[go: up one dir, main page]

JP2009279984A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

車両用サスペンションシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2009279984A
JP2009279984A JP2008131610A JP2008131610A JP2009279984A JP 2009279984 A JP2009279984 A JP 2009279984A JP 2008131610 A JP2008131610 A JP 2008131610A JP 2008131610 A JP2008131610 A JP 2008131610A JP 2009279984 A JP2009279984 A JP 2009279984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsprung
unit
actuator
damping coefficient
force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008131610A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Shiotani
崇洋 塩谷
Shingo Komura
伸吾 香村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008131610A priority Critical patent/JP2009279984A/ja
Publication of JP2009279984A publication Critical patent/JP2009279984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】 実用性の高い電磁式サスペンションシステムを提供する。
【解決手段】 電磁式のアクチュエータ30および連結装置32を備えたサスペンション装置において、連結装置を構成する液圧式ダンパ70に、それの減衰係数を変更するための減衰係数変更機構150を設け、アクチュエータの構造に起因して生じるばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとのとの相対動作に対する抵抗、例えば、ねじロッド42とナット44との間に生じる摩擦力に基づいて、そのダンパの減衰係数を制御する。その抵抗の大きさが変動する場合におけるその変動の影響を排除あるいは緩和した特性のサスペンション装置を、アクチュエータ力ではなくダンパの減衰係数を制御することによって、実現することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ばね上部とばね下部との間に配設された電磁式のアクチュエータを備えた車両用サスペンションシステムに関する。
近年、下記特許文献に記載されているようなシステム、つまり、いわゆる電磁式サスペンションシステムと呼ばれるシステムの開発が進められている。このシステムは、スカイフック理論に基づくばね上部の制振制御が可能であることから、脚光を浴びている。
サスペンションシステムは、車輪ごとに設けられたサスペンション装置を主体として構成されており、電磁式サスペンションシステムにおけるサスペンション装置は、一般に、電磁式のアクチュエータを備えている。この電磁式のアクチュエータは、ばね上部に連結されるばね上部側ユニットと、ばね下部に連結されてばね上部とばね下部との接近離間動作に伴って前記ばね上部側ユニットと相対動作するばね下部側ユニットと、電磁モータとを有し、その電磁モータの発生させる力に依拠してばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する力であるアクチュエータ力を発生させるように構成されている。
また、電磁式のサスペンションシステムが有するサスペンション装置は、例えば、ばね下部からの衝撃的な荷重に対する上記アクチュエータの保護等の目的で、上記ばね上部側ユニットと上記ばね下部側ユニットとの一方を、ばね上部とばね下部との一方に連結させるための連結装置を備えるように構成することができる。この連結装置は、例えば、それらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位を弾性的に許容する連結スプリングと、その連結スプリングと並設されてそのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位に対する減衰力を発生させる液圧式のダンパとを有するよう構成される。ちなみに、下記特許文献に記載のシステムが有するサスペンション装置では、ばね下部側ユニットをばね下部に連結するための連結装置を備えている。
特開2007−203933号公報
電磁式のアクチュエータは、それの構造に起因して、上記ばね上部側ユニットと上記ばね下部側ユニットとの相対動作に対して、何らかの抵抗を有している。例えば、アクチュエータが上記特許文献に記載のサスペンション装置のように、ねじ機構を有している場合には、そのねじ機構を構成するねじロッドとナットとの相対動作に対する抵抗が、ばね上部側ユニットと上記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗となる。また、上記抵抗は、例えば、ねじロッドとナットとの間の摩擦力等、ばね下部側ユニットの一部とばね上部側ユニットとの一部との間に生じる摩擦が主たる原因となる場合がある。このような抵抗は、アクチュエータおよび上記連結装置によってばね上部とばね下部とに作用させられる力(以下、「ばね上ばね下間作用力」という場合がある)に影響を与えることになる。したがって、そのような抵抗を考慮したサスペンション装置の制御を実行可能な電磁式サスペンションシステムを構築することが、電磁式サスペンションシステムの実用性の向上に繋がるのである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い電磁式サスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両用サスペンションシステムは、上記電磁式のアクチュエータおよび連結装置を備えたシステムであって、連結装置を構成する液圧式ダンパに、それの減衰係数を変更するための減衰係数変更機構を設け、アクチュエータの構造に起因して生じるばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとのとの相対動作に対する抵抗に基づいて、そのダンパの減衰係数を制御するように構成されたことを特徴とする。
本発明の車両用サスペンションシステムによれば、上述の抵抗を考慮したサスペンション装置の制御が行われるため、その抵抗の影響を、特に、その抵抗の大きさが変動する場合におけるその変動の影響を、排除あるいは緩和した特性のサスペンション装置を実現することが可能となる。また、本発明の車両用システムによれば、上記抵抗を考慮して、アクチュエータ力ではなくダンパの減衰係数を制御するため、アクチュエータの制御に変更を加えることなく、サスペンション装置における上記抵抗の影響を排除あるいは緩和することができる。それらのことにより、電磁式サスペンションシステムの実用性が向上することになるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
ちなみに、下記(1)項が、請求項1に相当し、(3)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、それぞれ相当する。
(1)ばね上部に連結されるばね上部側ユニットと、ばね下部に連結されてばね上部とばね下部との接近離間動作に伴って前記ばね上部側ユニットと相対動作するばね下部側ユニットと、電磁モータとを有し、その電磁モータの発生させる力に依拠してばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する力であるアクチュエータ力を発生させる電磁式のアクチュエータと、
前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの一方を、ばね上部とばね下部との一方に連結させるための装置であって、(a)そのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とそのばね上部とばね下部との一方との間に配設されて、それらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位を弾性的に許容する連結スプリングと、(b)その連結スプリングと並設され、そのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位に対する減衰力を発生させるとともに、その減衰力の発生能力である減衰係数を変更する減衰係数変更機構を含んで構成された液圧式のダンパとを有する連結装置と、
前記電磁モータの作動を制御することで前記アクチュエータの発生させるアクチュエータ力を制御するアクチュエータ力制御部と、前記減衰係数変更機構の作動を制御することで前記ダンパの減衰係数を制御する減衰係数制御部とを有する制御装置と
を備えた車両用サスペンションシステムであって、
前記減衰係数制御部が、前記アクチュエータの構造に起因して生じる前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗に基づいて、前記ダンパの減衰係数を制御するように構成された車両用サスペンションシステム。
サスペンションシステムは、車輪ごとに設けられた「サスペンション装置」を主体として構成される。このサスペンション装置は、上記電磁式のアクチュエータと上記連結装置とを含んで構成され、ばね下部の振動のばね上部への伝達を抑制する機能、言い換えれば、ばね上部の制振機能を有している。
サスペンション装置において、上記「抵抗」、つまり、アクチュエータの構造に起因して生じるばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗は、アクチュエータの作動等に対して影響を与える。具体的に言えば、アクチュエータが発生させるアクチュエータ力や、連結装置が有する連結スプリングが発生させるばね反力,液圧式ダンパが発生させる減衰力が、ばね上部とばね下部とに作用するのであるが、それらアクチュエータと連結装置とによってばね上部とばね下部とに作用させられる力(以下、「ばね上ばね下間作用力」と言う場合がある)に対して、上記抵抗が影響を及ぼすことになる。この影響により、サスペンション装置は、適切な大きさの力をばね上部とばね下部に作用させることができない可能性もあり、良好であるはずのサスペンション装置の特性(例えば、ばね上部の制振に関する特性等)が損なわれることにもなりかねない。特に、上記抵抗の大きさが変動するような場合には、その変動により、サスペンション装置の特性が一定したものとはならず、車両の乗り心地等を悪化させる可能性が高い。本項の車両用サスペンションシステムによれば、上記抵抗を考慮した制御が行われるため、サスペンション装置の特性に及ぼすその抵抗の影響を、特に、その抵抗が変動する場合においてその変動の影響を、排除あるいは緩和することが可能となり、好特性のサスペンション装置を実現させることが可能となる。
上記抵抗を考慮した制御を実行する場合、アクチュエータ力の制御において上記抵抗を考慮した制御を実行することも考えられる。本項に記載の態様のシステムでは、アクチュエータ力ではなく、連結装置が有する液圧式のダンパの減衰係数を、上記抵抗を考慮して制御するようにされている。したがって、アクチュエータ力の制御を変更することなく、上記ばね上ばね下間作用力を適切なものとすることができ、効果的に、サスペンション装置の特性に及ぼす上記抵抗の影響を排除あるいは緩和することが可能となるのである。
本項の態様における「アクチュエータ」は、例えば、いわゆる電磁式ショックアブソーバと呼ばれるようなものであればよく、その具体的な構造が特に限定されない。例えば、「ばね上部側ユニット」と「ばね下部側ユニット」との相対動作によって伸縮するシリンダ形式のアクチュエータを採用することができる。また、アクチュエータは、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗力を発生させるだけでなく、その相対動作に対する推進力を発生させるものであってもよい。スカイフック理論に基づくばね上部の制振制御を行うという観点からすれば、それら抵抗力と推進力との両方を発生させることができるものであることが望ましい。アクチュエータが有する「電磁モータ」は、アクチュエータ力の源となる力を発生させるものであり、その電磁モータの力(以下、「モータ力」という場合がある)は、場合によっては、その電磁モータがいわゆる発電機として機能することによって発生させられるものであってもよい。電磁モータは、その型式が特に限定されるものではなく、DCブラシレスモータを始めとして、種々の型式のモータを採用できる。また、電磁モータは、回転型モータであってもよく、リニアモータであってもよい。例えば、回転型のモータを採用する場合には、アクチュエータは、モータ力をアクチュエータ力に変換するための機構を備えるが、その機構の具体的な構造も特に限定されない。その機構として、例えば、後に説明するようなねじ機構を採用することができる。
本項の態様における「連結装置」は、端的に言えば、上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方を、上記ばね上部とばね下部との一方に、浮動支持させるための機能を有するものと考えることができる。その浮動支持のための主たる構成要素が、「連結スプリング」であり、それの有する弾性力によって、上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方が上記ばね上部とばね下部との一方に弾性的に浮動支持される。このような浮動支持により、例えば、ばね下部から衝撃的な荷重の入力があった場合において、その衝撃からアクチュエータを保護することが可能となる。また、アクチュエータの制御が追従できないような比較的高い周波数のばね下部の振動(例えば、ばね下共振周波数域の振動等)を吸収し、その振動のばね上部への伝達を効果的に抑制するような機能を持たせることも可能である。連結装置が有する「ダンパ」は、上記連結スプリングの浮動支持によって生じる振動、つまり、上記ばね上部とばね下部との一方に対する上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方の振動を減衰させる機能を有する。
上記液圧式の「ダンパ」は、それの具体的な構造が特に限定されるものではないが、例えば、液圧式のショックアブソーバに類似する構造のシリンダ型のものを採用することができる。具体的に言えば、ピストンと、それによって2つの液室に区画されるハウジングとを有し、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方と上記ばね上部とばね下部との一方との相対変位によって、ハウジングに対してピストンが移動して2つの液室の容積が変化し、それら液室の容積変化に伴ってそれら液室間の作動液の流通に対して抵抗を付与するような構造のものを採用することができる。ダンパが有する「減衰係数変更機構」は、ダンパの構造に応じた適切なものを採用すればよく、それの具体的な構造は、特に限定されない。例えば、ダンパとして上記シリンダ型のものを採用する場合、2つの液室間を連通させる連通路において作動液の流通に抵抗を与えるようにし、その連通路の作動液の通過断面積を変化させることで、ダンパの減衰係数を変更するような構造のものを採用することができる。
本項の態様における「制御装置」は、例えば、コンピュータ等を主体として構成することが可能である。「アクチュエータ力制御部」は、例えば、アクチュエータが発生させるべきアクチュエータ力である目標アクチュエータ力を、例えば、ばね上部の位置変動量,位置変動速度、ばね上部とばね下部の接近離間動作量,接近離間速度等の種々のパラメータに基づいて、それら位置変動,接近離間動作等を抑制したり減衰したりするのに適切な大きさに決定し、その決定された目標アクチュエータ力に基づいて電磁モータの作動を制御するように構成することができる。また、「減衰係数制御部」は、例えば、ダンパが有すべき減衰係数である目標減衰係数を、上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗を考慮して決定し、その決定された目標減衰係数に基づいて減衰係数変更機構を制御するように構成することができる。
(2)前記抵抗が、前記ばね下部側ユニットの一部と前記ばね上部側ユニットとの一部との間に生じる摩擦力によるものである(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
一般に、アクチュエータは、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作の方向を規定すべく、それらの一部分どうしが互いに接触した状態で相対動作するような構造とされる。したがって、ばね上部側ユニットの一部とばね下部側ユニットの一部と間には、摩擦が生じる。本項のシステムでは、そのような摩擦による抵抗を考慮して、ダンパの減衰係数が制御されることになり、本項の態様は、電磁式アクチュエータを有するサスペンションシステム全般に広く適用できる。
(3)前記抵抗の大きさが、前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違する(1)項または(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗は、例えば、それらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとが比較的近づいた相対動作位置にある場合と、比較的離れた相対動作位置にある場合とで、互いに異なることがある。つまり、アクチュエータが、上記抵抗の大きさがそれらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置に応じて変動するような構造となっていることがある。具体的に言えば、例えば、シリンダ型のアクチュエータでは、アクチュエータの動作に対して自身が有する抵抗が、伸長した状態と収縮した状態とで異なり、アクチュエータの伸縮量に応じてその抵抗が変化するような構造となっている場合である。
上記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗が、それらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違する場合には、適切な大きさのアクチュエータ力を発生させるように電磁モータを制御しても、上記抵抗の相違により、アクチュエータとそのアクチュエータと連結装置によってばね上部とばね下部に作用させられる力であるばね上ばね下間作用力が、その抵抗の大きさの変動の影響を受けることになる。その影響は実際上複雑であるが、敢えて簡単に言えば、同じ大きさのアクチュエータ力を発生させるように電磁モータを制御しても、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置によって、ばね上ばね下間作用力が相違することになるのである。つまり、上記抵抗の大きさの変動により、サスペンション装置の特性が、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作可能な範囲内において、均一とはならず、サスペンション装置の特性に及ぼすその変動の影響は、大きなものとなる。言い換えれば、時点時点でサスペンション装置の特性自体が変動して、車両の乗り心地を悪化させることに繋がるのである。
本項の態様によれば、上記抵抗がばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違するような場合において、その抵抗の相違を考慮して、ダンパが有する減衰係数変更機構が制御される。したがって、本項の態様によれば、上述したようなサスペンション装置の特性の変動が、防止若しくは抑制され、車両の乗り心地の悪化を防止若しくは抑制することが可能となる。
(4)前記減衰係数制御部が、前記ダンパの減衰係数を、前記アクチュエータと前記連結装置とによってばね上部とばね下部とに作用させられる力の前記抵抗の大きさの相違に起因して生じる変動を緩和するように制御するものである(3)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様においては、例えば、アクチュエータ力を一定の制御則に従って制御した場合において、上記抵抗の相違が存在する条件下でのばね上ばね下間作用力が、上記抵抗の相違が存在しない条件下、つまり、抵抗の大きさが一定である条件下でのばね上ばね下間作用力と同等となるように、ダンパの減衰係数が制御される。極端な表現ではあるが、そのような制御を行えば、アクチュエータ力を一定の制御則に従って制御するだけで、サスペンション装置は、常に一定の抵抗が存在していると擬制できる状態における特性を維持することができることになる。つまり、本項の態様によれば、上記抵抗がばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違する場合において、その抵抗の相違に起因するばね上ばね下間作用力の変動を緩和することで、サスペンション装置の特性に及ぼす上記抵抗大きさの変動の影響を効果的に緩和することが可能となる。その結果、サスペンション装置は、安定した特性を有することとなり、車両の乗り心地を向上させることができるのである。
(5)前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置と、前記抵抗の大きさとの関係が既知であり、
前記減衰係数制御部が、前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置に基づき、前記関係を参照しつつ前記ダンパの目標減衰係数を決定し、その目標減衰係数に基づいて、前記減衰係数変更機構の作動を制御するように構成された(3)項または(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(6)前記減衰係数制御部が、前記抵抗を前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する減衰力として発生させる仮想的なダンパを配設したサスペンションモデルに従って、前記ダンパの目標減衰係数を決定するように構成された(5)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(7)前記サスペンションモデルが、前記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する減衰力として発生させるもう1つの仮想的なダンパを配設したモデルである(6)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(8)前記サスペンションモデルが、ばね上共振周波数およびその周波数の近傍の周波数の振動への対処に特化したモデルである(6)項または(7)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記4つの項に記載の態様は、上記抵抗がばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違する場合における減衰係数変更機構の制御の具体的な構成に関する態様である。それら4つの項の態様によれば、減衰係数変更機構を適切に制御することが可能となる。なお、ばね上共振周波数およびその周波数の近傍の周波数の振動(以下、「ばね上共振周波数域の振動」という場合がある)のばね下部からばね上部への伝達を抑制すれば、車両の乗り心地の大きな改善に繋がる。その観点から、ばね下共振周波数域の振動に特化したサスペンションモデルに従って目標減衰係数を決定し、その目標減衰係数に従って減衰係数変更機構を制御すれば、実際上問題とならない程度に、上記抵抗の相違に起因して生じるところのばね上ばね下間作用力の変動を緩和することが可能となる。
(9)前記アクチュエータ力制御部が、
前記アクチュエータ力が発生させるアクチュエータ力を、ばね上部の位置変動に対してのその変動量に応じた大きさの抑制力と、ばね上部の位置変動に対しての減衰力との少なくとも一方となるように制御するものである(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、アクチュエータ力の制御をいわゆるスカイフック理論に基づいて行うように構成された態様である。アクチュエータ力を「ばね上部の位置変動に対してのその変動量に応じた大きさの抑制力」となるように制御する場合は、あたかも、仮想的なばねであるスカイフックばねによる力がばね上部に付与されるようにアクチュエータ力制御される。つまり、スカイフックばね理論に基づく制御である。また、「ばね上部の位置変動に対しての減衰力」となるように制御する場合は、あたかも、仮想的なダンパであるスカイフックダンパによる力がばね上部に付与されるようにアクチュエータ力が制御される。つまり、スカイフックダンパ理論に基づく制御である。勿論、両方の力が付与されるように、アクチュエータ力を制御してもよい。
(10)前記アクチュエータが、
ねじロッドとそのねじロッドと螺合するナットとを含んで構成され、それらねじロッドとナットとの一方が前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方の構成要素としてその一方に設けられるとともに、それらねじロッドとナットとの他方が前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの他方の構成要素としてその他方に設けられ、前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に応じてそれらねじロッドとナットとが相対回転するように構成されたねじ機構を有し、
前記電磁モータが前記ねじロッドと前記ナットとの相対回転に対して力を作用させることで、アクチュエータ力を発生させる構造とされた(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様は、電磁モータとして回転型モータを採用する場合に有効な態様である。回転型モータを採用する場合、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作がそれらの直線運動であるため、電磁モータの回転運動をその直線運動に変換する運動変換機構を備える必要がある。本項の態様のように、運動変換機構としてねじ機構を採用すれば、簡便な構造のサスペンションシステムが構築できる。
(11)前記抵抗が、主に、前記ねじロッドと前記ナットとの相対動作に対する抵抗である(10)項に記載に車両用サスペンションシステム。
運動変換機構としてねじ機構を採用する場合、そのねじ機構において、例えば摩擦に起因する上記抵抗が生じる。その抵抗を可及的に小さくすべく、ボールねじ機構を採用したとしても、何某かの抵抗が生じることは避けられない。また、ボールねじ機構のねじロッドは比較的細長いものであるため、設置された状態において、あるいは、ばね上部側ユニットばね下部側ユニットとの相対動作によって、傾き、曲がり等が発生する可能性があり、その場合、ばね上部側ユニットばね下部側ユニットとの相対動作位置によって抵抗の大きさが相違するという現象が生じ易い。本項の態様では、サスペンション装置の特性に及ぼすその抵抗の影響を排除あるいは緩和することが可能となり、本項の態様は、ねじ機構を採用するアクチュエータを含んで構成されるシステムに対して有効な態様となる。
(12)前記連結装置が、前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方としての前記ばね下部側ユニットを、前記ばね上部とばね下部との一方としてのばね下部に連結させるための装置である(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
ばね下部への衝撃的な荷重入力を考慮した場合、本項の態様のように、ばね下部とアクチュエータのばね下部側ユニットとの間に上記連結装置を配設してばね下部側ユニットをばね下部に浮動支持させれば、上記衝撃的な荷重入力に対して、アクチュエータを、特に、アクチュエータの有する電磁モータを、効果的に保護することが可能である。
(13)当該サスペンションシステムが、さらに、
前記アクチュエータおよび前記連結装置と並設され、ばね上部とばね下部とを弾性的に連結する主スプリングを備えた(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の車両用サスペンションシステム。
本項における「主スプリング」は、いわゆるサスペンションスプリングと呼ばれるスプリングである。主スプリングは、コイルスプリング,エアスプリング等、種々のスプリングを使用することができる。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。当然ながら、上記〔発明の態様〕の各項の説明において記載した技術的特徴を利用した変更等を施したした態様も、請求可能発明の実施例となり得る。
<サスペンションシステムの構成>
図1に、請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステムを模式的に示す。本サスペンションシステムは、前後左右の車輪12の各々に対応する独立懸架式の4つのサスペンション装置を備えており、それらサスペンション装置の各々は、サスペンションスプリングとして機能する主スプリングと、ショックアブソーバとして機能する電磁式のアクチュエータとが一体化されたスプリング・アクチュエータAssy20を有している。車輪12,スプリング・アクチュエータAssy20は総称であり、4つの車輪のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。
スプリング・アクチュエータAssy20は、図2に示すように、車輪12を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアーム22と、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部24との間に、それらを連結するようにして配設されている。スプリング・アクチュエータAssy20は、大きくは、電磁式のアクチュエータ30と、そのアクチュエータ30とロアアーム22とを連結するための連結装置32と、主スプリングであるエアスプリング34とに区分することができ、それらを構成要素として含んで構成されており、それらが一体化されたものとなっている。
アクチュエータ30は、ねじ溝が形成された雄ねじ部としてのねじロッド42と、ベアリングボールを保持してねじロッド42と螺合する雌ねじ部としてのナット44とを含んで構成されるボールねじ機構と、DCブラシレスモータである回転型の電磁モータ46(以下、単に「モータ46」という場合がある)と、そのモータ46を収容するケーシング48とを備えている。そのケーシング48が、ねじロッド42を回転可能に保持するとともに、外周部において、防振ゴム50を有するアッパサポート52を介してマウント部24に連結されている。モータ46は、中空とされたモータ軸54を有しており、そのモータ軸54には、それの上端部において、それの内側を貫通するねじロッド42が固定されている。つまり、モータ46は、ねじロッド42に回転力を付与するものとなっている。
また、アクチュエータ30は、上記ねじロッド42を挿通させた状態で上端部がケーシング48に固定されたアウタチューブ60と、そのアウタチューブ60に嵌め入れられてアウタチューブ60の下端部から下方に突出する段付状のインナチューブ62とを含んで構成されている。インナチューブ62の上端部は径が大きくされており、その上端部の内側には、上記ナット44が、ねじロッド42と螺合させられた状態で固定保持されている。アウタチューブ60には、その内壁面にアクチュエータ30の軸線の延びる方向(以下、「軸線方向」という場合がある)に延びるようにして1対のガイド溝64が設けられている。それら1対のガイド溝64には、インナチューブ62の上端部に付設された1対のキー66が、それぞれ、嵌まるようにされており、それらガイド溝64およびキー66によって、アウタチューブ60とインナチューブ62とが、相対回転不能な状態での軸線方向の相対移動が可能とされている。そして、インナチューブ62は、それの下端部において連結装置32に連結されている。
連結装置32は、液圧式のダンパ70を有している。そのダンパ70は、詳しい構造は後述するが、ツインチューブ式の液圧式ショックアブソーバに類似する構造のものである。そのダンパ70は、作動液を収容するハウジング72と、そのハウジング72にそれの内部において液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン74と、そのピストン74に下端部が連結されてハウジング72の上方から延び出すピストンロッド76とを含んで構成されている。ハウジング72は、それの下端部に設けられた防振ゴム78を有するブシュ80を介してロアアーム22に連結され、ピストンロッド76が、ハウジング72の上方から延び出した上端部において、インナチューブ62の下端部に連結される構造とされている。そのような構造により、インナチューブ62は、ダンパ70を介して、ロアアーム22に連結されているのである。
ダンパ70のハウジング72には、それの外周部に環状の下部リテーナ90が固定されて設けられている。その下部リテーナ90には、インナチューブ62,アウタチューブ60の下部およびダンパ70の上部を収容するカーバーチューブ92が、それの下端部において固定されている。また、インナチューブ62とピストンロッド76との連結部には浮動部材94が固定されている。その浮動部材94は、それと下部リテーナ90との間に配設された圧縮コイルスプリング96と、浮動部材94とカバーチューブ92の内部に形成された環状の突出部98(上部リテーナとして機能する)との間に配設された圧縮コイルスプリング100とによって挟持されている。
主スプリングであるエアスプリング34は、マウント部24に固定されたチャンバシェル120と、エアピストン筒として機能するカバーチューブ92と、それらを接続するダイヤフラム124とを含んで構成されている。チャンバシェル120は、それの蓋部126が、防振ゴム128を有するスプリングサポート130を介してアクチュエータ30のケーシング48に連結されている。ダイヤフラム124は、一端部がチャンバシェル120の下端部に固定され、他端部がカバーチューブ92の上端部に固定されており、それらチャンバシェル120とカバーチューブ92とダイヤフラム124とによって圧力室132が区画形成されている。その圧力室132には、流体としての圧縮エアが封入されている。このような構造から、エアスプリング34の圧縮エアの圧力によって、ロアアーム22とマウント部24、つまり、車輪と車体とを相互に弾性的に支持しているのである。ちなみに、前述した圧縮コイルスプリング96,100を1つのばねと仮定した場合におけるばね定数が、エアスプリング34のばね定数よりも大きく設定されている。なお、本発明と関係無いため詳しくは説明しないが、エアスプリング34は、圧力室132内の圧縮エア量を変更することで、車高を調整する機能をも有している。
上述のような構造から、アクチュエータ30は、ねじロッド42,モータ46,ケーシング48,アウタチューブ60等を含んでマウント部24に連結される「ばね上部側ユニット」と、ナット44,インナチューブ62,浮動部材94等を含んでロアアーム22に連結される「ばね下部側ユニット」とを有する構造のものとなっている。また、アクチュエータ30は、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとが、相対回転不能、かつ、ばね上部とばね上部との接近離間動作に伴って、軸線方向に相対移動可能な構造、すなわち、相対動作可能な構造とされている。そして、上記連結装置32は、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方としてのばね下部側ユニットと、そのばね下部側ユニットと連結されるばね上部とばね下部との一方としてのばね下部との間に配設され、それらを連結するものとされており、2つの圧縮コイルスプリング96,100が、ダンパ70と並設された連結スプリング(以下、「連結スプリング96,100」という場合がある)として機能するものとされている。
アクチュエータ30は、ばね上部とばね下部とが接近離間動作する場合に、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとが軸線方向に相対動作可能、つまり、ねじロッド42とナット44とが軸線方向に相対移動可能とされ、その相対移動に伴って、ねじロッド42がナット44に対して回転する。それによって、モータ軸54も回転する。モータ46は、ねじロッド42に回転トルクを付与可能とされ、この回転トルクによって、ねじロッド42とナット44との相対回転に対して、その相対回転を阻止する方向の抵抗力を発生させることが可能である。この抵抗力を、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する減衰力、ひいては、ばね上部とばね下部との接近離間動作に対する減衰力として作用させることで、アクチュエータ30は、いわゆるショックアブソーバとして機能するものとなっている。また、アクチュエータ30は、ばね上部とばね下部との相対動作に対する推進力をも発生させることが可能とされており、そのことによって、いわゆるスカイフック理論(詳しくは、スカイフックダンパ理論およびスカイフックスプリング理論)に基づく制御を実行可能とされている。なお、アクチュエータ30が発生させる力であるアクチュエータ力は、モータ46の通電電流を制御することで制御される。この通電電流は、電源から供給を受けた電流となる場合もあり、また、モータ46が発電機として機能して当該モータ46によって発電された電流となる場合もある。なお、アクチュエータ30には、モータ46の回転角を検出するモータ回転角センサ136が設けられている。
連結装置32は、連結スプリング96,100によって、ばね下部側ユニットをばね下部に浮動支持させている。つまり、ばね下部側ユニットとばね下部との相対変位を弾性的に許容している。そのため、ばね下部より衝撃的な荷重入力があった場合には、その連結スプリング96,100によって、その荷重を効果的に吸収して、アクチュエータ30、特に、アクチュエータ30が有する電磁モータ46を保護する機能を有している。また、ばね下部より入力される比較的高い周波数の振動、つまり、アクチュエータ30の制御が追従困難である振動のばね上部への伝達を抑制する機能をも有している。連結スプリング96,100に並設されたダンパ70は、浮動支持されたばね下部側ユニットとばね下部との相対変位に対する減衰力を発生させ、それらの相対振動を効果的に減衰するようにされている。
ダンパ70は、バッファ室140を備えるとともに、ハウジング72の内部がピストン74によって2つの液室である上部液室142と下部液室144とに区画されている。ばね下部側ユニットとばね下部の相対変位によって、ピストン74がハウジング72内を上下に移動し、それに伴って、2つの液室142,144の容積が変化する。下部液室144とバッファ室140とは連通させられており、それら2つの液室142,144の総容積の変化は、バッファ室140への作動液の出入りによって吸収される。2つの液室142,144をハウジング72の外で連通させるための連通路146が設けられており、2つの液室142,144の相対的な容積変化に伴って、作動液がその連通路146を通ってそれら液室142,144間を移動する。
連通路146の途中には、ハウジング72の外周部に固定されるようにして、減衰係数変更機構150が設けられている。減衰係数変更機構150は、図3に示すように、液通路形成部材152を有している。それに形成された通路穴154は、連通路146の一部を構成している。通路穴154の中間部には、先端が球形状に形成された調整ロッド156がはみ出すようにして配設されている。調整ロッド156は、ロッド進退機構部158によって通路穴154に対して進退させられ、通路穴154へのはみ出し量を変更することにより、通路穴154における作動液の通過断面積が調整される。ロッド進退機構部158に付設された電磁モータ160(DCブラシレスモータである)が、ロッド進退機構部158の駆動源であり、モータ160の端部に設けられたモータ回転角センサ162は、そのモータ160の回転角を検出する。調整ロッド156の通路穴154のはみ出し量、すなわち、作動液の通過断面積は、モータ160の回転角に応じており、モータ回転角センサ162の検出値に基づいて、モータ160の回転角が制御されて、作動液の通過断面積が任意に調整されることになる。通過断面積が小さいほど、連通路146を通って2つの液室142,144間を移動する作動液の通過抵抗は小さく、それによってピストン74のハウジング72内の移動抵抗が大きくなり、ダンパ70の減衰係数は大きくなる。逆に、通過断面積が大きいほど、連通路146を通って2つの液室142,144間を移動する作動液の通過抵抗は小さく、それによってピストン74のハウジング72内の移動抵抗が小さくなり、ダンパ70の減衰係数は小さくなる。つまり、減衰係数変更機構150は、モータ160の回転角の制御によって、ダンパ70の減衰係数を任意の大きさに変更可能とされている。
本サスペンションシステムは、図1に示すように、制御装置としてのサスペンション電子制御ユニット200(以下、「ECU200」という場合がある)によって、スプリング・アクチュエータAssy20の作動、詳しくは、アクチュエータ30およびダンパ70が有する減衰係数変更機構150の制御が行われる。サスペンションECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたものである。そのサスペンションECU200には、各アクチュエータ30が有するモータ46に対応して設けられてそのモータ46のドライバとしてのインバータ[INV]202と、各ダンパ70の減衰係数変更機構150が有するモータ160のドライバとしてのインバータ204[INV]とが接続されている。サスペンションECU200は、ドライバ202,204を介して、各アクチュエータ30が発生させるアクチュエータ力,各ダンパ70の減衰係数を制御する。それらドライバ202,204は、コンバータ[CONV]206を介してバッテリ[BAT]208に接続されており、それらコンバータ206とバッテリ208とによって、各アクチュエータ30が有するモータ46および各ダンパ70の減衰係数変更機構150が有するモータ160の電源が構成されている。
車両には、各車輪12についてのばね上部とばね下部との距離(以下、「ばね上ばね下間距離」という場合がある)を検出する4つのハイトセンサ[H]220,各車輪12に対応するばね上部の縦加速度(上下方向の加速度であり、以下単に、「ばね上加速度」という場合がある)を検出する4つのばね上加速度センサ[GU]222等が設けられており、それらはECU200のコンピュータに接続されている。また、各アクチュエータ30が有するモータ46の回転角を検出する回転角センサ[θA]136、および、減衰係数変更機構150が有するモータ160の回転角を検出する回転角センサ[θD]162も、ECU200に接続されている。ECU200は、それらのセンサからの信号に基づいて、スプリング・アクチュエータAssy20の作動の制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]内の文字は、上記センサや各種の機器を図面において表わす場合に用いる符号である。また、ECU200のコンピュータが備えるROMには、アクチュエータ30の制御および減衰係数変更機構150の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
<サスペンションモデルとサスペンション装置の制御の概要>
以下に本実施例のサスペンションシステムが有するサスペンション装置を、モデル化して説明するとともに、設定したモデルに従ったそのサスペンション装置の制御の概要について説明する。なお、アクチュエータ30は、それの動作に対してそれの構造に起因した抵抗を有しており、その抵抗とその抵抗の影響についても説明する。
(a)実際の装置構成に従ったサスペンションモデル
上記サスペンション装置は、実際の装置構成に従ってモデル化すれば、図4に示すようなサスペンションモデル(以下、「実装置モデル」と言う場合がある)として表すことができる。この実装置モデルでは、ばね上部MUとばね下部MLとを弾性的に連結するエアスプリング34が、ばね定数KMの主スプリングKMとして表されている。また、後述するように、アクチュエータ30は、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対して、当該アクチュエータ30の構造に起因した抵抗(以下、「動作抵抗」という場合がある)が発生するものとなっている。そのため、実装置モデルでは、アクチュエータ30が、アクチュエータ力FAを発生させるアクチュエータFAと、動作抵抗FFを発生させる抵抗発生機構FFとを並列に配置したものとして表されている。さらに、ばね下部MLとアクチュエータ30のばね下部側ユニットとを連結する連結装置32について言えば、実装置モデルでは、圧縮コイルスプリング96,100が、それらが一体化されたばね定数KCの連結スプリングKCとして、また、液圧式ダンパ70が、連結スプリングKCと並列的に配置されて減衰係数CCが可変な可変ダンパCCとして、それぞれ表されている。
(b)アクチュエータの動作に対する抵抗
アクチュエータ30の上記動作抵抗FFは、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗、つまり、アクチュエータ30の伸縮動作に対する抵抗であり、主に、ねじロッド42とナット44との相対回転および相対移動、つまり、相対動作において発生する摩擦力に起因する抵抗である。動作抵抗FFの大きさは、図5に示すように、ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作位置L(以下、「ユニット相対動作位置L」という場合がある)によって異なるものとなっている。つまり、アクチュエータ30の伸縮動作量に応じて変動し、アクチュエータ30が縮むに従って小さく、伸びるに従って大きくなっている。言い換えれば、動作抵抗FFは、ユニット相対動作位置がバウンド限界LB(接近限界)に近づけ近づくほど小さく、リバウンド限界LR(離間限界)に近づけば近づくほど大きくなる。ちなみに、本アクチュエータ30では、動作抵抗FFの大きさは、ユニット相対動作位置Lの変化に応じて直線的に変動し、中立位置(車両が平坦な路面で停止している場合の相対動作位置)では、FF0と、バウンド限界LBでは、FFBと、リバウンド限界LRでは、FFRとなっている。
とりあえず連結装置32を無視して、アクチュエータ力FAによって、ばね上部MUとばね下部MLとを接近離間動作させる場合を考える。より詳しく言えば、バウンド限界LBとリバウンド限界LRとの間で、ばね上部MUとばね下部MLとにバウンド動作(接近動作)とリバウンド動作(離間動作)とを繰り返させる場合を考える。その場合、主スプリングKMのばね力に抗ってばね上部MUとばね下部MLとを接近離間動作をさせる必要があるため、ばね上部MUとばね下部MLとの接近離間動作位置(ストローク量)に応じた大きさの力を、ばね上部MUとばね下部MLとの間に作用させなければならない。その力をばね上ばね下間作用力FULとした場合、実際に発生させるべきアクチュエータ力FAは、上記動作抵抗FFの存在により、ばね上ばね下間作用力FULとは異なる大きさとなる。
図6(a)は、動作抵抗FFの大きさがばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作位置によらずに一定であると仮定した場合におけるばね上ばね下間作用力FULとアクチュエータ力FAとの関係である。ちなみに、動作抵抗FFは、上記中立位置における値FF0で一定とする。動作抵抗FFは、常に動作の向きと反対の方向に作用するため、アクチュエータ力FAは、図に示すようなヒステリシスを描くことになる。しかしながら、動作抵抗FFがユニット相対動作位置Lによらず一定であるため、アクチュエータ力FAのバウンド限界LBにおけるギャップΔFABと、リバウンド限界LRにおけるギャップΔFARとは、共に(2・FF0)となって、相等しく、また、いずれのユニット相対動作位置Lいおいても、ギャップは(2・FF0)となる。その結果、アクチュエータ力FAは、ユニット相対動作位置Lに関して均一なヒステリシス特性を呈している。
それに対し、図6(b)は、動作抵抗FFが、図5のように変動する場合におけるばね上ばね下間作用力Fとアクチュエータ力FAとの関係である。この場合は、動作抵抗FFの変動により、アクチュエータ力FAのバウンド限界LBにおけるギャップΔFABは、(2・FFB)となり、一方、リバウンド限界LRにおけるギャップΔFARは、(2・FFR)となる。つまり、この場合には、バウンド限界LBにおけるギャップΔFABよりも、リバウンド限界LRにおけるギャップΔFARが大きくなって、アクチュエータ力FAは、均一なヒステリシス特性を呈さないことになる。このようなヒステリシス特性を呈する状態では、サスペンション装置の特性が、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作可能な範囲内において、均一とはならない、つまり、時点々々でサスペンション装置の特性自体が変動して、車両の乗り心地を悪化させることにも繋がるのである。
上記説明は、アクチュエータ力FAによって、ばね上部MUとばね下部MLとを接近離間動作させる場合の説明であるが、ばね下部MLへの荷重入力によってばね上部MUとばね下部MLとが接近離間動作させられ、その接近離間動作に対してアクチュエータ30が動作させられつつアクチュエータ力FAを発生させる場合であっても、同様に説明することができる。つまり、その場合においても、ユニット相対動作位置Lに依存する動作抵抗FFの変動が、ばね上ばね下間作用力FULに影響を与えることになるのである。したがって、ユニット相対動作位置Lによって動作抵抗FFが相違する場合には、アクチュエータ力FAをある制御則で制御したとしても、ユニットとの相対動作位置Lに依存して、ばね上ばね下間作用力FULが変動することになり、その結果として、例えば、車両の乗り心地を悪化させることになるのである。なお、アクチュエータ30は、連結装置32を介してばね下部MLと連結されており、ばね上ばね下間作用力Fは、実際には、アクチュエータ30および連結装置32によって、ばね上部MUとばね下部MLとに作用させられる力となる。
(c)アクチュエータ力の決定
図7は、アクチュエータ力の決定のために導入された仮想的なサスペンションモデル(以下、「アクチュエータ力決定モデル」という場合がある)である。このモデルでは、ばね上部MUをそれの上方から吊り下げるようにして、ばね定数KSのいわゆるスカイフックばねKSと、減衰係数CSのスカイフックダンパCSとが配置されている。これらのばねKS,ダンパCSは、それぞれ、スカイフック理論に基づく仮想的なばね,仮想的なダンパである。アクチュエータFAが発生させるアクチュエータ力FAは、スカイフックばねKSが発生させるばね力と、スカイフックダンパCSが発生させる減衰力との和となるように決定される。本サスペンションシステムにおいては、このようなアクチュエータ力FAを発生させるように、アクチュエータ30が制御される。つまり、アクチュエータ30が有するモータ46の作動が制御されるのである。
具体的に言えば、発生させるべきアクチュエータ力FAである目標アクチュエータ力FA *は、ばね上部MUの位置の変動量であるばね上変位XUと、ばね上部MUの位置変動の速度であるばね上速度VUとに基づき、次式に従って決定される。
Figure 2009279984
この式の右辺の第1項は、ばね上部MUの位置変動に対してのその変動量に応じた大きさの抑制力であり、第2項、ばね上部MUの位置変動に対しての減衰力となっている。目標アクチュエータ力FA *は、それら抑制力と減衰力の和として決定される。
(d)減衰係数の決定
本サスペンションシステムを構成するサスペンション装置は、上述したように、連結装置32において、減衰係数変更機構150を有するダンパ70が設けられており、このダンパ70の減衰係数が制御される。この減衰係数の制御は、上述したアクチュエータ30の動作抵抗のユニット相対動作位置に依存する変動の影響を抑制することを目的として行われる。言い換えれば、図6(b)に示すようなヒステリシス特性を、図6(a)に示すようなヒステリシス特性に近づけることを目的として行われる。つまり、サスペンション装置の特性を、上記動作抵抗の変動がないと仮定した場合の特性に近づけるように、ダンパ70の減衰係数が制御される。言い換えれば、アクチュエータ30と連結装置32とによって作用させられるばね上ばね下間作用力FULの上記動作抵抗の大きさの相違に起因して生じる変動を緩和するように、ダンパ70の減衰係数が制御される。
ここで、サスペンション装置の仮想的なモデルとして、図8(a)に示すようなサスペンションモデルを考える。図4に示す実装置モデルとの比較において説明すれば、このモデルは、アクチュエータ力FAを発生させるアクチュエータFAを、仮想的なダンパ(以下、「アクチュエータ力ダンパCA」という場合がある)として扱い、動作抵抗FFを発生させる抵抗発生機構FFを、もう一つの仮想的なダンパ(以下、「動作抵抗ダンパCF」という場合がある)として扱ったモデルである。それらアクチュエータ力ダンパCA,動作抵抗ダンパCFの減衰係数CA,CFは、それぞれ、次式で表される。
Figure 2009279984
Figure 2009279984
なお、VAは、アクチュエータ30のばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作の速度(以下、「ユニット相対動作速度VA」という場合がある)、つまり、アクチュエータ30の伸縮動作速度である。ちなみに、ユニット相対動作速度VAは、アクチュエータ30のモータ46の回転速度と比例関係にある。
上記モデルは、図8(b)に示す仮想的なモデルと等価である。その図に示すモデルは、アクチュエータ力ダンパCAと動作抵抗ダンパCFとが複合されてなる複合ダンパCTを有するモデルである。ちなみに、複合ダンパCTの減衰係数CTは、次式で表される。
Figure 2009279984
図8(b)のモデルをさらに単純化して、図8(c)に示す仮想的なモデルとして考えることもできる。このモデルは、複合ダンパCT,可変ダンパCC,連結スプリングKCが、ばね上部MUとばね下部MLとの間に互いに並列的に配置された1つの仮想ばねKVと1つの仮想ダンパCVとに置き換えられたモデルである。このモデルにおける仮想ばねKVのばね定数KV,仮想ダンパCVの減衰係数CVは、それぞれ、次式のように表すことができる。
Figure 2009279984
Figure 2009279984
ちなみに、上記式におけるωは、対象となる振動の周波数(以下、「対象周波数ω」という場合がある)である。
ここで、対象周波数ω→0となる場合を考える。つまり、当該モデルが極めて低い振動数の振動によって作用している場合を考える。この場合には、仮想ばねKVのばね定数KV,仮想ダンパCVの減衰係数CVは、それぞれ、次式のようになる。
Figure 2009279984
つまり、低周波の振動を対象とする場合には、アクチュエータ30の動作抵抗は直接影響するが、減衰係数KVは略0となるため、可変ダンパCCの減衰係数CCを変化させたとしても、上記モデルにおける仮想ばねKVと主スプリングKMとの合計のばね定数(KV+KM)の変化は無視できると考えられる。逆に、高周波の振動を対象とする場合において、可変ダンパCCの減衰係数CCを変化させたときには、変化させない場合と比べて、サスペンション装置の特性は良くも悪くもなる。しかし、ある程度の長さの時間の平均で比較すれば、変化させた場合と変化させない場合とでは、サスペンション装置の特性は殆ど同じと考えることができる。したがって、高周波振動を制御の対象から外して減衰係数CCを変化させたとしても、車両の乗り心地に与える影響は少ないと考えられる。そこで、以下の説明は、図8のモデルを、対象とする振動を低周波振動に限定したモデルとして扱うものとする。
上述のように動作抵抗FFが常に一定の大きさの値FF0となる場合の複合ダンパCTの減衰係数を、CT0とし、可変ダンパCCの設計において標準的な減衰係数CCを、標準減衰係数CC0とした場合において、仮想ダンパCVの理想的な減衰係数CV0は、上記式(6)に従えば、次式のようになる。なお、ダンパ70は、減衰係数変更機構150によって、上記標準減衰係数CC0より大きな値と小さな値との間で、減衰係数を変更可能とされている。
Figure 2009279984
この式(8)の減衰係数CV0は、簡単に言えば、動作抵抗FFが、ユニット相対動作位置Lに依存せずに、一定の値FF0となっている場合の仮想ダンパCVの減衰係数である。
なお、先に説明したように、上記モデルは、低周波振動を対象としたモデルであり、そのモデルを、特に、ばね上共振周波数の振動の減衰に特化したモデルとした場合であっても、車両の乗り心地を充分に良好なものとすることができる。そこで、上記式(8)において、対象周波数ωは、ばね上共振周波数として設定し、例えば1〜1.5Hzの範囲において、車両に応じた固有の値とすればよい。連結スプリングKCのばね定数KCも、圧縮コイルスプリング96,100が一体化されたもののばね定数として、既知である。
上記式(8)に従えば、仮想ダンパCVの理想的な減衰係数CV0は、動作抵抗FFが一定値FF0となっている場合の複合ダンパCTの減衰係数CT0を求めることによって求まる。この減衰係数CT0は、上記式(2),(3),(4)によって求めることができる。つまり、アクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CAと、動作抵抗FFが一定値FF0となっている場合の動作抵抗ダンパCFの減衰係数CF0とを、式(2),(3)に従って求め、それらを合計することによって、求めることができるのである。
アクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CAを求める際のアクチュエータ力FAは、その時点での値、つまり、前述の目標アクチュエータ力FA *を採用すればよい。また、ユニット相対動作位置Lはモータ46のモータ回転角θAと対応関係にあることから、ユニット相対動作速度VAは、そのモータ回転角θAの変化速度からその時点の値を求めることができる。そのようにして求めたアクチュエータ力FAとユニット相対動作速度VAとから、アクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CAを求めることができる。一方、動作抵抗FFが一定値FF0となっている場合の動作抵抗ダンパCFの減衰係数CF0は、その動作抵抗の値FF0と、上記ユニット相対動作速度VAとに基づいて求めることができる。
以上のことを総合して考えれば、上記式(6)の減衰係数CVが上記式(8)の減衰係数CV0となるように可変ダンパCCの減衰係数CCを変化させることによって、動作抵抗FFがユニット相対動作位置Lによっては相違しない状態におけるサスペンション装置の特性と略同等のサスペンション装置の特性が実現されることになる。その場合の減衰係数CC、つまり、ダンパ70が時点々々において有すべき減衰係数である目標減衰係数CC *は、次式のようになる。
Figure 2009279984
上記式(9)において、複合ダンパCTの減衰係数CTは、上記式(8)に従って複合ダンパCTの減衰係数CT0を求める場合と同様に、上記式(2),(3),(4)によって求めることができる。つまり、アクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CAと、動作抵抗ダンパCFの減衰係数CFとを、式(2),(3)に従って求め、それらを合計することによって、求めることができるのである。
アクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CAは、上述の場合と同様に求めることができる。一方、動作抵抗ダンパCFの減衰係数CFを求める際の動作抵抗FFは、ユニット相対動作位置Lに依存して変動し、アクチュエータ30ごとに固有の変動を呈する。そこで、アクチュエータ30ごとに、図5に示すような関係を、つまり、ユニット相対動作位置Lと動作抵抗FFの大きさとの関係を把握しておけばよい。その把握された関係を参照することで、上述のようにモータ回転角θAによって定まるその時点々々でのユニット相対動作位置Lに基づいて、時点々々での動作抵抗FFを求めることができるのである。このようにして求めた動作抵抗FFと、前述のように求めたユニット相対動作速度VAとから、動作抵抗ダンパCFの減衰係数CFを求めることができる。
上述のように求められたアクチュエータ力ダンパCAの減衰係数CA、および、動作抵抗ダンパCFの減衰係数CFを和することによって、複合ダンパCTの減衰係数CTを求め、その減衰係数CTと、上記式(6)に従って求められた仮想ダンパCVの減衰係数CV0と、既知となっている連結スプリングKCのばね定数KCとを利用して、上記式(9)に従って、ダンパ70の目標減衰係数CC *を決定することができるのである。なお、上記式(9)において、√(ルート)の中が負の値となる場合には、便宜上、ダンパ70の減衰係数は、衰係数変更機構150によって変更し得る範囲の中で最も小さい値なるように制御される。
なお、以上のようにダンパ70の減衰係数を決定すれば、あたかも動作抵抗FFが中立位置における値FF0で一定であるかのような特性のサスペンション装置が実現される。そのような態様の減衰係数の決定に代え、上記モデルで設定したFF0を任意の値に変更した態様の減衰係数の決定を行うことで、あたかも動作抵抗FFが中立位置における値FF0とは異なる値で一定であるかのような特性のサスペンション装置を実現させることができる。極端に言えば、FF0を0に設定することで、あたかも動作抵抗が存在しないかのような特性のサスペンション装置を実現させることも可能である。
<サスペンション装置の具体的な制御>
本サスペンションシステムが備えるサスペンション装置の制御は、詳しく言えば、アクチュエータ30のモータ46の作動の制御および減衰係数変更機構150の作動の制御は、サスペンションECU200によって行われる。具体的に言えば、それらの制御は、図9にフローチャートを示すサスペンション制御プログラムがECU200において実行されることによって行われる。このプログラムは、短い時間間隔(例えば、数m〜数十msec)をおいて、繰り返し実行される。
以下に、サスペンション装置の具体的な制御について、フローチャートを参照しつつ説明する。なお、本システムでは、前後左右の車輪に対応して4つのサスペンション装置を備えており、そのプログラムに従う処理は、4つのサスペンション装置の各々に対して実行される。説明の簡略化のため、以下の説明では、1つの車輪に対して設けられた1つのサスペンション装置についての処理のみを説明することとする。
サスペンション制御プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、「S1」と省略する。他のステップも同様とする)において、ばね上部に設けられているばね上加速度センサ222の検出値に基づいて、ばね上部の上下方向における位置変動の加速度であるばね上加速度GUが取得される。次いで、S2において、今回の本プログラムの実行において取得されたばね上加速度GUと、前回以前の本プログラムの実行において取得されたばね上加速度GUとに基づいて、ばね上部の位置変動量であるばね上変位XUと、その位置変動の速度であるばね上速度VUとが推定される。
続くS3において、S2において推定されたばね上変位XUおよびばね上速度VUに基づいて、前述の式(1)に従って、目標アクチュエータ力FA *が決定される。次いで、S4において、目標アクチュエータ力FA *に基づいて、アクチュエータ30のモータ46を駆動するインバータ202に対して指令が発令される。アクチュエータ力は、モータ46の力であるモータ力に比例し、そのモータ力は、モータ46の通電電流量に比例すると考えることができる。S4では、目標アクチュエータ力FA *に対応した通電電流量に関する指令が、インバータ202に発令される。これにより、アクチュエータ30は、目標アクチュエータ力FA *を発生させる。
次に、S5において、アクチュエータ30が有するモータ46のモータ回転角θAが、モータ回転角センサ136の検出値に基づいて取得される。続くS6において、今回の本プログラムの実行において取得されたモータ回転角θAと、前回以前の本プログラムの実行において取得されたモータ回転角θAとに基づいて、モータ回転角速度とが推定される。モータ回転角θAと、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に関する位置であるユニット相対動作位置Lとは、互いに対応する関係にあるため、今回取得されたモータ回転角θAと、上記推定されたモータ回転角速度とに基づいて、ユニット相対動作位置Lと、上記相対動作の速度であるユニット相対動作速度VAが推定される。
次に、S7において、アクチュエータ30の動作抵抗FFが取得される。ECU200が有するROMには、先に説明した図5の関係、つまり、動作抵抗FFとユニット相対動作位置Lとの関係が、マップ形式のデータとして格納されており、S7における動作抵抗FFの取得は、S6において推定されたその時点でのユニット相対動作位置Lに基づいて、そのデータを参照することによって行われる。
続いて、S8において、現時点でダンパ70が有すべき減衰係数である目標減衰係数CC *が決定される。この決定は、上記式(9)に従って行われる。この決定に際し、S6において推定されたユニット相対動作位置Lおよびユニット相対動作速度VA,S7において取得された動作抵抗動作抵抗FF,S3において決定された目標アクチュエータ力FA *が利用される。この決定の詳しいプロセスは、先に詳しく説明してあるので、ここでの説明は省略する。
次に、S9において、減衰係数変更機構150のモータ160の目標モータ回転角θD *が決定される。先に説明したように、ダンパ70の減衰係数は、モータ160のモータ回転角θDに対応するものとなっている。この対応関係は、ROMにマップ形式のデータとして格納されており、そのデータを参照することによって、S8において決定された目標減衰係数CC *に対応する目標モータ回転角θD *が決定される。
次いで、S10において、モータ回転角センサ162の検出値に基づいて、モータ160の現時点でのモータ回転角θDが取得される。次に、S11において、S10において取得された現時点でのモータ回転角θDの、S9において決定された目標モータ回転角θD *からの偏差であるモータ回転角偏差ΔθD(=θD *−θD)が演算される。そして、S12において、そのモータ回転角偏差ΔθDに基づいて、モータ160のモータ回転角θDを目標モータ回転角θD *とするための指令が、モータ160を駆動するインバータ204に発令される。以上のS1〜S12の処理を実行した後、本制御プログラムの1回の実行が終了する。
上述したサスペンション制御プログラムに従う処理では、アクチュエータ30のアクチュエータ力の制御に関する処理と、ダンパ70の減衰係数の制御に関する処理が行われている。具体的には、S1〜S4の処理が、アクチュエータ力の制御に関する処理であり、S5〜S12の処理が、減衰係数の制御に関する処理である。このような処理に鑑みれば、サスペンションECU200は、2つの機能部を有するものと考えることができる。その2つの機能部のうちの1つは、モータ46の作動を制御することでアクチュエータの発生させるアクチュエータ力を制御するアクチュエータ力制御部250であり、もう1つは、減衰係数変更機構150の作動を制御することでダンパ70の減衰係数を制御する減衰係数制御部252である(図1参照)。具体的には、S1〜S4の処理を実行するECU200の一部分が、アクチュエータ力制御部250に相当し、S5〜S12の処理を実行するECU200の一部分が、減衰係数制御部252に相当することになる。
請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す図である。 図1に示すサスペンションシステムを構成するスプリング・アクチュエータAssyを示す断面図である。 図2に示すスプリング・アクチュエータAssyが有する液圧式ダンパに設けられた減衰係数変更機構の一部断面図である。 図1に示すサスペンションシステムを構成するサスペンション装置のサスペンションモデルであって、実際の装置構成に従ったモデルを示す図である。 上記アクチュエータの動作抵抗と、そのアクチュエータのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置との関係を示すグラフである。 上記アクチュエータの動作抵抗に依存した特性であって、そのアクチュエータが発生させるアクチュエータ力の上記相対動作位置についてのヒスヒステリシス特性を示すグラフである。 上記サスペンション装置のサスペンションモデルであって、上記アクチュエータが発生させるべきアクチュエータ力を決定するための根拠となる仮想的なモデルを示す図である。 上記サスペンション装置のサスペンションモデルであって、上記液圧式ダンパが有すべき減衰係数を決定するための根拠となる仮想的なモデルを示す図である。 図1に示すサスペンションシステムが備えるサスペンション制御ユニットにおいて実行されるサスペンション制御プログラムのフローチャートである。
符号の説明
12:車輪 20:スプリング・アクチュエータAssy 22:ロアアーム(ばね下部) 24:マウント部(ばね上部) 30:アクチュエータ 32:連結装置 34:エアスプリング(主スプリング) 42:ねじロッド 44:ナット 46:電磁モータ 60:アウタチューブ(ばね上部側ユニット) 62:インナチューブ(ばね下部側ユニット) 70:液圧式ダンパ 96,100:圧縮コイルスプリング(連結スプリング) 136:モータ回転角センサ[θA] 150:減衰係数変更機構 160:電磁モータ 162:モータ回転角センサ[θD] 200:サスペンション電子制御ユニット[サスペンションECU](制御装置) 222:ばね上加速度センサ[GU] 250:アクチュエータ力制御部 252:減衰係数制御部
U:ばね上部 ML:ばね下部 KM:主スプリング KC:連結スプリング KS:スカイフックばね KV:仮想ばね CC:可変ダンパ CS:スカイフックダンパ CA:アクチュエータ力ダンパ CF:動作抵抗ダンパ CT:複合ダンパ CV:仮想ダンパ FA:アクチュエータ FF:抵抗発生機構

Claims (5)

  1. ばね上部に連結されるばね上部側ユニットと、ばね下部に連結されてばね上部とばね下部との接近離間動作に伴って前記ばね上部側ユニットと相対動作するばね下部側ユニットと、電磁モータとを有し、その電磁モータの発生させる力に依拠してばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する力であるアクチュエータ力を発生させる電磁式のアクチュエータと、
    前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの一方を、ばね上部とばね下部との一方に連結させるための装置であって、(a)そのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とそのばね上部とばね下部との一方との間に配設されて、それらばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位を弾性的に許容する連結スプリングと、(b)その連結スプリングと並設され、そのばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの一方とばね上部とばね下部との一方との相対変位に対する減衰力を発生させるとともに、その減衰力の発生能力である減衰係数を変更する減衰係数変更機構を含んで構成された液圧式のダンパとを有する連結装置と、
    前記電磁モータの作動を制御することで前記アクチュエータの発生させるアクチュエータ力を制御するアクチュエータ力制御部と、前記減衰係数変更機構の作動を制御することで前記ダンパの減衰係数を制御する減衰係数制御部とを有する制御装置と
    を備えた車両用サスペンションシステムであって、
    前記減衰係数制御部が、前記アクチュエータの構造に起因して生じる前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗に基づいて、前記ダンパの減衰係数を制御するように構成された車両用サスペンションシステム。
  2. 前記抵抗の大きさが、前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作位置によって相違する請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記減衰係数制御部が、前記ダンパの減衰係数を、前記アクチュエータと前記連結装置とによってばね上部とばね下部とに作用させられる力の前記抵抗の大きさの相違に起因して生じる変動を緩和するように制御するものである請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置と、前記抵抗の大きさとの関係が既知であり、
    前記減衰係数制御部が、前記ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作位置に基づき、前記関係を参照しつつ前記ダンパの目標減衰係数を決定し、その目標減衰係数に基づいて、前記減衰係数変更機構の作動を制御するように構成された請求項2または請求項3に記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記減衰係数制御部が、前記抵抗を前記ばね上部側ユニットと前記ばね下部側ユニットとの相対動作に対する減衰力として発生させる仮想的なダンパを配設したサスペンションモデルに従って、前記ダンパの目標減衰係数を決定するように構成された請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
JP2008131610A 2008-05-20 2008-05-20 車両用サスペンションシステム Withdrawn JP2009279984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008131610A JP2009279984A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 車両用サスペンションシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008131610A JP2009279984A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 車両用サスペンションシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009279984A true JP2009279984A (ja) 2009-12-03

Family

ID=41450931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008131610A Withdrawn JP2009279984A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 車両用サスペンションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009279984A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012076682A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Toyota Motor Corp サスペンション装置
JP2015093544A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 トヨタ自動車株式会社 燃料タンク
WO2024252901A1 (ja) * 2023-06-09 2024-12-12 Thk株式会社 可変ダンパの制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012076682A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Toyota Motor Corp サスペンション装置
JP2015093544A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 トヨタ自動車株式会社 燃料タンク
WO2024252901A1 (ja) * 2023-06-09 2024-12-12 Thk株式会社 可変ダンパの制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4737222B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP4920006B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
KR101563448B1 (ko) 차량
JP5260936B2 (ja) 車両用電磁式ショックアブソーバ
JP4894545B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
WO2008032562A1 (en) Suspension system for vehicle
CN104487269B (zh) 悬架控制系统和控制悬架装置的方法
JP2009279984A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP5527175B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JP5387857B2 (ja) 車両用サスペンション装置
JP5211674B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP5477262B2 (ja) サスペンション装置
JP2012076682A (ja) サスペンション装置
JP2012066695A (ja) サスペンション装置
JP4403851B2 (ja) 車両懸架装置
JP2014043199A (ja) サスペンション制御装置
JP5266811B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2013154821A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2010083152A (ja) サスペンション装置
JP2009208712A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2011207346A (ja) サスペンション装置
JPH09184528A (ja) 振動緩衝装置及びその設計方法
JP2010143275A (ja) 車両用サスペンションシステム
JP6176104B2 (ja) 減衰力制御装置
JP2014205424A (ja) 車高制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110802