JP2009162579A - 紙の裁断面の品質評価装置及びそれを用いた品質評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙山50の裁断面50aに対向して設置された撮像装置10と、照射光の光軸A20が撮像装置10の光軸A10に対して60度から90度をなすように配置された照明装置20と、品質評価値作成手段30と、評価手段40とを有する。品質評価値作成手段30は、撮像装置10が撮像して得られた裁断面50aの画像を構成する各画素の濃度に関する同時生起行列を作成し、その同時生起行列から前記評価対象範囲のコントラスト評価値を求めるコントラスト評価値演算手段36を有する。評価手段40は、求められたコントラスト評価値が、予め設定された基準値よりも低いか否かを評価する。
【選択図】図1
Description
この裁断面の外観検査(以下、裁断面検査と呼ぶ。)は、束ねられた紙を所定方向に裁断し、その裁断面の性状を評価する検査である。
しかし、この裁断面検査では、紙の繊維の一部が完全に切断されずに引きちぎられることによる毛羽立ちの発生や、紙粉と呼ばれる粉末状の紙の付着等の問題が生じることがあった。このような問題の原因としては、裁断機の裁断能力の低下等が挙げられる。
これら毛羽立ちの発生、並びに、紙粉及び剥離したコーティング材(以下、コーティング材粉と呼ぶ。)の付着は、単に美観の問題にとどまるものではない。特に、紙粉及びコーティング材粉等の微小な異物は、印刷装置における記録媒体として用いた場合、印刷装置の感光ドラムに付着し、形成した画像部分が白点状に抜けて画像不良となるトラブルや、印刷装置の故障を発生させることがある。
このような問題を未然に防ぐために、現状の裁断面検査では、毛羽立ちや微小な異物の存在を目視によって評価しているが、その評価には個人差があり客観的な判定が困難であった。このため、裁断面検査を客観的に評価する方法として、画像処理による検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、二値化処理を行う際に用いられる閾値は、評価結果に重大な影響を与える因子であるが、その閾値の客観的な決定方法は特許文献1には何ら記載されていない。
また、特許文献1における二値化処理を用いた評価方法による問題点として、紙が積層されることによって紙山の裁断面に形成される横方向の縞模様の影響で評価結果の信頼性に欠けるという問題もある。ここで、横方向とは、積層された紙の裁断面において、紙の積層方向と直交する方向を指す。
前記照明装置によって光が照射された前記裁断面を前記撮像装置が撮像することによって得られた画像について、その画像を構成する各画素の濃度を、評価対象範囲の平均濃度が一定になるように変換し、一の画素iの濃度Giと、その画素iから変位δだけ横方向に離れた他の画素jの濃度Gjとに基づいて、(Gi,Gj)の出現率で表される前記評価対象範囲の同時生起行列を作成し、その同時生起行列から前記評価対象範囲のコントラスト評価値を求める品質評価値作成手段と、求められた前記コントラスト評価値が、予め設定された基準値よりも低いか否かを評価する評価手段とを有することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る紙の裁断面の品質評価方法によれば、評価対象画像の横方向の変位に関する同時生起行列を作成し、これに基づき算出された品質評価値を用いて評価するので、二値化処理に見られるような外乱の影響も極めて少なく、紙粉やコーティング材粉のように微小な異物についても客観的で信頼性が高い評価結果を得る紙の裁断面の品質評価方法を提供することができる。
図1は本発明に係る紙の裁断面の品質評価装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、品質評価装置1は、評価対象である紙山50の裁断面を撮像する撮像装置10と、照明装置20と、品質評価値作成手段30と、評価手段40と、基準値記憶部41とを有する。
なお、撮像装置10は、少なくとも、照明装置20によって光が照射された裁断面50aを撮像できる位置に設置されればよい。
画像サイズ記憶部32は、評価対象範囲を特定するために、所望の画像サイズを記憶する記憶手段である。
画像サイズ変換部33は、画像メモリ31に記憶された画像のサイズを画像サイズ記憶部32に記憶された所望の画像サイズに変換し、サイズ変換後の画像を画像メモリ31に格納する手段である。
同時生起行列演算部35は、濃度が平均化された画像データを構成する各画素について同時生起行列を演算する手段である。具体的な演算方法については後述する。
コントラスト評価値演算部36は、品質評価値としてコントラスト評価値を演算する演算手段であり、同時生起行列演算部35によって演算された同時生起行列に基づいてコントラスト評価値を演算する手段である。
図2は、紙の裁断面に付着物が存在するか否かによって照射光の光路に及ぼす影響を説明する図であり、図2(A)は付着物がほとんど認められない紙山の裁断面に対する照射光の光路を示す図であり、図2(B)は紙山の裁断面に存在する付着物に対する照射光の光路を示す図である。
一方、図2(B)に示すように、裁断面50aに付着物がある場合は、照明光が付着物部分51で反射する光路P2や、正反射成分が撮像装置10の方向に反射する光路P3で進むことが多い。なお、光路P3では、付着物に反射した光が撮像装置10へ向かうことにより、付着物が明るく見え、その横方向は影で暗く見える。また、反射した光が撮像装置10の方向に行かず明るくならない場合でも、付着物部分51で発生した影でその横が暗く見える。従って、裁断面50aに付着物がある画像は、裁断面50aに付着物がない画像に比べ、明暗差のあるコントラストが高い画像が撮像装置10によって得られることがわかる。
このように、裁断面50aにおける付着物の有無を画像上で検証した結果、裁断面50aにおける毛羽立ち等の異物の存在を評価するためには、評価対象範囲における画像をコントラストの高低で評価することが有効であることがわかる。そして、裁断面50aの画像データを、コントラストが高い画像として得るためには、影の部分が大きく見えるように、撮像装置10と照明装置20とのなす角度を比較的大きくする必要がある。
図3乃至図5は、図1に示す構成において、撮像装置10の光軸A10と、照明装置20から照射される光の光軸A20とのなす角度αを変化させた場合の同一の裁断面50a上に存在する付着物の画像である。
また、図6及び図7は、図1に示す構成において、撮像装置10の光軸A10と、照明装置20から照射される光の光軸A20とのなす角度αを変化させた場合の同一の裁断面50a上に存在する紙粉の画像である。
照明装置20を角度αが小さくなるように移動すると、付着物の上方から照明装置20で照らすようになり、影の部分が小さくなってしまい、コントラストが低下してしまう。従って、撮像装置10によって得られる画像に影を残すためには、角度αがある程度大きくなるように照明装置20を配置する必要がある。
次に、撮像装置が評価対象である紙の裁断面を撮像することによって得られた画像の品質を評価する紙の裁断面の品質評価方法について、図面を参照して以下に説明する。
評価対象範囲指定工程S2は、図1及び図8に示すように、裁断面の撮像後、撮像装置10から取得した画像データにおける評価対象範囲を決定する工程である。評価対象範囲を決定する情報の入力は、例えば、取得した画像データの画像を表示装置(図示せず)に表示し、その画像に基づき、外部に接続された入力装置(図示せず)を用いて、X−Y方向のそれぞれの画素数を入力して枠等で表示された評価対象範囲を指定する(図14参照)ことによって行われる。
そこで、このような評価対象における明るさの変化によるコントラストの低下を低減するために、評価対象である画像の濃度の平均値を均一化する濃度平均化工程S4を行う。
図1において、評価対象範囲指定工程S2において評価対象範囲が特定された画像データ、又は画像サイズ変換工程S3によって画像サイズが変換された画像データは、画像メモリ31に格納される。この画像データは、2次元座標(X−Y座標)に多数配置された電荷素子(画素)ごとに分割される。画像データはX−Y座標における座標位置とその位置の明暗の数値(濃度)の集合体である。
そこで、濃度平均化工程S4では、図1において、画像メモリ31に格納された画像データを濃度平均化処理部34が読み出し、この画像データに対して下記数式(1)による計算を画素毎に実施し、画素情報g(x,y)を得る。なお、下記数式(1)において、hは処理後の画像が暗くなり過ぎないように決めた任意の定数であり、AVE(A)は評価対象範囲における画像の平均濃度値を表す。
g(x,y)=f(x,y)×h/AVE(A)・・・・・・数式(1)
ここで、同時生起行列とは、ある画素iから画像上のδだけ相対的に離れた画素jについて、それらの画素の濃度をそれぞれGi、Gjとしたとき、S(Gi,Gj)で表される濃度の組合せSの出現確率を行列表示したものである。
同時生起行列については、例えば、高木幹雄、下田陽久編:「テクスチャ特徴の抽出」、“画像解析ハンドブック”、東京大学出版会、pp.518−521に記載されている。
同時生起行列演算工程S5aは、標本化工程と、正規化工程とを有する。
通常、同時生起行列を演算する際に用いられる変位δは、基準となる画素(画素i)に対して、裁断面における所定の角度方向(積層方向及び横方向)に位置する組合せ対象の画素(画素j)が適宜選択される。
本発明では、積層された紙の裁断面は以下(1)乃至(3)のような特徴を有しているため、基準となる画素(画素i)から組合せ対象となる画素(画素j)までの変位δを、横方向移動した変位量として定義した。
(2)横方向の濃度は照明光の均一性に影響されるが、横方向の微小な間隔であれば、照明光は均一に照射されていると見なすことができる。
(3)付着物は微小な範囲での濃度の変化として捉えることができる。
すなわち、微小な変位δの方向を横方向に特定することにより、紙山の積層状態や、照明光の不均一性といった外乱に影響されずに、付着物に起因する濃度の変化を高い精度で表現することができる。
また、図12に示すように、変位δが15画素を超えると、品質評価値が上昇に転じる。この原因は、照明の不均一の影響や、紙山のうねりなどの影響を受けていると考えられる。すなわち、変位δが15画素を超えると、変位δはもはや微小な変位といえず、様々な外乱を受けて品質評価値が上昇している。
しかしながら、一般には、検出しようとする付着物等のサイズに応じて、撮像装置のレンズの倍率が変更されるため、変位δの適正な範囲も、レンズの倍率等、検出する付着物のサイズや、撮像条件により変化する。
従って、変位δは、撮像条件や、撮像装置によって得られた画像に基づいて、適切な値が適宜選択される。
標本化工程においては、例えば、評価対象である図9に示す画像データが、座標(0,0)の画素(0,0)の濃度G1が0であり、画素(0,0)から横方向に変位δ(=1画素分)離れた画素(1,0)の濃度G2が0であるため、(G1,G2)=(0,0)と表すことができる。また、座標(1,1)の画素(1,1)の濃度G3が1であり、画素(1,1)から横方向に変位δ(=1画素分)離れた画素(2,1)の濃度G4が2であるため、(G3,G4)=(1,2)と表すことができる。
ここで、図10に示す行列は、図9に示す画像データにおいて、変位δとしたときの濃度の組合せ(Gi,Gj)が(0,0)となる標本の数が3つであることを意味する。すなわち、濃度の組合せ(Gi,Gj)が(0,0)、(1,1)、(2,2)、及び(3,3)となる標本は、変位δとしたときの2つの画素の濃度差が0であることを意味する。
正規化工程は、上述の標本化工程において作成された行列の各要素(濃度の組合せSの数)をその出現確率に変換する工程である。具体的には、同時生起行列演算部35が、標本化工程において作成された行列の各要素(濃度の組合せSの数)を総標本数で除する工程である。
正規化工程は、例えば、図10に示す行列の各要素(標本数)を総標本数20で除して、図11に示す行列として表す工程である。すなわち、図11に示す行列では、例えば、変位δとしたときの濃度の組合せS(Gi,Gj)が(0,0)となる標本確率が0.15であることを意味する。
C=Σ{d2×K[d]}・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(2)
コントラスト評価値演算工程S5bにおいては、同時生起行列演算部35によって作成された同時生起行列(図11参照)について、コントラスト評価値演算部36が、数式(2)に基づく下記の演算を行う。
コントラスト評価値C=(2点間の濃度差の2乗×確率)の合計
=(0−1)2×0.1+(1−2)2×0.1+(2−3)2×0.05+(3−0)2×0.05
=1×0.1+1×0.1+1×0.05+9×0.05
=0.7
これは、数式(2)が、横方向のみにしか演算対象としていないため、横方向に同じ濃度を持つ浮き上がり部分における積層方向での明るさの差(濃度の差)は影響を受けないからである。
図14乃至図18は、コントラスト評価値ごとの裁断面の性状を示す画像であり、図14は目視にて裁断面の性状が使用に供する限界と判断された裁断面の画像(コントラスト評価値が185)である。図15は目視にて付着物の存在が裁断面に特に認められず、印刷装置に通常に使用しても可能と判断された裁断面の画像(コントラスト評価値が98)である。図16は目視にて紙粉などの微小な異物の存在が認められなかったと判断された裁断面の画像(コントラスト評価値が58)である。図17は目視にて毛羽立ちの存在が認められたと判断された裁断面の画像(コントラスト評価値が400)である。図18は目視にてコーティング材の存在が認められたと判断された裁断面の画像(コントラスト評価値が128)である。なお、これらのコントラスト評価値は、濃度が8ビットで表現された画素によって構成された画像データに基づき算出されたコントラスト評価値であり、その画像データに基づいて作成された同時生起行列は256行×256列で表される。
具体的には、図14の画像によれば、コントラスト評価値が185であると、裁断面における微小な異物の存在が、目視ではほとんど確認できないことがわかる。
また、図15の画像によれば、コントラスト評価値が98であると、裁断面における微小な異物の存在が、目視ではほとんど確認できないことがわかる。
また、図17の画像によれば、コントラスト評価値が400であると、裁断面において、毛羽立ちの存在が目視で認められる程度であることがわかる。
また、図18の画像によれば、コントラスト評価値が128であると、裁断面において、コーティング材の存在が目視で認められる程度であることがわかる。
以上説明したように、評価対象画像のコントラスト評価値が、基準値記憶部41に予め記憶させた基準値よりも低いか否かを、評価手段40が判定することにより、裁断面における微小な異物の存在を評価することができる。なお、基準値は、紙の種類、紙山の状態、裁断環境、画像取込環境等に応じて決定される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、毛羽立ちのように比較的大きなもののみを評価する場合は、同時生起行列を求める前に対象画像を濃度変換して濃淡レベルを少なくして微小な濃度変動を無視することも可能である。
10 撮像装置
20 照明装置
30 品質評価値作成手段
40 評価手段
50 紙山
50a 裁断面
Claims (2)
- 山積みされた紙山を一定寸法に裁断して得られた裁断面に対向した位置に設置された撮像装置と、照射光の光軸が前記撮像装置の光軸に対して60度から90度をなすように配置された照明装置とを有し、
前記照明装置によって光が照射された前記裁断面を前記撮像装置が撮像することによって得られた画像について、その画像を構成する各画素の濃度を、評価対象範囲の平均濃度が一定になるように変換し、一の画素iの濃度Giと、その画素iから変位δだけ横方向に離れた他の画素jの濃度Gjとに基づいて、(Gi,Gj)の出現率で表される前記評価対象範囲の同時生起行列を作成し、その同時生起行列から前記評価対象範囲のコントラスト評価値を求める品質評価値作成手段と、求められた前記コントラスト評価値が、予め設定された基準値よりも低いか否かを評価する評価手段とを有することを特徴とする紙の裁断面の品質評価装置。 - 山積みされた紙山を一定寸法に裁断して得られた裁断面に対向した位置に撮像装置が設置され、照射光の光軸が前記撮像装置の光軸に対して60度から90度をなすように照明装置が配置され、前記照明装置によって光が照射された前記裁断面を前記撮像装置が撮像することによって得られた画像に基づいて、評価対象範囲の平均濃度が一定になるように濃度を変換する濃度均一化工程と、一の画素iの濃度Giと、その画素iから変位δだけ横方向に離れた他の画素jの濃度Gjとに基づいて、(Gi,Gj)の出現率で表される前記評価対象範囲の同時生起行列を作成する同時生起行列演算工程、及びその同時生起行列から前記評価対象範囲のコントラスト評価値を求めるコントラスト評価値演算工程を含む品質評価値作成工程と、求められた前記コントラスト評価値が、予め設定された基準値よりも低いか否かを評価する評価工程とを含むことを特徴とする紙の裁断面の品質評価方法。
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