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JP2009297058A - 有害物質除去材及び有害物質除去方法 - Google Patents

有害物質除去材及び有害物質除去方法 Download PDF

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JP2009297058A
JP2009297058A JP2008151409A JP2008151409A JP2009297058A JP 2009297058 A JP2009297058 A JP 2009297058A JP 2008151409 A JP2008151409 A JP 2008151409A JP 2008151409 A JP2008151409 A JP 2008151409A JP 2009297058 A JP2009297058 A JP 2009297058A
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JP2008151409A
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Nobuhiro Nishida
伸洋 西田
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】簡便な方法で有害物質を含む気体を浄化できる有害物質除去材を提供すること。
【解決手段】表面に微生物を担持した担体からなり、該担体が吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体である、有害物質除去材。
【選択図】なし

Description

本発明は、微生物を担持した担体からなる有害物質除去材、及びそれを用いた有害物質除去方法に関する。
近年、細菌、カビ又はウイルスなどが原因となる感染症が社会問題になっており、例えば、病院内や、公共施設など不特定多数の人の集まる場所での大量感染が懸念されている。特に病院内での感染は、抗生物質の乱用などからMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)等の発生を招く原因となることもある。
このことに関し、最近の建築物では全室にダクトを設け、このダクトを通じてエアーコンディショナーにより空気を循環させて建物全体の室温等を調整しているため、このエアーコンディショナーを介して施設内を浮遊する細菌、カビ又はウイルスなどが施設全体に拡散することが多く、特にこのような空気を媒体とした感染ルートを遮断することが有効であると考えられるようになってきている。すなわち、エアーコンディショナーや空気清浄機などの空気流通部に、細菌、カビ、ウイルス又はこれらの媒体として空気中の微細浮遊物(ダスト等)を目の細かいフィルターに吸着させたり、酸化チタンや強酸性の滅菌ゾーンを設けて、ここを通過する細菌、カビ又はウイルスなどを不活性化して除去することが行われている。
特許文献1には、グリストラップ装置の上部位置に、表層部に微生物を担持させた複数個の微生物担持体を充填した生物フィルターを設け、前記生物フィルター内を好気性雰囲気に維持し、含油廃水を生物フィルター内に供給し、生物膜濾過された排水を生物フィルターから放出させることを特徴とする含油廃水の処理方法が記載されている。特許文献1は排水処理用のフィルターに関するものであり、気体を浄化するためのものではない。
特許文献2には、有害物質を含む気体の発生源と液体を受ける貯水槽とを気体流通管により気密に接続した閉鎖系において有害物質を含む気体を処理する方法であって、前記気体の発生源からの有害物質を含む気体を前記貯水槽に水または水性媒体の水流を水性媒体が逆流しない方法により流すことによって、有害物質を含む気体を、水と接触させつつ強制的に随伴することによって、前記有害物質を貯水槽中に溶解または混和した液体として回収する段階を含むことを特徴とする有害物質を含む気体の処理方法が記載されている。特許文献2の方法では、気体を処理するのに、有害物質を含んだ気体を貯水槽に通して一旦回収し、微生物を含有した液あるいは吸着させた材料に回収した液を接触させて処理しているが、分解処理に時間を要するためその間、液を滞留させる必要があり、液相でなければ処理できない。また、設備が大型化する上に工程が複雑になるという問題があった。また、特許文献2の方法は膜フィルターを使用するものでもない。
特開2002−18460号公報 特開2001−120954号公報
本発明は、簡便な方法で有害物質を含む気体を浄化できる有害物質除去材を提供することを解決すべき課題とした。また、本発明は、当該有害物質除去材を用いた効率的な有害物質除去方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体の表面に微生物を担持させることによって、気体を効率的に浄化できる有害物質除去材を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、有害物質を含む気体を浄化するための有害物質除去材であって、表面に微生物を担持した担体からなり、該担体が吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体である、有害物質除去材が提供される。
好ましくは、微生物は好気性微生物である。
好ましくは、担体は、セルロースエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリウレタンのうち少なくとも1種類を主成分とする繊維からなる担体である。
好ましくは、前記微生物は、コリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ストレプトミセス属、チオバシルス属、ハイホマイクロビウム属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、ニトロソモナス属、ニトロソコッカス属、ニトロソスピラ属、ニトロソロバス属、ニトロバクター属、ニトロコッカス属、ニトロスピラ属から選択される一種類以上の微生物からなる。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の有害物質除去材を用いて、気相中の有害物質を除去することを含む、有害物質除去方法が提供される。
本発明の有害物質除去材によれば、簡便な方法で有害物質を含む気体を浄化することが可能である。本発明では、フィルター上に有害物質を捕集し、その後微生物で処理することにより、有害物質を含む媒体との接触時間を短縮化することができ、有害物質から気体を効率的に浄化することができる。また、微生物を担持する担体をフィルターの形状にすることにより、気相での微生物処理を可能とした。またハンドリング性が向上し、簡便かつ低コストでの処理が可能となる。本発明によれば、気相中の有害物質を効率的に除去できる空気清浄機あるいは液体清浄機を作製できるため、産業において非常に有用である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の有害物質除去材は、有害物質を含む気体を浄化するための有害物質除去材であって、表面に微生物を担持した担体からなり、該担体が吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体であることを特徴とする。
本発明に用いる微生物としては、好気性あるいは嫌気性微生物群から選ばれるが、好気性微生物群から選ばれることが好ましい。また、選択された微生物群と共に、それらの代謝物由来の酵素及び炭素分解酵素を含んでいてもよい。
具体的な微生物種として、嫌気性微生物の例としては、メタノバクテリウム属、メタノサルシナ属、メタノバクテリウム属などの嫌気性古細菌、アセトバクテリウム属、デスルフォバクテリウム属、デスルフォモニル属、デハロスピリルム属、デハロバクター属、デハロバクテリウム属、デハロコッコイデス属、クロストリジウム属などの嫌気性細菌の他、シトロバクター属、エシェリキア属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、シュワネラ属、スタフィロコッカス属などの通性嫌気性細菌を挙げることができる。
好気性微生物の例としては、コリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ストレプトミセス属、チオバシルス属、ハイホマイクロビウム属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、ニトロソモナス属、ニトロソコッカス属、ニトロソスピラ属、ニトロソロバス属、ニトロバクター属、ニトロコッカス属、ニトロスピラ属、スフィンゴモナス属、バークホリデリア属、ラルストニア属、シュードモナス属、ノカルジオイデス属、テラバクター属、ジャニバクター属、バチルス属などを挙げることができる。選択する微生物種は単一種でも複数種であってもよい。
本発明に用いる微生物として、好ましくはコリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ストレプトミセス属、チオバシルス属、ハイホマイクロビウム属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、ニトロソモナス属、ニトロソコッカス属、ニトロソスピラ属、ニトロソロバス属、ニトロバクター属、ニトロコッカス属、ニトロスピラ属、スフィンゴモナス属、バークホリデリア属、ラルストニア属、シュードモナス属、ノカルジオイデス属、テラバクター属、ジャニバクター属、バチルス属であり、更に好ましくはコリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ストレプトミセス属、チオバシルス属、ハイホマイクロビウム属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、ニトロソモナス属、ニトロソコッカス属、ニトロソスピラ属、ニトロソロバス属、ニトロバクター属、ニトロコッカス属、ニトロスピラ属である。
微生物の導入に関しては、適当な培地を用いて培養してもよいし、市販品を導入してもよい。市販品の例としては、SHB5800NT(株式会社守隨本店)、BFL5800NT(名東化製株式会社)などがあり、これらを30℃程度のぬるま湯に溶解し、その液中に不織布を浸漬することにより、本発明の有害物質除去材が得られる。
フィルター表面に担持させる菌数は、フィルター単位質量当たり一般的には102〜109CFU/gであり、好ましくは103〜108CFU/gであり、更に好ましくは104〜107CFU/gである。
生菌数の測定方法を以下に述べる。菌を担持させた試料1gを100mlの純水と共にブレンダーで破砕し、懸濁液を作製する。懸濁液1mLを透明フイルム上に滴下し、36〜38℃で22〜26時間培養する。培養後のフイルム上に生成した菌のコロニー数を計測し、希釈倍率からフィルター上の菌数を算出することができる。
本発明に用いられる繊維の平均繊維径は、1μm以下であることが好ましく、好ましくは10nm以上1μm以下であり、より好ましくは20nm以上700nm以下である。なお、平均繊維径は走査型電子顕微鏡(SEM)の観察画像から任意の箇所(例えば、300箇所など)における繊維中の直径を測定し、それを算術平均することによって求めることができる。
本発明で用いる担体は、吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体である。担体を形成する主たる繊維としては、セルロースエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリウレタンのうち少なくとも1種類を主成分とする繊維が好ましい。本発明でいう主成分とは、全繊維中の質量分率にして25%以上を構成する成分であることを指す。
本発明におけるセルロースエステルとは、セルロースの水酸基を有機酸でエステル化されているセルロース誘導体を指す。エステル化に用いる有機酸は、例えば酢酸・プロピオン酸・酪酸などの脂肪カルボン酸、安息香酸・サリチル酸などの芳香族カルボン酸などがある。単独もしくは併用したものであってもよい。セルロースの水酸基のエステル基置換率について特に制限はないが、60%以上であることが好ましい。
本発明における担体を形成する主たる材料の群のなかでは、セルロースアセレート繊維が望ましい。セルロースアセレートは、セルロースの水酸基を構成する水素原子の一部または全部がアシル基で置換されているセルロースエステルを指す。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、およびブチリル基など挙げられる。これらの基は1種のみが置換されて構成されていてもよいし、2種以上のアシル基が混合置換されていてもよい。アシル基置換度の総和は、好ましくは2.0〜3.0であり、より好ましくは2.1〜2.8であり、特に好ましくは2.2〜2.7である。なかでも、この置換度を満たすセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、又はセルロースアセテートブチレートのいずれかであることが好ましく、セルロースアセテートであることが最も好ましい。一般にセルロースアセレートは、エステル化度によって溶剤が異なることが知られているが、あらかじめエステル化率の高いセルロースアセレートで担体を作製したのちに、アルカリ加水分解処理等を行って表面を親水化してもよい。
セルロースアセレート繊維のみでも十分に実用的な有害物質除去材料を形成することが可能であるが、強度や寸度安定性をさらに向上させる等の目的で、ポリエステル系繊維・ポリオレフィン系繊維・ポリアミド系繊維・アクリル系繊維等との混紡繊維により担体を形成してもよい。混紡繊維を用いる場合には、セルロースアセレート繊維の質量分率は50%以上であることが望ましく、70%以上であることがさらに望ましい。
本発明における担体を形成する主たる材料の群のなかでは、ポリアミド繊維であることも望ましい。
本発明におけるポリアミドとは、化学構造単位にアミド結合を有する線状高分子からなる繊維を指す。
ポリアミドの中でも、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンと、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸との結合体である直鎖型脂肪族ポリアミドが好ましい。特に、ナイロン66が好ましい。
前記のジアミンおよびジカルボン酸以外にも、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸等を単独または共重合成分として用いた脂肪族ポリアミドを用いることもできる。特に、ε−カプロラクタムの単独使用で製造されるナイロン6が好ましい。
これらの他に、原料の脂肪族ジアミンとして一部または全部をシクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1、4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ジアミンを用いた脂肪族ポリアミド、および/または、ジカルボン酸として一部または全部を1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリアミドであってもよい。
更に、脂肪族パラキシリレンジアミン(PXDA)やメタキシリレンジアミン(MXDA)などの芳香族ジアミン、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を部分的な原料として用いて、吸水性の低減や弾性率向上を実現したポリアミドも含まれる。また、ポリアクリル酸アミド、ポリ(N−メチルアクリル酸アミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリル酸アミド)などのような側鎖にアミド結合を有するポリマーであってもよい。
ポリアミドの中で最も望ましいのは、ナイロン66またはナイロン6である。アミド結合に由来する適度な吸湿性、適度な長さの長鎖脂肪酸からなる分子鎖を繊維軸配向させやすく比較的延伸性が高いこと、融解熱が高く熱容量が大きいことから動力学的にも速度論的にも溶融しにくい(耐溶融性)、長鎖脂肪鎖からなる分子鎖の可とう性や、アミド結合間の水素結合形成のためにフィブリル化やキンクバンドが生じにくい性質、すなわち繰返し屈伸性など、本発明の担体として好ましい性能を活用することができるためである。
化学構造単位中のアミド結合が、主鎖ではなく側鎖に有するポリアミドも好ましく用いることができる。ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N‘−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N−ヘキシルアクリルアミド)などのポリアクリルアミドを挙げることができる。一般に側鎖にアミド結合を有するポリマーは親水性が高く膨潤・変形しやすいため、ゲル化現象を利用して物理架橋体を形成させたり、アルキル基を導入させたりするなどの方法により疎水化することが望ましい。
同様に強度や寸度安定性を向上させる目的で、担体を金属・高分子材料・セラミックス等の他の適切な構造材料により補強してもよい。これらの補強材は、有害物質除去材料を供給する側面の実質的な最表面以外の部分(例えば、該側面の反対面や芯材に用いる等)に用いることが望ましい。
本発明におけるビニロンとは、ビニルアルコール単位を65質量%以上含む線状高分子からなり、温度20℃湿度65%の環境に1週間以上放置した後の水分率が7%未満である繊維を指す。ビニルアルコールの水酸基をホルマール化したものであってもよいが、水酸基をホウ酸架橋したポリマーや、公知のアルカリ紡糸法や冷却ゲル紡糸法などの方法により耐水化処理が施された非ホルマール化繊維であってもよい。ビニルアルコール単位以外の成分としてはエチレン鎖、酢酸ビニル鎖などが含まれていてもよいが、ビニルアルコール担体から形成される繊維であることが好ましい。さらに、均質で高配向度・高結晶化度であるために、優れた機械的特性と信頼性が得られるという点で、冷却ゲル紡糸による非ホルマール化繊維であることが最も望ましい。
ビニロンは一般に、他の繊維に対して、高強度、高弾性率、適度な親水性、耐候性、耐薬品性、接着性などに優れている。
本発明で用いるポリウレタンは、単量体相互の結合部分または基本となる基材重合体相互の結合部分が主としてウレタン結合による線状合成高分子からなる繊維を指す。ポリウレタンセグメントを質量比で85%以上含むことが望ましい。低融点で柔らかい分子量数千までのソフトセグメントと、剛直性で凝集力の高い高融点のハードセグメントからなるセグメント化ポリウレタンのブロック共重合であることが望ましい。ソフトセグメントとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル、ハードセグメントとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネートなどで形成されるウレタン基を用いることができる。ポリウレタンは一般に高い弾性を示すのが特徴で、両セグメントの化学構造や分布など高分子鎖の一時構造の違いや、製糸条件の違いなどからくる二次構造の違いによって異なるが、よく伸びる、伸縮回復力が高い、ゴム材料に比べて老化しにくい・細い繊維が得られるなどの特徴があり、本発明の担体として用いた場合にもこれらの性質を活用することができる。
担体を構成する繊維の機械的物性ならびに寸法安定性については、乾燥時伸度が25%以上であることが望ましい。ここで乾燥時伸度とは、十分に長い時間かけて乾燥した繊維の20℃における引張試験における破断伸度をさす。一般に乾燥時伸度が10%以上で製布等の加工に適することが、フィルター加工及び実用時の破壊(ろ過効率の低下につながる)を防止するには25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることが最も好ましい。
担体を構成する繊維の公定水分率は、1.0%以上7.0%未満であることが好ましく、3.0%以上6.7%未満であることがより好ましく、5.0%以上6.5%未満であることが最も好ましい。本領域の公定水分率において、担持した微生物の活性の発現と、担体の機械的強度、剛性、環境(特に湿度)に対する寸法安定性が得られ、ひいてはフィルターとしての高い性能と信頼性を示すことができる。
なお、ここで言う水分率とは公定水分率のことであり、公定水分率とは繊維を20℃、相対湿度65%の環境下に長時間放置したときに繊維に含まれる水分率のことを指す。また、他の繊維との混紡繊維の場合にはその混紡繊維全体の公定水分率を指すものとする。
担体を構成する繊維の表面は、数十ナノメートルから数マイクロメートルスケールの微細な凹凸構造を有することが好ましい。凹凸の形状は、繊維方向と平行方向に形成された溝状あるいは筋状の立体形状であってもよいし、繊維方向と垂直すなわち軸に対して同心円状に形成された溝状あるいは筋状の立体形状であってもよく、これらの立体形状は繊維方向と平行方向から垂直方向迄の任意の角度で形成されたものが任意の比率、密度で存在してもよい。公知のセルロースアセテート繊維の紡糸法で得られる試料には、表層のスキン層形成と溶剤乾燥に伴うスキン層の陥没により、繊維断面が不定形の菊型を形成することが知られているが、この凹凸は本発明においても好ましい形態である。
ナノメートルからマイクロメートルスケールの微細な凹凸構造は、空孔状および/または突起状であってもよい。平均径にして50nmから1μmの空孔または突起であることが望ましい。これらの空孔や突起は、例えば溶液のキャビテーションや微細分散質を分散させた溶液(例えば硫酸バリウム粒子を分散させたスラリーとの混合)を利用するなどの方法により紡糸工程で形成させたり、アシル基の加水分解や表面酸化処理など方法(例えばアルカリ水溶液により繊維表面をセルロース化したのち、酵素処理により繊維表面にミクロクレーターを発現させたりするなど)により後工程によって形成させたりすることができる。
本発明に用いられる繊維の作製法としては、溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸、湿乾式紡糸など一般的な製造法や、物理的処理(例えば超高圧ホモジナイザーによる強力な機械的せん断処理)によって繊維を微細化する方法などが挙げられるが、安定な品質を確保するためには、乾式紡糸もしくは湿乾式紡糸法を用いることが好ましい。平均繊維径が100nm以下で均一な繊維を作製するためには、さらに加工技術、2005年、40巻、No.2、101頁、および167頁;Polymer International誌、1995年、36巻、195〜201頁;Polymer Preprints誌、2000年、41(2)号、1193頁;Journal of Macromolecular Science : Physics誌、1997年、B36、169頁などに開示されている電界紡糸法を採用することが好ましい。
紡糸に用いる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、THF、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒など、合成樹脂繊維に用いられる樹脂を溶解するものであれば何でも用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、複数種混合して用いてもよい。
電界紡糸法を採用する場合には樹脂溶液に、さらに塩化リチウム、臭化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの塩を添加してもよい。
本発明の有害物質除去材の担体を構成する繊維同士は部分的に接着することにより三次元ネットワークを形成している構造をもつことが望ましい。かような構造をとることにより、加工ならびに実用上の機械的耐性の向上、ひいては有害物質除去材の信頼性をあげることができる。また本発明の微生物の保持特性を上げることができる。繊維同士の接着はSEM等の方法で観察することができる。繊維同士の接着点の密度は、該有害物質除去材の投影表面積に対して1mm角辺り10箇所以上存在することが好ましく、100箇所以上であることがより好ましい。
接着点を形成する方法としては、乾式紡糸法で形成される癒着や溶融紡糸法で形成される融着点で形成してもよいし、紡糸後に加熱や、接着剤・可塑化溶剤等の添加による接着点形成処理を行ってもよい。製造コストの観点では適切な溶液処方により乾式紡糸法で癒着点を形成させることが好ましい。
本発明では、微生物に加えて、必要に応じて、各種の有害物質除去要素を担体に担持させてもよい。有害物質除去要素の具体例としては、酵素、抗体、抗菌剤、防カビ剤、触媒、又は強誘電材料などを挙げることができる。
酵素としては、リパーゼなどの加水分解酵素、又はプロテアーゼなどの蛋白質分解酵素などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
抗体の種類は、捕捉しうる有害物質の種類に対応する。抗体により捕捉される有害物質としては、例えば、細菌、カビ、ウイルス、アレルゲン及びマイコプラズマを挙げることができる。具体的には、細菌としては、例えば、グラム陽性菌であるブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌)、ミクロコッカス菌、炭疽菌、セレウス菌、枯草菌、アクネ菌などや、グラム陰性菌である緑膿菌、セラチア菌、セパシア菌、肺炎球菌、レジオネラ菌、結核菌などを挙げることができる。カビとしては、例えば、アスペルギルス、ペニシリウス、クラドスポリウムなどを挙げることができる。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、コロナウイスル(SARSウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルスなどを挙げることができる。アレルゲンとしては、花粉、ダニアレルゲン、ネコアレルゲンなどを挙げることができる。
抗菌剤及び防カビ剤としては、有機シリコン第4級アンモニウム塩系、有機第4級アンモニウム塩系、ビグアナイド系、ポリフェノール系、キトサン、銀担持コロイダルシリカ、ゼオライト担持銀系などが挙げられる。そして、その加工法としては、繊維からなる担体に抗菌/防カビ剤を含浸させるまたは塗布する後加工法や、担体を構成する繊維の合成段階で抗菌/防カビ剤を練り込む原糸原綿改質法などがある。
触媒としては、例えば、酸化チタンなどの光触媒などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
強誘電材料としては、フッ化ビニリデン系、又はポリアミド系高分子などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有害物質除去材は、空気清浄機用フィルター、マスク、拭き取りシート、布きん、壁紙、シーツ、カーテンなどに適用することができる。
空気清浄機用フィルターとして使用する際には、粗塵を除くためのプレフィルター、除塵フィルター、消臭効果を示す光触媒フィルター、他の有害物質を除去する抗菌フィルター、VOC吸着フィルターなど任意の公知のフィルターと組み合わせて使用してもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
エチルセルロースのテトラヒドロフラン10質量%溶液を調製し、図1の装置を用いて直径200nmの繊維からなる不織布を作製した。次に、BFL5800NT(名東化製株式会社、ニトロソモナス属の微生物を含む)を濃度が10質量%となるように約30℃のぬるま湯に溶解し、溶解した液に前記不織布を12時間浸漬しその後室温で乾燥させ、不織布N−1を得た。フィルター表面に担持させた菌数は、フィルター単位質量当たり105CFU/gであった。
(比較例1)
実施例1において、BFL5800NTを含有する溶液に代えて純水に浸漬する以外は実施例1と同様にして不織布H−1を得た。
(実施例2)
ナイロン6,6のギ酸10質量%溶液を調製し、湿度50%の環境で図1の装置を用いて直径700nm、微小孔径75nmの繊維からなる不織布を作製した。次に、バクトガン(アクアマックス、ニトロソモナス属とニトロバクター属の微生物を含む)を濃度が10質量%となるように約30℃のぬるま湯に溶解し、溶解した液に前記不織布を12時間浸漬しその後室温で乾燥させ、不織布N−2を得た。フィルター表面に担持させた菌数は、フィルター単位質量当たり105CFU/gであった。
(比較例2)
実施例2において、バクトガンを含有する溶液に代えて純水に浸漬する以外は実施例2と同様にして不織布H−2を得た。
(比較例3)
実施例1において、エチルセルロースのテトラヒドロフラン10質量%溶液に代えてポリアクリロニトリルのN,N−ジメチルホルムアミド10質量%溶液を用いる以外は実施例1と同様にして不職布H−3を得た。
(有害物除去試験)
前記不織布N−1〜2及びH−1〜3をそれぞれ空気清浄機に取り付け、アンモニア濃度10ppmになるように調節した密閉空間(容積0.2m3)中に前記空気清浄機を設置した。空気清浄機を駆動し、15分後のアンモニア濃度を検知管で測定した。結果を表1に示す。
図1は、実施例で用いた電界紡糸装置を示す。
符号の説明
11 電源装置
12 シリンジ
13 ニードル
14 コレクター
15 ポリマー溶液
16 ナノファイバー

Claims (5)

  1. 表面に微生物を担持した担体からなり、該担体が吸水性ポリマーを含む繊維からなる担体である、有害物質除去材。
  2. 微生物が好気性微生物である、請求項1に記載の有害物質除去材。
  3. 担体が、セルロースエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリウレタンのうち少なくとも1種類を主成分とする繊維からなる担体である、請求項1又は2に記載の有害物質除去材。
  4. 前記微生物が、コリネバクテリウム属、ロドコッカス属、ストレプトミセス属、チオバシルス属、ハイホマイクロビウム属、アルカリゲネス属、オクロバクトラム属、ニトロソモナス属、ニトロソコッカス属、ニトロソスピラ属、ニトロソロバス属、ニトロバクター属、ニトロコッカス属、ニトロスピラ属から選択される一種類以上の微生物からなる、請求項1から3の何れかに記載の有害物質除去材。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の有害物質除去材を用いて、気相中の有害物質を除去することを含む、有害物質除去方法。
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