓の左心室に10分間にわたって灌流し、次いで4%パラホルムアルデヒドによる灌流を行った。固定した脳を、解剖し、そしてさらに、4% PFA中で一晩にわたって水浸固定し、次いで30%スクロースにおいてさらに一晩にわたって平衡化した。次いで、その脳および末梢組織を、30%スクロース:OCTの2:1混合物中で凍結し、そして10〜20ミクロンの切片を、クリオスタットを使用して切断した。脳および組織切片を、メタノール/0.3%過酸化水素混合物によって30分間にわたってブロックし、次いで50%ヤギ血清によってさらに30分間にわたってブロックした。次いで、SMI71抗体(Covance)を、4度にて一晩インキュベートした。
SMI71の可視化を、ベクタステインマウスIgG ABCキット(Vector labs PK6102)を使用し、次いで、DABペルオキシダーゼ基質反応(Vector labs SK−4100)を使用して行った。解離培養物のために、成体ラットを、二酸化炭素によって安楽死させた。脳の皮質領域を、解剖し、そしてL−システイン(0.4mg/ml)およびDNAse(125U/ml)を含む165ユニットのパパインによって30分間にわたって35度で酵素的に消化した。5mlピペットで粉砕することによる機械的分離の後、細胞を、1000gでの遠心分離によって回収し、そして24ウェルプレート(Falcon)においてポリD−リジンによってコーティングしたカバーガラスにプレートした。細胞を、Vector ABC HRPキットを使用して1:1000 SMI71抗体によって4度にて一晩染色し、次いで4% PFAによる固定を行い、50%ヤギ血清によってブロックし、その後ヤギ抗マウスalexa 488結合体化二次抗体と一緒にインキュベートした。同時標識実験のために、内皮細胞をまた、1:500抗VWF(DAKO)一次抗体およびヤギ抗ウサギalexa 594によって標識した。切片を、エタノールによって再水和し、キシレンによって洗浄し、そして光学顕微鏡下で見た。
(実施例3)
発現クローニング:Biochainから購入した成体ラット脳cDNAライブラリーを、E.Coliに形質転換し、そして1プレートあたり2000個のコロニーであるようにLB−アンピシリンプレートに拡散した。各プレートからのコロニーを、一緒に擦過して、コロニーのプールを形成した。DNAを、Qiagenミニプレップ(miniprep)キットを使用して単離し、そしてリポフェクチン2000を使用してCOS−1細胞にトランスフェクトした。カバーガラス上で増殖させた細胞を、次いで、DPBS中の1:1000 SMI71抗体と一緒に4℃にて一晩インキュベートし、その後、4%の冷PFA中で10分間にわたって固定し、50%ヤギ血清によって30分間にわたってブロックし、その後、ヤギ抗マウスalexa 488抗体と一緒に1.5時間にわたって室温でインキュベートした。カバースリップを、次いで、DAPIを伴うvectashieldを使用してスライドガラス上にのせ、そして蛍光顕微鏡によって可視化した。ポジティブプール由来のDNAを、次いで、E.Coliに形質転換し、そして200個のコロニー/ディッシュでプレートした。
COS−1細胞の染色を、上記のように免疫蛍光を使用して行った。ポジティブプールを、sib選択技術を使用して200個のプールへと分離した。簡単にいうと、ポジティブプールを、E.Coliに形質転換し、次いで、1プレートあたり200個のコロニーによってLB−Ampにプレートした。個々のプレートを、擦過して、200個のプールを産生した。DNAを、単離し、そして上記のようにCOS−1細胞にトランスフェクトした。ポジティブサブプールの同定後、次いで、これらを、20個のプールへと狭め、次いで個々のクローンへと狭めた。個々のポジティブクローンを、T7順方向プライマーおよびT7逆方向プライマーならびにM13順方向プライマーおよびM13逆方向プライマーを使用してStanford PAN施設によって配列決定した。
発現クローニングがEBAの同定のために有用な技術であるか否かを試験するために、SMI71抗体の特異性を、決定した。これを達成するために、生(live)の免疫蛍光染色を、急性に解離した成体ラット皮質細胞において行った。これらの培養物において、SMI71抗体は、内皮細胞マーカーVWFによって二重標識した細胞の小さい円形の集塊を染色した(図24;F〜G)。上記抗体は、この懸濁物において他の細胞を染色せず、このことは、その抗体が内皮抗原に高度に特異的であることを示唆した。SMI71抗体の高い程度の特異性に起因して、成体ラット脳cDNAライブラリーからもたらされた任意の抗原はEBA抗原であることが、証明された。成体ラット脳cDNA発現ライブラリーを1500〜3000個のプールへと分離する工程を包含する分子クローニングアプローチを、利用した。COS−1細胞へのこれらのプールのトランスフェクション後、ポジティブクローンを含むプールを、SMI71抗体を用いた生の染色によって同定した。
300,000個のクローンに対するスクリーニング後、単一のポジティブプールを、同定した(図25)。sib選択技術を使用して、上記プール中のクローンの数を、単一のポジティブクローンが得られるまで減少させた(図25F)。配列決定後、このクローンがNgr2(ニューロンにおいて発現されると考えられるGPI連結分子)であることを、検証した。
いくつかのアプローチを、正しいクローンが同定されたことを確認するために使用した。Ngr2トランスフェクトCOS−1細胞は、種々の非特異的IgMコントロール抗体、または利用したヤギ抗マウス二次抗体に結合せず(図24)、このことは、その結合がSMI71に特異的であることを示す。次に、Ngr2のsiRNAノックダウンは、Ngr2トランスフェクトCOS−1細胞に対するSMI71の結合を阻害し、そして標的分子のsiRNAノックダウンは、Ngr2トランスフェクトCOS−1細胞に対するSMI71の結合を阻害しなかった(図24;B、D、F)。さらに、PI−PLCの酵素作用によるGPI連結の除去もまた、Ngr2トランスフェクトCOS−1細胞に対するSMI71結合を妨害した(図24;E〜F)。さらに、SMI71抗体は、2つの相同的なタンパク質(NgrおよびNgr3)によってトランスフェクトされたCOS−1細胞を染色しなかった(図24Iおよび図24K)。これらの実験は、SMI71がCOS−1細胞においてNgr2に結合することを示し、このことは、観察された染色がSMI71抗体とNgr2タンパク質との間の特異的相互作用を示すことを実証する。
(実施例4)
精製された内皮細胞に対するRT−PCR。成体ラットを、二酸化炭素によって安楽死させた。脳および脾臓を、切り出し、上記のように酵素的に解離させた。内皮細胞を、C5抗体によるネガティブパニング後に抗CD31抗体(Research Diagnostics)を用いてイムノパニングを行うことによって単離した。結合しなかった細胞を洗い流した後、残った内皮細胞を、RLT緩衝液によって溶解し、そしてRNAを、QiagenからのRNAeasyキットを使用して単離した。35サイクルのRT−PCRを、ラットNgrh1配列から得られ、medical geneticsウェブサイト(www2.eur.nl/fgg/chl/menu/menu2.html)において同定された多くのプライマー(アクセッション番号AF532860;順方向プライマー:cacagcgactcttcttgcag(配列番号1)、actggacctcggtgacaatc(配列番号2)、ttgcagaacaacctcattcg(配列番号3)、ctcaccctgtggctcttctc(配列番号4).逆方向プライマー:gattgtcaccgaggtccagt(配列番号5)、aggaaaaggtggctcaggtt(配列番号6)、gattgtcaccgaggtccagt(配列番号7)、tagtgactgcagcctctcca(配列番号8))を利用して行った。PCR産物を、臭化エチジウムを含む1%アガロースゲル上で分離し、そしてUV光によって可視化した。RT−PCRを、Ngr2 cDNAの異なる領域に対するプライマーを利用して、精製された脳内皮細胞および脾臓内皮細胞から単離されたmRNAに対して行った。興味深いことに、Ngr2は、脳内皮細胞および脾臓内皮細胞の両方において発現されたが、しかし、脳内皮細胞に特異的であるスプライス改変体は、存在しなかった(図26A)。この改変体の配列決定後、それは、オープンリーディングフレームシフトおよび早発の終止コドンをもたらす23塩基対の挿入を有する転写物を示した(図26B)。興味深いことに、このタンパク質は、細胞表面に分泌されるが、GPI連結されないと予想される。このことに一致して、PI−PLCの酵素的切断は、解離ラット皮質培養物中の内皮細胞に対するSMI71結合を妨害しなかった。
脳ホモジネートおよび脈管画分を、スプライス改変体の存在を確認するためにウェスタンブロットイムノアッセイによって分析した。市販のNgr2抗体(R&D systems)を、ウェスタンブロットアッセイのために利用した。なぜならば、それは、Ngr2トランスフェクトCOS−1細胞のバンドと反応するが、偽トランスフェクト細胞のバンドとは反応しないからである(図26C)。ラット脳脈管を、単離し、そしてDounceホモジナイザーを用いて、氷上のDPBS中でホモジナイズし、そして200Ogで10分間にわたって4℃にてスピンした。ペレットを、PBSに再懸濁し、そして15%デキストラン溶液(MW 35kD〜45kD)の上に積層し、そして3500gで55分間にわたって遠心分離した。次いで、ペレット中の脈管画分を、収集し、PBSによって洗浄し、RIPA緩衝液に再懸濁し、そして−80℃で保存した。脈管および脳ホモジネートを、1:500ヤギ抗Ngr2抗体を使用し、次いで、ロバ抗ヤギHRP結合体化二次抗体を使用してSDS−PAGEによって分析した。
興味深いことに、脳ホモジネートは、予想される全長Ngr2を含んだが、脈管画分は、より小さいダブレットを含んだ(図26C)。このダブレットは、予想される切断されたNgr2よりも大きく移動したが、翻訳後のグリコシル化を含み得る。
SMI71が内皮細胞に特異的であり、COS−1細胞によって発現される外来Ngr2に特異的であるという事実、およびNgr2がCNS内皮細胞において発現されるという事実は、Ngr2がEBAであることを示唆する。
(実施例5)
脈管画分の単離:成体ラットを、二酸化炭素によって安楽死させた。脳を、切り出し、そして冷PBS中でホモジナイズした。1500gでの遠心分離によって回収した後、ペレットを、0.5Mスクロースに再懸濁し、そして1.0〜1.5Mスクロース勾配に対して積層した。遠心分離後、脈管画分ペレットを、脳実質界面と同様に回収した。これらのサンプルを、遠心分離し、そしてRIPA緩衝液に再懸濁して、ウェスタンブロットによって分析した。
ウェスタンブロット:サンプルを、10% SDS−PAGEゲル上で分離し、そしてPVDF膜に転写した。5%ミルクにおいて1時間にわたって室温でブロックした後、膜を、1:100抗Ngrh1抗体(R&D systems)、次いで二次のロバ抗ヤギHRP結合体化二次抗体と一緒に、4度にて一晩インキュベートした。シグナルを、Chemiluminescence Substrateシステム(Pierce)を使用して現像し、そしてX線フィルム上に露出した。
RT−PCRを、Ngrh1が脳内皮細胞において発現されることだけでなく、脳内皮細胞に特異的であり、そして他の内皮細胞においては発現されないスプライス形態が存在することをも実証するために、精製された内皮細胞に対して使用する。さらに、分画されたラット脳に対する市販のNgrh1抗体を使用したウェスタンブロットによって、脳の残部からなくなる脈管画分に存在するNgrh1抗体によって認識される特異的な二重鎖バンドが存在することを示した。SMI71抗体の顕著な特異性および脳内皮細胞におけるNgrh1の存在に起因して、正しい標的が同定されたことが、検証された。
本発明者らは、脳切片において、SMI71抗体染色が血管に限定されるが、解離培養物においては、SMI71抗体染色が内皮細胞を特異的に染色することを、観察した。
したがって、SMI71に結合されるラット脳cDNAライブラリーから発現される任意のタンパク質産物が所望の抗原であることが、分かる。成体ラット脳cDNA発現ライブラリー(biochain)を、2000〜4000個のクローンのプールへと分離し、そして各プールによってCOS−1細胞をトランスフェクトするために利用した。免疫蛍光顕微鏡検査を使用して、どの細胞がSMI71に結合するかを、決定した。300,000個を上回るクローンを含む84個のプールを分析した後、1個のポジティブプールを同定した。sib選択技術を使用して、上記プールのサイズを、単一のポジティブクローンが同定されるまで狭めた。このクローンは、多くのアイソタイプ特異的コントロールによって認識されず、このことは、結合がSMI71抗体に特異的であることを示唆する。配列決定後、分子標的を、Ngrh1として同定した。
精製された内皮細胞に対するRT−PCRを、Ngrh1が脳内皮細胞において発現されることだけでなく、脳内皮細胞に特異的であり、そして他の内皮細胞において発現されないスプライス改変体形態が存在することをも実証するために利用した。さらに、分画されたラット脳に対する市販のNgrh1抗体を使用したウェスタンブロットによって、脳の残部からなくなる脈管画分に存在するNgrh1抗体によって認識される特異的なダブレットバンドが存在することを示した。SMI71抗体の顕著な特異性および脳内皮細胞におけるNgrh1の存在に起因して、正しい標的が同定されたことは、明白である。
(実施例6)
NgRH1欠損マウスのBBB。興味深いことに、EBAは、BBBの成熟において遅くに発現され、その発現は、脳切片において約p15またはp17にて始まり、次いでp20で全CNSレベルにわたって始まるようである。
Ngrh1欠損マウスのBBBを、トレーサーの全身送達によって機能を調べ、かつ電子顕微鏡検査によって超微細構造を調べる。Ngrh1欠損マウスは、生存可能であり、そしてこのことは、Ngrh1欠損マウスがBBBにおいて致命的(例えば、致死的出血)であるような大きな欠損を有さないことを示す。したがって、このようなマウスは、より高い濃度のトレーサーまたは超微細構造分析によって検出され得るより僅かな欠損を有し得る。このような場合は、トレーサーに対する正常な透過性を有するオクルディン欠損マウスにおいて観察されるが、脳のカルシウム沈着は、カルシウムに対するBBBの透過性の僅かな変化を示唆する。
Ngrh1欠損マウスがBBBにおいて機能的欠損を有するか否かを決定するために、ヘテロ接合体マウスを、Ngrh1欠損マウスならびに野生型同腹仔およびヘテロ接合体同腹仔を産生するために繁殖させる。成体マウスを、ビオチン(500D)ならびに10kDテトラメチルローダミンデキストランおよび70kDテトラメチルローダミンデキストランを含む種々の分子量のトレーサーによって灌流する。これらのマウスの脳を、4%パラホルムアルデヒド中で固定し、30%スクロースに沈め、そしてOCT中に包理する。マウスの脳、脊髄および視神経の10ミクロンの凍結切片を作製した後、上記トレーサーを、蛍光顕微鏡検査によって可視化する。デキストラントレーサーは、直接的に可視化され得るが、ビオチントレーサーは、alexa−488に結合体化したストレプトアビジンによって染色後に可視化される。本発明者らはまた、トレーサーの濃度を変動させる。ビオチンを、1.0〜2.0mg/mlにて使用し、一方でデキストランを、0.5〜2.0mg/mlにて使用する。
BBBの機能を評価するために、トレーサーを、それらが毛細血管の管腔内に存在するか、または脳実質全体に拡散する(即ち、透過性/関門崩壊の増大)かを決定するためにアッセイした。得られたデータは、BBBが高濃度のトレーサー(2.0mg/ml ビオチン)に対して損なわれるが、低濃度のトレーサー(1.0mg/ml ビオチン)に対しては損なわれないか否かを提供する。この高感度アッセイは、これらの動物のBBBが完全に成熟するか、または初期発育段階にとどまるかを決定する。これが上記の例である場合、そのことは、Ngrh1が成体における低い透過性をもたらすBBB成熟の最終段階に必要とされることを示唆する。このことは、いくつかの研究がBBBにおける小さな混乱が脳の発達および機能に対して大きな帰結をもたらし得ることを示唆するので、非常に興味深い。例えば、クローディン5における多形性が、ヒトの統合失調症に関連している一方で、Moody(ハエのBBBに必要とされるタンパク質)における変異は、一般的に乱用される薬物に対する変化した感受性をもたらす。
(実施例7)
NgRH1欠損マウスのBBB構造。成体げっ歯類の脳内皮細胞は、関門特性を欠く内皮細胞とは形態学的に異なる。脳内皮細胞は、密着結合によって一緒に保持され、細胞内小胞をほとんど含まず、そしてそれらの細胞膜において開口部を欠く。興味深いことに、SMI71抗体の全身注射は、これらの構造の各々に影響を及ぼすようである。電子顕微鏡検査は、この抗体を注射されたマウスのBBBが、より弱い密着結合、より多くの細胞内小胞を有し、そして開口部を形成するようであることを示した。実際に、SMI71の全身注射は、BBBを破壊する。
ラットに、生きた内皮細胞に結合する抗EBA抗体または抗CD31抗体コントロールのいずれかを注射した。20分後、そのラットを、ビオチントレーサーによって灌流し、そのビオチントレーサーは、次いで、パラホルムアルデヒド固定後に凍結切片において可視化された。上記抗EBA抗体は、BBBを破壊することができ、トレーサーが脳実質に漏出することを可能にした(図24A〜B)。このことは、皮質、小脳および視神経を含む脳の全ての領域において生じた。一方で、上記CD31抗体は、CNS脈管の透過性に対して作用を有さなかった。興味深いことに、灌流固定がトレーサーの灌流後に直接行われるので、セグメントが破壊される脈管の特定のセグメントが、可視化された(図24)。興味深いことに、40μl SMI71抗体/kgの用量において、脈管構造の少数の割合のみが、トレーサーに対して透過性であった
さらに、密着結合の存在、開口部の存在および細胞内小胞の数を、変異体と同腹仔との間で比較する。任意の超微細構造的欠損が成体Ngrh1変異体において観察される場合、比較を、出生後の発達初期(p2およびp8)(EBA発現前の時期)の変異体動物および野生型動物から行う。違いが成体において存在し、そして発達の間に存在しない場合、代替機構が、BBBの維持に関与する。成体Ngrh1変異体の実質における表現型の変化(脳の鉱化作用および神経細胞の変性を含む)は、特定のイオンまたは分子に対する関門の欠損を示す。
Ngrh1欠損マウスの密着結合を、フリーズフラクチャー電子顕微鏡検査によって調べる。フリーズフラクチャー法は、膜間の結合を大きい分解能で可視化するために使用される技術である。デキストラン密度遠心分離によって単離した毛細血管標本を、グルタルアルデヒド中で固定し、液体窒素中で急速凍結し、ダブルレプリカデバイスにおいて割り、および透過型電子顕微鏡検査によって分析する。この技術は、膜の細胞外側(E−面)および原形質側(P−面)の間の密着結合の可視化を可能にする。密着結合数は、鎖の数の計数によって定量され得、そして複雑性は、結合の長さに対する分岐点の比を使用して算出され得る。脳内皮細胞は、フリーズフラクチャー法によって分析される場合、特徴的な密着結合形態学を有する。それらは、P−面およびE−面の膜の両方において55:45の比で粒子を含む。このことは、粒子がE−面上に多い非脳内皮細胞とは対照的である。フリーズフラクチャー法を、Ngrh1欠損マウスと同腹仔コントロールとのP−面:E−面の粒子の比を比較して、これらのマウスの密着結合において小さい混乱が存在するか否かを解明するために利用する。
BBB密着結合の密着結合タンパク質含量がまた、ウェスタンブロットおよび免疫蛍光顕微鏡検査の両方によって評価され得る。脳内皮細胞は、密着結合においてZO−1、オクルディン、クローディン5およびクローディン12(これらの各々について、市販の抗体が入手可能である)を発現する。Ngrh1欠損マウスおよび同腹仔コントロール由来の脳毛細血管は、密度遠心分離によって単離され得、そして各密着結合タンパク質のタンパク質レベルは、ウェスタンブロットによって測定される。さらに、変異体および同腹仔の各々の脳を、固定し、そして免疫蛍光顕微鏡検査によって分析して、任意のこれらのタンパク質の誤った局在が存在するか否か決定し得る。これらのデータは、密着結合(TJ)鎖が構造的にインタクトであるか否か、TJの発現/タンパク質レベルが正常であるか否か、およびこのようなタンパク質がTJに局在するか否かを決定する。
(実施例8)
NgRH1シグナル伝達およびBBBの透過性。EAE、卒中および神経の挫滅を含む一連の神経の発作後に、NgRH1のアゴニストおよびアンタゴニストをNgrh1欠損マウス、野生型同腹仔およびヘテロ接合体同腹仔に投与することによって、BBBの透過性の違いが、アッセイされ得る。SMI71抗体がBBBを一過性に破壊し得るという事実に起因して、Ngrh1モジュレートすることは、種々のCNS疾患についての治療薬および/または診断薬を投与するための方法を提供し得る。
したがって、上で本明細書に提供される通り、本発明の1つ以上の生物学的に活性な薬剤(治療薬)は、被験体に投与される。例えば、NgRH1を標的とする抗体(またはペプチド、核酸分子もしくはアプタマー)は、動物被験体および投薬量について当該分野において公知である測定学(米国特許第4938949号においても開示されるように、例えば、動物の重量、送達経路、選択される生物学的に活性な薬剤または年齢)に基づいて決定された有効用量で投与される。したがって、一旦動物が、BBB漏出を引き起こす神経の発作に供されると、選択された治療薬は、Ngr2シグナル伝達をブロックすることによってBBBを回復させ(即ち、関門の完全性)、したがって疾患または状態を寛解するために投与される。
さらに、同じ動物は、ことなるNgRH1特異的候補化合物(またはNgRH1特異的薬剤)をスクリーニングして、このような化合物NgRH1アゴニストまたはNgRH1アンタゴニストであるか否かを決定するために利用され得る。換言すれば、候補薬剤がBBBを回復させる場合、その化合物はアゴニストであると決定され、一方でBBBの透過性がさらに増大する場合、その候補薬剤はアンタゴニストであると考えられる。透過性は、当該分野において公知である1つ以上の酵素、色素、トレーサーまたはマーカー(まとめて、「トレーサー」)の全身投与によって測定され得る。
(実施例9)
Ngr2リガンドの全身注射は、BBBを破壊する。Ngrは、共レセプターp75、lingoおよびtroyを介してシグナル伝達する一方で、リガンドNogo、OMgpおよびMAGの結合後の成長円錐の崩壊(growth cone collapse)に関与することが公知である。リガンドに対するNgr2の結合がBBBを崩壊させるために十分であったか否かを試験するために、CNS脈管の透過性を、MAGの全身注射後に分析した。興味深いことに、MAGの注射後において(コントロールタンパク質の注射後には存在しない)、BBBは、ビオチンに対して漏出性であり(図27)、したがってこのことは、Ngr2の活性化がBBBの崩壊をもたらし得ることを示す。MAGを、100μl食塩水に希釈した0.625mg/kgで、Sprague Dawleyラットの尾静脈に注射した。トレーサー研究を、注射の15分後に行った。
(実施例10)
BBB、NgRH1および多発性硬化症。実験的アレルギー性脳骨髄炎(EAE)は、げっ歯類が特定のミエリン成分によって免疫される、多発性硬化症についてのマウスモデルである。ヒト疾患に関する通り、自己免疫応答を伴うBBBの崩壊が存在する。この崩壊は、それが脳および脊髄の実質への免疫分子および免疫細胞の接近を可能にするので、重要であり、その免疫分子および免疫細胞は白質を損傷し得る。
EAEは、当該分野において公知である方法を利用して、誘導され得る。BBBの透過性を比較するために、トレーサーを、試験動物、参照動物および/またはコントロール動物に投与する。Ngrh1マウスは、C57BL/6バックグラウンドにおいて発達している。この系統において、MOGエピトープ(Princeton Biomoleculesから入手可能)を、IFA中のM.Tuberculosis H37Aと混合し、そしてそれを、百日咳毒素のi.p.注射と組み合わせてマウスにs.c.注射する。この接種は、重篤度が尾および肢の強度によって1〜5の尺度でモニタリングできる慢性自己免疫疾患をもたらす。この実験において、本発明者らは、種々の時点(例えば、接種後の選択された日数)においてNgrh1欠損マウスと同腹仔コントロールとのBBB崩壊を比較する。
BBB漏出を、ビオチンの心灌流を行い、次いでPBSによって脈管を洗うことによって定量できる。解剖した脳、脊髄および視神経におけるビオチン含量を、ストレプトアビジン−HRPを使用するウェスタンブロットによって定量する。BBBの崩壊をまた、エバンスブルー色素の尾静脈注射によって定性的に分析できる。PBSの心灌流を行って脈管から色素を除去した後、次いで脳、脊髄および視神経を、解剖し、実質におけるエバンスブルー漏出の程度を、視覚的に比較する。したがって、上記で本明細書に記載される生物学的に活性な薬剤から選択したNgRH1のアゴニストまたはアンタゴニストを、MS動物に投与する。動物の尾および肢の強度を反映する得られたデータは、疾患の重篤度を決定する。したがって、アゴニストを投与する場合、BBBの透過性が、回復し、したがって誘導したMSモデルを寛解する。対照的に、アンタゴニストを投与する場合、尾および肢の強度は、さらに低下する(疾患状態が悪化する)。
(実施例11)
NgRH1および卒中。卒中の間において、虚血は、BBBの病巣崩壊をもたらす。この破壊は、患者において観察される神経の損傷および長期の症状に寄与すると考えられる。この実験において、本発明者らは、Ngrh1が虚血後におけるBBBの崩壊に必要であるか否かを決定する。これを達成するために、Ngrh1欠損マウスおよび同腹仔コントロールマウスを、1時間にわたる中大脳動脈閉鎖に供し、その中大脳動脈閉鎖は、この脈管の縫合によって行われる。BBBの崩壊を、閉鎖した半球およびコントロールの半球において、虚血後の1日目、2日目、および4日目にてビオチンの心灌流によって定量する。これらの時点において、BBBの破壊をまた、エバンスブルー色素の尾静脈注射によって定性的に分析する。
Ngrh1変異体マウスが卒中にBBBの破壊をあまり示さない場合、変異体および野生型の両方のこの傷害からの回復が、決定される。虚血後における運動の良好な回復を判定するいくつかの標準的な方法が、存在する。回転ロッド試験において、上記マウスを、速度が周期的に上昇する回転する円柱状のロッド上におく。ロッド上にいる時間の長さは、上記マウスの運動機能がどの程度かを判定する。オープンフィールド活動試験(open field activity test)において、上記マウスを、赤外線検出光電池を有する自動化されたケージにおく。経路の長さならびに後ろ足立ちの回数および持続時間を含む動物の動きを、運動活動をモニタリングするために記録する。これらの実験は、卒中の病理に対するBBBの寄与の大きさの測定を提供する。
(実施例12)
BBBおよび神経傷害。末梢神経に対する挫滅傷害後に、血液神経関門(BNB)は、(例えば、PNS傷害の後の)挫滅部位に対して遠位の神経の全長にそって崩壊するが、BBBは、傷害の部位においてのみ崩壊する。この崩壊は、ミエリン破片を除去するために血清成分および細胞をその神経に供給し、そして迅速な再生を容易にする。EBAは、末梢神経の内皮細胞によって発現され、そして発現は、このような崩壊の間に喪失する。したがって、Ngrh1シグナル伝達は、坐骨神経挫滅後の血液神経関門の崩壊に必要とされる。CNSおよびPNSにおける関門崩壊の違いは、ミエリン破片の除去における違いから生じ得る。さらに、if全てのNgrファミリーレセプターによるシグナル伝達がBBBの崩壊のために十分である場合、OMgpおよびNogoもまた、同じ観点で使用され得る。
例えば、アゴニストまたはアンタゴニストを、Ngrh1欠損マウスおよび同腹仔の血液神経関門(BNB)に投与し、そして透過性を、挫滅傷害に対して遠位の坐骨神経において評価する。挫滅傷害を、坐骨神経に対して行い、そしてBNBの透過性を、挫滅後の2〜6日目に、ビオチントレーサーおよびデキストラントレーサーの灌流によってモニタリングする。実験室における他の研究において、本発明者らは、血清成分がミエリンの迅速な除去および速い再生に必要とされることを示した。Ngrh1マウスのBNBが挫滅傷害に対して遠位で崩壊しない場合、そのようなマウスは、ウォーラー変性(WD)を完了も再生もしない。これらのマウスにおけるWDを、P0およびMBPについての坐骨神経の遠位セグメントのウェスタンブロットによって測定する一方で、再生を、電気生理学によってモニタリングする。興味深いことに、Ngrおよびそのホモログは、ミエリンタンパク質NogoおよびMAGの結合によって、再生のインヒビターとして関係している。したがって、NgRH1変異体は、CNSにおけるさらなる再生を示す。しかし、Ngrh1アゴニストは、BNBの開放によって、PNSにおける再生を支援することができ、したがってNgRH1アンタゴニストは、より少ない再生を与える。
(実施例13)
内皮細胞培養アッセイ。ヒト脳微小血管内皮細胞(BMEC)は、20%熱非働化FBS(Omega Scientific Inc.、Tarzana、Calif.)、2mM L−グルタミン、1mM MEMピルビン酸ナトリウム(GIBCO)、1×MEM非必須アミノ酸溶液(Sigma)、および1×MEMビタミン溶液(Sigma)を補充したRPMI 1640培地において成長させることができる。血液脳関門の内皮の顕著な特徴を示すことが示されているこれらの細胞は、細菌(Escherichia coli、B群StreptococcusおよびStreptococcus pneumoniae、およびCitrobacter spp.)、単球、ウイルス(ヒト免疫不全ウイルス)、および真菌(Candida albicans)がいかにして脳に進入するのかを調べるために広範に使用されている。A549細胞とヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)との融合体として得られるEA.hy926細胞は、全身性内皮細胞のモデルとして頻繁に使用される。このような細胞は、10%熱非働化FBSおよび1(×)ヒポキサンチン−チミンサプリメント(GIBCO)を補充した高濃度グルコース(4.5g/リットル)のダルベッコ改変イーグル培地(GIBCO)において増殖させることができる。両方の内皮細胞培養物を、プレートし、そして25−cm2フラスコ(Sarstedt Inc.、Newton、N.C.)において成長させることができる。
コンフルエント(confluent)の細胞は、トリプシン−EDTA溶液を使用して上記フラスコから取り出され、そして105/mlに調整され得る。ヒトBMECおよびEA.hy926細胞を、コラーゲンでコーティングした半透性Transwellポリカーボネート組織培養挿入物(直径6.5mm 0.33cm、孔径3.0μm;Corning Costar Corp.)の上に接種した(200μl)。このインビトロモデルは、上の区画(血液側)および下の区画(脳側または組織側)への分離した接近を可能にする。上記細胞を、5〜7日間にわたって適切な培地において培養することができる。上のチャンバーおよび下のチャンバーの両方の培地は、通常、毎日交換される。実験の前日、培養培地を、20% FBSおよび2mM Lグルタミン(実験培地)を補充した培地M199によって1:1に希釈したHam F−12栄養培地からなる実験培地に交換し、そして一晩インキュベートする。EVOM電圧計(World Precision Instruments、Sarasota、Fla.)を備えるEndohmチャンバーを使用する電気抵抗測定を、単層の完全性を決定するために使用することができ、そして膜自体の抵抗についての調整後に、製造業者の推奨に従って、オーム 時間 センチメートル2として表す。
したがって、本明細書に記載される1つ以上の方法によって得られた候補のNgRH1特異的薬剤(例えば、アプタマー、アンチセンス、タンパク質、ペプチドまたは抗体)は、その候補薬剤が電気抵抗によって測定した場合に透過性を増大または減少させるか否かを決定するために、細胞培養物に投与され得る。そのようなものとして、電気抵抗の上昇は、アゴニストを同定し、一方で電気抵抗の低下は、アゴニストを同定する。
(実施例14)
3−D培養。別の例において、単離された内皮細胞、周皮細胞および星状細胞(内皮−周皮細胞−星状細胞、またはEPA)は、本明細書に記載される1つ以上の方法を利用して単離され得、次いで神経親和性の増殖因子血管性の増殖因子を補充した適切な培地において培養され得る。そのようなものとして、EPA培養は、BBBモデルを提供し、そのBBBモデルは、次いで、BBBトレーサーアッセイにおいて利用され得、そして本発明の1つ以上の方法では、関門透過性のアゴニストおよびアンタゴニストのスクリーニングにおいて利用され得る。
本質的に、上記培養は、EPA 3−次元細胞培養系を提供する。これらの培養物は、1:1の比で混合された細胞からなり、および室温にて固化するコラーゲンマトリックスに懸濁され、次いで培地によって覆われる。24時間後、3−次元培養物中で、上記内皮細胞は、再配列し、そして星状細胞の末端が接触する管様構造を形成する。
当該分野において公知であるさらなるマトリックス(例えば、マトリゲル、ペプチド骨格またはフィブロネクチン)は、3−D培養物の産生において利用され得る。マトリゲルの使用は、それが費用においてより有効なので好ましい。細胞および関門の表現型の区別はまた、蛍光顕微鏡検査および/またはウェスタンブロッティングによって確認され、このことは、形態学的分析を可能にし、そして培養物内での細胞の位置確認を正確にする。
さらに、1つ以上の細胞型は、トランスフェクトされて所望の遺伝子を発現し得る(例えば、NgRH1の変化した発現レベルを提供する内皮細胞)。これに関して、所望の遺伝子の発現は、当該分野において公知である誘導性プロモーター(例えば、tet−応答性)によってか、または上で本明細書に記載される通りに調節され得る。前出、表1。さらに、他の細胞型との接触の結果としての遺伝子発現およびタンパク質発現の変化は、分子生物学技術、公知の細胞特異的マーカーにおけるFACS分析分類、ならびに培養培地中への異なるサイトカインおよび増殖因子(例えば、VEGFおよびEpo)の放出を測定するためのELISA技術およびRIA技術を使用して、同定およびモニタリングされ得る。これらの方法は、通常の生理学的条件下でBBBにおいて発現されたタンパク質の同定を可能にする。
さらに、上記細胞培養アッセイは、特定の遺伝子産物がBBBの透過性に与える影響を決定するために、構成的または時間的に調節される状況における種々の遺伝子発現プロフィールからの作用をアッセイし、分析するための効率的な手段を提供し得る。透過性は、上で本明細書に記載される蛍光染色技術を利用して評価されても、関連分野において公知である蛍光検出技術において行われる通りに評価されてもよい。
1つ以上の細胞型をトランスフェクトすることの代わりか、またはそれに加えて、EPA培養は、種々の生物学的に活性な薬剤をスクリーニングしてBBBの透過性に対するそれらの薬剤の効果を決定するために利用され得る。例えば、種々の細胞表面レセプター(NgRH1を含む)を標的とする化合物、タンパク質、ペプチド、抗体、アンチセンスまたはsiRNAは、いかなる追加的な因子がBBBの透過性を調節するNgRH1シグナル伝達機構に関与するのかを決定するために、EPA培養においてスクリーニングされ得る。
(実施例15)
内皮細胞の精製:視神経を、胚または出生後のSprague dawleyラットの1〜2匹の同腹仔から解剖した。単一細胞懸濁物を、40ユニットのパパインを用いた20分間にわたる酵素的解離を行い、次いで21ゲージおよび23ゲージの針を用いて粉砕することによる機械的分離を行うことで作製した。その細胞を、星状細胞系統の細胞、希乏突起神経膠細胞系統の細胞および小神経膠細胞を枯渇させるためにC5抗体によってコーティングしたディッシュ上でインキュベートした。次いで、これらのディッシュ由来の上清を、内皮細胞を結合するために、CD31に対する抗体によってコーティングしたペトリ皿上でインキュベートした。その上清由来の細胞を、洗い流し、そして内皮細胞を、トリプシン処理によって回収した。内皮細胞を、コラーゲンIVによってコーティングしたカバーガラス上でbFGFを含むNB−SATOにおいて培養した。
周皮細胞の精製:視神経を、出生後7日目のsprague dawleyラットの1〜2匹の同腹仔から解剖した。単一細胞懸濁物を、85ユニットのパパインを用いた45分間にわたる酵素的解離を行い、次いで21ゲージおよび23ゲージの針を用いて粉砕することによる機械的分離を行うことで作製した。その細胞を、30分間にわたって37度に放置して失われたエピトープを回復させ、次いで星状細胞系統の細胞、希乏突起神経膠細胞系統の細胞および小神経膠細胞を枯渇させるためにC5抗体によってコーティングしたディッシュ上でインキュベートした。次いで、これらのディッシュ由来の上清を、周皮細胞を結合するために、PDGFRβに対する抗体によってコーティングしたペトリ皿上でインキュベートした。その上清由来の細胞を、洗い流し、そして周皮細胞を、トリプシン処理によって回収した。次いで、その周皮細胞を、10% FCS、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミン、インスリンおよびピルビン酸塩を含むDMEMにおいて培養した。
(実施例16)
精製した細胞の移植:精製した細胞を、1000rpmで10分間にわたって遠心分離した。次いで、細胞ペレットを、100,000個の細胞/μlでDPBSに再懸濁した。成体Sprague dawleyラットを、ケタミン/キシラジンカクテルを使用して安楽死させた。30ゲージの針を用いて、小さい穴を、眼球の前眼房に作製した。より小さい穴を、後眼房に作製して、圧力を同じにした。ワイヤツールマイクロピペット(wiretool micropipette)を利用して、5〜10μlの細胞を、前眼房に注射した。ラットを、回復のために、分析前に2週間にわたって放置した。