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JP2009268180A - 電力変換回路の制御装置、及び電力変換制御システム - Google Patents

電力変換回路の制御装置、及び電力変換制御システム Download PDF

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JP2009268180A
JP2009268180A JP2008111485A JP2008111485A JP2009268180A JP 2009268180 A JP2009268180 A JP 2009268180A JP 2008111485 A JP2008111485 A JP 2008111485A JP 2008111485 A JP2008111485 A JP 2008111485A JP 2009268180 A JP2009268180 A JP 2009268180A
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Koichi Nishihata
幸一 西端
Atsuyuki Hiruma
淳之 蛭間
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】インバータIVの上下アームを短絡させる処理を行う期間の確保と、コモンモードノイズの抑制との両立が困難なこと。
【解決手段】モータジェネレータ10に指令電圧を印加すべく、インバータIVが操作される。ここで、上記指令電圧を高電位側にシフトさせる2相変調処理した後、キャリアとの大小関係の比較に基づき、インバータIVの操作信号を生成する。こうして生成される操作信号によって、ゼロベクトルV7が指示される期間において、上下アームを短絡させる短絡処理を行うことで、インピーダンスネットワークINの出力電圧を昇圧する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多相回転機及び給電手段間に接続されて且つ、前記多相回転機を高電位側及び低電位側のそれぞれに接続する高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子の直列接続体を前記多相回転機の各相毎に備える電力変換回路に適用され、前記直列接続体を短絡状態とするように前記スイッチング素子をオン操作する処理を行う電力変換回路の制御装置、及びこれを備える電力変換制御システムに関する。
例えば3相電動機に電力を供給する際には、通常、直流電圧を交流電圧に変換する3相インバータが用いられる。これにより、3相電動機の各相に交流電圧を印加することができる。このインバータの出力電圧の最大値は、直流電源の電圧によって制限される。このため、直流電源とインバータとの間に昇圧回路を備えることも周知である。ただし、昇圧回路を備える場合、昇圧回路のスイッチング素子や、このスイッチング素子をオンオフ操作するドライバ等を備えることとなり、部品点数の増加も無視できない。
そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、インバータと直流電源との間にインピーダンスネットワークを備えることも提案されている。これによれば、インバータの上下アームを短絡させることで、インピーダンスネットワークを構成するインダクタを用いて直流電源の電圧を昇圧することができる。したがって、インバータのスイッチング素子の操作のみによって、昇圧動作を行うことができることとなり、部品点数の増加を抑制することができる。
ただし、上下アームを短絡させる処理を行う際には、インバータの出力電圧がゼロとなるため、インバータの出力電圧を指令電圧とすることができなくなるおそれがある。これに対し、下記非特許文献1には、指令電圧とするためのインバータの操作状態がゼロベクトルとなる際に、インバータの操作状態を変更して上下アームを短絡させる処理を行うことが提案されている。
米国特許第7130205号明細書 Z-Source Inverter for Fuel Cell Vehicles submitted to Oak Ridge National Laboratory Engineering Science and Technology Division Power Electrics Electric Machinery Research Center August 31 2005
ところで、上記ゼロベクトルには、上側アームを短絡させるものと、下側アームを短絡させるものとの2つがある。ここで、指令電圧に制御するためのインバータの操作状態が下側アームを短絡させる電圧ベクトルとなる期間において、インバータの操作状態を変更して上下アームを短絡させる処理を行う場合には、3相電動機の中性点電圧が大きく変動するおそれがある。そして中性点電圧が大きく変動する場合には、コモンモードノイズが大きくなるおそれがある。これに対し、指令電圧に制御するためのインバータの操作状態が上側アームを短絡させる電圧ベクトルとなる期間に限って上記短絡させる処理を行うことも考えられるが、この場合短絡させる処理を実行可能な期間が短縮されることに起因して、インピーダンスネットワークの出力電圧が制限されることとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多相回転機の各相を高電位側及び低電位側のそれぞれに接続する一対のスイッチング素子の直列接続体を短絡状態とする処理を行う期間を十分に確保しつつも、コモンモードノイズの発生を抑制することのできる電力変換回路の制御装置、及び電力変換制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、多相回転機及び給電手段間に接続されて且つ、前記多相回転機を高電位側及び低電位側のそれぞれに接続する高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子の直列接続体を前記多相回転機の各相毎に備える電力変換回路に適用され、前記直列接続体を短絡状態とするように前記スイッチング素子をオン操作する処理を行う電力変換回路の制御装置において、前記多相回転機の全相が低電位側と接続される期間をゼロとするようにして前記スイッチング素子の操作状態を設定する設定手段と、前記設定手段によって前記多相回転機の全相が高電位側に接続される操作状態が設定される状況下、前記スイッチング素子の実際の操作状態を前記設定手段による操作状態から変更して前記短絡状態とする処理を行う短絡処理手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、設定手段によって、多相回転機の全相が低電位側に接続される操作状態を回避しつつスイッチング素子の操作状態が設定される。このため、設定手段では、直列接続体から多相回転機への出力電圧がゼロとなる期間を、多相回転機の全相が高電位側に接続される操作状態となる期間によって確保することとなる。このため、設定手段の設定するスイッチング素子の操作状態は、多相回転機の全相が高電位側に接続される操作状態となる期間を十分に確保したものとなる。そして、この期間に短絡状態とする処理を行うことで、設定手段の設定どおりに多相回転機の全相を高電位側に接続した場合と短絡状態とする処理を行った場合とで、多相回転機の中性点電圧に変化が生じない。このため、短絡状態とする処理を行う期間を十分に確保しつつも、コモンモードノイズの発生を抑制することができる。
なお、上記設定手段は、前記多相回転機に印加される電圧を指令電圧に制御すべく前記設定を行うものであることが望ましい。また、上記設定手段は、前記スイッチング素子のスイッチング状態の切り替えが1相ずつ行われるように前記操作状態を設定するものであることが望ましい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記電力変換回路は、前記直列接続体を短絡状態とすることで前記給電手段の電圧を昇圧するものであることを特徴とする。
上記発明では、設定手段及び短絡処理手段を備えることで、昇圧動作に際して、回転機の中性点電圧の変動を好適に抑制することができる。
なお、上記電力変換回路は、「インダクタを備えて且つ、前記短絡状態の解除によって前記インダクタに逆起電力が生じる現象を利用して前記給電手段の電圧を昇圧するもの」であることが望ましい。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記電力変換回路は、前記高電位側のスイッチング素子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側のスイッチング素子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記スイッチング素子間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備えることを特徴とする。
上記発明では、一対のインダクタ及びキャパシタを備えることで、短絡状態とする処理によって昇圧動作を適切に行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記設定手段は、前記多相回転機の各相に対する指令電圧同士の相対的な大小関係を保持しつつ前記指令電圧のうちの最大のものを前記直列接続体への印加電圧によって実現可能な最大値へとシフトさせるシフト手段を備え、該シフトされた後の指令電圧とキャリアとの大小関係に基づき前記設定を行うものであることを特徴とする。
上記発明によれば、多相回転機に対する出力電圧を指令電圧とするうえで多相回転機への出力電圧をゼロとすることが要求される期間を、多相回転機の全相が高電位側に接続される期間とすることができる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記キャリアは、三角波形状のものであることを特徴とする。
上記発明では、同時に複数の相でスイッチング素子が切り替わることを回避することができるため、コモンモードノイズをいっそう低減することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置と、前記電力変換回路とを備えることを特徴とする電力変換制御システムである。
上記発明では、設定手段及び短絡処理手段を備えるために、制御によってコモンモードノイズを抑制することのできる電力変換制御システムを実現することができる。このため、ハードウェアに対するノイズ対策要求を抑えた電力変換システムを実現でき、ひいては、コストパフォーマンスに優れたシステムを実現しやすい。
以下、本発明にかかる電力変換回路の制御装置及び電力変換制御システムをハイブリッド車に適用した一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。図示されるモータジェネレータ10は、3相の電動機兼発電機である。モータジェネレータ10は、インバータIV及びインピーダンスネットワークINを備える電力変換回路を介して、直流電源としての高圧バッテリ12に接続されている。高圧バッテリ12は、所定の高電圧(例えば「288V」)の電圧を印加する2次電池である。
上記インバータIVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体との並列接続体を備えて構成されている。ここで、スイッチング素子Sup及びスイッチング素子Sunの接続点はモータジェネレータ10のU相に接続されており、スイッチング素子Svp及びスイッチング素子Svnの接続点はモータジェネレータ10のV相に接続されており、スイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの接続点はモータジェネレータ10のW相に接続されている。なお、これらスイッチング素子Sup,Sun、Svp,Svn、Swp,Swnは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)にて構成されており、これらにはそれぞれ逆並列にダイオードDup,Dun、Dvp,Dvn、Dwp,Dwnが接続されている。
インピーダンスネットワークINは、上記高圧バッテリ12の正極端子側及びインバータIVの高電位側の入力端子間に接続されるインダクタ20と、上記高圧バッテリ12の負極端子側及びインバータIVの低電位側の入力端子間に接続されるインダクタ22とを備えている。更に、インピーダンスネットワークINは、インバータIVの高電位側の入力端子及びインダクタ20間と高圧バッテリ12の負極端子及びインダクタ22間とを接続するコンデンサ24と、高圧バッテリ12の正極端子及びインダクタ20間とインバータIVの低電位側の入力端子及びインダクタ22間とを接続するコンデンサ26とを備えている。
なお、高圧バッテリ12の正極端子及びインダクタ20間には、逆流防止用の整流手段としてのダイオード30と、回生制御用のスイッチング素子32とが接続されている。また、インバータIVとモータジェネレータ10との電気経路には、U相の電流を検出する電流センサ34と、V相の電流を検出する電流センサ36とが設けられている。また、インバータIVの一対の入力端子(インピーダンスネットワークINの一対の出力端子)には、その間の電圧を検出する電圧センサ38が設けられている。
これら電流センサ34,36や電圧センサ38等の高圧システム内のセンサの出力は、インターフェース40を介して、マイクロコンピュータ(マイコン42)に取り込まれる。マイコン42では、高圧システム内の各種センサの検出値や、ユーザによる要求トルク等に基づき、スイッチング素子Sup,Sun、Svp,Svn、Swp,Swnや、スイッチング素子32を操作する。換言すれば、インバータIVやスイッチング素子32を操作する。特に、マイコン42は、モータジェネレータ10に印加する電圧を指令電圧とすべくPWM処理によってインバータIVを操作する。詳しくは、モータジェネレータ10を流れる電流(電流センサ34,36の検出値)を指令電流にフィードバック制御するための操作量として指令電圧を設定し、これに基づきインバータの操作状態を設定する。ここで、指令電圧の設定手法としては、周知のベクトル制御を用いればよい。
更に、この操作に際して、上側アーム及び下側アームの双方のスイッチング素子をオン状態とすることで、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とのうちの少なくとも1つを短絡状態とする処理(shoot-through:以下、短絡処理)を行う。これは、インバータIVの出力電圧を昇圧するための処理である。すなわち、短絡処理を行った後これを解除することでインダクタ20、22に逆起電力が生じる現象を利用して、インピーダンスネットワークINの出力電圧を、高圧バッテリ12の電圧よりも高電圧とすることができる。なお、上記特許文献1には、インダクタ20,22のインダクタンスを互いに等しいとして且つ、コンデンサ24,26の静電容量を互いに等しいとする条件の下、上記直列接続体のスイッチング周期T、短絡処理時間T0、高圧バッテリ12の電圧Voを用いて、出力電圧が「Vo・T/(T−T0)」まで昇圧されることの説明がある。更に、変調率Mを用いて、モータジェネレータ10に印加される交流電圧が、「M・Vo・T/{2・(T−T0)}」となると記載されている。
上記短絡処理を行うことで、インピーダンスネットワークINの出力電圧を昇圧することができ、ひいてはインバータIVの出力電圧を昇圧することができる。ただし、短絡処理時には、インバータIVの出力電圧がゼロとなってしまう。このため、モータジェネレータ10に印加する電圧を指令電圧とするようにPWM処理に従ってスイッチング操作を行っても、短絡処理によってインバータIVの実際の出力電圧が指令電圧とならなくなるおそれがある。こうした事態は、ゼロベクトル期間において、短絡処理を行うことで回避することができる。ゼロベクトル期間とは、上側アームのスイッチング素子Sup,Svp,Swpが全てオン状態となるゼロベクトルV7期間と、下側アームのスイッチング素子Sun,Svn,Swnの全てがオン状態となるゼロベクトルV0期間とのことである。換言すれば、各相のそれぞれについて上側アーム及び下側アームのいずれか一方ずつがオン状態となることを表現する8つの電圧ベクトル(図2)のうちの2つのベクトルの期間である。すなわち、ゼロベクトルV0,V7期間では、インバータIVから電圧が出力されないため、この期間を利用して短絡処理を行っても、モータジェネレータ10に印加する電圧に変化はない。
図3に、上記指令電圧とキャリアとの大小比較に基づくPWM制御の態様を模式的に示す。詳しくは、図3(a)に、キャリアと、3相の指令電圧Vur,Vvr,Vwrとの推移を示し、図3(b)〜図3(g)に、スイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnの操作信号の推移を示し、図3(h)に、電圧ベクトルの推移を示す。ただし、図3では、電圧ベクトル期間を見やすくする関係上、キャリアの周期を伸長させて示している。
図示されるように、指令電圧Vur,Vvr,Vwrに制御するためのインバータIVの操作状態を示す電圧ベクトルは、ゼロベクトルV0,V7となりえるため、この期間に短絡処理を実行することができる。ただし、モータジェネレータ10の各相が全てインピーダンスネットワークINの低電位側の端子に接続されることとなるゼロベクトルV0期間に短絡処理を行う場合には、モータジェネレータ10の中性点電圧が大きく変動する。これは、ゼロベクトルV0期間の中性点電圧がインピーダンスネットワークINの低電位側の電圧VLとなる一方で、短絡処理を実行する際には、中性点電圧がインピーダンスネットワークINの高電位側の電圧VHとなることによる。このため、中性点電圧が大きく変動することに起因して、コモンモードノイズが顕著となるおそれがある。
これに対し、ゼロベクトルV7期間においては、中性点電圧がインピーダンスネットワークINの高電位側の電圧VHとなるため、短絡処理を実行しても中性点電圧は変化しない。ただし、ゼロベクトルV7期間に限って短絡処理を行ったのでは、インピーダンスネットワークINの出力電圧を高圧バッテリ12の電圧に対して十分に昇圧するができなくなる。例えば、上述したようにコンデンサ24,26の静電容量が互いに等しくインダクタ24,26のインダクタンスが互いに等しい場合には、スイッチング周期Tに対する短絡処理時間T0の差にインピーダンスネットワークINの出力電圧が反比例する。このため、スイッチング周期Tに対する短絡処理時間T0の割合が短くなるほど、インピーダンスネットワークINの出力電圧も低く抑えられることとなる。
そこで本実施形態では、PWM処理を行うに際して、2相変調処理を行う。図4に、2相変調処理の態様を示す。詳しくは、図4(a)に、指令電圧Vur,Vvr,Vwrの推移を示し、図4(b)に、2相変調のための指令電圧Vur,Vvr,Vwrの補正量(オフセット電圧)の推移を示し、図4(c)に、2相変調後の指令電圧Vur,Vvr,Vwrの推移を示す。
ここで2相変調処理とは、モータジェネレータ10に対する指令電圧Vur,Vvr,Vwr同士の相対的な大小関係を保持しつつこれらのうちの最大のものをインピーダンスネットワークINの出力電圧によって実現できる最大値「Vdc/2」へとシフトさせる処理である。これは、モータジェネレータ10に対する指令電圧Vur,Vvr,Vwrのうちの最大値と、インピーダンスネットワークINの出力電圧によって実現できる最大値「Vdc/2」との差をオフセット電圧とし、指令電圧Vur,Vvr,Vwrをオフセット補正することで実現することができる。これによれば、常時、指令電圧Vur,Vvr,Vwrのうちの少なくとも1つは、最大値「Vdc/2」となる。しかも、指令電圧Vur,Vvr,Vwrの全ての最小値が持ち上げられるため、図4(c)に示した「shoot-through可能領域」が拡大される。この領域は、キャリアよりも全相の指令電圧が大きくなる領域のため、ゼロベクトルV7を実現できる領域となっている。
図5に、2相変調処理の手順を示す。この処理は、マイコン42によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、指令電圧Vur,Vvr,Vwrを取得する。続くステップS12においては、電圧センサ38によって検出されるインバータIVの入力電圧(電源電圧Vdc)を取得する。続くステップS14においては、指令電圧Vur,Vvr,Vwrを電源電圧Vdcにて規格化することで、デューティ信号Du,Dv,Dwを算出する。これは、指令電圧Vur,Vvr,Vwrのそれぞれを、電源電圧Vdcの「1/2」にて除算することで行う。続くステップS16においては、デューティ信号Du,Dv,Dwのオフセット量Δを算出する。これは、デューティ信号Du,Dv,Dwの最大値を「1」から減算することで行う。そして、ステップS18においては、デューティ信号Du,Dv,Dwのそれぞれにオフセット量Δを加算することで、デューティ信号Du,Dv,Dwを補正する。なお、ステップS18の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、2相変調処理の効果を示す。詳しくは、図2(a1)及び図2(b1)が2相変調を行わない場合を示し、図2(a2)及び図2(b2)が2相変調を行った場合を示している。ここで、図2(a1)及び図2(a2)は、いずれもデューティ信号Du,Dv,Dwとキャリアとを示しており、図2(b1)及び図2(b2)は、いずれも電圧ベクトルを示している。なお、ここでは、デューティ信号Du,Dv,Dwの更新周期(指令電圧Vur,Vvr,Vwrの更新周期)をキャリアの周期に一致させて且つ、更新タイミングをキャリアの谷とした場合を例示している。
図示されるように、2相変調処理を行わなかった場合のゼロベクトルV0,V7の両期間が、2相変調処理を行うことで、ゼロベクトル期間V7となる。このため、2相変調処理を行って且つ、ゼロベクトルV7期間を短絡処理の実行許可期間とする場合と、2相変調処理を行わずして且つゼロベクトルV0、V7期間を短絡処理の実行許可期間とする場合とで、実行許可期間を一致させることができる。
図7に、2相変調処理後の電圧ベクトルの推移を模式的に示す。なお、図7(a)〜図7(h)は、先の図3(a)〜図3(h)に対応している。また、図7(i)は、短絡処理期間を例示している。図示されるように、2相変調処理を行うことで、ゼロベクトルV0期間を排除してゼロベクトルV7期間を拡大することができるため、短絡処理を十分に行うことができる。
図8(a)に、本実施形態にかかる中性点電圧の変動を、また、図8(b)に、2相変調処理を行わない場合の中性点電圧の変動をそれぞれ例示する。なお、図8では、電源電圧Vdcを「450V」としている。
図示されるように、2相変調処理を実行する場合には、インバータIVの操作状態を示す電圧ベクトルが、ゼロベクトルV7から電圧ベクトルV2、V4、V6へ移行する場合、電圧ベクトルV2、V4、V6から電圧ベクトルV1、V3,V5へ移行する場合、電圧ベクトルV1、V3,V5から電圧ベクトルV2、V4、V6へ移行する場合、電圧ベクトルV2、V4、V6からゼロベクトルV7へ移行する場合に、中性点電圧は、「Vdc/3」ずつ変化する。そして、ゼロベクトルV7期間において、中性点電圧は最大値となる。そして、ゼロベクトルV7期間において、短絡処理STを実行したとしても、中性点電圧は変化しない。このため、中性点電圧の一回の変動幅を、「Vdc/3」程度とすることができる。
これに対し、2相変調処理を実行しない場合には、中性点電圧が最小値となるゼロベクトルV0期間に短絡処理STを実行すると、中性点電圧は、「Vdc」だけ上昇する。このため、中性点電圧の一回の変動幅が増大する。特に、本実施形態のように、指令電圧Vur,Vvr,Vwrと三角波形状のキャリアとの大小関係に基づきインバータIVの操作状態を設定するPWM処理によれば、スイッチング素子の操作状態の1回の切り替えにおいては1相のスイッチング状態が切り替えられるのみであるため、本来、中性点電圧の1回の変動幅を「Vdc/3」程度に制限することができるものである。しかし、PWM処理による操作状態に代えて短絡処理を取り入れることで、中性点電圧の1回の変動幅が3倍程度に増大する。このため、コモンモードノイズが大きくなる傾向にある。
なお、図8においては、ゼロベクトルV0期間における中性点電圧が「0V」でないが、これは、インピーダンスネットワークINの低電位側の端子の電位が、グランド電位よりも低いことによる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)2相変調処理を用いたPWM処理によってインバータIVの操作状態を設定して且つ、これによって設定されるゼロベクトルV7期間において、短絡処理を実行した。ここで2相変調処理を用いることで、モータジェネレータ10に対する出力電圧を指令電圧とするうえでモータジェネレータ10への出力電圧をゼロとすることが要求される期間を、モータジェネレータ10の全相が高電位側に接続される期間とすることができる。そして、この期間に短絡処理を実行することで、短絡状態とする処理を行う期間を十分に確保しつつも、コモンモードノイズの発生を抑制することができる。
(2)キャリアとして、三角波形状のものを用いた。これにより、同時に複数の相でスイッチング素子が切り替わることを回避することができるため、コモンモードノイズをいっそう低減することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、キャリアを、その値の漸増速度及び漸減速度が互いに等しい三角波形状のものとしたが、これに限らない。例えば鋸波であってもよい。ただし、鋸波を用いた場合には、同時に複数相においてスイッチング状態が切り替わる現象が生じるため、コモンモードノイズ低減の観点からは、漸増速度及び漸減速度がいずれも規定値以下である三角波形状とすることが望ましい。
・上記実施形態では、指令電圧Vur,Vvr,Vwrの更新周期をキャリアの1周期として且つ、更新タイミングをキャリアの谷としたがこれに限らない。例えば更新周期をキャリア周期よりも十分短くしてもよい。また、更新タイミングをキャリアの山としてもよい。
・上記実施形態では、電圧センサ38の検出値を、インバータIVの入力電圧(インピーダンスネットワークINの出力電圧)として利用して2相変調処理を行ったが、これに限らない。例えば、短絡処理時間に基づき、インピーダンスネットワークINの出力電圧を推定することで、この推定値を用いて2相変調処理を実行してもよい。
・インピーダンスネットワークINとしては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、上記非特許文献1のFig.3.4に記載されているように、先の図1に示したものにいくつかのダイオード及びコンデンサを追加接続した構成であってもよい。
・回転機に指令電圧を印加するための処理としては、指令電圧に基づきキャリアを変調するPWM処理に限らない。例えば、特開平10−4696号公報等に例示されているいわゆる空間ベクトル変調処理等であってもよい。この場合であっても、ゼロベクトルV0の出現を回避するような設定とすることで、ゼロベクトルV7期間を拡大することができると考えられ、ひいてはコモンモードノイズを抑制しつつも短絡処理期間を十分に確保することができる。
・多相回転機としては、3相回転機に限らない。例えば5相回転機であってもよい。
・ハイブリッド車に限らず、例えば電気自動車の電力変換回路に本発明を適用してもよい。更に、電力変換回路としては、回転機が1個接続されるものに限らず、複数個接続されるものであってもよい。また、給電手段としては、2次電池に限らず、例えば1次電池等であってもよい。
一実施形態にかかるシステム構成図。 電圧ベクトルを示す図。 3相変調方式における電圧ベクトルの推移例を模式的に示すタイムチャート。 2相変調処理の手法を示すタイムチャート。 2相変調処理の手順を示す流れ図。 2相変調処理の効果を示すタイムチャート。 2相変調処理の効果を示すタイムチャート。 本実施形態の効果を示すタイムチャート。
符号の説明
10…モータジェネレータ、12…高圧バッテリ(給電手段の一実施形態)、IV…インバータ、IN…インピーダンスネットワーク、Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swn…スイッチング素子。

Claims (6)

  1. 多相回転機及び給電手段間に接続されて且つ、前記多相回転機を高電位側及び低電位側のそれぞれに接続する高電位側のスイッチング素子及び低電位側のスイッチング素子の直列接続体を前記多相回転機の各相毎に備える電力変換回路に適用され、前記直列接続体を短絡状態とするように前記スイッチング素子をオン操作する処理を行う電力変換回路の制御装置において、
    前記多相回転機の全相が低電位側と接続される期間をゼロとするようにして前記スイッチング素子の操作状態を設定する設定手段と、
    前記設定手段によって前記多相回転機の全相が高電位側に接続される操作状態が設定される状況下、前記スイッチング素子の実際の操作状態を前記設定手段による操作状態から変更して前記短絡状態とする処理を行う短絡処理手段とを備えることを特徴とする電力変換回路の制御装置。
  2. 前記電力変換回路は、前記直列接続体を短絡状態とすることで前記給電手段の電圧を昇圧するものであることを特徴とする請求項1記載の電力変換回路の制御装置。
  3. 前記電力変換回路は、前記高電位側のスイッチング素子及び前記給電手段の正極端子間に接続されるインダクタ及び前記低電位側のスイッチング素子及び前記給電手段の負極端子間に接続されるインダクタからなる一対のインダクタと、前記一対のインダクタのそれぞれについて、当該インダクタ及び前記スイッチング素子間と他方のインダクタ及び前記給電手段間との間に接続されるキャパシタとを備えて構成されるインピーダンスネットワークを備えることを特徴とする請求項2記載の電力変換回路の制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記多相回転機の各相に対する指令電圧同士の相対的な大小関係を保持しつつ前記指令電圧のうちの最大のものを前記直列接続体への印加電圧によって実現可能な最大値へとシフトさせるシフト手段を備え、該シフトされた後の指令電圧とキャリアとの大小関係に基づき前記設定を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置。
  5. 前記キャリアは、三角波形状のものであることを特徴とする請求項4記載の電力変換回路の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換回路の制御装置と、
    前記電力変換回路とを備えることを特徴とする電力変換制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011142738A (ja) * 2010-01-07 2011-07-21 Toyota Central R&D Labs Inc 電源制御システム
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CN111865000A (zh) * 2020-08-04 2020-10-30 华中科技大学 从变频器输出端中性点取电的电机编码器供电方法和系统

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