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JP2009212033A - 透明導電性結晶膜の製造方法 - Google Patents

透明導電性結晶膜の製造方法 Download PDF

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Yuzo Shigesato
有三 重里
Akira Hasegawa
彰 長谷川
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Abstract

【課題】従来の技術に比し、透明導電膜の膜特性を改良し得る結晶膜を得ることのできる透明導電性結晶膜の製造方法を提供する。
【解決手段】Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物を用いて、物理的成膜法により、基板温度が550℃以上の温度の基板に成膜することを特徴とする透明導電性結晶膜の製造方法。酸化物が、Alおよび/またはSbのドーピング元素を、さらに含有する前記の製造方法。結晶膜が、スピネル型結晶膜である前記の製造方法。酸化物が、焼結体ターゲットである前記の製造方法。物理的成膜法が、スパッタリング法である前記の製造方法。前記の製造方法により得られる透明導電性結晶膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電性結晶膜の製造方法に関する。
透明導電膜は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイの電極、太陽電池の電極、窓ガラスの熱線反射膜、帯電防止膜などに用いられている。透明導電膜には、Inが稀少金属であることからIn含有量の少ないものが求められており、そのような透明導電膜としては、ZnO−SnO2系の膜が知られており、特許文献1には、ZnOとSnO2を混合・焼成して得られた焼成粉末をターゲットとし、基板温度を室温〜300℃の範囲で、スパッタリングにより成膜して、ZnO−SnO2系の透明導電膜を得る技術が、具体的に記載されている。
特開平8−171824号公報
しかしながら、従来の技術においては、透明導電膜は、その透明性、導電性などの膜特性において、未だ改良の余地がある。本発明の目的は、従来の技術に比し、透明導電膜の膜特性を改良し得る結晶膜を得ることのできる透明導電性結晶膜の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の発明を提供する。
<1>Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物を用いて、物理的成膜法により、基板温度が550℃以上の温度の基板に成膜することを特徴とする透明導電性結晶膜の製造方法。
<2>酸化物が、Alおよび/またはSbのドーピング元素を、さらに含有する前記<1>記載の製造方法。
<3>結晶膜が、スピネル型結晶膜である前記<1>または<2>記載の製造方法。
<4>酸化物が、焼結体ターゲットである前記<1>〜<3>のいずれかに記載の製造方法。
<5>物理的成膜法が、スパッタリング法である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6>前記<1>〜<5>のいずれかに記載の製造方法により得られる透明導電性結晶膜。
本発明によれば、従来の技術に比し、透明導電膜の透明性、導電性を改良し得る結晶膜を得ることのできる透明導電性結晶膜の製造方法を提供することができることから、本発明は工業的に極めて有用である。
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の透明導電性結晶膜の製造方法は、Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物を用いて、物理的成膜法により、基板温度が550℃以上の温度の基板に成膜することを特徴とする。
本発明において、Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物は、ドーピング元素(ここで、ドーピング元素は、Zn、Sn、Oのいずれでもない元素である。)を、さらに含有していてもよく、ドーピング元素は、Alおよび/またはSbであることが好ましい。
Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物において、Snに対するZnのモル比は、1以上2以下であることが好ましい。Snに対するZnのモル比が2であるときには、スピネル型結晶膜を得ることができ、より好ましい。ここで、スピネル型結晶は、式Zn2SnO4で表すことができ、Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物がドーピング元素を含む場合には、スピネル型結晶は、前記式におけるZnおよび/またはSnの一部がドーピング元素で置換された式で表される。本発明において得られる結晶膜が、スピネル型結晶膜の場合には、当該膜のX線回折測定により得られる図形において、スピネル型結晶の(111)面、(311)面、(222)面および(511)面に相当するピークが観察される。
前記ドーピング元素は、Snの一部を置換することが好ましく、Sn:ドーピング元素のモル比としては、Snおよびドーピング元素の合計量(モル)に対し、ドーピング元素の量(モル)が、好ましくは0.0001以上0.2以下の範囲、より好ましくは0.0005以上0.05以下の範囲である。
本発明において、酸化物は、焼結体ターゲットであることが好ましい。焼結体ターゲットを用いることにより、安定した性能の透明導電性結晶膜を得ることができる。
次に、本発明の製造方法について、より詳細に説明する。
本発明を用いて、透明導電性結晶膜は、例えば、次のようにして製造される。すなわち、亜鉛含有化合物、錫含有化合物、および必要に応じてドーピング元素含有化合物を、所定量秤量し、混合して得られる混合物を、焼成して、Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物を得ることができる。また、該混合物を成形して、焼結することにより、焼結体ターゲットを得ることもできる。また、前記酸化物を、必要に応じて粉砕して、さらに成形、焼結することにより、焼結体ターゲットを得てもよいし、焼成の前に、混合物につき仮焼を行ってもよい。なお、混合物におけるZn、Snおよび必要に応じて用いるドーピング元素の組成(モル比)は、得られる結晶膜の組成に反映される。
前記亜鉛含有化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、燐酸亜鉛、ピロ燐酸亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、カルボン酸亜鉛(酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛など)、塩基性炭酸亜鉛、亜鉛のアルコキシド、およびそれらの水和塩などを挙げることができ、操作性から粉末状酸化亜鉛が好ましい。また、前記錫含有化合物としては、酸化錫(SnO2、SnO)、水酸化錫、硝酸錫、硫酸錫、塩化錫、フッ化錫、ヨウ化錫、臭化錫、カルボン酸錫(酢酸錫、蓚酸錫など)、錫のアルコキシド、およびそれらの水和塩などを挙げることができ、操作性から粉末状酸化錫(特にSnO2)が好ましい。また、前記ドーピング元素含有化合物としては、ドーピング元素を含有する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、フッ化物、ヨウ化物、臭化物、カルボン酸塩(酢酸塩、蓚酸塩など)、アルコキシド、およびそれらの水和塩などを挙げることができ、操作性から粉末状の酸化物が好ましい。また、これらの化合物の純度は高ければ高いほど良く、具体的には、99重量%以上であることが好ましい。
前記混合は、乾式混合法、湿式混合法のいずれによってもよい。また、混合時には、通常、粉砕も伴う。具体的な混合法としては、亜鉛含有化合物、錫含有化合物、および必要に応じてドーピング元素含有化合物をより均一に混合できる方法によることが好ましく、混合装置としては、ボールミル、振動ミル、アトライター、ダイノーミル、ダイナミックミル等の装置を挙げることができる。また、混合後に、加熱乾燥(静置乾燥、噴霧乾燥)、真空乾燥、凍結乾燥等の方法による乾燥を行ってもよい。
また、ドーピング元素を含有する場合には、ドーピング元素含有化合物として水溶性の化合物を用いて、該化合物の水溶液と、亜鉛含有化合物および錫含有化合物の混合粉末とを混合し、必要に応じてこれを乾燥して混合物を得てもよい。また、該水溶液の代わりに、ドーピング元素含有化合物として、エタノールなどの有機溶媒に溶解可能な化合物を用いて、該化合物を有機溶媒に溶解させた溶液を用いてもよい。このようにして得られる混合物を焼成または焼結することにより、ドーピング元素の均一性により優れたZn、SnおよびOを主成分とする酸化物が得られる。
また、共沈により得られる混合物を用いてもよい。例えば、亜鉛含有化合物、錫含有化合物、および必要に応じてドーピング元素含有化合物として、それぞれ水溶性の化合物を用いて、これらの混合水溶液を調整して、該水溶液とアルカリなどの晶析剤とを用いて、共沈を行い、得られる共沈物を、必要に応じてこれを乾燥して混合物として用いてもよい。このようにして得られる混合物を焼成または焼結することにより、構成元素の均一性により優れたドーピング元素の均一性により優れたZn、SnおよびOを主成分とする酸化物が得られる。
前記の成形は、一軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)等により行うことができる。また、一軸プレス後に冷間静水圧プレス(CIP)を行うなど両者を組み合わせてもよい。成形圧は、通常100〜3000kg/cm2の範囲である。成形して得られる成形体の形状は、通常、円板状または四角板状である。この成形の際に、混合物は、バインダー、分散剤、離型剤等を含有していてもよい。
前記焼結は、上記成形により得られる成形体を空気等の酸素含有雰囲気中において、最高到達温度が900℃以上1700℃以下の範囲の温度で、0.5〜48時間保持して行う。焼結装置としては、電気炉、ガス炉等通常工業的に用いられる炉を用いることができる。また焼結により得られる焼結体について、切断や研削を行うことによりその寸法を調整してもよい。なお、寸法の調整は、加工が焼結体より容易な成形体の切断や研削により行ってもよい。また、上記の成形、焼結の代わりに、ホットプレス、熱間等圧プレス(HIP)を用いて、成形および焼結を同時に行ってもよい。
前記焼成は、混合物を空気等の酸素含有雰囲気中において、最高到達温度が900℃以上1700℃以下の範囲の温度で、0.5〜48時間保持して行う。焼成装置としては、電気炉、ガス炉等通常工業的に用いられる炉を用いることができる。焼成後、必要に応じて粉砕して、さらに成形、焼結する場合には、焼成時の最高到達温度を、焼結時のそれより低い温度に設定することが好ましい。また、焼成後、必要に応じて行う粉砕は、上記の混合法と同様にして、行うことができる。また、この場合においても、成形の際に、粉砕物は、バインダー、分散剤、離型剤等を含有してもよい。また、焼成前の仮焼は、焼成時の最高到達温度よりも低い温度で行ってもよく、仮焼後に粉砕を行っても良い。
上記のようにして得られるZn、SnおよびOを主成分とする酸化物を用いて、物理的成膜法により、基板温度が550℃以上の温度の基板に成膜することで、透明導電性結晶膜を得ることができる。例えば、基板温度が、室温〜300℃程度では、本発明における透明導電性結晶膜を得ることはできない。本発明において、基板温度の上限は、通常、1500℃程度、好ましくは1100℃である。
本発明において、物理的成膜法としては、パルス・レーザー蒸着法(レーザーアブレーション法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、EB蒸着法を挙げることができる。通常、成膜はチャンバー内で行い、成膜時の酸素分圧を1Pa未満とすることが好ましい。成膜装置の汎用性の観点から、上記の成膜方法の中でも、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法を用いる場合には、Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物は、焼結体ターゲットであることが好ましい。ターゲットは複数用いてもよい。例えば、結晶膜にドーピング元素を含有させる場合には、Zn、SnおよびOからなるターゲットとドーピング元素を含有するターゲットとを用いて、成膜を行ってもよい。
パルス・レーザー蒸着法により成膜するときは、チャンバー内の雰囲気圧力を10-3Pa以下とするか、または、酸素ガスなどの酸化性ガスをチャンバー内に導入して行う。酸素ガスをチャンバー内に導入する場合の酸素分圧は、1Pa未満であることが好ましい。
スパッタリング法により成膜するときは、チャンバー内の雰囲気圧力を0.1〜10Pa程度として、酸化性ガスを0〜10体積%含有する不活性ガスをチャンバー内に導入して行う。このときの酸素分圧は、1Pa未満であることが好ましい。特に、酸素が実質的に存在しない不活性ガス中で、スパッタリングすることが好ましい。スパッタリング装置としては、rfマグネトロンスパッタリング装置を用いることができ、そのときの条件としては、rf投入電力が10〜300W、圧力が0.1〜1Pa程度、基板の温度は550℃〜800℃の条件が推奨される。また、不活性ガスとしては、Arガスを挙げることができ、純度99.995%以上のArガスであることが好ましい。また、前記酸化性ガスとしては、酸素ガスを挙げることができる。
EB蒸着法を用いる場合には、上記焼結体ターゲットして用いて成膜を行ってもよいし、上記の焼成して得られる酸化物を蒸発セルに入れて成膜を行ってもよい。
本発明において、基板とは、成膜先のことを意味する。基板としては、ガラス、石英ガラス等の基板を用いることができるが、550℃以上の高温においても破損しないものでなくてはならない。本発明において、透明導電性結晶膜を透明電極として用いる場合には、基板は透明であることが好ましい。また、基板は結晶性基板であってもよい。石英ガラスは、軟化点が高く1200℃程度まで、加熱することができる。結晶性基板としては、Al23(サファイア)、MgO、YSZ(ZrO2−Y23)、CaF2、SrTiO3等の基板を挙げることができる。
また、本発明により得られる透明導電性結晶膜について、熱処理を行ってもよい。熱処理条件としては、還元性ガス中、300℃以上500℃以下、好ましくは350℃以上450℃以下の範囲の温度を挙げることができ、熱処理を行うことにより、膜の抵抗率がさらに低下する場合がある。この還元性ガスとして、好ましいのは、水素を2〜4体積%含有し、不活性ガスを98〜96体積%含有するガスである。
以下、実施例を用いて、本発明についてより具体的に説明する。なお、特に断らない限り、得られた膜の電気特性、光学特性、結晶構造については、次の評価により行った。
電気特性の評価は、JIS R 1637に準拠した4探針法による測定方法により、表面抵抗(シート抵抗)を測定し、触針式膜厚計により、膜厚を測定し、この表面抵抗の値と膜厚の値を用いて、以下の式(1)により膜の抵抗率を求めることにより行った。
抵抗率(Ωcm)=表面抵抗(Ω/□)×膜厚(cm) (1)
光学特性の評価は、可視分光光度計を用いて、JIS R 1635に規定された方法により、可視光透過率を測定することにより行った。
膜の結晶構造の評価は、粉末X線回折測定装置を用いて、膜にCuKα線を照射して、X線回折図形を得て結晶型を同定することにより行った。
実施例1
酸化亜鉛粉末(ZnO、株式会社高純度化学製、純度99.99%)および酸化錫粉末(SnO2、株式会社高純度化学製、純度99.99%)をモル比Zn:Snが2:1となるように秤量し、直径5mmのジルコニア製ボールを用いて乾式ボールミルにより混合した。得られた混合粉末をアルミナ製ルツボに入れて酸素雰囲気中において900℃で5時間保持して仮焼し、直径5mmのジルコニア製ボールを用いて乾式ボールミルにより粉砕し、得られた粉砕粉末を、金型を用いて一軸プレスにより500kgf/cm2の圧力で円板状に成形した。得られた成形体を酸素雰囲気中において常圧で1200℃で5時間保持して焼結して焼結体を得た。該焼結体をスパッタリング用ターゲットとしてマルチカソードスパッタリング装置(複数の材料を同時に放電させる多元同時スパッタリング機能を有する。アネルバ株式会社製、型番L−332S−FHS)内に設置し、さらに基板として溶融石英ガラス基板を用い、該基板をスパッタリング装置内に設置した。Arガス(ジャパンファインプロダクツ株式会社製Ar純ガス−5N)をスパッタリング装置内に導入して、圧力0.25Pa、電力100W、基板温度800℃の条件でスパッタリングを行い、基板に成膜を行った。得られた膜についてXRD(粉末X線回折)を測定したところ、Zn2SnO4スピネル結晶の(111)面、(311)面、(222)面、(511)面に相当するピークが観察され、結晶膜であることが確認できた。また、EPMA(電子プローブマイクロアナライザ、装置名:JXA−8200、日本電子株式会社製)により、得られた膜の金属元素の組成(モル比)を測定したところ、Zn:Sn=2:1であった。得られた結晶膜は目視において透明であり、透過率を測定したところ可視光透過率は80%以上であった。得られた結晶膜の電気特性に関して、抵抗率は7.19×10-2Ω・cm、移動度は10.3cm2/V・s、キャリア密度は7.63×1018/cm3であり、透明導電性結晶膜であることを確認することができた。
実施例2(ドーピング元素:Al)
実施例1で作製した焼結体からなるスパッタリングターゲットとアルミナターゲット(Al23)とをマルチカソードスパッタリング装置内に設置し、さらに基板として溶融石英ガラス基板を用い、該基板をスパッタリング装置内に設置し、同時にスパッタリングを行うことにより、Alのドーピングを行った。Arガス(ジャパンファインプロダクツ株式会社製Ar純ガス−5N)をスパッタリング装置内に導入して、圧力0.25Pa、ZTOターゲットの電力50W、アルミナターゲットの電力13W、基板温度800℃の条件でスパッタリングを行い、基板に成膜を行った。得られた膜についてXRD(粉末X線回折)を測定したところ、Zn2SnO4スピネル結晶の(111)面、(311)面、(222)面、(511)面に相当するピークが観察され、結晶膜であることが確認できた。また、EPMAにより、得られた膜の金属元素の組成(モル比)を測定したところ、Zn:Sn:Al=2:1:0.09であった。得られた結晶膜は目視において透明であり、可視光領域においてほぼ80%以上の透過率を示した。得られた結晶膜の電気特性に関して、抵抗率は1Ω・cm、移動度は7cm2/V・s、キャリア密度は1018/cm3であり、透明導電性結晶膜であることを確認することができた。
実施例3(ドーピング元素:Sb)
実施例1で作製した焼結体からなるスパッタリングターゲットとアンチモンターゲット(Sb)をマルチカソードスパッタリング装置内に設置し、さらに基板として溶融石英ガラス基板を用い、該基板をスパッタリング装置内に設置し、同時にスパッタリングを行うことにより、Sbのドーピングを行った。Arガス(ジャパンファインプロダクツ株式会社製Ar純ガス−5N)をスパッタリング装置内に導入して、圧力0.25Pa、ZTOターゲットの電力50W、アンチモンターゲットの電力12W、基板温度800℃の条件でスパッタリングを行い、基板に成膜を行った。得られた膜についてXRD(粉末X線回折)を測定したところ、Zn2SnO4スピネル結晶の(111)面、(311)面、(222)面、(511)面に相当するピークが観察され、結晶膜であることが確認できた。また、EPMAにより、得られた膜の金属元素の組成(モル比)を測定したところ、Zn:Sn:Sb=1.4:1:0.06であった。得られた結晶膜は目視において透明であり、可視光領域においてほぼ80%以上の透過率を示した。得られた結晶膜の電気特性に関して、抵抗率は10-1Ω・cm、移動度は2cm2/V・s、キャリア密度は4×1019/cm3であり、透明導電性結晶膜であることを確認することができた。
比較例1
基板温度を500℃とした以外は実施例1と同様にして、基板に成膜を行った。得られた膜について、EPMAにより金属元素の組成(モル比)を測定したところ、Zn:Sn=2:1であった。しかしながら、膜のXRD測定では、Zn2SnO4スピネル結晶のピークは検出されず、非晶質膜であることを示すハローが検出された。

Claims (6)

  1. Zn、SnおよびOを主成分とする酸化物を用いて、物理的成膜法により、基板温度が550℃以上の温度の基板に成膜することを特徴とする透明導電性結晶膜の製造方法。
  2. 酸化物が、Alおよび/またはSbのドーピング元素を、さらに含有する請求項1記載の製造方法。
  3. 結晶膜が、スピネル型結晶膜である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 酸化物が、焼結体ターゲットである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 物理的成膜法が、スパッタリング法である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる透明導電性結晶膜。
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