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JP2009292688A - 透光性セラミックスおよびその製造方法、それを用いた光学素子、カラー液晶プロジェクター - Google Patents

透光性セラミックスおよびその製造方法、それを用いた光学素子、カラー液晶プロジェクター Download PDF

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Chihiro Kawai
千尋 河合
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】本発明の目的は、HIP処理を必要とせずに高い透光性を有するMgO系固溶体の透光性セラミックスを得ることにある。
【解決手段】本発明の透光性セラミックスの製造方法は、第1成分であるMgOに、第2成分であるFe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が固溶した固溶体からなる透光性セラミックスの製造方法であって、前記第1成分および第2成分の金属元素を含む原料粉末を溶融状態にして溶融体を得る第一の工程と、該溶融体を固化させて固溶体を得る第二の工程と、該固溶体を熱処理して結晶化させる第三の工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、MgOに特定の成分が固溶した固溶体からなる透光性セラミックスの製造方法に関する。
MgO(酸化マグネシウムまたはマグネシア)は、その結晶構造が立方晶であり複屈折が無いため、気孔や不純物の偏析を除去することにより透光性に優れた焼結体を得ることが可能である。このようなMgOは、融点が2800℃と非常に高く、耐熱性、耐アルカリ性及び高熱伝導性を有する優れた素材であることが知られている。しかしながら、MgOはその融点が極めて高いため、既存の単結晶合成技術では光学的に優れた大型結晶を合成することは困難であった。
一方セラミックス(多結晶体)は、融点以下の比較的低い温度での合成が可能であるため、MgO同様高融点の酸化イットリウム(イットリア)やその他希土類酸化物に関して、従来より赤外用高温窓材、放電ランプ用エンベロープ、耐食部材等に適用すべく検討が盛んに行われている。
多結晶透光性MgO焼結体に関する報告例としては、MgO粉末を有機溶媒に分散し、再仮焼して焼結性を改善する方法等が挙げられる(たとえば特許文献1)。また焼結助剤を添加する方法としては、溶液状のアルミニウム化合物を添加する方法(特許文献2)、SiO2と微量のB23を添加する方法(特許文献3)、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化ゲルマニウムを0.01〜0.5wt%添加し、不活性雰囲気で焼成する方法(特許文献4)等が挙げられる。
しかしながら、上記特許文献1の手法では、充分な透光性の焼結体を得ることは非常に困難であると共に、MgOの緻密化を促進する有機溶剤の役割が未解明であり、粉末の製造履歴によっては有機溶媒の添加効果が発現しない場合がある。また、上記特許文献2の手法においては、透過率に関する記述が無いために詳細は不明であるが、Al23単独で透光性の高い焼結体を作製するためには、非常に焼結性に優れた原料粉末を使用する必要がある。
さらに、上記特許文献3の手法では、B23が微量であってもMgOの高温での機械的強度を低下させる上、低融点物である硼素化合物によって焼成炉が激しく汚染されるという欠点がある。また、特許文献4の手法においては、1700℃以上という比較的高温で焼成しているにもかかわらず、透光性も全透過率で80%程度であり、理論透過率(約88%)には遠く及ばないという欠点がある。
また、これら焼結助剤を添加する方法では、比表面積は記載されていないため詳細は不明であるが、非常に微細なMgO粉末を用いている。粉体の粒子径が小さくなるほど焼結活性は高くなるが、粒子間の摩擦力が大きくなり、均一な組織の成形体を作製することは難しくなる。また収縮が大きくなり、亀裂が発生しやすくなる等の欠点もある。
また、上記の諸事情に共通する最大の課題は、MgO自体が極めて水分と反応しやすく、耐湿性・耐水性に大きな問題があり、例えばレンズ材料として長い時間使用するにつれ、表面が白濁し透過率が低下してしまうという致命的な問題もある。
本発明者らは透光性と耐湿性・耐水性に優れたMgOの固溶体からなる透光性セラミックスを提供する方法として、MgOに第2成分として、Fe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含んだ固溶体とすることで解決できることを見出している。これらの元素はMgOに固溶し、MgOの結晶構造を維持すると共に、第二の結晶成分を含まないことから透光性が発現すると共に、これらの固溶元素により耐湿性も改善される。
しかしながら、該透光性セラミックスは、原料粉末を混合後、焼結させる工程で作製されるが、焼結により完全に気孔を除去することが難しく、さらに高い透光性を得るためには、焼結後の(HIP)処理が必須であった。
特開昭51−80313号公報 特開昭59−50068号公報 特開2000−281428号公報 特開昭48−2883号公報
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、HIP処理を必要とせずに高い透光性を有するMgO系固溶体の透光性セラミックスを得ることを目的とする。
本発明の透光性セラミックスの製造方法は、第1成分であるMgOに、第2成分であるFe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が固溶した固溶体からなる透光性セラミックスの製造方法であって、前記第1成分および第2成分の金属元素を含む原料粉末を溶融状態にして溶融体を得る第一の工程と、該溶融体を固化させて固化体を得る第二の工程と、該固化体を熱処理により結晶化させて固溶体を得る第三の工程とを含むことを特徴とする。
ここで、上記原料粉末は、第1成分および第2成分の金属元素の水酸化物からなることが好ましい。また、上記固溶体が完全な多結晶体であることが好ましい。
上記第2成分は、前記第2成分は、ZnまたはNiを含む化合物であることが好ましい。また、該固溶体に占める第2成分の比率は、0.3mol%以上20mol%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mol%以上5mol%以下である。
また、本発明は、上記の製造方法を用いて得られる透光性セラミックスや、その透光性セラミックスを用いた光学素子にも関し、さらに、その光学素子を用いたカラー液晶プロジェクターにも関する。
本発明の透光性セラミックスの製造方法によれば、HIP処理を必要とせずに高い透光性を有するMgO系固溶体の透光性セラミックスを得ることができる。
また、本発明の透光性セラミックスの製造方法においては、MgOに第2成分であるFe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物を固溶させることで純粋なMgOに比べて融点が低下するので、溶融化するための温度が低下し、製造が容易になるという利点もある。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<透光性セラミックス>
本発明おける透光性セラミックスは、第1成分であるMgOに、第2成分であるFe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が固溶した固溶体からなるものである。
本発明において、上記固溶体とは、第1成分であるMgOと同じ結晶構造を有し、その粉末X線回折パターンはMgOと実質的に同じであり、他のいかなる化合物の回折パターンも現れず、固溶している第2成分のイオン半径とその固溶量によって、わずかに回折角度がシフトするものを意味するものとする。基本的には、Mgのイオン半径よりも小さなイオンが固溶した場合は、MgOの格子定数が小さくなるため、回折パターンは高角度側にシフトする。
該固溶体は多結晶体の占める割合が高いものであることが好ましく、透光性セラミックスを透明にするためには完全な多結晶体であることが好ましい。完全な多結晶体とは結晶粒界に非晶質相を含まないものを意味する。
このような固溶体からなる本発明の透光性セラミックスは、カラー液晶プロジェクターを初めとする光学材料に要求される下記のような特性を有している。
(1)光学的等方性、すなわち結晶系が立方晶であるため透光性に優れること
(2)熱伝導率が高いこと
(3)化学的に安定であること
(4)融点が低いこと
<第1成分>
上記固溶体を構成する本発明の第1成分は、MgOである。通常、MgOは極めて水分と反応しやすいセラミックスであり、空気中の水分と反応してMg(OH)2を形成し失透していくだけでなく、やがて崩壊していく性質を持つ。このようなMgOを光学レンズとして使用すると、経時変化して表面が失透していく。ZnO等の第2成分を固溶させることで第1成分であるMgOの表面活性が低下し水分との反応が抑制されるので、本発明の透光性セラミックスは長期的にも化学的に安定した材料となる。
<第2成分>
本発明において、上記固溶体を構成する第2成分は、Fe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物である。上記の通り、このような第2成分は、MgOである第1成分に固溶することにより、その融点を低下させるとともに耐湿性や耐水性を改善するという優れた特性を付与するものである。
このような第2成分は、ZnまたはNiを含む化合物であることが好ましく、さらにZnOまたはNiOであることが好ましく、最も好ましくはZnOである。ZnOはそれ自体の熱伝導率が56W/mK程度と高く、また、ZnとMgとはイオン半径が近似しており、ZnOがMgOに固溶した場合に格子歪みの程度が小さく、MgOの熱伝導率を大きく低下させることがないというメリットを有しているためである。
また、上記第2成分は、MgOの融点を低下させる役割も有している。すなわち、純粋なMgOの融点は約2800℃と極めて高いが、第2成分の金属元素と固溶化することにより、融点は大幅に低下する。融点の低下の度合いは、第1成分と第2成分の固溶量の割合により変化するが、例えば、Znの場合、全体の20mol%をZnとすると融点は約2400℃まで低下する。なお、第2成分がFe、Ni、CoまたはCuを含む化合物である場合も、上記ZnOと同様にMgOの融点が低下する効果が得られる。
さらに、MgOの高い熱伝導率が第2成分の影響により大きく低下しないか否かは、これらの元素のイオン半径を考慮する必要がある。すなわち、第2成分の金属元素のイオン半径はMgイオンのイオン半径に近似することが好ましく、この点で第2成分の金属元素はZn、NiまたはCuであることが好ましい。
このような第2成分の上記固溶体に占める比率は、第1成分と第2成分の溶融体および固溶体が得られる範囲であれば特に限定されるものではないが、0.3mol%以上20mol%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mol%以上5mol%以下である。20mol%を超えると第二の結晶相が析出する可能性が高くなり、0.3mol%未満では、耐湿性の向上効果が小さくなる。また、第二成分の添加量が増大するほど固溶体の熱伝導率は低下するので、第2成分の比率は、5mol%以下であることが特に好ましい。
また、MgOは、たとえばZnOなどの第2成分に対して幅広い組成域で固溶体を形成し、また焼結助剤等を用いない場合はその固溶体は第二相を形成せず、立方晶を維持するので光学的等方性を確保することができ、かつ第二相が粒界に存在しないので透明になり易いという特性を有している。本発明の透光性セラミックスは、MgOのこのような特性を利用したものであり、透光性という観点からは該固溶体以外の第二相を含まないことが好ましい。第二相が生成しない範囲は、ZnOを第2成分とする場合は、ZnOが約20mol%以下の範囲であり、Ni、Co、Cu、またはFeを含む化合物を第2成分とする場合は、第2成分の比率の多寡に係らず全比率範囲で固溶し第二相を生成することはない(全ての組成域に渡って固溶体を形成する)。ZnOを第二成分とする場合において、ZnOが20mol%を超えると、MgOと屈折率の異なる六方晶型のZnOが共析するので光学的に透明になりにくく、複屈折も起こりやすくなる。また、ZnOが0.3mol%未満では融点の低下の度合いが小さくなるので、単純なMgO焼結体と差がなくなる。
<製造方法>
本発明において、上記透光性セラミックスを製造する製造方法は、
前記第1成分および第2成分の金属元素を含む原料粉末を溶融状態にして溶融体を得る第一の工程と、
該溶融体を固化させて固化体を得る第二の工程と、
該固化体を熱処理により結晶化させて固溶体を得る第三の工程と
を含むことを特徴とするものである。
本発明では、原料粉末を一旦溶融状態にした後固化させることで気孔を除去した固化体が得られるため、相対密度の高い固化体を得ることができる。この状態では、固化体は非晶質成分と結晶質成分が混じった状態となっており、それぞれの屈折率が異なるために透光性はないが、この後、固化体を熱処理して非晶質相を結晶化させた固溶体とすることで透光性が発現する。完全に結晶化させたMgO固溶体の多結晶体になると透明となる。
<第1の工程>
本発明の製造方法において、第1成分および第2成分の金属元素を含む原料粉末を溶融状態にして溶融体を得る第一の工程は、特に限定されることはなく、第1成分と第2成分とを溶融状態にすることができる方法であればいずれの方法をも採用することができる。
原料粉末を溶融状態にする方法としては、混合した原料粉末を一般的な溶融炉内で加熱する方法などが挙げられる。加熱を行なう場合の温度は、第1成分と第2成分の種類、配合割合に応じて変化させればよい。すなわち、固溶体にすることで融点が低下するので、その温度以上で加熱するとよい。
また、加熱時の溶融炉内は真空状態に保たれることが好ましい。
上記原料粉末としては、第1成分および第2成分の金属元素の酸化物、水酸化物、塩化物などを用いることができるが、安価な水酸化物からなる原料粉末を用いることが好ましい。なお、原料粉末を均一に混合する好ましい方法としては、遊星ボールミルなどを用いる方法があげられる。遊星ボールミルで混合する場合、ボールとして汎用されるFe製ボールを使うと、Feを自然に固溶させることも可能である。
<第2の工程>
次いで、上記溶融体を固化させて固化体を得る第二の工程も、特に限定されることはなく、第1成分と第2成分の固化体を得ることができる方法であればいずれの方法をも採用することができる。そのような方法としては、例えば、大気雰囲気下で常温により自然冷却して固溶体を得る方法などが挙げられる。
<第3の工程>
本発明の製造方法において、固化体を熱処理により結晶化させて固溶体を得る第三の工程も、特に限定されることはなく、第1成分と第2成分の固化体を結晶化することができる方法であればいずれの方法をも採用することができる。そのような方法としては、例えば、固化体に熱処理を施す方法が挙げられる。
固化体を結晶化させるための熱処理温度は、固化体中に第2成分として配合される金属種により様々であるが、一般的には、固化体の融点から300〜500℃程度低い温度であることが好ましい。あまり低すぎると結晶化速度が小さい、または進行しないため好ましくない。
尚、本発明の製造方法によれば、HIP処理(熱間静水圧プレス)を必要とせずに高い透光性を有する透光性セラミックスを得ることができるが、第三の工程後にHIP処理を施してもよく、HIP処理を施すことで透光性セラミックス中の気孔および残留ポアがさらに排除され、透光性セラミックッスの透光性(420〜680nmの波長領域の光の直線透過率)はさらに向上する。
このHIP処理工程において、圧力媒体は特に限定されるものではないが、工業的に入手可能な不活性ガスを用いることが好ましい。処理温度(HIP温度)は、概ね1200℃以上とすることが好ましい。1200℃よりも低いと気孔を完全に除去することが出来ず、焼結温度を超えると粒成長が進行し、残留ポアを生じる傾向がある。このため、処理温度の上限は焼結温度を超えないことが好ましい。一方、処理圧力は500気圧以上2000気圧以下とすることが好ましい。500気圧を下回ると充分な効果が得られず、また2000気圧を超えても透光性をさらに向上させることにはならず、装置が大掛かりなものとなるため好ましくない。また、処理時間は0.5時間以上であれば充分であり、例えば0.5時間以上2時間以下とし、得られる透光性セラミックスの厚み等により種々時間を変更して行なえばよい。このような処理時間は最高温度での保持時間に依存して変化する。
<直線透過率>
本発明の透光性セラミックスは、条件を選べばその厚みが1mmである場合において、420〜680nmの波長領域の光の直線透過率が85%以上という優れた透光性を有するものを作製することができる。ここで、この直線透過率とは、厚みが1mmである透光性セラミックスの表面に対する垂直方向(すなわち厚みの深さ方向)の光の透過率を示す。このような直線透過率は、分光光度計により測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例>
(a)透光性セラミックス(固溶体)の作製
純度99.99%のMg(OH)、Zn(OH)、Ni(OH)、Cu(OH)粉末を用いて、Mg(OH)2とZn(OH)、Ni(OH)またはCu(OH)とを表1に記載の所定の比率で混合し、真空炉中、黒鉛型内で表1に示す各溶融温度で加熱して、第1成分と第2成分の溶融体を得た。
その後、炉内を大気雰囲気に戻してから温度を低下させて溶融体を固化し、固化体を得た。その後、表1に示す結晶化温度で熱処理した。熱処理温度から、0.5℃/minの割合で室温まで冷却して、表1記載のサンプルNo.1〜9の固溶体(透光性セラミックス)を得た。
得られた透光性セラミックスの粉末X線回折を行なうことにより生成相を同定した。
<比較例>
比較例として、粉末焼結法によりMgO系透光性セラミックスを作製した。
(a)原料粉末(固溶体の粉末)の調製
濃度0.5M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液5Lと濃度0〜0.5M(mol・dm-3)の範囲でそれぞれ濃度を変えた各高純度塩化亜鉛溶液5Lとを濃度1.0M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液10Lに100ml/minの速さで滴下し、40℃で1日間養生を行なった。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を数回繰り返した後、135℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られた塩基性炭酸塩をアルミナ製坩堝に入れ、1350℃で15時間仮焼することにより、比表面積11m2/gの高純度酸化マグネシウム・亜鉛系複合粉末(すなわち第1成分であるMgOに第2成分であるZnOが固溶した固溶体の粉末)を作製し、表2記載のサンプルNo.1〜9の原料粉末を得た。
これらの複合粉末の粉末X線回折を行なうことにより生成相を同定した。ピクノメータで複合粉末の真密度を測定し、MgOとZnOの真密度の値から、複合粉末の組成を計算した結果、仕込み原料のMgCl2とZnCl2の濃度と比例することが確認できた。
(b)成形体を得る工程
上記で調製された各原料粉末50gに、バインダーとして積水化学製PVB−BL1(商品名)を0.22g添加してエタノール20gを加え、ナイロンポット及びナイロンボールを用いて24時間混合した後回収した。
回収後の原料粉末を成形型に装填し、直径20mm、厚さ2mmのディスク状成形体を作製した。このようにして得られた成形体の相対密度(MgOの理論値に対する密度を%表示したもの。以下同じ)をアルキメデス法により測定し、その結果を表2に示す。
(c)焼結体を得る工程
上記で得られた各成形体を真空炉にて100℃/hrで所定の温度(表2記載の焼結温度)まで昇温し、その温度で1時間保持した後に炉内で自然冷却させた。焼成時の真空度は10-2Pa以下とした。焼結体の相対密度をアルキメデス法により測定した。また、生成相を粉末エックス線回折により確認した。それらの結果を表2に示す。なお、生成相の表記に関し、「MgO」とは生成相がMgOの立方晶であることを示す。
(d)HIP処理工程
上記で得られた各焼結体をArガス中800℃/hrで所定の温度(表2記載のHIP温度)まで昇温し、1000気圧の圧力下で1時間保持してHIP処理(熱間静水圧プレス)を行なうことにより透光性セラミックス(厚み1mm)を得た。このようにして得られた透光性セラミックス(HIP体とも記す)の相対密度をアルキメデス法により測定し、その結果を表2に示す。なお、表2記載のサンプルNo.10〜18が本発明の比較例である。
<評価試験>
(1)直線透過率
上記で得られた各透光性セラミックスは、ダイヤモンドスラリーを用いて鏡面研磨を行ない、分光光度計にて直線透過率(厚み1mm)を測定した。その結果、波長420nm〜680nmにおける直線透過率は420nmで最も低くなるため、各実施例及び比較例のサンプルにおいては420nmにおける直線透過率を測定した。その結果を表1、2に示す(実施例については表1、比較例については表2に示す。以下、同様。)。
(2)耐水性
上記で得られた各透光性セラミックスの耐水性の加速試験を行なうことにより耐水性を評価した。すなわち、各透光性セラミックスを遊星ボールミルで加速度が150Gで10分間粉砕して、BET比表面積値が約0.3m2/gになるまで粉末状にし、これを98℃の沸騰水中に5時間浸漬することにより浸漬後の重量増加比率を測定した。重量増加が大きくなるほど耐水性に劣っていることを示す。その結果を表1、2(「耐水試験時重量増加率(wt%)」の項)に示す。
(3)熱伝導率
上記で得られた各透光性セラミックス(厚み1mm)から直径10mmの試験片を切り出し、レーザーフラッシュ法により室温での熱伝導率を測定した。その結果を表1、2に示す。
Figure 2009292688
Figure 2009292688
表1、2より明らかなように、本発明の実施例の透光性セラミックス(表1の固溶体)は、比較例のHIP処理を行なう前の透光性セラミックス(表2の焼結体)に比し、相対密度および透過率が極めて高いことが分かる。また、HIP処理を施した比較例の透光性セラミックス(表2のHIP体)と比べても、実施例の透光性セラミックスは、同等以上の優れた相対密度、透過率を有するものとなっている。
以上の通り、本発明の製造方法によれば、HIP処理工程を行なわなくとも、透過率の高い優れた透光性セラミックスを容易に製造することができる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の製造方法で得られる透光性セラミックスは、高い透光性を有するため、通常の光学レンズに要求される物性を満足し、種々の光学素子として用いることができ、特にカラー液晶プロジェクター用の光学素子として用いることができる。
また、本発明の透光性セラミックスは、可視光の透過率(直線透過率)が高く、かつ高熱伝導率に起因する高い放熱性を有するので、本発明の透光性セラミックスをカラー液晶プロジェクター用の光学素子として用いると、明るさと耐久性のいずれもが良好で、優れた画像を長時間安定的に表示できるカラー液晶プロジェクターが得られる。さらに高コントラストで均一性に優れた画像を長時間安定に表示できる。本発明の透光性セラミックスを偏光板や位相差板に応用することにより、セラミックスとしてはサファイヤに匹敵し得るほどに明るく、軸合わせが不要で、昇温が少ないため偏光層や1/2波長膜などの劣化を防止して、高輝度のカラー画像を長時間安定に表示することができる。

Claims (9)

  1. 第1成分であるMgOに、第2成分であるFe、Ni、Co、Cu、Mn、およびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が固溶した固溶体からなる透光性セラミックスの製造方法であって、
    前記第1成分および第2成分の金属元素を含む原料粉末を溶融状態にして溶融体を得る第一の工程と、
    該溶融体を固化させて固化体を得る第二の工程と、
    該固化体を熱処理により結晶化させて固溶体を得る第三の工程と
    を含む透光性セラミックスの製造方法。
  2. 前記原料粉末が第1成分および第2成分の金属元素の水酸化物からなる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記固溶体が完全な多結晶体である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記第2成分は、ZnまたはNiを含む化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記固溶体に占める前記第2成分の比率は、0.3mol%以上20mol%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記固溶体に占める前記第2成分の比率は、1mol%以上5mol%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法を用いて得られる透光性セラミックス。
  8. 請求項7記載の透光性セラミックスを用いた光学素子。
  9. 請求項8記載の光学素子を用いたカラー液晶プロジェクター。
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