JP2009265633A - 光学フィルム、及びその製造方法、ならびにそれを有する偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、前記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均配向方向と前記第2ドメインの長軸の平均方向とが異なる光学フィルム。
【選択図】なし
Description
また、本発明は、白表示時の輝度が高く且つ画面内において均一であり、しかも薄型化に対応可能な、画像表示装置を提供することを課題とする。
[2] 前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比が1.1〜30であることを特徴とする[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比が30〜300であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記第1ドメインの屈折率n1が前記第2ドメインの屈折率n2よりも0.01〜1.00大きいことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項記載の光学フィルム。
[5] 前記第2ドメインの球相当直径が0.02μm以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[6] 前記第2ドメインの体積分率が、20〜70%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項記載の光学フィルム。
[7] 前記第2ドメインが、膜厚方向に密度分布をもつことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[8] ヘイズが15%以上であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[9] 前記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[10] ポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃、且つ延伸倍率1〜300%で延伸する工程を含む[1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法(但し、Tgはフィルムのガラス転移温度(単位:℃)であり、Tcはフィルムの結晶化温度(単位:℃)である)。
[11] 前記延伸時に前記フィルムにかける延伸方向への延伸最大応力を10MPa〜60MPaに制御することを特徴とする[10]に記載の光学フィルムの製造方法。
[12] 前記延伸時に、フィルムの表面温度と裏面温度との温度差を0.1度以上に制御することを特徴とする[10]または[11]に記載の光学フィルムの製造方法。
[13] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚有することを特徴とする偏光板。
[14] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは[13]に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする画像表示装置。
また、本発明の製造方法によれば、本発明の光学フィルムを簡易に製造することができる。
本発明は、ポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、前記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均配向方向が前記第2ドメインの長軸の平均方向とは異なることを特徴とする光学フィルムである。
本発明において、フィルムのX線回折測定は、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、自動X線回折装置(RINT 2000:(株)リガク製)、および汎用型イメージングプレート読み取り装置(R−AXIS DS3C/3CL)を用いて、フィルムを透過したビームの回折写真から求めることができる(Cu Kα線 50kV 200mA 10分)。
通常は延伸方向、つまり、ポリマー主鎖の方向とほぼ平行に前記第2ドメインの長軸の平均方向が向くが、本願では全く異なる方向を向く。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、これはある一定の温度範囲で延伸することにより、製膜過程でポリマー中に生成した結晶部と非結晶部とが引き裂かれることに起因すると考えられる。すなわち、適切な延伸温度で延伸が実施されると、非結晶部のみが引き裂かれたようになり、さらに延伸倍率が一定以上になると、ポリマー間に空隙が亀裂状にできるため延伸方向とは異なる方向に長軸をもつためと推定される。
本発明において、前記第2ドメインは第1ドメイン内部に配置されているが、その他の気泡の配置は本発明の趣旨に反しない限り特に制限はなく、例えばフィルム表面近傍に存在する気泡がフィルム表面まで貫通している気孔の形状を有していてもよい。また、前記第2ドメインは、本発明の趣旨に反しない限り、前記第2ドメインの一部に気体以外の他の成分を含んでいてもよく、例えば第1ドメインに用いられるポリマーと異なる組成のポリマーが含まれていたり、水や有機溶媒などが充填されていてもよい。前記第2ドメインは、気泡中に気体が充填されていることが屈折率を本発明の好ましい範囲に調節する観点から好ましく、空気が充填されていることがより好ましい。なお、特に固体成分が前記第2ドメインに含まれている場合は、第2ドメイン中に、製膜時の揮散物やその他の粉末等が微量に固着している態様も含む。
本発明における形状異方性とは、外形形態が異方性を有していることをいう。このような異方性を持つ気泡は、楕円体や棒状体のように、外形に長い方向を持ち、その方向の長さを本願では第2ドメインの長軸という。その外形には多少の凹凸を有していてもよい。
本明細書中、前記第2ドメインの長軸は、その平均方向に特に制限はないが、フィルム面に対して水平方向に前記第2ドメインの長軸平均方向が存在することが好ましい。
前記第2ドメインの長軸平均方向および長軸平均長は、任意の方向におけるフィルム断面を、例えば電子顕微鏡で観察することにより決定することができる。また、前記第2ドメインの長軸がフィルム面に水平方向に存在する場合は、第2ドメインの長軸の平均方向および長軸平均長は以下の方法によって決めることができ、本発明ではこの方法を用いる。前記測定により決定したフィルムのポリマー分子主鎖の平均方向を0°とし、フィルム面内において0°方向から180°方向まで5°おきに、フィルム面に対して垂直に切断した。例えば、ある長方形の形状のフィルムを観測する場合において、ポリマー分子主鎖の平均方向を表す0°方向がフィルム長手方向であれば、90°方向はフィルム幅方向となり、180°方向はポリマー分子主鎖の平均方向に再度一致するフィルム長手方向となる。その各断面(本発明では37枚のフィルム断面)を、例えば電子顕微鏡で観察し、それぞれの断面において任意に第2ドメイン100個を選択し、それらの第2ドメイン100個の長軸の長さを測定し、平均値をそれぞれ求めた。前記37枚のフィルム断面において、最も前述の第2ドメイン100個の長軸の長さ(該断面における第2ドメインの横幅)の平均が長かった断面を決定し、その断面を切断した角度を、本明細書中における第2ドメインの長軸の平均方向とした。また、そのときの角度における第2ドメイン100個の長軸の長さの平均を、本明細書中における第2ドメインの長軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインの長軸平均長を「第2ドメインの長軸の平均長a」とも言う。
次に、第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長を以下の方法で求めることができる。前記37枚のフィルム断面を切断した角度のうちの長軸の平均方向を決めた角度から、フィルム面内方向に90°ずらした角度のフィルム断面中から任意に第2ドメイン100個を選択し、それら第2ドメイン100個の該断面におけるフィルム面内方向に平行な軸の長さ(該断面における第2ドメインの横幅)を測定し、平均値を求めた。これを、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長を「第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長b」とも言う。
一方、第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長は以下の方法で求めることができる。膜厚方向の短軸平均長は、前記第2ドメインの長軸の平均方向を決めた角度におけるフィルム断面において、任意の第2ドメイン100個を選択し、それら第2ドメイン100個の該断面における膜厚方向に平行な軸の長さ(該断面における第2ドメインの縦方向の長さ)を測定し、平均値を求めた。これを、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長とした。以下、本明細書中において、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長を「第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長c」とも言う。
なお、各ドメインの屈折率は、例えばエリプソメーター(M220;日本分光(株)製)によって測定することができる。
なお、ドメインのサイズとは、球相当直径をいうものとする。ドメインのサイズを球相当径として半径rを決定して体積を求めた。球相当直径は、異方性形状である第2ドメイン(気泡)の体積をVとしたとき、以下の式1で求められる。また、ドメインのサイズは、電子顕微鏡によって測定することができる。
式1
球相当直径 = 2×(3×V/(4×π))(1/3)
ここで、第2ドメイン(気泡)の体積Vは、前記で求めた前記第2ドメインの長軸平均長a、前記第2ドメインの面内方向の短軸平均長b、前記第2ドメインの膜厚方向の短軸平均長cを用い、前記第2ドメインを楕円体と仮定して、V=4/3×π×(a/2×b/2×c/2)より求めた。
なお、体積分率とは、全体積に対する第2ドメインが占める体積であり、例えば、上記通りに測定した各ドメインのサイズに基づいて算出することができる。
前記体積分率は、フィルム断面の電子顕微鏡写真における第2ドメイン面積とフィルム断面積から求めることができる。本発明においては、前記体積分率を前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定した角度における膜厚方向のフィルム断面(フィルム面に垂直方向に切断した断面)における、前記第2ドメインの面積分率100点の平均値として求めた。
本発明のフィルムは、前記第2ドメインが膜厚方向に密度分布を有することが好ましい。前記第2ドメインを膜厚方向に密度分布をもたすことで、散乱から次の散乱までの距離を短くすることが可能であり、また、散乱量を徐々に変化させることが可能であるため、散乱指向性がより前方方向を向くこととなる。そのため均一な分布での散乱よりも、同一ヘイズ時の全光透過率を高くすることが可能となる。また、第2ドメインの膜厚方向の高密度部を設ける事で、フィルム全体としての脆性抑制にもより効果がある。
上記を考慮すると、膜厚の半分の厚さ中に全気泡の70%以上が含まれるような第2ドメインの膜厚方向の密度が高い部分が形成されていることが好ましい。第2ドメインの膜厚方向の高密度部は膜厚中の中心にあってもよいし、表面にあってもよい。第2ドメインの膜厚方向の高密度部が表面にある場合は、偏光板加工をより行いやすくするため、偏光板貼合面とは逆側に該第2ドメインの膜厚方向の高密度部を配置する方がよい。第2ドメインの密度分布値は、70%以上であることが好ましく、75%以上あることがより好ましく、80%以上あることが特に好ましい。上記の第2ドメインの密度分布値は、以下の方法により測定することができる。
密度分布値とは、第2ドメインの密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分を選んだとき、該膜厚の半分の厚さの部分に占める第2ドメインの体積割合のことである。これは前記同様に、例えば、前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定した角度における膜厚方向のフィルム断面(フィルム面に垂直方向に切断した断面)の電子顕微鏡写真から判断できる。
前記第1ドメインは、ポリマー組成物からなる。利用するポリマーについて制限はないが、可視光に対して光透過性の高いポリマーから選択するのが好ましい。また気泡からなる第2のドメインの屈折率が1.00程度であることと、好ましい体積分率とを考慮すると、前記好ましい範囲の屈折率差とするためには、第1のドメインの屈折率n1は、1.1以上であるのが好ましく、1.2以上であるのが好ましく、1.3以上であるのがより好ましい。これらの特性を満足するポリマーの例には、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が含まれる。但し、これらに限定されるものではない。貼り合せる偏光膜が、通常、ポリビニルアルコール膜であることを考慮すると、これと親和性があり、接着性が良好な、セルロースアシレート、ポリビニルアルコールを主成分のポリマーとして含有することが好ましく、経時安定性の観点からセルロースアシレートが好ましい。ここで、「主成分としてのポリマー」とは、フィルムが単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを意味し、複数のポリマーからなる場合には、構成するポリマーのうち最も質量分率の高いポリマーのことを意味する。
セルロースアシレートフィルムの原料のセルロースとしては、綿花リンター、ケナフ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等があり、何れの原料セルロースから得られるセルロースエステルでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。
セルロースアシレートは、セルロースと複数のカルボン酸とのエステルであってもよい。すなわち、セルロースアシレートは、複数のアシル基で置換されていてもよい。
本発明のフィルムである、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムに求めるヘイズにより、適宜、SA+SBを調整することとなるが、好ましくは2.70<SA+SB≦3.00、より好ましくは2.80≦SA+SB≦3.00であり、さらに好ましくは2.85≦SA+SB≦2.98である。SA+SBを大きくすることによりヘイズを高くしやすい傾向がある。
また、SBを調整することによっても、本発明の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルムのヘイズを調整することができる。SBを大きくすることにより、ヘイズを高くしやすい傾向があると同時に、フィルムの弾性率や融点が下がる。フィルムのヘイズとその他の物性とのバランスを考慮すると、SBの範囲は、好ましくは0≦SB≦2.9、より好ましくは0.5≦SB≦2.5であり、さらに好ましくは1≦SB≦2.0である。なお、セルロースの水酸基がすべて置換されているとき、上記の置換度は3となる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、微量の有機材料、無機材料及びそれらの混合物からなる粒子を分散含有していてもよい。これらの粒子は、製膜時におけるフィルムの搬送性向上を目的として添加される。この目的を達成し、本発明の効果を損なわないためには、粒子の粒径は5〜3000nmであるのが好ましく、屈折率は本発明のポリマーフィルムの屈折率との差が0〜0.5であるのが好ましく、添加量は1質量%以下であるのが好ましい。例えば、無機材料の粒子の例には、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粒子が含まれる。有機材料の粒子の例には、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が含まれる。
(延伸工程)
本発明の光学フィルムの一実施形態は、気泡を分散含有するポリマーフィルムである。この実施形態の光学フィルムの製造方法の一例は、以下の通りである。以下の方法によれば、煩雑な操作や特別な装置等が不要であり、簡易に本発明の光学フィルムを製造することができる。すなわち本発明の光学フィルムの製造方法は、ポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃(Tgはフィルムのガラス転移温度、Tcはフィルムの結晶化温度)、且つ延伸倍率1〜300%で延伸する工程を含む。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
[式中、Mは、延伸ゾーンに挿入される直前のポリマーフィルムの質量、Nは、延伸ゾーンに挿入される直前のポリマーフィルムを110℃で3時間乾燥させたときの質量を表す]
延伸温度が好ましい温度範囲であっても、ヘイズを十分に上昇させる程度に延伸すると、フィルムの脆性が低下する傾向にある。さらに一方で、前記温度よりも高温で延伸するとヘイズが上昇しないが、フィルムの脆性は改良される傾向にある。したがって、延伸時のフィルム温度に表裏差をつけることにより、前記第2ドメインの膜厚方向の密度分布を調整することが出来、ヘイズと脆性改善とを両立することが可能となる。具体的には、例えば、膜厚方向の前記第2ドメインの膜厚方向の高密度部をフィルム表面側に形成したい場合、フィルム表面温度をフィルム裏面温度よりも0.1℃以上低くすることで達成できる。膜厚方向の前記第2ドメインの膜厚方向の高密度部をフィルム裏面側に形成したい場合、フィルム裏面温度をフィルム表面温度よりも0.1℃以上低くすることで達成できる。
フィルムの表面温度と裏面温度との温度差を0.1℃以上に制御することが好ましく、0.5〜30℃に制御することがより好ましく、1〜10℃に制御することがさらに好ましく、温度差は、前記延伸温度よりも高い温度で与えられることが好ましい。フィルムの表面温度と裏面温度との温度差は、例えば、加熱のためにフィルムに吹き付ける熱風温度を表裏で変化させたり、表裏の熱風の風量を変化させたり、冷却もしくは加熱ロールにフィルムを接触させたりして実施してもよい。
また本発明の製造方法では延伸前に気泡などを発生させる必要がないため、気泡を含むフィルムを製造する際に特に工程数を増やす必要がなく、製造コストも低下させることができる。
本発明において、前記延伸工程でヘイズを発現させたフィルムには、さらにヘイズを後調整する工程を適用させることもできる。例えば、得られたフィルムに熱や圧力を加えることで、ヘイズを低下させる方向にさらに調整することができ、延伸を繰り返したりフィルムにせん断をかけたりすることで、ヘイズを上昇させる方向にさらに調整することができる。ヘイズを低下させる具体的な方法としては、例えば、熱風や赤外線ヒーター等の加熱装置を用いて、フィルムに前記延伸温度以上の熱を加えることや、ニップロール等の加圧装置を用いて、フィルムに圧力を加えることや、それらを組み合わせることが挙げられる。また、ヘイズを上昇させる具体的な方法としては、例えば、前述の延伸工程を繰り返し実施することや、周速の異なるニップロール間にフィルムを挟んでせん断を加えることが挙げられる。
本発明の光学フィルムの製造方法では、前記延伸時の延伸速度が、1〜300%/分であることが均一なドメインサイズを形成する観点から好ましく、3〜100%/分であることがより好ましく、5〜50%/分であることが特に好ましい。
本発明の光学フィルムは、偏光膜(偏光子)に貼合されて、画像表示装置等、種々の用途に用いてもよい。偏光膜と貼合する前に、前記光学フィルムの貼合面を、表面処理してもよい。表面処理によって、偏光膜との接着性が改善される。表面処理の例には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理(鹸化処理)及び紫外線照射処理等が含まれる。前記光学フィルムの第1ドメインの主成分がセルロースアシレートである場合は、鹸化処理を施すことが特に好ましい。
まず、以下の実施例において測定した種々の特性の測定法及び評価法を以下に示す。
1.ガラス転移温度(Tg)
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで、20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。その後、再度、30℃から250℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、その際に測定されるサンプルのサーモグラムと2本のベースラインの中線との交点の温度を、フィルムのガラス転移温度とした。
DSC測定装置(DSC8230:(株)リガク製)を用い、DSCのアルミニウム製測定パン(Cat.No.8578:(株)リガク製)に、熱処理前のポリマーフィルムのサンプルを5〜6mg入れる。これを50mL/分の窒素気流中で、25℃から120℃まで20℃/分の昇温速度で昇温して15分保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却する。さらに、再度、30℃から320℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、この際に現れた発熱ピークの開始温度をフィルムの結晶化温度とした。
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
フィルムの幅方向5点(フィルムの中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)、及び中央部と端部の中間部2点)とを長手方向に100mごとにサンプリングし、5cm□の大きさのサンプルを取り出す。このサンプルを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)を用いて各サンプルのヘイズを測定し、その平均値をフィルムのヘイズとした。
全光透過率及び平行透過率についても、同様にサンプリングし、各サンプルについてそれらを測定し、その平均値をフィルムの全光透過率及び平行透過率とした。
セルロース(広葉樹パルプ)150g、酢酸75gを、反応容器である還流装置を付けた5Lセパラブルフラスコに取り、60℃に調節したオイルバスにて加熱しながら、2時間激しく攪拌した。このような前処理を行ったセルロースは膨潤、解砕されて、フラッフ状を呈した。反応容器を2℃の氷水浴に30分間置き冷却した。
別途、アシル化剤としてプロピオン酸無水物1545g、硫酸10.5gの混合物を作製し、−30℃に冷却した後に、上記の前処理を行ったセルロースを収容する反応容器に一度に加えた。30分経過後、外設温度を徐々に上昇させ、アシル化剤の添加から2時間経過後に内温が25℃になるように調節した。反応容器を5℃の氷水浴にて冷却し、アシル化剤の添加から0.5時間後に内温が10℃、2時間後に内温が23℃になるように調節し、内温を23℃に保ってさらに3時間攪拌した。反応容器を5℃の氷水浴にて冷却し、5℃に冷却した25質量%含水酢酸120gを1時間かけて添加した。内温を40℃に上昇させ、1.5時間攪拌した。次いで反応容器に、50質量%含水酢酸に酢酸マグネシウム4水和物を硫酸の2倍モル溶解した溶液を添加し、30分間攪拌した。25質量%含水酢酸1L、33質量%含水酢酸500mL、50質量%含水酢酸1L、水1Lをこの順に加え、セルロースアセテートプロピオネートを沈殿させた。得られたセルロースアセテートプロピオネートの沈殿は温水にて洗浄を行った。このときの洗浄条件を変化させることで、残硫酸根量を変化させたセルロースアセテートプロピオネートを得ることができる。硫酸根の含有量は、ASTM D−817−96により測定できる。洗浄後、20℃の0.005質量%水酸化カルシウム水溶液中で0.5時間攪拌し、洗浄液のpHが7になるまで、さらに水で洗浄を行った後、70℃で真空乾燥させた。
1H−NMR及び、GPC測定によって、得られたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル置換度、プロピオニル置換度、及び重合度を測定した。
下記実施例で使用したセルロースアシレートCについては、この方法と同様の方法により製造した。また、下記実施例で使用したセルロースアシレートA及びBについては、上述の従来の方法を参照して製造した。
下記表に示す通り、以下のセルロースアシレートAまたはBを表中に記載の割合で添加し、溶媒A及びBのいずれかに溶解し、ならびに添加剤A〜Cのいずれかを選択して添加し、セルロースアシレートのドープをそれぞれ調製した。調製法の詳細も、以下に示す。
なお、各セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、表1記載の量[質量部]を使用した。
・セルロースアシレートA(セルロースアセテート):
置換度が2.94のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.94であった。
・セルロースアシレートB(セルロースアセテート):
置換度が2.86のセルロースアセテートの粉体を用いた。セルロースアシレートBの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子サイズは1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
下記の溶媒Aを使用した。これらの溶媒の含水率は0.2質量%以下であった。
・溶媒A:
ジクロロメタン/メタノール=87/13(質量比)
下記の添加剤AまたはBの中から表1に記載されるものを選択し、表1記載のセルロースアシレート量に対して下記括弧内の添加量[質量%]を使用した。
・添加剤A:
トリフェニルホスフェート(8.0質量%)
ビフェニルジフェニルホスフェート(4.0質量%)
・添加剤B:
エタンジオール/アジピン酸(1/1モル比)との縮合物(数平均分子量1000)(12.0質量%)
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記溶媒及び添加剤を投入して撹拌、分散させながら、セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸及び中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、セルロースアシレート溶液を得た。
得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。
セルロースアシレート溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースアシレートフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムのヘイズを前述の方法により測定し、その結果を下記表1に記載した。
得られたセルロースアシレートを、表1に示す延伸条件で、以下の記載の通り延伸した。なお、フィルムの延伸倍率は、フィルムの搬送方向と直交する方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を延伸工程前後で計測し、下記式から求めた。
フィルムの延伸倍率(%)=100×(延伸後の標線の間隔−延伸前の標線の間隔)/延伸前の標線の間隔
また、各例において、延伸後のフィルム幅の減少率は、10〜25%程度であった。
特開2001−172403号公報の実施例1、フィルム3と同様にセルロースアシレートフィルムを作製し、比較例3用のフィルムとして用いた。なお、表1中、比較例3のフィルムの第2ドメインの欄には、該フィルムに含まれる微粒子を第2ドメインとして扱った結果を記載した。
特開2001−4813号公報の実施例と同様に、セルロースアシレートを用いて、気泡を発生させて延伸したフィルムを作製し、ポリマー主鎖方向と気泡の長軸の平均方向の角度がほぼ平行となる以外は、実施例1とほぼ同等の性能をもった比較例4用のフィルムとして用いた。
得られた各セルロースアシレートフィルムのヘイズ、全光線透過率、平行透過率、各ドメインの屈折率の評価を行った。結果を下記表1に示す。
まず、各実施例のフィルムについて、ポリマー主鎖の分子配向方向を前述の方法に基づきX線回折測定により、測定して決定した。
次に、各実施例のフィルムをフィルム面に対して垂直に膜厚方向に切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(S−4300、(株)日立製作所製)で撮影した。前述の方法に基づき前記第2ドメインの長軸の平均方向を決定し、第2ドメインの長軸平均長aを測定した。その後、同様に前述の方法に基づき第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長bおよび第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長cを測定により求めた。
第2ドメインの長軸平均長/第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長、第2ドメインの長軸平均長/第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長、球相当直径を上述の方法で計算により求めた。また、体積分率、気泡の膜厚方向の密度分布を前述の方法により測定した。得られた結果を下記表1に記載した。なお、各実施例において、ポリマー主鎖の分子配向方向は、延伸方向とほぼ平行な方向であり、面内方向であることがわかった。また、前記第2ドメインの長軸の平均方向はポリマー主鎖の分子配向方向とほぼ垂直な方向(フィルム面内において約90°の方向)、すなわち、延伸方向とほぼ垂直な方向であることがわかった。
膜厚方向の密度分布値はフィルム面に垂直な方向のフィルム断面を走査型電子顕微鏡で撮影した際に、第2ドメインとして密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分を選んだとき、該膜厚の半分の膜厚に占める第2ドメインの割合とした。本実施例では、フィルムの表面側の膜厚半分の範囲(すなわち、フィルムの上側の半分であり、延伸時に付けた裏表温度さが低温である側)が第2ドメインの密度が最も高くなるような膜厚の半分の厚さの部分であったため、該部分における密度分布値を測定した。
実施例1と比較例4で作製したそれぞれのフィルムを80℃中に48時間置き、その後フィルムの断面を走査型電子顕微鏡で撮影した。それと常温においていたものとのフィルム断面を比較した。
その結果、実施例1のフィルムは、ポリマー主鎖と長軸の平均方向の角度、長軸の平均長さと面内方向の短軸の平均長さの比、密度分布、サイズ、ヘイズはほぼ同等だった。
それに対し、比較例4のフィルムは、長軸の平均長さと面内方向の短軸の平均長さの比が大きく変化し、サイズが小さくなっていた。また、ヘイズが低下していた。
上記作製したフィルムの表面をそれぞれアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各フィルムと、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、各フィルムとTD80ULが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板をそれぞれ作製した。
上記作製した各偏光板を用いて、液晶表示装置をそれぞれ作製した。具体的には、液晶セルとして、VAモード液晶セルを用い、バックライト側の偏光板を剥がし、上記作製した偏光板を、拡散性保護フィルムの表面がバックライト側になるように粘着剤で貼合して、液晶表示装置を作製した。
輝度分布変化率(均一性)は、BM−5を画面横方向(CCFLと垂直方向)にスキャンし、横方向(CCFLと垂直方向)に対する輝度プロファイルを測定した。それらの値に各背景輝度で割った値、つまり変化率を求めた。変化率は人間の目の明るさに対する弁別閾(JND)と対応し、一般に10%を超えると明るさが変化していると認識し、それ以下では認識しないといわれているため、10%を超えないことを評価基準とした。
正面白輝度は、これまで販売されてきたVAモード液晶TVの正面白輝度が350〜600[cd/m2]であるため、350[cd/m2]以上であることを評価基準とした。
結果を下記表に示す。
Claims (14)
- ポリマー組成物からなる第1ドメインと、該第1ドメイン内部に配置された第2ドメインとを含む光学フィルムであって、
前記第2ドメインが形状異方性を有する気泡であり、
前記第1ドメイン中のポリマーの分子主鎖の平均配向方向と前記第2ドメインの長軸の平均方向とが異なる光学フィルム。 - 前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム面内方向の短軸平均長に対する比が1.1〜30であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記第2ドメインの長軸平均長の、前記第2ドメインのフィルム膜厚方向の短軸平均長に対する比が30〜300であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 前記第1ドメインの屈折率n1が前記第2ドメインの屈折率n2よりも0.01〜1.00大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の光学フィルム。
- 前記第2ドメインの球相当直径が0.02μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記第2ドメインの体積分率が、20〜70%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の光学フィルム。
- 前記第2ドメインが、膜厚方向に密度分布をもつことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- ヘイズが15%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記ポリマー組成物が、セルロースアシレート系ポリマーを主成分として含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- ポリマー組成物からなり、ヘイズが1%以下のフィルムを、延伸温度(Tg−20)〜Tc℃、且つ延伸倍率1〜300%で延伸する工程を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法(但し、Tgはフィルムのガラス転移温度(単位:℃)であり、Tcはフィルムの結晶化温度(単位:℃)である)。
- 前記延伸時に前記フィルムにかける延伸方向への延伸最大応力を10MPa〜60MPaに制御することを特徴とする請求項10に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記延伸時に、フィルムの表面温度と裏面温度との温度差を0.1度以上に制御することを特徴とする請求項10または11に記載の光学フィルムの製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚有することを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルムまたは請求項13に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする画像表示装置。
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