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JP2009248154A - 重ねレーザ溶接装置、および重ねレーザ溶接方法 - Google Patents

重ねレーザ溶接装置、および重ねレーザ溶接方法 Download PDF

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JP2009248154A JP2008100590A JP2008100590A JP2009248154A JP 2009248154 A JP2009248154 A JP 2009248154A JP 2008100590 A JP2008100590 A JP 2008100590A JP 2008100590 A JP2008100590 A JP 2008100590A JP 2009248154 A JP2009248154 A JP 2009248154A
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Hideki Tejima
秀樹 手嶋
Yoshinori Shibata
義範 柴田
Kenji Osanawa
憲嗣 長縄
Masashi Furukawa
雅志 古川
Koji Taniguchi
幸司 谷口
Katsuo Naito
克大 内藤
Hideo Miyata
英雄 宮田
Koji Koyake
浩司 小宅
Yoshimune Ishikawa
善統 石川
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】簡単な構成で、被溶接部材が傾いている場合であっても、加圧する部分を確実にその傾きに倣わせて被溶接部材を密着させてレーザビームにより接合する。
【解決手段】本発明の重ねレーザ溶接装置は、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2を加圧して互いに密着させ、レーザビームLBを溶接箇所に照射するもので、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2に対して移動可能に設けられており内部にレーザビームLBが案内されるノズル1と、このノズル1の先端に保持された球状部材2とを備え、ノズル1の先端内側には、球状部材2を摺動可能に保持するための球状部材保持部10が形成されており、球状部材2は、ノズル1内に案内されたレーザビームLBを透過させるレーザビーム透過部20と、その先端開口周囲にわずかに突出するよう形成されて、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2に当接され加圧する加圧部21とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、重ねレーザ溶接装置、および重ねレーザ溶接方法に関し、特に、重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させ、レーザビームを溶接箇所に照射する重ねレーザ溶接装置、および、重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させた状態でレーザビームを溶接箇所に照射して、前記重ね合わせた複数の被溶接部材を重ね溶接する重ねレーザ溶接方法に関するものである。
重ねレーザ溶接される被溶接部材として、例えば半導体を構成する基板上に実装されたパッドとリボンとを重ね溶接する場合、これらのパッドとリボンの間に隙間が生じていると、重ね溶接した両者の間で所定の剥離強度を得ることができない。そのため、一般に図4に示すように、ノズル100の先端面101を重ね合わせたパッドW1とリボンW2に対して加圧して(図4の矢印を参照)両者W1,W2を密着させて隙間をなくした状態とし、ノズル100内に案内されたレーザビームLBを照射して接合している。
ところで、パッドW1が実装される基板W3においては、セラミックにより成形されたものがあり、その成形時に歪が生じており、基板W3を設置するベースとなるハウジングHのH1面に対して基板W3の表面W3bが傾斜していることがある(以下、この傾斜を基板傾きJという)。この基板傾きJは、基板W3の誤差として例えば最大1°まで許容されている。また、基板W3に実装されるパッドW1においては、ハンダSが均一に介装されておらず、基板W3の表面W3bに対してパッドW1が傾斜している場合がある(以下、この傾斜をハンダ傾きKという)。このパッドW1のハンダ傾きKは、誤差として例えば最大3°まで許容されている。したがって、基板傾きJとハンダ傾きKが同じ方向である場合には、リボンW2を接合するパッドW1の表面が最大で4°傾斜していることになる。さらにまた、これらの傾きJ,K以外にも、被溶接部材W1,W2に凹凸が生じていることもある。
ここで、図6は、ノズル100の先端面101で加圧したときのパッドW1とリボンW2の間の圧力(図6の矢印を参照)を調べるために、パッドW1とリボンW2の間に感圧紙102を介装した状態を示した図である。また、図7は、図6に示したようにノズル100の先端面101で加圧したときの感圧紙102の圧痕PM’を示したものである。
上述したように傾きJ,Kや凹凸が生じている状態で、パッドW1の表面にリボンW2を重ね合わせてノズル100の先端面101により加圧すると、図7に示すように従来のノズル100の加圧による圧痕PM’は、ノズル100の先端面101の形状の一部分しか現れないことから、パッドW1の表面にリボンW2が均一な力で加圧されておらず、パッドW1とリボンW2の間に部分的に隙間M(図4)が生じている。
図5は、被溶接部材W1,W2間に隙間Mが生じていない場合(0mm)と、隙間Mが0.02mmで生じている場合と、隙間が0.04mmで生じている場合とにおける重ね溶接の剥離強度をそれぞれ示したものである。この図5に示した例では、被溶接部材W1,W2間の隙間が0.02mm以上生じると、剥離する方向に対する溶接強度がない(ゼロN)、すなわち、被溶接部材W1,W2が互いに重ね溶接されないこととなる。
このような傾きJ,Kや凹凸が生じている被溶接部材W1,W2を均一な力で加圧するための従来の技術としては、特許文献1が知られている。特許文献1には、レーザ発振器から出力されたレーザ光を集光して照射し、ワークの切断や溶接等の加工を行なうレーザ加工光学系を形成し、このレーザ加工光学系をレーザ加工ヘッドに備えたレーザ加工装置において、上記レーザ加工ヘッドはレーザ発振器からのレーザ光が案内される固定ユニットと、この固定ユニットに設けられ、上記レーザ光を集光させる集光光学系を内蔵した可動ユニットと、上記固定ユニットと可動ユニットの間に設けられ、可動ユニットを弾力的に保持する弾性保持手段とを備え、上記可動ユニットは弾性保持手段によりワーク加工面の凹凸に追従する接触式ワーク倣い機構を構成し、このワーク倣い機構により集光光学系からワーク加工位置までの距離を常時略一定に保持したことを特徴とするレーザ加工装置が開示されている。そして、特許文献1には、このレーザ加工装置において、前記接触式ワーク倣い機構は、可動ユニットに備えられ、レーザ光を集光させる集光光学系を内蔵した光学トーチと、この光学トーチの先端部に設けられた接触式加工面倣いノズル手段とを有し、上記接触式加工面倣いノズル手段は、弾性保持手段によりワーク加工面を押圧し、ワーク加工面の凹凸に追従可能に構成し、さらに、接触式加工面倣いノズル手段は、光学トーチの先端部に球面軸受によりレーザ光光軸に対し傾斜可能に保持され、ワーク加工面の凹凸に追従可能に構成したものなどが開示されている。
また、特許文献1には、レーザ発振器から出力されたレーザ光をレーザ加工ヘッドに案内し、案内されたレーザ光をレーザ加工ヘッド内のレーザ加工光学系を通して被加工物、試料等のワークに照射し、ワークをレーザ光により切断したりあるいは溶接するレーザ加工を施す際、レーザ加工ユニットの接触式ワーク倣い機構を弾性保持手段でワークに押圧接触させつつ、上記可動ユニットに備えた接触式加工面倣いノズル手段をワークにワーク加工方向に沿って倣わせ、しかも、可動ユニットに内蔵された集光光学系からワーク加工位置までの距離を常に略一定に保持してレーザ加工を行なうことを特徴とするレーザ加工方法も開示されている。
特開2000−61669号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたレーザ加工装置にあっては、その図1に参照されるように、レーザ加工ノズルの基端部が球面軸受けにより接触式加工面倣いノズル手段に保持された構造であるため、ワークの加工面の傾きなどに倣ってレーザ加工ノズルの先端が大きく俯仰されると、下部ユニット内を案内されるレーザビームがレーザ加工ノズルの内面に照射されて、ワークの加工面に到達せず加工を行うことができないばかりでなく、レーザ加工ノズルが損傷したり、レーザ加工ノズルがワークに溶着されるなどの問題があった。また、特許文献1にあっては、レーザ加工ノズルの前方及び後方に接触式倣いローラ手段が設けられており、レーザ加工ノズルの先端面がワークの加工面から離れているために、加工面の傾きに対して正確にレーザ加工ノズルを俯仰させることができず、また、レーザビームを照射する部分を正確に加圧して互いに密着させることができず隙間が生じるという問題や、レーザ加工ノズルの先端周囲が複雑で大型化し設置面積を必要とするため、重ね溶接を行う加工面が比較的小さい場合には適用することができないという問題があった。
なお、特許文献1には、「 また、接触式加工面倣いノズル手段35は下部ユニット13の光学トーチ22に球面軸受41を介して旋回かつ俯仰自在に支持されており、レーザ加工ノズル40はワークWの加工面の傾斜に対し、常に垂直にサポートされる。このとき、レーザ光の光軸は、ワークWに対して角度変化分だけ変化することになる。」などと記載されているが(0068)、光学トーチに設けられた集光レンズ38で集光されたレーザ光Lの光軸が、ワークの加工面の傾斜に応じて球面軸受41により俯仰されるレーザ加工ノズル40の角度変化分だけ変化することになるような具体的な構成は開示されていない。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、ノズルの加圧方向に対して被溶接部材が傾いている場合であっても、加圧する部分を確実にその傾きに倣わせて被溶接部材を密着させることができ、しかも、加圧する部分が熱によって被溶接部材に溶着したり変形することなく、また、品質が良好な重ね溶接を行うことができるよう構成された重ねレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、ノズルの加圧方向に対して被溶接部材が傾いている場合であっても、加圧する部分を確実にその傾きに倣わせて被溶接部材を密着させることができ、もって、確実に重ね溶接を行うことができる重ねレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
請求項1の重ねレーザ溶接装置に係る発明は、上記目的を達成するため、重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させ、レーザビームを溶接箇所に照射する重ねレーザ溶接装置であって、先端内側に球状部材保持部が形成されており、内部にレーザビームが案内されるノズルと、該ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持された球状部材とを備え、該球状部材は、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有していることを特徴とするものである。
請求項2の重ねレーザ溶接装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、前記球状部材が、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金であることを特徴とするものである。
また、請求項3の重ねレーザ溶接方法に係る発明は、上記目的を達成するため、重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させた状態でレーザビームを溶接箇所に照射して、前記重ね合わせた複数の被溶接部材を重ね溶接する重ねレーザ溶接方法であって、内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成するとともに、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を、前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持することにより、傾き倣い機構を構成し、前記複数の各被溶接部材の溶接箇所を重ね合わせ、前記ノズルを軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材の加圧部を前記重ね合わせた複数の被溶接部材に当接させて加圧し、前記ノズル内に案内されたレーザビームを、前記レーザビーム透過部を介して溶接箇所に照射し、重ね溶接することを特徴とするものである。
請求項1のレーザ溶接装置に係る発明によれば、先端内側に球状部材保持部が形成されており、内部にレーザビームが案内されるノズルと、該ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持された球状部材とを備え、該球状部材は、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有していることにより、重ね合わせた複数の被溶接部材を確実に加圧して互いに密着させ、レーザビームにより溶接箇所を確実に重ね溶接することができる。
請求項2のレーザ溶接装置に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記球状部材を、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金で構成することにより、球状部材が熱によって被溶接部材に溶着したり変形することなく、また、良好な溶接強度で重ね溶接することができる。
請求項3の重ねレーザ溶接方法に係る発明によれば、内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成するとともに、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を、前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持して傾き倣い機構を構成することにより、前記重ね合わせた複数の各被溶接部材の溶接箇所を重ね合わせ、前記ノズルを軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材の加圧部を複数の被溶接部材に当接させて加圧し、前記ノズル内に案内されたレーザビームを、前記レーザビーム透過部を介して溶接箇所に照射すると、ノズルの加圧方向に対して被溶接部材が傾いている場合であっても、加圧する部分を確実にその傾きに倣わせて重ね合わされた複数の被溶接部材を密着させることができ、もって、確実に重ね溶接を行うことができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に相当し、(6)項が請求項3に相当する。
(1) 重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させ、レーザビームを溶接箇所に照射する重ねレーザ溶接装置であって、
先端内側に球状部材保持部が形成されており、内部にレーザビームが案内されるノズルと、
該ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持された球状部材とを備え、
該球状部材は、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有していることを特徴とする重ねレーザ溶接装置。
(1)項の発明では、内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成し、ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、このレーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持することにより、重ね合わせた複数の被溶接部材がノズルの軸方向に対して傾いた状態であっても、球状部材の加圧部がその傾きに倣うように摺動するため、重ね合わせた複数の被溶接部材を確実に加圧して互いに密着させ、レーザビームにより溶接箇所を確実に重ね溶接することができる。
(2) 前記球状部材が、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金であることを特徴とする(1)項に記載の重ねレーザ溶接装置。
(2)項に記載の発明では、(1)項に記載の発明において、前記球状部材を、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金とすることにより、レーザビームによる熱で、球状部材が被溶接部材に溶着したり変形することなく、また、良好な溶接強度で重ね溶接することができる。
(3) 前記球状部材保持部に対する球状部材の摺動を規制する規制手段を有することを特徴とする(1)または(2)項に記載の重ねレーザ溶接装置。
(3)項に記載の発明では、(1)または(2)項に記載の発明において、前記球状部材保持部に対する球状部材の摺動を規制する規制手段を有することにより、ノズル内に案内されたレーザビームが球状部材のレーザビーム透過部を確実に透過して被溶接部材の溶接箇所に照射され、被溶接部材の溶接箇所を重ね溶接する。
(4) 前記球状部材保持部と球状部材との間に、直径で0.030〜0.035mmのクリアランスが形成されていることを特徴とする(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の重ねレーザ溶接装置。
(4)項の発明では、(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の発明において、前記球状部材保持部と球状部材との間に、直径で0.030〜0.035mmのクリアランスが形成されていることにより、ノズルの球状部材保持部に対して球状部材が確実且つ適切に摺動することができる。
(5) 前記球状部材保持部の先端開口に対する球状部材の圧入代が、直径で0.05〜0.06mmであることを特徴とする(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の重ねレーザ溶接装置。
(5)項に記載の発明では、(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の発明において、前記球状部材保持部の先端開口に対する球状部材の圧入代が、直径で0.05〜0.06mmであることにより、ノズルの球状部材保持部に対して球状部材を着脱・交換することができる。
(6) 重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させた状態でレーザビームを溶接箇所に照射して、前記重ね合わせた複数の被溶接部材を重ね溶接する重ねレーザ溶接方法であって、
内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成するとともに、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を、前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持することにより、傾き倣い機構を構成し、
前記複数の各被溶接部材の溶接箇所を重ね合わせ、
前記ノズルを軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材の加圧部を前記重ね合わせた複数の被溶接部材に当接させて加圧し、
前記ノズル内に案内されたレーザビームを、前記レーザビーム透過部を介して溶接箇所に照射し、重ね溶接することを特徴とする重ねレーザ溶接方法。
(6)項に記載の発明では、内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成するとともに、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を、前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持して傾き倣い機構を構成することにより、前記複数の各被溶接部材の溶接箇所を重ね合わせ、前記ノズルを軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材の加圧部を重ね合わせた複数の被溶接部材に当接させて加圧し、前記ノズル内に案内されたレーザビームを、前記レーザビーム透過部を介して溶接箇所に照射すると、ノズルの加圧方向に対して重ね合わせた複数の被溶接部材が傾いている場合であっても、加圧する部分を確実にその傾きに倣わせて重ね合わせた複数の被溶接部材を密着させることができ、もって、確実に重ね溶接を行うことができる。
(7) 前記ノズルの球状部材保持部の先端開口に対して球状部材を圧入することを特徴とする(6)項に記載の重ねレーザ溶接方法。
(7)項に記載の発明では、(6)項に記載の発明において、前記ノズルの球状部材保持部の先端開口に対して球状部材を圧入することにより、ノズルの球状部材保持部に対して球状部材を着脱・交換することができる。
最初に、本発明の重ねレーザ溶接装置の実施の一形態を、基板上に実装されたパッドとリボンを重ねスポット溶接する場合により、図1および図2に基づいて詳細に説明する。
本発明の重ねレーザ溶接装置は、概略、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2を加圧して互いに密着させ、レーザビームLBを溶接箇所に照射するものであって、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2に対して少なくとも軸方向に移動可能に設けられており内部にレーザビームLBが案内されるノズル1と、このノズル1の先端に保持された球状部材2とを備えている。ノズル1の先端内側には、球状部材2を摺動可能に保持するための球状部材保持部10が形成されている。球状部材2は、ノズル1内に案内されたレーザビームLBを透過させるレーザビーム透過部20と、このレーザビーム透過部20の先端開口周囲にわずかに突出するよう形成されて重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2に当接され加圧する加圧部21とを有している。そして、球状部材2は、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金により構成されている。さらに、ノズル1の球状部材保持部10に対して球状部材2の摺動を規制する規制手段3を有している。
被溶接部材の一つであるパッドW1は、セラミックからなる基板W3上にハンダ付けされている。基板W3は、パッドW1とリボンW2を重ね溶接する際に、ハウジングH上に位置決め固定される。尚、ハウジングHの上面H1は、ハウジングHの下面H2に対してこの製品の場合には平行に(つまり、ハウジングHの上面H1が溶接テーブル4の上面と平行に)加工されている。したがって、この製品の場合には、基板W3を位置決め固定するハウジングHの上面H1が後述する傾きJ,Kの基準面となる。しかしながら、ハウジングHの上面H1が下面H2に対して平行に加工されていない場合には、ハウジングHを位置決め支持する溶接テーブル4が基準面となる。そして、基板W3は、その成形時の歪などにより、パッドW1をハンダ付けされた上面(表面)W3bが基準面に対して傾斜している基板傾きJが生じている場合がある。この基板傾きJは、誤差として最大で1°まで許容されている。また、基板W3上にハンダ付けされたパッドW1は、ハンダSが基板W3とパッドW1の間に均一に拡がらず、基板W3の表面W3bに対して傾斜しているハンダ傾きKが生じている場合がある。このハンダ傾きKは、誤差として最大で3°まで許容されている。そのため、リボンW2をスポット溶接するパッドW1の表面の基準面に対する傾きは、最大で4°傾斜していることになる。
一方、リボンW2は、例えば薄板帯状の銅の表面に錫をメッキしたもので、先端近傍を屈曲成形することにより、パッドW1とスポット溶接される部分W2aが形成されており、かかる部分W2aがパッドW1の上面とほぼ平行となるよう支持されている。リボンW2は、その表面が錫メッキされていることによりレーザビームLBを吸収し易くなっており、その熱エネルギによってパッドW1と溶け込み接合される。
ノズル1は、重ね合わされた被溶接部材W1,W2の所定の溶接箇所に対して軸方向に移動して加圧することができるよう、例えばロボットのアームにより任意の位置に移動可能に支持されている。ノズル1は、円形状となる中空の略筒状に形成されたもので、レーザ発振装置から出力され所定の焦点に集光されたレーザビームLBが先端に向かって照射されるよう案内される。ノズル1は、例えばアルミナ分散銅などにより構成することができる。また、ノズル1には、必要に応じて不活性ガスあるいは反応性ガス、アシストガス、シールドガスなどを内部に供給し溶接箇所に向かって噴出させることができるよう構成することもできる。レーザ発振装置の種類や出力されるレーザビームLBのモード、発信時間、出力などは、被溶接部材W1,W2の種類や厚さなどに応じて適当に選択されるため、本発明では特に限定されることはない。ノズル1の先端内側には、球状部材保持部10が形成されている。球状部材保持部10の開口部10aの内径は、球状部材2の外径よりもわずかに小さく、所定の圧入代が形成されている。また、この開口部10aから図1の下方の内周側壁30は、後述するように、球状部材2の摺動を規制する規制手段3を構成している。
球状部材2は、ノズル1の球状部材保持部10内で回動するように摺動することができるよう全体が略球状に形成されているが、ノズル1の先端から露出する部分が円筒状にわずかに突出して、その先端面が重ね合わせた被溶接部材W2に当接され加圧する加圧部21を構成している。そして、加圧部21の、中心から反対側に貫通するように孔が穿設されていることによりレーザビーム透過部20が形成されている。なお、レーザビーム透過部20は、レーザビームLBをノズル1内から被溶接部材W1,W2に向かって照射させることができるものであれば、例えば円筒状の透明なガラス部材とするなど、球状部材2に穿設された孔に限定されることはない。レーザビーム透過部20の内径は、後述するように球状部材2がノズル1の球状部材保持部10内で摺動した際にレーザビームLBが干渉しないように、ノズル1内を案内されるレーザビームLBの径や、ノズル1の球状部材保持部10に対する球状部材2の摺動許容範囲などに応じて設定される。円筒状にわずかに突出する加圧部21の外周側壁31は、後述するように、球状部材保持部10の開口部10aから図1の下方の内周側壁30とともに、球状部材2の摺動を規制する規制手段3を構成している。
球状部材保持部10の内径と球状部材2の外径との差(すなわちクリアランス)は、この実施の形態の場合、直径で0.030〜0.035mm程度に設定されている。また球状部材2の表面は、その粗さがRa0.4以下で形成されている。このクリアランスと表面粗さにより、球状部材2は、溶接時の熱による膨張に影響されることなく、加圧部21の外周側壁31が球状部材保持部10の内周側壁30に当接されて規制される範囲で、リボンW2が重ね合わされたパッドW1の傾きに応じて、焼き付を起こすことなく、球状部材保持部10内で全方向に自在に摺動することができる。そのため、パッドW1が基準面に対して傾斜している場合であっても、ノズル1を軸方向(図では鉛直方向)に移動させて加圧する際に、その傾きに倣うように加圧部21が従動する傾き倣い機構が構成されている。
また、球状部材保持部10の開口部10aの内径と球状部材2の外径との差(すなわち圧入代)は、この実施の形態の場合、直径で0.05〜0.06mm程度に設定されている。この圧入代により、球状部材2をノズル1の球状部材保持部10内に組み込み確実に保持させることができ、また、必要に応じて球状部材2をノズル1の球状部材保持部10内から確実に取り出し交換することができる。
ここで、球状部材2を構成する材質について説明する。図2は、球状部材2を各種材料によって成形して実験を行なった場合の、それぞれ被溶接部材との溶着と、変形と、溶接強度との評価を示す図表である。溶接時のレーザビームLBの熱エネルギにより、球状部材2の特に加圧部21が、被溶接部材として錫メッキが施されたリボンW2と溶着したり、加圧により変形することなく、所定の強度で溶接することができた材質は、銅とタングステンの合金の場合だけであることが判明した。そのため、本発明では、球状部材2を、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金により構成することとした。
次に、本発明の重ねレーザ溶接方法の実施の一形態を、上述したように構成された重ねレーザ溶接装置を用いる場合によって、その作動とともに詳細に説明する。なお、上述した重ねレーザ溶接装置の実施の形態と重複する部分や相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明の重ねレーザ溶接方法は、概略、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2を加圧して互いに密着させた状態でレーザビームLBを溶接箇所に照射して、重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2を重ね溶接するものであって、内部にレーザビームLBが案内されるノズル1の先端内側に球状部材保持部10を形成するとともに、ノズル1内に案内されたレーザビームLBを透過させるレーザビーム透過部20と、このレーザビーム透過部20の先端開口周囲に形成されて重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2を加圧する加圧部21とを有する球状部材2を形成して、この球状部材2をノズル1の球状部材保持部10に摺動可能に保持することにより、傾き倣い機構を構成する。そして、複数の各被溶接部材W1,W2の溶接箇所を重ね合わせ、ノズル1を軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材2の加圧部21を重ね合わせた複数の被溶接部材W1,W2に当接させて加圧して各被溶接部材W1,W2の溶接箇所の間の隙間Mを無くした状態で、ノズル1内に案内されたレーザビームLBを、球状部材2のレーザビーム透過部20を介して溶接箇所に照射し、重ね溶接するものである。
基板W3上にハンダ付けされたパッドW1に対してリボンW2をスポット溶接するに際しては、基板W3をハウジングH上に固定し、さらにそのハウジングHを溶接テーブル4上に位置決め固定し、リボンW2のスポット溶接される部分W2aをパッドW1の上面に重ね合わせる。このとき、上述したようにパッドW2の上面は、ハンダ傾きKや基板傾きJなどによって、基準面であるハウジングHの上面H1あるいは溶接テーブル4の上面に対して傾斜している場合がある。
次いで、ロボットのアームを駆動して、ノズル1の軸方向がハウジングHの上面あるいは溶接テーブル4の上面に対して鉛直となり、且つ、溶接箇所と対応するように配置し、ノズル1をハウジングHの上面あるいは溶接テーブル4の上面に対して鉛直方向に移動させて、球状部材2のノズル1先端から突出した加圧部21をリボンW2の溶接箇所に当接させ、溶接テーブル4に載置されたハウジングHと加圧部21との間で基板W3上のパッドW1とリボンW2との溶接箇所の隙間Mを無くするよう、すなわち両者W1,W2を密着させるよう加圧する。このとき、ノズル1の球状部材保持部10に球状部材2を保持させて倣い機構を構成していることにより、パッドW1が基準面であるハウジングHの上面H1あるいは溶接テーブル4の上面に対して傾斜している場合であっても、ノズル1を軸方向に移動させて加圧することにより(図1の矢印を参照)球状部材2がパッドW1の傾斜に応じてノズル1の球状部材保持部10内で摺動することとなる。そのため、図6に示した場合と同様に、パッドW1とリボンW2の間に感圧紙102(図6の符号102を参照)を介装してパッドW1とリボンW2の間の圧力を調べると、図3に示すように、加圧部21の形状のとおりの圧痕PMが感圧紙に現れたことから、溶接箇所の周囲が全周にわたって均等に加圧されていることが証明された。したがって、溶接箇所においてリボンW2がパッドW1の表面に対して密着した状態が保障されている。なお、ロボットの駆動による球状部材2の加圧部21の加圧力は、例えば2kgfとして、パッドW1に対してリボンW2が充分に密着し得る強さに設定することができる。また、ノズル1の基端側をその軸方向に移動可能に支持するとともに、ノズル1が伸張する方向(図1では下降する)への移動を規制し、且つ、ノズル1を伸張させる方向に付勢するばねを設けて、このばねの付勢力によって、例えば2kgfなど、所望の球状部材2の加圧部21の加圧力を得るように構成することもできる。
この状態でレーザビームLBを出力すると、レーザビームLBはノズル1の内部を案内されて球状部材2のレーザビーム透過部20を通ってリボンW2上に照射され、リボンW2とパッドW1の溶接箇所がレーザビームLBの熱エネルギによって溶け込み接合される。このとき、例えば、レーザビームLBの径を、ノズル1内の所定の位置で0.63mm程度とし、リボンW2の表面上で0.60mm程度に集光されるものとすると、ノズル1の内径が1.8mmで、球状部材2のレーザビーム透過部20の内径が1.6mmで形成されている。そして、基準面に対してパッドW1が想定された角度以上に傾斜している場合には、球状部材2の加圧部21の外周側壁31が球状部材保持部10の開口部10aの内周側壁30に当接し、球状部材保持部10に対する球状部材2の回転するような摺動が規制される。そのため、球状部材2が球状部材保持部10内で過度に回転するよう摺動してレーザビーム透過部20がレーザビームLBに干渉することが防止される。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、基板W3上にハンダ付けされたパッドW1とリボンW2を接合する場合以外にも、レーザビームLBによって複数の被溶接部材を重ね溶接するものであれば、適用することができる。
本発明の重ねレーザ溶接装置の実施の一形態を説明するために示した要部断面図である。 球状部材を各種材料によって成形して実験を行なった場合の、それぞれ被溶接部材との溶着と、変形と、溶接強度との評価を示す図表である。 本発明の場合の、パッドとリボンの間に感圧紙を介装して加圧したときの、加圧部の圧痕である。 従来の重ねレーザ溶接装置を説明するために示した要部断面図である。 被溶接部材間の隙間と剥離強度の関係を説明するために示した図表である。 図4に示した従来の重ねレーザ溶接装置において、ノズルによる加圧の状態を調べるために、感圧紙をパッドとリボンの間に介装した状態を説明するために示した要部断面図である。 図4に示した従来の技術の場合の、パッドとリボンの間に感圧紙を介装して加圧したときの、ノズルの先端面の圧痕である。
符号の説明
W1:パッド(被溶接部材)、 W2:リボン(被溶接部材)、 LB:レーザビーム、 1:ノズル、 2:球状部材、 3:規制手段、 10:球状部材保持部、 20:レーザビーム透過部、 21:加圧部

Claims (3)

  1. 重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させ、レーザビームを溶接箇所に照射する重ねレーザ溶接装置であって、
    先端内側に球状部材保持部が形成されており、内部にレーザビームが案内されるノズルと、
    該ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持された球状部材とを備え、
    該球状部材は、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有していることを特徴とする重ねレーザ溶接装置。
  2. 前記球状部材が、20〜40重量%の銅と80〜60重量%のタングステンとの合金であることを特徴とする請求項1に記載の重ねレーザ溶接装置。
  3. 重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧して互いに密着させた状態でレーザビームを溶接箇所に照射して、前記重ね合わせた複数の被溶接部材を重ね溶接する重ねレーザ溶接方法であって、
    内部にレーザビームが案内されるノズルの先端内側に球状部材保持部を形成するとともに、前記ノズル内に案内されたレーザビームを透過させるレーザビーム透過部と、該レーザビーム透過部の先端開口周囲に形成されて前記重ね合わせた複数の被溶接部材を加圧する加圧部とを有する球状部材を、前記ノズルの球状部材保持部に摺動可能に保持することにより、傾き倣い機構を構成し、
    前記複数の各被溶接部材の溶接箇所を重ね合わせ、
    前記ノズルを軸方向に移動させてその先端に保持させた球状部材の加圧部を前記重ね合わせた複数の被溶接部材に当接させて加圧し、
    前記ノズル内に案内されたレーザビームを、前記レーザビーム透過部を介して溶接箇所に照射し、重ね溶接することを特徴とする重ねレーザ溶接方法。
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