JP2009149184A - 電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パワーステアリング用の電動モータ4と、トルクセンサ17を有し、電動モータ4の駆動を制御して操舵捕助力を出力する電動パワーステアリング装置301と、車輪の上下動をダンパ用の電動モータ35(図8中では35FL,35FR,35RL,35RRと表示)の回転に変換して、電動モータ35による減衰力を制御する電動ダンパ装置303(図8中では303FL,303FR,303RL,303RRと表示)における電動モータ4及び電動モータ35の制御が、1つのECU200に含まれるマイクロコンピュータのCPU上で実行される。
【選択図】図8
Description
一般的に、操向ハンドルの操作感覚が軽い車はラグジュアリ車であり、サスペンション装置による乗り心地も柔らかいものが好まれる。
逆に、操向ハンドルの操作感覚が重い車はスポーティ車であり、サスペンション装置による乗り心地も硬いものが好まれる。これは、車両の操縦性に重きを置いて運転者が運転できるからである。
これらの特性の組み合わせが逆になって、例えば、操向ハンドルの操作感覚が軽いのに、サスペンション装置による乗り心地が硬いと、運転特性からいって運転が難しく、乗員の快適性が失われる。
本発明は、前記問題を解決するため、操向ハンドルの操作感覚とサスペンション装置による乗り心地が矛盾無く容易に組み合わせることができる電動パワーステアリング・電動ダンパ・システムを提供することを目的とする。
車輪の上下動をダンパ用の電動モータの回転に変換する変換機構と、車輪の上下動の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも位置検出手段からの信号にもとづいてダンパ用の電動モータによる減衰力を制御する電動ダンパ制御手段と、電動ダンパ制御手段からの信号にもとづいてダンパ用の電動モータによる減衰力を生じさせるダンパモータ駆動手段とを、有し、変換機構により車輪の上下動を減衰させる電動ダンパ装置と、を備え、
電動パワーステアリング制御手段と電動ダンパ制御手段が、少なくとも同じ一つのマイクロコンピュータ上で実行されることを特徴とする。
《電動ステアリング・電動ダンパ・システムの主要な構成》
先ず、図1を参照しながら適宜図2、図4を参照して、実施形態に係る電動ステアリング・電動ダンパ・システムの主要な構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動ステアリング・電動ダンパ・システムの主要な構成の配置図である。
図1に示すように、左右の前輪(車輪)1FL,1FRを転舵するラックギア8aにピニオンギア7aが噛み合い、ラックギア8aのラック軸8に操向ハンドル3のハンドル軸が、図示省略の自在継ぎ手を介して接続されている。操向ハンドル3とピニオンギア7aとの間にはトルクセンサ(操舵トルクセンサ)17とピニオン軸7に操舵補助力(補助トルク)を付与するパワーステアリング用の電動モータ4から駆動力を伝達されるウォームホイールギア5bが設けられ、電動パワーステアリング装置のうちの機械的構成部分である電動パワーステアリング機構25を構成している。
ここで車輪1FL,1FRは請求項に記載の転舵輪に対応する。
トルクセンサ17からの出力信号は制御ECU(Electric Control Unit)200に入力されている。電動モータ4は、車速センサ104、トルクセンサ17(図2参照)等からの信号により制御ECU200により制御される。
電動パワーステアリング機構25の詳細な構成の説明は、図2を参照しながら後記する。
電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRの詳細な構成は図4から図6を参照しながら後記する。
次に、図2、図3を参照しながら本実施形態の電動ステアリング・電動ダンパ・システムにおける電動パワーステアリング装置について詳細に説明する。
図2は、電動パワーステアリング装置の構成図である。図3は電動パワーステアリング装置に用いられるトルクセンサの詳細な構成図である。
電動パワーステアリング装置301は、図2に示すように操向ハンドル3が設けられたハンドル軸3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つの自在継ぎ手3bによって連結され、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラックギア8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪(車輪)1L、1Rが連結されている。
前記したステアリングギアボックス10のうち、ピニオンギア7a、ラック軸8、軸受3gを収容するラック部分の内部に、ラック軸8を軸方向自在に摺動させる滑り軸受10aが設けられている。
この構成により、電動パワーステアリング装置301は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラックギア8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。
すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構5が構成されている。また、電動モータ4の回転子と電動モータ4に連結されているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラックギア8aとタイロッド9、9等により、電動パワーステアリング機構25が構成されている。
ここで、ωMは電動モータ4の角速度であり、TMは電動モータ4の発生トルクである。
Tp=Ts+AH
=Ts+kA(VS)×Ts ・・・・・・・(1)
これより、操舵トルクTsは、次式(2)のように表現される。
Ts=Tp/(1+kA(VS)) ・・・・・・・(2)
モータ駆動部206の詳細な構成については、後記する図8及び図9の(b)の説明において詳細に述べる。
次に図3を参照しながら適宜図2、図12を参照してトルクセンサの詳細な構成について説明する。トルクセンサ17は、ピニオン軸7に加えられる操舵トルクTsの大きさと方向を検出するものであり、ステアリングギアボックス10(図2参照)の内の前記したラック部分にフランジ接合されるリッド部分の軸受3fより上の部分の中に、ピニオン軸7と一体に組み立てられて、軸受3e,3fとともに収容されている。
ちなみに、ピニオン軸7の上端には結合部3kが設けられている。
トルクセンサ17は、特開2006−322952号公報の図1、図2に記載されたものと同じ構成であり、ピニオン軸7の外周面に、例えば、Fe−Ni系やFe−Cr系等正の磁歪定数を示す磁歪材がメッキや蒸着等により、所定の膜厚、例えば、30ミクロン以下で、周方向全周に亘って、所定の軸方向間隔を設けて軸方向に2ヶ所形成され、磁歪膜17a,17bを構成している。しかも、それぞれ逆方向の磁気異方性が得られるように、ピニオン軸7に所定のトルクを印加した状態で高周波加熱により加熱し室温に戻し、トルクを取り去ることにより付与している。これにより、磁歪膜17a,17bに捩りトルクが印加されていない場合においても、常に捩じり応力が掛かっており、捩じりの歪が加わっているため、逆磁歪特性での歪の作用方向、即ち印加トルクの作用方向と大きさを検出している。
トルクセンサ17において、ピニオン軸7にトルクが作用したとき、磁歪膜17a,17bにもトルクが作用し、このトルクに応じて磁歪膜17a,17bに逆磁歪効果が生じる。図示しない励磁電圧供給源から前記した励磁と検出を兼ねた検出コイル17c,17dに高周波の交流電圧(励磁電圧)を供給すると、磁歪膜17a,17bに掛かっているトルクにもとづく逆磁歪効果による磁界の変化を、検出コイル17c,17dによりインピーダンスあるいは誘導電圧の変化としてそれぞれ検出することができる。このとき、ピニオン軸7の捩りトルク以外にも常に捩じり応力が磁歪膜17a,17bに印加された状態となっているため、歪の作用方向、即ちピニオン軸7に加えられたトルク(操舵トルク)の作用方向と大きさを検出することができる。
検出コイル17c,17dそれぞれから出力される信号VT1,VT2は、入力インタフェース回路112(図12参照)の中の入力インタフェース部112aの一部を構成する変換回路231,232に入力されアナログ電圧信号(トルク検出電圧)に変換され、更に差動増幅回路233に入力され、増幅されてアナログ電圧信号であるトルク検出電圧VT3として、後段のAD変換器112b(図12参照)に入力される。
電動パワーステアリング装置301における制御の詳細については制御ECU200の詳細な構成の説明の中で後記する。
次に、図4から図6を参照しながら電動ダンパ装置の電動ダンパ変換機構について説明する。
図4は、電動ダンパ装置を適用した車両用サスペンション装置を備えた車両の、背面から見た模式図である。図5は電動ダンパ装置用の電動ダンパ変換機構の断面構造図である。図6は図5におけるA−A部分断面図である。
図4では、直接にはリアサスペンションを示しているが、フロントサスペンションは、図4における車輪支持部材13がステアリングナックルに置き換わるだけであり、基本的にリアサスペンションと同じ構成である。図4において( )内にフロントサスペンションにおける符号を示してある。ここで、左右前輪に係わる構成で、説明上区別するときには数字符号の後ろに左前輪を示すFL、右前輪を示すFRを付し、例えば、単に車輪1と表示せず車輪1FL,1FRと表示し、左右後輪に係わる構成で、説明上区別するときには数字符号の後ろに左後輪を示すRL、右後輪を示すRRを付し、例えば、単に車輪1と表示せず車輪1RL,1RRと表示する。他の各車輪1に係わるサスペンション装置14及びその構成についても同様である。
本実施形態では、左右の前輪1FL,1FR及び左右の後輪1RL,1RRすべてのサスペンション装置14FL,14FR,14RL,14RRに電動ダンパ装置303(図8参照、図8中、303FL,303FR,303RL,303RRと表示)の電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRを備えた場合を例に説明する。
図4に示すように、車両2は車体6に左右一対の車両用サスペンション装置(以下、単にサスペンション装置と称する)14FL,14FR、及びサスペンション装置14RL,14RRを備えている。車体6は、前後左右の上部にサスペンション取付部6a,6a,6a,6aを有している。サスペンション装置14FL,14FR,14RL,14RRは、車両2のフロントサスペンション、又はリヤサスペンションとして採用され、車体6には左右の車輪1FL,1FR,1RL,1RRを懸架する。
以下、重複する説明を省略するため、左側の電動ダンパ変換機構30RL(30FL)を例に詳細な構成を説明する。
図4に示すように、コイルスプリング36は、車輪1RL(1FL)に作用した車体重量を支えつつ、上下方向の振動や衝撃力を吸収する緩衝装置である。図5に示すように、このコイルスプリング36は、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)の下部側に配置され、電動モータ35RL(35FL)に対してロッド32により下方向に離れた位置に、ロッド32と同軸に、つまり、後記するダンパハウジング31のロッド部42をコイルスプリング36のコイル内径内方に収容して配置されている。このコイルスプリング36の上端部36aはロッド部42の上方側に固定されたばね座71(図5参照)に、下端部36bはロッド32の下方側の端部32aに固定されたばね座72(図5参照)にそれぞれ、個別に取り付けられている。このコイルスプリング36は、ばね座71とばね座72の間に介在することにより、ダンパハウジング31のロッド部42とロッド32とを、上下軸方向に互いに離反する方向へ付勢する。
《電動ダンパ変換機構》
図5に示すように、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)は、主にダンパハウジング31と、ロッド32と、ラックアンドピニオン機構33と、電動モータ35RL(35FL)からなる。
ここで、本実施形態におけるラックアンドピニオン機構33が請求項に記載の変換器機構に対応する。
なお、連結部47は、ロアアーム12にスイング可能に接続されていても良い。
図6に示すように、電動ダンパ変換機構30RL(30FL)の上部には、そのモータ軸35a(図5参照)が、ロッド32の上部の外周面に設けられたラックギア51の軸方向と略直角をなすように取り付けられている。モータ軸35aにはピニオン軸53が接続され、ピニオン軸53に設けられたピニオンギア52と、前記したラックギア51が、噛み合いラックアンドピニオン機構33を構成している。ラックアンドピニオン機構33は、ラックピニオン部41の内部に収納され、ピニオン軸53はその両端部を、ラックピニオン部41に固定された軸受54,55により回転可能に支持されている。
電動モータ35RL(35FL)は、フランジによりラックピニオン部41に固定されている。
電動モータ35RL(35FL)は、例えば、ブラシ付き直流モータからなり、ラックピニオン部41のフランジ部に取り付けられている。電動モータ35のモータ軸35aとピニオン軸53の連結方法としては、例えば、図6に示すようにセレーションによる連結でも良いし、又は、図示せぬカップリングによる弾性的連結でも良い。
次に図7を参照しながら適宜図4を参照して電動ダンパ装置の変位量検出センサの詳細な構成を説明する。図7は変位量検出センサの模式図である。
変位量検出センサ80を個別に区別する必要がある場合は、前記したように数字の符号80の後ろに符号FL,FR,RL,RRを付加するが、その必要がないときは単に変位量検出センサ80と称する。
サスペンション装置14は、コイルスプリング36のコイル内径の内方側に、同軸に電動ダンパ変換機構30のロッド32及びそれを収納するダンパハウジング31の下部側のロッド部42を収容し、コイルスプリング36の上端部36aを固定するロッド部42に固定されたばね座71よりも上側にラックアンドピニオン機構33や電動モータ35が配置されている。
つまり、電動ダンパ変換機構30の構成部品のうちロッド32のみがコイルスプリング36の「ばね下荷重」に含まれる極めて軽量な構造になっている。
しかも、従来の油圧式ダンパ装置のように、コイルスプリング36のコイル径内方に大径の油圧用ピストンを設ける必要は無いので、コイルスプリング36のコイル径を小さく設定することができ、コイルスプリング36の設計の自由度が高まるとともに、小型化、軽量化を図ることができるとともに車両2の車室を大きくとることができる。
次に、電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム100の制御回路と電動モータ駆動回路について、図8を参照しながら適宜図9、図10を参照して説明する。
本制御回路と電動モータ駆動回路の特徴は、電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム100を構成する電動パワーステアリング装置301と電動ダンパ装置303の制御を、故障診断用に別にマイクロコンピュータを設けることはあっても、基本的にマイクロコンピュータ113のCPU一つで行ない、その制御信号に従い電動モータの駆動回路(後記するモータ駆動部106FL,106FR,106RL,106RR,206が相当)が制御される点である。
図8は、電動パワーステアリング・電動ダンパ・の制御回路と電動モータ駆動回路のブロック構成図であり、図9の(a)は電動ダンパ装置の電動モータの駆動回路を構成するブリッジ回路の例としてHブリッジ回路を示す図であり、(b)は電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動回路を構成するブリッジ回路の例としてHブリッジ回路を示す図である。
図8に示すように、電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム100の制御回路と電動モータの駆動回路とは、バッテリ101と、メインスイッチ102と、メインリレー103と、車速センサ104と、各車輪の変位量検出センサ80(図8中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)と、制御ECU200、各電動ダンパ装置303のモータ駆動部106(図8中、106FL,106FR,106RL,106RRと表示)と、トルクセンサ17とを含んで構成される。
制御ECU200は、各変位量検出センサ(図8中80FL,80FR,80RL,80RRと表示)からの信号にもとづき各電動ダンパ変換機構30の電動モータ35(図8中、35FL,35FR,35RL,35RRと表示)を駆動して、各車輪1(図4参照)の上下動の減衰制御機能と、トルクセンサ17からの信号にもとづき電動モータ4を駆動して補助トルクの出力制御機能と、を有する部分である。制御ECU200は、その他にワンパルス発生回路111、マイクロコンピュータ113、その入力信号用の入力インタフェース回路112、マイクロコンピュータ113からの出力信号用の出力インタフェース回路114、マイクロコンピュータ113の故障検出のためのウォッチドックタイマ回路115、リレー駆動回路116等を含んでいる。
入力インタフェース回路112は、変位量検出センサ80のスイング角変化に対応する抵抗変化を電圧に変換するハーフブリッジ回路とアンプ回路やローパスフィルタや車速センサ104からのパルス信号を波形整形するシュミットトリガ回路や後記するモータ電流センサ124(図8中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)、224からの信号を増幅するアンプ回路や、それぞれの信号のノイズを除去するローパスフィルタや、トルクセンサ17からの信号をアナログ電圧信号に変換して増幅する入力インタフェース部112a(図12参照)、AD変換器112b(図12参照)等から構成される。これらの電圧変換、又は増幅されたアナログ信号は、図12に示すように前記したAD変換器112bでデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ113の入力ポートに接続される。又、車速信号のようなパルス状の波形整形された信号は、直接、入力ポートに接続される。
ただし、AD変換器112bは、複数の入力端子を有し、アナログ・マルチプレクサ機能を有している。
なお、入力インタフェース部112aで電圧変換、又は増幅されたアナログ信号はマイクロコンピュータ113の各ADポートへ入力しても良い。この場合は、マイクロコンピュータ113自身が有するアナログ信号をデジタル信号に変換することができる入力ポートの機能を利用できるので、マイクロコンピュータ113に供給される電源は、マイクロコンピュータ113内のAD変換器のそれぞれのポートに同一の電圧を供給する。従って、AD変換時のそれぞれのポートに入力される信号のデジタル変換にばらつきを生じない。
ウォッチドックタイマ回路115は、マイクロコンピュータ113が正常のときは、マイクロコンピュータ113がリレー駆動回路116に制御信号を出してリレー駆動回路116を駆動し、メインリレー103をオンにする。
また、マイクロコンピュータ113は、その他にも自身の故障診断制御フローにより異常状態を検出したときは、リレー駆動回路116を介してメインリレー103をオフにする。
ブリッジ回路122は、図9の(a)に示すように、電動モータ35がブラシ付き直流モータの場合は、例えば、4個のNチャンネルエンハンスメント型のFET(Fieid Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)91A,91B,91C,91Dのスイッチング素子をH字状に結線した、いわゆるHブリッジ回路である。
同様に、パワーステアリング用のモータ駆動部206は、ゲート駆動回路221、ブリッジ回路222、昇圧回路223、及びモータ電流センサ224を含んでいる。
ブリッジ回路222は、図9の(b)に示すように、電動モータ4がブラシ付き直流モータの場合は、例えば、4個のNチャンネルエンハンスメント型のFET(Fieid Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)291A,291B,291C,291Dのスイッチング素子とをH字状に結線した、いわゆるHブリッジ回路である。
図10はダンパ用のHブリッジ回路における4つのFETの制御状態を説明する図であり、(a)は伸び側の回生発電の場合の各FETの制御状態を説明する図であり、(b)は縮み側の回生発電の場合の各FETの制御状態を説明する図である。
本実施形態では、電動モータ35を伸び側、つまり、ロッド32(図5参照)が下方に移動するときに回生発電するモータ電流を「正」、縮み側、つまり、ロッド32が上方に移動するときに回生発電するモータ電流を「負」と定義する。
なお、このオン、オフ制御の中には、PWM(Pulse Width Modulation)制御も含まれる。
伸び側回生発電の場合、(a)に示すように、FET91A,91B,91Cはオフ状態に保たれ、FET91Dは昇圧回路123を介してPWM制御のオン、オフ動作の制御を受ける。PWM制御のオン状態では、実線のように、(図8参照)電動モータ35で発電された電流は、FET91Aの図示しない寄生ダイオードによりソース側からドレイン側に流れ、FET91Dのドレイン側からソース側に戻り、電動モータ35に戻り、電動モータ35は減衰力を発揮する。PWM制御のオフ状態では、電動モータ35自身のインダクタンスをL、電動モータ35を流れる電流をiとすると、V=Ldi/dtの式にもとづいて、バッテリ電圧よりも充分に高い電圧Vを発生させることにより、アースから入った電流iは、FET91Cの図示しない寄生ダイオードによりソース側からドレイン側に流れ、電動モータ35を経て、FET91Aの図示しない寄生ダイオードによりソース側からドレイン側に流れ、最後にバッテリ側に流れ、バッテリ101(図8参照)を充電する。
ここで、前記di/dtのdtが小さければ、即ち、PWMのキャリア周波数を高くすれば、電圧Vはiが小さくてもバッテリ電圧よりも大きくでき、点線のような回生を行うことができる。
図10の(a)により伸び側の回生発電の場合の回生電流と減衰力の制御を説明したが、図10の(b)に示す縮み側の回生発電の場合の回生電流と減衰力の制御も同様である。
ここで、前記di/dtのdtが小さければ、即ち、PWMのキャリア周波数を高くすれば、Vはiが小さくてもバッテリ電圧よりも大きくでき、点線のような回生を行うことができる。
図11はパワーステアリング用のHブリッジ回路における4つのFETの制御状態を説明する図であり、(a)は左側への転舵駆動の場合の各FETの制御状態を説明する図であり、(b)は右側への転舵駆動の場合の各FETの制御状態を説明する図である。
本実施形態では、電動モータ4を左側方向へ転舵駆動するモータ電流を「正」、右側方向へ転舵駆動するモータ電流を「負」と定義する。
なお、このオン、オフ制御の中には、PWM(Pulse Width Modulation)制御も含まれる。
左側方向への転舵駆動の場合、(a)に示すように、昇圧回路223を介してFET291Aはオン状態に保たれ、FET291B、291Dはオフ状態に保たれ、FET291Cは通常のバッテリ電圧でPWM制御のオン、オフ動作の制御を受ける。PWM制御のオン状態では、実線のように、バッテリ101(図8参照)からの電流は、ブリッジ回路222の入力側から入り、FET291Aのドレイン側からソース側に流れ、電動モータ4を経て、FET291Cのドレイン側からソース側に流れ、最後にアースに流れる。PWM制御のオフ状態では、FET291Aのドレイン側からソース側に流れた電流は、電動モータ4を経た後、FET291Dのソース側からドレイン側に戻り、ブリッジ回路222の入力側に戻る。
次に図12から図18を参照しながら適宜図3、図8を参照してマイクロコンピュータにおける制御機能について説明する。
図12は、電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム100の制御機能ブロック図である。
マイクロコンピュータ113(図8参照)は、図示しないROM,RAM,フラッシュメモリ等のメモリ、CPU、AD変換器等から構成されており、電動パワーステアリング装置301に含まれる電動モータ4の制御や、電動ダンパ装置303FL,303FR,303RL,303RRそれぞれに含まれる電動ダンパ変換機構30FL,30FR,30RL,30RRの制御は、前記ROMに格納されたプログラムや、フラッシュメモリに格納された各種データを用いてCPUにおいて図8の制御部210として示した機能が実行される。
ここで制御部210が請求項に記載のマイクロコンピュータに対応する。
例えば、図3に示されたトルクセンサ17の検出コイル17c,17dからの信号VT1,VT2は、図12に示すように入力インタフェース部112aに入力されて、そこで変換回路231,232(図3参照)でアナログ電圧に変換され、更に差動増幅回路233(図3参照)において増幅されて、AD変換器112bを介して御部210に入力される。
車速センサ104からのパルス信号はそのままCPUに入力される。
故障診断部201におけるトルクセンサ17や車速センサ104や変位量検出センサ80の故障判定は、例えば、正常時には検出電圧信号が所定の範囲に入るように設定しておいて、トルクセンサ17、車速センサ104、変位量検出センサ80からの信号が所定の範囲に入らない場合を故障と判定する。
ここで、電動パワーステアリング制御部205と駆動回路出力部209は請求項に記載の電動パワーステアリング制御手段を構成し、ダンパ制御部202と駆動回路出力部207は請求項に記載の電動ダンパ制御手段を構成する。
ダンパ制御部202は、具体的には個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RRを制御するために設けられている4つのダンパ制御部202A,202B,202C,202Dに対する総称であり、同様に駆動回路出力部207も個々の電動モータ35FL,35FR,35RL,35RRのモータ駆動部106FL,106FR,106RL,106RRへそれぞれのゲート制御信号を出力する4つの駆動回路出力部207A,207B,207C,207Dの総称である。
次に図13を参照しながら、適宜図8、図12を参照して、電動パワーステアリング・電動ダンパ・システムにおける全体の制御フローについてに説明する。
図13は電動パワーステアリング・電動ダンパ・システムにおける全体制御のメインフローチャートである。
車両2の、例えば、メインスイッチ102、例えば、キースイッチを回してオンにすると、制御ECU200にバッテリ101からの電源電圧が供給される。そうするとこの電源投入を制御ECU200内のワンパルス発生回路111が検出してマイクロコンピュータ113をリセットして、このマイクロコンピュータ113に予め設定されたプログラムが、図示しない水晶発振器からのクロック信号に同期して動作を始める。
先ずステップS01(各センサ信号読込)では、トルクセンサ17、変位量検出センサ80(図12中、80FL,80FR,80RL,80RRと表示)、車速センサ104、モータ電流センサ124(図12中、124FL,124FR,124RL,124RRと表示)、224からの信号等が読み込まれる。
ステップS04(電動ダンパのモータ制御量の計算とFET駆動)では、ダンパ制御部202が、変位量検出センサ80の信号にもとづいて前記したダンパ制御に必要な減衰力を電動モータ35に対する制御量として計算し、その結果にもとづいてブリッジ回路122の各EFT91A〜91Dを駆動する。
そしてステップS01に戻る。
なお、このメインフローチャートでは、各ステップをシーケンシャルで行なうように記載してあるが、各ステップを並行に処理しても良い。その場合、ダンパ制御は高速性が要求されるので、マイクロコンピュータ113はマルチコアタイプのCPUを用いると良い。
図14はパワーステアリング用の電動モータを駆動制御する流れを示すフローチャートである。図15はトルク検出電圧と操舵トルクとの関係を示す図である。図16の(a)は、操舵トルクTsの絶対値とパワーステアリング用の電動モータのモータ電流の目標値(モータ電流信号Ma)との関係図であり、図16の(b)は、図16の(a)で求めたモータ電流信号Maに乗じる車速係数Kavの関数を示す図である。
図16の(a)から分かるように操舵トルクTsの増大に応じて、電動モータ4へのモータ電流の目標値を増大させ、所定以上の操舵トルクTsに対しては、それ以上モータ電流の目標値を増大させないで一定にする。
また、図16の(b)から分かるように車速VSが所定値以上になると車速VSに応じて車速係数Kavを減じて、高速走行時に路面反力を運転者により強く伝え、操向ハンドル3の操作感をしっかりしたものにするようにしてある。
ちなみに、図16の(a),(b)のデータは、マイクロコンピュータ113のROMに予め書き込まれている。
図15において横軸は操舵トルクTsを示し、縦軸は差動増幅回路233(図3参照)から出力されるトルク検出電圧VT3を示す。ちなみに、図15中のVT1,VT2を付した直線は、検出コイル17c,17d(図3参照)からの信号VT1,VT2がそれぞれ変換回路231,232(図3参照)においてアナログ電圧信号に変換された後のトルク検出電圧に対応し、それらが差動増幅回路233に入力されて、トルク検出電圧VT3、つまり、トルク検出信号となる。
ここでは、説明を簡単化するために、トルクセンサ17からのトルク検出電圧VT3と、車速センサ104からの車速VSを示す信号と、にもとづく基本的な電動パワーステアリング制御について説明する。
ステップS21では、駆動回路出力部209は、ブリッジ回路222のFET291A〜291Dの全てをオフとし、補助トルクを出力させない。
ステップS19,S20,S21の後、全体フローチャートのステップS04に戻る。
なお、このフローーチャートでは、操舵トルクTsと車速VSのみでモータ電流信号Maを設定するものとしたがそれに限定されるものではない。電動モータ4の誘起電圧から電動モータ4の回転角速度を演算して求めて、この回転角速度に応じて操舵補助力のダンピング補償を行なっても良い。
図17はダンパ用の電動モータによる減衰力制御の流れを示すフローチャートである。ここでは代表的に一つの電動モータ35に対する、ダンパ制御部202(図12参照)及び駆動回路出力部207(図12参照)における減衰力の制御について説明する。
図18の(a)は、変位速度Svの絶対値とダンパ用の電動モータの制御目標値である伸び側減衰力Deのとの関係図であり、図18の(b)は、変位速度Svの絶対値とダンパ用の電動モータの制御目標値である縮み側減衰力Dcとの関係図であり、図18の(c)は、伸び側減衰力De及び縮み側減衰力Dcに乗じる車速係数Kdvの関数を示す図である。
図18の(a)から分かるように伸び側の変位速度Svの絶対値の増大に応じて、電動モータ35の伸び側減衰力Deのを増大させるが、変位速度Svの絶対値の増加に対する伸び側減衰力Deの増加の割合(傾き)は、変位速度Svの絶対値によって変化させ、変位速度Svの絶対値が大きい側の傾きを、0を含む所定の変位速度Svの絶対値の範囲における傾きよりも小さくするように設定している。
ここで、図18の(a),(b)において「伸び側減衰力De」、「縮み側減衰力Dc」と表示しているが、具体的には電動モータ35に回生発電させて発生させる電流値の目標値のことであり、伸び側も縮み側の場合もまとめて回生発電時に発生させる目標電流値のことを「目標減衰力Dt」と表記する。
ちなみに、図18の(a),(b),(c)のデータは、マイクロコンピュータ113のROMに予め書き込まれている。
ちなみに、変位速度Svが正の場合は変位方向が伸び側と判定され、変位速度Svが負の場合は変位方向が縮み側と判定される。
ステップS53では、ダンパ制御部202は、図18の(a)に示すようなデータを参照して変位速度|Sv|にもとづいて伸び側減衰力Deを検索する。次いで、ステップS54では、ダンパ制御部202は、目標減衰力Dt=Deとする。
ステップS55では、ダンパ制御部202は、図18の(b)に示すようなデータを参照して変位速度|Sv|にもとづいて縮み側減衰力Deを検索する。次いで、ステップS56では、ダンパ制御部202は、目標減衰力Dt=−Dcとする。
ここで、ステップS54では、目標減衰力Dtを正値とし、ステップS56では目標減衰力Dtを負値とするのは、後段のステップS59において伸び側減衰力と縮み側減衰力との判定を可能とするためである。
ステップS59では、駆動回路出力部207は、目標減衰力Dtが0以上か否かチェックする。目標減衰力Dtが0以上の場合(Yes)は、伸び側の回生発電と判定してステップS60へ進み、目標減衰力Dtが0未満の場合(No)は、縮み側の回生発電と判定してステップS61へ進む。
ステップS60,又はステップS62の処理後、全体フローチャートのステップS01に戻る。
これに対し、本実施形態では、図12に示すように同じ電源電圧のAD変換器112bを通すようにしているので、AD変換器112bの特性がばらついても電動パワーステアリング装置301と、電動ダンパ装置303FL,303FR,303RL,303RRとの間に前記したような同様の傾向にばらつくので、違和感のある組み合わせを生じない。
一方、操向ハンドル3の操作感の重い車両2はスポーティ車であり、乗り心地も硬いものが好まれ、操縦性に重きをおいた車両設定が可能となる。
1RL,1RR 車輪
2 車両
3 操向ハンドル
4 電動モータ(パワーステアリング用の電動モータ)
5 減速機構
5a ウォームギア
5b ウォームホイールギア
6 車体
7 ピニオン軸
7a ピニオンギア
8 ラック軸
8a ラックギア
11 アッパーアーム
12 ロアアーム
13 車輪支持部材
14FL,14FR,14RL,14RR サスペンション装置
17 トルクセンサ(操舵トルクセンサ)
17a,17b 磁歪膜
17c,17d 検出コイル
25 電動パワーステアリング機構
30,30FL,30FR,30RL,30RR 電動ダンパ変換機構(変換機構)
31 ダンパハウジング
32 ロッド
33 ラックアンドピニオン機構
35,35FL,35FR,35RL、35RR 電動モータ
36 コイルスプリング
80,80FL,80FR,80RL,80RR 変位量検出センサ(位置検出手段)
81 センサハウジング
82 スイングロッド
85 ポテンショメータ
85a 抵抗素子
85b 摺動素子
85c 出力端子
86 抵抗器
87 定電圧電源
88 抵抗器
91A,91B,91C,91D、291A,291B,291C,291D FET
100 電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム
104 車速センサ
106,106FL,106FR,106RL,106RR,206 モータ駆動部(ダンパモータ駆動手段)
112 入力インタフェース回路
112a 入力インタフェース部
112b AD変換器
113 マイクロコンピュータ
114 出力インタフェース回路
124,124FL,124FR,124RL,124RR,224 モータ電流センサ
200 制御ECU
201 故障診断部
202,202A,202B,202C,202D ダンパ制御部(電動ダンパ制御手段)
205 電動パワーステアリング制御部(電動パワーステアリング制御手段)
206 モータ駆動部(ステアリングモータ駆動手段)
207,207A,207B,207C,207D 駆動回路出力部(電動ダンパ制御手段)
209 駆動回路出力部(電動パワーステアリング制御手段)
210 制御部(CPU)
221 ゲート駆動回路
222 ブリッジ回路
223 昇圧回路
231 変換回路
233 差動増幅回路
301 電動パワーステアリング装置
303FL,303FR,303RL,303RR 電動ダンパ装置
Claims (2)
- パワーステアリング用の電動モータと、操向ハンドルからの操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、少なくともこの操舵トルクセンサからの信号により、前記パワーステアリング用の電動モータの駆動を制御する電動パワーステアリング制御手段と、前記電動パワーステアリング制御手段からの信号にもとづいて前記パワーステアリング用の電動モータを駆動するステアリングモータ駆動手段と、を有し、転舵輪を転舵する補助トルクを出力する電動パワーステアリング装置と、
車輪の上下動をダンパ用の電動モータの回転に変換する変換機構と、前記車輪の上下動の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも前記位置検出手段からの信号にもとづいて前記ダンパ用の電動モータによる減衰力を制御する電動ダンパ制御手段と、前記電動ダンパ制御手段からの信号にもとづいて前記ダンパ用の電動モータによる減衰力を生じさせるダンパモータ駆動手段とを、有し、前記変換機構により前記車輪の上下動を減衰させる電動ダンパ装置と、
を備え、
前記電動パワーステアリング制御手段と前記電動ダンパ制御手段が、少なくとも同じ一つのマイクロコンピュータ上で実行されることを特徴とする電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム。 - 前記マイクロコンピュータは、
少なくとも、前記操舵トルクセンサからの信号及び前記位置検出手段からの信号が、同じAD変換器に入力されてアナログ信号からデジタル信号に変換されることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング・電動ダンパ・システム。
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