以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
<接着フィルム>
図1は、実施形態に係る接着フィルムを模式的に示す断面図である。図1に示される接着フィルム1は、幅1〜20mm程度又は幅10〜50cm程度の帯状とし、巻き芯に巻いた形態で搬送することが好ましい。接着フィルム1は、半導体素子と被着体とを接着するダイボンディングフィルムである。被着体としては、支持部材、半導体素子等が挙げられる。
接着フィルム1は、高タック面A(一方の面)と低タック面B(他方の面)とを有する。高タック面Aは第1接着剤樹脂組成物を含んでおり、低タック面Bは第1接着剤樹脂組成物とは異なる第2接着剤樹脂組成物を含んでいる。すなわち、接着フィルム1は2種類の接着剤樹脂組成物を含有する。
接着フィルム1は、高タック面Aの40℃におけるタック強度をFA、低タック面Bの40℃におけるタック強度をFBとした場合、以下の関係を満たす。
FA/FB≧5
FA≧10gf
ここで、タック強度(FA及びFB)は、直径5.1mmのSUS304からなる面に対するタック強度である。タック強度は、タッキング試験器(株式会社レスカ社製 タッキング試験器)を用い、圧力1atm、温度40℃、押し込み速度:2mm/sec、引き上げ速度:10mm/sec、停止加重:100gf/cm2、停止時間:1秒の条件にて測定される。なお、SUS304とは、18%のCrと8%のNiを含むオーステナイト系ステンレス鋼であり、通常「ジュウハチハチ」と呼ばれている。
本実施形態の接着フィルム1によれば、FAが大きいので、接着フィルム1の高タック面Aを例えば半導体ウェハ等の部材に低温で貼り付けることができる。また、FBが小さいので、接着フィルム1の低タック面Bを例えばダイシングシート等の部材に貼り付ければ接着フィルム1をダイシングシートから容易に剥離することができる。その結果、例えば半導体ウェハをダイシングした後に、得られる半導体素子をダイシングシートから容易にピックアップすることができる。さらに、接着フィルム1は、耐リフロー性を含めた耐熱性及び耐湿性を備えている。
さらに、FA≧20gfであることが好ましく、FA≧30gfであることがより好ましく、FA≧50gfであることが特に好ましい。上限は特に設けないが、取り扱い性の観点から、FA≦200gfであることが望ましい。FA<10gfであると、接着フィルム1を半導体ウェハへ貼り付ける際の温度が高温(100℃を超える温度)となる可能性が高くなる傾向にある。半導体ウェハへの貼り付け温度は、半導体ウェハの保護テープ及びダイシングシートの軟化温度以下であることが好ましい。また、熱応力に起因する半導体ウェハの反りを抑えるという観点から、上記の貼り付け温度は、20〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましく、20〜60℃が特に好ましい。接着フィルム1を用いると、低温(100℃以下)で接着フィルム1を半導体ウェハに貼り付けられる。そのため、反りの影響を受け易い極薄半導体ウェハの反りを十分に抑えつつ接着フィルム1を半導体ウェハに貼り付けることができる。
また、FB≦10gfであることが好ましく、FB≦5gfであることがより好ましい。FB>10gfの場合、接着フィルム1とダイシングシートとの界面の密着力が例えばラミネート工程で加熱された際に上昇し、ピックアップ性が低下する傾向にある。下限値は特に設けないが、ダイシングシートに接着フィルム1を貼り合わせてなる接着シートの巻き取り安定性を考慮すると、FB≧0.1gfが望ましい。
また、接着フィルム1の厚みは200μm以下であることが好ましい。厚みが200μmを超えると、接着フィルムの内部にボイドが形成される傾向にある。このボイドは、加熱による接着フィルムの発泡に起因している。厚みが200μmを超えると、接着フィルム1を製造する際に用いる溶剤の残存量が増大するので、溶剤を蒸発させるためにより加熱が必要になる。その結果、接着フィルムが発泡し易くなり、ボイドが形成され易くなる。接着フィルム1の厚みの下限値は特に設けないが、取り扱い性の観点から0.5μm以上が望ましい。
また、接着フィルム1の破断伸びは200%以下であることが好ましく、150%以下であることがより好ましく、100%以下であることが特に好ましい。破断伸びが200%を超えると、例えば接着フィルム1に貼り付けられる半導体ウェハ等の部材を切断し難くなると共に、切断後に接着フィルム1をエキスパンドし難くなるのでピックアップ性が低下する傾向にある。
なお、接着フィルム1の破断伸びは、Bステージ状態の接着フィルム1から切り出された短冊状の試験片(幅5mm、長さ50mm)を用いて引張試験を行い、得られた応力−ひずみ曲線から求められる。引張試験は、引張試験機(SIMADZU製100Nオートグラフ、AGS−100NH)を用い、25℃の雰囲気中で、試験開始時のチャック間距離30mm、引張速度5mm/minの条件で行った。接着フィルム1の破断伸びは、下記式を用いて算出される。
破断伸び(%)=[(破断時のチャック間長さ(mm)−30)/30]×100
接着フィルム1は、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を含有しており、ポリイミド及びエポキシ樹脂を含有することが好ましい。例えば、第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物は、ポリイミド及びエポキシ樹脂を含有する。
ポリイミドは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。すなわち、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを等モル混合し、反応温度80℃以下、好ましくは0〜60℃で付加反応させる。なお、必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの組成比を、テトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに対して、ジアミンの合計が0.5〜2.0mol、好ましくは0.8〜1.0molの範囲となるように調整して付加反応させてもよい。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの添加順序は任意に決定できる。反応が進行するにつれて反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。なお、接着フィルム1を構成する接着剤樹脂組成物の諸特性の低下を抑えるため、上記テトラカルボン酸二無水物は無水酢酸で再結晶精製処理されることが好ましい。
なお、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの組成比については、テトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに対して、ジアミンの合計が2.0molを超えると、得られるポリイミド中に、アミン末端のポリイミドオリゴマーの量が多くなる。一方、ジアミンの合計が0.5mol未満であると、酸末端のポリイミドオリゴマーの量が多くなり、ポリイミドの重量平均分子量が過度に低くなり、接着フィルム1の耐熱性などの特性が低下傾向にある。テトラカルボン酸二無水物とジアミンの組成比を上記の範囲内で調整することによって、ポリイミドの重量平均分子量を調整することができる。ポリイミドの重量平均分子量は、10000〜200000であることが好ましい。
使用するテトラカルボン酸二無水物は、使用前に、モノマーの融点よりも10〜20℃低い温度で12時間以上、加熱乾燥するか、又は無水酢酸で再結晶精製処理されることが好ましい。原料の純度の指標として、示差走査熱量測計(DSC)による吸熱開始温度と吸熱ピーク温度の差が10℃以内であることが好ましい。なお、上記の吸熱開始温度および吸熱ピーク温度とは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量5mg、昇温速度5℃/min、測定雰囲気:窒素、の条件で測定したときの値を用いる。
なお、上記ポリアミド酸は、50〜80℃の温度で加熱して解重合させることによって、その重量平均分子量を調整することもできる。ポリイミドは、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、加熱処理する熱閉環法と、脱水剤を使用する化学閉環法で行うことができる。
ポリイミドの原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限は無く、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’,−オキシジフタル酸二無水物、下記一般式(VII)で表されるテトラカルボン酸二無水物、下記構造式(VIII)で表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
上記構造式(VII)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、例えば、無水トリメリット酸モノクロライド及び対応するジオールから合成することができる。具体的には、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)等が挙げられる。中でも、優れた耐湿信頼性を付与できる点で、4,4’,−オキシジフタル酸二無水物、又は上記構造(VIII)で示されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。これらテトラカルボン酸二無水物は単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイミドの原料として用いられるジアミンとしては特に制限はなく、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、下記一般式(IX)で表される脂肪族エーテルジアミン等が挙げられる。
(式中、Q
1、Q
2、及びQ
3は、各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは2〜80の整数を示す)
具体的には下記構造の脂肪族ジアミンが挙げられる。
また、下記一般式(VI)で表される脂肪族エーテルジアミンが挙げられる。
さらに、下記一般式(X)で表される脂肪族ジアミンが挙げられる。
具体的には1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂肪族ジアミン、さらに下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンが挙げられる。
(式中、Q
4及びQ
9は各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、Q
5、Q
6、Q
7、及びQ
8は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、pは1〜5の整数を示す)
また、一般式(III)中、pが1のときとしては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン等が挙げられる。また、pが2のときとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンなどのシロキサンジアミンが挙げられる。これらのジアミンは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記ポリイミドは単独又は必要に応じて2種以上を混合(ブレンド)してもよい。
高タック面A側の第1接着剤樹脂組成物に含まれるポリイミドのガラス転移温度(Tg)は50℃未満であることが好ましい。これにより、高タック面Aの40℃におけるタック強度FAを20gf以上にすることができる。一方、低タック面B側の第2接着剤樹脂組成物に含まれるポリイミドのTgは50℃以上であることが好ましい。これにより、低タック面Bの40℃におけるタック強度FBを10gf以下にすることができる。
ポリイミドのTg及び重量平均分子量を上記の範囲内とすることにより、半導体ウェハへの貼り付け温度を低く抑えることができるだけでなく、低温でのダイボンドも確保することができ、半導体ウェハの反りの増大を抑制できる。また、ダイシング時の良好な切断性を確保できる。さらに、ダイボンディング時の接着フィルムに流動性を有効に付与できる。また、上記半導体素子の搭載用支持部材が有機基板の場合、ダイボンディング時の加熱温度による有機基板の吸湿水分の気化を抑制でき、気化による接着フィルムの発泡を抑制できる。
なお、ポリイミドのTgは、ポリイミドをフィルム化したときの主分散ピーク温度である。レオメトリックス製粘弾性アナライザーRSA−2を用いて、フィルムサイズ35mm×10mm×40μm厚、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、測定温度−150〜300℃の条件で測定し、Tg付近のtanδピーク温度を測定し、これを主分散ピーク温度とした。また、ポリイミドの重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量である。
また、エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むものがより好ましく、硬化性や硬化物特性の点からフェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が極めて好ましい。このような樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型(又はAD型、S型、F型)のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルアミン、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。また、これらのエポキシ樹脂には不純物イオンである、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特に塩素イオンや加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止や金属導体回路の腐食防止のために好ましい。
エポキシ樹脂の配合量は、低アウトガス性、フィルム形成性(靭性)、熱時流動性、さらには熱硬化による高温時の高い接着力を有効に付与できる点で、ポリイミド100質量部に対して、1〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
エポキシ樹脂を使用する場合は、必要に応じて硬化剤を使用することもできる。硬化剤としては、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、第3級アミン等が挙げられる。中でもフェノール系化合物が好ましく、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物がより好ましい。このような化合物としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジェンクレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジェンフェノールノボラック樹脂、キシリレン変性フェノールノボラック樹脂、ナフトール系化合物、トリスフェノール系化合物、テトラキスフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらの中で、数平均分子量が400〜1500の範囲内のものが好ましい。これにより、半導体装置組立加熱時に、半導体素子又は装置等の汚染の原因となるアウトガスを有効に低減できる。なお、硬化物の耐熱性を確保するためにも、これらのフェノール系化合物の配合量は、(エポキシ樹脂のエポキシ当量):(フェノール系化合物のOH当量)が、0.95:1.05〜1.05:0.95となることが好ましい。
また、第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物には、必要に応じて、硬化促進剤を使用することもできる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂を硬化させるものであれば特に制限はなく、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が挙げられる。
第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物には、必要に応じてフィラーを使用することもできる。絶縁性の無機フィラーが好ましく、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等からなるフィラーが挙げられる。これらの無機フィラーを二種類以上併用することもできる。中でもシリカは、高い接着力が得られ、かつ金属腐食を起こす原因となる不純物を少なくできるため、半導体装置の信頼性を向上できるので好ましい。また、フィルム厚方向の熱流動性と高い接着力が得られることから、使用する無機フィラーの形状は球状であることが好ましい。球状には、真球状、円粒状、楕円状などの形状が含まれる。
フィラーの使用量は、付与する特性、又は機能に応じて決められるが、樹脂成分とフィラーの合計に対して好ましくは10〜40体積%、より好ましくは10〜30体積%、特に好ましくは10〜20体積%である。フィラーを適度に増量させることにより、フィルム表面の低粘着化(低タック化)、及び高弾性率化が図れる。その結果、ダイシング性(ダイサー刃による切断性)、ピックアップ性(ダイシングシートとの易はく離性)、ワイヤボンディング性(超音波効率)、熱時の接着強度を有効に向上できる。フィラーの使用量が40体積%を超えると、低温貼付性、被着体との界面接着性、及び熱時流動性が損なわれ、耐リフロー性を含む信頼性の低下を招く傾向にある。求められる特性のバランスをとるべく、最適な使用量を決定する。フィラーを用いた場合の混合・混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等のカップリング剤が挙げられる。中でも効果が高い点で、シラン系カップリング剤が好ましい。カップリング剤の配合量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、ポリイミド100質量部に対して、0.01〜20質量部とするのが好ましい。
第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性を良くするために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物(トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等)、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系のマグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、ポリイミド100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物には、適宜、軟化剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、熱可塑性の高分子成分を添加しても良い。接着性向上、硬化時の応力緩和性を付与するために用いられる熱可塑性の高分子成分としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。これら熱可塑性の高分子成分の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。
接着剤樹脂組成物のタック強度を高くするには、ガラス転移温度(Tg)の低い高分子量成分を用いる、液状エポキシ樹脂を添加する、フィラーの含有量を低減する、といった方法を用いることができる。接着剤樹脂組成物のタック強度を低くするには、ガラス転移温度(Tg)の高い高分子量成分を用いる、固形エポキシ樹脂を添加する、フィラーの含有量を増量する、といった方法を用いることができる。例えば、第1接着剤樹脂組成物に含まれる高分子量成分のTgを、第2接着剤樹脂組成物に含まれる高分子量成分のTgよりも小さくすることにより、接着フィルム1を作製することができる。
また、第2接着剤樹脂組成物からなるフィルムが、5%未満の引張破断伸度を有し該引張破断伸度が最大荷重時の伸度の110%未満であることが好ましい。この場合、接着フィルム1に高タック面Aから切り込み(ハーフカット)を入れた後、少ないエキスパンド量で接着フィルム1を効率よく且つ確実に分断することができる。引張破断伸度は、より好ましくは4%未満、さらに好ましくは3.5%未満である。引張破断伸度は、最大荷重時の伸度の108%未満であることがより好ましく、105%未満であることが特に好ましい。
ここで、第2接着剤樹脂組成物からなるフィルムの最大応力、最大荷重伸度、及び引張破断伸度は、Bステージ状態の第2接着剤樹脂組成物からなるフィルムから切り出された短冊状の試験片(幅5mm、長さ50mm)を用いて引張試験を行った。得られた応力−ひずみ曲線から、下記計算式に基づいて最大応力、最大荷重伸度、及び引張破断伸度を求めた。引張試験は、引張試験機(SIMADZU製100Nオートグラフ、AGS−100NH)を用い、25℃の雰囲気中で、試験開始時のチャック間距離30mm、引張速度5mm/minの条件で行った。
最大応力(Pa)=最大荷重(N)/試料の断面積(m2)
最大荷重伸度(%)=[(最大荷重におけるチャック間長さ(mm)−30)/30]×100
引張破断伸度(%)=[(破断時のチャック間長さ(mm)−30)/30]×100
接着フィルム1は、例えばIC、LSI等の半導体素子と被着体とを貼り合せるためのダイボンディング用接着フィルムとして用いられる。被着体としては、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム、ポリイミド、エポキシ樹脂等のプラスチックフィルム、ガラス不織布等基材にポリイミド、エポキシ樹脂等のプラスチックを含浸、硬化させたもの、アルミナ等のセラミックスからなる半導体搭載用の支持部材等が挙げられる。接着フィルム1は、表面に凹凸を有する有機基板と半導体素子とを接着するためのダイボンディング用接着フィルムとして好適に用いられる。表面に凹凸を有する有機基板としては、例えば、表面に有機レジスト層を有する有機基板、表面に配線を有する有機基板等が挙げられる。
また、接着フィルム1は、複数の半導体素子を積み重ねた構造を有するStacked−PKGにおいて、半導体素子と半導体素子とを接着するための接着フィルムとしても好適に用いられる。
図2は、本実施形態に係る接着フィルムの製造方法を模式的に示す工程断面図である。まず、図2(a)に示されるように、PET等からなる基材2上に第2接着剤樹脂組成物及び有機溶媒を含む第2ワニスを塗布する。これにより、基材2上に第2ワニス層1bが形成される。続いて、図2(b)に示されるように、第2ワニスに重ねて、第1接着剤樹脂組成物及び有機溶媒を含む第1ワニスを塗布する。これにより、第2ワニス層1b上に第1ワニス層1aが形成される。第2ワニス層1b及び第1ワニス層1aは、塗膜である。
第1ワニス及び第2ワニスは、第1接着剤樹脂組成物及び第2接着剤樹脂組成物を有機溶媒中で混合及び混練することにより、調製される。混合及び混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
有機溶媒は、材料を均一に溶解、混練又は分散できるものであれば制限はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N―メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が挙げられる。
基材2は、後述の加熱乾燥に耐えるものであれば特に限定するものではなく、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。これらのフィルムを2種以上組み合わせて多層フィルムとしてもよく、表面がシリコーン系、シリカ系等の離型剤などで処理された基材2であってもよい。
第2ワニス層1b及び第1ワニス層1aの厚みに特に制約はないが、高タック面Aを形成するための第1ワニス層1aの厚みが、低タック面Bを形成するための第2ワニス層1bの厚みよりも薄くなることが好ましい。例えば、総厚20μmの接着フィルム1を得る場合、第1ワニス層1aの乾燥後の厚みが1〜8μm程度、第2ワニス層1bの乾燥後の厚みが12〜19μm程度となるように、第1ワニス及び第2ワニスの塗布量を調整することが好ましい。高タック面Aを形成するための第1ワニス層1aの厚みが厚くなると、ダイシングの際に発生するバリのタック強度が増大する。その結果、隣り合う半導体チップ同士が融着し、ピックアップミスが発生する傾向にある。
続いて、第2ワニス層1b及び第1ワニス層1aを乾燥させることによって、図2(c)に示されるように、基材2上に接着フィルム1を形成する。加熱乾燥の条件は、使用した溶媒が充分に揮散する条件であれば特に制限はないが、通常50〜200℃で、0.1〜90分間加熱して行う。その後、基材2を剥離除去する。
これにより、主として第1接着剤樹脂組成物を含む第1層と、主として第2接着剤樹脂組成物を含む第2層とが一体化される。そのため、第1層と第2層との界面をなくすことができるので、第1層と第2層とが分離し難くなる。さらに、第1ワニスと第2ワニスとを同時に乾燥させるので、個別に作製した接着フィルム同士を貼り合わせる場合に比べて、接着フィルム1の製造コストを大幅に低減できると共に、接着フィルム1の更なる薄膜化を実現できる。
なお、基材2上に第1ワニス層1aを形成した後に、第1ワニス層1a上に第2ワニス層1bを形成してもよい。
図3は、本実施形態に係る接着フィルムを含む積層体を模式的に示す断面図である。図3に示される積層体では、基材2の両面にそれぞれ接着フィルム1が設けられている。基材2の一方の面には、接着フィルム1の高タック面Aが貼り付けられている。基材2の他方の面には、接着フィルム1の低タック面Bが貼り付けられている。なお、基材2の片面だけに接着フィルム1を設けてもよい。
図4は、本実施形態に係る接着フィルムを含む積層体を模式的に示す断面図である。図4に示される積層体は、基材2と、基材2上に設けられた接着フィルム1と、接着フィルム1の高タック面Aを覆うカバーフィルム3とを備える。カバーフィルム3により、接着フィルム1の損傷・汚染を防ぐことができる。
<接着シート>
図5は、実施形態に係る接着シートを模式的に示す断面図である。図5に示される接着シート10は、ダイシングシート6と、ダイシングシート6に積層された接着フィルム1とを備える。ダイシングシート6は、基材フィルム4と、基材フィルム4上に設けられた粘着剤層5とを有する。接着フィルム1の低タック面Bは粘着剤層5に貼り合わされている。接着シート10は、ダイシングシートとダイボンディングフィルムとが一体になっており、両者に要求される特性を兼ね備えている。接着フィルム1上にカバーフィルムを貼り付けてもよい。
本実施形態の接着シート10は接着フィルム1を備えているので、接着フィルム1の高タック面Aを例えば半導体ウェハ等の部材に低温で貼り付けることができる。また、粘着剤層5を接着フィルム1の低タック面Bに貼り付けるので、接着フィルム1の低タック面Bをダイシングシート6から容易に剥離することができる。
なお、ダイシングシート6は、粘着剤層5を備えなくてもよい。この場合、接着フィルム1の平面形状を予め半導体ウェハに近い形状に加工しておくこと(プリカット)が好ましい。
粘着剤層5は、感圧型又は放射線硬化型のどちらでも良く、ダイシング時には半導体素子が飛散しない十分な粘着力を有し、その後の半導体素子のピックアップ工程においては半導体素子を傷つけない程度の低い粘着力を有するものであれば特に制限されることなく従来公知のものを使用することができる。
基材フィルム4は、引っ張りテンションを加えたときの伸び(通称、エキスパンド)を確保できることが好ましく、例えばポリオレフィンからなるフィルムが挙げられる。
<半導体装置>
図6〜図11は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。図6〜図11に示される各工程を経ることによって、図11に示される半導体装置20が製造される。
(貼り合わせ工程)
まず、図6に示されるように、接着シート10に含まれる接着フィルム1の高タック面Aを半導体ウェハWに貼り合わせる。半導体ウェハWは、回路が形成される表面WAと、表面WAの反対側に位置する裏面WBとを有する。高タック面Aは、半導体ウェハWの裏面WBに貼り合わされる。貼り合わせ時の温度は100℃以下であることが好ましい。例えば、接着シート10の接着フィルム1上にカバーフィルムが貼り付けられている場合、カバーフィルムを剥離した後、接着フィルム1を半導体ウェハWに貼り合わせる。
なお、接着シート10に代えて接着フィルム1を用いてもよい。例えば、基材2上に接着フィルム1が形成されている場合、接着フィルム1の高タック面Aを半導体ウェハWに貼り合わせた後に基材2を剥離する。続いて、接着フィルム1の低タック面Bとダイシングシート6の粘着剤層5とを貼り合わせる。
(ダイシング工程)
次に、図7に示されるように、例えばダイシングブレードBL等の切断装置を用いて半導体ウェハWを切断する。例えば、半導体ウェハWはダイシングされる。ここで、接着フィルム1に切り込みを接着フィルム1の厚み方向に入れてもよいし、接着フィルム1を完全に切断してもよい。接着フィルム1を完全に切断する工法をフルカットという。一方、接着フィルムを完全に切断せず、一部を残す工法をハーフカットという。切り込みの深さは、図2に示される第1ワニス層1aの厚さに対応していることが好ましい。半導体ウェハWを切断することによって、複数の半導体素子Cが得られる。半導体素子Cとしては、半導体チップ等が挙げられる。接着フィルム1に切り込みを入れる場合、次工程のピックアップ工程時にダイシングシート6を拡張(エキスパンド)する、ピックアップ工程時に突き上げ針などの治具で押し上げることで切り込み部を起点として分割することもできる。
ハーフカットする際の切り込み深さは、好ましくは接着フィルム1の厚みの1/10〜9/10、より好ましくは1/5〜4/5、さらに好ましくは1/3〜2/3である。接着フィルム1を切断するとき、接着フィルム1の切り込みを浅くすることで切断時に発生するバリを少なくできる。その結果、半導体装置の製造歩留まりが向上する。この場合、エキスパンド時に接着フィルム1を分割するためにエキスパンド量を大きくしたり、ピックアップ時の突き上げ高さを高くすることによって接着フィルム1の未切断部を分割する。接着フィルム1の切り込みを深くすることでエキスパンド量を小さくしたり、ピックアップ時の突き上げ高さが低くてもダイボンディングフィルムを分割できる。
切断装置としては、一般に上市されているダイサーやブレードを使用することができる。例えば、ダイサーとしては株式会社ディスコ社製フルオートマチックダイシングソー6000シリーズやセミオートマチックダイシングソー3000シリーズなどが使用できる。ブレードとしては株式会社ディスコ社製ダイシングブレードNBC−ZH05シリーズやNBC−ZHシリーズなどが使用できる。また、例えば株式会社ディスコ社製フルオートマチックレーザソー7000シリーズなどのレーザを用いて半導体ウェハWを切断してもよい。
(ピックアップ工程)
次に、図8に示されるように、半導体素子Cをダイシングシート6からピックアップする。これにより、切り込みを起点として接着フィルム1が切断され、半導体素子Cに付着した接着層7が得られる。このようにして、半導体素子Cと接着層7とを有する接着層付き半導体素子8が得られる。
ダイサーでハーフカットした接着フィルム1は、一般に上市されているピックアップダイボンダーを使用することで分割可能である。例えば、ルネサス東日本セミコンダクタ社製フレキシブルダイボンダーDB−730やDB−700、新川社製ダイボンダーSPA−300、SPA−400などを使用することで分割可能である。
ハーフカットした接着フィルム1は、ウェハリングに貼り付けた半導体ウェハW、接着フィルム1、及びダイシングシート6からなる積層物においてダイシングシート6をエキスパンドすることで分割可能である。エキスパンドはウェハリング上面又は下面側からエキスパンド用リングを挿入することでなされる。ダイシングシート6のエキスパンド量はウェハリングとエキスパンド用リングとの高さの違いで決定される。ウェハリングとエキスパンド用リングとの高さの違いをエキスパンド量、エキスパンド用リングの挿入速度をエキスパンド速度という。
ハーフカットした接着フィルム1をエキスパンドで分割する際のエキスパンド量は1〜30mmが望ましく、より好ましくは2〜20mmであり、さらに好ましくは3〜10mmである。エキスパンド量が30mmを超えると、エキスパンド時にダイシングシート6が極端に伸び、裂け易くなる傾向にある。また、エキスパンド量が1mm未満では、エキスパンド時に接着フィルム1のハーフカット部分に加わる応力が小さく、接着フィルム1を分割し難くなる傾向にある。
ハーフカットした接着フィルム1をエキスパンドで分割する際のエキスパンド速度は1〜50mm/sが好ましく、より好ましくは3〜30mm/sであり、さらに好ましくは5〜15mm/sである。
ハーフカットした接着フィルム1をエキスパンドで分割する際のサンプル温度は、−10〜30℃が好ましく、より好ましくは0〜30℃である。ただし、室温以下に設定するには、通常上市されているピックアップダイボンダーに冷却機構を追加した専用のエキスパンダーが必要となる。
(ダイボンディング工程)
次に、図9に示されるように、接着層付き半導体素子8を支持部材9にダイボンディングする。このとき、加熱加圧により、接着層付き半導体素子8の接着層7が支持部材9に貼り付けられる。加熱温度は、通常20〜250℃である。荷重は、通常0.01〜20kgfである。加熱時間は、通常0.1〜300秒間である。
(ワイヤボンディング工程)
次に、図10に示されるように、半導体素子Cの接続端子と支持部材9の接続端子とを電気的に接続するワイヤ11を形成する。
(封止工程)
次に、図11に示されるように、半導体素子Cを封止する封止材12を支持部材9上に形成する。なお、封止工程を実施しなくてもよい。
ワイヤボンディング工程及び封止工程等を経ることによって、加熱により接着層7が硬化する。その結果、接着層7は、半導体素子Cと支持部材9とを接続する接続層7aとなる。このようにして、図11に示される半導体装置20が製造される。半導体装置20は、半導体素子Cと、半導体素子Cに接続される支持部材9(被着体)と、接着フィルム1の硬化物からなり、半導体素子Cと支持部材9との間に配置される接続層7aとを備える。半導体装置20は、例えば半導体パッケージである。
この半導体装置の製造方法によれば、接着フィルム1の高タック面Aを半導体ウェハWに低温で貼り付けることができる。また、半導体ウェハWを切断した後に、接着フィルム1の低タック面Bをダイシングシート6から容易に剥離することができる。さらに、厚み100μm以下の極薄半導体ウェハWに対して接着フィルム1を用いると、半導体素子Cの製造歩留まり向上が可能である。
図12は、別の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。図12に示される半導体装置20Aは、半導体装置20の構成に加えて、半導体素子C、接続層7a、ワイヤ11、及びバンプ13を更に備える。更なる半導体素子Cは、更なる接続層7aを介して半導体素子C上に設けられている。更なるワイヤ11は、更なる半導体素子Cの接続端子と支持部材9の接続端子とを電気的に接続している。バンプ13は、支持部材9の裏面に形成されている。半導体装置20では、複数の半導体素子Cが重なっている。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、接着フィルム1を半導体装置の製造以外の用途に用いてもよい。また、3種類以上の接着剤樹脂組成物を重ねて塗布した後に乾燥させることによって接着フィルム1を形成してもよい。また、第1接着剤樹脂組成物を含有する第1フィルムと第2接着剤樹脂組成物を含有する第2フィルムとを作製し、第1フィルムと第2フィルムとを貼り合わせることによって接着フィルム1を作製してもよい。また、接着フィルム1は粘着剤を含有してもよい。さらに、接着フィルム1の低タック面B上に粘着層を形成してもよい。また、接着フィルム1を半導体ウェハWの表面WAに貼り付けてもよい。その場合、IRカメラを実装したダイサーを用いることによって、半導体ウェハWの裏面WBから切断すべき位置が認識可能になる。
(実施例)
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ワニス1)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、表1のワニス1に示されるジアミン及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を、60℃にて撹拌、溶解した。
ジアミンの溶解後、表1のワニス1に示される酸無水物を少量ずつ添加した。60℃で1時間反応させた後、N2ガスを吹き込みながら170℃で加熱し、水を溶剤の一部と共沸除去した。水を除去してポリイミドの溶液を得た。
得られたポリイミドの溶液に、ポリイミド100質量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製)4質量部、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(本州化学製)2質量部、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート(東京化成製)0.5質量部を加えた。更に、窒化硼素フィラー(水島合金鉄製)を固形分の全質量に対して25質量%、アエロジルフィラーR972(日本アエロジル製)を固形分の全質量に対して3質量%となるように加え、良く混錬してワニス1を得た。
(ワニス2)
ポリイミドを合成する際の原料及びその配合比を表1のワニス2に示す各組成(質量部)に変更したこと以外はワニス1と同様にして、ポリイミドの溶液を得た。
得られたポリイミドの溶液に、ポリイミド100質量部に対して、に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製)4質量部、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(本州化学製)2質量部、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート(東京化成製)0.5質量部を加えた。更に、窒化硼素フィラー(水島合金鉄製)を固形分の全質量に対して12質量%、アエロジルフィラーR972(日本アエロジル製)を固形分の全質量に対して3質量%となるように加え、良く混錬してワニス2を得た。
(ワニス3)
ポリイミドを合成する際の原料及びその配合比を表1のワニス3に示す各組成(質量部)に変更したこと以外はワニス1と同様にして、ポリイミドの溶液を得た。
得られたポリイミドの溶液に、ポリイミド100質量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製)4質量部、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(本州化学製)2質量部、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート(東京化成製)0.5質量部を加えた。更に、窒化硼素フィラー(水島合金鉄製)を固形分の全質量に対して10質量%となるように加え、良く混錬してワニス3を得た。
表1中、原料の略号は以下の酸無水物又はジアミンを示す。配合比の単位は質量部である。
(酸無水物)
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック社製)
DBTA:1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)(黒金化成製)
BPADA:2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(黒金化成製)
(ジアミン)
LP7100:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学社製)
B12:4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン(BASF社製)
D2000:ポリオキシプロピレンジアミン2000(BASF社製)
BAPP:2,2ビス−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(和歌山精化工業社製)
(実施例1)
調合したワニス1を厚さ50μmの剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルムA31)上に塗布した後にワニス2を塗布した。その後、80℃で30分、続いて120℃で30分加熱し、総厚25μmの実施例1の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス1の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス2の塗布量を調整した。
(実施例2)
調合したワニス1を厚さ50μmの剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルムA31)上に塗布した後にワニス3を塗布した。その後、80℃で30分、続いて120℃で30分加熱し、総厚25μmの実施例2の接着フィルムを作製した。なお、乾燥後の膜厚が8μmとなるようにワニス1の塗布量を調整し、乾燥後の膜厚が17μmとなるようにワニス3の塗布量を調整した。
(比較例1)
調合したワニス1を厚さ50μmの剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルムA31)上に塗布し、80℃で30分、続いて120℃で30分加熱し、厚さ25μmの比較例1の接着フィルムを作製した。
(比較例2)
調合したワニス2を厚さ50μmの剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルムA31)上に塗布し、80℃で30分、続いて120℃で30分加熱し、厚さ25μmの比較例2の接着フィルムを作製した。
(比較例3)
調合したワニス3を厚さ50μmの剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルムA31)上に塗布し、80℃で30分、続いて120℃で30分加熱し、厚さ25μmの比較例3の接着フィルムを作製した。
(タック強度)
実施例1、2及び比較例1〜3の接着フィルムのタック強度はタッキング試験器(株式会社レスカ社製 タッキング試験器)を用い、押し込み速度:2mm/sec、引き上げ速度:10mm/sec、停止加重:100gf/cm2、停止時間:1秒の条件にて、5.1mmφのSUS304に対するタック強度を測定し求めた。高タック面(半導体ウェハへ貼り付ける面)のタック強度をFA、低タック面(ダイシングシートに貼り付ける面)のタック強度をFBとした。結果を表2に示した。
(ラミネート性)
実施例1、2及び比較例1〜3の接着フィルムを直径210mmに切り抜き、電気化学工業社製T−80MW(80μm)上に株式会社JCM社製DM−300−Hを用いて室温(25℃)で貼り合わせた。なお、実施例1の接着フィルムに関しては、ワニス2から形成された面(低タック面)とダイシングシートを貼り合わせた。実施例2の接着フィルムに関しては、ワニス3から形成された面(低タック面)をダイシングシートと貼り合わせた。また、比較例1〜3の接着フィルムに関しては、塗工時の開放面(ポリエチレンテレフタレートフィルムの逆側)をダイシングシートと貼り合わせた。
接着フィルムとダイシングシートからなる積層品に200μm厚の半導体ウェハを40℃でラミネートし、ラミネート性を評価した。ラミネートは株式会社JCM社製DM−300−Hを用い、貼り付けが可能であった場合を良好、半導体ウェハ裏面に接着フィルムが貼付かなかった場合を不良とした。結果を表2に示した。
(ピックアップ性)
実施例1、2及び比較例1〜3の接着フィルムとダイシングシートからなる積層品に50μm厚の半導体ウェハを60℃又は80℃でラミネートし、半導体ウェハ、接着フィルム及びダイシングシートからなる積層品を得た。ラミネート時の熱板表面温度を、実施例1、2及び比較例1では60℃、比較例2、3では80℃に設定した。
株式会社ディスコ社製フルオートダイサーDFD−6361を用いて、半導体ウェハ、接着フィルム及びダイシングシートからなる積層品を切断した。切断はブレード1枚で加工を完了するシングルカット方式で行った。ブレードとして株式会社ディスコ社製ダイシングブレードNBC−ZH104F−SE 27HDBBを用い、ブレード回転数45,000rpm、切断速度50mm/sの条件にて切断を行った。切断時のブレードハイトは接着フィルムを10μm残す設定(90μm)とした。半導体ウェハを切断するサイズは10×10mmとした。その後、エキスパンドにより接着フィルムを完全に切断した。
続いて、ダイシングにより得られた半導体チップのピックアップ性について、ルネサス東日本セミコンダクタ社製フレキシブルダイボンダーDB−730を使用して評価した。使用したピックアップ用コレットとしてマイクロメカニクス社製RUBBER TIP 13−087E−33(サイズ:10×10mm)を用い、突上げピンとしてマイクロメカニクス社製EJECTOR NEEDLE SEN2−83−05(直径:0.7mm、先端形状:直径350μmの半円)を用いた。突上げピンは、ピン中心間隔を4.2mmとして9本配置した。ピックアップ時のピンの突上げ速度:10mm/s、突上げ高さ:1000μmの条件でピックアップ性を評価した。連続100チップをピックアップし、チップ割れ、ピックアップミス等が発生しない場合を良好、1チップでもチップ割れ、ピックアップミス等が発生した場合を不良とした。結果を表2に示した。
比較例2では40℃でラミネートできなかったので、80℃でラミネートしてピックアップ性を評価した。比較例3ではラミネートできなかった。実施例1、2の接着フィルムでは、40℃でのウェハラミネート性及びピックアップ性の両方が良好であった。
1…接着フィルム、2…基材、4…基材フィルム、5…粘着剤層、6…ダイシングシート、7a…接続層、9…支持部材(被着体)、10…接着シート、20,20A…半導体装置、A…高タック面(一方の面)、B…低タック面(他方の面)、C…半導体素子、W…半導体ウェハ。