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JP2009132764A - セルロース誘導体、セルロース誘導体フィルム、及びその用途 - Google Patents

セルロース誘導体、セルロース誘導体フィルム、及びその用途 Download PDF

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JP2009132764A
JP2009132764A JP2007308288A JP2007308288A JP2009132764A JP 2009132764 A JP2009132764 A JP 2009132764A JP 2007308288 A JP2007308288 A JP 2007308288A JP 2007308288 A JP2007308288 A JP 2007308288A JP 2009132764 A JP2009132764 A JP 2009132764A
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Hiroshi Nozoe
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】厚み方向のレターデーションRthが大きいセルロース誘導体フィルムを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される重合単位を有し、且つ下記数式(I)〜(III)を満たすセルロース誘導体を含有することを特徴とするフィルムである。式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。
(I) 0≦DSA≦1.4
(II) 0<DSB
(III) 0<DSC
[式中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数であり、DSA+DSB+DSCは3である。]
Figure 2009132764

【選択図】なし

Description

本発明は、厚さ方向のレターデーションRthが大きく、且つ靭性なセルロース誘導体フィルム、これを用いた光学補償シート、偏光板及び液晶表示装置に関する。また、本発明は、フィルムの作製に有用な新規なセルロース誘導体に関する。
セルロースアシレートフィルムは適度な透水性を有し、光学的等方性が高い(レターデーション値が低い)ことから、液晶表示装置向けの偏光板保護フィルムとして広く利用されてきた。
近年、セルロースアシレートフィルムに位相差を付与し、偏光板保護フィルムとしての機能に加えて、光学補償機能も併せ持たせる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、平面性の高いトリアジン型化合物をセルロースアシレートに添加し、レターデーションを発現させる方法が開示されている。
また、特許文献2及び3には、2種類以上の異なる置換基を有するセルロース混合エステルを含有する所定の光学特性を満足する光学フィルムがそれぞれ開示され、その光学フィルムの製造方法として、所定の条件で延伸処理する方法が開示されている。
一方で、セルロースアシレート以外のセルロース誘導体に関して光学フィルム用途の検討例は少ない。例えば、特許文献4には、所定の条件を満足するセルロースエーテルアセテートからなる光学フィルムが提案されている。
特開2003−170492号公報 特開2002−71957号公報 特開2005−8803号公報 特開2005−283997号公報
本発明は、厚み方向のレターデーションRthが大きいセルロース誘導体フィルム、それを利用した光学補償シート、偏光板、及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、製膜性が良好で、フィルムの作製に有用な新規なセルロース誘導体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 下記一般式(1)で表される重合単位を含み、且つ下記数式(I)〜(III)を満たすセルロース誘導体を含有することを特徴とするフィルム。
Figure 2009132764
一般式(1)
[式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。]
(I) 0≦DSA≦1.4
(II) 0<DSB
(III) 0<DSC
[式中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数であり、DSA+DSB+DSCは3である。]
[2] 前記セルロース誘導体が、下記式(IV)を満たすことを特徴とする[1]のフィルム。
(IV) DSC≦DSB
[3] 前記セルロース誘導体が、下記式(I)’〜(III)’を満たすことを特徴とする[1]のフィルム。
(I)’ 0≦DSA≦0.4
(II)’ 1.5≦DSB≦2.7
(III)’ 0.1≦DSC≦1.5
[4] 前記セルロース誘導体が有するアシル基が、芳香族アシル基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかのフィルム。
[5] [1]〜[4]のいずれかのフィルムからなる、又は[1]〜[4]のいずれかのフィルムを有することを特徴とする光学補償シート。
[6] 偏光子と、[1]〜[4]のいずれかのフィルムとを有することを特徴とする偏光板。
[7] [1]〜[4]のいずれかのフィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
[8] 下記一般式(1)で表される重合単位を含み、且つ下記数式(I)〜(III)を満たすことを特徴とするセルロース誘導体。
Figure 2009132764
[式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。]
(I) 0≦DSA≦1.4
(II) 0<DSB
(III) 0<DSC
[式中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数であり、DSA+DSB+DSCは3である。]
[9] 下記式(IV)を満たすことを特徴とする[8]のセルロース誘導体。
(IV) DSC≦DSB
[10] 下記式(I)’〜(III)’を満たすことを特徴とする[8]又は[9]のセルロース誘導体。
(I)’ 0≦DSA≦0.4
(II)’ 1.5≦DSB≦2.7
(III)’ 0.1≦DSC≦1.5
[11] 前記アシル基が、芳香族アシル基であることを特徴とする[8]〜[10]のいずれかのセルロース誘導体。
本発明のセルロース誘導体は、製膜性が良好であり、光学フィルム等の作製に有用である。特に、製膜の際の、厚み方向のレターデーションRthの発現性が高いので、高いRthを示すフィルムの作製に特に有用である。
従って、本発明のセルロース誘導体を用いることによって、液晶表示装置用光学フィルムとして、特に光学補償シートとして用いるのに好適な、Rthが大きいフィルムを提供することができる。
また、本発明のフィルムを偏光板の保護膜として用いることにより、偏光板の構成要素の数を増加することなく、偏光板に光学補償機能を追加することができる。
また、本発明の光学補償シート及び本発明の光学補償シートを保護膜として用いた偏光板は、液晶表示装置、特にVAモード及びOCBモードの液晶表示装置に有用である。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。以下、本発明の代表的な実施態様について説明するが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書では、「セルロース誘導体」の用語は、セルロース化合物、及びセルロースを原料として生物的あるいは化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物のいずれも含む意味で用いる。
[セルロース誘導体]
本発明は、セルロースの構成単位であるβ−グルコース環の2位、3位及び6位の水酸基が、エーテル置換基及びエステル置換基で置換され、前記置換基の置換度が特定の関係を満足するセルロース誘導体に関する。具体的には、下記一般式(1)で表される重合単位を有し、下記数式(I)〜(III)を満足するセルロース誘導体に関する。
Figure 2009132764
[式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。]
(I) 0≦DSA≦1.4
(II) 0<DSB
(III) 0<DSC
前記式(I)〜(III)中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数である。即ち、DSAは、2位、3位及び6位の水酸基が無置換である割合であり、DSBは、2位、3位及び6位の水酸基に対する無置換の脂肪族炭化水素基の置換度であり、及びDSCは、2位、3位及び6位の水酸基に対するアシル基の置換度である。従って、DSA+DSB+DSCは3になる。
セルロース誘導体を製膜するためには、水酸基の水素原子はある程度置換されている必要がある。一方、従来のセルロース誘導体であるセルローストリアセテート等、水酸基の水素原子がアシル基のみで置換されているセルロース誘導体は、製膜性は良好であるものの、Rthの発現性が低く、Rth発現剤等の添加剤を別途添加しないと、高いRthを示すフィルムとはならない。本発明では、アシル基とともに、無置換の脂肪族炭化水素基によって、水酸基の水素原子が置換されているセルロース誘導体とすることで、製膜性が良好であるとともに、製膜時のRth発現性の高いセルロース誘導体を提供している。
DSB、即ち無置換の脂肪族炭化水素基による置換度、が高いほど、セルロース誘導体のRth発現性が高められる。従って、高いRthを求められるフィルムの作製には、下記式(IV)を満足するセルロース誘導体を用いるのが好ましい。
(IV) DSC≦DSB
一方、脂肪族炭化水素基は含水しやすいために置換度DSBが高くなると、製膜時に白化する傾向がある。また、膜強度も低下する傾向がある。従って、高いRthが要求されるとともに、高い透明性及び膜強度も必要とされるフィルムの作製には、下記式(I)’〜(III)’の全てを満足するセルロース誘導体を用いるのが好ましく、
(I)’ 0≦DSA≦0.4
(II)’ 1.5≦DSB≦2.7
(III)’ 0.1≦DSC≦1.5
さらに下記式(I)”〜(III)”の全てを満足するセルロース誘導体を用いるのが好ましい。
(I)” 0≦DSA≦0.2
(II)” 1.7≦DSB≦2.7
(III)” 0.1≦DSC≦1.3
なお、DSA、DSB及びDSCは、Cellulose Communication 6,73-79(1999)及びChrality 12(9),670-674に記載の方法を利用して、1H−NMRあるいは13C−NMRにより、決定することができる。
前記式(I)中、R2、R3及びR6がそれぞれ表す無置換の脂肪族炭化水素基とは、炭素原子及び水素原子以外の原子を含まない脂肪族基であり、直鎖、分岐及び環状の基のいずれでもよい。前記無置換の脂肪族炭化水素基は、無置換のアルキル基であるのが好ましく、無置換の直鎖アルキル基であるのがより好ましい。前記無置換の脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がよりさらに好ましく、前記範囲の炭素原子数の直鎖のアルキル基であるのがより好ましい。中でも、メチル基、及びエチル基が特に好ましい。
前記式(I)中、R2、R3及びR6がそれぞれ表すアシル基は、脂肪族アシル基及び芳香族アシル基のいずれであってもよい。脂肪族アシル基及び芳香族アシル基の双方を有していてもよく、その場合は、DSCは脂肪族アシル基及び芳香族アシル基の置換度の合計になる。
前記脂肪族アシル基は、−(C=O)RのRが脂肪族基である基をいう。脂肪族基部位は、直鎖、分岐及び環状の脂肪族基のいずれであってもよい。脂肪族アシル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がよりさらに好ましい。
前記芳香族アシル基は、−(C=O)RのRが芳香族基である基をいう。芳香族とは理化学辞典(岩波書店)第4版1208頁に芳香族化合物として定義されており、本発明における芳香族基としては芳香族炭化水素基でも芳香族ヘテロ環基でもよく、より好ましくは芳香族炭化水素基である。
芳香族炭化水素基としては、炭素原子数が6〜24のものが好ましく、6〜12のものがより好ましく、6〜10のものがもっとも好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が特に好ましい。芳香族ヘテロ環基としては、酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含むものが好ましい。そのヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、トリアジニル基、キノリル基が特に好ましい。
前記脂肪族アシル基及び芳香族アシル基の、脂肪族基部位及び芳香族基部位は、置換基を1以上有していてもよい。該置換基は、以下に列挙する置換基Tから選択することができる。
置換基T:
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
前記脂肪族アシル基は無置換であるのが好ましく、中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が好ましい。
前記芳香族アシル基は、カルボキシル基(−C(=O)O−)を含む置換基を有していないのが好ましい。カルボキシル基を含んでいると、親水性が増大し、光学特性の湿度依存性が悪化する傾向がある。前記芳香族アシル基は、芳香族部位が、無置換であるか、又はアルキル基もしくはアリール基で置換されているのが好ましい。前記芳香族アシル基の好ましい例には、ベンゾイル基、フェニルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル、4−ヘプチルベンゾイル基、2,4,5−トリメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基及びナフトイル基が含まれる。
なお、前記アシル基が、芳香族アシル基であると、Rth発現性がより高くなるので、好ましい。
本発明のセルロース誘導体は、公知の方法、例えば、「セルロースの事典」131頁〜164頁(朝倉書店、2000年)等に記載の方法を参考にして製造することができる。具体的には、2位、3位及び6位の水酸基の一部がエーテル基に置換されたセルロースエーテルを原料として用い、ピリジン等の塩基存在下、酸クロリドもしくは酸無水物を原料として用いるセルロースエーテルの原料綿は、公知の原料を用いることができる。
本発明のセルロース誘導体の平均重合度は15〜5000が好ましく、50〜5000が更に好ましく、50〜4000がよりさらに好ましい。重合度を大きくすることにより、製膜時の結晶化を抑制することができる。一方、重合度が大き過ぎると、ドープ作製時の粘度が高くなりすぎるといった問題が生じるので、前記範囲の重合度であるのが好ましい。
[セルロース誘導体フィルム]
本発明は、前記セルロース誘導体を含有するフィルムにも関する。本発明のフィルムは、前記セルロース誘導体を、全成分(固形分)中、50質量%以上含有しているのが好ましく、70質量%以上含有しているのがより好ましい。前記範囲で含有することで、本発明のセルロース誘導体の性質を有効に利用することができ、高いRthを示すフィルムとなる。本発明のフィルムは、前記セルロース誘導体とともに、本発明の効果を損なわない範囲で、所望により、添加剤を含有していてもよい。以下、本発明のフィルムに添加可能な各種添加剤について説明する。
(可塑剤)
本発明のフィルムには、機械的物性を改良するため、又は乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)及びトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)及びジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)及びO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEP及びDPPが特に好ましい。
可塑剤の添加量は、セルロース誘導体の量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることがよりさらに好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のフィルムは、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。本発明のフィルムを、偏光板の保護フィルムとして用いる場合、紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−(3",4",5",6"−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、市販品として、「チヌビン(TINUVIN)109」、「チヌビン(TINUVIN)171」、「チヌビン(TINUVIN)326」、「チヌビン(TINUVIN)328」{何れも商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製}を好ましく使用できる。
紫外線吸収剤の添加量は、セルロース誘導体に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
(劣化防止剤)
本発明のフィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、劣化防止剤添加による効果が発現し、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)を抑制する観点から、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
(マット剤微粒子)
本発明のフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。前記微粒子としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。これらの微粒子の中ではケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、1次平均粒子サイズが1nm〜20nmであり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径は1nm〜20nmであることが好ましく、5nm〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができて、より好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットルが好ましく、100〜200g/リットルがさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子サイズが0.05〜2.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.05〜2.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子サイズは0.05μm〜1.0μmが好ましく、0.1μm〜0.7μmがさらに好ましく、0.1μm〜0.4μmがよりさらに好ましい。1次、2次粒子サイズはフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒子サイズとした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子サイズとする。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製、商品名)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが、1次平均粒子サイズが20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化ケイ素の微粒子であり、光学フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
前記マット剤は以下の方法により調製することが好ましい。すなわち、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意したセルロース誘導体濃度が5質量%未満で分子量200〜2000の第1の添加剤溶液に加えて攪拌溶解した後、さらに第2の添加剤溶液を加えて攪拌溶解した後、さらにメインのセルロース誘導体ドープ液と混合する方法が好ましい。
マット剤の表面は疎水化処理されているため、疎水的な添加剤が添加されると、マット剤の表面に添加剤が吸着され、これを核として、添加剤の凝集物が発生しやすい。相対的に親水的な添加剤を予めマット剤分散液と混合したのち、疎水的な添加剤を混合することにより、マット剤表面での添加剤の凝集を抑制することができ、ヘイズが低く、液晶表示装置に組み込んだ際の黒表示における光漏れが少なく好ましい。
マット剤分散剤と添加剤溶液の混合、及びセルロース誘導体ドープ液との混合にはインラインミキサーを使用することが好ましい。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化ケイ素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化ケイ素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%がよりさらに好ましい。分散濃度が高い方が同量の添加量に対する濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。最終的なセルロース誘導体のドープ溶液中でのマット剤の添加量は0.001〜1.0質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がさらに好ましく、0.01〜0.1質量%がよりさらに好ましい。
〔セルロース誘導体フィルムの製造〕
本発明のフィルムは、ソルベントキャスト法により製造するのが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロース誘導体を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
ドープの調製に用いる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル及び炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。
エーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上記した好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
炭素原子数が3〜12のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトールが含まれる。
炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれる。
炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート及びペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノールが含まれる。
ハロゲン化炭化水素の炭素原子数は、1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜65モル%であることがさらに好ましく、40〜60モル%であることがよりさらに好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
前記ドープの調製には、メチレンクロリドとアルコールの混合溶媒を用いることが好ましく、メチレンクロリドに対するアルコールの比率は1〜50質量%が好ましく、10〜40質量%が好ましく、12〜30質量%がよりさらに好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましく、2種類以上のアルコールを混合して使用してもよい。
前記ドープは、0℃以上の温度(常温又は高温)条件下で、一般的な方法で、調製することができる。溶液の調製は、通常のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法及び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。
前記ドープ中のセルロース誘導体の濃度は、10〜40質量%であるのが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中には、上記した各種添加剤を添加しておいてもよい。
前記ドープは、常温(0〜40℃)でセルロース誘導体と有機溶媒とを攪拌することにより調製することができる。高濃度の溶液は、加圧及び加熱条件下で攪拌してもよい。具体的には、セルロース誘導体と有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。
加熱温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
各成分は予め粗混合してから容器に入れてもよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の不活性気体を注入して容器を加圧することができる。また、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
加熱する場合、容器の外部より加熱することが好ましい。例えば、ジャケットタイプの加熱装置を用いることができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加熱することもできる。
容器内部に攪拌翼を設けて、これを用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端には、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けることが好ましい。
容器には、圧力計、温度計等の計器類を設置してもよい。容器内で各成分を溶媒中に溶解する。調製したドープは冷却後容器から取り出すか、又は取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させることが困難な有機溶媒中にも、セルロース誘導体を溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロース誘導体を溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
冷却溶解法では最初に、室温で有機溶媒中にセルロース誘導体を撹拌しながら徐々に添加する。セルロース誘導体の量は、この混合物中に10〜40質量%含まれるように調整することが好ましい。セルロース誘導体の量は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
次に、混合物を−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、よりさらに好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。冷却によりセルロース誘導体と有機溶媒の混合物は固化する。
冷却速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることがよりさらに好ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、よりさらに好ましくは0〜50℃)に加温すると、有機溶媒中にセルロース誘導体が溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよく、温浴中で加温してもよい。
加温速度は、4℃/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさらに好ましく、12℃/分以上であることがよりさらに好ましい。加温速度は、速いほど好ましいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、1000℃/秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始する時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始してから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値である。
以上のようにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断することができる。
冷却溶解法においては、冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが好ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができる。加圧及び減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが好ましい。
調製したセルロース誘導体溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりセルロース誘導体フィルムを製造する。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2336310号、同第2367603号、同第2492078号、同第2492977号、同第2492978号、同第2607704号、同第2739069号及び同第2739070号の各明細書、英国特許第640731号及び同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号の各公報に記載がある。バンド又はドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行うことができる。
調製したセルロース誘導体溶液(ドープ)を用いて二層以上の流延を行いフィルム化することもできる。この場合、ソルベントキャスト法によりセルロース誘導体フィルムを作製することが好ましい。ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%の範囲となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
二層以上の複数のセルロース誘導体液を流延する場合、複数のセルロース誘導体溶液を流延することが可能で、支持体の進行方向に間隔をおいて設けられた複数の流延口からセルロース誘導体を含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、及び特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロース誘導体溶液を流延することによってもフィルム化することもできる。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、及び特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。さらに特開昭56−162617号公報に記載の、高粘度セルロース誘導体溶液の流れを低粘度のセルロース誘導体溶液で包み込み、その高・低粘度のセルロース誘導体溶液を同時に押し出すセルロース誘導体フィルムの流延方法を用いることもできる。
また、2個の流延口を用いて、第一の流延口により支持体に成形したフィルムを剥ぎ取った後、そのフィルムの支持体面に接していた側に第二の流延を行うことにより、フィルムを作製することもできる。例えば、特公昭44−20235号公報に記載の方法を挙げることができる。
流延するセルロース誘導体溶液は同一の溶液を用いてもよいし、異なるセルロース誘導体溶液を用いてもよい。複数のセルロース誘導体層に機能をもたせるために、その機能に応じたセルロース誘導体溶液を、それぞれの流延口から押し出せばよい。さらに本発明に用いられるセルロース誘導体溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
従来の単層液では、必要なフィルムの厚さにするためには、高濃度で高粘度のセルロース誘導体溶液を押し出すことが必要である。その場合セルロース誘導体溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障となったり、平面性が不良となったりして問題となることが多かった。この問題の解決方法として、複数のセルロース誘導体溶液を流延口から流延することにより、高粘度の溶液を同時に支持体上に押し出すことができ、平面性も良化し優れた面状のフィルムが作製できるばかりでなく、濃厚なセルロース誘導体溶液を用いることで乾燥負荷の低減化が達成でき、フィルムの生産スピードを高めることができる。
(延伸処理)
本発明の延伸セルロース誘導体フィルムはフィルム搬送方向(長手方向)、及び/又はこれと垂直な方向(幅方向)に延伸処理を行ってもよい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。幅方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
Rth発現性とともに、Re発現性を向上させるためには、搬送方向及び幅方向の双方に延伸することが特に好ましい。
〔セルロース誘導体フィルムの特性〕
本発明のフィルムは、種々の用途に応じて、その特性が好ましい範囲となるように、製造される。以下に、本発明のフィルムを、液晶表示装置の部材として用いるのに好ましい特性について説明する。
(フィルムの厚み)
本発明のセルロース誘導体フィルムの厚みは、30μm〜200μmが好ましい。さらに好ましくは40μm〜150μmであり、よりさらに好ましくは40μm〜100μmである。
(フィルムのレターデーション)
本発明のセルロース誘導体フィルムは、レターデーション、特に厚み方向のレターデーション、の発現性が高い。具体的には、波長589nmにおける厚み方向のレターデーションRth(589)は、膜厚を100μmとしたときに、50nm〜1000nmが好ましく、100nm〜800nmがさら好ましい。
一方、本発明のセルロース誘導体フィルムの波長589nmにおける面内レターデーションRe(589)は、0nm〜280nmが好ましく、0nm〜200nmがさらに好ましい。
なお、本明細書において、Re、Rthは各々、正面のレターデーション及び厚さ方向のレターデーションを表す。ReはKOBRA 21ADH(商品名、王子計測機器(株)製)において波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、正面の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は、「ポリマーハンドブック」(JOHN WILEY&SONS,INC)や、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロース誘導体(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
(レターデーションの波長依存性)
本発明のセルロース誘導体フィルムは、レターデーション、特にRth、の波長依存性が小さいという特徴を有する。本発明のフィルムは、可視光域の光に対して、そのRthの変動が589nmのRthの絶対値に対して5%以内を達成し得る。
(ヘイズ)
本発明のセルロース誘導体フィルムは、例えば、ヘイズ計(1001DP型、商品名、日本電色工業(株)製)を用いて測定した値が0.1〜0.8であることが好ましい。さらに好ましくは、0.1〜0.7であり、よりさらに好ましくは0.1〜0.60である。前記範囲にヘイズを制御することにより、光学補償シートとして液晶表示装置に組み込んだ際に高コントラストの画像が得られる。
(フィルムの平衡含水率)
セルロース誘導体フィルムの吸水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は一定温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明のセルロース誘導体フィルムの25℃80%RHにおける平衡含水率が3.5質量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは3.0質量%以下であり、よりさらに好ましくは2.5質量%以下である。
フィルムの平衡含水率を上記範囲にすることにより、フィルムのレターデーション変化小さくすることができる。
(環境湿度によるレターデーション変化)
本発明のセルロース誘導体フィルムは環境湿度による変化レターデーション変化が小さいことが好ましく、Re及びRthは下記式(7)及び(8)の関係を満たすことが好ましい。
Figure 2009132764
式(7)はさらに好ましくは、
Figure 2009132764
であり、よりさらに好ましくは、
Figure 2009132764
である。
また、式(8)はさらに好ましくは、
Figure 2009132764
であり、よりさらに好ましくは、
Figure 2009132764
である。
環境湿度によるレターデーション変化を上記範囲に制御することにより、これ液晶表示装置に組み込んだ際、環境湿度による色味変化の小さい液晶表示装置が得られる。
(面状故障)
本発明のセルロース誘導体フィルムは、例えば、セルロース誘導体フィルムをサンプリングし、得られたフィルムの両端部30cm幅、長さ1m上に存在する30μm以上の異物あるいは凝集物の数を数えて求めた値が0〜50であることが好ましい。さらに好ましくは0〜40、特に好ましくは0〜30である。
(セルロース誘導体フィルムの表面処理)
セルロース誘導体フィルムに、表面処理を施してもよい。表面処理の例として、ケン化処理、プラズマ処理、火炎処理、及び紫外線照射処理が挙げられる。ケン化処理には、酸ケン化処理及びアルカリケン化処理が含まれる。プラズマ処理にはコロナ放電処理及びグロー放電処理が含まれる。フィルムの平面性を保つために、これらの表面処理においては、セルロース誘導体フィルムの温度をガラス転移温度(Tg)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。これらの表面処理後のセルロース誘導体フィルムの表面エネルギーは55〜75mN/mであることが好ましい。
グロー放電処理は、10-3〜20Torr(0.133Pa〜2.67kPa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体は、上記のような条件においてプラズマ励起される気体であり、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロース誘導体フィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、セルロース誘導体フィルムを鹸化液の槽に直接浸漬する方法又は鹸化液をセルロース誘導体フィルム塗布する方法で実施することが好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、上記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒〜5分が好ましく、5秒〜5分がさらに好ましく、20秒〜3分が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。
これらの方法で得られた固体の表面エネルギーは「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社、1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、及び吸着法により求めることができる。本発明のセルロース誘導体フィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である2種類の溶液をセルロース誘導体フィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
セルロース誘導体フィルムに上記の表面処理を実施することにより、フィルムの表面エネルギーが55〜75mN/mであるセルロース誘導体フィルムを得ることができる。このセルロース誘導体フィルムを偏光板の透明保護膜とすることにより、偏光膜とセルロース誘導体フィルムの接着性を向上させることができる。また、本発明のセルロース誘導体フィルムをOCBモードの液晶表示装置に用いる場合、本発明の光学補償シートは、セルロース誘導体フィルム上に配向膜を形成し、その上に円盤状化合物もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を設けてもよい。光学異方性層は、配向膜上に円盤状化合物(もしくは棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状態を固定することにより形成する。このようにセルロース誘導体フィルム上に光学異方性層を設ける場合、従来ではセルロース誘導体フィルムと配向膜との接着性を確保するために、両者の間にゼラチン下塗り層を設ける必要があったが、本発明の、表面エネルギーが55〜75mN/mであるセルロース誘導体フィルムを用いることにより、ゼラチン下塗り層を不要とすることができる。
[セルロース誘導体フィルムの用途]
〔光学補償シート〕
本発明のセルロース誘導体フィルムは、光学補償シートとして用いることが好ましい。
〔偏光板〕
本発明のセルロース誘導体フィルムは、偏光板の一部材として用いることができる。偏光板は、偏光膜及びその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、上記のセルロース誘導体フィルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
本発明のセルロース誘導体フィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置するのが好ましい。
(反射防止層)
偏光板の、液晶セルと反対側に配置される透明保護膜には反射防止層を設けることが好ましい。特に本発明では、(1)透明保護膜上に少なくとも光散乱層と低屈折率層がこの順で積層した反射防止層、又は、(2)透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層が好適に用いられる。以下にそれらの好ましい例を順に記載する。
(1)透明保護膜上に光散乱層と低屈折率層を設けた反射防止層
本発明における光散乱層には、マット粒子が分散しており、光散乱層のマット粒子以外の部分の素材の屈折率は1.50〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層の屈折率は1.35〜1.49の範囲にあることが好ましい。本発明において光散乱層は防眩性とハードコート性を兼ね備えており、1層でもよいし、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。
反射防止層は、その表面凹凸形状として、中心線平均粗さRaが0.08〜0.40μm、10点平均粗さRzがRaの10倍以下、平均山谷距離Smが1〜100μm、凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差が0.5μm以下、中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差が20μm以下、傾斜角0〜5度の面が10%以上となるように設計することで、十分な防眩性と目視での均一なマット感が達成され、好ましい。また、C光源下での反射光の色味がa*値−2〜2、b*値−3〜3、380nm〜780nmの範囲内での反射率の最小値と最大値の比0.5〜0.99であることで、反射光の色味がニュートラルとなり、好ましい。またC光源下での透過光のb*値が0〜3とすることで、表示装置に適用した際の白表示の黄色味が低減され、好ましい。また、面光源上と本発明における反射防止フィルムの間に120μm×40μmの格子を挿入してフィルム上で輝度分布を測定した際の輝度分布の標準偏差が20以下であると、高精細パネルに本発明のフィルムを適用したときのギラツキが低減され、好ましい。
前記反射防止層は、その光学特性として、鏡面反射率2.5%以下、透過率90%以上、60度光沢度70%以下とすることで、外光の反射を抑制でき、視認性が向上するため好ましい。特に鏡面反射率は1%以下がより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。ヘイズ20%〜50%、内部ヘイズ/全ヘイズ値0.3〜1、光散乱層までのヘイズ値から低屈折率層を形成後のヘイズ値の低下が15%以内、くし幅0.5mmにおける透過像鮮明度20%〜50%、垂直透過光/垂直から2度傾斜方向の透過率比が1.5〜5.0とすることで、高精細LCDパネル上でのギラツキ防止、文字等のボケの低減が達成され、好ましい。
<低屈折率層>
前記反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であり、好ましくは1.30〜1.44の範囲にある。さらに、低屈折率層は下記数式(9)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
Figure 2009132764
(式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。)
前記低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含む。フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.20、水に対する接触角90〜120°、純水の滑落角が70°以下の熱又は電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなり好ましく、500gf以下が好ましく、300gf以下がより好ましく、100gf以下がよりさらに好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難く、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーとしてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製、商品名)やM−2020(ダイキン製、商品名)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための構成単位としてはグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また上記含フッ素モノマー単位、架橋反応性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号及び特開平10−147739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用してもよい。
<光散乱層>
光散乱層は、表面散乱及び/又は内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。従って、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、及び必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを含んで形成される。
光散乱層の膜厚は、ハードコート性を付与する目的で、1〜10μmが好ましく、1.2〜6μmがより好ましい。薄すぎるとハード性が不足し、厚すぎるとカールや脆性が悪化して加工適性が不足となる。
散乱層のバインダーとしては、飽和炭化水素鎖又はポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むものを選択することもできる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、上記のエチレンオキサイド変性体、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。これらの光ラジカル開始剤等は公知のものを使用することができる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止膜を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに又はそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
光散乱層には、防眩性付与の目的で、フィラー粒子より大きく、平均粒子サイズが1〜10μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子が含有される。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋アクリルスチレン粒子、シリカ粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、粒子サイズの異なる2種以上のマット粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子サイズのマット粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子サイズのマット粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
さらに、上記マット粒子の粒子サイズ分布としては単分散であることがよりさらに好ましく、各粒子の粒子サイズは、それぞれ同一に近ければ近いほどよい。例えば平均粒子サイズよりも20%以上粒子サイズが大きな粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子サイズ分布を持つマット粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布のマット剤を得ることができる。
上記マット粒子は、形成された光散乱層のマット粒子量が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2となるように光散乱層に含有される。
マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
光散乱層には、層の屈折率を高めるために、上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒子サイズが0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機フィラーが含有されることが好ましい。
また逆に、マット粒子との屈折率差を大きくするために、高屈折率マット粒子を用いた光散乱層では層の屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いることも好ましい。好ましい粒子サイズは前述の無機フィラーと同じである。
光散乱層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITOとSiO2等が挙げられる。TiO2及びZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーの添加量は、光散乱層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このようなフィラーは、粒子サイズが光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
光散乱層のバインダー及び無機フィラーの混合物のバルクの屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機フィラーの種類及び量割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に容易に知ることができる。
光散乱層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を防眩層形成用の塗布組成物中に含有する。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
(2)透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層
基体上に少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成から成る反射防止膜は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
また、透明支持体と中屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。更には、中屈折率ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなってもよい。
例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等が挙げられる。又、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例えば、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜のヘイズは、5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。又膜の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることがよりさらに好ましい。
<高屈折率層及び中屈折率層>
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒子サイズ100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。
高屈折率の無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。
このような超微粒子とするには、粒子表面が表面処理剤で処理されること(例えば、シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造とすること(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤併用(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858号明細書、特開2002−2776069号公報等)等が挙げられる。
マトリックスを形成する材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等が挙げられる。
更に、ラジカル重合性及び/又はカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有の多官能性化合物含有組成物、加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。
また、金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物と金属アルコキシド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。
高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜2.20である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。また、厚さは5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
<低屈折率層>
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成る。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。
耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含む架橋性若しくは重合性の官能基を含む化合物が好ましい。
例えば、特開平9−222503号公報段落[0018]〜[0026]、同11−38202号公報段落[0019]〜[0030]、特開2001−40284号公報段落[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報等に記載の化合物が挙げられる。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基あるいは重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(商品名、チッソ(株)製)等)、両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報等)等が挙げられる。
架橋又は重合性基を有する含フッ素及び/又はシロキサンのポリマーの架橋又は重合反応は、重合開始剤、増感剤等を含有する最外層を形成するための塗布組成物を塗布と同時又は塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
また、シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜も好ましい。
例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物又はその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報記載等記載の化合物)、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有することができる。
低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されてもよい。安価に製造できる点で、塗布法が好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることがよりさらに好ましい。
(3)反射防止層の他の層
さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
<ハードコート層>
ハードコート層は、反射防止層を設けた透明保護膜に物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。
硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、又加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等に記載のものが挙げられる。
高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。このような場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。
ハードコート層は、平均粒子サイズ0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることがよりさらに好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
<帯電防止層>
帯電防止層を設ける場合には体積抵抗率が10-8(Ωcm-3)以下の導電性を付与することが好ましい。吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性剤、カチオンポリマー、アニオンポリマー、コロイダルシリカ等の使用により10-8(Ωcm-3)の体積抵抗率の付与は可能であるが、温湿度依存性が大きく、低湿では十分な導電性を確保できない問題がある。そのため、導電性層素材としては金属酸化物が好ましい。金属酸化物には着色しているものがあるが、これらの金属酸化物を導電性層素材として用いるとフィルム全体が着色してしまい好ましくない。着色のない金属酸化物を形成する金属としてZn、Ti、Al、In、Si、Mg、Ba、Mo、W又はVをあげることができ、これらを主成分とした金属酸化物を用いることが好ましい。具体的な例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、あるいはこれらの複合酸化物がよく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加物、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の添加、またTiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。更にまた、特公昭59−6235号公報に記載の如く、他の結晶性金属粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の金属酸化物を付着させた素材を使用してもよい。尚、体積抵抗値と表面抵抗値は別の物性値であり単純に比較することはできないが、体積抵抗値で10-8(Ωcm-3)以下の導電性を確保するためには、該導電層が概ね10-10(Ω/□)以下の表面抵抗値を有していればよく更に好ましくは10-8(Ω/□)である。導電層の表面抵抗値は帯電防止層を最表層としたときの値として測定されることが必要であり、本明細書に記載の積層フィルムを形成する途中の段階で測定することができる。
[液晶表示装置]
本発明のセルロース誘導体フィルムを用いた偏光板は、液晶表示装置に有用である。本発明の偏光板は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。このうち、OCBモード又はVAモードに好ましく用いることができる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置である。OCBモードの液晶セルは、米国特許第4,583,825号、同5,410,422号の各明細書に開示されている。棒状液晶分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモード及びVAモードの液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に二枚の偏光板を配置してもよいし、VAモードの場合、偏光板をセルのバックライト側に配置してもよい。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた原料はいずれも市販品を購入し、そのまま使用した。
<合成例1:メチルセルロースベンゾエート(P−1)の合成>
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコにメチルセルロース(メトキシ置換度1.8)30g、ピリジン600mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにベンゾイルクロリド234mLをゆっくりと滴下し、60℃にて6時間攪拌した。反応後、室温に戻し、氷冷下、メタノール200mLを加えてクエンチした。反応溶液をメタノール6Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノールで3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することにより目的のセルロース誘導体(P−1)を白色粉体として得た(44.7g)。
<合成例2:エチルセルロースベンゾエート(P−2)の合成>
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコにエチルセルロース(エトキシ置換度2.6)50g、ピリジン500mLを量り取り、室温で攪拌した。ここにベンゾイルクロリド42mLをゆっくりと滴下し、60℃にて6時間攪拌した。反応後、室温に戻し、氷冷下、メタノール100mLを加えてクエンチした。反応溶液をメタノール/水(6L/2L)へ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノール/水(3/1)混合溶媒で3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することにより目的のセルロース誘導体(P−2)を白色粉体として得た(36.3g)。
<合成例3:エチルセルロースフェニルベンゾエート(P−3)の合成>
合成例2においてベンゾイルクロリドを4−フェニルベンゾイルクロリドに変更した以外は同様にして、目的のセルロース誘導体(P−3)を白色粉体として得た(47.0g)。
<合成例4:エチルセルロースアサロネート(P−4)の合成>
合成例2においてベンゾイルクロリドをアサロニルクロリド(2,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド)に変更した以外は同様にして、目的のセルロース誘導体(P−4)を白色粉体として得た(31.0g)。
<合成例5:エチルセルロースメチルベンゾエート(P−5)の合成>
合成例2においてベンゾイルクロリドを4−メチルベンゾイルクロリドに変更した以外は同様にして、目的のセルロース誘導体(P−5)を白色粉体として得た(46.8g)。
<合成例6:エチルセルロースナフトエート(P−6)の合成>
合成例2においてベンゾイルクロリドを2−ナフトイルクロリドに変更した以外は同様にして、目的のセルロース誘導体(P−6)を白色粉体として得た(24.5g)。
<合成例7:メチルセルロースベンゾエート(P−7)の合成>
合成例1においてベンゾイルクロリドの量を40mLに変更した以外は同様にして目的のセルロース誘導体(P−7)が得られる。
<合成例8:エチルセルロースベンゾエート(P−8)の合成>
合成例2においてベンゾイルクロリドの量を8mLに変更した以外は同様にして目的のセルロース誘導体(P−8)を白色粉体として得た(35.0g)。
<合成例9:ヒドロキシプロピルセルロースベンゾエート(H−1)の合成>
特開2005‐283997記載の方法に従い、アシル化剤を無水酢酸からベンゾイルクロリドに変更し、適宜アシル化剤量を調整することで、比較化合物であるヒドロキシプロピルセルロースベンゾエート(H−1)を合成できる。
<合成例10:ヒドロキシプロピルセルロースアセテート(H−2)の合成>
特開2005‐283997記載の方法に従い、比較化合物であるヒドロキシプロピルセルロースアセテート(H−2)を合成できる。
<実施例1:セルロース誘導体フィルムの作製とフィルム物性測定>
[フィルム作製]
上記で得られたセルロース誘導体(P−1)10gを塩化メチレン117mLに溶解し、これを加圧ろ過した。得られたドープをA3大の疎水性ガラス板上でアプリケーター(クリアランス1.00)を用いて、流延製膜した。これを25℃密閉系で1分間レベリングし、続いて45℃の送風乾燥機中で8分間乾燥した。ガラス板からフィルムを剥ぎ取り、ステンレス製の枠に挟み、これを100℃の乾燥機中で10分間、140℃の乾燥機中で30分間乾燥を行い、透明なフィルムF−1を得た。
セルロース誘導体P−1に代えて、セルロース誘導体P−2〜8、酢酸セルロース(CTA、アセチル置換度2.9)、メチルセルロース(MC、メトキシ置換度1.6)エチルセルロース(EC、エトキシ置換度2.6)及びH−1〜2をそれぞれ用いて、同様に製膜し、本発明の実施例である透明なフィルムF−2〜8、比較例であるフィルムF−11〜F−15をそれぞれ作製した。また、セルロース誘導体P−2を用いて、アプリケーターのクリアランスを0.6、0.4に変更した以外は同様にして、透明なフィルムF−9及びF−10を得た。
[フィルム物性測定]
フィルムの脆性及び面状は官能的に下記のとおり評価した。
(脆性)○:剥ぎ取り、乾燥、搬送時に割れない
×:剥ぎ取り、乾燥、搬送時に部分的に割れる
(面状)○:透明で均一な状態
×:白濁した状態
また、フィルムのRthは589nmの値である。
Figure 2009132764
表1の結果から、本発明のセルロース誘導体P−1〜P−8を用いて作製されたフィルムは、大きなRthを示すことが理解できる。
一方、アシル基のみで置換された酢酸セルロースを用いて作製したフィルムF−11(比較例1)は、Rthは10nm程度で小さかった。また、メチル基又はエチル基のみで置換されたメチルセルロースやエチルセルロースを用いて作製したフィルムF−12及びF−13(比較例2及び3)は、製膜時に白濁化して、透明なフィルムとしては得られず、さらに脆性であった。その結果、光学特性評価に至らなかった。
また、エステル基とエーテル基の双方を有していても、その置換度の総和が低く、前記式(I)を満足しないセルロース誘導体では、製膜できなかった(比較例4、F−14)。
さらに、エステル基とエーテル基の双方を有していても、エーテル基の脂肪族炭化水素基部分が無置換でなく、酸素原子等の極性の高い原子を含む置換基で置換されたセルロース誘導体を用いて作製したフィルムF−15では、RthはF−12と同様に低かった(比較例5)。
上記結果から、エーテルとエステルの両置換基を有する組み合わせることで、製膜性と新規な光学特性を発現するという、従来のセルロース誘導体では得られなかった効果が得られることが理解できる。また、本発明のフィルムは大きなRthを発現することから、薄膜化しても好適なRthを有し、光学フィルム材料として好ましいと考えられる。
<実施例2:偏光板の作製と評価>
上記作製したフィルムF−2とセルロースアシレートフィルム(富士フイルム(株)社製、フジTAC)を60℃の水酸化ナトリウム1.5N水溶液中で2分間浸漬した。この後、0.1Nの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、水洗浴を通し、鹸化処理したF−2とフジTACを得た。
特開平2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与えて、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ社製、9X75RS)を、長手方向に延伸し、偏光膜を得た。
このようにして得た偏光膜と、鹸化処理したF−2を、ポリビニルアルコール(PVA)(クラレ社製、PVA−117H)3質量%水溶液を接着剤として、フィルムの長手方向が45゜となるように、「鹸化処理したF−1/偏光膜/鹸化処理したフジTAC」の層構成で貼り合わせて偏光板Pol−1を作製した。
<実施例3:液晶表示装置の作製と評価>
VA型液晶セルを使用した26インチ及び40インチの液晶表示装置(シャープ(株)製)に液晶層を挟んで設置されている2対の偏光板のうち、観察者側の片面の偏光板を剥がし、粘着剤を用い、代わりに上記偏光板Pol−1を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸とバックライト側の偏光板の透過軸が直交するように配置して、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の色ムラを観察した。本発明の偏光板Pol−1を組み込んだ液晶表示装置は色ムラが無く、優れたものであった。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される重合単位を含み、且つ下記数式(I)〜(III)を満たすセルロース誘導体を含有することを特徴とするフィルム。
    Figure 2009132764
    [式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。]
    (I) 0≦DSA≦1.4
    (II) 0<DSB
    (III) 0<DSC
    [式中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数であり、DSA+DSB+DSCは3である。]
  2. 前記セルロース誘導体が、下記式(IV)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
    (IV) DSC≦DSB
  3. 前記セルロース誘導体が、下記式(I)’〜(III)’を満たすことを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
    (I)’ 0≦DSA≦0.4
    (II)’ 1.5≦DSB≦2.7
    (III)’ 0.1≦DSC≦1.5
  4. 前記セルロース誘導体が有するアシル基が、芳香族アシル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムからなる、又は請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムを有することを特徴とする光学補償シート。
  6. 偏光子と、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムとを有することを特徴とする偏光板。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
  8. 下記一般式(1)で表される重合単位を含み、且つ下記数式(I)〜(III)を満たすことを特徴とするセルロース誘導体。
    Figure 2009132764
    [式中、R2、R3及びR6は、それぞれ独立に水素原子、無置換の脂肪族炭化水素基又はアシル基を表す。]
    (I) 0≦DSA≦1.4
    (II) 0<DSB
    (III) 0<DSC
    [式中、DSAは、上記単位中にR2、R3及びR6として存在する水素原子の数であり、DSBは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在する無置換の脂肪族炭化水素基の数であり、及びDSCは、同単位中にR2、R3及びR6としてそれぞれ存在するアシル基の数であり、DSA+DSB+DSCは3である。]
  9. 下記式(IV)を満たすことを特徴とする請求項8に記載のセルロース誘導体。
    (IV) DSC≦DSB
  10. 下記式(I)’〜(III)’を満たすことを特徴とする請求項8又は9に記載のセルロース誘導体。
    (I)’ 0≦DSA≦0.4
    (II)’ 1.5≦DSB≦2.7
    (III)’ 0.1≦DSC≦1.5
  11. 前記アシル基が、芳香族アシル基であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のセルロース誘導体。
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