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JP2009084498A - バインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物 - Google Patents

バインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物 Download PDF

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JP2009084498A
JP2009084498A JP2007258079A JP2007258079A JP2009084498A JP 2009084498 A JP2009084498 A JP 2009084498A JP 2007258079 A JP2007258079 A JP 2007258079A JP 2007258079 A JP2007258079 A JP 2007258079A JP 2009084498 A JP2009084498 A JP 2009084498A
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meth
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JP2007258079A
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Kenji Yamauchi
健司 山内
Hiroyuki Hiraike
宏至 平池
Shintaro Moriguchi
慎太郎 森口
Hiroko Miyazaki
寛子 宮崎
Koji Fukui
弘司 福井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を製造することができるバインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物の提供。
【解決手段】有機溶剤と無機微粒子と併用することにより耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を作製することができるバインダー樹脂であって、4つ又は3つの(メタ)アクリレート構造有する分岐ポリマーを有し、かつ、ポリスチレン換算による重量平均分子量が1万以上であるバインダー樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を製造することができるバインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物に関する。
近年、導電性粉末、セラミック粉末、ガラス粒子等の無機微粒子をバインダー樹脂に分散させた無機微粒子分散ペースト組成物が、様々な形状の焼成体を得るために用いられている。例えば、導電性粉末として金属微粒子を分散させたペースト組成物は、回路形成やコンデンサーの製造等に用いられ、セラミック粉末やガラス粒子を分散させたセラミックペーストやガラスペーストは、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう)の誘電体層の製造や積層セラミックコンデンサの製造等に用いられている。
積層セラミックコンデンサ等の積層型の電子部品は、例えば、特許文献1に開示されているように、一般に次のような工程を経て製造される。
まず、ポリビニルブチラール樹脂やポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、可塑剤、分散剤等を添加した後、セラミック原料粉末を加える。次いで、ボールミル等により均一に混合し脱泡を行って一定粘度を有するセラミックスラリー組成物を得る。得られたセラミックスラリー組成物をドクターブレード、リバースロールコーター等を用いて、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム又はステンレス鋼プレート等の支持体面で流延成形する。次いで、加熱等により有機溶剤等の揮発分を溜去させた後、支持体から剥離してセラミックグリーンシートを得る。
得られたセラミックグリーンシート上に内部電極となる導電ペーストをスクリーン印刷等により塗工したものを交互に複数枚積み重ね、加熱圧着して積層体を製造する。この積層体中に含まれるバインダー樹脂成分等を熱分解させて除去する処理(いわゆる「脱脂処理」)を行った後、焼成して得られたセラミック焼成物の端面に外部電極を焼結によって形成させる工程を経て、積層セラミックコンデンサが得られる。
近年では、積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化が進んでいる。しかしながら、薄膜化されたセラミックグリーンシート上に導電性ペーストを塗工すると、導電ペースト中の溶剤によりセラミックグリーンシートの樹脂が溶解され、セラミックグリーンシートにピンホールやクラックが生じるいわゆる「シートアタック」現象が発生するという問題があった。
これらの問題を回避するために、例えば、特許文献2には、セラミックスラリー組成物の樹脂を溶解させない溶剤を用いた導電ペーストが開示されているが、このような溶剤は粘度コントロール性が難しいため、導電ペーストの印刷性が悪く、生産安定性が劣るという問題があった。
また、セラミックスラリー組成物を始めとする無機微粒子分散ペースト組成物では、無機微粒子として鉛ガラス、ビスマスガラスフリット、ニッケル、チタン酸バリウムといった比重の大きな無機微粒子を用いることが多いため、無機微粒子分散ペースト組成物の保管中に無機微粒子が沈降してしまい、貯蔵安定性が確保しにくいという問題があった。
特公平3−35762号公報 特開5−325633号公報
本発明は、上記現状に鑑み、耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を製造することができるバインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明は、有機溶剤と無機微粒子と併用することにより耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を作製することができるバインダー樹脂であって、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、ポリスチレン換算による重量平均分子量が1万以上であるバインダー樹脂である。
Figure 2009084498
Figure 2009084498
、R、R及びRのうち少なくとも2つは、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート構造を主骨格とするポリマーであり、R、R、R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、これまでに、グリコール系の溶剤に溶解するほど極性の高い官能基、特に、アミノ基、イソシアネート基、シアノ基等の窒素を含む官能基や水酸基、カルボニル基を有する(メタ)アクリレートポリマーからなるバインダー樹脂を用いてなる無機微粒子分散ペースト組成物は、耐シートアタック性に優れるということを見出した。これは、バインダー樹脂と無機微粒子との相互作用性の高さによるものであると考えられる。しかし、これらの極性基を有するポリマーは有機溶剤との相互作用も高く、無機微粒子分散ペースト組成物の耐シートアタック性を向上させる一方でペーストの粘度が高くなり、通常用いられるエチルセルロースバインダーを用いたペーストと比較して、スクリーン印刷等において粘着力が高く、印刷性が悪く、また糸曳性も悪いため、印刷像に糸引き模様が入ったりするという問題があった。
このような問題に対し、バインダー樹脂の分子量を低下させることにより粘度を調節し、印刷性や糸曳性を向上させることも検討したが、分子量を低下させて粘度を調整すると、無機微粒子分散ペースト組成物の保管中に無機微粒子が沈降してしまい、貯蔵安定性が確保しにくいという問題が生じてきた。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討の結果、特定の極性基、分岐構造、分子量を有する(メタ)アクリレートポリマーからなるバインダー樹脂を用いてなる無機微粒子分散ペースト組成物は、耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のバインダー樹脂は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される構造を有する。
ただし、R、R、R及びRのうち少なくとも2つは、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート構造を主骨格とするポリマーであり、R、R、R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい
Figure 2009084498
Figure 2009084498
上述したように、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリル樹脂に、上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表されるような分岐構造を導入することにより、無機微粒子分散ペースト組成物の耐シートアタック性と印刷性とを向上させることができる。この理由としては、このような分岐を有するポリマー構造が他のポリマーとの絡み合いを抑えることに加え、分岐を有する構造を介して(メタ)アクリレート構造を主骨格とするポリマーが作製されることにより、面的な立体排除効果を発揮するため、無機微粒子間の再合着を防ぐことができ、バインダー樹脂が無機微粒子表面に強固に吸着しているため、得られる無機微粒子分散ペースト組成物を用いてペースト層を形成した際に、ペースト層に対して溶剤が付着してもバインダー樹脂と無機微粒子との強固な吸着が遮られないため、バインダー樹脂がペースト層表面に染み出すことがないためであると考えられる。
また、樹脂組成比を高めても、分子鎖同士が絡み合わないため、糸曳性や非粘着性にも優れたものとなる。
本発明のバインダー樹脂は、ポリスチレン換算による重量平均分子量の下限が1万である。1万未満であると、粘度が充分に得られず貯蔵安定性が悪くなり、また、耐シートアタック性が発現しない。また、上限としては特に限定されないが、好ましい上限は50万である。50万を超えると、本発明のバインダー樹脂を用いてなる無機微粒子分散ペースト組成物の低粘硬化が低下することがある。より好ましい上限は20万である。
なお、ポリスチレン換算による数平均分子量の測定は、カラムとして例えばSHOKO社製カラムLF−804などを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行うことで得ることができる。
上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、ポリスチレン換算による重量平均分子量が1万以上である本発明のバインダー樹脂は、例えば、特定の連鎖移動剤を用いて、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーを重合させることにより作製することができる。
以下、この例について詳述する。
上記連鎖移動剤としては特に限定されず、上記一般式(1)又は上記一般式(2)に示されるような分岐を含む構造を有するものであればよく、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート等が挙げられる。
本発明のバインダー樹脂は、上記連鎖移動剤のもと、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーを重合させることにより作製することができる。また、上記連鎖移動剤のもと、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーとポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートモノマーとを共重合させてもよい。特に、得られるバインダー樹脂を用いてなる無機微粒子分散ペースト組成物の熱分解性が優れることから、後者の方法が好ましい。
上記窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、メタクリル酸、メタクリルアミド等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
また、上記窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマーを併用してもよい。なかでも、炭素数が10以下の(メタ)アクリレートモノマーを用いることが好ましい。
これらの(メタ)アクリレートモノマーは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートモノマーとしては特に限定されず、例えば、ポリメチレングリコール、ポリアセタール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。なかでも、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられ、より低温で分解することからポリプロピレングリコールモノメタクリレートの(メタ)アクリル酸エステルが特に好適に用いられる。
また、上記(メタ)アクリレートモノマー、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートモノマー以外のモノマーとして、ラジカル重合が可能であり、かつ、分解温度の低いポリ−αメチルスチレン等も用いることができる。
本発明のバインダー樹脂の製造方法としては特に限定されず、上記連鎖移動剤のもとで、上記窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマー又は上記窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレートモノマーと上記ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートモノマーとをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で重合又は共重合する方法が挙げられる。
なお、重合又は共重合により得られるバインダー樹脂に上記連鎖移動剤由来の分岐を有する構造が導入されたことは、例えば、13C−NMRにより確認することができる。
また、本発明のバインダー樹脂と、有機溶剤と、無機微粒子とを用いて無機微粒子分散ペースト組成物を作製することができる。
本発明のバインダー樹脂、有機溶剤、及び、無機微粒子を含有する無機微粒子分散ペースト組成物もまた、本発明の1つである。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物は、無機微粒子を含有する。
上記無機微粒子としては特に限定されず、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、CaO・Al・SiO系無機ガラス、MgO・Al・SiO系無機ガラス、LiO・Al・SiO系無機ガラス等の低融点ガラス、BaMgAl1017:Eu、ZnSiO:Mn、(Y、Gd)BO:Eu等の蛍光体、種々のカーボンブラック、金属錯体等が挙げられる。なかでも、本発明のバインダー樹脂に対する分散性に優れ、本発明のバインダー樹脂と併用することにより、より高い耐シートアタック性が得られることから、ガラス類を用いることが好ましい。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物における上記無機微粒子の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が98重量%である。10重量%未満であると、粘度が充分に得られないことがあり、塗工性が低下することがあり、98重量%を超えると、無機微粒子を分散させることが困難になることがある。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物は、有機溶剤を含有する。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、α−、β−、γ−テルピネオール等のテルペン類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールトリプロピルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールトリアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。
特に、塗工プロセス中に、乾燥による歩留まりを起こしにくいことから、具体的にはテルピネオール、テルピネオールアセテート、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4―トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートであることが好ましい。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物における上記有機溶剤の含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は2重量%、好ましい上限は50重量%である。この範囲を外れると、塗工性が低下したり、無機微粒子を分散させることが困難となったりすることがある。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法が挙げられ、各成分をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の無機微粒子分散ペースト組成物は、上述したように耐シートアタック性に優れることから、例えば、PDPの誘電体層を作製する際には、基板上に本発明の無機微粒子分散ペースト組成物を塗工、乾燥させて誘電体前駆層を形成させた後に脱脂・焼成工程を行わず、更にその表面に通常のガラスリブ用ペーストを印刷してガラスリブ前駆体を形成させ、誘電体前駆層とガラスリブ前駆体とをまとめて脱脂・焼成することができる。
すなわち、本発明の無機微粒子分散ペースト組成物を用いることにより、脱脂・焼成工程の回数を減らすことができるため、熱エネルギーや製造タクト時間を効率化することができる。
また、薄膜化された積層セラミックコンデンサを作製する際には、導電ペーストに含有させる溶剤に特に制限を与えなくともシートアタック現象を発生することがなく、積層するごとに必要であった脱脂・焼成工程の回数を減らすことができるため、熱エネルギーや製造タクト時間を効率化することができる。
また、本発明のバインダー樹脂は、上述したPDPの誘電体層や積層セラミックコンデンサの作製以外にも、シートアタック現象を生じないという特徴を活かし、電極シート上に誘電体ペーストをカバーする工程、リブシート上に蛍光体ペーストをスクリーン印刷する工程等を簡略化することが可能である。
また、本発明の無機微粒子分散ペースト組成物は、無機微粒子の分散安定性に優れることから、貯蔵安定性に優れたものとなる。
本発明によれば、耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を製造することができるバインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、極性基を有する(メタ)アクリルモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)100重量部、連鎖移動剤としてトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)を2重量部、及び、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。重合開始剤を溶剤で希釈した溶液を加えた。また重合中に重合開始剤を含む溶液を数回添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、窒素を含む構造を有する(メタ)アクリレートポリマー(バインダー樹脂)のジエチレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行ったところ、ポリスチレン換算による数平均分子量は表1のとおりであった。
このようにして得られたバインダー樹脂のジエチレングリコールモノメチルエーテル溶液に対し、表1に記載した組成比になるようにジエチレングリコールモノブチルエーテルを更に添加し、高速分散機で分散させてビヒクル組成物を作製した。
得られたビヒクル組成物に対して、無機微粒子として低融点鉛ガラス含有フリットを表1に記載した組成比になるよう添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い、無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(実施例2)
連鎖移動剤の種類及び添加量を表1のようにしたこと以外は、実施例1と同様に重合を行い、バインダー樹脂を得た。重量平均分子量を評価した結果、表1のとおりであった。表1の組成比になるように各成分を調整し、実施例1と同様にしてビヒクル組成物、及び、無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(実施例3〜4)
用いるモノマーを2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−HPMA)80重量部、メチルメタクリレート(MMA)20重量部の混合溶液に変えたこと以外は、実施例1及び2と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(実施例5〜6)
用いるモノマーをメタクリル酸(MA)5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)65重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)30重量部の混合溶液に変えたこと以外は、実施例1及び2と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(実施例7〜8)
用いるモノマーをメタクリルアミド(MAm)10重量部、イソブチルメタクリレート(IBMA)90重量部に変えたこと以外は、実施例1及び2と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(比較例1、3、5、7、9)
連鎖移動剤の種類及び添加量をドデカンチオール1.5gに変えたこと以外は、実施例1、3、5、7と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
(比較例2、4、6、8)
連鎖移動剤の添加量を4.5gとし、バインダー樹脂の分子量を9000としたこと以外は、それぞれ実施例1、3、5、7と同様にしてバインダー樹脂、ビヒクル組成物及び無機微粒子分散ペースト組成物を作製した。
<評価>
実施例1〜8及び比較例1〜9で得られたバインダー樹脂及び無機微粒子分散ペースト組成物について以下の評価を行った。結果を表3に示した。
(1)平均分子量測定
得られたバインダー樹脂について、カラムとしてSHODEX GF−5Mを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行うことにより、ポリスチレン換算による重量平均分子量を測定した。
(2)耐シートアタック性
得られた無機微粒子分散ペースト組成物を5ミルに設定したアプリケーターを用いてガラス基板上に塗工した。120℃オーブンで30分養生して無機微粒子分散ペースト組成物に含まれる溶剤を蒸発させ、バインダー樹脂含有乾燥無機粒子層を形成した。
テルピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)のそれぞれの溶液をバインダー樹脂含有乾燥無機粒子層表面にスポイトを用いて数滴塗布し、120℃オーブンで30分養生して溶剤成分を蒸発させ無機粒子層の状態を顕微鏡観察して確認した。樹脂の浮きだしや穴、亀裂等が見られたものを×、変化がなかったものを○とした。
(3)粘度評価
得られた無機微粒子分散ペースト組成物を、B型粘度計(BROOK FILED社製、DVII+Pro)を利用して常温で、回転数10rpm粘度を測定した。なお、適度なスクリーン印刷性を得るには50(Pa・s)以下である必要があるため、50Pa・s以下であるものを「○」、50Pa・s以上のものを「×」とした。
(4)貯蔵安定性
得られた無機微粒子分散ペースト組成物を容量200mLの透明なガラス容器に入れ、25℃恒温室内に1週間養生し無機粒子の沈降を観察した。1週間経過後、容器底に無機粒子の沈降層がないものを○、沈降層が確認されたものを×とした。
Figure 2009084498
Figure 2009084498
Figure 2009084498
実施例1〜8で作製した無機微粒子分散ペースト組成物は、いずれの溶剤に対しても耐シートアタック性が良好で、誘電体層の破壊は見られなかった。一方、比較例1〜8の無機微粒子分散ペースト組成物では、分子量の低い比較例2、4、6、8、9では溶剤の塗布により誘電体層に亀裂が発生した。
粘度評価では、実施例1〜8、及び、比較例2、4、6、8、9は、いずれも良好な粘度性を示したが、比較例1、3、5、7では非常に粘度が高く、粘着力が高いために印刷に用いるには困難である。
貯蔵安定性評価では、バインダー樹脂の分子量の低い比較例2、4、6、8では無機微粒子が沈降し、容器底に凝集していることが確認された。
本発明によれば、耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を製造することができるバインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. 有機溶剤と無機微粒子と併用することにより耐シートアタック性と印刷性と貯蔵安定性とに優れる無機微粒子分散ペースト組成物を作製することができるバインダー樹脂であって、
    下記一般式(1)又は下記一般式(2)で表される構造を有し、かつ、ポリスチレン換算による重量平均分子量が1万以上である
    ことを特徴とするバインダー樹脂。
    Figure 2009084498
    Figure 2009084498
    、R、R及びRのうち少なくとも2つは、窒素を含む官能基、水酸基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の極性基を有する(メタ)アクリレート構造を主骨格とするポリマーであり、R、R、R及びRは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  2. 請求項1記載のバインダー樹脂、有機溶剤、及び、無機微粒子を含有することを特徴とする無機微粒子分散ペースト組成物。
JP2007258079A 2007-10-01 2007-10-01 バインダー樹脂、及び、無機微粒子分散ペースト組成物 Pending JP2009084498A (ja)

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