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JP2009141031A - 窒化鉄系磁性粉末およびその製造方法 - Google Patents

窒化鉄系磁性粉末およびその製造方法 Download PDF

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Yuji Sasaki
勇治 佐々木
Hiroyuki Mitsuhashi
裕之 光橋
Kazuhiko Nakiri
和彦 菜切
Masayoshi Kawarai
正義 河原井
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Abstract

【課題】高記録密度に適した高容量のコンピュータ用バックアップ磁気テープに使用する窒化鉄系磁性粉末を得ることを目的とする。
【解決手段】磁性粉末のコア相がFe16を主体とした結晶相を含み、外層が希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む平均粒子径が8〜20nmの窒化鉄系磁性粉末を製造する方法において、出発原料を鉄系酸化物または鉄系水酸化物とし、出発原料に外層を被着する被着工程を含み、被着工程は前記鉄系酸化物または鉄系水酸化物を含む鉄系水溶液と、希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素の塩を含む水溶液とを個別の噴出口から噴出させて衝突型分散機を用いて反応させる過程を含む窒化鉄系磁性粉末を製造する方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高記録密度媒体の磁性層に用いるのに適した窒化鉄系磁性粉末およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、窒化鉄系磁性粉末の外層が均一な厚みである窒化鉄系磁性粉末を得る。
磁性粉末を結合剤に分散してなる塗布型磁気記録媒体のデータバックアップ用テープカートリッジの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、ますます高密度記録と大容量化の要求がたかまってきている。現在では1巻当たり100GB以上の記録容量のテープカートリッジが商品化されている。また、1TBを超える大容量バックアップテープカートリッジも提案されている。
このような記録容量、記録密度の向上にあたり、短波長記録に対応するための磁性層に用いる磁性粉末も年々高保磁力化、微粒子化がはかられ、現在では粒子長軸長が0.1μm以下の針状強磁性金属粉末や保磁力が形状異方性によらず結晶異方性によることから微粒子化が容易で、かつ高保磁力化が可能な、平均粒子径が50nm以下で保磁力が200kA/m以上の、本質的に球状ないし楕円状でのFe16相を主相とした窒化鉄系磁性粉末が開示されている(特許文献1〜3)。
特許文献2や特許文献3に開示される磁性粉末およびこれを用いた磁気記録媒体は、各文献に記載される構成とすることでそれに応じた特有の効果が奏される。窒化鉄系磁性粉末を採用することで媒体としたテープは高いC/Nを実現している。しかしながら特許文献2および特許文献3で開示、検証された窒化鉄系磁性粉末は粒子径が20nm以上であり、今後の高密度大容量バックアップテープに求められる磁性粉末としては、信号再生のC/Nのノイズをより小さくするための磁性粉末の体積がまだ大きくて要求レベルには達していない。ちなみに現在主流である1/2吋幅のリニア型バックアップテープの標準的な仕様(長さ700〜800m、全厚7.0〜8.0m想定)で、カートリッジ1巻あたり800GBを実現するには、最短波長は0.2μm以下で面記録密度が0.8Gb/in程度となり、シミュレーションによる計算では、略粒状の窒化鉄系磁性粉末を使用するとなると粒子径は18nm以下が必要と予測される。より微粒子化を図ることが重要であるが、粒子径が小さくなると途中の製造工程で焼結が起きやすいという問題が生じる。
略粒状の窒化鉄系磁性粉末の製造方法は、従来公知のように、鉄系酸化物または鉄系水酸化物を出発材料としてこれをアルカリ性水溶液中に分散させ、これに一般的には希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む金属塩水溶液を添加して前記の鉄系酸化物または鉄系水酸化物の粒子表面に希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を被着させる。被着させた粒子はろ過されて固形分として取り出され、水洗されたのち乾燥する。次にこれを300℃〜600℃の温度下で還元して磁性を付与する。その後、一般的にはアンモニアガスで窒化した後、N2とO2雰囲気下で安定化処理して窒化鉄系磁性粉末をうる。これらの工程の中で焼結が生じるのは還元工程であり、その前工程である被着工程において、焼結防止機能を有する希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素がいかに均一に出発材料である粒子に被着しているかがポイントとなる。還元すると出発材料である粒子表面を均一に被覆しているほど、その厚みの変動も少ないほど還元工程で焼結は生じにくい。
焼結がおきると窒化後えられる窒化鉄系磁性粉末の保磁力分布が広くなり、かつ高保磁力が得られないということに代表される本来の優れた磁気特性が十分発揮されなくなるだけでなく、粒度分布や磁性塗料作成の時に磁性粉末の分散性を阻害するようになる。その結果、テープに使用したときの電磁変換特性の向上も図れない。したがって略粒状の窒化鉄系磁性粉末の製造工程において焼結を生じさせないことがきわめて重要な課題である。そのためには窒化鉄系磁性粉末の材料となる粒子表面を均一な厚みで被覆することである。ここでいう外層とは、被着工程において焼結を防ぐためと生成した窒化鉄系磁性粉末に耐食性をもたせるために形成させた、窒化鉄系磁性粉末のコア相被覆した形態で形成される、従来公知の希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む外側の層のことである。
このような問題を解決するために、微粒子の窒化鉄系磁性粉末の還元工程を含む製造について種々検討されている。(特許文献4〜6)
特許文献4では、従来公知のAl以外の元素としてさらにV,Sc,Ti,Cr,Mnのうち1種以上を固溶または被着させたゲータイトを還元して窒化鉄系磁性粉末をうる製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献4は窒化鉄系磁性粉末の耐食性の向上を主目的にしたもので、被着工程における原材料であるゲータイト等の水溶液の分散性や凝結防止剤の被着の度合い(均一性)の重要性については詳述しているものの該工程における原材料や凝結防止剤の分散性の具体的手法や装置については何ら開示されていないし、また生成した窒化鉄系磁性粉末の最小の粒子径は19nmであり、まだ微粒子粉末を対象としたものとはいい難い。
特許文献5ではZnを被着させたゲータイトを還元して窒化鉄系磁性粉末をうる製造方法が、特許文献6では還元時の焼結防止剤としてのAl,Si,希土類元素の添加量を規定するとともに窒化処理工程における反応系の圧力を規定することを開示している。
特許文献5,6は生成した窒化鉄系磁性粉末の粒子径も20nmより小さなものであるが、還元工程で生じる焼結(公知のように窒化鉄系磁性粉末の特性に大きく影響する)を基本的に防止する機能を有する外層の均一性についてはまったく触れていないし、特許文献4と同様に原材料や凝結防止剤の分散性の具体的手法や装置については何ら開示されていない。また生成された窒化鉄系磁性粉末の外層の厚みに関してはなんら言及されていない。
特許文献7では窒化鉄系磁性粉末の飽和磁化量と保存安定性の観点から、外層の平均厚みは1〜5nmが好ましく平均厚みの算出方法まで開示されているもののあくまで平均厚みの数値を規定しているだけで、窒化鉄系磁性粉末の外層の厚みの変動やその影響については何ら言及されていない。
特許第3848486号公報 国際公開WO03/079332A1公報 特開2005−310857公報 特開2006−41210号公報 特開2006−303321号公報 特開2005−183932号公報 特開2005−093570号公報
本発明は、上記のような問題点を解決して、原材料となる鉄系酸化物あるいは鉄系水酸化物への凝結防止剤の被着工程におけるこれら微粒子粉末を良好に分散させて均一に焼結防止剤を主体とする外層を形成せしめ後に続く還元工程での粒子の焼結を防止し、しかるのち高記録密度(0.5Gb/in以上)に適した高容量のコンピュータ用バックアップ磁気テープに使用する窒化鉄系磁性粉末を得ることを目的とする。
本発明者らは、磁気テープに用いる磁性粉末である、結晶磁気異方性に基づく略粒状の微粒子かつ高保磁力の窒化鉄系磁性粉末の製造において、凝結防止剤の被着工程において原材料となる粉末を均一に被覆する焼結防止剤を主体とする外層を形成させる方法を鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。
すなわち、磁性粉末のコア相がFe16を主体とした結晶相を含み、外層が希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む平均粒子径が8〜20nmの窒化鉄系磁性粉末を製造する方法において、出発原料を鉄系酸化物または鉄系水酸化物とし、出発原料に外層を被着する被着工程を含み、被着工程は前記鉄系酸化物または鉄系水酸化物を含む鉄系水溶液と、希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素の塩を含む水溶液とを個別の噴出口から噴出させて衝突型分散機を用いて反応させる過程を含む窒化鉄系磁性粉末を製造する方法である。
ここでいう衝突型分散機いうのは基本的には特開2003−315946、特開2004−296067に開示された概念の分散・混合反応の機能を有する分散機のことである。原理は、異なる流体を一定の流速で異なるノズルから噴出させて、それぞれの流体に含まれる異なる物質を良好な分散状態で混合反応させることが可能な装置である。特開2003−315946では単分散性に優れたハロゲン化銀乳化剤粒子の製造方法、特開2004−296067ではCuAu型あるいはCuAu型を形成しうる合金粒子の製造方法がそれぞれ開示されているが、本発明におけるコア−シェル構造を有する複合材料ならびに形成のポイントとなる被着技術に関する記述も示唆もないことから、効果も目的も大きく異なる。
発明者らは、窒化鉄系磁性粉末にあってその磁気特性を左右し、ひいては磁気記録媒体の電磁変換特性に大きな影響を与える前記磁性粉末のコア相外層を、磁性粉末の焼結が少なくかつ均一に形成するための有力な手法を初めて得たものである。
本発明の手法によって、希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む外層の厚みの式(1)で表す変動率が60%以下である窒化鉄系磁性粉末がえられる。
Figure 2009141031
本発明によれば、前記鉄系酸化物または鉄系水酸化物に希土類もしくはAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を被着させる際をに衝突型分散機を用いることで、前記鉄系酸化物または鉄系水酸化物を極めて良好に水中に分散することができてかつAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素が含まれる水溶液からこれらの元素も均一に被着することが可能となる。その結果、あとの工程である還元処理において焼結が防止された窒化鉄系磁性粉末がえられる。すなわち、高記録密度で大容量に適した電磁変換特性に優れた塗布型磁気記録媒体に好適な窒化鉄系磁性粉末を提供するものである。
本願発明ではFe16を主体とした結晶相を含み、外層が希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む平均粒子径が8〜20nmのである磁性粉末が好ましい。磁性粉末の、鉄に対する窒素の含有量が1.0〜20.0原子%がより好ましい。なお、本発明の磁性粉末の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率20万倍で撮影した、0.7μm×0.5μmの視野の写真から粒子径(略球状の最大さしわたし径)を求め、最低100個の粒子の平均値の粒子径をいう。磁性粉末の粒子径は、20nm以下が好ましく、15nm以下がとくに好ましい。粒子径20nm以下が好ましいのは、20nmを超えると磁気テープのノイズ(N)が高くなり再生出力ノイズ比(C/N)が低くなるためである。また、粒子径を8nm以上にすると、磁性塗料調製時の分散が容易になることと、ノイズを低くするには微粒子にするほど好ましいのであるが、粒子径を8nmより微粒子になると外層の厚みが1.5nmとしても磁気特性を有するコア層の体積は小さくなり、磁気記録媒体に必要な保磁力や飽和磁化量がえられず、また現実には技術的にも収率からもこれより小さい磁性粉末は製造が困難なことから8nm以上が好ましい。われわれの実験では8nm程度が限界と考えられる。
本願発明に窒化鉄系磁性粉末におけるコア相はFe16が主体であるが、コア相にFeNが含まれていても構わない。
Fe16相含有窒化鉄系磁性粉末における、鉄に対する窒素の含有量は、1.0〜20.0原子%が好ましく、5.0〜18.0原子%がより好ましく、8.0〜15.0原子%がさらに好ましい。窒素が少なすぎると、Fe16相の形成量が少なく、保磁力増加の効果が少なくなり、多すぎると、非磁性窒化物が形成されやすく、保磁力増加の効果が少なくなり、また飽和磁化が過度に低下する。
また、鉄に対する希土類元素、Si、Alの総含有量は、0.10〜40.0原子%が好ましく、さらに好ましくは1.0〜30.0原子%である。これらの元素の総含有量が少なすぎると、磁性粉末の磁気異方性が減少するだけでなく、焼結防止効果が下がることから、30nm以上の粗大粒子が形成されやすくなる。また、これらの元素が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。
なお、希土類元素、Si、Alの中、Si、AlはFe16相への窒化が起こりやすいという利点を有する。一方、希土類元素は磁気テープの耐食性を向上させやすいという利点を有する。また、希土類元素、Si、AL以外にも、効果は希土類元素、Si、Alより劣るが、B、P、Ti、Zr、Cも焼結防止効果を有するので、目的に応じて、B、P、Ti、Zr、Cを使用してもよい。
本発明では、磁性粉末に含まれる希土類元素、Al、Siの鉄に対する量については、蛍光X線分析法で定法に従って分析し(分析視野:直径10mm)、窒素の鉄に対する量については、X線光電子分光分析法で定法に従って分析した(分析視野:直径5mm)。X線光電子分光分析法で窒素量を分析する場合には、アルゴンガスでエッチングした後、鉄に対する窒素量を分析して、エッチング時間と鉄に対する窒素量との関係を求め、鉄に対する窒素量が一定になるエッチング時間での鉄に対する窒素量を求めた。
希土類−Fe16相含有窒化鉄系磁性粉末は、飽和磁化が50〜150Am/kg(50〜150emu/g)、好ましくは50〜100Am/kg(50〜100emu/g)である。磁性粉末の保磁力および飽和磁化は、磁性粉末を使用した磁気テープの磁性層の保磁力および残留磁束密度(Br)と厚さδとの積(Br・δ)が、磁気テープが適用されるシステムやドライブなどのハードに適応するように上述の磁性層の好ましい特性になるように選択すればよい。Br・δについては後述する。
つぎに本発明の磁性粉末の製造方法について、説明する。
出発原料としては、鉄系酸化物、酸水酸化物または水酸化物を使用する。たとえば、ヘマタイト、マグネタイト、ゲータイトなどが挙げられる。本発明ではマグネタイトが好ましい。粒子径は、とくに限定されないが、最終の窒化鉄系磁性粉末が20nm以下を作製するためには、製造工程でOを除去する工程があるのでその値よりやや大きい粒子径の原料を用いるのが望ましい。大きすぎると、還元処理が不均質となりやすく、粒子径、粒子体積や磁気特性の制御が難しくなる。また、保磁力の温度変化が小さい磁性粉末を作製するためには、粒子径の分布の少ない出発原料を使用する。形状は、略球状、略粒状、多面体状などの粒子であり、とくに限定されないが、軸比(長軸/短軸)2未満が好ましく、1.5未満が、より好ましい。略球状および略粒状とは軸比2未満の形状をいう。
この出発原料であるマグネタイトに希土類元素、Si、Al、または必要に応じて、Ti、Zr、C、P、Bなどの元素を含む化合物を被着する。化合物が被着して形成された層を外層という。希土類元素を被着させる場合、通常は、アルカリまたは酸の水溶液中に出発原料を分散させ、これに希土類元素の塩を溶解させ、中和反応などにより原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を被着させ沈殿析出させればよい。また、Si、Al、Pなどの元素を含む化合物を被着させる場合、原料粉末を浸漬した溶液に、これらの化合物を溶解させ、吸着により被着させることが出来る。あるいは沈澱析出を行うことにより被着しても良い。原料粉末に対して、前記元素を同時にあるいは交互に被着させてもよい。これらの被着処理を効率良く行うため、還元剤、pH緩衝剤、粒径制御剤などの添加剤を混入させてもよい。
本発明における、外層の厚みが均一で、その厚みの変動率が60%以下である窒化鉄系磁性粉末を得ようとするにはこの被着工程で
(1)原材料の水溶液
(2)被着させようとする凝結防止剤の塩を溶解した水溶液
をともによく分散させて中和反応を十分に生ぜしめ原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を被着させることが重要である。
従来技術で述べたように従来の文献ではこの被着工程については温度やガス雰囲気については記述があるものの単に(1)に(2)を添加するという開示しかなされていない。文献から推察するに(1)(2)とも水溶液の分散についてはは基本的には攪拌によって行い、攪拌による分散中の容器中の(1)の水溶液に(2)の水溶液を含有する元素が設計所定量になるように定量的に、かつ一定時間をかけて添加していると推測される。このときの(1)に(2)を被着させるまさにその場(被着が生じる反応の瞬間であり物理的空間)の(1)と(2)の分散性によって均一な外層が得られるかどうかが左右される。
本発明では、攪拌による分散では不十分でさらに分散性を向上させるために検討を重ねたところ、(1)と(2)の水溶液を従来の一般的手法である攪拌機による混合と分散の工程を経たのちに両者の水溶液を、所定の間隔を隔てて対向した別個のノズルから、所定の速度で(1)(2)の水溶液を衝突させることで分散および中和反応を十分に生じさせ被着を行うことを見出した。微粒子粉末の分散に適し、(1)(2)の水溶液に不純物が混入することがない衝突型分散機を採用することで均一な外層を有する窒化鉄系磁性粉末を得ることを可能としたものである。
図1は、本発明における窒化鉄系磁性粉末の製造工程の中で原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を被着させる工程だけを取り出した製造ラインを概念的に示した模式図である。
原材料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を被着させる工程は、攪拌機のついた第1混合容器1中の、弱アルカリ性に調整された原材料の水溶液6と攪拌機のついた第2混合容器2中の希土類元素を含む水酸化物や水和物の水溶液7とを加圧可能な第1ポンプ3、第2ポンプ4で別個に衝突型分散機5に送付する工程と、衝突型分散機5の中で両者を衝突させて中和反応と被着を生じさせる工程とからなる。被着処理後の粉末を含む溶液8は次の水洗工程へ送られる。
図2は、本発明の窒化鉄系磁性粉末の製造方法に用いる衝突型分散機5の概略構成図の1例である。本例の衝突型分散機5は、溶液7を導入する第1供給ノズル51、溶液6を導入する第2供給ノズル52、2液を混合・処理する混合室54、混合・処理された2液を排出する排出ノズル53から構成される。
第1供給ノズル51、52の混合室4側出口には、第1供給ノズル51のノズル径より径の小さな第1オリフイス61、第2供給ノズル52のノイズ径より径の小さな第2オリフィス62がそれぞれ配設されており小さな隙間から溶液を噴出するようになっている。
排出ノズル53は、混合室54からの入り口には、排出ノズル53のノズル径より径の小さな第3オリフイス63が配設されていても良いし、第3オリフィスは無くても良い。この排出ノズル53から、処理した溶液の混合液(本願では被着工程が完了した粒子を含む溶液)を排出できるようになっている。
衝突型分散機5のノズルやオリフィスの径、流速、流体にかける圧力など本体構造および使用条件は文献7に開示されている従来公知の解析方法や実験の結果を考慮して決定した。
被着処理のあとの原材料スラリーを次工程のための容器(図示してない)に送付した後従来の方法でろ過してよく水洗して乾燥する。
つぎに、凝結防止剤が表面に被着して被覆されたマグネタイトの粉末を窒素ガス等の雰囲気中または窒素ガス等を流しながら熱処理を行う。使用ガスは特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス、酸素、およびこれらの混合ガスを用いることが出来る。熱処理温度は120℃〜700℃が望ましい。150℃〜500℃が好ましく、200〜400℃がさらに好ましい。熱処理温度が700℃を超えると、粒子同士が焼結しやすく、粒子サイズの分布が大きくなる。また、120℃に満たない低い温度では、出発原料に含まれる水分により、次工程の還元時に還元が不均一となりやすい。また、10〜50℃/minの比較的遅い速度で昇温することが好ましい。
熱処理後、水素ガス中で加熱還元する。還元ガスは、とくに限定されず、水素ガス以外に、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスを使用してもよい。還元温度としては、300℃〜600℃とするのが望ましい。還元温度が300℃より低くなると、還元反応が十分進まなくなり、また、600℃を超えると、粉末粒子の焼結が起こりやすくなる。また、保磁力の温度変化が小さい磁性粉末を作製するためには、還元温度になるまでは不活性ガス中で昇温して、試料温度が均一になってから還元性ガスに切り替えて還元処理を行うことが好ましい。また、10〜50℃/minの比較的遅い速度で昇温することが好ましい。
加熱還元処理後、窒化処理を施す。窒化処理としては、アンモニアを含むガスを用いて行うのが望ましい。アンモニアガス単体のほかに、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどをキャリアーガスとした混合ガスを使用してもよい。窒素ガスは安価なため、とくに好ましい。窒化処理温度は、90℃〜250℃とするのがよい。窒化処理温度が低すぎると、窒化が十分進まず、保磁力増加の効果が少ない。高すぎると、窒化が過剰に促進され、FeNやFeN相などの割合が増加し、保磁力がむしろ低下し、さらに飽和磁化の過度な低下を引き起こしやすい。窒化温度になるまでは不活性ガス中で降温して、試料温度が均一になってから窒化処理ガスに切り替えて窒化処理を行うことが好ましい。
このような窒化処理後、酸化処理を行うことにより、本発明の鉄と窒素を構成要素とし、均一な焼結防止剤を主体とした外層(表面化合物層)を有する窒化鉄系磁性粉末が得られる。酸化処理としては、酸素を含む混合ガスを用いて行うのが望ましい。これには窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを用いることができる。
酸化温度は、200℃以下とするのがよい。酸化温度が高すぎると、酸化が過剰に進み、窒化鉄相が著しく減少し、保磁力や飽和磁化の劣化を招く。また、保磁力の温度変化が小さい磁性粉末を作製するためには、はじめに低濃度の酸素を含有する不活性ガス(例:200ppmの低濃度酸素−窒素混合ガス)を導入することで磁性粉末の温度上昇を抑制し、磁性粉末表面に均一温度で表面酸化膜を形成した後、高濃度の酸素を含有する不活性ガス(例えば酸素濃度1000ppmの不活性ガス)を導入して、均一厚さの酸化膜を形成することが好ましい。なお、磁性粉末の温度上昇がない範囲で徐々に酸素濃度を増加させる方法を採用してもよい。
本発明にかかる窒化鉄系磁性粉末を用いて最上層に薄層磁性層(たとえば厚さ150nm以下)を有する重層構成の磁気テープとしたときにより良好な記録再生特性を得るに至ったものであるが、本発明の窒化鉄系磁性粉末は、飽和磁化、保磁力、粒子形状のすべてが薄層最上層磁性層を得るのに本質的に適したものである。
本発明にかかる窒化鉄系磁性粉末を用いた磁気テープは、上記した窒化鉄系磁性粉末を結合剤と共に、従来公知の分散技術を採用して溶剤中に均一分散して得られた磁性塗料を、これまた従来公知の塗布設備および方法で非磁性支持体上に塗布し乾燥して、磁性層を形成することにより作製できる。以下簡単に磁気テープ製造について説明する。
<磁気テープの構成>
本発明の磁気テープは、非磁性支持体、非磁性支持体の上に少なくとも1層の磁性層を有する構成で、高密度記録に寄与する磁性層は最上層磁性層である上層磁性層と非磁性支持体の間に下層を設けたいわゆる重層構成の磁気テープとするのが好ましい。また、磁性層形成面(記録面)とは反対の面にバック層を設けるのが好ましい。さらに、最上層磁性層の下に下層を介してサーボ信号を記録する下層磁性層を設けてもよい。
磁気テープの厚さ(磁気テープの総厚)は、8μm未満が好ましく、7μm未満がより好ましい。磁気テープの厚さが8μm以上では、リールに巻回できる磁気テープの全長が短くなって、磁気テープカートリッジ1巻当たりの容量が低下するためである。また、薄い非磁性支持体は得にくいのと、得られても高コストなので、磁気テープの厚さは通常5.5μm以上である。
<磁性塗料の調製>
磁気テープの磁性層には、粒子サイズが20nm以下の超微粒子磁性粉末を塗膜中に高充填化し、かつ高分散させるためには、下記のような工程で、塗料製造を行うのが好ましい。混練工程の前工程として、磁性粉末の顆粒を解砕機で解砕し、その後、混合機でリン酸系の有機酸等やバインダ樹脂と混合し、磁性粉の表面処理、バインダ樹脂との混合を行う工程を設けるのが好ましい。混練工程には、従来公知の混練機が使用できる。
混練工程の後工程として、連続式2軸混練機か他の希釈装置を用いて、少なくとも1回以上の、バインダ樹脂溶液および/または溶媒を加えて混練希釈する工程、サンドミル等の微小メデイア回転型分散装置による分散工程等により塗料分散を行うのが好ましい。
磁性層中の構成材料である非磁性粉末は、磁性粉末とは別に分散してスラリー状にしておき、これを磁性粉末の分散塗料と混合して磁性層用塗料を調製するようにしてもよい。
磁気テープの長手方向のヤング率EMDは、5GPa以上が好ましく、7GPa以上がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁気テープの長手方向のヤング率は、5GPa未満になると、磁気テープが伸びたり、傷ついたりして、電磁変換特性が劣化する場合があるためである。
<非磁性支持体>
非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナフタレンテレフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等が使用される。
非磁性支持体の厚さは、用途により異なるが、通常2〜8μm、好ましくは2〜7μm、より好ましくは2〜5μm、さらに好ましくは2〜4.5μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、7μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
<磁性層>
磁性層は、少なくとも1層の、記録層として設けられる最上層磁性層からなり、この最上層磁性層の厚さは、5〜150nm以下が好ましい。120nm以下がより好ましく、90nm以下がさらに好ましい。また、10nm以上がより好ましく、15nm以上がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、5nm未満では均一厚さの磁性層形成が難しく、150nmを超えると厚さ減磁により再生出力の低下が起こりやすいためである。
磁気テープの最上層磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さδとの積(Br・δ)が0.001μTm以上、0.06μTm以下が好ましい。Br・δは0.004μTm以上、0.04μTm以下がより好ましい。Br・δが0.001μTm未満だと、MRヘッドを使用した場合も再生出力(C)が小さくなり再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなり、Br・δが0.06μTmを越えると、MRヘッドが飽和してノイズ(N)が高くなり再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなるためである。
<下層>
本発明の磁気テープにおいては、最上層磁性層の平滑性の向上、耐久性の向上のため、下層を形成するのが望ましい。特に、磁性層厚さが90nm以下の磁気テープにおいては下層形成効果が大きい。また、最上層磁性層の磁気記録信号を乱さないため、通常、下層は非磁性である。
下層の厚さは、0.10〜1.5μmが好ましく、0.10〜1.0μmがより好まし好ましい。0.10μm未満では、磁気テープの耐久性向上効果が小さく、1.5μmを超えると、磁気テープの耐久性の向上効果が飽和し、またテープ全厚が厚くなり、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなる。
下層には、塗料粘度やテープ剛性の制御を目的で、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどの非磁性粉末を含ませることができる。非磁性の酸化鉄には、針状のほか、粒状または無定形のものがある。針状のものは、平均長軸長50〜200nmが好ましく、粒状または無定形のものは、平均粒径5〜200nmであるのが好ましい。5〜100nmであるのがより好ましい。粒径が上記よりも小さいと均一分散が難しく、また上記よりも大きいと下層と磁性層の界面の凹凸が増加しやすい。
下層には、導電性改良の目的で、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックを含ませることができる。
これらのカーボンブラックは、平均粒径が通常5〜200nmであるのが好ましく、より好ましくは10〜100nmである。カーボンブラックは、ストラクチャー構造を持っており、平均粒径が小さすぎるとカーボンブラックの分散が難しくなり、大きすぎると表面平滑性が悪くなる。なお、表面平滑性を損なわない範囲で、平均粒径が前記範囲を超える大粒径のカーボンブラックを含ませることを排除するものではない。この場合、下層へのカーボンブラックの添加量は、両者のカーボンブラックを合わせて、無機粉末100重量部に対して、通常5〜70重量部、とくに15〜50重量部とするのが好ましい。
<結合剤>
下層、磁性層に使用する結合剤には、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース、エポキシ樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂との組み合わせがある。
とくに、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂とを併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどがある。
これらの結合剤は、磁性粉末などの分散性を向上し、充填性を上げるために、官能基を有するものが好ましい。官能基には、COOM、SOM、OSOM、P=O(OM)、O−P=O(OM)(Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアミン塩)、OH、NR、NR(R,R,R,R,Rは水素または炭化水素基、通常その炭素数が1〜10である)、エポキシ基などがある。2種以上の樹脂を併用する場合、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも、−SOM基同士の組み合わせが好ましい。
これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましく用いられる。
<潤滑剤>
磁気テープでは、磁性層、下層には、従来公知の潤滑剤を添加でき、その添加量も公知の量でよい。例えば、下層にミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸と、ステアリン酸ブチルなどの高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので、好ましい。また、磁性層には、パルミチン酸、ステアリン酸等のアミドである脂肪酸アミドと、高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので好ましい。
<分散剤>
下層や磁性層に含まれる非磁性粉末やカーボンブラック、磁性粉末は、結合剤(バインダ樹脂)による分散性を良くするため、適宜の分散剤で表面処理することができる。また、上記各粉体を含む下層、磁性層を形成するための塗料中に適宜の分散剤を添加してもよい。分散剤としては、リン酸系分散剤、カルボン酸系分散剤、アミン系分散剤、キレート剤、各種シランカップリング剤などが好適なものとして用いられる。これらの分散剤は、混練前処理工程、混練工程や初期分散工程の後に配合するのが好ましい。リン酸系分散剤としては、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチルなどのアルキルリン酸エステル類、フエニルホスホン酸、モノオクチルフエニルホスホン酸などの芳香族リン酸類などが挙げられる。また、カルボン酸系分散剤としては、炭素数12〜18個の脂肪酸、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸などが用いられる。また、上記脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる金属石けん、上記脂肪酸のアミド、上記脂肪酸のエステルまたはこれにフッ素を含ませた化合物、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、スルホン酸塩、りん酸塩、銅フタロシアニン、安息香酸、フタル酸、テトラカルボキシルナフタレン、ジカルボキシルナフタレン、炭素数12〜22の脂肪酸などが挙げられる。アミン系分散剤としては炭素数8〜22の脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミン等がある。さらに、キレ―ト剤としては、1,10−フエナントロリン、EDTA、ジメチルグリオキシム、アセチルアセトン、グリシン、ジチアゾン、ニトリロ三酢酸などが挙げられる。これらは、単独でも組み合わせて使用してもよい。
分散剤は、いずれの層においても結合剤100重量部に対して通常、0.5〜20重量部の範囲で添加するのが望ましい。
<バック層>
バック層は、必須の構成要素ではないが、本発明の磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的として、バック層を形成するのが望ましい。
バックコート層としては、カーボンブラックとバインダ樹脂からなるバックコート層が一般的である。このようなバックコート層の厚さとしては、0.2〜0.8μmが好ましい。また、表面粗さRaとしては、3〜10nmが好ましく、4〜8nmがより好ましい。
バックコート層に含ませるカーボンブラックには、従来公知のアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等の小粒径カーボンブラックと、少量の大粒径カーボンブラックを使用する。小粒径カーボンブラックの数平均粒子径は5〜100nmで、大粒径カーボンブラックの数平均粒径200〜400nmである。
バックコート層のバインダ樹脂としては、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂を使用するのが好ましい。また、バインダ樹脂を硬化するために、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤を用いるのが好ましい。
また、バックコート層には、必要により、強度向上を目的として、数平均粒子径が50〜200nmの酸化アルミニウム、セリウム等の希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物板状粒子を添加することができる。
<下層およびバックコート塗料の調整>
下層塗料、バックコート塗料の調製にあたり、従来から公知の塗料製造装置および方法が採用でき、とくにニーダなどによる混練工程や一次分散工程を併用するのが好ましい。一次分散工程では、サンドミルを使用すると、充填剤、カーボンブラックなどの分散性の改善とともに、表面性状を制御できるので、望ましい。
また、非磁性支持体上に、下層塗料、バックコート塗料を塗布する際には、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージヨン塗布などの従来から公知の塗布方法が用いられる。
なお、下層塗料および磁性塗料の塗布方法は、非磁性支持体上に下層塗料を塗布し乾燥したのちに磁性塗料を塗布する、逐次重層塗布方法か、下層塗料と磁性塗料とを同時に塗布する、同時重層塗布方法(ウェット・オン・ウェット)かのいずれを採用してもよい。塗布時の薄層磁性層のレベリングを考えると、下層塗料が湿潤状態のうちに磁性塗料を塗布する、同時重層塗布方式を採用するのが好ましい。
<有機溶剤>
塗布型磁気テープ用の磁性塗料、下層塗料、薄膜型および塗布型磁気テープ用のバックコート層塗料に使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して使用でき、さらにトルエンなどと混合して使用することもできる。
つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明するがそのまえに、前記してない各実施例で得られた特性値を測定した方法について予め説明しておく。
[磁性粉末および磁気テープの磁気特性]
保磁力Hc,飽和磁化σs,角型比Br/Bmは試料振動形磁束計(東英工業者社製VSM)で、外部磁場790KA/m(16kOe)で測定を行った。
[磁気テープの表面粗さ]
ZYGO社製NewView5000を用い、走査型白色光干渉法にて50倍の対物レンズを用いて、ズーム設定で100倍(測定視野72μm×54μm)にして測定し、中心線平均粗さRaを求めた。
[磁気テープの電磁変換特性]
テープの電磁変換特性測定には、ドラムテスターを用いた。データ信号の出力及びノイズは、ドラムテスターには電磁誘導型ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.2ミμm)とMRヘッド(トラック幅5.5μm、シールド間隔0.17μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MRヘッドで再生を行った。ファンクションジェネレータにより矩形波を記録電流電流発生器に入力制御して書き込み、MRヘッドの出力をプリアンプで増幅後、シバソク製スペクトラムアナライザーに読み込んだ。0.4μmのキャリア値を媒体出力Cとした。また0.4μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.4μm以上に相当するスペクトルの成分から、出力及びシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。更に両者の比をとってC/Nとし、C、C/Nともに比較例1のテープの値を基準として、それとの相対値を求めた。
[窒化鉄系磁性粉末の外層の厚み変動率]
外層は粒子の表面に存在する粒子内部の組成や結晶構造と異なる化合物であり、外層の厚みは、これらの境界が少なくとも判別できる倍率(100万倍以上)で撮影された透過型電子顕微鏡写真の粒子から求められる。測定粒子は平均粒子サイズに相当する粒子を選択するのが好ましく、外層と粒子内部の境界は、電子顕微鏡のコントラストや格子像、電界放出型透過電子顕微鏡(FE−TEM)による微小部分析などにより判別するのが望ましい。平均外層厚みは、最大の外層厚みと最小の外層厚みを含み、任意の測定点およそ10点を平均した外層厚みとし、外層厚みの最大値と最小値の差を平均の外層厚みで除したものを厚み変動率として、数1の式を用いて求めた。変動率は平均粒子サイズに相当する粒子3点以上の平均値として求めるのが望ましい。
以下具体的な実施例を説明する。ただし、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、部とあるのは重量部を示すものとする。
本発明では窒化鉄系磁性粉末の出発原材料として鉄酸化物であるマグネタイトを用いた。表1の原材料の欄に示すAからEの5種のマグネタイトを原材料とした。形状は5種とも軸比が1.5以下の略粒状のマグネタイトである。
(A)窒化鉄系磁性粉末の作製
表1に示す原材料Aの10部を300部の水中に、超音波分散機を用いて30分間分散させた水溶液と水酸化ナトリウム5部を100部の水に溶解したナトリウム水溶液を混合した水溶液(イ)を作製した。
別個に、硝酸イットリウム[Y(NO・6HO]1部と硝酸アルミニウム[Al(NO・9HO]14.6部を100部の水中に加えて溶解し、超音波分散機を用いて30分間分散させた水溶液(ロ)を作製した。
水溶液(イ)の12リットルを図1の示した混合容器1に入れて攪拌機で攪拌する。水溶液(ロ)3リットルを混合容器2に入れて攪拌機で攪拌する。
次に、混合容器1中でよく攪拌混合された水溶液(イ)はフランジャーポンプ3によって、混合容器2の水溶液(ロ)はロータリーポンプ4によって衝突分散機5に加圧送液する。このとき攪拌機は稼動した状態で行う。
このときの衝突分散機5、および送液条件は以下のとおりである。図2における第1オリフィス61の径R1は0.3mm、第2オリフィス62の径R2は0.6mmであった。また、また、溶液6の噴出流速は約230m/秒、噴出圧力は約30Mpaとし、溶液7の噴出流速は25m/秒、噴出圧力は約0.3Mpaとした。衝突分散機5内で処理され、イットリウムやアルミニウムの水酸化物を表面に被着させたマグネタイト粒子の水溶液は、溶液8として次工程の容器に送られる。これを、濾液の伝導度が80μSになるまで水洗し、ろ過後、90℃で乾燥して、マグネタイト粒子の表面にイットリウムやアルミニウムの水酸化物を被着形成した粉末を得た。
このようにして得られた、マグネタイト粒子の表面にイットリウムやアルミニウムの水酸化物を被着形成した粉末を、窒素気流中で20℃/min.の速度で200℃まで昇温し、窒素ガス気流中200℃で1時間熱処理した。ついで、窒素気流中20℃/min.の速度で400℃まで昇温し、温度が400℃均一になった時点で、ガスを水素ガスに切り替え、水素ガス気流中400℃で10時間加熱還元して、窒化鉄系磁性粉末を得た。水素還元の終了は出口の水素中の水蒸気濃度が100ppm以下になったことで確認した。
つぎに、水素ガスを流した状態で、約2時間で、120℃まで降温した。120℃に到達した状態で、ガスをアンモニアガスに切り替え、温度を120℃に保った状態で、30時間窒化処理を行った。その後、アンモニアガスを窒素ガスに切り替えて、120℃から100℃まで降温した。100℃に到達した状態で、200ppmの酸素を含む、酸素と窒素の混合ガスに切り替え、2時間安定化処理を行った後、1000ppmの酸素を含む、酸素と窒素の混合ガスに切り替え、さらに4時間安定化処理を行った後、室温まで冷却してイットリウムやアルミニウムが被着した磁気テープ用の窒化鉄系磁性粉末A1をえた。そのままコンテナに移し磁気テープ作製用に供した。磁気特性等の測定用試料は、温度上昇がないことを確認しながら、徐々に酸素濃度を増加させて最終的に酸素濃度が20%になった時点で空気中に取り出した。
このようにして得られた窒化鉄系磁性粉末A1は、そのイットリウムやアルミニウムの含有量を蛍光X線分析法およびX線光電子分光分析法により測定したところ、それぞれFeに対して1.9原子%と27.0原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe16相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡(TEM)で粒子形状を観察したところ、ほぼ球状の粒子で、粒子径は8nmで、飽和磁化は62Am/kg(62emu/g)、保磁力は195.1kA/m(2,450エルステッド)であった。
(B)磁気テープの作製
つぎに、本発明の磁気テープを作製した。まず塗料成分と組成であるが、下層塗料とバックコート塗料は成分、組成とも、実施例も比較例もまったく同じである。磁性層塗料は、成分の窒化鉄系磁性粉末が異なる以外の他の構成成分、組成はすべて同じである。各塗料成分および組成は次に示す。これらの塗料を塗布して磁気テープを作製した。
<下層塗料成分>
(1)成分
非磁性針状酸化鉄粉末(平均粒径:100nm、軸比:5) 68部
粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 8部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 24部
ステアリン酸 2.0部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部
(含有−SONa基:1×10−4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SONa基:1×10−4当量/g)
シクロヘキサノン 25部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 10部
(2)成分
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 70部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 20部
(3)成分
ポリイソシアネート 1.4部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 15部
トルエン 10部
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒径:350nm) 10部
粒状酸化鉄粉末(平均粒径:50nm) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(SONa基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
<磁性塗料成分>
(1)混練工程成分
窒化鉄系磁性粉末(磁性粉末A1) 100部
粒子径:8nm
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SONa基:0.7×10−4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部
(含有−SONa基:1.0×10−4当量/g)
メチルアシッドホスフェート 2部
テトラヒドロフラン 20部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 9部
(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド 1.5部
ステアリン酸n−ブチル 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 350部
(3)別分散スラリー成分
粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 10部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 15部
(4)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 29部
上記の下層塗料成分のうち、(1)成分を回分式ニーダで混練したのち、(2)成分を加えて、攪拌後、サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)成分を加えて、攪拌、ろ過したのち、下層塗料(下層用塗料)とした。
これとは別に、上記の磁性塗料成分のうち、(1)の混練工程成分中、磁性粉末全量と樹脂および溶剤の所定量を予め高速撹拌混合しておき、その混合粉末を(1)の混練工程成分となるように調整したのち、連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)の希釈工程成分を加えて、連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで分散メディアとして直径0.5mmのジルコニアビ−ズを用いて、滞留時間を45分として分散した。これに(3)の別分散スラリー成分をサンドミルで滞留時間を40分として分散したものを加え、さらに(4)の配合工程成分を加えて、撹拌、ろ過したのち、磁性塗料とした。
ポリエチレンナフタレート支持体(厚さ6.1μm、MD=8GPa、MD/TD=1.1、商品名:PEN、帝人社製)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、上記の下層塗料を、乾燥、カレンダ後の厚さが1.0μmとなるように塗布し、この下層上に、さらに上記の磁性塗料を、磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるように、ウェット・オン・ウェットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤを用いて乾燥し、磁気シートを作製した。
なお、磁場配向処理はドライヤ前にN−N対向磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対向磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。
上記バックコート層用塗料成分を、サンドミルで滞留時間45分として分散したのち、ポリイソシアネート15部を加えて、ろ過したのち、バックコート層用塗料を調製した。この塗料を、前記の方法で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.5μmとなるように、塗布し、乾燥した。
その後、この磁気シートを、金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧200kg/cmの条件で、鏡面化処理し、さらに磁気シートを巻き芯に巻いた状態で、70℃72時間エージングしたのち、1/2インチ幅に裁断した。
このようにして得られた磁気テープにサーボライタで磁気サーボ信号を記録し、コンピュータ用磁気テープを作製した。
<実施例2>
窒化鉄系磁性粉末の製造において、粒子径17nmのマグネタイトを原材料に変更して窒化鉄系磁性粉末B1をえた以外は実施例1と同様にした。
窒化鉄系磁性粉末Bの粒子径は15nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.9原子%と29.0原子%であった。飽和磁化は80Am/kg(80emu/g)、保磁力は220.2kA/m(2,750エルステッド)であった。
<実施例3>
窒化鉄系磁性粉末の製造において、粒子径20nmのマグネタイトを原材料に変更して窒化鉄系磁性粉末C1をえた以外は実施例1と同様にした。
窒化鉄系磁性粉末Cの粒子径は18nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.8原子%と25.0原子%であった。飽和磁化は90Am/kg(90emu/g)、保磁力は238.1kA/m(2,976エルステッド)であった。
<比較例1>
窒化鉄系磁性粉末の製造において、粒子径25nmのマグネタイトを原材料に変更して窒化鉄系磁性粉末D1をえた以外は実施例1と同様にした。窒化鉄系磁性粉末Dの粒子径は23nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.8原子%と23.0原子%であった。飽和磁化は104Am/kg(1040emu/g)、保磁力は246.8kA/m(3100エルステッド)であった。
<比較例2>
窒化鉄系磁性粉末の製造において、粒子径8nmのマグネタイトを原材料に変更して窒化鉄系磁性粉末Eをえた以外は実施例1と同様にした。しかしながら、最終的にえられた
窒化鉄系磁性粉末E1の収率が5%以下と低く、かつ磁気特性が劣ることから磁気テープは作製しなかった。窒化鉄系磁性粉末Eの粒子径は7nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して2.1原子%と30.0原子%であった。飽和磁化は10Am/kg(10emu/g)、保磁力は51.0kA/m(637エルステッド)であった。
<比較例3>
実施例1において、窒化鉄系磁性粉末の製造工程中における原材料のマグネタイトにイットリウムとアルミニウムを被着する工程で、衝突分散機を使用することを変更して次の手法をとったこと以外は実施例1と同様にした。
水溶液(イ)の12リットルを攪拌機のついた容器に入れて攪拌しつつ、これに水溶液(ロ)の3リットルを30分間かけて添加した後さらに1時間攪拌した。このようにしてえた窒化鉄系磁性粉末A2の粒子径は10nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.7原子%と25.0原子%であった。飽和磁化は59Am/kg(59emu/g)、保磁力は143.3kA/m(1800エルステッド)であった。
<比較例4>
実施例1において、窒化鉄系磁性粉末の製造工程中における原材料のマグネタイトにイットリウムとアルミニウムを被着する工程で、衝突分散機を使用することを変更して次の手法をとったこと以外は実施例1と同様にした。
水溶液(イ)の12リットルと水溶液(ロ)の3リットルをビーズレスのせん断応力型分散機(○○社製)に送入した後滞留時間30分間となるように分散した。
このようにしてえた窒化鉄系磁性粉末A3の粒子径は9nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.8原子%と26.0原子%であった。飽和磁化は55Am/kg(55emu/g)、保磁力は155.3kA/m(1950エルステッド)であった。
<比較例5>
実施例1において、窒化鉄系磁性粉末の製造工程中における原材料のマグネタイトにイットリウムとアルミニウムを被着する工程で、衝突分散機を使用することを変更して次の手法をとったこと以外は実施例1と同様にした。
水溶液(イ)の12リットルと水溶液(ロ)の3リットルをビーズ径1mmのジルコニアビーズをメディアにしたサンドグラインド型分散機(○○社製)に送入した後滞留時間30分間となるように分散した。このようにしてえた窒化鉄系磁性粉末A4の粒子径は9nmで、イットリウムとアルミニウムはそれぞれFeに対して1.8原子%と26.0原子%であった。飽和磁化は55Am/kg(55emu/g)、保磁力は147.2kA/m(1840エルステッド)であった。
表1には、上記で作製した窒化鉄系磁性粉末の原材料となったマグネタイトの粒径と
マグネタイトへのAlとY元素の被着工程の際の装置と、作製した窒化鉄系磁性粉末の粒径とAl,Yの含有量(原子%対Fe)とAlおよびYを主体とする外層の厚み変動率を示した。
Figure 2009141031
表1から明らかなように、被着工程で本発明の衝突型分散機を用いて作製した窒化鉄系磁性粉末は、原材料粉末がよく分散された状態でAlとY元素の被着が行われたために外層の厚み変動率が小さい。また、実施例1の窒化鉄系磁性粉末A1と比較例3〜5の窒化鉄系磁性粉末A2,A3、A4とを比較すると、磁性粉末A1は均一に十分分散された状態で被着工程のあとの還元工程や窒化工程を経ることから、保磁力(Hc)や飽和磁化量(σs)も窒化鉄系磁性粉末A2,A3、A4等より優れていることがわかる。また、比較例2の窒化鉄系磁性粉末E1は出発原材料のマグネタイト粒子径が10nmと小さいために、還元工程(粉末中のO元素が抜けてやや小さくなる)を経て作製された結果、粒子径が8nmと超微粒子となって磁気特性を有するコア相の体積が小さすぎてHcやσsが劣る。しかも収率は極端に悪く、窒化鉄系磁性粉末としてえるのに非常に困難であった。
表2には、表1で示した窒化鉄系磁性粉末を使用して作製した磁気テープの磁性層表面平滑性(Ra),角形比および電磁変換特性のうちCとC/Nをまとめて示した。
Figure 2009141031
表2の結果から明らかなように、本発明にかかる粒子径で、かつ凝結防止剤としての元素を原材料の粉末に被着する工程で本発明にかかる窒化鉄系磁性粉末を使用した磁気テープは、分散がよくRa,角型比も良好で電磁変換特性(C,C/N)も優れていることがわかる。以上のように、本発明の窒化鉄系磁性粉末は、高記録密度用の磁気テープの磁性粉末として優れている。
窒化鉄系磁性粉末の製造工程の中で原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を被着させる工程を概念的に示した模式図である。 本願の窒化鉄系磁性粉末の製造工程で使用する衝突型分散機の一例を示した断面概略図である。
符号の説明
1 攪拌機付の第1混合容器
2 攪拌機付の第2混合容器
3 第1ポンプ
4 第2ポンプ
5 衝突型分散機
51 第1供給ノズル
52 第2供給ノズル
54 混合室
61 第1オリフィス
62 第2オリフィス

Claims (2)

  1. 磁性粉末のコア相がFe16を主体とした結晶相を含み、外層が希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む平均粒子径が8〜20nmの窒化鉄系磁性粉末を製造する方法において、
    出発原料を鉄系酸化物または鉄系水酸化物とし、
    出発原料に外層を被着する被着工程を含み、
    被着工程は前記鉄系酸化物または鉄系水酸化物を含む鉄系水溶液と、希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素の塩を含む水溶液とを個別の噴出口から噴出させて衝突型分散機を用いて反応させる過程を含む窒化鉄系磁性粉末を製造する方法。
  2. 希土類およびAl,Siから選ばれる少なくとも一つの元素を含む外層の厚みの式1で表す変動率が60%以下である請求項1に記載の製造方法による窒化鉄系磁性粉末。
    Figure 2009141031
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115376773A (zh) * 2021-05-18 2022-11-22 国立大学法人东北大学 稀土类铁氮系磁性粉末、粘结磁体用复合物、粘结磁体及稀土类铁氮系磁性粉末的制造方法

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