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JP2009035538A - 海苔を含む機能性食品 - Google Patents

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JP2009035538A JP2008176299A JP2008176299A JP2009035538A JP 2009035538 A JP2009035538 A JP 2009035538A JP 2008176299 A JP2008176299 A JP 2008176299A JP 2008176299 A JP2008176299 A JP 2008176299A JP 2009035538 A JP2009035538 A JP 2009035538A
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Hiroko Tomoyose
博子 友寄
Shoji Kondo
昌次 近藤
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TSUHO NORI KK
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Abstract

【課題】脂質の吸収を促進する食品を提供することを目的とする。
【解決手段】海苔を含むことにより、脂質の吸収を促進する効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、海苔又は海苔抽出物を含む脂質吸収促進剤、食品組成物、機能性食品若しくは特別用途食品キットに関する。
我が国では古くから、多くの海藻を食料資源や工業原料として利用してきた歴史があり、最近では、ワカメやコンブなどの海藻類の持つ機能性が注目されてきている。海藻類には、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、葉酸、食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄分、マグネシウムとミネラルが含まれており、その中でも、コンブに含まれるカリウム、マグネシウム、アルギン酸はともに血圧を下げる効果があると言われているだけでなく、中性脂肪吸収抑制効果及び抗肥満作用があることも報告されている(非特許文献1)。さらに、緑藻類であるイチイヅタ(Caulerpa taxifolia)には、膵リパーゼ活性阻害作用があることが報告されている(特許文献1)。
また、海苔の持つ栄養効果も注目されてきている。海苔には多くの食物繊維が含まれており、40%近くが食物繊維である。食物繊維には、コレステロールの代謝を正常化し、血中のコレステロールの上昇を防ぐ効果があることが知られている。さらに、海苔の細胞壁の主成分は、硫酸ガラクトース系多糖類であるポルフィランと称される水溶性食物繊維であり、自然免疫活性を向上させることが知られている(特許文献2)。また、海苔には、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンB12などのビタミン類も多く含まれている。さらに、エイコサペンタエン酸(EPA)も多く含まれており、海苔の脂肪酸の約50%がEPAである。EPAは血栓症の予防に効果や中性脂肪を減少させる効果があると言われている。さらにまた、海苔にはタウリンが1〜2%と高濃度で含まれており、海苔一枚当たり30〜36mg含有している。タウリンにはコレステロールを低下させ、動脈硬化症、血管障害による脳卒中、心筋梗塞などに効果があると言われている。また、カルシウムやヨードなどのミネラル、タンパク質、鉄分なども豊富に含んでいる(非特許文献2)。
さらに、油脂類を全体量の40重量%以上含有するようにすることで、海苔に含まれるβ‐カロテンの吸収率を向上させる技術(特許文献3)や、海苔を20μm以下の大きさに粉砕し粉末化することにより、海苔が本来持っている自然免疫活性及び抗酸化作用を増強する技術が開示されている(特許文献4)。
一方、腎臓病患者数は年々増加傾向にあり、新規透析患者は毎年3万人ずつ増えていると言われている。腎臓病では、血液の濾過作用がうまく行われず、水分やナトリウムが体内に溜まりやすい状態になり、尿中に出されるはずの老廃物が体内に増加してくる。その結果、窒素が血液中に増えて、尿毒症の原因となったり、ナトリウムが増えて高血圧になったりということが起こる(非特許文献3)。
そこで、食事療法は腎臓病において非常に重要となっている。食事療法では、適正な塩分、水分、タンパク質、エネルギー量を維持することが必要となる。特にタンパク質の制限が重要であり、摂取するタンパク質の量が多くなると腎臓にかなりの負担がかかってしまう。
成人男性は一日約2200kcal、成人女性は一日約1800kcalほどのエネルギー摂取を必要とするが、腎臓病患者はタンパク質の摂取制限によりタンパク質からエネルギーを得ることができず、エネルギー不足になりがちである。さらに、タンパク質の摂取制限は、タンパク質を主成分とする高カロリーな食品、例えば肉や魚或いは大豆等の摂取が困難となり、これらに付随する油脂についても摂取できず、この理由によってもエネルギー不足となる。エネルギー不足となった腎臓病患者は、身体中のタンパク質が分解される事により、腎臓にさらに負担をかける事で病状を悪化させることがわかっている。そこで、脂質と糖質から、特に脂質から効率よくエネルギーを摂取することが重要である。
また、吸収不良症候群患者や高齢者は、経口摂取した様々な栄養素、特に脂質の吸収が阻害され、障害の程度や持続時間によっては低栄養状態となることがある。
吸収不良症候群には、いろいろな病気が含まれるが、栄養素の吸収過程自体の異常に基づく原発性吸収不良症候群と、原因となる病気によって二次的に起こる続発性吸収不良症候群とに大別される。原発性吸収不良症候群にはスプルーや腸酵素欠乏症があり、続発性吸収不良症候群の原因としては、クローン病などの腸病変、アミロイドーシス、腸切除後、膵がんや胆道がんなどでの消化酵素分泌障害といった様々な病気が挙げられる(非特許文献4)。
吸収不良症候群患者や高齢者のための、食事療法や栄養療法を行い、栄養状態の改善を目指す方法があるが、摂取した栄養素の吸収を促進し、生体利用性を向上することが重要であると考えられている。
https://www.fujicco.co.jp/corp/press/pr_20060818_2.pdf http://www8.ocn.ne.jp/~isekan/newpage25.html http://www.gik.gr.jp/~skj/ht/ht-kidney.php3 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10G31800.html 特開平10−203974号公報 特開2004−339161号公報 特開2002−300865号公報 特開2003−319757号公報
腎臓病食はタンパク質が制限されているため、腎臓病患者は脂質からより多くのエネルギーを摂取する必要があり、吸収不良症候群患者や高齢者において摂取した脂質の吸収が低下している場合には摂取した脂質を効率よく吸収する必要がある。現在では中鎖脂肪酸を含む補助食品等も開発されているが、食事で摂取する脂質を効率よく吸収できる素材があれば食事とともに摂取するサプリメント等としても非常に有用である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ヒトをはじめとする哺乳動物の摂取した脂質の吸収を促進する技術を提供することを目的とする。
本発明に至る過程では、海藻成分の食品や医薬品への有効利用を目的として実験を行った。本発明者は、当初、肥満は種々の疾病を誘発しやすく、生活習慣病との関連も深いことから、海藻由来成分中に含まれる抗肥満作用を有する物質を検索した。そこで本発明者は、後述の実施例に示すように、ラットを用いて脂質負荷試験を行ったところ、予想に反し、海苔を投与した群でコントロール群に比べて血中トリグリセリド濃度が上昇するという結果が得られた。したがって、海苔を抗肥満作用物質として利用するのではなく、脂質の吸収を促進するという面から、脂質吸収促進剤として応用できると考え、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、海苔を含む、脂質吸収促進剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収を促進する。
さらに、本発明によれば、海苔抽出物を含む、脂質吸収促進剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔抽出物が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含有してなる、脂質吸収促進のための食品組成物が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含み、脂質の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収が促進される。
また、本発明によれば、海苔を含み、脂質吸収促進のための、特別用途食品キットが提供される。本発明は、海苔を含むため、腎臓病食や介護食等の特別用途食品として摂取される脂質の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含む、脂溶性機能成分吸収促進剤が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含有してなる、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための食品組成物が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔抽出物が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含み、脂溶性栄養機能成分の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品が提供される。本発明は、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本発明によれば、海苔を含む、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための、特別用途食品キットが提供される。本発明は、海苔を含むため、腎臓病食や介護食等の特別用途食品として摂取される脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
本発明によれば、後述の実施例に示すように、脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収が促進される。また、本発明によれば、後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収が促進される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<経緯>
本発明者は、当初、海藻成分の食品や医薬品への有効利用を目的として実験を行った。特に、肥満ならびに生活習慣病に対する様々な効果について実験動物を用いて検討してきた。肥満は種々の疾病を誘発しやすく、生活習慣病との関連も深いことから、抗肥満作用を示す食品素材の検索が広く行われている。例えば、イチイヅタには膵臓リパーゼ活性阻害作用があることや、コンブには中性脂肪吸収抑制効果及び抗肥満作用があることも報告されている。本発明者も、当初は、海藻由来成分中に含まれる抗肥満作用を有する物質の検索を行った。そこで、後述の実施例に示すように、脂質吸収に及ぼす海苔の影響について脂質負荷ラットを用いて試験したところ、予想に反し、海苔を投与した群でコントロール群に比べて血中トリグリセリド濃度が上昇するという結果が得られた。したがって、抗肥満作用物質として利用するのではなく、脂質の吸収を促進するという面から、脂質吸収促進剤として応用できると考えた。
<概要>
本実施形態は、海苔を含む、脂質吸収促進剤である。後述の実施例に示すように、海苔は脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収を促進する。
さらに、本実施形態は、海苔抽出物を含む、脂質吸収促進剤である。後述の実施例に示すように、海苔抽出物は脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質の吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含有してなる、脂質吸収促進のための食品組成物である。後述の実施例に示すように、海苔は脂質の吸収を促進するという機能を有するため、この食品組成物も脂質の吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含み、脂質の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品である。後述の実施例に示すように、海苔は脂質の吸収を促進するという機能を有するため、この機能性食品によっても脂質の吸収が促進される。
また、本実施形態は、海苔を含む、脂質吸収促進のための、特別用途食キットである。後述の実施例に示すように、海苔は脂質の吸収を促進するという機能を有するため、腎臓病食や介護食等の特別用途食品として用いても摂取される脂質の吸収を促進するという効果を奏する。
また、本実施形態は、海苔を含む、脂溶性機能成分吸収促進剤である。後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含有してなる、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための食品組成物である。後述の実施例に示すように、海苔抽出物が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含み、脂溶性栄養機能成分の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品である。後述の実施例に示すように、海苔が脂質の吸収を促進するという機能を有するため、脂質と共存する脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含む、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための、特別用途食品キットである。海苔を含むため、腎臓病食や介護食等の特別用途食品として摂取される脂溶性栄養機能成分の吸収を促進する。
<海苔>
海苔とは、紅藻類・藍藻類・緑藻類の食用とする海藻の総称である。海苔をさらに分類すると、板海苔や岩海苔と称される乾燥状態で赤黒い海藻類(アサクサノリなど原始紅藻亜綱ウシケノリ科アマノリ属の海藻)、佃煮やフリカケの原料となる青海苔と称される緑色の海藻類(緑藻類アオサ科アオサ属又はアオノリ属の海藻)、及びカワノリ、藍藻類のスイゼンジノリ等がある。
本発明において海苔とは、特に乾燥されたものをいう。乾燥された海苔には、乾海苔、焼き海苔、味付け海苔、バラ干海苔、丸干海苔等がある。乾海苔とは、海から上げた海苔を刻んで水洗いした後、水分を約10%程度まで乾燥したものをいうが、その製造プロセスは、摘採、異物除去、細断と洗浄、調合と抄製、脱水、乾燥、剥離の順で行われる。焼き海苔は、乾海苔をさらに加熱し、水分を4%程度まで減少させ焼き上げたものをいう。バラ干し海苔・丸干海苔は上記乾海苔の製造法のうち摘採、異物除去、洗浄、脱水、乾燥をしたものである。
乾海苔は、色が黒く、独特の磯の香りがある。また、焼き海苔は、乾海苔よりも風味が強く、歯切れがよい。ただし、色落ち海苔を用いて製造した乾海苔や焼き海苔は、通常の海苔の乾海苔や焼き海苔と色や香りが異なる場合があるが、後述の実施例に示されているように、脂質吸収促進作用を有している点では変わりはない。ここで、色落ち海苔とは、通常の海苔と比べ色が薄いものをいう。また、色落ち海苔は、含有する栄養成分が通常の海苔と比較して低下していることが報告されている(http://www.affrc.go.jp/seika/data_kinki/h16/11_tikusan/p435/index.html)。
<粉末>
粉末というのは、平均粒径100μm以下に粉砕されたものをいい、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下に粉砕されたものである。以下の実施例では、石臼方式製粉機を用いて粉末化を行った。粉末の原料としては乾海苔を用いてもよいが、好ましくは焼き海苔を使用する。焼き海苔を用いた場合、細胞壁が破壊されやすくなるため、破砕処理の生産性が高くなるという利点があるだけでなく、海苔の栄養素が溶出しやすくなり、栄養素の効率的な摂取や体内での吸収性の向上が図れることとなる。
一般に、海苔の細胞の大きさは20〜30μmであるため、100μm以下に粉砕することにより、一部の海苔細胞の細胞壁が破壊される。また、50μm以下に粉砕すれば、多くの海苔細胞の細胞壁が破壊される。さらに、20μm以下に粉砕すれば全ての細胞壁が破壊されることになる。これにより、海苔の細胞質や核質に含まれるビタミン類やEPA等の各種栄養分が、体内でより迅速、且つ容易に吸収されるようになり、免疫活性化作用、整腸作用、血圧降下作用、抗酸化作用、コレステロール低下作用等が増強される。
<油脂>
油脂とは、広義の油脂を意味し、脂質を主成分としたものをいう。例えば、ナタネ油(キャノーラ油)、サラダ油、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、こめ油、糠油、椿油、サフラワー油(ベニバナ油)、パーム油、パーム殻油、ヤシ油、綿実油、ひまわり油、荏油、からし油、カポック油、あまに油、ひまし油、桐油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、魚油、肝油、鮫油、ラード、ヘット(牛脂)、鶏油、シュマルツ、ショートニング、バター、マーガリン、カカオバター、硬化油等が含まれるが、好ましくはナタネ油である。ナタネ油は、含有脂肪酸の約60%がオレイン酸で、飽和脂肪酸は油脂類で最も少なく、骨粗鬆症を防ぐビタミンKを含むので、脂肪吸収促進効果だけでなく骨粗鬆症予防効果も期待できる。また、比較的酸化しにくいという利点もある。
<脂質>
脂質とは、脂肪酸や脂肪酸誘導体の総称であり、油脂を構成する主成分である。脂質は、化学構造の違いから単純脂質(中性脂肪等)、複合脂質(リン脂質等)、誘導脂質(コレステロール、脂肪酸等)に分けられる。また、ここでいう脂質には、脂肪酸を人工的に改質した脂質である構造脂質や、体脂肪の蓄積を低下させ肥満を防ぐ効果を有すると言われているジグリセリドも含まれる。一つの脂肪酸がグリセロールの有する3つのヒドロキシル基のうちの1つとエステル結合したものをモノグリセリド(モノアシルグリセロール)、2つの脂肪酸がエステル結合したものをジグリセリド(ジアシルグリセロール)、3つの脂肪酸がエステル結合したものをトリグリセリド(トリアシルグリセロール)といい、これらのグリセリドは中性脂肪に含まれる。
<脂肪酸>
脂肪酸とは、鎖状の一価のカルボン酸のことをいい、単純脂質や複合脂質から加水分解によって得ることができる。また、炭素原子間に二重結合や三重結合が無い脂肪酸を飽和脂肪酸 (パルミチン酸等が含まれる) といい、1個以上の二重結合若しくは三重結合を持つものを不飽和脂肪酸 (オレイン酸等が含まれる) という。また、脂肪酸の一つであるEPAやDHAは、魚油に多く含まれ、共役化したEPAやDHAはヒト培養ガン細胞に対して殺細胞作用を示すことが見出されている。また、共役リノール酸は、牛脂や乳中に多く含まれ、ガンの発生を抑制すると言われている脂肪酸である。
<脂質との混合>
海苔は脂質と混合されていてもよい。海苔と脂質を混合することで、脂質の吸収が促進されるだけでなく、海苔に含まれる脂溶性栄養機能成分の吸収も促進することができる。
<混合比>
脂質吸収を促進すれば、海苔の混入比は、脂質との合計重量を100重量部とした場合に、10重量部以上90重量部以下であってもよく、好ましくは20重量部位上60重量部以下であり、さらに好ましくは20重量部以上40重量部以下である。特に、流動状態を維持するためには、40重量部以下であることが望ましい。後述する実施例では、海苔粉末と油脂を3対7の割合(油脂との合計重量を100重量部とした場合に30重量部)で混合している。
<剤形>
本実施形態の脂肪吸収促進剤の剤形は、散剤、丸剤、錠剤、カプセル剤、内用液剤、エキス剤、坐剤、注射剤であってもよい。好ましくは、この剤形は散剤、錠剤、カプセル剤であって、さらに好ましくは、カプセル剤である。カプセル剤には、硬カプセル剤と軟カプセル剤があり、携帯が容易で飲みやすいという特徴がある。散剤の具体例としては、散剤、顆粒剤、細粒剤等がある。錠剤の具体例としては、錠剤、裸錠、糖衣錠等がある。
<食品形態>
本実施形態の食品の形態は、特に限定されないが、例えば、スティック状やビスケット状等の形状にした菓子類、流動食に混入したもの、甘味料等を加えドリンク剤としたもの、療養食、介護食等の特別用途食品に混入したもの等であってもよい。好ましくは、療養食や介護食である。
<療養食>
本実施形態の療養食は、特に限定はされないが、患者が罹っている病に応じて栄養量を調節して、病気の進行を防いだり、改善を目指すための食事であって、腎臓病患者や吸収不良症候群患者等の脂質の吸収を促進されることが求められている患者のための療養食であってもよい。この療養食の具体例としては、一般的な療養食に海苔が添加されたものであったり、主食もしくは副食に海苔が添加されているもの等が挙げられる。
<介護食>
本実施形態の介護食は、特に限定はされないが、摂食・嚥下機能が低下した人に対応できるように食べやすく加工した食事であって、通常の形態では食物を摂取することができない人や摂取した食物から十分に栄養を吸収することができない高齢者等のために、摂取・嚥下しやすく加工され、栄養吸収を促進させることを目指すための食事であってもよい。この介護食の具体例としては、一般的な介護食に海苔が添加されたものであったり、主食もしくは副食に海苔が添加されたものであって、通常のものよりも含有する水分量を増加し、軟らかく加工したもの、海苔成分によりまとまりがよくなったもの等が挙げられる。
<作用効果>
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、海藻成分の食品や医薬品への有効利用を目的として実験を行った。特に、肥満は種々の疾病を誘発しやすく、生活習慣病との関連も深いことから、当初は、海藻由来成分中に含まれる抗肥満作用を有する物質を検索した。例えば、イチイヅタには膵臓リパーゼ活性阻害作用があることやコンブには中性脂肪吸収抑制効果及び抗肥満作用があることも報告されており、従来、海藻類の中には脂質の吸収を阻害するものが多いと考えられていた。そこで、後述の実施例に示すように、ラットを用いて脂質負荷試験を行ったところ、予想に反し、海苔を投与した群でコントロール群に比べて血中トリグリセリド濃度が上昇するという結果が得られた。したがって、抗肥満作用物質として利用するのではなく、脂質の吸収を促進するという面から、脂質吸収促進剤として応用できると考えた。すなわち、本実施形態の海苔を含む、脂質吸収促進剤は、海苔が脂肪の吸収を促進するという機能を有するため、後述する実施例の実験データに示されるように、脂質の吸収が促進するという効果が得られる。
さらに、本実施形態は、粉末化された海苔を含む脂質吸収促進剤であってもよい。この場合には、海苔が粉末化されているため、海苔の細胞質や核質に含まれるビタミン類やEPA等の各種栄養分が、体内でより迅速、且つ容易に吸収されるようになり、免疫活性化作用、整腸作用、血圧降下作用、抗酸化作用、コレステロール低下作用等が増強されるという効果を奏する。
また、本実施形態は、脂質をさらに含む脂質吸収促進剤であってもよい。この場合には、脂質を含むため、本実施形態の脂質吸収促進剤のみを摂取した場合にも脂質から栄養を吸収できるだけでなく、海苔に含まれる脂溶性栄養機能成分の吸収も促進するという効果を奏する。
また、本実施形態は、海苔の混入量が油脂との合計重量の20重量部以上40重量部以下の割合で混合されている脂質吸収促進剤であってもよい。この場合には、後述の実施例に示されているように、脂質の吸収が促進される。
また、本実施形態は、ナタネ油由来の脂質を含む脂質吸収促進剤であってもよい。この場合、ナタネ油は、含有脂肪酸の約60%がオレイン酸で、飽和脂肪酸は油脂類で最も少なく、骨粗鬆症を防ぐビタミンKを含むので、脂肪吸収促進効果だけでなく骨粗鬆症予防効果も期待できる。また、酸化しにくいという利点もある。
また、本実施形態は、焼き海苔を含む脂質吸収促進剤であってもよい。この場合、焼き海苔は、細胞壁が破壊されやすいので、破砕処理の生産性が高くなるという利点があるだけでなく、海苔の栄養素が溶出しやすくなり、海苔の細胞質や核質に含まれるビタミン類やEPA等の各種栄養分が体内でより迅速、且つ容易に吸収されるようになり、免疫活性化作用、整腸作用、血圧降下作用、抗酸化作用、コレステロール低下作用等が増強されるという効果を奏する。
また、本実施形態は、海苔抽出物を含む脂質吸収促進剤であってもよい。この場合、海苔全体でなく海苔抽出物のみを使用した場合にも脂質吸収促進作用があるという利点がある。また、ここでいう海苔抽出物とは、海苔の成分を抽出したものをいい、好ましくは熱水抽出により得られるものであり、さらに好ましくは熱水抽出物の上清を60%以上90%以下のエタノールで沈澱させた沈殿物である。後述の実施例には、海苔熱水抽出物の上清の75%エタノール沈澱画分が脂質吸収促進作用を有することが示されている。
また、本実施形態は、海苔を含み、カプセル剤に加工されている脂質吸収促進剤であってもよい。この場合には、カプセル剤に加工されているため、携帯しやすく、飲みやすいという利点がある。
また、本実施形態は、海苔を含有してなる、脂質吸収促進のための食品組成物であってもよい。この場合には、海苔が脂肪の吸収を促進するという機能を有するため、後述する実施例の実験データに示されるように、脂質吸収を促進する。
また、本実施形態は、海苔を含み、脂質の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品であってもよい。この場合には、海苔が脂肪の吸収を促進するという機能を有するため、後述する実施例の実験データに示されるように、脂質の吸収が促進される。
また、本実施形態は、海苔を含み、脂質の吸収が促進される、腎臓病食キットである。海苔が脂肪の吸収を促進するという機能を有するため、後述する実施例の実験データに示されるように、腎臓病食として摂取される脂質の吸収を促進するという効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 脂質負荷ラットにおける海苔の影響
1.試験方法
(1)試験試料
ナチュラルパウダー(茶谷産業(株))を用いて粉末化した焼海苔とナタネ油を3対7の割合で混合し(油脂との合計重量を100重量部とした場合に30重量部)、加熱・加圧処理し、殺菌したものを被験物質として用いた。また、脂質エマルジョンは、ナタネ油3ml、胆汁酸100mg、純水3mlを超音波処理することにより調製した。
(2)実験動物
10〜12週齢のKud: Wistar系雄性ラットを九動(株)より購入し、室温23℃、12時間のライトサイクルで飼育した。予備飼育は一週間行い、その間固形飼育用飼料CE−2(日本クレア(株))を自由摂取させ、自由飲水とした。
(3)動物の処理
11〜13週齢のKud: Wistar系雄性ラットを一晩絶食し、体重に有意差が出ないようにコントロール群と被験物群に分け、被験物群には被験物質を、コントロール群には脂質エマルジョン1ml及び純水2ml/350g体重を添加したものを、それぞれ各群脂質摂取量に差が出ないように調整して非麻酔下で経口投与した。投与前を0分として投与後30、60、120、180、240、300分に非麻酔下で尾静脈より採血した。
(4) 血中脂質濃度の測定
採取した血液を3000rpmで遠心分離した後、血清を分画した。血清中のトリグリセリド(TG)濃度はトリグリセライド-E-テストワコー(和光純薬工業(株))を用いて測定した。
(5)統計処理
有意差検定を行う前にBartlettの等分散検定によりデータの等分散性を確認し、非等分散であったものに関しては常用対数又は平方根をとって等分散性を保った上で有意差検定を行った。有意差検定は、Student's t-testにより行った。また、P<0.01をもって有意差ありと判定した。
2.結果
血中トリグリセリド濃度に対する作用
結果を図1に示した。投与60分後、コントロール群に比較して被験物群の血中トリグリセリド濃度が有意に高い値を示し、その後も高い傾向を示した。
3.考察
今回の試験結果から、焼き海苔粉末には共存する脂質の吸収を促進する作用があることが示された。特に、摂取60分後から血中トリグリセリド濃度の上昇が見られ、吸収効率を上昇させるだけでなく吸収スピードを早める作用も示唆される。上記の結果から、焼き海苔粉末を含む脂肪吸収促進剤は、食事で摂取する脂質の利用効率を高めるために非常に有用であることが示され、腎臓病患者や吸収不良症候群患者の病状改善に役立つと考えられる。
実施例2 海藻抽出物の脂質吸収に及ぼす影響
1.試験方法
(1)試料
被験物質として、トサカノリ、クロメ及び海苔を熱水で抽出して冷却し、さらに12時間抽出し、それぞれの上清をトサカノリの熱水抽出物上清(TE)、クロメの熱水抽出物上清(KE)、海苔の熱水抽出物上清(NE)として用いた。海苔については、得られた熱水抽出物の上清に75%エタノールを添加し、沈澱画分と非沈澱画分に分け、それぞれ海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分(NP)、及び海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール非沈澱画分(NS)として用いた。
(2)膵臓リパーゼ活性に及ぼす海藻抽出物の影響
トリオレイン80mg、レシチン10mg、胆汁酸5mgを9mlの0.1Mトリス緩衝液(pH7.0)中で10分間超音波処理を行うことで均一な懸濁液とし、この懸濁液を基質液とした。実験操作としては、基質液0.1mlに膵臓リパーゼ液0.05ml(最終濃度1μg/ml)及び被験物質を0.1ml加え、37℃、30分間反応させ、遊離した脂肪酸を銅試薬法で定量した。被験物質を添加していないときの吸光度を100%として、被験物質を添加したときの効果を測定した。なお、添加する被験物質最終濃度は、それぞれ2又は4mg/mlとした。
(3)膵臓リパーゼ活性に及ぼす海苔抽出物添加量の影響
海苔の熱水抽出物(NE)、海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分(NP)、及び海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール非沈澱画分(NS)について、膵臓リパーゼ活性に対する海苔の添加量の及ぼす影響を調べた。トリオレイン80mg、レシチン10mg、胆汁酸5mgを9mlの0.1Mトリス緩衝液(pH7.0)中で10分間超音波処理を行うことで均一な懸濁液とし、この懸濁液を基質液とし、実験操作としては、基質液0.1mlに膵臓リパーゼ液0.05ml(最終濃度1μg/ml)及び海苔抽出物を0.2、1、2又は4mg/ml添加し、37℃、30分間反応させ、遊離した脂肪酸を銅試薬法で定量した。海苔を添加していないときの吸光度を100%として、添加量による影響を測定した。
(4)脂質負荷ラットにおける海藻抽出物の影響
(i)実験動物
16〜22週齢のKud: Wistar系雄性ラットを九動(株)より購入し、室温23℃、12時間のライトサイクルで飼育した。予備飼育は一週間行い、その間固形飼育用飼料CE−2(日本クレア(株))を自由摂取させ、自由飲水とした。
(ii)動物の処理
17〜23週齢のKud: Wistar系雄性ラットを一晩絶食し、体重に有意差が出ないように被験物群とコントロール群に分け、被験物群には上記(2)の膵臓リパーゼ活性に及ぼす海藻由来成分の影響を調べる実験において有意にリパーゼ活性を阻害した海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分(NP)を脂質エマルジョンに添加したものを、コントロール群には脂質エマルジョン1ml及び純水4ml/350g体重を添加したものを、それぞれ各群脂質摂取量に差が出ないように調整して非麻酔下で経口投与した。投与前を0分として投与後30、60、120、180分に非麻酔下で尾静脈より採血した。
(iii) 血中脂質濃度の測定
採取した血液を3000rpmで遠心分離した後、血清を分画した。血清中のトリグリセリド濃度はトリグリセライド-E-テストワコー(和光純薬工業(株))を用いて測定した。
(5)統計処理
有意差検定を行う前にBartlettの等分散検定によりデータの等分散性を確認し、非等分散であったものに関しては常用対数又は平方根をとって等分散性を保った上で有意差検定を行った。有意差検定は、Student's t-testにより行った。また、P<0.001をもって有意差ありと判定した。
2.結果
海藻抽出物の膵臓リパーゼ活性を比較した結果、トサカノリやクロメよりも海苔が最も強く膵臓リパーゼ活性を抑制した(図2)。その中でも、海苔熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分が強く膵臓リパーゼ活性抑制する結果となった(図3)。次にこの画分の脂質の腸管吸収へ及ぼす影響を検討したところ、脂質投与後の血中トリグリセリド濃度は30分後においてコントロール群より有意に高い値を示した(図4)。また、本実施例において示された海苔の作用効果は、色落ち海苔を用いた場合でも同様に観察された。
3.考察
一般に、リパーゼ活性が抑制された場合、消化管内で脂質がモノグリセリド、脂肪酸又はグリセロールへと分解されるのが抑制され、小腸上皮細胞における脂質の吸収は低下すると考えられている。今回、膵臓リパーゼ活性に及ぼす海藻抽出物の影響を調べた試験において、海苔抽出物がリパーゼ活性を抑制するという結果が得られた。緑藻類であるイチイヅタもリパーゼ活性抑制作用を有すること(特許文献1)や、コンブに抗肥満作用があること(非特許文献1)からも、リパーゼ活性抑制作用は海藻類全般に見られる作用であると予測される。
しかしながら、脂質負荷ラットにおける海藻抽出物の影響を調べた試験において、海苔熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分には、血中トリグリセリド濃度の上昇を促進する作用、つまり脂質の吸収を促進する作用があることが見出された。この結果は、過去の文献や当業者には予測できない効果であると考える。
また、本実施例で示したように、海苔熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分は、実施例1と同様に脂質吸収促進作用を有していたことから、脂質吸収促進作用は、上記抽出法により抽出され得る成分による作用である可能性が示唆される。
一般に、熱水抽出及び75%エタノール沈澱により精製される画分には、多糖類やタンパク質が含まれると考えられる。多糖類には、界面に吸着し界面エネルギーを低下させるという点で少なからず界面活性剤としての作用があるといえる。したがって、多糖類の界面活性剤としての作用が、消化管内での脂質のミセル化に寄与し、小腸上皮細胞での脂質の吸収を促進した可能性も考えられるが、この点についてはさらなる研究が必要である。
今回の試験結果から、海苔熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分は、食事で摂取する脂質の吸収を促進するために非常に有用であることが示された。また、一般に、色落ち海苔の栄養成分は、乾海苔と比較して、水分、Caが多く、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、リンが少ないことが報告されているが、色落ち海苔を用いた場合でも脂質吸収促進作用が得られることが示された。以上より、海苔熱水抽出物が腎臓病患者、吸収不良症候群患者及び高齢者等の脂質の吸収の促進に役立つと考えられる。
実施例3 脂溶性ビタミン添加脂質負荷ラットにおける海苔の影響
1.試験方法
(1)試験試料
ナチュラルパウダー(茶谷産業(株))を用いて粉末化した焼海苔とナタネ油を3対7の割合で混合し(油脂との合計重量を100重量部とした場合に30重量部)、加熱・加圧処理し、殺菌したものを被験物質として用いた。また、脂質エマルジョンは、ナタネ油3ml、胆汁酸100mg、純水3mlにビタミンEを添加して超音波処理することにより調製した。
(2)実験動物
8週齢のKud: Wistar系雄性ラットを九動(株)より購入し、室温23℃、12時間のライトサイクルで飼育した。予備飼育は一週間行い、その間固形飼育用飼料CE−2(日本クレア(株))を自由摂取させ、自由飲水とした。
(3)動物の処理
9週齢のKud: Wistar系雄性ラットを一晩絶食し、体重に有意差が出ないようにコントロール群と被験物群に分け、被験物群には被験物質を、コントロール群には脂質エマルジョン1ml及び純水2ml/350g体重を添加したものを、それぞれ各群脂質摂取量に差が出ないように調整して非麻酔下で経口投与した。投与前を0分として投与後1時間後に非麻酔下で尾静脈より採血した。
(4)血中ビタミンE濃度の測定
採取した血液を3000rpmで遠心分離した後、血清を分画した。血清中のビタミンE濃度は、Burtonらの方法により抽出し、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
(5)統計処理
有意差検定は、Welch's t-testにより行った。また、p<0.05をもって有意差ありと判定した。
2.結果
結果を図に示した。値は投与60分後の値から投与前の値を減じて輸送量として示した。その結果、コントロール群に比較して被験物群の血中ビタミンE濃度が有意に高い値を示した(図5)。
3.考察
今回の試験結果から、焼海苔粉末には、共存するビタミンEの吸収を促進する作用があることが示された。今回の試験結果は、他の脂溶性栄養機能成分についても同様に、海苔粉末と共に摂取することにより、その吸収が促進されることを示すものである。
一般に、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ユビキノン等の脂溶性栄養機能成分は、ヒトの健康維持や生活習慣病予防に深く関与している。そのような栄養機能成分の機能発現には生体利用性が重要な因子となっているが、それら脂溶性栄養機能成分の消化吸収性は他の栄養成分に比べ著しく低く、生体利用効率が低いことが知られている。
脂溶性栄養機能成分の消化・吸収は、食品からの遊離、消化管内での分散、混合ミセルへの可溶化までの消化過程と、小腸上皮細胞への取り込みとリンパ液への移行までの腸管吸収過程からなる複雑なプロセスである。上記の過程において、脂質を摂取することで脂溶性栄養機能成分の吸収が高まることが知られている。上記実施例により、海苔は脂質の消化吸収率を高めることにより脂溶性栄養機能成分の消化吸収を補助することが示されたので、脂溶性栄養機能成分の吸収を補助するような食品等として利用できる。
特に、海苔に含まれるビタミンE等の脂溶性栄養機能成分が効率よく吸収されるだけでなく、海苔に脂溶性栄養機能成分を添加することで、所望の脂溶性栄養機能成分の吸収を促進できる可能性が示された。
ここで、脂溶性栄養機能成分とは、脂溶性であって、動物の機能維持等に影響を及ぼす生理活性を有するものをいい、例えば、脂溶性ビタミン、脂溶性抗酸化性色素等が含まれる。脂溶性ビタミンとは、広義の脂溶性ビタミンを意味し、水に溶けにくく油(脂)に溶けやすいビタミンの総称であって、ビタミンA(β−カロテン等プロビタミンAを含む)、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンQ(コエンザイムQ10)、ビタミンF(必須脂肪酸)、ビタミンP(ケルセチン、ヘスペリジン、ルチン)等が含まれる。脂溶性抗酸化性色素とは、広義の脂溶性抗酸化性色素を意味し、水に溶けにくく油(脂)に溶けやすい抗酸化作用を有するものをいい、例えば、カロテン類(α−カロテン、β−カロテン、リコペン等)、キサントフィル類(ルテイン、ゼアキサンチン等)、ポリフェノール類(アントシアニンやカテキン等のフラボノイド類やクルクミン等)等が含まれる。また、脂溶性ビタミンや脂溶性抗酸化性色素に属さない脂溶性栄養機能成分として、α−リポ酸、オリザノール類、リグナン類(セサミン等)等も脂溶性栄養機能成分に含まれる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1における、ラット血清中トリグリセリド濃度を示すものである。各群の間に有意差がある場合、*を用いて表示した。 実施例2における、海藻成分の膵臓リパーゼ活性の値を示すものである。 実施例2における、海苔の膵臓リパーゼ活性の値を示すものである。NEは海苔の熱水抽出物を添加した群膵臓リパーゼ活性の値を示している。NPは海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分を添加した群膵臓リパーゼ活性の値を示している。NSは海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール非沈澱画分を添加した群の膵臓リパーゼ活性の値を示している。 実施例2における、ラット血清中トリグリセリド濃度を示すものである。コントロールは、コントロール群の血中トリグリセリド濃度を示している。NPは、海苔の熱水抽出物上清の75%エタノール沈澱画分を投与した群の血中トリグリセリド濃度を示すものである。各群の間に有意差がある場合、*を用いて表示した。 実施例3における、ラット血清中ビタミンE濃度を示すものである。コントロールは、コントロール群の血中ビタミンE濃度を示している。被験物群は、焼海苔粉末を投与した群の血中ビタミンE濃度を示している。*は、各群の間に有意差があることを示している。

Claims (16)

  1. 海苔を含む、脂質吸収促進剤。
  2. 前記海苔が粉末化されている、請求項1に記載の脂質吸収促進剤
  3. 脂質をさらに含む、請求項1に記載の脂質吸収促進剤。
  4. 前記海苔と前記脂質の合計重量を100重量部とした場合に、前記海苔の重量が20重量部以上40重量部以下の割合で混合されている、請求項3に記載の脂質吸収促進剤。
  5. 前記脂質がナタネ油由来である、請求項3に記載の脂質吸収促進剤。
  6. 前記海苔が焼き海苔である、請求項1に記載の脂質吸収促進剤。
  7. カプセル剤に加工されている、請求項1に記載の脂質吸収促進剤。
  8. 脂溶性栄養機能成分をさらに含む、請求項1に記載の脂質吸収促進剤。
  9. 海苔抽出物を含む、脂質吸収促進剤。
  10. 海苔を含有してなる、脂質吸収促進のための食品組成物。
  11. 海苔を含み、脂質の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品。
  12. 海苔を含む、脂質吸収促進のための、特別用途食品キット。
  13. 海苔を含む、脂溶性機能成分吸収促進剤。
  14. 海苔を含有してなる、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための食品組成物。
  15. 海苔を含み、脂溶性栄養機能成分の吸収が促進される旨を表示してなる、機能性食品。
  16. 海苔を含む、脂溶性栄養機能成分吸収促進のための、特別用途食品キット。
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JP2018080128A (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 株式会社ファンケル Il−1レセプターアンタゴニスト(il−1ra)産生促進組成物

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