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JP2009302924A - 平面スピーカ用トランスデューサ、平面スピーカ、スクリーン及び広告バナー - Google Patents

平面スピーカ用トランスデューサ、平面スピーカ、スクリーン及び広告バナー Download PDF

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Kaoru Terasaki
薫 寺崎
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Abstract

【課題】簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる平面スピーカ用トランスデューサ、これを用いた平面スピーカ、スクリーン及び広告バナーを提供する。
【解決手段】平面スピーカのトランスデューサ11を、トランスデューサ本体11aと高熱伝導率材からなる平面状の補助振動板11bとで構成する。トランスデューサ本体11aを、補助振動板11bを介在させて平面スピーカの振動板12に接着し、トランスデューサ本体11aのボイスコイル1からの発生熱の放熱経路(放熱量)を従来品に比べて大幅に増やした。同トランスデューサ11を用いて、平面スピーカ、スクリーン及び広告バナーを構成することで、それらの放熱効果を高めた。平面スピーカの振動板12を屈曲性を有する物で形成し、振動板12部分の巻取り、展開を可能として持ち運びや収納の便宜を図った。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気信号を音(音声電流を振動)に変換するスピーカに用いられるトランスデューサ、特に平面スピーカ用トランスデューサ、これを用いた平面スピーカ、スクリーン及び広告バナーに関するものである。
従来、平面スピーカに関する技術としては、例えば特許文献1に記載のものがあった。
これは、パネル形状の部材(振動板)及びこの部材に取り付けられたトランスデューサを備え、このトランスデューサが上記部材に共鳴を生じさせて音響放射器を形成するようにしたスピーカである。
特開2005−198342号公報(特に、図11c等)
スピーカを構成するトランスデューサは音声電流を受けてそれを振動に変換する構成上、動作時には発熱を伴う。特に、長時間あるいは大出力動作時におけるボイスコイルからの発熱量の増加は著しい。
一般的なスピーカにおいては振動板として用いるコーン紙の振動による放熱が見込めるが、平面スピーカにおいてはその構成上、振動板による放熱は見込めない。
放熱が不十分であると、トランスデューサを構成するボイスコイル部分の絶縁被膜や接着剤が溶融してボイスコイルを破壊する虞がある。これを避けるためには、ボイスコイルへの許容入力を下げて発熱量自体を少なくすることが考えられる。しかしこれでは出力が制限されてしまうため、従来、ボイスコイルからの発熱に対する処置が課題となっていた。
以下、これについて図7を参照して説明する。
平面スピーカにおいて、トランスデューサ71を構成するボイスコイル1から発生した熱は、磁気回路内の空気の対流による磁気ギャップ2を通した循環(矢印ア)やボイスコイルボビン3からの輻射(矢印イ)によって放熱される。またボイスコイル1からの発熱量は、ボイスコイル導線(ボイスコイル1を形成する導電線)の抵抗値を下げることで減少できる。
このため、磁気ギャップ2を広くして熱抵抗を下げ、また、ボイスコイル導線を太くし抵抗値を下げて発熱を抑えることにより、許容入力を下げることなくボイスコイル1からの発熱に対処できる。一方、音声電流/音変換の高効率(高変換効率)化からすると、磁気ギャップ2は狭く、ボイスコイル導線は磁気ギャップ2内により細く高密度で巻き込むことが有効である。このことは、高許容入力と高変換効率とを両立させることが極めて困難であることを意味する。
ボイスコイル導線の絶縁被膜、ボイスコイルボビン3及びボイスコイル固定用接着剤の耐熱性を上げれば、磁気ギャップ2を広くしたり、ボイスコイル導線を太くすることなくボイスコイル1からの発熱に対処でき、高許容入力と高変換効率との両立を可能にすると考えられる。しかしこの方法では設計、製作等が複雑になり、したがって従来、これより簡単かつ効果的にボイスコイル1からの発生熱の対処が可能で、高許容入力と高変換効率とを両立できる平面スピーカのトランスデューサの開発が望まれていた。
なお図7において、4はマグネット、5はポールピース、6はヨーク、7はフレーム、8はダンパ、10はサブプレートであって、各々トランスデューサ71の構成部材である。12は振動板である。
本発明は、磁気ギャップの広さやボイスコイル導線の太さ、あるいはボイスコイル導線の絶縁被膜、ボイスコイルボビン及びボイスコイル固定用接着剤の耐熱性等を特に変えることなく、簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる平面スピーカ用トランスデューサ、これを用いた平面スピーカ、スクリーン及び広告バナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の平面スピーカ用トランスデューサは、平面状の振動板を含む平面スピーカのトランスデューサであって、該トランスデューサは、トランスデューサ本体と、高熱伝導率材からなる平面状の補助振動板とを備え、前記トランスデューサ本体は、該トランスデューサ本体から発生される熱が伝導可能になるように、前記振動板に前記補助振動板を介在させて取り付けられることを特徴とする。
振動板における「板」とは、一般的な板状体の他、フィルム、シート、繊維構造体といった素材を含む。
例えば、フィルムやシートでは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなるポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル等からなるフィルムやシートを用いることができる。
また、繊維構造体には、織物、編物、不織布等の形態の物が含まれ、特に織物が好ましい。繊維構造体を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等のポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、PBO繊維、炭素繊維等を例示することができる。特に、音響効果、耐光性、コスト、取扱い性等の点からポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等のポリエステル繊維を用いたものが好ましい。
繊維構造体の目付は50〜500g/m2の範囲が好ましい。また、繊維構造体が織物の場合は、織密度を経、緯方向とも10〜30本/インチとすることが好ましい。経、緯方向の織密度は、同じであっても異なっていてもよい。
繊維構造体には、繊維の集束性等を向上させるため、必要に応じてウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が含浸されていてもよい。
また、繊維構造体の一方の面又は両方の面は、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等がラミネートやコーティングされていてもよい。これらの樹脂には、染料や顔料を含有させることができ、これにより繊維構造体に機能性や意匠性を付与することができる。
上記のフィルム、シート、繊維構造体は、可撓性、屈曲性を有するので、振動板に用いた場合に、その巻取り・展開を自在とし、軽量化も可能とする。
補助振動板は、トランスデューサの振動をより広範囲に、かつ効率よく振動板に伝えるための音響的な機能に加えて、トランスデューサ(主にボイスコイル)からの発生熱に対処する、つまり放熱作用を促進するヒートシンク機能を付与するものであり、高熱伝導率材により形成される。
補助振動板として金属材を使用する場合に、使用し得る代表的な金属材の熱伝導率[Cal/cm・℃・秒]を示せば図4の通りである。この図において金属材の各熱伝導率を対照すると、「0.5」が顕著な境界値として示される。したがって、「0.5」以上の熱伝導率を有する金属材が好例として挙げることができるが、費用対放熱効果、軽量化、加工のし易さ等を総合勘案するとアルミニウム材が望ましい。
補助振動板は、ヒートシンク機能上、広い面積を有することが望ましい。発明者等は、図5に示すように、補助振動板として、同じ0.8mm厚のアルミニウム板を用い、Aは縦33mm、横33mm、Bは縦100mm、横60mm、Cは縦100mm、横100mm、Dは縦100mm、横120mmのサイズとした場合であって、共に10W(ホワイトノイズ)の入力信号を連続3時間与えたときのボイスコイルの温度上昇を実験により測定した。測定は、20℃の環境において抵抗置換法により行った。
上記実験の結果(補助振動板の面積に対する上昇温度の変化)をグラフ化して示せば図6の通りである。図中、A〜Dは上記補助振動板A〜Dの実験結果値を表す。αは補助振動板を用いなかった場合の実験結果値を表す。この図6によれば、補助振動板による放熱効果は使用した補助振動板の面積にほぼ比例することが分かる。したがって補助振動板の面積は、補助振動板として使用する金属材の選択の場合と同様に、費用対放熱効果、軽量化、トランスデューサ製作のし易さ等により選択される。また、補助振動板が取り付けられる振動板の大きさ、更には音響特性に及ぼす影響等を総合勘案して選択される。
同請求項2に記載の平面スピーカ用トランスデューサは、請求項1に記載の平面スピーカ用トランスデューサにおいて、前記高熱伝導率材は、金属材であって、エンボス加工、曲げ加工又は表面硬化処理が施されていることを特徴とする。
エンボス加工、、曲げ加工、又は金属材がアルミニウム材である場合のアルマイト処理等の表面硬化処理が施されると、剛性が高められ、高熱伝導率材(金属材)からなる平面状の補助振動板の固有共振周波数による悪影響、特に共振による特定周波数における出力信号レベルの急峻な落込みの発生が防止される。
振動板にフィルム状やシート状の素材が用いられた場合には、振動板の音響放射面側(正面側)から補助振動板の輪郭が見透かされ易い。補助振動板の輪郭は振動板との二重構造部分の境界となるからである。このような場合に前記曲げ加工を、高熱伝導率材(補助振動板)の周端部全周に亘って振動板側とは反対側に向けて施せば、特に丸みをもって折返すように施せば、補助振動板の前記輪郭はぼかされ、見えにくくなる。
同請求項3に記載の平面スピーカ用トランスデューサは、請求項1又は2に記載の平面スピーカ用トランスデューサにおいて、前記補助振動板には複数の透孔が穿設されていることを特徴とする。
複数の透孔が穿設されれば、補助振動板は軽量化され、また高域における周波数特性の劣化(高域周波数特性の低下)が防止されるものであって、これは、補助振動板として金属材を使用した場合に特に有効である。丸形、楕円形、長方形、スリット形等、所望形状の透孔が選択可能である。
同請求項4に記載の平面スピーカは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の平面スピーカ用トランスデューサを平面状の振動板に取り付けてなることを特徴とする。
同請求項5に記載の平面スピーカは、請求項4に記載の平面スピーカにおいて、平面状の振動板が屈曲性を有することを特徴とする。
同請求項6に記載の平面スピーカは、請求項4又は5に記載の平面スピーカにおいて、平面状の振動板が繊維構造体からなることを特徴とする。
同請求項7に記載のスクリーンは、請求項4〜6のいずれか1項に記載の平面スピーカを用いたことを特徴とする。
同請求項8に記載の広告バナーは、請求項4〜7のいずれか1項に記載の平面スピーカを用いたことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる平面スピーカ用トランスデューサを提供できる。
同請求項2に記載の発明によれば、エンボス加工、曲げ加工又は表面硬化処理によって、補助振動板の共振による特定周波数における出力信号レベルの急峻な落込みを防止できる。
同請求項3に記載の発明によれば、補助振動板は軽量化され、また高域における周波数特性の劣化を防止できる。
同請求項4に記載の発明によれば、使用するトランスデューサについて、簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる利点を有する平面スピーカを提供できる。
同請求項5、6に記載の発明によれば、平面状の振動板部分について、巻取り、展開が自由となり、持ち運びや収納の点で優れた平面スピーカを提供できる。
同請求項7に記載の発明によれば、使用するトランスデューサについて、簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる利点を有し、また平面状の振動板部分について、巻取り、展開が自由となり、持ち運びや収納の点で優れるスクリーンを提供できる。
同請求項8に記載の発明によれば、使用するトランスデューサについて、簡単かつ効果的にボイスコイルからの発生熱を放熱でき、高許容入力と高変換効率とを両立できる利点を有し、また平面状の振動板部分について、巻取り、展開が自由となり、持ち運びや収納の点で優れる広告バナーを提供できる。特に、平面状の振動板が繊維構造体からなる場合は、染色やプリント等により、文字や図を描くことが可能となって、広告バナーに極めて有効である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本明細書で参照される各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明が適用された平面スピーカの一実施形態の分解斜視図、図2は、同じく2面図〔(a)は正面図、(b)は右側面図〕、図3は右側断面の拡大図である。
これらの図から分かるように、平面スピーカは、平面状の振動板12と、この振動板12に取り付けられて音響放射器を形成する平面スピーカ用トランスデューサ(以下、トランスデューサと略記する。)11とを備えてなる。
ここで、トランスデューサ11は、トランスデューサ本体11aと、高熱伝導率材からなる平面状の補助振動板11bとを備え、この補助振動板11bを介在させてトランスデューサ本体11aの発生する熱が上記振動板12に熱伝導可能に取り付けられてなる。具体的には、トランスデューサ本体11aの音響放射側にトランスデューサ本体11aの発生する熱が熱伝導可能に補助振動板11bに接着され、この補助振動板11bが振動板12に熱伝導可能に接着等によって取り付けられてなる。
上記補助振動板11bは、トランスデューサ本体11aの振動を、より広範囲に、かつ効率よく振動板12に伝えるための機能に加えて、トランスデューサ本体11a(主に後述するボイスコイル)からの発生熱の放熱作用を促進するヒートシンク機能を有するものであって、上記のように高熱伝導率材により形成されている。本実施形態では、補助振動板11bは高熱伝導率材であって、かつ軽量化が可能なアルミニウム材により形成されている。
図2に示す例では、補助振動板11bには多数の透孔11cが穿設され、補助振動板11bの軽量化や周波数特性の高域における劣化防止が図られている。
固有共振周波数による悪影響、特に共振による特定周波数における出力信号レベルの急峻な落込みの発生を防止するために、この補助振動板11bにエンボス加工、曲げ加工又は表面硬化処理を施してもよい。
トランスデューサ本体11aは、図3から分かるように、ボイスコイル1、ボイスコイルボビン3、マグネット(永久磁石)4、ポールピース5、ヨーク6、フレーム7及びダンパ8等を備えて構成され、従来のトランスデューサ71(図7参照)に相当するものである。
このトランスデューサ本体11aは、補助振動板11bに密着接合されるサブプレート10の円筒部内にボイスコイルボビン3の端部が填込み固着されることによって、このサブプレート10及び補助振動板11bを介して振動板12に取り付けられる。
なお図示例では、サブプレート10が補助振動板11bと密着接合するのはその底面の外周側の環状部分であり、底面中央部分は円形に切り欠かれ、ポールピース5と補助振動板11bとが直接対向するようになされている。
ここで、ボイスコイル1は、円筒状のボイスコイルボビン3の、上記補助振動板11b側とは反対側の端部近傍の外周に巻付け固着されている。
ポールピース5は、その外周面がボイスコイル1の内周面に、ボイスコイルボビン3を介して対向するように同ボビン3内に位置する。このポールピース5は、マグネット4に密着接合され、同マグネット4はポールピース5との接合側とは反対側において、有底円筒状のヨーク6の底面に密着接合されている。
ヨーク6の開口側端部の内周面は、ポールピース5外周面と対向して磁気ギャップ2を形成している。
フレーム7は、樹脂により形成されてヨーク6を保持するもので、このヨーク6及びマグネット4を介してポールピース5を上記の位置に保持する。このフレーム7とボイスコイルボビン3間にはダンパ8が架けわたされ、ボイスコイル1がポールピース5、ヨーク6に対して、ボイスコイルボビン3の軸方向(図3の左右方向)に相対的に揺れ移動(振動)可能とされている。
ボイスコイルリード9Aはボイスコイル1及びスピーカ入力端子9B相互間を接続する。図1に示す例では、スピーカ入力端子9Bには先端に雄コネクタ9Cを有するスピーカ線9Dが接続されている。したがって上記雄コネクタ9Cを、アンプ14の出力端子をなす雌コネクタ(図示せず)に装着することにより、同アンプ14からの音声電流がボイスコイル1(トランスデューサ本体11a)に入力される。
次に、このような平面スピーカの動作について説明する。
図3に示す平面スピーカにおいて、磁気回路は、マグネット4→ヨーク6を経て磁気ギャップ2に至り、同磁気ギャップ2を介してポールピース5→マグネット4に至る閉回路を形成している。
いま、アンプ14(図1参照)からの音声電流がトランスデューサ本体11aに入力、具体的にはスピーカ入力端子9B及びボイスコイルリード9Aを通して、磁気ギャップ2内のボイスコイル1に入力されると、電磁力による駆動力をボイスコイル1に発生させる。
トランスデューサ本体11aは、この駆動力(振動)を振動板12に伝え、同振動板12から音声電流に応じた音響を放射させるものである。
平面スピーカにおける音声電流/音変換から音響放射までのメカ二ズムの詳細についてはここでは省略するが、一般的な平面スピーカにおけるものと大きく変わるところはない。
このような平面スピーカ、詳しくはトランスデューサ本体11aが動作、特に長時間あるいは大出力で動作し続けると、ボイスコイル1からの発熱量の増加は著しく、したがってその放熱が不十分であると、トランスデューサ本体11aを構成するボイスコイル1部分の絶縁被膜や接着剤が溶融してボイスコイル1を破壊する虞がある。
本実施形態では、トランスデューサ本体11aの振動板12への取付けを、同振動板12に重ね合わせ密着接合された高熱伝導率材からなる平面状の補助振動板11bを介して行った。したがって、トランスデューサ本体11aにおける発生熱は、上掲図7に示した対流による循環(矢印ア)や輻射(矢印イ)による放熱のみならず、補助振動板11bからの放熱も加わる。しかもこの補助振動板11bは、平面状である上にトランスデューサ本体11aの構成要素に含まれないのでサイズ等を比較的自由に設定でき、十分な放熱効果が得られる(図5参照)。
したがって、簡単かつ効果的にボイスコイル1からの発生熱を放熱させることができ、平面スピーカ用トランスデューサ11(平面スピーカ)において、高許容入力と高変換効率とを両立させることが可能となる。また、トランスデューサ本体11aの高出力化が図れ、1個のトランスデューサ本体11aで出力の大きな平面スピーカの製作を可能とする。
しかも平面状の補助振動板11bは、トランスデューサ本体11aの振動をより広範囲に、かつ効率よく振動板12に伝えるための機能をも有するので、この補助振動板11bの全機能における費用対効果は極めて高くなる。
補助振動板11bの材質としては、既に述べたようにアルミニウム材が望ましいが、アルミニウム合金材であってもよいことは勿論である。
また、補助振動板11bの表面にエンボス加工、曲げ加工又は硬化処理を施してもよく、これによれば共振による特定周波数における出力信号レベルの急峻な落込みの発生を防止できる。更に、補助振動板11bに適宜数、適宜径の透孔11cを穿設して軽量化を図り、あるいは高域周波数特性の低下を防止するようにしてもよい。
なお、ボイスコイル1からの発生熱は伝導、対流、輻射により補助振動板11bに伝わるが、その経路をなす部材、例えばボイスコイルボビン3やサブプレート10も、補助振動板11bと同様に高熱伝導率材で形成されていることが望ましい。本実施形態では、ボイスコイルボビン3及びサブプレート10は軽量で高熱伝導率材であるアルミニウム材によって形成した。
ボイスコイル1からの発生熱の経路に係る構造も、高許容入力と高変換効率との両立が妨げられない限りにおいて、効率のよい伝導、対流、輻射によって補助振動板11bに伝えられる構造とすることが望ましい。例えば、トランスデューサ本体11a(サブプレート10)の補助振動板11bへの取付けや、補助振動板11bの振動板12への取付けを接着によって行う場合には、それに用いる接着剤や両面接着テープ等についても、高熱伝導率のものが選択されることが望ましい。
トランスデューサ本体11aを、補助振動板11bを介在させて振動板12に取り付けた平面スピーカは、これをスクリーンとして用いることができる。具体的には、振動板12の少なくとも片面に、遮光層となる樹脂、更にその上に光反射層となる樹脂をラミネートやコーティング等することによりスクリーン機能を付与することができる。この際、光反射層となる樹脂のみをラミネートやコーティング等してもよい。遮光層となる樹脂には、黒色系の染料や顔料、例えばカーボンブラック等を含有させて遮蔽性を付与することができる。また、光反射層となる樹脂には、白色系の顔料や染料、例えば、酸化チタン、ガラス粉等を含有させ光反射性を付与することができる。上記の樹脂としては、前述したポリ塩化ビニル等を用いることができる。
また、上記の平面スピーカは、広告バナーとしても用いることができる。例えば、振動板12に必要に応じて少なくともその一方の面に樹脂をラミネートやコーティング等し、ペンキ、顔料系インク、染料系インク等により文字や図を描くことにより、広告機能を備えた広告バナーを作成することができる。また、振動板が繊維構造体からなる場合は、繊維構造体に染色やプリント等により、文字や図を描くことも可能である。上記樹脂としては、前述したポリ塩化ビニル等を用いることができる。
以上に説明した、スクリーンや広告バナーといった用途においては、振動板12として、フィルム、シート、繊維構造体といった屈曲性を有する素材を用いることにより、巻取り、展開が自由となり、持ち運びや収納の点で優れている。このため、屈曲性を有する振動板12を用いた平面スピーカ、特に繊維構造体を振動板12に用いた平面スピーカは、上記用途に限らず、幅広い用途に使用することができる。
また、スクリーンや、特に広告バナーといった用途では、長時間音声や音楽を流し続けることになり発熱が課題となるが、本発明のトランスデューサは、放熱性に優れているため、かかる課題が著しく改善される。
本発明が適用された平面スピーカの一実施形態の分解斜視図である。 同じく2面図〔(a)は正面図、(b)は右側面図〕である。 同じく右側断面の拡大図である。 補助振動板として使用し得る代表的な金属材の熱伝導率を対照して示す表図である。 補助振動板による放熱の作用効果を説明するための表図である。 補助振動板による放熱の作用効果を示すグラフである。 従来の平面スピーカにおける放熱の様子を示す概念図である。
符号の説明
1:ボイスコイル、2:磁気ギャップ、3:ボイスコイルボビン、4:マグネット、5:ポールピース、6:ヨーク、7:フレーム、8:ダンパ、9A:ボイスコイルリード、10:サブプレート、11:トランスデューサ、11a:トランスデューサ本体、11b:補助振動板、12:振動板、71:トランスデューサ。

Claims (8)

  1. 平面状の振動板を含む平面スピーカのトランスデューサであって、
    該トランスデューサは、
    トランスデューサ本体と、高熱伝導率材からなる平面状の補助振動板とを備え、
    前記トランスデューサ本体は、該トランスデューサ本体から発生される熱が伝導可能になるように、前記振動板に前記補助振動板を介在させて取り付けられることを特徴とする平面スピーカ用トランスデューサ。
  2. 前記高熱伝導率材は、金属材であって、エンボス加工、曲げ加工又は表面硬化処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ用トランスデューサ。
  3. 前記補助振動板には複数の透孔が穿設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の平面スピーカ用トランスデューサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の平面スピーカ用トランスデューサを平面状の振動板に取り付けてなることを特徴とする平面スピーカ。
  5. 平面状の振動板が屈曲性を有することを特徴とする請求項4に記載の平面スピーカ。
  6. 平面状の振動板が繊維構造体からなることを特徴とする請求項4又は5に記載の平面スピーカ。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の平面スピーカを用いたスクリーン。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の平面スピーカを用いた広告バナー。
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