以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した共焦点顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示す図である。なお、図中、矢印Sは観察対象の標本に照射される照明光の進む方向を示しており、矢印Kは、標本からの観察光の進む方向を示している。
共焦点顕微鏡システム11は、光源部21、共焦点顕微鏡22、共焦点ユニット23、およびコンピュータ24から構成され、共焦点ユニット23は共焦点顕微鏡22に装着されている。
光源部21は、照明光を射出する光源を備えており、光源部21から射出された照明光は、共焦点ユニット23および共焦点顕微鏡22に設けられた照明光学系を通って、観察対象の標本25に照射される。例えば、光源部21が備える光源は、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドランプなどの白色光の光源や、レーザ光源などとされる。なお、照明光として白色光が用いられる場合には、光源部21と共焦点ユニット23との間に図示せぬ励起フィルタが配置される。
共焦点ユニット23は、共焦点顕微鏡22に対して着脱自在とされており、共焦点ユニット23および共焦点顕微鏡22には、標本25に照明光を照射させる照明光学系、および標本25からの観察光を結像させる結像光学系を構成する光学部品が設けられている。
光源部21から共焦点ユニット23に入射した照明光は、シリンドリカルマイクロレンズなどからなるビーム整形光学系31により集光され、ビームスプリッタ32を通って共焦点絞り33に入射する。共焦点絞り33は、複数の開口からなるスリットが設けられている絞りであり、標本25の観察面Taと光学的に共役な位置に配置される。共焦点絞り33に入射した光は、共焦点絞り33の開口に入射した成分だけが共焦点絞り33を通過し、他の成分は遮蔽される。
共焦点絞り33を通過した照明光は、照明系コリメートレンズ34により平行光とされて反射ミラー35に入射し、さらに反射ミラー35において反射してスキャナ36に入射する。スキャナ36は、照明光を観察面Ta上で走査させるスキャンミラー36aを有しており、スキャンミラー36aの両面には、反射面36a−sおよび反射面36a−rが設けられている。
また、スキャンミラー36aは、その中心を通り、照明光の光路と垂直な直線を軸として矢印Aの方向に回動する。スキャンミラー36aが回動すると、反射ミラー35から入射して反射面36a−sにおいて反射される照明光の光路が変更され、その結果、標本25に照射される照明光が矢印Bの方向に走査される。
スキャンミラー36aの反射面36a−sにおいて反射された照明光は、スキャナレンズ37および第2対物レンズ38により集光されて対物レンズ39に入射する。そして、照明光は、対物レンズ39により集光されてステージ40上に載置された標本25に照射される。このとき、対物レンズ39は、第2対物レンズ38からの照明光を、標本25の観察面Ta上に集光(結像)させる。
標本25は、例えば蛍光染色された生体試料などとされ、照明光が照射されると、観察光としての蛍光を発現する。標本25からの観察光は、照明光の光路を逆方向に進み、共焦点絞り33に入射する。すなわち、観察光は、対物レンズ39乃至スキャナレンズ37を介してスキャンミラー36aに入射し、反射面36a−sにおいて反射されて反射ミラー35に入射する。さらに、観察光は、反射ミラー35において反射され、照明系コリメートレンズ34により集光されて、共焦点絞り33に入射する。
共焦点絞り33に入射した観察光は、その一部の成分が遮蔽され、共焦点絞り33の開口を通過した成分だけがビームスプリッタ32に入射する。そして、ビームスプリッタ32に入射した観察光は、ビームスプリッタ32により反射され、フィルタ41を通って結像系コリメートレンズ42に入射する。
ここで、落射蛍光光学系を想定した場合、つまり標本25を蛍光観察する場合、例えば、ビームスプリッタ32は、照明光を透過させて観察光を反射するダイクロイックミラーとされ、フィルタ41は、観察光の蛍光成分以外の成分を除去するバリアフィルタとされる。また、標本25において反射した照明光を観察する場合、つまり標本25を明視野観察する場合、例えば、ビームスプリッタ32は、照明光および観察光の一部を反射させるハーフミラーとされ、フィルタ41は特に設けられない。
結像系コリメートレンズ42に入射した観察光は、結像系コリメートレンズ42により平行光とされ、さらに反射ミラー43において反射し、スキャンミラー36aに入射する。そして、スキャンミラー36aに入射した観察光は、反射面36a−rにおいて反射され、集光レンズ44により集光されて光検出器45に入射する。
ここで、光検出器45は、その受光面が観察光の結像面の近傍、より詳細には、受光面が観察面Taと光学的に共役な位置となるように配置されている。光検出器45は、例えば2次元CCD(Charge Coupled Devices)を備えたCCDカメラ等の2次元光検出器であり、集光レンズ44からの観察光を受光して光電変換し、これにより得られた撮像画像を、観察光の2次元の輝度分布データとしてコンピュータ24に供給する。
なお、図1においては、ビーム整形光学系31乃至スキャナレンズ37、およびフィルタ41乃至集光レンズ44が共焦点ユニット23に設けられており、第2対物レンズ38乃至ステージ40、および光検出器45が共焦点顕微鏡22に設けられている。また、照明光学系は、照明光の光路上に配置された光学部品から構成され、結像光学系は、観察光の光路上に配置された光学部品から構成されている。
コンピュータ24は、操作部46、制御部47、および表示部48を備えており、共焦点顕微鏡システム11の全体を制御する。
操作部46は、例えば、マウスやキーボードからなり、観察者の操作に応じた操作信号を制御部47に供給する。制御部47は、操作部46からの操作信号などに応じた処理を行う。例えば、制御部47は、光源部21を制御して、光源部21に照明光を射出させたり、スキャナ36を制御して、スキャンミラー36aを回動させたりする。また、制御部47は、光検出器45から2次元の輝度分布データを取得し、取得した2次元の輝度分布データに基づいて、観察面Taの2次元画像を生成したり、表示部48を制御して、生成した2次元画像を表示部48に表示させたりする。表示部48は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、制御部47から供給された2次元画像を表示する。
ところで、照明光の結像面に配置された共焦点絞り33には、例えば、図2に示すように、開口が図中、縦方向に等間隔で並べられてできる開口列が、横方向に複数並べられて設けられている。
図2では、共焦点絞り33には、1辺がD1の長さの正方形の開口81L−1乃至開口81L−n、開口81C−1乃至開口81C−n、および開口81R−1乃至開口81R−nが設けられている。
そして、n個の開口81L−1乃至開口81L−nは、図中、縦方向に所定の間隔で並べられて開口列を構成している。同様にn個の開口81C−1乃至開口81C−nは、縦方向に所定の間隔で並べられて開口列を構成しており、n個の開口81R−1乃至開口81R−nも、縦方向に所定の間隔で並べられて開口列を構成している。また、これらの3つの開口列は、図中、横方向に所定の間隔で並べられている。
なお、以下、開口81L−1乃至開口81L−nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口81Lと称する。また、開口81C−1乃至開口81C−nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口81Cと称し、開口81R−1乃至開口81R−nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口81Rと称する。さらに、以下、開口81L、開口81C、および開口81Rのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口81と称する。
共焦点絞り33では、図中、左側から右側に開口81Lの列、開口81Cの列、および開口81Rの列が順番に並べられている。ここで、開口81Cの列は、開口81Lの列よりも距離D1だけ図中、上側に位置しており、開口81Rの列は、開口81Cの列よりも距離D1だけ図中、上側に位置している。
また、各開口列における図中、縦方向に隣り合う2つの開口81の相手に近い方の端同士の距離は、2D1とされている。つまり、開口列において、開口81は距離2D1だけ間隔が空けられて配列されている。したがって、例えば開口81L−1の図中、下側の端から、開口81L−2の図中、上側の端までの距離は2D1とされる。
さらに、図中、横方向に隣り合う2つの開口列の開口81の相手に近い方の端同士の距離は、D2とされている。つまり、各開口列は距離D2だけ間隔が空けられて配列されている。したがって、例えば開口81L−1の図中、右側の端から、開口81C−1の図中、左側の端までの距離はD2とされる。
共焦点絞り33上に設けられた開口81からなるスリットは、例えば図3に示すように、スリット状の開口を分割して、その開口の分割された一部をスリット状の開口の短手方向に移動させたものとされる。
具体的には、点線で囲まれるスリット状(長方形状)の領域121を1辺がD1である3n個の正方形の領域に分割し、分割された領域のうち、図中、上から3(i−1)+1番目(但し、1≦i≦n)の領域を図中、右側に(D1+D2)だけ移動させる。そして、その移動後のn個の領域に開口を設けて、それらの開口を開口81Rとする。
また、領域121が分割されてできた正方形の領域のうち、図中、上から3(i−1)+2番目(但し、1≦i≦n)の領域に開口を設けて、それらの開口を開口81Cとする。さらに、領域121が分割されてできた正方形の領域のうち、図中、上から3(i−1)+3番目(但し、1≦i≦n)の領域を図中、左側に(D1+D2)だけ移動させる。そして、その移動後のn個の領域に開口を設けて、それらの開口を開口81Lとする。
したがって、共焦点絞り33に設けられた複数の開口列のうちの任意の開口列の開口81を、その開口81が他の何れかの開口列上に位置するように図中、横方向に移動させた場合、移動された開口81の端(上側または下側の端)は、移動先の開口列の図中、縦方向に隣接する開口81の端と重なる。つまり、共焦点絞り33に設けられた複数の開口列の全ての開口81が、例えば領域121内で図中、縦方向(第1の方向)に並ぶように、開口81を横方向(第2の方向)に移動させた場合、開口81は互いに隣接して縦方向に一列(仮想の開口列)に並べられることになる。
この状態は、共焦点絞り33を第2の方向である横方向から見た場合に、複数の開口81からなる開口列の全ての開口81が互いに隣接して第1の方向である縦方向に一列に並べられ、開口81の端が隣接する開口81の端とほぼ重なるように開口81が配列されている。
さらに、共焦点絞り33を通過した照明光および観察光は、開口81の配列と同じパターンの光となる。つまり、開口81を通過した照明光および観察光(スポット光)が、開口81の配列と同じように並んだものとなる。換言すれば、共焦点絞り33を通過した照明光および観察光は、スポット光が並べられてできるスリット形状の光束となる。
このように、共焦点絞り33においては、間隔を空けて並べられた開口81により、長方形状のスリットが構成される。そして、共焦点絞り33では、スリットを短手方向、すなわち図2中、横方向(第2の方向)から見た場合に、複数の開口列の全ての開口81がスリットの第1の方向である長手方向(図2中、縦方向)に互いに隣接して一列に並べられ、開口81の端が隣接する開口81の端と重なるように、開口81が配列されている。
そのため、標本25の観察面Taに照射されるスリット形状の照明光を、スキャンミラー36aにより、スリット形状の短手方向に走査させると、観察面Taは、照明光で隙間なく塗り潰されるように、照明光により走査(照明)されることになる。
共焦点絞り33は、一見してマルチピンホール型の共焦点絞りのようでありながら、実際にはスリット型の共焦点絞りとして機能する。つまり、マルチピンホール型の共焦点絞りを用いる場合は、2方向への照明光の走査が必要であるのに対して、共焦点絞り33を用いた場合には、照明光を1方向に走査させればよい。
また、共焦点絞り33が図2に示す構成とされる場合、ビーム整形光学系31は、例えば図4に示すように、図中、奥行き方向に長いシリンドリカルマイクロレンズ151−1乃至シリンドリカルマイクロレンズ151−3からなる。なお、図中、矢印Sは照明光の進む方向を示しており、矢印Kは観察光の進む方向を示している。
図中、上側からビーム整形光学系31に入射した照明光は、シリンドリカルマイクロレンズ151−1乃至シリンドリカルマイクロレンズ151−3のそれぞれにより集光されて、開口81Lの列乃至開口81Rの列のそれぞれとほぼ同形状(スリット状)の3つの光束に整形される。そして、シリンドリカルマイクロレンズ151−1乃至シリンドリカルマイクロレンズ151−3により集光された照明光は、ビームスプリッタ32を透過して、開口81Lの列乃至開口81Rの列のそれぞれを通過する。
ここで、シリンドリカルマイクロレンズ151−1乃至シリンドリカルマイクロレンズ151−3により集光された照明光は、観察面Taと共役な位置、つまり開口81が設けられている位置に集光される。また、このとき、共焦点絞り33は、照明光学系側の共焦点絞りとして機能する。
さらに、標本25からの観察光は、照明光の光路を逆方向に通って共焦点絞り33に入射するため、観察光はスリット状の3つの光束に整形されて、開口81が設けられている位置に集光され、図中、下から上方向に開口81を通過する。そして、開口81を通過した観察光は、ビームスプリッタ32により図中、左方向に反射されてフィルタ41に入射する。このとき、共焦点絞り33は、結像光学系側の共焦点絞りとして機能する。
なお、図4の例では、開口81Lの列乃至開口81Rの列のそれぞれに対応するシリンドリカルマイクロレンズ151−1乃至シリンドリカルマイクロレンズ151−3により、照明光が集光されると説明したが、照明光が開口81のそれぞれに対応するレンズにより集光されてもよい。
そのような場合、ビーム整形光学系31は、例えば開口81のそれぞれに対応するレンズのそれぞれが並べられて設けられたフライアイレンズ(レンズアレイ)から構成される。そして、照明光は、レンズのそれぞれにより集光されてスポット光とされ、レンズに対応する開口81のそれぞれに入射する。
また、照明光がビーム整形光学系31によりスリット形状(長方形状)に集光されて、そのスリット形状の照明光のうち、開口81に入射した光だけが共焦点絞り33を通過するようにしてもよい。
次に、共焦点顕微鏡システム11の動作について説明する。
光源部21が制御部47の制御の基に照明光を射出すると、ビーム整形光学系31は、光源部21からの照明光を集光して、照明光を図1中、奥行き方向に長いスリット状(ライン状)の光束に整形する。
そして、スリット状に整形された照明光は、共焦点絞り33乃至反射ミラー35を通ってスキャンミラー36aに入射する。スキャンミラー36aは、制御部47の制御にしたがって回動するとともに、反射ミラー35から入射した照明光を反射面36a−sにおいて反射する。ここで、スキャンミラー36aは、その中心を通り、反射面36a−sに入射したスリット状の照明光の長手方向に平行な直線を軸として回動する。
また、反射面36a−sで反射された照明光は、スキャナレンズ37乃至対物レンズ39により標本25の観察面Taに集光される。
例えば、図5に示すように、照明光により観察面Taの領域Qが照明されるとする。なお、図5において、観察視野Fは共焦点顕微鏡22により観察される観察面Ta上の視野の領域を示している。
図5では、領域Q内の四角形のそれぞれは、開口81を通り観察面Taに照射された照明光(スポット光)のそれぞれを表しており、領域Qがスポット光からなる長方形状の照明光により照明される。また、スポット光を表す四角形のそれぞれは、共焦点絞り33に設けられた開口81の配列と同じように、図中、縦方向に3列に並べられている。
標本25の共焦点観察時においてスキャンミラー36aが回動すると、長方形状の照明光は、その長手方向とほぼ垂直な方向、つまり図中、左右方向(矢印Bの方向)に走査され、観察視野Fを含む照明エリアEが照明光により隙間なく照明される。
このようにして、標本25の観察面Taが照明されると、観察面Taからの観察光は、対物レンズ39乃至照明系コリメートレンズ34を通って共焦点絞り33に入射する。さらに、共焦点絞り33に入射した観察光は、開口81を通過してビームスプリッタ32に入射する。
ここで、共焦点絞り33には、観察面Taからの光だけでなく、標本25における観察面Taから図1中、上下方向にずれた位置からの光、つまり焦点外れの拡散した光(クロストーク成分)も観察光として入射する。共焦点ユニット23では、共焦点絞り33が観察面Taと共役な位置に配置されているため、共焦点絞り33に入射した観察光のうちのクロストーク成分の殆どは、開口81を通過することなく遮蔽されることになる。
例えば、図6Aに示すように、観察光のクロストーク成分のうち、開口81近傍の斜線が施された領域に入射した光は、開口81を通過せずに共焦点絞り33により遮蔽される。図6Aにおいて、開口81近傍の左下方向の斜線が施された領域、すなわち各開口81の図中、左右に位置する領域は、共焦点絞り33だけでなく、従来のスリット走査方式の共焦点絞りによっても遮蔽することのできたクロストーク成分が入射する領域である。
一方、開口81近傍の右下方向の斜線が施された領域、すなわち各開口81の図中、上下に位置する領域は、共焦点絞り33により遮蔽されるクロストーク成分が入射する領域であり、このクロストーク成分は、従来のスリット走査方式の共焦点絞りでは遮蔽することができない成分である。
つまり、従来のスリット走査方式の共焦点絞りは、スリット状の開口を有しているため、開口の短手方向についてはクロストーク成分を遮蔽することができるが、長手方向については、クロストーク成分を遮蔽することができない。
これに対して、本発明の共焦点絞り33では、各開口列において開口81が、長さ2D1の間隔が空けられて並べられているため、スリット状の観察光の長手方向のクロストーク成分も遮蔽することができる。
例えば、図6Bに示すように、共焦点絞り33に入射した観察光のうち、開口81Rと、隣接する他の開口81Rとの間の部分に入射した光は遮蔽される。なお、図6Bは、共焦点絞り33を図6A中、右から左方向に見た図を示しており、斜線部分は、焦点外れの観察光を表している。
図6Bでは、標本25における観察面Taよりも対物レンズ39からより遠い部分からの焦点外れの観察光が、共焦点絞り33の手前側(図6Bにおける右側)で集光されて共焦点絞り33に入射している。そして、図6B中、右側から開口81R−1乃至開口81R−3のそれぞれの近傍に入射した観察光のうちの殆どが共焦点絞り33により遮蔽され、わずかな光だけが開口81Rに入射する。
このように、従来の共焦点絞りでは、スリット状の観察光の短手方向のクロストーク成分しか遮蔽することができなかったが、本発明の共焦点絞り33によれば、観察光の短手方向だけでなく、長手方向のクロストーク成分も遮蔽することができ、共焦点効果をより高めることができる。
このようにして共焦点絞り33を通過した観察光は、フィルタ41乃至スキャナ36を通って集光レンズ44に入射し、集光レンズ44により集光されて光検出器45により受光される。光検出器45は、集光レンズ44からの観察光を受光し、その結果得られた撮像画像を、観察光の2次元の輝度分布データとして制御部47に供給する。
そして、制御部47は、光検出器45からの2次元の輝度分布データに基づいて、観察面Taの2次元画像を生成し、2次元画像を表示部48に供給して表示させる。例えば、制御部47は、照明光が照明エリアEの端から端まで走査される間に得られた2次元の輝度分布データを用いて、1枚(1コマ)分の2次元画像を生成する。
これにより、観察者は、表示部48に表示される2次元画像を見て観察視野F、つまり標本25の観察面Taを観察することができる。また、観察者は、操作部46等を操作して、ステージ40を対物レンズ39の光軸と平行な方向に移動させることで、標本25の任意の部位を観察面Taとして観察することができる。
以上のように、複数の開口からなる開口列が並べられた共焦点絞り33を用いることで、観察光の短手方向だけでなく、長手方向のクロストーク成分も遮蔽することができ、簡単に共焦点効果、例えばセクショニング分解能やコントラストを高めることができる。
すなわち、共焦点顕微鏡システム11によれば、画素信号を補正する演算処理、つまり2次元画像からクロストーク成分を除去する演算処理等を必要とせずに、光検出器45による観察光の受光前に、観察光の長手方向のクロストーク成分を物理的に除去することができるので、簡単に共焦点効果を高めることができる。しかも画素信号の補正の演算処理が必要ないので、迅速に2次元画像を得ることができ、スリット走査方式の特徴である高速性が損なわれることもない。また、演算処理を実行させるプログラムの開発のためのコストや時間も不要である。
なお、以上においては、照明光学系および結像光学系における、ビームスプリッタ32と標本25との間が共通な光学系とされ、共焦点絞り33が照明光学系側の共焦点絞りとしても、結像光学系側の共焦点絞りとしても機能すると説明したが、共焦点絞りが複数設けられてもよい。
そのような場合、共焦点絞り33は照明光学系側の共焦点絞りとされ、結像光学系には、結像光学系側の共焦点絞りとして、共焦点絞り33とは異なる他の共焦点絞りが配置される。そして観察光は、照明光とは異なる光路を通って他の共焦点絞りに入射し、他の共焦点絞りを通過した観察光は、図1とは異なる位置に配置されたフィルタ41乃至集光レンズ44を通って光検出器45に受光される。この場合、他の共焦点絞りは、共焦点絞り33と同じもの、つまり他の共焦点絞りは、共焦点絞り33と同じ配列の開口が設けられたものとされ、他の共焦点絞りは、観察面Taと共役な位置に配置される。
また、図1では、スキャンミラー36aには、反射面36a−sおよび反射面36a−rが設けられているが、スキャンミラー36aに反射面36a−sだけが設けられ、反射ミラー43からの観察光を反射する他のスキャンミラーが別に設けられてもよい。
さらに、共焦点絞り33を開口81からなるスリットの短手方向から見た場合、長手方向に隣接する開口81同士の端が重なるように、開口81が設けられると説明したが、厳密には開口81同士の端がほぼ重なっていればよい。
つまり、短手方向から見て開口81同士(の一部)が重なれば、2次元画像の開口81の境界に対応する部分には受光量の増加に起因する白線が入り、開口81同士が離れていれば、2次元画像の開口81の境界に対応する部分には受光量の減少に起因する黒線が入る。そして、2次元画像上のそれらの白線や黒線の太さは、開口81同士の重なり具合、離れ具合によって変化する。そのため、短手方向から見た隣接する開口81の端同士の距離は、2次元画像上の線の太さが観察者にとって標本25を観察するために許容される太さとなる距離であればよい。
例えば、図7に示すように、共焦点絞り33に設けられる開口が円形状であるとし、開口からなるスリットの短手方向から見て、長手方向に互いに隣接する開口181と開口182とが重なっていたとする。つまり、共焦点絞り33の所定の開口列上の開口181を他の開口列上に移動させたときに、その開口列上の開口182と開口181とが重なったとする。また、開口181および開口182のそれぞれの直径をXとし、開口181と開口182とが重なる部分の、スリットの短手方向の長さがPであるとする。
照明光で標本25を走査するときに、標本25において、最も走査時間の長い部分は、各開口の直径の部分を通過する照明光により走査される部分である。また、開口181と開口182とが重なる部分の長さPの2倍の値2Pが直径Xを超えると2次元画像上の明るさのむらが大きくなり、白線の太さが太くなる。したがって、標本25をできるだけ均一に照明しようとすると、例えば2P≦Xが満たされることが望ましい。
なお、2P=Xである場合には、開口同士が重なっている部分の開口181の図中、下側の端から開口182の図中、上側の端までの距離は、0.14Xとなる。
また、以上においては、共焦点絞り33に正方形状の開口81からなる3つの開口列が並べられて設けられている例について説明したが、開口列の数は複数であればいくつでもよく、また開口81の形状も正方形状に限らず、円形状など他の形状であってもよい。
図8および図9は、共焦点絞り33の他の構成例を示す図である。
例えば、図8Aに示す共焦点絞り33では、1辺の長さD1の正方形状の開口81が図中、縦方向に2D1だけ間隔が空けられて、かつ横方向にD2だけ間隔が空けられて並べられている。つまりn個の開口81Lの列、n個の開口81Cの列、およびn個の開口81Rの列が、図中、横方向に並べられて設けられている。さらに、開口81Lの列は、開口81Cの列よりも距離2D1だけ図中、下側に位置しており、開口81Rの列は、開口81Cの列よりも距離D1だけ下側に位置している。
また、図8Bに示す例では、共焦点絞り33には、1辺の長さD1の正方形状の開口81が図中、縦方向に2D1だけ間隔が空けられて、かつ横方向に隣接するように並べられている。つまりn個の開口81Lの列、n個の開口81Cの列、およびn個の開口81Rの列が互いに間隔を空けずに隣接して図中、横方向に並べられて設けられている。さらに、開口81Lの列は、開口81Cの列よりも距離D1だけ図中、下側に位置しており、開口81Cの列は、開口81Rの列よりも距離D1だけ下側に位置している。
さらに、図8Cに示す例では、共焦点絞り33には、直径D1の円形状の開口211L−1乃至開口211L−n、開口211C−1乃至開口211C−n、および開口211R−1乃至開口211R−nのそれぞれが、図2の開口81L−1乃至開口81L−n、開口81C−1乃至開口81C−n、および開口81R−1乃至開口81R−nのそれぞれと同じ配置で並べられている。つまり、図2に示す例と、図8Cに示す例とでは、共焦点絞り33に設けられた開口の形状だけが異なる。
また、図9Aに示す例では、共焦点絞り33には、1辺の長さD1の正方形状の開口231L−1乃至開口231L−nが、距離D1だけ間隔が空けられて図中、縦方向に並べられている。また、共焦点絞り33には、1辺の長さD1の正方形状の開口231R−1乃至開口231R−nが、距離D1だけ間隔が空けられて図中、縦方向に並べられている。
なお、以下、開口231L−1乃至開口231L−nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口231Lと称し、開口231R−1乃至開口231R−nのそれぞれを個々に区別する必要のない場合、単に開口231Rと称する。
また、図9Aに示す共焦点絞り33では、開口231Lの列と、開口231Rの列とが距離D2だけ間隔が空けられて図中、横方向に並べられている。さらに、開口231Lの列は、開口231Rの列よりも距離D1だけ図中、下側に位置している。
さらに、図9Bに示す例では、共焦点絞り33において、図9Aに示した開口231Lの列と、開口231Rの列との間の距離D2が0とされ、開口231Lの列と開口231Rの列とが互いに間隔を空けずに隣接して並べられている。
このように、共焦点絞り33に設けられる開口列の数や開口の形状、隣り合う開口列の間隔などは適宜、変更することが可能である。
例えば、開口列の数(例えば、図2の例では3列)を増やすと、開口列における隣り合う開口と開口との間の距離を長くすることができるので、クロストーク成分を減らすという点でより有利になる。その反面、スリット状に整形される照明光の短手方向の長さが長くなるので、照明光の単位面積当たりのパワー(強度)が弱くなり、また標本25の所定の部位を観察するために照明光を走査させる距離が、開口列数が増えた分だけ長くなる。したがって、クロストーク成分の除去と、照明光の走査距離および照明光の強度との両方のバランスによって、開口列の数を定めるとよい。
また、開口列と開口列との間の距離D2を長くするほどクロストーク成分を減らすことができる。しかしながら、距離D2を長くすると、その分だけスリット状に整形される照明光の短手方向の長さが長くなるので、標本25の所定の部位を観察するために照明光を走査させる距離が長くなる。また、共焦点絞り33に入射させる照明光の幅をビーム整形でより広げる必要がある。したがって、開口列と開口列との間の距離D2も、共焦点ユニット23の性能と実用性の兼ね合いで定めればよい。
さらに、例えば、図8Bや図9Bに示した例のように、共焦点絞り33の開口列と開口列との間の距離D2が0である場合には、開口列同士の距離が短いため、クロストーク成分の除去の面では不利になるが、照明光の走査範囲が少なく、スリット状に整形された照明光の単位面積当たりの強度はより強くなる。
さらに、また、共焦点ユニット23に、開口81の大きさや配列の異なる複数の共焦点絞り33が設けられるようにしてもよい。そのような場合、共焦点ユニット23は、共焦点観察時に用いられる対物レンズ39や標本25に応じて、複数の共焦点絞り33のうちの適切なものを選択し、照明光および観察光の光路上に配置する。また、この場合、各共焦点絞り33に適した複数のビーム整形光学系31を設けて、共焦点ユニット23が、照明光および観察光の光路上に配置された共焦点絞り33に対して適切なビーム整形光学系31を選択し、照明光の光路上に配置するようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 共焦点顕微鏡システム, 21 光源部, 22 共焦点顕微鏡, 23 共焦点ユニット, 24 コンピュータ, 25 標本, 31 ビーム整形光学系, 33 共焦点絞り, 36 スキャナ, 36a スキャンミラー, 39 対物レンズ, 45 光検出器, 81L−1乃至81L−n,81C−1乃至81C−n,81R−1乃至81R−n 開口, 211L−1乃至211L−n,211C−1乃至211C−n,211R−1乃至211R−n 開口, 231L−1乃至231L−n,231R−1乃至231R−n 開口