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JP2009011341A - ペースト状材料充填容器 - Google Patents

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JP2009011341A JP2007172898A JP2007172898A JP2009011341A JP 2009011341 A JP2009011341 A JP 2009011341A JP 2007172898 A JP2007172898 A JP 2007172898A JP 2007172898 A JP2007172898 A JP 2007172898A JP 2009011341 A JP2009011341 A JP 2009011341A
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Hiroaki Murata
浩昭 村田
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MCC Advanced Moldings Co Ltd
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Yuka Denshi Co Ltd
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Abstract

【課題】歯科用材料などのペースト状の材料が充填された注射器型のペースト状材料充填容器であって、プランジャの操作を停止した際に、ノズルからの液垂れ現象を確実に防止し得るペースト状材料充填容器を提供する。
【解決手段】ペースト状材料充填容器は、押出ノズル(11)が設けられたシリンジ(1)と、当該シリンジに充填されたペースト状の材料(9)と、シリンジ(1)に挿入された材料押出用のプランジャ(2)とから主に構成され、プランジャ(2)の先端部に形成された凹溝(3)にOリング(4)が装着される。Oリング(4)の内径は、凹溝(3)から外れない大きさの範囲内で且つ凹溝(3)の底部の直径よりも大きな特定の範囲に設定されており、Oリング(4)と凹溝(3)の底部との隙間を通じ、押出操作の直後にプランジャ(2)の先端側の空気溜まりの圧力を開放する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペースト状材料充填容器に関するものであり、詳しくは、歯牙修復材料などのペースト状の材料が充填された注射器型のペースト状材料充填容器に関するものである。
歯牙修復材料などのペースト状材料は、予め注射器型の容器に充填されており、必要量だけ押し出して使用される。上記の様なペースト状材料充填容器は、先端に押出ノズルが設けられたシリンジ(容器本体)と、当該シリンジに充填されたペースト状の材料と、シリンジの後端から挿入された材料押出用のプランジャとから構成されている。そして、押出ノズルからペースト状の材料を確実に押し出すため、プランジャの先端部には環状の凹溝(Oリング装着溝)が設けられ、斯かる凹溝にはシリンジの内周面に密着するOリングが装着されている。
ところで、上記の様な容器においては、シリンジ内の材料を必要量押し出した直後、プランジャの操作を停止しているにも拘わらず、押出し操作でシリンジ内に生じた内圧により、シリンジ内に収容されている材料が押出ノズルから垂れ出すいわゆる液垂れ現象が見られる。そこで、例えば歯科用粘性材料の液垂れを防止する手段として、Oリングを装着する凹溝の形状を工夫した「歯科用粘性材料用容器の押出し構造」が提案されている。
上記の構造においては、凹溝の幅がOリングの厚さの1.5〜2.5倍に設定され、凹溝の底部とシリンジ内周面との間隔がシリンジ後端側へ向かうに従って漸次狭くなる形状に形成されており、プランジャの押込操作の際にOリングが凹溝内を捩れた状態でプランジャ押込方向後方側に相対移動し、プランジャの操作を停止した際にOリングがその復元力により凹溝内を原位置であるプランジャ押込方向前方側に相対移動し、復元する際のOリングの回転力によってプランジャを押出ノズルから離れる方向に移動させてシリンジ内を減圧し、押出ノズルから垂れ出る歯科用粘性材料をシリンジ側に引き戻す様になされている。
特開2001−57987号公報
凹溝(Oリング装着溝)の構造を工夫した上記の容器においては、Oリングがプランジャ側の凹溝とシリンジの内周面とに強く密着しており、また、捩れたOリングが復元する際の回転力も極めて小さいため、実際、プランジャの操作を停止した際、プランジャは、シリンジ側の内圧によって極微小な距離だけ後端側へ戻ることはあっても、シリンジ内の圧力を解消し得る程度にOリングの復元力で作動することはない。従って、押出ノズルからの液垂れ現象を十分に解決できていないのが現状である。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペースト状の材料が充填された注射器型のペースト状材料充填容器であって、プランジャの操作を停止した際に、押出ノズルからの液垂れ現象を確実に防止し得るペースト状材料充填容器を提供することにある。
上記の課題を解決するため、プランジャを操作した直後の押出ノズルからの液垂れ現象について、その要因を種々解析したところ、ペースト状材料の液垂れ現象は、製造時に材料中に混入した空気に大きく起因していることが確認された。すなわち、材料充填の際に混入した空気は、材料の粘性により材料全体に分布しているが、プランジャの先端側に小さな空気溜まりとして封入されることが多く、斯かる空気溜まりは、プランジャの押込操作によって圧縮され、プランジャの操作を停止した際に膨張する。一方、プランジャ自体は、Oリングを介してシリンジの内周面に強固に密着している。その結果、押込操作を停止した後、大気に解放された押出ノズル側からシリンジ内の材料が空気の膨張力によって押し出される。
そこで、本発明では、プランジャの先端部に形成された環状の凹溝にOリングを装着してプランジャ先端部の気密性を確保する構造において、無負荷状態におけるOリングの厚さを凹溝の幅よりも小さく設定し且つ内径を凹溝から外れない大きさの範囲内で凹溝の底部の直径と同等以上に設定することにより、プランジャの押込操作の際はOリングのシリンジ後端側への相対移動により当該Oリングを凹溝の後端部に突き当てて気密性を確保し、押込操作を停止した際はシリンジ内の空気溜まりの膨張力でプランジャがシリンジ後端側へ押し戻される様にした。そして、プランジャのシリンジ後端側への移動により空気溜まりの膨張力(シリンジ内の材料の内部圧力)を瞬時に緩和すると共に、プランジャのシリンジ後端側への移動の瞬間にOリングの内周部と凹溝の底部との間に構成される微小な隙間を通じて、空気溜まりの空気を逃す様にした。
すなわち、本発明のペースト状材料充填容器は、先端に押出ノズルが設けられたシリンジと、当該シリンジに充填されたペースト状の材料と、前記シリンジの後端から挿入された材料押出用のプランジャとから主に構成され、前記プランジャの先端部に当該プランジャの周方向に沿って環状の凹溝が形成され、前記シリンジの内周面に密着する弾性変形可能なOリングが前記凹溝に装着された注射器型のペースト状材料充填容器であって、無負荷状態における前記Oリングの厚さ(T)が前記凹溝の幅(w)よりも小さく且つ内径(D)が以下の範囲であることを特徴とする。
Figure 2009011341
本発明のペースト状材料充填容器によれば、無負荷状態におけるOリングの厚さが凹溝の幅よりも小さく且つ内径が凹溝からOリングが外れることのない大きさで凹溝の底部の直径と同等以上の大きさに設定されており、プランジャの押込操作を停止した際、プランジャのシリンジ後端側への移動によりシリンジ内の材料の内部圧力を緩和でき、かつ、プランジャのシリンジ後端側への移動の瞬間にOリングの内周部と凹溝の底部との間に構成される隙間を通じて、プランジャ先端側の空気溜まりの空気を逃がして圧力を瞬時に開放できるため、押出ノズルからの液垂れ現象を確実に防止することが出来る。
本発明に係るペースト状材料充填容器の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明に係るペースト状材料充填容器の一実施形態を示す図であり、図1は、ペースト状材料充填容器の全体構造を一部破断して示す側面図である。図2は、押出ノズル先端に更に取り付けられる一例としての歯科治療用の細口ノズルを示す側面図である。図3は、プランジャ先端部の凹溝およびこれに装着された無負荷状態のOリングの構造を一部破断して示す側面図である。図4は、凹溝およびOリングの機能を一部破断して示す側面図である。なお、実施形態の説明においては、ペースト状材料充填容器を「容器」と略記する。
本発明の容器は、図1に示す様に、高粘弾性を有するペースト状の材料(9)が充填された注射器型の容器であり、収容するペースト状の材料(9)としては、歯牙修復用材料、手術補助剤などの歯科用材料、各種医薬品や医薬部外品、接着剤、充填剤などの液状物質が挙げられる。本発明の容器は、先端に押出ノズル(11)が設けられたシリンジ(1)と、当該シリンジに充填された材料(9)と、シリンジ(1)の後端から挿入された材料押出用のプランジャ(2)とから主に構成される。
シリンジ(1)は、材料(9)を収容する円筒状の部材であり、一般的には透明性の樹脂材料、典型的には耐薬品性および耐熱性に優れた環状ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ABS樹脂などの樹脂によって形成される。シリンジ(1)は、先端部や後端部を別個に成型して組み立てることも出来るが、通常は上記の様な樹脂によって一体的に射出成型される。
シリンジ(1)の先端部には、当該シリンジの中心線に沿って押出ノズル(11)が突設され、押出ノズル(11)の外周側には、当該押出ノズルと同心状に円筒状のルアーロック(12)が設けられる。ルアーロック(12)は、押出ノズル(11)に装着されるキャップ(5)(図1参照)やアダプター(6)(図2参照)の脱落を防止するための機構であり、押出ノズル(11)を囲繞する円筒部と、当該円筒部の内周面に設けられた雌螺子とから成る。
シリンジ(1)内部の先端部分は、材料(9)の全量を円滑に押し出すため、押出ノズル(11)に向って漸次縮径された円錘台状に形成される。また、シリンジ(1)の後端部には、プランジャ(2)を操作する際に指を引掛ける円環状の指掛部(13)が設けられる。例えば歯科用材料を収容する場合、シリンジ(1)の内径(d)(図3参照)は4〜10mm程度、長さは10〜100mm程度とされる。
図1に示す様に、使用前や使用中の材料(9)を一時的に保存する場合には、シリンジ(1)の先端にキャップ(5)が取り付けられる。キャップ(5)は、押出ノズル(11)の先端に嵌合する嵌合穴(51)を基端側から設け且つ上記のルアーロック(12)に螺合する雄螺子の螺子部(52)を基端外周部に設けて構成される。キャップ(5)は、その螺子部(52)をルアーロック(12)に挿入して旋回することにより、押出ノズル(11)の先端に固定することが出来る。
また、図2に示す様に、例えば歯科用途に使用する場合には、シリンジ(1)の先端の押出ノズル(11)にアダプター(6)が取り付けられ、当該アダプターを介して細口ノズル(7)が取り付けられる。アダプター(6)は、形状の異なる幾つかのノズルを選択的に取り付けるための略円筒状の連結部材であり、材料(9)を送り出す流路(61)を基端側から先端のノズル取付口(63)に亘って設け且つ上記のルアーロック(12)に螺合する雄螺子の螺子部(52)を基端外周部に設けて構成される。
アダプター(6)のノズル取付口(63)は、当該アダプターの中心線の先端方向に対して例えば鋭角に突設され、その中間に形成された環状の拡径部に細口ノズル(7)の基部が堅く嵌合する様になされている。アダプター(6)は、前述のキャップ(5)と同様に、その螺子部(62)をルアーロック(12)に挿入して旋回することにより、押出ノズル(11)の先端に固定することが出来る。更に、細口ノズル(7)には、汚染を防止するための蓋(8)が取り付けられてもよい。なお、本発明の容器においては、上記のルアーロック(12)を利用し、押出ノズル(11)に針状、チューブ状の注入具などを直接装着したり、あるいは、アダプター(6)を利用し、前記の注入具などを装着することも出来る。また、アダプター(6)のノズル取付口(63)は、用途に応じて任意の角度で設けることが出来る。
図1に示す様に、材料押出用のプランジャ(2)は、シリンジ(1)と同様の樹脂材料により、シリンジ(1)に緩く嵌合する略短軸円柱状のプランジャ本体の後端にプランジャロッドを設けて構成される。シリンジ(1)内の材料(9)の全量を残すことなく押し出し得る様に、プランジャ(2)の先端部を構成するプランジャ本体の先端面は、シリンジ(1)の先端部分の内部形状に係合する円錘台状に形成され、そして、プランジャ本体の先端面には、当該プランジャ本体をシリンジ(1)の先端側まで押し込んだ際に押出ノズル(11)に進入する押出バー(22)がプランジャの中心線に沿って突設される。
図3に示す様に、プランジャ(2)の先端部のプランジャ本体の外径(d)は、通常、シリンジ(1)の内径(d)の95〜99%に相当する大きさに設計される。また、図1に示す様に、プランジャロッドは、これを操作してプランジャ本体をシリンジ(1)の先端側まで押し込み得る長さに設計され、そして、プランジャロッドの後端には、プランジャ(2)を押込操作するための押込部(21)が設けられる。なお、プランジャ(2)は、先端部のプランジャ本体とプランジャロッドとを別個に成型して組み立てることも出来るが、通常は一体的に射出成型される。
図1に示す様に、プランジャ(2)の先端部のプランジャ本体には、プランジャ(プランジャ本体)の周方向に沿って環状の凹溝(3)が形成され、凹溝(3)には、シリンジ(1)の内周面に密着して押出操作において材料(9)の漏れを防止する弾性変形可能なOリング(4)が緩く装着される。
Oリング(4)は、材料(9)の押出操作(プランジャ(2)の押込操作)の際にシリンジ(1)の内周面に対するプランジャ(2)の気密性を維持するためのシール材であり、密着性、密閉性を発揮し得るゴム、例えば、ブチルゴム、ブタジエンゴム、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、シリコンゴム等の弾性体によって構成される。Oリング(4)の高度は、通常、シリンジ(1)に対する密着性を確保し且つ適度な摺動性を得る観点から30〜70とされ、Oリング(4)の材料としては、特に、上記のゴムのうち、耐薬品性に優れたシリコンゴムが好ましい。なお、歯科用材料を収容する容器の場合、無負荷状態(シリンジ(1)に挿入していない状態)において、Oリング(4)の外径は4〜10mm程度、図3に符号(D)で示す内径は2〜6mm程度、厚さ(T)は1〜2mm程度である。
図3に示す様に、プランジャ(2)の先端部の凹溝(3)は、シリンジ(1)の内径やOリング(4)の大きさによっても異なるが、プランジャ(2)を操作した際、Oリング(4)が前後に僅かに挙動し且つOリング(4)が脱落しない大きさに設計される。
具体的には、凹溝(3)の最大幅(W)(プランジャ(2)の長さ方向に沿った凹溝の間隔)は、無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)の100〜150%に相当する大きさとされる。凹溝(3)の底部の直径(d)は、無負荷状態におけるOリング(4)の内径(D)の90〜100%に相当する大きさとされる。前述の歯科用材料を収容する容器の場合、上記の最大幅(W)は1〜3mm程度、凹溝(3)の底部の直径(d)は1.8〜6mm程度である。
本発明では、プランジャ(2)の押込操作においてOリング(4)による気密性を一層高めるため、凹溝(3)は、当該凹溝の内部のプランジャ押込方向後方側の隅部に段差部(23)が設けられていることにより、内溝を備えた2段構造に構成される。そして、Oリング(4)は、上記の内溝に装着される。段差部(23)の直径(d)は、プランジャ(2)を操作した際に内溝からOリング(4)が脱落しない様に、無負荷状態におけるOリング(4)の内径(D)の110〜150%に相当する大きさとされる。
更に、内溝の幅(w)(凹溝(3)の有効幅)は、無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)の80〜125%に相当する大きさとされる。すなわち、内溝の幅(w)は、内溝の深さ(段差部(23)の直径(d)と凹溝(3)の底部の直径(d)の差の1/2に相当)によっても異なるが、Oリング(4)が前後に移動可能な様に緩く嵌合し得る幅に設定される。また、プランジャ本体の外周面からの凹溝(3)の落込み部分は、Oリング(4)の損傷を防止するため、面取が施された形状に形成される。
上記の2段構造の凹溝(3)においては、プランジャ(2)の押込操作を行った際、段差部(23)の出隅部(24)がOリング(4)に僅かに食込む突き当たりとして機能し、また、プランジャ(2)が内圧によって押し戻された際、凹溝(3)のプランジャ押込方向前方側の落込み部分である角部(25)がOリング(4)の突き当たりとして機能するため、プランジャ(2)の押込操作によるシリンジ(1)後方側への材料(9)の漏れを確実に防止することが出来る。
上記の様な凹溝(3)に対し、Oリング(4)は、無負荷状態におけるその厚さ(T)を凹溝(3)の幅(w)よりも小さく設定される。換言すれば、凹溝(3)の幅(w)は、無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)の100〜150%に相当する大きさとされる。そして、凹溝(3)が上記の様に2段構造に構成されている場合、前述の様に、凹溝(3)の内溝の幅(w)は、無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)の80〜125%に設定される。無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)を凹溝(3)の幅(w)よりも小さくし、更に内溝の幅(w)より若干小さい状態から若干大きい状態(但し、Oリング(4)が内溝の内壁に接しない状態)の間で設定することにより、Oリング(4)とその前後の凹溝(3)の側壁とで構成される隙間と、後述するOリング(4)の内側の隙間とを協働的に機能させ、シリンジ(1)内の空気溜まり(9A)(図4(a)参照)の圧力を開放することが出来る。
本発明においては、前述の様に、プランジャ(2)の操作直後にシリンジ(1)内の空気溜まり(9A)の圧力を開放するため、無負荷状態におけるOリング(4)の内径(D)が以下の範囲に設定される。すなわち、Oリング(4)の内径(D)は、Oリング(4)の内周部と凹溝(3)の底部との間に常態において微小隙間が構成されているか或いは材料(9)の内部圧力によって前記の微小隙間が構成される様に設計される。これにより、プランジャ(2)を操作した後の押出ノズル(11)からの液垂れを防止できる。なお、常態とは、材料(9)が充填された容器においてプランジャ(2)を操作していない未使用の状態を言う。
Figure 2009011341
無負荷状態におけるOリング(4)の内径(D)を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、Oリング(4)の内径(D)が凹溝(3)の底部の直径(d)未満の場合には、Oリング(4)と凹溝(3)の底部との間に隙間を形成できないため、プランジャ(2)の押込操作により圧縮された空気溜まり(9A)の圧力を押込操作停止直後にプランジャ(2)側から十分に開放することが出来ず、結果的に大気開放された押出ノズル(11)から液垂れが生じる。一方、Oリング(4)の内径(D)が上記の直径(d)以上の場合には、必要以上に隙間が形成されるため、結果的に材料(9)の逆流を惹起する。
換言すれば、本発明においては、プランジャ(2)の気密性を確保し、空気溜まり(9A)の空気の一部を外部へ放出する観点から、Oリング(4)の内径(D)が凹溝(3)から外れない大きさの範囲内で且つ凹溝(3)の底部の直径(d)と同等以上の大きさに設定されている。そして、前述した様に、凹溝(3)が2段構造に構成されている場合は、段差部(23)の直径が上記の直径(d)とされ、Oリング(4)の内径(D)よりも大きく設定される。
本発明の容器は、例えば、シリンジ(1)の先端の押出ノズル(11)にキャップ(5)を被せ、材料(9)を充填した後、プランジャ(2)を挿入することにより製造される。そして、歯科用材料などを充填した場合、製造された容器は、オートクレーブ等の加熱器に装填され、蒸気や熱水などを使用して加熱滅菌される。なお、本発明の容器の製造方法は、上記の必要な構成を具備している限りにおいて、組立の順序を含めて特に限定されるものではない。
本発明の容器は、例えば歯科治療に使用する場合、図2に示す様な細口ノズル(7)をシリンジ(1)先端の押出ノズル(11)に装着し、プランジャ(2)を押し込んで材料(9)を押し出す。本発明の容器においては、図4(a)に示す様に、プランジャ(2)の押込操作を行った際、プランジャ(2)の前方への移動により、プランジャ(2)の先端部(プランジャ本体)に装着されたOリング(4)が凹溝(3)の内部で僅かに後方へ相対移動し、かつ、凹溝(3)の後端部、2段構造の場合は段差部(23)の出隅部(24)に突き当たり、当該Oリングの変形により気密性が確保される。
一方、シリンジ(1)の内部の材料(9)の後端側、換言すれば、プランジャ(2)の先端と材料(9)との間に存在する空気溜まり(9A)は、上記のプランジャ(2)の押込操作により圧縮される。従って、図4(b)に示す様に、材料(9)を必要量押し出してプランジャ(2)の操作を停止した際、空気溜まり(9A)の膨張力がプランジャ(2)に作用し、これにより、図4(a)〜(c)に順次に示す様に、プランジャ(2)がシリンジ(1)後端側へ僅かに押し戻される。
本発明においては、プランジャ(2)が上記の様に押し戻される瞬間、図4(b)に示す様に、プランジャ(2)の後方への微動により相対的にOリング(4)が原位置に復帰し、Oリング(4)の内周部と凹溝(3)の底部との間に通気用の微小な隙間が構成される。従って、斯かる隙間が空気溜まり(9A)の空気を逃し、当該空気溜まりの圧力を瞬時に大気圧に戻すことが出来る。その結果、シリンジ(1)内に残る材料(9)への加圧が抑制される。
しかも、上記の様なプランジャ(2)のシリンジ(1)後端側への移動により空気溜まり(9A)の膨張力(シリンジ内の材料の内部圧力)を瞬時に緩和することが出来る。更に、凹溝(3)が2段構造に構成されている場合には、プランジャ(2)の押込操作の際のOリング(4)の変形量が一層大きくなり、プランジャ(2)の操作を停止した直後にOリング(4)の復元力によって当該プランジャをシリンジ(1)後端側へより確実に移動させ得るため、空気溜まり(9A)の膨張力を更に緩和することが出来る。
すなわち、本発明の容器においては、無負荷状態におけるOリング(4)の厚さ(T)が凹溝(3)の幅(w)よりも小さく或いは内溝の幅(w)に対して特定の大きさ(内溝の内壁に接しない大きさ)に設定され、しかも、Oリング(4)の内径(D)が凹溝(3)から当該Oリングが外れることのない大きさで凹溝(3)の底部の直径(d)と同等以上の大きさに設定されている。従って、プランジャ(2)の押込操作を停止した際、プランジャ(2)のシリンジ(1)後端側への移動によりシリンジ(1)内の材料の内部圧力を緩和でき、かつ、プランジャ(2)のシリンジ(1)後端側への移動の瞬間にOリング(4)の内周部と凹溝(3)の底部との間に構成される微小な隙間を通じて、プランジャ(2)先端側の空気溜まり(9A)の空気を逃がして圧力を瞬時に開放でき、その結果、押出ノズル(11)からの材料(9)の液垂れ現象を確実に防止することが出来る。
因に、材料(9)として歯牙修復材料が充填された図示した構造の本発明の容器を100本製造し、各々について、材料(9)を数回に分けて押し出す試験を繰り返した結果、押出ノズル(11)からの液垂れ現象は全く確認されなかった。これに対し、Oリング(4)の内径(D)を凹溝(3)の底部の直径(d)未満に設計して凹溝(3)の底部にOリング(4)を強固に密着させた点を除き、上記の本発明と同様の仕様で容器を製造し、上記と同様の試験を行ったところ、プランジャ(2)の押込操作を行う都度、液垂れ現象が見られた。なお、試験を行った本発明の容器の仕様は次の通りである。
Figure 2009011341
本発明に係るペースト状材料充填容器の全体構造を一部破断して示す側面図である。 図1のペースト状材料充填容器の押出ノズル先端に更に取り付けられる一例としての歯科治療用の細口ノズルを示す側面図である。 図1のペースト状材料充填容器のプランジャ先端部の凹溝およびこれに装着された無負荷状態のOリングの構造を一部破断して示す側面図である。 図3の凹溝およびOリングの機能を一部破断して示す側面図である。
符号の説明
1 :シリンジ
11:押出ノズル
12:ルアーロック
2 :プランジャ
23:段差部
24:段差部の出隅部
25:凹溝の前端側角部
3 :凹溝
4 :Oリング
5 :キャップ
6 :アダプター
7 :細口ノズル
9 :材料
9A:空気溜まり
:シリンジの内径
:プランジャ先端部の外径
:凹溝の底部の直径
:段差部の直径
:凹溝の深さ
:凹溝の幅
:内溝の幅
D :Oリングの内径
T :Oリングの厚さ

Claims (4)

  1. 先端に押出ノズルが設けられたシリンジと、当該シリンジに充填されたペースト状の材料と、前記シリンジの後端から挿入された材料押出用のプランジャとから主に構成され、前記プランジャの先端部に当該プランジャの周方向に沿って環状の凹溝が形成され、前記シリンジの内周面に密着する弾性変形可能なOリングが前記凹溝に装着された注射器型のペースト状材料充填容器であって、無負荷状態における前記Oリングの厚さ(T)が前記凹溝の幅(w)よりも小さく且つ内径(D)が以下の範囲であることを特徴とするペースト状材料充填容器。
    Figure 2009011341
  2. 凹溝は、その内部のプランジャ押込方向後方側の隅部に直径(d)の段差部が設けられていることにより、内溝を備えた2段構造に構成され、かつ、Oリングは、前記内溝に装着され、当該内溝の幅(w)が、前記Oリングの厚さ(T)の80〜125%に相当する幅に設定されている請求項1に記載のペースト状材料充填容器。
  3. Oリングが、硬度30〜70のゴムによって構成されている請求項1又は2に記載のペースト状材料充填容器。
  4. シリンジの先端の押出ノズルは、形状の異なるノズルがアダプターを介して選択的に取付可能に構成されている請求項1〜3の何れかに記載のペースト状材料充填容器。
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