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JP2009038942A - 負荷イナーシャ同定方法及びサーボモータ制御装置 - Google Patents

負荷イナーシャ同定方法及びサーボモータ制御装置 Download PDF

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JP2009038942A
JP2009038942A JP2007203180A JP2007203180A JP2009038942A JP 2009038942 A JP2009038942 A JP 2009038942A JP 2007203180 A JP2007203180 A JP 2007203180A JP 2007203180 A JP2007203180 A JP 2007203180A JP 2009038942 A JP2009038942 A JP 2009038942A
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Kazuo Sato
一男 佐藤
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Yaskawa Electric Corp
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  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】 実際の運転前の制御装置への電源オン時に、短時間に、モータを駆動することなく微少動作で負荷イナーシャを同定できる方法を提供する。
【解決手段】 位置及び/または速度制御部1に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部4と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部6と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部5とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、位置指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械に取り付けられたサーボモータを駆動するサーボモータ制御装置において、電源を投入して実運転に入る前に、負荷イナーシャの同定を行う方法及びその制御装置に関する。
イナーシャを同定する従来例1は、モデル速度とモデルトルクと実速度と発生トルクよりイナーシャを算出している(例えば、特許文献1参照)。また、従来例2では、往復の速度指令を与えて速度オブザーバの速度推定値と実際の速度の位相差が0になる係数より、負荷イナーシャを推定している(例えば、特許文献2参照)。
従来例1を示す図6において、101は制御対象、102はモデル演算部、103は比例制御器、104は積分制御器、 105はイナーシャ算出器であり、モデル速度vaとモデルトルクqaと実速度vmとトルク指令qrからイナーシャ算出器105でイナーシャを算出している。
従来例2を示す図7において、201は速度オブザーバ、202はイナーシャ推定部、250は位置偏差量の演算部、251は位置制御部、260は速度検出器であり、位置制御部251から往復の速度指令が与えられて速度オブザーバ201の速度推定値と速度検出器260からの実際の速度から、イナーシャ推定部202で負荷イナーシャを推定している。
特開2003−128352号公報(第7頁、図1) 特開2002−78369号公報(第6頁、図1)
従来例1の方法ではモデルと制御対象が一致しないと正確なイナーシャを算出できず、また一致させるための運転動作で時間がかかるという問題があった。また、従来例2では速度指令を与え、速度推定値と実際の速度の位相差が0になるように、負荷イナーシャを推定しながら何回も指令を与える必要があるので時間がかかり、且つ、負荷イナーシャの推定動作には負荷や摩擦の影響によって、あるいは応答性を上げようとした場合は、比較的大きな指令を与える必要があるため、機械の移動量が問題となることがある。また、負荷イナーシャが同定されていない状態では、場合によって機械に振動が発生し、機械に悪影響を及ぼすという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、実際の運転前の制御装置への電源オン時に、短時間に、モータを駆動することなく微少動作で負荷イナーシャを同定できる方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のような方法および構成としたものである。
請求項1に記載の発明は、位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
位置指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項3に記載の発明によれば、請求項1記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項4に記載の発明は、速度制御部に所定周波数の正弦波の速度指令を与える速度指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
速度指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(速度指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記速度指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記速度指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項7に記載の発明は、位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、速度指令の応答周波数を算出する速度指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
位置指令周波数と速度指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/速度指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項9に記載の発明によれば、請求項7記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記速度指令応答周波数を求め、前記速度指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9のいずれかに記載の負荷イナーシャ同定方法において、前記仮設定イナーシャの初期値は、モータイナーシャ値からモータイナーシャ値の10倍の範囲で任意に設定可能としたものである。
請求項11に記載の発明は、位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
位置指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11記載のサーボモータ制御装置において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項13に記載の発明によれば、請求項11記載のサーボモータ制御装置において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項14に記載の発明は、速度制御部に所定周波数の正弦波の速度指令を与える速度指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
速度指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項15に記載の発明によれば、請求項14記載のサーボモータ制御装置において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(速度指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項16に記載の発明によれば、請求項14記載のサーボモータ制御装置において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記速度指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記速度指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項17に記載の発明は、位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、速度指令の応答周波数を算出する速度指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
位置指令周波数と速度指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とするものである。
請求項18に記載の発明によれば、請求項17記載のサーボモータ制御装置において、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うものである。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/速度指令応答周波数)−モータイナーシャ
請求項19に記載の発明によれば、請求項17記載のサーボモータ制御装置において、前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記速度指令応答周波数を求め、前記速度指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すものである。
請求項20に記載の発明によれば、請求項11乃至19のいずれかに記載のサーボモータ制御装置において、前記仮設定イナーシャの初期値は、モータイナーシャ値からモータイナーシャ値の10倍の範囲で任意に設定可能としたものである。
請求項1乃至20に記載の発明によると、実際の運転前の制御装置への電源オン時に、短時間に、負荷イナーシャを同定できるので、負荷イナーシャの不定による振動や遅れ等を未然に防止できる。また微少な移動量で負荷イナーシャを同定することができる。
以下、本発明の実施の形態についてサーボモータ制御装置を例として、図1乃至図5を参照して説明する。実際のサーボモータ制御装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、以下に示す図には本発明に関係する機能や手段のみを記載して説明する。
図1は、本発明における実施例1のサーボモータ制御装置の構成図である。同図において、1は位置及び/または速度制御部、2は電流制御部、3はパワー変換部、4は位置指令発生部、5は負荷イナーシャ同定部、6はトルク指令応答算出部、7はエンコーダ入出力部、8はモータ、9はエンコーダである。
本発明が従来技術と異なる部分は、位置指令発生部4とトルク指令応答算出部6を付加している点である。
次に、図1に示すサーボモータ制御装置10の動作について説明する。今、位置指令を入力すると、位置及び/または速度制御部1はエンコーダ9からの位置情報をエンコーダ入出力部7で受信し、位置フィードバック信号として位置指令から差し引いて位置制御ゲインをかけて位置制御する。速度制御部は、不図示の位置制御部の出力である速度指令から、エンコーダ入出力部7からの位置フィードバック信号を微分して得られる速度フィードバック信号を差し引いて速度制御ゲインをかけて速度制御する。電流制御部2は、速度制御部の出力をトルク指令として、不図示のモータ電流検出器からの電流フィードバック信号を差し引いて電流制御ゲインをかけて電流制御する。電流制御部2の出力信号をパワー変換部3でパワー変換してモータ8を駆動する。
なお、位置及び/または速度制御部1の構成は、位置制御部+速度制御部、または速度制御部のみを想定したものであり、速度制御部のみでの構成の場合は、入力指令として速度指令が与えられ速度制御用のサーボモータ制御装置10として動作する。
上述の図1に示すサーボモータ制御装置10の動作説明は位置及び/または速度制御部1の構成が、位置制御部+速度制御部、の場合について述べたものである。
次に、負荷イナーシャ同定時の動作について説明する。位置指令発生部4は位置及び/または速度制御部1に、ある所定の周波数の正弦波を加える。トルク指令応答算出部6はトルク指令の応答周波数解析を行う。すなわち、トルク指令の周波数毎の振幅を求め、その振幅が一番大きな周波数を算出する。負荷イナーシャ同定部5は位置指令発生部4の位置指令周波数とトルク指令応答算出部6の応答周波数より負荷イナーシャを同定する。
次に、負荷イナーシャ同定の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップ1では位置または速度制御に使用するサーボモータのイナーシャを設定すると共に負荷イナーシャを仮設定する。ステップ2では、モータイナーシャと仮設定した負荷イナーシャを加算して仮設定イナーシャとする。
初期値としての負荷イナーシャの仮設定は、例えば、モータイナーシャと同等の値に見積る。または、機械の用途によっては、機械側のイナーシャがモータイナーシャに比較して、無視できる場合もあるので、負荷イナーシャ値をゼロと見積る。従って、この場合であれば、仮設定イナーシャはモータイナーシャ値からモータイナーシャ値の2倍程度の値となる。しかし、機械の用途によっては負荷イナーシャがモータイナーシャの20倍程度になる場合もあるので、仮設定イナーシャとしては、モータイナーシャ値からモータイナーシャ値の10倍程度まで任意に設定できるようにしてもよい。ただし、仮設定イナーシャはことさら厳密に設定する必要はないので、通常の用途であれば、モータイナーシャの2倍程度を初期値とすればよい。
なお、ここで言うモータイナーシャとは、回転形モータの場合は、回転子のイナーシャを指し、リニアモータの場合は可動子のイナーシャを指す。ここでは、これらのイナーシャを総称してモータイナーシャと呼ぶ。
次にステップ3では位置指令として、ある所定の周波数の正弦波を加える。この場合、位置制御ゲインは位置指令周波数より高く設定し、速度制御ゲインは位置指令周波数相当とする。位置指令として与える周波数は、例えば速度制御系が応答できるような周波数とする。ステップ4ではトルク指令の応答周波数解析をする。ステップ5では位置指令周波数がトルク指令の応答周波数より高いか判断する。位置指令周波数がトルク指令の応答周波数より高い場合はステップ6に進む。ステップ6ではトルク指令の応答周波数に応じて負荷イナーシャを下記の(1)式に従って計算する。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
・・・・・・・(1)
ステップ5でトルク指令応答周波数が位置指令周波数以上の場合、負荷イナーシャは仮設定イナーシャ以下なので、ステップ7に進み、位置指令周波数がトルク指令の応答周波数と同等か判断する。位置指令周波数がトルク指令応答周波数と同等である場合は、仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値を負荷イナーシャ値として同定動作を終了する。 なお、ここで言う“同等”の判断は、それぞれの周波数差が±10%または±20%等の値に設定して判定する。その誤差の設定は同定動作とのトレードオフで決定する。位置指令周波数がトルク指令応答周波数より低い場合は、仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値より小さな値、例えば仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値の1/2倍等を負荷イナーシャ値として同定動作を終了する。
ステップ6において負荷イナーシャを計算した後、ステップ8、ステップ9で、負荷イナーシャが予め想定した最大負荷イナーシャ値以上に達していれば、負荷イナーシャ=最大負荷イナーシャ、として同定動作を終了する。最大イナーシャ値に達していなければ、再度、ステップ2に戻り、仮設定イナーシャに前回求めた負荷イナーシャとモータイナーシャとの和を代入して、ステップ3からステップ6で負荷イナーシャの計算を繰り返し、位置指令周波数がトルク指令の応答周波数以下になったか、あるいは負荷イナーシャが予め設定した最大負荷イナーシャ値以上に達した時、ステップ7またはステップ9に進み同定動作を終了する。
負荷イナーシャ同定原理について、図5を参照して説明する。図5は位置制御系の制御ブロック図である。同図において51は位置制御部、52は速度制御部、53はモータ部、54は積分である。位置指令周波数とトルク指令応答周波数の関係は、位置制御ゲインが位置指令周波数よりも充分大きいものとすると、応答は速度制御部52の応答特性で決まることになる。そこで速度制御部52を図5に示すようにPI(比例積分)制御とした場合、速度制御部52とモータ部53を含めた速度制御ループの応答特性は2次遅れの伝達関数になり、次のように表すことができる。
(2)
但し、
(3)
ζ=(1/2)ω (4)
J=J+J (5)
ここで、ω:速度フィードバック信号(実際速度)、ωref:速度指令、ω:固有周波数、ζ:減衰係数、Kv:速度制御部52の比例ゲイン、T:速度制御部52の積分時定数、J:合成イナーシャ、J:モータイナーシャ、J:負荷イナーシャ、s:ラプラス演算子
今、(3)式を変形してKvを求めると、(6)式となる。
Kv=(ω /T)J (6)
(6)式において、(ω /T)を固定した場合、Kvは合成イナーシャJに比例することになる。従って、仮設定イナーシャが実際のイナーシャよりも低く設定された場合、Kv値が小さくなり、実際の速度制御ループの応答特性は、設定したωより低下する。
その応答特性はトルク指令に反映されるので、トルク指令を解析すれば分かる。
例えば、速度制御ループの応答周波数を100Hzに設定したとすると、100Hzの速度指令に対して、速度制御ループの応答特性は100Hzまでは速度振幅がほぼフラットになり、100Hz以上では振幅が急速に低下する。
イナーシャの設定値が実際のイナーシャよりも低く設定された場合、Kv値はその分低下し、例えば、Jの設定値が50%相当であった場合、Kv値は50%の設定となり、速度制御ループの応答特性は50Hzとなる。

今、位置指令として一定振幅、一定周波数の正弦波を印加した場合、その位置指令と位置フィードバック信号との偏差量である速度指令は、多くの周波数成分を含んでいる。さらに、この速度指令に対する速度フィードバック信号との偏差量であるトルク指令には、多くの周波数成分を含んでいるので、ここでは、これらの周波数成分の振幅を求め、振幅値が最大となる周波数をトルク指令応答周波数として定義する。
そして、位置指令周波数とトルク指令応答周波数との比より、次式によって概略の合成イナーシャ値が算出できる。
トルク指令応答周波数=位置指令周波数×(仮設定イナーシャ/実際の合成イナーシャ)
・・・・・・・(7)
(7)式より、実際の合成イナーシャは(8)式で与えられる。
実際の合成イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)
・・・・・・・(8)
従って、負荷イナーシャJは(5)式と(8)式より、
=J−J
=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−J
・・・・・・・(9)
として求めることができる。
(9)式に基づいて負荷イナーシャ値を計算し、求めた負荷イナーシャとモータイナーシャとの和を仮設定イナーシャ値として、再度、位置指令周波数とトルク指令応答周波数との比較を繰り返すことにより、負荷イナーシャ値を同定することができる。
なお、上述の実施例1の変形例として、位置及び/または速度制御部1が速度制御部のみで構成されている場合は、入力指令として速度指令が与えられ速度制御用のサーボモータ制御装置10として動作する。この場合の負荷イナーシャ同定は、上述した位置指令発生部4を速度指令発生部に置き換えて、実施例1で示した手順と同様の手順で負荷イナーシャの同定を行うことができる。
図3は、本発明における実施例2のサーボモータ制御装置30の構成図を示すもので、その動作は実施例1と同様である。
負荷イナーシャ同定時、速度指令応答算出部36は不図示の位置制御部の出力である速度指令の応答周波数解析を行う。負荷イナーシャ同定部35は、位置指令発生部4の位置指令周波数と速度指令応答算出部36の速度指令応答周波数より負荷イナーシャを同定する。実施例1と異なるのはトルク指令応答算出部6の代りに、速度指令応答算出部36がある点と負荷イナーシャ同定部35の同定動作が異なるのみである。
次に負荷イナーシャ同定の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップ41では制御に使用するサーボモータのイナーシャを設定すると共に負荷イナーシャを仮設定する。ステップ42でモータイナーシャと仮設定した負荷イナーシャを加算して、仮設定イナーシャとする。 次にステップ43では位置及び/または速度制御部1に、ある所定の周波数の正弦波を加える。この場合、位置制御ゲインは位置指令周波数より高く設定し、速度制御ゲインは位置指令周波数相当とする。位置指令として与える周波数は、例えば速度制御系が応答できるような周波数とする。ステップ44では速度指令の応答周波数解析をする。速度指令の応答周波数解析はトルク指令の応答周波数解析と同様に速度指令の応答周波数毎の振幅を求め、その振幅が一番大きな周波数を算出する。ステップ45では位置指令周波数が速度指令応答周波数より高いか判断する。位置指令周波数が高い場合はステップ46に進む。ステップ46では実施例1と同様に速度指令応答周波数に応じて、次式により負荷イナーシャを求める。
負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/速度指令応答周波数)−モータイナーシャ
・・・・・(10)
ステップ45で速度指令応答周波数が位置指令周波数以上の場合、負荷イナーシャは仮負荷イナーシャ以下なので、ステップ47に進み、位置指令周波数が速度指令応答周波数と同等か判断する。位置指令周波数が速度指令応答周波数と同等である場合は、ステップ50で負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ−モータイナーシャ、として同定動作を終了する。
なお、ここで言う“同等”の判断は、それぞれの周波数差が±10%または±20%等の値に設定して判定する。その誤差の設定は同定動作とのトレードオフで決定する。位置指令周波数が速度指令応答周波数より低い場合は、ステップ51で仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値より小さな値、例えば、仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値の1/2倍等を負荷イナーシャ値として同定動作を終了する。
ステップ48、49の動作は実施例1の図2のステップ8、9の動作と同様である。また、実施例2では位置指令周波数と速度指令応答周波数との比較を繰り返すことにより、負荷イナーシャ値の同定動作を行うが、基本的な考え方は実施例1と同じであり、その詳細な説明は省略する。
本発明の実施例1を示すサーボモータ制御装置の構成図 本発明の実施例1の動作を示すフローチャート 本発明の実施例2を示すサーボモータ制御装置の構成図 本発明の実施例2の動作を示すフローチャート 位置制御系の制御ブロック図 従来例1の制御装置の構成図 従来例2の制御装置の構成図
符号の説明
1 位置及び/または速度制御部
2 電流制御部
3 パワー変換部
4 位置指令発生部
5、35 負荷イナーシャ同定部
6 トルク指令応答算出部
7 エンコーダ入出力部
8 モータ
9 エンコーダ
36 速度指令応答算出部
51 位置制御部
52 速度制御部
53 モータ部
54 積分

Claims (20)

  1. 位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
    位置指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とする負荷イナーシャ同定方法。
  2. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の負荷イナーシャ同定方法。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
  3. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の負荷イナーシャ同定方法。
  4. 速度制御部に所定周波数の正弦波の速度指令を与える速度指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
    速度指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とする負荷イナーシャ同定方法。
  5. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項4に記載の負荷イナーシャ同定方法。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(速度指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
  6. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記速度指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記速度指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の負荷イナーシャ同定方法。
  7. 位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、速度指令の応答周波数を算出する速度指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えた装置の負荷イナーシャ同定方法において、
    位置指令周波数と速度指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とする負荷イナーシャ同定方法。
  8. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項7に記載の負荷イナーシャ同定方法。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/速度指令応答周波数)−モータイナーシャ
  9. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記速度指令応答周波数を求め、前記速度指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の負荷イナーシャ同定方法。
  10. 前記仮設定イナーシャの初期値は、モータイナーシャ値からモータイナーシャ値の10倍の範囲で任意に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の負荷イナーシャ同定方法。
  11. 位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
    位置指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とするサーボモータ制御装置。
  12. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項11に記載のサーボモータ制御装置。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
  13. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項11に記載のサーボモータ制御装置。
  14. 速度制御部に所定周波数の正弦波の速度指令を与える速度指令発生部と、トルク指令の応答周波数を算出するトルク指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
    速度指令周波数とトルク指令応答周波数とを比較し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記速度指令周波数が前記トルク指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とするサーボモータ制御装置。
  15. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項14に記載のサーボモータ制御装置。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(速度指令周波数/トルク指令応答周波数)−モータイナーシャ
  16. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記速度指令を印加して、前記トルク指令応答周波数を求め、前記トルク指令応答周波数が前記速度指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項14に記載のサーボモータ制御装置。
  17. 位置制御部に所定周波数の正弦波の位置指令を与える位置指令発生部と、速度指令の応答周波数を算出する速度指令応答算出部と、負荷イナーシャの同定処理を行う負荷イナーシャ同定部とを備えたサーボモータ制御装置において、
    位置指令周波数と速度指令応答周波数とを比較し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも高い場合は、初期値として与えた仮設定イナーシャを補正して負荷イナーシャを算出し、前記位置指令周波数が前記速度指令応答周波数よりも低い場合は、前記仮設定イナーシャからモータイナーシャを差し引いた値或いはそれ以下を負荷イナーシャ値とすることを特徴とするサーボモータ制御装置。
  18. 前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出する手段は、下記の計算式に基づいて行うことを特徴とする請求項17に記載のサーボモータ制御装置。
    負荷イナーシャ=仮設定イナーシャ×(位置指令周波数/速度指令応答周波数)−モータイナーシャ
  19. 前記負荷イナーシャの算出は、前記仮設定イナーシャを補正して前記負荷イナーシャを算出した後、該算出した負荷イナーシャとモータイナーシャの和を仮設定イナーシャとし、再度、前記位置指令を印加して、前記速度指令応答周波数を求め、前記速度指令応答周波数が前記位置指令周波数と同等或いは高くなるまで前記負荷イナーシャの計算を繰り返すことを特徴とする請求項17に記載のサーボモータ制御装置。
  20. 前記仮設定イナーシャの初期値は、モータイナーシャ値からモータイナーシャ値の10倍の範囲で任意に設定可能であることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載のサーボモータ制御装置。
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