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JP2009161854A - 鋼材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベアリングなどの機械部品等に用いられる鋼材の疲労寿命を非常に長くする。例えば、L10寿命における疲労寿命を100×106回以上にする。
【解決手段】質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%を含有している鋼において、鋼中に含まれる長径が30μm以上である介在物に関し、真円度が1.0〜1.4未満となる個数が35個/kg以下であり、且つ、真円度が1.4以上となる個数が90個/kg以下とする。鋼材の製造にあたっては、真空高周波誘導炉(VIF)を用いたり、LF装置やRH装置を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、ベアリングなどの機械部品等に用いられる鋼材に関するものである。
従来より、優れた疲労寿命や静粛性が求められる機械部品、特に転がり軸受鋼(ベアリング)などの元となる鋼材は、CaO・Al23 やAl23に代表されるような非金属介在物を極力低減した清浄度の高い鋼であることが重要である。
このような清浄度の高い鋼(高清浄度鋼)は、転炉にて溶鋼の脱炭処理を行った後、例えば、LF装置やRH装置などの二次精錬装置にて溶鋼における化学成分の微調整や溶鋼に含まれる非金属介在物の低減を行い、連続鋳造装置にて鋳造することで製造するのが一般的である。
高清浄度鋼を製造するにあたっては、化学成分の微調整や非金属介在物の低減が重要であるが、鋼中の非金属介在物の形状や個数も重要となってきている。このように、鋼中の非金属介在物の形状や個数を規定した鋼材としては、、例えば、特許文献1又は特許文献2に示すものがある。
特許文献1の鋳造用鋼は、鋼中に含まれる最大弦長が1μm以上の介在物の平均円形度が0.25以上、最大弦長が20μm以上の個数が100mm2あたり40個未満でその平均円形度が0.25以上、および最大弦長が1〜10μmの介在物の個数が100mm2あたり100個以上である。
特許文献2の高強度鋼板は、鋼中介在物の個数割合で50%以上が球状、紡錘状のいずれか一方または双方の介在物からなっているものである。
特開2006−336092号公報 特開2007−291421号公報
特許文献1では、鋼中に含まれる介在物の平均円形度や介在物の個数が規定されているが、この規定は耐水素割れ性を向上させるという観点から設定されたものであり、機械部品の疲労寿命を向上させるという観点からなされたものではない。加えて、特許文献1では、規定する介在物の大きさは、10μm程度であり機械部品の疲労寿命に影響を与えない非常に小さなもので疲労寿命に影響を与える介在物については全く記載されておらず、この鋼材であったしても十分に疲労寿命を満たすことができるとは言えないのが実情である。
また、特許文献2では、鋼中に含まれる介在物の個数などが規定されているが、特許文献1と同様に、規定する介在物の大きさは10μm程度であり機械部品の疲労寿命に影響を与えない非常に小さなものである。
そこで、本発明は、疲労寿命の影響を与える介在物について制限することで、十分に疲労寿命が確保された鋼材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明は、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%を含有している鋼において、その鋼中に含まれる長径が30μm以上である介在物に関し、真円度が1.0〜1.4未満である介在物の個数が35個/kg以下であり、且つ、真円度が1.4以上である介在物の個数が90個/kg以下となっている点にある。
発明者は、鋼材の疲労寿命を十分に確保するための方法を様々な観点から検証を行った。
まず、発明者は、鋼材に含まれる介在物は鋼材の疲労寿命に影響していると考え、様々な実験により、鋼材の疲労寿命の長さと鋼材に含まれる介在物の大きさとの関係について検証を行った。その結果、鋼材に含まれる介在物の大きさ(介在物の長径)が30μm未満である場合、その介在物が鋼材中に非常に多く含まれていたとしても、疲労寿命の長さにはあまり影響を及ぼさないことを見出した。これに対して、介在物の大きさが30μm以上である場合には、その介在物の個数によって疲労寿命に影響を与えていることが分かった。
そこで、発明者は、鋼材に含まれる30μmの介在物について、さらに様々な観点から検証を行った。発明者は、介在物の形状が疲労寿命の長さに影響を及ぼすと考え、介在物の形状と、その個数について実験を行った。
その結果、長径が30μm以上である介在物に対して、形状の指標となる真円度が1.0〜1.4未満となる個数が35個/kg以下あると共に、真円度が1.4以上となる個数が90個/kg以下である場合、非常に疲労寿命が長くなることを見出した。
本発明によれば、例えば、ベアリングなどの機械部品等に用いられる鋼材の疲労寿命を非常に長くすることができる。
本発明の鋼材について説明する。この鋼材は、高清浄度鋼であってベアリングなどの機械部品等に用いられるものである。
具体的には、この鋼材の化学成分は、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%を含有しているものである。
鋼材は、その鋼中に含まれる複数の介在物のうち、その長径が30μm以上である介在物において、真円度が1.0〜1.4未満となる個数が35個/kg以下となっている。
また、鋼材は、その鋼中に含まれる介在物のうち、その長径が30μm以上である介在物において、真円度が1.4以上となる個数が90個/kg以下となっている。
ここで、介在物の真円度は式(1)を用いて求められた値である。
鋼材に含まれる介在物の個数は、定電流電解法により計測された個数である。
詳しくは、製造後の鋼材(少なくとも100g)を800℃以上の温度で熱することにより溶体化処理をし、その溶体化した試料を、ph5〜7に調整した塩化第一鉄の水溶液中で定電流電解をすることで、鋼材に含まれる介在物、CaO・Al23と、Al23とを抽出する。そして、鋼材に含まれている介在物の個数を計測して、その個数と試料とした鋼材の重さから、kg単位当たりの介在物の個数を求める。
上述した本発明の鋼材に含まれる介在物の大きさ(介在物の長径の長さ)、介在物の真円度、真円度に対する介在物の個数は、様々な実験により求めたものである。以下、詳しく説明する。
表1は、複数のベアリング用の鋼材(軸受鋼)を製造(実験No1〜26)し、鋼材に含まれる介在物の長径別の個数と、L10寿命との関係をまとめたものである。表2は、表1における鋼材の化学成分をまとめたものである。
表1において、L10寿命は、軸受鋼で棒鋼を製造し、スラスト試験を行って転動疲労寿命を求めたものである。なお、長径が10μm未満で非常に径が小さい介在物は、従来文献(山陽特殊製鋼技報vol 12、No1、2005、p38〜p45、fig7を参照)に示すように、転動疲労寿命に影響を殆ど与えないことが分かっているため、この実験では介在物の長径は10μm以上を対象とした。
実験1〜実験10での鋼材は、真空高周波誘導炉(VIF)にて、真空中で電解鉄と合金とを溶解させて製造したもので、30μm以上の粗大な介在物を含有していない高純度鋼である。実験11〜実験14、実験16〜実験18及び実験20〜実験26での鋼材は、VIFにて、真空中で電解鉄と合金及び酸化源(FeO)とを溶解させて製造したものである。
鋼中の成分について説明する。
鋼中の[C]は、0.90〜1.10質量%である。Cは軸受鋼として要求される硬度を確保するのに必須の成分である。一般に軸受鋼は、焼入れ・焼戻し後の硬さがHRCで60以上であることが必要とされ、この硬さを確保するためには、[C]は0.90質量%以上が必要である。一方、C含有量が多くなり過ぎると巨大炭化物が生成し易くなり、転動疲労特性に却って悪影響を及ぼすようになるので、[C]は多くとも1.10質量%以下に抑えている。
鋼中の[Si]は、0.15〜0.35質量%である。Siは脱酸元素として有効に作用する他、焼入れ・焼戻し軟化抵抗を高めて硬さを高める作用を有しており、[Si]は、0.15質量%以上が必要である。また、含有量が高すぎると球状化焼なまし硬さの上昇を招くため、[Si]は、0.35質量%以下に抑えている。
鋼中の[Mn]は、0.30〜0.50質量%である。Mnは焼入れ性を高めて表層および芯部硬さを高め、表面の陥没を防止すると共に転動疲労寿命を向上させるうえで欠くことのできない元素であり、それらの効果を発揮させるには、[Mn]は、0.30質量%以上が必要である。このMnの含有量が高すぎると冷間加工性や被削性に悪影響を及ぼすようになるので、[Mn]は、0.50質量%以下に抑えている。
鋼中の[Cr]は、1.30〜1.60質量%である。Crは焼入れ性の向上と安定な炭化物の形成を通じて、強度の向上ならびに耐磨耗性を向上させて、このことによる転動疲労寿命の向上に有効に作用する成分であり、[Cr]は、1.30質量%以上が必要である。一方、[Cr]において、1.60質量%を超えると炭化物が粗大化し、切削性および転動疲労寿命が低下する。
実験15及び実験19での鋼材は、以下に示す鋼材の製造工程で製造したものである。
図3に示すように、転炉1からこの鋼材向け(高清浄度鋼向け)の溶鋼を取鍋2に出鋼し、この取鍋2を二次精錬装置3に搬送して当該二次精錬装置3で精錬し、二次精錬装置3で処理した溶鋼を連続鋳造装置で鋳造することにより、鋼材を製造した。なお、鋼材を製造するための溶鋼は電気炉から出鋼したものであってもよい。
二次精錬装置3は、取鍋精錬装置(LF装置)5と、還流式真空脱ガス装置6(以下、RH装置ということがある)とを有するもので、溶鋼は取鍋精錬装置5で精錬され、その後、RH装置6で精錬されるようになっている。
取鍋精錬装置5は、電極加熱式の精錬装置であって、溶鋼が装入された取鍋2と、取鍋2の溶鋼内にガスを吹き込む吹き込み装置7と、溶鋼を加熱する電極式加熱装置8と、フラックス等を投入するための供給装置9とを有している。
吹き込み装置7は、取鍋2の底部に設けられてその底部からガスを吹き込むポーラス吹込口15と、取鍋2の上部からガスを吹き込むランス16とを備えている。ランス16の先端には溶鋼内にガスを吹き込むノズルが設けられている。なお、吹き込み装置7は、ポーラス吹込口15のみを有するものであっても、ランス16のみを有するものであってもよい。
RH装置6は、溶鋼の脱ガスを行うものであって、溶鋼が装入された取鍋2と、真空状態となって溶鋼内の脱ガスを行う脱ガス槽10とを有している。取鍋2は、取鍋精錬装置5で用いられた取鍋2と同一のものであって、脱ガス槽10の直下に配置されるようになっている。
脱ガス槽10の下部には取鍋2内の溶鋼に浸漬させる2本の浸漬管11が設けられており、この浸漬管11の一方にはArガス等の不活性ガスを吹き込む吹き込み口(図示省略)が設けられている。脱ガス槽10の上部には、脱ガス槽10のガスを排気する排気口13が設けられている。
鋼材を製造するにあたって、取鍋精錬装置5では、電極式加熱装置8で溶鋼を所定温度まで上げて、吹き込み装置7からガスを吹き込んで溶鋼を攪拌することによって、化学成分の微調整を行うと共に、溶鋼内に含まれる非金属介在物の低減を行う。
また、RH装置6では、浸漬管11を取鍋2内の溶鋼に浸漬し、吹き込み口から不活性ガスを吹き込むと共に、排気口13から脱ガス槽10のガスを排気して脱ガス槽10内を略真空状態して溶鋼を脱ガス槽10と取鍋2との間で循環させることで、溶鋼内に存在する水素等のガス成分を除去する。なお、RH装置6では成分の微調整のため合金を入れることがある。
RH装置6で行う精錬処理(以降、RH装置6で精錬処理を行うことをRH精錬ということがある)でのスラグの塩基度を6.5以上13.5以下している。詳しくは、RH精錬の初期でのスラグの塩基度を6.5〜13.5の範囲としている。言い換えれば、LF装置5で溶鋼の精錬処理(以降、LF装置5で精錬処理を行うことをLF精錬ということがある)が終了したときのスラグの塩基度が6.5〜13.5の範囲に入るようにしている。
RH精錬では、スラグ中の組成が式(2)を満たした状態で精錬処理を行っている。詳しくは、LF精錬の前に、LF精錬の際に溶鋼に浮かぶスラグのFeOとMnOの量が式(2)以下になるように、溶鋼上に浮かぶスラグを除滓すると共に、溶鋼にフラックスを投入してスラグの組成を調整する[式(2)の単位は質量%である]。
RH精錬では、当該処理での前半は、吹き込み口から吹き込むArガスを強く(Arガス流量を増加)して溶鋼を高還流し、処理の後半は、吹き込み口から吹き込むArガスを弱く(Arガス流量を減少)して溶鋼を弱還流している。なお、Arガスの流量(還流ガス流量)は、式(3)を用いて算出している。式(3)は、二次精錬法(取鍋精錬法)及びステンレス製鋼法、特殊鋼製鋼法 式(13.3)に開示されているものである。
具体的には、
(i)RH装置の全処理時間に対して、1/3〜1/2となる範囲の前半処理では、式(2)で求められる溶鋼還流量が180ton/min以上、210ton/min以下となるように、還流ガス流量、即ち、Arガスの吹き込み量を調整している。
(ii)後半処理では、溶鋼還流量が110ton/min以上、140ton/min以下となるように、Arガスの吹き込み量を調整している。
例えば、RH精錬では、その全体の精錬時間(全体処理時間)を30分とした場合、RH精錬の前半の10分(30分の1/3)〜20分(30分の1/2)間は、溶鋼還流量が180ton/min〜210ton/minとなる範囲で還流する。
RH精錬の後半の20分(30分の2/3)〜30分間は、110ton/min〜140ton/minとなる範囲で還流する。
そして、LF精錬及びRH精錬が終了すると、溶鋼は取鍋を介して連続鋳造装置へ移送され、連続鋳造装置にて鋼材が鋳造(製造)される。
図1は、表1における実験結果をまとめたもので、介在物の個数(長径別個数)とL10寿命(転動疲労寿命)との関係を示したものである。表1では、L10寿命が十分に長い100×106回以上を良好(評価:「○」)とし、L10寿命が短い100×106回未満を不良(評価:「×」)とした。
実験1〜5及び図1に示すように、20μm以上の大きな介在物が含まれない軸受鋼にあっては、介在物の個数が増加しても、その個数に関係なく、L10寿命は非常に長いものとなった(100×106回以上)。
実験6〜10及び図1に示すように、30μm以上の大きな介在物が含まれない軸受鋼にあっては、その径の個数が増加したとしても、上記と同様に、L10寿命は非常に長いものとなった(100×106回以上)。
即ち、実験1〜10よれば、介在物の長径が30μm未満であれば、介在物の個数に関係なく、L10寿命は非常に長いことが分かる。
一方で、実験11〜26及び図1に示すように、長径が30μm以上の介在物が含まれる軸受鋼にあっては、L10寿命が100×106回未満となるものが存在した。L10寿命と長径が30μm以上の介在物の個数との関係を詳しく見ると、30μm以上の介在物が増加するにつれて、L10寿命が次第に低下する傾向があると共に、30μm以上の介在物が少ないと、L10寿命が高い傾向がある。しかしながら、必ずしも介在物の増加に伴ってL10寿命が低下するとも断言できない。
以上、実験1〜26及び図1に示すように、少なくとも長径が30μm以上となったときはL10寿命に影響を与えることが分かった。ここで、L10寿命の寿命に影響を与えるものとして、上述した長径の大きさとその個数だけでなく、その他の要因も関連していると推測される。1つの要因として介在物の形状が考えられたため、形状を示す指標として真円度に着目し、30μm以上の介在物を含む鋼材に対して介在物の真円度を計測することで、更なる検証を行った。
表3、表4は、鋼材に含まれる介在物のうち、長径が30μm以上の介在物において、真円度とL10寿命との関係をまとめたものである。表5は、表3及び表4に示した鋼材における化学成分を示したものである。
表3は各真円度における介在物の平均的な組成とL10寿命との関係をまとめたもので、表4は各真円度における介在物の個数とL10寿命との関係をまとめたものである。表3、表4では、L10寿命が十分に長い100×106回以上を良好(評価:「○」)とし、L10寿命が短い100×106回未満を不良(評価:「×」)とした。
この実験において、介在物の抽出は上述した定電流電解法により行い、真円度に対する介在物の個数を計測した。介在物の長径の測定は、抽出した介在物を撮像して画像処理解析を行うことにより行った。真円度の算出は式(1)を用いた。
詳しくは、製造した鋼材1kgを予め800℃以上の温度で溶体化処理し、溶体化した試料を、定電流電解して鋼材に含まれるCaO・Al23系の介在物と、Al23系の介在物を抽出した。粒度と真円度は光学顕微鏡で撮像した画像をルーゼックスAP(卓上型自動式多機能画像処理機、(株)ニレコ製)を用いて測定した。介在物の画像は、図2に示す写真となった。
表3、表4に示すように、L10寿命が非常に長い(100×106回以上)と、L10寿命が短い(100×106回未満)とに分類して、各真円度での介在物の個数(真円度別介在物個数)とL10寿命との関係について検証する。
表4に示すように、真円度毎の介在物の平均組成(真円度別介在物平均組成)を全体的に見ると、真円度が1.4以上と真円度1.4未満とでは真円度介在物平均組成の構成が異なっている傾向にある。詳しくは、真円度が1.4未満の介在物の平均組成を見ると、CaO含有量が10%以上となっていて、CaO・Al23の介在物が主体であると考えられる。また、真円度が1.4以上の介在物の平均組成を見ると、CaOは平均で5%以下であり、Al23が非常に多く、Al23が主体であると考えられる。
また、図2に示すように、介在物の状態を見ても、真円度が1.4未満の介在物では、介在物の形状は球形に近く(球形の一部が凹んだもの)、真円度が1.4以上となると球形よりも崩れた多面体に近い形状となっている。
ここで、介在物の種類(組成の違い)によってL10寿命に影響を及ぼすことは十分に考えられると共に、介在物の形状によってもL10寿命に影響を及ぼすことは十分に考えられることから、真円度を1.4を境界として、介在物の個数とL10寿命との関係を整理した。
なお、表4に示すように、真円度の分布を見たとき、全体として、真円度が1.4付近にて介在物の個数の変化が見られる。例えば、真円度が1.3〜1.4未満(前者)と、真円度が1.4〜1.5未満(後者)とを比較したとき、真円度が1.4付近では、その数が前者又は後者に比べて大きく増加したり減少している。この点からも、真円度を1.4境界として、疲労寿命との関係を整理することは、非常に有効である。
実験30〜実験33の比較例と、実験36〜実験37の実施例とを比較すると、比較例は実施例比べて真円度1.4以上の介在物が同等、若しくは10個/kg以下と非常に少ないものとなっている。ここで、実験30〜実験33の比較例において、真円度1.0以上1.4未満の介在物の合計を見てみると、その合計が35個/kgよりも多く、L10寿命は70×106回以下となっている。
これに対し、実験36〜実験37の実施例において、真円度1.0以上1.4未満の介在物の合計を見てみると、その合計が35個/kg以下であって、L10寿命は100×106回以上となっている。
実験30〜実験33の比較例及び実験36〜実験37の実施例によれば、鋼中に含まれる長径が30μm以上である介在物において、その真円度が1.0〜1.4未満となる個数が35個/kg以下であれば、疲労寿命を非常に長くすることができる。
実験34及び実験35の比較例と、実験38〜実験44の実施例を比較すると、両者とも真円度1.0以上1.4未満の介在物が35個/kg以下であるものの、実験34及び実験35の比較例では、真円度1.4以上の介在物が90個/kgよりも多く、L10寿命は80×106回未満となっている。
これに対し、実験38〜実験44の実施例では、真円度1.4以上の介在物が90個/kg以下であって、L10寿命は100×106回以上となっている。特に、実施例44の実施例では、真円度1.0以上1.4未満の介在物が1個/kg、真円度1.4以上の介在物も5個/kgと非常に少なく、L10寿命も141×106回と最も転動疲労寿命が長い鋼材であった。
一方で、実験27〜29の比較例では、真円度1.0以上1.4未満の介在物が35個/kgよりも非常に多いと共に、真円度1.4以上の介在物が90個/kgよりも非常に多く、L10寿命も21×106回以下と転動疲労寿命が短い鋼材であった。
以上、本発明の鋼材によれば、質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%を含有している鋼において、その鋼中に含まれる長径が30μm以上となる介在物に関し、その真円度が1.0〜1.4未満となる個数が35個/kg以下であり、且つ、真円度が1.4以上となる個数が90個/kg以下であることによって、その鋼材は非常に転動疲労寿命の優れた鋼材とすることができる。
介在物の個数とL10寿命(転動疲労寿命)との関係を示した図である。 介在物の画像である。 鋼材の製造工程を示した図である。
符号の説明
1 転炉
2 取鍋
3 二次精錬装置
5 取鍋精錬装置
6 RH装置

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.30〜0.50%、Cr:1.30〜1.60%を含有している鋼において、その鋼中に含まれる長径が30μm以上である介在物に関し、真円度が1.0〜1.4未満である介在物の個数が35個/kg以下であり、且つ、真円度が1.4以上である介在物の個数が90個/kg以下となっていることを特徴とする鋼材。
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