第1の発明は、静電ミストを発生させる静電霧化装置を室内機に設け、静電霧化装置が、放熱面と冷却面とを有するペルチェ素子と、冷却面に立設された放電電極と、該放電電極の下方に離隔して配置された対向電極とを有し、放電電極を水平から下向きに所定の角度傾斜させて配置している。
この構成により、対向電極に付着したタール状の汚れが放電電極に接近することがないので、異常放電や異音発生やオゾン濃度の増加を惹起することなく長期に渡り正常動作を維持することができる。
第2の発明は、前記所定の角度を50°以上に設定したので、異常放電等を抑制することができる。
第3の発明は、前記所定の角度を80°以上に設定したので、異常放電等の抑制効果をさらに向上することができる。
第4の発明は、前記所定の角度を90°に設定したので、異常放電等を極力抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
空気調和機は、通常冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成されており、図1及び図2は、本発明にかかる空気調和機の室内機を示している。
図1及び図2に示されるように、室内機は、本体2に室内空気を吸い込む吸込口として前面吸込口2a及び上面吸込口2bを有し、前面吸込口2aには開閉自在の可動前面パネル(以下、単に前面パネルという)4を有しており、空気調和機停止時は、前面パネル4は本体2に密着して前面吸込口2aを閉じているのに対し、空気調和機運転時は、前面パネル4は本体2から離反する方向に移動して前面吸込口2aを開放する。
本体2の内部には、前面吸込口2a及び上面吸込口2bの下流側に設けられ空気中に含まれる塵埃を除去するためのプレフィルタ5と、このプレフィルタ5の下流側に設けられ前面吸込口2a及び上面吸込口2bから吸い込まれた室内空気と熱交換するための熱交換器6と、熱交換器6で熱交換した空気を搬送するための室内ファン8と、室内ファン8から送風された空気を室内に吹き出す吹出口10を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下羽根12と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右羽根14とを備えている。また、前面パネル4の上部は、その両端部に設けられた複数のアーム(図示せず)を介して本体2の上部に連結されており、複数のアームの一つに連結された駆動モータ(図示せず)を駆動制御することで、空気調和機運転時、前面パネル4は空気調和機停止時の位置(前面吸込口2aの閉塞位置)から前方に向かって移動する。上下羽根12も同様に、その両端部に設けられた複数のアーム(図示せず)を介して本体2の下部に連結されている。
また、室内機の一方の端部(室内機正面から見て左側端部で、後述する隔壁46cのバイパス流路22側)には、室内空気を換気するための換気ファンユニット16が設けられており、換気ファンユニット16の後方には、静電ミストを発生させて室内空気を浄化する空気清浄機能を有する静電霧化装置18が設けられている。
なお、図1は前面パネル4及び本体2を覆う本体カバー(図示せず)を取り除いた状態を示しており、図2は室内機本体2と静電霧化装置18との接続位置を明確にするために本体2の内部に収容されている静電霧化装置18を本体2とは分離した状態を示している。静電霧化装置18は実際には図3に示される形状を呈し、図1あるいは図4に示されるように、本体2の左側部に取り付けられている。
図2乃至図4に示されるように、静電霧化装置18は、前面吸込口2a及び上面吸込口2bから熱交換器6、室内ファン8等を経由して吹出口10に連通する主流路20において、熱交換器6と室内ファン8とをバイパスするバイパス流路22の途中に設けられており、バイパス流路22の上流側に高電圧電源となる高電圧トランス24とバイパス送風ファン26が設けられ、バイパス流路22の下流側に静電霧化ユニット30の放熱を促進する放熱部28を有する静電霧化ユニット30とサイレンサ32が設けられている。したがって、上流側から順に高電圧トランス24、バイパス送風ファン26、放熱部28、静電霧化ユニット30、及びサイレンサ32が配置された状態で、バイパス流路22の一部を構成するケーシング34に収容されている。このようにケーシング34に収容することにより、組み立て性が向上し、ケーシング34で流路を形成するので、省スペース化を図るとともに、バイパス送風ファン26による空気の流れを、発熱部である高電圧トランス24や放熱部28に確実に当てて冷却することができるとともに、静電霧化ユニット30から発生した静電ミストを確実に空気調和機の吹出口10に導入することができ、発生した静電ミストを被空調室内に放出させることができる。
また、ケーシング34は、ケーシング34の内部を流れる空気流の方向が、主流路20を流れる空気流の方向に対して、室内機本体2の正面から見て平行にとなるように縦方向に配置されており、これにより室内機本体2の正面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に隣接配置することができ、さらに省スペース化を達成している。
なお、高電圧トランス24は必ずしもケーシング34内に収容する必要はないが、バイパス流路の通風により冷却されるため、温度上昇の抑制あるいは省スペース化の点で、ケーシング34内に収容するのが好ましい。
ここで、従来公知の静電霧化ユニット30について図5及び図6を参照しながら説明する。
図5に示されるように、静電霧化ユニット30は、放熱面36aと冷却面36bとを有する複数のペルチェ素子36と、放熱面36aに熱的に密着して接続された上述した放熱部(例えば、放熱フィン)28と、冷却面36bに電気絶縁材(図示せず)を介して熱的に密着して立設された放電電極38と、この放電電極38に対し所定距離だけ離隔して配置された対向電極40とで構成されている。
また、図6に示されるように、静電霧化装置18,18Aは、換気ファンユニット16の近傍に配置された制御部42(図1参照)を有し、この制御部42にペルチェ駆動電源44と高電圧トランス24は電気的に接続されており、ペルチェ素子36及び放電電極38はペルチェ駆動電源44及び高電圧トランス24にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、静電霧化ユニット30として放電電極38から高電圧放電させて静電ミストを発生させるためには、対向電極40を設けなくても可能である。例えば、放電電極38に高電圧電源の一方の端子を接続し、他方の端子をフレーム接続するようにしておけば、フレーム接続された構造体の放電電極38に近接した部分と放電電極38との間で放電することとなる。そのような構成の場合には、そのフレーム接続された構造体を対向電極40と見なすことができる。
上記構成の静電霧化ユニット30において、制御部42によりペルチェ駆動電源44を制御してペルチェ素子36に電流を流すと、冷却面36bから放熱面36aに向かって熱が移動し、放電電極38の温度が低下することで放電電極38に結露する。さらに、制御部42により高電圧トランス24を制御して、結露水が付着した放電電極38に高電圧を印可すると、結露水に放電現象が発生して粒子径がナノメートルサイズの静電ミストが発生する。なお、本実施の形態においては、高電圧トランス24としてマイナス高電圧電源を用いているので、静電ミストは負に帯電している。
また、本実施の形態においては、図7に示されるように、主流路20は、本体2を構成する台枠46の後部壁46aと、この後部壁46aの両端部より前方に延びる両側壁(図7では左側壁のみ示す)46bと、台枠46の下方に形成されたリヤガイダ(送風ガイド)48の後部壁48aと、この後部壁48aの両端部より前方に延びる両側壁(図7では左側壁のみ示す)48bとで形成されており、台枠46の一方の側壁(左側壁)46bとリヤガイダ48の一方の側壁(左側壁)48bとでバイパス流路22を主流路20から分離する隔壁46cを構成している。さらに、台枠46の一方の側壁46bにバイパス流路22のバイパス吸入口22aが形成される一方、リヤガイダ48の一方の側壁48bにバイパス流路22のバイパス吹出口22bが形成されている。
空気調和機の場合、冷房時においては、室内機の熱交換器6を通過した低温の空気は相対湿度が高く、静電霧化装置18において、水分を補給するためにペルチェ素子36を備えた場合に、ペルチェ素子36のピン状の放電電極38のみならずペルチェ素子36全体に結露が発生しやすくなる。一方、暖房時においては、熱交換器6を通過した高温の空気は相対湿度が低いため、ペルチェ素子36の放電電極38に結露しない可能性が極めて高い。
そこで上記構成のように、主流路20とバイパス流路22を隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18をバイパス流路22に設けたことにより、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18に供給される。これにより、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上する。また、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができる。
バイパス流路22は、バイパス吸入管22cとケーシング34とバイパス吹出管22dから構成されており、台枠側壁46bに形成されたバイパス吸入口22aに一端が接続されたバイパス吸入管22cは左方(左側壁46bに略直交し、前面パネル4に略平行な方向)に延びて、その他端はケーシング34の一端に接続され、さらにケーシング34の他端に一端が接続されたバイパス吹出管22dは下方に延びて右方に折曲され、その他端はリヤガイダ48の一方の側壁48bのバイパス吹出口22bに接続されている。このようにバイパス流路22の一部をケーシング34で構成することで、省スペース化を達成することができるとともに、これらを一連に構成することでバイパス吹出管22dを介して静電霧化ユニット18から静電ミストを主流路20に向けて確実に誘引することができ、静電ミストを被空調室内に放出させることができる。
バイパス吸入口22aはプレフィルタ5と熱交換器6との間、すなわちプレフィルタ5の下流側で熱交換器6の上流側に位置しており、前面吸込口2a及び上面吸込口2bより吸い込まれた空気に含まれる塵埃はプレフィルタ5により有効に除去されるので、静電霧化装置18に塵埃が侵入することを抑制できる。これにより、静電霧化ユニット30に塵埃が堆積することを有効に防止でき、静電ミストを安定的に放出することができる。
このように本実施の形態においては、プレフィルタ5で静電霧化装置18と主流路20のプレフィルタを兼ねる構成となっているが、これによりメンテナンスはプレフィルタ5のみを清掃すればよく、それぞれ別に手入れをする必要がないので、手入れを簡略化することができる。さらには、後述するようなプレフィルタ自動清掃装置を備えた空気調和機においては、プレフィルタ5に特別の手入れは必要なく、メンテンナンスフリー化を実現することができる。
一方、バイパス吹出口22bは熱交換器6及び室内ファン8の下流側で吹出口10の近傍に位置しており、バイパス吹出口22bから吐出された静電ミストが主流路20の空気流に乗って拡散し部屋全体に充満するように構成されている。このようにバイパス吹出口22bを熱交換器6の下流側に配置したのは、熱交換器6の上流側に配置すると、熱交換器6は金属製のため、荷電粒子である静電ミストは熱交換器6にその大部分(約8〜9割以上)が吸収されるからである。また、バイパス吹出口22bを室内ファン8の下流側に配置したのは、室内ファン8の上流側に配置すると、室内ファン8の内部には乱流が存在し、室内ファン8の内部を通過する空気が室内ファン8の様々な部位に衝突する過程で静電ミストの一部(約5割程度)が吸収されるからである。
また、バイパス吹出口22bを設けたリヤガイダ48の一方の側壁48bの主流路20側は、室内ファン8により空気流に所定の速度が付与されることで、側壁48bの主流路20側とバイパス流路22側において圧力差が生じ、バイパス流路22に対し主流路20側が相対的に低圧となる負圧部となっており、バイパス流路22から主流路20に向かって空気が誘引される。したがって、バイパス送風ファン26は小容量のもので済み、場合によってはバイパス送風ファン26を設けなくてもよい。
さらに、バイパス吹出管22dは、主流路20との合流点(バイパス吹出口22b)において主流路20内の空気流に対し略直交する方向に指向するように隔壁46c(リヤガイダ48の側壁48b)に接続されている。これは、静電霧化ユニット30は、上述したように放電現象を利用して静電ミストを発生させていることから、必然的に放電音を伴い、放電音には指向性があるからである。したがって、バイパス流路22と主流路20の合流点(バイパス吹出口22b)において、バイパス流路22を前面パネル4に略平行に接続することで、室内機の前方あるいは斜め前方にいる人に対して、放電音が極力指向しないように構成して騒音を低減することができる。
また、図8に示されるように、バイパス吹出管22dを主流路20との合流点において隔壁46cに対し傾斜させ、主流路20内の空気流に対し上流側に指向するように接続すると、より一層放電音による騒音の低減に効果がある。
なお、バイパス吹出管22dの指向する方向が主流路20内の空気流の下流方向に指向して接続した場合においても、その延長線が吹出口10から外部に出ないようにしておけば、発生する放電音が吹出口10から直接外部に出る量が少なく、直接的に使用者の耳に入射することも少ないため、騒音低減効果を奏することができる。
以上説明したように、主流路20とバイパス流路22を隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18を熱交換器6をバイパスして主流路20に連通するバイパス流路22に設けたので、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18に供給されるので、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上するとともに、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができ、空気調和機の運転モードに関わらず、すなわち、季節に関係なく静電ミストを安定的に発生させることができる。
次に、プレフィルタ5に付着した塵埃を吸引して除去する吸引装置を有するプレフィルタ自動清掃装置をさらに設けた空気調和機について説明する。図9を参照しながら換気ファンユニット16を説明すると、換気ファンユニット16は換気専用であっても、プレフィルタ自動清掃装置を有する室内機に設けられた吸引装置の給気用を兼ねるものであってもよい。図9に示される換気ファンユニット16は、隔壁46cのバイパス流路22側でプレフィルタ自動清掃装置の吸引装置58に組み込まれているが、プレフィルタ自動清掃装置は既に公知なので、図10を参照しながら簡単に説明する。プレフィルタ自動清掃装置の詳細な構造や運転方法については、特に限定されるものではない。
図10に示されるように、プレフィルタ自動清掃装置50は、プレフィルタ5の表面に沿って摺動自在の吸引ノズル52を備えており、吸引ノズル52はプレフィルタ5の上下端に設置された一対のガイドレール54により、プレフィルタ5と極めて狭い間隙を保って円滑に左右に移動することができ、プレフィルタ5に付着した塵埃は吸引ノズル52より吸引して除去される。また、吸引ノズル52には屈曲自在の吸引ダクト56の一端が連結され、吸引ダクト56の他端は吸引量可変の吸引装置58に連結されている。さらに、吸引装置58には排気ダクト60が連結され、室外へ導出されている。
また、吸引ノズル52の上下方向の周囲には吸引ノズル52に沿って摺動自在のベルト(図示せず)が巻回されており、吸引ノズル52のプレフィルタ5と対向する面には、プレフィルタ5の縦長さに略等しい長さのスリット状のノズル開口部が形成される一方、ベルトには、プレフィルタ5の縦長さの例えば1/4の長さのスリット状の吸引孔が形成されている。
上記構成のプレフィルタ自動清掃装置50は、必要に応じてプレフィルタ5の清掃範囲A,B,C,Dを順次清掃するが、範囲Aを吸引清掃する場合、ベルトを駆動してその吸引孔を範囲Aの位置に固定した状態で、吸引しながら吸引ノズル52をプレフィルタ5の右端から左端まで駆動することでプレフィルタ5の水平方向の範囲Aが吸引清掃される。
次に、ベルトを駆動してその吸引孔を範囲Bの位置に固定し、この状態で吸引しながら吸引ノズル52をプレフィルタ5の左端から右端まで駆動することで今度はプレフィルタ5の水平方向の範囲Bが吸引清掃される。同様に、プレフィルタ5の範囲C、Dも吸引清掃される。
プレフィルタ5に付着し、吸引ノズル52により吸引された塵埃は吸引ダクト56、吸引装置58、排気ダクト60を経由して室外へ排出される。
図9をさらに参照すると、吸引装置58の吸入路には開口部62が形成されるとともに、この開口部62を開閉するためのダンパ64が設けられており、換気ファンユニット16は、ダンパ64が開口部62を開いた時は換気用として、吸引清掃を行う場合はダンパ64により開口部62を閉じてベルトの吸引孔から塵埃を吸引する吸引用として使用される。すなわち、同じ吸引装置58を使用して吸引清掃機能と換気機能を実現させている。
なお、図9には排気ダクト60は図示されていないが、排気ダクト60は吸引装置58の排気口58aに接続されている。
図11はケーシング34を持たない静電霧化装置18Aを示しており、この静電霧化装置18Aは図12及び図13に示されるように室内機本体2に組み込まれる。静電霧化装置18Aは室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に配設されるとともに、換気ファンユニット16の開口部62及びダンパ64の近傍で、換気ファンユニット16による吸引空気が流れる部分に配置されている。
さらに詳述すると、図11の静電霧化装置18Aは、放熱部28を有する静電霧化ユニット30とサイレンサ32が一体的に取り付けられ、放熱部28を除く静電霧化ユニット30部分とサイレンサ32はそれぞれのハウジング(ユニットハウジング66とサイレンサハウジング68)に収容され、サイレンサハウジング68の開口部68aにバイパス吹出管22dの一端が接続されて連通し、バイパス吹出管22dの他端が主流路20に接続されて連通している。この場合、隔壁46cにより主流路20から分離され、本体カバーの左側面との間に形成されて、換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等が配設された収容部22eが前述したバイパス吸入管22cとケーシング34との代わりとなるとともに、バイパス吹出管22dまでも収容してバイパス流路22として構成することになる。
これにより、プレフィルタ5を介して本体2内に吸い込まれる空気は、プレフィルタ5の下流側のバイパス吸入口22aより収容部22eに吸い込まれ、その空気流の方向は、主流路20を流れる空気流の方向に対して、室内機本体2を正面から見て平行に収容部22e内を流れることになる。このように収容部22e内を流れた空気により放熱部28は冷却されるとともに、ユニットハウジング66に形成された開口部(図示せず)より静電霧化ユニット30に取り込まれる。
このように構成することで、室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる換気ファンユニット16の周囲空間がバイパス流路22となり、換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等の収容部22eを有効に活用して省スペース化を達成することができる。なお、この構成では、高電圧トランス24は換気ファンユニット16、静電霧化装置18A等の収容部22eにおける任意の部位に配置され、バイパス送風ファン26は設けられない。
また、このようにバイパス流路22を、主流路20を通過する空気流に対して、室内機本体2を正面から見て平行に空気流が流れるように構成することにより、上で詳述したように隔壁46cという簡略な構成で主流路20とバイパス流路22を分岐することができるため、容易にバイパス流路22が形成でき、部品点数を削減することができる。
さらに、本構成とすることで、静電霧化装置18Aのプレフィルタと主流路20のプレフィルタをプレフィルタ5で共有化することができる。
なお、換気ファンユニット16の後部にあたる台枠46の下部近傍において、室内機と室外機とを接続する配管(図示せず)を引き出せるように開口46d(図9参照)を形成してもよい。上述したバイパス吸入口22aは、収容部22eに空気を吸い込むために隔壁46c(台枠側壁46b)に形成された収容部22eにおける1つの開口であり、室内機の外部とはプレフィルタ5を通して連通していたが、台枠46の下部に形成された開口46dにおいては、収容部22eが室内機の外部と直接連通して周囲の空気を吸い込む開口となる。このような場合には、収容部22eはプレフィルタ5をもバイパスするバイパス流路となる。したがって、静電霧化装置18Aに吸い込まれる空気は開口46dから流入したものとなってプレフィルタ5を通過しないことになるので、必要に応じて別途静電霧化装置18A用のプレフィルタを設ければよい。また、開口46dを形成した構成でも室内機の正面又は上面から見て換気ファンユニット16と重なる位置に静電霧化装置18Aが配設されていることは変わらず、収容部22eを有効に活用して省スペース化を達成することができるのは同様である。
上述したように、バイパス吹出口22bの主流路20側は、室内ファン8により空気流に所定の速度が付与されることで圧力差が発生して誘引される負圧部となっているので、バイパス送風ファン26は設けなくても、バイパス吹出管22dを介してバイパス流路である収容部22eから主流路20に向かって誘引される空気により放熱部28は冷却され、静電霧化ユニット30により発生した静電ミストが主流路20に誘引され、被空調室内に放出させることができる。また、放熱部28は、破線領域18Bのように開口部62及びダンパ64の近傍で、開口部62に吸い込まれる空気が流れる部分に配置したことから換気ファンユニット16による吸引空気によっても冷却される。
以上説明したように、上記構成によれば、主流路20とバイパス流路となる収容部22eとを隔壁46cで分離し、静電ミストを発生させる静電霧化装置18Aを収容部22eに設けたので、熱交換器6を通過せず温湿度調整がなされていない空気が静電霧化装置18Aに供給される。したがって、冷房時においては静電霧化ユニット30のペルチェ素子36全体に結露が発生することを有効に防止することで安全性が向上するとともに、暖房時においては静電ミストを確実に発生させることができ、空気調和機の運転モードに関わらず、すなわち、季節に関係なく静電ミストを安定的に発生させることができる。
次に、図11に示される静電霧化装置18Aを図12に示される室内機に容易に取り付けるための構成及び取付方法について説明する。
図14及び図15は、静電霧化装置18Aを、上述した静電霧化ユニット30と、バイパス流路22の吐出部を構成する吐出流路部70との2分割構成としたものであり、図14は静電霧化ユニット30と吐出流路部70を分離した状態を、図15は静電霧化ユニット30と吐出流路部70を連結した状態を示している。
また、図16及び図17に示されるように、吐出流路部70はさらに2分割構成を有しており、受け具71と、この受け具71に連結される上述したバイパス吹出管22dとで構成されている。
受け具71は、平面視が略U字状の側壁71aと、この側壁71aと一体的に形成された受け部材71bとを有し、受け部材71bは、下方に向かって突出する円筒状嵌合部71cと、嵌合部71cの周囲に設けられたサイレンサハウジング当接部71dと、サイレンサハウジング当接部71dにおける側壁71aの開口側に形成された傾斜部71eとを備えている。傾斜部71eは、側壁71aの開口部側から内側に向かって隆起部71fまで上昇し、隆起部71fから下降してサイレンサハウジング当接部71dにつながっている。また、嵌合部71cの下端部には、バイパス吹出管22dの嵌合部(後述)22fが挿入される円形開口部71gが形成されており、側壁71aの下端部における開口部の反対側には爪部71hが形成されている。
一方、バイパス吹出管22dの一端部には、所定の間隔を置いて円形に配置された複数の爪部(バイパス吹出管側嵌合部)22fがフランジ22gとともに一体的に形成されており、バイパス吹出管22dの他端部には、リヤガイダ48の側壁48bに形成されたバイパス吹出口22bに挿入される挿入部22hがフランジ22iとともに一体的に形成されている。
上記構成の静電霧化装置18Aを室内機本体2に取り付ける場合、吐出流路部70を台枠46に取り付けるとともに、静電霧化ユニット30を吸引装置58に取り付けた後、吸引装置58を台枠46に取り付けることで静電霧化ユニット30は吐出流路部70に組み付けられる。
さらに詳述すると、吐出流路部70を台枠46に取り付ける場合、図18及び図19に示されるように、まず台枠46の下壁部46eに形成された開口部46fの上方に受け具71を配置し、開口部46fの下方にバイパス吹出管22dを配置する。次に、図19の矢印に示されるように、バイパス吹出管22dの爪部22fを台枠46の開口部46fに遊挿した後、受け具71の嵌合部71cに形成された円形開口部71gに嵌合させ、さらに、受け具71の爪部71hを台枠46の開口部46fの奥壁46gに嵌合させて固定することで、受け具71とバイパス吹出管22dとで構成される吐出流路部70は台枠46に組み付けられる。
図20乃至図22は、台枠46への吐出流路部70の組み付け後の状態を示しており、この状態では、受け具71の円形開口部71gの周縁がバイパス吹出管22dの爪部22fとフランジ22gとで挟持され、このフランジ22gはまた、受け具71の円形開口部71gの周縁と台枠46の下壁部46eとで挟持されている。さらに、受け具71の爪部71hが台枠46の奥壁46gに嵌合するとともに、バイパス吹出管22dの他端部に設けられた挿入部22hが、リヤガイダ48の側壁48bに形成されたバイパス吹出口22bに挿入されて、フランジ22iが側壁48bに当接することで、吐出流路部70は台枠46に固定される。
一方、静電霧化ユニット30を構成するサイレンサハウジング68には、図14(a)あるいは図15(a)に示されるように、取付部68bが一体的に形成されており、この取付部68bは、図23に示されるように、吸引装置58の奥側(本体2の背面側)にねじ固定される。
図24は、吸引装置58に固定された静電霧化ユニット30を台枠46に組み付けられた吐出流路部70に取り付ける前の状態を示しており、図24の矢印に示されるように、静電霧化ユニット30が固定された吸引装置58を台枠46の収容部22eの所定の位置に収容すると、静電霧化ユニット30を構成するサイレンサハウジング68が受け具71の側壁71aに導入されて、図12、図13あるいは図15に示されるように、受け具71の嵌合部71cと連結され、サイレンサハウジング68の開口部68aとバイパス吹出管22dとが連通する。
ここで、受け具71における側壁71aの開口側には傾斜部71eが設けられているので、この傾斜部71eと側壁71aがサイレンサハウジング68のガイドの役目を果たすとともに、受け具71の嵌合部71cに連結されたサイレンサハウジング68がサイレンサハウジング当接部71dに当接すると、傾斜部71aの内側に形成された隆起部71fがサイレンサハウジング68を保持する役目を果たし、略U字状の側壁71aと隆起部71fとで静電霧化ユニット30と吐出流路部70の連結部をシールすることになる。
なお、静電霧化ユニット30と吐出流路部70の連結後、吸引装置58は複数の取付部58b(図23(b)及び図24参照)を介して台枠46にねじ固定される。
上述したように、静電霧化装置18Aを室内機本体2に組み付けると、静電霧化ユニット30は下向きに配置されることになるが、このように下向き配置にしたのは次の理由による。なお、ここでいう「下向き」とは、図25に示されるように、結露が発生する放電電極38の先端部を下向きに配置することを意味しており、対向電極40は放電電極38の下方に離隔して配置されることになる。
本実施の形態においては、静電霧化装置18Aとして負の高電圧を印可する針状放電電極38と対向電極(アース電極)40を有するデバイスを使用しており、放電電極38と対向電極40間にコロナ放電を発生させることで、放電電極38の先端方向に電界を発生させている。この電界は空気中に含まれる塵埃に負の電荷を与え、帯電した塵埃の一部はクーロン力により対向電極40に付着することになる。
喫煙環境や調理による油煙が発生する環境において、対向電極40に付着した塵埃が水分を含んでいると、付着した汚れがタール状になり、多少なりとも流動性を持つようになる。したがって、静電霧化ユニット30を「上向き」に配置すると、タール状の付着物は重力で「下向き」に垂れることになる。
その結果、対向電極40よりタール状の付着物が放電電極38に接近し、放電電極38に最も近い位置にある付着物に向けて放電することになる。したがって、適切に設計された距離よりも短い距離で放電が発生することとなり、異常放電、異音発生、オゾン濃度増加を惹起し、長期間に渡る正常動作が困難になるが、静電霧化ユニット30を水平より下向きに配置するとこのような問題が緩和される。
図26は、10年分相当の煙草負荷を与えうる喫煙環境で静電霧化ユニット30を動作させ、静電霧化ユニット30を水平配置から下向き配置まで10°間隔でその傾斜角を変えた場合の静電霧化ユニット30の正常動作率を示している。また、正常動作率は、静電霧化ユニット30を下向き(傾斜角:90°)に配置した場合を100%として算出したものである。
図26のグラフから分かるように、静電霧化ユニット30を水平から下向き配置まで傾斜角を増大するにつれて運転率は増加しており、傾斜角が40°から50°の間で運転率は80%弱から90%まで大きく改善されている。また、傾斜角70°では運転率はさらに改善され、傾斜角が80°を超えると、運転率は100%に維持されている。
したがって、静電霧化ユニット30の傾斜角は、水平から下方に向かって50°以上が好ましく、さらに好ましくは80°以上で、90°(下向き配置)が最も好ましい。
このとき、放電電極38の軸部に、その先端部に向かう空気の流れがあると、静電ミストの放出に適し、かつ対向電極40の付着物を外側に押し出すのを促進できるので、より好ましい。
なお、静電霧化ユニット30を下向き配置するのが好ましいのは、ケーシング34を持たない静電霧化装置18Aばかりでなく、ケーシング34を有する静電霧化装置18も同じである。