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JP2009224754A - 半導体発光装置、照明装置、及び画像表示装置 - Google Patents

半導体発光装置、照明装置、及び画像表示装置 Download PDF

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JP2009224754A
JP2009224754A JP2008212445A JP2008212445A JP2009224754A JP 2009224754 A JP2009224754 A JP 2009224754A JP 2008212445 A JP2008212445 A JP 2008212445A JP 2008212445 A JP2008212445 A JP 2008212445A JP 2009224754 A JP2009224754 A JP 2009224754A
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Hanako Kato
波奈子 加藤
Hiroshi Mori
寛 森
Hiroyuki Imura
宏之 伊村
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Abstract

【課題】長期間使用してもクラックや剥離を生じることなく、特にパワーデバイスに用いた場合も優れた輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性等を有する、新規な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】(A)パッケージ、(B)半導体素子、及び(C)封止材を有する半導体発光装置であって、
(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子において、その表面材料がSi、Al及びAgのいずれか1以上を含有し、
(C)封止材が、所定の条件を満たし、かつ(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料と直接接していることを特徴とする半導体発光装置。
【選択図】なし

Description

本発明は半導体発光装置に関する。更に詳しくは、高温で使用可能な大型の半導体素子を搭載した半導体発光装置に関する。また、本発明は、前記半導体発光装置を用いて形成された照明装置、及び画像表示装置に関する。
信号、野外ディスプレイ装置など屋外で使用する情報表示装置、また自動車用ヘッドライト、白熱灯、蛍光ランプに代わる照明装置に、半導体発光装置がその発光効率、視認性、堅牢性などの点から実用化されつつある。しかし、これらの用途に使用するためには大出力の発光装置(いわゆる「パワーデバイス」)が望ましい。大出力の半導体発光装置としては、例えば1mm角の半導体素子(チップ。例えばLED。)を使用した例が開示されている(非特許文献1)。しかしながら、パワーデバイスとしての半導体発光装置の一般化は困難であったため、従来は小出力の素子を複数個並べることにより課題を回避してきた。
パワーデバイスとしての半導体発光装置の一般化は困難な理由は以下の通りである。即ち、例えばLED1個当たりの光出力を上げるためには、まず投入電力を大きくすることになる。しかしながら、投入電力を大きくすると発熱も大きくなる傾向がある。一方、熱密度の増大を防止すべくLEDチップサイズを大型化すると、封止材とのチップとの熱膨張率の差ができるため、剥離などが発生しやすくなる。
また、従来のエポキシ樹脂は吸湿性が高いので、半導体発光装置を長時間使用すると、半導体素子からの発熱によって封止材にクラックが生じ、このクラックからの水分の浸入により蛍光体や発光素子が劣化したりするなどの課題があった。
また、近年、半導体素子の発光波長が短波長化されるに伴い、従来のエポキシ樹脂は劣化して着色するために、長時間の点灯及び高出力での使用においては半導体発光装置の輝度が著しく低下するという課題もあった。
そこで、特にパワーデバイス用途に適した封止材として、例えばシラノール基を含有するシリコーン樹脂、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液又はこれらの組み合わせを固化したガラス材料が開示されている(特許文献1及び2)。しかしながら、シリコーン樹脂は、密着性不十分であり、連続点灯中や温度サイクル試験時に封止材が剥離し輝度低下や不点灯となる場合が多かった。またガラス質材料は硬化時の収縮量が大きく、また非常に硬く、もろいため、半導体発光装置に用いられる熱膨張係数の異なる各部材の伸長に追随できず、ひび割れ、剥離などの発生頻度が高く、実用に適さなかった。
さらに、半導体発光装置におけるパッケージは、輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性、放熱性、耐マイグレーション性等の向上を目的として、種々の表面加工が施される。特に、パワーデバイスにおいては、耐久性、耐熱性向上を目的とした、材料の選択、表面加工がなされる場合が多い。また、半導体素子(チップ)は、加工の観点などから保護層を設ける場合が多い。この様に、半導体発光装置において封止材と接するパッケージや半導体素子等の部材は、表面材質が特殊な成分を含有するため、一層、封止の剥離を助長する原因ともなっていた。
成川幸男他、「応用物理」、第74巻、第11号、第1423頁〜第1432頁、2005年 特許第3275308号公報 特開2004−231947号公報
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、長期間使用してもクラックや剥離を生じることなく、特にパワーデバイスに用いた場合も優れた輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性、放熱性、耐マイグレーション性等を有する半導体発光装置を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討を重ね、表面処理等がなされた材質にも極めて高い密着性を有し、耐熱性、耐光性にも優れた封止材を使用することにより、特に大型半導体発光チップを搭載したパワーデバイスでも使用可能となり得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明の半導体発光装置の代表的な装置構成は、(A)例えば電極表面に銀メッキを使用したセラミックス(Al、AlNなど)やメタル(AgメッキCuなど)等の無機質素材を主体としたハイパワー用大型パッケージと、(B)青色〜近紫外で発光する高出力の半導体素子と、(C)熱及び光に対して安定且つ極性を有する官能基(好ましくはシラノール基及びアルコキシシリル基、特に好ましくはシラノール基)を有した封止材(中でも好ましくは有機連結鎖含有量の少ないシリコーン)と、を備える構成である。この際、(A)パッケージ及び(B)半導体素子は、出力及びサイズ、並びに(C)封止材に触れる表面の素材が特に重要であり、詳細な形状は問わない。
すなわち、本発明の要旨は次の〔1〕〜〔9〕に存する。
〔1〕(A)パッケージ、(B)半導体素子、及び(C)封止材を有する半導体発光装置であって、
(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子において、その表面材料がSi、Al及びAgのいずれか1以上を含有し、
(C)封止材が、下記条件(イ)〜(ハ)の全てを満たし、かつ(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料と直接接していることを特徴とする半導体発光装置。
(イ) セラミック又は金属の表面に存在する、水酸基、又は、メタロキサン結合中の酸素と水素結合可能な官能基を有すること。
(ロ) 200℃に500時間放置した前後において、波長400nmの光における透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
(ハ) 中心波長380nm、かつ波長370nm以上で、放射強度0.6kW/mの光を72時間照射した前後において、波長400nmの光に対する透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
〔2〕(C)封止材が、さらに下記条件(ニ)を満たす前記〔1〕に記載の半導体発光装置。
(ニ)発光波長460±10nm、かつ一辺が900μmの正方形の半導体素子に、発光面の温度が100±10℃となる様に維持しながら350mAの駆動電流を通電して、温度85℃相対湿度85%にて500時間連続点灯を行った場合に、点灯直後の輝度に対する500時間後の輝度の割合が90%以上であること。
〔3〕(C)封止材が、さらに下記条件(ホ)を満たす前記〔1〕又は〔2〕に記載の半導体発光装置。
(ホ)下記密着性評価方法(II)により測定された剥離率が30%以下であること。
密着性評価方法(II)
(1)直径9mm、凹部の深さ1mm、凹部の側面と底面の傾斜角45°の銀メッキ表面銅製カップに封止材形成液40μLを滴下し、所定の硬化条件にて硬化させて(C)封止材を得る。
(2)得られた(C)封止材を温度85℃、湿度85%の雰囲気下で1時間吸湿させる。(3)吸湿後の(C)封止材を室温より260℃まで50秒で昇温後、260℃で10秒間保持する。
(4)昇温後の(C)封止材を室温まで冷却し、目視及び顕微鏡観察により(C)封止材の前記銅製カップからの剥離の有無を観察する。
(5)前記封止材10個につき、それぞれ、前記(2)、(3)及び(4)の操作を実施し、前記(C)封止材の剥離率を求める。
〔4〕(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料が、SiN、SiC、及びSiOの1以上を含有する前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔5〕(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料が、Al、AlN、Alの1以上を含有する前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の半導体発光装置。〔6〕(B)半導体素子の基板部分に、前記表面材料を有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔7〕さらに、(D)蛍光体を含有する前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔8〕(B)半導体素子の発光面の面積が0.15mm以上である前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
〔9〕動作時の(B)半導体素子の発光面の表面温度が80℃以上200℃以下である前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔10〕動作時の電力量が0.1W以上である前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔11〕(A)パッケージが、表面を保護膜で被覆された電極を備える前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔12〕前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の半導体発光装置を用いて形成された照明装置。
〔13〕前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の半導体発光装置を用いて形成された画像表示装置。
本発明の半導体発光装置は、長期間使用してもクラックや剥離を生じることなく、特にパワーデバイスに用いた場合も優れた輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性、放熱性、耐マイグレーション性等を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[1]半導体発光装置
[1−1](A)パッケージ
本発明に用いられるパッケージは、その表面材料がSi、Al及びAgのいずれか1以上を含有することを特徴とする。ここで、パッケージとは半導体発光装置において、後述の(B)半導体素子(「半導体発光素子」又は「発光素子」ともいう)を積載する部材をいう。パッケージはカップ状、平板に凹部を設けた形状、平板の周囲に堰を設けた形状のもの、平板状等が挙げられ、通常はカップ状のものが用いられる。
[1−1−1]表面材料
本発明に用いられるパッケージの表面材料は、Si、Al及びAgのいずれか1以上を含有することを特徴とする。
パッケージは前述したとおり、(B)半導体素子を積載する部材であるが、輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性、放熱性、耐マイグレーション性等の向上を目的として、種々の表面加工が施される。特に、パワーデバイスにおいては、耐久性、耐熱性向上を目的とした、材料の選択、表面加工がなされる場合が多い。
具体的には、例えば反射率の向上、ひいては輝度の向上を目的とした、銀メッキ等の表面加工の他、放熱性、絶縁性、耐熱性、耐久性、耐光性等の向上を目的としたSiN、SiC、SiO、Al、AlN、Al等を用いたセラミックス製パッケージの選択、または反射率向上や光拡散機能付与を目的とした無機系コーティング層塗布による表面平滑化や粗面化などのセラミックス表面加工等が挙げられる。
即ち、本発明の半導体発光装置は、かかる特殊な表面処理を施したパッケージにおいても、封止材の剥離などのない、優れた性質を有する。
半導体発光装置のパッケージは通常電極を備えているが、通常、電極表面は半導体素子や蛍光体からの発光を反射によって効率よく取り出すために銀メッキ等の処理が施されている。しかし、銀や銅などの電極材料は、その電極間に生じる電場によってマイグレーションが発生しやすい。
特に上述したパワーデバイスの場合、輝度が高く照明や各種光源として有用であるため、雨など水分の影響を受けやすい屋外用照明や表示器、温度の上下が激しく結露しやすい環境で使用する車載用照明、高温多湿の地域で使用する各種照明やバックライト光源など、高温高湿環境下で半導体発光装置を点灯することが多くなる。従来のエポキシ樹脂を封止材として用いた場合には吸湿性があるため、またシリコーン樹脂を用いた場合には透湿性があるため、半導体発光装置の電極材料や発光素子を厳密に水分から遮断することは困難であった。このため、該環境下ではマイグレーションがより顕著に発生し、電極表面の反射率が低下するので、照明装置の光の取り出し効率が低下する傾向があった。さらには、マイグレーションの発生によって、電極と樹脂界面との密着性が低下し剥離等が発生する傾向があった。
また、半導体発光装置に配置される電極のマイグレーションは、イオン性の不純物の存在により加速すると考えられる。通常、半導体発光装置は蛍光体を用いており、中でも特定の蛍光体から溶出するイオン性物質が電極のマイグレーションを加速する。
そこで、本発明において蛍光体を用いる場合は、電極部分の表面に保護膜を設置することにより、蛍光体から溶出するイオン性物質と電極の接触を遮断することが好ましい。これにより、電極金属のマイグレーションの加速を抑制することができる。
上述の蛍光体のうち、保護膜の設置による効果を特に顕著に奏するものとしては、例えば、水により溶解しやすく、電解劣化を起こしやすい蛍光体を挙げることができる。具体例としては、
:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、
(Ca,Sr)S:Eu、(Ca,Sr)S:Ce等のEuまたはCe付活硫化物蛍光体、
(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、好ましくは(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu等のEu付活窒化物蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Ce等のCe付活窒化物蛍光体、
(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Ce等のEuまたはCe付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、
等を挙げることができる。
本発明に用いられる後述の封止材は本来電極金属である銀等と密着性が良いものである。しかし、上記蛍光体とともに用いた場合、電極表面の金属自身がマイグレーションにより溶出してしまうと、これを起点に界面の接着力が低下し剥離しやすくなることがある。
そこで本発明においては、電極表面に特定の保護膜を設けることが好ましい。これにより、電極のマイグレーションが抑制され、かつ保護膜そのものの変質も起こらないので剥離が起きなくなる。これは、本発明に用いられる後述の封止材と、電極部分に設置された保護膜表面との密着性が極めて高いためであると思料される。また、前記保護膜表面と封止材との間に剥離などによる間隙を生じないため、光取り出し効率の低下も抑制することができる。
さらに、上記特定の蛍光体を用いた場合、電極素材として表面に銀メッキ層を有する銅電極を用いる構成では、高温高湿環境下で半導体発光装置の点灯を続けると正極上で銀のマイグレーションと共に下地層である銅のマイグレーションが観測され、正極銀メッキ表面に銅又は酸化銅が析出し、反射効率の低下及び電極表面での封止材の剥離が起きることがある。
これは劣化蛍光体より生成した水溶性アルカリ塩由来のアルカリイオンが正極近傍に移動し、正極近傍をアルカリ性雰囲気にするためである。この場合にも蛍光体から溶出するイオンから電極を遮断するために前述の電極表面の保護膜が有効である。さらに、銀メッキ層と銅の間にバリアメタル層となる特定の金属の層を設ける構成とし、銅のマイグレーションを抑制することが出来る。
前記保護膜に用いられる材料としては、例えば、単層の酸化物、窒化物、フッ化物、高耐熱の有機化合物等が好ましく、具体的には、SiO、AlO、TiO、TaO、HfO、ZrO、SiN、SiO、AlN、AlF、BaF、CaF、SrF、MgF、透明ポリイミド等から選ばれる材料が好ましい。中でも優れた耐熱耐光性を有する観点から金属化合物が好ましく、本発明に用いられる封止材との顕著な密着性及び特に材料自体の着色が少なく反射効率を損なわない観点から、SiO、AlO、SiN、SiO、AlNが好ましい。これらは、長期に渡って安定に保護性能を確保できる。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
また、SiOの誘導体として、クラックが入らないようにRaSiO(4−a)/2の示性式で示される架橋度調整ゾルゲルガラスを使用することが好ましい。ここで、Rは炭素数10以下の有機基を表し、好ましくはメチル基又はフェニル基を表す。aは0≦a<2を満たす数を表す。また、この架橋度調整ゾルゲルガラスは、未反応末端としてのシラノール基又は炭素数1以上3以下のアルコキシ基を、合計で通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下の範囲で含有していても良い。なお、後述する実施例6ではR=CH、a=1のものを用いた。
ところで、保護膜や電極表面の材料としては、耐マイグレーション性の高いAuを用いることもできる。ただし、AuはAg、Al、Al及びAlNなどと比較して反射効率低く、封止材との接着性に劣る傾向があるため、Auを保護膜や電極表面の材料として使用する場合には、パッケージ内に露出する電極面積を小さくし、更にパッケージ本体をAlやAlNで形成することが好ましい。これにより、Auにより保護膜や電極表面を形成しながら、剥離の起きにくい構成とすることができるからである。
蛍光体イオンの進入を防ぐ観点からはこれらの保護膜は出来るだけ緻密な構造であることが好ましく、必要な膜厚はその緻密さに依存する。
成膜方法は公知の方法をとることができ、例えば、ゾルゲル法、CVD法、スパッタリングなどの他、ソルダーペーストのようにこれらの材料からなる無機粒子を適当なバインダ成分によりペーストとし、スクリーン印刷法などの各種印刷法、塗布方法により塗布しても良い。また、これらの材料からなる無機粒子を焼結したセラミックスシートをあらかじめ作製し、これを電極上に密着戴置し保護膜としても良い。
セラミックスシートのように保護膜が多孔質である場合には、膜の封止材側から電極側まで連通する細孔が無いことが好ましく、膜厚は200μm以上3mm以下が好ましい。保護膜が無機粒子のペースト塗布など多孔質ではなく、上記無機粒子とバインダ連結相からなる場合、膜厚は20μm以上1mm以下が好ましい。この場合のバインダ成分は耐熱耐光性高く緻密な相を与えることが好ましく、有機無機ハイブリッドポリマーやシリコーン樹脂、ゾルゲルガラス、低融点ガラスなどが特に好ましい。また保護膜が、CVD膜、スパッタリング膜など緻密な場合には、膜厚は10nm以上500nm以下が成膜しやすく保護効果が大きく、透明膜も得られるため好ましい。
前記バリアメタル層の材料(以下、適宜「バリアメタル材料」ということがある。)としてはW、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Luなどの高融点金属、あるいは構成元素内にSiを含む材料、あるいは構成元素内に前記高融点金属を含む材料の窒化物、あるいは構成元素内に前記高融点金属とSiを含む材料の窒化物が挙げられる。中でもTa、Ti、TaN、TiN、WNなどが拡散防止の効果が高く好ましい。これらの中には抵抗値が高いものもあるが電極構造により適宜選択され、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。また、バリアメタル層の膜厚は通常10nm以上200nm以下が好ましい。ここでのバリアメタル層は最表面に露出するものではないが、銀メッキ銅電極ではバリアメタルを含む構成とすることにより、銅の拡散を防止し保護膜を含めた電極表面と封止材の界面の密着性を長期にわたり維持し高輝度を保つことができる。
本発明に用いられるパッケージの表面材料に含有されるSi、Alの含有量は表面材料中、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、更に好ましくは40重量%以上であり、通常100重量%以下、好ましくは90重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。前記含有量は、SiOを焼結助剤として用いたAlセラミックス焼結体のようにSiOとAlが固溶し混在する表面の場合には、SiとAlの合計含有量として考える。ガラス繊維などの無機質フィラーを含有する強化プラスチックのように2つの相からなる素材表面の場合は、強化プラスチック中のSi含有量として考える。また、半導体発光装置においてAgはメッキ金属として純度高く存在することが多く、Ag含有表面におけるAg含有量は通常60重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上であり、通常100重量%以下、好ましくは98重量%以下、更に好ましくは95重量%以下である。上記含有量が少なすぎると、種々の表面処理等の効果が達成されない可能性がある。また、多すぎると加工に支障をきたしたり目的とするセラミックス組成から逸脱したりする可能性がある。
[1−1−2]その他材質
本発明に用いられるパッケージの材料は、前述の表面材料を全部又は一部に有するものである。表面材料を一部に有するパッケージの場合は、その他部分は、目的に応じて如何なるものを選択しても良く、通常、有機材料、無機材料、ガラス材料など、及びこれらの組合せの中から適宜選択して用いることが出来る。
有機材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ナイロン系樹脂、ポリフタルアミド系樹脂、ポリエチレン樹脂などの有機樹脂、及びこれらの樹脂とガラスフィラーや無機粉末とを混合し、耐熱性や機械的強度を向上させ、熱膨張率を低減した強化プラスチックなどが挙げられる。
無機材料としてはSiN、SiC、SiO、AlN、Alなどのセラミックス材料;鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム等の金属材料或いはこれらの合金などが挙げられる。
ガラス材料としてはハーメチックシール部や部材同士の接着などに用いられる低融点ガラス、パッケージ窓材や透明蓋体などパッケージの一部として用いられる光学ガラスなどが挙げられる。
また、本発明の半導体発光装置を、発熱・発光量の多いいわゆるパワーデバイスにおいて用いる場合には、従来の構成の半導体発光装置より耐久性に優れる材料を選択することが出来る。このようなパワーデバイスにおいては変色等の劣化を起こしやすい有機材料より、耐熱・耐光耐久性に優れた無機材料が好適である。中でも、銅、アルミニウム、SiN、AlN、Alなど加工しやすく放熱性に優れた材料が好ましい。また、これらのパッケージ素材は、前述のように反射率の向上、ひいては輝度の向上を目的として、銀メッキ等の表面加工がなされていても良い。パッケージ素材は、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
[1−1−3]形状
本発明に用いられるパッケージの形状は特に制限は無いが、公知の半導体発光装置用パッケージ又は、諸目的に応じて適宜改良された半導体発光装置用パッケージを用いることができる。具体的な形状としては、セラミックスパッケージでリフレクタと基板が一体型のもの、発光素子の直下に銅やアルミウムなどからなるヒートシンクを設けたもの、リフレクタの反射面に銀を被覆したもの等を挙げることができる。パッケージはカップ状、平板に凹部を設けた形状、平板の周囲に堰を設けた形状のもの、平板状等が挙げられ、通常はカップ状のものが用いられる。
本発明に用いられるパッケージは市販のものを用いることができる。具体的には、例えば、エムシーオー株式会社製、型番「3PINMETAL」(リフレクタ素材は銀メッキ付き銅製、ピン周りのハーメチックシールは低融点ガラス製)、共立エレックス株式会社製、型番「M5050N」(リフレクタ素材、基板素材はAl製、電極素材はAg−Pt製、リフレクタと基板の接着部分は低融点ガラス製)などが挙げられる。
[1−2](B)半導体素子
[1−2−1]半導体素子
本発明に用いられる半導体素子としては、具体的には発光ダイオード(LED)や半導体レーザーダイオード(LD)等が使用できる。
具体的には、GaN系化合物半導体、ZnSe系化合物半導体、ZnO系化合物半導体を挙げることができる。中でも、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、後述の蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、同じ電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。GaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層、GaN発光層、又はInGaN発光層を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でInGaN発光層を有するものが発光強度が非常に強いので、特に好ましく、GaN系LDにおいては、InGaN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光強度が非常に強いので、特に好ましい。
なお、上記においてx+yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、又はInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高く、好ましく、さらにヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率がさらに高く、より好ましい。
GaN系半導体素子を形成するためのGaN系結晶層の成長方法としては、HVPE法、MOVPE法、MBE法などが挙げられる。厚膜を作製する場合はHVPE法が好ましいが、薄膜を形成する場合はMOVPE法やMBE法が好ましい。
本発明においては、面発光型の発光体、特に面発光型GaN系レーザーダイオードを半導体素子として使用することは、発光装置全体の発光効率を高めることになるので、特に好ましい。面発光型の発光体とは、膜の面方向に強い発光を有する発光体であり、面発光型GaN系レーザーダイオードにおいては、発光層等の結晶成長を制御し、かつ、反射層等をうまく工夫することにより、発光層の縁方向よりも面方向の発光を強くすることができる。面発光型のものを使用することによって、発光層の縁から発光するタイプに比べ、単位発光量あたりの発光断面積が大きくとれる。
[1−2−2]発光ピーク波長
本発明に用いられる半導体素子の発光ピーク波長は、可視から近紫外のいずれの波長のものを用いることが出来る。半導体素子の発光ピーク波長は、蛍光体の励起効率、延いては蛍光体の励起光から蛍光への変換効率と関係し、また、封止材の耐久性にも影響する重要な要素である。本発明においては、通常、近紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光素子が使用され、具体的には、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、更に好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下、更に好ましくは480nm以下のピーク発光波長を有する発光素子が使用される。短波長すぎると封止材が発光波長を吸収し高輝度の半導体発光装置を得ることができず、また発熱による半導体発光装置の熱劣化の原因となる可能性がある。
[1−2−3]発光面のサイズ
本発明の半導体発光装置は、高出力のパワーデバイス用途に特に優れている。したがって、パワーデバイス用途に用いられる場合、(B)半導体素子(チップ)の発光面の面積は、通常0.15mm以上、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.3mm以上であり、通常10mm以下、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下である。発光面の面積が小さすぎると、パワーデバイス用途として用いることが困難である。
ここで、発光面とは、pn接合面を意味する。また、小型チップを1つのパッケージに連装する場合、前記の面積は、それらの合計面積とする。
なお、チップそのものの形状はウエーハカッティングにおけるロス低減のため、通常長方形または正方形である。
従ってチップが長方形の場合は、発光面がチップ1個からなる場合、発光面は、長辺が通常0.43mm以上、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.6mm以上であり、通常4mm以下、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。また、短辺が通常0.35mm以上、好ましくは0.4mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上であり、通常2.5mm以下、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。
チップが正方形の場合は、発光面は一辺が通常0.38mm以上、好ましくは0.45mm以上、さらに好ましくは0.55mm以上であり、通常3.1mm以下、好ましくは2.2mm以下、さらに好ましくは1.7mm以下である。
[1−2−4]発光面の表面温度
本発明の半導体発光装置は、高出力のパワーデバイス用途に特に優れている。したがって、パワーデバイス用途に用いられる場合、動作時の(B)半導体素子(チップ)の発光面の表面温度が通常80℃以上、好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、更に好ましくは150℃以下である。発光面の表面温度が低すぎると、パワーデバイス用途として用いることが困難である。発光面の表面温度が高すぎると、放熱が困難になったり、均一に電流を流すことが困難になる可能性がある。なお、発光面の表面温度が高くなりすぎる場合は、ヒートシンクや放熱フィン等を半導体発光装置の近傍に設け、半導体や周辺部材の劣化を抑制することが好ましい。
[1−2−5]表面材料
本発明に用いられる半導体素子の表面材料は、Si、Al及びAgのいずれか1以上を含有することを特徴とする。
半導体素子(チップ)の保護層としてのSiNやSiOは、通常必須ではなく、これらを用いないチップも使用できる。しかし、GaNは化学的物理的に“硬い”物質なので加工に強いエネルギーを要するため、加工の観点からは保護層があったほうが良い。即ち、SiN層、SiC層、SiO層は加工工程におけるプラズマ、薬品、酸化的環境からの保護層である。また製品チップにおいては静電気、不純物金属のマイグレーション、はんだ付着防止・光取り出し膜などの役割をも担う場合がある。但し、いずれの場合も保護層はGaNを個別のチップに切り分ける前の工程にてつけるので、製品チップの側面は必ず保護層の無い面が生じることは避けられない。即ち、通常、保護層は、チップの一部を覆う状態で存在する。
保護層による絶縁を目的とする場合、保護層の材料としては、例えば、単層の酸化物、窒化物、フッ化物等が好ましく、具体的には、SiO、AlO、TiO、TaO、HfO、ZrO、SiN、SiO、AlN、AlF、BaF、CaF、SrF、MgF等から選ばれることが好ましい。これらは、長期に渡って安定に絶縁性を確保できる。中でも本発明に用いられる封止材と高い密着性を有する観点からSiO、AlO、SiN、SiO、AlNなどが好ましい。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
一方、保護層を絶縁物の多層膜とすることも可能である。これは、多層膜各々の屈折率を適宜調整することによって、発光装置内で発生した光に対して高い光取り出し機能を発現させられるからである。
また、その材料の安定性、屈折率の範囲から考えて、保護層中に、屈折率を調整できるフッ化物や酸化物が含まれていても良い。具体的にはAlF、BaF、CaF、SrF、MgF、CeF、CeO、Ta、Laのいずれかが含まれることが望ましく、封止材との密着性の観点からはAlFが特に好ましい。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
なお本発明においては「チップ」という表現は保護層も含んでおり、全面が保護層で覆われていてもよい。実際には電極取り出し面や側面部分は保護層が無い状態になっている。前記保護層の膜厚は、微細加工の精度を確保するため、通常チップ本体や基板のGaN層の厚みと比較して十分に小さい。即ち、前記保護層の膜厚は、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下である。また、通常1nm以上、好ましくは10nm以上である。膜厚が薄すぎると保護効果が不十分となる可能性がある。厚すぎると微細加工に支障が生ずる可能性がある。
Al及びAgは不透明でありLEDチップ上にて保護層となる例は少ないが、Alはサファイヤ(Al)としてチップのGaN発光層形成用基板(絶縁性)に用いられる。
本発明に用いられる半導体素子の表面材料に含有されるSi、Al及びAgの含有量は、通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは60重量%以上であり、通常100重量%以下、好ましくは90重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。半導体素子の発光面の表面に厚さ数百nmのSiNやSiOなど薄膜状の保護層が存在する場合、この保護層の材質を表面組成とする。上記含有量が少なすぎると、種々の表面処理等の効果が十分に発現しない。また、多すぎると不透明層となり発光出力に悪影響を及ぼしたり目的とするセラミックス組成から逸脱したりする。
[1−2−6]チップ表面形状及びチップ形状
チップの表面形状は平滑、粗面いずれであっても良いが、不必要な乱反射を生じることなく光取り出し効率に悪影響を及ぼさないものが好ましい。平滑である場合はチップ全体の形状が発光面から放射される光に対してチップ内への全反射を防ぐように加工されたものが好ましい。粗面である場合には好ましくは発光波長以下、さらに好ましくは発光波長の1/4以下の周期で光取り出しに適した微細構造を形成したものが高い光取り出し効率が得られるため好ましい。粗面の場合にはSiを含む保護層を広く設ける(残す)ことが加工上難しいがこれを設けた場合には接触面積が大きくなるため接着力が向上する利点がある。また、SiC基板や、サファイヤ基板を有する半導体素子において、基板上に粗面を設け、フリップチップ実装した場合、Si、Alを含む表面が後述の封止材と接しているほど、密着性が高くなるので好ましい。また、上記平滑、粗面何れの場合においても本発明においてはSiを含む表面層が存在することが本発明の封止材との密着性を向上させるために好適であり、チップの全表面積(半田や銀ペーストによる接着面を除く)に対するSiを含む層の表面積割合が5%以上、90%以下であることが好ましい。チップそのものの形状はウエーハカッティングにおけるロス低減のため、通常長方形または正方形である。
[1−2−7]チップ基板
基板はSiC、SiO、サファイヤ、GaN、AlN、Si、Geなど目的に応じて適宜選択することが出来る。中でもSiを含有するSiC、SiO、及びAlを含有するサファイヤは本発明で用いられる封止材と高い密着性を有するため好ましい。SiC、SiOは、結晶欠陥のない、SiC、SiOを用いるのが好ましい。Si、Alを含有しない基板を用いる場合にはチップ発光面側にSiを含む被覆層(SiN、SiO)があることが好ましい。
基板に光取り出し効率の向上を目的として凹凸が設けられている場合には、好ましくは発光波長以下、さらに好ましくは発光波長の1/4以下の周期で光取り出しに適した微細構造を形成したものが、高い光取り出し効率が得られるため好ましい。粗面の場合には、後述する半導体デバイス用部材形成液の粘度及びチキソ性を調整することにより、濡れ性の良いものとすることが好ましい。
封止材剥離は封止材の浸透が不十分であった場合に生じたボイドを起点とすることが多いので粘度及びチキソ性の調整が重要であるが、本発明に用いる半導体デバイス用部材形成液は粘度の調整幅が大きく複雑な形状の基板表面であっても容易に塗布することができ、接触面積が大きくなるため、かえって接着力が向上する利点がある。
[1−2−8]その他、チップ周辺材料
半導体発光素子をフリップチップ実装する場合、チップと実装基板は、バンプを介して接合される場合がある。このバンプとしては、通常Pb/Sn、Sn/Ag、Sn、Auなどが用いられるが、中でも長期信頼性の点からAuが好ましい。また、チップと実装基板の間は、バンプの高さの分だけ隙間が生じるため、いわゆるアンダーフィルで、隙間を埋める場合がある。チップと実装基板の隙間部分は、チップの発光面に通常は最も近接しているため、チップ発光のオン・オフが繰り返されることによる熱膨張・収縮の影響を最も受けやすい。本発明に用いられる後述の封止材は、前記バンプ及びチップ、サブマウントとの密着性にも優れるが、前記アンダーフィルに、同じ封止材を用いることにより、よりアンダーフィル樹脂の密着性が強化される。即ち、本発明の半導体発光装置は、金属バンプを用いるフリップ構造である場合にも好適に用いられ、アンダーフィルとして、後述の封止材を用いることも態様として好ましい。アンダーフィル工法にはチップのフリップチップボンディング工程の前にアンダーフィル樹脂の塗布を行う先塗布型アンダーフィル工法と、ボンディング後に塗布を行う後塗布型アンダーフィル工法とがあるが、本発明に用いられる後述の封止材は耐熱性に優れる点からボンディング温度に耐え先塗布型のアンダーフィル樹脂として好適に使用することができ、低粘度化可能で浸透性に優れる点から後塗布型のアンダーフィル樹脂としても好適に使用することができる。
また、半導体素子を実装する場合、サブマウントを用いることが出来る。サブマウントは、金属層を有し、フリップチップマウントをした素子への電流注入と放熱の機能を併せ持つものであり、パッケージ本体とチップの線膨張係数差から生じるストレスによる破損を緩和する機能も有している。サブマウントの母材は、金属、AlN、SiC、ダイヤモンド、BN、CuWのいずれかであることが望ましい。これら材料は、放熱性に優れ、高出力の発光素子に不可避である発熱を効率よく抑制できて望ましい。またAl、Si、ガラス等も安価であってサブマウントの母材として利用範囲が広く好ましい。尚、サブマウントの母材を金属から選択する際には、その周りを耐エッチング性のある誘電体等で覆う事が望ましい。金属の母材としては、発光素子の発光波長における反射率の高い材料が望ましく、Al、Ag等が望ましい。また、誘電体等で覆う際には、各種CVD法で形成したSiN、SiO等が望ましい。
連続点灯中の封止材剥離は、サブマウントとパッケージの段差やはんだバンプとチップやサブマウントとの接点部分などの複雑な構造部分に生じた封止不良部分、残留気泡によるボイドを起点に発生することが多いが、本発明の封止材はサブマウント素材に含まれるAl、Si、Agとの密着性及び耐熱性高く浸透性も良いので、長期にわたり高輝度を維持することが出来る。
発光装置は各種ハンダ材、ペースト材によってサブマウント上の金属面に接合される。素子の高出力動作と高効率な発光のために放熱性を十分に確保するためには、特に金属ハンダによって接合されることが望ましい。金属ハンダとしては、In、InAg、PbSn、SnAg、AuSn、AuGe、およびAuSi等を挙げることができる。これらハンダは安定であって、使用温度環境等に照らして適宜選択可能である。中でも、AuSnは環境毒性の高い鉛を含まず融点が低いので、取り扱いやすく好ましい。
[1−3](C)封止材
本発明に用いる(C)封止材(以下、任意に「本発明の半導体デバイス用部材」と称することがある。)は、下記条件(イ)〜(ハ)の全てを満たすことが特徴である。また、必要に応じて、後述のその他の要件を満たしていても良い。
(イ) セラミック又は金属の表面に存在する、水酸基、又は、メタロキサン結合中の酸素と水素結合可能な官能基を有すること。
(ロ) 200℃に500時間放置した前後において、波長400nmの光における透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
(ハ) 中心波長380nm、かつ波長370nm以上で、放射強度0.6kW/mの光を72時間照射した前後において、波長400nmの光に対する透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
以下、(イ)〜(ハ)の要件、およびその他の要件について、詳述する。
[1−3−1](イ)官能基
本発明の半導体デバイス用部材は、セラミック又は金属の表面に存在する所定の官能基(例えば、水酸基、メタロキサン結合中の酸素など)と水素結合可能な官能基を有する。前述の様に(A)パッケージや(B)半導体素子は、通常、表面がセラミック又は金属で形成または装飾されている。また、セラミックや金属の表面には、通常は水酸基が存在する。一方、本発明の半導体デバイス用部材は、通常、当該水酸基と水素結合可能な官能基を有している。したがって、前記水素結合により、本発明の半導体デバイス用部材は、(A)パッケージや(B)半導体素子に対する密着性に優れているのである。
本発明の半導体デバイス用部材が有する、前記の水酸基に対して水素結合が可能な官能基としては、例えば、シラノール基、アルコキシシリル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミノ基、エステル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、イソシアヌレート基等が挙げられる。中でもデバイス表面を劣化させず耐熱性や耐光性に優れるシラノール基、アルコキシシリル基、メタクリル基、エポキシ基、イソシアヌレート基が好ましく、無機表面との親和性の観点からシラノール基、アルコキシシリル基が特に好ましい。なお、前記官能基は1種でも良く、2種以上でもよい。
なお、本発明の半導体デバイス用部材が、前記のように、水酸基に対して水素結合が可能な官能基を有しているか否かは、固体Si−NMR、固体H−NMR、赤外線吸収スペクトル(IR)、ラマンスペクトルなどの分光学的手法により確認することができる。
[1−3−2](ロ)耐熱性
本発明の半導体デバイス用部材は、耐熱性に優れる。即ち、高温条件下に放置した場合でも、所定の波長を有する光における透過率が変動しにくい性質を有する。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材は、200℃に500時間放置した前後において、波長400nmの光に対する透過率の維持率が、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり、また、通常110%以下、好ましくは105%以下、より好ましくは100%以下である。
なお、前記の変動比は、紫外/可視分光光度計による透過率測定により、[1−3−4B−3]で後述する光透過率の測定方法と同様にして測定することができる。
高出力のパワーデバイスは、小面積のチップから多量の熱が放出されるので、チップの発光面に直接接する半導体デバイス用部材には局所的に大きな熱負荷がかかる。一般的にパワーデバイスと呼ばれる発光素子の発光面の表面温度は80℃以上であり、チップが高出力である場合や放熱不良の環境下ではチップ近傍の封止材は120℃〜200℃の高温に長時間さらされることになる。さらに白色LEDとして蛍光体とともにチップを封止した場合には、チップ近傍の蛍光体は大光束の励起光により発光時に100℃〜200℃に発熱するため、封止材は蛍光体由来の熱にも長時間さらされる。
このように、特に高出力のパワーデバイスにおいて、耐熱性を有する封止材を選択する上で、従来の耐熱性評価を用いるのみでは十分とはいえなかった。
例えば、従来のエポキシ樹脂は熱により着色しやすく、本来熱により着色しにくいシリコーン樹脂でも密着性向上のために有機系の密着向上剤を多量に含有した場合には同様に茶色に着色して透過率が減少する。
本発明者らは、チップ近傍のごく小面積の部分が熱により着色しても半導体発光デバイスの輝度は大きく減少することを見出し、特にパワーデバイスにおいては、高温における着色が少ないことが好ましいことを見出した。
本発明の半導体デバイス用部材は、上述のように半導体発光デバイス表面との密着性が高い。よって従来材料のような、密着性向上のための添加剤が不要または低濃度にすることができ、該添加剤による着色を抑制することができる。
本発明においては、耐熱性評価として上記の200℃の耐熱試験を用いることで、部材自体が高い耐熱性を有し、光の透過率の変化(着色)が少ないことを評価している。
なお、エラストマー状のシリコーンを半導体デバイス用部材として使用した場合には、わずかにガス透過性があるために系内の極微量に存在する着色成分が試験初期に揮発し、透過率維持率がわずかに上昇し、その後変化しなくなることがある。即ち、本発明の半導体デバイス用部材を用いた場合は、前記透過率の維持率が100を超えることがある。この場合にも長期にわたり高い透過率が維持され好ましい。
[1−3−3](ハ)耐UV性
本発明の半導体デバイス用部材は、耐光性に優れる。即ち、UV(紫外光)を照射した場合でも、所定の波長を有する光に対する透過率が変動しにくい性質を有する。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材は、中心波長380nm、かつ波長370nm以上で、放射強度0.6kW/mの光を72時間照射した前後において、波長400nmの光における透過率の維持率が、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり、また、通常110%以下、好ましくは105%以下、より好ましくは100%以下である。
なお、前記の変動比は、紫外/可視分光光度計による透過率測定により、[1−3−4B−3]で後述する光透過率の測定方法と同様にして測定することができる。
高出力のパワーデバイスは、小面積のチップから大光束の光が放出されるので、チップの発光面に直接接する半導体デバイス用部材は局所的に強い光にさらされる。特にパワーデバイスが白色LEDである場合や、青〜紫外光を発するLEDである場合には、チップより青〜紫外光が放射され、封止樹脂の光酸化分解や残留触媒成分の還元により着色成分が生成し透過率が低下しやすい傾向にある。
このように、高出力のパワーデバイスにおいて、耐UV性を有する封止材を選択する上で、従来の耐UV性評価を用いるのみでは十分とはいえなかった。
例えば、従来のエポキシ樹脂は紫外光により着色しやすく、本来光により着色しにくいシリコーン樹脂でも密着性向上のために有機系の密着向上剤を多量に含有した場合には同様に茶色に着色して透過率が減少する。
本発明者らは、チップ近傍のごく小面積の部分が光により着色しても半導体発光デバイスの輝度は大きく減少することを見出し、特にパワーデバイスにおいては、光における着色が少ないことが好ましいことを見出した。
本発明の半導体デバイス用部材は、上述のように半導体発光デバイス表面との密着性が高い。よって従来材料のような、密着性向上のための添加剤が不要または低濃度とすることができ、該添加剤による着色を抑制することができる。
本発明においては、耐UV性評価として上記の耐UV試験を用いることで、部材自体が高い耐UV性を有し、光の透過率の変化(着色)が少ないことを評価している。
なお、エラストマー状のシリコーンを半導体デバイス用部材として使用した場合には、わずかにガス透過性があるために系内の極微量に存在する着色成分が試験初期に揮発し、透過率維持率がわずかに上昇し、その後変化しなくなることがある。即ち、本発明の半導体デバイス用部材を用いた場合は、前記透過率の維持率が100%を超えることがある。この場合にも長期にわたり高い透過率が維持され好ましい。
[1−3−4]その他物性
本発明の半導体デバイス用部材は、上記特性を主な特徴とする。このような半導体デバイス用部材としては無機系材料および/または有機系材料が使用できる。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
有機系材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。従来、半導体発光装置用の蛍光体分散材料としては、一般的にエポキシ樹脂が用いられてきたが、特に照明など大出力の発光装置が必要な場合、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用するのが好ましい。
珪素含有化合物とは分子中に珪素原子を有する化合物をいい、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系材料)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、ハンドリングの容易さや、硬化物が応力緩和力有する点から、シリコーン系材料が好ましい。半導体発光装置用シリコーン樹脂に関しては例えば特開平10−228249号公報や特許2927279号公報、特開2001−36147号公報などで封止材への使用、特開2000−123981号公報において波長調整コーティングへの使用が試みられている。
[1−3−4A]シリコーン系材料
シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば下記の一般組成式で表される化合物及び/またはそれらの混合物が挙げられる。
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2
ここで、RからRは同じであっても異なってもよく、有機官能基、シリル基、水酸基、水素原子からなる群から選択される。またM、D、T及びQは0から1未満であり、M+D+T+Q=1を満足する数である。
シリコーン系材料を半導体素子の封止に用いる場合、液状のシリコーン系材料を用いて封止した後、熱や光によって硬化させて用いることができる。
シリコーン系材料を硬化のメカニズムにより分類すると、通常付加重合硬化タイプ、縮重合硬化タイプ、紫外線硬化タイプ、パーオキサイド架硫タイプなどのシリコーン系材料を挙げることができる。これらの中では、付加重合硬化タイプ(付加型シリコーン材料)、縮合硬化タイプ(縮合型シリコーン材料)、紫外線硬化タイプが好適である。以下、付加型シリコーン系材料、及び縮合型シリコーン系材料について説明する。
[1−3−4A−1]付加型シリコーン系材料
付加型シリコーン系材料とは、ポリオルガノシロキサン鎖が、有機付加結合により架橋されたものをいう。代表的なものとしては、例えばビニルシランとヒドロシランをPt触媒などの付加型触媒の存在下反応させて得られるSi−C−C−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。これらは市販のものを使用することができ、例えば付加重合硬化タイプの具体的商品名としては、信越化学工業社製「LPS−1400」「LPS−2410」「LPS−3400」等が挙げられる。
上記付加型シリコーン系材料は、具体的には、例えば下記平均組成式(1a)で表される(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、下記平均組成式(2a)で表される(B)ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンとを、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの総アルケニル基に対して(B)ヒドロシリル基含有オルガノポリシロキサンの総ヒドロシリル基量が0.5〜2.0倍となる量比で混合し、触媒量の(C)付加反応触媒の存在下反応させて得ることが出来る。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、下記組成式(1a)で示される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。
SiO〔(4−n)/2〕 (1a)
(但し、式(1a)中、Rは同一又は異種の置換又は非置換の1価炭化水素基、アルコキシ基、又は水酸基であり、nは1≦n<2を満たす正数である。ただし、Rのうち少なくとも1つはアルケニル基である。)
(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、下記組成式(2a)で示される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
R’SiO〔(4−a−b)/2〕 (2a)
(但し、式(2a)中、R’はアルケニル基を除く同一又は異種の置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、a及びbは0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0かつ、0.8≦a+b≦2.6を満たす正数である。)
以下、付加型シリコーン樹脂につき更に詳しく説明する。
上記式(1a)のRにおいて、アルケニル基とはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基であることが好ましい。また、Rが炭化水素基である場合は、メチル基、エチル基などのアルキル基、ビニル基、フェニル基等の炭素数1〜20の1価炭化水素基から選択されるものが好ましく、より好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基である。Rはそれぞれ同じでも異なっていても良いが、耐UV性が要求される場合にはRの80%以上はメチル基であることが好ましい。Rが炭素数1〜8のアルコキシ基や水酸基であってもよいが、アルコキシ基や水酸基の含有率は(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの重量の3%以下であることが好ましい。
上記組成式(1a)において、nは1≦n<2を満たす正数であるが、この値が2以上であると封止材としての十分な強度が得られなくなり、1未満であると合成上このオルガノポリシロキサンの合成が困難になる。
なお、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
次に、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化反応をすることにより、組成物を硬化させる架橋剤として作用するものである。
組成式(2a)において、R’はアルケニル基を除く一価の炭化水素基を表わす。ここで、R’としては、組成式(1a)中のRと同様の基(ただし、アルケニル基を除く)を挙げることができる。また、耐UV性要求される用途に用いる場合には少なくとも80%以上はメチル基であることが好ましい。
組成式(2a)において、aは、通常0.7以上、好ましくは0.8以上であり、通常2.1以下、好ましくは2以下の正の数である。また、bは、通常0.001以上、好ましくは0.01以上であり、通常1.0以下の正の数である。ただし、a+bは、通常0.8以上、好ましくは1以上であり、通常2.6以下、好ましくは2.4以下である。
さらに、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のSiH結合を有する。
この(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、通常3以上、また、通常1000以下、好ましくは300以下のものを使用することができる。
なお、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンは、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンの配合量は、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの総アルケニル基量に依存する。具体的には、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの総アルケニル基に対して、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンの総SiH量が、通常0.5モル倍以上、好ましくは0.8モル倍以上、また、通常2.0モル倍以下、好ましくは1.5モル倍以下となる量とすればよい。
(C)付加反応触媒は、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基と(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサン中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒である。この(C)付加反応触媒としては、例えば、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。
なお、(C)付加反応触媒は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサンの合計重量に対して、1ppm以上、特に2ppm以上、また、500ppm以下、特に100ppm以下配合することが好ましい。
ただし、白金触媒をはじめとする(C)付加反応触媒は、半導体発光装置用の封止材に残留すると長期点灯使用中に還元により着色粒子を生成することがある。着色粒子が生成すると、封止材の光透過率が低下するため、(C)付加反応触媒はできるだけ低濃度の使用とすることが好ましい。このような(C)付加反応触媒の更なる低濃度化を実現するには、(C)付加反応触媒に対し、他の硬化機構(縮合重合、光重合、開環重合など)を併用することが好ましい。このように他の効果機構を併用すれば、(C)付加反応触媒の濃度は、通常0.001ppm以上、好ましくは0.005ppm以上、また、通常1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下とすることができる。
付加型シリコーン系材料を得るための組成物には、上記(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)ヒドロシリル基含有ポリオルガノシロキサン及び(C)付加反応触媒に加え、任意成分として硬化性、ポットライフを与えるための付加反応制御剤、硬度・粘度を調節するための例えばアルケニル基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンの他にも直鎖状の非反応性オルガノポリシロキサン、ケイ素原子数が2〜10個程度の直鎖状又は環状の低分子オルガノポリシロキサンなどを本発明の効果を損なわない範囲で含有させても良い。
上記組成物の硬化条件は特に制限されないが、120℃〜180℃、30分〜180分の条件とすることが好ましい。得られる硬化物が硬化後にも柔らかいゲル状である場合には、ゴム状や硬質プラスチック状のシリコーン樹脂と比較して線膨張係数大きいため、室温付近の低温にて10時間〜30時間硬化することにより内部応力の発生を抑制することができる。
付加型シリコーン系材料は公知のものを使用することができ、さらには金属やセラミックスへの密着性を向上させる添加剤や有機基を導入しても良い。例えば、特許3909826号公報、特許3910080号公報、特開2003−128922号公報、特開2004−221308号公報、特開2004−186168号公報に記載のシリコーン材料が好適である。
[1−3−4A−2]縮合型シリコーン系材料
縮合型シリコーン系材料とは、例えば、アルキルアルコキシシランの加水分解・重縮合で得られるSi−O−Si結合を架橋点に有する化合物を挙げることができる。
具体的には、下記一般式(1b)及び/又は(2b)で表わされる化合物、及び/又はそのオリゴマーを加水分解・重縮合して得られる重縮合物が挙げられる。
m+ m−1 (1b)
(式(1b)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Yは、1価の有機基を表わし、mは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、nは、X基の数を表わす1以上の整数を表わす。但し、m≧nである。)
(Ms+ s−t−1 (2b)
(式(2b)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Yは、1価の有機基を表わし、Yは、u価の有機基を表わし、sは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、tは、1以上、s−1以下の整数を表わし、uは、2以上の整数を表わす。)
また、硬化触媒としては、例えば金属キレート化合物などを好適なものとして用いることができる。金属キレート化合物は、Ti、Ta、Zr、Hf、Zn、Snのいずれか1以上を含むものが好ましく、Zrを含むものがさらに好ましい。
縮合型シリコーン系材料は公知のものを使用することができ、例えば、特開2006−77234号公報、特開2006−291018号公報、特開2006−316264号公報、特開2006−336010号公報、特開2006−348284号公報、および国際公開2006/090804号パンフレットに記載の半導体発光装置用部材が好適である。
[1−3−4B]半導体デバイス用部材の主な特性
[1−3−4A]にて上述したシリコーン系材料を本発明の半導体デバイス用部材として用いる場合、この半導体デバイス用部材は、さらに下記の構造や性質を有していることが好ましい。
[1−3−4B−1]基本骨格
従来の半導体デバイス用部材(封止材)の基本骨格は炭素−炭素及び炭素−酸素結合を基本骨格としたエポキシ樹脂等の有機樹脂であるが、本発明の半導体デバイス用部材の基本骨格は、通常はメタロキサン骨格、好ましくはガラス(ケイ酸塩ガラス)などと同じ無機質のシロキサン骨格(シロキサン結合)であることが好ましい。シロキサン結合は、下記表1の化学結合の比較表からも明らかなように、半導体デバイス用部材として優れた以下の特徴がある。
(I)結合エネルギーが大きく、熱分解・光分解しにくいため、耐光性が良好である。
(II)電気的に若干分極している。
(III)鎖状構造の自由度は大きく、フレキシブル性に富む構造が可能であり、シロキサン鎖中心に自由回転可能である。
(IV)酸化度が大きく、これ以上酸化されない。
(V)電気絶縁性に富む。
Figure 2009224754
これらの特徴から、シロキサン結合が3次元的に、しかも高架橋度で結合した骨格で形成されるシリコーン系の半導体デバイス用部材は、エポキシ樹脂などの従来の樹脂系半導体デバイス用部材と異なりガラス或いは岩石などの無機質に近く、耐熱性・耐光性に富む保護皮膜となることが理解できる。特にメチル基を置換基とするシリコーン系半導体デバイス用部材は、紫外領域に吸収を持たないため光分解が起こりにくく、耐光性に優れる。
本発明の半導体デバイス用部材がシロキサン骨格を有する場合は、ケイ素含有率は、通常20重量%以上、好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。一方、上限としては、SiOのみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。ただし、半導体デバイス用部材を高屈折率とする場合は、高屈折率化に必要な成分を含有させることがあるため、通常10重量%以上であり、通常47重量%以下である。
なお、半導体デバイス用部材の前記ケイ素含有率は、例えば以下の方法を用いて誘導結合高周波プラズマ分光(inductively coupled plasma spectrometry:以下適宜「ICP」と略する。)分析を行ない、その結果に基づいて算出することができる。
〔ケイ素含有率の測定〕
半導体デバイス用部材の単独硬化物を100μm程度に粉砕し、白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、ついで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行なう。
[1−3−4B−2]シラノール含有率
本発明の半導体デバイス用部材が、シロキサン骨格を有する場合は、シラノール含有率が、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上、また、通常12重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは6重量%以下の範囲である。
通常、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により得られるガラス体は、150℃、3時間程度の温和な硬化条件では完全に重合して酸化物になることは無く、一定量のシラノールが残存する。テトラアルコキシシランのみより得られるガラス体は高硬度・高耐光性であるが、架橋度が高いため分子鎖の自由度が小さく、完全な縮合が起こらないため残存シラノールの量が多い。また、加水分解・縮合液を乾燥硬化する際には、架橋点が多いため増粘が早く、乾燥と硬化が同時に進むため大きな歪みを持ったバルク体となる。このような部材を半導体デバイス用部材として用いると、長期使用時には残存シラノールの縮合による新たな内部応力が発生し、クラックや剥離、断線などの不具合を生じやすい。また、部材の破断面にはシラノールがより多く、透湿性は少ないものの表面吸湿性が高く水分の浸入を招きやすい。400℃以上の高温焼成によりシラノール含有率を減少させることが可能であるが、半導体素子の耐熱性は260℃以下のものがほとんどであり、現実的ではない。
一方、本発明の半導体デバイス用部材は、シラノール含有率が低いため経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿が低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は半導体素子との密着性に劣るため、本発明においてはシラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
本発明の半導体デバイス用部材は、適当量のシラノールを含有しているため、半導体素子の表面に存在する極性部分にシラノールが水素結合し、密着性が発現する。極性部分としては、例えば、水酸基やメタロキサン結合の酸素等が挙げられる。
また、本発明の半導体デバイス用部材は、適当な触媒の存在下で加熱することにより、半導体素子の表面の水酸基との間に脱水縮合による共有結合を形成し、さらに強固な密着性を発現することができる。
一方、シラノールが多すぎると、前述のように、系内が増粘して塗布が困難になったり、活性が高くなり加熱により軽沸分が揮発する前に固化したりすることによって、発泡や内部応力の増大が生じ、クラックなどを誘起する可能性がある。
なお、半導体デバイス用部材のシラノール含有率は、例えば後述の方法を用いて固体Si−NMRスペクトル測定を行ない、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することにより算出することができる。
〔固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出〕
半導体デバイス用部材について固体Si−NMRスペクトルを行なう場合、まず、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定及びデータ解析を行なう。次に、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
なお、測定データの解析(シラノール量解析)は、例えばガウス関数やローレンツ関数を使用した波形分離解析等により、各ピークを分割して抽出する方法で行なう。
〔装置条件例〕
装置:Chemagnetics社 Infinity CMX−400 核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プローブ
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
くり返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
〔データ処理例〕
半導体デバイス用部材については、512ポイントを測定データとして取り込み、8192ポイントにゼロフィリングしてフーリエ変換する。
〔波形分離解析例〕
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形及びガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行なう。
なお、ピークの同定はAIChE Journal,44(5),p.1141,1998年等を参考にする。
また、半導体デバイス用部材のシラノール含有率は、以下のIR測定により求めることも可能である。ここで、IR測定はシラノールピークを特定しやすいもののピークの形状がブロードであり面積誤差が出やすく、定量作業にあたっては一定膜厚のサンプルを正確に作製する必要があるなど手順も煩雑であるため、厳密な定量を行う上では固体Si−NMRを用いることが好ましい。固体Si−NMRを用いてシラノール量を測定する際に、シラノールの量が非常に微量で検出が難しい場合、複数のピークが重なりシラノールのピークを単離することが困難である場合、未知試料においてシラノールピークのケミカルシフトが不明である場合などには相補的にIR測定を行うことによりシラノールの濃度を決定することが出来る。
〔IR測定によるシラノール含有率の算出〕
・フーリエ変換赤外分光法 Fourier Transform Infrared
Spectroscopy
・装置:Thermo Electron製 NEXUS670及びNic−Plan
・分解能:4cm−1
・積算回数:64 回
・パージ:N
測定例:Siウエハ上に膜厚200μmの薄膜試料を塗布作製し、透過法によりSiウエハごと赤外吸収スペクトルを測定し、波数3751cm−1及び3701cm−1のシラノールピーク合計面積を求める。一方で、既知濃度試料としてトリメチルシラノールを無水の四塩化炭素に希釈し、光路長200μmの液セルを用いて透過法にて赤外吸収スペクトルを測定し、実サンプルとのピーク面積比比較によりシラノール濃度を算出することができる。なお、赤外吸収スペクトルにおいてはサンプル吸着水由来のピークがシラノールピークのバックグラウンドとして検出されるので、サンプル薄膜は測定前に常圧にて150℃20分以上加熱するか、100℃で10分以上真空処理するなどの方法にて吸着水を除いておく。
[1−3−4B−3]UV透過率
本発明の半導体デバイス用部材は、半導体発光装置に用いる場合には、膜厚1mmでの半導体発光装置の発光波長における光透過率が、通常80%以上、中でも85%以上、更には90%以上であることが好ましい。半導体発光装置は各種の技術によりその光取り出し効率が高められているが、半導体素子を封止したり蛍光体を保持するための透光性部材の透明度が低いと、これを用いた半導体発光装置の輝度が低減するため、高輝度な半導体発光装置の製品を得ることが困難になる傾向にある。
ここで「半導体発光装置の発光波長」とは、半導体発光装置の種類に応じて異なる値であるが、一般的には、通常300nm以上、好ましくは350nm以上、また、通常900nm以下、好ましくは500nm以下の範囲の波長を指す。この範囲の波長における光透過率が低いと、半導体デバイス用部材が光を吸収してしまい、光取り出し効率が低下して、高輝度の半導体発光装置を得ることができなくなる傾向にある。更に、光取り出し効率が低下した分のエネルギーは熱に変わり、半導体発光装置の熱劣化の原因となる傾向にある。
なお、紫外〜青色領域(300nm〜500nm)においては封止材が光劣化しやすいので、この領域に発光波長を有する半導体発光装置に、耐久性に優れた本発明の半導体デバイス用部材を使用すれば、その効果が大きくなるので好ましい。
なお、半導体デバイス用部材の光透過率は、例えば以下の手法により、膜厚1mmに成形した平滑な表面の単独硬化物膜のサンプルを用いて、紫外分光光度計により測定することができる。
〔透過率の測定〕
半導体デバイス用部材の、傷や凹凸による散乱の無い厚さ約1mmの平滑な表面の単独硬化物膜を用いて、紫外分光光度計(島津製作所製 UV−3100)を使用し、波長200nm〜800nmにおいて透過率測定を行なう。
但し、半導体発光装置の形状は様々であり、大多数は0.1mmを超える厚膜状態での使用であるが、LEDチップ(発光素子)から離れた位置に薄膜状の蛍光体層(例えばナノ蛍光体粒子や蛍光イオンを含む厚さ数μmの層)を設ける場合や、LEDチップの直上に薄膜上に高屈折光取り出し膜を設ける場合等、薄膜使用の用途もある。この様な場合には、この膜厚において80%以上の透過率を示すことが好ましい。このような薄膜状の適用形態においても、本発明の半導体デバイス用部材は優れた耐光性、耐熱性を示し、封止性能に優れ、クラック等なく安定して成膜できる。
[1−3−4B−4]ピーク面積比
本発明の半導体デバイス用部材は、次の条件を満たすことが好ましい。即ち、本発明の半導体デバイス用部材は、固体Si−核磁気共鳴スペクトルにおいて、(ケミカルシフト−40ppm以上0ppm以下のピークの総面積)/(ケミカルシフト−40ppm未満のピークの総面積)の比(以下適宜、「本発明にかかるピーク面積比」という)が、通常3以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、また、通常200以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下であることが好ましい。
本発明にかかるピーク面積比が上記の範囲にあることは、本発明の半導体デバイス用部材が、2官能シランを、3官能シランや4官能シランなどの3官能以上のシランよりも多く有することを表わす。このように、2官能以下のシランを多く有することにより、本発明の半導体デバイス用部材はエラストマー状を呈することが可能となり、応力を緩和することが可能となる。
ただし、本発明の半導体デバイス用部材は、本発明にかかるピーク面積比についての上記条件を満たさなくともエラストマー状を呈する場合がある。例えば、ケイ素以外の金属のアルコキシド等のカップリング剤を架橋剤として用いて本発明の半導体デバイス用部材を製造した場合などが、この場合に該当する。本発明の半導体デバイス用部材がエラストマー状を呈するための手法は任意であり、この本発明にかかるピーク面積比についての上記条件に限定されるものではない。
[1−3−4B−5]触媒残留量
本発明の半導体デバイス用部材は、通常、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜鉛、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物触媒を用いて製造される。そのため、本発明の半導体デバイス用部材には、通常は、これらの触媒が残留している。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材は、前記の有機金属化合物触媒を、金属元素換算で、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.02重量%以上、また、通常0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下だけ含有する。
なお、前記の有機金属化合物触媒の含有率は、ICP分析により測定できる。
[1−3−4B−6]分子量
本発明の半導体デバイス用部材は、通常、半導体デバイス用部材形成液を硬化させることにより製造される。この半導体デバイス用部材形成液は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常500以上、好ましくは900以上、更に好ましくは3200以上であり、通常400,000以下、好ましくは70,000以下、更に好ましくは27,000以下である。重量平均分子量が小さすぎると半導体発光装置の容器への充填後の硬化時に気泡が発生する傾向があり、大きすぎると半導体デバイス用部材が低温でも経時で増粘する傾向や半導体発光装置の容器への充填効率が悪くなる傾向がある。
また、半導体デバイス用部材形成液は、分子量分布(Mw/Mn。ここでMwは重量平均分子量を表わし、Mnは数平均分子量を表わす)が、通常20以下、好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である。分子量分布が大きすぎると部材が低温でも経時で増粘する傾向や半導体発光装置の容器への充填効率が悪くなる傾向がある。なお、Mnは、Mwと同じく、GPCによるポリスチレン換算で測定できる。
また、本発明の半導体デバイス用部材形成液は、特定分子量以下の低分子量成分が少ないものが好ましい。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材形成液中のGPC面積比率で分子量が800以下の成分が、全体の、通常10%以下、好ましくは7.5%以下、更に好ましくは5%以下である。低分子量成分が多すぎると、半導体デバイス用部材形成液の硬化時に気泡が発生したり主成分の揮発により硬化時の重量歩留まり(固形分率)が低下したりする可能性がある。
さらに、本発明の半導体デバイス用部材形成液は、特定分子量以上の高分子量成分が少ないものが好ましい。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材形成液のGPC分析値において、高分子量の分画範囲が5%となる分子量が、通常1000000以下、好ましくは330000以下、さらに好ましくは110000以下である。GPCで高分子量側の分画範囲が多すぎると、
a)半導体デバイス用部材形成液が低温保管においても経時で増粘する、
b)保管中の脱水縮合により水分生成し、半導体デバイス用部材を基板やパッケージ等の表面に形成した後で半導体デバイス用部材形成液が基板やパッケージ等から剥離しやすくなる、
c)高粘度であるために半導体デバイス用部材形成液の硬化時に気泡の抜けが悪くなる、などの可能性がある。
総括すれば、本発明の半導体デバイス用部材形成液は、上記に示される分子量範囲であることが好ましく、このような分子量範囲とする方法としては下記の方法を挙げることが出来る。
(i)合成時の重合反応を十分に行い未反応原料を消費する。
(ii)合成反応後に軽沸分の留去を十分に行い軽沸の低分子量残留物を除去する。
(iii)合成反応時の反応速度や条件を適切に制御し、重合反応が均一に進行するようにし、分子量分布が必要以上に大きくならないようにする。
例えば、後述する「[1−3−5]半導体デバイス用部材の製造方法」のように、特定の化合物を加水分解・重縮合した重縮合物で半導体デバイス用部材を形成する場合には、半導体デバイス用部材形成液合成時の加水分解・重合反応を適正な反応速度を維持しつつ、均一に進めることが好ましい。加水分解・重合は通常15℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、また通常140℃以下、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下の範囲で行う。また、加水分解・重合時間は反応温度により異なるが、通常0.1時間以上、好ましくは1時間以上、さらに好ましくは3時間以上、また通常100時間以下、好ましくは20時間以下、更に好ましくは15時間以下の範囲で実施される。反応時間がこれより短いと、必要な分子量まで到達しなかったり、不均一に反応が進む結果、低分子量原料が残存しつつ高分子量の成分も存在し、硬化物の品質不良で貯蔵安定性に乏しいものとなったりする可能性がある。また、反応時間がこれより長いと、重合触媒が失活したり、合成に長時間かかり生産性が悪化したりする可能性がある。
原料の反応活性が低く反応が進みにくい場合には、必要に応じて、例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを流通させることにより、縮合反応にて発生する水分やアルコールを随伴させて除去を行ない反応を加速しても良い。
反応時間の調整は、GPC及び粘度測定により分子量管理を行ないつつ、適宜行なうことが好ましい。さらに、昇温時間を考慮して調節することが好ましい。
溶媒を用いる場合には、必要に応じて常圧にて溶媒留去を行なうことが好ましい。さらに、溶媒や除去したい低分子量物の沸点が硬化開始温度(通常は120℃以上)である場合には、必要に応じて減圧留去を行なうことが好ましい。一方、導光膜の薄層塗布など、使用目的によっては低粘度化のため溶媒が一部残存していても良く、反応溶媒と異なる溶媒を反応溶媒留去後に後混合しても良い。
ここで、半導体デバイス用部材形成液の分子量分布の上限及び下限は上記範囲に収まることが好ましく、その範囲であれば分子量分布は必ずしも一山でなくてもよい。また、機能付加などの目的により異なる分子量分布の半導体デバイス用部材形成液を混合してもよく、その場合には分子量分布曲線が多峰性になっても良い。例えば、半導体デバイス用部材に機械的強度を与えるため、高分子量に仕上げた第一の半導体デバイス用部材形成液に、密着成分を多く含む低分子量の第二の半導体デバイス用部材形成液を少量含有させた場合などがこれに該当する。
[1−3−4B−7]低沸点成分
本発明の半導体デバイス用部材はTG−mass(熱分解MSクロマトグラム)において、40℃〜210℃の範囲の加熱発生ガスのクロマトグラム積分面積が小さいものであることが好ましい。
TG−massは、半導体デバイス用部材を昇温して半導体デバイス用部材中の低沸点成分を検出するものであるが、40℃〜210℃の範囲にクロマトグラム積分面積が大きい場合、水、溶媒および3員環から5員環の環状シロキサンといった、低沸点成分が成分中に存在することを示す。このような場合、(i)低沸点成分が多くなり、硬化過程において気泡の発生またはブリードアウトし半導体発光装置の容器との密着性が低くなる可能性や、(ii)使用時の発熱により気泡の発生またはブリードアウトするなどの可能性がある。そこで、本発明の半導体デバイス用部材はかかる低沸点成分が少ないものが好ましい。
本発明の半導体デバイス用部材において、TG−massで検出される前記低沸点成分量を低く抑える方法としては、例えば、下記の方法を挙げることができる。
(i)重合反応等を十分に行う。例えば、後述する「半導体デバイス用部材の製造方法」のような、特定の化合物を加水分解・重縮合した重縮合物を本発明の半導体デバイス用部材とする場合は、常圧で加水分解・重縮合を実施する場合、通常15℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、また、通常140℃以下、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下の範囲で加水分解・重縮合を行なう。また、加水分解・重縮合反応時間は反応温度により異なるが、通常0.1時間以上、好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上、また、通常100時間以下、好ましくは20時間以下、更に好ましくは15時間以下の範囲で実施される。反応時間の調整はGPC、粘度測定により逐次分子量管理を行いつつ適宜行うことが好ましい。さらに、昇温時間を考慮して調節することが好ましい。
(ii)重合反応等の反応工程以外の工程における前記反応を抑える。例えば、後述する「半導体デバイス用部材の製造方法」のような、特定の化合物を加水分解・重縮合した重縮合物を本発明の半導体デバイス用部材とする場合は、重縮合反応工程後の溶媒留去、乾燥工程において、重縮合反応を進めないようにする。具体的には、例えば溶媒の留去を行なう際の温度条件を、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、また、通常150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下とする。また、溶媒の留去を行なう際の圧力条件を、通常は常圧とする。さらに、必要に応じて溶媒留去時の反応液の沸点が硬化開始温度(通常は120℃以上)に達しないように減圧する。また、溶媒留去、乾燥工程をアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、等の不活性ガス雰囲気下で行なうことも好ましい。
[1−3−4B−8]加熱重量減
加熱重量減は、本発明の半導体デバイス用部材の高度な耐熱性を評価する指標であり、後述する加熱重量減測定方法(I)により測定される。
本発明の半導体デバイス用部材の加熱重量減は、50重量%以下であり、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。また、下限に制限は無いが、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上である。加熱重量減が大きすぎると、半導体発光装置の長期間の使用により収縮が起こり、初期の特性を維持できなくなる可能性がある。加熱重量減が大きくなる要因は、例えば、半導体デバイス用部材に含まれる揮発性低分子量成分が多いこと、半導体デバイス用部材を形成する主鎖成分が加熱により分解切断しやすいことなどが考えられる。また、加熱重量減が小さいと半導体デバイス用部材は熱安定性に優れるものとなるが、このような半導体デバイス用部材は一般に多官能のSi成分を多く含んでおり、硬い膜となることが多い。そのため、加熱重量減が小さすぎる半導体デバイス用部材は、耐ヒートサイクル性、耐リフロー性などに劣り、半導体デバイス用部材として好ましくない。
〔加熱重量減測定方法(I)〕
前記半導体デバイス用部材の破砕片10mgを用いて、熱重量・示差熱測定(thermogravimetry − differential thermal analysis:以下適宜「TG−DTA」と略す。)装置により、空気200ml/分流通下、昇温速度10℃/分で35℃から500℃まで加熱し、重量減の測定を行う。
本発明の半導体デバイス用部材が上記の特性を有するためには、例えば、以下の要件を満たすようにすれば良い。
(i)素材の選択を適切に行なえばよい。具体例を挙げると、前述の[1−3−4B−1]に記載の構造を有する素材を選択したり、後述する[1−3−5−1]に記載の原料を用いたりすればよい。
(ii)後述する[1−3−5−2]に記載の加水分解・重縮合工程において、触媒を選択すればよい。
(iii)後述する[1−3−5−2]の加水分解・重縮合工程、及び/又は、加水分解・重縮合物の保管に際し、分子量管理を行えばよい。
[1−3−4B−9]密着性
密着性評価剥離率は、本発明の半導体デバイス用部材の密着性を評価する指標であり、後述する密着性評価方法(II)により測定される。
本発明の半導体デバイス用部材の剥離率は、通常30%以下、好ましくは10%以下である。中でも、0%であることが最も好ましい。剥離率が大きすぎると、基板や枠材等に対する半導体デバイス用部材の密着性及び化学的安定性が劣り、温度衝撃や熱・光・電気化学的反応により封止材が変性・収縮しやすくなる可能性がある。そのため、半導体デバイス用部材が基板や枠材等から剥離し、半導体発光装置の断線等を生じることがある。また、特に半導体発光装置においては電極部分やリフレクタ表面には銀素材が使用されることがあるが、密着性が低下すると、この表面から半導体デバイス用部材が剥離し、半導体発光装置の断線や不点灯・輝度低下を誘起することがある。
〔密着性評価方法(II)〕
(1)直径9mm、凹部の深さ1mm、凹部の側面と底面の傾斜角45°の銀メッキ表面銅製カップに半導体デバイス用部材形成液(後述する)を40μL滴下し、所定の硬化条件にて硬化させて半導体デバイス用部材(以下、密着性評価方法(II)の説明においては、この半導体デバイス用部材を「測定用サンプル」という)を得る。
(2)得られた測定用サンプルを温度85℃、湿度85%の雰囲気下で1時間吸湿させる。
(3)吸湿後の測定用サンプルを室温より260℃まで50秒で昇温後、260℃で10秒間保持する。なお、ここで室温とは、20℃〜25℃のことをいう。
(4)昇温後の測定用サンプルを室温まで冷却し、目視及び顕微鏡観察により測定用サンプルの銅製カップからの剥離の有無を観察する。わずかでも剥離が観察されるものは、「剥離有」とする。
(5)測定用サンプル10個につき、それぞれ、前記(2)、(3)及び(4)の操作を実施し、前記測定用サンプルの剥離率を求める。なお、剥離率は、「剥離した測定用サンプルの個数/全測定サンプル数」により算出される比率である。
本発明の半導体デバイス用部材が上記の特性を有するためには、例えば、以下の要件を満たすようにすれば良い。
(i)素材の選択を適切に行なえばよい。具体例を挙げると、前述の[1−3−4B−1]に記載の構造を有する素材を選択したり、後述する[1−3−5−1]に記載の原料を用いたりすればよい。
(ii)後述する[1−3−5−2]に記載の加水分解・重縮合工程において、触媒を選択すればよい。
(iii)後述する[1−3−5−2]の加水分解・重縮合工程、及び/又は、加水分解・重縮合物の保管に際し、分子量管理を行えばよい。
[1−3−4B−10]硬度測定値
硬度測定値は、本発明の半導体デバイス用部材の硬度を評価する指標であり、以下の硬度測定方法により測定される。
本発明の半導体デバイス用部材は、エラストマー状を呈する部材であることが好ましい。即ち、半導体発光装置には熱膨張係数の異なる部材を複数使用することになるが、上記のようにエラストマー状を呈することにより、本発明の半導体デバイス用部材が上記の各部剤の伸縮による応力を緩和することができる。したがって、使用中に剥離、クラック、断線などを起こしにくく、耐リフロー性及び耐温度サイクル性に優れる半導体発光装置を提供することができる。
具体的には、本発明の半導体デバイス用部材は、デュロメータタイプAによる硬度測定値(ショアA)が、通常5以上、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、また、通常90以下、好ましくは80以下、より好ましくは70以下である。上記範囲の硬度測定値を有することにより、本発明の半導体デバイス用部材は、クラックが発生しにくく、耐リフロー性及び耐温度サイクル性に優れるという利点を得ることができる。
また、本発明の半導体発光デバイスが平板上のパッケージを使用するチップオンボード形式であったり、一括封止後にダイシングによりパッケージを個片化する工程を経て製造されたものであったりする場合、半導体デバイス用部材は外力によるワイヤ切断やチップ破損を防止するに足りる機械的強度を有することが好ましい。この場合、本発明の半導体発光デバイスは、デュロメータタイプDによる硬度測定値(ショアD)が、通常5以上、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、また、通常80以下、好ましくは70以下、より好ましくは60以下である。
ただし、このような高硬度の部材は前述の低硬度の部材と比較すると耐リフロー性や耐温度サイクル性に劣る場合があるので、チップや配線の近傍に低硬度の部材、外周部に高硬度の部材をそれぞれ設けて層構造としても良い。本発明の半導体デバイス用部材は接着性に優れるため、層構造としても層間剥離することなく長期にわたり使用することができる。
〔硬度測定方法〕
硬度測定値(ショアA、ショアD)は、JIS K6253に記載の方法により測定することができる。具体的には、古里精機製作所製のA型又はD型のゴム硬度計を用いて測定を行なうことができる。
[1−3−4B−11]輝度維持率
また、本発明の半導体デバイス用部材は、通常、従来よりも長期間にわたってクラックや剥離を生じることなく半導体発光装置を封止できる。具体的には、本発明の半導体デバイス用部材を用いて半導体発光装置を封止し、当該半導体発光装置に、通常20mA以上、好ましくは350mA以上の駆動電流を通電して温度85℃相対湿度85%にて連続点灯を行った場合に、通常500時間、好ましくは1000時間、より好ましくは2000時間以上経過後の輝度が、点灯直後の輝度と比較して低下しない。
具体的には、発光波長460±10nm、かつ一辺が900μmの正方形のチップ(半導体素子)に、発光面の温度が100±10℃となる様に維持しながら350mAの駆動電流を通電して、温度85℃相対湿度85%にて500時間連続点灯を行った場合に、点灯直後の輝度に対する500時間後の輝度の割合(以下、任意に「輝度維持率」と称する。)が、通常90%以上、好ましくは95%以上である。
また、本発明の半導体デバイス用部材は、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、後述する蛍光体や無機粒子などが挙げられる。その他の成分は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[1−3−5]半導体デバイス用部材の製造方法
本発明の半導体デバイス用部材を製造する方法は特に制限されないが、例えば、後述の一般式(1)や一般式(2)で表わされる化合物及び/又はそれらのオリゴマーを加水分解・重縮合し、重縮合物(加水分解・重縮合物)を乾燥させることにより得ることができる。ただし、本発明の半導体デバイス用部材ではシロキサン結合を主体とすることが好ましいため、一般式(1)で表わされる化合物又はそのオリゴマーを原料の主体とすることが望ましい。また、加水分解・重縮合物が溶媒を含有している場合には、乾燥させる前に事前に溶媒を留去するようにしてもよい。
なお、以下の説明において、前記加水分解・重縮合物又はこれを含有する組成物であって、乾燥工程の前に得られるものを半導体デバイス用部材形成液という。したがって、ここで説明する製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)により本発明の半導体デバイス用部材を製造する場合、この半導体デバイス用部材形成液から乾燥工程を経て得られたものが半導体デバイス用部材となる。
以下、この半導体デバイス用部材の製造方法について詳しく説明する。
[1−3−5−1]原料
原料としては、下記一般式(1)で表わされる化合物(以下適宜「化合物(1)」という。)及び/又はそのオリゴマーを用いる。
Figure 2009224754
一般式(1)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。中でも、ケイ素が好ましい。
一般式(1)中、mは、Mの価数を表わし、1以上、4以下の整数である。また、「m+」とは、それが正の価数であることを表わす。
nは、X基の数を表わし、1以上、4以下の整数である。但し、m≧nである。
一般式(1)中、Xは、溶液中の水や空気中の水分などにより加水分解されて、反応性に富む水酸基を生成する加水分解性基であり、従来より公知のものを任意に使用することができる。例えば、C1〜C5の低級アルコキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基、クロル基等が挙げられる。なお、ここでCi(iは自然数)という表記は、炭素数がi個であることを表わす。さらに、Xは、水酸基であってもよい。また、これらの加水分解性基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
中でも、反応後に遊離する成分が中性であることから、C1〜C5の低級アルコキシ基が好ましい。特に、反応性に富み、遊離する溶媒が軽沸であることから、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
さらに、一般式(1)中でXがアセトキシ基やクロル基である場合には、加水分解反応後に酢酸や塩酸を遊離するため、半導体デバイス用部材に絶縁性が求められる場合には、酸成分を除去する工程を付加することが好ましい。
一般式(1)中、Yは、いわゆるシランカップリング剤の1価の有機基として公知のものを、いずれも任意に選択して使用することができる。中でも、本発明において一般式(1)におけるYとして特に有用な有機基とは、以下のYに表される群(有用有機基群)から選ばれるものである。さらに、半導体発光装置を構成する他の材料との親和性向上、密着性向上、半導体デバイス用部材の屈折率調整などのために、適宜、他の有機基を選択するようにしてもよい。
<有用有機基群Y
:脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、脂肪芳香族化合物より誘導される1価以上の有機基である。
また、群Yに属する有機基の炭素数は、通常1以上、また、通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下である。
さらに、群Yに属する有機基が有する水素原子のうち少なくとも一部は、下記に例示する原子及び/又は有機官能基等の置換基で置換されていても良い。この際、群Yに属する有機基が有する水素原子のうちの複数が下記置換基で置換されていても良く、この場合、下記に示す置換基の中から選択した1種又は2種以上の組み合わせにより置換されていても良い。
群Yに属する有機基の水素原子と置換可能な置換基の例としては、F、Cl、Br、I等の原子;ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、イミノ基、フェニル基等の有機官能基などが挙げられる。
なお、上記全ての場合において、群Yに属する有機基の有する水素原子と置換可能な置換基のうち、有機官能基については、その有機官能基の有する水素原子のうち少なくとも一部がF、Cl、Br、I等のハロゲン原子などで置換されていても良い。
ただし、群Yに属する有機基の水素と置換可能な置換基として例示したもののなかでも、有機官能基は、導入しやすいものの一例であり、使用目的に応じてこの他各種の物理化学的機能性を持つ有機官能基を導入しても良い。
また、群Yに属する有機基は、その中に連結基としてO、N、又はS等の各種の原子または原子団を有するものであっても良い。
一般式(1)中、Yは、上記の有用有機基群Yに属する有機基などから、その目的により様々な基を選択できるが、耐紫外線性、耐熱性に優れる点から、メチル基を主体とすることが好ましい。
上述の化合物(1)の具体例を挙げると、Mがケイ素である化合物としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン、γ−アシノプロピルトリエトキシシラン、4−アシノブチルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、化合物(1)のうち、Mがアルミニウムである化合物としては、例えば、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリt−ブトシキド、アルミニウムトリエトキシドなどが挙げられる。
また、化合物(1)のうち、Mがジルコニウムである化合物としては、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトラi−プロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラi−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシドなどが挙げられる。
また、化合物(1)のうち、Mがチタンである化合物としては、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラi−ブトキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシド、チタンテトラメトキシプロポキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトラエトキシドなどが挙げられる。
ただし、これらに具体的に例示した化合物は、入手容易な市販のカップリング剤の一部であり、更に詳しくは、例えば、科学技術総合研究所発行の「カップリング剤最適利用技術」9章のカップリング剤及び関連製品一覧表により示すことができる。また、当然のことながら、本発明に使用できるカップリング剤は、これらの例示により制限されるものではない。
また、下記一般式(2)で表される化合物(以下適宜、「化合物(2)」という。)及び/又はそのオリゴマーも、上記化合物(1)及び/又はそのオリゴマーと同様に使用することができる。
Figure 2009224754
一般式(2)において、M、X及びYは、それぞれ独立に、一般式(1)と同様のものを表わす。特にYとしては、一般式(1)の場合と同様、上記の有用有機基群Yに属する有機基などから、その目的により様々な基を選択できるが、耐紫外線性、耐熱性に優れる点から、メチル基を主体とすることが好ましい。
また、一般式(2)において、sは、Mの価数を表わし、2以上、4以下の整数である。また、「s+」は、それが正の整数であることを表わす。
さらに、一般式(2)において、Yは、u価の有機基を表わす。ただし、uは2以上の整数を表わす。したがって、一般式(2)中、Yは、いわゆるシランカップリング剤の有機基として公知のもののうち2価以上のものを、任意に選択して使用することができる。
また、一般式(2)において、tは、1以上、s−1以下の整数を表わす。但し、t≦sである。
上記化合物(2)の例としては、各種有機ポリマーやオリゴマーに側鎖として加水分解性シリル基が複数結合しているものや、分子の複数の末端に加水分解性シリル基が結合しているものなどが挙げられる。
上記化合物(2)の具体例及びその製品名を以下に挙げる。
・ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
(信越化学製、KBE−846)
・2−ジエトキシメチルエチルシリルジメチル−2−フラニルシラン
(信越化学製、LS−7740)
・N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
(チッソ製、サイラエースXS1003)
・N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン
(東芝シリコーン製、TSL8227)
・N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン
(東芝シリコーン製、TSL8228)
・N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン
(東芝シリコーン製、TSL8206)
・N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
(東芝シリコーン製、TSL8212)
・N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド
(東芝シリコーン製、TSL8213)
・N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン
(東芝シリコーン製、TSL8208)
・N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
(東芝シリコーン製、TSL8214)
・N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド
(東芝シリコーン製、TSL8215)
・N,N’,N”−トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート
(ヒドラス化学製、12267−1)
・1,4−ビスヒドロキシジメチルシリルベンゼン
(信越化学製、LS−7325)
原料としては化合物(1)、化合物(2)、及び/又はそれらのオリゴマーを使用することができる。即ち、本発明の製造方法では、原料として、化合物(1)、化合物(1)のオリゴマー、化合物(2)、化合物(2)のオリゴマー、及び化合物(1)と化合物(2)とのオリゴマーのいずれを用いてもよい。なお、原料として化合物(1)のオリゴマー又は化合物(2)のオリゴマーを用いる場合、そのオリゴマーの分子量は、本発明の半導体デバイス用部材を得ることができる限り任意であるが、通常400以上である。
ここで化合物(2)及び/又はそのオリゴマーを主原料として用いると系内の主鎖構造が有機結合主体となり耐久性に劣るものとなる可能性がある。このため、化合物(2)は主として密着性付与や屈折率調整、反応性制御、無機粒子分散性付与などの機能性付与のため最小限の使用量で用いることが望ましい。化合物(1)及び/又はそのオリゴマー(化合物(1)由来成分)と、化合物(2)及び/又はそのオリゴマー(化合物(2)由来成分)を同時に使用する場合には原料の総重量における化合物(2)由来成分の使用量割合が通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
また、本発明の半導体デバイス用部材形成液及び半導体デバイス用部材の製造方法において、原料として化合物(1)又は化合物(2)のオリゴマーを用いる場合には、オリゴマーを予め用意してするようにしてもよいが、製造工程の中でオリゴマーを調製するようにしてもよい。即ち、化合物(1)又は化合物(2)のようなモノマーを原料とし、これを製造工程中で一旦オリゴマーとして、このオリゴマーから後の反応を進行させるようにしてもよい。
また、オリゴマーは、結果として化合物(1)又は化合物(2)のようなモノマーから得られるものと同様の構造を有しているものであれば良く、そのような構造を有する市販のものを用いることもできる。かかるオリゴマーの具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
<2官能ケイ素のみからなるオリゴマーの例>
GE東芝シリコーン社製ヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンでは、例えば、XC96−723、XF3905、YF3057、YF3800、YF3802、YF3807、YF3897などが挙げられる。
GE東芝シリコーン社製ヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサンでは、例えば、YF3804などが挙げられる。
Gelest社製両末端シラノール ポリジメチルシロキサンでは、例えば、DMS−S12、DMS−S14などが挙げられる。
Gelest社製両末端シラノール ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマーでは、例えば、PDS−1615が挙げられる。
Gelest社製両末端シラノール ポリジフェニルシロキサンでは、例えば、PDS−9931が挙げられる。
<3官能以上のケイ素を含むオリゴマーの例>
信越化学工業製 シリコーンアルコキシオリゴマー(メチル/メトキシ型)では、例えば、KC−89S、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250などが挙げられる。
信越化学工業製 シリコーンアルコキシオリゴマー(フェニル/メトキシ型)では、例えば、KR−217などが挙げられる。
信越化学工業製 シリコーンアルコキシオリゴマー(メチルフェニル/メトキシ型)では、例えば、KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247などが挙げられる。
これらのうち、2官能ケイ素のみからなるオリゴマーは本発明の半導体デバイス用部材に柔軟性を与える効果が大きいが、2官能ケイ素のみでは機械的強度が不十分となりやすい。このため、3官能以上のケイ素からなるモノマー若しくは3官能以上のケイ素を含むオリゴマーと共に重合することにより、本発明の半導体デバイス用部材は封止材として有用な機械的強度を得ることができる。また、反応性基としてシラノール基を有するものは事前に加水分解する必要が無く、水を加えるための相溶剤としてアルコール等の溶剤の使用をする必要が無い長所がある。なお、アルコキシ基を有するオリゴマーを使用する場合には、アルコキシ基を有するモノマーを原料とする場合と同様、加水分解するための水が必要となる。
さらに、原料としては、これらの化合物(1)、化合物(2)、及びそのオリゴマーのうち1種類だけを用いてよいが、二種類以上を任意の組み合わせ及び組成で混合してもかまわない。さらに、予め加水分解された(即ち、一般式(1),(2)において−XがOH基である)化合物(1)、化合物(2)及びそのオリゴマーを用いるようにしてもよい。
但し、本発明では原料として、Mとしてケイ素を含有し、且つ、有機基Y又は有機基Yを少なくとも1つ有する化合物(1)、化合物(2)及びそのオリゴマー(加水分解されたものを含む)を、少なくとも1種以上用いる必要がある。また、系内の架橋が主としてシロキサン結合を始めとする無機成分により形成されることが好ましいことから、化合物(1)及び化合物(2)をともに使用する場合には、化合物(1)が主体となることが好ましい。
また、シロキサン結合を主体とする半導体デバイス用部材を得るためには、化合物(1)及び/又はそのオリゴマーを原料の主体として用いることが好ましい。さらに、これらの化合物(1)のオリゴマー及び/又は化合物(2)のオリゴマーは、2官能を主体とした組成で構成されていることが、より好ましい。特に、この化合物(1)のオリゴマー及び/又は化合物(2)のオリゴマーの2官能単位は、2官能オリゴマーとして用いられることが好ましい。
さらに、化合物(1)のオリゴマー及び/又は化合物(2)のオリゴマーのうち、2官能のもの(以下適宜、「2官能成分オリゴマー」という)を主体として用いる場合、これら2官能成分オリゴマーの使用量は、原料の総重量(即ち、化合物(1)、化合物(2)、及びそのオリゴマーの重量の和)に対して、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。なお、使用量の上限は通常97重量%である。2官能成分オリゴマーを原料の主体として使用することが、本発明の半導体デバイス用部材の製造方法によって、本発明の半導体デバイス用部材を容易に製造することができる要因のうちのひとつとなっているためである。
以下、2官能成分オリゴマーを原料の主体として用いたことによる利点について詳しく説明する。
例えば従来のゾルゲル法により製造されていた半導体デバイス用部材では、その原料を加水分解及び重縮合させた加水分解・重縮合物(塗布液(加水分解液)に含有されたもの等を含む)は、高い反応活性を有していた。したがって、その加水分解・重縮合物をアルコール等の溶媒で希釈しないと系内の重合が進み、すぐに硬化するため、成形や取り扱いが困難であった。例えば、従来は溶媒で希釈しない場合には、温度が40℃〜50℃程度であっても硬化することがあった。したがって、加水分解後に得られた加水分解・重縮合物の取り扱い性を確保するためには、加水分解・重縮合物に溶媒を共存させることが必須であった。
また、加水分解・重縮合物に溶媒を共存させたまま加水分解・重縮合物の乾燥・硬化を行なわせると、硬化時に脱水縮合による収縮に加え、脱溶媒による収縮(脱溶媒収縮)が加味される。これにより、従来の半導体発光装置では、硬化物の内部応力が大きくなりがちであり、この内部応力に起因するクラック、剥離、断線などが生じやすかった。
さらに、上記の内部応力を緩和するために半導体デバイス用部材を柔軟化する目的で原料として2官能成分モノマーを多用すると、重縮合体中の低沸環状体が多くなる可能性があった。低沸環状体は硬化時に揮発してしまうため、低沸環状体が多くなると重量歩留まりが低下することになる。また、低沸環状体は硬化物からも揮発し、応力発生の原因となることがある。さらに、低沸環状体を多く含む半導体デバイス用部材は耐熱性が低くなることがある。これらの理由により、従来は、半導体デバイス用部材を、性能の良いエラストマー状硬化体として得ることは困難であった。
これに対して、本発明の半導体デバイス用部材の製造方法では、原料として、別系で(即ち、加水分解・重縮合工程に関与しない系で)2官能成分をあらかじめオリゴマー化し、反応性末端を持たない低沸不純物を留去したものを原料として使用するようにしている。したがって、2官能成分(即ち、上記の2官能成分オリゴマー)を多用しても、それらの低沸不純物が揮発することはなく、硬化物重量歩留まりの向上を実現することができるとともに、性能の良いエラストマー状硬化物を得ることができる。
さらに、2官能成分オリゴマーを主原料とすることにより、加水分解・重縮合物の反応活性を抑制することができる。これは、加水分解・重縮合物の立体障害及び電子効果、並びに、2官能成分オリゴマーを使用したことに伴いシラノール末端量が低減したことによるものと推察される。反応活性を抑制したことにより、溶媒を共存させなくても加水分解・重縮合物は硬化することはなく、したがって、加水分解・重縮合物を一液型、かつ、無溶媒系とすることができる。
また、加水分解・重縮合物の反応活性が低下したことにより、硬化開始温度を従来よりも高くすることが可能となった。したがって、加水分解・重縮合物の硬化開始温度以下の溶媒を加水分解・重縮合物に共存させた場合には、加水分解・重縮合物の乾燥時に、加水分解・重縮合物の硬化が開始されるよりも以前に溶媒が揮発することになる。これにより、溶媒を使用した場合であっても脱溶媒収縮に起因する内部応力の発生を抑制することが可能となる。
[1−3−5−2]加水分解・重縮合工程
本発明ではまず、上述の化合物(1)、化合物(2)、及び/又はそれらのオリゴマーを加水分解・重縮合反応させる(加水分解・重縮合工程)。この加水分解・重縮合反応は、公知の方法によって行なうことができる。なお、以下適宜、化合物(1)、化合物(2)、及びそのオリゴマーを区別せずに指す場合、「原料化合物」という。
原料化合物の加水分解・重縮合反応を行なうために使用する水の理論量は、下記式(3)に示す反応式に基づき、系内の加水分解性基の総量の1/2モル比である。
Figure 2009224754
なお、上記式(3)は、一般式(1),(2)のMがケイ素である場合を例として表わしている。また、「≡Si」及び「Si≡」は、ケイ素原子の有する4つの結合手のうち3つを略記したものである。
本明細書では、この加水分解時に必要な水の理論量、即ち、加水分解性基の総量の1/2モル比に相当する水の量を基準(加水分解率100%)とし、加水分解時に使用する水の量をこの基準量に対する百分率、即ち「加水分解率」で表わす。
本発明において、加水分解・重縮合反応を行なうために使用する水の量は、上述の加水分解率で表わした場合に、通常80%以上、中でも100%以上の範囲が好ましい。加水分解率がこの範囲より少ない場合、加水分解・重合が不十分なため、硬化時に原料が揮発したり、硬化物の強度が不十分となったりする可能性がある。一方、加水分解率が200%を超える場合、硬化途中の系内には常に遊離の水が残存し、半導体素子や蛍光体に水分による劣化をもたらしたり、カップ部が吸水し、硬化時の発泡、クラック、剥離の原因となったりする場合がある。但し、加水分解反応において重要なのは100%近傍以上(例えば80%以上)の水で加水分解・重縮合を行なうということであり、塗布前に遊離の水を除く工程を付加すれば、200%を超える加水分解率を適用することは可能である。この場合、あまり大量の水を使用すると、除去すべき水の量や相溶剤として使用する溶媒の量が増え、濃縮工程が煩雑になったり、重縮合が進みすぎて部材の塗布性能が低下したりすることがあるので、加水分解率の上限は通常500%以下、中でも300%以下、好ましくは200%以下の範囲とすることが好ましい。
原料化合物を加水分解・縮重合する際には、触媒などを共存させて、加水分解・縮重合を促進することが好ましい。この場合、使用する触媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸;硝酸、塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸;有機金属化合物触媒などを用いることができる。このうち、半導体発光装置の構成部材と直接接する部分に使用する部材とする場合には、絶縁特性に影響の少ない有機金属化合物触媒が好ましい。ここで、有機金属化合物触媒とは、有機基と金属原子とが直接に結合してなる狭義の有機金属化合物からなる触媒のみを指すのではなく、有機金属錯体、金属アルコキシド、有機酸と金属との塩などを含む広義の有機金属化合物からなる触媒を指す。
有機金属化合物触媒の中では、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、亜鉛及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を含む有機金属化合物触媒が好ましく、ジルコニウムを含む有機金属化合物触媒がさらに好ましい。
その具体例を挙げると、ジルコニウムを含有する有機金属化合物触媒の例としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシジアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムアシレート、ジルコニウムトリブトキシステアレートなどが挙げられる。
また、ハフニウムを含有する有機金属化合物触媒の例としては、ハフニウムテトラアセチルアセトネート、ハフニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ハフニウムジブトキシジアセチルアセトネート、ハフニウムテトラノルマルプロポキシド、ハフニウムテトライソプロポキシド、ハフニウムテトラノルマルブトキシド、ハフニウムアシレート、ハフニウムトリブトキシステアレートなどが挙げられる。
また、チタンを含有する有機金属化合物触媒の例としては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラノルマルブトキシド、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテートなどが挙げられる。
また、亜鉛を含有する有機金属化合物触媒の例としては、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、亜鉛トリアセチルアセトネートが挙げられる。
また、スズを含有する有機金属化合物触媒の例を挙げると、テトラブチルスズ、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキサイド、テトラオクチルスズ、ジオクチルスズジクロライド、ジオクチルスズオキサイド、テトラメチルスズ、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(ネオデカノエート)スズ、ジ−n−ブチルビス(エチルヘキシルマレート)スズ、ジ−ノルマルブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−ノルマルブチルブトキシクロロスズ、ジ−ノルマルブチルジアセトキシスズ、ジ−ノルマルブチルジラウリル酸スズ、ジメチルジネオデカノエートスズなどが挙げられる。
なお、これらの有機金属化合物触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記の好ましい有機金属化合物触媒を用いることにより、原料化合物を加水分解・重縮合する際には、副生物の低分子環状シロキサンの生成を抑え、高い歩留まりで半導体デバイス用部材形成液を合成することができる。
また、この有機金属化合物触媒を用いたことにより、本発明の半導体デバイス用部材は、前記[1−3−4B−8]で説明した特性の範囲を満たす、高い耐熱性を実現することができる。その理由は明らかではないが、前記有機金属化合物は、単に触媒として原料化合物の加水分解・重縮合反応を促進するだけではなく、加水分解・重縮合物及びその硬化物のシラノール末端に一時的に結合・解離することができ、これによりシラノール含有ポリシロキサンの反応性を調整して、高温条件における(i)有機基の酸化の防止、(ii)ポリマー間の不要な架橋の防止、(iii)主鎖の切断などの防止をする作用があると考えられる。以下、これらの作用(i)〜(iii)について説明する。
(i)有機基の酸化の防止としては、熱の作用によって、例えばメチル基上にラジカルが発生した時、有機金属化合物触媒の遷移金属がラジカルを補足する効果を有する。一方、この遷移金属自身はラジカル補足によってイオン価数を失い、そのために酸素と作用して有機基の酸化を防止する。その結果として、半導体デバイス用部材の劣化を抑えることになると推察される。
(ii)ポリマー間の不要な架橋の防止としては、例えば、メチル基が酸素分子によって酸化を受けるとホルムアルデヒドになり、ケイ素原子に結合した水酸基が生成する。こうしてできた水酸基同士が脱水縮合するとポリマー間に架橋点ができ、それが増加することによって本来ゴム状であった半導体デバイス用部材が硬く、もろくなる可能性がある。しかし、有機金属化合物触媒はシラノール基と結合し、これにより、熱分解による架橋の進行を防止できるものと推察される。
(iii)主鎖の切断などの防止としては、有機金属化合物触媒がシラノール基と結合することにより、シラノール基の分子内攻撃によるポリマー主鎖の切断及び環状シロキサンの生成による加熱重量減を抑制し、耐熱性が向上するものと推察される。
有機金属化合物触媒の好ましい配合量は、使用する触媒の種類によって適宜選択されるが、加水分解・重縮合を行う原料の総重量に対し、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上、また、通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。有機金属化合物触媒が少なすぎると、硬化に時間がかかりすぎたり、硬化不十分なために十分な機械的強度や耐久性が得られなかったりする可能性がある。一方、有機金属化合物触媒が多すぎると、硬化が速すぎて硬化物である半導体デバイス用部材の物性の制御が困難となったり、触媒が溶解分散できず析出し半導体デバイス用部材の透明度を損なったり、触媒自身が持ち込む有機物量が多くなり得られる半導体デバイス用部材が高温使用時に着色したりする可能性がある。
これらの有機金属触媒は、加水分解・縮合時に一括して原料系に混合しても良く、また分割混合しても良い。また、加水分解・重縮合時に触媒を溶解するために溶媒を使用しても良く、直接反応液に触媒を溶解しても良い。ただし、半導体デバイス用部材形成液として使用する際には、硬化時の発泡や熱による着色を防ぐために、加水分解・重縮合工程の後で前記の溶媒を厳密に留去することが望ましい。
加水分解・重縮合反応時に系内が分液し不均一となる場合には、溶媒を使用しても良い。溶媒としては、例えば、C1〜C3の低級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、水等を任意に用いることができるが、中でも強い酸性や塩基性を示さないものが加水分解・重縮合に悪影響を与えない理由から好ましい。溶媒は1種を単独で使用しても良いが、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することもできる。溶媒使用量は自由に選択できるが、半導体発光装置に塗布する際には溶媒を除去することが多いため、必要最低限の量とすることが好ましい。また、溶媒除去を容易にするため、沸点が100℃以下、より好ましくは80℃以下の溶媒を選択することが好ましい。なお、外部より溶媒を混合しなくても加水分解反応によりアルコール等の溶媒が生成するため、反応当初は不均一でも反応中に均一になる場合もある。
上記原料化合物の加水分解・重縮合反応は、常圧で実施する場合、通常15℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、また、通常140℃以下、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下の範囲で行なう。加圧下で液相を維持することでより高い温度で行なうことも可能であるが、150℃を超えないことが好ましい。
加水分解・重縮合反応時間は反応温度により異なるが、通常0.1時間以上、好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上、また、通常100時間以下、好ましくは20時間以下、更に好ましくは15時間以下の範囲で実施される。反応時間の調整は分子量管理を行いつつ適宜行うことが好ましい。
以上の加水分解・重縮合条件において、時間が短くなったり温度が低すぎたりすると、加水分解・重合が不十分なため硬化時に原料が揮発したり、硬化物の強度が不十分となる可能性がある。また、時間が長くなったり温度が高すぎたりすると、重合物の分子量が高くなり、系内のシラノール量が減少し、塗布時に密着性不良が生じたり硬化が早すぎて硬化物の構造が不均一となり、クラックを生じやすくなる。以上の傾向を踏まえて、所望の物性値に応じて条件を適宜選択することが望ましい。
また、加水分解反応は、二段階の加水分解および縮重合反応を行い、硬化時の発泡を抑制しつつ、耐熱性を向上させることもできる。すなわち、前記原料を用いて、第一次の加水分解・重縮合物を得た後、さらに第二次の加水分解・重縮合反応を行うことにより、高分子の加水分解・重縮合物を得る方法を挙げることができる。この際、第二次の加水分解・重縮合反応は、陰イオン交換樹脂の存在下で行われることが好ましい。この陰イオン交換樹脂としては、ポリスチレン系陰イオン交換樹脂が好ましい。この陰イオン交換樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
ポリスチレン系陰イオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学(株)製「ダイヤイオン」シリーズを挙げることができる。具体的には、ダイヤイオンSAシリ−ズ(SA10A,SA11A,SA12A,NSA100,SA20A,SA21A)、ダイヤイオンPAシリ−ズ(PA308,PA312,PA316,PA406,PA412,PA418)、ダイヤイオンHPAシリ−ズ(HPA25)、ダイヤイオンWAシリ−ズ(WA10,WA20,WA21J,WA30)等が挙げられる。
第二次の加水分解・重縮合反応において、陰イオン交換樹脂を用いるのが好ましい理由としては、第一に加水分解に必要な水を陰イオン交換樹脂の保持する水分により供給することができ、相溶剤としての極性溶媒を多量に必要とせず、徐々に加水分解を進めることが出来る点、第二に反応後に陰イオン交換樹脂を除去することによって不要な水を容易に除去できるため、硬化時発泡の原因となる水分含量の少ない封止材形成液を容易に得ることができる点、第三に反応後に容易に重合触媒となる陰イオン交換樹脂を除去できるため、保存安定性に優れた高分子量の製品を合成することが出来る点、第四に、陰イオン交換樹脂を用いた加水分解押切り反応により系内のアルコキシ基残量をさらに低減し、未反応末端が活性の高いシラノール主体の封止材形成液とすることにより密着性、耐熱性に優れた封止材を得ることが出来る点が挙げられる。
上記加水分解・重縮合反応が終了した後、得られた加水分解・重縮合物はその使用時まで室温以下で保管されるが、この期間にもゆっくりと重縮合が進行するため、特に厚膜状の部材として使用する場合には、前記加温による加水分解・重縮合反応が終了した時点より室温保管にて通常60日以内、好ましくは30日以内、更に好ましくは15日以内に使用に供することが好ましい。必要に応じ凍らない範囲にて低温保管することにより、この期間を延長することができる。保管期間の調整は分子量管理を行いつつ適宜行うことが好ましい。
前記の操作により、上記の原料化合物の加水分解・重縮合物(重縮合物)が得られる。この加水分解・重縮合物は、好ましくは液状である。しかし、固体状の加水分解・重縮合物でも、溶媒を用いることにより液状となるものであれば、使用することができる。また、こうして得られた液状の加水分解・重縮合物は、この後に説明する工程で硬化することにより本発明の半導体デバイス用部材となる半導体デバイス用部材形成液である。
[1−3−5−3]溶媒留去
上記の加水分解・重縮合工程において溶媒を用いた場合には、通常、乾燥の前に加水分解・重縮合物から溶媒を留去することが好ましい(溶媒留去工程)。これにより、溶媒を含まない半導体デバイス用部材形成液(液状の加水分解・重縮合物)を得ることができる。上述したように、従来は溶媒を留去すると加水分解・重縮合物が硬化してしまうために加水分解・重縮合物の取り扱いが困難となっていた。しかし、本発明の製造方法では、2官能成分オリゴマーを使用すると加水分解・重縮合物の反応性が抑制されるため、乾燥の前に溶媒を留去しても加水分解・重縮合物は硬化しなくなり、溶媒の留去が可能である。溶媒を乾燥前に留去しておくことにより、脱溶媒収縮によるクラック、剥離、断線などを防止することができる。
なお、通常は、溶媒の留去の際に、加水分解に用いた水の留去も行なわれる。また、留去される溶媒には、上記の一般式(1)、(2)で表わされる原料化合物の加水分解・重縮合反応により生成される、XH等で表わされる溶媒も含まれる。さらに、反応時に副生する低分子環状シロキサンも含まれる。
溶媒を留去する方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、加水分解・重縮合物の硬化開始温度以上の温度で溶媒の留去を行なうことは避けるようにする。
溶媒の留去を行なう際の温度条件の具体的な範囲を挙げると、通常60℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、また、通常150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下である。この範囲の下限を下回ると溶媒の留去が不十分となる可能性があり、上限を上回ると加水分解・重縮合物がゲル化する可能性がある。
また、溶媒の留去を行なう際の圧力条件は、通常は常圧である。さらに、必要に応じて溶媒留去時の反応液の沸点が硬化開始温度(通常は120℃以上)に達しないように減圧する。また、圧力の下限は、加水分解・重縮合物の主成分が留出しない程度である。
一般に高温・高真空条件で軽沸分は効率良く留去できるが、軽沸分が微量であるため装置形状により精密に留去できない場合には、高温操作によりさらに重合が進み分子量が上がりすぎる可能性がある。さらに、所定の種類の触媒を使用している場合には、長時間高温反応に供すると失活し、半導体デバイス用部材形成液を硬化しにくくなる可能性もある。そこで、これらの場合などには、必要に応じ窒素吹き込みや水蒸気蒸留などにより低温常圧で軽沸分を留去しても良い。
減圧留去や窒素吹き込みなどの何れの場合にも、加水分解・重縮合物の主成分本体が留出しないよう、前段の加水分解・重縮合反応にて適度に分子量を上げておくことが望ましい。
これらの方法により溶媒や水分、副生低分子環状シロキサン、溶存空気などの軽沸分を十分に除いた半導体デバイス用部材形成液を用いて製造する半導体デバイス用部材は、軽沸分の気化による硬化時発泡や高温使用時の半導体素子からの剥離を低減させることができるため、好ましい。
ただし、溶媒の留去を行なうことは、必須の操作ではない。特に、加水分解・重縮合物の硬化温度以下の沸点を有する溶媒を用いている場合には、加水分解・重縮合物の乾燥時に、加水分解・重縮合物の硬化が開始される前に溶媒が揮発してしまうため、特に溶媒留去工程を行なわなくても脱溶媒収縮によるクラック等の生成は防止することができる。しかし、溶媒の揮発により加水分解・重縮合物の体積が変化することもありえるため、半導体デバイス用部材の寸法や形状を精密に制御する観点からは、溶媒留去を行なうことが好ましい。
[1−3−5−4]乾燥
上述の加水分解・重縮合反応により得られた加水分解・重縮合物を乾燥させる(乾燥工程。または、硬化工程)ことにより、本発明の半導体デバイス用部材を得ることができる。この加水分解・重縮合物は上述のように通常は液状であるが、これを目的とする形状の型に入れた状態で乾燥を行なうことにより、目的とする形状を有する本発明の半導体デバイス用部材を形成することが可能となる。また、この加水分解・重縮合物を目的とする部位に塗布した状態で乾燥を行なうことにより、目的とする部位に直接、本発明の半導体デバイス用部材を形成することが可能となる。なお、乾燥工程では必ずしも溶媒が気化するわけではないが、ここでは、流動性を有する加水分解・重縮合物が流動性を失って硬化する現象を含めて、乾燥工程と呼ぶものとする。したがって、溶媒の気化を伴わない場合には、上記「乾燥」は「硬化」と読み替えて認識してもよい。
乾燥工程では、加水分解・重縮合物をさらに重合させることにより、メタロキサン結合を形成させて、重合物を乾燥・硬化させ、本発明の半導体デバイス用部材を得る。
乾燥の際には、加水分解・重縮合物を所定の硬化温度まで加熱して硬化させるようにする。具体的な温度範囲は加水分解・重縮合物の乾燥が可能である限り任意であるが、メタロキサン結合は通常100℃以上で効率良く形成されるため、好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上で実施される。但し、半導体発光装置と共に加熱される場合は、通常は半導体発光装置の構成要素の耐熱温度以下の温度、好ましくは200℃以下で乾燥を実施することが好ましい。
また、加水分解・重縮合物を乾燥させるために硬化温度に保持する時間(硬化時間)は触媒濃度や部材の厚みなどにより一概には決まらないが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、また、通常10時間以下、好ましくは5時間以下、更に好ましくは3時間以下の範囲で実施される。
なお、乾燥工程における昇温条件は特に制限されない。即ち、乾燥工程の間、一定の温度で保持しても良く、連続的又は断続的に温度を変化させても良い。また、乾燥工程を更に複数回に分けて行なってもよい。さらに、乾燥工程において、温度を段階的に変化させるようにしてもよい。温度を段階的に変化させることにより、残留溶媒や溶存水蒸気による発泡を防ぐことができるという利点を得ることができる。また、低温で硬化させた後、高温で追硬化した場合には、得られる半導体デバイス用部材中に内部応力が発生しにくく、クラックや剥離を起こしにくいという利点も得ることができる。
ただし、上述の加水分解・重縮合反応を溶媒の存在下にて行なったときに、溶媒留去工程を行なわなかった場合や、溶媒留去工程を行なっても加水分解・重縮合物中に溶媒が残留している場合には、この乾燥工程を、溶媒の沸点以下の温度にて溶媒を実質的に除去する第1の乾燥工程と、該溶媒の沸点以上の温度にて乾燥する第2の乾燥工程とに分けて行なうことが好ましい。なお、ここで言う「溶媒」には、上述の原料化合物の加水分解・重縮合反応により生成される、XH等で表わされる溶媒や低分子環状シロキサンも含まれる。また、本明細書における「乾燥」とは、上述の原料化合物の加水分解・重縮合物が溶媒を失い、更に重合・硬化してメタロキサン結合を形成する工程を指す。
第1の乾燥工程は、原料化合物の加水分解・重縮合物の更なる重合を積極的に進めることなく、含有される溶媒を該溶媒の沸点以下の温度にて実質的に除去するものである。即ち、この工程にて得られる生成物は、乾燥前の加水分解・重縮合物が濃縮され、水素結合により粘稠な液或いは柔らかい膜状になったものか、溶媒が除去されて加水分解・重縮合物が液状で存在しているものである。
ただし、通常は、溶媒の沸点未満の温度で第1の乾燥工程を行なうことが好ましい。該溶媒の沸点以上の温度で第1の乾燥を行なうと、得られる膜に溶媒の蒸気による発泡が生じ、欠陥の無い均質な膜が得にくくなる。この第1の乾燥工程は、薄膜状の部材とした場合など溶媒の蒸発の効率がよい場合は単独のステップで行なっても良いが、カップ上にモールドした場合など蒸発効率の悪い場合においては複数のステップに分けて昇温しても良い。また、極端に蒸発効率が悪い形状の場合は、予め別の効率良い容器にて乾燥濃縮を行なった上で、流動性が残る状態で塗布し、更に乾燥を実施してもよい。蒸発効率の悪い場合には、大風量の通風乾燥など部材の表面のみ濃縮が進む手段をとらず、部材全体が均一に乾燥するよう工夫することが好ましい。
第2の乾燥工程は、上述の加水分解・重縮合物の溶媒が第1の乾燥工程により実質的に無くなった状態において、この加水分解・重縮合物を溶媒の沸点以上の温度で加熱し、メタロキサン結合を形成することにより、安定な硬化物とするものである。この工程において溶媒が多く残留していると、架橋反応が進行しつつ溶媒蒸発による体積減が生じるため、大きな内部応力が生じ、収縮による剥離やクラックの原因となる。メタロキサン結合は通常100℃以上で効率良く形成されるため、第2の乾燥工程は好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上で実施される。但し、半導体発光装置と共に加熱される場合は、通常は半導体発光装置の構成要素の耐熱温度以下の温度、好ましくは200℃以下で乾燥を実施することが好ましい。第2の乾燥工程における硬化時間は触媒濃度や部材の厚みなどにより一概には決まらないが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、また、通常10時間以下、好ましくは5時間以下、更に好ましくは3時間以下の範囲で実施される。
このように溶媒除去の工程(第1の乾燥工程)と硬化の工程(第2の乾燥工程)とを明確に分けることにより、溶媒留去工程を行なわない場合であっても、本発明の物性を持つ耐光性、耐熱性に優れる半導体デバイス用部材をクラック・剥離することなく得ることが可能となる。
ただし、第1の乾燥工程中でも硬化が進行することはありえるし、第2の乾燥工程中にも溶媒除去が進行する場合はありえる。しかし、第1の乾燥工程中の硬化や第2の乾燥工程中の溶媒除去は、通常は本発明の効果に影響を及ぼさない程度に小さいものである。
なお、実質的に上述の第1の乾燥工程及び第2の乾燥工程が実現される限り、各工程における昇温条件は特に制限されない。即ち、各乾燥工程の間、一定の温度で保持しても良く、連続的又は断続的に温度を変化させても良い。また、各乾燥工程を更に複数回に分けて行なってもよい。更には、第1の乾燥工程の間に一時的に溶媒の沸点以上の温度となったり、第2の乾燥工程の間に溶媒の沸点未満の温度となる期間が介在したりする場合でも、実質的に上述したような溶媒除去の工程(第1の乾燥工程)と硬化の工程(第2の乾燥工程)とが独立して達成される限り、本発明の範囲に含まれるものとする。
さらに、溶媒として加水分解・重縮合物の硬化温度以下、好ましくは硬化温度未満の沸点を有するものを用いている場合には、加水分解・重縮合物に共存している溶媒は、特に温度を調整せずに加水分解・重縮合物を硬化温度まで加熱した場合であっても、乾燥工程の途中において、温度が沸点に到達した時点で加水分解・重縮合物から留去されることになる。つまり、この場合、乾燥工程において加水分解・重縮合物を硬化温度まで昇温する過程において、加水分解・重縮合物が硬化する前に、溶媒の沸点以下の温度にて溶媒を実質的に除去する工程(第1の乾燥工程)が実施される。これにより、加水分解・重縮合物は、溶媒を含有しない液状の加水分解・重縮合物となる。そして、その後、溶媒の沸点以上の温度(即ち、硬化温度)にて乾燥し、加水分解・重縮合物を硬化させる工程(第2の乾燥工程)が進行することになる。したがって、溶媒として上記の硬化温度以下の沸点を有するものを用いると、上記の第1の乾燥工程と第2の乾燥工程とは、たとえその実施を意図しなくても行なわれることになる。このため、溶媒として加水分解・重縮合物の硬化温度以下、好ましくは上記硬化温度未満の沸点を有するものを用いることは、乾燥工程を実施する際には加水分解・重縮合物が溶媒を含んでいたとしても半導体デバイス用部材の品質に大きな影響を与えることがないため、好ましいといえる。
[1−3−5−5]その他
上述の乾燥工程の後、得られた半導体デバイス用部材に対し、必要に応じて各種の後処理を施しても良い。後処理の種類としては、モールド部との密着性の改善のための表面処理、反射防止膜の作製、光取り出し効率向上のための微細凹凸面の作製等が挙げられる。
[1−4](D)蛍光体
本発明の半導体デバイス用部材は、例えば、半導体デバイス用部材中に蛍光体を分散させて、半導体発光装置のカップ内にモールドしたり、適当な透明支持体上に薄層状に塗布することにより、波長変換用部材として使用することができる。なお、蛍光体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
蛍光体の組成には特に制限はないが、結晶母体であるY、ZnSiO等に代表される金属酸化物、SrSi等に代表される金属窒化物、Ca(POCl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが好ましい。
結晶母体の好ましい例としては、例えば、(Zn,Cd)S、SrGa、SrS、ZnS等の硫化物、YS等の酸硫化物、(Y,Gd)Al12、YAlO、BaMgAl1017、(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017、BaAl1219、CeMgAl1119、(Ba,Sr,Mg)O・Al、BaAlSi、SrAl、SrAl1425、YAl12等のアルミン酸塩、YSiO、ZnSiO等の珪酸塩、SnO、Y等の酸化物、GdMgB10、(Y,Gd)BO等の硼酸塩、Ca10(PO(F,Cl)、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl等のハロリン酸塩、Sr、(La,Ce)PO等のリン酸塩等を挙げることができる。
ただし、上記の結晶母体及び付活元素又は共付活元素は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもでき、得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば用いることが可能である。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。なお、以下の例示では、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。例えば、「YSiO:Ce3+」、「YSiO:Tb3+」及び「YSiO:Ce3+,Tb3+」を「YSiO:Ce3+,Tb3+」と、「LaS:Eu」、「YS:Eu」及び「(La,Y)S:Eu」を「(La,Y)S:Eu」とまとめて示している。省略箇所はカンマ(,)で区切って示す。
[1−4−1]橙色ないし赤色蛍光体
赤色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「赤色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、また、通常700nm以下、好ましくは680nm以下が望ましい。
このような赤色蛍光体としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表わされるユウロピウム付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。
さらに、特開2004−300247号公報に記載された、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本実施形態において用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体である。
また、そのほか、赤色蛍光体としては、(La,Y)S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、LiY(SiO:Eu、Ca(SiO:Eu、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu等のEu付活窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Ce等のCe付活窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、(BaMg)Si:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1−xScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSiz−qGe12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
赤色蛍光体としては、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、又は、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
また、赤色蛍光体のうち、ピーク波長が580nm以上、好ましくは590nm以上、また、620nm以下、好ましくは610nm以下の範囲内にあるものは、橙色蛍光体として好適に用いることができる。このような橙色蛍光体の例としては、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Sr,Mg)(PO:Sn2+、SrCaAlSiN:Eu、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体等が挙げられる。
[1−4−2]緑色蛍光体
緑色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「緑色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常490nm以上、好ましくは500nm以上、また、通常570nm以下、好ましくは550nm以下が望ましい。
このような緑色蛍光体として、例えば、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、緑色蛍光体としては、SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、YSiO:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr−Sr:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi−2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ZnSiO:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、SrSi:Eu、(Sr,Ba,Ca)Si:Eu、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、CaMg(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
また、緑色蛍光体としては、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、ヘキシルサリチレートを配位子として有するテルビウム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
[1−4−3]青色蛍光体
青色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「青色蛍光体」という)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、ピーク波長が、通常420nm以上、好ましくは440nm以上、また、通常480nm以下、好ましくは470nm以下が望ましい。
このような青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なうBaMgAl1017:Euで表わされるユウロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)(POCl:Euで表わされるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行なう(Sr,Ca,Ba)Al:Euまたは(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、SrAl1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl13:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu、(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAlSi:Eu、(Sr,Ba)MgSi:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、YSiO:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO・nB:Eu、2SrO・0.84P・0.16B:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi・2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
また、青色蛍光体としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラゾリン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
[1−4−4]黄色蛍光体
黄色の蛍光を発する蛍光体(以下適宜、「黄色蛍光体」という。)が発する蛍光の具体的な波長の範囲を例示すると、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。黄色蛍光体の発光ピーク波長が短すぎると黄色成分が少なくなり演色性が劣る半導体発光装置となる可能性があり、長すぎると半導体発光装置の輝度が低下する可能性がある。
このような黄色蛍光体としては、例えば、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y,Tb,Gd,Lu,Smの少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al,Ga,Scの少なくとも1種類の元素を表す。)やM 12:Ce(ここで、Mは2価の金属元素、Mは3価の金属元素、Mは4価の金属元素)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE:Eu(ここで、AEは、Ba,Sr,Ca,Mg,Znの少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Si,Geの少なくとも1種類の元素を表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN:Ce(ここで、AEは、Ba,Sr,Ca,Mg,Znの少なくとも1種類の元素を表す。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体などが挙げられる。
また、そのほか、黄色蛍光体としては、CaGa:Eu(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物系蛍光体、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体を用いることも可能である。
[1−4−5]蛍光体の組み合わせ
本発明に用いられる蛍光体の具体的な好ましい組み合わせの例として、赤色蛍光体としてEu付活窒化物蛍光体から選ばれる1以上の蛍光体、ならびに緑色蛍光体としてCe付活珪酸塩蛍光体およびCe付活酸化物蛍光体から選ばれる1以上の蛍光体を含有する蛍光体含有組成物が挙げられる。
Eu付活窒化物赤色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu等が挙げられ、中でもCaAlSiN:Eu(以下「CASN」と略記することがある。)、および(Sr,Ca)AlSiN:Eu(以下「SCASN」と略記することがある)が好適である。
Ce付活珪酸塩緑色蛍光体としては、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等が挙げられ、中でもCa(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce(以下「CSMS」と略記することがある)が好適である。
Ce付活酸化物緑色蛍光体としては、CaSc:Ce(以下「CSO」と略記することがある。)の組み合わせが挙げられる。これらの蛍光体の組み合わせは所望の色度座標、演色指数、発光効率などに応じて適宜組み合わせればよい。
[1−4−6]蛍光体の物性
本発明に用いられる蛍光体の粒径は特に制限はないが、中央粒径(D50)で通常0.1μm以上、好ましくは2μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。D50が小さすぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう可能性がある。一方、D50が大きすぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる可能性がある。
蛍光体粒子の粒度分布(QD)が大きいと、封止材中での蛍光体粒子の浮沈を粘土やチキソ性だけでは制御できず、蛍光体の分散状態に悪影響を及ぼす。よって蛍光体粒子の粒度分布(QD)は小さい方が好ましいが、小さくするためには分級収率が下がってコストアップにつながるので、通常0.03以上、好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.07以上である。また、通常0.4以下、好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下である。また、蛍光体粒子の形状は、蛍光体部形成に影響を与えない限り、特に限定されない。
なお、本発明において、中央粒径(D50)、粒度分布(QD)は、重量基準粒度分布曲線から得ることが出来る。前記重量基準粒度分布曲線は、レーザ回折・散乱法により粒度分布を測定し得られるもので、具体的には、例えば以下のように測定することが出来る。
気温25℃、湿度70%の環境下において、エチレングリコールなどの溶媒に蛍光体を分散させる。
レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所 LA−300)により、粒径範囲0.1μm〜600μmにて測定する。
この重量基準粒度分布曲線において積算値が50%のときの粒径値を中央粒径D50と表記する。また、積算値が25%及び75%の時の粒径値をそれぞれD25、D75と表記し、QD=(D75−D25)/(D75+D25)と定義する。QDが小さいことは粒度分布が狭いことを意味する。
[1−4−7]蛍光体の表面処理
本発明に用いられる蛍光体は、耐水性を高める目的で、または蛍光体含有組成物中で蛍光体の不要な凝集を防ぐ目的で、表面処理が行われていてもよい。
かかる表面処理の例としては、例えば特開2002−223008号公報に記載の有機材料、無機材料、ガラス材料などを用いた表面処理、特開2000−96045号公報等に記載の金属リン酸塩による被覆処理、金属酸化物による被覆処理、シリカコート等の公知の表面処理が挙げられる。
具体的には、例えば蛍光体の表面に上記金属リン酸塩を被覆させるには、(i)所定量のリン酸カリウム、リン酸ナトリウムなどの水溶性のリン酸塩と塩化カルシウム、硫酸ストロンチウム、塩化マンガン、硝酸亜鉛等のアルカリ土類金属、Zn及びMnの中の少なくとも1種の水溶性の金属塩化合物とを蛍光体懸濁液中に混合し、攪拌する。(ii)アルカリ土類金属、Zn及びMnの中の少なくとも1種の金属のリン酸塩を懸濁液中で生成させると共に、生成したこれらの金属リン酸塩を蛍光体表面に沈積させる。(iii)水分を除去する。
また、シリカコートとしては、水ガラスを中和してSiOを析出させる方法、アルコキシシランを加水分解したものを表面処理する方法(例えば、特開平3−231987号公報)等が挙げられ、分散性を高める点においてはアルコキシシランを加水分解したものを表面処理する方法が好ましい。
さらには低融点ガラスを用いて蛍光体の被覆を行なう方法も好ましい。
前述したように、半導体発光装置に配置される電極のマイグレーションは、イオン性の不純物の存在により加速すると考えられている。このことは不純物によって引き起こされるだけではなく、半導体発光装置の部品自体がイオン性を有していたり、又は部品からイオン性の化合物が溶出する場合などにも影響がでる。従って、特定の蛍光体から溶出するイオン性物質も電極のマイグレーションを加速する可能性がある。さらに、イオン性物質が溶出し易い蛍光体は、電極近くの電場により電解反応が進み、母体劣化が加速し易い。
一方、かかる劣化は空気中の水、酸素、二酸化炭素などによっても加速する。封止材がシリコーン樹脂である場合には劣化蛍光体より発生するイオン性物質によりシロキサン鎖の切断が起こり、封止材部分に低分子量環状シロキサンの揮発によるボイドが発生する。
そして、かかる蛍光体の劣化に伴い、構造的に弱くなった封止材と蛍光体の界面部分の剥離やボイドが発生し、無用な散乱が起きることにより、励起光の吸収効率や蛍光体からの発光の取り出し効率が低下する傾向がある。
さらには、イオン性物質が溶出しにくい蛍光体であっても賦活元素が酸化されやすい場合は、電極(正極)近くの電場により酸化劣化が進行しやすい。
そこで、本発明においては、特に下記の蛍光体を被覆処理したものを用いることが好ましい。これにより、蛍光体の劣化を抑制し、さらに電極のマイグレーションも抑制することができる。これは、本発明に用いられる封止材と、表面処理された蛍光体の被覆表面との密着性が極めて高く、蛍光体被覆表面と封止材との間に剥離などによる間隙を生じないためと思料される。
上述の被覆処理によって、特に効果を奏する蛍光体としては、例えば、水により溶解しやすく、電解劣化を起こしやすい下記の蛍光体を挙げることができる。
具体的には、
:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、
(Ca,Sr)S:Eu、(Ca,Sr)S:Ce等のEuまたはCe付活硫化物蛍光体、
(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、好ましくは(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu等のEu付活窒化物蛍光体、
(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSiN:Ce等のCe付活窒化物蛍光体、
(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Ce等のEuまたはCe付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、
等を挙げることができる。
また、その蛍光体を被覆するのに適した材料としては、例えばSiO,Alなどが挙げられ、中でもアルコキシシランの加水分解重縮合によるSiO被覆や低融点ガラス被覆による被覆が、被覆層が緻密かつ透明であり欠陥が少ない点から好ましい。
被覆層の厚みは膜の緻密さにもよるが、通常0.5μm以上、好ましくは0.6μm以上、特に好ましくは0.7μm以上、通常10μm以下、好ましくは8μm以下、特に好ましくは6μm以下である。膜の欠陥が少なく緻密に被覆出来ている場合には1μm以下でも効果があり、亀裂や団粒構造など均一な被覆が困難な場合には最大膜厚の平均値として3μm〜6μm程度の膜厚が好ましい。膜厚がこれより厚すぎると蛍光体粒子が粗大となり塗布組成物の中で沈降しやすくなったり、蛍光体からの光取り出し効率が低下したりする。また、膜厚がこれより薄くなるとアルカリ金属成分の溶出を阻止することが困難になる。この蛍光体層の膜厚は例えば透過型電子顕微鏡で測定することが出来る。
本発明の半導体デバイス用部材はこのようにSiやAlを含有する成分で被覆された蛍光体表面とも高い密着性を有し、長期にわたり蛍光体からの封止材剥離による輝度低下を起こしがたい高輝度の半導体デバイス用部材を提供することができる。
[1−4−8]蛍光体の混合方法
本発明において、蛍光体粒子を加える方法は特に制限されない。蛍光体粒子の分散状態が良好な場合であれば、上述の半導体デバイス用部材形成液に後混合するだけでよい。即ち、本発明の半導体デバイス用部材形成液と蛍光体とを混合し、蛍光体部形成液を用意して、この蛍光体部形成液を用いて半導体デバイス用部材を作製すればよい。蛍光体粒子の凝集が起こりやすい場合には、加水分解前の原料化合物を含む反応用溶液(以下適宜「加水分解前溶液」という。)に蛍光体粒子を前もって混合し、蛍光体粒子の存在下で加水分解・重縮合を行なうと、粒子の表面が一部シランカップリング処理され、蛍光体粒子の分散状態が改善される。
なお、蛍光体の中には加水分解性のものもあるが、本発明の半導体デバイス用部材は、塗布前の液状態(半導体デバイス用部材形成液)において、水分はシラノール体として潜在的に存在し、遊離の水分はほとんど存在しないので、そのような蛍光体でも加水分解してしまうことなく使用することが可能である。また、加水分解・重縮合後の半導体デバイス用部材形成液を脱水・脱アルコール処理を行なってから使用すれば、そのような蛍光体との併用が容易となる利点もある。
また、蛍光体粒子や無機粒子(後述する)を本発明の半導体デバイス用部材に分散させる場合には、粒子表面に分散性改善のため有機配位子による修飾を行うことも可能である。従来、半導体デバイス用部材として用いられてきた付加型シリコーン樹脂は、このような有機配位子により硬化阻害を受けやすく、このような表面処理を行った粒子を混合・硬化することができなかった。これは、付加反応型シリコーン樹脂に使用されている白金系の硬化触媒が、これらの有機配位子と強い相互作用を持ち、ヒドロシリル化の能力を失い、硬化不良を起こすためである。このような被毒物質としてはN、P、S等を含む有機化合物の他、Sn、Pb、Hg、Bi、As等の重金属のイオン性化合物、アセチレン基等、多重結合を含む有機化合物(フラックス、アミン類、塩ビ、硫黄加硫ゴム)などが挙げられる。これに対し、本発明の半導体デバイス用部材は、これらの被毒物質による硬化阻害を起こしにくい縮合型の硬化機構によるものである。このため、本発明の半導体デバイス用部材は有機配位子により表面改質した蛍光体粒子や無機粒子、さらには錯体蛍光体などの蛍光成分との混合使用の自由度が大きく、蛍光体バインダや高屈折率ナノ粒子導入透明材料として優れた特徴を備えるものである。
[1−4−9]蛍光体の含有率
本発明の半導体デバイス用部材における蛍光体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、その適用形態により自由に選定できる。白色LEDや白色照明等の用途に用いる白色発光の半導体発光装置の例を挙げると、蛍光体を均一に分散して半導体素子を含むパッケージの凹部全体を埋めてポッティングする場合には、蛍光体総量として、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、また、通常35重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは28重量%以下である。
また、同用途で蛍光体を高濃度に分散したものを、半導体発光装置の半導体素子の発光面より遠方(例えば、半導体素子を含む凹部を透明封止材で埋めたパッケージ開口面や、LED気密封止用ガラス蓋体・レンズ・導光板等の外部光学部材の出光面など)に薄膜状に塗布する場合には、通常5重量%以上、好ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
また、一般に、半導体素子の発光色と蛍光体の発光色とを混色して白色を得る場合、半導体素子の発光色を一部透過させることになるため、蛍光体含有率は低濃度となり、上記範囲の下限近くの領域となる。一方、チップ発光を全て蛍光体発光色に変換して白色を得る場合には、高濃度の蛍光体が好ましいため、蛍光体含有率は上記範囲の上限近くの領域となる。蛍光体含有率がこの範囲より多いと塗布性能が悪化したり、光学的な干渉作用により蛍光体の利用効率が低くなり、半導体発光装置の輝度が低くなったりする可能性がある。また、蛍光体含有率がこの範囲より少ないと、蛍光体による波長変換が不十分となり、目的とする発光色を得られなくなる可能性がある。
以上白色発光の半導体発光装置の用途について例示したが、具体的な蛍光体含有率は目的色、蛍光体の発光効率、混色形式、蛍光体比重、塗布膜厚、半導体発光装置の形状により多様であり、この限りではない。
本発明の半導体デバイス用部材形成液はエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など従来の半導体デバイス用部材形成液と比較して低粘度であり、かつ蛍光体や無機粒子とのなじみが良く、高濃度の蛍光体や無機粒子を分散しても十分に塗布性能を維持することが出来る利点を有する。また、必要に応じて重合度の調整やアエロジル等チキソ材を含有させることにより高粘度にすることも可能であり、目的の蛍光体含有量に応じた粘度の調整幅が大きく、塗布対象物の種類や形状さらにはポッティング・スピンコート・印刷などの各種塗布方法に柔軟に対応できる塗布液を提供することが出来る。
なお、半導体デバイス用部材における蛍光体の含有率は、蛍光体組成が特定出来ていれば、蛍光体含有試料を粉砕後予備焼成し炭素成分を除いた後にフッ酸処理によりケイ素成分をケイフッ酸として除去し、残渣を希硫酸に溶解して主成分の金属元素を水溶液化し、ICPや炎光分析、蛍光X線分析などの公知の元素分析方法により主成分金属元素を定量し、計算により蛍光体含有率を求めることが出来る。また、蛍光体形状や粒径が均一で比重が既知であれば塗布物断面の画像解析により単位面積あたりの粒子個数を求め蛍光体含有率に換算する簡易法も用いることが出来る。
また、蛍光体部形成液における蛍光体の含有率は、半導体デバイス用部材における蛍光体の含有率が前記範囲に収まるように設定すればよい。したがって、蛍光体部形成液が乾燥工程において重量変化しない場合は蛍光体部形成液における蛍光体の含有率は半導体デバイス用部材における蛍光体の含有率と同様になる。また、蛍光体部形成液が溶媒等を含有している場合など、蛍光体部形成液が乾燥工程において重量変化する場合は、その溶媒等を除いた蛍光体部形成液における蛍光体の含有率が半導体デバイス用部材における蛍光体の含有率と同様になるようにすればよい。
[1−5]無機粒子(フィラー)の併用
また、本発明の半導体発光装置は、光学的特性や作業性を向上させるため、また、以下の<1>〜<5>の何れかの効果を得ることを目的として、(C)封止材(本発明の半導体デバイス用部材)に、更に無機粒子を含有させても良い。
<1>半導体デバイス用部材に光散乱物質として無機粒子を混入し、半導体発光装置の光を散乱させることにより、蛍光体に当たる半導体素子の光量を増加させ、波長変換効率を向上させると共に、半導体発光装置から外部に放出される光の指向角を広げる。
<2>半導体デバイス用部材に結合剤として無機粒子を配合することにより、クラックの発生を防止する。
<3>半導体デバイス用部材形成液に、粘度調整剤として無機粒子を配合することにより、当該形成液の粘度を高くする。
<4>半導体デバイス用部材に無機粒子を配合することにより、その収縮を低減する。
<5>半導体デバイス用部材に無機粒子を配合することにより、その屈折率を調整して、光取り出し効率を向上させる。
この場合は、半導体デバイス用部材形成液に、蛍光体の粉末と同様に、無機粒子を目的に応じて適量混合すればよい。この場合、混合する無機粒子の種類及び量によって得られる効果が異なる。
例えば、無機粒子が粒径約10nmの超微粒子状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL#200)の場合、半導体デバイス用部材形成液のチクソトロピック性が増大するため、上記<3>の効果が大きい。
また、無機粒子が粒径約数μmの破砕シリカ若しくは真球状シリカの場合、チクソトロピック性の増加はほとんど無く、半導体デバイス用部材の骨材としての働きが中心となるので、上記<2>及び<4>の効果が大きい。
また、半導体デバイス用部材とは屈折率が異なる粒径約1μmの無機粒子を用いると、半導体デバイス用部材と無機粒子との界面における光散乱が大きくなるので、上記<1>の効果が大きい。
また、半導体デバイス用部材より屈折率の大きな粒径3〜5nm、具体的には発光波長以下の粒径をもつ無機粒子を用いると、半導体デバイス用部材の透明性を保ったまま屈折率を向上させることができるので、上記<5>の効果が大きい。
従って、混合する無機粒子の種類は目的に応じて選択すれば良い。また、その種類は単一でも良く、複数種を組み合わせてもよい。また、分散性を改善するためにシランカップリング剤などの表面処理剤で表面処理されていても良い。
[1−5−1]無機粒子の種類
使用する無機粒子の種類としては、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウムなどの無機酸化物粒子やダイヤモンド粒子が例示されるが、目的に応じて他の物質を選択することもでき、これらに限定されるものではない。
無機粒子の形態は粉体状、スラリー状等、目的に応じいかなる形態でもよいが、透明性を保つ必要がある場合は、本発明の半導体デバイス用部材と屈折率を同等としたり、水系・溶媒系の透明ゾルとして半導体デバイス用部材形成液に加えたりすることが好ましい。
[1−5−2]無機粒子の中央粒径
これらの無機粒子(一次粒子)の中央粒径は特に限定されないが、通常、蛍光体粒子の1/10以下程度である。具体的には、目的に応じて以下の中央粒径のものが用いられる。例えば、無機粒子を光散乱材として用いるのであれば、その中央粒径は0.1〜10μmが好適である。また、例えば、無機粒子を骨材として用いるのであれば、その中央粒径は1nm〜10μmが好適である。また、例えば、無機粒子を増粘剤(チキソ剤)として用いるのであれば、その中央粒子は10〜100nmが好適である。また、例えば、無機粒子を屈折率調整剤として用いるのであれば、その中央粒径は1〜10nmが好適である。
[1−5−3]無機粒子の混合方法
本発明において、無機粒子を混合する方法は特に制限されないが、通常は、蛍光体と同様に遊星攪拌ミキサー等を用いて脱泡しつつ混合することが推奨される。例えばアエロジルのような凝集しやすい小粒子を混合する場合には、粒子混合後必要に応じビーズミルや三本ロールなどを用いて凝集粒子の解砕を行ってから蛍光体等の混合容易な大粒子成分を混合しても良い。
[1−5−4]無機粒子の含有率
本発明の半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、その適用形態により自由に選定できる。例えば、無機粒子を光散乱剤として用いる場合は、その含有率は0.01〜10重量%が好適である。また、例えば、無機粒子を骨材として用いる場合は、その含有率は1〜50重量%が好適である。また、例えば、無機粒子を増粘剤(チキソ剤)として用いる場合は、その含有率は0.1〜20重量%が好適である。また、例えば、無機粒子を屈折率調整剤として用いる場合は、その含有率は10〜80重量%が好適である。無機粒子の量が少なすぎると所望の効果が得られなくなる可能性があり、多すぎると硬化物の密着性、透明性、硬度等の諸特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明の半導体デバイス用部材形成液はエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など従来の半導体デバイス用部材形成液と比較して低粘度であり、かつ蛍光体や無機粒子とのなじみが良く、高濃度の無機粒子を分散しても十分に塗布性能を維持することが出来る利点を有する。また、必要に応じて重合度の調整やアエロジル等チキソ材のを含有させることにより高粘度にすることも可能であり、目的の無機粒子含有量に応じた粘度の調整幅が大きく、塗布対象物の種類や形状さらにはポッティング、スピンコート、印刷などの各種塗布方法に柔軟に対応できる塗布液を提供することが出来る。
なお、半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率は、前出の蛍光体含有量と同様に測定することが出来る。
また、半導体デバイス用部材形成液における無機粒子の含有率は、半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率が前記範囲に収まるように設定すればよい。したがって、半導体デバイス用部材形成液が乾燥工程において重量変化しない場合は半導体デバイス用部材形成液における無機粒子の含有率は半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率と同様になる。また、半導体デバイス用部材形成液が溶媒等を含有している場合など、半導体デバイス用部材形成液が乾燥工程において重量変化する場合は、その溶媒等を除いた半導体デバイス用部材形成液における無機粒子の含有率が半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率と同様になるようにすればよい。
[1−6]導電性フィラーの併用
また、本発明の半導体デバイス用部材を半導体発光装置に使用する場合などにおいては、導電性を付与し印刷やポッティングなどの技術を用いて半田使用温度より低温で電気回路を形成させることを目的として、導電性フィラーを含有させても良い。
使用する導電性フィラーの種類としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉などの貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉、ステンレス粉などの卑貴金属粉、銀などの貴金属でめっき、合金化した卑貴金属粉、貴金属や卑金属で被覆された有機樹脂粉やシリカ粉、その他カーボンブラック、グラファイト粉などのカーボン系フィラーなどが例示されるが、目的に応じて他の物質を選択することもでき、これらに限定されるものではない。また、導電性フィラーは、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
導電性フィラーの供給形態は粉体状、スラリー状等、目的に応じいかなる形態でもよいが、透明性を保つ必要がある場合や、微細な配線を印刷形成する必要が有る場合には、凝集の無い水系・溶媒系の透明ゾル或いは再分散容易な表面修飾付きナノ粒子粉末として半導体デバイス用部材形成液に加えることが好ましい。
これらの金属粉の形状としては、フレーク状(リン片状)、球状、粟状、樹枝状(デンドライト状)、球状の一次粒子が3次元状に凝集した形状などがある。この内、導電性、コスト、信頼性の面より銀粉を主体とすることが好ましく、導電性の面より、銀粉に少量のカーボンブラック及び/またはグラファイト粉を併用することがより好ましい。また、導電性、信頼性の面からフレーク状、球状の銀粉を使用することが好ましく、フレーク状と球状の銀粉を併用することが特に好ましい。また、必要により、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム、酸化インジウムなどの無機フィラーなどを少量配合しても良い。
銀粉とカーボンブラック及び/またはグラファイト微粉末の好ましい配合比(質量比)は、銀粉とカーボンブラック及び/またはグラファイト微粉末の合計量を100質量比とした時、銀粉としての上限は、好ましくは99.5質量比以下、より好ましくは99質量比以下である。銀粉としての下限は、85質量比以上、より好ましくは90質量比以上である。
導電性フィラーの中央粒径は特に限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、更に好ましくは10μm以下である。また、特に透明性や微細加工性が要求される場合には通常3nm以上、好ましくは10nm以上であり、通常150nm以下、好ましくは100nm以下である。
また、導電性フィラーの含有率は該導電性フィラーとバインダー樹脂の合計量を100重量%としたとき、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。また、密着性、インキの粘性の観点から、通常95重量%以下、好ましくは93重量%以下、より好ましくは90重量%以下である。導電性フィラーの量が少なすぎると所望の効果が得られなくなる可能性があり、多すぎると硬化物の密着性、透明性、硬度等の諸特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明の本発明の半導体デバイス用部材形成液はエポキシ樹脂やシリコーン樹脂など従来の半導体デバイス用部材形成液と比較して低粘度かつ蛍光体や無機粒子とのなじみが良く、高濃度の無機粒子を分散しても十分に塗布性能を維持することが出来る特徴を有する。また必要に応じて重合度の調整やアエロジル等チキソ材を含有させることにより高粘度にすることも可能であり、目的の無機粒子含有量に応じた粘度の調整幅が大きく、塗布対象物の種類や形状さらにはポッティング、スピンコート、印刷などの各種塗布方法に柔軟に対応できる塗布液を提供することが出来る。
なお、半導体デバイス用部材における無機粒子の含有率は、前出の蛍光体含有量と同様に測定することが出来る。
[1−7]半導体発光装置の製造
[1−7−1]チップ実装方法
電極が上になるフェイスアップ型、これと逆に電極が下になるフリップチップ型いずれでも良く、目的に応じて適宜選択される。一般的にSiOやSiN層は発光面上に(例えばGaN層)に保護層として設けられており基板部分には設けられていないことが多い。従って本発明においては基板部分がSiを含まないサファイヤやAlN、GaNなどの場合には発光面が直接バインダ(封止材)と接する面積の多いフェイスアップ型であることが好ましい。また基板がSiCやSiOである場合にはフェイスアップ型・フリップチップ型何れを選択してもバインダと多くの面積が接触するため自由に実装方法を選択することが出来る。
[1−7−2]ダイボンド種類
ダイボンドは銀ペースト、低融点半田、Au−Sn半田などいずれでも良いが、パワーデバイスとして使用する場合エポキシ樹脂をバインダ成分とする銀ペーストは光や熱による劣化が大きいため半田によるダイボンディングが好ましい。
[1−7−3]ワイヤボンディング
フェイスアップ型の場合にはシングルワイヤ、ダブルワイヤいずれも用いることができ、半導体発光装置の形状や構成により適宜選択することができる。シングルワイヤの場合は電極の面積が少ないため輝度への影響が少ないが、導電性の基板及び導電性の接着剤を選択する。ダブルワイヤの場合は電極を2箇所とるため輝度に影響があるが、導電性の基板及び導電性接着剤を選択する必要がなく電極設計の自由度が大きい。
[1−7−4]他の部材との組み合わせ
本発明の半導体デバイス用部材は単独で封止材料として用いても良いが、有機蛍光体、酸素や水分により劣化しやすい蛍光体、半導体発光装置を封止する場合等、より厳密に酸素や水分からの遮断を要求される用途においては、本発明の部材により蛍光体の保持や半導体素子の封止・光取り出しを実施し、さらにその外側にガラス板やエポキシ樹脂などの高気密素材による気密封止を実施したり、真空封止を実施しても良い。この場合の半導体発光装置の形状は特に制限は無く、本発明の半導体デバイス用部材による封止体、塗布物あるいは塗布面が実質的に金属、ガラス、高気密性樹脂などの高気密素材により外界から保護遮断され酸素や水分の流通が無い状態になっていれば良い。
また、本発明の半導体デバイス用部材は、上述のように密着性が良好なため、半導体発光装置用接着剤として用いることが出来る。具体的には、例えば、半導体素子とパッケージを接着する場合、半導体素子とサブマウントを接着する場合、パッケージ構成要素同士を接着する場合、半導体発光装置と外部光学部材とを接着する場合などに、本発明の半導体デバイス用部材を塗布、印刷、ポッティングなどすることにより用いることが出来る。本発明の半導体デバイス用部材は特に耐光性、耐熱性に優れるため、長時間高温や紫外光にさらされる高出力の半導体発光装置用接着剤として用いた場合、長期使用に耐え高い信頼性を有する半導体発光装置を提供することが出来る。
なお、本発明の半導体デバイス用部材は、これのみで十分密着性を担保しうるものであるが、更に密着性を担保することを目的として、半導体デバイス用部材と直接接する表面に密着性改善のための表面処理を行っても良い。このような、表面処理としては、例えばプライマーやシランカップリング剤を用いた密着改善層の形成、酸やアルカリなどの薬品を用いた化学的表面処理、プラズマ照射やイオン照射・電子線照射を用いた物理的表面処理、サンドブラストやエッチング・微粒子塗布などによる粗面化処理等が挙げられる。密着性改善のための表面処理としては、その他に例えば、特開平5−25300号公報、稲垣訓宏著「表面化学」Vol.18 No.9、pp21−26、黒崎和夫著「表面化学」Vol.19 No.2、pp44−51(1998)等に開示される公知の表面処理方法が挙げられる。
[1−8]半導体発光装置の実施形態
以下、本発明の半導体発光装置の具体例を、実施形態を用いて説明する。なお、以下の各実施形態では、半導体発光装置を適宜「発光装置」と略称するものとする。さらに、半導体発光装置に用いる(C)封止材(半導体デバイス用部材)は、半導体発光デバイス用部材と呼ぶこととする。また、どの部位に本発明の半導体デバイス用部材(以下、「本発明の半導体発光デバイス用部材」ということがある。)を用いるかについては、全ての実施形態の説明の後にまとめて説明する。但し、これらの実施形態はあくまでも説明の便宜のために用いるものであって、本発明の半導体発光装置の例は、これらの実施形態に限られるものではない。
[1−8−1]基本概念
本発明の半導体発光デバイス用部材を用いた半導体発光装置は、例えば、以下のA)、B)の適用例がある。本発明の半導体発光デバイス用部材は、何れの適用例においても、従来の半導体発光デバイス用部材と比較して、優れた光耐久性及び熱耐久性を示し、クラックや剥離が起きにくく、輝度の低下が少ない。したがって、本発明の半導体発光デバイス用部材によれば、長期にわたって信頼性の高い部材を提供することができる。
A)発光素子の発光色をそのまま利用する半導体発光装置。
B)発光素子の近傍に蛍光体部を配設し、発光素子からの光により蛍光体部中の蛍光体や蛍光体成分を励起させ、蛍光を利用して所望の波長の光を発光する半導体発光装置。
A)の適用例においては、本発明の半導体発光デバイス用部材の高い耐久性、透明性および封止材性能を生かし、単独使用にて高耐久封止材、光取り出し膜、各種機能性成分保持剤として用いることができる。特に、本発明の半導体発光デバイス用部材を上記無機粒子等を保持する機能性成分保持剤として用い、本発明の半導体発光デバイス用部材に透明高屈折成分を保持させた場合には、本発明の半導体発光デバイス用部材を発光素子の出光面と密着させて使用し、かつ、発光素子に近い屈折率にすることで、発光素子の出光面での反射を低減し、より高い光取り出し効率を得ることが可能となる。
また、B)の適用例においても、本発明の半導体発光デバイス用部材は、上記のA)の適用例と同様の優れた性能を発揮することができ、かつ、蛍光体や蛍光体成分を保持することにより高耐久性で光取り出し効率の高い蛍光体部を形成することができる。さらに、本発明の半導体発光デバイス用部材に、蛍光体や蛍光体成分に加えて透明高屈折成分を併せて保持させた場合、本発明の半導体発光デバイス用部材の屈折率を発光素子や蛍光体の屈折率近傍にすることで、界面反射を低減し、より高い光取り出し効率を得ることができる。
以下に、本発明の半導体発光デバイス用部材を適用した各実施形態の基本概念について、図50(a),(b)を参照しながら説明する。なお、図50は各実施形態の基本概念の説明図であり、(a)は上記のA)の適用例に対応し、(b)は上記のB)の適用例に対応している。
各実施形態の発光装置(半導体発光装置)1A,1Bは、図50(a),(b)に示すように、LEDチップからなる発光素子2と、発光素子2の近傍に配設された本発明の半導体発光デバイス用部材3A,3Bとを備えている。
ただし、図50(a)に示すような、上記A)の適用例に対応した実施形態(実施形態A−1,A−2)においては、発光装置1Aは半導体発光デバイス用部材3Aに蛍光体や蛍光体成分を含まない。この場合、半導体発光デバイス用部材3Aは、発光素子2の封止、光取り出し機能、機能性成分保持などの各機能を発揮する。なお、以下の説明において、蛍光体や蛍光体成分を含有しない半導体発光デバイス用部材3Aを、適宜「透明部材」と呼ぶ。
一方、図50(b)に示すような、上記B)の適用例に対応した実施形態(実施形態B−1〜B−41)においては、発光装置1Bは半導体発光デバイス用部材3Bに蛍光体や蛍光体成分を含む。この場合、半導体発光デバイス用部材3Bは、図50(a)の半導体発光デバイス用部材3Aが発揮しうる諸機能に加え、波長変換機能も発揮できる。なお、以下の説明において、蛍光体や蛍光体成分を含有する半導体発光デバイス用部材3Bを、適宜「蛍光体部」と呼ぶ。また、蛍光体部は、その形状や機能などに応じて、適宜、符号33,34などで示す場合もある。
発光素子2は、例えば、青色光ないし紫外光を放射するLEDチップにより構成されるが、これら以外の発光色のLEDチップであってもよい。
また、透明部材3Aは、発光素子2の高耐久性封止材、光取出し膜、諸機能付加膜などの機能を発揮するものである。透明部材3Aは単独で用いてもよいが、蛍光体や蛍光体成分を除けば本発明の効果を著しく損なわない限り任意の添加剤を含有させることができる。
一方、蛍光体部3Bは、発光素子2の高耐久性封止材、光取出し膜、諸機能付加膜などの機能を発揮しうると共に、発光素子2からの光により励起されて所望の波長の光を発光する波長変換機能を発揮するものである。蛍光体部3Bは、発光素子2からの光により励起されて所望の波長の光を発光する蛍光物質を少なくとも含んでいればよい。このような蛍光物質の例としては、上に例示した各種の蛍光体が挙げられる。蛍光体部3Bの発光色としては、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色は勿論のこと、蛍光灯のような白色や電球のような黄色も可能である。要するに、蛍光体部3Bは、励起光とは異なる所望の波長の光を放射する波長変換機能を有している。
図50(a)に示す上述の発光装置1Aでは、発光素子2から放射された光4は、透明部材3Aを透過し、発光装置1Aの外部に放射される。したがって、発光装置1Aでは、発光素子2から放射された光4は、発光素子2から放射された際の発光色のままで利用される。
一方、図50(b)に示す発光装置1Bでは、発光素子2から放射された光の一部4aは蛍光体部3Bをそのまま透過し、発光装置1Bの外部へ放射される。また、発光装置1Bでは、発光素子2から放射された光の他の一部4bが蛍光体部3Bに吸収されて蛍光体部3Bが励起され、蛍光体部3Bに含有される蛍光体粒子、蛍光イオン、蛍光染料等の蛍光成分特有の波長の光5が発光装置1Bの外部へ放射される。
したがって、発光装置1Bからは、発光素子2で発光して蛍光体部3Bを透過した光4aと蛍光体部3Bで発光した光5との合成光6が、波長変換された光として放射されることになり、発光素子2の発光色と蛍光体部3Bの発光色とで発光装置1B全体としての発光色が決まることになる。なお、発光素子2で発光して蛍光体部3Bを透過する光4aは必ずしも必要ではない。
[1−8−2]実施形態
[A.蛍光を利用しない実施形態]
〔実施形態A−1〕
本実施形態の発光装置1Aは、図1に示すように、プリント配線17が施された絶縁基板16上に発光素子2が表面実装されている。この発光素子2は発光層部21のp形半導体層(図示せず)及びn形半導体層(図示せず)それぞれが、導電ワイヤ15,15を介してプリント配線17,17に電気的に接続されている。なお、導電ワイヤ15,15は、発光素子2から放射される光を妨げないように、断面積の小さいものが用いられている。
ここにおいて、発光素子2としては、紫外〜赤外域までどのような波長の光を発するものを用いてもよいが、ここでは、窒化ガリウム系のLEDチップを用いているものとする。また、この発光素子2は、図1における下面側にn形半導体層(図示せず)、上面側にp形半導体層(図示せず)が形成されており、p形半導体層側から光出力を取り出すから図1の上方を前方として説明する。
また、絶縁基板16上には発光素子2を囲む枠状の枠材18が固着されており、枠材18の内側には発光素子2を封止・保護する封止部19を設けてある。この封止部19は、本発明の半導体発光デバイス用部材である透明部材3Aにより形成されたもので、上記の半導体デバイス用部材形成液でポッティングを行なうことにより形成できる。
しかして、本実施形態の発光装置1Aは、発光素子2と、透明部材3Aとを備えているため、発光装置1Aの光耐久性、熱耐久性を向上させることができる。また、封止部3Aにクラックや剥離が起きにくいため、封止部3Aの透明性を高めることが可能となる。
さらに、従来に比べて光色むらや光色ばらつきを少なくすることができるとともに、外部への光の取り出し効率を高めることができる。すなわち、封止部3Aを、曇りや濁りがなく透明性が高いものとすることができるため、光色の均一性に優れ、発光装置1A間の光色ばらつきもほとんどなく、発光素子2の光の外部への取り出し効率を従来に比べて高めることができる。また、発光物質の耐候性を高めることができ、従来に比べて発光装置1Aの長寿命化を図ることが可能となる。
〔実施形態A−2〕
本実施形態の発光装置1Aは、図2に示すように、発光素子2の前面を透明部材3Aが覆っており、また、その透明部材上に、透明部材3Aとは異なる材料で封止部19が形成された他は、上記の実施形態A−1と同様に構成されている。また、発光素子2表面の透明部材3Aは、光取出し膜、封止膜として機能する透明の薄膜であり、例えば、発光素子2のチップ形成時に上記の半導体デバイス用部材形成液をスピンコーティング等で塗布することにより形成できる。なお、実施形態A−1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Aにおいても、実施形態A−1と同様に、発光素子2と、透明部材3Aとを備えているため、発光装置1Aの光耐久性、熱耐久性を向上させることができ、封止部3Aにクラックや剥離が起きにくいため、封止部3Aの透明性を高めることが可能となる。
さらに、実施形態A−1と同様の利点を得ることも可能である。
[B.蛍光を利用した実施形態]
〔実施形態B−1〕
本実施形態の発光装置1Bは、図3(a)に示すように、LEDチップからなる発光素子2と、透光性の透明な材料を砲弾形に成形したモールド部11とを備えている。モールド部11は発光素子2を覆っており、発光素子2は導電性材料により形成したリード端子12,13に電気的に接続されている。リード端子12,13はリードフレームにより形成されている。
発光素子2は、窒化ガリウム系のLEDチップであり、図3(a)における下面側にn形半導体層(図示せず)、上面側にp形半導体層(図示せず)が形成されており、p形半導体層側から光出力を取り出すから図3の上方を前方として説明する。発光素子2の後面はリード端子13の前端部に取り付けられたミラー(カップ部)14に対してダイボンドによって接合されている。また、発光素子2は、上述のp形半導体層及びn形半導体層それぞれに導電ワイヤ(例えば、金ワイヤ)15,15がボンディングにより接続され、この導電ワイヤ15,15を介して発光素子2とリード端子12,13とが電気的に接続されている。なお、導電ワイヤ15,15は発光素子2から放射される光を妨げないように断面積の小さいものが用いられている。
ミラー14は発光素子2の側面及び後面から放射された光を前方に反射する機能を有し、LEDチップから放射された光及びミラー14により前方に反射された光は、レンズとして機能するモールド部11の前端部を通してモールド部11から前方に放射される。モールド部11は、ミラー14、導電ワイヤ15,15、リード端子12,13の一部とともに、発光素子2を覆っており、発光素子2が大気中の水分などと反応することによる特性の劣化が防止されている。各リード端子12,13の後端部はそれぞれモールド部11の後面から外部に突出している。
ところで、発光素子2は、図3(b)に示すように、窒化ガリウム系半導体からなる発光層部21が、蛍光体部3B上に半導体プロセスを利用して形成されており、蛍光体部3Bの後面には反射層23が形成されている。発光層部21からの発光による光は全方位に放射されるが、蛍光体部3Bに吸収された一部の光は蛍光体部3Bを励起し、上記蛍光成分特有の波長の光を放射する。この蛍光体部3Bで発光した光は反射層3によって反射されて前方へ放射される。したがって、発光装置1Bは、発光層部21から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光との合成光が得られることになる。
しかして、本実施形態の発光装置1Bは、発光素子2と、発光素子2からの光により励起されて所望の波長の光を発光する蛍光体部3Bとを備えてなる。ここで、蛍光体部3Bとして透光性に優れたものを用いれば、発光素子2から放射された光の一部がそのまま外部へ放射されるとともに、発光素子2から放射された光の他の一部によって発光中心となる蛍光成分が励起されて当該蛍光成分特有の発光による光が外部へ放射されるから、発光素子2から放射される光と蛍光体部3Bの蛍光成分から放射される光との合成光を得ることができ、また、従来に比べて光色むらや光色ばらつきを少なくすることができるとともに、外部への光の取り出し効率を高めることができる。すなわち、蛍光体部3Bとして、曇りや濁りがなく透明性が高いものを用いれば、光色の均一性に優れ、発光装置1B間の光色ばらつきもほとんどなく、発光素子2の光の外部への取り出し効率を従来に比べて高めることができる。また、発光物質の耐候性を高めることができ、従来に比べて発光装置1Bの長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の発光装置1Bでは、蛍光体部3Bが発光素子2を形成する基板に兼用されているので、発光素子2からの光の一部により蛍光体部中の発光中心となる蛍光体を効率良く励起することができ、当該蛍光成分特有の発光による光の輝度を高めることができる。
〔実施形態B−2〕
本実施形態の発光装置1Bは、図4に示すように、プリント配線17が施された絶縁基板16上に発光素子2が表面実装されている。ここにおいて、発光素子2は、実施形態B−1と同様の構成であって、窒化ガリウム系半導体からなる発光層部21が蛍光体部3B上に形成され、蛍光体部3Bの後面に反射層23が形成されている。また、発光素子2は発光層部21のp形半導体層(図示せず)及びn形半導体層(図示せず)それぞれが、導電ワイヤ15,15を介してプリント配線17,17に電気的に接続されている。
また、絶縁基板16上には発光素子2を囲む枠状の枠材18が固着されており、枠材18の内側には発光素子2を封止・保護する封止部19を設けてある。
しかして、本実施形態の発光装置1Bにおいても、実施形態B−1と同様に、発光素子2と、発光素子2からの光により励起されて所望の波長の光を発光する蛍光体部3Bとを備えてなるので、発光素子2からの光と蛍光体からの光との合成光を得ることができる。また、実施形態B−1と同様、従来に比べて光色むらや光色ばらつきを少なくすることができるとともに、外部への光の取り出し効率を高めることができ、長寿命化を図ることも可能となる。
〔実施形態B−3〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、実施形態B−2で説明した枠材18(図4参照)を用いておらず、図5に示すように、封止部19の形状が異なる。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における封止部19は、発光素子2を封止する円錐台状の封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−2に比べて部品点数を少なくすることができ、小型化及び軽量化を図ることができる。しかも、封止部19の一部にレンズとして機能するレンズ機能部19bを設けたことにより、指向性の優れた配光を得ることができる。
〔実施形態B−4〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、図6に示すように、絶縁基板16の一面(図6における上面)に発光素子2を収納する凹所16aが設けられており、凹所16aの底部に発光素子2が実装され、凹所16a内に封止部19を設けている点に特徴がある。ここにおいて、絶縁基板16に形成されたプリント配線17,17は凹所16aの底部まで延長され、導電ワイヤ15,15を介して発光素子2の窒化ガリウム系半導体からなる発光層部21に電気的に接続されている。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは封止部19が絶縁基板16の上面に形成された凹所16aを充填することで形成されているので、実施形態B−2で説明した枠材18(図5参照)や実施形態B−3で説明した成形用金型を用いることなく封止部19を形成することができ、実施形態B−2,B−3に比べて発光素子2の封止工程を簡便に行えるという利点がある。
〔実施形態B−5〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図7に示すように、発光素子2が絶縁基板16に所謂フリップチップ実装されている点に特徴がある。すなわち、発光素子2は、発光層部21のp形半導体層(図示せず)及びn形半導体層(図示せず)それぞれの表面側に導電性材料からなるバンプ24,24が設けられており、発光層部21がフェースダウンでバンプ24,24を介して絶縁基板16のプリント配線17,17と電気的に接続されている。したがって、本実施形態における発光素子2は、絶縁基板16に最も近い側に発光層部21が配設され、絶縁基板16から最も遠い側に反射層23が配設され、発光層部21と反射層23との間に蛍光体部3Bが介在することになる。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発光装置1Bでは、反射層23で図7における下方(後方)へ反射された光は、凹所16aの内周面で反射されて同図における上方(前方)へ放射される。ここにおいて、凹所16aの内周面であってプリント配線17,17以外の部位には、反射率の高い材料からなる反射層を別途に設けることが望ましい。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは絶縁基板16に設けられたプリント配線17,17と発光素子2とを接続するために実施形態B−4のような導電ワイヤ15,15を必要としないので、実施形態B−4に比べて機械的強度及び信頼性を向上させることが可能となる。
〔実施形態B−6〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−5と略同じであって、図8に示すように、実施形態B−5で説明した反射層23を設けていない点が相違する。要するに、本実施形態の発光装置1Bでは、発光層部21で発光した光及び蛍光体部3Bで発光した光が封止部19を透過してそのまま前方へ放射されることになる。なお、実施形態B−5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−5に比べて部品点数を削減できて製造が容易になる。
〔実施形態B−7〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−1と略同じであって、図9に示すように、発光素子2を覆うモールド部11を備えており、モールド部11を蛍光体部と一体に形成している点に特徴がある。なお、実施形態B−1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発光装置1Bの製造にあたっては、モールド部11を設けていない仕掛品を蛍光体部形成液を溜めた成形金型の中に浸漬し、蛍光体部形成液(重縮合体)を硬化させる方法などによってモールド部11を形成している。
しかして、本実施形態では、モールド部11が蛍光体部と一体に形成されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、モールド部11の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
〔実施形態B−8〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−1と略同じであって、図10に示すように、モールド部11の外面に後面が開口されたカップ状の蛍光体部3Bが装着されている点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、実施形態B−1のように発光素子2に蛍光体部3Bを設ける代わりに、モールド部11の外周に沿う形状の蛍光体部3Bを設けているのである。なお、実施形態B−1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における蛍光体部3Bは、実施形態B−7で説明した蛍光体部形成液(重縮合体)を硬化させる方法により薄膜として形成してもよいし、あるいは予め固体の蛍光体部をカップ状に成形加工した部材をモールド部11に装着するようにしてもよい。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−7の発光装置1Bのようにモールド部11全体を蛍光体部と一体に形成する場合に比べて、蛍光体部の材料使用量の削減を図ることができ、低コスト化を図れる。
〔実施形態B−9〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は、実施形態B−2と略同じであって、図11に示すように、絶縁基板16の一面(図11の上面)側において発光素子2を囲むように配設された枠状の枠材18を備えており、枠材18の内側の封止部19を実施形態B−2で説明した蛍光体部3Bと同様の蛍光体部により形成している点に特徴がある。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態では、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
〔実施形態B−10〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は、実施形態B−2と略同じであって、図12に示すように、絶縁基板16の一面(図12の上面)側において発光素子2を囲むように配設された枠状の枠材18を備えており、枠材18の内側の封止部19を実施形態B−2で説明した蛍光体部3Bと同様の蛍光体部により形成している点に特徴がある。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態では、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面に蛍光体部3Bが形成され、発光素子2を覆う封止部19が蛍光体部により形成されているので、発光素子2の発光層部21の全方位に蛍光体部が存在することになり、蛍光体部の励起、発光を実施形態B−9に比べてより一層効率的に行えるという利点がある。
〔実施形態B−11〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、図13に示すように、透光性材料よりなる封止部19の上面に、あらかじめレンズ状に成形した蛍光体部33を配設している点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部33は、実施形態B−2で説明した蛍光体部3Bと同様の材質よりなり、発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、蛍光体部33が波長変換機能だけでなく、レンズとしての機能を有することになり、レンズ効果による発光の指向性制御を行うことができる。
〔実施形態B−12〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、図14に示すように、透光性材料よりなる封止部19の上面に、あらかじめレンズ状に成形した蛍光体部33を配設している点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部33は、実施形態B−2で説明した蛍光体部3Bと同様と同様の材質よりなり、発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、蛍光体部33が波長変換機能だけでなく、レンズとしての機能を有することになり、レンズ効果による発光の指向性制御を行うことができる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面に蛍光体部3Bが形成されているので、蛍光体部の励起、発光を実施形態B−11に比べてより一層効率的に行えるという利点がある。
〔実施形態B−13〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−3と略同じであって、図15に示すように、絶縁基板16の上面側において発光素子2を覆う封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部により形成されている点に特徴がある。ここに、封止部19は、実施形態B−3と同様に、発光素子2を封止する円錐台状の封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。なお、実施形態B−3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が発光素子2を封止・保護する機能だけでなく、発光素子2からの光を波長変換する波長変換機能、発光の指向性を制御するレンズ機能を有することになる。また、封止部19の耐候性を高めることができ、長寿命化を図ることができる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面に蛍光体部3Bが形成され、発光素子2を覆う封止部19が蛍光体部により形成されているので、発光素子2の発光層部21の全方位に蛍光体部が存在することになり、蛍光体部の励起、発光を実施形態B−12に比べてより一層効率的に行えるという利点がある。
〔実施形態B−14〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−3と略同じであって、図16に示すように、絶縁基板16の一面(図16の上面)側において発光素子2を覆う封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されている点に特徴がある。ここに、封止部19は、実施形態B−3と同様に、発光素子2を封止する円錐台状の封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。なお、実施形態B−3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が発光素子2を封止・保護する機能だけでなく、発光素子2からの光を波長変換する波長変換機能、発光の指向性を制御するレンズ機能を有することになる。また、封止部19の耐候性を高めることができ、長寿命化を図ることができる。
〔実施形態B−15〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−3と略同じであって、図17に示すように、絶縁基板16の上面側において発光素子2を覆うドーム状の蛍光体部34を配設し、蛍光体部34の外面側に透光性樹脂からなる封止部19が形成されている点に特徴がある。ここに、封止部19は、実施形態B−3と同様に、発光素子2を封止する封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。なお、実施形態B−3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−13,B−14に比べて蛍光体部34の材料使用量を低減することができる。また、本実施形態では、発光素子2を覆うドーム状の蛍光体部34が配設されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、外部からの水分などによる発光素子2の劣化をより確実に防止することができ、長寿命化を図ることができる。
〔実施形態B−16〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−3と略同じであって、図18に示すように、絶縁基板16の上面側において発光素子2を覆うドーム状の蛍光体部34を配設し、蛍光体部34の外面側に封止部19が形成されている点に特徴がある。ここに、封止部19は、実施形態B−3と同様に、発光素子2を封止する封止機能部19aと封止部19の前端部においてレンズとして機能するレンズ状のレンズ機能部19bとで構成されている。なお、実施形態B−3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−13,B−14に比べて蛍光体部34の材料使用量を低減することができる。また、本実施形態では、発光素子2を覆うドーム状の蛍光体部34が配設されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、外部からの水分などによる発光素子2の劣化をより確実に防止することができ、長寿命化を図ることができる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面に蛍光体部3Bが形成され、発光素子2を覆う封止部19が蛍光体部により形成されているので、発光素子2の発光層部21の全方位に蛍光体部が存在することになり、蛍光体部の励起、発光を実施形態B−15に比べてより一層効率的に行えるという利点がある。
〔実施形態B−17〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図19に示すように、絶縁基板16の一面(図19における上面)に設けた凹所16aの底部に配設された発光素子2を封止する封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部により形成されている点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部は実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面に蛍光体部3Bが形成され、発光素子2を覆う封止部19が蛍光体部3Bにより形成されているので、発光素子2の発光層部21の全方位に蛍光体部が存在することになり、蛍光体部の励起、発光を実施形態B−15に比べてより一層効率的に行えるという利点がある。
〔実施形態B−18〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図20に示すように、絶縁基板16の一面(図20における上面)に設けた凹所16aの底部に配設された発光素子2を封止する封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されている点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部3Bは実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部3Bとして後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
〔実施形態B−19〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図21に示すように、封止部19の上面(光取り出し面)に予めレンズ状に成形した蛍光体部33を配設している点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部33は実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、蛍光体部33が波長変換機能だけでなく、レンズとしての機能を有することになり、レンズ効果による発光の指向性制御を行うことができる。
〔実施形態B−20〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図22に示すように、封止部19の上面(光取り出し面)に予めレンズ状に成形した蛍光体部33を配設している点に特徴がある。ここにおいて、蛍光体部33は実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、蛍光体部33が波長変換機能だけでなく、レンズとしての機能を有することになり、レンズ効果による発光の指向性制御を行うことができる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21の後面にも蛍光体部3Bが配設されているので、実施形態B−19に比べて蛍光体部の励起、発光がより一層効率的に行われるという利点がある。
〔実施形態B−21〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−5と略同じであって、図23に示すように、絶縁基板16の一面(図23における上面)に設けた凹所16aの底部に配設された発光素子2を封止する封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されている点に特徴がある。ここにおいて、封止部19は、予め、図24に示すように、外周形状が凹所16aに対応する形状であって発光素子2に対応する部位に発光素子2を収納するための凹部19cを有する形状に加工したものを、発光素子2が実装された絶縁基板16の凹所16aに装着しているので、封止工程を簡便化することができる。また、封止部19を形成する蛍光体部3Bは実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部3Bとして後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。また、本実施形態では、発光素子2の発光層部21から前方へ放射された光が反射層23によって一旦、凹所16aの内底面側に向けて反射されるので、凹所16aの内底面及び内周面に反射層を設けておけば、凹所16aの内底面及び内周面でさらに反射されて前方へ放射されることになって光路長を長くとれ、蛍光体部3Bにより効率的に励起、発光を行うことができるという利点がある。
〔実施形態B−22〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−5と略同じであって、図25に示すように、絶縁基板16の一面(図25における上面)に設けた凹所16aの底部に配設された発光素子2を封止する封止部19を備えており、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されている点に特徴がある。ここにおいて、封止部19は、予め、図26に示すように、外周形状が凹所16aに対応する形状であって発光素子2に対応する部位に発光素子2を収納するための凹部19cを有する形状に加工したものを、発光素子2が実装された絶縁基板16の凹所16aに装着しているので、封止工程を簡便化することができる。また、封止部19を形成する蛍光体部3Bは実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されているので、蛍光体部3Bとして後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性等を高めたり、長期間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
〔実施形態B−23〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−6と略同じであって、図27に示すように、発光素子2の上面に、予めロッド状に加工した蛍光体部3Bを配設している点に特徴がある。ここにおいて、発光素子2及び蛍光体部3Bの周囲には透光性材料からなる封止部19が形成されており、蛍光体部3Bは一端面(図27における下端面)が発光素子2の発光層部21に密着し他端面(図27における上端面)が露出している。なお、実施形態B−6と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、上記一端面が発光素子2の発光層部21に密着する蛍光体部3Bがロッド状に形成されているので、発光層部21で発光した光を蛍光体部3Bの上記一端面を通して蛍光体部3Bへ効率的に取り込むことができ、取り込んだ光により励起された蛍光体部3Bの発光を蛍光体部3Bの上記他端面を通して外部へ効率的に放射させることができる。なお、本実施形態では、蛍光体部3Bを比較的大径のロッド状に形成して1つだけ用いているが、図28に示すように蛍光体部3Bを比較的小径のファイバ状に形成して複数本の蛍光体部3Bを並べて配設するようにしてもよい。また、蛍光体部3Bの断面形状は円形に限らず、例えば四角形状に形成してもよいし、その他の形状に形成してもよいのは勿論である。
〔実施形態B−24〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−23と略同じであって、図29に示すように、絶縁基板16の凹所16a内に設けた封止部19を備え、封止部19が蛍光体部3Bにより形成されている点に特徴がある。ここにおいて、封止部19は、予め、図30に示すように、外周形状が凹所16aに対応する形状であって発光素子2に対応する部位に発光素子2を収納するための貫通孔19dを有する形状に加工したものを、発光素子2が実装された絶縁基板16の凹所16aに装着しているので、封止工程を簡便化することができる。また、封止部19を形成する蛍光体部3Bは実施形態B−1で説明した蛍光体部3Bと同様に発光素子2からの光によって励起され所望の波長の光を発光するものである。なお、実施形態B−23と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、封止部19も蛍光体部3Bにより形成されているので、長寿命化及び発光の高効率化を図ることができる。なお、本実施形態では、蛍光体部3Bを比較的大径のロッド状に形成して1つだけ用いているが、図31に示すように蛍光体部3Bを比較的小径のファイバ状に形成して複数本の蛍光体部3Bを並べて配設するようにしてもよい。また、蛍光体部3Bの断面形状は円形に限らず、例えば四角形状に形成してもよいし、その他の形状に形成してもよいのは勿論である。
〔実施形態B−25〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、図32に示すように絶縁基板16の一面(図32における上面)側に配設された枠材18を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、枠材18の内側の封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散されている点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bとして、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。
したがって、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。本実施形態では、蛍光体部3Bから青色光が放射されるとともに、蛍光体粉末から黄色光が放射され、いずれの発光色とも異なる白色光を得ることができる。
なお、既存の蛍光体粉末や蛍光体部の蛍光体粒子ではそれぞれに発光可能な材料が限定されており、いずれか一方だけでは所望の光色が得られないこともあり、このような場合には本実施形態は極めて有効である。つまり、蛍光体部3Bだけで所望の光色特性が得られない場合には、蛍光体部3Bに欠けている適当な光色特性を有する蛍光体粉末を併用して補完することにより、所望の光色特性の発光装置1Bが実現できる。また、本実施形態では、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。ここに、蛍光体部3Bと蛍光体粉末とで発光色を略同色とする場合には、例えば、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として赤色光を発光するP・SrF・BaF:Eu3+を用いるとともに、蛍光体粉末として赤色光を発光するYS:Eu3+を用いれば、赤色発光の高効率化を図れる。この蛍光体部3Bと蛍光体粉末との組み合わせは一例であって他の組み合わせを採用してもよいことは勿論である。
〔実施形態B−26〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−3と略同じであって、図33に示すように、絶縁基板16の一面(図33の上面)側において発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−27〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−4と略同じであって、図34に示すように、絶縁基板16の上面に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−28〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−5と略同じであって、図35に示すように、絶縁基板16の一面(図35における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−29〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−6と略同じであって、図36に示すように、絶縁基板16の一面(図36における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−6と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−30〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−1と略同じであって、図37(a),(b)に示すように、砲弾形のモールド部11を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、モールド部11として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、モールド部11が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末がモールド部11に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bとモールド部11中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−31〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−8と略同じであって、図38に示すように、砲弾形のモールド部11を備え、発光素子2の発光層部21(図38では図示を略している。)がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、モールド部11として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、モールド部11が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−8と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末がモールド部11に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bとモールド部11中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−32〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−11と略同じであって、図39に示すように、絶縁基板16の一面(図39の上面)側において発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部33の蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−11と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部33から放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部33と封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色に揃えておけば、蛍光体部33の発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−33〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−15と略同じであって、図40に示すように、絶縁基板16の一面(図40の上面)側において発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部34の蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−15と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部34から放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部34と封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部34の発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部34の発光色に揃えておけば、蛍光体部34の発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−34〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−19と略同じであって、図41に示すように、絶縁基板16の一面(図41における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部33の蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−19と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部33から放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部33と封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色に揃えておけば、蛍光体部33の発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−35〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−12,B−22と略同じであって、図42に示すように、絶縁基板16の一面(図42における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部33の蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−12,B−22と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部33と封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部33の発光色に揃えておけば、蛍光体部33の発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−36〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−12と略同じであって、図43に示すように、絶縁基板16の上面側において発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−12と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−37〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−16と略同じであって、図44に示すように、絶縁基板16の一面(図44の上面)側において発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部34の蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−16と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部34から放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部34と封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部34の発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部34の発光色に揃えておけば、蛍光体部34の発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−38〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−20と略同じであって、図45に示すように、絶縁基板16の一面(図45における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−20と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−39〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−5,B−12と略同じであって、図46に示すように、絶縁基板16の一面(図46における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−5,B−12と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−40〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−20,B−21と略同じであって、図47に示すように、絶縁基板16の一面(図47における上面)に形成された凹所16aに充填されて発光素子2を封止する封止部19を備え、発光素子2の発光層部21がAlGaN系で近紫外光を発光するものであり、封止部19として用いる透光性材料中に蛍光体粉末(例えば、近紫外光により励起されて黄色光を発光するYAG:Ce3+蛍光体の粉末)が分散され、封止部19が蛍光体部として機能している点に特徴がある。また、本実施形態では、蛍光体部3Bの蛍光体粒子として、フツリン酸塩系ガラス(例えば、近紫外光により励起されて青色光を発光するP・AlF・MgF・CaF・SrF・BaCl:Eu2+)を用いている。なお、実施形態B−20,B−21と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置1Bでは、実施形態B−25と同様、発光素子2からの光により励起されて発光する蛍光体粉末が封止部19に分散されているので、発光素子2から放射された光と蛍光体部3Bから放射された光と蛍光体粉末から放射された光との合成光からなる光出力が得られる。つまり、実施形態B−25と同様に、発光素子2の発光層部21の材料として近紫外光を発光する材料を選んでおけば、発光素子2から放射された光によって蛍光体部3Bと封止部19中の蛍光体粉末との双方が励起されてそれぞれが固有の発光を呈し、その合成光が得られることになる。また、本実施形態においても、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色と異ならせてあるが、蛍光体粉末の発光色を蛍光体部3Bの発光色に揃えておけば、蛍光体部3Bの発光に蛍光体粉末の発光が重畳され、光出力を増加することができ、発光効率を高めることができる。
〔実施形態B−41〕
本実施形態の発光装置1Bの基本構成は実施形態B−2と略同じであって、図48に示すように、絶縁基板16の一面(図48の上面)側において発光素子2を囲むように配設された枠状の枠材18を備えており、枠材18の内側の封止部19を実施形態B−2で説明した蛍光体部3Bと同様の蛍光体部により形成している点に特徴がある。ここに、発光素子2と封止部19の上面側は、ガラスや高気密樹脂よりなる透明蓋体36により外界の酸素や水分から遮断されている。なお、実施形態B−2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。蓋体36と封止部19は直接接していても空隙を有していても良いが、空隙無い方が光取り出し効率高く輝度高い半導体発光装置を得ることができる。空隙を有する場合、真空封止や不活性ガス封入とすることが好ましい。
しかして、本実施形態では、封止部19が蛍光体部により形成されているので、蛍光体部として後述するように本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、封止部19の封止性、透明性、耐光性、耐熱性を高めたり、長時間使用に伴うクラックや剥離を抑制したりすることが可能となる。
また、本実施形態では、水分や酸素など蛍光体・封止樹脂の劣化を促進する外界因子の侵入や、熱・光による封止樹脂分解ガスの揮発が蓋体36により抑制されるため、これらに起因する輝度低下や封止部収縮剥離が低減できるという利点がある。
ところで、上記各実施形態では、蛍光体部3Bを所望の形状に加工したりゾルゲル法で形成したりしているが、図49に示すように、蛍光体部3Bを直径が可視波長よりもやや大きな球状に形成して多数の蛍光体部3Bを透光性材料からなる固体媒質35中に分散させて上記各実施形態における蛍光体部の代わりに用いるようにすれば、可視波長域での蛍光体部の透明性を維持しながらも蛍光体部の材料使用量の低減化を図ることができ、低コスト化を図れる。
また、上記各実施形態の発光装置1Bは1個の発光素子2しか備えていないが、複数個の発光素子2により1単位のモジュールを構成し、モジュールの少なくとも一部に発光物質としての蛍光体部を近接して配設するようにしてもよいことは勿論である。なお、例えば実施形態B−1で説明したような砲弾形のモールド部11を備える発光装置の場合には複数個の発光装置を同一プリント基板に実装して1単位のモジュールを構成するようにしてもよい。また、例えば実施形態B−2で説明したような表面実装型の発光装置については複数個の発光素子2を同一の絶縁基板16上に配設して1単位のモジュールを構成するようにしてもよい。
〔半導体発光デバイス用部材の適用〕
以上説明した各実施形態A−1,A−2,B−1〜B−41の発光装置(半導体発光装置)1A,1Bにおいて、本発明の半導体発光デバイス用部材を適用する箇所は特に制限されない。上記の各実施形態においては、透明部材3Aや蛍光体部3B,33,34などを形成する部材として本発明の半導体発光デバイス用部材を適用した例を示したが、これ以外にも、例えば上述のモールド部11、枠材18、封止部19等を形成する部材として好適に用いることができる。これらの部材として本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることにより、上述した優れた封止性、透明性、耐光性、耐熱性、成膜性、長期間使用に伴うクラックや剥離の抑制等の各種の効果を得ることが可能となる。
また、本発明の半導体発光デバイス用部材を適用する場合には、本発明を適用する箇所に応じて、適宜変形を加えるのが好ましい。例えば、蛍光体部3B,33,34に本発明を適用する場合には、上述した蛍光体粒子又は蛍光体イオンや蛍光染料等の蛍光成分を本発明の半導体発光デバイス用部材に混合して用いればよい。これによって、上に挙げた各種効果に加え、蛍光体の保持性を高めるという効果を得ることができる。
また、本発明の半導体発光デバイス用部材は耐久性に優れているので、蛍光体を含まず単独で使用しても、光耐久性(紫外線耐久性)や熱耐久性に優れた封止材料(無機系接着剤用途)として、発光素子(LEDチップ等)を封止することが可能である。
また、先述した無機粒子を本発明の半導体発光デバイス用部材に混合して用いれば、上に挙げた各種効果に加え、無機粒子の併用の説明において先述した効果を得ることが可能となる。特に、無機粒子を併用することにより、発光素子の屈折率と近い屈折率となるように調整したものは、好適な光取り出し膜として作用する。
〔半導体発光装置の用途等〕
半導体発光装置は、例えば、発光装置に用いることができる。半導体発光装置を発光装置に用いる場合、当該発光装置は、赤色蛍光体、青色蛍光体及び緑色蛍光体の混合物を含む蛍光体含有層を、光源上に配置すればよい。この場合、赤色蛍光体は、青色蛍光体、緑色蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、青色蛍光体と緑色蛍光体を含有する層の上に赤色蛍光体を含有する層が積層されていてもよい。
発光装置において、蛍光体含有層は光源の上部に設けることができる。蛍光体含有層は、光源と封止樹脂部との間の接触層として、または、封止樹脂部の外側のコーティング層として、または、外部キャップの内側のコーティング層として提供できる。また、封止樹脂内に蛍光体を含有させた形態をとることもできる。
使用される封止樹脂としては、本発明の半導体発光デバイス用部材を用いることができる。また、その他の樹脂を使用することもできる。そのような樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。また、無機系材料、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液又はこれらの組み合わせを固化した無機系材料、例えばシロキサン結合を有する無機系材料を用いることができる。なお、封止樹脂は、1種を用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
封止樹脂に対する蛍光体の使用量は特に限定されるものではないが、通常、封止樹脂100重量部に対して0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常100重量部以下、好ましくは80重量部以下、より好ましくは60重量部以下である。
また、封止樹脂に蛍光体や無機粒子以外の成分を含有させることもできる。例えば、色調補正用の色素、酸化防止剤、燐系加工安定剤等の加工・酸化および熱安定化剤、紫外線吸収剤等の耐光性安定化剤およびシランカップリング剤を含有させることができる。なお、これらの成分は、1種で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
光源に制限は無いが、350nm〜500nmの範囲にピーク波長を有する光を発光するものが好ましく、具体例としては、発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオード(LD)等を挙げることができる。その中でも、GaN系化合物半導体を使用した、GaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、前記蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、20mAの電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。GaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層、GaN発光層、またはInGaN発光層を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でInGaN発光層を有するものが発光強度が非常に強いので、特に好ましく、GaN系LDにおいては、InGaN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光強度が非常に強いので、特に好ましい。
なお、上記においてX+Yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、および基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、またはInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが発光効率が高く、好ましく、さらにヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが発光効率がさらに高く、より好ましい。
発光装置は、白色光を発するものであり、装置の発光効率が20lm/W以上、好ましくは22lm/W以上、より好ましくは25lm/W以上であり、特に好ましくは28lm/W以上であり、平均演色評価指数Raが80以上、好ましくは85以上、より好ましくは88以上である。
[電力量]
本発明の半導体発光装置は、高出力のパワーデバイス用途に特に優れている。したがって、パワーデバイス用途に用いられる場合、動作時の電力量が、通常が0.1W以上であり、通常10W以下、好ましくは7W以下である。発光面の電力量が小さすぎると、十分な輝度を得ることができず、パワーデバイス用途として用いることが困難である。発光面の電力量が大きすぎると発熱量も多くなってしまうので、チップ温度が異常に上昇し、発光出力を大きく低下させたり、チップが破壊する可能性がある。
なお、本発明の半導体発光装置において発熱量が多い場合は、半導体発光装置と直接接する部分にヒートシンクを設けることが好ましい。
[照明装置、及び画像表示装置]
本発明の半導体発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能である。また、単独で、又は複数個を組み合わせて用いても良い。具体的には、例えば、照明ランプ、液晶パネル用等のバックライト、超薄型照明等の種々の照明装置、画像表示装置の光源として使用することができる。なお、本発明の半導体発光装置を画像表示装置が備える光源として用いる場合には、カラーフィルターと併用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、それらは本発明の説明を目的とするものであって、本発明をこれらの態様に限定することを意図したものではない。
[1]分析方法
後述する各実施例及び各比較例の半導体デバイス用部材について、以下の手順で分析を行なった。
[1−1]耐熱性試験
後述の実施例及び比較例の封止材(半導体デバイス用部材)について、テフロン(登録商標)シャーレを用いて作製した直径5cm、膜厚1mmのサンプルを温度200℃の通風乾燥機中で500時間保持した。このサンプルの400nmにおける透過率変化を試験前後で比較した。
[1−2]耐UV性試験
後述の実施例及び比較例の封止材(半導体デバイス用部材)について、テフロン(登録商標)シャーレを用いて作製した直径5cm、膜厚約0.5mmのサンプルを用い、下記条件にて紫外光を照射し、照射前後の膜の波長400nmの光における透過率の維持率を測定した。
照射装置:スガ試験機株式会社製加速耐光試験機 メタリングウエザーメーターMV30照射波長:255nm以上、主波長は300nm〜450nm(480nm〜580nmに輝線有り)の照射光を紫外線カットフィルムを用いて、中心波長380nm、波長370nm以上とした。
照射時間:72時間
放射強度:0.6kW/m
[1−3]連続点灯試験
後述の実施例及び比較例で得られた封止材液を用いて半導体発光装置を作製し、その半導体発光装置について、以下の連続点灯試験を行なった。
[1−3−1]半導体発光装置の作製
クリー社製の900μm角チップ「C460−XB900」を、Au−Sn共晶半田シートを介してエムシーオー社製メタルパッケージ上に固着させた。チップ上の電極から金線にてメタルパッケージ上のピンにワイヤボンディングした。メタルパッケージとしてエムシーオー株式会社製の「3PINMETAL」(リフレクタは銀メッキ付き銅製9mmΦ、電極ピンまわりのハーメチックシールは低融点ガラス製)を使用した。
[1−3−2]連続点灯試験
チップ(半導体素子)に、発光面の温度が100±10℃となる様に維持しながら350mAの駆動電流を通電して、温度85℃相対湿度85%にて500時間連続点灯を行った。点灯直後の輝度に対する500時間後の輝度の百分率(輝度維持率)を測定した。
なお、輝度の測定には、オーシャンオプティクス社製分光器「USB2000」(積算波長範囲:380〜800nm、受光方式:100mmφの積分球)を用い、25℃恒温槽内で測定した。温度上昇を防ぐために、熱伝導性絶縁シートを介し3mm厚のアルミ板にて放熱を行なった。
[1−4]密着性評価方法
(1)実施例及び比較例の封止材の硬化前の加水分解・重縮合液(半導体デバイス用部材形成液)を直径9mm、凹部の深さ1mmのAgメッキ表面の銅製カップ(エムシーオー株式会社製メタルパッケージ「3PINMETAL」の電極ピンを取り除いたもの。チップ実装無し。)に滴下し、所定の硬化条件で硬化させて測定用サンプルを作製した。
(2)厚さ1mm、縦25mm、横70mmのアルミ板に放熱用シリコーングリースを薄く塗り、得られた測定用サンプルを並べて温度85℃、湿度85%の雰囲気(以下適宜、「吸湿環境」という)下で1時間吸湿させた。
(3)吸湿させた測定用サンプルを、前記(2)の吸湿環境下から取り出し、室温(20〜25℃)まで冷却させた。260℃に設定したホットプレート上に、吸湿させ冷却した測定用サンプルをアルミ板ごと戴置し、1分間保持した。この条件において、測定用サンプル実温は約50秒で260℃に達し、その後10秒間260℃に保持された。
(4)加熱後のサンプルをアルミ板ごとステンレス製、室温の冷却板上に置き、室温まで冷却させた。目視及び顕微鏡観察により、測定用サンプルの前記銅製カップからの剥離の有無を観察した。わずかでも剥離が観察されるものは、「剥離有」とした。
(5)測定用サンプル10個につき、それぞれ、前記(2)、(3)及び(4)の操作を実施し、前記測定用サンプルの剥離率を求めた。
[2]実験操作
<実施例1>
GE東芝シリコーン製両末端シラノールジメチルシリコーンオイルXC96−723を140g、フェニルトリメトキシシランを14g、及び、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート粉末を0.308g用意し、これを攪拌翼とコンデンサとを取り付けた三つ口コルベン中に計量し、室温にて15分触媒が十分溶解するまで攪拌した。この後、反応液を120℃まで昇温し、120℃全還流下で30分間攪拌しつつ初期加水分解を行った。
続いて窒素をSV20で吹き込み生成メタノール及び水分、副生物の低沸ケイ素成分を留去しつつ120℃で攪拌し、さらに6時間重合反応を進めた。なお、ここで「SV」とは「Space Velocity」の略称であり、単位時間当たりの吹き込み体積量を指す。よって、SV20とは、1時間に反応液の20倍の体積のNを吹き込むことをいう。
窒素の吹き込みを停止し反応液をいったん室温まで冷却した後、ナス型フラスコに反応液を移し、ロータリーエバポレーターを用いてオイルバス上120℃、1kPaで20分間微量に残留しているメタノール及び水分、低沸ケイ素成分を留去し、無溶剤の封止材液(半導体デバイス用部材形成液)を得た。
上述の封止材液2gを直径5cmのテフロン(登録商標)シャーレに入れ、防爆炉中、微風下、110℃で1時間保持し、次いで150℃で3時間保持したところ、厚さ約1mmの独立した円形透明エラストマー状膜が得られた。これをサンプルとして用いて、上記[1]の各評価を行なった。結果を表2に示す。
<実施例2>
GE東芝シリコーン製両末端シラノールジメチルシリコーンオイルXC96−723を100g、フェニルトリメトキシシランを10g、及び、触媒としてジルコニウムテトラn−プロポキシド溶液(ジルコニウムテトラn−プロポキシドの75重量%n−プロパノール溶液5重量部をトルエン95重量部で希釈したもの)を22g用意し、これを攪拌翼とコンデンサとを取り付けた三つ口コルベン中に計量し、室温にて大気圧下15分攪拌し、初期加水分解を行った後に約50℃にて8時間攪拌しつつ加熱した。この後、反応液を室温まで冷却し、ナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて50℃、1kPaで30分間溶媒及び反応によって生じたアルコールや水分、低沸ケイ素成分を留去し、無溶剤の封止材液を得た。
上述の封止材液2gを、実施例1と同様に、直径5cmのテフロン(登録商標)シャーレに入れ、防爆炉中、微風下、110℃で1時間保持し、次いで150℃で3時間保持したところ、厚さ約1mmの独立した円形透明エラストマー状膜が得られた。これをサンプルとして用いて、上記[1]の各評価を行なった。結果を表2に示す。
<実施例3>
攪拌翼とジムロートコンデンサを取り付けた100ccコルベンに信越化学製メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99を27g、東京化成工業製ビニルトリメトキシシラン32.41g、及び白金元素換算で5ppmの付加縮合触媒を計量し、攪拌して均一に混合した。この液を窒素雰囲気下100℃で20時間加熱し、粘度300mPa・sのメトキシ基含有ポリジメチルシロキサンを得た。H−NMRにてこの液のビニル基残存量を測定したところ、完全に消失していた。100mlナス型フラスコにてこの液1gにモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製両末端シラノールポリジメチルシロキサンXC96−723を10g、及び縮合触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート粉末0.011gを混合し、室温にて密栓して触媒が完全に溶解するまでスターラー攪拌した。この後、ジムロートコンデンサを取り付けて窒素雰囲気下反応液を110℃に昇温し、30分間リフラックスを行なった。反応液をいったん室温まで冷却した後、ナス型フラスコをロータリーエバポレーターに接続し、オイルバス上で120℃、1kPaで30分間微量に残留しているメタノール及び水分、低沸ケイ素成分を留去し、無溶剤の封止材液(半導体デバイス用部材形成液)を得た。
この封止材液を用いて[1−1]耐熱性試験、[1−2]耐UV性試験[1−3]連続点灯試験及び[1−4]密着性評価方法を実施した。この際、前記所定の硬化条件として、90℃で2時間、110℃で1時間、続いて150℃で3時間保持することにより封止材液を硬化させるようにした。結果を表2に示す。
<実施例4>
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社(GE東芝シリコーン社から社名変更)製両末端シラノールジメチルシリコーンオイルXC96−723を1560.09g、メチルトリメトキシシランを41.71g、及び、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトネート粉末1.119gを、攪拌翼、分留管、ジムロートコンデンサ及びリービッヒコンデンサを取り付けた2L三つ口コルベン中に計量し、室温にて15分触媒の粗大粒子が溶解するまで攪拌した。この後、反応液を100℃まで昇温して触媒を完全溶解し、100℃全還流下で30分間、400rpmで攪拌しつつ初期加水分解を行った。
続いて留出をリービッヒコンデンサ側に接続し、窒素をSV20で液中に吹き込み、生成メタノール及び水分、並びに副生物の低沸ケイ素成分を窒素に随伴させて留去しつつ100℃、500rpmにて1時間攪拌した。この後窒素をSV20で液中に吹き込みながらさらに130℃に昇温、4時間保持し、さらにSV40として0.8時間重合反応を継続し、粘度119mPa・sの反応液を得た。
窒素の吹き込みを停止し、反応液をいったん室温まで冷却した後、ナス型フラスコに反応液を移し、ロータリーエバポレーターを用いてオイルバス上110℃、1kPaで20分間、微量に残留しているメタノール、水分、及び低沸ケイ素成分を留去し、粘度200mPa・sの無溶剤の封止材液(半導体デバイス用部材形成液)を得た。
上述の封止材液を用いたことの他は実施例1と同様にして、〔1−1〕耐熱性試験、〔1−2〕耐UV性試験、〔1−3〕連続点灯試験及び〔1−4〕密着性評価方法を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1>〜<比較例4>
表2に示す市販の封止材を用いて、上記[1]の各評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2009224754
[実施例5,6:銀メッキ電極保護膜の効果の検証]
前述の実施例4で得られた封止材液を用いて近紫外光励起白色半導体発光装置を作製し、その半導体発光装置について連続点灯試験を行なった。
[1]保護膜無し半導体発光装置の作製
半導体発光素子(以下、チップと言う)として、ピーク波長が405nm、半値幅30nm、サイズ350μm×350μmである方形の、サファイア基板上に発光層が形成された複数のGaN系発光ダイオード(LED)を用いた。より詳しくは、直径が8mmの表面実装型窒化アルミパッケージ(リフレクタ部分はコバール)の底面の銀メッキ電極に、405nmの発光波長を有する12個のフリップチップ型GaN系発光素子を金バンプにてフリップボンド実装し、半導体発光装置を作製した。
[2]保護膜付き半導体発光装置の作製
[2−1]保護膜形成液調液
信越化学工業株式会社製メチルトリメトキシシラン6.09g、酢酸0.00269g、メタノール21.49g、および水2.42gを耐熱ネジ口ガラス瓶に計量した後、蓋を閉めて、スターラーにて15分間混合攪拌を行った。ガラス瓶を50℃の温水バス中に移し、スターラーにて攪拌しながら8時間、加水分解及び重縮合反応を継続した。反応終了後、室温に戻した反応液を−15℃の冷凍庫にて60日保管・熟成したものを保護膜形成液とした。
[2−2]保護膜の塗布・硬化
室温に戻した保護膜形成液1滴(約0.025g)を[1]で作製した半導体発光装置の底面電極上にピペットにて滴下すると液は電極を含む底面全体に濡れ広がり、フリップチップボンディングされたチップの下に保護膜形成液が浸透した。この半導体発光装置をガラスシャーレの壁に開口部を下にして45°の角度に立てかけ、シャーレの蓋を閉めて25℃にて30分間液切りを行った。この際急速な溶媒蒸発乾燥によるクラック・剥離を抑制し薄いコート膜とするために、シャーレ底にメタノールを含浸させたろ紙を入れ、シャーレ内がメタノール蒸気雰囲気となるようにした。
液切り後の半導体発光装置を開口部が上向きになるようにシャーレに置き、シャーレ蓋を開放し25℃にて5分間放置してメタノールを蒸発させた。その後、通風乾燥機を用いて150℃にて3時間保護膜の硬化を行った。これにより、パッケージの電極部分を含む底面全体に保護膜が形成された半導体発光装置が得られた。得られた保護膜付き半導体発光装置を顕微鏡観察したところ、底面全体に薄く均一に透明保護膜が形成され、保護膜の剥離・クラックは認められなかった。
[3]近紫外光励起白色半導体発光装置の製造
[3−1]蛍光体含有層形成液の製造
前述の実施例4で合成した封止材液に、赤色蛍光体としてCaAlS(ON):Eu、緑蛍光体として(BaSr)SiO:Eu、青蛍光体としてBaMgAl1017:Eu、チキソ剤として日本アエロジル社製疎水性ヒュームドシリカ「アエロジルRX200」を添加した後、シンキー社製攪拌脱泡装置「泡取り錬太郎AR−100」にて混合し、蛍光体含有層形成液を得た。
[3−2]半導体発光装置の作製
ディスペンサを用いて、[3−1]で得られた蛍光体含有層形成液30μL(カップ凹部部分体積30μLに対して全量)を、前出の保護膜無し半導体発光装置及び保護膜付き半導体発光装置に各々注液し、減圧できるデシケーターボックス中で25℃、1kPaの条件下5分保持して注液時に生じた巻き込み気泡や溶存空気・水分を除去した。次いでこのLEDパッケージを、90℃で2時間、110℃で1時間、続いて150℃で3時間保持してこの封止材液を硬化させ、カップ部底部の半導体素子を赤、緑、青の混合蛍光体層で覆う半導体発光装置を形成した。得られた半導体発光装置のうち、保護膜が無いものを実施例5の半導体発光装置とし、保護膜付きのものを実施例6の半導体発光装置という。
[4]連続点灯試験
アルミ製放熱基板上に実施例5,6の半導体発光装置を取り付け、さらに熱伝導シートを介して放熱基板下にヒートシンクを取り付け、放熱基板とヒートシンクをネジ止め固定した。チップ(半導体素子)発光面の温度が100±10℃となるように維持しながら480mAの駆動電流を通電して、温度85℃相対湿度85%にて1000時間の連続点灯を行った。後述の輝度測定方法にて初期輝度(Lumen)に対する1000時間後の輝度の百分率(輝度維持率)を測定した。
なお、輝度の測定には、オーシャンオプティクス社製分光器「USB2000」(積算波長範囲:355〜800nm、受光方式:100mmφの積分球)を用い、分光器本体の温度変化によるデータ外乱を防ぐため分光器を25℃恒温槽内に保持して測定した。測定中は半導体発光装置の温度上昇を防ぐために、連続点灯試験に用いたアルミ製放熱基板・熱伝導シート及びヒートシンクをそのまま用いて放熱を行った。結果を表3に示す。
Figure 2009224754
表3から、銀メッキ電極を保護膜無しでそのまま使用した実施例5と比較し、電極からのAgマイグレーション及び蛍光体由来アルカリイオンの電極表面への移動を抑制する透明保護膜を形成した実施例6は、Agリフレクター上の剥離や変色に起因する発光スペクトル強度の全波長域にわたる低下が抑制され、高温高湿の加速劣化環境下でも長時間輝度を維持することができることがわかる。
本発明の半導体発光装置は、長期間使用してもクラックや剥離を生じることなく、特にパワーデバイスに用いた場合も優れた輝度(反射率)、耐久性・耐熱性、耐光性、密着性等を有するため、半導体発光装置、並びにそれが適用されうる照明装置、及び画像表示装置等の各分野において、その産業上の利用可能性は極めて高い。
実施形態A−1を示す概略断面図である。 実施形態A−2を示す概略断面図である。 実施形態B−1を示し、(a)は概略断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 実施形態B−2を示す概略断面図である。 実施形態B−3を示す概略断面図である。 実施形態B−4を示す概略断面図である。 実施形態B−5を示す概略断面図である。 実施形態B−6を示す概略断面図である。 実施形態B−7を示す概略断面図である。 実施形態B−8を示す概略断面図である。 実施形態B−9を示す概略断面図である。 実施形態B−10を示す概略断面図である。 実施形態B−11を示す概略断面図である。 実施形態B−12を示す概略断面図である。 実施形態B−13を示す概略断面図である。 実施形態B−14を示す概略断面図である。 実施形態B−15を示す概略断面図である。 実施形態B−16を示す概略断面図である。 実施形態B−17を示す概略断面図である。 実施形態B−18を示す概略断面図である。 実施形態B−19を示す概略断面図である。 実施形態B−20を示す概略断面図である。 実施形態B−21を示す概略断面図である。 実施形態B−21について示す要部断面図である。 実施形態B−22を示す概略断面図である。 実施形態B−22について示す要部断面図である。 実施形態B−23を示す概略断面図である。 実施形態B−23について示す要部斜視図である。 実施形態B−24を示す概略断面図である。 実施形態B−24について示す要部断面図である。 実施形態B−24について示す要部斜視図である。 実施形態B−25を示す概略断面図である。 実施形態B−26を示す概略断面図である。 実施形態B−27を示す概略断面図である。 実施形態B−28を示す概略断面図である。 実施形態B−29を示す概略断面図である。 実施形態B−30を示し、(a)は概略断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 実施形態B−31を示す概略断面図である。 実施形態B−32を示す概略断面図である。 実施形態B−33を示す概略断面図である。 実施形態B−34を示す概略断面図である。 実施形態B−35を示す概略断面図である。 実施形態B−36を示す概略断面図である。 実施形態B−37を示す概略断面図である。 実施形態B−38を示す概略断面図である。 実施形態B−39を示す概略断面図である。 実施形態B−40を示す概略断面図である。 実施形態B−41を示す概略断面図である。 各実施形態の要部の他の構成例の説明図である。 (a)、(b)はいずれも、各実施形態の基本概念の説明図である。
符号の説明
1,1A,1B 発光装置(半導体発光装置)
2 発光素子
3A 透明部材(半導体発光デバイス用部材)
3B 蛍光体部(半導体発光デバイス用部材)
4a,4b 発光素子から放射された光の一部
5 蛍光体部に含有される蛍光体粒子、蛍光イオン、蛍光染料などの蛍光成分特有の波長の光
11 モールド部
12,13 リード端子
14 ミラー(カップ部)
15 導電ワイヤ
16 絶縁基板
16a 凹所
17 プリント配線
18 枠材
19 封止部
19a 封止機能部
19b レンズ機能部
19c 凹部
19d 貫通孔
21 発光層部
23 反射層
24 バンプ
33,34 蛍光体部
35 固体媒質
36 蓋体

Claims (13)

  1. (A)パッケージ、(B)半導体素子、及び(C)封止材を有する半導体発光装置であって、
    (A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子において、その表面材料がSi、Al及びAgのいずれか1以上を含有し、
    (C)封止材が、下記条件(イ)〜(ハ)の全てを満たし、かつ(A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料と直接接していることを特徴とする半導体発光装置。
    (イ) セラミック又は金属の表面に存在する、水酸基、又は、メタロキサン結合中の酸素と水素結合可能な官能基を有すること。
    (ロ) 200℃に500時間放置した前後において、波長400nmの光における透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
    (ハ) 中心波長が380nm、かつ波長370nm以上で、放射強度0.6kW/mの光を72時間照射した前後において、波長400nmの光に対する透過率の維持率が80%以上110%以下であること。
  2. (C)封止材が、さらに下記条件(ニ)を満たす請求項1に記載の半導体発光装置。
    (ニ)発光波長460±10nm、かつ一辺が900μmの正方形の半導体素子に、発光面の温度が100±10℃となる様に維持しながら350mAの駆動電流を通電して、温度85℃相対湿度85%にて500時間連続点灯を行った場合に、点灯直後の輝度に対する500時間後の輝度の割合が90%以上であること。
  3. (C)封止材が、さらに下記条件(ホ)を満たす請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
    (ホ)下記密着性評価方法(II)により測定された剥離率が30%以下であること。
    密着性評価方法(II)
    (1)直径9mm、凹部の深さ1mm、凹部の側面と底面の傾斜角45°の銀メッキ表面銅製カップに封止材形成液40μLを滴下し、所定の硬化条件にて硬化させて(C)封止材を得る。
    (2)得られた(C)封止材を温度85℃、湿度85%の雰囲気下で1時間吸湿させる。
    (3)吸湿後の(C)封止材を室温より260℃まで50秒で昇温後、260℃で10秒間保持する。
    (4)昇温後の(C)封止材を室温まで冷却し、目視及び顕微鏡観察により(C)封止材の前記銅製カップからの剥離の有無を観察する。
    (5)前記封止材10個につき、それぞれ、前記(2)、(3)及び(4)の操作を実施し、前記(C)封止材の剥離率を求める。
  4. (A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料が、SiN、SiC、及びSiOの1以上を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  5. (A)パッケージ及び/又は(B)半導体素子の前記表面材料が、Al、AlN、Alの1以上を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. (B)半導体素子の基板部分に、前記表面材料を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. さらに、(D)蛍光体を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  8. (B)半導体素子の発光面の面積が0.15mm以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  9. 動作時の(B)半導体素子の発光面の表面温度が80℃以上200℃以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  10. 動作時の電力量が0.1W以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  11. (A)パッケージが、表面を保護膜で被覆された電極を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体発光装置を用いて形成された照明装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体発光装置を用いて形成された画像表示装置。
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