JP2009032869A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高周波特性を改善可能なHBTを提供する。
【解決手段】 実施形態に係るグレーデッド層1Gとバラスト抵抗1Rとの間の界面近傍のエネルギー準位Ecは、スムーズに連続している。これは、当該界面近傍におけるn型不純物濃度CIONを増加させたため、イオン化したドナー(正の電荷を有する)が界面近傍に存在しているためである。すなわち、ドナーのイオンは、この界面近傍においてポテンシャルの負方向に突出したスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERを相殺している。したがって、室温におけるHBTの抵抗値は低くなり、高周波特性が改善する。
【選択図】 図2
【解決手段】 実施形態に係るグレーデッド層1Gとバラスト抵抗1Rとの間の界面近傍のエネルギー準位Ecは、スムーズに連続している。これは、当該界面近傍におけるn型不純物濃度CIONを増加させたため、イオン化したドナー(正の電荷を有する)が界面近傍に存在しているためである。すなわち、ドナーのイオンは、この界面近傍においてポテンシャルの負方向に突出したスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERを相殺している。したがって、室温におけるHBTの抵抗値は低くなり、高周波特性が改善する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)に関する。
高速通信用のトランジスタとして、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)が注目されている。このような高速通信は、特に携帯情報端末において要望されている。HBTでは、エネルギーバンドギャップの異なる材料からなるエミッタ層とベース層がヘテロ接合している。化合物半導体を用いたHBTでは、例えば、エミッタ層をAlGaAs、ベース層をGaAs、コレクタ層をGaAsとしている。
なお、AlGaAsは、GaAsとAlAsの混晶半導体であって、GaAsのエネルギーバンドギャップは1.4eV、AlAsのエネルギーバンドギャップは2.2eVであるから、AlGaAsにおけるAlの組成比を増加させると、そのエネルギーバンドギャップは徐々に広くなる。
このようなHBTにおいては、ベース層とエミッタ層との間には正孔に対するエネルギー障壁が構成されている。したがって、通常、HBTは、かかるエネルギー障壁によってトランジスタのエミッタ注入効率が高くなることが知られており、エミッタ注入効率が高い場合には、トランジスタの抵抗値を低く設定することが可能であるため、HBTでは高速動作が可能である。
ところが、HBTに大きな電流が流れると、電子・半導体結晶格子間相互作用等によって発熱が生じる。この熱励起によって自由電子が発生するため、トランジスタに更に大きな電流が流れるようになる。すなわち、HBTに大きな電流が流れると、電流量の増加を促進する正帰還作用が生じ、この電流量がHBTの許容値以上になると、HBTが熱暴走し、破壊する場合がある。これはHBTの熱暴走問題として知られている。
従来、HBTの熱暴走を抑制するため、エミッタ層に対して直列にバラスト抵抗を接続する技術が知られている。バラスト抵抗の接続には2つの方法が知られている。1つの方法は、エミッタ電極に外部バラスト抵抗を直列に接続して電流量を制限する方法である。もう1つの方法は、HBT用の半導体薄膜を作製する際、エミッタ電極とエミッタ層との間に、薄膜抵抗層からなるバラスト抵抗層を挿入して電流量を制限する方法である(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1は、後者の方法を採用しており、エミッタ層としてAlXGa1−XAs、バラスト抵抗層を構成する抵抗層としてAlYGa1−YAs層を用いた例を開示している。エミッタ層のAlの組成比Xは0.3であり、バラスト抵抗層のAlの組成比Yは0.35である。すなわち、バラスト抵抗層のAl組成比Yは、エミッタ層のAl組成比Xよりも高く、そのエネルギーバンドギャップがエミッタ層のエネルギーバンドギャップよりも相対的に大きく設定されており、電子に対するエネルギー障壁として機能とする。
特許文献1の方法では、バラスト抵抗層を構成する抵抗層を、ヘテロ接合によるエネルギー障壁によって構成している。すなわち、何らかのエネルギー障壁が電気伝導を阻害する場合には、抵抗値は高くなるという現象を利用しているが、特許文献1では、更に、バラスト抵抗層の温度依存性を大きく設定している。すなわち、バラスト抵抗層を伝導する電子の有効質量が、高温になるほど増加するように設定することで、高温における抵抗値を大きくし、バラスト抵抗層本来の熱暴走抑制機能を発揮させている。
電子の有効質量は、伝導帯の下端のエネルギー準位Eと波数k(∝1/キャリアの波長)の関係を示すE−k図におけるグラフの曲率が小さいほど、重たくなることが知られている。すなわち、高温の場合には、グラフ上の曲率の小さな位置で電気伝導が行われればよい。一般に、E−k図におけるL点、Γ点、X点の近傍では、エネルギー準位Eは、それぞれL谷、Γ谷、X谷を構成しており、X谷、L谷の曲率は、Γ谷の曲率よりも小さい。すなわち、高温時において、X谷やL谷において室温よりも多くの電子が存在すれば、抵抗が高くなる。Γ谷よりも高エネルギー側に、X谷、L谷が位置している場合、高温では電子は熱エネルギーを受け取って、X谷、L谷において室温よりも多く存在することになる。
バラスト抵抗層として、AlYGa1−YAsを用いる場合、Alの組成比Yが0.45以下の場合には、Γ谷、L谷、X谷の順番に、エネルギーバンドギャップEgが大きくなり、Yが0.45に近づくほど、各谷のエネルギー準位Eの間隔が狭くなる。すなわち、バラスト抵抗において、Alの組成比Yを0から0.45に近づけることにより、高温時において曲率の小さいX谷、L谷において電子を数多く存在させることができ、したがって、電子の有効質量を増加させ、熱暴走を有効に抑制することができる。
なお、特許文献1に開示されたHBTにおいては、バラスト抵抗層とエミッタ電極側のGaAsコンタクト層との間にはグレーデッド層が介在している。グレーデッド層はAlSGa1−SAs層からなり、Alの組成比Sが厚み方向に沿って徐々に変化している。グレーデッド層におけるAlの組成比Sは、グレーデッド層とコンタクト層との界面においてS=0に設定され、グレーデッド層とバラスト抵抗層との界面においてS=Yに設定されている。グレーデッド層は組成の急峻な変化に伴う格子不整合を抑制している。グレーデッド層におけるn型不純物濃度は一定である。
特許文献2は、エミッタ材料としてAlGaAsに加えてInGaPを用いたHBTを開示している。InGaP/GaAsヘテロ接合の正孔に対する障壁は、AlGaAs/GaAsヘテロ接合の正孔に対する障壁よりも一般的に大きく、高品質のものを製造することも可能であるので、エミッタ注入効率が高く、これに伴う高速化や低消費電力化が期待されている。
また、ヘテロ接合の解析には、実際にデバイスを製造して評価する他、シミュレーションによって理論的な知見を与えることも有効である。
特許文献3は、ヘテロ接合界面近傍におけるキャリア電流密度をシミュレーションする手法について開示している。このようなシミュレーションにより、デバイスの構造解析や設計を簡便且つ精密に行うことができるようになった。
特許第3316471号公報
特開2000−260784号公報
特開2006−302964号公報
しかしながら、高温においてバラスト抵抗の抵抗値が増大するのは好ましいが、通常動作を行う室温におけるHBTの抵抗値は依然として高く、高周波特性が改善できないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高周波特性を改善可能なHBTを提供することを目的とする。
本発明者らが、HBTについて鋭意検討した結果、グレーデッド層とバラスト抵抗層との界面において、スパイク状のポテンシャル障壁が発生していることを発見した。かかるポテンシャル障壁は、キャリアの流れを阻害するため、HBTの抵抗値が大きくなり、高周波特性が劣化する。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、上述のHBTのポテンシャルスパイクを不純物添加によって除去することで、室温におけるHBTの抵抗値を低下させる。
上述の課題を解決するため、本発明に係るHBTは、電子親和力が連続的且つ単調に変化するグレーデッド層を有し、グレーデッド層の端面に垂直な方向をz軸とし、グレーデッド層の両端面のz座標をそれぞれz1、z2(但しz1<z2)、z座標の値がzである点における電子親和力とn型不純物濃度をそれぞれχ(z)、ND(z)とした時、グレーデッド層の両端面において電子親和力χ(z)と電子親和力変化率dχ(z)/dzがz方向に連続であり、且つ、グレーデッド層において、χ(zA)>χ(zB)の場合(但しz1≦zA≦z2、z1≦zB≦z2)、ND(zA)≦ND(zB)であることを特徴とする。
なお、不純物がp型である場合、z座標の値がzである点のp型不純物濃度をNA(z)とすると、グレーデッド層において、χ(zA)>χ(zB)の場合(但しz1≦zA≦z2、z1≦zB≦z2)、NA(zA)≧NA(zB)である。
このHBTによれば、スパイク状ポテンシャル障壁が生じる電子親和力がより小さい側のグレーデッド層端面付近において、イオン化したn型不純物濃度が高くなり、このイオン化した原子の電荷によってスパイク状ポテンシャル障壁が低下する。すなわち、スパイクの先端に向かうポテンシャルの向きと、イオン化した原子のポテンシャルの向きは逆向きである。また、グレーデッド層の組成変化が直線的である場合よりも、グレーデッド層の組成変化、すなわち電子親和力変化が曲線的に連続している方が、イオン化した原子の電荷が形成する静電ポテンシャルと電子親和力変化によって生じるポテンシャルの打ち消し合いの度合いが大きくなるため、スパイク状ポテンシャル障壁の低下が大きい。電子親和力変化が曲線的に連続している場合には、電子親和力χ(z)及び電子親和力変化率dχ(z)/dzがグレーデッド層の両端面においてz方向に連続となる。
不純物がp型の場合、電荷の符号のみがn型とは逆であるため、ポテンシャル変化がn型の場合とは逆となるが、ポテンシャル障壁の発生態様は同様であり、上述のように設定することで、上記と同様にポテンシャルの打ち消しあいを行い、スパイク状ポテンシャル障壁を低下させることができる。
また、グレーデッド層の両端面における電子親和力をそれぞれχ1、χ2、グレーデッド層の平均誘電率をε、z2−z1をd、χ1−χ2の絶対値をΔχ、電気素量をqとした場合、不純物がn型である場合、グレーデッド層内のn型不純物濃度は、χ1>χ2の場合は、少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であり、グレーデッド層内のn型不純物濃度は、χ1<χ2の場合は、少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であることが好ましい。
なお、不純物がp型である場合、グレーデッド層内のp型不純物濃度は、χ1>χ2の場合は、少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であり、グレーデッド層内のp型不純物濃度は、χ1<χ2の場合は、少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であることが好ましい。
この場合には、イオン化したn型不純物(又はp型不純物)によるポテンシャルによって、電子親和力の差によるポテンシャルスパイクを十分に相殺することが可能となる。
(z1+z2)/2=z3とする。グレーデッド層のz座標の値がzである点における電子親和力χは、z1≦z≦z3の場合は、χ=2(z−z1)2(χ2−χ1)/(z2−z1)2+χ1を満たし、z3≦z≦z2の場合は、χ=−2(z−z2)2(χ2−χ1)/(z2−z1)2+χ2を満たすことが好ましい。この場合、極性の逆な放物線を連続させた関数となり、厚み方向に沿って滑らかに電子親和力を変化させ、界面位置において隣接する層の電子親和力及びその変化率を連続させることができる。
また、グレーデッド層及び電子親和力が一定であるバラスト抵抗層を、エミッタ電極とエミッタ層の間に有することが好ましい。この場合、バラスト抵抗層の抵抗値が高温時には増加すると共に、グレーデッド層が隣接層間の格子不整合を吸収するので、高温時の熱暴走を抑制し、格子不整合に伴う高抵抗化を抑制することができる。
また、バラスト抵抗層はAlYGa1−YAsからなり、Al組成比Yは一定値であり、グレーデッド層はAlSGa1−SAsからなり、Al組成比Sは、バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化し、グレーデッド層端面においてSの変化率が0であることが好ましい。この場合には、グレーデッド層とバラスト抵抗層の組成比は界面において連続し、ポテンシャルスパイクの発生が抑制されることになる。
また、バラスト抵抗層中のAl組成比Yは、0<Y≦0.45を満たすことが好ましい。バラスト抵抗層として、AlYGa1−YAsを用いる場合、Alの組成比Yが0.45以下の場合には、Γ谷、L谷、X谷の順番に、エネルギーバンドギャップEgが大きくなり、Yが0.45に近づくほど、各谷のエネルギー準位Eの間隔が狭くなる。すなわち、バラスト抵抗において、Alの組成比Yを0から0.45に近づけることにより、高温時において曲率の小さなX谷、L谷において電子を数多く存在させることができ、したがって、電子の有効質量を増加させ、熱暴走を有効に抑制することができる。
また、本発明に係るHBTは、エミッタ層とエミッタ電極の間に、温度上昇に伴ってΓ谷からX谷及びL谷に励起する電子数が増加するバラスト抵抗層と、組成の変化するグレーデッド層を順次積層した層構造を有するヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、グレーデッド層の電子親和力が小さい側の界面近傍において、これとは逆側の界面近傍よりも、n型不純物濃度を高くすることが好ましい。
HBTの基本構造は、コレクタ層、ベース層、エミッタ層を積層することによって形成される。ベース層のエネルギーバンドギャップは、エミッタ層のエネルギーバンドギャップよりも小さく、エミッタ注入効率が高くなる。このようなHBTにおいて、バラスト抵抗層は、エミッタ層とエミッタ電極との間に介在している。バラスト抵抗層は、温度上昇時において、抵抗が高くなり、HBTの熱暴走を抑制している。グレーデッド層は、隣接する半導体層間の格子不整合を吸収している。ここで、グレーデッド層の電子親和力が小さい側の界面近傍において、n型不純物濃度が高いため、イオン化したn型不純物のポテンシャルによって、この界面において発生するポテンシャルスパイクを相殺することができる。したがって、動作時におけるHBTの抵抗値を小さくすることができる。
また、バラスト抵抗層はAlYGa1−YAsからなり、グレーデッド層はAlSGa1−SAsからなり、Al組成比Sは、前記バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化しており、Al組成比Yは、0<Y≦0.45の関係を満たすことが好ましい。
なお、エミッタ層はAlXGa1−XAsからなり、Al組成比Xは、X<Yを満たすことが好ましい。
AlGaAsは、Alの組成比を制御することにより、エネルギーバンドギャップを容易に制御することができる化合物半導体として知られている。Al組成比Sが0からYまで連続的に変化することで、エネルギーバンドギャップと電子親和力が変化する。0<Y≦0.45の関係を満たすため、上述のように、バラスト抵抗層の抵抗値が高温時には増加する。また、バラスト抵抗層が、エミッタ層に対しては抵抗障壁となるように、そのエネルギーバンドギャップは、エミッタ層よりも大きく設定される。Alの組成比が大きいほど、エネルギーバンドギャップは大きくなる。すなわち、バラスト抵抗層のAl組成比は、X<Yを満たしている。なお、バラスト抵抗層内のAl組成比Yは多少変化してもよい。
本発明によれば、HBTの室温における抵抗値を低下させることができるため、高周波特性を改善することが可能である。このようなHBTは、工業的に極めて有用である。
以下、実施の形態に係るHBTについて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
図1は、実施の形態に係るHBT1の構造を示す図である。
HBT1は、サブコレクタ層1C’に接合したコレクタ層1C、コレクタ層1Cに接合したベース層1B、ベース層1Bに接合したエミッタ層1Eを備えている。エミッタ層1Eには、バラスト抵抗層1Rが接合されており、バラスト抵抗層1Rにはグレーデッド層1Gが接合しており、グレーデッド層1Gにはコンタクト層1Tが接合している。なお、コンタクト層1T、グレーデッド層1G、バラスト抵抗層1R、エミッタ層1E、ベース層1B、コレクタ層1C及びサブコレクタ層1C’は、それぞれ半導体層からなり、本例ではIII−V族系の化合物半導体層からなる。
このHBT1は、サブコレクタ層1C’に、コレクタ層1C、ベース層1B、エミッタ層1E、温度上昇に伴ってX谷及びL谷に励起する電子数が増加するバラスト抵抗層1R、組成の変化するグレーデッド層1G及びコンタクト層1Tを順次積層してなる。
コンタクト層1Tにはエミッタ電極EEが設けられており、これらは電気的に接触している。ベース層1Bにはベース電極BEが設けられており、これらは電気的に接触している。サブコレクタ層1C’にはコレクタ電極CEが設けられており、これらも電気的に接触している。
エミッタ電極EEとベース電極BEとの間には、電源V1が接続され、ベース電極BEとコレクタ電極CEとの間には電源V2が接続されている。エミッタ/ベース間電圧を与える電源V1の電圧に応じて、HBT1を流れる電流が決定される。半導体層の厚み方向に平行な方向(主表面に垂直な方向)をz軸方向とし、コンタクト層1Tの露出表面の位置を原点とし、この原点から半導体層内部に向かう方向をz軸の正方向とする。グレーデッド層1Gのコンタクト層1Tとの界面の位置をz1とし、グレーデッド層1Gのバラスト抵抗1Rとの界面の位置をz2とし、グレーデッド層1G内のz方向中点位置z3=(z1+z2)/2とする。バラスト抵抗層1Rとエミッタ層1Eとの界面の位置をz4、エミッタ1Eとベース1Bの界面の位置をz5とする(z1<z3<z2<z4<z5)。
npn型のバイポーラトランジスタの場合、コンタクト層1T、グレーデッド層1G、バラスト抵抗層1R、エミッタ層1E、ベース層1B、コレクタ層1C、サブコレクタ層1C’の導電型、材料、厚み及び不純物濃度は以下の通りである。
・コンタクト層1T:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1T:100nm
n型不純物濃度C1T:5×1018cm−3
・グレーデッド層1G:
導電型:n型
材料:AlSGa1−SAs
厚みT1G:20nm
n型不純物濃度C1G:5×1016cm−3(z1≦z≦z3)
n型不純物濃度C1G:1.87×1018cm−3(z3≦z≦z2)
・バラスト抵抗層1R:
導電型:n型
材料:AlYGa1−YAs
厚みT1R:200nm
n型不純物濃度C1R:5×1016cm−3
・エミッタ層1E:
導電型:n型
材料:AlXGa1−XAs
厚みT1E:50nm
n型不純物濃度C1E:5×1017cm−3
・ベース層1B:
導電型:p型
材料:GaAs
厚みT1B:80nm
p型不純物濃度C1B:2×1019cm−3
・コレクタ層1C:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1C:700nm
n型不純物濃度C1C:2×1016cm−3
・サブコレクタ層1C’:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1C’:500nm
n型不純物濃度C1C’:5×1018cm−3
・コンタクト層1T:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1T:100nm
n型不純物濃度C1T:5×1018cm−3
・グレーデッド層1G:
導電型:n型
材料:AlSGa1−SAs
厚みT1G:20nm
n型不純物濃度C1G:5×1016cm−3(z1≦z≦z3)
n型不純物濃度C1G:1.87×1018cm−3(z3≦z≦z2)
・バラスト抵抗層1R:
導電型:n型
材料:AlYGa1−YAs
厚みT1R:200nm
n型不純物濃度C1R:5×1016cm−3
・エミッタ層1E:
導電型:n型
材料:AlXGa1−XAs
厚みT1E:50nm
n型不純物濃度C1E:5×1017cm−3
・ベース層1B:
導電型:p型
材料:GaAs
厚みT1B:80nm
p型不純物濃度C1B:2×1019cm−3
・コレクタ層1C:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1C:700nm
n型不純物濃度C1C:2×1016cm−3
・サブコレクタ層1C’:
導電型:n型
材料:GaAs
厚みT1C’:500nm
n型不純物濃度C1C’:5×1018cm−3
本例におけるグレーデッド層1Gに含まれるAlの組成比S、バラスト抵抗層1Rに含まれるAlの組成比Y、エミッタ層1Eに含まれるAlの組成比Xは、以下の通りである。
・グレーデッド層中のAl組成比S=0〜0.35
・バラスト抵抗層中のAl組成比Y=0.35
・エミッタ層中のAl組成比X=0.3
・グレーデッド層中のAl組成比S=0〜0.35
・バラスト抵抗層中のAl組成比Y=0.35
・エミッタ層中のAl組成比X=0.3
なお、HBTとして好適に動作する数値範囲の一例は以下の通りである。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
・50nm≦T1T≦200nm
・1×1018cm−3≦C1T≦6×1018cm−3
・10nm≦T1G≦100nm
・1×1016cm−3≦C1G≦3×1018cm−3
・100nm≦T1R≦300nm
・1×1016cm−3≦C1R≦1×1018cm−3
・20nm≦T1E≦200nm
・1×1016cm−3≦C1E≦1×1018cm−3
・50nm≦T1B≦200nm
・1×1019cm−3≦C1B≦5×1019cm−3
・200nm≦T1C≦1000nm
・5×1015cm−3≦C1C≦5×1017cm−3
・50nm≦T1C’≦1000nm
・1×1018cm−3≦C1C’≦6×1018cm−3
・0<Y≦0.45
・0.1≦X≦0.4
・50nm≦T1T≦200nm
・1×1018cm−3≦C1T≦6×1018cm−3
・10nm≦T1G≦100nm
・1×1016cm−3≦C1G≦3×1018cm−3
・100nm≦T1R≦300nm
・1×1016cm−3≦C1R≦1×1018cm−3
・20nm≦T1E≦200nm
・1×1016cm−3≦C1E≦1×1018cm−3
・50nm≦T1B≦200nm
・1×1019cm−3≦C1B≦5×1019cm−3
・200nm≦T1C≦1000nm
・5×1015cm−3≦C1C≦5×1017cm−3
・50nm≦T1C’≦1000nm
・1×1018cm−3≦C1C’≦6×1018cm−3
・0<Y≦0.45
・0.1≦X≦0.4
バラスト抵抗層1Rの材料としてAlYGa1−YAsを採用する場合、好適には層内のAl組成比Yを一定としておく。温度が上昇することにより、バラスト抵抗層1R内の電子がΓ谷から、より電子移動度が低いX谷とL谷に励起し、抵抗が大きくなって熱暴走を抑止する効果が得られるように、Alの組成比Yは、0より大きく0.45以下であることが好ましい。
以下では、グレーデッド層1Gとバラスト層1Rとエミッタ層1Eの電子に対する抵抗を計算するため、ベース層1Bを厚み100nm、不純物濃度5×1018cm−3のn型GaAsで置換し、コンタクト層1Tから置換された1B層までを抜き出した素子HBT1’のシミュレーションを実施した。
図2は、上記実施形態に係るHBT1’におけるエミッタ層近傍の半導体層の構造(a)、各半導体層中のAl組成比の深さ方向依存性を示すグラフ(b)、各半導体層中の不純物濃度CIONcm−3の深さ方向依存性を示すグラフ(c)、Γ谷における伝導帯の下端のエネルギー準位Ecの深さ方向依存性を示すグラフ(d)を示している。なお、図2(d)は、HBT1’にバイアス電圧を与えない場合のエネルギー準位Ecをシミュレーションで計算した結果を示している。
図2(b)に示すように、グレーデッド層1G内においては、Al組成比Sの深さzによる2回微分値(d2S/dz2)はz1〜z3では正であり、z3〜z2では負である。また、図2(c)に示すように、グレーデッド層1G内のn型不純物濃度CIONは、深さz3〜z2においてはバラスト抵抗1R内の不純物濃度よりもよりも高濃度であり、深さz1〜z3の間においては、深さz3〜z2における不純物濃度よりも低濃度である。
実施形態に係るグレーデッド層1Gとバラスト抵抗1Rとの間の界面近傍のエネルギー準位Ecは、スムーズに連続している。これは、当該界面近傍におけるn型不純物濃度CIONを増加させたため、イオン化したドナー(正の電荷を有する)が界面近傍に存在しているためである。すなわち、ドナーのイオンは、この界面近傍においてポテンシャルの負方向に突出したスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIER(図5(d)参照)を相殺している。なお、ポテンシャルの正負の向きは、エネルギー準位の正負の向きとは逆である。
図3は、z軸方向に沿ったn型不純物濃度CIONの分布を示すグラフ(a)と、z軸方向に沿った電子濃度CELECTRONの分布を示すグラフ(b)を示す。
深さzが、z3≦z≦z2の範囲においてはイオン化したn型不純物濃度CION=ND +であり、また、深さzが、z1≦z<z3の範囲においては電子濃度CELECTRON=ND +であることとする。z3≦z≦z2の範囲において、イオン化した不純物の存在により、図5(d)に示されるエネルギー準位Ecのスパイクは下方へ修正され、使用時のHBTの抵抗が低減される。
図4は、上述のグレーデッド層1G内における組成比Sのz軸方向の分布を示すグラフである。
グレーデッド層内の組成比Sは、近似的に以下の式で表される。
z1≦z≦z3:S=A(z−z1)2
z3≦z≦z2:S=−A(z−z2)2+B
z1=100nm
z2=120nm
z3=110nm
A=0.00175
B=0.35
z1≦z≦z3:S=A(z−z1)2
z3≦z≦z2:S=−A(z−z2)2+B
z1=100nm
z2=120nm
z3=110nm
A=0.00175
B=0.35
組成比Sはzの関数であり、この関数はz−S平面内においてz1≦z≦z3の範囲では下に凸の放物線を描き、z3≦z≦z2の範囲では上に凸の放物線を描いて単調に増加している。なお、組成比Sはz2≦z≦z4の領域ではS=S1Rを満たしており、本例ではS1R=0.35に設定されている。
なお、組成比Sの関数としては、以下のものも考えられる。
1)S=0.175[1−cos{π(z−z1)/(z2−z1)}]
2)z1≦z≦z3:S=A(z−z1)2/(z2−z1)(z3−z1)
1)S=0.175[1−cos{π(z−z1)/(z2−z1)}]
2)z1≦z≦z3:S=A(z−z1)2/(z2−z1)(z3−z1)
z3≦z≦z2:S=A{1−(z−z2)2/(z2−z1)(z2−z3)}
z1=100nm
z2=120nm
100nm<z3<120nm
A=0.35
この場合は、n型不純物濃度を、少なくともz3≦z≦z2の領域において、2εΔχ/q2(z2−z1)(z2−z3)以上とする。但し、εはグレーデッド層における平均誘電率、Δχはχ1−χ2の絶対値、χ1、χ2は、z座標の値がz1、z2である点における電子親和力、qは電気素量である。
上述の第1実施形態のHBT1’は、Al組成Sが0から0.35に放物線形で変化するAlGaAsグレーデッド層(n型不純物濃度は、Al組成S=0側の10nmは5×1016cm−3、Al組成S=0.35側の10nmは4εΔχ/(qd)2+5×1016=1.87×1018cm−3、全層厚20nm)と、Al組成が0.35であるAlGaAsバラスト層(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)と、Al組成が0.3であるAlGaAsエミッタ層(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)を積層しており、これらの両端を、n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nmのGaAsコンタクト層1T及び置換GaAsベース層1Bで挟んでいる。
図2(d)は、電圧0V時の伝導バンド底形状を半導体デバイスシミュレーションによって計算した結果を示しており、グレーデッド層1Gとバラスト層1Rの界面付近にスパイク状のポテンシャル障壁は存在しない。
(比較例1)
(比較例1)
図5は、比較例1に係るHBT(但し、第一実施形態同様、グレーデッド層1Gとバラスト層1Rとエミッタ層1Eの電子に対する抵抗を計算するため、ベース層1Bを厚み100nm、不純物濃度5×1018cm−3のn型GaAsで置換し、コンタクト層1Tから置換された1B層までを抜き出した素子)におけるエミッタ近傍の半導体層の構造(a)、各半導体層中のAl組成比の深さ方向依存性を示すグラフ(b)、各半導体層中のn型不純物濃度CIONcm−3の深さ方向依存性を示すグラフ(c)、Γ谷における伝導帯の下端のエネルギー準位Ecの深さ方向依存性を示すグラフ(d)を示している。なお、図5(d)は、HBTにバイアス電圧を与えない場合のエネルギー準位Ecをシミュレーションで計算した結果を示している。
図5(b)に示すように、グレーデッド層1G内においては、Al組成比Sは深さzに比例しており、図5(c)に示すように、グレーデッド層1G内のn型不純物濃度CIONは一定である。グレーデッド層1G内のn型不純物濃度は5×1017cm−3である。その他の構造は、第1実施形態のHBTと同一である。
比較例1に係るHBTにおいては、グレーデッド層1Gとバラスト抵抗1Rの界面において、伝導帯下端のエネルギー準位Ecにスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERが生じている。
このスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERは、HBTのエミッタ抵抗を増大させ、高周波特性を悪化させる。
スパイク状ポテンシャル障壁φBARRIERが生じる原因は、バラスト抵抗1R(Al組成比Y=0.35)と、グレーデッド層1G(Al組成比S=k×z+m:k,mは定数)との間の電子親和力χの差である。
電子親和力χは、真空レベルと伝導帯下端のエネルギー差であり、一般にエネルギーバンドギャップが小さいほど大きくなる。ヘテロ構造を構成する2つの半導体の真空レベルは同一エネルギーであると仮定し、各半導体の電子親和力とバンドギャップから2つ半導体のエネルギーバンドギャップの関係が決定される。
小さな電子親和力χ1Rを有するバラスト抵抗1Rから、大きな電子親和力χ1Gを有するグレーデッド層1Gに電子が流入することにより、バラスト抵抗1Rにおいて、グレーデッド層1Gに近づくに従って、電子濃度が低くなる。すなわち、電子擬フェルミレベルと伝導帯下端のエネルギー準位Ecとのエネルギー差が大きくなるが、電流が流れていない状態では電子擬フェルミレベルは一定であるため、グレーデッド層1Gに近づくに従って伝導帯下端のエネルギー準位Ecが上昇することになる(図5(d)参照)。
比較例1に係るHBTでは、Al組成が0から0.35に直線的に変化するグレーデッド層1G(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚20nm)と、Al組成が0.35であるAlGaAsバラスト層1R(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)と、Al組成が0.3であるAlGaAsエミッタ層(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)を積層している。これらの層は、n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nmのGaAsコンタクト層1T及び置換ベース層1Bで挟まれている。図5(d)は、電圧0V時の伝導バンド底形状を半導体デバイスシミュレーションによって計算した結果を示している。グレーデッド層1Gとバラスト層1Rの界面付近にスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERが存在する。
(変形例2)
(変形例2)
図6は、変形例2に係るHBT(但し、第一実施形態同様、グレーデッド層1Gとバラスト層1Rとエミッタ層1Eの電子に対する抵抗を計算するため、ベース層1Bを厚み100nm、不純物濃度5×1018cm−3のn型GaAsで置換し、コンタクト層1Tから置換された1B層までを抜き出した素子)におけるエミッタ近傍の半導体層の構造(a)、各半導体層中のAl組成比の深さ方向依存性を示すグラフ(b)、各半導体層中のn型不純物濃度CIONcm−3の深さ方向依存性を示すグラフ(c)、Γ谷における伝導帯の下端のエネルギー準位Ecの深さ方向依存性を示すグラフ(d)を示している。なお、図6(d)は、HBTにバイアス電圧を与えない場合のエネルギー準位Ecをシミュレーションで計算した結果を示している。
Al組成が0から0.35に直線的に変化するAlGaAsグレーデッド層1G(n型不純物濃度は、Al組成S=0側の10nmは5×1016cm−3、Al組成S=0.35側の10nmは4εΔχ/(qd)2+5×1016=1.87×1018cm−3、全層厚20nm)と、Al組成が0.35であるAlGaAsバラスト層1R(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)と、Al組成が0.3であるAlGaAsエミッタ層1E(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)が積層されている。
これらの層は、n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nmのGaAsからなるコンタクト層1T及び置換ベース層1Bで挟まれている。
グレーデッド層とバラスト層の界面付近にスパイク状ポテンシャル障壁は存在しないが、第1実施形態の変調ドープ放物線形グレーデッド層構造の場合よりもポテンシャルの傾斜が大きい部分が長く、抵抗値は大きい。この結果から、変調ドープと放物線形電子親和力変化の組み合わせが重要であることが分かる。
図7は、第1実施形態、比較例1、変形例2に係るHBTにおける抵抗値Rの印加電圧VA依存性を示すグラフである。印加電圧VAは、コンタクト層1Tのグレーデッド層1Gと逆側の端面1TCを基準とした1TCと置換ベース層1Bのエミッタ層1Eと逆側の端面との間の電圧(0.1〜0.5V)である。各層の素子断面積は1cm2である。
第1実施形態に係るHBTのデータE1が示す抵抗値Rは、図5及び図6に示す直線的グレーデッド層構造を有するHBTのデータC1、C2よりも小さい。また、グレーデッド層1Gの界面近傍に変調ドープを有する第1実施形態のデータE1及び図6に示すHBTのデータC2が示す抵抗値は、比較例1のHBTのデータC1が示す抵抗値よりも小さい。
図2に示した第1実施形態のHBT1においては、グレーデッド層1Gにおけるポテンシャル障壁φBARRIERの近傍領域、すなわち、電子親和力χが小さい領域のn型不純物濃度は高く設定されており、図5に示したスパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERの電子に対する高さが低下している。第1実施形態に係るHBT1では、イオン化したn型不純物の正電荷によって、負電荷を有する電子は安定化するため、スパイク状のポテンシャル障壁φBARRIERの電子に対する高さは小さくなっている(図2(d)参照)。
また、第1実施形態のHBT1においては、グレーデッド層1G内においてイオン化したn型不純物の正電荷と、電子親和力χ1Rが小さいバラスト抵抗1Rからグレーデッド層1G内に流れる電子とが形成するポテンシャルの形状は、近似的に放物線形である。バラスト抵抗1Rとグレーデッド層1Gとの界面において、ポテンシャルの変化率は連続であるため、電子親和力の変化率も連続である方が、ポテンシャルによる電子親和力変化の打ち消し具合が良くなる。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係るHBT2におけるエミッタ層近傍の半導体層の構造を示す。
このHBT2では、n+型のGaAsコンタクト層(キャップ層)1T(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nm)、Al組成比が0から0.35に前記放物線形で変化するグレーデッドAlGaAs層1G(n型不純物濃度は、Al組成比S=0側の10nmは5×1016cm−3、Al組成比S=0.35側の10nmは4εΔχ/(qd)2+5×1016=1.87×1018cm−3、全層厚20nm)、Al組成比が0.35であるAlGaAsバラスト層1R(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)、Al組成比が0.3であるAlGaAs第1エミッタ層1E(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)、InGaPからなる第2エミッタ層1E’(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚40nm、In組成比0.48)、p+型のGaAsベース層1B(p型不純物濃度2×1019cm−3、層厚80nm)、GaAsコレクタ層1C(n型不純物濃度2×1016cm−3、層厚700nm)、GaAsサブコレクタ層1C’(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚500nm)が積層されている。
第2実施形態のHBT2では、第2エミッタ層1E’としてInGaPを用いた点が第1実施形態のHBT1と異なり、その他の構造は同一である。エミッタ面積は2.4×20μm2である。
なお、比較のため、以下の比較例3及び比較例4の構造のHBTについても検討を行った。
(比較例3)
(比較例3)
比較例3のHBTでは、n+型のGaAsコンタクト層1T(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nm)、Al組成比が0から0.35に直線的に変化するAlGaAsグレーデッド層1G(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚20nm)、Al組成比が0.35であるAlGaAsバラスト層1R(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)、Al組成比が0.3であるAlGaAs第1エミッタ層1E(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)、InGaP第2エミッタ層1E’(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚40nm、In組成比0.48)、p+型のGaAsベース層1B(p型不純物濃度2×1019cm−3、層厚80nm)、GaAsコレクタ層1C(n型不純物濃度2×1016cm−3、層厚700nm)、GaAsサブコレクタ層1C’(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚500nm)が積層されている。エミッタ面積は2.4×20μm2である。
(比較例4)
(比較例4)
比較例4のHBTでは、n+型のGaAsコンタクト層1T(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚100nm)、GaAs層(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚20nm)、GaAs層(n型不純物濃度5×1016cm−3、層厚200nm)、GaAs層(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚50nm)、InGaPエミッタ層(n型不純物濃度5×1017cm−3、層厚40nm、In組成比0.48)、p+型のGaAsベース層(p型不純物濃度2×1019cm−3、層厚80nm)、GaAsコレクタ層(n型不純物濃度2×1016cm−3、層厚700nm)、GaAsサブコレクタ層(n型不純物濃度5×1018cm−3、層厚500nm)が積層されている。エミッタ面積は2.4×20μm2である。
第2実施形態、比較例3、比較例4のHBTにおいて、コレクタ・エミッタ間電圧5V時のベース・エミッタ間電圧Vbeとコレクタ電流Icの関係を、発熱と熱流を考慮した半導体デバイスシミュレーションによって計算した。
図9は、ベース・エミッタ間電圧Vbeとコレクタ電流Icの関係を示すグラフである。
第2実施形態(データE2)のHBTでは、バラスト抵抗層により熱暴走は抑制されている。また、第2実施形態(データE2)のHBTでは、直線形グレーデッドバラスト層構造を有する比較例3(データC3)のHBTよりもコレクタ電流Icは大きく、抵抗が小さいことが分かる。
比較例3(データC3)のHBTでは、バラスト抵抗層により熱暴走は抑制されているが、第2実施形態(データE2)の変調ドープ放物線形グレーデッドバラスト構造と比較して、コレクタ電流Icは小さく、抵抗が大きいことが分かる。
比較例4(データC4)のHBTでは、電圧がVSTARTを越えると、AlGaAsバラスト層がないため、熱暴走が生じている。
次に、グレーデッド層1Gとバラスト抵抗層1Rの界面近傍のポテンシャルについて、詳細に説明する。
深さz=z1における電子親和力をχ1、深さz=z2における電子親和力をχ2とする(χ1>χ2)。グレーデッド層1Gにおける深さz3〜z2の領域を小電子親和力のバラスト抵抗側領域、深さz1〜z3の領域を大電子親和力のコンタクト層側領域とする。図3に示したように、バラスト抵抗側領域(z3〜z2)におけるn型不純物濃度は、コンタクト層側領域(z1〜z3)におけるn型不純物濃度よりも大きく設定されている。
z=z1の位置のポテンシャルφを基準ポテンシャル(φ=0)とする。z1≦z≦z3の範囲における静電ポテンシャルφ(z1〜z3)、z3≦z≦z2の範囲における静電ポテンシャルφ(z3〜z2)として、ポアソンの方程式(1)から式(2)、(3)が導かれる。また、dφ/dzとφが連続であることより、式(3−1)、(3−2)が導かれる。
但し、各パラメータは以下の通りである。
・φ:静電ポテンシャル
・ρ:電荷密度
・ε:誘電率
・q:電気素量
・ND +:イオン化したn型不純物の濃度(低エネルギー側に流れた電子の濃度)
・C:定数
・C’:定数
・d:グレーデッド層の厚み
・φ:静電ポテンシャル
・ρ:電荷密度
・ε:誘電率
・q:電気素量
・ND +:イオン化したn型不純物の濃度(低エネルギー側に流れた電子の濃度)
・C:定数
・C’:定数
・d:グレーデッド層の厚み
なお、C’はグレーデッド層両端間のポテンシャル差であるから、qC’=Δχとすることによって、電子親和力差を打ち消すことができる。なお、Δχ=χ1−χ2である。すなわち、式(3−3)、式(3−4)が満たされればよい。
式(3−1)〜(3−4)を、式(2)及び(3)に代入すると、式(4)及び式(5)が得られる。また、ポテンシャルが電子に作用した時に生じるz=z1基準のエネルギー差ΔEは、−qφである。
したがって、深さ範囲z1〜z3におけるエネルギー差ΔE(z1〜z3)は式(6)を満たし、深さ範囲z3〜z2におけるエネルギー差ΔE(z3〜z2)は式(7)を満たす。
一方、深さ範囲z1〜z3における電子親和力χ(z1〜z3)は式(8)を満たし、深さ範囲z3〜z2における電子親和力χ(z3〜z2)は式(9)を満たすようにした場合、この電子親和力変化に起因するz=z1基準の深さ範囲z1〜z3におけるエネルギー差ΔE’(z1〜z3)は式(10)を満たし、深さ範囲z3〜z2におけるエネルギー差ΔE’(z3〜z2)は式(11)を満たす。
このΔE’はΔEと打ち消し合う。すなわち、ΔE+ΔE’=0である。
したがって、グレーデッド層1Gのコンタクト層側領域(z1≦z≦z3の範囲)内のn型不純物濃度C1G(z1〜z3)と、グレーデッド層1G内におけるバラスト抵抗側領域(z3≦z≦z2の範囲)内のn型不純物濃度C1G(z3〜z2)は、ND’を適当な定数として、以下の式(12−1)〜(12−4)のように設定される。
グレーデッド層1G内のAl組成比Sを変化させると、エネルギーバンドギャップ及び電子親和力χが変化する。組成比Sの厚み方向zの関数を放物線とすると、電子親和力χの厚み方向zの関数も放物線となる。電子親和力χの関数を上述の放物線形にすれば、電子親和力差によるグレーデッド層両端間のエネルギー差が、電荷分布によって生じるエネルギー差によって打ち消されるため、電子親和力差に起因するスパイク状ポテンシャル障壁φBARRIERの発生が抑制される。
また、グレーデッド層1G全体のn型不純物濃度C1Gを4εΔχ/(qd)2以上にした場合も、高エネルギー側から低エネルギー側に電子が流入し、低エネルギー側においてn型不純物濃度のイオン化率が低下するため、類似の電荷分布が得られ、スパイク状ポテンシャル障壁の発生が抑制される。
エミッタ電極EEとエミッタ1Eの間に挿入したバラスト抵抗1Rに、上述のグレーデッド層1Gの構造を適用すれば、スパイク状ポテンシャル障壁φBARRIERの発生が抑制され、高周波特性悪化の原因となるエミッタ抵抗を低減することが可能となる。
バラスト抵抗1Rは、必ずしもAlGaAs層である必要はなく、InAlGaAs層等であっても良い。バラスト抵抗1RがInAlGaAs層の場合には、GaAs層からなるコンタクト層1Tとバラスト抵抗1Rとの間に介在するグレーデッド層1Gが、上述の放物線形に変化する電子親和力を有しており、電子親和力によるポテンシャル変化を相殺するようなn型不純物濃度分布を有していればよい。
以上、説明したように、上述の実施形態に係るHBTは、図2に示したように、電子親和力が連続的且つ単調に変化するグレーデッド層1Gを有し、グレーデッド層1Gの端面に垂直な方向をz軸とし、グレーデッド層1Gの両端面のz座標をそれぞれz1、z2(但しz1<z2)、z座標の値がzである点における電子親和力とn型不純物濃度をそれぞれχ(z)、ND(z)とした時、グレーデッド層の両端面において電子親和力χ(z)と電子親和力変化率dχ(z)/dzがz方向に連続であり、且つ、グレーデッド層において、χ(zA)>χ(zB)の場合、ND(zA)≦ND(zB)である。
なお、図2(c)に示すように、z方向の位置ZA、ZBは、z1≦zA≦z2、z1≦zB≦z2の関係を満たしている。
HBT1によれば、スパイク状ポテンシャル障壁が生じる電子親和力がより小さい側のグレーデッド層端面付近において、イオン化したn型不純物濃度CIONが高くなり(図2(c)参照)、このイオン化した原子の電荷によってスパイク状ポテンシャル障壁が低下する。すなわち、スパイクの先端に向かうポテンシャルの向きと、イオン化した原子のポテンシャルの向きは逆向きである。また、グレーデッド層1Gの組成変化が直線的である場合よりも、グレーデッド層1Gの組成変化、すなわち電子親和力変化が曲線的に連続している方が、イオン化した原子の電荷が形成する静電ポテンシャルと電子親和力変化によって生じるポテンシャルの打ち消し合いの度合いが大きくなるため、スパイク状ポテンシャル障壁の低下が大きい。電子親和力変化が曲線的に連続している場合には、電子親和力χ(z)及び電子親和力変化率dχ(z)/dzがグレーデッド層1Gの両端面においてz方向に連続となる。
また、グレーデッド層1Gの両端面における電子親和力をそれぞれχ1、χ2、グレーデッド層1Gの平均誘電率をε、z2−z1をd、χ1−χ2の絶対値をΔχ、電気素量をqとした場合、グレーデッド層内のn型不純物濃度は、χ1>χ2の場合は、少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であり、グレーデッド層内の不純物濃度は、χ1<χ2の場合は、少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であることが好ましい。(式(12−1)〜式(12−4)参照)。
この場合には、イオン化した不純物によるポテンシャルによって、電子親和力の差によるポテンシャルスパイクを十分に相殺することが可能となる。
上述のように、(z1+z2)/2=z3とする。グレーデッド層のz座標の値がzである点における電子親和力χは、式(8)、式(9)を満たすことが好ましい。この場合、電子親和力は極性の逆な放物線を連続させた関数となり、厚み方向に沿って滑らかに電子親和力を変化させ、界面位置において隣接する層の電子親和力及びその変化率を連続させることができる。
また、上記HBT1では、グレーデッド層1G及び電子親和力が一定であるバラスト抵抗層1Rを、エミッタ電極EEとエミッタ層1Eの間に有している。この場合、バラスト抵抗層1Rの抵抗値が高温時には増加すると共に、グレーデッド層1Gが隣接層間の格子不整合を吸収するので、高温時の熱暴走を抑制し、格子不整合に伴う高抵抗化を抑制することができる。
また、バラスト抵抗層1RはAlYGa1−YAsからなり、Al組成比Yは一定値であり、グレーデッド層1GはAlSGa1−SAsからなり、Al組成比Sは、バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化していることが好ましい。この場合には、グレーデッド層1Gとバラスト抵抗層1Rの組成比は界面において連続し、ポテンシャルスパイクの発生が抑制されることになる。
また、バラスト抵抗層1R中のAl組成比Yは、0<Y≦0.45を満たすことが好ましい。バラスト抵抗層1Rとして、AlYGa1−YAsを用いる場合、Alの組成比Yが0.45以下の場合には、Γ谷、L谷、X谷の順番に、エネルギーバンドギャップEgが大きくなり、Yが0.45に近づくほど、各谷のエネルギー準位Eの間隔が狭くなる。すなわち、バラスト抵抗において、Alの組成比Yを0から0.45に近づけることにより、高温時において曲率の小さなX谷、L谷において電子を数多く存在させることができ、したがって、電子の有効質量を増加させ、熱暴走を有効に抑制することができる。
また、上述のHBT1は、コレクタ層1C上に、ベース層1B、エミッタ層1E、温度上昇に伴ってX谷及びL谷に励起する電子数が増加するバラスト抵抗層1R、組成の変化するグレーデッド層1G及びコンタクト層1Tを順次積層してなるHBT1において、グレーデッド層1Gの電子親和力が小さい側の界面近傍において、これとは逆側の界面近傍よりも、n型不純物濃度を高くしている。
HBT1の基本構造は、コレクタ層1C、ベース層1B、エミッタ層1Eを積層することによって形成される。ベース層1Bのエネルギーバンドギャップは、エミッタ層1Eのエネルギーバンドギャップよりも小さく、エミッタ注入効率が高くなる。バラスト抵抗層1Rは、温度上昇時において、抵抗が高くなり、HBT1の熱暴走を抑制している。グレーデッド層1Gは、コンタクト層1Tとバラスト抵抗層1Rとの間の格子不整合を吸収している。ここで、グレーデッド層1Gの電子親和力が小さい側の界面近傍において、n型不純物濃度が高いため、イオン化した不純物のポテンシャルによって、この界面において発生するポテンシャルスパイクを相殺することができる。したがって、動作時におけるHBT1の抵抗値を小さくすることができる。
また、エミッタ層1EはAlXGa1−XAsからなり、バラスト抵抗層1RはAlYGa1−YAsからなり、グレーデッド層1GはAlSGa1−SAsからなり、Al組成比Sは、バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化しており、Al組成比Yは、0<Y≦0.45の関係を満たし、Al組成比Xは、X<Yを満たすことが好ましい。
AlGaAsは、Alの組成比を制御することにより、エネルギーバンドギャップを容易に制御することができる化合物半導体として知られている。Al組成比Sが0からYまで連続的に変化することで、エネルギーバンドギャップと電子親和力が変化する。0<Y≦0.45の関係を満たすため、上述のように、バラスト抵抗層1Rの抵抗値が高温時には増加する。また、バラスト抵抗層1Rが、エミッタ層1Eに対しては抵抗障壁となるように、そのエネルギーバンドギャップは、エミッタ層1Eよりも大きく設定される。Alの組成比が大きいほど、エネルギーバンドギャップは大きくなる。すなわち、バラスト抵抗層1RのAl組成比Yは、X<Yを満たしている。なお、バラスト抵抗層1R内のAl組成比Yは一定でなくとも多少変化してもよい。
なお、上記では、エミッタ、ベース、コレクタの導電型が、それぞれn型、p型、n型となるnpn型のバイポーラトランジスタについて説明したが、これは、エミッタ、ベース、コレクタの導電型が、それぞれp型、n型、p型となるpnp型のバイポーラトランジスタとすることもできる。すなわち、上述の説明において、n型不純物をp型不純物に読み替えたものとなり、電荷の符号のみが上記とは逆となり、イオン化した不純物として、ドナーの代わりにアクセプタが存在し、スパイク状のポテンシャル障壁が逆向きに生じることになるが、トランジスタの機能は上記と同様である。
このように、グレーデッド層内の不純物がp型である場合、z座標の値がzである点のp型不純物濃度をNA(z)とすると、グレーデッド層において、χ(zA)>χ(zB)の場合(但しz1≦zA≦z2、z1≦zB≦z2)、NA(zA)≧NA(zB)であることが好ましい。不純物がp型の場合、電荷の符号のみがn型とは逆であるため、ポテンシャル変化がn型の場合とは逆となるが、ポテンシャル障壁の発生態様は同様であり、上述のように設定することで、上記と同様にポテンシャルの打ち消しあいを行い、スパイク状ポテンシャル障壁を低下させることができる。
また、グレーデッド層内の不純物がp型である場合、グレーデッド層内のp型不純物濃度は、χ1>χ2の場合は、少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であり、グレーデッド層内のp型不純物濃度は、χ1<χ2の場合は、少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において4εΔχ/(qd)2以上であることが好ましい。この場合には、イオン化したp型不純物によるポテンシャルによって、電子親和力の差によるポテンシャルスパイクを十分に相殺することが可能となる。
1・・・HBT、1T・・・コンタクト層、1G・・・グレーデッド層、1R・・・バラスト抵抗層、1E・・・エミッタ層、1B・・・ベース層、1C・・・コレクタ層、1C’・・・サブコレクタ層。
Claims (9)
- 電子親和力が連続的且つ単調に変化するグレーデッド層を有し、前記グレーデッド層の端面に垂直な方向をz軸とし、前記グレーデッド層の両端面のz座標をそれぞれz1、z2(但しz1<z2)、z座標の値がzである点における電子親和力をχ(z)とした時、
前記グレーデッド層の両端面において電子親和力χ(z)と電子親和力変化率dχ(z)/dzがz方向に連続であり、且つ、
前記グレーデッド層において、χ(zA)>χ(zB)の場合(但しz1≦zA≦z2、z1≦zB≦z2)、
z座標の値がzである点において添加されている不純物がn型である場合の不純物濃度をND(z)とすると、ND(zA)≦ND(zB)であり、
z座標の値がzである点において添加されている不純物がp型である場合の不純物濃度をNA(z)とすると、NA(zA)≧NA(zB)である、
ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 前記グレーデッド層の両端面における電子親和力をそれぞれχ1、χ2、前記グレーデッド層の平均誘電率をε、z2−z1をd、χ1−χ2の絶対値をΔχ、電気素量をqとした場合、
前記グレーデッド層内の不純物濃度は、
χ1>χ2の場合は、
不純物がn型の場合、
少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において、
不純物がp型の場合、
少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において
4εΔχ/(qd)2以上であり、
前記グレーデッド層内の不純物濃度は、
χ1<χ2の場合は、
不純物がn型の場合、
少なくともz1≦z≦(z1+z2)/2の領域において、
不純物がp型の場合、
少なくとも(z1+z2)/2≦z≦z2の領域において
4εΔχ/(qd)2以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 前記グレーデッド層中z座標の値がzである点における電子親和力χは、
z1≦z≦(z1+z2)/2の場合は、
χ=2(z−z1)2(χ2−χ1)/(z2−z1)2+χ1
を満たし、
(z1+z2)/2≦z≦z2の場合は、
χ=−2(z−z2)2(χ2−χ1)/(z2−z1)2+χ2
を満たすことを特徴とする請求項2に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 前記グレーデッド層及び電子親和力が一定であるバラスト抵抗層を、エミッタ電極とエミッタ層の間に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
- バラスト抵抗層はAlYGa1−YAsからなり、
Al組成比Yは一定値であり、
前記グレーデッド層はAlSGa1−SAsからなり、
Al組成比Sは、バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化している、
ことを特徴とする請求項4に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - バラスト抵抗層中のAl組成比Yは、
0<Y≦0.45
を満たすことを特徴とする請求項5記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - エミッタ層とエミッタ電極の間に、温度上昇に伴ってΓ谷からX谷及びL谷に励起する電子数が増加するバラスト抵抗層と、組成の変化するグレーデッド層を順次積層した層構造を有するヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、
前記グレーデッド層の電子親和力が小さい側の界面近傍において、これとは逆側の界面近傍よりも、n型不純物濃度を高くしたことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 前記バラスト抵抗層はAlYGa1−YAsからなり、
前記グレーデッド層はAlSGa1−SAsからなり、
Al組成比Sは、前記バラスト抵抗層に近づく方向に沿って0からYまで連続的且つ単調に変化しており、
Al組成比Yは、0<Y≦0.45の関係を満たす、
ことを特徴とする請求項7に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 前記エミッタ層はAlXGa1−XAsからなり、
Al組成比Xは、X<Yを満たす、
ことを特徴とする請求項8に記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタ。
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