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JP2009030111A - 銀微粒子コロイド分散液および銀膜 - Google Patents

銀微粒子コロイド分散液および銀膜 Download PDF

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JP2009030111A
JP2009030111A JP2007195519A JP2007195519A JP2009030111A JP 2009030111 A JP2009030111 A JP 2009030111A JP 2007195519 A JP2007195519 A JP 2007195519A JP 2007195519 A JP2007195519 A JP 2007195519A JP 2009030111 A JP2009030111 A JP 2009030111A
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Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Masaya Yukinobu
雅也 行延
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

【課題】メルカプト基含有化合物が加えられても銀微粒子の凝集が起り難い銀微粒子コロイド分散液を提供しかつ銀膜を提供する。
【解決手段】銀微粒子コロイド分散液は、溶媒と溶媒中に分散した銀微粒子を主成分とし、銀微粒子の平均粒径が5〜100nmかつ銀微粒子表面が構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることを特徴とし、銀膜は上記コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液で形成されたことを特徴とする。
【化4】
Figure 2009030111

【選択図】 なし

Description

本発明は、銀微粒子を溶媒中に分散させた銀微粒子コロイド分散液に係り、特に、金属光沢を有する銀膜を形成するための塗布液(銀膜形成用塗布液)に適用可能な銀微粒子コロイド分散液と、上記塗布液により得られた金属光沢を有する銀膜に関するものである。
従来から、銀微粒子を溶媒に分散させた銀微粒子コロイド分散液は、コンピュータディスプレイの漏洩電磁波防止に用いられる透明導電層形成塗布液(特開平11−329071号公報、特開2000−268639号公報)や、抗菌コーティング形成塗布液(特開平4−321628号公報)等として用いられている。また、銀微粒子コロイド分散液の他の用途としては、金属光沢を有する文字や図形等をインクジェット印刷等により紙面上に形成するための塗布液がある(特開2005−120226号公報)。この用途では、銀の高い可視光線反射率を活かし、従来の黒、シアン、マゼンダ、イエローの混色による印刷物では実現できなかった金属光沢感に優れる印刷物を可能にしている。
ところで、銀微粒子コロイド分散液の製造方法には、(A)銀を減圧下のガス中で蒸発・凝縮させ、分散剤を含んだ溶剤中に回収するガス中蒸発法等の乾式法、(B)銀塩の水溶液に分散剤等の存在下で還元剤を添加してコロイド状銀微粒子を得る湿式法、が用いられている。一般に、(A)の乾式法は、生産性が悪く、得られる銀微粒子コロイド分散液も非常に高価になるため、(B)の湿式法が好んで用いられている。
例えば、湿式法の代表的な銀微粒子コロイド分散液の製造方法として、カレー・リー(Carey−Lea)法[Am. J. Sci.,37、38、47(1889)]がある。Carey−Lea法では、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合して反応させ、得られた銀微粒子凝集体を濾過・洗浄した後、そのケーキ(cake)に純水を加えることにより、比較的高濃度な銀微粒子コロイド分散液(Ag:0.1〜10重量%)が得られる。
上記Carey−Lea法で得られる銀微粒子は、粒径2〜15nmの微細なナノコロイド粒子である。しかし、実際の製造過程において、一般に行なわれているバッチ方式では、片方の原料水溶液[例えば、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液]が入った容器に他方の原料水溶液[硝酸銀水溶液]を一気に加えるため、液の混合状態が不均一となりやすく、生成する銀微粒子の粒径制御が困難となり、例えば、通常の粒径5〜15nm程度の銀微粒子に粒径30nm程度の粗大粒子が混入してしまうことがあり、特に処理液量が多い場合に顕著であった。
そこで、製造過程での上記原料水溶液同士の混合・反応を均一にして、粒度分布の狭い銀微粒子コロイド液が効率良く得られるようにするため、スタティックミキサー等を用いて原料水溶液の混合・反応状態を一定に保ちながら連続的に銀微粒子を生成させる方法(特開2004−18891号公報)や、原料水溶液を別々のノズルからそれぞれ吐出させて混合する方法(特開2004−68072号公報)等が提案されている。
そして、これら方法を採用することにより、例えば、小さい粒径では2〜7nmの範囲で、大きい粒径では10〜15nmの範囲で、それぞれ粒度分布の狭い銀微粒子コロイド液を得ることが可能になっている。
ところで、金属光沢を有する文字や図形等を形成するための上記塗布液に用いられる銀微粒子コロイド分散液には、インクジェット印刷時におけるノズル詰まりを防止でき、数ヶ月という長い期間保管された場合でも分散安定性を維持することができ、しかも、印刷後の自然乾燥により金属光沢を有する文字や図形等を形成できることが要請される。更に、特開2005−120226号公報に記載されているように、金属光沢を有する印刷物の硫化等に起因した劣化(変色)が起らないようにするため、例えばメルカプトベンゾチアゾール等のメルカプト基含有化合物が銀微粒子コロイド分散液に加えられる必要もある。
そして、従来のCarey−Lea法で得られる銀微粒子コロイド液はそれ自体である程度の分散安定性を有しているが、メルカプトベンゾチアゾール等のメルカプト基含有化合物が加えられた場合には、上記分散安定性を失って銀微粒子の凝集が起りやすく、インクジェット印刷用のインク(塗布液)に適用することが困難となる問題があった。
尚、特開2005−120226号公報では、メルカプトベンゾチアゾール等のメルカプト基含有化合物をインク(塗布液)に加える場合、インク組成物の分散安定性を向上させるため、インク組成物を酸性に向かわせる傾向のある成分を加える前に塩基性物質を加えておいてインク組成物が常に塩基性に保たれる方法を例示しているが、その効果については明らかになっていない。
このような分散安定性の問題に対して、銀微粒子コロイド分散液に多量の分散剤を添加する方法も考えられる。しかし、銀微粒子コロイド分散液に多量の分散剤が添加されると、分散剤の影響により、形成された文字や図形等の金属光沢感が著しく失われてしまう別の弊害を生ずる問題があった。
特開平11−329071号公報 特開2000−268639号公報 特開平4−321628号公報 特開2005−120226号公報 特開2004−18891号公報 特開2004−68072号公報 Am. J. Sci.,37(1889) Am. J. Sci.,38(1889) Am. J. Sci.,47(1889)
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、例えメルカプトベンゾチアゾール等のメルカプト基含有化合物が加えられた場合でも銀微粒子の凝集が起り難い銀微粒子コロイド分散液を提供し、合わせてこの銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液により形成される銀膜を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、
溶媒と、この溶媒中に分散した銀微粒子とを主成分とする銀微粒子コロイド分散液を前提とし、
上記銀微粒子の平均粒径が5〜100nmで、かつ、銀微粒子表面が下記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることを特徴とする。
Figure 2009030111
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の銀微粒子コロイド分散液を前提とし、
上記高分子分散剤中のカルボン酸基において、総カルボン酸基の内33〜80%がアルカリ金属で中和されていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の銀微粒子コロイド分散液を前提とし、
上記銀微粒子が、カレー・リー(Carey−Lea)法で製造された銀微粒子であることを特徴とする。
次に、請求項4に係る発明は、
銀膜形成用塗布液を用いて形成される銀膜を前提とし、
請求項1、2または3に記載の銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液を塗布・乾燥して形成されたことを特徴とし、
請求項5に係る発明は、
請求項4に記載の銀膜を前提とし、
上記銀膜形成用塗布液の塗布方法が、液滴を吐出させて行うインクジェット印刷法であることを特徴とし、
請求項6に係る発明は、
請求項4または5に記載の銀膜を前提とし、
金属光沢を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明に係る銀微粒子コロイド分散液によれば、
銀微粒子表面が上記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されており、上記高分子分散剤を多量に添加しなくても銀微粒子コロイド分散液における分散安定性が大幅に高められている。
従って、上記銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液(インキ)をインクジェット印刷した場合でもノズル詰まりが起こり難く、長期間に亘って保管された場合にも塗布液(インキ)の分散安定性が保持され、更に、銀膜形成用塗布液(インキ)の分散安定性を損なうことなくメルカプト基含有化合物を添加することができるため、形成された銀膜の金属光沢を長期に亘って維持することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る銀微粒子コロイド分散液は、溶媒と、この溶媒中に分散した銀微粒子とを主成分とする銀微粒子コロイド分散液を前提とし、
上記銀微粒子の平均粒径が5〜100nmで、かつ、銀微粒子表面が下記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることを特徴とする。
Figure 2009030111
そして、この銀微粒子コロイド分散液に用いる銀微粒子は、平均粒径が5〜100nmであることが重要である。平均粒子径が100nmを超えると分散液に沈降が起こり易くインクジェット印刷時のノズル詰まりの原因となり得る。また、粒径が大きいと印刷面の凹凸の原因となり良好な金属光沢が得られない可能性もある。他方、平均粒径が5nm以下の銀微粒子は商業ベースでの入手が困難である。
このような平均粒径の小さな銀微粒子は、例えば、Carey−Lea法で安価に製造することができる。
まず、Carey−Lea法[Am. J. Sci.,37、38、47(1889)参照]を用いて、粒径の小さい銀微粒子の凝集体が比較的高濃度に含む反応液を調製する。
すなわち、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合して銀微粒子を生成させる。
この銀微粒子の生成反応は下記化学式(2)のように表される。

Ag +Fe2+ →Ag+Fe3+ (2)

上記化学式(2)を含む一連の反応は、各原料水溶液の混合後1〜2秒以内に起きる。また、生成した銀微粒子は、共存するクエン酸イオンの保護作用を受けると同時に、高濃度の鉄イオン、ナトリウムイオン等により急速に凝集するため、クエン酸イオンで保護された銀微粒子の凝集体が形成される。
尚、硫酸鉄(II)水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液に、硝酸銀水溶液を混合する方法としては、バッチ式であっても連続式であってもよく任意である。例えば、スタティックミキサー(機械的可動部分が存在しない混合装置)等を用いて、混合・反応状態を一定に保ちながら、連続的に銀微粒子を生成させることも可能である。
上記反応で得られた銀微粒子の凝集体は、濾過され、銀微粒子凝集体のケーキ(cake)とされる。銀微粒子凝集体の濾過には、メンブレンフィルター濾過、遠心分離、フィルタープレス等の常用の方法を用いることができる。また、銀微粒子が洗い出されない程度の少量の純水でケーキの洗浄を行うことも可能である。
その後、上記銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えることにより、銀微粒子コロイド分散液が得られる。銀微粒子凝集体のケーキに純水を加えると、液中の鉄イオンとナトリウムイオンの濃度が大幅に低下するため、凝集要因がなくなり、クエン酸イオンで保護された銀微粒子は液中に再分散して、銀微粒子のコロイド分散液となるのである。このようなコロイド分散液の製造方法は、一般的に洗い出し法と呼ばれている。
このようにして本発明に適した平均粒径が5〜100nmである銀微粒子のコロイド分散液が得られる。尚、本発明における粒径とは、透過電子顕微鏡(TEM)で観察される銀微粒子の粒径を意味する。
次に、銀微粒子が分散された上記コロイド分散液を用いて、本発明に係る銀微粒子コロイド分散液を製造する方法について説明する。
まず、銀微粒子が分散されたコロイド分散液(銀微粒子濃度:0.1〜10重量%)を濃縮、洗浄することにより、水の溶媒中に銀微粒子が高濃度に分散した銀微粒子コロイド洗浄濃縮液が得られる。銀微粒子が分散された上記コロイド分散液の濃縮処理は、減圧エバポレーター、限外濾過等の常用の方法で行うことができる。また、洗浄処理としては、透析、電気透析、イオン交換、限外濾過等の方法を用いて行うことができるが、中でも限外濾過法は濃縮処理と洗浄処理を同時に行うことが可能であるため好ましい方法である。
得られた銀微粒子コロイド洗浄濃縮液は、洗浄処理により溶媒中の電解質濃度が低下しているため銀濃度が高い割には比較的安定である。電解質濃度が高い場合には一般にコロイドは電解質で凝集してしまうが、電解質濃度が低い場合には凝集が妨げられるからである。そして、銀微粒子の分散安定性を実用レベルまで高めるため、上記濃縮処理と洗浄処理により、銀微粒子コロイド洗浄濃縮液から銀微粒子を除去した溶媒部分の電気伝導度が500μS(ジーメンス)/cm以下、好ましくは200μS/cm以下となるまで、電解質濃度を低下させることが好ましい。
次に、メルカプト基に対する安定性を上げるため(すなわち、上述したメルカプトベンゾチアゾール等のメルカプト基含有化合物が添加された場合における銀微粒子の分散安定性を維持するため)に高分子分散剤を添加して銀微粒子コロイド分散液を調製する。添加する高分子分散剤は、前記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤が最適で、分子中のカルボン酸が一部アルカリ金属で中和されたものがよい。好ましくは、20〜90%、更に好ましくは30〜80%がアルカリ金属で中和されていることが望ましい。20〜90%の範囲外であると、銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液において、銀微粒子の安定性が低下し銀微粒子の凝集を生じ易くなる場合がある。
オレフィン・マレイン酸共重合物系の上記高分子分散剤としては、花王(株)社製の商品名デモールEPや、日本油脂(株)社製の商品名ポリスターOM等が市販されている。添加する分散剤溶液のアルカリ金属量(pH)を調整するために分散剤溶液のイオン交換を行うことも可能である。
前記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系高分子分散剤の添加量は、上記分散剤の分子量にもよるが、銀微粒子に対する重量換算で1/5から1/50、より好ましくは1/10〜1/20がよい。上記高分子分散剤が1/5より多いと、銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液を用いて形成される塗膜(銀膜)の金属光沢が出にくく、また、上記高分子分散剤が1/50より少ないと高分子分散剤による分散安定化の効果が少なくなる。
このようにして得られた銀微粒子コロイド分散液は、そのままでも印刷または塗布は可能であるが、分散液の溶媒が水系であるため、プラスチック等の基材の種類によっては成膜工程においてハジキ等の塗布欠陥を生じる場合がある。このような場合、上記銀微粒子コロイド分散液に有機溶媒を加えてもよい。銀微粒子コロイド分散液の塗布性は、有機溶媒の添加により大幅に改善される。
適用される有機溶媒としては、上記銀微粒子コロイド分散液との相溶性、基材に対する溶解性、成膜条件等を考慮して、適宜選定することができる。例えば、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤が添加された上記銀微粒子コロイド分散液を、水、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の溶剤で更に希釈し、変色防止剤としてメルカプトベンゾチアゾールやそのNa塩を添加することにより銀膜形成用塗布液(インクジェット印刷等の印刷または塗布ができるように、銀微粒子の濃度が調整されかつ各種添加剤や溶剤が調合された組成を有する銀微粒子コロイド分散液を、以後、「銀膜形成用塗布液」と称する場合がある)を調製することができる。
そして、上記銀膜形成用塗布液中における銀微粒子の平均粒径は5〜100nmであることを要する。平均粒子径が100nmを超えると銀膜形成用塗布液に沈降が起こり易くインクジェット印刷時のノズル詰まりの原因となり、また、粒径が大きいと印刷面の凹凸原因となり良好な金属光沢が得られないことがある。他方、平均粒径が5nm以下の銀微粒子は商業ベースでの入手が困難である。
また、上記銀膜形成用塗布液が塗布される基材は、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、紙の表面にアルミナをコートした光沢紙、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)等のプラスチックからなるフィルムまたは板、あるいはガラス板等を用いることができる。また、銀膜形成用塗布液を基材上に印刷または塗布する方法としては、インクジェット印刷以外にも、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、ワイヤーバーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法等の各種方式が適用可能である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。また、本文中の「%」は「重量%」を示し、「部」は「重量部」を示している。
23.1%硫酸鉄(FeSO・7HO)水溶液208gと37.5%クエン酸ナトリウム[C(OH)(COONa)・2HO]水溶液256gの混合液に、9.1%硝酸銀(AgNO)水溶液176gを混合かつ反応させ、銀微粒子の凝集体を含む反応液を得た。尚、硫酸鉄水溶液とクエン酸ナトリウム水溶液の混合液、および、硝酸銀水溶液の液温は、それぞれ20℃と10℃に設定した。
上記反応液から銀微粒子の凝集体を遠心分離機で濾別して銀微粒子凝集体のケーキを得ると共に、このケーキに純水を加えて洗い出しを行い、銀微粒子が分散されたコロイド分散液(Ag:0.85%)を得た。
このようにして得られたコロイド分散液中の銀微粒子は、その平均粒径が7.5nmであり、粒径5〜10nmの粒状の銀微粒子が全体の90%以上を占める粒度分布のものであった。尚、銀微粒子の粒径測定は、銀微粒子コロイド液の透過電子顕微鏡(TEM)観察によって行った。
次に、銀微粒子が分散された上記コロイド分散液を、限外濾過により濃縮、洗浄することによって銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、残部:水)を得た。
他方、マレイン酸とイソブチレンの共重合体のナトリウム塩の10%水溶液を、カチオンイオン交換樹脂で処理することによって、カルボキシル基(COOH)の水素の一部がナトリウムで置換(COONa;水を含む溶液中ではCOO+Na)された高分子分散剤(重量平均分子量[Mw]=6500、COOH/COONa=20/80)の水溶液を調製した。尚、ナトリウムの置換量は液のナトリウム分析値から求めた。
そして、上述した銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、残部:水)に、上記高分子分散剤の水溶液と水を加えて、高分子分散剤で保護された実施例1に係る銀微粒子コロイド分散液(Ag:20%、高分子分散剤:2%、残部:水)を製造した。
次に、製造された上記銀微粒子コロイド分散液に、グリセリン、エチレングリコールモノブチルエーテル、水、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩をそれぞれ加え、銀膜形成用塗布液(Ag:3%、高分子分散剤:0.3%、グリセリン:23.2%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10%、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩:0.375%、HO:残部)を調製した。
この銀膜形成用塗布液をインクカートリッジに詰め、家庭用インクジェットプリンター(キャノン社製、PIXUS560i)を用いてインクジェット印刷用光沢紙に印字し、銀色の金属光沢を有する実施例1に係る銀膜(印字)が得られた。
そして、インクジェット印刷による印字はノズルが詰まることはなく、3ヶ月以上たっても問題なく印字を行うことができた。尚、銀膜形成用塗布液の粘度(23℃)は、3mPa・sであった。また、銀膜形成用塗布液の粘度は、山一電機(株)社製の振動式粘度計VM−100−Lを用いて測定した。
次に、インクジェット印刷により印字された光沢紙を大気中に2週間放置したが、大きな変色はなく金属光沢感が維持されていた。また、得られた銀膜(印字)を指先で軽く擦って膜の傷を目視観察し、密着力評価を行ったところ良好であった。
上記マレイン酸とイソブチレンの共重合体のナトリウム塩に対するカチオンイオン交換樹脂の処理条件を変えて、カルボキシル基(COOH)の水素の一部がナトリウムで置換(COONa;水を含む溶液中ではCOO+Na)された高分子分散剤(重量平均分子量[Mw]=6500、COOH/COONa=67/33)の水溶液を調製した。
そして、実施例1の銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、残部:水)に、上記高分子分散剤の水溶液と水を加えて、高分子分散剤で保護された実施例2に係る銀微粒子コロイド分散液(Ag:20%、高分子分散剤:2%、残部:水)を製造した。
次に、製造された銀微粒子コロイド分散液を用いて実施例1と同様にして銀膜形成用塗布液を調製し、かつ、この銀膜形成用塗布液をインクカートリッジに詰め、上記家庭用インクジェットプリンターを用いてインクジェット印刷用光沢紙に印字し、銀色の金属光沢を有する実施例2に係る銀膜(印字)が得られた。
そして、インクジェット印刷による印字はノズルが詰まることはなく、3ヶ月以上たっても問題なく印字を行うことができた。尚、銀膜形成用塗布液の粘度(23℃)は、3mPa・sであった。
次に、インクジェット印刷により印字された光沢紙を大気中に2週間放置したが、大きな変色はなく金属光沢感が維持されていた。
[比較例1]
実施例1の銀微粒子コロイド洗浄濃縮液(Ag:25%、残部:水)に、直接、グリセリン、エチレングリコールモノブチルエーテル、水、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩を加えて、銀膜形成用塗布液(Ag:3%、グリセリン:23.2%、エチレングリコールモノブチルエーテル:10%、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩:0.375%、HO:残部)を調製した。すなわち、オレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていない銀微粒子のコロイド分散液を用いて、銀膜形成用塗布液を調製した。
しかし、メルカプトベンゾチアゾールのNa塩の添加により銀微粒子コロイド分散液内の銀微粒子が凝集したため、安定した銀膜形成用塗布液を調製することができず、インクジェット印刷による印字を行えなかった。
そして、実施例1〜2と比較例1の結果から、銀微粒子の表面をオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護しない場合、調製される銀膜形成用塗布液の安定性が非常に悪く、インクジェット印刷を行えないことが確認された。
本発明の銀微粒子コロイド分散液によれば、銀微粒子表面が前記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されており、上記高分子分散剤を多量に添加しなくても銀微粒子コロイド分散液における分散安定性が大幅に高められている。従って、金属光沢を有する銀膜を形成するための銀膜形成用塗布液に適用される産業上の利用可能性を有している。

Claims (6)

  1. 溶媒と、この溶媒中に分散した銀微粒子とを主成分とする銀微粒子コロイド分散液において、
    上記銀微粒子の平均粒径が5〜100nmで、かつ、銀微粒子表面が下記構造式(1)で表されるオレフィン・マレイン酸共重合物系の高分子分散剤で保護されていることを特徴とする銀微粒子コロイド分散液。
    Figure 2009030111
  2. 上記高分子分散剤中のカルボン酸基において、総カルボン酸基の内33〜80%がアルカリ金属で中和されていることを特徴とする請求項1に記載の銀微粒子コロイド分散液。
  3. 上記銀微粒子が、カレー・リー(Carey−Lea)法で製造された銀微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の銀微粒子コロイド分散液。
  4. 請求項1、2または3に記載の銀微粒子コロイド分散液が適用された銀膜形成用塗布液を塗布・乾燥して形成されたことを特徴とする銀膜。
  5. 上記銀膜形成用塗布液の塗布方法が、液滴を吐出させて行うインクジェット印刷法であることを特徴とする請求項4に記載の銀膜。
  6. 金属光沢を有することを特徴とする請求項4または5に記載の銀膜。
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