まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
本発明の実施の形態の撮像装置は、光を屈折する集光手段と、第1面及び第2面を備え、前記集光手段と前記第1面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする。このような構造によって、表示付き撮像装置を薄型化することができる。更に、この撮像装置を搭載した装置を小型化、薄型化でき、表示による情報提供が可能となり、ユーザにとっての利便性が向上する。更に、表示光がマイクロレンズを透過する構造のため、マイクロレンズの間に表示光が透過するための空間を別途設ける必要がなく、光を光検出素子に集光できない不感領域を縮小または無くすことができるために、光の検出率が増大できる。更に、光の検出率の増加によってSNRが向上するため、被写体像の画質が向上する。
本構成の撮像装置では、表示光の焦点が、撮影光よりも撮像装置から離れた位置になる。または、撮影光は焦点を有するが、表示光は焦点を持たない平行光か、広がりを持った光となる。そのため、本構成の撮像装置は、撮影対象が、表示を見る利用者と同程度か、利用者より撮像装置の近くに設置される装置(例えば、指静脈、掌静脈、手の甲静脈、指紋などを用いた認証装置用の撮像装置や、画像などを読み取る撮像装置、更にこれらを搭載した携帯電話機、PHS、モバイル機器、ディスプレイ、TV、現金自動取引装置、認証装置、スキャナ、ファックシミリ装置などの装置)に適する。
このような構造の撮像装置は、少なくとも一部が透明な第1基板に発光ユニットを作製して表示層を形成する工程と、第2基板に光検出素子を作製して撮像層を形成する工程と、前記第1基板の第1面に前記第2基板を透明接着剤で接着する工程と、前記第1面に対向する前記第1基板の第2面と対向するように、光を屈折する集光手段を透明な接着剤で接着する工程と、を含む製造方法によって作製される。この製造方法によって、各層を別々に作製することができ、撮像装置を容易に作製することができる。
また、このような構造の撮像装置は、対向する第1面と第2面を有し、少なくとも一部が透明な基板に対し、前記第1面に発光ユニットを作製し、前記第2面に光検出素子を作製する工程と、光を屈折する集光手段を前記第1面と対向するように、透明な接着剤で接着する工程と、を含む製造方法によっても作製できる。このような製造方法により、発光ユニットと光検出素子の位置関係を精度良く決定できる。また表示層と撮像層を接着する必要がなく、接着剤内で生じる気泡などによる光の減衰がないため、光の検出効率を向上できる。
更に、本発明の実施の形態の撮像装置は、前記集光手段の光軸上に、前記光検出素子及び前記発光ユニットが配置されている。このような構造によって、撮影光を光検出素子に集光し、表示光をマイクロレンズから照射することができる。このときマイクロレンズは表示光の妨げにならず、表示の質が向上する。
更に、本発明の実施の形態の撮像装置は、前記発光ユニットが有機EL発光層を備える。このような構造によって、透明な表示層を実現できる。従って、被写体からの光が表示層で遮光されずに光検出素子に到達できるようになり、光検出素子での光の検出率が増大できる。
更に、前記発光ユニットが、異なるスペクトル分布を持った光を放射する複数の発光層を備える。このような構造によって、カラー表示が可能となる。
更に、前記複数の発光層は、積層された構造である。このような構造によって、利用者の位置によらずに各色の表示を行うことができる。
更に、前記発光層が第1発光層、及び、前記第1発光層の波長よりも長い波長の光を発する第2発光層を備え、前記第1発光層が前記第2発光層より前記集光手段に近い位置に配置される。このような構造によって、各色の表示光の屈折率の違いによる色収差を低減、除去でき、表示装置を見る角度によって色が異なる現象を低減または防ぐことができる。
更に、前記発光ユニットと前記光検出素子の間に遮光手段を備える。このような構造によって、隣接したマイクロレンズから光検出素子に光が入るクロストークを低減できる。また、発光ユニットを点灯した場合、離れた位置の光検出素子との間に遮光手段を設けることができるため、その発光ユニットからの直接光が入射せず、発光ユニットが点灯中でも光検出素子を動作させることができる。
更に、本発明の実施の形態の撮像装置は、前記集光手段と前記撮像層の間に配置され、光を透過する入光口と光を反射する反射手段を具備する第1反射層と、該第1反射層と前記撮像層の間に配置され、光を透過する透明層と、第1反射層と向かい合い、光を反射する第2反射層とを備え、前記第1反射層及び前記第2反射層が、前記透明層及び前記撮像層を挟む構造である。このような構造によって、光検出素子が薄く検出感度が低い場合でも、透過光を第1反射層と第2反射層で反射することで複数回光検出素子に光を入射させることができ、光検出素子の検出感度を向上できる。更に、透明層によって第1反射層と撮像層の間に距離を有するように構成され、第2反射層で反射した光が入光口から逃げ難い構造となる。更に、第1反射層に凹凸などの構造を設けることが可能となり、第1反射層を効率的に光検出素子に再度入射させることができる。
更に、前記表示層の少なくとも一部が前記透明層を兼ねる。このような構造によって、材料や工程を低減でき、検出装置を薄型化できる。
更に、前記集光手段が、前記光検出素子毎に形成され、前記表示層の方向に凸形状を有するマイクロレンズから成る。このような構造によって、マイクロレンズを薄くできる。更に、マイクロレンズから出力される表示光の広がりを抑え、覗き見防止、表示光度の向上、電力の消費を抑えることができる。更に、発光ユニットからの光が単色でない場合、その色収差を低減、除去できる。
更に、前記発光ユニットが前記光検出素子から所定の距離以内の位置に設けられている。このような構造によって、表示光がマイクロレンズから出る角度を限定することができるために、表示光の照射範囲を絞ることができ、表示光度が向上し、電力の消費を抑えることができる。
特に、前記集光手段は、前記光検出素子毎に形成され、前記撮影対象方向に凸形状を有するマイクロレンズから成り、前記光検出素子及び前記発光ユニットは、前記マイクロレンズの光軸上に配置され、前記マイクロレンズの凸上の点A、前記点Aから光軸へ下ろした垂線と光軸との交点B、前記光軸と前記発光ユニットとの交点を点C、線分ABの長さW、前記点Bから前記光検出素子までの距離D、前記点Cから前記発光ユニットの端部までの距離M、前記点Aにおける前記マイクロレンズの法線と直線ABとの成す角α、前記マイクロレンズの屈折率をnとすると、前記所定の距離が下式で表されることを特徴とする。
このような構造によって、表示光の多くはマイクロレンズを透過後、光軸から18度(π/10 rad)以内の方向に照射される。これによって、視野角を限定でき、周囲からの覗き見を防止できる。更に、認証装置として、光源と、前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、前記撮像装置は、光を屈折する集光手段と、第1面及び第2面を備え、前記集光手段と前記第1面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造である。また、更に、前記生体情報は、指紋、指の静脈、掌の静脈、手の甲の静脈の少なくとも一つの情報である。このような構造によって、撮像装置が表示機能や、撮影用光源を有する、さまざまな生体認証装置を実現できる。
更に、前記発光ユニットが前記光源を兼ねる。このような構造によって、撮影用の光源を別途設ける必要がなくなり、材料や製造工程の低減と、撮像装置を薄型化、小型化することができる。
更に、本発明の実施の形態の携帯端末は、光源と、前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、前記撮像装置は、光を屈折する集光手段と、第1面及び第2面を備え、前記集光手段と第1の面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする。このような構造によって、表示機能と撮影機能が一体の様々な携帯端末を実現できる。
更に、本発明の実施の形態の現金自動取引装置は、個人認証を行うために生体情報を取得する認証装置を具備する現金自動取引装置であって、前記認証装置が、光源と、前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、前記撮像装置は、光を屈折する集光手段と、第1面及び第2面を備え、前記集光手段と第1の面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする。このような構造によって、生体認証撮影装置を搭載した、表示機能を有する現金自動取引装置を実現できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明の適用対象の一例である表示機能付きの撮像装置であり、発光ユニット層が撮像層とマイクロレンズに挟まれた配置された構造を成す。以下、図1から図12を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態の一例である撮像装置の外観を示す斜視図である。図2及び図3は撮像装置101の回路構成を説明するための回路図である。図4及び図5は、図1の位置107における撮像装置の断面図である。図6及び図7はマイクロレンズ、発光ユニット、及び光検出素子の配置を説明するための説明図である。図8から図10は、撮像装置101の作製方法の一例を説明するための説明図である。図11と図12は、画素構造の異なる別の例を説明するための断面図である。
まず、図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。本撮像装置101は、表示光を照射する表示系(点線)と、光を検出して画像を取得する撮影系(実線)から成る。表示系は、発光ユニット111、発光ユニット用スイッチ117、発光ユニット用電力制御回路102、発光ユニット用シフトレジスタ118から成り、撮影系は、光検出素子113、光検出素子用スイッチ114、光検出素子用シフトレジスタ105、及び読み出し回路104を備える。発光ユニット111、光検出素子113、発光ユニット用スイッチ117、及び光検出素子用スイッチ114は、画素110を構成し、基板103上に2次元的に配置されている。ここで、本構成は実施形態の一例であり、本発明を限定するものではない。更にこの画素110の数は、説明を簡単にするためであり、本発明を限定するものではない。
本撮像装置は、生体認証に用いる画像を撮影する機能と、画像を表示する機能とを備え、それぞれの機能を、切り替えることができる。以下、本実施形態の撮影方法を、図2に示す撮影系の回路図、及び表示方法を図3に示す表示系の回路図を用いて説明する。ただし、本回路構成は実施、撮影方法、表示方法の一例であり、本発明を限定するものではない。
撮影時は、まず光源(図示せず)から被写体に向けて光を照射する。光源は、例えば、画素110から成る検出領域の周辺に設ける。そして、生体で透過、反射、散乱の少なくとも一つを行った光を光検出素子113で検出して、光検出素子113に電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する。このとき光源には、例えば、600nmから1200nmの光を主に発光する発光ダイオードを用いるとよい。また、遮光体などによって、光源から画素110に直接光が入射しないようにする。光検出素子113は、例えば、アモルファスシリコンを用いたフォトダイオードを用いるとよい。
撮影系は、図2に示すように、光検出素子113は光検出素子用スイッチ114のドレイン電極と接続される。スイッチ114は、そのゲート電極が光検出素子用制御線112を介して光検出素子用シフトレジスタ105に接続され、そのソース電極が信号線116を介して読み出し回路104に接続されている。更に、同一行のスイッチ114は、共通の制御線112に接続されているため、制御線112に電圧を供給することによって、光検出素子113で生じた電荷を、各列同時に読み出し回路104に導くことができる。
読み出しでは、まず、読み出し開始用パッド106に開始の信号を入力すると、1行目の制御線112に、スイッチ114がオンとなる電圧を印加し、光検出素子113に蓄積された電荷を読み出す。読み出された電荷は、読み出し回路104の積分器109において蓄積され、電圧信号に変換される。次に、ICチップ108において、列ごとに信号をサンプルホールドして、アナログ信号をデジタル信号に変換(AD変換)し、変換されたデジタル信号を出力用電極パッド115から順次出力する。ここで、図3に示す電極パッド115の数は、説明を簡単にするためであり、本発明を限定するものではない。
次に、1行目のスイッチ114をオフにし、シフトレジスタ105にて行を変えてスイッチ114をオンにし、撮影をする。このとき、同一列の光検出素子用スイッチ114は共通の信号線116に接続されているため、シフトレジスタ105で選択する行を切り替えることによって、列毎に共通の読み出し回路104において信号を読み出すことができる。このようにして、2行目、3行目、…、と順次撮影を行い、全ての画素110で撮影を行って、撮影対象の二次元画像を得ることができる。
一方、表示では、行毎に発光ユニット111を発光させる。発光ユニット111は、例えば有機EL材料から構成される。図3に示すように、発光ユニット111は発光ユニット用スイッチ117のドレイン電極と接続される。スイッチ117は、そのゲート電極が発光ユニット用制御線119を介して発光ユニット用シフトレジスタ118に接続され、そのソース電極が発光ユニット用電力線120を介して発光ユニット用電力制御回路102に接続されている。更に、同一行のスイッチ117は、共通の制御線119に接続されているため、制御線119に電力を供給することによって、発光ユニット111を発光できる。
表示では、まず、1行目の制御線119に電圧を印加して発光をする。その際、発光ユニット111に供給される電力を発光ユニット用電力制御回路102で制御することによって、光の強度を変更することができる。
次に、1行目のスイッチ117をオフにし、シフトレジスタ118にて行を変えてスイッチ117をオンにし、発光ユニット用電力制御回路102で次の行に電力を供給して表示を行う。このとき、同一列の発光ユニット用スイッチ117は共通の発光ユニット用電力線120に接続されているため、シフトレジスタ118で選択する行を切り替えることによって、列毎に共通の発光ユニット用電力線120にて表示を行うことができる。このようにして2行目、3行目、…、と順次撮影を行い、全ての画素110で表示を行って、二次元画像を表示できる。
本実施形態では、表示及び撮影を1行毎に行ったが、本発明はこれに限るものではなく、複数行単位や、複数素子からなるエリア単位で行ってもよい。
次に、図1の位置107の断面図である図4及び図5を用いて、撮像装置101の構造を説明する。図4は撮影時の光路示し、及び図5は表示時の光路を示す。ただし、本構造は実施形態の一例であって、本発明を限定するものではない。
本撮像装置101は、マイクロレンズ127、表示層132、撮像層133を備え、マイクロレンズ127と撮像層133が表示層132を挟み、透明なパッケージ用接着剤131、134によって、マイクロレンズ127、撮像層133及び表示層132が接合した構造を成す。基板125の上面には、光検出素子113が画素110ごとに形成されて撮像層133を成している。
光検出素子113は、透明電極123とアルミ電極121とによってアモルファスシリコン層122を挟んだ構造を成す。表示層132は、透明なガラス基板124の下面に、発光ユニット111が画素110毎に形成されている。発光ユニット111は、2つの透明電極135、138に、発光素子128が挟まれた構造を成す。
マイクロレンズ127は画素110毎に設けられ、その光軸145上に表示層132と光検出素子113が位置する。その材質は、例えば、シリコンやガラスから成るとよい。マイクロレンズに127には、図4に示すように、焦点139から出た光(入力光130)が光検出素子113に集光するように曲率を設ける。この曲率は、画素110ごとに異なっていても、同一であってもよい。接着剤134は、生体認証のために、光検出素子113で検出する撮影光130と、発光ユニットから出力される表示光144に対して透明である。なお、接着剤134は、少なくとも撮影光130に対して透明であればよい。ここで透明とは、例えば透過率が50%以上を意味する。
このような構造によって、図4に示すように、被写体の焦点から出て撮像装置101に入射する光130を、発光ユニット111に集光して検出することができる。また、図5に示すように、発光ユニット111から照射された表示光144を、マイクロレンズ127で屈折し、表示をすることも可能となる。
次に、撮影と表示を実現する撮影装置の構造を具体的に説明する。図6は撮影光の光路を示し、図7は表示光の光路を示す。本実施形態において、図6及び図7に示すように、点Aを通る撮影光及び表示光を考え、点Aから光軸145に下ろした垂線140と光軸145との交点をB、点Bから光検出素子113までの距離をD、線分ABの長さをW、点Aにおけるマイクロレンズ127の法線ベクトル141と直線ABとの成す角をα、マイクロレンズ127の屈折率をnとする。ここで説明を簡単にするために、点Aにおいてマイクロレンズ127は空気と接し、空気の屈折率は1とみなせるとする。また、同様に、ガラス基板124、接着剤134の屈折率はマイクロレンズ127と同程度とみなせ、点A以外の屈折は点Aでの屈折に比べて無視できるとする。
撮影の際、図6に示すように、撮影対象129中の発光点(焦点139)から出た撮影光130を光検出素子113に集光する。このためにマイクロレンズ127をおいて、αが所定の角度になるように設計する。この角度を求めるために、焦点139から点Bまでの距離をL、表示光130の入射角をθ2、屈折角をθ1とすると、スネルの法則と幾何学的条件より、以下の関係がある。
これらの関係を用いると、n=1.54、L=2mm、D=100μm、W=50μmの場合、αを約28度に設ければ、撮影光130は光検出素子113に集光できる。
一方、表示光では、撮像装置101を見る人(視者)まで、十分に光を到達する必要がある。このためマイクロレンズ127から光が出力される角度(表示角)を限定し、視者に十分な光度の光を到達させることが望ましい。更に、表示角を限定することによって、覗き見防止や光度の向上が実現できる。更に、目的方向以外に光を出力しないことによって、電力の低減が実現できる。ここで、表示角は、平行光である場合をゼロとし、平行光からの光の広がり角と定義する。
図7において、光軸145と発光ユニット111との交点をC、点Cから発光ユニット111の短部までの距離をM、発光ユニット111と光検出素子113の距離をX、表示光144の入射角をθ1、屈折角をθ2とする。このとき表示角は以下の関係がある。
またスネルの法則と幾何学的条件より、W>Mの場合に以下の関係がある。
従って、例えばW>Mを満たす点Aにおいて、表示角を18度(π/10 rad)以下にするためには、下式を満たせばよい(以降、右辺をXmaxと記す)。
この式を用いると、例えばn=1.54、α=28度、D=100μm、W=50μm、M=10μmの場合、Xは43μm以下となることが分かる。すなわち、発光ユニット111を光検出素子113から43μm以下の位置に設けることによって、表示光144の表示角を18度以下にすることが可能となる。
本実施形態において、マイクロレンズ127は空気と接し、またガラス基板124、接着剤134の屈折率はマイクロレンズ127と同程度とみなし、点A以外の屈折は点Aでの屈折に比べて無視できるとしたが、これは一例であって、本発明を限定するものではない。使用するガラス基板124、接着剤134などの材料や、使用する媒体によっては、点A以外での媒体間での屈折も考慮して、発光ユニット111と光検出素子113の距離Xを設定するとよい。
このようにXmaxを、マイクロレンズ127上の各点で求め、Xがその全点の最小値以下になるよう発光ユニット111を設置することによって、発光ユニット111から出力される大部分の表示光を、表示角18度以下にすることが可能となる。
次に、本実施形態の構造による撮像装置101の作製方法を、図8から図10を用いて説明する。ただし、以下に説明する方法は作製方法の一例であり、本発明を限定するものではない。
図8を用いて表示系の作製方法を説明する。まず、工程1において、ガラス基板上124に、発光ユニット111への配線及びスイッチを作製する。図中では発光ユニット用電力線120のみを記すが、他にも発光ユニット用制御線119も作製しておく。これらの配線は、例えば、アルミニウムを用い、真空蒸着法にて形成する。また、発光ユニット用スイッチ117として、例えば、ポリシリコンを用いてTFTスイッチを作製する。
工程2では、工程1後の基板に、蛍光ユニット111の電極135を作製する。ここで蛍光ユニット111は検出光が透過する位置に設けられるため、透明であることが望ましい。そのため電極135は、例えば、ITO、酸化インジウム、酸化スズなどの酸化物半導体薄膜、金、銀、プラチナ、アルミニウムのような金属薄膜、スピネル形化合物、導電性窒化物薄膜、導電性ホウ化物薄膜、導電性高分子などを用いて作製する。その製造方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、分子線エピタキシー法などの物理的蓄積法、熱CVD法やプラズマCVD法などの化学的蓄積法、ゾルーゲル法、めっき法、塗布法などの蓄積法や、酸化法、拡散法、イオン注入法などの基板侵入法など、どのような方法を用いてもよい。
工程3では、工程2後の基板に、発光素子128を作製する。この発光素子128の材質は、例えば、有機EL材料である。有機EL材料には低分子発光材料と高分子発光材料があるが、どちらを用いてもよい。低分子発光材料は、例えば、ポリメチン系色素、多環芳香環化合物、ヘテロ芳香環化合物、ポリフェリン化合物、その他金属錯体や金属化合物などを用いることができる。高分子発光材料は、例えば、p−フェニレンビニレン系、ポリオイオフェン系、ポリフルオレン系、2置換ポリアセチレン系などのシリコン系導電性高分子を用いることができる。また、Ir、Eu、Ptなどの金属錯体や、それらを含む高分子を発光層として用いることによって、燐光を利用する有機EL用発光材料や、高分子と低分子の材料を分散した有機EL用発光材料なども用いることができる。
発光素子128の作製方法は、低分子発光材料では、例えば、真空蒸着法を用いることができる。また、高分子発光材料を用いた作成方法は、例えば、真空蒸着法、キャスティング法、スピンコーティング法、インクジェット法、スクリーン印刷法、熱転写法などがあり、どの方法を用いてもよい。
次に、工程4に示すように、工程2と同様に透明電極138を作製し、その上に、工程5に示すように、保護層137を設ける。このようにして表示層132を作製する。
次に、図9を用いて、撮像層133の作製方法を説明する。
まず、工程6では、基板125上に、光検出素子113の電極121、光検出素子113への配線、スイッチ、及び電極パッドを作製する。図中では、電極121と信号線116のみを記すが、他に、光検出素子用制御線112、出力用電極パッド115、及び読み出し開始用パッド106を作製する。これらの配線やパッドは、例えば、アルミニウムを用い、真空蒸着法にて形成する。また、光検出素子用スイッチ114は、例えば、ポリシリコンを用いてTFTスイッチを作製する。
工程7では、工程6後の基板に、光電変換材料として、例えば、水素を含むアモルファスシリコン122を積層する。アモルファスシリコンの積層方法は、例えば、プラズマCVD法、反応性スパッタ法、熱CVD法、光CVD法などを用いる。
工程8では、工程7後の基板に、透明電極123を作製する。透明電極の材質や作製方法は、工程2にて説明したものと同じでよい。工程9では、以上説明した工程によって作製された光検出素子113上に、保護層136を設ける。
次に、図10に示すように、工程10では、工程5までで作成された表示層132を挟むように、工程9までで作成された撮像層133とマイクロレンズ127とを、透明なパッケージ用接着剤134を用いて接着する。更に、光検出素子用シフトレジスタ105、読み出し回路104、発光ユニット用電力制御回路102、及び発光ユニット用シフトレジスタ118を設置し、これらを結線する。更に、撮像層133と表示層132とを結線する。このような方法によって、撮像装置101を作製できる。
このように本実施形態の撮像装置により、表示機能を有する薄型の撮像装置を実現できる。
本実施形態の撮像装置101の作製方法に記した材質や作製方法は一例であって、本発明を限定するものではない。また、工程1、及び工程6でアルミニウムを用いたが、本発明はアルミニウム材料に限定されず、金などの他の金属や、工程2で記した透明導電膜を用いてもよい。また、光検出素子用スイッチ114と発光ユニット用スイッチ117を、ポリシリコンを用いて作製したが、本発明はポリシリコン材料に限定されず、アモルファスシリコンを用いる場合など、さまざまなスイッチが考えられる。
本実施形態の表示系は、アクティブな回路構成を示したが、本発明はこの構成に限るものではなく、発光ユニット用スイッチ117を持たないパッシブ型の回路構成や、1画素毎に表示用回路を有する構成など、さまざまな構成でもよい。また、本実施形態の撮影系は、パッシブな回路構成を示したが、本発明はこの構成に限るものではなく、画素毎にアンプを備えるアクティブ型の回路構成や、CCD回路構成、1画素毎に撮影用回路を有する構成など、さまざまな構成でもよい。
また、本実施形態では1列ごとに撮影、表示を行う場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、同時に複数行ごとに撮影、表示しても、1画素毎に撮影、表示しても、ある特定の領域で同時に撮影、表示しても、全領域で同時に撮影、表示してもよい。
本実施形態の発光ユニット111は、有機EL材料から構成される場合を説明したが、発光素子128が所望の波長を発する構造や、発光ユニット111が色変換層を具備し、発光素子128が青色光を発し、色変換層で波長を変えて、被写体に照射する構造や、発光ユニット111がカラーフィルタを具備し、発光素子128が白色光を発し、カラーフィルタによって必要な波長の光のみを透過させて被写体に照射する構造など、さまざまな構造であってもよい。
更に、本実施形態の発光ユニット111は、発光素子128が両電極によって挟まれる構造であったが、これは本発明を限定するものではない。例えば、電極と発光素子128との間に、電流輸送層やホール輸送層のどちらか一方を有する構造や、電流輸送層やホール輸送層の両方を備える構造であってもよい。
更に、表示層132は、有機EL以外のさまざまな材料からなってもよい。例えば、表示層132が、無機EL材料から構成されていてもよい。更に、表示層132は、プラズマ発光素子や、電界放射型表示素子、発光ダイオード、レーザダイオード、又は液晶とバックライトから構成される液晶表示素子などであってもよい。更に、液晶ディスプレイ用バックライトのように光を導いて発光してもよく、光ファイバで光を導いて発光素子128を構成してもよい。
本実施形態に示した光検出素子113は、アモルファスシリコンからなる場合を説明したが、これは本発明を限定するものではない。例えば、結晶シリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム、ガリウム化合物、セレン化合物、カドミテルル、カドミジンクテルル、及びヨウ化鉛などのさまざまな光電変換材や、フォトマルチプライヤーを用いた光検出器など、さまざまな材料、及び方式の光検出器であってもよい。また、それらの複数の材料から構成される構造や、複数の光検出器から構成される構造であってもよい。
本実施形態では、全ての画素110が、マイクロレンズ127、発光ユニット111、及び光検出素子113を備えたが、これは本発明を限定するものではない。例えば、図11に示すように、マイクロレンズ127と光検出素子113とから構成され、発光ユニット111を備えない画素110があってもよい。この場合、発光ユニット111の有無により、マイクロレンズ127の曲率が異なってもよい。更に、マイクロレンズ127と発光ユニット111とから構成され、光検出素子113を備えない画素110があってもよい。また、発光ユニット111の有無によって、その画素110の光検出素子113のサイズが異なってもよい。
また、本実施形態では、一つの画素110に一つのマイクロレンズ127を設けたが、これは本発明を限定するものではない。例えば、図12に示すように、一つの画素に対して複数のマイクロレンズ127が設けられてもよい。また、これらのマイクロレンズ127の役割が同じである必要はない。図12において、マイクロレンズ127−1は入射光を光検出素子113に集光し、マイクロレンズ127−2は入射光を光検出素子113に集光し、表示光を屈折して照射する。ここで、図12では、一つの画素110に2つのマイクロレンズ127を設けたが、この個数は本発明を限定するものではなく、一つの画素110に幾つのマイクロレンズ127を設けてもよい。
本実施形態では光源を、画素110から構成される検出領域の周辺に設けた場合を説明したが、本構造は一例である。例えば、光源を、画素110間に設けても、その他の撮像装置101に内蔵してもよい。更に、実施形態に記した撮像装置101以外に光源装置を備え、その光源装置が撮像装置101に隣接した位置に設けられても、撮像装置101と離れて設けられてもよい。また、光源が、被写体に接していてもよく、離れていてもよい。また、被写体から、撮像装置101と光源とが同じ側に配置される場合だけでなく、光源と撮像装置とで被写体を挟むように配置してもよく、光源の照射方向と撮像装置への光入射方向が垂直となるように光源を配置してもよく、被写体に対してさまざまな方向から光を入射し、被写体で反射、散乱、透過の少なくとも一つをした光を撮像装置で検出する配置でよい。
本実施形態では、光源がダイオードの場合を記したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、有機EL材料や無機EL材料から構成される発光素子、プラズマ発光素子、電界放射型表示素子、液晶とバックライトから構成される液晶表示素子、レーザダイオードなどでもよい。また、光源にハロゲンランプを使用しても、ハロゲンランプの光から光学フィルタを用いて波長を限定した光でも、光源にレーザを用いてもよい。更に、液晶ディスプレイ用バックライトのように、離れた位置の光源からの光を導いて発光させてもよく、光ファイバで光を導いてもよい。
本実施形態に示す撮像装置101は、好ましくは、撮影対象129とマイクロレンズ127との間、マイクロレンズ127と表示層132との間の少なくとも一方にコリメータを備える。これによって、撮影対象129から撮像層133に、斜めに光が入射する散乱線を防ぐことができ、擬似像の低減、画像のコントラストの向上、認証精度の向上ができる。また、表示光の方向を限定でき、覗き見防止が可能となる。また、このコリメータはマイクロレンズ127と一体の構造であってもよい。
本実施形態に示す撮像装置101は、好ましくは、光検出素子用スイッチ114に表示光及び撮影光が入射しないようにする遮光手段を備える。これによって、スイッチ114に光が入るために生じる擬似信号を抑えることができる。また、好ましくは、発光ユニット用スイッチ117が光の入射を防ぐ遮光手段を備える。これによって、光が入射することで生じる発光ユニット用スイッチ117の誤動作を防ぐことができる。
(第2実施形態)
本実施形態の撮像装置は、図13に示すように、撮像層133と表示層132が、共通基板124の表と裏に、それぞれ形成され、表示層兼撮像層149を形成する点で、前述した第1実施形態と異なる。本実施形態の撮像装置の作製方法を、図14から図16を用いて説明する。
まず、図14に示すように、表示系を作製する。ここで、この表示系の作製は、第1実施形態の表示層132の工程と同様である。
次に、図15に示すように、撮像系を、表示層132のガラス基板124の裏面に作製する。工程6において、基板125上に、光検出素子113への配線、スイッチ、電極パッドを作製する。図中では信号線116のみを記すが、他に、光検出素子用制御線112、出力用電極パッド115、読み出し開始用パッド106、光検出素子用スイッチ114も作製する。これらの材質及び作製方法は、第1実施形態と同様でよい。
工程7では、工程6後の基板に、透明電極123を作製する。これは光検出素子113の電極であり、図13に示すように、本構造ではガラス基板124側から光検出素子113に検出光が入射するため、光検出素子113の電極には透明電極を用いる。その材質や作製方法は、工程2に記すものと同じでよい。
工程8では、工程7後の基板に、光電変換材料として、例えば、水素を含むアモルファスシリコン122を積層する。その方法は、第1実施形態と同じでよい。
工程9では、工程8後の基板に、電極121を作製する。この材質及び作製方法としては、工程6の配線や電極パッドと同じでよい。
工程10では、このように作製した光検出素子113上に、保護層136を設ける。このようにして表示層兼撮像層149を作製する。
次に、図16に示すように、工程11では、表示層兼撮像層149とマイクロレンズ127を、透明なパッケージ用接着剤134を用いて接着する。更に、光検出素子用シフトレジスタ105、読み出し回路104、発光ユニット用電力制御回路102、発光ユニット用シフトレジスタ118を設置し、これらを結線する。更に、撮像層133と表示層132とを結線する。このような方法によって、撮像装置101を作製できる。
本実施形態の構造では、第1実施形態のように表示層132と撮像層133を接着する必要がないため、接着の際に、発光ユニット111と光検出素子112とに位置ずれが生じない。また、接着剤の非一様性や接着の際に生じる気泡などによって、検出光を吸収し、又は散乱することによって、検出光の集光率が低下したり、隣接する画素110への散乱が増えたりすることがない。
本形態実施形態の作製方法は一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、表示系と撮像系の作製順が逆であってもよい。
(第3実施形態)
本実施形態の撮像装置101は、マイクロレンズが表示層132及び撮像層133の方向に凸となる構造を有する点で、前述した第1実施形態と異なる。更に、本実施形態の撮像装置101の構造は、表示光が所定の表示角度となる条件が、第1実施形態と異なる。この条件について、図17及び図18を用いて説明する。ここで図17及び図18の点A、B、C、長さD、M、X、W、角度θ1、θ2、αは第1実施形態と同じに定義する。更に、光軸145とマイクロレンズ127の表面との交点をF、線分FBの距離をNと定義する。
図17を用いて、撮影光130について説明する。撮影光130は、マイクロレンズ127に点Eで入射し、点Aから出力し、入射点及び出力点で屈折する。ここで、説明を簡単にするために、表示装置101の外は空気で満たされ、その屈折率は”1”とみなせるとする。同様に、接着剤134も屈折率が空気と同じであり、ガラス基板132での屈折は無視できるほど小さいとする。
点Eにおける入射角をθ4、屈折角をθ3とすると、スネルの法則より、以下の関係がある。
また、幾何学的条件より、以下の関係がある。
同様に点Aにおける条件より、以下の関係がある。
これらの関係を用いると、n=1.54、L=2mm、D=100μm、W=50μm、N=300μmの場合、αを約55度に設ければ、撮影光130は光検出素子113に集光できる。この値を第1実施形態で説明した、上に凸のマイクロレンズを用いた場合の値(約28度)と比べると、大きいことが分かる。このように、下に凸のマイクロレンズを用いると、上に凸のマイクロレンズを用いた場合よりαが大きなマイクロレンズを必要とする。αが大きくなるにつれてマイクロレンズは薄くできるため、撮影装置101を薄型化することが可能となる。
次に、図18を用いて、表示光144について説明する。点Eにおける表示光144の入射角をθ3、屈折角(表示角)をθ4とする。このときスネルの法則より、下式の関係が成立する。
また、幾何学的条件より、以下の関係がある。
更に第1実施形態と同様に、以下の関係がある(W>Mの場合)。
これらの関係を用いると、例えば、n=1.54、α=55度、D=100μm、W=50μm、M=10μmの場合であって、発光ユニット111からの光が点Aから出力できる限界、すなわちθ1が90度となる場合には、表示角θ4は9度となる。このとき発光ユニット111と光検出素子113の距離Xが91μmとなる。従って、設計において、目標の表示角を18度以下とするとき、発光ユニット111は光検出素子113から、距離91μmの間のどの位置に設けても実現できる。
この距離は、第1実施形態で説明した、上に凸のマイクロレンズを用いた場合の値と比べて大きい。これは、αが大きくなるにつれて、点Aでの屈折角θ2が小さくなるためである。下に凸のマイクロレンズを用いることによって、撮像装置の設計における、発光ユニット111の配置の自由度を向上できる。
本実施形態では、マイクロレンズにガラスを用いたが、これは一例であって、他の材料を用いてもよい。以下、ガラスよりも屈折率が大きな材料、例えば可視光に対する屈折率が約3.45のシリコンを用いた場合の変形例について説明する。
ガラスの場合と同様に、スネルの法則及び幾何学的条件より求まる関係式から、撮影光のαを求める。ガラスの場合とα以外が同じジオメトリの場合、αは約79.5度になる。これはガラスの場合に比べて大きな値であることから、マイクロレンズを薄型化できることが分かる。
次に、α以外がガラスの場合と同様のジオメトリである場合の、表示河野αの値を、シリコン製マイクロレンズとして先に求めた値(79.5度)の場合において考える。このとき、第1実施形態で求めた関係式から、発光ユニット111からの光が点Aから出力できる限界、すなわちθ1が90度となる場合を考えると、表示角θ4は約23度になる。この値は、ガラスの場合に比べて大きい。一方、屈折角が18度以下となる条件を、先に記した表示光における関係式を用いて求めると、下式のようになり、Xが75μm以下であることが必要だと分かる。
ただしマイクロレンズが上に凸形状のシリコンである場合は、同一の条件において、αが53度、Xが35μm以下となり、下に凸形状のマイクロレンズの場合の方が、発光ユニット111の位置設計の自由度が高いことが分かる。
本実施形態において、表示装置101の外は空気で満たされ、その屈折率は1とみなせるとした。同様に接着剤134も屈折率が空気と同じであり、ガラス基板132での屈折は無視できるほど小さいとした。しかし、これは一例であって、本発明を限定するものではない。使用するガラス基板124、接着剤134などの材料や、使用する外部媒体によっては、点Aと点E以外での媒体間での屈折も考慮し、発光ユニット111と光検出素子113の距離Xを設定することが望ましい。
本実施形態及び第1実施形態において、マイクロレンズは一方のみに凸の形状を有したが、これは本発明を限定するものではなく、両面に凸を有してもよい。更に、凸レンズのみでなく、マイクロレンズの少なくとも1面に凹レンズやフレネルレンズなどの様々なレンズを用いてもよい。
(第4実施形態)
本実施形態の撮像装置101は、発光ユニット111が、異なる発光スペクトルを有する2つの発光ユニットから構成され、多色表示が可能な点で、前述した第1実施形態と異なる。
図19に示すように、本実施形態の発光ユニット111は、透明な絶縁層143を挟んで、青色発光ユニット層154と赤色発光ユニット層156が積層された構造を成す。これらの発光ユニット層は、例えば、有機EL材料から構成される。
本実施形態のように、発光ユニットが多色の発光ユニット層を積層した構造である場合、マイクロレンズ127による色収差を低減、除去するために、発光スペクトルの波長(所望のピーク波長や平均波長)が短いものほど、マイクロレンズに近い位置に設置することが望ましい。これについて、図20を用いて詳しく説明する。
図20は、青色発光ユニット層154と赤色発光ユニット層156から点Aに入射した光の光路の説明図である。それぞれの光の入射角はγ1及びγ2であり、入射した光は屈折角β1及びβ2でマイクロレンズ127から出力される。また、それぞれの発光点から点Bとの距離をH1、H2、青色発光ユニット層154と赤色発光ユニット層156の、屈折率を、それぞれn1、n2と定義する。このときスネルの法則より、以下の関係がある。
また、幾何学的条件より、以下の関係がある。
また第1実施形態と同様に、αを28度、Wを50μmとする。ここで青色発光ユニット層154の中心波長を450nm、赤色発光ユニット層156の中心波長を580nmとすると、屈折率n1は1.5536、屈折率n2は1.5442となり、両波長の光に対する屈折率は異なる。しかし、H1が96.6μm、H2が97.6μmを満たすように、発光ユニット層を設けると、β1とβ2は同一の62度になり、更に、表示角は0度(α+β1=α+β2=90度)になる。従って、屈折率の違いによる収差は生じない。
この位置の差(1.0μm)は、例えば、絶縁層143の厚みによって実現すればよい。一方、青色発光ユニット層154と赤色発光ユニット層156を逆に設けた場合は、表示角は同一にならない。このとき、各発光ユニット層から出た光の表示角が異なるので、見る位置や角度によって異なる色に見える可能性がある。
従って、色収差の低減及び/又は除去するために、発光ユニット層の所望のピーク波長や平均波長が短い発光ユニット層を、マイクロレンズに近い位置に設置するとよい。
本実施形態では、赤色の発光ユニット層と青色の発光ユニット層とによって発光ユニットを構成したが、さまざまな色の発光ユニット層の組み合わせから構成されてもよい。例えば、3つ以上の発光ユニット層によって発光ユニットが構成されてもよい。更に、発光ユニットが有機EL層によって構成される例を説明したが、その他の材質から構成されてもよく、異なる材質の複数の発光ユニットから構成されていてもよい。
(第5実施形態)
本実施形態の撮像装置101は、発光ユニット111が撮影対象129の撮影用光源を兼ねる点で、前述した第1実施形態と異なる。図21は、図1の位置159における本実施形態の撮影装置101の断面構造を説明する断面図であり、図22と図23は撮影と発光のタイミングを説明するための撮影シーケンスを表すタイミング図である。
本実施形態の撮像装置101は、図21に示すように、表示層132と撮像層133の間に、遮光層148を有する。この遮光層148は、異なる画素の発光ユニット111からの直接光を遮光する。例えば、発光ユニット111−1の撮影光155−1は、遮光層148によって遮光され、光検出素子113−2には直接入射しない。一方、撮影対象129に向けて照射された撮影用光155−2、155−4は、撮影対象129で反射及び/又は散乱して、光検出素子113に至る。このとき撮影光155−4は、発光した発光ユニット111−1と同一画素の光検出素子113−1に至るが、光検出素子113−1には発光ユニット111−1からの直接光155−3が入射する。このため、検出される信号の雑音が大きいことから、この様な状況で光検出素子113−1によって検出された信号は、撮影対象129の画像に用いないことが望ましい。
一方、撮影光155−4は、隣接画素の光検出素子113−2に至り、これを読み出す。この読み出しは、例えば、図22に示すように行う。図22は、発光ユニット111による光の照射と、光検出素子113によって検出された信号の読み出しのタイミングを表す。時間150は光を照射している時間を、時間151は信号を読み出している時間を、時間153は1画像を取得している時間を、それぞれ表す。
この信号の読み出しは、1行目の発光ユニット111が光を照射した場合、それと同時に2行目の光検出素子113によって検出された信号を読み出す。次に、光を照射する発光ユニット111と、信号が読み出される光検出素子113を1行ずつ切り替え、同様に信号を読み出す。このようにしてN行分の信号を読み出し、撮影対象127の画像を得る。
更に、光検出素子113が信号読み出しを行う前に、光検出素子113に蓄積された信号をリセットしてもよい。このリセットでは、暗電流によって生じた信号や、本来の発光ユニット111以外が照射した光によって生じた信号、撮像装置101外の光によって生じた信号などを取り除き、本来の発光ユニット111が照射した光によって生じた信号のみを読み出せるようにする。
このリセットは、例えば、図23に示すように行う。図23に示すシーケンスでは、読み出し時間151の直前に、リセットを行うリセット時間152を設ける。このリセット時間152では、例えば、読み出し時間151と同様に信号を読み出し、光検出素子113に蓄積された電荷を除去する。この時、読み出された信号は、画像化には用いない。これによって、時間150に照射された光によって生じた信号のみを、読み出し時間151の読み出しによって、得ることができる。
発光ユニット111は、撮影用に、表示光の一部または全部を、そのまま用いてもよい。また、表示層132と撮像層133の間に、表示光中の所望の波長の光のみを透過する光学フィルタを設け、光学フィルタを透過した光を撮影に用いてもよい。
更に、撮像装置101は、撮影用の発光ユニット層を備えてもよい。例えば、表示には用いない波長の光を照射する発光ユニット層を備え、撮影の際にこの発光ユニット層によって光を照射し、画像を得てもよい。
また、同一の発光ユニットから、駆動条件を変えて、撮影用と表示用の光を別々に照射してもよい。このような発光ユニットとして、例えば、PPV系発光液晶ポリマーから成る有機EL素子がある。PPV系発光液晶ポリマーから成る有機EL素子に印加される電圧の極性を変えることによって、発光スペクトルを変えることができる。また、これらの撮影用の発光ユニット層を、全画素に設けても、特定の画素に設けてもよい。更に、発光ユニット111の一部または全部が、撮影用の発光ユニット層のみから構成されてもよい。
本実施形態では、発光した発光ユニット111の隣の光検出素子113によってその光を検出する場合を示したが、これは本発明を限定するものではなく、複数画素離れた位置の光検出素子113で光を検出し、撮影対象129を画像化してもよい。特に、発光ユニットに近接する画素では、撮影対象129表面で反射した光が多く、発光ユニットから離れた位置の画素では、撮影対象129の内部を散乱してきた光が多いと考えられる。よって、目的に合わせた距離の光検出素子113から信号読み出しをするとよい。
本実施形態では、1行毎に発光ユニット111から光を照射し、1行毎に光検出素子113の信号を読み出したが、これは本発明を限定するものではない。発光及び信号読み出しが、1画素毎、複数画素毎、複数行毎、列毎、複数列毎など様々な場合でもよい。更に、発光と信号読み出しを行う画素数が異なってもよい。
本実施形態において説明したリセット方法は一例であり、これは本発明を限定するものではない。例えば、1行ごとではなく全行同時に行ってもよい。更に、リセットを行うためのリセット用回路を備え、これによって光検出素子に蓄積された電荷を除去してもよい。
本実施形態において、直接光を入射しないために、表示層132と撮影層133の間に遮光層148を用いたが、これは直接光を入射しないための方法の一例であり、他にもさまざまな構造が考えられる。例えば、コリメータを用いるたり、ファイバーオプティカルプレートのように透過率に異方性を有する媒体を用いてもよい。
(第6実施形態)
本実施形態の撮像装置101は、撮影光130の検出率を向上させる構造を有する点で、前述した第1実施形態と異なる。
図24に示すように、本実施形態の撮像装置101の構造は、光を反射するアルミ電極121と反射体146とによって、光検出素子113の受光部122と表示層132とを挟む。この反射体146は、入射光130を透過する入光口157、光を反射する反射材158から構成され、反射材158は、ガラス基板124側から来た光を反射する。
本実施形態において、入射光130はマイクロレンズ127で集光され、入光口157から光検出素子113に至る。この光が光検出素子113を透過した場合、アルミ電極121にて反射されて再度光検出素子113に入射する。更に、再度光検出素子113を透過した光は反射材158に至り、再度反射される。ここで、入光口157に至った光は外部に出力されて検出できないため、入光口157は小さい方が望ましい。次に、反射材158で反射した光は、再度光検出素子113に入射する。
このように、光検出素子113で検出されない光は、アルミ電極121と反射体146との間を往復し、何度も光検出素子113に入射される。すなわち、入射光130を複数回光検出素子113に入射できるため、入射光130の検出率を向上することができる。
本実施形態において、アルミ電極121と反射体146との間に、スペースを設けるとよい。スペースの幅は、例えば、入光口157の幅と同程度かそれ以上である。これによって、アルミ電極121から入光口157を臨む立体角を小さくすることができるため、入光口157から外に逃げ出る光を減らすことができる。更に、アルミ電極121及び反射材158に、光が大きな角度で散乱できる程度の大きさの凹凸を設けることができる。ただし、アルミ電極121と反射体146との間にスペースを設けることによって、撮像装置101が厚くなる。しかし、表示層132にて、このスペースを実現することによって、撮像装置101を厚くすることなく、検出率を向上した表示機能付き撮像装置101を実現することができる。
更に、本実施形態では、反射体146を、表示光の照射方向を限定するコリメータとして用いることもできる。このとき、反射体146は、他の画素のマイクロレンズ127へ光が入射するのを防ぐと共に、マイクロレンズ127への入射範囲を限定することによって、マイクロレンズ127から光が出力する際の表示角を限定することができる。これによって、覗き見の防止及び色収差を低減することができる。
本実施形態において、入射光130は多数回反射されることによって、光軸の垂直方向に広がるため、光検出素子113は画素に対して大きなフィルファクタを有するとよい。
本実施形態において、アルミ電極121を一方の反射層として用いたが、この構造は一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、基板125の下面などに、別に反射層を備えてもよい。その場合には、アルミ電極121に凹凸を設ける必要がないため、光検出素子113の暗電流の低減などの特性を改善することができる。ただし、基板125への入射光130に対して透明な材質を用い、電極121に透明電極を用いるとよい。
本実施形態において、光検出素子113内で光を列方向に散乱する場合を示したが、これは一例であり、例えば行方向に散乱する場合や、その両方に散乱する場合も有り得る。更に、アルミ電極121での光散乱は光軸145に対して等方的でなくてもよく、光の反射方向に異方性を有するように、アルミ電極121に凸凹を作製する場合も有り得る。この場合、更に、光検出素子113も光軸145に対して非対称な構造し、光が多く反射される方向に広い構造にすることで、光を効率的に検出することが可能となる。
(第7実施形態)
本実施形態は、前述した第1実施形態から第6実施形態で説明した撮像装置を搭載した指静脈認証装置である。
図25は、指静脈認証装置の一例の外観を説明するための斜視図である。図26は、図25の位置164での断面図である。図27は、個人認証を行うための処理のフローチャートである。図28は、本実施形態の変形例である現金自動取引装置の外観を説明するための斜視図である。
指静脈認証装置160は、撮影された指の静脈像を用いて、個人を特定する装置である。図25に示すように、装置パッケージ161上に設けられた指静脈認証装置の撮影窓165にかざされた指129が撮影される。この撮影窓165は、例えば、指の先から第2関節までの領域を撮影できる大きさである。指静脈認証装置160には、指位置決め治具174が備わり、指位置決め治具174に指129を乗せて、その先端に突き当てることによって、撮影の度、同一の位置に指を置くことができる。また、撮影時の指の位置の再現性を高めるために、指位置決め治具174は、指129を乗せることができるくぼみを備えるとよい。また、撮影の際、指が撮影窓173に触れると、指の静脈が潰れて形状や静脈のパターンが変わる場合があるため、指位置決め治具174は、指129が撮影窓173に触れないように、指129と撮影窓173との間に空間ができる構造とするとよい。
次に、図26の断面図を用いて、装置構成と撮影方法を説明する。指129を指静脈認証装置160の撮影窓165に置くと、撮影開始用スイッチ163に触れ、撮像装置101内の光源から指に光を照射し始める。この光源は、第1実施形態に示すように外部光源でもよいし、第5実施形態に示すように、表示層132でもよい。
この光は、指の内部に入りやすいように、例えば、波長600nmから1200nmの近赤外光を用いるとよい。このような波長の光を表示層132から発光する場合、例えば、イオン性発光染料ドープPV系発光材、還元ホルフィリンドープAlq3発光材、ピラン系化合物ドープAlq3発光材、燐光発光性ランタニド系近赤外発光錯体、ジスチリル系赤色発光材などの有機EL材料を用いる。ただし、これ等の材料は一例であり、本発明を限定するものではない。
指163の内部に入射した光は、指内部で吸収、散乱され、一部が表面から出力される。このとき、静脈内の血液中の脱酸素化ヘモグロビンの吸収が、他の組織、血液などと異なるため、指から出力された光を撮像装置101で撮像することによって、指静脈の画像を得ることができる。コリメータ162は、直接光の入射と、検出器にほぼ垂直な角度以外に入射する散乱線を除去する。また、コリメータ162は、指129に至るまでに撮影用光が拡散することも防ぐ。図26の光路130は、このような光の軌跡の一例を示す。
次に、このようにして得た指静脈画像に画像処理を行い、指静脈による認証をする。この画像処理を行う処理手段は、本指静脈装置内に備わる(図示せず)。
この処理の一例を、図27を用いて説明する。
まず、撮影した指静脈画像180から輪郭を抽出して、指部分の画像を切り出す切り出し処理181を行う。次に、この切り出された指部分の画像を用いて、指静脈に必要な周波数成分の画像を作成するフィルタ処理182を行う。このフィルタ処理182は、例えば、ハイパスフィルタ処理である。
次に、指の角度の違いを補正する位置合わせ処置183を行う。次に、位置が補正された画像から個人認証で用いる指静脈画像185を抽出する情報抽出処理184を行う。この情報抽出処理184は、例えば、撮影によって得た画像における指静脈の太さや濃度から、個人認証で用いる指静脈だけを抽出する修理である。
このようにして得られた画像を用いて個人認証を行うために、事前に登録された指静脈画像186と同一であるかを判定する検証処理187を行う。この事前に登録された指静脈画像186も、前述と同様の画像処理(181〜184)を行ったものである。また、この登録された画像186は、本指静脈装置内の記憶手段(図示せず)に記憶されている。この画像186は、1人分の画像が登録されていても、複数人分の画像が登録されていてもよい。検証処理187では、例えば、登録された指静脈画像と撮影された指静脈画像との相互相関から、両画像が一致するか否かを判定する。この判定によって、撮影された指静脈画像と同一の指静脈画像が登録されていた場合、登録された人の特定を完了する(189)。一方、撮影された指静脈画像と同一の指静脈画像が登録されていない場合は、登録人なしと判定する(188)。
この判定の結果は、例えば、この指静脈認証装置をパーソナルコンピュータに用いた場合、登録された人であると特定した場合にのみ、コンピュータの使用を有効にするための信号をコンピュータに送る。また、例えば、現金自動取引装置にこの指静脈認証装置を用いた場合、登録された人であると特定した場合にのみ、取引(例えば、現金の引き出し)を可能とするための信号を現金自動取引装置に送る。
一方、撮影窓165に、認証に必要な情報を表示することが可能である。この表示により、指の置く位置や置き方、撮影のサポート情報を提供することによって、利用者が使い易い指静脈認証装置160を提供することができる。また、利用者へ、認証に必要な情報以外の様々な情報も提供でき、指静脈認証装置の多機能化を実現できる。
本実施形態において、図27に示した認証処理を実現する認証手段や、事前に登録した指静脈画像を記憶する記憶手段は、本指静脈認証装置内に搭載されていたが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、ネットワーク接続部を備え、外部に設けられた記憶手段に事前に登録された指静脈像を用いて、認証を行ってもよい。
また、指静脈認証装置によって撮影された画像を、指静脈認証装置の外部に備わる認証手段に送り、指静脈認証装置の外部に備わる記憶手段に事前に登録された指静脈画像と比較してもよい。また、指静脈認証装置によって撮影された画像と、同装置に事前に登録された指静脈画像とを、ネットワーク手段を介して、指静脈認証装置の外部に備わる認証部に送り、認証部において認証を行ってもよい。
本実施形態で示した指静脈認証装置の外観、構造及び処理方法は一例であり、本発明を限定するものではない。例えば図27に示した処理の中で、一部の処理を省略しても、別の処理が追加されてもよい。その場合、本処理とは異なる認証方法を用いてもよい。また、例えば、撮影した指静脈画像180を、そのまま(処理181〜184を行うことなく)、事前に登録された指静脈画像186(処理181〜184を行うことなく登録された画像)と比較して、検証処理187を行ってもよい。また、撮影された指静脈画像180から特徴量を抽出し、事前に登録された特徴量と比較してもよい。
また、本実施形態では、指静脈を用いて認証する指静脈認証装置を説明したが、これは本発明を限定するものではなく、指紋を用いた認証装置であってもよい。この場合、照射する光を、指静脈を撮影する場合に比べ、より指の表面で反射する波長の光、例えば、赤色の可視光を用いるとよい。ただし、この波長は、一例であり、本発明を限定するものではない。
更に、図25に示したように、位置合わせ用治具174を用いて、指129を撮影窓165から若干離れた位置に置いた状態で撮影する構造でもよい。また、指が撮影窓165に触れるように配置された構造でもよい。
また、指を移動させながら指紋や指静脈を撮影してもよい。その際には撮像装置101は複数の画像を取得するとよい。これらの画像をつなげて作成した画像を用いて認証してもよいし、それらの画像から抽出された生体情報を用いて認証してもよい。更に、その複数画像における生体情報の変化量を用いて、認証を行ってもよい。
更に、掌や手の甲の静脈を用いて認証する認証装置でもよい。また、これらの複数の方法による認証が行えてもよい。
また、本発明では、実施の段階において、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。例えば、コリメータ162を備えなくてもよく、撮影開始用スイッチ163が光センサなどの非接触型のスイッチであってもよく、撮影開始用スイッチ163備えなくてもよい。
本実施形態の指静脈認証装置の表示部は、指が撮影できる程度の小型のものであったが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。
例えば、図28に示す現金自動取引装置のように、大面積の表示窓173を備えている場合、撮影が可能な撮影窓165が、表示窓173の一部であってもよい。このような大きな表示窓173を備える場合、多くの情報を提供でき、更に、利用者にとって見やすい情報提供が可能となる。例えば、置く指の位置175を表示して、その位置や置き方を表示することによって、利用者をサポートしてもよい。また、比較的大きなスペースを必要とする認証方法、例えば、暗証番号や、掌、手の甲などの画像を利用した生体認証方法も、表示窓173を用いて実現することができる。
また、このような大きな撮影窓165を備える場合、指の位置の自由度が高く、更に、指位置の再現性が低い場合にも認証を行うことができる。この場合、図27に示した処理181のように、指部の画像を切り出す処理を行った後に認証を行うとよい。
また、大きな撮影窓165を備える場合、置かれた指の位置を検出してから、再度、撮影用の光を照射してもよい。例えば、最初は弱い光で指を撮影して画像を取得して、取得した画像から輪郭を抽出し、抽出された輪郭に沿って、十分な生体情報を得ることができる強い撮影用の光を照射する。これによって、指の表面で反射する光を低減できるため、指の内部の散乱光を検出して生体認証用画像を得る認証方法(例えば、指静脈認証など)に有効である。
また、例えば、撮影用光を、指部のみに照射したり、指部とその周辺のみに照射する。これによって、強い撮影用の光を全体に照射する場合に比べ、電力を低減することができる。更に、撮影領域を限定することができ、画像データを低減でき、撮影時間を短縮できる。ここで撮影用の光源は、第5実施形態に示したように、表示層132に備わっても、表示層132と別に設けてもよい。また、弱い光を照射するときに、指を撮影して、指の位置を検出したが、これは一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、タッチパネルのような別の位置検出手段を設けて、指の位置を検出してもよい。
(第8実施形態)
本実施形態は、前述した第1実施形態から第6実施形態で説明した撮像装置を搭載した指静脈認証機能付き携帯電話機である。
図29は、携帯電話機の一例の外観を説明するための斜視図である。図30は、図29の位置164での断面図である。
図29に示す本実施形態の携帯電話機160は、撮影した指の静脈画像を用いて、個人を特定する機能を備える。サブディスプレイの表示に従って、サブディスプレイの撮影窓165上に指を置き、撮影開始用スイッチ163を押すと、撮影が開始される。このとき、指静脈を撮影するための光源の波長、及び発光素子の材質などは、例えば、前述した第7実施形態と同様のものを用いる。また、得られた画像に対する処理は、例えば、第7実施形態にて説明した方法を行う。
図30は、図29の位置164での断面図である。本実施形態の携帯電話166は、上面にサブティスプレイ、下面にメインティスプレイ168、その間に処理回路169を有する上部ユニット161−1と、プッシュボタン171、処理回路169、バッテリ170を有する下部ユニット161−2から構成される。上部ユニット161−1のメインティスプレイ167にはメインティスプレイ用撮像装置が備わる。サブティスプレイには第1実施形態から第6実施形態で示した撮影装置101が搭載される。
この撮影装置101は、表示と指静脈撮影の両方を実現できるため、本携帯電話166は、コンパクト性や外観を損なわずに、指静脈認証機能を実現できる。また、サブディスプレイの表示機能によって、撮影のためのガイドを表示できるため、使用者にとって使い勝手がよい。
本実施形態ではサブティスプレイに撮影装置101を搭載した場合を記したが、メインティスプレイに用いても良いことは言うまでもない。
本実施形態で示した指静脈認証機能付き携帯電話の外観、構造及び処理方法は一例であり、本発明を限定するものではない。また、本実施形態では、指静脈を用いて認証する携帯電話を説明したが、これは本発明を限定するものではなく、指紋や、掌や手の甲の静脈を用いた認証装置であってもよい。また、これらの複数の方法による認証が行えてもよい。
(変形例)
本発明は、前述した指静脈認証装置、及び指静脈認証機能が備わる携帯電話機及び現金自動取引装置に限らず、スキャナ、ファックス、TV、コンピュータ用ディスプレイ、PHS、その他のモバイル機器などに搭載してもよい。特に、本撮像装置は、撮影対象が、利用者と同じか、利用者よりも撮像装置の近くに配置される装置に適する。また、様々な波長の光を用いて撮影し、撮影対象からの光を検出する様々な撮像装置であってもよい。
更に、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施の段階では、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、前述した実施形態には様々な段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせによって、様々な発明が抽出されることができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されてもよい。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)光源と、
前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、
前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、
前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、
前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、
前記撮像装置は、
光を屈折する集光手段と、
第1面及び第2面を備え、前記集光手段と前記第1面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、
前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、
前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする認証装置。
(2) (1)に記載の認証装置であって、
前記生体情報は、指紋、指の静脈、掌の静脈、手の甲の静脈の少なくとも一つの情報であることを特徴とする認証装置。
(3) (1)に記載の認証装置において、
前記発光ユニットが前記光源を兼ねることを特徴とする認証装置。
(4)光源と、
前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、
前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、
前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、
前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、
前記撮像装置は、
光を屈折する集光手段と、
第1面及び第2面を備え、前記集光手段と第1の面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、
前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、
前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする携帯端末。
(5)個人認証を行うために生体情報を取得する認証装置を具備する現金自動取引装置において、
前記認証装置が、
光源と、
前記光源から照射された光のうち撮影対象からの光を検出する撮像装置と、
前記撮像装置から出力された信号から、前記撮影対象の生体情報を含む生体情報画像を作成する画像作成手段と、
前記撮影対象の生体情報データを予め記憶する記憶手段と、
前記生体情報画像と前記生体情報データに含まれる前記生体情報を比較して個人認証を行う認証手段と、を備え、
前記撮像装置は、
光を屈折する集光手段と、
第1面及び第2面を備え、前記集光手段と第1の面で対向し、発光ユニットを備える表示層と、
前記表示層の第2面と対向し、光検出素子を備える撮像層と、を備え、
前記撮像層と撮影対象とが、前記集光手段及び前記表示層を挟む構造であることを特徴とする現金自動取引装置。