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JP2009138898A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

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JP2009138898A
JP2009138898A JP2007318351A JP2007318351A JP2009138898A JP 2009138898 A JP2009138898 A JP 2009138898A JP 2007318351 A JP2007318351 A JP 2007318351A JP 2007318351 A JP2007318351 A JP 2007318351A JP 2009138898 A JP2009138898 A JP 2009138898A
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pinion
oil
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JP2007318351A
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Hiroshi Kume
浩 久米
Mitsuru Ueda
満 上田
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JTEKT Corp
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JTEKT Corp
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Abstract

【課題】車体前部側が上方に持ち上げられた状態においても、車体前部側のピニオン軸受の焼き付きの発生や異常な磨耗を抑制するように改善されたディファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】ディファレンシャルケース1には潤滑油5が流通する送油路14が設けられている。また、送油路14を介して、ディファレンシャルケース1に接続されるとともに、潤滑油5が収容されたオイルタンク13が設けられている。そして、ディファレンシャルケース1が傾斜すると、送油路14を介して、オイルタンク13に収容された潤滑油5が、ピニオン軸受4の下部に供給され、潤滑油5により、ピニオン軸受4の下部が潤滑される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディファレンシャル装置に関し、特に、上り坂における発進時にも焼き付きが生じにくいディファレンシャル装置に関する。
車がカーブを曲がる時、左右の車輪の通る軌道の長さに差が生じるため、左右の車輪の回転数を変える必要がある。左右の車輪に同じトルクを与えつつ、左右の車輪の回転数を調整するための差動歯車装置として、ディファレンシャル装置が自動車において主として用いられる。ディファレンシャル装置としては、差動歯車機構をディファレンシャルケース内に潤滑油とともに備え、運転時に潤滑油をリングギアによってかき上げて各部に供給する方式が一般的である。かかる方式のディファレンシャル装置において、高負荷のかかるピニオン軸受へのオイル供給が最も困難かつ重要である。そこで、特許文献1においてピニオン軸受への潤滑性能を確保しつつ、リングギア等の回転抵抗を低減する技術が提示されている。
図6に示すように、この方式のディファレンシャル装置200において、ピニオン軸206は、2組のピニオン軸受203およびピニオン軸受204によって支持される。ピニオン軸受203およびピニオン軸受204の上方にリングギア202が回転することによってかき上げられた潤滑油205を誘導する潤滑油誘導路207を設け、潤滑油誘導路207の出口開口部272を、2組の軸受の中間点の上部に設けることにより、2組の軸受の上部それぞれに潤滑油205を供給する構造としている。この潤滑油誘導路207は、2組の軸受に向かって下がり勾配となっているため、リングギア202によって潤滑油溜251からかき上げられ、入口開口部271から潤滑油誘導路207内に入った潤滑油205は、勾配を下って2組の軸受の中間点であるピニオン軸206の上側に供給される。そして、供給された潤滑油205の一部は、ピニオン軸206を伝って、2組のピニオン軸受203およびピニオン軸受204のそれぞれの上部へ供給される。また、供給された潤滑油205の他の一部はピニオン軸206を伝って下部の潤滑油溜252および潤滑油溜253に落下した後、2組の軸受の下部へ供給される。潤滑油溜の中央部にはピニオン軸受203およびピニオン軸受204のいずれにも均等に潤滑油205が流れるようにディファレンシャルケース1の内壁面下部から上方に突出した突起部210が設けられている。
特開2006−161957号公報
ところで、自動車は常に水平に近い路面のみを走行するわけではない。自動車が上り坂を走行する場合には、図7に示すように、自動車の車体前部側が、路面の傾斜角θ1だけ持ち上げられた状態に傾くため、ディファレンシャル装置200も車体前部側を上方に路面の傾斜角θ1だけ持ち上げられた状態に傾く。そのため潤滑油誘導路207の下り勾配が小さくなり、ピニオン軸受203およびピニオン軸受204の中間点であるとともにピニオン軸206上の位置に供給される潤滑油205の量が不十分となる。また、ピニオン軸206を伝って、ピニオン軸受203およびピニオン軸受204のそれぞれの上部へ供給されるべき潤滑油205は低い位置にある車体後部側のピニオン軸受203に多く供給され、車体前部側のピニオン軸受204への供給が不十分となる。更に、潤滑油溜252および潤滑油溜253に落下した潤滑油205も、車体前部側のピニオン軸受204に比べ低い位置にある車体後部側のピニオン軸受203の下部に多く供給され、車体前部側のピニオン軸受204の下部への供給が不十分となり、車体前部側のピニオン軸受204の焼き付きの発生および異常な磨耗の原因となり問題となる。特に、ディファレンシャル装置200の始動時や外気温が極端に低い場合などにおいては、潤滑油205の粘度が大きく、その流動性が悪いため、車体前部側のピニオン軸受204への潤滑油205の供給が一層困難となる。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、車体前部側が上方に持ち上げられた状態においても、車体前部側のピニオン軸受の焼き付きの発生や異常な磨耗を抑制するように改善されたディファレンシャル装置を供給することを目的とする。
本発明にかかるディファレンシャル装置は、ピニオンギアを備えるとともに、ピニオンギアを介して動力を伝達するピニオン軸と、ピニオン軸を回転自在に支承するピニオン軸受と、ピニオンギアに噛合されるリングギアと、ピニオン軸、ピニオン軸受、およびリングギアが内部に設けられたディファレンシャルケースと、ディファレンシャルケースの内部に収納され、リングギアに接触するとともに前記ピニオン軸受を潤滑する潤滑油とを備え、ピニオン軸によりピニオンギアを介して伝達された動力によりリングギアが回転するとともに、リングギアの回転により前記潤滑油が前記ピニオン軸受に供給されるディファレンシャル装置である。また、ディファレンシャルケースに設けられるとともに、潤滑油が流通する送油路と、送油路を介して、ディファレンシャルケースに接続されるとともに、潤滑油が収容されたオイルタンクを更に備えている。そして、ディファレンシャルケースが傾斜することにより、送油路を介して、オイルタンクに収容された潤滑油が、ピニオン軸受に供給されることを特徴とする。
上記構成によると、上りの坂道走行の際に、オイルタンクからピニオン軸受の下部に供給された潤滑油により、ピニオン軸受の下部が潤滑されることになる。従って、車体前部側が上方に持ち上げられて、ディファレンシャルケースが傾斜した状態においても、ピニオン軸受の下部は常に潤滑される。その結果、上り坂道においても、ピニオン軸受の下部における焼き付きの発生および異常な磨耗を抑制することができる。
本発明にかかるディファレンシャル装置は、送油路が、ディファレンシャルケースにおいて、ピニオン軸受の近傍に設けられていることが好ましい。上記構成によると、オイルタンクに収容された潤滑油をピニオン軸受の下部に確実に供給することができ、ピニオン軸受の下部をより一層効果的に潤滑することができる。
本発明にかかるディファレンシャル装置は、送油路に、送油路内を流通する潤滑油の速度を調整するための弁が設けられていることが好ましい。上記構成によると、オイルタンクに収容された潤滑油をピニオン軸受の下部に徐々に供給しながら、ピニオン軸受の下部を潤滑することができる。その結果、仮に、上りの坂道走行が長時間に及んだ場合であっても、ピニオン軸受の下部における焼き付きの発生および異常な磨耗を効果的に抑制することができる。また、ディファレンシャルケースの内部における潤滑油の急激な増加に起因する潤滑油の攪拌抵抗の増加を効果的に抑制することができる。また、坂道走行が終了し、平坦な路面の走行になると、オイルタンクに供給される潤滑油の速度が調整され、ディファレンシャルケースの内部に収容された潤滑油をオイルタンクに速やかに供給することができる。その結果、ディファレンシャルケースの内部における潤滑油の攪拌抵抗を減少させることができ、攪拌抵抗に起因する動力損失が低下して、燃費を向上させることができる。
本発明によれば、車体前部側が上方に持ち上げられた状態においても、車体前部側のピニオン軸受の焼き付きの発生や異常な磨耗を抑制するように改善されたディファレンシャル装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化したディファレンシャル装置の一実施形態を、図1〜図5を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかるディファレンシャル装置100が備えるディファレンシャルケース1は、車体前部側部分12が、車体の前後方向に中心軸を有する略円筒形状であり、車体後部側部分11が、車体の左右方向に中心軸を有する略短円柱形状である。
ディファレンシャルケース1の車体後部側部分11の内部には、略環状のリングギア2が回転可能に設けられるとともに、潤滑油5が収容されている。そして、ディファレンシャルケース1の車体後部側部分11の底部には、潤滑油溜51が設けられており、潤滑油5が溜められている。そして、リングギア2の下部が、潤滑油溜51に溜められた潤滑油5と接する構成となっている。
また、ディファレンシャルケース1の内部には、ピニオン軸6、およびピニオン軸受3,4が設けられている。より具体的には、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の内壁面であるとともに、リングギア2に近い端部近傍には、略円環状のピニオン軸受3が固定されている。また、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の内壁面であるとともに、ピニオン軸受3の固定されている部分より車体前部側には、略円環状のピニオン軸受4が固定されている。そして、この2組のピニオン軸受3およびピニオン軸受4によって、ピニオン軸6が回転自在に支承されている。より具体的には、ピニオン軸受3を構成する外輪31の外周面が、ディファレンシャルケース1の内壁面に嵌合固定されており、外輪31の内周面には軌道面が形成されている。一方、ピニオン軸受3を構成する内輪32の内周面が、ピニオン軸6の外周面に嵌合固定されており、内輪32の外周面には軌道面が形成されている。更に、外輪31の軌道面と内輪32の軌道面に接して、転動体33が転動自在に配設されている。また、同様に、ピニオン軸受4を構成する外輪41の外周面が、ディファレンシャルケース1の内壁面に嵌合固定されており、外輪41の内周面には軌道面が形成されている。一方、ピニオン軸受4を構成する内輪42の内周面が、ピニオン軸6の外周面に嵌合固定されており、内輪42の外周面には軌道面が形成されている。そして、外輪41の軌道面と内輪42の軌道面に接して、転動体43が転動自在に配設されている。
ピニオン軸6の車体後部側の端部には、ピニオンギア61が設けられており、このピニオンギア61がリングギア2に噛合する構成となっている。そして、ピニオン軸6の他方の端部は、ディファレンシャルケース1の車体前部側から外部に突出しており、図示しないプロペラシャフトなどの動力側に接続されている。
また、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の上部外壁面と上部内壁面の間には、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部に潤滑油5を誘導するための潤滑油誘導路7が設けられている。この潤滑油誘導路7は、車体後部側であってリングギア2の近傍に入口開口部71を有するとともに、車体前部側であってピニオン軸6の上部に出口開口部72を有する。更に、潤滑油誘導路7の下部の内壁面、即ち、ピニオン軸6に近い内壁面73は、図2に示すように、ピニオン軸受3の方向に突出している。
一方、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の下部の内壁面の一部には、潤滑油溜52,53が形成されており、供給された潤滑油5の一部が、ピニオン軸6を伝って下部の潤滑油溜52,53に落下する構成となっている。
本実施形態にかかるディファレンシャル装置100におけるピニオン軸受3およびピニオン軸受4への潤滑油5の供給は、以下のように行われる。このディファレンシャル装置100が取り付けられている車両のエンジン(不図示)よりプロペラシャフト(不図示)等を介してピニオン軸6に伝達された動力は、ピニオンギア61を介してリングギア2を回転させる。そして、リングギア2の回転に伴い、ディファレンシャルケース1の内部に収容され、リングギア2に接触している潤滑油5がかき上げられ、かき上げられた潤滑油5の一部が、入口開口部71より潤滑油誘導路7に供給される。潤滑油誘導路7に供給された潤滑油5は、潤滑油誘導路7内を通過したのち、出口開口部72より排出されることにより、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部に誘導され、この潤滑油5により、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部が潤滑される。また、潤滑油5の他の一部は、ピニオン軸6の下部に落下して、ピニオン軸6の下方に形成された潤滑油溜52,53に溜まり、潤滑油溜52,53を介して、ピニオン軸受3,4の下部に導かれて、ピニオン軸受3,4の下部を潤滑する。
また、図1に示すように、本実施形態にかかるディファレンシャル装置100は、ディファレンシャルケース1に設けられ、潤滑油5が流通する送油路14と、送油路14を介して、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の下部に接続されるとともに、内部に潤滑油5が収容されたオイルタンク13を備えている。そして、この送油路14を介して、オイルタンク13に収容された潤滑油5がディファレンシャルケース1の内部に供給されるとともに、ディファレンシャルケース1の内部の潤滑油5がオイルタンク13の内部に供給される構成となっている。また、オイルタンク13は、オイルタンク13に収容された潤滑油5の油面S1の高さとディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5の油面S2の高さが略同一となるように配設されている。なお、送油路14は、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の下部において、車体前部側のピニオン軸受4の近傍に接続されている。
また、図3に示すように、送油路14には、送油路14内を流通する(即ち、オイルタンク13からディファレンシャルケース1の内部に供給される、または、ディファレンシャルケース1の内部からオイルタンク13に供給される)潤滑油5の速度を調整するための弁15が設けられている。より具体的には、この弁15は、ディファレンシャルケース1の内部の潤滑油5がオイルタンク13の内部に供給される場合の潤滑油5の速度(即ち、図中の矢印Yの方向に流れる潤滑油5の速度)に比し、オイルタンク13に収容された潤滑油5がディファレンシャルケース1の内部に供給される場合の潤滑油5の速度(即ち、図中の矢印Xの方向に流れる潤滑油5の速度)が小さくなるように、潤滑油5の速度を調整する。
次に、本実施形態にかかるディファレンシャル装置100を用いた車両が、上りの坂道において始動する際におけるピニオン軸受3およびピニオン軸受4への潤滑油5の供給について、図4,図5を用いて説明する。なお、潤滑油5の供給の基本原理は上述した通りであるので、ここでは、重複する説明は省略する。
図5に示すように、上りの坂道における路面の水平面80に対する傾斜角がθ1であるとすると、ディファレンシャル装置100も水平面に対して傾斜角θ1だけ車体前部側が持ち上げられる。なお、その場合においてもリングギア2の回転に伴い、リングギア2に接触している潤滑油5がかき上げられ、その一部が入口開口部71より潤滑油誘導路7に入る。ここで、潤滑油誘導路7の傾斜角がθ1より大きければ、潤滑油5は潤滑油誘導路7内を通過したのち、出口開口部72より排出されることにより、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部に誘導され、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部を潤滑することができる。自動車が通行する通常の路面の傾斜角を基準に考えると、θ1の最大値は15°程度である。従って、潤滑油誘導路7の傾斜角を15°以上とすることにより、通常の路面において、潤滑油誘導路7は潤滑油5を常に誘導することができる。
しかし、始動時において、特に、冬場など外気温が低い場合に、潤滑油5の粘度が高くなりすぎ、潤滑油誘導路7の傾斜角が15°以上であっても、潤滑油誘導路7内を潤滑油5が十分に流れないことが起こりうる。即ち、図8に示すように、上記従来のディファレンシャル装置200においては、潤滑油誘導路207のピニオン軸206に近い内壁面273は略平坦である。そのため、潤滑油205がピニオン軸206に近い内壁面273の表面上に薄く広がり、接触面積が広くなるため、流体摩擦が大きくなり、粘性が高い流体は流れにくかった。一方、本実施形態におけるディファレンシャル装置100においては、図2に示すように、潤滑油誘導路7のピニオン軸6に近い内壁面73は、ピニオン軸6に向けて突出しているため、上記従来技術とは異なり、潤滑油5が内壁面73の表面上に薄く広がることがない。従って、上記従来技術の場合に比し、内壁面73と潤滑油5との接触面積を小さくできるため、粘性が高い潤滑油5であっても、潤滑油誘導路7内において十分に流すことが可能になる。そのため、外気温が低い状態であっても、上りの坂道における始動時に、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部に潤滑油5を供給することができる。
リングギア2によりかき上げられ、入口開口部71より潤滑油誘導路7に供給された潤滑油5の一部は、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部および中部に誘導され、潤滑油5の他の一部はピニオン軸6の下部に落下する。また、本実施形態においては、上述のごとく、送油路14を介して、オイルタンク13がディファレンシャルケース1に連結されている。従って、図4に示すように、上りの坂道において始動する際に、ディファレンシャル装置100が、水平面80に対して車体前部側に持ち上げられると、オイルタンク13に収容された潤滑油5がディファレンシャルケース1の内部に供給される。より具体的には、ディファレンシャル装置100が車体前部側に持ち上げられて、ディファレンシャルケース1が傾斜すると、オイルタンク13に収容された潤滑油5が、送油路14を介して、ピニオン軸受4の下部に供給され、オイルタンク13に収容された潤滑油5の油面S1が低下する。そして、ディファレンシャル装置100が、水平面80に対して傾斜角θ1だけ車体前部側に持ち上げられると、図5に示すように、送油路14に収容された潤滑油5の油面S3の高さとディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5の油面S2の高さが略同一となるまで、オイルタンク13に収容された潤滑油5が、送油路14を介して、ピニオン軸受4の下部に供給される。そうすると、図4,図5に示すように、オイルタンク13からピニオン軸受4の下部に供給された潤滑油5が、ピニオン軸受4の下部を潤滑することになる。
また、上述のごとく、送油路14には、オイルタンク13に収容された潤滑油5がディファレンシャルケース1の内部に供給される場合の潤滑油5の速度が小さくなるように、潤滑油5の速度を調整する弁15が設けられている。従って、ピニオン軸受4に供給される潤滑油5の速度が調整され、オイルタンク13に収容された潤滑油5をピニオン軸受4の下部に徐々に供給しながら、ピニオン軸受4の下部を潤滑することができる。その結果、仮に、上りの坂道走行が長時間に及んだ場合であっても、ピニオン軸受4の下部における焼き付きの発生および異常な磨耗を効果的に抑制することができる。
また、送油路14は、ディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の下部において、車体前部側のピニオン軸受4の近傍に設けられているため、オイルタンク13に収容された潤滑油5をピニオン軸受4の下部に確実に供給することができ、ピニオン軸受4の下部をより一層効果的に潤滑することができる。
なお、潤滑油5の一部は潤滑油溜52を介してピニオン軸受3の下部に供給され、ピニオン軸受3の下部を潤滑する。このピニオン軸受3はピニオン軸受4より車体後部側に位置するため、上り坂道において、ピニオン軸受3はピニオン軸受4より低い位置にあり、潤滑油5の供給量は平坦な路面における場合より一層容易となる。これは、本実施形態においても、上記従来においても特に違いはない。
上りの坂道走行が終了し、平坦な路面の走行になると、ディファレンシャル装置100が水平面に対して傾斜角θ1だけ車体前部側に持ち上げられていた状態が解除され、ディファレンシャル装置100は、図5に示す状態から、図4に示す状態を経由して、図1に示す状態に戻る。この際、ディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5が、送油路14を介して、オイルタンク13に供給され、オイルタンク13に収容された潤滑油5の油面S1が上昇するとともに、オイルタンク13に収容された潤滑油5の油面S1の高さとディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5の油面S2の高さが略同一となるまで、ディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5が、送油路14を介して、オイルタンク13に供給される。
ここで、上述のごとく、送油路14には、ディファレンシャルケース1の内部の潤滑油5がオイルタンク13の内部に供給される場合の潤滑油5の速度が大きくなるように、潤滑油5の速度を調整する弁15が設けられている。従って、坂道走行が終了し、平坦な路面の走行になると、オイルタンク13に供給される潤滑油5の速度が調整され、ディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5をオイルタンク13に速やかに供給することができる。その結果、ディファレンシャルケース1の内部における潤滑油5の攪拌抵抗を減少させることができるため、攪拌抵抗に起因する動力損失が低下して、燃費を向上させることができる。
上記実施形態のディファレンシャル装置100によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態のディファレンシャル装置100は、ディファレンシャルケース1に設けられ、潤滑油5が流通する送油路14と、送油路14を介して、ディファレンシャルケース1に接続されるとともに、潤滑油5が収容されたオイルタンク13を備えている。そして、ディファレンシャルケース1が傾斜することにより、送油路14を介して、オイルタンク13に収容された潤滑油5が、ピニオン軸受4に供給される。従って、上りの坂道走行の際に、オイルタンク13からピニオン軸受4の下部に供給された潤滑油5により、ピニオン軸受4の下部が潤滑されることになる。その結果、車体前部側が上方に持ち上げられて、ディファレンシャルケース1が傾斜した状態においても、ピニオン軸受4の下部は常に潤滑されることになるため、上り坂道においても、ピニオン軸受4の下部における焼き付きの発生および異常な磨耗を抑制することができる。
(2)上記実施形態のディファレンシャル装置100においては、送油路14が、ディファレンシャルケース1において、ピニオン軸受4の近傍に設けられている。従って、オイルタンク13に収容された潤滑油5をピニオン軸受4の下部に確実に供給することができ、ピニオン軸受4の下部をより一層効果的に潤滑することができる。
(3)上記実施形態のディファレンシャル装置100においては、送油路14に、送油路14内を流通する潤滑油5の速度を調整するための弁が設けられている。従って、オイルタンク13からピニオン軸受4の下部に供給される潤滑油5の速度が調整され、オイルタンク13に収容された潤滑油5をピニオン軸受4の下部に徐々に供給しながら、ピニオン軸受4の下部を潤滑することができる。その結果、仮に、上りの坂道走行が長時間に及んだ場合であっても、ピニオン軸受4の下部における焼き付きの発生および異常な磨耗を効果的に抑制することができる。また、オイルタンク13に収容された潤滑油5をピニオン軸受4の下部に徐々に供給できるため、ディファレンシャルケース1の内部における潤滑油5の急激な増加に起因する潤滑油5の攪拌抵抗の増加を効果的に抑制することができる。また、坂道走行が終了し、平坦な路面の走行になると、オイルタンク13に供給される潤滑油5の速度が調整され、ディファレンシャルケース1の内部に収容された潤滑油5をオイルタンク13に速やかに供給することができる。その結果、ディファレンシャルケース1の内部における潤滑油の攪拌抵抗を減少させることができるため、攪拌抵抗に起因する動力損失が低下して、燃費を向上させることができる。また、平坦な路面の走行が終了し、再度、上りの坂道走行が開始された場合においても、潤滑油5がオイルタンク13に十分に収容された状態で、オイルタンク13に収容された潤滑油5を、ピニオン軸受4の下部に徐々に供給しながら、ピニオン軸受4の下部を潤滑することができる。
(4)上記実施形態のディファレンシャル装置100においては、リングギア2の回転により供給される潤滑油5をピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部に誘導する潤滑油誘導路7を更に備えている。従って、潤滑油5は上方よりピニオン軸受3およびピニオン軸受4に供給される。更に、潤滑油誘導路7のピニオン軸6に近い内壁面73がピニオン軸6の方向に突出しているため、ピニオン軸6に近い内壁面73と潤滑油5との接触面積が小さくなり、潤滑油誘導路7内を潤滑油5が流れやすくなる。特に、潤滑油5の液温が低いため潤滑油5の粘度が上昇し、流動性が低くなった状態においても、潤滑油5は従来に比して流れやすい。そのため、例えば、外気温が低い状態での始動時においても、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4に潤滑油5が供給されやすく、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4が焼きつくことを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、1つのオイルタンク13を設けたが、複数のオイルタンク13を設けるとともに、各オイルタンク13を、潤滑油5の速度を調整するための弁15が設けられた送油路14を介して、ディファレンシャルケース1に接続する構成としても良い。この場合、1つのオイルタンク13を設ける場合に比し、オイルタンク13に収容された潤滑油5を、ピニオン軸受4に対してより一層効果的に供給できるため、ピニオン軸受4の下部をより一層効果的に潤滑することができる。
・上記実施形態においては、潤滑油誘導路7のピニオン軸6に近い内壁面73がピニオン軸6の方向に断面形状がV字型に突出しているが、他の形状であっても良い。例えば、断面形状がU字型に突出していても良い。即ち、ピニオン軸6に近い内壁面73がピニオン軸6の方向に突出することにより、潤滑油5とピニオン軸6に近い内壁面73との接触面積が小さくなり、流体抵抗が小さくなる構造であればよい。
・上記実施形態においては、潤滑油誘導路7はディファレンシャルケース1の車体前部側部分12の上部外壁面と上部内壁面の間に設けられているが、他の構成であっても良い。例えば、別体の部材で構成しても良い。即ち、リングギア2によってかき上げられた潤滑油5を上方よりピニオン軸受3およびピニオン軸受4に供給できる構造であればいかなる形態でも良い。
・上記実施形態においては、ピニオン軸6に近い内壁面73がピニオン軸6側に断面形状がV字型に突出した潤滑油誘導路7を有しているが、潤滑油誘導路7を有さない構成でも良い。例えば、リングギア2による潤滑油5のかき上げによって、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の上部および中部に潤滑油5が十分に供給されるのであれば、潤滑油誘導路7は特段に設ける必要がない。
・上記実施形態においては、転動体33および転動体43が円錐ころであり、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4が円錐ころ軸受であるが、他の構成でも良い。例えば、転動体33および転動体43の少なくともいずれか一方が玉であって、ピニオン軸受3およびピニオン軸受4の少なくともいずれか一方が玉軸受であっても良い。
本発明にかかるディファレンシャル装置は、車体前部側が上方に持ち上げられた状態においても、車体前部側のピニオン軸受の焼き付きの発生や異常な磨耗を抑制するように改善されたディファレンシャル装置であるので、一般的な車両に広く搭載可能である。
本発明を適用したディファレンシャル装置の一実施形態を説明する図面であって、ピニオン軸の中心軸を通る上下方向の断面図である。 図1に示すディファレンシャル装置のA−A線断面図である。 図1に示すディファレンシャル装置における送油路の部分拡大図である。 図1に示すディファレンシャル装置の車体前部側が上方に引き上げられ始めた状態を示す断面図である。 図1に示すディファレンシャル装置の車体前部側を傾斜角θ1上方に引き上げた状態を示す断面図である。 従来のディファレンシャル装置の一実施形態を説明する図面であって、ピニオン軸の中心軸を通る上下方向の断面図である。 図6に示されるディファレンシャル装置の車体前部側を傾斜角θ上方に引き上げた断面図である。 図6に示されるディファレンシャル装置のA−A線断面図である。
符号の説明
1…ディファレンシャルケース、2…リングギア、3…ピニオン軸受、4…ピニオン軸受、5…潤滑油、6…ピニオン軸、7…潤滑油誘導路、11…ディファレンシャルケースの車体後部側部分、12…ディファレンシャルケースの車体前部側部分、13…オイルタンク、14…送油路、15…弁、31…外輪、32…内輪、33…転動体、41…外輪、42…内輪、43…転動体、51…潤滑油溜、52…潤滑油溜、53…潤滑油溜、61…ピニオンギア、71…入口開口部、72…出口開口部、73…内壁面、80…水平面、100…ディファレンシャル装置、θ1…水平面に対する傾斜角、S1…オイルタンクに収容された潤滑油の油面の高さ、S2…ディファレンシャルケースの内部に収容された潤滑油の油面の高さ、S3…送油路に収容された潤滑油の油面の高さ

Claims (3)

  1. ピニオンギアを備えるとともに、該ピニオンギアを介して動力を伝達するピニオン軸と、
    前記ピニオン軸を回転自在に支承するピニオン軸受と、
    前記ピニオンギアに噛合されるリングギアと、
    前記ピニオン軸、前記ピニオン軸受、および前記リングギアが内部に設けられたディファレンシャルケースと、
    前記ディファレンシャルケースの内部に収納され、前記リングギアに接触するとともに前記ピニオン軸受を潤滑する潤滑油とを備え、
    ピニオン軸により前記ピニオンギアを介して伝達された前記動力により前記リングギアが回転するとともに、前記リングギアの回転により前記潤滑油が前記ピニオン軸受に供給されるディファレンシャル装置において、
    前記ディファレンシャルケースに設けられるとともに、前記潤滑油が流通する送油路と、該送油路を介して、前記ディファレンシャルケースに接続されるとともに、前記潤滑油が収容されたオイルタンクを更に備え、前記ディファレンシャルケースが傾斜することにより、前記送油路を介して、前記オイルタンクに収容された前記潤滑油が、前記ピニオン軸受に供給されることを特徴とするディファレンシャル装置。
  2. 前記送油路は、前記ディファレンシャルケースにおいて、前記ピニオン軸受の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディファレンシャル装置。
  3. 前記送油路には、該送油路内を流通する前記潤滑油の速度を調整するための弁が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディファレンシャル装置。
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