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JP2009030159A - プレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼管、並びに、それらの製造方法 - Google Patents

プレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼管、並びに、それらの製造方法 Download PDF

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JP2009030159A JP2008107089A JP2008107089A JP2009030159A JP 2009030159 A JP2009030159 A JP 2009030159A JP 2008107089 A JP2008107089 A JP 2008107089A JP 2008107089 A JP2008107089 A JP 2008107089A JP 2009030159 A JP2009030159 A JP 2009030159A
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Abstract

【課題】静的引張法で測定された圧延方向のヤング率が高い、プレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板、めっき鋼板、鋼管、及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、N:0.0100%以下、Nb:0.005〜0.100% 、Ti:0.002〜0.150%を含有し、Ti、Nが、Ti−48/14×N≧0.0005を満足し、フェライトとベイナイトの一方又は双方の体積率の合計が50%超であり、残留オーステナイトの体積率が3〜20%であり、鋼板の表面からの板厚方向の距離が板厚の1/6である位置の、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和が5以下であり、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{211}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼管並びにそれらの製造方法に関するものである。
自動車の軽量化、搭乗者安全性の確保のために、自動車車体では、軟鋼板から高強度鋼板への材料の置換が進められている。今後、更に、自動車車体の軽量化を進めていくために、従来以上に高強度の鋼板を使用したいという要望が高まりつつある。
複雑な形状の自動車部品に高強度鋼板を適用するには、良好なプレス成形性を確保する必要がある。そのため、鋼板にオーステナイトを残留させ、この残留オーステナイト(以下、残留γともいう。)のマルテンサイトへの加工誘起変態を利用し、プレス成形性を向上させた高強度鋼板が提案されている(例えば、特許文献1)。また、残留オーステナイトの加工誘起変態を利用して、良好な加工性を有しつつ、自動車の衝突時の衝撃エネルギー吸収能を高める方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
一方、高強度鋼板をプレス成形した場合、例えば、曲げ加工される部位では、加工冶具の形状から離すと、加工前の形状の方向に戻ろうとするスプリングバックと呼ばれる現象が生じる。このスプリングバックが発生すると、狙いとする加工部品の形状が得られないため、従来、自動車車体への高強度鋼板の適用は、主として、440MPa以下に限られていた。即ち、490MPa以上の高強度鋼板を自動車車体に適用するには、プレス成形性だけでなく、スプリングバックが少なく、形状凍結性も良い高強度鋼板が必要である。
スプリングバックの発生は、応力除荷時に弾性歪分が元に戻ることに起因するため、弾性歪量が小さい場合には、スプリングバック量が減少する。また、弾性歪量はヤング率の増加によって減少するので、高ヤング率化によってスプリングバックを抑制することができる。更に、ヤング率の増加により、高剛性にもなることから、ヤング率は自動車の車体骨格部材に対しては重要な特性である。この点については、特許文献1及び2に、開示されておらず、鋼板の成形性とヤング率を同時に高める方法については、不明である。
このような要求に対して、本発明者らの一部は、鋼板の表層部に剪断歪みを与え、表層部の圧延方向のヤング率を高める方法を提案している(例えば、特許文献3、4)。特許文献3及び4に提案されている方法によって得られる鋼板は、表層部に圧延方向のヤング率を高める集合組織を発達させたものである。そのため、これらの鋼板は、表層部のヤング率が高く、振動法によって測定したヤング率が230GPa超という高い数値を示す。
なお、鉄のヤング率と結晶方位との相関は非常に強く、例えば、<111>方向のヤング率は、理想的には、280GPaを超え、<110>方向のヤング率は約220GPaである。一方、<100>方向のヤング率は、130GPa程度であり、結晶方位によってヤング率は変化する。また、鋼材の結晶方位が、特定の方位への配向を有さない場合、即ち、集合組織がランダムである鋼板のヤング率は、約205GPaである。
ヤング率の測定法の一つである振動法は、周波数を変化させながら鋼鈑に曲げ変形を与えて、共振が起こる周波数を求め、それを、ヤング率に換算する測定方法である。このような方法で測定されたヤング率は、動的ヤング率とも呼ばれ、曲げ変形時に得られるヤング率であり、曲げモーメントの大きい表層部の寄与が大きい。
しかし、プレス加工時のスプリングバックを考慮した場合、鋼板には曲げモーメントのみならず、引張応力や圧縮応力なども負荷される。そのため、スプリングバックを抑制するには曲げ変形時に得られるヤング率のみならず、引張応力及び圧縮応力に対するヤング率を高めることが重要となる。したがって、引張応力及び圧縮応力が作用する部材のヤング率については、振動法のみならず、静的引張法で測定するヤング率、即ち静的ヤング率の向上が重要となる。
静的ヤング率は、引張試験を行った際に得られる応力―歪曲線の弾性変形領域での傾きから求められるヤング率であり、ヤング率の高い層と低い層の厚みの比のみで決まる材料全体としてのヤング率である。
したがって、圧延方向の静的ヤング率を高めるには、表層から板厚方向の深い部位までの集合組織を制御する必要がある。更には、表層から板厚中心部位までの全板厚での集合組織を制御することが、より好ましい。しかし、特許文献3及び4に提案されている方法では、圧延時に板厚の中央部まで剪断歪みを導入することは困難であった。
また、成分や製造条件によっては、板厚中心部の集合組織には圧延方向のヤング率を低下させる方位が発達する可能性もある。そのため、振動法で測定したヤング率については、230GPa以上にまで高めることができているものの、静的引張法で測定したヤング率は、必ずしも高いものではなかった。即ち、静的引張法で測定される圧延方向のヤング率が220GPa以上である鋼板は存在しなかった。更に、プレス成形性の向上に有効な残留オーステナイト含む鋼板の製造方法に関しては開示していない。
特開平6−145892号公報 特開平11−080879号公報 特開2005−273001号公報 国際公開第06/011503号パンフレット
結晶方位は、通常、{hkl}<uvw>という表示で示され、{hkl}が板面方位、<uvw>が圧延方向方向を示す。したがって、圧延方向で高いヤング率を得るためには、圧延方向の方位である<uvw>が、できるだけ、ヤング率の高い方向に揃うように制御する必要がある。
本発明は、この原理に基づき、特に、静的引張法で測定された圧延方向のヤング率が高く、良好な加工性と衝撃エネルギー吸収能を有する、プレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼管、並びに、それらの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、静的引張法で測定された圧延方向のヤング率が220GPa以上で、かつ、残留オーステナイトを3〜20%含む複合組織型の高ヤング率鋼板を得るため、検討を行った。
その結果、圧延方向の静的ヤング率を向上させるには、Nbを添加し、TiとNを所定量含有させて、オーステナイト相(以下、γ相という。)での再結晶を抑制することが重要であり、更に、Bを複合添加すると効果が顕著であること、また、熱間圧延においては、圧延温度と、圧延ロールの入側及び出側での板厚と圧延ロールの直径から求める形状比が重要であり、これらを適正な範囲に制御することにより、鋼板の表面において、剪断歪みを付与された層の厚みが増し、表面から板厚方向への距離が板厚の1/6である部位(1/6板厚部という。)の付近に形成される集合組織も最適化されることを、新たに見出した。
それと同時に、SiとAlを添加し、製造条件、特に、熱間圧延後、焼鈍後の冷却条件を適正に制御することにより、セメンタイトの生成を抑え、残留オーステナイトを十分に得ることができることを見出した。
また、熱間加工を受けるγ相の変形挙動に影響を及ぼす積層欠陥エネルギーと、変態後の集合組織の間には相関があり、積層欠陥エネルギーは、表層から1/6板厚部、及び、板厚方向の中央部(1/2板厚部という。)近傍の、集合組織に影響を及ぼすことが判明した。したがって、表層と板厚中央の両方において、圧延方向のヤング率が向上する方位を発達させた集合組織を得るには、γ相の積層欠陥エネルギーに影響を及ぼすMn、Mo、W、Ni、Cu、Crの関係を最適化することが重要であるという知見も得た。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.005〜0.300%、Mn:0.10〜3.00%、Nb:0.005〜0.100% 、Ti:0.002〜0.150%を含有し、Si、Alの一方又は双方を合計で0.15〜3.0%含有し、P:0.150%以下、S:0.0150%以下、N:0.0100%以下に制限し、下記(式1)を満足し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライトとベイナイトの一方又は双方の体積率の合計が50%超であり、残留オーステナイトの体積率が3〜20%であり、鋼板の表面からの板厚方向の距離が板厚の1/6である位置の、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和が5以下であり、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{211}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上であることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
Ti−48/14×N≧0.0005 ・・・(式1)
ここで、Ti、Nは各元素の含有量[質量%]である。
(2)下記(式2)を満足することを特徴とする上記(1)に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
4≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≦10
・・・(式2)
ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]である。
(3)質量%で、Mo:0.01〜1.00%、Cr:0.01〜2.00%、W:0.01〜0.10%、Cu:0.01〜0.15%、Ni:0.01〜1.00%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
(4)質量%で、B:0.0005〜0.0100%を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
(5)質量%で、Ca:0.0005〜0.1000%、Rem:0.0005〜0.1000%、V:0.001〜0.100%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
(6)鋼鈑の板厚方向の中央部の、{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)が15以下であり、{112}<110>方位のX線ランダム強度比(B)が5以上であり、かつ、
(A)/(B)≦1.00
を満足することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
(7) 鋼鈑の板厚方向の中央部の、{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)が15以下であり、{001}<011>方位のX線ランダム強度比と{112}<110>方位のX線ランダム強度比との単純平均値(C)が5以上であり、かつ、
(A)/(C)≦1.10
を満足することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼鈑。
(8)静的引張法で測定された圧延方向のヤング率が220GPa以上であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
(9)上記(1)〜(8)の何れかに記載の高ヤング率鋼板に、溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とするプレス成形性の良好な高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板。
(10)上記(1)〜(8)の何れかに記載の高ヤング率鋼板に、合金化溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とするプレス成形性の良好な高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(11)上記(1)〜(10)の何れかに記載の高強度高ヤング率鋼板、高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板、又は、高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板を母材とする高ヤング率鋼管。
(12)上記(1)〜(5)の何れかに記載の化学成分を有する鋼片に、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を40%以上とし、下記(式3)によって求められる形状比Xが2.3以上である圧延を2パス以上とし、最終パスの温度をAr3変態点[℃]以上900℃以下とする熱間圧延を施し、30s以内の空冷を行った後、10℃/s以上の冷却速度で650〜800℃の範囲内に冷却する第一制御冷却を行い、更に、2〜15sの空冷を行い、10℃/s以上の冷却速度で300℃超、500℃未満の範囲内に冷却する第二制御冷却を行い、その後、巻き取ることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
形状比X=ld/hm ・・・(式3)
ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
hm :(hin+hout)/2
L :圧延ロールの直径
hin:圧延ロール入側の板厚
hout:圧延ロール出側の板厚
(13)上記(1)〜(5)の何れかに記載の化学成分を有する鋼片に、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を40%以上とし、下記(式4)によって求められる形状比Xが2.3以上である圧延を2パス以上とし、最終パスの温度をAr3変態点[℃]以上900℃以下とする熱間圧延を施し、得られた熱延鋼板を酸洗し、最高加熱温度をAc1変態点[℃]以上0.5×(Ac1+Ac3)[℃]以下の範囲内とする焼鈍を施し、その後、1〜150℃/sの冷却速度で380℃超、500℃未満の過時効温度域まで冷却し、該過時効温度域に1〜1800s保持することを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
形状比X=ld/hm ・・・(式4)
ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
hm :(hin+hout)/2
L :圧延ロールの直径
hin:圧延ロール入側の板厚
hout:圧延ロール出側の板厚
(14)下記(式5)によって計算される有効ひずみ量ε*が0.4以上となるように熱間圧延を行うことを特徴とする上記(12)又は(13)に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
Figure 2009030159
ここで、nは仕上げ熱延の圧延スタンド数、εjはj番目のスタンドで加えられたひずみ、εnはn番目のスタンドで加えられたひずみ、tiはi〜i+1番目のスタンド間の走行時間[s]、τiは気体常数R(=1.987)とi番目のスタンドの圧延温度Ti[K]によって下記(式6)で計算できる。
Figure 2009030159
(15)前記熱間圧延を実施する際にロール径が700mm以下の圧延ロールを少なくとも1つ以上使用することを特徴とする上記(12)〜(14)の何れかに記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
(16)前記熱間圧延の、少なくとも1パス以上の異周速率を1%以上とすることを特徴とする上記(12)〜(15)に記載のプレス成形性の良好な高ヤング率鋼板の製造方法。
(17)上記(12)〜(16)の何れかに記載の方法により製造した高強度高ヤング率鋼板に、溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(18)上記(17)記載の溶融亜鉛めっきを施した後、450〜600℃の温度範囲で5s以上保持する熱処理を行うことを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(19)上記(12)〜(18)の何れかに記載の製造方法により得られた高強度高ヤング率鋼板、高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板、又は、高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板を筒状に成形し、溶接して鋼管にすることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼管の製造方法。
本発明により、特に、静的引張法にて測定される圧延方向のヤング率が高く、プレス成形性の良好な高強度鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼管、並びに、それらの製造方法を提供することが可能になる。本発明は、産業上の貢献が極めて顕著なものである。
まず、圧延方向の静的ヤング率の向上のために重要である集合組織と、熱間圧延による集合組織の形成について説明する。
鋼板の板厚方向で集合組織が変化し、表層と板厚方向の中央部での集合組織が異なる場合、引張変形と曲げ変形では、剛性、即ち、ヤング率が必ずしも一致しない。これは、引張変形の剛性が、鋼板の板厚全面の集合組織に影響される特性であり、曲げ変形の剛性が、鋼板の表層部の集合組織に影響される特性であることに起因する。
本発明は、少なくとも表面から板厚方向への距離が板厚の1/6である部位までの集合組織を最適化し、圧延方向のヤング率を高めた鋼板である。したがって、圧延方向のヤング率に寄与する集合組織が、少なくとも、1/8板厚部よりも深い位置である1/6板厚部まで発達している。圧延方向のヤング率を高めた領域の厚みを増すことにより、曲げ変形だけでなく、引張変形及び圧縮変形に対するヤング率も高めることができる。
また、本発明は、表層だけでなく、少なくとも1/6板厚部まで剪断歪みを導入するため、1パスの熱間圧延の前後の鋼板の板厚と圧延ロールの直径によって決まる形状比を高めることによって製造されるものである。
本発明の鋼板は、少なくとも表層から1/6板厚部までの部位に、圧延方向のヤング率を高める方位を集積させ、ヤング率を低下させる方位の集積を抑制するものであり、表層だけでなく、1/6板厚部までの圧延方向の静的ヤング率が高く、引張変形での剛性が高い。また、表層から1/6板厚部までの部位に、圧延方向のヤング率を高める方位を集積させることで、ヤング率を低下させる方位の集積も抑制される。
本発明の鋼板は、具体的には、1/6板厚部の、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和が5以下であり、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{112}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上である。本発明の鋼板は、熱間圧延において、鋼板の表層から、少なくとも1/6板厚部までに、剪断力を作用させることによって得られる。
熱間圧延の剪断力を鋼板の1/6板厚部まで作用させるためには、熱間圧延の全パス数のうち、少なくとも2パスで、次式で規定する形状比Xが2.3以上を満足する必要があることを本発明者らは見出した。形状比Xは、下記(式3)に示すように、ロールと鋼鈑の接触弧張と平均板厚の比である。この形状比Xの値が大きいほど、鋼板の板厚方向のより深い部分にまで、剪断力が作用することは、本発明者らが新たに得た知見である。
形状比X=ld/hm ・・・(式3)
ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
ld :(hin+hout)/2
L :圧延ロールの直径
hin:圧延ロール入側の板厚
hout:圧延ロール出側の板厚
上記(式3)によって求められる形状比Xが2.3以上であるパス数が1パスでは、剪断歪みが1/6板厚部まで導入されない。そのため、剪断歪みが導入された層(剪断層という。)の厚みが不十分であり、1/6板厚部の近傍での集合組織も劣化し、静的引張法で測定されるヤング率が低下する。
したがって、形状比Xが2.3以上であるパス数を2パス以上とすることが必要である。このパス数は、多い方がより好ましく、全パスの形状比Xを2.3以上としてもよい。剪断層の厚みを増加させるためには、形状比Xの値も大きい方が好ましく、2.5以上、より好ましくは3.0以上とする。
また、形状比Xが2.3以上である圧延は、高温で行うと、その後の再結晶によって、ヤング率を高める集合組織が破壊されることがある。そのため、形状比Xを2.3以上とするパス数を限定する圧延は、1100℃以下で行うことが必要である。また、圧延温度が低いほど、形状比の効果が顕著であるため、形状比Xが2.3以上である圧延を、最終に近い圧延スタンドで行うことが好ましい。
更に、表面から板厚中心までの全厚の集合組織を最適化するために、成分を限定して、熱間圧延の加熱によって生成するオーステナイト相(γ相という。)の積層欠陥エネルギーを最適な範囲とし、剪断変形が深く入る条件で圧延を行うことが好ましい。これにより、板厚中心部で発達するヤング率を低下させる方位を抑制することもでき、板厚全体としての静的ヤング率を向上させることができる。
積層欠陥エネルギーの違いが、面心立方構造を有するγ相の加工集合組織に大きな影響を及ぼすことは、これまでに知られている。また、熱延中にγ相が加工を受けた後、冷却されてフェライト相(α相という。)及びベイナイト相に変態する際には、α相及びベイナイト相は、変態前のγ相の結晶方位と一定の方位関係を有する方位に変態する。これは、バリアント選択といわれる現象である。
本発明者らは、熱間圧延によって導入される歪の種類による集合組織の変化が、γ相の積層欠陥エネルギーの影響を受けることを見出した。即ち、剪断歪が導入される表層と、圧縮歪が導入される中心層とでは、γ相の積層欠陥エネルギーによって集合組織が変化する。
例えば、積層欠陥エネルギーが高くなると、鋼板の表層部では、圧延方向のヤング率を最も高める方位である{110}<111>方位の集積度が高くなり、板厚中心部では、圧延方向のヤング率を低下させる{332}<113>方位が発達する。
一方、積層欠陥エネルギーが下がると、表層から1/6板厚部では、{110}<111>方位の集積度が高まらず、特に、1/6板厚部近傍ではヤング率を下げる方位である{100}<001>と<110><001>が発達し易くなる。
これに対して、積層欠陥エネルギーが下がると、板厚中心部では圧延方向のヤング率に対して比較的有利な方位である{225}<110>方位や、{001}<011>方位と{112}<110>方位が発達する。
したがって、静的ヤング率を向上させるためには、板厚表層と中心部の双方のヤング率が高くなる適度な積層欠陥エネルギー範囲に制御すること、具体的には、下記(式2)を満足することが好ましい。
4≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≦10
・・・(式2)
ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]である。
上記(式2)は、γ相を有するオーステナイト系ステンレスの積層欠陥エネルギーに及ぼす各元素の影響を数値化した式を基に、本発明者らが試験を行って、更に検討を加え、修正したものである。具体的には、0.03%C−0.1%Si−0.5%Mn−0.01%P−0.0012%S−0.036%Al−0.010%Nb−0.015%Ti−0.0012%B−0.0015%Nを基本の成分組成とし、Mn、Cr、W、Cu、Niの各添加量を種々変化させた場合の、圧延方向の静的ヤング率を調査した。
熱間圧延は、最終パスの温度をAr3変態点以上、900℃以下とし、1100℃から最終パスまでの圧下率を40%以上とし、形状比を2.3以上とする圧延を2パス以上行った。なお、Ar3変態温度は、下記(式7)よって計算した。
Ar3=901−325×C+33×Si+287×P+40×Al
−92×(Mn+Mo+Cu)−46×(Cr+Ni) ・・・(式7)
ここで、C、Si、P、Al、Mn、Mo、Cu、Cr、Niは、各元素の含有量[質量%]であり、含有量が不純物程度である場合は0とする。
また、圧延後、700℃以下での巻き取りを模擬するため、650℃で2時間保持する熱処理を行った。
鋼板から、圧延方向を長手方向として、JIS Z 2201の13号試験片を採取し、各鋼板の降伏強度の1/2に相当する引張応力を付与して静的ヤング率の測定を行った。測定は5回行い、応力−歪み線図の傾きに基づいて算出したヤング率のうち、最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値を、静的引張法によるヤング率とした。
結果を、図1に示す。これより、本発明者らが見出した関係式の値が4以上10以下の場合には、220GPaを超える高い圧延方向率静的ヤング率が得られるのに対し、4又は10超となると、ヤング率の値が著しく低下することがわかる。
以下、本発明の鋼板のX線ランダム強度比とヤング率について説明する。
1/6板厚部における{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和:
{100}<001>方位及び{110}<001>方位は、圧延方向のヤング率を著しく低下させる方位である。振動法で鋼板のヤング率を測定する場合には、最表層の集合組織の影響が大きく、板厚方向内部の集合組織の影響は小さい。しかし、静的引張法で鋼板のヤング率を測定する場合には、表層だけでなく、板厚方向の内部の集合組織も影響を及ぼす。
引張法で測定されたヤング率を高めるためには、少なくとも表層から1/6板厚部までのヤング率を高めることが必要である。したがって、引張法で測定された圧延方向のヤング率を高めるためには、1/6板厚部での、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和を5以下にしなければならない。この観点で、3以下であることがより好ましい。
なお、{100}<001>方位及び{110}<001>方位は、鋼板の表層のみに剪断歪みが付与された際に、1/6板厚部の近傍で発達し易い。一方、剪断歪みを、1/6板厚部の近傍にまで導入すると、この部位での{100}<001>方位及び{110}<001>方位の発達が抑制され、以下に説明する{110}<111>〜{110}<112>方位群と{211}<111>方位が発達する。
1/6板厚部における{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{211}<111>方位のX線ランダム強度比の和:
これらは、圧延方向のヤング率を高めるために有効な結晶方位であり、熱延時に導入される剪断歪みによって発達する。1/6板厚部における{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{211}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上であることは、鋼板の表面から1/6板厚部まで、圧延方向のヤング率を高める集合組織が発達していることを意味する。これにより、引張法で測定された、圧延方向の静的ヤング率が220GPa以上となる。好ましくは10以上、更に好ましくは12以上である。
{100}<001>方位、{110}<001>方位、{110}<111>〜{110}<112>方位群及び{211}<111>方位のX線ランダム強度比は、X線回折によって測定される{110}、{100}、{211}、{310}極点図のうち、複数の極点図を基に、級数展開法で計算した、3次元集合組織を表す結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function、ODFという。)から求めればよい。
なお、X線ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材のX線強度を同条件でX線回折法等により測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。
図2に、本発明の結晶方位が表示されるφ2=45°断面のODFを示す。図2は、3次元集合組織を結晶方位分布関数によって示すBungeの表示であり、オイラー角φ2を45°とし、特定の結晶方位である(hkl)[uvw]を、結晶方位分布関数のオイラー角φ1、Φで示している。
図2のΦ=90°の軸上の点で示したように、{110}<111>〜{110}<112>方位群は、厳密にはΦ=90°、φ1=35.26〜54.74°の範囲を指すものである。
しかし、試験片加工や試料のセッティングに起因する測定誤差を生じることがあるため、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値は、図中の斜線部で示した、Φ=85〜90°、φ1=35〜55°の範囲内での最大のX線ランダム強度比とする。
同様の理由から、3次元集合組織のφ2=45°の断面において、図2の点で示した位置を中心として、{211}<111>方位は、φ1=85〜90°、Φ=30〜40°の範囲、{100}<001>方位は、φ1=40〜50°、Φ=0〜5°の範囲、{110}<001>方位はφ1=85〜90°、Φ=85〜90°の範囲での最大値を、それぞれ、その方位の強度比として代表させる。
ここで、結晶の方位は通常、板面に垂直な方位を[hkl]又は{hkl}、圧延方向に平行な方位を(uvw)又は<uvw>で表示する。{hkl}、<uvw>は、等価な面の総称であり、[hkl]、(uvw)は、個々の結晶面を指す。
即ち、本発明においては、体心立方構造(body-centered cubic、b.c.c.構造という。)を対象としているため、例えば、(111)、(−111)、(1−11)、(11−1)、(−1−11)、(−11−1)、(1−1−1)、(−1−1−1)の各面は等価であり、区別がつかない。このような場合、これらの方位を総称して、{111}と称する。
なお、ODFは、対称性の低い結晶構造の方位表示にも用いられるため、一般的には、φ1=0〜360°、Φ=0〜180°、φ2=0〜360°で表現され、個々の方位が、[hkl](uvw)で表示される。
しかし、本発明では、対称性の高いb.c.c.構造を対象としているため、Φとφ2については、0〜90°の範囲で表現される。また、φ1は、計算を行う際に変形による対称性を考慮するか否かによって、その範囲が変化するが、本発明においては、対称性を考慮し、φ1=0〜90°で表記する。
即ち、φ1=0〜360°での同一方位の平均値を0〜90°のODF上に表記する方式を選択する。この場合、[hkl](uvw)と{hkl}<uvw>は、同義である。したがって、例えば、図2に示した、φ2=45°断面におけるODFの(110)[1−11]のX線ランダム強度比は、{110}<111>方位のX線ランダム強度比である。
X線回折用試料の作製は、次のようにして行う。鋼板を、機械研磨や化学研磨などによって板厚方向に、所定の位置まで研磨し、バフ研磨によって鏡面に仕上げた後、電解研磨や化学研磨によって、歪みを除去すると同時に、1/6板厚部が測定面となるように調整する。なお、測定面を正確に1/6板厚部とすることは困難であるので、目標とする位置を中心として、板厚に対して3%の範囲内が測定面となるように試料を作製すればよい。
また、X線回折による測定が困難な場合には、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法やECP(Electron Channeling Pattern)法により統計的に十分な数の測定を行ってもよい。
板厚方向の、より深い位置まで、{100}<001>方位及び{110}<001>方位の発達を抑制し、{110}<111>〜{110}<112>方位群及び{211}<111>方位を発達させると、更に、ヤング率が向上する。そのため、1/6板厚部よりも深い位置まで、好ましくは1/4板厚部まで、更に望ましくは1/3板厚部まで、表層と同様な集合組織とすることにより、圧延方向の静的ヤング率は、著しく向上する。
しかし、本発明のように、表層から、通常より深い位置まで剪断歪を導入しても、板厚中心部に、剪断歪を導入することは不可能である。そのため、1/2板厚部に、表層と同じ集合組織を発達させることはできず、板厚中心層には表層とは異なる集合組織が発達する。
したがって、更に、静的ヤング率を向上させるためには、表層から1/6板厚部までの集合組織に加えて、1/2板厚部の集合組織も、圧延方向のヤング率に対して有利な方位に改善することが好ましい。
板厚中心部における{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)及び{112}<110>方位のX線ランダム強度比(B)並びに(A)/(B):
{332}<113>方位は、板厚中心部に発達する代表的な結晶方位であり、圧延方向ヤング率を下げる方位であるのに対し、{112}<110>方位は圧延方向のヤング率に対して比較的有利な方位である。したがって、板厚中心部の圧延方向の静的ヤング率を向上させるためには、板厚中心部での{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)が15以下で、かつ、{112}<110>方位のX線ランダム強度比(B)が5以上を満足することが好ましい。
加えて、圧延方向ヤング率を低下させる方位(A)が、圧延方向のヤング率を向上させる方位(B)と同等以下にすること、具体的には、(A)/(B)を1.00以下にすることが好ましい。この観点から、(A)/(B)を0.75以下にすることが、より好ましく、更に好ましくは0.60以下である。上記の条件を満足することで、動的ヤング率と静的ヤング率の差を、10GPa以内にすることもできる。
板厚中心部における{001}<011>方位と{112}<110>方位のX線ランダム強度比の平均値(C)並びに(A)/(C):
圧延方向の静的ヤング率を220GPa以上にするためには、板厚中心部で発達する圧延集合組織も制御し、この部分の圧延方向のヤング率として、215GPaを超える値にすることが望ましい。{001}<011>方位と{112}<110>方位は、αファイバーと呼ばれる圧延方向に<110>方向が揃った代表的な方位である。
この方位は、圧延方向のヤング率に対して比較的有利な方位であり、板厚中心部の圧延方向の静的ヤング率を向上させるためには、板厚中心部での{001}<011>方位と{112}<110>方位のX線ランダム強度比の平均値(C)が5以上を満足することが好ましい。
加えて、圧延方向ヤング率を低下させる方位(A)を、圧延方向のヤング率を向上させる方位(C)と同等以下にすること、具体的には、(A)/(C)を1.10以下にすることが好ましい。
1/2板厚部におけるX線回折用試料も、1/6板厚部の試料と同様に、研磨して歪みを除去し、1/2板厚部の3%の範囲内が測定面となるように調整して作製すればよい。なお、板厚中心部で偏析等の異常が認められる場合には、板厚の7/16〜9/16の範囲内で、偏析部分を避けて試料を作製すればよい。
しかし、1/6板厚部と同様、試験片加工や試料のセッティング等に起因する測定誤差を生じることがある。
そのため、図2に示した3次元集合組織のφ2=45°の断面において、{001}<011>方位と{112}<110>方位は、それぞれ、φ1=0〜5°、Φ=0〜5°の範囲と、φ1=0〜5°、Φ=25〜35°の範囲、{332}<113>方位は、φ1=85〜90°、Φ=60〜70°の範囲での最大値を、それぞれ、その方位の強度比として代表させることとする。
また、{112}<110>方位は、φ1=0〜5°、Φ=30〜40°の範囲とする。そのため、例えば、φ1=0〜5°において、Φ=30〜35°の範囲での最大値が、Φ=25〜30°及びΦ=35〜40°よりも大きくなる場合は、{225}<110>方位のX線ランダム強度比と{112}<110>方位のX線ランダム強度比とを、同じ数値として評価する。
静的引張法によるヤング率の測定は、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を用いて、鋼板の降伏強度の1/2に相当する引張応力を付与して行う。即ち、降伏強度の1/2に相当する引張応力を加えて、得られた応力−歪み線図の傾きに基づいて、ヤング率を算出する。測定のバラツキを排除するため、同じ試験片を用いて5回の計測を実施し、得られた結果のうち最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値として算出した値を、ヤング率とする。
1/6板厚部の、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和が5以下であり、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{112}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上である本発明の鋼板は、熱間圧延において、鋼板の表層から少なくとも1/6板厚部までに剪断力を作用させることによって得られる。
熱間圧延の剪断力を鋼板の1/6板厚部まで作用させるためには、熱間圧延の全パス数のうち、少なくとも2パスで、次式で規定する形状比Xが2.3以上を満足する必要がある。形状比Xは、下記(式3)、(式4)に示すように、ロールと鋼鈑の接触弧張と平均板厚の比である。この形状比Xの値が大きいほど、鋼板の板厚方向のより深い部分にまで、剪断力が作用することは、本発明者らが新たに得た知見である。
形状比X=ld/hm ・・・(式3)、(式4)
ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
hm :(hin+hout)/2
L :圧延ロールの直径
hin:圧延ロール入側の板厚
hout:圧延ロール出側の板厚
上記(式3)、(式4)によって求められる形状比Xが2.3以上であるパス数が1パスでは、剪断歪みが、1/6板厚部まで導入されない。そのため、剪断歪みが導入された層(剪断層という。)の厚みが不十分であり、1/6板厚部の近傍での集合組織も劣化し、静的引張法で測定されるヤング率が低下する。
したがって、形状比Xが2.3以上であるパス数を2パス以上とすることが必要である。このパス数は、多い方がより好ましく、全パスの形状比Xを2.3以上としてもよい。剪断層の厚みを増加させるためには、形状比Xの値も大きい方が好ましく、2.5以上、より好ましくは3.0以上とする。
また、形状比Xが2.3以上である圧延は、高温で行うと、その後の再結晶によって、ヤング率を高める集合組織を破壊することがある。そのため、形状比Xを2.3以上とするパス数を限定する圧延は、1100℃以下で行うことが必要である。また、圧延温度が低いほど、形状比の効果が顕著であるため、形状比Xが2.3以上である圧延を、最終に近い圧延スタンドで行うことが好ましい。
熱間圧延を行う際には、鋼板の表層から、少なくとも1/6板厚部までに、剪断歪を効果的に導入するため、下記(式5)で計算される有効ひずみ量ε*が0.4以上となるようにすることが、更に好ましい。
Figure 2009030159
ここで、nは仕上げ熱延の圧延スタンド数、εjはj番目のスタンドで加えられたひずみ、εnはn番目のスタンドで加えられたひずみ、tiはi〜i+1番目のスタンド間の走行時間[s]、τiは気体常数R(=1.987)とi番目のスタンドの圧延温度Ti[K]によって下記(式6)で計算できる。
Figure 2009030159
有効ひずみε*は、熱間圧延の際の転位の回復を考慮した、鋼板の表層に導入される累積の歪みの指標であり、これを0.4以上とすれば、剪断層の厚みや剪断層に導入される歪みを確保できる。有効歪みε*が高いほど、剪断層の厚みが増し、ヤング率の向上に好ましい集合組織が発達するので、0.5以上が好ましく、0.6以上であれば、より好ましい。
有効ひずみε*を0.4以上とする場合には、効果的に剪断層に歪みを導入するため、圧延ロールと鋼板との摩擦係数を0.2超とすることが好ましい。摩擦係数は、圧延荷重、圧延速度、潤滑剤の種類及び量を制御して、調整することができる。
次に、プレス成形性を良好なものとするための高強度高ヤング率鋼板の組織について説明する。
本発明の鋼板の組織において、フェライトとベイナイトの一方又は双方の合計の体積率は50%超とする。これは、フェライトとベイナイトの一方又は双方の合計の体積率が50%以下であると、オーステナイト相からフェライト又はベイナイトに変態する際に、オーステナイト相中に十分にCが濃化されず、室温で安定な残留オーステナイトが得られないためである。
残留オーステナイトの体積率は、3%未満では十分な加工誘起変態によるn値(加工硬化指数)の向上、即ちTRIP(TRansformation-Induced Plasticity)効果が得られないため、下限を3%とした。また、残留オーステナイト分率の上限は高いほど好ましいが、20%超の残留オーステナイトを室温で安定的に存在させるには、C、Si、Alなどを過剰に添加することが必要になり、成形性が劣化するため、本発明の鋼では20%を上限値とした。
フェライト、ベイナイト、残留オーステナイト以外の相として、体積率で20%以下のマルテンサイトを含むことがある。更に、パーライト及びセメンタイトは、合計の体積率が5%以下であれば存在していても構わない。
各組織の体積率は、光学顕微鏡によるミクロ組織観察を行い、組織写真を画像解析して測定された面積率として求めることができる。フェライト、ベイナイト、パーライトの体積率は、ナイタールで腐食した試料の光学顕微鏡組織写真を画像処理するか、又は、ポイントカウント法によって測定した面積率として求めることができる。
残留オーステナイトは、レペラー腐食した試料を光学顕微鏡によって観察すると、マルテンサイトと同様に、白い組織として現出する。また、残留オーステナイトの体積率は、X線回折法によって測定することができる。したがって、マルテンサイトの体積率は、レペラー腐食した試料の光学顕微鏡組織写真を画像処理するか、又は、ポイントカウント法によって測定した面積率を求め、X線回折法によって測定した残留オーステナイトの体積率を減じて求めることができる。
なお、セメンタイトは、光学顕微鏡で観察できない程度の微細なものであれば、鋼板の特性にはほとんど影響を及ぼさない。したがって、光学顕微鏡でセメンタイトが観察されない場合、セメンタイトの体積率を0%とする。
ミクロ組織は、熱間圧延後の冷却又は酸洗、焼鈍後の冷却によって制御することができる。
熱延中に変態組織制御を行う際、即ち、熱延板の組織を室温で安定な残留オーステナイトを含む複合組織とする際には、上記製造条件に加え、仕上げ圧延後の冷却条件が重要となるため、熱延仕上げ後、制御冷却を行う。制御冷却は、熱延仕上げ後の空冷時間に制限を設け、第一制御冷却を行い、空冷した後、第二制御冷却を行い、その後、巻き取るという冷却である。
仕上圧延後、そのまま、第一制御冷却を行うことが好ましく、空冷時間の下限は規定しない。しかし、例えば、水冷又はミスト冷却によって制御冷却を行う場合、仕上圧延機の出側から制御冷却装置までの間、空冷される時間の上限を30s以内とすることが必要である。
第一制御冷却の冷却速度が10℃/s未満では、フェライト又はベイナイトの体積率の増加やパーライトの析出により、3%以上の残留オーステナイトを確保できなくなる。第一制御冷却の冷却速度は、速いほど好ましいが、現状の技術では、300℃/s超とすることは困難である。
本発明においては、第一制御冷却を650〜800℃の温度範囲で停止して空冷を開始し、空冷時間を2〜15sとすることが残留オーステナイト量の確保のために極めて重要である。
この空冷開始温度が、800℃超又は空冷時間が2s未満では、残留オーステナイト中にCを濃化させるために重要なフェライト又はベイナイト変態が不十分となり、そのため、その後の第二制御冷却の際にマルテンサイトが生成して、残留オーステナイト量を3%以上とすることができない。
一方、空冷開始温度が650℃未満の場合、フェライト又はベイナイト体積率が十分でないため、同様に、第二制御冷却の際にマルテンサイトが生成する。また、空冷時間を15s超とすると、パーライト組織へと変態するため、十分な残留オーステナイト量を確保することができない。
第二制御冷却は、第一制御冷却後の空冷で確保した残留オーステナイトがフェライトに変態するのを抑制するため、冷却速度を10℃/s以上として行う。第二制御冷却の冷却速度が10℃/s未満では、残留オーステナイトを3%以上とすることができないので、10℃/Sを下限とする。上限は、速いほど好ましいが、現状の技術では、300℃/s超とすることは困難である。
第二制御冷却の停止温度は、300℃超〜500℃未満の範囲内とし、この温度域で巻き取る。これは、巻き取り温度が500℃以上では、セメンタイトの析出量が多くなることで、オーステナイト中のC濃度が減少し、室温で、安定な残留オーステナイトを3%以上得ることが難しいからである。また、下限値を300℃超としたのは、第二制御冷却時のマルテンサイト変態を抑制し、3%以上の残留オーステナイトを確保するためである。
熱間圧延によって組織を制御せず、酸洗後に熱延鋼板を焼鈍し、残留オーステナイトを確保してもよい。熱延鋼板の焼鈍は、加熱時に一部のフェライト、ベイナイトをオーステナイト相に逆変態させ、その後の冷却制御及び保持によって、フェライト、ベイナイトを形成させ、残留オーステナイトを確保するために行う。
熱延鋼板の焼鈍の最高加熱温度はAc1[℃]以上、0.5×(Ac1+Ac3)[℃]以下とする。
これは、焼鈍の最高加熱温度がAc1変態点[℃]未満では、組織制御に必要なオーステナイトへの逆変態が起こり難く、残留オーステナイトを確保することが難しくなり、0.5×(Ac1+Ac3)[℃]を超えると、組織の大部分がオーステナイトに逆変態し、熱延時に制御した集合組織が崩れて、ヤング率向上効果が得られなくなるためである。
なお、最高加熱温度に到達後、直ちに冷却してもよいが、120s以上1800s以下の保持が好ましく、300s以上600s以下の保持が、更に好ましい。
組織制御を目的とする熱延鋼板の焼鈍後の冷却は、冷却速度を1℃/s未満として行うと、フェライト変態が促進されるか、又は、パーライトが生成して、残留オーステナイトの確保が難しくなることがある。一方、冷却速度を150℃/s超とすることは、現状の技術では困難である。したがって、焼鈍後の冷却速度を1〜150℃/sの範囲とする。
熱延鋼板の焼鈍後の冷却停止温度は、過時効温度域であり、380℃以下では、マルテンサイト変態が生じ、500℃超では、セメンタイトの析出によってオーステナイト中のC濃度が減少し、又は、パーライト変態が生じて、室温で安定な残留オーステナイトを確保することができない。したがって、冷却停止温度は380℃超500℃未満とする。
冷却後、更に、380℃超〜500℃未満の範囲内で1〜1800s保持する。これは、保持時間が1s未満であると、その後の冷却中に、マルテンサイト変態が生じ、保持時間が1800sを超えると、ベイナイトが過剰に生成して、安定な残留オーステナイトを確保することができないからである。
以下、本発明において鋼組成を限定する理由について説明する。なお、元素の含有量の%は、質量%を意味する。
Nbは、本発明において重要な元素であり、熱間圧延において、γ相を加工した際の再結晶を著しく抑制し、γ相での加工集合組織の形成を著しく促す。この観点から、Nbは、0.005%以上添加することが必要である。0.010%以上の添加が好ましく、0.015%以上の添加が、更に好ましい。しかしながら、Nbの添加量が0.100%を超えると、圧延方向のヤング率が低下するので、上限は0.100%とする。
Nbの添加によって、圧延方向のヤング率が低下する理由は、定かでないが、Nbが、γ相の積層欠陥エネルギーに影響を及ぼしているものと推測される。この観点から、Nbの添加量を0.08%以下とすることが好ましく、0.060%以下とすることが、更に好ましい。
Tiも、本発明において重要な元素である。Tiは、γ相高温域で窒化物を形成し、熱間圧延において、γ相を加工した際の再結晶を抑制する。更に、Bを添加した場合には、Tiの窒化物の形成によって、BNの析出が抑制されるため、固溶Bを確保することができる。
これにより、ヤング率の向上に好ましい集合組織の発達が促進される。この効果を得るためには、Tiを0.002%以上添加することが必要である。一方、Tiを0.150%を超えて添加すると、加工性が著しく劣化することから、この値を上限とする。この観点から、0.100%以下にすることが好ましい。更に好ましくは0.060%以下である。
Nは、不純物であり、下限は、特に設定しないが、0.0005%未満とするには、コストが高くなり、かつ、それほどの効果が得られないため、0.0005%以上とすることが好ましい。また、Nは、Tiと窒化物を形成し、γ相の再結晶を抑制するため、積極的に添加してもよいが、Bの再結晶抑制効果を低減させるので、0.0100%以下に抑制する。この観点から、好ましくは0.0050%以下、更に好ましくは0.0020%以下とする。
更に、TiとNは、下記(式1)を満足することが必要である。
Ti−48/14×N≧0.0005 ・・・(式1)
ここで、Ti、Nは、これらの元素の含有量[質量%]である。
これにより、TiN析出によるγ相の再結晶抑制効果が発現し、かつ、B添加の場合には、BNの形成を抑制することができ、ヤング率の向上に好ましい集合組織の発達を促進することができる。
Cは、強度を増加させる元素であり、0.005%以上の添加が必要である。また、ヤング率の観点から、C量の下限を0.010%以上とすることが好ましい。C量が0.010%未満に低下すると、Ar3変態温度が上昇し、低温での熱延が困難となり、ヤング率が低下することがある。更に、溶接部の疲労特性の劣化を抑制するためには、0.020%以上とすることが好ましい。
一方、C量が0.300%を超えると、成形性が劣化するため、上限を0.300%とする。また、TRIP効果を得るためには、オーステナイト中への十分なCの濃化が必要となる。したがって、鋼中のC量が0.050%以下では、十分な残留オーステナイトが得られないので、C量を0.050%以上とすることが好ましい。更に、上限を0.150%とすることが好ましい。
本発明において、SiとAlの添加量の合計は重要であり、その範囲は、0.15〜3.0%とする。SiとAlの添加量の合計が0.15%未満では、オーステナイト中にセメンタイトなどの炭化物が析出し、オーステナイト中のC濃度が減少して、残留オーステナイトを確保することができなくなる。一方、これら元素の合計が3.0%超では、脆化層である金属間化合物が生成し、著しく成形性が劣化するため、上限を3.0%とする。
また、Siは、固溶強化元素として強度を増加させる効果があり、ベイナイト、残留γを含む組織を得るためにも有効であり、狙いとする強度レベルに応じて、0.001%以上を添加することが好ましい。溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき密着性の低下、合金化反応の遅延による生産性の低下などの問題が生ずるので、Si添加量の上限を1.2%とすることが好ましい。
Alは、脱酸剤として有効であるため、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、Alは、変態点を著しく高める元素であり、過剰に添加すると、低温γ域での圧延が困難となるので、上限を3.0%とすることが好ましい。
Mnは、本発明において重要な元素である。Mnは、熱間圧延時に高温に加熱された際、γ相からフェライト相に変態する温度であるAr3変態点を低下させる元素であり、Mnの添加によって、γ相が低温まで安定になり、仕上圧延の温度を低下させることができる。この効果を得るには、Mnを0.10%以上添加することが必要である。
また、Mnは、後述するように、γ相での積層欠陥エネルギーとの相関があり、γ相での加工集合組織形成及び変態時のバリアント選択に影響を与え、変態後に、圧延方向のヤング率を高める結晶方位を発達させ、逆に、ヤング率を低くする方位の形成を抑制する効果がある。
この観点から、Mnを1.00%以上添加することが好ましい。更に好ましくは、1.20%以上であり、1.5%以上が最も好ましい。一方、Mnの添加量が、3.00%を超えても、著しいヤング率向上効果が得られないだけでなく、強度が高くなりすぎて、延性が低下するので、上限を3.00%とする。
Pは、不純物であるが、強度を増加する必要がある場合には、積極的に添加してもよい。また、Pは、熱延組織を微細にし、加工性を向上する効果も有する。ただし、添加量が0.150%を超えると、スポット溶接後の疲労強度が劣化し、降伏強度が増加して、プレス時に、面形状不良を引き起こす。更に、連続溶融亜鉛めっき時に、合金化反応が極めて遅くなり、生産性が低下する。また、2次加工性も劣化する。したがって、その上限を0.15%とする。
Sは、不純物であり、0.0150%超では、熱間割れの原因となったり、加工性を劣化させたりするので、0.0150%を上限とする。
板厚表層と中心部の双方の静的ヤング率を高めるためには、下記(式2)を満足することが好ましい。
4≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≦10
・・・(式2)
ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは、各元素の含有量[質量%]である。
なお、Mo、W、Ni、Cu、Crの添加量が、以下に説明する好ましい範囲よりも少量である場合は、0として上記(式2)の関係式の計算を行う。
上記(式2)を満足すると、鋼板の表層の剪断層や板厚の中心部近傍で、圧延方向のヤング率を高める方位が集積し、圧延方向のヤング率を低下させる方位の集積が抑制される。
上記(式2)の関係式の数値の増加とともに、圧延方向のヤング率が高くなることから、好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.5以上になるように、Mn、及び、必要に応じて、Mo、W、Ni、Cu、Crの1種又は2種以上の添加量を調整する。
ただし、(式2)の関係式の値が10を超えると、機械的性質が劣化するとともに、板厚中心部の集合組織が劣化し、圧延方向の静的ヤング率が低下することがあるので、(式2)の関係式の値を、10以下にすることが好ましい。この観点から、8以下にすることが、より好ましい。
Mo、Cr、W、Cu、Niは、熱間圧延時のγ相の積層欠陥エネルギーに影響を及ぼす元素であり、1種又は2種以上を、それぞれ、0.01%以上添加することが好ましい。
Mo、Cr、W、Cu、Niの1種又は2種以上とMnとを複合添加すると、加工集合組織形成に影響を与え、表層から1/6板厚部において、圧延方向のヤング率を高める結晶方位である{110}<111>、{211}<111>を発達させ、ヤング率を低くする方位である{100}<001>や{110}<001>の形成を抑制する効果を発現する。
一方、Moの添加は、強度を著しく上昇させ、加工性を低減させることがあるので、添加量を、1.00%以下とすることが好ましい。コストの観点から、添加量を、0.50%以下とすることが好ましい。
Cr、W、Cu、Niの1種又は2種以上の上限は、加工性及び経済性の観点から、Crは2.00%、Wは0.10%、Cuは0.15%、Niは1.00%とすることが好ましい。
Bは、Nbと複合添加することによって、再結晶を著しく抑制するとともに、固溶状態で焼入れ性を高める元素であり、オーステナイトからフェライトへの変態時の結晶方位のバリアント選択性に影響を及ぼすと考えられる。
したがって、ヤング率を上げる方位である{110}<111>〜{110}<112>方位群の発達を促すと同時に、ヤング率を下げる方位である{100}<001>方位や{110}<001>方位の発達を抑制すると考えられる。この観点から、Bは、0.0005%以上添加することが好ましい。
一方、Bを0.0100%超添加しても、更なる効果は得られないため、上限を0.0100%とする。また、Bを0.005%超添加すると、加工性が劣化することがあるため、0.0050%以下が好ましい。更に好ましくは0.0030%以下である。
Ca、Rem及びVは、機械的強度を高めたり、材質を改善する効果があるので、必要に応じて、1種又は2種以上を添加することが好ましい。Ca及びRemの添加量が0.0005%未満、Vの添加量が0.001%未満では、十分な効果が得られないことがある。
一方、Ca及びRemの添加量が0.1000%超、Vの添加量が0.100%超であると、延性を損なうことがある。したがって、Ca、Rem及びVは、それぞれ、0.0005〜0.1000%、0.0005〜0.1000%、及び、0.001〜0.100%の範囲で添加することが好ましい。
次に、上述の形状比、有効歪み、冷却速度以外の製造条件の限定理由について述べる。
鋼を、常法により溶製、鋳造し、熱間圧延に供する鋼片を得る。この鋼片は、鋼塊を鍛造又は圧延したものでもよいが、生産性の観点から、連続鋳造により鋼片を製造することが好ましい。また、薄スラブキャスターなどで製造してもよい。
また、通常、鋼片は鋳造後、冷却し、熱間圧延を行うために、再度、加熱する。この場合、熱間圧延を行う際の鋼片の加熱温度は、1100℃以上とすることが好ましい。鋼片の加熱温度が1100℃未満であると、熱間圧延の仕上温度をAr3変態点以上とすることが難しくなる。鋼片を効率良く均一に加熱するためには、加熱温度を1150℃以上とすることが好ましい。
加熱温度の上限は規定しないが、1300℃超に加熱すると、鋼板の結晶粒径が粗大になり、加工性を損なうことがある。また、溶製した鋼を鋳造後、直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスを採用してもよい。
本発明の鋼板の製造においては、1100℃以下での熱間圧延の条件は重要であり、形状比の規定については、上述したとおりである、なお、圧延ロールの直径は、室温で測定したものであり、熱延中の扁平を考慮する必要はない。
各圧延ロールの入側及び出側板厚は、放射線等を用いて、その場で測定してもよいし、圧延荷重より、変形抵抗等を考慮して計算で求めてもよい。また、1100℃を超える温度における熱間圧延は、特に規定せず、適宜、行って構わない。即ち、鋼片の粗圧延については、特に限定せず、常法によって行えばよい。
熱間圧延において、1100℃以下、最終パスまでの圧下率は、40%以上とする。1100℃超で熱間圧延しても、加工後の組織が、再結晶し、1/6板厚部における{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比を高める効果が得られない。
1100℃以下、最終パスまでの圧下率は、1100℃における鋼板の板厚と最終パス後の鋼板の板厚との差を、1100℃における鋼板の板厚で除した値を百分率で表した数値である。圧下率を40%以上とするのは、40%未満では、1/6板厚部で、圧延方向のヤング率を高める集合組織が十分発達しないからである。
圧下率を40%以上とすることは、1/2板厚部で、圧延方向のヤング率を高める集合組織を高めるためにも好ましい。1/6板厚部及び1/2板厚部で、圧延方向のヤング率を高めるためには、最終パスまでの圧下率を50%以上とすることが好ましい。
圧下率の上限は、特に設けないが、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を95%超にすることは、圧延機の負荷を高めるばかりか、集合組織にも影響を及ぼし、ヤング率が低下し始めることから、95%以下が好ましい。この観点から、90%以下が、更に好ましい。
熱間圧延の最終パスの温度は、Ar3変態点以上とする。これは、Ar3変態点未満で圧延すると、1/6板厚部において、圧延方向及び幅方向のヤング率にとって好ましくない{110}<001>集合組織が発達するためである。熱間圧延の最終パスの温度が900℃超では、圧延方向のヤング率の向上に好ましい集合組織を発達させることが困難であり、1/6板厚部における{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比が低下する。
圧延方向のヤング率を向上させるには、最終パスの圧延温度を低下させることが好ましく、特に、1/2板厚部の圧延方向のヤング率を高めるためには、より低い温度での圧下率を高めることが好ましい。
Ar3変態点以上であることを条件として、好ましくは850℃以下、更に好ましくは800℃以下とする。これにより、板厚中心部での{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)を15以下、{112}<110>方位のX線ランダム強度比(B)を5以上、かつ(A)/(B)を1.00以下とすることができる。
上記(式2)の値が高めである場合、圧下率を大きくすると、1/2板厚部では、圧延方向のヤング率を低下させる{332}<113>方位も発達し易くなる傾向にあるが、圧延方向のヤング率を高める{225}<110>方位や、{001}<110>方位及び{112}<110>方位の発達が促進される。
これにより、{001}<011>方位と{112}<110>方位のX線ランダム強度比の平均値(C)を5以上とし、{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)との比(A)/(C)を1.10以下にすることができる。
熱間圧延を実施する際に、圧延ロールの異周速率が1%以上の異周速圧延を、少なくとも1パス以上施すと、表層近傍での集合組織形成が促進されるため、異周速圧延を実施しない場合の本発明以上に、ヤング率が向上する。この観点から、異周速率は1%以上とし、望ましくは、異周速率5%以上、更に望ましくは、異周速率10%以上の異周速圧延を施すことが望ましい。
異周速率及び異周速圧延パス数の上限は、特に規定しないが、上記の理由から、いずれも、大きい方が大きなヤング率向上効果が得られることは言うまでもない。しかし、50%以上の異周速率は、現状では困難であり、仕上熱延パスは、通常8パス程度までである。
ここで、本発明における異周速率とは、上下圧延ロールの周速差を低周速側ロールの周速で除した値を百分率で表示したものである。また、本発明の異周速圧延は、上下ロール周速のいずれが大きくても、ヤング率向上効果に差はない。
また、仕上熱延に使用する圧延機にロール径が700mm以下のワークロールを一つ以上使用すると、表層近傍での集合組織形成が促進されるため、使用しない場合の本発明以上に、ヤング率が向上する。それ故、ロール径700mm以下のワークロールを使用することが望ましい。この観点から、ワークロール径は700mm以下とし、600mm以下であることが望ましく、500mm以下とすることが更に望ましい。
ワークロール径の下限は、特に規定しないが、300mm以下になると、通板制御が困難になる。小径ロールを使用するパス数の上限は、特に規定しないが、前述のように、仕上熱延パスは、通常8パス程度までである。
組織制御を行った熱延鋼板には、最高加熱温度を、500℃以上0.5×(Ac1+Ac3)[℃]以下の範囲とする焼鈍を施してもよい。これによって、圧延方向のヤング率は、より一層向上する。この理由は、定かではないが、熱延後の変態によって導入された転位が、熱処理によって再配列することによるものと推測される。
最高加熱温度が500℃未満ではその効果が顕著ではなく、一方、0.5×(Ac1+Ac3)[℃]を超えると、焼鈍温度におけるオーステナイト相への変態が促進されて、集合組織の集積が弱くなり、ヤング率が低下することがある。ヤング率の向上のため、熱延板焼鈍の最高加熱温度は、更に好ましくは650〜800℃とする。
最高加熱温度に到達後、直ちに冷却してもよいが、鋼板の温度を均一にするには、120s以上保持することが好ましく、1800s超の保持は、生産性を損なう。鋼板の材質の均質性と生産性を両立するには、保持時間を300s以上600s以下とすることが、更に好ましい。
熱延鋼板の組織制御を焼鈍後の冷却によって行う場合、熱間圧延の仕上圧延後の冷却条件は、特に規定しないが、400〜600℃で巻き取ると、ヤング率が向上する場合があるので、この温度範囲で巻き取るのが好ましい。
熱延鋼板の焼鈍の加熱速度は、特に限定しないが、3℃/s以上にすることが好ましい。加熱速度が3℃/s未満では、加熱中に再結晶が進行し、ヤング率向上に有利な集合組織の極密度が低下することがある。一方、加熱速度を70℃/s超としても、特段、材料特性は変化しない。
熱延鋼板、冷延鋼板には溶融亜鉛メッキ又は合金化溶融亜鉛メッキを施してもよい。冷延鋼板を焼鈍する場合は、冷却後、連続する溶融亜鉛メッキラインにて、そのまま、溶融亜鉛メッキを施してもよい。亜鉛メッキの組成は、特に限定するものではなく、亜鉛の他、Fe、Al、Mn、Cr、Mg、Pb、Sn、Niなどを、必要に応じて添加しても構わない。
合金化熱処理は、溶融亜鉛メッキを施した後に、450〜600℃の範囲内で行う。450℃未満では、合金化が十分に進行せず、また、600℃超では、過度に合金化が進行し、メッキ層が脆化するため、プレス等の加工によってメッキが剥離するなどの問題を誘発する。合金化処理の時間は、5s以上とする。5s未満では合金化が十分に進行しない。上限は、特に定めないが、メッキ密着性を考慮すると、10s程度とすることが好ましい。
熱延鋼板の焼鈍及び溶融亜鉛メッキ後に、必要に応じて酸洗し、その後、インライン又はオフラインで、圧下率10%以下のスキンパスを施してもよい。
また、上記の熱延鋼板には、Al系メッキや、各種電気メッキを施しても構わない。更に、熱延鋼板及び各種メッキ鋼板には、有機皮膜、無機皮膜、各種塗料などの表面処理を、目的に応じて行うことができる。
本発明の低降伏比型高ヤング率鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を、圧延方向が鋼管の長手方向との間の角度が0〜30°以内になるように巻いて鋼管にすると、鋼管の長手方向のヤング率が高い、高ヤング率鋼管を製造することができる。圧延方向と平行に巻くのが最もヤング率が高くなることから、この角度はできるだけ小さいことが好ましい。この観点から、15°以下の角度で巻くことが、更に好ましい。
圧延方向と鋼管の長手方向の関係が満足されていれば、造管方法は、UO管、電縫溶接、スパイラル等、任意の方法をとることができる。もちろん、ヤング率の高い方向を、鋼管の長手方向に平行に限定する必要はなく、用途に応じて、任意の方向にして、ヤング率の高い鋼管を製造しても何ら問題はない。
次に本発明を実施例にて説明する。
表1に示す組成を有する鋼を溶製して鋼片を製造し、鋼片を加熱して、熱間で粗圧延に続いて、表2及び表3(表2のつづき)に示す条件で仕上圧延を行った。表1の空欄は、元素を意図的に添加していないことを意味する。仕上圧延のスタンドは全6段からなり、ロール径は、650〜830mmである。また、最終パス後の仕上板厚は、1.6〜10mmとした。
更に、表2及び表3において、SRT[℃]は、鋼片の加熱温度、FT[℃]は、圧延の最終パス後、即ち、仕上出側の温度、tAC1[s]は、熱間圧延の仕上圧延後、第一制御冷却を開始するまでの空冷時間であり、CR1[℃/s]は、空冷後の第一制御冷却中の平均冷却速度であり、T1[℃]は、第一制御冷却の停止温度であり、tAC2[s]は、第一制御冷却後の空冷時間であり、CR2[℃/s]は、第二制御冷却中の平均冷却速度であり、CT[℃]は、巻取り温度である。
圧下率は、1100℃における板厚と仕上板厚との差を、1100℃における板厚で除した値であり、百分率で示した。形状比の欄には、各パスでの形状比の値を示す。−で示した欄は、そのパスでの圧延温度が、1100℃超であったことを意味する。Ar3、Ac1、及び、Ac3は、熱膨張計を用い、10[℃/s]での加熱・冷却中の試験片の熱膨張変化を測定することで求めた。
また、表4及び表5(表4のつづき)において、Vα1[%]は、熱延鋼板のフェライト体積率であり、VB1[%]は、熱延鋼板のベイナイト体積率であり、Vγ1[%]は、熱延鋼板の残留オーステナイト体積率であり、VM1[%]は、熱延鋼板のマルテンサイト体積率であり、Vother1[%]は、熱延鋼板のセメンタイト及びパーライト体積率の合計である。
フェライト体積率、ベイナイト体積率、及び、セメンタイト及びパーライト体積率は、ナイタール腐食した試料を用いて、光学顕微鏡による組織観察と画像解析によって求めた。なお、光学顕微鏡で観察されないセメンタイトの体積率は0%とした。また、残留オーステナイトの体積率は、X線回折法によって求めた。
マルテンサイト体積率は、レペラー腐食した試料を用いて、光学顕微鏡による組織観察と画像解析によって、残留オーステナイトとマルテンサイトの合計の面積率を求め、X線回折法によって測定した残留オーステナイトの体積率を減じて算出した。
形状比の合否欄には、各パスの形状比の少なくとも2つ以上が2.3を超えている場合は○、超えていない場合は×を示した。
表1の式1は、Ti及びNの含有量[質量%]によって計算した、下記(式1)の左辺の値である。
Ti−48/14×N≧0.0005 ・・・ (式1)
表1の式2は、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]によって計算した、下記(式2)の左辺の値である。
3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≧4
・・・(式2)
Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crの含有量が不純物程度である場合、例えば、表1のMo、W、Ni、Cu、Crが空欄である場合は、含有量を0として、上記(式2)の左辺を計算する。
得られた鋼板から、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を採取し、引張試験を、JIS Z 2241に準拠して行い、引張強度を測定した。ヤング率の測定は、静的引張法と振動法の両法により測定した。
静的引張法によるヤング率の測定は、JIS Z 2201に準拠した引張試験片を用いて、鋼板の降伏強度の1/2に相当する引張応力を付与して行った。測定は5回行い、応力−歪み線図の傾きに基づいて算出したヤング率のうち、最大値及び最小値を除いた3つの計測値の平均値を、静的引張法によるヤング率とし、引張ヤング率として、表4及び表5に示した。
振動法は、JIS Z 2280に準拠した常温での横共振法にて行った。即ち、試料を固定せずに振動を加え、発振機の振動数を徐々に変化させて、一次共振振動数を測定し、その振動数より、動的ヤング率を計算して求めた。
鋼板の1/6板厚部の{100}<001>及び{110}<001>方位、{110}<111>〜{110}<112>方位群、及び、{211}<111>方位のX線ランダム強度比を、以下のようにして測定した。
まず、鋼板を、機械研磨及びバフ研磨した後、更に、電解研磨して歪みを除去し、1/6板厚部が測定面となるように調整した試料を用いて、X線回折を行った。なお、特定の方位への集積を持たない標準試料のX線回折も同条件で行った。
次に、X線回折によって得られた{110}、{100}、{211}、{310}極点図を基に、級数展開法でODFを得た。このODFから、{100}<001>及び{110}<001>方位、及び、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比を求めた。
鋼板の1/2板厚部の、{332}<113>方位及び{112}<110>方位のX線ランダム強度比は、1/6板厚部の試料と同様にして、1/2板厚部が測定面となるように調整した試料を用いて、X線回折を行い、ODFから求めた。
これらの鋼板のうち、熱間圧延終了後に、溶融亜鉛めっきを施した場合は、「溶融」と表記し、520℃で15秒の合金化溶融亜鉛めっきを施した場合は、「合金」と表記した。
結果を、表4及び表5(表4のつづき)に示す。なお、ヤング率の欄のRDは、圧延方向(Rollinng Direction)を意味し、TDは、圧延方向と直角の方向である幅方向(Transverse Direction)を意味する。
表4及び表5から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を、適正な条件で熱間圧延した場合には、圧延方向、圧延直角方向のいずれにおいても、静的引張法によるヤング率を、220GPa超とすることができた。特に、板厚中心層の集合組織の条件を同時に満足する場合には、静的引張法によるヤング率が高く、かつ、振動法との差が小さくなることが解る。
一方、製造No.43〜48は、化学成分が本発明の範囲外である鋼No.U〜Zを用いた比較例である。製造No.43は、Cを過剰に含有するため、強度が高すぎ、成形性が問題となる。製造No.44は、SiとAlの添加量の合計が少なく、残留γの体積率が低下した例である。製造No.45は、Si及びAlの添加量が過剰であり、残留γの体積率は多くなるものの、金属間化合物の生成によって成形性が低下している。
製造No.46は、Mnの添加量が少なく、圧延方向のヤング率が低下している。製造No.47及び48は、Nb添加量とTi添加量が少なく、圧延方向のヤング率が低下している。
また、製造No.8、24、及び、35のように、形状比が2.3以上であるパスが少ないと、振動法で高いヤング率が得られても、静的引張法では、220GPaを超えることができない。製造No.7は、熱間圧延の仕上温度FT[℃]が高く、製造No.20は、1100℃以下での圧下率が低く、ヤング率が低下している。
製造No.17は、第一冷却後の保持温度が高く、製造No.12は、第一冷却の冷却速度が遅く、製造No.16は、熱延後、第一冷却開始までの空冷時間が長く、製造No.22は、巻取り温度が高く、フェライト変態とパーライト変態が進行し、十分な残留γ体積率が得られていない。
製造No.31は、第一冷却後の保持時間が長く、製造No.38は、第二冷却の冷却速度が遅いため、フェライト変態とパーライト変態が進行し、十分な残留γ体積率が得られていない。
製造No.9は、第一冷却後の保持温度が低く、製造No.27は、第一冷却後の保持時間が短く、十分にフェライト変態が進行せず、γ中にCが濃化しなかったため、十分な残留γ体積率が得られていない。製造No.30は、巻取り温度が低く、ベイナイト変態が十分に進行せず、γ中にCが濃化しなかったうえ、マルテンサイト変態が進行し、十分な残留γ体積率が得られていない。
Figure 2009030159
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表1に示した鋼DとKを用いて、表6に示す条件で熱間圧延を行い、酸洗した後、焼鈍を行った。表6中のCR3は、最高加熱温度からの冷却速度、T3は、冷却後の保持温度、t3は、その後の保持時間を示す。ε*は、有効ひずみ量を示す。実施例1と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定、各相分率の測定を行った結果を、表7に示す。
これから明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延し、その後焼鈍条件を最適化することで、熱延中に発達した表層近傍での集合組織に加え、その後の焼鈍による組織制御で形成される組織により、加工性に優れた高ヤング率鋼板を得ることが可能となる。更に、有効歪量を高めることで、ヤング率が向上する。
Figure 2009030159
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表1に示した鋼DとKを用いて、表8に示す条件で熱間圧延を行った。表8中の符号は、表2と同様である。ε*は、有効ひずみ量を示す。実施例1と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定、各相分率の測定を行った結果を、表9に示す。
表9から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延し、表層近傍での集合組織を発達させ、冷却条件を制御することにより、加工性に優れた高ヤング率鋼板を得ることが可能となる。更に、熱間圧延時の有効歪量を高めることで、ヤング率が向上する。
Figure 2009030159
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表1に示した鋼DとKを用いて、表10に示す条件で熱間圧延を行った。表10に示した製造No.60、62、及び、63は、全6段からなる仕上げ圧延スタンドの最終の3段、即ち、4パス、5パス、及び、6パスでの異周速率を変化させた異周速圧延を行った例である。ε*は、有効ひずみ量を示す。表10で表示されていない熱延条件は、全て、実施例1と同様である。実施例1と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定を行った。結果を、表11に示す。
表11から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延する際に、1%以上の異周速圧延を1パス以上加えると、表層近傍での集合組織の形成が促進され、更にヤング率が向上する。更に、有効歪量が高いほど、ヤング率が、より向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
表1に示した鋼DとKを用いて、表12に示す条件で熱間圧延を行った。表12に示した製造No.65〜67、及び、69〜71は、全6段からなる仕上げ圧延スタンドの最終の3段、即ち、4パス、5パス、及び、6パスで、直径700mm以下のロールを使用して圧延を行った例である。この熱間圧延を実施した際の有効歪量を併記した。
表12で表示されていない熱延条件は、全て、実施例1と同様である。実施例1と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定を行った。結果を、表13に示す。
表13から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を熱間圧延する際に小径ロールを使用することで、表層のせん断ひずみ量が増加し、よりヤング率を高めることが可能となる。更に、有効歪量の高い圧延条件ほど、ヤング率が向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
実施例1と同様にして、表14に示す組成を有する鋼片を用いて、表15に示す条件で熱間圧延を行った。表15に表示されていない熱延条件は、全て、実施例1と同様である。実施例1と同様に、引張試験を行い、金属組織の観察及び面積率の測定、X線回折による残留オーステナイト量の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、及び、ヤング率の測定を行った。更に、1/2板厚部では、{001}<011>方位のX線ランダム強度比も測定した。結果を、表16に示す。
表16から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱間圧延した場合には、圧延方向、圧延直角方向のいずれにおいても、静的引張法によるヤング率を、220GPa超とすることができた。特に、板厚中心層の集合組織の条件を同時に満足する場合には、静的引張法によるヤング率が高く、かつ、振動法との差が小さくなることが解る。なお、本発明例のうち、(式2)を満足しない製造No.90、92、及び、93は、静的ヤング率がやや低い。
一方、製造No.94〜96は、Ti添加量が少なく、圧延方向のヤング率が低下している。また、製造No.75のように、形状比が2.3以上であるパスが少ないと、振動法では高いヤング率が得られても、静的引張法ではヤング率が低下する。製造No.79は、熱間圧延の仕上温度FT[℃]が高く、ヤング率が低下している。
製造No.89は、巻取り温度が低く、ベイナイト変態が十分に進行せず、γ相中にCが濃化しなかったうえ、マルテンサイト変態が進行し、十分な残留γ体積率が得られていない。製造No.91は、第一冷却後の保持時間が長く、フェライト変態とパーライト変態が進行し、十分な残留γ体積率が得られていない。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
Figure 2009030159
表14に示した鋼ACとAFを用いて、表17に示す条件で熱間圧延を行い、実施例2と同様にして、酸洗した後、焼鈍を行った。実施例6と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定、各相分率の測定を行った。結果を、表18に示す。
表18から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延し、その後焼鈍条件を最適化することで、熱延中に発達した表層近傍での集合組織に加え、その後の焼鈍による組織制御で形成される組織により、加工性に優れた高ヤング率鋼板を得ることが可能となる。更に、有効歪量を高めることで、ヤング率が向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
表14に示した鋼ACとAFを用いて、表19に示す条件で熱間圧延を行った。実施例6と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定、各相分率の測定を行った。結果を、表20に示す。
表20から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延し、表層近傍での集合組織を発達させ、冷却条件を制御することにより、加工性に優れた高ヤング率鋼板を得ることが可能となる。更に、熱間圧延時の有効歪量の高いほど、ヤング率が、より向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
表14に示した鋼ACとAFを用いて、表21に示す条件で熱間圧延を行った。表21に示した製造No.106、及び、108は、全6段からなる仕上げ圧延スタンドの最終の3段、即ち、4パス、5パス、及び、6パスでの異周速率を変化させた異周速圧延を行った例である。実施例6と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定を行った。結果を、表22に示す。
表22から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延する際に1%以上の異周速圧延を1パス以上加えると、表層近傍での集合組織形成が促進され、更に、ヤング率が向上する。更に、有効歪量が高いほど、ヤング率が、より向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
表14に示した鋼ACとAFを用いて、表23に示す条件で熱間圧延を行った。表23に示した製造No.110、111、113、及び、114は、全6段からなる仕上げ圧延スタンドの最終の3段、即ち、4パス、5パス、及び、6パスで、直径700mm以下のロールを使用して圧延を行った例である。実施例6と同様に、引張特性の測定、1/6板厚部及び1/2板厚部の集合組織の測定、ヤング率の測定を行った。結果を、表24に示す。
表24から明らかなとおり、本発明の化学成分を有する鋼を熱間圧延する際に小径ロールを使用することで、表層のせん断ひずみ量が増加し、よりヤング率を高めることが可能となる。更に、有効歪量の高い圧延条件ほど、ヤング率が向上する。
Figure 2009030159
Figure 2009030159
本発明の(式2)と圧延方向の静的ヤング率との関係を示す図である。 φ2=45°断面でのODFと主な方位を示す図である。

Claims (19)

  1. 質量%で、
    C:0.005〜0.300%、
    Mn:0.10〜3.00%、
    Nb:0.005〜0.100% 、
    Ti:0.002〜0.150%
    を含有し、
    Si、Alの一方又は双方を合計で0.15〜3.0%
    含有し、
    P:0.150%以下、
    S:0.0150%以下、
    N:0.0100%以下
    に制限し、下記(式1)を満足し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、フェライトとベイナイトの一方又は双方の体積率の合計が50%超であり、残留オーステナイトの体積率が3〜20%であり、鋼板の表面からの板厚方向の距離が板厚の1/6である位置の、{100}<001>方位のX線ランダム強度比と{110}<001>方位のX線ランダム強度比との和が5以下であり、{110}<111>〜{110}<112>方位群のX線ランダム強度比の最大値と{211}<111>方位のX線ランダム強度比の和が5以上であることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
    Ti−48/14×N≧0.0005 ・・・(式1)
    ここで、Ti、Nは各元素の含有量[質量%]である。
  2. 下記(式2)を満足することを特徴とする請求項1に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
    4≦3.2Mn+9.6Mo+4.7W+6.2Ni+18.6Cu+0.7Cr≦10
    ・・・(式2)
    ここで、Mn、Mo、W、Ni、Cu、Crは各元素の含有量[質量%]である。
  3. 質量%で、
    Mo:0.01〜1.00%、
    Cr:0.01〜2.00%、
    W :0.01〜0.10%、
    Cu:0.01〜0.15%、
    Ni:0.01〜1.00%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
  4. 質量%で、
    B :0.0005〜0.0100%
    を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
  5. 質量%で、
    Ca:0.0005〜0.1000%、
    Rem:0.0005〜0.1000%、
    V :0.001〜0.100%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
  6. 鋼鈑の板厚方向の中央部の、{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)が15以下であり、{112}<110>方位のX線ランダム強度比(B)が5以上であり、かつ、
    (A)/(B)≦1.00
    を満足することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
  7. 鋼鈑の板厚方向の中央部の、{332}<113>方位のX線ランダム強度比(A)が15以下であり、{001}<011>方位のX線ランダム強度比と{112}<110>方位のX線ランダム強度比との単純平均値(C)が5以上であり、かつ、
    (A)/(C)≦1.10
    を満足することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼鈑。
  8. 静的引張法で測定された圧延方向のヤング率が220GPa以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の高ヤング率鋼板に、溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とするプレス成形性の良好な高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の高ヤング率鋼板に、合金化溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とするプレス成形性の良好な高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の高強度高ヤング率鋼板、高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板、又は、高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板を母材とする高ヤング率鋼管。
  12. 請求項1〜5の何れか1項に記載の化学成分を有する鋼片に、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を40%以上とし、下記(式3)によって求められる形状比Xが2.3以上である圧延を2パス以上とし、最終パスの温度をAr3変態点[℃]以上900℃以下とする熱間圧延を施し、30s以内の空冷を行った後、10℃/s以上の冷却速度で650〜800℃の範囲内に冷却する第一制御冷却を行い、更に、2〜15sの空冷を行い、10℃/s以上の冷却速度で300℃超、500℃未満の範囲内に冷却する第二制御冷却を行い、その後、巻き取ることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
    形状比X=ld/hm ・・・(式3)
    ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
    hm :(hin+hout)/2
    L :圧延ロールの直径
    hin:圧延ロール入側の板厚
    hout:圧延ロール出側の板厚
  13. 請求項1〜5の何れか1項に記載の化学成分を有する鋼片に、1100℃以下、最終パスまでの圧下率を40%以上とし、下記(式3)によって求められる形状比Xが2.3以上である圧延を2パス以上とし、最終パスの温度をAr3変態点[℃]以上900℃以下とする熱間圧延を施し、得られた熱延鋼板を酸洗し、最高加熱温度をAc1変態点[℃]以上0.5×(Ac1+Ac3)[℃]以下の範囲内とする焼鈍を施し、その後、1〜150℃/sの冷却速度で380℃超、500℃未満の過時効温度域まで冷却し、該過時効温度域に1〜1800s保持することを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
    形状比X=ld/hm ・・・(式4)
    ここで、ld(圧延ロールと鋼鈑の接触弧長):√(L×(hin−hout)/2)
    hm :(hin+hout)/2
    L :圧延ロールの直径
    hin:圧延ロール入側の板厚
    hout:圧延ロール出側の板厚
  14. 下記(式5)によって計算される有効ひずみ量ε*が0.4以上となるように熱間圧延を行うことを特徴とする請求項12又は13に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
    Figure 2009030159
    ここで、nは仕上げ熱延の圧延スタンド数、εjはj番目のスタンドで加えられたひずみ、εnはn番目のスタンドで加えられたひずみ、tiはi〜i+1番目のスタンド間の走行時間[s]、τiは気体常数R(=1.987)とi番目のスタンドの圧延温度Ti[K]によって下記(式6)で計算できる。
    Figure 2009030159
  15. 前記熱間圧延を実施する際にロール径が700mm以下の圧延ロールを少なくとも1つ以上使用することを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載のプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼板の製造方法。
  16. 前記熱間圧延の、少なくとも1パス以上の異周速率を1%以上とすることを特徴とする請求項12〜15に記載のプレス成形性の良好な高ヤング率鋼板の製造方法。
  17. 請求項12〜16の何れか1項に記載の方法により製造した高強度高ヤング率鋼板に、溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  18. 請求項17記載の溶融亜鉛めっきを施した後、450〜600℃の温度範囲で5s以上保持する熱処理を行うことを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  19. 請求項12〜18の何れか1項に記載の製造方法により得られた高強度高ヤング率鋼板、高強度高ヤング率溶融亜鉛めっき鋼板、又は、高強度高ヤング率合金化溶融亜鉛めっき鋼板を筒状に成形し、溶接して鋼管にすることを特徴とするプレス成形性の良好な高強度高ヤング率鋼管の製造方法。
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