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JP2009090692A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2009090692A
JP2009090692A JP2007260295A JP2007260295A JP2009090692A JP 2009090692 A JP2009090692 A JP 2009090692A JP 2007260295 A JP2007260295 A JP 2007260295A JP 2007260295 A JP2007260295 A JP 2007260295A JP 2009090692 A JP2009090692 A JP 2009090692A
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arc
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Futoshi Matsunaga
太 松永
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】トレッド面11の輪郭範囲L1と、トレッド展開幅TDWと、中央部円弧31の曲率半径TR1と、ショルダー側円弧32の曲率半径TR2と、タイヤ外径ODと、総幅SWと、偏平率βとより、F1=L1/(TDW×0.5)で求められた値が0.64≦F1≦0.7の範囲内となり、F2=TR1/ODで求められた値が1.2≦F2≦2.0の範囲内となり、F3=TR2/TR1で求められた値が0.1≦F3≦0.2の範囲内となり、F4=(β×TDW)/(100×SW)で求められた値が0.35≦F4≦0.48の範囲内となるようにトレッド面11を形成する。さらに、キャップトレッド12を、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、断面形状が複数の円弧によって形成されたトレッド面を有する空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは通常、直進走行時とカーブ走行時とではトレッド部における使用領域が異なっているので、走行状況に応じてトレッド部の各部の摩耗の度合いに変化が生じ、偏摩耗が生じる場合がある。そこで、従来の空気入りタイヤでは、トレッド部の形状を適切な形状にし、偏摩耗の低減を図っているものがある。例えば、特許文献1に記載の空気入りラジアルタイヤでは、トレッド部が接地した際の接地圧分布の一様化と接地長さ分布の一様化を図るために、トレッド部のクラウンの形状を曲率半径の異なる3つの円弧により形成し、この円弧の曲率半径、及び各円弧のタイヤ幅方向における幅が、適切な範囲内になるようにして形成している。これにより、様々な走行状態が混在している場合でも、トレッド部がクラウン幅方向に沿って一様に摩耗するので、偏摩耗の低減を図ることができる。
特開平9−71107号公報
従来の空気入りタイヤでは、上述したように空気入りタイヤのクラウン形状を適切な形状にすることによって偏摩耗の低減を図っているが、クラウン形状を調整すると、車両走行時の特性も変化する。例えば、クラウン形状を調整し、トレッド部におけるショルダー部付近の接地面積を調整することにより、空気入りタイヤを装着した車両の旋回時の最大コーナリングフォースを変化させることができる。この最大コーナリングフォースは、車両の操縦安定性と転倒防止性能とに寄与し、これらは相反する性能となっているが、近年では車両の高重心化と空気入りタイヤの低偏平率化の傾向が強いため、転倒防止性能を維持すべき要望が多くなっている。
このため、このような転倒防止性能を維持する手法として、クラウン形状を調整してショルダー部付近の接地面積を小さくし、最大コーナリングフォースを低下させることが考えられる。しかし、クラウン形状を調整して転倒防止性能を維持した場合でも、トレッド部が摩耗するに従ってトレッド部の剛性が向上するため、転倒防止性能が低下する虞がある。このようなトレッド部の摩耗時における転倒防止性能を確保するには、トレッド部の剛性を低下させるのが効果的であるが、トレッド部の剛性を低下させた場合、操縦安定性が低下する虞がある。従って、摩耗時における転倒防止性能と操縦安定性と両立することは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ幅方向の両端にサイドウォール部を有し、前記サイドウォール部のタイヤ径方向外方にはキャップトレッドを有するトレッド部が設けられると共に、子午面断面で見た場合に前記キャップトレッドの表面であるトレッド面が複数の異なる曲率半径の円弧で形成された空気入りタイヤであって、正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧の5%を内圧充填した状態において、前記トレッド面は、タイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧と、前記中央部円弧の少なくともタイヤ幅方向車両外側に位置するショルダー側円弧と、前記トレッド面の少なくともタイヤ幅方向車両外側の端部に位置するショルダー部を形成するショルダー部円弧と、により形成されており、前記中央部円弧の曲率半径をTR1とし、前記ショルダー側円弧の曲率半径をTR2とし、赤道面から前記中央部円弧のタイヤ幅方向における端部までの幅である輪郭範囲をL1とし、タイヤ幅方向における前記トレッド面の幅であるトレッド展開幅をTDWとし、タイヤ幅方向の両端に位置して対向する前記サイドウォール部のうちタイヤ幅方向の最も外方に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅である総幅をSWとし、前記トレッド面のうちタイヤ径方向における径が最も大きい部分の直径であるタイヤ外径をODとし、偏平率をβとした場合に、前記輪郭範囲L1と前記トレッド展開幅TDWとの関係式である下記の式(1)で求められたF1が0.64≦F1≦0.7の範囲内になると共に、前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記タイヤ外径ODとの比を求める式である下記の式(2)で求められたF2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になり、前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記ショルダー側円弧の曲率半径TR2との比を求める式である下記の式(3)で求められたF3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になり、さらに、前記偏平率βと前記トレッド展開幅TDWと前記総幅SWとの関係式である下記の式(4)で求められたF4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になり、前記キャップトレッドは、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成されていることを特徴とする。
F1=L1/(TDW×0.5)・・・(1)
F2=TR1/OD・・・(2)
F3=TR2/TR1・・・(3)
F4=(β×TDW)/(100×SW)・・・(4)
この発明では、上記の式によって輪郭範囲L1とトレッド展開幅TDWとの関係F1を算出し、F1が0.64≦F1≦0.7の範囲内になると共に、中央部円弧の曲率半径TR1とタイヤ外径ODとの比F2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になるようにすることにより、トレッド面のプロファイルを平坦な形状に近付けることができる。これにより、例えばFF(Front engine Front drive)車のリアタイヤなどの低荷重時における接地面積を増大させることができ、低荷重時の最大コーナリングフォースを増加させることができる。従って、低荷重時の操縦安定性を確保することができる。
また、上記の式によって中央部円弧の曲率半径TR1とショルダー側円弧の曲率半径TR2との比F3を算出し、F3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になるようにすることにより、例えば最大荷重時などの高荷重時における接地幅を広げることができる。これにより、接地圧の均一化を図ることができるので、耐摩耗性の向上を図ることができる。また、上記の式によって偏平率βとトレッド展開幅TDWと総幅SWとの関係であるF4を算出し、F4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になるようにすることにより、トレッド展開幅を狭くすることができるので、高荷重時の接地面積を減少させることができる。これにより、高荷重時の最大コーナリングフォースを低減することができるので、高荷重時の転倒防止性能を確保することができる。
また、キャップトレッドを、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成しているので、キャップトレッドの摩耗初期段階では、300%引張モジュラスが高くなっているゴム層を接地させることができる。これにより、キャップトレッドが摩耗する前、またはあまり摩耗していない状態におけるキャップトレッドの剛性を確保できるため、操縦安定性を確保することができる。
また、キャップトレッドを、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成することにより、キャップトレッドの摩耗が進行した際に、300%引張モジュラスが低くなっているゴム層を接地させることができる。これにより、キャップトレッドが摩耗した際におけるキャップトレッドの剛性を低下させることができるため、摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。これらの結果、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記キャップトレッドを形成する複数のゴム層は、タイヤ径方向外方側に位置する前記ゴム層である外側ゴム層と、前記外側ゴム層のタイヤ径方向内方側に位置する前記ゴム層である内側ゴム層とからなり、前記外側ゴム層の300%引張モジュラスMoは(10<Mo≦15)MPaの範囲内になっており、前記内側ゴム層の300%引張モジュラスMiは(5≦Mi≦10)MPaの範囲内になっていることを特徴とする。
この発明では、キャップトレッドを外側ゴム層と内側ゴム層とにより形成し、外側ゴム層の300%引張モジュラスMoは(10<Mo≦15)MPaの範囲内にすると共に、内側ゴム層の300%引張モジュラスMiは(5≦Mi≦10)MPaの範囲内にしている。これにより、キャップトレッドの摩耗が小さい状態におけるキャップトレッドの剛性をより確実に確保することができ、且つ、キャップトレッドの摩耗が大きい状態におけるキャップトレッドの剛性をより確実に低減することができる。この結果、より確実に操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記内側ゴム層の平均厚さは前記キャップトレッドの厚さの30〜70%の範囲内となっていることを特徴とする。
この発明では、内側ゴム層の平均厚さをキャップトレッドの厚さの30〜70%の範囲内にするため、キャップトレッドの摩耗初期段階における剛性を確保と、摩耗が進行した場合におけるキャップトレッドの剛性の低減とを、より確実に両立させることができる。つまり、内側ゴム層の平均厚さがキャップトレッドの厚さの30%よりも薄い場合には、キャップトレッドが摩耗した場合でも、300%引張モジュラスが高い外側ゴム層が多く残るので、キャップトレッドの剛性が低減し難くなる虞がある。これにより、摩耗時の転倒防止性能が向上し難くなる虞がある。
また、内側ゴム層の平均厚さがキャップトレッドの厚さの70%よりも厚い場合には、300%引張モジュラスが低い内側ゴム層の厚さが厚過ぎるため、キャップトレッド全体の剛性が低くなり過ぎる虞がある。これにより、摩耗が少ない状態における操縦安定性を確保するのが困難になる虞がある。従って、内側ゴム層の平均厚さをキャップトレッドの厚さの30〜70%の範囲内にすることにより、キャップトレッドの摩耗初期段階における剛性を確保しつつ、摩耗が進行した場合におけるキャップトレッドの剛性をより確実に低減させることができる。この結果、より確実に操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記中央部円弧のタイヤ幅方向における端部を通り、且つ、前記中央部円弧に接する接線と、前記ショルダー部円弧のタイヤ幅方向外方側の端部を通り、且つ、前記ショルダー部円弧に接する接線とでなす角度αが、35°≦α≦60°の範囲内になっていることを特徴とする。
この発明では、上述した角度αが35°≦α≦60°の範囲内になるようにすることにより、トレッド面方向からサイドウォール部方向にかけてのショルダー部付近での角度変化を大きくする、即ち、ショルダー部の肩落ちを急角度にすることができる。これにより、高荷重、且つ、高スリップアングル時に接地幅が拡がることを抑制できるので、より確実に高荷重時の最大コーナリングフォースの低減を図ることができる。この結果、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ショルダー部円弧の曲率半径をSHRとした場合に、前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記ショルダー部円弧の曲率半径SHRとの比を求める式である下記の式(5)で求められたF5が0.025≦F5≦0.035の範囲内になることを特徴とする。
F5=SHR/TR1・・・(5)
この発明では、中央部円弧の曲率半径TR1とショルダー部円弧の曲率半径SHRとの比F5が0.025≦F5≦0.035の範囲内になるようにすることにより、ショルダー部の曲率半径を小さくすることができる。これにより、高荷重、且つ、高スリップアングル時に接地幅が拡がることを抑制できるので、より確実に高荷重時の最大コーナリングフォースの低減を図ることができる。この結果、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。
図1は、この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午面断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、子午面断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部10が設けられている。また、トレッド部10のタイヤ幅方向の端部、即ち、ショルダー部16付近からタイヤ径方向内方側の所定の位置までは、サイドウォール部15が設けられている。つまり、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の両端には、サイドウォール部15が設けられている。さらに、このサイドウォール部15のタイヤ径方向内方側には、ビード部24が設けられている。このビード部24は、当該空気入りタイヤ1の2箇所に設けられており、赤道面5を中心として対称になるように、赤道面5の反対側にも設けられている。このため、ビード部24は、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両側に位置している。また、このように設けられるビード部24にはビードコア25が設けられており、ビードコア25のタイヤ径方向外方にはビードフィラー26が設けられている。
また、トレッド部10のタイヤ径方向内方には、複数のベルト層21が設けられている。このベルト層21のタイヤ径方向内方、及びサイドウォール部15の赤道面5側には、カーカス22が連続して設けられている。このカーカス22は、ビード部24でビードコア25に沿ってタイヤ幅方向外方に折り返されている。また、このカーカス22の内側、或いは、当該カーカス22の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ23がカーカス22に沿って形成されている。
また、トレッド部10は、キャップトレッド12を有している。このキャップトレッド12は、トレッド部10におけるタイヤ径方向外方に位置し、空気入りタイヤ1の外部に対して露出している。このようにキャップトレッド12における外部に露出している部分、つまり、キャップトレッド12の表面は、トレッド面11として形成されている。
また、トレッド部10は、当該空気入りタイヤ1を子午面断面で見た場合に、キャップトレッド12の表面、或いはトレッド部10の表面であるトレッド面11が複数の異なる曲率半径の円弧で形成されている。詳細には、トレッド面11は、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧の5%を内圧充填した状態において、トレッド面11は中央部円弧31と、ショルダー側円弧32と、ショルダー部円弧33とにより形成されている。
なお、ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいはETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。ただし、乗用車用の空気入りタイヤ1の場合には、180kPaである。
トレッド面11を形成する複数の円弧のうち、中央部円弧31は、トレッド面11におけるタイヤ幅方向の中央に位置しており、赤道面5を含み、赤道面5を中心として赤道面5のタイヤ幅方向の両側に形成されている。その形状は、タイヤ径方向外方に凸で、赤道面5付近のタイヤ径方向における径が最も大きくなる円弧となっている。
また、ショルダー側円弧32は、中央部円弧31のタイヤ幅方向車両外側、あるいは両側2箇所に位置しており、このショルダー側円弧32は、タイヤ径方向外方に凸となっている。また、ショルダー部円弧33は、ショルダー側円弧32のタイヤ幅方向外方に位置している。また、このショルダー部円弧33は、ショルダー部16を形成し、タイヤ径方向外方に凸となる円弧となっている。
つまり、トレッド面11は、タイヤ幅方向における中央部に位置する中央部円弧31のタイヤ幅方向車両外側、または両側2箇所にショルダー側円弧32が位置し、ショルダー側円弧32のタイヤ幅方向外方側の車両外側、または両側にショルダー部円弧33が位置している。また、中央部円弧31とショルダー側円弧32、及びショルダー側円弧32とショルダー部円弧33とは、それぞれ接続されて連続的に形成されている。また、このように位置している中央部円弧31の曲率半径TR1と、ショルダー側円弧32の曲率半径TR2と、ショルダー部円弧33の曲率半径SHRとは、大きさが全て異なっている。
なお、ここでいうタイヤ幅方向車両外側とは、空気入りタイヤ1を車両(図示省略)に装着した場合において、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両端のうち、車両の幅方向の外側方向に位置する側の端部をいう。また、タイヤ幅方向車両内側とは、空気入りタイヤ1を車両に装着した場合において、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両端のうち、車両の幅方向の内側方向、或いは車両の幅方向における中心方向に位置する側の端部をいう。
また、ショルダー部円弧33のタイヤ幅方向外方には、サイド部円弧34が形成されている。このサイド部円弧34は、ショルダー部円弧33のタイヤ幅方向外方に位置すると共にショルダー部円弧33に接続され、ショルダー部円弧33からサイドウォール部15の方向に向けて形成されている。
また、トレッド部10のタイヤ径方向内方で、当該空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両端の2箇所には、サイドウォール部15が設けられているが、この2箇所のサイドウォール部15は、子午面断面の形状が、共にタイヤ幅方向外方に凸となるように湾曲している。また、このように2箇所のサイドウォール部15は、タイヤ幅方向外方に凸となるように湾曲しているため、双方のサイドウォール部15のうちタイヤ幅方向において最も赤道面5から離れている部分同士のタイヤ幅方向における距離は、当該空気入りタイヤ1の総幅となる。
これらのように形成される空気入りタイヤ1が有するトレッド面11は、所定の形状で形成されている。即ち、空気入りタイヤ1の各部を、中央部円弧31のタイヤ幅方向における端部である中央部円弧端点35から赤道面5までのタイヤ幅方向における幅である輪郭範囲をL1とし、当該空気入りタイヤ1の外径、つまり、トレッド面11のうちタイヤ径方向における径が最も大きい部分の直径であるタイヤ外径をODとし、タイヤ幅方向におけるトレッド面11の幅であるトレッド展開幅をTDWとする。空気入りタイヤ1各部を、このように規定した場合に、トレッド面11は、輪郭範囲L1とトレッド展開幅TDWとの関係を下記式(6)で求め、式(6)によって求められたF1が0.64≦F1≦0.7の範囲内になると共に、中央部円弧31の曲率半径TR1とタイヤ外径ODとの比を下記式(7)で求め、式(7)によって求められたF2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になるように形成されている。さらに、トレッド面11は、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比を下記の式(8)で求め、式(8)で求められたF3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になるように形成されている。
F1=L1/(TDW×0.5)・・・(6)
F2=TR1/OD・・・(7)
F3=TR2/TR1・・・(8)
図2は、図1のA部詳細図である。なお、トレッド展開幅TDWは、図2に示すように、トレッド部10のタイヤ幅方向における両端側に位置する仮想トレッド端47同士の距離をトレッド展開幅TDWとする。即ち、空気入りタイヤ1の子午面断面において、タイヤ幅方向の両側に位置するショルダー側円弧32のうち、一方のショルダー側円弧32をタイヤ幅方向外方に延長した仮想線であるショルダー側円弧延長線45と、当該ショルダー側円弧32と連続して形成されるショルダー部円弧33に接続されるサイド部円弧34をタイヤ径方向外方に延長した仮想線であるサイド部円弧延長線46との交点を仮想トレッド端47とする。この仮想トレッド端47は、タイヤ幅方向における両端側に形成されるため、タイヤ幅方向における仮想トレッド端47同士の距離を、トレッド展開幅TDWとする。
さらに、空気入りタイヤ1の偏平率をβとし、当該空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における総幅をSWとした場合に、偏平率βとトレッド展開幅TDWと総幅SWとの関係を下記式(9)で求め、式(9)によって求められたF4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になるように、当該空気入りタイヤ1は形成されている。
F4=(β×TDW)/(100×SW)・・・(9)
またさらに、当該空気入りタイヤ1は、中央部円弧端点35を通り、且つ、中央部円弧31に接する接線である中央部円弧接線41と、ショルダー部円弧33のタイヤ幅方向外方側の端部であるショルダー部円弧端点36を通り、且つ、ショルダー部円弧33に接する接線であるショルダー部円弧接線42と、が交差した際になす複数の角度のうち、中央部円弧接線41のタイヤ径方向内方側で、且つ、ショルダー部円弧接線42のタイヤ幅方向外方側に位置する角度αは、35°≦α≦60°の範囲内になっている。
また、当該空気入りタイヤ1は、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー部円弧33の曲率半径SHRとの比を下記式(10)で求め、式(10)で求められたF5が0.025≦F5≦0.035の範囲内になるように、トレッド面11は形成されている。
F5=SHR/TR1・・・(10)
図3は、図1に示す空気入りタイヤのキャップトレッドの説明図である。トレッド部10が有するキャップトレッド12は、JIS−K6251による300%引張モジュラスが異なる2層のゴム層により形成されており、2層のゴム層のうちタイヤ径方向外方側に位置するゴム層は外側ゴム層13となっており、外側ゴム層13のタイヤ径方向内方側に位置するゴム層は内側ゴム層14となっている。
2層のゴム層は、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなっており、外側ゴム層13の300%引張モジュラスよりも内側ゴム層14の300%引張モジュラスの方が低くなっている。具体的には、外側ゴム層13の300%引張モジュラスをMoとし、内側ゴム層14の300%引張モジュラスをMiとした場合に、外側ゴム層13の300%引張モジュラスMoは(10<Mo≦15)MPaの範囲内になっており、内側ゴム層14の300%引張モジュラスMiは(5≦Mi≦10)MPaの範囲内になっている。
また、キャップトレッド12は、空気入りタイヤ1の子午面断面視における内側ゴム層14の平均厚さDiが、キャップトレッド12の厚さDの30〜70%の範囲内となっている。なお、ここでいうキャップトレッド12の厚さDとは、キャップトレッド12の厚さの平均厚さとなっている。また、内側ゴム層14の平均厚さDiは、内側ゴム層14全体の厚さの平均値であるため、内側ゴム層14の厚さは、部分的にキャップトレッド12の厚さDの30〜70%の範囲外になっていてもよい。
この空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面11のうち下方に位置するトレッド面11が路面(図示省略)に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両走行時には、このようにトレッド面11が路面に接触するため、トレッド面11には車両の重量などによる荷重が作用する。このトレッド面11に作用する荷重は、車両の走行状態によって変化し、低速走行をしている際のコーナリング時などには、トレッド面11に作用する荷重は比較的低く、高速走行をしている際のレーンチェンジ時やコーナリング時などには、トレッド面11に作用する荷重は比較的高くなる。
車両走行時には、このように作用する荷重が変化しながらトレッド面11が路面に接地するが、トレッド面11は作用する荷重によって変形するため、そのトレッド面11の変形に応じて各状態におけるコーナリングフォースの最大値、即ち、最大コーナリングフォースは変化する。
具体的には、トレッド面11に作用する荷重が低い場合には、トレッド面11は変形し難いが、実施の形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面11は、輪郭範囲L1とトレッド展開幅TDWとの関係であるF1が、0.64≦F1≦0.7の範囲内になるようになっており、中央部円弧31の曲率半径TR1とタイヤ外径ODとの比F2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になるようになっている。これにより、例えば空気入りタイヤ1がFF車のリアタイヤに用いられている場合などの低荷重時におけるトレッド面11の形状が、平坦な形状に近くなり、低荷重時の接地面積が広くなる。
つまり、中央部円弧31の曲率半径TR1とタイヤ外径ODとの比F2が1.2以上になるようにすることにより、中央部円弧31の曲率半径TR1を適度に大きくすることができ、F2が2.0以下になるようにすることにより、中央部円弧31とショルダー側円弧32との曲率半径の差が大きくなり過ぎることを抑制し、中央部円弧端点35付近に大きな応力が作用することを抑制することができる。
また、輪郭範囲L1とトレッド展開幅TDWとの関係であるF1が0.64以上になるようにすることにより、曲率半径の大きい中央部円弧31がタイヤ幅方向において形成されている範囲を大きくすることができ、F1が0.7以下になるようにすることにより、タイヤ幅方向におけるショルダー側円弧32の形成範囲を確保することができ、中央部円弧31からショルダー部円弧33にかけて曲率半径をなだらかに小さくすることができる。
これらにより、輪郭範囲L1とトレッド展開幅TDWとの関係であるF1が0.64≦F1≦0.7の範囲内になるようにし、中央部円弧31の曲率半径TR1とタイヤ外径ODとの比F2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になるようにすることにより、トレッド面11のプロファイルを平坦な形状に近付けることができる。このため、低荷重時の接地面積を増大させることができ、低荷重時の最大コーナリングフォースを増加させることができる。従って、低荷重時の操縦安定性を確保することができる。特に、FF車は車両後半部が軽いため、リアタイヤは低荷重になっているが、リアタイヤの低荷重時の最大コーナリングフォースが増加することにより、リアの安定性が向上する。これにより、FF車では、より操縦安定性が高くなる。また、このように、低荷重時における接地面積を増大させることにより、トレッド面11と路面との摩擦力を向上させることができ、制動性能の向上を図ることができる。
また、トレッド面11に作用する荷重が大きい場合は、トレッド面11は変形し易くなるが、前記空気入りタイヤ1は、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比F3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になるようになっているので、高荷重時における接地幅を適度に広げることができる。
つまり、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比F3が0.1以上になるようにすることにより、ショルダー側円弧32の曲率半径が小さくなり過ぎることを抑制できる。これにより、高荷重時にトレッド面11におけるショルダー側円弧32の部分が接地した際に、適度な接地幅で接地させることができ、高荷重時に接地幅が適度に広がるようにすることができる。また、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比F3が0.2以下になるようにすることにより、ショルダー側円弧32の曲率半径が大きくなり過ぎることを抑制できる。これにより、高荷重時にトレッド面11におけるショルダー側円弧32の部分が接地することに起因してトレッド面11が広がり過ぎることを抑制できる。
このため、空気入りタイヤ1の最大荷重時など、高荷重がトレッド面11に作用している場合に、接地幅を適度広げることができ、接地圧の均一化を図ることができる。これにより、耐摩耗性の向上を図ることができる。また、接地圧の均一化を図ることにより、路面との摩擦力を向上させることができるので、制動性能の向上を図ることができる。なお、ここでいう最大荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、トレッド面11に作用する荷重が大きい場合は、トレッド面11は変形し易くなるが、前記空気入りタイヤ1は、偏平率βとトレッド展開幅TDWと総幅SWとの関係であるF4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になるようになっているので、高荷重時においても接地面積があまり広くならないようになっている。
つまり、偏平率βとトレッド展開幅TDWと総幅SWとの関係であるF4が0.35以上になるようにすることにより、総幅SWに対する必要最低限のトレッド展開幅TDWを確保することができ、F4が0.48以下になるようにすることにより、空気入りタイヤ1の総幅SWに対するトレッド展開幅TDWが狭くなるようにすることができる。このため、空気入りタイヤ1の最大荷重時など、高荷重がトレッド面11に作用している場合における接地面積の増大を低減でき、高荷重時の最大コーナリングフォースを低減させることができる。従って、高荷重時の転倒防止性能を確保することができる。
即ち、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比F3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になるようにし、且つ、偏平率βとトレッド展開幅TDWと総幅SWとの関係であるF4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になるようにすることにより、高荷重時に接地面積が大きくなり過ぎることを低減しつつ、高荷重時の接地幅を適度に広げ、接地面積を適切な範囲内に収めることができる。
また、キャップトレッド12を、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる2層のゴム層により形成しているので、キャップトレッド12の摩耗初期段階では、300%引張モジュラスが高くなっているゴム層を接地させることができる。これにより、キャップトレッド12が摩耗する前、またはあまり摩耗していない状態におけるキャップトレッド12の剛性を確保できるため、操縦安定性を確保することができる。
また、キャップトレッド12を、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる2層のゴム層により形成することにより、キャップトレッド12の摩耗が進行した際に、300%引張モジュラスが低くなっているゴム層を接地させることができる。これにより、キャップトレッド12が摩耗した際におけるキャップトレッド12の剛性を低下させることができるため、摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。これらの結果、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、キャップトレッド12を、300%引張モジュラスが異なる外側ゴム層13と内側ゴム層14とにより形成し、外側ゴム層13の300%引張モジュラスMoは(10<Mo≦15)MPaの範囲内にし、且つ、内側ゴム層14の300%引張モジュラスMiは(5≦Mi≦10)MPaの範囲内にしている。これにより、キャップトレッド12の摩耗が小さい状態におけるキャップトレッド12の剛性をより確実に確保することができ、且つ、キャップトレッド12の摩耗が大きい状態におけるキャップトレッド12の剛性をより確実に低減することができる。この結果、より確実に操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、内側ゴム層14の平均厚さDiを、キャップトレッド12の厚さDの30〜70%の範囲内にしているので、キャップトレッド12の摩耗初期段階における剛性の確保と、摩耗が進行した場合におけるキャップトレッド12の剛性の低減とを、より確実に両立させることができる。つまり、内側ゴム層14の平均厚さDiがキャップトレッド12の厚さDの30%よりも薄い場合には、キャップトレッド12が摩耗した場合でも、300%引張モジュラスが高い外側ゴム層13が多く残るので、キャップトレッド12の剛性が低減し難くなる虞がある。これにより、摩耗時の転倒防止性能が向上し難くなる虞がある。また、内側ゴム層14の平均厚さDiがキャップトレッド12の厚さDの70%よりも厚い場合には、300%引張モジュラスが低い内側ゴム層14の厚さが厚過ぎるため、キャップトレッド12全体の剛性が低くなり過ぎる虞がある。これにより、摩耗が少ない状態における操縦安定性を確保するのが困難になる虞がある。
従って、内側ゴム層14の平均厚さDiをキャップトレッド12の厚さDの30〜70%の範囲内にすることにより、キャップトレッド12の摩耗初期段階における剛性を確保しつつ、摩耗が進行した場合におけるキャップトレッド12の剛性をより確実に低減させることができる。この結果、より確実に操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
また、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー側円弧32の曲率半径TR2との比F3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になっており、高荷重時における接地幅を適度に広げることができるので、トレッド面11を形成するゴム、即ち、キャップトレッド12を形成するゴムに、低転がりの特性を有するゴムを用いた場合でも、トレッド面11と路面との摩擦力を確保することができる。つまり、例えばキャップトレッド12に、tanδの数値が小さいゴムを用いた場合でも、トレッド面11と路面との摩擦力を確保することができるので、制動性能を確保することができる。従って、キャップトレッド12に用いられるゴムの種類に関わらず、制動性能を確保することができる。この結果、より確実に制動性能の向上を図ることができる。また、このように、キャップトレッド12に用いられるゴムの種類に関わらず、制動性能を確保することができるので、材料の選択肢を増加させることができ、安価なゴムを選択することも可能になる。この結果、製造コストの低減を図ることができる。
また、中央部円弧接線41とショルダー部円弧接線42とでなす角度αが35°≦α≦60°の範囲内になっているので、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。つまり、中央部円弧接線41とショルダー部円弧接線42とでなす角度αを35°以上にすることにより、トレッド面11方向からサイドウォール部15方向にかけてのショルダー部16付近での角度変化を大きくすることができる。即ち、ショルダー部16の肩落ちを急角度にすることができる。また、中央部円弧接線41とショルダー部円弧接線42とでなす角度αを60°以下にすることにより、ショルダー部円弧33付近の剛性を確保できる。これにより、高荷重時で、且つ、高スリップアングル時において、ショルダー部16が変形してショルダー部16の多くの部分が接地することを抑制でき、ショルダー部16が変形して接地することにより接地面積が拡がることを抑制できる。従って、より確実に高荷重時の最大コーナリングフォースの低減を図ることができる。この結果、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。
また、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー部円弧33の曲率半径SHRとの比であるF5が0.025≦F5≦0.035の範囲内となっているので、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。つまり、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー部円弧33の曲率半径SHRとの比F5を0.025以上にすることにより、ショルダー部円弧33付近の剛性を確保できる。また、中央部円弧31の曲率半径TR1とショルダー部円弧33の曲率半径SHRとの比F5を0.035以下にすることにより、ショルダー部16の肩落ちを急角度にすることができる。これにより、高荷重時で、且つ、高スリップアングル時において、ショルダー部16が変形してショルダー部16の多くの部分が接地することを抑制でき、ショルダー部16の変形により接地面積が拡がることを抑制できる。従って、より確実に高荷重時の最大コーナリングフォースの低減を図ることができる。この結果、より確実に転倒防止性能の向上を図ることができる。
なお、実施の形態に係る空気入りタイヤ1では、キャップトレッド12は外側ゴム層13と内側ゴム層14との2層のゴム層により形成されているが、キャップトレッド12は3層以上のゴム層により形成されていてもよい。キャップトレッド12は、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成されていれば、その枚数は問わない。キャップトレッド12を、このように形成することにより、キャップトレッド12の摩耗初期段階では剛性を確保しつつ、摩耗するに従って剛性を低下させることができるため、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、本発明の空気入りタイヤ1と、この本発明の空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、転倒防止性能と操縦安定性について行なった。
試験方法は、205/45R17サイズの空気入りタイヤ1をリムに組み付け、この空気入りタイヤ1を排気量1500ccの車両に装着してテスト走行をすることによって行なった。各試験項目の評価方法は、転倒防止性能については、試験を行なう空気入りタイヤ1として50%摩耗時の空気入りタイヤ1を準備し、この空気入りタイヤ1を装着した車両でISO3888−2に規定するダブルレーンチェンジテスト(エルクテスト)を行い、車両の車輪がリフトアップするか否かによって転倒防止性能を判定した。この判定では、試験速度60km/hで車輪がリフトアップしなかった場合を○、車輪がリフトアップした場合には×とし、判定が○の場合には、転倒防止性能が優れていると判断した。
また、操縦安定性については、平坦な周回路を有するテストコースを、性能評価試験を行なう空気入りタイヤ1を装着した車両で、60〜100km/hで実車走行し、レーンチェンジ時及びコーナリング時の操舵性と直進時の安定性について、専門のパネラー3名による官能評価を行なった。評価結果は、後述する比較例の操縦安定性を100とする指数で示しており、この指数が大きい程、操縦安定性が優れている。また、この操縦安定性は、指数が3ポイント以上の差がある場合に、優位差があるものとする。
この試験を行なう空気入りタイヤ1は、本発明が5種類、本発明と比較する1種類の比較例を、上記の方法で試験する。試験を行なう空気入りタイヤ1は、本発明1〜5は、F1、F2、F3、F4が、全て上述した範囲、即ち、(0.64≦F1≦0.7)、(1.2≦F2≦2.0)、(0.1≦F3≦0.2)、(0.35≦F4≦0.48)の範囲内に入っている。これに対し、比較例は、F1及びF3が、(0.64≦F1≦0.7)及び(0.1≦F3≦0.2)の範囲外となっている。また、これらの空気入りタイヤ1は、本発明1と本発明2、本発明3〜5が、それぞれF1、F2、F3、F4が同じ値になっている。また、比較例はキャップトレッド12が1種類の引張モジュラスからなるゴム層により形成されているのに対し、本発明1〜5は内側ゴム層14と外側ゴム層13とで、300%引張モジュラスMi、Moがそれぞれ異なっており、外側ゴム層13の引張モジュラスMoよりも内側ゴム層14の引張モジュラスMiの方が低くなっている。また、本発明1〜5では、キャップトレッド12の厚さに対する内側ゴム層14の平均厚さの割合がそれぞれ異なっている。
これらの比較例、本発明1〜5の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1に示す。
Figure 2009090692
表1に示した上記の試験結果で明らかなように、F1、F2、F3、F4を、(0.64≦F1≦0.7)、(1.2≦F2≦2.0)、(0.1≦F3≦0.2)、(0.35≦F4≦0.48)の範囲内にした場合でも、50%摩耗をした場合にはトレッド面11のプロファイルは摩耗前の状態から変化するため、転倒防止性能を確保するのが困難になる(比較例)。これに対し、キャップトレッド12を内側ゴム層14と外側ゴム層13とより形成し、内側ゴム層14の300%引張モジュラスMiを外側ゴム層13の300%引張モジュラスMoよりも低くすることにより、摩耗前のキャップトレッド12の剛性を確保しつつ摩耗時の剛性を低下できるため、摩耗初期段階の操縦安定性を確保しつつ、キャップトレッド12が摩耗した際における転倒防止性能を向上させることができる(本発明1〜5)。
従って、これらの試験結果で明らかなように、F1、F2、F3、F4を、(0.64≦F1≦0.7)、(1.2≦F2≦2.0)、(0.1≦F3≦0.2)、(0.35≦F4≦0.48)の範囲内にし、キャップトレッド12をタイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成することにより、操縦安定性を確保しつつ摩耗時の転倒防止性能を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、子午面断面で見た場合のトレッド面が複数の円弧により形成されている場合に有用であり、特に、トレッド面が3種類の円弧により形成されている場合に適している。
この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午面断面図である。 図1のA部詳細図である。 図1に示す空気入りタイヤのキャップトレッドの説明図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
5 赤道面
10 トレッド部
11 トレッド面
12 キャップトレッド
13 外側ゴム層
14 内側ゴム層
15 サイドウォール部
16 ショルダー部
21 ベルト層
22 カーカス
23 インナーライナ
24 ビード部
25 ビードコア
26 ビードフィラー
31 中央部円弧
32 ショルダー側円弧
33 ショルダー部円弧
34 サイド部円弧
35 中央部円弧端点
36 ショルダー部円弧端点
41 中央部円弧接線
42 ショルダー部円弧接線
45 ショルダー側円弧延長線
46 サイド部円弧延長線
47 仮想トレッド端

Claims (5)

  1. タイヤ幅方向の両端にサイドウォール部を有し、前記サイドウォール部のタイヤ径方向外方にはキャップトレッドを有するトレッド部が設けられると共に、子午面断面で見た場合に前記キャップトレッドの表面であるトレッド面が複数の異なる曲率半径の円弧で形成された空気入りタイヤであって、
    正規リムにリム組みし、且つ、正規内圧の5%を内圧充填した状態において、前記トレッド面は、タイヤ幅方向の中央に位置する中央部円弧と、前記中央部円弧の少なくともタイヤ幅方向車両外側に位置するショルダー側円弧と、前記トレッド面の少なくともタイヤ幅方向車両外側の端部に位置するショルダー部を形成するショルダー部円弧と、により形成されており、
    前記中央部円弧の曲率半径をTR1とし、
    前記ショルダー側円弧の曲率半径をTR2とし、
    赤道面から前記中央部円弧のタイヤ幅方向における端部までの幅である輪郭範囲をL1とし、
    タイヤ幅方向における前記トレッド面の幅であるトレッド展開幅をTDWとし、
    タイヤ幅方向の両端に位置して対向する前記サイドウォール部のうちタイヤ幅方向の最も外方に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅である総幅をSWとし、
    前記トレッド面のうちタイヤ径方向における径が最も大きい部分の直径であるタイヤ外径をODとし、
    偏平率をβとした場合に、
    前記輪郭範囲L1と前記トレッド展開幅TDWとの関係式である下記の式(1)で求められたF1が0.64≦F1≦0.7の範囲内になると共に、
    前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記タイヤ外径ODとの比を求める式である下記の式(2)で求められたF2が1.2≦F2≦2.0の範囲内になり、
    前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記ショルダー側円弧の曲率半径TR2との比を求める式である下記の式(3)で求められたF3が0.1≦F3≦0.2の範囲内になり、
    さらに、前記偏平率βと前記トレッド展開幅TDWと前記総幅SWとの関係式である下記の式(4)で求められたF4が0.35≦F4≦0.48の範囲内になり、
    前記キャップトレッドは、タイヤ径方向外方側からタイヤ径方方向内方側に向かうに従って300%引張モジュラスが低くなる複数のゴム層により形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
    F1=L1/(TDW×0.5)・・・(1)
    F2=TR1/OD・・・(2)
    F3=TR2/TR1・・・(3)
    F4=(β×TDW)/(100×SW)・・・(4)
  2. 前記キャップトレッドを形成する複数のゴム層は、タイヤ径方向外方側に位置する前記ゴム層である外側ゴム層と、前記外側ゴム層のタイヤ径方向内方側に位置する前記ゴム層である内側ゴム層とからなり、
    前記外側ゴム層の300%引張モジュラスMoは(10<Mo≦15)MPaの範囲内になっており、前記内側ゴム層の300%引張モジュラスMiは(5≦Mi≦10)MPaの範囲内になっていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内側ゴム層の平均厚さは前記キャップトレッドの厚さの30〜70%の範囲内となっていることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記中央部円弧のタイヤ幅方向における端部を通り、且つ、前記中央部円弧に接する接線と、
    前記ショルダー部円弧のタイヤ幅方向外方側の端部を通り、且つ、前記ショルダー部円弧に接する接線とでなす角度αが、35°≦α≦60°の範囲内になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー部円弧の曲率半径をSHRとした場合に、
    前記中央部円弧の曲率半径TR1と前記ショルダー部円弧の曲率半径SHRとの比を求める式である下記の式(5)で求められたF5が0.025≦F5≦0.035の範囲内になることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
    F5=SHR/TR1・・・(5)
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