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JP2009210072A - 真空断熱材 - Google Patents

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JP2009210072A
JP2009210072A JP2008055469A JP2008055469A JP2009210072A JP 2009210072 A JP2009210072 A JP 2009210072A JP 2008055469 A JP2008055469 A JP 2008055469A JP 2008055469 A JP2008055469 A JP 2008055469A JP 2009210072 A JP2009210072 A JP 2009210072A
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JP
Japan
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inorganic
heat insulating
fiber layer
inorganic fiber
insulating material
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Application number
JP2008055469A
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Yoshinobu Kakizaki
芳信 柿崎
Yuji Katagiri
裕治 片桐
Fumihide Hibi
文秀 日比
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、平均繊維径4μm以下の無機繊維を構成主体とする不織性の無機繊維層を芯材として用いてなる真空断熱材において、前記無機繊維層からなる芯材が、無機バインダーで無機繊維同士を結着する実質的に無機物のみの構成でありながら、良好な柔軟性、可撓性を維持し、表裏間の熱伝導の良化による断熱性能の低下を抑えつつ、耐圧性に優れ、長期にわたって優れた断熱性能を維持し得る真空断熱材を提供する。
【解決手段】 本発明の真空断熱材は、平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした不織性の無機繊維層からなる芯材をガスバリア性の外被材で梱包し内部を減圧し密閉してなる真空断熱材において、前記芯材が、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面の表面部の前記無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着され実質的に無機物のみから構成されたものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、不織性の無機繊維層を芯材としてなる真空断熱材に関する。
従来、真空断熱材としては、無機繊維を構成主体として、ニードリングマット、フェルト等の乾式製法、または、抄紙シート等の湿式製法で成形した無機繊維層からなる芯材を、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性プラスチックフィルムと金属箔または金属蒸着等の金属類を積層、ラミネートしたガスバリア性の外被材で包み、内部の空気を除去した後、融着密閉化して成形したものが一般的に使用されている。
熱可塑性プラスチックフィルムは、柔軟性と融着加工性を付与する機能を持ち、金属類は、外部の空気の進入を阻止するガスバリア機能を持つ。芯材は、断熱性を高めるため、熱対流空間を小さくさせ、熱の移動を遅くさせる機能を持たせる方法として、無機繊維径を1μm以下に細くしたり、無機繊維中のショット(未繊維化粒状物)の含有率を低下させたり、無機繊維を伝熱方向に対して垂直方向に配列させたりして、熱伝導率を低くすることが行われている(例えば、特許文献1〜2)。
無機繊維径を細くすると、繊維同士の接合点面積が減少し、熱移動経路が複雑となり、断熱性能は向上する。また、平均繊維径が4μm以下の無機繊維は、通常火炎法や遠心法といった溶融材料から紡糸し高速火炎や高速気流で吹き飛ばす方法によって製造されたウール状繊維であり、本来の無機繊維に混じって、繊維の端部に涙滴状の塊状物が付いたもの、繊維が部分的に太くなったもの、吹き飛ばす前の太い繊維がそのまま残ったもの等の本来の無機繊維に対して比較的大きなサイズを有した粒状物や繊維状物が少量混入しており(これをショットと呼んでいる)、特に粒径の大きなショットは、断熱材に大きな気孔を生じさせ、気体の対流伝熱、気体分子の衝突による伝熱を促進するため、ショットの含有率を減らすことで、断熱性能を改善できる。また、無機繊維層において、断熱材の伝熱方向に対して垂直方向に繊維を配列することで、断熱材の表裏間の伝熱経路を複雑化、迷路化し熱伝導時間を長くすることができるため、断熱性能は向上する。
以上のような真空断熱材は、冷蔵庫、炊飯器、給湯機、自動販売機等の家庭用・業務用電化製品の省エネルギー推進の断熱材として、また、医療用や各種鮮度保持用の保冷容器の断熱材として、また最近では、防寒衣料の断熱材や無暖房住宅用の断熱材として適用が進み、厚みを薄くして高性能な断熱性を求める需要に対応しつつある。
しかしながら、特許文献1〜2のような真空断熱材芯材は、熱伝導を低く抑えるために無機繊維のみから構成されているため、真空減圧して密閉加工すると、大気圧により芯材の厚み方向で30〜40%に縮減する厚さヘタリを起こす。これにより、繊維間距離が短くなり、繊維同士の接触面積が増大して、熱伝導が増し、断熱性能が低下する問題がある。
そこで、無機繊維層からなる真空断熱材芯材において、減圧による厚さヘタリを改善するため、有機バインダー(例えば、特許文献3〜4)や、反発性の合成繊維や、無機バインダー(例えば、特許文献5〜6)を導入することが考えられる。
しかし、有機バインダーや合成繊維のような有機物を導入すると、減圧排気時に未反応成分や表面処理剤からのガス発生を伴い真空度を上げられない問題があるほか、初期特性は良好でも長期使用すると徐々にガス発生のため断熱性能が低下する問題がある。この対策として、いわゆるゲッター剤(吸着剤)を導入することがあるが、補助的な解決手段であり根本的な解決手段とはならない。また、ゲッター剤を導入した部分の断熱性の低下、加工工数が増える等の問題も生じる。従って、有機バインダーや合成繊維等の有機物の導入は好ましくない。
また、特許文献5〜6のような、無機バインダーとして一般的に使用されるシリカエマルジョン(無機酸化物ゾル)等を導入すると、無機繊維の交点はよく接着されて固められるので、厚さヘタリは改善されるが、無機繊維同士が完全接着するため、接着部が熱架橋として作用し(熱移動経路をショートカットさせ)、真空断熱材の表裏間の熱移動距離を短くして熱伝導が良くなり、断熱性能が低下する問題がある。また、無機酸化物ゾルで接着された無機繊維層は、柔軟性、可撓性が低下し、硬く脆い層となるため、曲面設置用途に使用できない、原反をロール巻きできない等の問題も生じる。また、無機繊維層が硬く脆い層となるため、割れ、欠けが生じ易くなるとともに、硬い破損物がガスバリア性の外被材にキズを与え真空断熱材としての機能を失わせる場合がある。また、無機バインダーが皮膜を形成し易いため、皮膜により減圧排気時間が長時間化するという問題もある。
また、有機バインダーや無機バインダーを使用しない方法として、無機繊維自身の溶融または溶解成分により無機繊維同士を結着する方法(例えば、特許文献7〜9)もあるが、無機繊維自身の表面成分の溶融または溶解は、無機繊維の強度低下を招き、繊維が折れ易くなる等の問題がある。また、溶融による場合、繊維の交点のみを加熱溶融させることは困難であり、通常の加熱処理を行うと、繊維同士が溶け合って結合し易く、無機繊維が太くなって熱伝導を高める問題や、無機繊維層が硬くなって、割れ、欠けが生じ易くなり、硬い破損物を生じる問題がある。
尚、無機バインダーで無機繊維の交点を結着して厚さヘタリを防止する方法において、無機繊維の接着部が熱架橋として作用し熱伝導が良くなる問題や、無機繊維層が硬くなり割れや欠けを生じ易くなる問題に対して、無機バインダーを無機繊維層の一部分のみに付着させるかあるいは無機バインダーの付着量の少ない部分を設けるようにする方法も提案されている(例えば、特許文献10〜11)。
特開2005−265038号公報 特開2007−239931号公報 特開平9−138058号公報 特開2001−108186号公報 特開平10−115396号公報 特開2004−084847号公報 特開平7−139691号公報 特開平7−167376号公報 特開2006−002314号公報 特開2003−148687号公報 特開2004−011707号公報
前述した通り、無機繊維層を芯材とする真空断熱材においては、組立性、厚さ均一性、減圧密閉後の形状保持性等の観点から、前記無機繊維層は、ボード状、マット状、シート状等の成形体にて構成する必要があり、したがって、成形体をなす無機繊維層としては、ニードリング法のように繊維配列を壊すような特殊な成形方法を除外すれば(繊維が断熱材の伝熱方向に配向するようになるため本発明の思想ともまったく合致しない)、繊維同士が接合した構造をなすことが重要となるが、有機物をバインダーとして導入する方法はガス発生を伴うため不適であり、無機繊維層は実質的に無機物のみで構成することが必要となるが、一般的な無機酸化物ゾルのような無機バインダーを導入する方法は無機繊維同士が完全接着し熱架橋作用により熱伝導が増して断熱性能が低下するとともに無機繊維層が硬くなり割れや欠けを生じ易くなるため好ましくなく、無機繊維自身の溶融または溶解成分により無機繊維同士を結着する方法は無機繊維の強度低下を伴うため好ましくない。
一方、無機繊維層からなる真空断熱材芯材の減圧密閉加工後の略大気圧下(約1kg/cm加圧下)での厚さヘタリの改善程度で見てみると、無機繊維自身の溶融または溶解成分により無機繊維同士を結着する方法である例えば特許文献7の方法では、30〜40%の厚さヘタリを示す。これは、中性条件で抄造した場合の厚さヘタリ50〜70%よりは改善されているが、近年の厚みを薄くして高性能な断熱性を求める需要に対応するには更なる改善が必要となっている。
そこで、本発明は、前記従来の問題点に鑑み、平均繊維径4μm以下の無機繊維を構成主体とする不織性の無機繊維層を芯材として用いてなる真空断熱材において、前記無機繊維層からなる芯材が、無機バインダーで無機繊維同士を結着する実質的に無機物のみの構成でありながら、良好な柔軟性、可撓性を維持し、表裏間の熱伝導の良化による断熱性能の低下を抑えつつ、耐圧性に優れ、長期にわたって優れた断熱性能を維持し得る真空断熱材を提供することを目的とする。
本発明の真空断熱材は、前記目的を達成するべく、請求項1に記載の通り、平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした無機繊維層からなる芯材をガスバリア性の外被材で梱包し内部を減圧し密閉してなる真空断熱材において、前記芯材が、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面の表面部の前記無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着され実質的に無機物のみから構成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の真空断熱材は、前記目的を達成するべく、請求項2に記載の通り、平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした不織性の無機繊維層からなる芯材をガスバリア性の外被材で梱包し内部を減圧し密閉してなる真空断熱材において、前記芯材が、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面に自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなる通気性被膜が形成され実質的に無機物のみから構成されたものであることを特徴とする。
また、請求項3記載の真空断熱材は、請求項1または2記載の真空断熱材において、前記無機繊維層が前記無機繊維を主体とした不織布シートからなることを特徴とする。
また、請求項4記載の真空断熱材は、請求項3記載の真空断熱材において、前記無機繊維層が前記無機繊維を主体とした湿式抄造シートからなることを特徴とする。
また、請求項5記載の真空断熱材は、請求項1〜4の何れか1項に記載の真空断熱材において、前記無機繊維層が平均繊維径1.5μm以下の無機繊維を主体構成とすることを特徴とする。
また、請求項6記載の真空断熱材は、請求項1〜5の何れか1項に記載の真空断熱材において、前記無機繊維層が実質的に前記無機繊維と前記膨潤性層状粘土鉱物のみから構成されることを特徴とする。
また、請求項7記載の真空断熱材は、請求項1〜6の何れか1項に記載の真空断熱材において、前記膨潤性層状粘土鉱物がスメクタイト族であることを特徴とする。
本発明によれば、平均繊維径4μm以下の無機繊維を構成主体とする不織性の無機繊維層を芯材として用いてなる真空断熱材において、前記無機繊維層からなる芯材は、実質的に無機物のみで構成されており、耐熱性が高いとともに、真空度低下や断熱性能低下をもたらすガス発生がなく、また、無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面の表面部の前記無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着されており、無機繊維同士が無機バインダーによる結着構造を有しているにも拘わらず、無機繊維層は硬く脆くならず柔軟性を維持しているので、割れ・欠けの発生やバリによる外被材への損傷を防止し得るとともに、曲面設置用途にも対応でき適用範囲を広くでき、無機繊維層を抄造シート等にて構成する場合にシート原反をロール巻きすることができ、また、無機バインダーによって形成される被膜は通気性を有するため、減圧排気時間の長時間化を防止することができ、更に、耐圧性が大幅に改善されるので、減圧密閉後の厚さヘタリを極力防止し長期にわたって優れた断熱性能を維持し得る真空断熱材を提供することができる。
また、前記無機繊維層からなる芯材は、無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面に自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなるミクロン単位の厚さの通気性被膜が形成されており、大気圧(約1kg/cm)程度の加圧では潰れにくい優れた耐圧性を発揮するので、減圧密閉後の厚さヘタリが大幅に改善され、長期にわたって厚さを維持して断熱性能を維持し、製品寿命の長い住宅、建築の用途分野にも適用可能となる。
本発明の真空断熱材芯材は、平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした不織性の無機繊維層からなり、無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面の表面部の無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着され実質的に無機物のみから構成されるようにしたものである。また、前記真空断熱材芯材は、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面に自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなる通気性被膜が形成され実質的に無機物のみから構成されたものであってもよい。無機繊維層の表面部の無機繊維同士が自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着されるとともに、無機繊維層の表面に膨潤性層状粘土鉱物からなるミクロンレベルの厚さの被膜が形成された構成であるので、厚さ方向にかかる加圧力をシート全面で受けるため、優れた耐圧性を示す。この意味からは、真空断熱材芯材の耐圧性を追求するには、上記構成において、無機繊維層の表裏面の両面の表面部の無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着されること、あるいは、無機繊維層の表裏面の両面に自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなる通気性被膜が形成されることが好ましい。
前記無機繊維を主体構成とした無機物のみからなる無機繊維層は、前記無機繊維、前記膨潤性層状粘土鉱物の他に、用途や目的に応じて、無機粉体等の副材料を混入させることが可能であるが、本発明の目的を追求する意味からは、前記無機繊維と前記膨潤性層状粘土鉱物のみで構成するようにするのが好ましい。
前記無機繊維層は、平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成としてなるものである。ここで、「平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とする」とは、前記無機繊維層を構成する無機繊維材料として、平均繊維径4μm以下の無機繊維材料のみからなる場合のほか、平均繊維径4μm以下の無機繊維材料と平均繊維径4μm超えの無機繊維材料が混成される場合(但し、無機繊維層全体で平均繊維径は4μm以下となる場合)も含むものである。
前記無機繊維層は、平均繊維径1.5μm以下の無機繊維を主体構成としてなることがより好ましい。不織性の無機繊維層からなる芯材の場合、無機繊維が細ければ細いほど、繊維同士の接合点面積が減少し、熱移動経路が複雑となり、断熱性能は向上するので、この観点からは、前記無機繊維層の無機繊維の平均繊維径は1.5μm以下であることが好ましく、更には1μm以下がより好ましい。また、前記無機繊維層の無機繊維の平均繊維径を1.5μm以下、更には1μm以下とした場合は、特に前記無機繊維層を不織布シートや湿式抄造シートから構成する場合に、無機繊維同士の絡み合いが増えシート強度が増すとともに、シートの厚さ均一性が増し断熱性能の均一性を向上させることができる。また、前記無機繊維の平均繊維径は、0.2μm以上であることが好ましい。平均繊維径が0.2μm未満であると、前記無機繊維層を湿式抄造シートから構成する場合、湿式抄造によるシート化自体は可能であるが、濾水性が悪いため製造コストが高くなり、工業製品として実用に適さないという不都合がある。
前記不織性の無機繊維層は、前記無機繊維を主体とした湿式抄造シートからなることが好ましい。不織性の無機繊維層の形態としては、前記無機繊維を不織シート化したもの、更に該シートを複数枚積層したもの、シート化せずウール状無機繊維を単に集綿積層したもの等が挙げられるが、前記無機繊維を主体とした湿式抄造シートとした場合には、芯材の厚さ均一性を高められるので、真空断熱材の表面平滑性が高められるとともに、断熱特性の均一性を高められる。湿式抄造シートからなる無機繊維層は、ウール状無機繊維を集綿積層し圧縮して得た無機繊維層よりも、厚さと密度の精度に優れ、安定した品質とすることができる。また、湿式抄造シートの1枚当たりの厚さを薄くし複数枚積層するように構成した場合は、芯材の水平方向(シートの積層方向に対して垂直方向)への無機繊維の配列度合いが高くなり、芯材の表裏方向での熱伝導に対して水平方向に整列されたガラス繊維が熱伝導を阻害して、真空断熱材の断熱性能が向上する。
前記無機繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、スラグウール繊維、ロックウール繊維等を使用できるが、繊維径の細い無機繊維を容易に入手できる点で、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維は他の無機繊維に比べ、溶融温度が低く微細繊維化が容易である。前記微細ガラス繊維は、例えば、耐酸性のCガラスを、約1100℃で溶融、紡糸後、バーナの火炎でエネルギーを与え、吹き飛ばして得られた平均繊維径が0.2〜4μmのウール状ガラス繊維が好ましい。
本発明の膨潤性層状粘土鉱物は、無機物であり、溶媒に溶かす等して湿潤状態で使用し乾燥させることで、自己造膜性を有し、無機バインダーとして機能するものである。特に、スメクタイト族(鉱物名ではサポナイト、ヘクトライト、ソーマナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)の膨潤性層状粘土鉱物は、ナノサイズの鱗片状構造であり、これが層状に重なることで乾燥すると硬く強度のある膜形状を呈する。ただし、膨潤性層状粘土鉱物はそれ単体では、クラックを生じるため完全な膜を得ることは難しい。しかし、本発明の平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とする不織性の無機繊維層となる例えば無機繊維不織布シートに塗工あるいは含浸処理を行うと、無機繊維間の距離が4μm以下と小さいため、無機繊維間に容易に膜形成させることができる。
自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物は、チクソトロピー性が高く、わずか1重量%水溶液でも4000〜8000mPa・sの粘度(B型粘度計で測定)を保つため、本発明の平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とする不織性の無機繊維層となる例えば無機繊維不織布シートの表面にコートすれば、不織布シートの内部に膨潤性層状粘土鉱物が浸入しないので、乾燥させると、不織布シート表面にミクロン単位の厚さの被膜を容易に形成できる。
前記膨潤性層状粘土鉱物は、水に分散させると数nmの鱗片状に膨潤分散し、この水溶液を乾燥させると鱗片状に粘土が重なった、柔軟性を備えた膜を容易に得ることができ、目的とする無機繊維層の表面のみに、柔軟性を備えたミクロン厚さの無機物からなる耐圧膜を得ることができる。またこの膜は、黒鉛グラファイトと同じく鱗片状であるため、滑りが良好で、外被材に芯材を挿入するのが容易となる利点もある。更に、製造上では、本発明の無機繊維層となる例えば無機繊維不織布シートに対して、膨潤性層状粘土鉱物の水溶液を塗工あるいは含浸処理して、その後乾燥させるだけでよいので、設備費用も少なくて済む利点がある。尚、スメクタイト系膨潤性層状粘土鉱物の耐熱温度は700℃である。
前記膨潤性層状粘土鉱物は、天然物、合成物のどちらでも使用できる。天然物の場合、非常に安価であるが、鉄分等の不純物を含み、色相では灰色等を呈するため、金属不純物を嫌う用途には不向きである。合成物の場合は、色相は通常無色透明であり、不純物を含まない利点があるが、天然物に比べ20倍以上高価である。
尚、従来の一般的な無機バインダーとして酸化物ゾルが知られているが、積層して自己造膜する性質はなく、無機繊維の交点を強固に結着固定するため、酸化物ゾルを処理した無機繊維不織布シートは柔軟性がなくなり硬く脆いシートとなり、外被材を傷つける異物発生の原因となることが考えられる。また、無機繊維の交点を強固に結着固定するので、この部分を通しての熱伝導が良くなり、断熱性能を阻害する。また、従来の鱗片状の無機バインダーとして天然雲母や合成雲母が知られているが、平均粒径3μm以下のものが得られずサイズが大きいため、バインダーとしての接着力は得にくい。
本発明の真空断熱材芯材は、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面を前記膨潤性層状粘土鉱物の付着面とした無機繊維層からなるものであり、該無機繊維層としては無機繊維を主体とした無機繊維不織布シートを単層または積層して構成することが好ましい。無機繊維層の具体例としては、無機繊維層を1枚の無機繊維不織布シートからなる単層構造の無機繊維層から構成する場合は、1枚の無機繊維不織布シートの表裏面の少なくとも一方の面を膨潤性層状粘土鉱物の付着面とすればよく、無機繊維層を複数枚の無機繊維不織布シートからなる複数層構造の無機繊維層から構成する場合は、複数枚の無機繊維不織布シートのうち少なくとも1枚の無機繊維不織布シートの表裏面の少なくとも一方の面を膨潤性層状粘土鉱物の付着面とし、無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面が膨潤性層状粘土鉱物の付着面となるようにそれらを積層すればよく、単層、複数層、何れの場合も、結果として、無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面が膨潤性層状粘土鉱物の付着面となるように構成されればよい。
次に、本発明の真空断熱材の具体的な製造方法について、その一例を用いて説明する。
(1)無機繊維、例えば所定量の微細ガラス繊維を、ミキサー、パルパー等の分離機により水中で均一に分散・混合して、抄紙種を得、タンクに貯蔵する。
(2)タンクから連続的に抄紙種を円網、長網または傾斜式抄紙機に供給して湿式抄造し、乾燥して、所定厚みの無機繊維抄紙シートの原反シートを得る。
(3)原反シートを、所定サイズに裁断して、無機繊維不織布シートを得る。
(4)スメクタイト族膨潤性層状粘土鉱物を規定濃度になるよう計量する。
(5)水(水道水でよい)およびスメクタイト族膨潤性層状粘土鉱物を撹拌機(ホモジナイザー)に投入し、5分間撹拌して均一に分散させ、チクソトロピー性の膨潤性層状粘土鉱物溶液を得る。
(6)膨潤性層状粘土鉱物溶液をスプレー、ロールコータ、ドクターコータ等の塗工法、もしくは、浸漬槽等を用いる含浸法により、(3)で得られた無機繊維不織布シートの表面に規定量付着させる。ただし、本発明において膨潤性層状粘土鉱物の付着部を設ける意味は耐圧性を高める薄い補強膜を形成することが主目的であることから、少なくとも表面部分に付着させられる方法であれば構わない。
(7)一般的な乾燥機(循環熱風乾燥炉等)で乾燥し、膨潤性層状粘土鉱物の付着面を設けた無機繊維不織布シートを得る。
(8)(1)〜(7)で得られた無機繊維不織布シートAと、必要に応じて(1)〜(3)で得られた他の無機繊維不織布シート(シート表裏面への膨潤性層状粘土鉱物の付着面の設定は任意)B,C・・・を積層するようにして、単層あるいは複数層で構成され表裏面の少なくとも一方の面を膨潤性層状粘土鉱物の付着面とした無機繊維層を作製し、真空断熱材芯材とする。
(9)前記真空断熱材芯材の吸着微量水分を蒸発除去するため熱風乾燥機で加熱処理(180℃,5時間)後、水分の再吸着を防ぎながら、直ちに袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引き(5.32Pa,10分)を行い、融着密封して真空断熱材を得る。
尚、上記した本発明の真空断熱材の具体的製法例において、加熱乾燥方法およびその温度や時間については、特に制限をするものではなく、また、真空引きの程度についても、特に制限はないが、10.64Pa以下程度とすることができる。また、ガスバリア性外被材としては、その内部を真空状態に保つことができるものであれば特に制限はなく、一例としては、アルミニウム箔とポリエステル、ポリエチレン等のフィルムからなる多層ラミネートフィルムを挙げることができる。
以上のように、本発明の真空断熱材芯材をなす無機繊維層においては、本発明の無機繊維層の表裏面の片面あるいは両面を、本発明の膨潤性層状粘土鉱物の付着面とすることで、該付着面(表面部)において、膨潤性層状粘土鉱物のバインダー機能により無機繊維同士の結着を行い、また膨潤性層状粘土鉱物の自己造膜機能により付着面全体に被膜を形成する。該被膜は、ナノサイズの鱗片状物が無数に層状に重なり合ってできる被膜のため構造が非常に緻密であり、数μm程度(通常5μm以下)の薄膜であって高強度の膜であるが柔軟性があり、また通気性も有している。よって、無機繊維層の表裏面の片面あるいは両面で無機繊維が結着されるとともに高強度の被膜が形成されることで、無機繊維層の耐圧性を著しく向上させ、また、無機繊維層の膨潤性層状粘土鉱物の付着面が柔軟性を維持しているので、割れや欠けを生じにくく原反のロール巻きも可能とし、また、無機繊維層の膨潤性層状粘土鉱物の付着面が通気性を維持しているので、減圧排気時間の長時間化を防止できる。また、本発明において、無機繊維層に膨潤性層状粘土鉱物の付着部を設ける主目的は、無機繊維層の耐圧性改善であり、上記した膨潤性層状粘土鉱物の特長により、無機繊維層の表裏面の少なくとも一面を付着部とすればその目的は達成できるため、無機繊維層全体の中で膨潤性層状粘土鉱物の付着部とすべきは表裏の表面部のみ(しかも厚さ数μmのみ)となっている。つまり、本発明の無機繊維層の考え方においては、耐圧性向上という主目的があるために、本来無機繊維のみからなる無機繊維層に、敢えて、付着材料(膨潤性層状粘土鉱物)を導入するようにしているが、付着材料を導入することの弊害(真空断熱材芯材としての基本的機能・性能の阻害要因となるものも含まれる)も当然ある。その意味において、本発明の無機繊維層においては、主目的達成のために、無機繊維層全体の中で膨潤性層状粘土鉱物の付着部とすべきは表裏の表面部のみ(しかも厚さ数μmのみ。後述する実施例2の例では、厚さ3000μm×2枚のガラス繊維不織布シートに対してスメクタイト粘土被膜が厚さ4μm×2層であり、膨潤性層状粘土鉱物の付着部は無機繊維層全体の約0.13%)であることから、主目的達成の影響で受ける弊害を、ほんの最小限に抑えることができるという点で、発明の効果は非常に大きい。つまり、本発明の無機繊維層全体の中で膨潤性層状粘土鉱物の付着部とすべきは表裏の表面部の厚さ数μmのみ(無機繊維層の0.13%程度)であり、内層部や付着面とならない他面の表面部(無機繊維層の99.87%程度)は膨潤性層状粘土鉱物の付着がない本来の柔軟性を維持できていることから、無機繊維層全体でも高い柔軟性を維持しており、割れや欠けを生じにくく、曲面設置用途にも対応可能にでき、また、内層部や付着面とならない他面の表面部(無機繊維層の99.87%程度)は膨潤性層状粘土鉱物の付着がなく無機繊維同士が結着していないことから、無機繊維層の表裏間の熱移動距離を短くし断熱性能を低下させる熱架橋作用を抑えることができる。
次に、本発明の実施例について、比較例および従来例とともに詳細に説明する。
(実施例1)
平均繊維径1.0μmのCガラス組成のウール状ガラス繊維100重量%を水中で分散・混合後、通常の抄紙機にて湿式抄造し、105℃で乾燥して、厚さ3.0mm、坪量420g/mのガラス繊維抄紙シートを得た。
次に、自己造膜性およびバインダー機能を有する膨潤性層状粘土鉱物として合成スメクタイト粘土(コープケミカル社製 ルーセンタイトSWN)を10g採取し、ステンレス槽に投入し、水990gを加えて、ホモジナイザー(シルバーソン社製 L4R)を用いて5分間撹拌して均一分散させ、チクソトロピー性を備えた濃度1重量%の粘土水溶液を得た。
次に、前記ガラス繊維抄紙シートを400mm×400mmのサイズに裁断したシート(重量67.2g)の表裏面の一方の面に、前記粘土水溶液134g(固形分1.3g)をナイフコータで均一に塗布し、105℃の熱風乾燥機で乾燥させ、表裏面の一方の表面のみに合成スメクタイト粘土の付着面が形成され該表面部のガラス繊維同士が合成スメクタイト粘土で結着固定され該表面に合成スメクタイト粘土の通気性被膜が形成されたガラス繊維不織布シート(合成スメクタイト粘土の付着量2重量%)を得た。
次に、前記片面のみに合成スメクタイト粘土の付着面が形成されたガラス繊維不織布シート2枚を、該付着面が表裏面となるように積層し、実施例1の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、厚さ3.0mm、坪量420g/mのガラス繊維抄紙シートを得るとともに、実施例1と同様の手順で、濃度2重量%の粘土水溶液を得た。
次に、前記ガラス繊維抄紙シートを400mm×400mmのサイズに裁断したシート(重量67.2g)の表裏面の一方の面に、前記粘土水溶液134g(固形分2.6g)をナイフコータで均一に塗布し、105℃の熱風乾燥機で乾燥させ、実施例1と同様な片面にのみ合成スメクタイト粘土の付着面が形成され繊維結着と被膜形成(約4μm厚さ)がなされたガラス繊維不織布シート(合成スメクタイト粘土の付着量4重量%)を得た。
次に、このガラス繊維不織布シート2枚を、粘土付着面が表裏面となるように積層し、実施例2の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。また、上記ガラス繊維不織布シートの微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図1〜2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様にして、厚さ3.0mm、坪量420g/mのガラス繊維抄紙シートを得るとともに、実施例1と同様の手順で、濃度4重量%の粘土水溶液を得た。
次に、前記ガラス繊維抄紙シートを400mm×400mmのサイズに裁断したシート(重量67.2g)の表裏面の一方の面に、前記粘土水溶液134g(固形分5.2g)をナイフコータで均一に塗布し、105℃の熱風乾燥機で乾燥させ、実施例1と同様な片面にのみ合成スメクタイト粘土の付着面が形成され繊維結着と被膜形成がなされたガラス繊維不織布シート(合成スメクタイト粘土の付着量8重量%)を得た。
次に、このガラス繊維不織布シート2枚を、粘土付着面が表裏面となるように積層し、実施例3の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
平均繊維径3.5μmのウール状ガラス繊維の原綿を600g採取して、できるだけガラス繊維が均一になるように1mの積層シートとし、密度が0.20g/cmとなるように金属熱板間に挟んで200℃、2時間で加熱成形して、約3mm厚さの不織性ガラス繊維シートを得た。
次に、前記シートを400mm×400mmのサイズに裁断した2枚を、より平滑な面が外側になるように積層し、比較例1の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。
尚、上記積層シートは、ウール状ガラス繊維の原綿を採取してできるだけガラス繊維が均一になるようにして作製しているが、不定形のウール状ガラス繊維から直接、均一なシート状に加工するのには限界があり、シート厚さの均一性は、上記実施例1〜3や後述の従来例のような抄紙法によるシートよりも劣る。
(比較例2)
実施例1と同様にして、厚さ3.0mm、坪量420g/mのガラス繊維抄紙シートを得た。
次に、無機バインダーとしてコロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックスO)を用意し、実施例1と同様の手順で、濃度2重量%のシリカゲル水溶液を得た。
次に、前記ガラス繊維抄紙シートを400mm×400mmのサイズに裁断したシート(重量67.2g)の表裏面の一方の面に、前記シリカゲル水溶液134g(固形分2.6g)をナイフコータで均一に塗布し、105℃の熱風乾燥機で乾燥させ、片面にのみシリカゲルの付着面が形成されたガラス繊維不織布シート(シリカゲルの付着量4重量%)を得た。
次に、このガラス繊維不織布シート2枚を、シリカゲル付着面が表裏面となるように積層し、比較例2の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。また、上記ガラス繊維不織布シートの微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図4に示す。
(従来例)
実施例1と同様にして得た厚さ3.0mm、坪量420g/mのガラス繊維抄紙シートを400mm×400mmのサイズに裁断したシート(重量67.2g)2枚を積層し、従来例の真空断熱材芯材とした。
次に、乾燥した前記芯材を袋状のガスバリア性外被材に挿入し、真空引きを行い融着密封して真空断熱材を得、加圧時の厚さおよび断熱特性を測定した。結果を表1に示す。また、上記ガラス繊維抄紙シートの微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図3に示す。


表1および図1〜4の結果から以下のことが分かった。尚、図5は、各例の芯材を0.2〜3.0kg/cmで加圧して測定した加圧時厚さの結果を示すグラフ(但し、縦軸の厚さは、0.2kg/cm加圧時の厚さを100%とした相対厚さ)である。
(1)本発明の実施例1〜3の真空断熱材では、無機繊維層からなる芯材として、無機繊維層の表裏両面をスメクタイト粘土2〜8重量%付着面としたものであるが、表面部のガラス繊維がスメクタイト粘土により固定されるとともに付着面全体に高強度の被膜(補強膜)が形成されたことにより、0.2〜3.0kg/cm加圧下での厚さ減少(厚さヘタリ)が、従来例や比較例1〜2に比べ大幅に改善されている。例えば、大気圧相当の1.0kg/cm加圧の場合、0.2kg/cm加圧厚さ(本発明における無機繊維不織布シートの「厚さ」の基準)からの厚さ減少率は、3.8〜9.6%と僅かであり、付着材料を使用しなかった従来例の30.1%、太いガラス原綿を積層し加熱成形した比較例1の15.2%、付着材料をシリカゲルとした比較例2の27.9%と比べても、大幅に改善されている。従って、長期にわたる加圧等の構造的な変形に対して本発明の真空断熱材を適用すると性能を維持できる可能性が高い。
(2)実施例1〜3の真空断熱材では、無機繊維層からなる芯材として、耐圧性向上を主目的に無機繊維層に繊維結着と被膜形成を与える付着材料を2〜8重量%導入したが、初期の熱伝導率(表1の大気圧下の熱伝導率)は、付着材料を導入しなかった従来例からまたく悪化しておらず、熱伝導率が低く抑えられ、断熱性能が高い。
(3)より過剰な変形を想定して、2.0kg/cm、3.0kg/cmの加圧下での熱伝導率を測定すると、実施例1〜3では、大気圧下(1.0kg/cm)の熱伝導率に比べて、2.0kg/cm加圧下で約0〜4%、3.0kg/cm加圧下で約4〜16%と僅かな悪化に留まっており、付着材料を使用しなかった従来例の約20%、約40%、太いガラス原綿を積層し加熱成形した比較例1の約7%、約27%、付着材料をシリカゲルとした比較例2の約17%、約33%と比べても、大幅に改善されている。尚、比較例1では、ガラス繊維径が3.5μmと太いため、初期の熱伝導率(表1の大気圧下の熱伝導率)は、ガラス繊維径が0.7μmである従来例よりも約20%劣っていたが、厚さ減少率は、加熱成形時に加圧をかけて密度を0.20g/cmと予め高くしているため約15%と少なかったことが影響し、2.0kg/cm加圧下での熱伝導率は約7%と比較的僅かな悪化に留まったものと推定される。
(4)付着材料をシリカゲルとした比較例2では、無機バインダーがガラス繊維全体を覆っていると見られ全体的に硬くなったが、厚さ減少に関しては改善効果は見られない。また、ガラス繊維同士が強固に接着しているためか、初期の熱伝導率(表1の大気圧下の熱伝導率)は、付着材料を使用しなかった従来例よりも約20%悪化しており、前述したように、付着材料を使用したにも拘わらず付着材料を使用しなかった従来例からまったく悪化の見られなかった実施例1〜3の結果と対照的である。
(5)実施例2のガラス繊維不織布シートを観察した図1を見ると、ガラス繊維不織布シートの表面にスメクタイト粘土層が数μmの厚さで表面全体を覆っているのが確認される。シート内部にはスメクタイト粘土は見られず、スメクタイト粘土はシート表面のガラス繊維のみ固めており、シート内部は抄紙シート本来の柔軟な構造を維持しており、ある程度の外圧に対しては、形は壊れずに抵抗できるものと推定される。自然界や工業材料では、軽量で高強度の骨やハニカム構造体に類似している。何故このような構造となるかについては、ガラス繊維不織布シート(多孔質シート)の場合、一般的なバインダー溶液を付着させると多孔質シート表面の開口から容易に浸透するが、スメクタイト粘土溶液はチクソトロピー性を持つ高粘度溶液であるため、本発明の繊維径が細くて開口の小さい不織布シートにスメクタイト粘土溶液を付着させた場合は内部に浸透できず、シート表面のみに膜状に付着するだけとなるためである。図1のスメクタイト粘土付着部を拡大して観察した図2を見ると、スメクタイト粘土被膜は、僅か4μmの厚さであるが、ナノサイズの何百層もの緻密な粘土層からなっており、ガラス繊維不織布シート表面にしっかりとした被膜が形成されているとともにシート表面のガラス繊維をしっかりと固定していることが確認できる。
(6)従来例のガラス繊維抄紙シートを観察した図3を見ると、付着材料はまったく使用しておらず、ガラス繊維同士の摩擦によってのみ構造を保っているに過ぎないため、真空断熱材芯材として減圧密閉加工すると約30%の厚さ減少を生じ、近年の厚みを薄くして高性能な断熱性を求める需要に対応できるだけの性能を発揮することは難しい。
(7)比較例2のガラス繊維不織布シートを観察した図4を見ると、シート表面に付着させた無機バインダーがシート内部に浸透している状態が確認でき、実施例のようなシート表面の被膜は確認できない。
本発明の実施例2のガラス繊維不織布シート(断面)の表面層部分を撮影したSEM写真(撮影倍率1000倍)である。 図1のスメクタイト粘土付着部分を更に拡大したSEM写真(撮影倍率20000倍)である。 従来例のガラス繊維抄紙シート(断面)の表面層〜内層部分を撮影したSEM写真(撮影倍率100倍)である。 比較例2のガラス繊維不織布シート(断面)の表面層〜内層部分を撮影したSEM写真(撮影倍率200倍)である。 各例の芯材を0.2〜3.0kg/cmで加圧して測定した加圧時厚さの結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした不織性の無機繊維層からなる芯材をガスバリア性の外被材で梱包し内部を減圧し密閉してなる真空断熱材において、前記芯材が、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面の表面部の前記無機繊維同士が膨潤性層状粘土鉱物からなる無機バインダーで結着され実質的に無機物のみから構成されたものであることを特徴とする真空断熱材。
  2. 平均繊維径4μm以下の無機繊維を主体構成とした不織性の無機繊維層からなる芯材をガスバリア性の外被材で梱包し内部を減圧し密閉してなる真空断熱材において、前記芯材が、前記無機繊維層の表裏面の少なくとも一方の面に自己造膜性を有する膨潤性層状粘土鉱物からなる通気性被膜が形成され実質的に無機物のみから構成されたものであることを特徴とする真空断熱材。
  3. 前記無機繊維層が前記無機繊維を主体とした不織布シートからなることを特徴とする請求項1または2記載の真空断熱材。
  4. 前記無機繊維層が前記無機繊維を主体とした湿式抄造シートからなることを特徴とする請求項3記載の真空断熱材。
  5. 前記無機繊維層が平均繊維径1.5μm以下の無機繊維を主体構成とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の真空断熱材。
  6. 前記無機繊維層が実質的に前記無機繊維と前記膨潤性層状粘土鉱物のみから構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の真空断熱材。
  7. 前記膨潤性層状粘土鉱物がスメクタイト族であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の真空断熱材。
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