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JP2009229714A - コヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートおよびその製造方法、コヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置、並びに、コヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法 - Google Patents

コヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートおよびその製造方法、コヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置、並びに、コヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法 Download PDF

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Yoshinori Iketaki
慶記 池滝
Shinichi Takimoto
真一 瀧本
Takeshi Watanabe
武史 渡邉
Kenji Taira
健二 平
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Abstract

【課題】コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価できる解像度評価用チャートを提供する。
【解決手段】コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャート10であって、照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板11と、基板11上に二次元的に形成され、基板11とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層12と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートおよびその製造方法、コヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置、並びに、コヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法に関するものである。
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されている。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、更に高機能の顕微鏡システムが開発されている。
このような背景の中、様々な分光過程を用いた高機能な顕微鏡が提案され、試料の形状のみならず、試料に含まれている分子の同定や構造解析が可能となっている。その中でも、生体試料や工業材料を染色せずに、それらの光応答を観測することにより、構造を解析するラマン分光法が存在し、顕微鏡分野への応用が期待されている(例えば、特許文献1参照)。
ラマン分光とは、ラマン効果と呼ばれている一種の非線型光学効果を基礎にしている。強いフォトンフラックスで光が分子や原子に散乱されると、分子の量子状態が変化して、それらの系全体のエネルギーが変化する。そのとき、変化したエネルギー分が散乱された光子に移行し、結果として入射した光と異なる波長の光が発生する。このような現象をラマン散乱と言う。このラマン散乱には、(1)非共鳴ラマン散乱、(2)真正共鳴ラマン散乱、(3)前期共鳴ラマン散乱、(4)コヒーレント・ラマン散乱がある。以下、これらのラマン散乱について、図5および図6を参照して、さらに詳細に説明する。
図5(a)は、非共鳴ラマン散乱を説明するエネルギーダイアグラムである。非共鳴ラマン散乱は、原子および分子の立場からみると、2次の摂動論で説明できる。すなわち、図5(a)に示すように、S(imaginary)と言う仮想的な量子準位を仮定した一種の2光子過程である。この2光子励起過程では、最低電子状態で、かつ最低振動回転準位、すなわち基底状態S0にあった分子は、例えば、非常に強いレーザ光で、一度、仮想的な量子準位S(imaginary)に励起され、その後、最低電子状態の高い振動回転準位(V2)に脱励起する。結果的には、図5(a)から明らかなように、入射した光が、原子または分子に、(Ei−E0)の光子エネルギーを与え、非共鳴ラマン散乱後は、光はその分、光子エネルギーを損失して、見かけ上、光の波長がλ1であったのが、長波長のλ2に変化して散乱される。一般に、非共鳴ラマン散乱を含む仮想的な量子準位を前提とした2光子過程は、極めて遷移確率が小さく、この過程を誘発するためには、フェムト秒オーダの超短パルスレーザを必要とする場合もある。
図5(b)は、真正共鳴ラマン散乱を説明するエネルギーダイアグラムである。真正共鳴ラマン散乱は、非共鳴ラマン散乱が特殊な条件を満たす場合の散乱過程で、図5(a)に示すように、S(imaginary)が、実在する第1電子励起状態S1に一致した場合である。この場合は、基底状態S0の分子が、実在する第1電子励起状態S1に励起され、その後、最低電子状態の高い振動回転準位(V2)に脱励起する過程に対応する。見かけ上、図1(b)に示すように、あたかもS0→S1励起後、λ2という蛍光を発光する過程と一致する。この真正共鳴ラマン散乱は、実在する量子状態を利用するので、極めて散乱確率が高く、非共鳴ラマン散乱と比較すると格段に強い光強度でラマン散乱を発現できる。
図5(c)は、前期共鳴ラマン散乱を説明するエネルギーダイアグラムである。前期共鳴ラマン散乱は、真正共鳴ラマン散乱と非共鳴ラマン散乱との中間の性質をもつ。すなわち、第1電子励起状態S1の近傍にS(imaginary)が存在する場合である。
図6は、コヒーレント・ラマン散乱を説明する図で、図6(a)はコヒーレント・アンチストークスラマン散乱(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering;CARS)のエネルギーダイアグラム、図6(b)はコヒーレント・ストークスラマン散乱(Coherent Stokes Raman Scattering;CSRS)のエネルギーダイアグラムである。コヒーレント・ラマン散乱(Coherent Raman Scattering)は、時間領域で振動ダイナミクスを研究する手段の一つで、実験および理論の両側面から様々な研究が行われている。
このコヒーレント・ラマン散乱は、三次の非線形光学過程の一つで、一般に角振動数の異なる二つのレーザ光(ω1光、ω2光)を用いる。はじめに分子と相互作用するω1光およびω2光のレーザ光は、ポンプ光およびストークス光とも呼ばれる。これら二つの入射光の角振動数差が、試料分子の持つ振動モードの角振動数Ωと一致すると、多数の試料分子の振動モードが共鳴的に、かつ位相を揃えて、すなわちコヒーレントに励振される。発生した振動分極は、位相緩和時間の間持続しているので、その間にプローブ光であるもう一つのω1光と分子が相互作用することにより、三次の非線形分極に由来する分極波としてコヒーレント・ラマン散乱光を取り出すことができる。
すなわち、ポンプ光およびストークス光と、プローブ光との間の遅延時間を変化させることにより、分子振動の位相緩和時間に関する情報を得ることができる。特に、図6(a)に示すように、振動数が+Ω大きくなったラマン散乱光は、CARSと呼ばれる。また、図6(b)に示すように、振動数が−Ω小さくなったラマン散乱光は、CSRSと呼ばれる。特に、CARSの場合は、励起光より短波長側で信号光を検出するので、自家蛍光によるバックグラウンド等の影響を受けにくく、良好なS/Nで信号光を検出できることから、近年では、分光分析型顕微鏡等に幅広く適用され始めている。
このように、CARS過程は、非線形光学過程であるため、レーザ光、すなわちポンプ光(プローブ光)およびストークス光が強く集光された特定の微小3次元部分からのみ信号光が発生する。その結果、共焦点顕微鏡のようにピンホールを導入する必要がなく、走査型レーザ顕微鏡にCARS過程を導入することにより、本質的に高い三次元空間分解能を実現することができる。しかも、無染色で生物試料を観察できることから、その商品化が強く期待できる。
特表2002−520612号公報
ところで、通常の光学顕微鏡では、例えば、蛍光顕微鏡や透過型明視野顕微鏡のように、照明光と信号光とが比例する。しかも、複数の波長の光を精度良く同じ空間に集光する必要もないので、顕微鏡の組み立て・調整、および観察時の微調整も煩雑ではなく、ユーザフレンドリの顕微鏡システムを提供できた。加えて、空間形状が精度良くキャリブレーションされたテストチャート(顕微鏡解像度チャート)がある。したがって、この顕微鏡解像度チャートを観察しながら光学調整を行うことにより、結像性能の最適化が可能となる。具体的には、図7(a)に示すように、顕微鏡解像度チャート100に形成された波長オーダの細線パターンを観察して、図7(b)に示すように、画像計測することにより、コントラス伝達関数や2次元点像分布関数を定量的に評価できる。これらの評価物理量を最適化するように、顕微鏡対物レンズの選定、光軸調整、検出器の調整、ステージ走査機構のチェックといった綿密なシステム調整(顕微鏡調整)が簡単にできる。
しかしながら、コヒーレント・ラマン過程を用いた顕微鏡法では、状況を異にする。確かに、上述したように、コヒーレント・ラマン過程を用いた顕微鏡、特に、CARS顕微鏡は、通常の光学顕微鏡にない優れた機能を有しているが、これを実現するためのシステム調整には難しい面がある。その主な理由としては、コヒーレント・ラマン過程は、2色の光源を用いた3次の非線形光学効果を用いているからである。すなわち、ポンプ光強度P、ストークス光強度Pとすると、得られるラマン散乱信号すなわち信号強度Iは、下記の(1)式で与えられる。
Figure 2009229714
また、最新のより進んだCARS過程を用いた顕微鏡法では、2色の光ではなく、3色の光を用いる、より精密な計測法も研究されつつある。図6において、基底状態から励起するω1の照明光(ポンプ光)と励起振動準位から励起するω1の照明光は、同じ波長の光(プローブ光)を用いていることから、結果的にポンプ光とプローブ光が同じになり、2色の光源となる。しかし、ポンプ光とプローブ波長は異なっても良い。すなわち、プローブ光の波長をω1′とすると、波長ω1′を可変として任意の振動準位に共鳴させ、これによる様々な振動準位が混在する中、特定の振動準位に起因するCARS散乱光を検出する方法である。この様な計測法は、マルチプレックスアンチコヒーレントラマン顕微鏡法と言う。この場合、効率的にCARS散乱光を得るためには、3色の光を完全に同軸で光学調整する必要ある。
(1)式から明らかなように、ラマン散乱の信号強度Iは、コヒーレント・ラマン散乱過程が非線形効果のために、試料集光面におけるポンプ光の強度のべき乗とストークス光の強度との積に比例している。したがって、ポンプ光およびストークス光の空間的および時間的領域におけるオーバーラップの状態、またポンプ光およびストークス光の強度によって、ラマン散乱信号の発生条件が大きく変化することになる。より詳しくは、試料集光面近傍で発生する信号空間分布が大きく変化することになる。このため、場合によっては、結像性能が大きく劣化する。例えば、基本的には、ポンプ光およびストークス光は、3次元的に重複していないとラマン信号が得られないため、S/Nが極度に悪くなるだけではなく、点像分布関数が広がり、空間分解能が極端に劣化する。また、ポンプ光およびストークス光の強度調整を誤っても、終状態が飽和して、点像分布関数が大きく変化し、空
間分解能が悪くなる。マルチプレックスCARS顕微鏡法においては、より顕著に調整条件に反映する。
以上のことから明らかなように、CARS顕微鏡の場合は、通常の顕微鏡よりも、はるかに正確で慎重なシステム調整が要求される。そこで、従来、CARS顕微鏡では、直径200nm程度のポリスチレンビーズの像を基板上に展開し、それを観察することでシステム調整を行っていた。
しかしながら、この従来の調整法では、以下の理由から、厳密な定量評価は不可能である。
(1)基本的には、ポリスチレンビーズを単分散して、孤立したビーズ像を計測するので、顕微鏡性能として最も重要な2点分解能やコントラスト伝達関数など計測できない。
(2)ポリスチレンビーズの径は遠心分離機等で選別されているものの、最大で20%程度のバラツキがある。
これは、ひとえに、簡便に入手できるCARS顕微鏡対応の解像度評価用チャートが存在していないことに起因する。すなわち、ラマン活性物質を、波長オーダより微細な高い空間制御精度で、2次元または3次元配列した標準サンプルが存在しないことによる。このことが、CARS顕微鏡システムとしての結像性能評価の作業や、これを基にした調整を不確実で非能率なものにしていた。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の第1の目的は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価できる解像度評価用チャートを提供することにある。
さらに、本発明の第2の目的は、上記の解像度評価用チャートを簡単に製造できる製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、コヒーレント・ラマン顕微鏡に用いるのに最適な光源装置を提供することにある。
さらに、本発明の第4の目的は、コヒーレント・ラマン顕微鏡を容易に最適化できる調整法を提供することにある。
上記第1の目的を達成する請求項1に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートであって、
照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板と、
該基板上に二次元的に形成され、前記基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層と、
を有することを特徴とするものである。
さらに、上記第1の目的を達成する請求項2に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートであって、
照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板と、
該基板上に形成され、前記基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層と、
該ラマン活性層上に二次元的に形成され、前記ラマン活性物質とは異なる振動スペクトルを有し、照明光励起に対して蛍光を発光せず、かつ照明光を反射または吸収するマスク層と、
を有することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートにおいて、
前記ラマン活性物質は、有機物からなることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートにおいて、
前記ラマン活性物質は、ポンプ光およびストークス光の照明光の振動数差に共鳴する振動準位を有する化学基を含むことを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートにおいて、
前記化学基は、CH基であることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャートにおいて、
前記ラマン活性物質は、ポリエチレンを含むことを特徴とするものである。
さらに、上記第2の目的を達成する請求項7に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートを製造するにあたり、
照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板上に、該基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層を形成するラマン活性層形成工程と、
前記基板上に形成された前記ラマン活性層を二次元的に除去してラマン活性層の二次元パターンを形成するパターン形成工程と、
を含むことを特徴とするものである。
さらに、上記第2の目的を達成する請求項8に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートを製造するにあたり、
照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板上に、該基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層を形成するラマン活性層形成工程と、
前記基板上に形成された前記ラマン活性層上に、前記ラマン活性物質とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光せず、かつ照明光を反射または吸収するマスク層を二次元的に形成するマスク層形成工程と、
を含むことを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項7または8に記載の解像度評価用チャートの製造方法において、
前記ラマン活性層形成工程は、有機物からなるラマン活性物質を、スピンコート法またはディップコート法により前記基板上に展開して、前記ラマン活性層を形成することを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、請求項7に記載の解像度評価用チャートの製造方法において、
前記パターン形成工程は、前記ラマン活性層の二次元パターンを、ナノインプリンティング法により形成することを特徴とするものである。
請求項11に係る発明は、請求項8に記載の解像度評価用チャートの製造方法において、
前記マスク層形成工程は、前記マスク層を蒸着法により形成することを特徴とするものである。
さらに、上記第3の目的を達成する請求項12に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡に用いる光源装置であって、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
該レーザ光源からのレーザ光を入射して、該レーザ光とともに、該レーザ光よりも長波長側にシフトしたラマン光を出射する有機結晶を含むレーザ媒質と、
を有することを特徴とするものである。
請求項13に係る発明は、請求項12に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置において、
前記レーザ媒質からの出射光路中に、1次ラマン光よりも長波長の高次ラマン光成分を除去する分光分散素子を設けたことを特徴とするものである。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置において、
前記分光分散素子は、多層膜フィルタまたは回折格子からなることを特徴とするものである。
請求項15に係る発明は、請求項12〜14のいずれか一項に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置において、
前記有機結晶は、CH基を含むことを特徴とするものである。
請求項16に係る発明は、請求項15に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置において、
前記有機結晶は、ポリエチレンを含むことを特徴とするものである。
さらに、上記第4の目的を達成する請求項17に係る発明は、コヒーレント・ラマン顕微鏡を調整するにあたり、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の解像度評価用チャートを用い、該解像度評価用チャートの顕微鏡画像を撮影して得られるコントラスト伝達関数のコントラスト比が最大となるように調整することを特徴とするものである。
請求項18に係る発明は、請求項17に記載コヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法において、
前記解像度評価用チャートを顕微鏡観察するための光源装置として、請求項12〜16のいずれか一項に記載の光源装置を用いることを特徴とするものである。
本発明の解像度評価用チャートによれば、照明光に対して、ラマン活性物質を含むラマン活性層の2次元パターンを有するので、この解像度評価用チャートの画像をコヒーレント・ラマン顕微鏡で撮影することにより、該コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価することが可能となる。
本発明の解像度評価用チャートの製造方法によれば、基板上に、ラマン活性物質を含むラマン活性層を形成した後、該ラマン活性層を2次元的に除去してラマン活性層の2次元パターンを形成するか、あるいは、基板上にラマン活性層を形成した後、該ラマン活性層上にマスク層を2次元的に形成してラマン活性層の2次元パターンを形成するので、解像度評価用チャートを簡単に製造できる。
本発明のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置によれば、有機結晶を含むレーザ媒質を有し、該レーザ媒質にレーザ光を入射させることにより、入射レーザ光とともに、該レーザ光よりも長波長側にシフトしたラマン光を出射するので、コヒーレント・ラマン顕微鏡に最適な光源装置を提供することが可能となる。
本発明のコヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法によれば、ラマン活性物質を含むラマン活性層の2次元パターンを有する解像度評価用チャートを用い、その顕微鏡画像を撮影してコントラスト比が最大となるように調整するので、コヒーレント・ラマン顕微鏡を容易に最適化することが可能となる。
(実施の形態の概要)
先ず、本発明の実施の形態の概要について説明する。本発明者らは、ラマン過程を用いた顕微鏡の結像性能を正確に定量評価可能な標準の解像評価用チャートを考案できれば、これを撮影して顕微鏡画像を解析することにより、コヒーレント・ラマン顕微鏡の性能を最適化できる調整法が可能ではないかと考えた。
そのため、本発明者らは、先ず、コヒーレント・ラマン顕微鏡の標準の解像度評価用チャートを開発した。この解像度評価用チャートは、基本的には、基板上に、ラマン活性物質を含むラマン活性層を2次元展開し、その後、2次元の微細パターンを形成してなる。近年では、生体試料が多くなり、CH、OH、HN、COOH等の化学基が重要な観察対象となりつつある。このため、解像度評価用チャートの一例としては、ラマン活性物質として有機薄膜を選択し、この有機薄膜を、例えばガラス基板やシリコン基板上にコートする。
有機薄膜は、一例として薄膜化し易いPMMA(メタクリル酸メチル)を選択すれば、生体分子に特有なCH、COOHが豊富に含まれているので好ましい。また、PMMAは、酢酸エチルなどの化学溶媒や加熱により、容易に溶解させることが可能であり、スピンコート法によりナノメータオーダの均一な厚さの薄膜を2次元展開できる。加えて、可視光領域より長波長側で蛍光が全く出ないので、ラマン分光を行う際、高いS/Nが期待できる。これは、可視光の波長に対して十分無視でき得る値であり、例えば、深さ方向の分解能評価には最適となる。
また、薄膜形成に関しては、ディップコート法も適応できる。ディップコート法は、融解した有機材料(媒質)に基板を浸して一定速度で引き上げることにより、基板と媒質の間に作用する表面張力によって、基板表面に一定の厚みで媒質を均一に吸着させるもので、その厚みは、基板の引き上げ速度でコントロールすることができる。
スピンコート法もディップコート法も、市販の装置が販売されているので、簡便に、有機薄膜を形成することができる。また、スバッタ法により真空層中で、基板にラマン活性物質を蒸着させて薄膜を形成することもできる。スパッタ法の場合、ラマン活性物質は、有機物に限らず、無機物、半導体、金属であっても、基板上に2次元展開できる利点がある。
基板に平面展開して形成したラマン活性物質を含むラマン活性層は、例えば、微細な2次元パターンに加工する。この加工法としては、電子ビーム法やリソグラフィー法を適用でき、何れも数10ナノメータレベルのラインおよびスペースからなる細線群のエッチングパターンを描画することができる。この作製精度は、電子顕微鏡で確認できるので、較正が簡単にできる。
このようにして形成した細線群は、通常の光学顕微鏡における回折限界以下のサイズであるので、この細線群の顕微鏡画像を撮影すれば、得られた細線群のコントラストは、顕微鏡単体の光学性能を決定するコントラスト伝達関数となる。したがって、これを評価すれば、顕微鏡単体の結像性能が分かるので、コントラスト伝達関数が与えるコントラスト比が最大になるように顕微鏡システムを調整することができる。具体的には、ポンプ光およびストークス光の励起強度の調整、ポンプ光およびストークス光の光軸調整、光学フィルタの選択調整によるノイズの低減、検出器(例えば、光電子増倍管)の感度調整、顕微鏡対物レンズの調整等を、コントラスト伝達関数を用いて客観的に評価しながら調整することができる。
したがって、上記のようにして作製した解像度評価用チャートを用いることにより、調整者の主観的な評価に頼らず、標準化された作業として、誰もが、簡便にコヒーレント・ラマン顕微鏡を最適化することができる。
なお、2次元の微細パターンの作製に関しては、上記の電子ビーム法やリソグラフィー法のほか、ナノインプリンティング法を適用することもできる。ナノインプリンティング法は、予め作製した2次元の微細パターンの鋳型を、熱溶融性の薄膜層(ラマン活性層)に押し付けることにより、パターンニングする方法である。この方法によれば、簡便にパターンニングできるので、解像度評価用チャートを大量に廉価で供給できる。
また、ラマン活性層を直接加工するのではなく、ラマン活性層の上に、金属性の薄膜を蒸着して微細パターンを形成することも可能である。例えば、ラマン活性層の上に、吸収率の高いクロムや反射率の高い金薄膜をコートしても良い。この場合、金属薄膜でマスクされた領域のラマン活性層には照明光が到達しないので、この領域からはラマン信号は検出されない。
本発明は、さらに、コヒーレント・ラマン顕微鏡に好適な光源装置を提供する。コヒーレント・ラマン顕微鏡では、ポンプ光に対して、検出する化学基の振動周波数だけ相対的にシフトしたラマン散乱光を発生させる。通常は、近赤外のフェムト秒:チタン(Ti)サファイアレーザを用い、その基本波を直接ストークス光として用い、その一部を分岐して光パラメトリック発振器(OPO:Optical Parametric Oscillator)等の非線形波長変換光学システムにより波長変換してポンプ光を生成する。この方法は、ポンプ光の波長を可変できることから、あらゆる固有振動数をもつ化学基に対応できるが、大掛かりで、極めて高度な光学調整が求められる。
そこで、本発明者らは、鋭意検討したところ、例えば、代表的な化学基に着目すれば、簡単に安定してポンプ光(プローブ光)およびストークス光を発生できることを見出した。例えば、生体試料に豊富に含まれるCH基に対して顕微鏡調整を行うことを想定した場合は、同様にCH基を含む有機結晶を用いてラマンレーザユニットを作製し、このユニットで波長変換される光を用いる。
例えば、結晶性のポリエチレンを用いた場合、化学結合基はCH基のみなので、入射レーザ光に対して、2900カイザーほど長波長側にシフトした極めて強いラマンレーザ光が発生する。同時に、その高次倍音波も発生するが、この高次倍音波をフィルタでカットすれば、極めて単色性の高い高強度のレーザ光を発生することができる。したがって、この入射レーザ光とラマンレーザ光を、コヒーレント・ラマン顕微鏡に用いれば、OPOを用いて波長チューニングすることなく、簡単に、CH化学基に対するポンプ光(プローブ光)とストークス光を発生することができる。しかも、ラマンレーザ光は、基本的に、励起レーザ光と完全に同期して発生するので、コヒーレント・ラマン顕微鏡に特有な、発生パルスのタイミング調整といった作業も簡略化できる。
このラマンレーザユニットをコヒーレント・ラマン顕微鏡の光源装置として導入すれば、有機物を含む生体試料の観察に活用することができる。さらに、顕微鏡の調整時に、上述したPMMAのような有機薄膜をラマン活性層に含む解像度評価用チャートを用いた場合は、光源装置からのポンプ光およびストークス光の振動数差と試料の振動数とが完全にマッチして、非常に強いラマン信号が得られるので、特に効果的である。また、ラマン活性層がポリエチレンの薄膜からなる解像度評価用チャートを用いた場合は、CH振動によるS/Nが極めて高いラマン信号を得ることができる。したがって、上記の解像度評価用チャートおよび光源装置を用いてコヒーレント・ラマン顕微鏡の調整を行えば、コヒーレント・ラマン顕微鏡を容易に最適化することができる。また、このような解像度評価用チャートおよび光源装置を、コヒーレント・ラマン顕微鏡の生産ラインに導入すれば、標準化された検査法を実現することができる。
以下、具体的な実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る解像度評価用チャートを示すもので、図1(a)は拡大平面図、図1(b)は要部断面図である。この解像度評価用チャート10は、コヒーレント・ラマン顕微鏡で用いる照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板11上に、該基板11とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層12の二次元パターンを形成したものである。
図1は、ラマン活性層12の二次元パターンとして、ライン幅5μmのラマン活性層12を5μm間隔(スペース)で形成した5μmパターン部13aと、ライン幅3μmのラマン活性層12を3μm間隔で形成した3μmパターン部13bと、ライン幅1μmのラマン活性層12を1μm間隔で形成した1μmパターン部13cと、ライン幅500nmのラマン活性層12を500nm間隔で形成した500nmパターン部13dと、ライン幅250nmのラマン活性層12を250nm間隔で形成した250nmパターン部13eと、ライン幅100nmのラマン活性層12を100nm間隔で形成した100nmパターン部13fと、ライン幅50nmのラマン活性層12を50nm間隔で形成した50nmパターン部13gとを、各ラマン活性層12のラインが平行となるように形成した場合を示している。なお、各パターン部におけるライン幅および間隔は、模式的に示している。
基板11は、例えば、コヒーレント・ラマン顕微鏡が一般的に使用する照明光の波長λに対して、深さ方向の分解能(縦分解能)に影響を与えない精度である、λ/20程度の精度(例えば、1μmの波長の照明光を用いた場合は、50nmの精度)で光学研磨したガラス基板を用いる。また、ラマン活性層12は、図2に示すようなCH基を含むPMMAをラマン活性物質として用い、このPMMAをスピンコート法により基板11上にコートした後、ナノインプリンティングして形成する。
ここで、PMMAは、100℃程度で容易に溶融するので、加工し易く、簡単に製膜できる。また、基板11の面精度も、一般の光学理論によれば、集光した2次元点像分布関数の形状が大幅に崩れないλ/4程度の平滑性を十分に上回っている。したがって、スピンコートのスピード条件を、例えば、10000rpm〜1000rpmの間として、溶解したPMMAをコーティングすれば、ガラス基板上にPMMA膜を10nm単位で精度良く形成することができる。これにより、例えば、市販の装置を用いて、図1(a)に示したように、50nmパターン部13gを含むラマン活性層12の2次元パターンを形成することができる。
特に、ナノインプリンティング法によりラマン活性層12の2次元パターンを形成する場合、ナノインプリンティング法は、導電体でも絶縁体でも、パターンニングできるので、光学顕微鏡としては十分な形状精度をもつ、コントラスト伝達関数の解像度評価用チャート10を得ることができる。
したがって、この解像度評価用チャート10を、コヒーレント・ラマン顕微鏡で撮影して、撮影されたラマン活性層12の2次元パターンのコントラストを波動光学的に解析すれば、2点分解能、点像分布関数、ディストーション等を定量的に知ることができる。また、コントラスト伝達関数から、ポンプ光(プローブ光)とストークス光との光軸のアライメント状況も把握できる。特に、ナノインプリンティング法によりラマン活性層12の2次元パターンを形成する場合は、限られた一点(点領域:100nmのサイズ)のみを残して、周りの有機材料を取り除くことができるので、2次元点像分布関数を直接測定することができる。すなわち、点領域は、照明光の集光サイズが小さいので、ラマン信号で2次元マップした像は、直接、2次元点像分布関数に対応する。
(第2実施の形態)
図3は、本発明の第2実施の形態に係る解像度評価用チャートを示すもので、図3(a)は拡大平面図、図3(b)は要部断面図である。この解像度評価用チャート20は、コヒーレント・ラマン顕微鏡で用いる照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板21上に、該基板21とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層22を形成し、さらに、このラマン活性層22上に、ラマン活性物質とは異なる振動スペクトルを有し、照明光励起に対して蛍光を発光せず、かつ照明光を反射または吸収するマスク層23の2次元パターンを形成したものである。
基板21は、図1に示した基板11と同様に、例えば、コヒーレント・ラマン顕微鏡が一般的に使用する照明光の波長λに対して、深さ方向の分解能(縦分解能)に影響を与えない精度である、λ/20程度の精度で光学研磨したガラス基板を用いる。また、ラマン活性層22は、PMMAをラマン活性物質として用い、このPMMAをスピンコート法により基板21上に展開して形成する。
本実施の形態は、ラマン活性層22を直接加工して2次元パターンを形成するのではなく、ラマン活性層22上に、マスク層23として、例えば、吸収率の高いクロムや反射率の高い金薄膜の2次元パターンを蒸着により形成して、間接的にラマン活性層22の2次元パターンを形成する。
図3は、ラマン活性層22およびマスク層23の2次元パターンとして、ライン幅5μmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した5μmパターン部24aと、ライン幅3μmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した3μmパターン部24bと、ライン幅1μmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した1μmパターン部24cと、ライン幅500nmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した500nmパターン部24dと、ライン幅250nmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した250nmパターン部24eと、ライン幅100nmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した100nmパターン部24fと、ライン幅50nmのラマン活性層22およびマスク層23を交互に形成した50nmパターン部24gとを、各ラマン活性層22およびマスク層23のラインが平行となるように形成した場合を示している。なお、各パターン部におけるライン幅および間隔は、図1の場合と同様に、模式的に示している。
したがって、この解像度評価用チャート20を、コヒーレント・ラマン顕微鏡で撮影して、撮影されたラマン活性層22の2次元パターンのコントラストを波動光学的に解析すれば、第1実施の形態の解像度評価用チャート10を用いた場合と同様に、2点分解能、点像分布関数、ディストーション等を定量的に知ることができる。
(第3実施の形態)
図4は、本発明の第3実施の形態に係る光源装置を用いるコヒーレント・ラマン顕微鏡の概略構成を示す図である。このコヒーレント・ラマン顕微鏡は、光源装置31から出射する照明光を、反射ミラー32、ビームスプリッタ33および顕微鏡対物レンズ34を経て、試料ステージ35に保持された試料36に集光する。試料36からの散乱光は、顕微鏡対物レンズ34およびビームスプリッタ33を経て照明光カットフィルタ37に入射させ、ここで照明光の波長成分をカットした後、分光器38によりCARS光を取り出して光電子増倍管39で受光する。なお、試料36に集光する照明光は、試料ステージ35または図示しない走査光学系により走査されるようになっている。
本実施の形態に係る光源装置31は、パルスレーザ光源41と、このパルスレーザ光源41からのパルスレーザ光を入射して、入射光のパルスレーザ光、および該パルスレーザ光よりも長波長側にシフトしたラマン光を出射する有機結晶を含むレーザ媒質42と、レーザ媒質42からの1次ラマン光よりも長波長の高次ラマン光成分を除去する分光分散素子43とを有する。
パルスレーザ光源41は、例えば、尖頭値の高い近赤外のフェムト秒パルスを出射するチタン・サファイアレーザを用いる。レーザ媒質42は、例えば、結晶化度が高いC−PET(結晶化ポリエチレンテレフタレート)を用いる。また、分光分散素子43は、ハイパスフィルタまたは回折格子を用いる。
このように、レーザ媒質42としてC−PETを用いれば、C−PETには、CH鎖が空間的に規則性をもって配列されているので、誘導ラマン光が生成し易い。例えば、cm単位のC−PETブロックの端面を鏡面研磨して、チタン・サファイアレーザからなるパルスレーザ光源41から出射される尖頭値の高い近赤外のフェムト秒パルスを入射させると、CH振動に対応する高次倍音を含み、2900カイザー分、周波数が長波長側にシフトした強烈なコヒーレント光が誘導放出される。したがって、このレーザ媒質42から出射する入射パルス光を含む1次ストークスラマン光を分光分散素子43で取り出せば、光源装置31から、それぞれ単色性に優れたポンプ光(プローブ光)およびストークス光を出射することができ、CH基観察に優れた顕微鏡光源として機能させることができる。当然のことながら、マルチプレックスCARS顕微鏡法に対しても、同様の効果を得ることができる。
(第4実施の形態)
本発明の第4実施の形態は、図4に示したコヒーレント・ラマン顕微鏡において、試料36に代えて、図1または図3に示した解像度評価用チャートを試料ステージ35にセットして、顕微鏡を調整する。ここで、解像度評価用チャートは、ラマン活性層がポリエチレンを含むものを用いる。
本実施の形態に係る調整法によれば、ポリエチレンを含むラマン活性層を有する解像度評価用チャートを用いるので、解像度評価用チャートから得られるラマン信号はCH振動からのものであり、かつ、光源装置31もCH振動しか励起できない照明光を出射するので、非常に高いS/Nおよび精度で、顕微鏡の調整作業が可能となる。
したがって、本実施の形態に係る調整法は、現在、生物用のコヒーレント・ラマン顕微鏡の用途が、脂肪滴の観察など、CH振動観察に特化したものが多いことから、極めて有用性が高く、現実的な組み合わせである。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形または変更が可能である。
本発明の第1実施の形態に係る解像度評価用チャートを示す図である。 図1に示したラマン活性層に含まれる化学基を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る解像度評価用チャートを示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る光源装置を用いるコヒーレント・ラマン顕微鏡の概略構成を示す図である。 非共鳴ラマン散乱、真正共鳴ラマン散乱、前期共鳴ラマン散乱を説明するエネルギーダイアグラムである。 コヒーレント・ラマン散乱を説明するエネルギーダイアグラムである。 従来の顕微鏡における調整法を説明するための図である。
符号の説明
10,20 解像度評価用チャート
11,21 基板
12,22 ラマン活性層
13a,24a 5μmパターン部
13b,24b 3μmパターン部
13c,24c 1μmパターン部
13d,24d 500nmパターン部
13e,24e 250nmパターン部
13f,24f 100nmパターン部
13g,24g 50nmパターン部
23 マスク層
31 光源装置
32 反射ミラー
33 ビームスプリッタ
34 顕微鏡対物レンズ
35 試料ステージ
36 試料
37 照明光カットフィルタ
38 分光器
39 光電子増倍管
41 パルスレーザ光源
42 レーザ媒質
43 分光分散素子

Claims (18)

  1. コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートであって、
    照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板と、
    該基板上に二次元的に形成され、前記基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層と、
    を有することを特徴とするコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  2. コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートであって、
    照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板と、
    該基板上に形成され、前記基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層と、
    該ラマン活性層上に二次元的に形成され、前記ラマン活性物質とは異なる振動スペクトルを有し、照明光励起に対して蛍光を発光せず、かつ照明光を反射または吸収するマスク層と、
    を有することを特徴とするコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  3. 前記ラマン活性物質は、有機物からなることを特徴とする請求項1または2に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  4. 前記ラマン活性物質は、ポンプ光およびストークス光の照明光の振動数差に共鳴する振動準位を有する化学基を含むことを特徴とする請求項3に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  5. 前記化学基は、CH基であることを特徴とする請求項4に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  6. 前記ラマン活性物質は、ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項5に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の解像度評価用チャート。
  7. コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートを製造するにあたり、
    照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板上に、該基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層を形成するラマン活性層形成工程と、
    前記基板上に形成された前記ラマン活性層を二次元的に除去してラマン活性層の二次元パターンを形成するパターン形成工程と、
    を含むことを特徴とする解像度評価用チャートの製造方法。
  8. コヒーレント・ラマン顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる解像度評価用チャートを製造するにあたり、
    照明光に対して光学的に平滑で、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しない基板上に、該基板とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光しないラマン活性物質を含むラマン活性層を形成するラマン活性層形成工程と、
    前記基板上に形成された前記ラマン活性層上に、前記ラマン活性物質とは異なる振動スペクトルを有し、かつ照明光励起に対して蛍光を発光せず、かつ照明光を反射または吸収するマスク層を二次元的に形成するマスク層形成工程と、
    を含むことを特徴とする解像度評価用チャートの製造方法。
  9. 前記ラマン活性層形成工程は、有機物からなるラマン活性物質を、スピンコート法またはディップコート法により前記基板上に展開して、前記ラマン活性層を形成することを特徴とする請求項7または8に記載の解像度評価用チャートの製造方法。
  10. 前記パターン形成工程は、前記ラマン活性層の二次元パターンを、ナノインプリンティング法により形成することを特徴とする請求項7に記載の解像度評価用チャートの製造方法。
  11. 前記マスク層形成工程は、前記マスク層を蒸着法により形成することを特徴とする請求項8に記載の解像度評価用チャートの製造方法。
  12. コヒーレント・ラマン顕微鏡に用いる光源装置であって、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    該レーザ光源からのレーザ光を入射して、該レーザ光とともに、該レーザ光よりも長波長側にシフトしたラマン光を出射する有機結晶を含むレーザ媒質と、
    を有することを特徴とするコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置。
  13. 前記レーザ媒質からの出射光路中に、1次ラマン光よりも長波長の高次ラマン光成分を除去する分光分散素子を設けたことを特徴とする請求項12に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置。
  14. 前記分光分散素子は、多層膜フィルタまたは回折格子からなることを特徴とする請求項13に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置。
  15. 前記有機結晶は、CH基を含むことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置。
  16. 前記有機結晶は、ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項15に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡用光源装置。
  17. コヒーレント・ラマン顕微鏡を調整するにあたり、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の解像度評価用チャートを用い、該解像度評価用チャートの顕微鏡画像を撮影して得られるコントラスト伝達関数のコントラスト比が最大となるように調整することを特徴とするコヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法。
  18. 前記解像度評価用チャートを顕微鏡観察するための光源装置として、請求項12〜16のいずれか一項に記載の光源装置を用いることを特徴とする請求項17に記載のコヒーレント・ラマン顕微鏡の調整法。
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