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JP2009083174A - ピロー包装用積層体およびウェットティッシュ用包装体 - Google Patents

ピロー包装用積層体およびウェットティッシュ用包装体 Download PDF

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JP2009083174A
JP2009083174A JP2007253058A JP2007253058A JP2009083174A JP 2009083174 A JP2009083174 A JP 2009083174A JP 2007253058 A JP2007253058 A JP 2007253058A JP 2007253058 A JP2007253058 A JP 2007253058A JP 2009083174 A JP2009083174 A JP 2009083174A
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Yukimichi Kanemura
行倫 金村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れ、高速充填可能なピロー包装用積層体を提供する。
【解決手段】ガスバリア性積層フィルムと熱融着層とからなる積層体であって、前記熱融着層は、熱融着性樹脂に炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)および/または炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)からなる滑剤を含むことを特徴とする。低温シール性および滑り性、ガスバリア性を有し、かつ高速充填が可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性に優れ、かつ高速充填に適するピロー包装用積層体に関し、より詳細には、積層体を巻き取った原反の保存温度や製袋時の環境温度に係わらず、熱融着層同士の滑り性に優れるため、しわなどが発生せず、高速充填可能なピロー包装用積層体、該ピロー包装用積層体からなるピロー包装袋に関する。
ウェットティッシュなどのアルコールを含有する包装体は、防湿性、耐薬品性に優れた積層包装材料を用いて密封包装されている。この様な積層包装材料として、合成樹脂からなる基材フィルムにアルミ箔と熱融着性フィルムとを積層した積層体がある。また、アルミ箔は、焼却残渣等の環境問題が生じるため、アルミ箔を使用しない構成も提案されている。
このようなアルミ箔を使用しない積層体として、例えば、基材に金属酸化物蒸着層を設け、この蒸着層面に水溶性高分子と金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む被覆層を設けたバリアフィルムを使用し、これにシーラント層を積層し、水蒸気透過率が2g/m2・day以下の、アルミニウム層を有しない構成の積層包装材料がある(特許文献1)。実施例では、ポリエチレンテレフタレートを基材とし、酸化アルミニウムからなる蒸着層を形成し、蒸着層に被覆層、ポリエチレンテレフタレートおよび線状低密度ポリエチレンフィルムを積層し、包装材料を調製している。
また、片面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルム層を含み、内容物側にシーラント層を有し、外側に水蒸気を遮断するフィルム層を有する積層体であって、且つ、前記水蒸気を遮断するフィルム層の水蒸気透過度が100g/m2・d以下であることを特徴とするガスバリア性積層体もある(特許文献2)。実施例では、二軸延伸ポリアミドフィルム/酸化珪素蒸着ポリエステルフィルム/シーラントの構成の積層フィルムが開示されている。
また、ウェットティッシュなどは、多くの枚数を充填できることから、包装材料をピロー包装することが多い。例えば、横ピロー包装袋は、略水平に移動する包装材料の原反を、ガイドを介して筒状に成型し、内容物を収納した筒状体の前後をヒートシールおよび切断して製造することができる(特許文献3)。得られた横ピロー包装袋の底部には、センターヒートシールが形成される。
特開平11−49245号公報 特開2004−58619号公報 特開2006−16064号公報
しかしながら、ウェットティッシュなどの水分やアルコール分を多く含む内容物に使用する包装体は、保湿性を維持しうることが要求され、特に長い使用期限を考慮して、ハイバリアタイプの包装材料が必要となる。上記特許文献1記載の積層包装材料は、水蒸気透過率が2g/m2・day以下であり、バリア性に優れるが、酸化アルミ蒸着膜を使用しているため、耐水性、耐アルコール性、耐添加剤性に劣る場合がある。
また、上記特許文献2記載の積層体は、水蒸気透過度が100g/m2・d以下であり、バリア性が十分でない場合がある。
更に、ウェットティッシュなどの消費材は、大量生産に適した高速充填性を有する必要がある。しかしながら、ピロー包装用積層体を巻き取った原反は、夏場の空調が効いていない倉庫や輸送時のトラック内等の高温環境下で、熱融着層の滑り性が低下する場合がある。この原反をピロー包装機に装着して製袋すると、ピロー成型用のガイド部分を通過させた後のセンターヒートシールを行う際に、熱融着層の滑り性が悪いために熱融着層同士がきれいに重なり合わず、シワが生じ、充填速度が高速になるほどより顕著になる。一方、高速充填には熱融着層が低温シール性およびホットタック性に優れることが要求されるが、ホットタック性および低温シール性を有し、かつ高速充填に適する滑り性を有する熱融着層は存在しない。
そこで本発明は、ガスバリア性、耐水分性、耐アルコール性、耐添加剤性、高速充填性に優れるピロー包装用積層体を提供することを目的とする。
また、このようなピロー包装用積層体からなるピロー包装袋、およびピロー包装袋からなるウェットティッシュ用包装体を提供することを目的とする。
本発明者は、ピロー包装用積層体について詳細に検討した結果、熱融着層に所定の滑剤を配合すると、ヒートシール性と滑り性との双方に優れること、所定構造のガスバリア性積層フィルムを使用すると酸素、水蒸気に対する優れたガスバリア性を確保することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、少なくともガスバリア性積層フィルムと熱融着層とからなる積層体であって、
前記ガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム層の一方の面に酸化珪素の蒸着膜を設け、該酸化珪素の蒸着膜上に一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた積層フィルムであり、
前記熱融着層は、熱融着性樹脂に炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)および/または炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)からなる滑剤を含むことを特徴とする、ピロー包装用積層体を提供するものである。
また、前記ピロー包装用積層体からなるピロー包装袋を提供するものである。
更に、前記ピロー包装袋からなる、ウェットティッシュ用包装体を提供するものである。
本発明によれば、特定のガスバリア性積層フィルムを使用することで、ガスバリア性、耐水分性、耐アルコール性、耐添加剤性を確保することができる。このため、ウェットティッシュなどの水分やアルコールを含む内容物の包装材として好適に使用することができる。
また、ピロー包装用積層体の熱融着層に、特定の滑剤を含有させることで、高速充填性に優れる滑り性を確保することができる。
以下、本発明のピロー包装用積層体を詳細に説明する。
(1)ピロー包装用積層体
本発明のピロー包装用積層体は、少なくともガスバリア性積層フィルムと熱融着層とからなり、前記ガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム層の一方の面に酸化珪素の蒸着膜を設け、該酸化珪素の蒸着膜上に一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた積層フィルムである。
前記積層フィルムは、前記基材フィルムと対向して熱融着層と積層してもよく、前記ガスバリア性塗布膜と対向して熱融着層と積層してもよいが、ガスバリア性塗布膜と対向して積層することが好ましい。また、前記熱融着層は、単層でも多層でもよい。
本発明のピロー包装用積層体は、前記ガスバリア性積層フィルムと熱融着層とに加えて、他の層を含んでいてもよい。このような他の層としては、印刷層、中間基材層、最外層、各層をドライラミネート積層法で積層するためのラミネート用接着剤層やプライマー層や、ヒートシール層を溶融押出し法で積層する場合のアンカーコート層、その他、アンダーコート剤層や表面処理、によって形成された表面処理層などがある。
したがって、本発明のピロー包装用積層体としては、例えば、図1に示すように、基材フィルム(11)、酸化珪素蒸着膜(13)、表面処理層(15)、ガスバリア性塗布膜(17)からなるガスバリア性積層フィルム(10)に、ラミネート接着剤層(30)を介して単層の熱融着層(20)を積層したもの、図2に示すように、前記熱融着層(20)が、最外層(21)と他の層との積層であるもの、更に、図3に示すように、前記熱融着層(20)が、最外層(21)と2種の他の層(23,25)との積層であるものなどが例示できる。なお、ガスバリア性積層フィルム(10)にアンカーコート層を設け、ラミネート接着剤層(30)を使用せずに熱融着層(20)を溶融押し出しにより積層してもよい。
(2)ガスバリア性積層フィルム
本発明で使用するガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム層の一方の面に酸化珪素の蒸着膜を設け、該酸化珪素の蒸着膜上に一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた積層フィルムである。ガスバリア性塗布膜をポリビニルアルコール系樹脂またはエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが相互に化学的に反応して強固な三次元網目状複合ポリマー層を形成しており、酸化珪素の蒸着膜とが相乗的に作用し、酸素、水蒸気などの透過を阻止するガスバリア性に優れ、かつ透明性、耐衝撃性、耐熱水性にも優れる。
(i)基材フィルム層
ガスバリア性積層フィルムを構成する基材フィルム層としては、酸化珪素の蒸着膜やガスバリア性塗布膜を設けるに足る機械的、物理的、化学的強度を有し、特に酸化珪素の蒸着膜を形成する条件に耐え、酸化珪素の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得る樹脂フィルムを使用することが好ましい。
このような基材フィルム層としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂からなるフィルムを使用することができる。特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムが好ましい。
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を任意に使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
上記樹脂は、上記樹脂の1種または2種以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて単層で製膜化したもの、または2種以上の樹脂を使用して共押し出しなどで多層製膜したもの、または2種以上の樹脂を混合使用して製膜し、テンター方式やチューブラー方式等で1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂フィルムを使用することができる。
本発明において、基材フィルムの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が好ましい。
(ii)表面処理
本発明において、上記の基材フィルム層の一方の面に酸化珪素の蒸着膜を形成するが、予め基材フィルム層に表面処理をおこなってもよい。これによって酸化珪素の蒸着膜やガスバリア性塗布膜との密着性を向上させることができる。
このような表面処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理などがある。
また、本発明で使用する各種フィルムの表面に、予め、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤等を任意に塗布し、表面処理することもできる。なお、前記コート剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
このような表面処理の中でも、特に、コロナ処理やプラズマ処理を行うことが好適である。例えばプラズマ処理としては、気体をアーク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行なうプラズマ処理がある。プラズマガスとしては、上記のほかに、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の無機ガスを使用することができる。すなわち、後記する物理的気相成長法または化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜を形成する直前に、インラインでプラズマ処理を行うことにより、基材フィルムの表面の水分、塵などを除去すると共にその表面の平滑化、活性化、その他等の表面処理を可能とすることができる。更に、本発明では、プラズマ処理としては、プラズマ出力、プラズマガスの種類、プラズマガスの供給量、処理時間、その他の条件を考慮してプラズマ放電処理を行うことが好ましい。また、プラズマを発生する方法としては、直流グロー放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他の装置を使用することができる。また、大気圧プラズマ処理法によりプラズマ処理を行なうこともできる。
なお、本発明においては、前記基材フィルム層以外の他の樹脂フィルムの表面にも、酸化珪素の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜、印刷層その他の層やフィルムとの密着性を向上させるために、前記いずれかの表面処理をおこなってもよい。例えば、本発明では、熱融着層を上記ガスバリア性塗布膜上に形成する際に、ガスバリア性塗布膜にプラズマ処理を行い、ついで印刷層を形成し、この印刷層上にラミネート用接着剤を介して熱融着層を積層してもよく、ガスバリア性塗布膜にプライマー、ラミネート用接着剤を介して熱融着層をドライラミネート積層法で積層し、またはガスバリア性塗布膜にプライマー、アンダーコート剤を介して上記熱融着層を構成しうる溶融樹脂を溶融押出しにより積層してもよい。
(iii)酸化珪素の蒸着膜
酸化珪素の蒸着膜は、化学気相成長法で形成することが好ましい。ガスバリア性に加えて屈曲性に優れており、ピロー包装機のピロー成型用ガイド部分を通過する際の物理的ストレスの耐性に優れるからである。
化学気相成長法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、低温プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等がある。具体的には、基材フィルム層の一方の面に、蒸着用モノマーガスを原料とし、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができる。高活性の安定したプラズマが得られる点で、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが好ましい。
上記の低温プラズマ化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜の形成法の一例を低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である図4を用いて説明する。
本発明では、プラズマ化学気相成長装置221の真空チャンバー222内に配置された巻き出しロール223から基材フィルム層201を繰り出し、更に、該基材フィルム層201を、補助ロール224を介して所定の速度で冷却・電極ドラム225周面上に搬送する。一方、ガス供給装置226、227および、原料揮発供給装置228等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスその他等を供給して蒸着用混合ガス組成物を調製し、これを原料供給ノズル229を通して真空チャンバー222内に導入する。該蒸着用混合ガス組成物を上記冷却・電極ドラム225周面上に搬送された基材フィルム層201の上に供給し、グロー放電プラズマ230によってプラズマを発生させ照射し、酸化珪素等の酸化珪素の蒸着膜を製膜化する。次いで、上記で酸化珪素等の酸化珪素の蒸着膜を形成した基材フィルム層201を補助ロール233を介して巻き取りロール234に巻き取れば、プラズマ化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜を形成することができる。なお、冷却・電極ドラム225は、真空チャンバー222の外に配置されている電源231から所定の電力が印加され、冷却・電極ドラム225の近傍には、マグネット232を配置してプラズマの発生が促進されている。このように冷却・電極ドラムに電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバー内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成される。このグロー放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態で基材フィルム層を一定速度で搬送させると、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルム層の上に、酸化珪素等の酸化珪素の蒸着膜を形成することができる。なお、図4中、符号235は真空ポンプを表す。
本発明では、真空チャンバー内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10-1〜1×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7Torr位に調整することが好ましい。
原料揮発供給装置は、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバー内に導入させる。この際、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%、酸素ガスの含有量は10〜70%、不活性ガスの含有量は10〜60%の範囲とすることが好ましく、例えば、有機珪素化合物:酸素ガス:不活性ガスの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。なお、上記有機珪素化合物、不活性ガス、酸素ガスなどを供給する際の真空チャンバー内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr、好ましくは真空度1×10-1〜1×10-2Torrであることが好ましく、また、基材フィルム層の搬送速度は、10〜300m/分、好ましくは50〜150m/分である。このようにして得られる酸化珪素の蒸着膜の形成は、基材フィルム層の上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOXの形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素の蒸着膜は、緻密で隙間の少ない、可撓性に富む連続層となり、従って、酸化珪素の蒸着膜のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素の蒸着膜と比較してはるかに高く、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができる。また、SiOXプラズマにより基材フィルム層の表面が清浄化され、基材フィルム層の表面に、極性基やフリーラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素の蒸着膜と基材フィルム層との密接着性が高いものとなる。更に、酸化珪素の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torrであって、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の酸化珪素の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torrに比較して低真空度であるから、基材フィルム層の原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度が安定しやすく製膜プロセスも安定化する。
本発明において、酸化珪素の蒸着膜は、蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が基材フィルム層の一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX(ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。上記酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX(ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましい。なお、Xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
本発明において、酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または2種類以上の元素からなる化合物の少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものである。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。例えば、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。なお、上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。この際、上記の化合物が酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%、好ましくは5〜20%である。含有率が0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になる場合があり、一方、50%を越えるとバリア性が低下する場合がある。
更に、本発明では、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少していることが好ましい。これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面では上記化合物等により耐衝撃性等が高められ、他方、基材フィルム層との界面では、上記化合物の含有量が少ないために基材フィルム層と酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなる。
本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜は、例えばX線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析し、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことで、上記の物性を確認することができる。
本発明において、上記酸化珪素の蒸着膜の膜厚は、50Å〜4,000Å位であることが好ましく、より好ましくは100〜1,000Åである。4,000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生する場合があり、一方、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になる場合がある。なお、膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。また、酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくする方法、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明では、酸化珪素の蒸着膜として、酸化珪素の蒸着膜の1層だけでなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した酸化珪素の蒸着膜を構成することもできる。
本発明において、酸化珪素の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。これらの中でも、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に好ましい。なお、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
(iv)ガスバリア性塗布膜
本発明で使用するガスバリア性塗布膜としては、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合してなるガスバリア性組成物からなる塗布膜であり、該組成物を上記基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を設け、20℃〜180℃、かつ上記の基材フィルム層の融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して形成することができる。
また、前記ガスバリア性組成物を上記基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の上に塗工して塗布膜を2層以上重層し、20℃〜180℃、かつ、上記基材フィルム層の融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理し、ガスバリア性塗布膜を2層以上重層した複合ポリマー層を形成してもよい。
上記一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができ、また、上記アルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されるものに限定されず、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよく、更に、加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用してもよい。
上記一般式R1 nM(OR2m中、R1としては、分岐を有していてもよい炭素数1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などを挙げることができる。
上記一般式R1 nM(OR2m中、R2としては、分岐を有していてもよい炭素数1〜8、より好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。なお、同一分子中に複数の(OR2)が存在する場合には、(OR2)は同一であっても、異なってもよい。
上記一般式R1 nM(OR2m中、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を例示することができる。
本発明においてケイ素であることが好ましい。この場合、本発明で好ましく使用できるアルコキシドとしては、上記一般式R1 nM(OR2mにおいてn=0の場合には、一般式Si(ORa)4(ただし、式中、Raは、炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表されるものである。上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。このようなアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシランSi(OCH34、テトラエトキシシランSi(OC254、テトラプロポキシシランSi(OC374、テトラブトキシシランSi(OC494等を例示することができる。
また、nが1以上の場合には、一般式RbnSi(ORc)4-m(ただし、式中、mは、1、2、3の整数を表し、Rb、Rcは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他を表わす。)で表されるアルキルアルコキシシランを使用することができる。このようなアルキルアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシランCH3Si(OCH33、メチルトリエトキシシランCH3Si(OC253、ジメチルジメトキシシラン(CH32Si(OCH32、ジメチルジエトキシシラン(CH32Si(OC252、その他等を使用することができる。本発明では、上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
本発明では、上記一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとして、MがZrであるジルコニウムアルコキシドも好適に使用することができる。例えば、テトラメトキシジルコニウムZr(OCH34、テトラエトキシジルコニウムZr(OC254、テトラiプロポキシジルコニウムZr(iso−OC374、テトラnブトキシジルコニウムZr(OC494、その他等を例示することができる。
また、上記一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとして、MがTiであるチタニウムアルコキシドを好適に使用することができ、例えば、テトラメトキシチタニウムTi(OCH34、テトラエトキシチタニウムTi(OC254、テトライソプロポキシチタニウムTi(iso−OC374、テトラnブトキシチタニウムTi(OC494、その他等を例示することができる。
また、上記一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとして、MがAlであるアルミニウムアルコキシドを使用することができ、例えば、テトラメトキシアルミニウムAl(OCH34、テトラエトキシアルミニウムAl(OC254、テトライソプロポキシアルミニウムAl(is0−OC374、テトラnブトキシアルミニウムAl(OC494、その他等を使用することができる。
本発明では、上記アルコキシドは、2種以上を併用してもよい。例えばアルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いると、得られるガスバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避される。この際、ジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記アルコキシシラン100質量部に対して10質量部以下の範囲である。10質量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、基材フィルム層を被覆した際にガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
また、アルコキシシランとチタニウムアルコキシドを混合して用いると、得られるガスバリア性塗布膜の熱伝導率が低くなり、耐熱性が著しく向上する。この際、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100質量部に対して5質量部以下の範囲である。5質量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、基材フィルム層を被覆した際に、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる場合がある。
本発明で使用するポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、ポリビニルアルコール系樹脂、またはエチレン・ビニルアルコ一ル共重合体を単独で各々使用することができ、あるいは、ポリビニルアルコ一ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することができる。本発明では、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することにより、ガスバリア性、耐水性、耐候性、その他等の物性を著しく向上させることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合、それぞれの配合割合としては、質量比で、ポリビニルアルコ一ル系樹脂:エチレン・ビニルアルコール共重合体=10:0.05〜10:6位であることが好ましい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体の含有量は、上記のアルコキシドの合計量100質量部に対して5〜500質量部の範囲であり、好ましくは20〜200質量部の配合割合である。500質量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるバリア性フィルムの耐水性および耐候性等が低下する場合がある。一方、5質量部を下回るとガスバリア性が低下する場合がある。
前記ポリビニルアルコ一ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体において、ポリビニルアルコ一ル系樹脂としては、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものを使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。このようなポリビニルアルコール系樹脂としては、株式会社クラレ製のRSポリマーである「RS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)」、同社製の「クラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)」、日本合成化学工業株式会社製の「ゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)」等を例示することができる。
また、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。例えば、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではない。ただし、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが好ましい。なお、上記エチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものことが好ましい。このようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、株式会社クラレ製、「エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)」、日本合成化学工業株式会社製、「ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)」等を例示することができる。
本発明で使用するガスバリア性組成物は、前記一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合して得たガスバリア性組成物である。上記ガスバリア性組成物を調製するに際し、シランカップリング剤等を添加してもよい。
本発明で好適に使用できるシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを広く使用することができる。例えば、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。このようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。なお、シランカップリング剤の使用量は、上記アルコキシシラン100質量部に対して1〜20質量部の範囲内である。20質量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する場合がある。
また、ゾルゲル法触媒とは、主として、重縮合触媒として使用される触媒であり、水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンなどの塩基性物質が用いられる。例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100質量部当り、0.01〜1.0質量部である。
また、上記ガスバリア性組成物において用いられる「酸」としては、上記ゾルゲル法において、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。上記酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モルを使用することが好ましい。
更に、上記のガスバリア性組成物においては、上記のアルコキシドの合計モル量1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは、0.8から2モルの割合の水をもちいることができる。水の量が2モルを越えると、上記アルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、そのような多孔性のポリマーは、ガスバリア性積層フィルムのガスバリア性を改善することができなくなる。また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる場合がある。
更に、上記のガスバリア性組成物において用いられる有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、その他等を用いることができる。なお、上記ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記アルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態で取り扱われることが好ましく、上記有機溶媒の中から適宜選択することができる。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。なお、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することもでき、例えば、日本合成化学工業株式会社製、商品名「ソアノール」などを好適に使用することができる。上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記アルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルゲル法触媒の合計量100質量に対して30〜500質量部である。
本発明において、ガスバリア性積層フィルムは、以下の方法で製造することができる。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合し、ガスバリア性組成物を調製する。混合により、ガスバリア性組成物(塗工液)は、重縮合反応が開始および進行する。
次いで、基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物を塗布し、および乾燥する。この乾燥工程によって、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が更に進行し、塗布膜が形成される。第一の塗布膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗布膜を形成してもよい。
次いで、上記ガスバリア性組成物を塗布した基材フィルム層を20℃〜180℃、かつ基材フィルム層の融点以下の温度、好ましくは、50℃〜160℃の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理する。これによって、前記酸化珪素の蒸着膜の上に、上記ガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成したバリア性フィルムを製造することができる。
なお、エチレン・ビニルアルコール共重合体単独、またはポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者を用いて得られたバリア性フィルムは、熱水処理後のガスバリア性に優れる。一方、ポリビニルアルコール系樹脂のみを使用してバリア性フィルムを製造した場合には、予め、ポリビニルアルコール系樹脂を使用したガスバリア性組成物を塗工して第1の塗布膜を形成し、次いで、その塗布膜の上に、エチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物を塗工して第2の塗布膜を形成し、それらの複合層を形成すると、熱水処理後のガスバリア性が向上したバリア性フィルムを製造することができる。
更に、上記エチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物により塗布膜を形成し、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて含有するガスバリア性組成物により塗布膜を形成し、これらを複数積層しても、本発明に係るバリア性フィルムのガスバリア性の向上に有効な手段となる。
本発明で使用するガスバリア性積層フィルムの製造法について、アルコキシドとしてアルコキシシランを使用し、より詳細に説明する。
ガスバリア性組成物として配合されたアルコキシシランや金属アルコキシドは、添加された水によって加水分解される。加水分解の際には、酸が加水分解の触媒として作用する。次いで、ゾルゲル法触媒の働きによって、加水分解によって生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きによりエポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。また、加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコール共重合体が存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。なお、生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーである。
上記反応において、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
Figure 2009083174
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーを生じると考えられる。
Figure 2009083174
Figure 2009083174
Figure 2009083174
Figure 2009083174
Figure 2009083174
上記の反応は常温で進行し、ガスバリア性組成物は、調製中に粘度が増加する。このガスバリア性組成物を、基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると重縮合反応が完結し、基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の上に透明な塗布膜が形成される。なお、上記の塗布膜を複数層積層する場合には、層間の塗布膜中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が、基材フィルム層、または、基材フィルム層上の酸化珪素の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルム層、または前記酸化珪素の蒸着膜表面と、塗布膜との接着性も良好なものとなる。このように、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、あるいは、配位結合などを形成するため、酸化珪素の蒸着膜とガスバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得る。
なお、本発明では、添加される水の量をアルコキシド類1モルに対して0.8〜2モル、好ましくは1.0〜1.7モルに調節した場合には、上記直鎖状のポリマーが形成される。このような直鎖状ポリマーは結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため、特にガスバリア性(O2、N2、H2O、CO2、その他等の透過を遮断、阻止する)に優れる。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗布膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
(3)熱融着層
熱融着層を構成する樹脂は、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。このような樹脂としては、低密度ポリエチレン(以下、LDPEと記載する)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと記載する)、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記載する)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、EAAと記載する)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(以下、EEAと記載する)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(以下、EMAと記載する)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記載する)、アイオノマー、非晶性ポリエステル、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体(エチレン含有量が10モル%以下の共重合体)、或いは、ポリプロピレンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはエステル単量体などをグラフト重合または共重合したポリプロピレン系樹脂、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの無延伸フィルム、またはこれらの樹脂を押し出しコートした樹脂層を使用することができる。
上記樹脂は、上記樹脂の1種または2種以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて単層で製膜化したもの、または2種以上の樹脂を使用して共押し出しなどで多層製膜したもの、または2種以上の樹脂を混合使用して製膜し、テンター方式やチューブラー方式等で1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂フィルムを使用することができる。
本発明において、熱融着層の厚さとしては、5〜300μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましい。
また、熱融着層は、単層のみならず2層以上の多層とすることもできる。その場合、各層の厚みはフィルムとして要求される物性(熱接着性やフィルムの腰等)に応じて適時設定することができる。
上記熱融着層は、これを押出機等を用いて溶融押出して、アンカーコート剤層等を介して溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような熱融着層の1種ないし2種以上を使用して、予めこれからフィルムを製造し、ラミネート用接着剤層等を介してドライラミネート積層することにより、ガスバリア性積層フィルムに積層することができる。
なお、製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、耐ブロッキング性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を任意に使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
例えば、アンチブロッキング剤として、酸化珪素を始めとした無機化合物等、公知の化合物を使用することができる。アンチブロッキング剤を配合することで、フィルム表面に物理的に凹凸をつけることで、フィルム同士の密着を防ぐことができる。
(4)滑剤
本発明は、上記熱融着層に炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)と炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)とからなる滑剤の含有を規定する点に特徴がある。
本発明において、炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)とは、炭素数18〜22の分岐を有していてもよい飽和または不飽和脂肪酸とアミンとの反応化合物であり、構造中に少なくとも1つのアミド(−CONH2)を有する化合物であり、炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)とは、炭素数23以上の分岐を有していてもよい飽和または不飽和脂肪酸とアミンとの反応化合物であり、構造中に少なくとも1つのアミド(−CONH2)を有する化合物である。アミンとしては、モンアミンに限定されず、エチレンジアミン、4,4’-メチレンジアニリンなどのジアミンであってもよい。したがって、例えば、本発明で使用し得る脂肪酸アミドとして、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどであってもよい。
本発明では、前記熱融着層中に200〜4,000ppm、より好ましくは1,000〜2,000ppmの滑剤を含有することが好ましい。この範囲で、熱融着層に十分な滑り性を付与しうるからである。
熱融着層は、単層でも、2以上の膜の多層膜であってもよいが、熱融着層に含まれる前記滑剤の割合は、脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)を0を超えて0.5質量部、好ましくは0.01〜0.4質量部の配合割合で含有する。なお、熱融着層が単層の場合の脂肪酸アミド(I)と脂肪酸アミド(II)との配合割合は上記範囲であるが、多層の場合には、各層ごとに配合量を変えることができる。例えば、2層の場合には、前記脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)を0を超えて0.5質量部より好ましくは0.01〜0.4質量部を含む最外層と、脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)が0質量部である最外層に接触する層との積層であることが好ましい。更に、3層の場合には、最外層が、前記脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)を0を超えて0.5質量部より好ましくは0.01〜0.4質量部含み、最外層に接触する層が、脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)が0質量部であり、最内層が、脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)を0を超えて1質量部、より好ましくは0.01〜0.7質量部含有することが好ましい。なお、最外層とは、ピロー包装用積層体に積層した際に、熱融着層の最外層となる層である。
本発明で使用する脂肪酸アミドは、分子中に疎水性の長鎖脂肪酸基と親水性のアミドとを有し、溶融時には樹脂中に分子が均一に分散しているが、樹脂の安定化に伴い脂肪酸アミド分子の疎水性基側が樹脂表面に向けて整列配向し、これにより滑り性を発揮する。炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)と、炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)とを種々検討したところ、脂肪酸アミドの分子量によって滑り性が相違することを見出し、脂肪酸アミド(II)は分子量が大きいため最外層の表面に現れ難いが、一旦表面に現れると滑り性が安定することが判明した。一方、融点が高いために、たとえ低温シール性の熱融着層を使用してもシール阻害となる可能性がある。本発明では、脂肪酸アミド(I)と(II)とを特定割合で配合することで、滑り性と低温シール性との双方を確保したものである。具体的には、後記する実施例に示すように、脂肪酸アミド(II)を配合すると高温時の滑り性を改良しうるが、所定量以上配合すると高温時に滑り性が低下する。これは滑り性を発揮しうる好適な配合量が存在することを意味するものである。また、熱融着層を多層構造とすると、最外層に脂肪酸アミド(II)を所定量含有させ、最外層に隣接する層に脂肪酸アミド(II)を含有させないことで、熱融着層に均一に所定割合の脂肪酸アミド(I)と脂肪酸アミド(II)とを配合した場合と同じ効果を発揮することが判明した。これは、脂肪酸アミド(II)が経時的に熱融着層の表面に移行するためと考えられ、脂肪酸アミド(I)と脂肪酸アミド(II)とを配合することで、ピロー包装用積層体を巻き取って原反とし、ピロー包装機に装着して製袋する全工程において、熱融着層の滑り性を確保しうることを意味する。しかも、熱融着層表面の脂肪酸アミド(II)の量を低減することができるため、ヒートシール時の低温シール性を確保し、高速充填を可能とすることができる。これにより、ピロー包装袋の作業時の温度に係わりなく、一定した滑性および低温シール性が得られるのである。
(5)ラミネート用接着剤
本発明では、上記ガスバリア性塗布膜の面にプライマーを塗布してプライマー層を形成し、ついで該プライマー層の面にラミネート用接着剤を介して熱融着層をドライラミネート積層法を用いて積層することができる。
ラミネート用接着剤としては、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルへキシルエステルなどのホモポリマーもしくはこれらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレンなどとの共重合体などからなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸などのモノマーとの共重合体などからなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂などからなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどからなる無機系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラスなどからなる無機系接着剤、その他の接着剤を使用することができる。より好ましくは、例えば、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、またはヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート等の多官能イソシアナートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール、その他のヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とするものである。これらによれば、柔軟性と屈曲性に富む薄膜を形成することができ、その引っ張り伸長度を向上させ、柔軟性、屈曲性などを有する被膜として作用し、ラミネート加工、印刷加工などの加工適性を向上させることができる。
これらの接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型などのいずれの組成物形態でもよく、その性状はフィルム、シート状、粉末状、固形状などのいずれでもよい。更に、反応機構として、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶着型、熱圧型などのいずれでもよい。
上記ラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
そのコーティング量としては、好ましくは0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは1〜5g/m2(乾燥状態)位である。
なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤などの接着促進剤を任意に添加することができる。
(6)プライマー層
本発明では、上記ガスバリア性塗布膜の面に、例えばプライマーを塗布してプライマー層を形成し、ついで、該プライマー層の面にラミネート用接着剤層を形成し、その後プライマー層およびラミネート用接着剤層を介して中間基材層や熱融着層などをドライラミネート積層法を用いて積層してもよい。このようなプライマー層を設けることで、ガスバリア性塗布膜とその上に積層しうる、ラミネート用接着剤層などとの密着性を高め、積層強度を向上させることができる。
プライマー層を構成するプライマーとしては、ポリウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂などをビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂1〜30質量%に対して、シランカップリング剤0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、充填剤0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%の割合で配合し、その他、溶媒や希釈剤を含むプライマー組成物を使用することができる。このプライマー組成物には、必要に応じて、更に安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他の添加剤を配合してもよい。本発明において、プライマー層の厚さは、0.1〜10.0g/m2(乾燥状態)である。上記プライマー組成物は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法などによりコーティングし、該コーティング膜を乾燥させて溶媒や希釈剤を除去し、更に必要に応じてエージング処理などを行ってプライマー層とすることができる。
(7)アンカーコート層
本発明では、ガスバリア性積層フィルムと熱融着層との積層に際して、熱融着層を溶融押し出しによって積層する際には、溶融押し出し樹脂層と接触する積層面に予めアンカーコート剤を塗布して、アンカーコート層を形成することが好ましい。
かかるアンカ−コ−ト剤層を構成するアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
例えば、紙基材と最外層とを接着する際に紙基材層にアンカーコート層を形成するには、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、その他のアンカーコーティング剤が例示できる。より好ましくは、例えば、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、またはヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート等の多官能イソシアナートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール、その他のヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られるポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とするものを好適に使用することができる。積層体の密着性を向上させることができる。
本発明においては、上記アンカーコート剤を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤などを乾燥して、アンカーコート剤層を形成することができる。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)位が好ましい。
(8)印刷層
本発明において、印刷層を形成することができる。印刷層は、ガスバリア性積層フィルムの基材フィルム層に形成してもよく、またはガスバリア性塗布膜に形成してもよい。ピロー包装用積層体が更に最外層を有する場合には、最外層に印刷層を形成してもよい。印刷方法に限定はないが、グラビア印刷によることが好ましい。この際、印刷層の形成個所に応じて表印刷や裏印刷を行うことができる。
インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロースなどの繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼインなどの天然樹脂、アマニ油、大豆油などの油脂類、その他の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
印刷層としては、上記インキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。
上記は、グラビア印刷で説明したが、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、その他の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
(9)最外層
本発明のピロー包装用積層体は、更に最外層を有していてもよい。最外層として、機械的、物理的、化学的強度に優れ、特に耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、耐突き刺し性などに優れる樹脂を広く使用することができる。例えば、耐熱性・耐水性に優れる樹脂として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、各種ナイロンなどのポリアミド、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂などの一軸または二軸延伸フィルムを好適に使用することができる。本発明においては、特に耐熱性・耐水性に優れる最外層として、特にポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。表面が光沢を有するため、外観を向上させることができ、更に、印刷による印字等を行うこともできる。
最外層は、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムを製造し、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムを使用することができる。最外層は、ドライラミネート積層法で積層するためのラミネート用接着剤層などを介して、積層することができる。
本発明において、最外層の膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
(10)他の積層体
本発明のピロー包装用積層体を構成する材料として、その他、例えば、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルム、あるいは、酸素、水蒸気等に対するバリア性を有するポリ塩化ビニリデン系樹脂、、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXDポリアミド系樹脂、ポリナフタレンテレフタレート系樹脂等の樹脂のフィルム、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルム等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
なお、ピロー包装用積層体は、内容物に対応して、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれる場合があり、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求される。このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース、その他等の公知の樹脂のフィルムから任意に選択して使用することができる。
本発明において、上記のフィルムは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムとしては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
(11)ピロー包装用積層体の製造方法
本発明では、予め調製したガスバリア性積層フィルムに上記熱融着層を積層することでピロー包装用積層体を製造することができる。なお、ガスバリア性積層フィルムは、予め基材フィルム層の一方の面に、酸化珪素の蒸着膜を設け、更に、該酸化珪素の蒸着膜の面上に、コロナ処理などの表面処理を行い、次いで前記ガスバリア性塗布膜を塗布して製造することができる。
積層は、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法、その他等で行うことができる。本発明では上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができ、また、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコート剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等の公知のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。なお、前記ガスバリア性積層フィルムが市販されている場合には、市販品を使用することもできる。
(12)ピロー包装袋
本発明のピロー包装袋は、上記ピロー包装用積層体を従来のピロー包装機に装着して、製造することができる。本発明のピロー包装用積層体は、熱融着層に滑剤を配合して熱融着層の滑り性を改良した点に特徴があり、これにより熱融着時に熱融着層同士を円滑に重ね合わせ、高速で低温シールによって熱融着することができる。このため、ピロー包装機としては、縦ピロー包装機でも、横ピロー包装機でも対応することができる。
本発明のピロー包装袋に収納する内容物に限定はなく、キャンディーなどの菓子類、乾麺などの食品、ティッシュなどの紙類、その他を包装することができる。特に、本発明のピロー包装用積層体やピロー包装袋は、特に酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性等に優れているため、水分やアルコール分を含有するウェットティッシュを好適に収納することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
実施例1
片面をコロナ処理した厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、次いで、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し、酸化珪素の蒸着膜面にプラズマ処理を行った。次いで、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040)、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
Figure 2009083174
前記プラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物をコーティングして厚さ0.4g/m2(乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成し、本発明に係るガスバリア性積層フィルムを製造した。
上記で形成したガスバリア性積層フィルムのガスバリア性塗布膜の面に2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これをグラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2(乾燥状態)にコーティングし、次いで、該ラミネート用接着剤層の面に厚さ40μmの単層LLDPEフィルム(I)(密度0.905g/cm2、アンチブロッキング剤として酸化珪素を800ppm含有し、炭素数22のエルカ酸アミドと炭素数38のエチレンビスオレイン酸アミドとを総量1100ppm含有(エルカ酸アミドとエチレンビスオレイン酸アミドとの質量比は、1:0.2)と貼り合わせ、ピロー包装用積層体(I)を製造した。
実施例2
厚さ40μmの単層LLDPEフィルム(I)に代えて、厚さ40μmの多層LLDPEフィルムを使用した以外は、実施例1と同様に操作して、ピロー包装用積層体(II)を製造した。
なお、多層LLDPEフィルムは、密度0.905g/cm2、アンチブロッキング剤として酸化珪素を800ppm含有し、脂肪酸アミドの総量は1100ppmの3層フィルム(最外層からガスバリア性積層フィルムに向かって、厚さ5μm、20μm、15μm)であり、炭素数22のエルカ酸アミドと炭素数38のエチレンビスオレイン酸アミドとの質量比が、最外層から順に、1:0.15、1:0、1:0.9の割合で含有するフィルムである。
比較例1
酸化珪素蒸着膜にバリアー塗工液を塗工しない以外は、実施例1と同様に操作し、比較ピロー包装用積層体(I)を製造した。
比較例2
40μmの単層LLDPEフィルム(I)に代えて、40μmの単層LLDPEフィルム(II)を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、比較ピロー包装用積層体(II)を製造した。
なお、単層LLDPEフィルム(II)は、密度0.905g/cm2、アンチブロッキング剤として酸化珪素を800ppm含有し、炭素数22のエルカ酸アミドと炭素数38のエチレンビスオレイン酸アミドとを総量1000ppm(エルカ酸アミドとエチレンビスオレイン酸アミドとの質量比は、1:0.9)含有するフィルムである。
比較例3
40μmの単層LLDPEフィルム(I)に代えて、40μmの多層LLDPEフィルム(II)を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、比較ピロー包装用積層体(III)を製造した。
なお、多層LLDPEフィルム(II)は、密度0.905g/cm2、アンチブロッキング剤として酸化珪素を800ppm含有し、脂肪酸アミドの総量が1100ppmの3層フィルム(最外層からガスバリア性積層フィルムに向かって、厚さ5μm、20μm、15μm)であり、炭素数22の脂肪酸アミドと炭素数38の脂肪酸アミドとの質量比が、最外層から順に、1:1、1:0.5、1:1の割合で含有したフィルムである。
実験
上記の実施例1、2、および、比較例1〜3で製造したピロー包装用積層体について、酸素透過度、水蒸気透過度、耐水、耐アルコール、シール面摩擦係数、充填適性を評価した。上記のテスト結果について下記の表2に示す。なお、表2において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2/day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2/day・40℃・90%RH〕である。
(1) 酸素透過度の測定
上記の実施例1、2、および、比較例1〜3で製造した積層体について、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2) 水蒸気透過度の測定
上記の実施例1、2、および、比較例1〜3で製造した積層体について、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3) 耐水、耐アルコール
上記の実施例1、2および、比較例1〜3で製造した積層体を使って10cm四方の四方袋を作成し、これに精製水、プロピレングリコール及びエタノールを含有するウェットティッシュを充填した。これを40℃オーブンに2週間保存し、保存後の四方袋の外観を確認した。膨らみその他の変化を観察した。
(4) シール面摩擦係数
上記の実施例1、2、および比較例1〜3で製造した積層体について、温度3℃、23℃、50℃下で2週間保存し、保存後の積層体のシール面同士の摩擦係数をJIS K7125に規定される摩擦係数測定装置を使って測定した。
(5) 充填適性
上記の実施例1、2および比較例1〜3で製造した積層体を巻き取った原反について温度3℃、23℃、50℃下で2週間保存し、保存後に横ピロー包装機に装着し、内容物を入れずにピロー包装袋を製造した。ピロー包装袋の仕上がり工程を以下のように判定した。
○:シール性、滑り性それぞれに問題なく良好
△:滑り性は問題ないが低温シール性が幾分悪く、シール抜けが見られる
×:滑り性が悪いことによるシール部分のシワが生じ、充填不良発生
××:滑り性が悪く、低温シール性が幾分悪いために、充填不良多発
Figure 2009083174
本発明に係るピロー包装用積層体は、ガスバリア性に優れるとともに充填適性に優れ、高速でピロー包装することができる。
図1は、本発明のピロー包装用積層体の構造を説明する図であり、熱融着層が単層の場合の横断面図である。 図1は、本発明のピロー包装用積層体の構造を説明する図であり、熱融着層が2層の場合の横断面図である。 図1は、本発明のピロー包装用積層体の構造を説明する図であり、熱融着層が3層構造の場合の横断面図である。 低温プラズマ化学蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
符号の説明
10・・・ガスバリア性積層フィルム、
11・・・基材フィルム層
13・・・酸化珪素蒸着層
15・・・コロナ処理層
17・・・ガスバリア性塗布膜
20・・・熱融着層、
21・・・熱融着層の最外層
23・・・熱融着層の最外層に接触する層
25・・・熱融着層の最内層
30・・・ラミネート用接着層。

Claims (9)

  1. 少なくともガスバリア性積層フィルムと熱融着層とからなる積層体であって、
    前記ガスバリア性積層フィルムは、基材フィルム層の一方の面に酸化珪素の蒸着膜を設け、該酸化珪素の蒸着膜上に一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けた積層フィルムであり、
    前記熱融着層は、熱融着性樹脂に炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)および/または炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)からなる滑剤を含むことを特徴とする、ピロー包装用積層体。
  2. 前記滑剤の配合量は、前記熱融着層中に200〜4,000ppmである、請求項1記載のピロー包装用積層体。
  3. 前記熱融着層は、前記炭素数18〜22の脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、炭素数23以上の脂肪酸アミド(II)を0を超え0.5質量部含むことを特徴とする、請求項1または2記載のピロー包装用積層体。
  4. 前記熱融着層は、前記脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)が0を超えて0.5質量部である最外層と、脂肪酸アミド(I)1質量部に対し、脂肪酸アミド(II)が0である前記最外層に隣接する層を少なくとも含む積層である、請求項1または2記載のピロー包装用積層体。
  5. 前記熱融着層は、更にアンチブロッキング剤を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のピロー包装用積層体。
  6. 前記熱融着性樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1〜5のいずれかに記載のピロー包装用積層体。
  7. 前記酸化珪素の蒸着膜は、化学気相蒸着法による酸化珪素の蒸着膜であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のピロー包装用積層体。
  8. 請求項1〜7のピロー包装用積層体からなるピロー包装袋。
  9. 請求項8記載のピロー包装袋からなる、ウェットティッシュ用包装体。
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