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JP2009220441A - 偏肉樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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JP2009220441A JP2008068208A JP2008068208A JP2009220441A JP 2009220441 A JP2009220441 A JP 2009220441A JP 2008068208 A JP2008068208 A JP 2008068208A JP 2008068208 A JP2008068208 A JP 2008068208A JP 2009220441 A JP2009220441 A JP 2009220441A
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卓弘 林
Yoshihiko Sano
芳彦 佐野
Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
Hideo Nagano
英男 永野
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Abstract

【課題】膜厚に偏りを有する偏肉樹脂シートの反りおよび歪みをバランス良く低減して、ハンドリング性および品質に優れた偏肉樹脂シートを製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ダイ16から吐出されるシート状の樹脂を型ローラー20および成形ニップローラー18により挟圧することによって偏肉樹脂シートSを成形し、剥離ローラー22によって型ローラー20から剥離された偏肉樹脂シートSを搬送ニップローラー25により挟圧し、搬送ニップローラー25から送られてくる偏肉樹脂シートSを引取ローラー36で挟圧する。搬送ニップローラー25は、偏肉樹脂シートSのうち表面温度がガラス転移温度T+10℃以下となった部分を挟圧し、搬送ニップローラー25よりも前段の偏肉樹脂シートSの張力を後段の偏肉樹脂シートSの張力よりも小さくする。
【選択図】図3

Description

本発明は膜厚に偏りがある偏肉樹脂シートの製造方法に係り、例えば液晶表示装置のバックライトの導光板や、装飾・表示・照明用ディスプレイの導光板などの光学シートとして使用される偏肉樹脂シートの製造方法に関する。
液晶表示装置のバックライトや装飾・表示・照明用のディスプレイ装置には、光源からの光を導いて面発光する導光板が使用されており、例えば液晶表示装置には、液晶パネルの裏面側から導光板を介して光を照射するバックライトが設けられている。
このような導光板のうち大画面液晶テレビなどの大型装置に用いられる導光板は、現行の設備や技術を背景に、押出成形法により製造されることが一般的である。この押出成形法では、通常、均一な膜厚を有する溶融状態の樹脂シートがダイ(Tダイ等)から押し出されて冷却ローラー(ポリシングローラー)により冷却される。当該樹脂シートは、その後、引取ローラーによる引っ張り搬送中に空冷され、所定形状に切断された後に、積み重ねられて保管される。
この押出成形法によって作られる樹脂シートのうち、均一な膜厚を有する平らな樹脂シートでは、二次加工の際に問題となりうる反り等の寸法変化を抑制するために、押出成形時にもたらされる内部歪み(内部応力)を低減することが好ましく、そのような内部歪みを低減する方法がいくつか提案されている。
たとえば特許文献1には、ポリシングロールまたはその近傍において、樹脂シートの両端部を加熱したり或いは樹脂シートの中央部を冷却する方法を開示する。この方法によれば、引取ロールの周速度がポリシングロールの周速度と等速に調整されて樹脂シートを無張力状態に保持した場合に発生する樹脂シート端部の波打ち(エッジウェーブ)を改善することができる。
また特許文献2には、ポリシングロールの後段の搬送部において、樹脂シートを上下からヒータで加熱してシート上面と下面の温度を均一にすることで、温度差に起因する内部歪み及び反りを低減する方法を開示する。
また特許文献3および特許文献4には、樹脂が最初に密着する冷却ローラーと最後に密着する冷却ローラーとの間で負の周速差をもたせることにより、内部歪みを抑制する方法が開示されている。また、特許文献5も、樹脂が最後に密着する冷却ローラーと最後から2番目に密着する冷却ローラーとの間、および引取ローラーと第2ローラーとの間で、負の周速差をもたせる方法が開示されている。
また特許文献6には、冷却ローラーの温度を調節し且つ押し出されたシートを加熱することにより、樹脂シートの温度を高くした後に緩やかに徐冷して、内部応力を緩和する方法が開示されている。
また、特許文献7には最後の冷却ローラーと最初のガイドローラーとの間でシートに撓みをもたせることにより、内部応力を緩和する方法が開示されている。
一方、特許文献8では、型ローラとニップローラとの共通接線に対してダイの吐出口が型ローラ側に配置される樹脂シートの製造装置が教示されている。
特開平9−1636号公報 特開平7−9538号公報 特開平6−262682号公報 特公平7−29354号公報 特開2002−120273号公報 特開平6−344417号公報 特開平7−276471号公報 特開2007−216505号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜7で提案されている方法は、いずれも均一な膜厚を有する樹脂シートを対象としており、均一な膜厚をもたない偏肉樹脂シートに対しては、必ずしも好適な技術とは言えない。
幅方向の厚み分布が大きい偏肉樹脂シートを押出成形法で成形する場合、薄肉部は厚肉部に比べて冷却され易いので、偏肉樹脂シート全体の温度分布(温度差)が非常に大きくなってしまう傾向がある。そのため、引取ローラーの周速度をポリシングローラーの周速度と等速に調整して偏肉樹脂シートを無張力状態で搬送する場合には、搬送中の偏肉樹脂シートの熱収縮に伴って応力が生じてしまい、偏肉樹脂シートには反り等が発生してしまう。一方、薄肉部を加熱して偏肉樹脂シート全体の温度分布を緩和した状態で、引取ローラーの周速度をポリシングローラーの周速度よりも大きくすると、反りを抑制することはできるが、過大な内部歪みが生じてしまうことがあり、用途に応じた品質を確保することができない場合がある。
このように、膜厚に偏りを有する偏肉樹脂シートの製造に関しては、反り及び内部歪みをバランス良く低減することで、寸法変化、形状変化、或いは品質劣化を高いレベルで防ぐ技術が求められている。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、膜厚が一様ではない偏肉樹脂シートの反りおよび歪みを低減して、ハンドリング性および品質に優れた偏肉樹脂シートを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ダイから樹脂をシート状に吐出し、前記ダイから吐出されたシート状の樹脂を型ローラーおよび成形ニップローラーにより挟圧することによって幅方向に関し膜厚に偏りがある偏肉樹脂シートを成形し、前記型ローラーから前記偏肉樹脂シートを剥離ローラーにより剥離し、前記剥離ローラーによって剥離された前記偏肉樹脂シートを搬送ニップローラーおよび引取ローラーを介して搬送する偏肉樹脂シートの製造方法であって、前記剥離ローラーと前記引取ローラーとの間に配置される前記搬送ニップローラーは、前記偏肉樹脂シートのうち表面温度がガラス転移温度T+10℃以下となった部分を挟圧し、前記剥離ローラーと前記搬送ニップローラーとの間を搬送される前記偏肉樹脂シートに作用する張力が、前記搬送ニップローラーと前記引取ローラーとの間を搬送される前記偏肉樹脂シートに作用する張力よりも小さくなるように、前記剥離ローラーの回転状態、前記搬送ニップローラーの回転状態、および前記引取ローラーの回転状態が調整されることを特徴とする偏肉樹脂シートの製造方法に関する。
本態様では、搬送ニップローラーが剥離ローラーと引取ローラーとの間に配置されており、剥離ローラーと搬送ニップローラーとの間の偏肉樹脂シートに作用する張力と、搬送ニップローラーと引取ローラーとの間の偏肉樹脂シートに作用する張力とを適宜調整することが可能である。特に、前記偏肉樹脂シートのうち表面温度がガラス転移温度T+10℃以下となった部分を挟圧する位置に搬送ニップローラーが配置されるので、同じ偏肉樹脂シートであってもガラス転移温度を境にしたゴム状態およびガラス状態の各々に対して異なる張力を付与することが可能である。ガラス転移温度を基準としたゴム状態およびガラス状態の各々の特性に応じた張力を偏肉樹脂シートに付与することで、反りおよび歪みを低減して、ハンドリング性および品質に優れた偏肉樹脂シートを製造することが可能である。
好ましくは、前記剥離ローラーの周速度V、前記搬送ニップローラーの周速度V、および前記引取ローラーの周速度Vは、0.99≦V/V≦1.01、およびV/V≧1.01という関係を満たす。
このように、剥離ローラーの周速度および搬送ニップローラーの周速度をほぼ等速にすることにより、剥離ローラーと搬送ニップローラーとの間を搬送されるゴム状態の偏肉樹脂シートに作用する張力をゼロ又はほぼゼロにすることができる。一方、引取ローラーは十分な周速度をもつため、搬送ニップローラーと引取ローラーとの間の偏肉樹脂シートに適度な張力を付与することで、偏肉樹脂シートの反りを効果的に防ぐことが可能である。
前記偏肉樹脂シートのうち、前記幅方向に関して、膜厚が最も大きい最膜厚部と膜厚が最も小さい最膜薄部との膜厚差は、0.5mm以上であって5mm以下であってもよい。
このような膜厚差を有する偏肉樹脂シートの製造時に反りや歪みが生じ易いが、本発明の上記の各態様によれば、偏肉樹脂シートの反りや歪みを効果的に低減することができる。
前記偏肉樹脂シートは、前記幅方向に関して、前記最膜薄部を複数含み、前記複数の最膜薄部は、200mm以上のピッチを有していてもよい。
このような比較的大きなピッチを有する偏肉樹脂シートの製造時に反りや歪みが生じ易いが、本発明の上記の各態様によれば、偏肉樹脂シートの反りや歪みを効果的に低減することができる。
好ましくは、前記搬送ニップローラーは、前記偏肉樹脂シートを、前記幅方向に関して略均一な圧力で挟圧する。
この場合、偏肉樹脂シートは幅方向に関して略均一な圧力で搬送ニップローラーにより把持されるので、搬送ニップローラーの前後各々における偏肉樹脂シートに対しても、幅方向に関して略均一な張力を付与することが可能である。
好ましくは、前記搬送ニップローラーは前記偏肉樹脂シートと密着し、前記搬送ニップローラーと前記引取ローラーとの間の偏肉樹脂シートには、前記幅方向に関して略均一な張力が作用する。
このように、搬送ニップローラーを偏肉樹脂シートに密着させて、偏肉樹脂シートの前記幅方向に関して略均一な張力を作用させることで、均質な偏肉樹脂シートを製造することができる。
本発明によれば、偏肉樹脂シートのうちガラス転移温度近傍の表面温度を有する箇所を挟圧する位置に搬送ニップローラーが配置され、剥離ローラーと搬送ニップローラーとの間を搬送される偏肉樹脂シートに作用する張力が、搬送ニップローラーと引取ローラーとの間を搬送される偏肉樹脂シートに作用する張力よりも小さくなるように調整される。したがって、ガラス転移温度を基準としたゴム状態およびガラス状態の特性に応じた張力を偏肉樹脂シートに付与することで、反りおよび歪みを効果的に低減することが可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1および図2は、本実施形態において製造される蒲鉾形状の偏肉樹脂シートSの幅方向に関する断面を例示する図である。本実施形態では、シート幅方向に関して膜厚に偏りのある偏肉樹脂シートを成形対象としており、例えば図1に示すように、最も膜厚の大きな最膜厚部52がシート幅方向の中央部に設けられ、最も膜厚の薄い最膜薄部54がシート幅方向の両端部に設けられる偏肉樹脂シートSを製造することができる。また、図2に示すように、図1に示す樹脂シートをシート幅方向に複数(2個)並べたような断面形状を有する樹脂シートSを製造することも可能である。図2に示す樹脂シートSは、最膜厚部52および最膜薄部54が周期的に配される断面構造を有し、シート幅方向に関して最膜薄部54および最膜厚部52が交互に出現する構造となっている。
このような断面形状を有する偏肉樹脂シートを製造する場合には、樹脂シートSのシート幅が大きくなるほど、バンク(図4の符号44参照)が乱れ易く、樹脂シートSを良好な面状に成形しながら反りを防ぐということが難しくなる。また、最膜薄部54のピッチP1および最膜厚部52のピッチP2が大きくなるほど、バンクが乱れ易く、樹脂シートSを良好な面状に成形しながら反りを防ぐということが難しくなる。また、樹脂シートSのシート幅方向に関する膜厚差、すなわち最膜厚部52と最膜薄部54との膜厚差が大きくなるほど、バンクが乱れ易く、樹脂シートSを良好な面状に成形しながら反りを防ぐということが難しくなる。しかしながら、以下に述べる本実施形態によれば、乾燥状態において、シート幅が200mm以上750mm以下(とりわけ450mm以上750mm以下)、最膜薄部54のピッチP1および最膜厚部52のピッチP2が200mm以上、そして最膜厚部52の膜厚Dmaxと最膜薄部54の膜厚Dminとの差(|Dmax−Dmin|)が0.5mm以上5mm以下(より好ましくは0.5mm以上3mm以下)である偏肉樹脂シートSを良好な状態で成形することが可能である。
なお、膜薄部(最膜薄部)54のピッチP1および膜厚部(最膜厚部)52のピッチP2は、1000mm以下であってもよく、このようなピッチを有する樹脂シートSであればディスプレイ等の幅広い用途に使用することが可能である。
図3は、偏肉樹脂シートを製造する偏肉樹脂シート製造装置の一例を示す図である。図3に示す偏肉樹脂シート製造装置10では、原料調製装置11、押出機12、ダイ16、成形冷却ローラー部17、熱処理ゾーン24、冷却ゾーン26、面状検査機28、ラミネート機30、切断機32、及びスタッカー34が、上流側から下流側へ順次設けられている。
原料調製装置11は、偏肉樹脂シート製造装置10によって製造される偏肉樹脂シートSの原料の計量および混合を行って原料を調製し、当該原料を原料供給管13を介して押出機12に送る。例えば、この原料調製装置11では、原料タンク及び添加物タンクから混合器に送られる原料樹脂及び添加物が自動計量機によって自動計量され、所定比率の原料樹脂および添加物が混合器で混合される。原料樹脂に添加物として拡散粒子を添加する場合には、原料樹脂に拡散粒子を所定濃度よりも高濃度に添加したマスターペレットを造粒機で製造しておき、拡散粒子が添加されていないベースペレットと混合器で所定比率混合するマスターバッチ方式を好適に採用できる。なお、拡散粒子以外の添加物を添加する場合にも、同様にして混合を行うことができる。
上記の原料樹脂としては熱可塑性樹脂を使用可能であり、例えばポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマーなどを原料樹脂として使用することができる。
押出機12は、原料調製装置11から送られてくる原料を混練りしながら溶融し、溶融樹脂を作る。この押出機12は、単軸式押出機及び多軸式押出機の何れでもよく、押出機12の内部を真空にするベント機能を有するものが好ましい。押出機12により作られた溶融樹脂は、スクリュウーポンプやギアポンプ等の定量ポンプにより溶融樹脂供給管14を介してダイ16に送られる。
ダイ16では、押出機12から送られてくる溶融樹脂が成形冷却ローラー部17に向かってシート状に押し出される。本実施形態では、シート幅方向に関して膜厚が均一ではない偏肉樹脂シートが成形されるので、ダイ16から押し出されて吐出される溶融樹脂量は、シート幅方向に関して所定の分布を有する。ダイ16から吐出される溶融樹脂量に分布をもたせる手段として、例えばチョークバーを使用する方法や他の公知の方法を用いることができる。
成形冷却ローラー部17は、成形ニップローラー18、型ローラー20、および剥離ローラー22を含み、ダイ16から供給される溶融樹脂に対して蒲鉾形の偏肉形状を付与するとともに、当該溶融樹脂の冷却を行う。
図4は、ダイ16および成形冷却ローラー部17を側方から見た図であり、図5(a)は、成形冷却ローラー部17を下方から見た図である。また、成形冷却ローラー部17の変形例を図5(b)に示す。
ニップローラー18および剥離ローラー22は太さが一様な円柱形状を有する一方で、型ローラー20は中央部が細く両端部が太い所謂コンケーブ形状を有する。この型ローラー20のコンケーブ形状は、樹脂シートSの蒲鉾形の偏肉形状の反転形状に対応しており、型ローラー20およびニップローラー18により高温の樹脂シートSが挟圧されて蒲鉾状に成形される。
なお型ローラー20は、図5(b)に示すように、両端部において先細形状のテーパー凹部20Aを有する形状にすることもできる。この場合、樹脂シートSをニップローラー18及び型ローラー20で挟圧したときに、当該樹脂シートSのうちテーパー凹部20Aに対応する部分を容易にカットすることができる。これは、樹脂シートSの両端部(耳部)が所望の膜厚よりも厚くなる傾向があり、その膜厚部がその後の工程において樹脂シートSの反りを助長する可能性を考慮したものである。また、ニップローラー18のうち型ローラー20の膜薄形成部20Bと接触する部分18Aは磨耗し易いので、ニップローラー18の当該当接部18Aに対して、タングステンカーバイト等の超硬材料により超硬処理を施したり焼き入れすることが好ましい。また、型ローラー20及び剥離ローラー22についても同様に、膜薄形成部20B等の当接部に対して超硬処理を施したり焼き入れしたりすることが好ましい。
このような構成を有する図5(a)および図5(b)に示す型ローラー20の中央部には、樹脂シートSの膜厚部52に対応する膜厚形成部20Cが設けられている。
そしてダイ16は、図4に示すように、成形ニップローラー18および型ローラー20の上方において、やや型ローラー20寄りに配置される。また、成形ニップローラー18、型ローラー20、および剥離ローラー22は、図示しない駆動装置により所定の周速度で図4に示す矢印方向へ回転駆動される。なお、成形ニップローラー18および剥離ローラー22に対して駆動手段を設けない構成も可能であるが、樹脂シートSの面状(特に裏面)を良好に成形する観点からは、駆動手段によって成形ニップローラー18および剥離ローラー22も回転駆動する構成が好ましい。
このような構成において、ダイ16のリップ口42から吐出される溶融樹脂は、成形ニップローラー18と型ローラー20との間でバンク44を形成するとともに、挟圧部46において成形ニップローラー18および型ローラー20により挟圧される。成形ニップローラー18および型ローラー20により偏肉形状が付与された溶融樹脂シートSは、型ローラー20に巻き掛けられた状態で送り出され、剥離ローラー22によって型ローラー20から剥がされる。
なお、本実施形態では、挟圧部46から送られてくる樹脂シートSを加熱する加熱装置23が樹脂シートSの搬送路に沿って複数設けられており、型ローラー20および剥離ローラー22の各々に対向する位置に加熱装置23(23A、23B)が設置されている。
剥離ローラー22により剥離された樹脂シートSは、図3に示すように、熱処理ゾーン24に送られる。熱処理ゾーン24は、偏肉構造を有する樹脂シートSに対して熱処理を施すゾーンであり、複数の加熱装置23が樹脂シートSの搬送路に沿って設けられている。型ローラー20〜熱処理ゾーン24に亘って設置されるこれらの加熱装置23は非接触式加熱手段であり、加熱効率等の観点から、例えば遠赤外線ヒーターを加熱装置23として好適に用いることができる。加熱装置23の加熱条件は、搬送される樹脂シートSの表面温度がほぼ均一に保たれるようにコントロールされる。具体的には、樹脂シートSの表面温度がガラス転移温度T以下になった後に、樹脂シートSのうち加熱される側の表面の温度差が、幅方向に関して40℃以内となるように、好ましくは30℃以内となるように、より好ましくは20℃以内となるように、さらに好ましくは10℃以内となるように、加熱装置23の加熱条件がコントロールされる。このとき、放射温度計等の温度センサ(図示せず)により樹脂シートSの温度が測定され、この測定温度に基づいて加熱装置23の加熱条件を適宜変更することで、樹脂シートSの表面温度が調整される。
なお、加熱装置23の加熱温度、加熱時間、およびその他の加熱条件は、樹脂シートSの搬送速度や加熱装置23の設置位置に基づいて適宜調整される。例えば、型ローラー20の近傍、剥離ローラー22の近傍、および剥離ローラー22〜熱処理ゾーン24にかけて、樹脂シートSのうち厚みtが「t≦Dmin+(Dmax−Dmin)/2」(ただし、Dminは樹脂シートSのうち膜厚が最も小さい最膜薄部54の膜厚を意味し、Dmaxは樹脂シートSのうち膜厚が最も大きい最膜厚部52の膜厚を意味する)を満たす部分、とりわけ「t≦Dmin+(Dmax−Dmin)/3」を満たす部分を加熱することが好ましい。これは、冷却され易い膜薄部分を重点的に加熱することで、樹脂シートS全体の温度差を抑えるためである。したがって、図1の断面形状を有する樹脂シートSの場合には両端の最膜薄部54を加熱し、図2の断面形状を有する樹脂シートSの場合には両端の最膜薄部54だけではなく中央の最膜薄部54も加熱することが好ましい。なお、上記式で表される範囲以外の膜厚tを有する部分については、ライン速度等に応じて、加熱の有無や加熱の程度を調整することが好ましい。特に樹脂シートSの表面温度を昇温し過ぎると搬送中に反り等の不具合が発生してしまうことがあるので、加熱装置23の加熱温度や加熱時間を含む加熱条件は、ライン速度や加熱装置23の設置位置に基づいて最適化されることが好ましい。
また、本実施形態の熱処理ゾーン24には、偏肉樹脂シートSを挟圧する一対の搬送ニップローラー25が設けられている。
図6は、搬送ニップローラー25の一例を示す図である。本実施形態の搬送ニップローラー25は、第一搬送ニップローラー25Aおよび第二搬送ニップローラー25Bによって構成されている。第一搬送ニップローラー25Aは、蒲鉾状曲面を形成する偏肉樹脂シートSの表面に対応するコンケーブ形状を有し、第一搬送ニップローラー25Aの幅方向中央部には、偏肉樹脂シートSの最膜厚部52に対応する肉厚対応部27Aが設けられ、幅方向両端部には偏肉樹脂シートSの最膜薄部54に対応する肉薄対応部27Bが設けられている。また、第二搬送ニップローラー25Bは、偏肉樹脂シートSの平坦状の裏面に対応する円柱形状を有する。
この第一搬送ニップローラー25Aおよび第二搬送ニップローラー25Bは、剥離ローラー22から連続的に送られてくる偏肉樹脂シートSに密着しながら軸回転し、樹脂シートSを幅方向に関して略均一な圧力で挟圧しながら送り出す。第一搬送ニップローラー25Aおよび第二搬送ニップローラー25Bの線圧は、偏肉樹脂シートSを着実に把持するとともに偏肉樹脂シートSの形状等を保持する観点から、200kgf/cm以下であることが好ましく、100kgf/cm以下であることがより好ましい。
搬送ニップローラー25の材質としては例えばシリコンゴム(SR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPT)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、フッ素ゴム(FPM)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハイパロンゴム(CMS)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような構成を有する搬送ニップローラー25は、偏肉樹脂シートSの形状等を保持する観点から、搬送されてくる樹脂シートSのうち表面温度が「偏肉樹脂シートSのガラス転移温度T+10℃」以下、より好ましくは「肉樹脂シートSのガラス転移温度T」以下となる部分を挟圧するように、位置が調整されている。したがって、偏肉樹脂シートSのうち「樹脂のガラス転移温度T+10℃」より高い表面温度を有する部分は、図3に示す型ローラー20と搬送ニップローラー25との間を移動し、搬送ニップローラー25より後段では、表面温度が「樹脂のガラス転移温度T+10℃」以下の偏肉樹脂シートSが搬送されることとなる。なお、搬送ニップローラー25と加熱装置23との配置関係は特に限定されるものではなく、搬送ニップローラー25の後段に加熱装置23を設置してもよい。
搬送ニップローラー25の回転状態の詳細については後述するが、剥離ローラー22と搬送ニップローラー25との間の偏肉樹脂シートSに作用する張力をほぼ0にするとともに、搬送ニップローラー25以降の偏肉樹脂シートSに所定の張力が作用するように、搬送ニップローラー25の回転周速度や挟圧力(ニップ圧力)が調整される。
熱処理ゾーン24において熱処理を受けた樹脂シートSは、冷却ゾーン26に送られる。冷却ゾーン26は、熱処理ゾーン24から送られてくる樹脂シートSに対して徐冷処理を施すゾーンであり、樹脂シートSの急激な温度変化を防止する。樹脂シートSは、急激に冷却されると表面近傍と内部の収縮量の違いや温度差等に起因する表面形状の悪化や反りが生じ易い。特に膜厚に分布がある偏肉樹脂シートの場合には、急冷等により比較的大きな内部応力が生じ易いので、反りが生じ易い。そのため、冷却ゾーン26における徐冷方法の一例として、前半部では樹脂シートSの膜厚部と膜薄部との間で大きな温度差が生じないように非接触式加熱手段で膜薄部を重点的に加熱して樹脂シートS全体を徐々に自然冷却し、後半部では樹脂シートSに冷風を当てて常温程度まで強制冷却を行う方法がある。
なお、上述の熱処理ゾーン24および冷却ゾーン26では、熱処理や冷却に伴う反り等の変形を防いで所望の偏肉形状が保持されるように、樹脂シートSが搬送される。
面状検査機28は、冷却ゾーン26から送られてくる樹脂シートSの表面形状や反りを評価する。面状検査機28による評価はセンサ類を用いた任意の手法で行われ、この評価結果は、前段に設けられたダイ16からの溶融樹脂シートSの吐出制御、熱処理ゾーン24および冷却ゾーン26における熱処理・冷却制御、および偏肉樹脂シートSの搬送制御(成形冷却ローラー部17および搬送ニップローラー25の回転制御)にフィードバックされる。
ラミネート機30は、樹脂シートSの表裏面にポリエチレン等の保護フィルムを貼り付けるための一対の引取ローラー36を含んで構成される。
図7は、ラミネート機30において保護フィルムFを樹脂シートSに貼り付ける機構を示す図である。保護フィルムFは、繰り出しローラー38から順次繰り出された後に、複数の転送ローラー37を経て、引取ローラー36に送られる。この引取ローラー36は、樹脂シートSの搬送および保護フィルムFの貼付を同時に行う。すなわち引取ローラー36は、軸回転することによって、前段部(搬送ニップローラー25〜ラミネート機30)の樹脂シートSを引っ張るとともに、後段部(ラミネート機30〜切断機32)の樹脂シートSを押し出すようにして搬送する。また同時に、引取ローラー36は、軸回転することによって、転送ローラー37を介して送られてくる保護フィルムFを樹脂シートSの面に圧着する。引取ローラー36、転送ローラー37および繰り出しローラー38は、樹脂シートSの表面側および裏面側の両方に設けられており、保護フィルムFは樹脂シートSの表面および裏面の両方に圧着される。
ラミネート機30において保護フィルムFが貼り付けられた樹脂シートSは、図3に示すように、切断機32に送られる。切断機32は、樹脂シートSの幅方向両端部分(耳部)を切除するとともに樹脂シートSを所定長さに切り揃える。切断機32は任意の構成を有することができ、例えば、受け刃および押し当て刃からなるギロチンタイプの切断機32、レーザーカッターや電子ビームを使用した切断機32等を使用することができる。
切断機32において所定長さに切り揃えられた樹脂シートSは、スタッカー34に順次積み上げられる。スタッカー34に保管される偏肉樹脂シートSは、別の処理工程に送られたり、商品として出荷される。
上述のような押出成形法を採用する偏肉樹脂シート製造装置10において、本件発明者は、後述する実験の結果、偏肉樹脂シートSのうちガラス転移温度T+10℃よりも高い表面温度を有する部分に作用する張力(テンション)をカットまたは低減する搬送ニップローラー25(テンションカットローラー)を設置することで、偏肉樹脂シートの反りおよび歪みをバランス良く低減することができるという知見を得た。具体的には、剥離ローラー22と搬送ニップローラー25の間の偏肉樹脂シートSに作用する張力が、搬送ニップローラー25と引取ローラー36の間の偏肉樹脂シートSに作用する張力よりも小さくなるように、剥離ローラー22の回転状態、搬送ニップローラー25の回転状態、および引取ローラー36の回転状態を調整することで、偏肉樹脂シートの反りおよび歪みがバランス良く低減される。特に、剥離ローラー22の周速度V、搬送ニップローラー25の周速度V、および引取ローラー36の周速度Vが以下の式(1)および式(2)を満たすような制御を行うことにより、偏肉樹脂シートの反りおよび歪みをバランス良く低減することができる。
0.99≦V/V≦1.01 (1)
/V≧1.01 (2)
上記式(1)および式(2)が満たされる場合、剥離ローラー22および搬送ニップローラー25がほぼ同じ周速度をもつので、搬送ニップローラー25よりも上流側の偏肉樹脂シートSに付与される張力はゼロ又はほとんどゼロとなるように調整される。特に搬送ニップローラー25は、ガラス転移温度T+10℃以下の温度となった箇所を挟圧する位置に配置されているので、偏肉樹脂シートSのうちガラス転移温度T+10℃よりも高い表面温度を有する部分に作用する張力はゼロ又はほとんどゼロとなっている。
一方、引取ローラー36は剥離ローラー22よりも速い周速度をもつので、搬送ニップローラー25と引取ローラー36との間の偏肉樹脂シートSには所定の張力が付与される。特に搬送ニップローラー25は、ガラス転移温度T+10℃以下の温度となった箇所を挟圧する位置に配置されているので、引取ローラー36により所定の張力が付与される部分はほぼガラス状態となっており、品質に対する影響を抑えた状態で反りを防ぐための張力を偏肉樹脂シートSに付与することができる。
このように、外力の影響を受け易いガラス転移温度以上のゴム状態の部分に付与される張力を低減することにより、偏肉樹脂シートSに生じる歪みを効果的に低減することができる。その一方で、形状安定性に優れたガラス状態の部分に所定の張力を付与することにより、偏肉樹脂シートSに生じうる経時的な反りを効果的に抑えることができる。したがって、本実施形態の偏肉樹脂シート製造装置10および製造方法によれば、偏肉樹脂シートSの反りおよび歪みをバランス良く低減することができ、ハンドリング性および品質に優れた偏肉樹脂シートSを製造することができる。
なお、上記式(1)に関しては、偏肉樹脂シートSのゴム状態部分に対する外力の影響を抑える観点から、0.99≦V/V≦1.00を満たすことがより好ましい。また上記式(2)に関連して、搬送ニップローラー25と引取ローラー36との間の偏肉樹脂シートSに付与される張力の指標となるV/Vの上限値は、最終的な製品時に要求される品質に応じて適宜決定される。一例として、偏肉樹脂シート製造装置10の各部に過大な負荷をかけずに、安全かつ安定的に樹脂シートSを製造する観点からは、以下の関係を満たすことが好ましい。
1.1≧V/V
なお、成形ニップローラー18、型ローラー20、及び剥離ローラー22の材質としては、各種鉄鋼部材、ステンレス鋼、銅、亜鉛、真鍮、これらの金属材料を芯金として表面にゴムライニングしたもの、これらの金属材料にHCrメッキ、Cuメッキ、Niメッキ等のメッキを施したもの、セラミックス、及び各種の複合材料が採用することができる。
また、型ローラー20および搬送ニップローラー25(第一搬送ニップローラー25A)の表面の逆蒲鉾形状は、公知の加工方法により形成することが可能であり、例えば、研削加工、超音波加工、放電加工、NC旋盤による切削加工、仕上げバフ加工、等を適宜組み合わせて形成することが可能である。型ローラー20の表面粗さ及び搬送ニップローラー25の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5μm以下とすることが好ましく、0.2μm以下とすることがより好ましい。
また、成形ニップローラー18、型ローラー20、剥離ローラー22、および搬送ニップローラー25には、偏肉樹脂シートSの蒲鉾形状に対応するような冷却温度分布を樹脂シートSに付与するための温度調整手段(図示せず)が設けられてもよい。この温度調整手段として、例えば、温度調節された冷却液体を内部において一端側から他端側に流す構成を採用することができる。
また成形ニップローラー18には、図示しない加圧手段が設けられており、型ローラー20との間の樹脂シートSを所定の圧力で挟圧することができるようになっている。この加圧手段は、成形ニップローラー18と型ローラー20との接触点における法線方向に圧力を付与する構成のものであり、モータ駆動手段、エアシリンダ、油圧シリンダ等の公知の各種手段を採用することができる。また、成形ニップローラー18には、挟圧力の反力による撓みが生じにくくなるような構成を採用することもできる。このような構成としては、成形ニップローラー18の背面側(型ローラー20とは反対側)に図示しないバックアップローラーを設ける構成、中高状のクラウン形状を採用する構成、ローラーの軸方向中央部の剛性が大きくなるような強度分布を付けたローラーの構成、或いはこれらを組み合わせた構成等を採用することができる。
なお、偏肉樹脂シートSの断面形状は、当該偏肉樹脂シートSを挟圧成形する成形ニップローラー18および型ローラー20の形状に応じて適宜変更することができ、成形ニップローラー18および型ローラー20の形状を変えることで、様々な断面形状を有する偏肉樹脂シートを製造することができる。
また、成形ニップローラー18および剥離ローラー22の表面は鏡面状に加工されていることが好ましい。このような表面にすることにより、成形後の樹脂シートSの裏面を良好な状態に仕上げることができる。成形ニップローラー18および剥離ローラー22の表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.5μm以下とするのが好ましく、0.2μm以下とするのがより好ましい。
また、成形ニップローラー18、型ローラー20、及び剥離ローラー22には、ローラー表面の温度をローラー幅方向に関してモニターできるように、複数の表面温度測定手段(図示せず)を設けることが好ましい。このような表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段が採用できる。
本発明は、上述の実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形が加えられることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
本件発明者は、上述の実施形態に基づいて、以下の実施例および比較例に記載する条件で偏肉樹脂シートを製造し、偏肉樹脂シートの複屈折量および反りを評価した(図8参照)。偏肉樹脂シートの複屈折量は、図9に示す測定方法により測定した。すなわち、試料の偏肉樹脂シートSの複屈折量を、歪検査器50(株式会社ルケオ製:LSM−401)によるいわゆるセナルモン法に基づいて測定した。なお、他の装置および他の方法によって樹脂シートSの複屈折量を測定してもよい。また偏肉樹脂シートの反りは、図10に示すように、測定対象の偏肉樹脂シートSを直方体形状の定盤51に載せ、図示しない変位測定器によって当該樹脂シートSの反りの大きさを測定した。以下の実施例および比較例では、変位測定器としてレーザー変位計を用いたが、接触式の変位計や他の変位計を用いてもよい。
(実施例1)
図3に示す偏肉樹脂シート製造装置10において、PMMA(旭化成株式会社製80NH、ガラス転移温度110℃)を原料樹脂として使用し、温度255℃に設定したダイ(Tダイ)16より100kg/hrで溶融樹脂をシート状に押し出した。そして成形ニップローラー18、型ローラー20、剥離ローラー22、熱処理ゾーン24、冷却ゾーン26、およびラミネート機30を介して、図1に示す蒲鉾形状の断面を有する偏肉樹脂シートSを製造した。そして切断機32により樹脂シートSの両端を切断した。このようにして製造された樹脂シートSは、乾燥状態において、シート幅方向に関する断面の幅が594mm、最膜薄部54の膜厚Dminが2mm、最膜厚部52の膜厚Dmaxが3.8mmであった。
上記偏肉樹脂シートSの製造時には、成形ニップローラー18、型ローラー20、および剥離ローラー22が、表面温度がそれぞれ70℃、90℃、95℃であった。成形ニップローラー18および剥離ローラー22のローラー径はΦ350mmであり、型ローラー20の膜薄形成部20Bのローラー径はΦ350mmであり、膜厚形成部20Cのローラー径はΦ345.6mmであり、第一搬送ニップローラー25Aの肉厚対応部27Aのローラー径はΦ145.2mmであり、肉薄対応部27Bのローラー径はΦ150mmであり、第二搬送ニップローラー25Bのローラー径はΦ150mmであり引取ローラー36のローラー径はφ195mmであった。また、成形ニップローラー18、型ローラー20、剥離ローラー22の表面は硬質クロムメッキ処理されており、搬送ニップローラー25および引取ローラー36の表面材質の表面材質はEPTゴムであった。また、搬送ニップローラー25間および引取ローラー36間の線圧は10kg/cmであり、成形ニップローラー18、型ローラー20、および剥離ローラー22の各々間のクリアランスは上記の断面サイズを有する樹脂シートSが製造されるように適宜調整した。
また、成形ニップローラー18、型ローラー20、剥離ローラー22、搬送ニップローラー25および引取ローラー36の周速度は、それぞれ0.755m/min、0.750m/min、0.764m/min、0.764m/min、0.775m/minだった。したがって、剥離ローラー22の周速度V、搬送ニップローラー25の周速度V、および引取ローラー36の周速度Vは、以下の関係を満たす。
0.99≦(V/V=0.764/0.764=1)≦1.01
/V=0.775/0.764=1.014...≧1.01
そして、図4に示すように型ローラー20から50mm離れた位置に遠赤外線セラミックヒーターの加熱装置23Aを設置し、樹脂シートSのうち厚みtがt≦Dmin+(Dmax−Dmin)/2を満たす箇所を加熱した。型ローラー20に対向する位置に設けられるこの遠赤外線セラミックヒーターの表面温度は350℃であった。また同様に、剥離ローラー22から120mm離れた位置に遠赤外線セラミックヒーターの加熱装置23Bを設置するとともに、剥離ローラー22〜熱処理ゾーン24において樹脂シートSから上面側に50mm離れた位置にも赤外線セラミックヒーターの加熱装置23を設置した。これらの赤外線セラミックヒーターは表面温度が250℃であり、樹脂シートSのうち厚みtがt≦Dmin+(Dmax−Dmin)/2を満たす箇所を約30秒間加熱した。
そして、型ローラー20から熱処理ゾーン24において遠赤外線セラミックヒーター(加熱装置)23により加熱される範囲に関し、樹脂シートSの表面温度を、放射温度計(NEC三栄株式会社製:TH9100MV)で測定した。樹脂シートSの最大温度がガラス転移温度T以下に達した後における、樹脂シートSの表面温度(温度分布)のシート幅方向に関する最大差ΔTmaxは23℃であり、シート幅方向に関する樹脂シートSの表面温度差は23℃以内に保持された。
図3に示す搬送ニップローラー25は、熱処理ゾーン24において、偏肉樹脂シートSのうち最大表面温度が約80℃となる部分を挟圧するような位置に配置した。
このような条件下で製造された偏肉樹脂シートSのシート厚み方向の複屈折量を、シート幅方向に亘って測定したところ(図9参照)、最膜厚部52で最小の複屈折量Bmin(Bmin=30nm)を示し、最膜薄部54で最大の複屈折量Bmax(Bmax=40nm)を示し、歪み量および歪み差が比較的小さな偏肉樹脂シートSを製造することができた。また、偏肉樹脂シートSの反り量を測定したところ(図10参照)、最大で1.6mmであり、反りが比較的小さな偏肉樹脂シートSを製造することができた。
このように、本実施例では、ハンドリング性および品質に優れた良好な偏肉樹脂シートを製造することができた。
(実施例2)
実施例1とほぼ同じ条件下で偏肉樹脂シート製造装置10を用いて、図2に示す断面形状を有するPMMAの偏肉樹脂シートSを、押出成形法により製造した。この偏肉樹脂シートSは、乾燥状態において、シート幅方向に関する断面の幅が1200mm、最膜薄部54の膜厚Dminが2mm、最膜厚部52の膜厚Dmaxが3.8mmであった。なお、ダイ16からの溶融樹脂の吐出量を200kg/hrとして、その他の条件は実施例1と同じであった。
このような条件下で製造された偏肉樹脂シートSのシート厚み方向の複屈折量を、シート幅方向に亘って測定したところ、最膜厚部52で最小の複屈折量Bmin(Bmin=30nm)を示し、最膜薄部54で最大の複屈折量Bmax(Bmax=40nm)を示し、歪み量および歪み差が比較的小さな偏肉樹脂シートSを製造することができた。また、偏肉樹脂シートSの反り量を測定したところ、最大で1.6mmであり、反りが比較的小さな偏肉樹脂シートSを製造することができた。
このように、シート幅方向に関して最膜厚部52および最膜薄部54が周期的に配される断面形状の偏肉樹脂シートSであっても、歪み及び反りをバランス良く抑制することができた。
(実施例3)
実施例1とほぼ同じ条件下で偏肉樹脂シート製造装置10を用いて、図1に示す断面形状を有するPMMAの偏肉樹脂シートSを、押出成形法により製造した。
搬送ニップローラー25は、熱処理ゾーン24において、偏肉樹脂シートSのうち最大表面温度が約120℃(=ガラス転移温度T110℃+10℃)となる部分を挟圧した。
このような条件下で製造された偏肉樹脂シートSのシート厚み方向の複屈折量を、シート幅方向に亘って測定したところ、最膜厚部52で最小の複屈折量Bmin(Bmin=40nm)を示し、最膜薄部54で最大の複屈折量Bmax(Bmax=45nm)を示し、歪み量および歪み差が比較的小さな偏肉樹脂シートSを製造することができた。また、偏肉樹脂シートSの反り量を測定したところ、最大で1.4mmであり、反りが比較的小さく、所望の形状の偏肉樹脂シートSを製造することができた。
(比較例1)
実施例1とほぼ同じ条件下で偏肉樹脂シート製造装置10を用いて、図1に示す断面形状を有するPMMAの偏肉樹脂シートSを、押出成形法により製造した。なお本例では搬送ニップローラー25を設けておらず、剥離ローラー22と引取ローラー36との間において偏肉樹脂シートSには略一様なテンションが働いていた。
このような条件下で製造された偏肉樹脂シートSのシート厚み方向の複屈折量を、シート幅方向に亘って測定したところ、最膜厚部52で最小の複屈折量Bmin(Bmin=50nm)を示し、最膜薄部54で最大の複屈折量Bmax(Bmax=150nm)を示し、歪み量および歪み差の大きな偏肉樹脂シートSが製造された。また、偏肉樹脂シートSの反り量を測定したところ、最大で1.6mmであった。
上記の実施例及び比較例の評価結果を図8に示す。図8からも明らかなように、搬送ニップローラー25は、偏肉樹脂シートSのうち表面温度がガラス転移温度T+10℃以下となった部分を挟圧し、剥離ローラー22の周速度V、搬送ニップローラー25の周速度V、および引取ローラー36の周速度Vが「0.99≦V/V≦1.01」および「V/V≧1.01」を満たす場合に、反りおよび歪みをバランス良く低減して、ハンドリング性および品質に優れた偏肉樹脂シートを製造可能であることが確認された。また、実施例1および実施例2の比較からも明らかなように、上記の製造条件は、樹脂シートSの幅方向の断面形状に周期性をもたせた場合であっても、有効であることが分かった。
なお、上記の各種寸法は、基本的には偏肉樹脂シートの乾燥時を基準としている。
偏肉樹脂シートの幅方向に関する断面の一例を示す図である。 偏肉樹脂シートの幅方向に関する断面の他の例を示す図である。 偏肉樹脂シート製造装置の一例を示す図である。 ダイおよび成形冷却ローラー部を側方から見た図である。 (a)は成形冷却ローラー部の一例を下方から見た図である。(b)は成形冷却ローラー部の他の例を下方から見た図である。 搬送ニップローラーの斜視図である。 保護フィルムを樹脂シートに貼り付ける機構を示す図である。 実施例および比較例において得られた偏肉樹脂シートの歪み及び反りの評価を示す表である。 偏肉樹脂シートの歪み(複屈折量)の測定方法を説明するための図である。 偏肉樹脂シートの反りの測定方法を説明するための図である。
符号の説明
10…偏肉樹脂シート製造装置、11…原料調製装置、12…押出機、13…原料供給管、14…溶融樹脂供給管、16…ダイ、17…成形冷却ローラー部、18…成形ニップローラー、20…型ローラー、20A…テーパー凹部、20B…膜薄形成部、20C…膜厚形成部、22…剥離ローラー、23…加熱装置、24…熱処理ゾーン、25…搬送ニップローラー、25A…第一搬送ニップローラー、25B…第二搬送ニップローラー、26…冷却ゾーン、27A…肉厚対応部、27B…肉薄対応部、28…面状検査機、30…ラミネート機、32…切断機、34…スタッカー、36…引取ローラー、37…転送ローラー、38…繰り出しローラー、42…リップ口、44…バンク、46…挟圧部、50…歪検査器、51…定盤、52…最膜厚部、54…最膜薄部、S…樹脂シート、F…保護フィルム

Claims (6)

  1. ダイから樹脂をシート状に吐出し、前記ダイから吐出されたシート状の樹脂を型ローラーおよび成形ニップローラーにより挟圧することによって幅方向に関し膜厚に偏りがある偏肉樹脂シートを成形し、前記型ローラーから前記偏肉樹脂シートを剥離ローラーにより剥離し、前記剥離ローラーによって剥離された前記偏肉樹脂シートを搬送ニップローラーおよび引取ローラーを介して搬送する偏肉樹脂シートの製造方法であって、
    前記剥離ローラーと前記引取ローラーとの間に配置される前記搬送ニップローラーは、前記偏肉樹脂シートのうち表面温度がガラス転移温度T+10℃以下となった部分を挟圧し、
    前記剥離ローラーと前記搬送ニップローラーとの間を搬送される前記偏肉樹脂シートに作用する張力が、前記搬送ニップローラーと前記引取ローラーとの間を搬送される前記偏肉樹脂シートに作用する張力よりも小さくなるように、前記剥離ローラーの回転状態、前記搬送ニップローラーの回転状態、および前記引取ローラーの回転状態が調整されることを特徴とする偏肉樹脂シートの製造方法。
  2. 前記剥離ローラーの周速度V、前記搬送ニップローラーの周速度V、および前記引取ローラーの周速度Vは、
    0.99≦V/V≦1.01、および
    /V≧1.01
    という関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の偏肉樹脂シートの製造方法。
  3. 前記偏肉樹脂シートのうち、前記幅方向に関して、膜厚が最も大きい最膜厚部と膜厚が最も小さい最膜薄部との膜厚差は、0.5mm以上であって5mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏肉樹脂シートの製造方法。
  4. 前記偏肉樹脂シートは、前記幅方向に関して、前記最膜薄部を複数含み、
    前記複数の最膜薄部は、200mm以上のピッチを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏肉樹脂シートの製造方法。
  5. 前記搬送ニップローラーは、前記偏肉樹脂シートを、前記幅方向に関して略均一な圧力で挟圧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏肉樹脂シートの製造方法。
  6. 前記搬送ニップローラーは前記偏肉樹脂シートと密着し、前記搬送ニップローラーと前記引取ローラーとの間の偏肉樹脂シートには、前記幅方向に関して略均一な張力が作用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏肉樹脂シートの製造方法。
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