JP2009298101A - 光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン−2,6−ナフタレート単位が全繰返し単位の少なくとも80モル%を占める芳香族ポリエステルを二軸配向させたフィルムであり、そのレターデーション値が1200nm以上、遅相軸の角度がフィルム幅方向に対して±2度であることを特徴とする光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム。
【選択図】なし
Description
(1)エチレン−2,6−ナフタレート単位が全繰返し単位の少なくとも80モル%を占める芳香族ポリエステルを二軸配向させたフィルムであり、そのレターデーション値が1200nm以上、遅相軸の角度がフィルム幅方向に対して±2度であることを特徴とする光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム、
(2)芳香族ポリエステルは、アンチモン化合物を重合触媒として、固相重合法によって得られた、固有粘度(IV)が0.40〜0.80dl/gの範囲である前項(1)記載の光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム、
(3)未延伸のエチレン−2,6−ナフタレート単位が全繰返し単位の少なくとも80モル%を占める芳香族ポリエステルフィルムを、縦横共に延伸倍率を3.0〜5.0倍とし、且つ縦延伸倍率と横延伸倍率との延伸比率(横延伸倍率/縦延伸倍率)が1.2〜1.5となるように縦・横逐次二軸延伸する工程、および二軸延伸後のフィルムを熱固定する工程を含むことを特徴とする前項(1)記載の光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの製造方法、および
(4)前項(1)または(2)に記載のフィルムから形成された光学基材検査用離型フィルム、
が提供される。
(ポリマーの作成)
本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレートはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるジオール成分とする。
本発明でフィルム化の原料として使用されるポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂は、溶融重合によりプレポリマーを得た後、固相重合して製造することが好ましい。上述した縮合反応後の溶融樹脂をチップ化(ペレット化)し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中において固相重合することが好ましい。固相重合処理が済んだペレットは蒸留水で洗浄する(固相重合後に水、水蒸気または水蒸気含有ガスと接触させて得られる)。この洗浄によって微細な粉状、ひげ状の樹脂を取り除く。一般にはこのような粉状、ひげ状のものはフィルム化する場合の溶融押し出し、溶融樹脂の濾過工程において、取除くことが難しいのでフィルム中に入って、内部異物として品質欠点となることがある。固相重合によれば、ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂に含まれるオリゴマーも減少させることができるため、製膜したフィルム面に存在するオリゴマー起因の表面欠点をさらに減少させることができる。
本発明において、ポリエチレン−2,6−ナフタレートには必要に応じて安定剤、抗酸化剤、不活性微粒子、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、染料、顔料等の各種添加剤が含有されていてもよい。フィルムに滑り性を付与するために、不活性粒子を少量割合含有させることは好ましいことである。
本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマーの結晶化度は40%以下が好ましい(ここで、結晶化度はポリマーの密度から計算した値である)。
ポリマーの結晶化度が40%を超える場合、ポリマー溶融のため押出し温度を高くする必要があり、色相の悪化、アセトアルデヒド等の好ましくない副生成物の増加が顕著になり、樹脂の溶融押出しの部屋の環境を汚す原因となる。また、押出し温度を上げることなく成形する場合には、未溶融ポリマーによるフィルムの外観の悪化および核剤効果による結晶化促進によって、得られるフィルムの透明性が損なわれる。
本発明においては、上記未延伸(実質的に無配向)のフィルムを二軸延伸して熱固定する。好ましくは、該未延伸フィルムを縦・横逐次二軸延伸して熱固定することで製造することができる。
本発明のフィルムは特に光学基材検査用離型フィルムとして有用である。
本発明のフィルムをロール巻きとして光学用途分野に供給する場合、特に表面突起が無いかまたは表面突起の密度が小さい場合や滑剤を添加しない場合は、フィルム幅の両端部にのみに凹凸をつけて巻く、いわゆるナーリング巻きや、スペイサーを両端部のみに重ねて巻く方法などのロール巻上げ方法を採ることができる。滑剤を添加しない場合、インラインコーテイングなどによって易滑性をフィルム表面に付与し、巻き取る方法等も採用することができる。
テトラクロロエタン:フェノール=4:6の混合溶媒を用いて、35℃で測定した溶液粘度から算出した。
王子計測(株)製の自動複屈折測定器 KOBRA−21SDHを用いて測定した。
フィルムサンプルは,幅方向全幅、長さ方向を1000mmサンプリングし測定の間隔5mmで測定した。なお、フィルムの長さ方向はフィルム幅方向の中央部とフィルム幅方向の両端から100mm内側からサンプルを採って測定に供した。レターデーションと同時に遅相軸角度も測定して解析した。
複屈折Δnは、KOBRA−21SDHから求めたレターデーションReから計算して求めた。計算式はRe=Δn*d、ここでdはレターデーションReを測った場所のフィルムの厚みを用いた。
セイコー電子工業(株)製 DSC(示差走査熱量計)220を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。試料フィルム10mgをDSC装置にセットし、昇温速度20℃/分で加熱し、300℃の温度で溶融した後、液体窒素中に急冷した。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点を検知した。
アッベ式屈折計を用いて、フィルム面内の一方向の屈折率nx(例えばフィルム縦方向の屈折率nMD)と、それに直交する方向の屈折率ny(例えばフィルム横方向の屈折率nTD)をナトリウムD線(589nm)を用い、マウント液にはヨウ化メチレンもしくはヨウ化メチレンと硫黄の混合体を用いて、23℃、65%RHにて測定した。
硝酸カルシューム水溶液を用いた密度勾配管を用いて、25℃で浮沈法により測定した。
ポリマーの密度を測定することにより求めた。
厚み:アンリツ株式会社製の電子マイクロメーター(K−312A型)を用いて、針圧30gにてフィルム厚みを測定した。
特開平07−101026号公報の実施例1および実施例4の記載に従い、フィルムを評価テストした。上記の公報に記載された構成と方法で目視検査を行い、光干渉の発生状況を次の基準で評価した。
良好:目視検査で光干渉発生なし
やや不良:目視検査で光干渉発生あるが検査は可能
不良:目視検査で光干渉発生あり検査不可能
神崎製紙(株)製のマイクロ波分子配向計を用い、透過マイクロ波強度のパターンからMOR値を求めた。なお、MOR値とは、透過型分子配向計で測定された透過マイクロ波強度の最大値と最小値の比(最大値/最小値)である。
(ポリマーの作成)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部とエチレングリコール51重量部を酢酸マンガン四水和物0.030重量部(30ミリモル%)の存在下、定法によりエステル交換反応を行い、メタノール溜出20分後に三酸化アンチモン0.012(10ミリモル%)を添加し、エステル交換反応終了前に正リン酸0.020重量部(50ミリモル%)を添加した。次いで295℃、1.3×102PaHg以下の高真空下で重縮合反応を行い固有粘度0.47dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマーを得た。さらにこのプレポリマーを用いて定法により固相重合を行い、固有粘度0.65dl/g、結晶化度38%のポリマーを得た。なお、樹脂中には滑剤として平均粒径0.3μmのほぼ球状のシリカ粒子を0.2重量%含有させた。
上記のポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂を175℃で5時間熱風乾燥させてから溶融押出し機にて300℃で溶融し、Iダイより60℃の冷却ドラム上に押出して、静電密着法にて冷却固化して未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの特性は、固有粘度IVが0.62dl/g、複屈折Δnが0.003、3軸方向の屈折率が1.645、密度が1.330g/cm3、ガラス転移温度Tgが125℃であった。フィルムは均質透明であった。
上記の未延伸フィルムを、縦方向延伸を延伸倍率3.1倍、横方向延伸を倍率4.1倍で逐次延伸した。次いで熱固定を3つのゾーンで行い、熱固定を210℃、230℃、180℃で10秒間ずつ行った。得られた二軸延伸熱固定フィルムの厚みは38μm、フィルム幅は730mm(730mm幅ロールを親フィルムロールから3本採ったため親ロール幅は2190mmであった)。
このフィルムに、さらに特開平07−101026号公報の実施例4に従い、シリコーン塗布を行い、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを基板とする離型フィルムを得た。
実施例1で得た未延伸フィルムを、縦方向を延伸倍率3.1倍、横方向を延伸倍率4.5倍で逐次延伸した。次いで熱固定を3つのゾーンで210℃、230℃、180℃で10秒間ずつ行った。実施例1と同様の方法で得られたシリコーン塗布後のフィルム特性は以下の通りであった。幅方向で採った3本のロールフィルム(いずれも730mm幅)において、MOR値は全ロールで1.4、目視検査状態(クロスニコル下での光干渉の影響)は良好で、熱収縮率110℃×30分は縦、横方向ともに0〜0.1%であった。なお親フィルムロールの全幅の遅相軸の角度は、フィルム幅方向に対して±1.5度であった。また、フィルムのレターデーションは1350〜1400nmであった。
実施例1で得た未延伸フィルムを、縦方向を延伸倍率3.1倍、横方向を延伸倍率3.4倍で逐次延伸した。次いで熱固定を3つのゾーンで210℃、230℃、180℃で10秒間ずつ行った。実施例1と同様の方法で得られたシリコーン塗布後のフィルム特性は以下の通りであった。幅方向で採った3本のロールフィルム(いずれも730mm幅)の内、目視検査状態(クロスニコル下での光干渉の影響)は幅方向中央部の1本のみが良好で他の2本は不良であった。MOR値は幅方向中央部の1本のみが1.5であった。他の2ロールは1.7、2.0であった。熱収縮率110℃×30分は縦、横方向ともに0〜0.1%であった。なお親フィルムロールの全幅(2190mm)の遅相軸の角度は、フィルム幅方向に対して±35度であった。また、フィルムのレターデーションは680〜750nmであった。
Claims (4)
- エチレン−2,6−ナフタレート単位が全繰返し単位の少なくとも80モル%を占める芳香族ポリエステルを二軸配向させたフィルムであり、そのレターデーション値が1200nm以上、遅相軸の角度がフィルム幅方向に対して±2度であることを特徴とする光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム。
- 芳香族ポリエステルは、アンチモン化合物を重合触媒として、固相重合法によって得られた、固有粘度(IV)が0.40〜0.80dl/gの範囲である請求項1記載の光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム。
- 未延伸のエチレン−2,6−ナフタレート単位が全繰返し単位の少なくとも80モル%を占める芳香族ポリエステルフィルムを、縦横共に延伸倍率を3.0〜5.0倍とし、且つ縦延伸倍率と横延伸倍率との延伸比率(横延伸倍率/縦延伸倍率)が1.2〜1.5となるように縦・横逐次二軸延伸する工程、および二軸延伸後のフィルムを熱固定する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の光学用ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの製造方法。
- 請求項1または2に記載のフィルムから形成された光学基材検査用離型フィルム。
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