JP2009030630A - 自動車用ノンスリップ差動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単純、小型、軽量構造で、作動レスポンス、車載性及び経済性に優れ、駆動輪の空転を防止する自動車用ノンスリップ差動装置を提供する。
【解決手段】 本発明の自動車用ノンスリップ差動装置は、同軸上の一対の出力軸の周りを回転駆動されるデフケースと、デフケース内で出力軸と一体に回転する一対のサイドギヤと、デフケース内に回転可能に支持されてサイドギヤと噛合い、デフケースと一体に遊星運動する一対のピニオンギヤと、デフケース内周面とサイドギヤ外周面との間に摺設され、周方向に複数分割された一対の分割プレッシャーリングと、分割プレッシャーリングの各分割面間に挟設され、分割プレッシャーリングを拡径し常時デフケース内周面に押圧する複数の拡張バネと、サイドギヤ外周面と分割プレッシャーリング内周面とに両者の相対回転に伴い分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧するカムとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の自動車用ノンスリップ差動装置は、同軸上の一対の出力軸の周りを回転駆動されるデフケースと、デフケース内で出力軸と一体に回転する一対のサイドギヤと、デフケース内に回転可能に支持されてサイドギヤと噛合い、デフケースと一体に遊星運動する一対のピニオンギヤと、デフケース内周面とサイドギヤ外周面との間に摺設され、周方向に複数分割された一対の分割プレッシャーリングと、分割プレッシャーリングの各分割面間に挟設され、分割プレッシャーリングを拡径し常時デフケース内周面に押圧する複数の拡張バネと、サイドギヤ外周面と分割プレッシャーリング内周面とに両者の相対回転に伴い分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧するカムとを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車の車輪を回転駆動する動力伝達経路の途中に用いられる差動歯車装置に関し、特に前記差動歯車装置に設けられている一対の出力軸間に回転速度差あるいは左右一方の駆動輪に空転が生じた場合に、その差動を制限するとともに前記駆動輪の空転を防止する差動制限機構を備える自動車用ノンスリップ差動装置に関する。
従来、自動車が旋回走行するときの内外輪差を吸収するために、動力伝達経路の途中に差動歯車装置が用いられている。しかし、従来通常の差動歯車装置には、左右いずれか一方の駆動輪が悪路で、例えばぬかるみに落ち込んだり、路面上の氷雪等に乗り上げたりして空転を始めると、駆動輪に駆動力を伝達できなくなるという問題点があった。そこで近年、例えば左右の駆動輪の駆動トルクに大きな差が生じた場合に差動歯車装置の差動を制限するトルク感応型の差動制限機構や、左右の駆動輪の回転数差に応じて差動歯車装置の差動を制限する回転数感応型の差動制限機構等を備えた差動歯車装置が種々提案され用いられている。
このような差動制限機構を備えた差動歯車装置として提案されている代表的な次の5つの例がある。
第1例の差動歯車装置は、図3に示すように、第1及び第2の出力軸410、450と夫々一体に回転する第1及び第2のサイドギヤ31、32と、各々第1及び第2のサイドギヤ31、32の一つと噛合うとともに互いに部分的に噛合うように円筒孔12、13内に回転可能に支持されてデフケース100と一体に遊星運動する第1及び第2の差動歯車35、36と、出力軸450と一体に回転するハブ520とハウジング510との間で回転数差に応じたトルク伝達が可能なビスカスカップリング50とがデフケース100内に配設されている。ハウジング510の外周面には、第1及び第2の差動歯車35、36と回転方向に係合してこれら第1及び第2の差動歯車35、36を円筒孔12、13の内側円筒面14、15に押圧付勢可能なカム面が設けられている(特許文献1参照)。
第2例の差動歯車装置は、図4に示すように、2駆への切換え時に駆動が断たれるフロントデフであって、アウタデフケース131は、インナデフケース141を同軸に回転可能に支持するとともに、それに軸方向に隣接してクラッチ部材143を軸方向には移動可能に収納し、かつ回転方向にはアウタデフケース131と一体回転するように連結し、インナデフケース141とクラッチ部材143とは対向面部に係合離脱可能なドグクラッチ41a、43aを有するとともに、インナデフケース141は差動ギヤ機構157を備え、クラッチ部材143に隣接してアウタデフケース131外側のいずれも図示しないデフキャリア内に固定され4駆/2駆の切換えに連動してクラッチ41a、43aを係合/離脱させるアクチュエータ本体165が備えられている(特許文献2参照)。
第3例の差動歯車装置は、図5(a)、(b)に示すように、外歯歯車G1を設けた内側出力軌道輪221と、内歯歯車G3を設けた外側出力軌道輪223と、外側出力軌道輪223と内側出力軌道輪221との間に予圧を加えて装填する複数の転動体R1と、転動体R1を保持する入力リング222と、外歯歯車G1と内歯歯車G3とに噛合し、入力リング222に取り付ける複数のピニオンギヤG2とを備え、外歯歯車G1とピニオンギヤG2と内歯歯車G3とは遊星歯車機構を形成するとともに、内側出力軌道輪221と転動体R1と外側出力軌道輪223とは軸受を形成し、転動体R1は、内側出力軌道輪221と外側出力軌道輪223との間に生じる差動を滑り摩擦力によって限定的に制限する複合軸受ユニット20Aが主要部として構成されている(特許文献3参照)。
第4例の差動歯車装置は、図6(a)、(b)に示すように、駆動回転入力のリングギヤ301に回転自在に固定するデフケース302内に保持板303を設け、遊星回転体304を少なくとも3個以上で等角度間隔の放射状に配置し回転力を伝え、遊星回転体304を遊星運動させこれをサイドプレート305で受け、これに回転自在に固定するジョイント307を介してドライブシャフト308に回転力を伝達する自動車の駆動伝達装置である(特許文献4参照)。
第5例の差動歯車装置は、図7に示すように、デフケ−ス405の回転を車軸437、439側に配分する差動機構407と、デフケ−ス405と車軸439の間に配置された変速機構411、413、415と、これらの連結をそれぞれ断続する摩擦クラッチ417、419と、摩擦クラッチ417、419に対してそれぞれ並列に配置され車輪の空転をロックするワンウェイクラッチ421、423とが備えられている(特許文献5参照)。
特開平8−61464号公報
特開平9−286254号公報
特開平11−153209号公報
特開平11−344101号公報
特開2000−85403号公報
しかしながら、特許文献1に記載の差動歯車装置は、2対の差動歯車35、36が第1及び第2のサイドギヤ31、32の外周に3等配された歯車構成であるため複雑な機構で外径が拡大化する。また、第1及び第2のサイドギヤ31、32との間のハブ520に設けられたビスカスカップリング50が、いずれも図示しないが、作動室内に高粘性流体のシリコンオイルが充填され、複数のアウタープレート、スペーサリング及びインナープレートが交互に配設された複雑な機構でスペース及び重量も嵩み、第1及び第2の出力軸410、450方向の全長が拡大化する。このように機構が複雑かつ重厚長大化し、スペースが嵩み車体下に差動装置が突出することから実質的な最低地上高が確保できず、あるいは、燃料タンクやトランクの容量が制限されるなど車載性に劣るとともにコストも増大する等々の問題点がある。
特許文献2に記載の差動歯車装置は、インナデフケース141の一端側にドグクラッチ41a、43aを有するクラッチ部材143及びドグクラッチ41a、43aを係合/離脱させるアクチュエータ本体165が備えられており、差動制限機能を確保するためにはクラッチ部材143及びアクチュエータ本体165の容量を共に大きくする必要があることも加えて左右の出力軸方向の全長が拡大化し、前記特許文献1におけると同様に、機構が複雑かつ重厚長大化し、車載性に劣るとともにコストも増大する等々の問題点がある。
特許文献3に記載の差動歯車装置は、ベアリングと遊星歯車機構とを類似機能を有する部材を兼用して一体化した複合軸受ユニット20Aを採用することによって、ある程度は全体構造の単純化、小型化、軽量化が図られている。しかしながら、複合軸受ユニット20Aが、同心配置される内側出力軌道輪221、入力リング222、外側出力軌道輪223、複数の転動体R1、R1…及びピニオンギヤG2、G2…等を組合せてなる複雑な機構であるとともに、出力軸としての左右のアクスル13R、13Lの間に設けられることからその分出力軸方向の全長が拡大化することは避けられない。このように機構が複雑かつ重厚長大化することから、依然として車載性に劣るとともにコストも増大する等々の問題点がある。
特許文献4に記載の差動歯車装置は、保持板303、3個以上等角度間隔の放射状に配置された遊星回転体304、スプリング306により圧接される一対のサイドプレート305等からなる差動制限切り換え機能を有する機構が、複雑な機構であるとともに、左右の出力軸の間に設けられることからその分出力軸方向の全長が拡大化する。このように機構が複雑かつ重厚長大化することから、前記特許文献3におけると同様に、依然として車載性に劣るとともにコストも増大する等々の問題点がある。
特許文献5に記載の差動歯車装置は、差動機構407を収容するデフケ−ス405と一方の車軸439の間に変速機構411、413、415、摩擦クラッチ417、419、ワンウェイクラッチ421、423が備えられていることから左右の出力軸方向の全長及び重量が増大化し、前記特許文献1等におけると同様に、車載性に劣るとともにコストも増大する等々の問題点がある。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、差動制限機構が簡潔な構造で、全体構造の単純化、小型化、軽量化が図られ、車載性及び経済性に優れ、確実に駆動輪の空転を防止する作動レスポンスも良好な自動車用ノンスリップ差動装置を提供することことにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明の自動車用ノンスリップ差動装置は、同軸に配置された第1及び第2の出力軸の軸線の周りを回転駆動される密閉略円筒状のデフケースと、該デフケース内に同軸略円筒状に形成され、前記軸線と同軸に回転自在に収納されるとともに前記第1及び第2の出力軸とそれぞれ一体に回転する第1及び第2のサイドギヤと、前記第1及び第2のサイドギヤと共に噛合うように前記デフケースの収納部内に回転可能に支持され、前記デフケースと一体に遊星運動する一対のピニオンギヤと、前記デフケースの内周面と第1及び第2のサイドギヤの外周面との間に摺動可能に嵌設されるとともに、それぞれ周方向に複数に分割された第1及び第2の分割プレッシャーリングと、前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの各分割面間に挟設され、第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に付勢し常時前記デフケース内周面に押圧する複数の分割プレッシャーリング拡張バネと、を備え、前記第1及び第2のサイドギヤの外周面と第1及び第2の分割プレッシャーリングの内周面とに、それぞれ相互に係合し両者のいずれか一方向への相対回転に伴い前記第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧するカムが形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の自動車用ノンスリップ差動装置であって、前記一対のピニオンギヤは、それぞれ前記第1及び第2のサイドギヤの間に挟設されて両者と共に噛合うように前記出力軸の軸線に対して軸対称に対向配置され、前記出力軸の軸線と直交配置されて前記ケース内に固設されたピニオン軸に回転可能に支持されるとともに、前記ピニオン軸方向のピニオンギヤ外周側端面が凸球面状に形成されており、該ピニオンギヤ外周側端面とデフケースの内周面との間には、前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの間に配置されて前記ピニオン軸に挿通され、外周面が前記デフケース内周面に嵌合する曲面状に形成され、内周面が前記ピニオンギヤ外周側端面に摺接する同心の凹球面状に形成されたスラストワッシャーが挟設されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動車用ノンスリップ差動装置であって、前記第1及び第2の分割プレッシャーリングは、それぞれ周方向に3分割されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の自動車用ノンスリップ差動装置であって、前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの外周面とこれに当接する前記デフケース内周面の当接部とに、前記スラストワッシャーとはそれぞれ反対側の前記出力軸の軸線方向に向かって末広がりに形成され相互に摺接するテーパー面が設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の自動車用ノンスリップ差動装置であって、前記デフケースの両側面には、それぞれ前記出力軸の軸線を中心軸とする出力軸支持孔が穿設されたボス部が形成され、前記第1及び第2のサイドギヤは、それぞれ前記デフケースの出力軸支持孔に回転自在に嵌合するとともに前記出力軸が挿通するボス部が延設されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、左右いずれか一方の駆動輪が例えばぬかるみに落ち込んだり、路面上の氷雪等に乗り上げたり、あるいは脱輪したりして空転を始めると、第1及び第2の出力軸の間に回転数差が生じ、デフケースと他方の出力軸とが相対回転する。すると、前記分割プレッシャーリング拡張バネにより常時第1及び第2のプレッシャーリングがデフケース内周面に押圧されているとともに、これに加えて他方(第1又は第2)のサイドギヤの外周面と他方の分割プレッシャーリングの内周面とに形成されたカムにより他方の分割プレッシャーリングが拡径されてデフケース内周面に強く押圧されるので、他方の分割プレッシャーリングとデフケース内周面との摺動摩擦抵抗が強く働き、第1及び第2のサイドギヤに連結する出力軸とデフケースとの間の相対回転数に応じた大きな伝達トルクが発生する差動制限機能により駆動輪の空転を防止することができる。
このとき、前記一対のピニオンギヤが回転し第1及び第2のサイドギヤ共に相互に噛合うヘリカルギヤのクサビ作用によって、第1及び第2のサイドギヤがそれぞれ第1及び第2の出力軸方向へ付勢されデフケースの両端側壁内面に押圧されるとともに、一対のピニオンギヤがデフケース内周面側に押圧されデフケース内周面側と摩擦摺動しながらそれぞれ自転する。これにより、第1及び第2のサイドギヤと一対のピニオンギヤとの間には、それぞれピニオンギヤをデフケース内周面側との摺動摩擦抵抗に抗して回転させるだけのトルクに等しいトルク伝達が行われる。そこで、第1の出力軸と第2の出力軸との間には、一対のピニオンギヤとデフケースとの間に生じる摺動摩擦抵抗と、第1及び第2の分割プレッシャーリングを介してデフケースと他方のサイドギヤとの間に生じる伝達トルクとによる強力な差動制限トルクが作用する。
従って、本発明の自動車用ノンスリップ差動装置においては、第1及び第2のサイドギヤとデフケース内周面との間に配設した第1及び第2の分割プレッシャーリングが常時分割プレッシャーリング拡張バネによりデフケース内周面に押圧されていることに加え、第1及び第2のサイドギヤの外周面と第1及び第2の分割プレッシャーリングの内周面とにそれぞれ相互に係合し両者のいずれか一方向への相対回転に伴い第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧するカムが形成されていることにより、一方の駆動輪が路面に対するグリップ力を完全に失い、第1のサイドギヤと一対のピニオンギヤとの間、又は第2のサイドギヤと一対のピニオンギヤとの間で噛み合い反力が作用できない場合にも、第1の出力軸と第2の出力軸との間に大きな差動制限トルクを発生することができる。したがって、例えば前記特許文献1に記載の第1及び第2のサイドギヤ31、32との間にビスカスカップリング50を単純に介装してビスカストルクのみで片輪空転時のイニシャルトルクを発生する機構などに比較して、作動レスポンスに優れるとともに差動装置を小型化(特に出力軸方向を短小化)することができる。
このように、第1及び第2のサイドギヤ外周面とデフケース内周面との間に分割プレッシャーリング拡張バネを介して第1及び第2の分割プレッシャーリングを配設するとともに、第1及び第2のサイドギヤの外周面と第1及び第2の分割プレッシャーリングの内周面とに形成されたカムが両者の相対回転に伴い第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧する簡潔な構造の差動制限機構により、差動装置全体構造の単純化、小型化、軽量化が図られ、車載性及び経済性に優れ、確実に駆動輪の空転を防止する自動車用ノンスリップ差動装置を提供することができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を有するのに加えて、ピニオンギヤ外周側端面とデフケース内周面との間に、外周面がデフケース内周面に嵌合する曲面状に形成され、内面がピニオンギヤ外周側端面に摺接する同心の凹球面状に形成されたスラストワッシャーが嵌設されるとともに、デフケース内周面と第1及び第2のサイドギヤ外周面との間に摺動可能に嵌設された第1及び第2の分割プレッシャーリングと分割プレッシャーリング拡張バネとからなる差動制限機構により前記サイドギヤに連結する出力軸とデフケースとの間で回転数差に応じたトルク伝達を行うことから、回転数差に応じて第1及び第2のサイドギヤがデフケースの両端側壁内面に押圧付勢されるとともに、前記サイドギヤとの噛合い反力を受ける一対のピニオンギヤはそれぞれピニオン軸方向の外周側のスラストワッシャーに押圧され凹球面状のスラストワッシャー内面に凸球面状のピニオンギヤ外周側端面が摺接することにより、前記サイドギヤとデフケースの両端側壁内面との間、及びピニオンギヤ外周側端面とスラストワッシャー内面との間に生じるそれぞれ2種類の摩擦抵抗力が第1及び第2の出力軸間の差動制限トルクとして付加され作用する。これにより、一方の出力軸が空転して噛み合い反力が作用できない場合にも強力なイニシャルトルクを発生することができる。
また、スラストワッシャーをピニオンギヤとは異種のベアリング部材などにより構成することができることからスラストワッシャー内面とこれに摺接するピニオンギヤ外周側端面との焼き付き等を防止して前記ピニオンギヤの円滑な回転動作を安定的に維持することができるとともに、デフケース内周面に直接摺接することもなくピニオンギヤの損耗を抑えて耐久性を向上させることができるという効果がある。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明と同様な効果を有するのに加えて、第1及び第2の分割プレッシャーリングがそれぞれ周方向に3分割されていることから、分割プレッシャーリング拡張バネにより前記分割プレッシャーリングがデフケース内周面に全面的かつ安定的に押圧され、デフケースから一方の分割プレッシャーリングを経て一方のサイドギヤ及び出力軸へのトルク伝達が確実に行なわれ、いわゆる差動制限機構の信頼性を一層向上させることができるという効果がある。
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、いずれか一方の駆動輪が前記悪路あるいは脱輪により空転を始め、第1及び第2の出力軸の間に回転数差が生じてデフケースと他方の出力軸とが相対回転し、分割プレッシャーリング拡張バネによりデフケース内周面に押圧されている第1及び第2の分割プレッシャーリングの外周面とデフケース内周面との摺動摩擦抵抗が働く場合、第1及び第2の分割プレッシャーリングの外周面とデフケース内周面とに設けられ、スラストワッシャーとは反対側の出力軸の軸線方向に向かって末広がりに形成されたテーパー面に作用する前記出力軸の軸線方向の分力により、第1及び第2の分割プレッシャーリングがそれぞれデフケースのテーパー面に加えて両端側壁内面にも第1及び第2のサイドギヤと共に押圧され易くなり、それらの摺動摩擦抵抗が加算されるため、回転するデフケースから一方の分割プレッシャーリングを経て一方のサイドギヤ及び出力軸へのトルク伝達が確実に行なわれ、いわゆる差動制限機構の信頼性を一層向上させることができるという効果がある。
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明と同様な効果を有するのに加えて、第1及び第2のサイドギヤにデフケースの出力軸支持孔に回転自在に嵌合するボス部を設けたことにより、その分デフケース内に収納される第1及び第2のサイドギヤ及びデフケースの軸方向長さを短くすることができるので、差動装置の全長を短小化し、軽量化、車載性及び経済性を一層向上させることができるという効果がある。
以下、本発明の自動車用ノンスリップ差動装置を実施するための最良の形態の具体例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態による自動車用ノンスリップ差動装置の概念を示す縦断面図、図2は図1のA−A矢視断面図である。
本発明の一実施の形態による自動車用ノンスリップ差動装置は、同軸に配置された第1及び第2の出力軸7、8の軸線であるX軸の周りを回転駆動されるデフケース2と、デフケース2内にX軸と同軸に回転自在に収納されるとともに前記出力軸7、8とそれぞれ一体に回転する第1及び第2のサイドギヤ5、6と、これらのサイドギヤ5、6と共に噛合うようにデフケース2の収納部内に回転可能に支持され、デフケース2と一体に遊星運動する一対のピニオンギヤ4、4と、デフケース2の内周面と第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62との間に摺動可能に嵌設されるとともに、それぞれ周方向に複数(この例では3個ずつ)に分割された第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bと、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの各分割面間に挟設され、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bを拡径する方向に付勢し常時デフケース2内周面に押圧する複数の分割プレッシャーリング拡張バネSとから概略構成されている。
デフケース2は、図1に示すように、一端側(ここでは第2の出力軸8側)が開放され、他端側(第1の出力軸7側)にフランジ21aを有する有底略円筒状のデフケース本体21と、デフケース本体21の開放端に複数のボルト25により一体的に固定されたサイドカバー22とからなっている。
デフケース本体21の側面(有底部)及びサイドカバー22には、X軸を中心軸とする円筒状のボス部21d、22dがそれぞれ形成され、それらボス部21d、22dの中心に第1及び第2の出力軸7、8が挿通し支持される出力軸支持孔21b、22aがそれぞれ穿設されている。これら出力軸7、8の支持構造については、後述する。
デフケース本体21及びサイドカバー22の取付け面部及び出力軸支持孔22c、23c内面にはそれぞれシール部材ならびにオイルシール部材(いずれも図示しない)が装着され、密閉されたデフケース2内部に適宜粘性を有するグリース又は潤滑油などの潤滑剤が充填される。
また、デフケース2には、リングギヤ1が、ここではデフケース本体21のフランジ21a側に外挿され複数のボルト24により固定されている。このリングギヤ1に原動機の回転出力がドライビングピニオン(図示しない)を介して伝えられ、デフケース2をX軸の周りに回転駆動させる。
第1及び第2のサイドギヤ5、6は、大径のヘリカルギヤからなる被駆動歯車であって、デフケース2内にヘリカルギヤ面が対向配置され、この実施の形態においては、X軸を中心軸としてデフケース2の出力軸支持孔21b、22aに回転自在に嵌合するボス部53、63がそれぞれ延設されている。これらボス部53、63の中心に亘り開設された雌スプライン51、61に第1及び第2の出力軸7、8の内側軸端に形成された雄スプライン71、81が嵌着されている。すなわち、第1及び第2のサイドギヤ5、6は、それぞれ第1及び第2の出力軸7、8の内側軸端にスプライン結合され、X軸方向にはスライド可能であるが、回転方向が拘束されて前記出力軸7、8とそれぞれ一体的に回転可能に支持されている。第1及び第2の出力軸7、8の外側軸端には、それぞれ駆動輪(いずれも図示しない)が連結されている。
このように、第1及び第2のサイドギヤ5、6にデフケース2の出力軸支持孔21b、22aに回転自在に嵌合するボス部を設けたことにより、その分デフケース2内に収納される第1及び第2のサイドギヤ5、6及びデフケース本体21の軸方向長さを短くすることができるので、差動装置の全長を短小化し、差動装置の軽量化、車載性及び経済性を一層向上させることができる
一対のピニオンギヤ4、4は、小径のヘリカルギヤからなる差動歯車であって、X軸と直交するZ軸を中心軸とし両端がデフケース本体21の円筒部に挿通し固定されたピニオン軸3に回転可能に支持され、デフケース2内の第1及び第2のサイドギヤ5、6の間にヘリカルギヤ同士が共に噛合うように、X軸に対して軸対称に対向配置されている。そして、ピニオンギヤ4のZ軸方向のピニオンギヤ外周側端面41が凸球面状に形成されている。
一対のピニオンギヤ4、4のピニオンギヤ外周側端面41とデフケース2の内周面21iとの間には、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの間に配置されてピニオン軸3に挿通され、外周面9aがデフケース2の内周面21iに嵌合する部分円筒曲面状に形成され、内周面9iが凸球面状のピニオンギヤ外周側端面41に摺接するこれと同心の部分凹球面状に形成されたスラストワッシャー9、9が挟設されている。このスラストワッシャー9は、図示しないが、平面投影においてピニオンギヤ外周側端面41をカバーする略正方形の駒体をなしており、デフケース2及びピニオンギヤ4と共に一体的にX軸の周りを回転する。
スラストワッシャー9は、ピニオンギヤ4とは異種部材の例えばベアリング部材などにより構成することが望ましい。このような異種部材の構成とすることにより、スラストワッシャー9の内周面9iに摺接するピニオンギヤ4のピニオンギヤ外周側端面41の焼き付き等を防止してピニオンギヤ4の円滑な回転動作を安定的に維持することができるとともに、この摺動によるピニオンギヤ4の損耗を抑えて耐久性を向上させることができる。
第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの各分割面には、それぞれ複数(この例では2個ずつ)のバネ収容穴10h、10hが周方向に並列し穿設されており、これらのバネ収容穴10h、10h内にそれぞれ両端部が架け渡されて圧縮スプリングなど複数の分割プレッシャーリング拡張バネSが装着され、これにより第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bを拡径する方向に付勢し常時デフケース2内周面に押圧されている。第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bがそれぞれ周方向に3分割されていることにより、分割プレッシャーリング拡張バネSにより前記分割プレッシャーリング10a、10bがデフケース2内周面に全面的かつ安定的に押圧され、デフケース2から前記分割プレッシャーリング10a、10bを経て前記サイドギヤ5、6及び出力軸7、8へのトルク伝達が確実に行なわれ、いわゆる差動制限機構の信頼性を一層向上させることができる。
また、第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62と第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの内周面10ai、10biとに、それぞれ相互に係合し両者のいずれか一方向への相対回転に伴い第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bを拡径する方向に押圧するように例えば凹凸V字形などのカム5c、10ac(いずれも図示しない)、及び6c、10bcがそれぞれ対をなし形成されている(図2)。
さらに、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの外周面52、62とこれに当接するデフケース内周面の当接部とに、スラストワッシャー9、9とはそれぞれ反対側のX軸方向に向かって末広がりに形成され相互に摺接するテーパー面10at、21t、及び10bt、21tがそれぞれ対をなし設けられている。これにより、テーパー面10at、21t、及び10bt、21tに作用する前記出力軸7、8の軸線(X軸)方向の分力により、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bがそれぞれデフケース2のテーパー面21t、21tに加えてデフケース本体21の側面(有底部)及びサイドカバー22の内面21c、22bにも第1及び第2のサイドギヤと共に押圧され易くなり、それらの摺動摩擦抵抗が加算されるため、回転するデフケース2から前記分割プレッシャーリング10a、10bを経て前記サイドギヤ5、6及び出力軸7、8へのトルク伝達が確実に行なわれ、いわゆる差動制限機構の信頼性を一層向上させることができる。
次に、上記のように構成されたこの実施の形態の自動車用ノンスリップ差動装置の作動について、その特徴となる部分を説明する。
まず、第1及び第2の出力軸7、8によりそれぞれ回転駆動される駆動輪がほぼ同一回転する場合には、エンジンの回転出力が、回転の方向を変えリングギヤ1に伝えられ、リングギヤ1が固設されたデフケース2内のピニオン軸3に回転自在に支持された一対のピニオンギヤ4、4を前記出力軸7、8の軸線であるX軸周りにデフケース2と共に一体的に遊星運動させ、X軸上に配置されてピニオンギヤ4、4に両側から対称に噛合う第1及び第2のサイドギヤ5、6及びこれにスプライン結合された前記出力軸7、8がデフケース2及びピニオンギヤ4、4と共にX軸周りに一体的に回転し、前記出力軸7、8に連結された駆動輪(図示しない)に伝達される。
この場合、デフケース2と第1及び第2のサイドギヤ5、6との間に回転差が生じないので、デフケース2内周面のテーパー面21t、21tに当接する第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bには回転力が伝達されず、第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bもデフケース2と共に一体的に回転する。したがって、デフケース2と第1及び第2のサイドギヤ5、6との間には第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの摺動摩擦抵抗(後述する)によるトルク伝達が行なわれないので、自動車用ノンスリップ差動装置には差動制限力が作用せず、第1及び第2の出力軸7、8は差動回転可能である。
一方、自動車のコーナ走行時には、発生する内外駆動輪の差に対して、それぞれの駆動輪の通る軌跡の違いにより起こった回転差を抗力とし、前記出力軸7、8から逆の伝達経路で入力され、前記サイドギヤ5、6からピニオンギヤ4、4に伝えられたとき、ピニオンギヤ4、4が自転することによりこの回転差を吸収するとともにX軸回りの遊星運動を続けることにより駆動が伝達される。
また、第1及び第2の出力軸7、8によりそれぞれ回転駆動される駆動輪の一方、例えば第1の出力軸7の駆動輪が、ぬかるみに落ち込んだり、路面上の氷雪等に乗り上げたり、あるいは脱輪したりして空転を始める場合は、第1及び第2の出力軸7、8の間に回転数差が生じ、デフケース2と他方の第2の出力軸8とが相対回転する。すると、分割プレッシャーリング拡張バネSにより常時第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bがデフケース2内周面のテーパー面21t、21tに押圧されているとともに、これに加えて第2のサイドギヤ6の外周面62と第2の分割プレッシャーリング10bの内周面10biとに形成されたカム6c、10bcの相対回転により第2の分割プレッシャーリング10bが拡径されてデフケース2内周面に強く押圧されるので、第2の分割プレッシャーリング10bとデフケース2内周面のテーパー面10bt、21t同士が摺接して摺動摩擦抵抗が強く働くことから、デフケース2と第2のサイドギヤ6との間には両者間の相対回転数差に応じた大きな伝達トルクが生じ、いわゆる差動制限機能により駆動輪の空転を確実に防止することができる。
このとき、図1に示すように、一対のピニオンギヤ4、4が回転し第2のサイドギヤ6に相互に噛合うヘリカルギヤ同士のクサビ作用によって、第2のサイドギヤ6がT2方向へ付勢されるとともに一対のピニオンギヤ4、4がT3方向へ付勢され、第2のサイドギヤ6の出力軸側端面64がサイドカバー22の内面22bに押圧されて摩擦摺動するのに加え、一対のピニオンギヤ4、4がスラストワッシャー9、9に強く押圧されることからピニオンギヤ外周側端面41がスラストワッシャー9、9の内周面9i、9iに摺接して摩擦摺動しながらそれぞれ自転する。
これにより、第1のサイドギヤ5とピニオンギヤ4、4との間、及び第2のサイドギヤ6とピニオンギヤ4、4との間には、それぞれピニオンギヤ4、4をスラストワッシャー9、9の内周面9i、9iとの摺動摩擦抵抗に抗して回転させるだけのトルクに等しいトルク伝達が行われる。そこで、第1の出力軸7と第2の出力軸8との間には、一対のピニオンギヤ4、4とスラストワッシャー9、9との間に生じる摺動摩擦抵抗と、第2の分割プレッシャーリング10bを介してデフケース2と第2のサイドギヤ6との間に生じる伝達トルクとによる大きな差動制限トルクが作用する。
これとは反対に第2の出力軸8の駆動輪が、前記悪路あるいは脱輪により空転を始める場合は、上記と全く同様に、第1のサイドギヤ5がT1方向へ付勢されるとともに一対のピニオンギヤ4、4がT3方向へ付勢され、第1のサイドギヤ5の出力軸側端面54がデフケース本体21側壁の内面21cに押圧されて摩擦摺動するのに加え、一対のピニオンギヤ4、4がスラストワッシャー9、9に強く押圧されることからピニオンギヤ外周側端面41がスラストワッシャー9、9の内周面9i、9iに摺接して摩擦摺動しながらそれぞれ自転するとともに、第1の分割プレッシャーリング10aを介してデフケース2と第1のサイドギヤ5との間に生じる伝達トルクとによる大きな差動制限トルクが作用する。
従って、本実施の形態の自動車用ノンスリップ差動装置においては、第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62とデフケース2内周面のテーパー面21t、21tとの間に配設した第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの外周面52、62が常時複数の分割プレッシャーリング拡張バネSによりデフケース2内周面のテーパー面21t、21tに押圧されていることに加え、第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62と第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの内周面10ai、10biとにそれぞれ相互に係合し両者のいずれか一方向への相対回転に伴い第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bを拡径する方向に押圧するカム5c、10ac(いずれも図示しない)、及び6c、10bcが形成されていることにより、一方の駆動輪が路面に対するグリップ力を完全に失い、第1のサイドギヤ5と一対のピニオンギヤ4、4との間、又は第2のサイドギヤ6と一対のピニオンギヤ4、4との間で噛み合い反力が作用できない場合にも、第1の出力軸7と第2の出力軸8との間に大きな差動制限トルクを発生することができる。
すなわち、本発明の自動車用ノンスリップ差動装置においては、差動制限手段である第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの外周面52、62が常時複数の分割プレッシャーリング拡張バネSによりデフケース内面のテーパー面21t、21tに押圧されていることことに加え、第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62と第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの内周面10ai、10biとにそれぞれ形成されたカム5c、10ac(いずれも図示しない)、及び6c、10bcが両者のいずれか一方向への相対回転に伴い第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bを拡径する方向に押圧することで生じる差動制限トルクにより、前記サイドギヤ5、6が前記分割プレッシャーリング10a、10bの外周面52、62をデフケース2内面のテーパー面21t、21tに押圧付勢するとともに、ピニオンギヤ外周側端面41をスラストワッシャー9、9の内周面9i、9iにそれぞれ押圧付勢し、それらの合算された摺動摩擦抵抗による大きなイニシャルトルクを発生するように構成したので、例えば前記特許文献1に記載の第1及び第2のサイドギヤ31、32との間のハブ520にビスカスカップリング50を単純に介装してビスカストルクのみで片輪空転時のイニシャルトルクを発生するように構成する場合などに比較して、作動レスポンスに優れるとともに差動装置を小型化することができる。
このように、本発明によれば、差動制限機構が簡潔な構造で、全体構造の単純化、小型化、軽量化が図られ、車載性及び経済性に優れ、確実に駆動輪の空転を防止する作動レスポンスも良好な自動車用ノンスリップ差動装置を提供することができる。
なお、以上説明した実施の形態の他に、例えば、いずれも図示しないが、第1及び第2のデフケース本体21の側面及びサイドカバー22の出力軸支持孔21c、22c部に軸受け部材を設けたり、軽量化を図るために第1及び第2のサイドギヤ5、6の半径方向中間部にそれぞれ適宜の大きさの空洞部を穿設したり、あるいは第1及び第2のサイドギヤ5、6の外周面52、62と第1及び第2の分割プレッシャーリング10a、10bの内周面10ai、10biとにそれぞれ形成されたカム5c、10ac(いずれも図示しない)、及び6c、10bcの凹凸V字形状を相互に係合する他の形状の凹凸形カム等としたりするなど任意に形態を変更することができることは言うまでもない。
1 リングギヤ
2 デフケース
3 ピニオン軸
4 ピニオンギヤ
5 第1のサイドギヤ
5c、6c、10ac、10bc カム
6 第2のサイドギヤ
7 第1の出力軸
8 第2の出力軸
9 スラストワッシャー
9a、52、62 外周面
9i、10ai、10bi、21i 内周面
10a 第1の分割プレッシャーリング
10at、10bt、21t テーパー面
10b 第2の分割プレッシャーリング
10h バネ収容穴
21 デフケース本体
21a フランジ
21b、22a 出力軸支持孔
21c、22b 内面
21d、22d、53、63 ボス部
22 サイドカバー
24、25 ボルト
41 ピニオンギヤ外周側端面
51、61 雌スプライン
54、64 (第1及び第2のサイドギヤの)出力軸側端面
71、81 雄スプライン
S 分割プレッシャーリング拡張バネ
2 デフケース
3 ピニオン軸
4 ピニオンギヤ
5 第1のサイドギヤ
5c、6c、10ac、10bc カム
6 第2のサイドギヤ
7 第1の出力軸
8 第2の出力軸
9 スラストワッシャー
9a、52、62 外周面
9i、10ai、10bi、21i 内周面
10a 第1の分割プレッシャーリング
10at、10bt、21t テーパー面
10b 第2の分割プレッシャーリング
10h バネ収容穴
21 デフケース本体
21a フランジ
21b、22a 出力軸支持孔
21c、22b 内面
21d、22d、53、63 ボス部
22 サイドカバー
24、25 ボルト
41 ピニオンギヤ外周側端面
51、61 雌スプライン
54、64 (第1及び第2のサイドギヤの)出力軸側端面
71、81 雄スプライン
S 分割プレッシャーリング拡張バネ
Claims (5)
- 同軸に配置された第1及び第2の出力軸の軸線の周りを回転駆動される密閉略円筒状のデフケースと、
該デフケース内に同軸略円筒状に形成され、前記軸線と同軸に回転自在に収納されるとともに前記第1及び第2の出力軸とそれぞれ一体に回転する第1及び第2のサイドギヤと、
前記第1及び第2のサイドギヤと共に噛合うように前記デフケースの収納部内に回転可能に支持され、前記デフケースと一体に遊星運動する一対のピニオンギヤと、
前記デフケースの内周面と第1及び第2のサイドギヤの外周面との間に摺動可能に嵌設されるとともに、それぞれ周方向に複数に分割された第1及び第2の分割プレッシャーリングと、
前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの各分割面間に挟設され、第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に付勢し常時前記デフケース内周面に押圧する複数の分割プレッシャーリング拡張バネと、を備え、
前記第1及び第2のサイドギヤの外周面と第1及び第2の分割プレッシャーリングの内周面とに、それぞれ相互に係合し両者のいずれか一方向への相対回転に伴い前記第1及び第2の分割プレッシャーリングを拡径する方向に押圧するカムが形成されていることを特徴とする自動車用ノンスリップ差動装置。 - 前記一対のピニオンギヤは、それぞれ前記第1及び第2のサイドギヤの間に挟設されて両者と共に噛合うように前記出力軸の軸線に対して軸対称に対向配置され、前記出力軸の軸線と直交配置されて前記デフケース内に固設されたピニオン軸に回転可能に支持されるとともに、前記ピニオン軸方向のピニオンギヤ外周側端面が凸球面状に形成されており、
該ピニオンギヤ外周側端面とデフケースの内周面との間には、前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの間に配置されて前記ピニオン軸に挿通され、外周面が前記デフケース内周面に嵌合する曲面状に形成され、内周面が前記ピニオンギヤ外周側端面に摺接する同心の凹球面状に形成されたスラストワッシャーが挟設されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用ノンスリップ差動装置。 - 前記第1及び第2の分割プレッシャーリングは、それぞれ周方向に3分割されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車用ノンスリップ差動装置。
- 前記第1及び第2の分割プレッシャーリングの外周面とこれに当接する前記デフケース内周面の当接部とに、前記スラストワッシャーとはそれぞれ反対側の前記出力軸の軸線方向に向かって末広がりに形成され相互に摺接するテーパー面が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の自動車用ノンスリップ差動装置。
- 前記デフケースの両側面には、それぞれ前記出力軸の軸線を中心軸とする出力軸支持孔が穿設されたボス部が形成され、
前記第1及び第2のサイドギヤは、それぞれ前記デフケースの出力軸支持孔に回転自在に嵌合するとともに前記出力軸が挿通するボス部が延設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の自動車用ノンスリップ差動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007192059A JP2009030630A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 自動車用ノンスリップ差動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007192059A JP2009030630A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 自動車用ノンスリップ差動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2009030630A true JP2009030630A (ja) | 2009-02-12 |
Family
ID=40401372
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2007192059A Pending JP2009030630A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 自動車用ノンスリップ差動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2009030630A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012530233A (ja) * | 2009-06-17 | 2012-11-29 | イートン コーポレーション | 差動歯車機構 |
| CN106286759A (zh) * | 2015-05-29 | 2017-01-04 | 长城汽车股份有限公司 | 差速器以及具有其的车辆 |
| JP2020079601A (ja) * | 2018-11-12 | 2020-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 差動装置 |
| CN113518874A (zh) * | 2019-03-26 | 2021-10-19 | 武藏精密工业株式会社 | 差动装置 |
-
2007
- 2007-07-24 JP JP2007192059A patent/JP2009030630A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012530233A (ja) * | 2009-06-17 | 2012-11-29 | イートン コーポレーション | 差動歯車機構 |
| CN106286759A (zh) * | 2015-05-29 | 2017-01-04 | 长城汽车股份有限公司 | 差速器以及具有其的车辆 |
| CN106286759B (zh) * | 2015-05-29 | 2019-02-19 | 长城汽车股份有限公司 | 差速器以及具有其的车辆 |
| JP2020079601A (ja) * | 2018-11-12 | 2020-05-28 | トヨタ自動車株式会社 | 差動装置 |
| CN113518874A (zh) * | 2019-03-26 | 2021-10-19 | 武藏精密工业株式会社 | 差动装置 |
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