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JP2009031720A - ディスプレイ用複合フィルタ - Google Patents

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JP2009031720A
JP2009031720A JP2007324314A JP2007324314A JP2009031720A JP 2009031720 A JP2009031720 A JP 2009031720A JP 2007324314 A JP2007324314 A JP 2007324314A JP 2007324314 A JP2007324314 A JP 2007324314A JP 2009031720 A JP2009031720 A JP 2009031720A
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Makoto Honda
本田  誠
Nobuo Naito
暢夫 内藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】主にプラズマディスプレイなどのディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能の各機能を少なくとも有しながら、積層工程数を減らして生産効率に優れ、少ない積層数で、材料費も低減でき、高温下や高湿下での長時間の使用によっても近赤外線吸収剤が劣化しにくいディスプレイ用複合フィルタを提供する。
【解決手段】透明硝子基材の片面に、バインダー成分を含有する近赤外線吸収層、及び透視性導電層がこの順序で積層され、且つ、当該近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤として、複合タングステン酸化物微粒子含有することを特徴とする、ディスプレイ用複合フィルタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)などのディスプレイ(画像表示装置)の前面に配置する複合フィルタに関し、さらに詳しくは、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽(シールド)する電磁波遮蔽機能と共に、近赤外線吸収機能を有する、ディスプレイ用複合フィルタに関するものである。
近年、電気電子機器の機能高度化と利用増加に伴い、電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference;EMI)が増え、陰極線管(CRTという)、プラズマディスプレイパネル(PDPという)などのディスプレイでも電磁波が発生する。プラズマディスプレイパネルは、データ電極と蛍光層を有するガラスと透明電極を有するガラスとの組合体であり、作動すると電磁波、及び近赤外線が大量に発生する。
通常、電磁波を遮蔽するためにプラズマディスプレイパネルの前面に、電磁波遮蔽用シートと硝子板との積層体が前面板として設けられる。ディスプレイ前面から発生する電磁波の遮蔽性は、日本では30MHz〜1GHzにおいてVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)が規定する家庭環境、住宅環境で使用する情報処理装置に適用される規格(クラスB)を達成することが必要である。なお、本発明において単に電磁波と言った場合は、周波数が上記範囲を中心とするMHz〜GHz帯近辺の電磁波のことを言い、赤外線、可視光線、紫外線、X線等は含まないものとする(例えば、赤外線帯域の周波数の電磁波は赤外線と呼称する)。
また、プラズマディスプレイ前面より発生する波長800〜1,100nm帯域を含む近赤外線も、VTRの遠隔操作機器などの他の機器を誤作動させるので、遮蔽する必要がある。更に、プラズマディスプレイから放射する波長590nm付近の光(PDP内封入のネオン原子の発光。以下ネオン光とも呼称。)を遮断したり、画像の色相調整を行い色再現性を向上させる機能、更には外光の不要な反射を抑える機能等が求められる。
上記機能を実現するために、上記電磁波遮蔽用シートと、近赤外線吸収フィルタ、反射防止フィルタ等の複数の光学フィルタとを積層して、画像表示装置から発生する不要な電磁波及び特定波長の光を遮蔽し、且つ画像表示装置に必要とされる各種機能を付与することができる板状の複合フィルタをプラズマディスプレイパネルの前面板として用いることが検討されている(特許文献1)。
特開2002−311843号公報 特開2005−181933号公報 特開2006−154516号公報
特許文献1には、電磁波遮蔽シートの基材と金属メッシュとの間の接着剤層や、金属メッシュの凹凸を平坦化する平坦化層や、或いはガラス基板との接着剤層に、可視光及び/又は近赤外の特定の波長を吸収する吸収剤が含有されている電磁波遮蔽シートが開示されている。このようにガラス基板、金属メッシュ層、或いは、金属メッシュ層と電磁波遮蔽シートの基材間の接着剤層に接触する箇所に有機系近赤外線吸収剤が含有されている場合には、当該近赤外線吸収剤が劣化しやすいという問題があった。これは、ガラス基板中に由来するナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン、導電性メッシュに由来する銅等の金属原子(乃至金属イオン)、ウレタン系接着剤層に由来するウレタン結合と有機系色素とが反応する為であると考えられる。また、粘着剤層として機能するような従来用いていたアクリル系粘着剤層に、有機系近赤外線吸収剤(色素)を含有させると、当該近赤外線吸収剤とこれら隣接層(特に、当該粘着剤層中の極性官能基、或いは残留単量体)との反応による光学フィルタとしての分光特性の変化が促進するという問題が生じており、層構成の簡略化の為、粘着剤層中に近赤外線吸収剤を含有させ、且つ該層が金属メッシュ層或いは硝子層と接触する様な構成を実用化するのは困難であった。
また、特許文献2には、近赤外の特定の波長を吸収する吸収剤が含有されているPDP用途の電磁波シールド付き光学フィルタが開示されている。このような場合には、硝子基板とイモニウム系近赤外線吸収剤の接触を避けるために、硝子基板とイモニウム系近赤外線吸収剤との間に樹脂基材を挿入すると、硝子基板と樹脂基材とを接着するための接着剤が必要になるため、工程数が多くなり、材料費が増えるという問題があった。
一方、特許文献3には、耐候性に優れた複合タングステン酸化物微粒子を含む塗膜をプラズマディスプレイの表面側(反射防止層中、或いはPDP本体の前面硝子上)に用いたPDP用近赤外線吸収フィルタが記載されている。しかしながら、複合タングステン酸化物微粒子は顔料であるため、複合タングステン酸化物微粒子を分散させた層は着色する。従って、特許文献3に記載されているような近赤外線吸収フィルタをそのままディスプレイの前面に配置される場合のように、複合タングステン酸化物微粒子を分散させた層が、ディスプレイ前面に配置した際に表面(鑑賞者側)に配置される層として用いられると、ディスプレイを消している時にディスプレイ前面が複合タングステン酸化物微粒子の色で着色したように見える。更に、複合タングステン酸化物は屈折率2.3以上と高屈折率の為、最表面層に位置すると外来光の表面反射が増え画像コントラストが低下するため使用者に好まれないという問題がある。特許文献3には、複合タングステン酸化物微粒子が分散されている層を反射防止層の高屈折率層として用いることも記載されているが、この場合においても、最表面層となる反射防止層の低屈折率層は薄膜であるため、ディスプレイ前面に配置された場合にはディスプレイ前面が複合タングステン酸化物微粒子の色で着色したように見える。また、反射防止層のような比較的薄い膜として設けられる層に複合タングステン酸化物微粒子を含有させると、層における微粒子密度が高くなって、ヘイズが高くなるという問題も発生し易い。更に、屈折率を設計値に厳密に管理すべき反射防止層に複合タングステン酸化物の様な高屈折率(屈折率2.3以上)の物質を添加することは、反射防止層の屈折率変化に繋がる為、好ましく無い。特に反射防止層が低屈折率層のみからなる場合には、低屈折率特性の発現自体が困難となる。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、積層工程数を減らして生産効率に優れ、少ない積層数で、材料費も低減でき、ディスプレイ消灯時の着色も目立たず、且つ、ディスプレイ前面に配置され、長時間の使用、特に高温下や高湿下での長時間の使用によっても近赤外線吸収剤の劣化に帰属されるフィルタの色ムラが起こり難い、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能の各機能を少なくとも有するディスプレイ用複合フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタは、透明硝子基材の片面に、バインダー成分を含有する近赤外線吸収層、及び透視性導電層がこの順序で積層され、且つ、当該近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤として、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有していることを特徴とする。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタは、1つの透明硝子基材とその両面を用いて、少ない層構成で、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能をはじめとする各種機能を複合化するように設計されている。
本発明において近赤外線吸収剤として用いられる前記複合タングステン酸化物微粒子は、耐熱性、耐湿性、耐光性が高く、又硝子基材或いは透視性導電層と直接接触する層に添加しても硝子に由来するナトリウムイオン、或いは透視性導電層に由来する銅等の金属原子(乃至金属イオン)による色素の劣化も無い。その上、前記複合タングステン酸化物微粒子は、ディスプレイ前面より発生する波長800〜1,100nmの近赤外線帯域全般を当該複合タングステン酸化物微粒子のみで吸収し得るので、更に劣化しやすいイモニウム系近赤外線吸収剤を併用しなくても良い。従って、本発明のディスプレイ用複合フィルタによれば、長時間の使用、特に高温下や高湿下での長時間の使用によっても、近赤外線吸収剤の劣化に帰属されるフィルタの色ムラが起こり難い。また、近赤外線吸収剤の劣化防止のために、ディスプレイ表面等の硝子基材、透視性導電層、或いは光学フィルタ基材間の接着剤層等の有機系近赤外線吸収剤の劣化の原因となる層等から近赤外線吸収層を隔離する必要性がない。そのため、本発明に係るディスプレイ用複合フィルタは、フィルタの色ムラや複合タングステン酸化物微粒子による着色がないことにより外観に優れ、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能の各機能を有しながら、積層工程数を減らして生産効率に優れ、少ない積層数で、材料費も低減できる構成を実用化可能となった。
また、反射防止層のような比較的薄い膜として設けられる層に複合タングステン酸化物微粒子を含有させると、層における微粒子密度が高くなって、ヘイズが高くなるという問題も発生するが、本発明のようにバインダー成分を含む層に含有させると反射防止層に比べて層が厚いため、ヘイズが高くなることを抑制できるというメリットもある。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記透視性導電層が導電性メッシュ層であることが、電磁波遮蔽性能と光透過性能を両立させる点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記導電性メッシュ層は、周縁部の一部を露出されていることが好ましい。このような実施形態の場合、接地のための剥離工程等を必要とせず、複合フィルタの貼付加工、導電性メッシュ層の凹凸の平坦化、及び当該導電性メッシュ層周縁の接地用領域の確保を一つの工程で同時に行うことができるため、更に工程数を減らすことができ、生産性が向上する。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記透明硝子基材のディスプレイ側の面に、前記近赤外線吸収層が積層されており、当該透明硝子基材の観察者側の面に、防眩機能が付与されていることが、外来光の鏡面反射による背景の映り込みを抑えることにより外観及び光学特性を向上できる点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記透明硝子基材の観察者側の面に前記近赤外線吸収層を介し、透明樹脂基材の一面側に透視性導電層を備えた電磁波遮蔽シートの当該透視性導電層を透明硝子基材に向き合わせて積層し、当該電磁波遮蔽シートの当該透明樹脂基材側の表面に、防眩機能及び/又は反射防止機能を有する表面保護層が形成されていることが、外来光の鏡面反射による背景の映り込みや表面の反射を抑えることにより外観及び光学特性を向上できる点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記表面保護層及び/又は近赤外線吸収層には、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。このような実施形態の場合、日光や照明光による光吸収剤の変質や劣化を防ぐことができる。また、本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記近赤外線吸収層は、ネオン光吸収剤及び/又は色補正色素を更に含有することが好ましい。上記構成により、各機能層と基材からなる機能フィルタを貼り合わせる工程を減らすことができるため、生産効率に優れる。また、積層数が少なくなるので厚みが減り、材料費も低減できる。
また、本発明のような層構造を有する場合には、層数削減により界面反射を抑えることができるというメリットがある。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記透明硝子基材の観察者側の面に前記近赤外線吸収層を介し、透明樹脂基材の一面側に透視性導電層を備えた電磁波遮蔽シートの当該透視性導電層を透明硝子基材に向き合わせて積層し、前記透視性導電層の周縁部の少なくとも一部に近赤外線吸収層で被覆されていない接地用領域を設け、当該接地用領域において、前記透明硝子基材と前記透視性導電層の間に、当該透視性導電層と接触する導電性部材が介在し、当該導電性部材が、当該透明硝子基材の視聴者側の面からディスプレイパネル側の面に周り込む導通路を形成することにより、当該導通路を通して当該透明硝子基材のディスプレイパネル側の面から透視性導電層を容易に接地することができる。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記複合タングステン酸化物微粒子の平均分散粒径が800nm以下であることが、可視域の透過率が高く、ヘイズも小さくなる点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶のいずれか1種類以上の結晶構造を含むことが、光学特性の耐久性向上の点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記複合タングステン酸化物微粒子を表す一般式MxWyOzにおいて、M元素がCs(セシウム)であり、該複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有することが、光学特性の耐久性向上の点から好ましい。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタにおいては、前記複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alから選択される1種類以上の元素を含有する酸化物で被覆されていることが、光学特性の耐久性向上の点から好ましい。
本発明のディスプレイ用複合フィルタは、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能の各機能を少なくとも有しながら、積層工程数を減らして生産効率に優れ、少ない積層数で、材料費も低減でき、また、層数削減により界面反射を抑えることができるという効果を奏する。更に、本発明のディスプレイ用複合フィルタは、長時間の使用、特に高温下や高湿下での長時間の使用によっても近赤外線吸収剤が劣化しにくいという効果を奏する。
以下において本発明を詳しく説明する。なお、本発明において「透明硝子基材」とは、前面板(PDPパネル本体とは別個に外付けする板状フィルタ)を構成する硝子板及びPDPパネル本体を構成する観察者側の硝子板の両方を意味している。また、透明硝子基材が前面板を構成する硝子板である場合において「ディスプレイパネル側の面」とは、ディスプレイ用複合フィルタを、ディスプレイパネルの前面に配置した際に、当該ディスプレイパネルと向き合う側の面をいう。「観察者側の面」とは、上記「ディスプレイパネル側の面」とは逆側となる面をいう。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタは、透明硝子基材の片面に、バインダー成分を含有する近赤外線吸収層、及び透視性導電層がこの順序で積層され、且つ、当該近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤として、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有していることを特徴とする。
<複合フィルタの層構成>
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの層構成について図面を用いて説明する。
本発明による複合フィルタの一例の断面図を図1で概念的に示す。なお、図1以下の断面図において、説明の容易化のために、厚み方向(図の上下方向)を面方向(図の左右方向)の縮尺よりも大幅に拡大誇張して図示してある。図1に示す複合フィルタ1は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第一の実施形態であり、透明硝子基材10のPDP60側の面に、透明硝子基材10に近い側から、バインダー成分を含有する近赤外線吸収層20及び透視性導電層50がこの順序で積層された構成である。ここで、近赤外線吸収層20は、バインダー成分及び一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有している。
図2は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第二の実施形態であり、透明硝子基材10のPDP60側の面に、近赤外線吸収層20が形成されており、当該近赤外線吸収層20の表面に、透明樹脂基材12の片面に透視性導電層50の一形態である導電性メッシュ層16を備えた電磁波遮蔽シートの当該導電性メッシュ16側の面が積層されている。また、当該導電性メッシュ層16は、PDP60側の面とは反対側の面が黒化処理されて黒化層13を有する。
尚、導電性メッシュ層は、機械的強度が弱いため独立した層として存在することが困難である。そのため、導電性メッシュ層は、通常、透明基材(透明樹脂基材又は透明硝子基材)の表面に導電層を積層し、当該導電層をエッチングによりメッシュ形状とすることで形成される。次いで、当該導電性メッシュ層を積層した透明基材は、当該導電性メッシュ層側の面又は当該透明基材側の面が透明硝子基材上に積層される。
図3は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第三の実施形態であり、透明硝子基材10のPDP60側の面に、透明硝子基材10に近い側から、近赤外線吸収層20及び透視性導電層50がこの順序で積層され、透明硝子基材10の観察者70側の面には、防眩層30が形成されている。
図4は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第四の実施形態であり、透明硝子基材10のPDP60側の面に、透明硝子基材10に近い側から、近赤外線吸収層20及び透視性導電層50がこの順序で積層され、透明硝子基材10の観察者70側の面には、防眩層30又は反射防止層40が形成されている。
図5は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第五の実施形態であり、透明硝子基材11のPDP60側の面に、透明硝子基材11に近い側から、近赤外線吸収層20及び透視性導電層50がこの順序で積層され、透明硝子基材11の観察者70側の面は、防眩機能を有するように粗面化処理されている。
図6は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第六の実施形態であり、電磁波遮蔽シートの透明樹脂基材12側の観察者側の面に防眩層30が積層され、当該電磁波遮蔽シートのPDP60側の面に透視性導電層50の一形態である導電性メッシュ層16が形成されている。当該導電性メッシュ層16側の表面に近赤外線吸収層20が当該導電性メッシュ層16の凹凸を平坦化するように形成されており、当該近赤外線吸収層20のPDP60側の面に透明硝子基材10が貼り付けられている。前記電磁波遮蔽シートにおける導電性メッシュ層16は、前記透明樹脂基材12側の面に黒化層13が形成されており、また、当該導電性メッシュ層16は、周縁部の接地用領域の一部15が露出している。また、前記透明硝子基材10の一側縁に導電性部材17が配置されており、図6に示すように、当該導電性部材17が当該透視性導電層16周縁部の接地用領域15と接触し、当該透明硝子基材10の観察者側の面からPDP60側の面に沿って導通路を形成している。また、導電性部材17のPDP60側の面に、ガスケット18が設けてある。これにより、当該ガスケット18からPDP本体に、容易にアースを取ることができる。また、当該導電性部材17のPDP側の面から直接PDP本体に、アースを取ることもできる。尚、本発明において用いられる導電性部材17は、導電性を有する物質であれば特に制限されるものではないが、導電性が良い点で金属が好ましい。
図7は、本発明に係る複合フィルタの好適な実施形態のうちの第七の実施形態であり、電磁波遮蔽シートの透明樹脂基材12側の観察者側の面に防眩層30が積層され、当該電磁波遮蔽シートのPDP60側の面に透視性導電層50の一形態である導電性メッシュ層16が形成されており、当該導電性メッシュ層16は、前記透明樹脂基材12側の面に黒化層13を有する。また、当該導電性メッシュ層16の表面に、近赤外線吸収層20が当該導電性メッシュ層16の凹凸を平坦化するように形成され、当該近赤外線吸収層20が複合フィルタの貼付面となり、例えば、当該複合フィルタをPDP60の前面(観察者側)に直接貼り付けることが可能である。
なお、上記実施形態によるディスプレイ用複合フィルタは、前記複合タングステン酸化物微粒子を分散させた層をPDP前面貼付時に観察者側から見て電磁波遮蔽シートの裏側になるように配置したため、当該ディスプレイ用複合フィルタ表面は複合タングステン酸化物微粒子の色味を帯びず、PDP前面に配置されてPDPを消している場合にPDP前面が着色したように見えて使用者に好まれないという従来の問題を解消できる。且つ、複合タングステン酸化物微粒子の高屈折率に起因する表面の外光反射による画像コントラスト低下及び外光映り込みと云う従来の問題もまた解消できる。
本発明のディスプレイ用複合フィルタによれば、1つの前面板を構成する硝子板とその両面を用いて、電磁波遮蔽機能以外に、近赤外線吸収機能、反射防止機能、防眩機能、及び/又は耐擦傷機能等の各種機能を複合化するように設計することができる。そのため、光学機能発現部分は、従来のように、各個に透明基材を有し合計で複数(2乃至3層程度)の透明基材を有する積層構成をとらない。従って、従来複数含まれていた光学フィルタの透明基材やそれらを貼り合わせるための接着剤層を減らすことができる。その結果、本発明のディスプレイ用複合フィルタは、材料費が低減できる。また、本発明のような層構成を有する場合には、層数削減により界面反射を抑えることができるというメリットがある。
また、本発明において透明基材として用いられる前記透明硝子基材は、耐熱性、耐擦傷性に優れ、また、安価であるというメリットがある。
本発明において近赤外線吸収剤として用いられる前記複合タングステン酸化物微粒子は、耐熱性、耐湿性、耐光性が高い。また、従来の有機系近赤外線吸収色素を劣化させる要因となっていたディスプレイ前面板等の硝子基材、透視性導電層、或いは光学フィルタ基材間の接着剤層と接触する層に含有させても、これらの層等との反応による特性劣化を生じ難い。その上、前記複合タングステン酸化物微粒子は、ディスプレイ前面より発生する波長800〜1,100nmの近赤外線帯域全般を当該複合タングステン酸化物微粒子のみで吸収し得るので、更に劣化しやすいイモニウム系近赤外線吸収剤を併用しなくても良い。従って、本発明のディスプレイ用複合フィルタによれば、長時間の使用、特に高温下や高湿下での長時間の使用によっても、近赤外線吸収剤の劣化に帰属されるフィルタの色ムラが起こり難い。また、近赤外線吸収剤の劣化防止のために、ディスプレイ表面等のガラス基材、透視性導電層、或いは、光学フィルタ基材間の接着剤層等から近赤外線吸収層を隔離する必要性がない。そのため、本発明に係るディスプレイ用複合フィルタのような外観に優れ、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能及び表面保護機能の各機能を有しながら、積層工程数を減らして生産効率に優れ、少ない積層数で、材料費も低減できる構成を実用化可能となった。
また、反射防止層のような比較的薄い膜として設けられる層に複合タングステン酸化物微粒子を含有させると、層における微粒子密度が高くなって、ヘイズが高くなるという問題も発生するが、本発明のようにバインダー成分を含む層に含有させると反射防止層に比べて層が厚いため、ヘイズが高くなることを抑制できるというメリットもある。
以下、本発明に用いられる複合フィルタについて、透明硝子基材、近赤外線吸収層、透視性導電層及び表面保護層を順に説明する。
1.透明硝子基材
透明硝子基材は複合フィルタの支持体であり、必要に応じて防眩機能を有するように一方の表面が粗面化処理されていてもよい。
透明硝子基材は、機械的強度が弱い近赤外線吸収層を補強するための支持体であり、機械的強度、光透過性を有すれば、その他耐熱性等の性能を適宜勘案したものを用途に応じて選択すればよい。透明硝子基材の透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光域380〜780nmにおける光線透過率が70%以上、より好ましくは80%以上となる光透過性が良い。なお、光透過率の測定は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV‐3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いることができる。
透明硝子基材の材料として用いる硝子としては、例えば、石英ガラス、カリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラスなどがあるが、安価なソーダライムガラス(青板ガラス)がよく用いられる。
透明硝子基材の厚さは、基本的には用途に応じ選定すればよく、特に制限はないが、通常は1mm〜5mm程度が好適である。1mm未満の厚みとなると機械的強度が不足して反りや弛み、破断などが起こり、5mmを超える厚みとなると過剰性能でコスト高となる。
2.近赤外線吸収層
本発明に係る近赤外線吸収層は、近赤外線吸収機能を有する層であり、バインダー成分及び一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有し、更に後述の紫外線吸収剤等の他の成分を含有していても良いものである。
また、当該近赤外線吸収層に、前記透明硝子基材と後述する透視性導電層とを貼り合わせ可能な接着性に加え、剥離後に当該透明硝子基材の再利用を可能とする(リワーク性ともいう)再剥離性を付与した場合には、当該近赤外線吸収層を、粘着剤層として用いることができる。従って、当該近赤外線吸収層を上記の形態で用いる場合、更に別途粘着剤層等の接着するための層が不要であり、更に生産効率が高くなる。
本発明に係る近赤外線吸収層においては、近赤外線吸収層中に複合タングステン酸化物微粒子が分散されて、複合フィルタに必要な透明性と、近赤外線吸収機能を確保している。
また、近赤外線吸収層には、上記複合タングステン酸化物微粒子及びバインダー成分の他に、紫外線吸収剤、ネオン光吸収材、色補正色素などの光学的機能を調節する成分を含有させてもよい。
(1)複合タングステン酸化物微粒子
前記一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で示される複合タングステン酸化物微粒子は、本発明において近赤外線吸収剤として機能する。従って本発明にかかる近赤外線吸収層は、プラズマディスプレイパネルがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1,100nmの波長域を吸収するものであり、該帯域の近赤外線の透過率が10%以下、更に5%以下であることが好ましい。
前記一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物微粒子は、六方晶、正方晶、立方晶の結晶構造を有する場合に耐久性に優れることから、該六方晶、正方晶、立方晶から選ばれる1つ以上の結晶構造を含むことが好ましい。例えば、六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子の場合であれば、好ましいM元素として、Cs、Rb、Li、K、Ba、Ca、Sr、Fe、Tl、In、Snの各元素から選択される1種類以上の元素を含む複合タングステン酸化物微粒子が挙げられる。中でも、M元素としては、耐久性の点から、Cs(セシウム)であることが好ましい。
このとき、添加されるM元素の添加量xは、0.001以上1.0以下が好ましく、更に好ましくは0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出されるxの値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。一方、酸素の存在量zは、2.2以上3.0以下が好ましい。例えば、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができるが、x、zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な近赤外線吸収特性を得ることができる。
このような複合タングステン酸化物微粒子は、各々単独で使用してもよいが、混合して使用することも好ましい。
また、上記複合タングステン酸化物微粒子の表面を、Si、Ti、Zr、Alのいずれか1種類以上の元素を含有する酸化物で被覆することが、耐候性をより向上させることができる点から、好ましい。
また、複合タングステン酸化物微粒子の平均分散粒子径は、近赤外線吸収層の透明性の点から800nm以下であることが好ましく、更に好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下である。尚、ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径をいい、粒度分布・粒子径分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、ナノトラック粒度分布測定装置)を用いて測定することができる。
複合タングステン酸化物微粒子の含有量は、特に限定されないが、近赤外線吸収層中に、1〜25重量%であることが好ましい。含有量が1重量%より多ければ、十分な近赤外線吸収機能を発現でき、25重量%以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
(2)バインダー成分
本発明の近赤外線吸収層において、前記複合タングステン酸化物微粒子と共に用いられるバインダー成分は、前記複合タングステン酸化物微粒子を均一に分散し、且つ、当該近赤外線吸収層に成膜性や、基材に対する密着性を付与するために、必須成分として配合される。特に、当該近赤外線吸収層に粘着剤層としての機能を持たせる場合には、バインダーとして粘着剤を用いる。
また、本発明の近赤外線吸収層で使用するバインダー成分は透明性を有する必要がある。バインダー成分の透明性は、人が透明と感じる程度であれば特に制限はないが、JIS K7136に準拠した曇度(ヘイズ)が5以下のものが好ましく、3以下が特に好ましい。
バインダー成分は、前記複合タングステン酸化物微粒子を分散可能であれば有機材料であってもよいし、無機材料であってもよい。
有機材料としては、それ自体は重合反応性のない非重合性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、又は熱硬化性樹脂等の重合反応性樹脂のいずれを用いても良い。
非重合性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、珪素系樹脂、ポリカーボネート樹脂あるいはポリエステル系樹脂等を用いることができるが、中でも(メタ)アクリル系樹脂が透明性に優れるため、特に好ましい。ここで、(メタ)アクリル系樹脂とは、アクリル系樹脂及び/又はメタクリル系樹脂をいう。以下同様の略称表記法を用いる。
上記アクリル系樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸及びこれらの誘導体の(メタ)アクリル系単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体である。
上記(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、及び(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸sec‐プロピル、(メタ)アクリル酸n‐ブチル、(メタ)アクリル酸sec‐ブチル、(メタ)アクリル酸tert‐ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n‐ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n‐オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2‐エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
更に、本発明で用いられるアクリル系樹脂には、上記の他に、他の官能基を有するモノマーが共重合されていても良い。他の官能基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル及びアリルアルコール等の水酸基を含有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N‐メチル(メタ)アクリルアミド及びN‐エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;N‐メチロール(メタ)アクリルアミド及びジメチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基とメチロール基とを含有するモノマー;アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びビニルピリジン等のアミノ基を含有するモノマーのような官能基を有するモノマー;アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂の分子量は1,000〜500,000、更に10,000〜100,000が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、上記非重合性樹脂の化学骨格に、重合性官能基として、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のエチレン性二重結合含有基で代表されるラジカル重合性不飽和基、或いはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を導入した樹脂や、上記重合性官能基を1分子あたり2つ以上有する多官能のモノマー又はオリゴマー(プレポリマーとも云う)を混合した組成物が用いられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
カチオン重合性オリゴマーとしては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂オリゴマー、ビスフェノール型エポキシ樹脂オリゴマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂オリゴマー等が挙げられる。
多官能のモノマー又はオリゴマーのうち、2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
3官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート類を挙げることができる。
4官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
電離放射線として紫外線、或いは可視光線を用いる場合には光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマー又はオリゴマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系等の化合物が、また、カチオン重合系のモノマー又はオリゴマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマー及び/又はオリゴマーからなる組成物100重量部に対して0.1〜5重量部程度添加する。
尚、電離放射線としては、紫外線又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
また、熱硬化性樹脂としては、上記非重合性樹脂の化学骨格に、グリシジル基等のエポキシ含有基、或いは上記ラジカル重合性不飽和基を導入した熱硬化性樹脂や、上記非重合性樹脂に、エポキシ含有基、或いは上記ラジカル重合性不飽和基を1分子あたり2つ以上有する多官能のエポキシ樹脂を混合した組成物が用いられる。或いは、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール化合物から成る主剤と、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物とから成る硬化剤とを反応させてなる所謂2液硬化型ウレタン樹脂を用いることも出来る。
有機バインダー樹脂の総配合量は、近赤外線吸収層全体の固形分に対して40〜99重量%、更に50〜98重量%であることが好ましい。
一方、無機材料としては、可視光領域での光線透過率の高い成分であれば限定されるものではなく、例えば公知のオルガノポリシロキサン又は水ガラス(珪酸ナトリウムの濃水溶液)を用いることができる。
前記オルガノポリシロキサンとしては、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水性や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式YSiX4−n(n=1〜3)で表される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が主体となる。上記一般式でYはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、または、エポキシ基を挙げることができ、Xはハロゲン、メトキシル基、エトキシル基、または、アセチル基を挙げることができる。
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt‐ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt‐ブトキシシラン;n‐プロピルトリクロルシラン、n‐プロピルトリブロムシラン、n‐プロピルトリメトキシシラン、n‐プロピルトリエトキシシラン、n‐プロピルトリイソプロポキシシラン、n‐プロピルトリt‐ブトキシシラン;n‐ヘキシルトリクロルシラン、n‐ヘキシルトリブロムシラン、n‐ヘキシルトリメトキシシラン、n‐ヘキシルトリエトキシシラン、n‐ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n‐ヘキシルトリt‐ブトキシシラン;n‐デシルトリクロルシラン、n‐デシルトリブロムシラン、n‐デシルトリメトキシシラン、n‐デシルトリエトキシシラン、n‐デシルトリイソプロポキシシラン、n‐デシルトリt‐ブトキシシラン;n‐オクタデシルトリクロルシラン、n‐オクタデシルトリブロムシラン、n‐オクタデシルトリメトキシシラン、n‐オクタデシルトリエトキシシラン、n‐オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n‐オクタデシルトリt‐ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt‐ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt‐ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt‐ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt‐ブトキシシラン;γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリt‐ブトキシシラン;γ‐メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ‐メタアクリロキシプロピルトリt‐ブトキシシラン;γ‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ‐アミノプロピルトリt‐ブトキシシラン;γ‐メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリt‐ブトキシシラン;β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
また、バインダーとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF(CF)CHCHSi(OCH)
CF(CF)CHCHSi(OCH)
CF(CF)CHCHSi(OCH)
CF(CF)CHCHSi(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)
CF(C)CSi(OCH)
CF(CF)(C)CSi(OCH)
CF(CF)(C)CSi(OCH)
CF(CF)(C)CSi(OCH)
CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)
CF(C)CSiCH(OCH)
CF(CF)(C)CSiCH(OCH)
CF(CF)(C)CSiCH(OCH)
CF(CF)(C)CSiCH(OCH)
CF(CF)CHCHSi(OCHCH)
CF(CF)CHCHSi(OCHCH)
CF(CF)CHCHSi(OCHCH)
CF(CF)CHCHSi(OCHCH)
CF(CF)SON(C)CCHSi(OCH)
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダーとして用いることにより、光触媒含有層の非光照射部の撥水性が大きく向上し、ブラックマトリックス用塗料や着色層用塗料の付着を妨げる機能を発現する。
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記化学式(1)で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2009031720
ただし、nは2以上の整数である。R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基である。モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R,Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダーに混合してもよい。
前記水ガラスとは、一般的に珪酸ナトリウムNaO・nSiO(n=2〜4)が水に溶けた粘度の高い溶液である。一般的な水ガラスの製造方法としては、珪砂と炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを混合し、1,100℃以上で溶融することでガラス状の塊(カレットと称す)を得て、このカレットをオートクレーブで加圧下(5〜7kgf/cm×数時間)にて水に溶解後、濾過して得る方法(乾式法)と、珪砂または珪酸白土と水酸化ナトリウムを混合後、オートクレーブで溶解後濾過して得る方法(湿式法)がある。
本発明において近赤外線吸収層に用いられる粘着剤は、上記複合タングステン酸化物微粒子等を均一に分散し、且つ成膜性を与え、更にディスプレイパネルの前面や他の光学フィルタに接合可能な貼付面としての機能を近赤外線吸収層に付与するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の各種粘着剤を適宜選択して用いることができる。
(3)ネオン光吸収剤
ネオン光吸収剤は、プラズマディスプレイパネルから放射されるネオン光即ちネオン原子の発光スペクトルを吸収するべく含有される。ネオン光吸収剤が含まれる場合には、少なくともディスプレイからのオレンジ色発光が抑制可能で、鮮やかな赤色を得ることができる。ネオン光の発光スペクトル帯域は波長550〜640nmの為、ネオン光吸収層として機能する場合の分光透過率は波長550nmにおいて50%以下、更に25%以下になるように設計することが好ましい。ネオン光吸収剤は、少なくとも550〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素を用いることができる。該色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等を挙げることができる。これらの中でもポルフィリン系が好ましい。その中でも特に、特許第3834479号公報に開示されるような、テトラアザポルフィリン系色素が、近赤外線吸収層中でも分散性が良好で、且つ耐熱性、耐湿性、耐光性が良好な点から好ましい。
ネオン光吸収剤の含有量は、特に限定されないが、近赤外線吸収層中に、0.05〜5重量%であることが好ましい。含有量が0.05重量%より多ければ、十分なネオン光吸収機能を発現でき、5重量%以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
(4)色補正色素
また、色補正色素とは、パネルからの発光の色純度や色再現範囲、電源OFF時のディスプレイ色などの改善の為にディスプレイ用フィルタの色を調整するために含有される。各ディスプレイ毎に色補正機能の要求が異なるため、適宜調整して用いられる。
色補正色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素を使用することができる。
色補正色素の含有量は、補正すべき色に合わせて適宜調整され、特に限定されない。通常、近赤外線吸収層中に0.01〜10重量%程度含有する。
(5)その他の成分
本発明における近赤外線吸収層には、所望に応じて、イソシアネート化合物等の架橋剤、粘着付与剤等が含まれていても良い。
その他、近赤外線吸収層には、複合タングステン酸化物微粒子の分散性を向上するための分散剤として各種分散剤や、各種界面活性剤、シランカップリング剤等が含まれていても良い。
また、本発明の効果を損なわない限り、複合タングステン酸化物微粒子以外の近赤外線吸収剤を含んでいても良い。複合タングステン酸化物微粒子以外の近赤外線吸収剤としては、上記一般式で表される以外のタングステン酸化物などの無機系近赤外線吸収剤から適宜選択して用いられる。
(6)近赤外線吸収層の形成
近赤外線吸収層は、前述した特定の複合タングステン酸化物微粒子とバインダー成分とを少なくとも含有する近赤外線吸収層用塗工液を、例えば、上記第一の実施形態(図1参照)においては透視性導電層上に塗工する等の湿式成膜法により形成することができる。
近赤外線吸収層用塗工液は、前記特定の複合タングステン酸化物微粒子の分散を良好にするために、前記特定の複合タングステン酸化物微粒子を、必要に応じて界面活性剤やシランカップリング剤を用いて、予め適宜溶剤中に分散させて複合タングステン酸化物微粒子分散液とした後、当該分散液とバインダー成分と必要に応じて更に溶剤及び/又は粘着剤を混合することにより、微粒子の分散状態を均一で良好にすることが好ましい。
また、後述の導電性メッシュ層面上に、当該導電性メッシュ層の凹凸を平坦化し、且つ当該導電性メッシュ層の周縁部の一部を露出させるように、近赤外線吸収層を設ける場合には、当該近赤外線吸収層を間欠塗工又は間欠貼合する。導電性メッシュ層の周縁部の一部を露出させるために、近赤外線吸収層は全面形成するのではなく、パターン状に形成する。
当該近赤外線吸収層は、導電性メッシュ層の凹凸内に空気が入らないように、凹凸部分を完全に埋めつつ、近赤外線吸収層表面が平坦化するように塗工又は貼合されることが、複合フィルタの透明性を向上させる点から好ましい。また、露出させる導電性メッシュ層の周縁部の一部としては、後述する接地用領域として用いられる部分とすれば充分である。中でも近赤外線吸収層は、前記導電性メッシュ層の周縁部4辺全てを露出させるように設けられることが好ましい。
3.透視性導電層
透視性導電層とは、当該透視性導電層を通して、PDPの表示画像を観賞できる光透過性を有し、且つ、PDPから発生する電磁波を遮蔽できる導電性を有する層のことを意味する。また、透視性導電層は機械的強度が弱いため独立した層として存在することが困難であり、通常、当該透視性導電層は、透明樹脂基材の表面に積層される。
透視性導電層としては、酸化錫、インジウム‐錫系酸化物(ITO)、アンチモンドープ錫系酸化物、又は銀(Ag)単層からなる薄膜、或いはインジウム‐錫系酸化物と銀を積層した透明導電性材料を用いて全面に亘って非パターン状(ソリッド状)に形成した薄膜、或いは銅、銅合金、アルミニウムその他の金属材料等の不透明性の導電性材料を微細なメッシュパターン状に形成して透明性を付与した導電性メッシュ層を用いることができる。本発明では、透視性導電層の材料及び形成方法は特に限定されるものではなく、従来公知の透視性導電層を適宜採用できるものである。透明基材へ導電インキをパターン状に印刷したものを用いても良い。
また、透視性導電層として導電性メッシュ層を用いる場合には、外光反射を抑制するために、導電性メッシュ層の観察者側の面を黒化処理することが好ましい。以下の説明においては、透視性導電層として導電性メッシュ層を用いた例を説明する。
(1)導電性メッシュ層
導電性メッシュ層16は、導電性を有することで電磁波遮蔽機能を担える層であり、またそれ自体は不透明性材料からなるが、多数の開口部が存在するメッシュ状の形状に加工することにより、電磁波遮蔽性能と光透過性を両立させている層である。
また、導電性メッシュ層16は、一般的には金属箔のエッチングで形成した物が代表的であるが、これ以外のものでも、電磁波シールド性能に於いては意義を有する。従って、本発明では、導電性メッシュ層の材料及び形成方法は特に限定されるものでは無く、従来公知の各種導電性メッシュ層を適宜採用できるものである。例えば、印刷法やめっき法等を利用して透明樹脂基材上に最初からメッシュ状の形状で導電性メッシュ層を形成したもの、或いは、最初は透明樹脂基材上に全面に、蒸着、スパッタ、めっき等の1或いは2以上の物理的或いは無電解めっき等の化学的形成手法を用いて非パターン状の透視性導電層を形成後、エッチング加工等でメッシュ状の形状にして導電性メッシュ層としたもの等でも構わない。
導電性メッシュ層は、電磁波遮蔽性能を発現するに足る導電性を有する物質であれば、特に制限は無いが、通常は、導電性が良い点で金属層が好ましく、金属層は上記のように、蒸着、めっき、金属箔ラミネート等により形成することができる。金属層の金属材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム等が挙げられる。また、金属層の金属は合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。例えば、鉄の場合には、低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金、等が好ましい。一方、金属が銅の場合は、金属材料は銅や銅合金となり、銅箔としては圧延銅箔や電解銅箔があるが、薄さ及びその均一性、黒化層との密着性等の点からは、電解銅箔が好ましい。
なお、金属層による導電性メッシュ層の厚さは、1〜50μm程度、好ましくは2〜15μmである。厚さがこれより薄くなり過ぎると電気抵抗上昇により十分な電磁波遮蔽性能を得難くなり、厚さがこれより厚くなり過ぎると高精細なメッシュ形状が得難くなり、メッシュ形状の均一性が低下する。導電性メッシュ層の平坦化を行いやすく、平坦化を行った際に気泡の混入が少なく、透明性に優れた複合フィルタを得やすい点からは、導電性メッシュ層の厚さは2〜10μm程度であることが好ましい。
[メッシュの形状]
また、導電性メッシュ層のメッシュ状としての形状は、任意で特に限定されないが、そのメッシュの開口部の形状として、正方形が代表的である。開口部の平面視形状は、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形等の多角形、或いは、円形、楕円形等である。メッシュはこれら形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は通常幅均一のライン状のライン部となり、通常は、開口部及びライン部は全面で同一形状同一サイズである。具体的サイズを例示すれば、開口率及びメッシュの非視認性の点で、開口部間のライン部の幅は5〜30μmが良い。また、開口部サイズは〔ライン間隔或いはラインピッチ〕−〔ライン幅〕であるが、この〔ライン間隔或いはラインピッチ〕で言うと100μm〜500μm、且つ開口率(開口部の面積の合計/メッシュ部の全面積)を50〜97%とするのが、光透過性と電磁波遮蔽性との両立性の点で好ましい。また、ラインピッチは100μm〜500μmの間でランダムでもかまわない。
なお、バイアス角度(メッシュのライン部と導電性メッシュ層の外周辺との成す角度)は、PDPの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
[接地用領域とメッシュ領域]
また、導電性メッシュ層16は、図8の平面図で概念的に例示する導電性メッシュ層16のように、その平面方向に於いて、中央部のメッシュ領域161以外に周縁部に接地用領域162を備えた層とするのが、接地をとり易い点でより好ましい。当該接地用領域は画像表示を阻害しない為に、画像表示領域周縁部の一部又は全周に形成する。当該メッシュ領域とは複合フィルタを適用するPDPの画像表示領域を全て覆うことが出来る領域である。当該接地用領域とは接地をとる為の領域である。当該画像表示領域とは、PDPが実質的に画像を表示する領域(実質的画像表示領域)を少なくとも意味するが、PDPを観察者から見た場合にPDPの外枠体による枠の内側全体の領域も便宜上含めた意味としても良い。その理由は、当該枠の内側で且つ実質的画像表示領域の外側に黒い領域(縁取り)が存在する場合、そこは本来画像表示領域外だが、目に触れる以上は外観が実質的画像表示領域と異なるのは違和感が生じるからである。
なお、接地用領域は基本的にはメッシュは不要だが、接地用領域の反り防止等の目的から、開口部から成るメッシュが存在しても良い。
[黒化処理]
黒化処理は上記導電性メッシュ層の面の光反射を防ぐためのものであり、黒化処理で形成された黒化処理面により、導電性メッシュ層面での外光反射による透視画像の黒レベルの低下を防ぎ、また、透視画像の明室コントラストを向上させて、PDPの画像の視認性を向上するものである。黒化処理面は、導電性メッシュ層のライン部(線状部分)の全ての面に設けることが好ましいが、本発明では表裏両面のうち少なくとも観察者側であると共に外光入射側の面を黒化処理面とすることが好ましい。表裏両面や、側面(両側或いは片側)が更に黒化処理されていても良い。黒化層は、少なくとも観察者側に設ければ良いが、PDP面側にも設ける場合には、PDPから発生する迷光を抑えられるので、さらに、画像の視認性が向上する。
黒化処理としては、黒化層の金属メッキ層面を粗化するか、全可視光スペクトルに亘って光吸収性を付与する(黒化する)か、或いは両者を併用するか、何れかにより行なう。具体的に黒化処理としては、導電性メッシュ層にメッキ等で黒化層を付加的に設ける他、エッチング等で表面から内部に向かって当該表面を構成する層自体を黒化層に変化させても良い。
本発明において黒化層は、黒等の暗色を呈し、密着性等の基本的物性を満足するものであれば良く、公知の黒化層を適宜採用し得る。
従って、黒化層としては、金属等の無機材料、黒着色樹脂等の有機材料等を用いることができ、例えば無機材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物の金属化合物等の金属系の層として形成する。金属系の層の形成法としては、従来公知の各種黒化処理法を適宜採用できる。
本発明の黒化層としては、Ni−Cu−Oの3元素からなる化合物(以下、(Ni−Cu−O)化合物と称する)を用いることが、密着性に優れると共に、エッチング加工適正にも優れ、且つ外光吸収を行うのに十分な黒色度を有する点から好ましい。透視性導電層への外光を吸収させて、ディスプレイの画像の視認性を向上するために、直接又は他の層を介して透明樹脂基材上に黒化層を形成する。黒化層の形成方法は特に限定されないが、スパッタ法、真空蒸着法などの気相成膜によって好適に形成することができる。堆積速度が速く密着性にすぐれることから特にスパッタ法が好ましい。スパッタ法では、Ni−Cu(ニッケル−銅合金)をターゲットとし、所望量の酸素ガスを供給しながら高電圧をかけてイオン化したアルゴン原子をぶつけて、ターゲットをイオン化して弾き飛ばして透明樹脂基材上に堆積させて黒化層を形成する。本発明に係る黒化層は黒色度が高いため、外光を吸収して外光反射(ぎらつき感)を抑えることができる。
黒化層の反射Y値としては10以下が好ましい。なお、反射Y値は色度計(CM−3600d ミノルタ製)を用いて観察視野角10度、観察光源D65にて測定する。
[防錆層]
導電性メッシュ層としては、必要に応じ適宜その他の層の形成、乃至は処理を施しても良い。例えば、錆びに対する耐久性が不十分な場合は、防錆層を設けると良い。
防錆層は、それで被覆する導電性メッシュ層よりも錆び難いものであれば、金属等の無機材料、樹脂等の有機材料、或いはこれらの組合せ等、特に限定されるものではない。また場合によっては、黒化層をも防錆層で被覆することで、黒化層の粒子の脱落や変形を防止し、黒化層の黒さを高めることもできる。従って、本発明においては、黒化層の脱落や変質防止の点から、黒化層上に防錆層が設けられることが好ましい。
防錆層は、従来公知のものを適宜採用すれば良く、例えば、クロム、亜鉛、ニッケル、スズ、銅等の金属乃至は合金、或いは金属酸化物の金属化合物の層等である。これらは、公知のめっき法等で形成できる。
なお、防錆層の厚さは通常0.001〜2μm程度、好ましくは0.01〜1μmである。
(2)透明樹脂基材
透明樹脂基材は、機械的強度が弱い導電性メッシュ層を補強するための層である。従って、透明樹脂基材としては、機械的強度、光透過性を有すれば、その他、耐熱性等の性能を適宜勘案したものを用途に応じて選択すればよい。このような、透明樹脂基材の具体例としては、樹脂等の有機材料からなるシート(乃至フィルム。以下同様。)が挙げられる。透明樹脂基材の透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光域380〜780nmにおける光線透過率が70%以上、より好ましくは80%以上となる光透過性が良い。なお、光透過率の測定は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いることができる。
透明樹脂基材の材料として用いる透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
なお、これらの樹脂は、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、透明樹脂基材の層構成は、単層、又は2層以上の積層体として用いられる。また、樹脂フィルムの場合、1軸延伸や2軸延伸した延伸フィルムが機械的強度の点でより好ましい。
透明樹脂基材の厚さは、基本的には用途に応じ選定すればよく、特に制限はないが、通常は12〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは50〜200μmである。このような厚み範囲ならば、機械的強度が十分で、反り、弛み、破断などを防ぎ、連続帯状で供給して加工する事も容易である。
なお、本発明では、透明樹脂基材としては、樹脂から成るシート(厚み100μm以上1000μm未満)、フィルム(厚み100μm未満)以外に板(厚み1000μm以上)も使用出来る。
この様な点で、透明樹脂基材の形態としては樹脂板よりは透明樹脂フィルムが好ましい。該樹脂フィルムのなかでも特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルムが、透明性、耐熱性、コスト等の点で好ましく、より好ましくは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが最適である。
また、透明樹脂基材の樹脂中には、更に必要に応じて適宜、公知の添加剤、例えば、後述の紫外線吸収剤の他、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などを本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で加えることができる。
また、透明樹脂基材は、その表面に適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの公知の易接着処理を行ってもよい。
(3)接着剤層
接着剤層は図2において図示していないが、導電性メッシュ層16と透明樹脂基材12の間に接着剤層(又は粘着剤層)が用いられても良い。接着剤層は、導電性メッシュ層と透明樹脂基材とを接着することが可能な層であれば、その種類等は特に限定されるものではないが、若し、上記導電性メッシュ層を構成する金属箔と透明樹脂基材とを接着剤層を介して貼り合わせた後、金属箔をエッチングによりメッシュ状とする場合は、接着剤層も耐エッチング性を有することが好ましい。具体的には、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、ポリエーテルウレタン等のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール単独もしくはその部分鹸化品、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、本発明に用いられる接着剤層(又は粘着剤層)は、紫外線硬化型であってもよく、また熱硬化型であってもよい。特に、透明樹脂基材との密着性などの観点からポリウレタン樹脂、アクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂が好ましい。
接着剤層を介してドライラミネーション法等により透明樹脂基材と導電性メッシュ層を形成するための金属箔とを接着することができる。また、この接着剤層の膜厚が0.5μm〜50μmの範囲内、中でも1μm〜20μmであることが好ましい。これにより、透明樹脂基材と導電性メッシュ層とを強固に接着することができ、また、導電性メッシュ層を形成するエッチングの際に透明樹脂基材が塩化鉄等のエッチング液の影響を受けること等を防ぐことができるからである。
4.表面保護層
本発明に用いられる表面保護層は、ガラス表面での外来光の鏡面反射による背景の映り込み、画像の白化、及び画像コントラスト低下を低減するために、透明硝子基材の表面を保護する層であり、反射防止機能及び/又は防眩機能を有するものである。後者の防眩機能を発現する方法は、曇りガラスのように光を散乱もしくは拡散させて外来光による背景像を暈す手法が挙げられる。また、前者の反射防止機能を発現する方法は、低屈折率である単層を表面に設けるか、或いは屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、最表面が低屈折率層となるように多層化(マルチコート)し、各層界面での反射光を干渉によって相殺することで、表面の反射を抑え、良好な反射防止効果を得る手法が挙げられる。表面保護層は単層の他、多層として形成してもよい。但し、本発明の2層以上の表面保護層間には基材は介在しない。
(1)防眩層
防眩層(Anti Glare層、略称してAG層)は、防眩機能を有する層であり、外来光を散乱もしくは拡散させるために、所望の微細な凹凸形状を光の入射面に付与する粗面化処理が機能付与手段の基本である。基材表面を直接粗面化処理する方法としては、サンドブラスト法やエンボス法等により微細な凹凸を形成する方法が挙げられる。一方、層形成により粗面化処理する方法としては、基体表面に放射線、熱の何れかもしくは組み合わせにより硬化する樹脂バインダー中に、光拡散性粒子としてシリカなどの無機フィラーや、樹脂粒子などの有機フィラーを含有させた塗膜により粗面化層を設ける方法、及び基体表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法等を挙げることができる。樹脂バインダーの樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる関係上、硬化性アクリル樹脂や、電離放射線硬化性樹脂等が好適に使用される。
防眩層の厚みは特に限定されるものではないが、0.07μm以上20μm以下が好ましい。
(2)反射防止層
反射防止層(Anti Reflection層、略称してAR層)は、低屈折率層の単層、或いは、低屈折率層と高屈折率層とを、該低屈折率層が最上層に位置する様に交互に積層した多層構成が一般的であり、蒸着やスパッタ等の乾式成膜法で、或いは塗工等の湿式成膜法も利用して形成することができる。なお、低屈折率層はケイ素酸化物、フッ化マグネシウム、フッ素含有樹脂等が用いられ、高屈折率層には、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等が用いられる。尚、ここで高(低)屈折率層とは、該層と隣接する層(例えば、透明硝子基材、或いは低(高)屈折率層)と比較して該層の屈折率が相対的に高(低)いという意味である。
反射防止効果を向上させるためには、低屈折率層の屈折率は、1.45以下であることが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF(屈折率n=1.4)、3NaF・AlF(屈折率n=1.4)、AlF(屈折率n=1.4)、NaAlF(屈折率n=1.33)、SiO(屈折率n=1.45)等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系・シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。
また、低屈折率層には、空隙を有する微粒子を用いても良い。空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。空隙を有する微粒子は、無機物、有機物のいずれでもあってよく、例えば、金属、金属酸化物、樹脂からなるものが挙げられ、好ましくは、酸化珪素(シリカ)微粒子が挙げられる。
さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形成剤を混合した材料を使用することもできる。該5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。前記シリカゾルはSiOとして0.5〜50質量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。また、皮膜形成剤としては、アルコキシシラン、金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリシロキサンをフッ素変性したものなどを用いることができる。低屈折率層の好ましい態様によれば、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。
低屈折率層は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティングや印刷等によるウェットコーティング法で、高屈折率層上に塗膜を形成し乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させることによって得ることができる。あるいは、低屈折率層は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法で高屈折率層上に形成してもよい。
高屈折率層の形成は、屈折率を高くするために高屈折率のバインダー樹脂を使用するか、高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行なうか、あるいはこれらを併用することによって行なう。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.70の範囲にあることが好ましい。
高屈折率層に用いる樹脂については、透明なものであれば任意の樹脂が使用可能であり、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、放射線(紫外線を含む)硬化型樹脂などを用いることができる。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いることができ、これらの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることができる。
高い屈折率を有する超微粒子としては、例えば、紫外線遮蔽の効果をも得ることができる、ZnO(屈折率n=1.9)、TiO(屈折率n=2.3〜2.7)、CeO(屈折率n=1.95)の微粒子、また、帯電防止効果が付与されて埃の付着を防止することもできる、アンチモンがドープされたSnO(屈折率n=1.95)又はITO(屈折率n=1.95)の微粒子が挙げられる。その他の微粒子としては、Al(屈折率n=1.63)、La(屈折率n=1.95)、ZrO(屈折率n=2.05)、Y(屈折率n=1.87)等を挙げることができる。これらの微粒子は単独又は混合して使用され、有機溶剤又は水に分散したコロイド状になったものが分散性の点において良好であり、その粒径としては、1〜100nm、塗膜の透明性から好ましくは、5〜20nmであることが望ましい。
高屈折率層を設けるには、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等の方法で基体上に塗布し乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させればよい。
反射防止層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、反射防止すべき可視光線の波長(380nm〜780nm)の1/4程度(95〜195nm)である。
本発明における表面保護層は、上述のように防眩機能及び/又は反射防止機能を有するものであり、適宜、紫外線遮蔽機能や防汚染機能等を付与してもよい。
(3)紫外線吸収層
本発明において、紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含有することで紫外線吸収機能を付与される層であり、上記本発明に係る近赤外線吸収層に含有される光吸収剤の劣化を防止するために、上記近赤外線吸収層中に含ませるか、近赤外線吸収層よりも観察者側に配置される層であることが好ましい。また、透明硝子基材の一方の面に表面保護層を設ける関係上、表面保護層形成面側に、紫外線吸収剤を含む該紫外線吸収層を形成する場合には、独立した層であっても良いし、該紫外線吸収層と表面保護層とを兼用してこれを表面保護層とする形態としても良い。
勿論、硝子基材中に紫外線吸収剤を添加することも可能である。但し、使用可能な紫外線吸収剤の制約(高温の溶融硝子中で変質、劣化し無いだけの耐熱性必要)、製造原価の高騰等の点であまり推奨は出来無い。
紫外線吸収剤としては、可視光線領域に於いて透明性が高く、且つ紫外線領域(波長380nm以下)に於いて十分な吸収性を有する物質が選択される。例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなる公知の化合物を用いることができる。
また、独立した紫外線吸収層とする場合は、このような紫外線吸収剤をバインダー樹脂に添加した組成物を公知の方法で塗布形成すれば良い。該バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ、アクリレート、メタアクリレート等の単量体、プレポリマー等から成る熱硬化型樹脂或いは電離放射線硬化型樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の硬化性樹脂などが挙げられる。
また、市販の紫外線カットフィルタ、例えば、富士写真フィルム社製の「シャープカットフィルターSC‐38」(商品名)、「同SC‐39」、「同SC‐40」、三菱レーヨン社製の「アクリプレン」(商品名)等を用いることもできる。
紫外線吸収層の厚みは特に限定されるものではないが、1.0μm以上30μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
(4)その他の機能層
また表面保護層は、複合フィルタを使用する際に、その観察者(鑑賞者)側の表面に不用意な接触や環境からの汚染が原因でごみや汚染物質が付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために防汚染層や帯電防止層が形成されても良い。防汚染機能を付与するためには例えば、フッ素系コート剤、シリコン系コート剤、シリコン・フッ素系コート剤等が使用され、中でもシリコン・フッ素系コート剤が好ましく適用される。これらの防汚染層としての厚さは好ましくは100nm以下で、より好ましくは10nm以下であり、更に好ましくは5nm以下である。これらの防汚染層の厚さが100nmを超えると防汚染性の初期値は優れているが、耐久性において劣るものとなる。防汚染性とその耐久性のバランスから5nm以下が最も好ましい。
防汚染層を独立した層として設ける場合は、防眩層や反射防止層等の表面保護層の最表面に設けることが好ましい。
また、本発明に用いられる表面保護層は、1層で複数の機能を兼ねる層として形成されることが好ましい。
例えば、防眩機能に加えて、更に外来光の鏡面反射防止機能を有していても良い。具体例として、防眩層を反射防止層とする場合は、表面保護層において最上層にある防眩層を前記の反射防止層のところで述べたような手法により、その直下の層よりも低屈折率化すれば良い。
本発明に係る複合フィルタにおいて、防眩機能及び/又は反射防止機能を有する表面保護層の他に、更に防汚染層、ネオン光吸収層、紫外線吸収層等のその他の機能層を独立して設ける場合には、できるだけ少ない層数で多機能を実現する観点から、図3に示す防眩層30又は反射防止層40の観察者70側(位置Aとする)、防眩層30又は反射防止層40と透明硝子基材10との間(位置Bとする)、又は近赤外線吸収層20の透明硝子基材10側(位置Cとする)から任意に選ばれる1箇所以上に、各位置ごとに1層のみ付加的な機能層を設けるのが好ましく、特に、位置A又は位置Bのうちの1箇所又は両方の位置に各々1層のみ設けることが好ましい。但し、本発明の2層以上の層間には透明硝子基材10以外の基材は介在しない。また、これらのその他の機能層はその機能発現の観点から、防汚染層は位置Aに設けられることが好ましい。また、防眩層30、反射防止層40及び/又は近赤外線吸収層20は紫外線吸収剤を含有し、紫外線吸収機能を併せもつことが好ましい。
5.ディスプレイ用複合フィルタの特性
以上、各層を例示して説明したが、本発明のディスプレイ用複合フィルタは、代表的な用途であるプラズマディスプレイパネルの前面に適用される場合には、プラズマディスプレイパネルがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、800〜1100nmの波長域における光透過率が30%以下、更に20%以下、特に10%以下であることが好ましい。
また、本発明のディスプレイ用複合フィルタは、代表的な用途であるプラズマディスプレイパネルの前面に適用される場合には、プラズマディスプレイパネルがキセノンガス放電を利用して発光する際、ネオン原子が励起された後、基底状態に戻るときに発光するネオン光、即ち、570〜610nmの波長域における光線透過率が50%以下、更に30%以下であることが好ましい。
また、本発明のディスプレイ用複合フィルタは、可視光領域、即ち、380〜780nmの波長域で、充分な光線透過率、すなわち可視光透過率30%以上、更に40%以上を有することが望ましい。
なお、本発明における光透過率は、JIS−Z8701に準拠して分光光度計(例えば、品番:UV−3100PC、会社名:株式会社島津製作所)にて測定することができる。
本発明のディスプレイ用複合フィルタは、優れた光学フィルタ機能の耐久性を有し、高温高湿下での長時間の使用によっても光吸収剤の劣化に帰属される分光特性の変化が起こり難い。具体的には、作製した複合フィルタの初期状態と、当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)、耐熱環境(80℃、湿度10%以下)、耐湿熱環境(60℃95%RH)の3条件下にて1000時間経過後との分光特性(透過率T、色度(x、y))を比較して、いずれも、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが20%以下、更に10%以下であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは10%以下、更に5%以下であることが好ましい。また、複合フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.01以下、更に好ましくは0.007以下であることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
<実施例1>
(導電性メッシュ層の形成)
透明樹脂基材として、厚さ100μmで連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4300:商品名、東洋紡績(株)製)を用意した。次に、このPET表面に銅蒸着を行い金属層を積層した。その上に真空スパッタ法によりニッケルと銅と酸素を含む合金からなる黒化層(Ni−Cu−O黒化層)を形成した。尚、シート抵抗は0.01Ω/□であった。
次いで、上記積層体において、その金属層及び黒化層をフォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、開口部及びライン部とから成るメッシュ状領域から成る透視性導電層を使用するPDPの画像表示領域に対応させて形成し透視性導電層とし、及びメッシュ状領域の4周を囲繞する外縁部に額縁状のメッシュ非形成の接地用領域を有する導電性メッシュ層を形成した。メッシュ形状は開口部が正方形の正方格子であり、線幅は10μm、開口部の間口幅(正方形の辺長)は290μmとした。該メッシュ形状を有する長方形領域1つがPDPの1画面分に対応する。斯かる長方形のメッシュ状領域が、連続帯状に30mm間隔で一方に配列し、又該メッシュ状領域の配列の両側には各々幅15mmの余白部を形成し、周縁部の接地用領域の幅を15mmとした。
エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、上記積層体に対して、レジスト形成、マスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層体の透視性導電層面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンのマスクを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する領域上にはレジスト層が残留し、開口部に相当する領域上にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工した後、塩化第二鉄水溶液で、レジスト層非形成領域の金属層及び黒化層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
(近赤外線吸収層(粘着剤層)の形成)
次に、上記連続帯状の積層体の導電性メッシュ層側の面に対して、各種光吸収剤を添加した近赤外線吸収層(粘着剤層)を形成した。アクリル系粘着剤(綜研化学(株)製、SKダイン2094)100重量部に対して、硬化剤(綜研化学(株)製、E−5XM)0.25重量部、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO3)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02;平均分散粒径800nm以下)11.32重量部、ネオン光吸収剤(山田化学株式会社製、TAP−2;テトラアザポルフィリン系色素)0.045重量部、色補正色素(日本化薬(株)製、KAYASET RED A2G)0.3重量部を各々添加し、充分分散させて近赤外線吸収層組成物を調製した。
そして、上記積層体の導電性メッシュ層側の面に対して、ダイコーターにより乾燥時の厚みが25μmになるように塗布し、風速5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて100℃で1分間乾燥して近赤外線吸収層を形成して、連続帯状の状態で上記積層体に近赤外線吸収層が積層されているシートを得た。尚、近赤外線吸収層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護した。
また、近赤外線吸収層の形成は、間欠塗工法によって、導電性メッシュ層の接地用領域は被覆せずメッシュ領域は被覆するように部分的にパターン状に形成した。
(ガラス板への貼合)
上記積層体に近赤外線吸収層が積層されているシートをガラス板と同サイズに切り出した。近赤外線吸収層の面上の離型フィルムを剥がし、ガラス面に貼合し、複合フィルタを作製した。
[複合フィルタの評価]
作製したディスプレイ用複合フィルタの800〜1100nmの波長域における光線透過率は10%以下、また、可視光透過率は47%であった。なお、本発明における光線透過率は、JIS−Z8701に準拠して分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)にて測定した。
更に、作製したディスプレイ用複合フィルタの初期状態、および当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)、耐熱環境(80℃、湿度10%以下)、耐湿熱環境(60℃95%RH)の3条件下にて1000時間経過後の分光特性(透過率T、色度(x、y))を、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて測定した。初期状態と、上記3条件下で1000時間経過後の透過率T、及び色度(x、y)の測定値から、透過率変化ΔT、及び色度(x、y)の値の差Δx及びΔyを求めた。
その結果、初期状態と当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)、耐熱環境(80℃、湿度10%以下)、耐湿熱環境(60℃95%RH)条件下で1000時間経過後との比較において、いずれも、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが9%以下であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは3%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.004以下であった。
<実施例2>
ガラス表面をサンドブラスト処理で粗面化し、粗面化していない面に上記実施例1の積層体に近赤外線吸収層が積層されているシートを貼合した以外は実施例1と同様に複合フィルタを作製した。
得られた複合フィルタを実施例1と同様にして評価を行った。その結果、作製した複合フィルタの800〜1100nmの波長域における光線透過率は10%以下、また、可視光透過率は47%であった。
また、初期状態と当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)、耐熱環境(80℃、湿度10%以下)、耐湿熱環境(60℃95%RH)条件下で1000時間経過後との比較において、いずれも、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが9%以下であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは3%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.004以下であった。
<実施例3>
(ガラス面に防眩層を積層する工程)
防眩層を、透明樹脂基材に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを70質量部(日本化薬(株)製、屈折率1.49)、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレートを30質量部(東亞合成(株)製、屈折率1.51)、アクリル系ポリマー(三菱レイヨン(株)製、分子量75,000)を10.0質量部、光硬化開始剤である商品名イルガキュア184を5.0質量部(チバガイギ(株)製)配合してなる紫外線硬化型樹脂に、更に、透光性微粒子としてスチレンビーズを15.0質量部(綜研化学(株)製、粒径3.5μm、屈折率1.60)、レベリング剤として商品名「10−28」を0.01質量部(ザ・インクテック(株)製)、トルエンを127.5質量部、及び、シクロヘキサノン54.6質量部、を充分混合して塗布液とした。この塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、防眩層形成用の塗布液を調製した。次に、透明樹脂基材の面上に、該塗布液を、膜厚7μmとなるように塗工した後、50℃のオーブンで加熱乾燥させ、N雰囲気下でUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて紫外線照射して硬化し(積算光量200mJ)、防眩層を形成した。実施例1で作製した複合フィルタのガラス面に上記防眩層フィルムを透明粘着剤(商品名:TU−41A 巴川製紙所製)を用いて貼合し、複合フィルタを作製した。
得られた複合フィルタを実施例1と同様にして評価を行った。その結果、作製した複合フィルタの800〜1100nmの波長域における光線透過率は10%以下、また、可視光透過率は47%であった。
また、初期状態と当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)、耐熱環境(80℃、湿度10%以下)、耐湿熱環境(60℃95%RH)条件下で1000時間経過後との比較において、いずれも、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが9%以下であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは3%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.004以下であった。
<比較例1>
実施例1の近赤外線吸収層形成において、セシウム含有タングステン酸化物(Cs0.33WO)含有量18.5重量%懸濁液(住友金属鉱山(株)製、YMF−02)1.32重量部を用いる代わりに、ジイモニウム系色素である、商品名IRG−022(日本化薬(株)製)0.534質量部と、フタロシアニン系NIR吸収色素である、商品名エクスカラーIR−12A 0.298質量部、商品名エクスカラーIR−14 0.158質量部(以上、日本触媒株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様に複合フィルタを作製した。
得られた比較例1の複合フィルタを実施例1と同様にして評価を行った。その結果、作製した複合フィルタの800〜1100nmの波長域における光線透過率は7%であった。また、可視光透過率は63%であった。
また、初期状態と当該複合フィルタの常環境(23℃、湿度10%以下)条件下で1000時間経過後との比較において、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが1%以下であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは1%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.001以下であった。
また、初期状態と耐熱環境(80℃、湿度10%以下)条件下で1000時間経過後との比較において、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが12%超過であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは15%超過であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは0.03以上であった。
また、初期状態と耐湿熱環境(60℃95%RH)条件下で1000時間経過後との比較において、380nm〜800nmでの透過率変化ΔTが10%超過であり、かつ800nm〜1000nmでの透過率変化ΔTは8%超過であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは0.02以上であった。
本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係るディスプレイ用複合フィルタの他の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に用いられる透視性導電層の一例の平面図である。
符号の説明
1 ディスプレイ用複合フィルタ
10 透明硝子基材
12 透明樹脂基材
13 黒化層
16 導電性メッシュ層
17 導電性部材
18 ガスケット
20 近赤外線吸収層(粘着剤層)
30 防眩層
40 反射防止層
50 透視性導電層
60 プラズマディスプレイ
70 観察者側
161 メッシュ領域
162 接地用領域

Claims (12)

  1. 透明硝子基材の片面に、バインダー成分を含有する近赤外線吸収層、及び透視性導電層がこの順序で積層され、且つ、当該近赤外線吸収層は、近赤外線吸収剤として、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有していることを特徴とするディスプレイ用複合フィルタ。
  2. 前記透視性導電層が導電性メッシュ層であることを特徴とする、請求項1に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  3. 前記導電性メッシュ層は、周縁部の一部が露出していることを特徴とする、請求項2に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  4. 前記透明硝子基材のディスプレイパネル側の面に、前記近赤外線吸収層が積層されており、当該透明硝子基材の観察者側の面に、防眩機能が付与されていることを特徴とする、請求項1に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  5. 前記透明硝子基材の観察者側の面に前記近赤外線吸収層を介し、透明樹脂基材の一面側に透視性導電層を備えた電磁波遮蔽シートの当該透視性導電層を透明硝子基材に向き合わせて積層し、当該電磁波遮蔽シートの当該透明樹脂基材側の表面に、防眩機能及び/又は反射防止機能を有する表面保護層が積層されてなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  6. 前記表面保護層及び/又は近赤外線吸収層に紫外線吸収剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  7. 前記透明硝子基材の観察者側の面に前記近赤外線吸収層を介し、透明樹脂基材の一面側に透視性導電層を備えた電磁波遮蔽シートの当該透視性導電層を透明硝子基材に向き合わせて積層し、前記透視性導電層の周縁部の少なくとも一部に近赤外線吸収層で被覆されていない接地用領域を設け、当該接地用領域において、前記透明硝子基材と前記透視性導電層の間に、当該透視性導電層と接触する導電性部材が介在し、当該導電性部材が、当該透明硝子基材の観察者側の面からディスプレイパネル側の面に周り込む導通路を形成していることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  8. 前記近赤外線吸収層は、ネオン光吸収剤及び/又は色補正色素を更に含有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  9. 前記複合タングステン酸化物微粒子の平均分散粒径が800nm以下であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  10. 前記複合タングステン酸化物微粒子が、六方晶、正方晶、立方晶のいずれか1種類以上の結晶構造を含むことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  11. 前記複合タングステン酸化物微粒子を表す一般式MxWyOzにおいて、M元素がCs(セシウム)であり、該複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
  12. 前記複合タングステン酸化物微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alから選択される1種類以上の元素を含有する酸化物で被覆されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のディスプレイ用複合フィルタ。
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