JP2009081015A - 負イオン生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧・低消費電力で効率的に負イオンを生成することが可能であり、かつオゾンの発生を低減させることができる、構造が簡単で小型・高効率の負イオン生成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一組の吸気口と排気口を有する負イオン発生部と、負イオン発生部に供給される気体流量を制御する流量制御部と、負イオン発生部に電圧を印加する電源部とを含む負イオン生成装置において、負イオン発生部は、吸気口と排気口を備えた筒状筐体と、筒状筐体の内周面に環設されたリング状電極と、筒状筐体の内部に向って突設された針状電極と、針状電極の先端部を除きその周囲に外嵌された絶縁筒と、筒状筐体の内部に在って吸気口と針状電極先端部との間に張設された通気性を有する電子抑制電極と、針状電極の先端部近傍の電界を包含した磁場を形成する少なくとも一組の磁極対とを含み、電子抑制電極は何れの電極からも絶縁された構造とする。
【選択図】図4
【解決手段】少なくとも一組の吸気口と排気口を有する負イオン発生部と、負イオン発生部に供給される気体流量を制御する流量制御部と、負イオン発生部に電圧を印加する電源部とを含む負イオン生成装置において、負イオン発生部は、吸気口と排気口を備えた筒状筐体と、筒状筐体の内周面に環設されたリング状電極と、筒状筐体の内部に向って突設された針状電極と、針状電極の先端部を除きその周囲に外嵌された絶縁筒と、筒状筐体の内部に在って吸気口と針状電極先端部との間に張設された通気性を有する電子抑制電極と、針状電極の先端部近傍の電界を包含した磁場を形成する少なくとも一組の磁極対とを含み、電子抑制電極は何れの電極からも絶縁された構造とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、負イオンを発生させる放電装置に関するものであり、より具体的には、空気分子等の中性粒子に放電現象によって放出された電子を付着させ、負イオンを生成する負イオン生成装置に関するものである。
従来から、空気清浄やカビ等の微生物の繁殖防止、或いは静電塗装などの目的のために、空気分子や塗料分子等の電気的に中性な粒子をマイナス電位に帯電させ、負イオンを生成する様々な装置が開発されている(例えば、特許文献1乃至3)。
一般に、これらの従来技術による負イオンの生成装置は、外部の気体を装置の内部に取り込み、かかる気体の中で高電圧によるアーク・コロナ放電を発生させ、放電の際に放出される電子を空気分子などの電気的に中性な粒子に付着させて、マイナスに帯電した粒子である負イオンを生成する仕組みとなっている。
しかしながら、放電現象によって放電電極から放出された電子は、極めて高いエネルギーレベルを有しており大気中を高速度で運動している。そのため、放電現象により放出された電子が空気分子等の中性粒子に付着する確率は極めて小さく、従来の負イオン生成装置による負イオンの生成効率は非常に低いものであった。
また、従来の負イオン生成装置では、気体中におけるアーク・コロナ放電により電子を空間に放出するため、放電時のアークによって大気中にオゾン等の活性粒子が大量に発生してしまい、人体への悪影響をはじめとして環境保全の上からも問題があるとされていた。
また、従来の負イオン生成装置は、アーク・コロナ放電によって電子放出を行なうため放電電極間に高電圧を印加することが必須であり、放電開始後もアーク・コロナを維持するための放電電流を多く流す必要があった。このため、装置の大型化・複雑化・高コスト化が避けられず、また、放電時の消費電力が大きいというデメリットも生じていた。
さらには、装置内において高電圧・大電力を取り扱うため危険でもあり、上記の有害なオゾンの発生という問題と相俟って、日常的に用いられる家電製品へ手軽に搭載・転用することが困難であるという問題もあった。
本発明は、このような従来技術における課題の解決を目的とするものであって、より具体的には、比較的に低電圧・低消費電力で効率的に負イオンを生成することが可能であり、かつオゾンの発生量を低減させることができる、構造が簡単で小型・高効率の負イオン生成装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点による負イオン生成装置は、上記の目的を達成するため、少なくとも一組の吸気口と排気口とを有する負イオン発生部と、前記負イオン発生部に供給される気体流量を制御する流量制御部と、前記負イオン発生部に電圧を印加する電源部とを含む負イオン生成装置において、前記負イオン発生部は、一の底面に前記吸気口を有し、その側面に前記排気口を有する筒状筐体と、前記筒状筐体の内周面に環設されたリング状電極と、前記一の底面に対向する他の底面から前記筒状筐体の内部に向って突設され、その先端部が前記リング状電極を貫通している針状電極と、前記針状電極の先端部を除いて該電極の周囲に外嵌された絶縁筒と、前記筒状筐体の内部に在って前記吸気口と前記針状電極先端部との間に張設された通気性を有する電子抑制電極と、前記筒状筐体に周設され、前記針状電極の先端部近傍の電界を包含した磁場を形成する少なくとも一組の磁極対と、を含み、前記電源部から供給される電圧は前記リング状電極と前記針状電極との間に印加され、かつ、前記電子抑制電極は前記リング状電極及び針状電極の双方から絶縁された構成を有している。
このような構成によれば、針状電極とリング状電極との間に生ずる放電現象によって針状電極の先端部から放出された電子は、同先端部の前方に置かれた電子抑制電極に付着して同電極を負電位に帯電させる。これによって、その後、針状電極先端部から放出された電子が電子抑制電極の方向に拡散する場合、マイナス電荷を有する電子は同電極の負電位に反発されて針状電極の方向に反射されることになる。従って、電子が反射される点(以下、単に「反射点」という)においては電子の速度が0(ゼロ)になるため、速度が低下した電子を、その周囲を遊弋する空気分子などの中性粒子に極めて容易に付着させることができる。
さらに、筒状筐体に周設された磁極対により生成される磁場によって、針状電極の先端部近傍の電界が包含されるため、同電極の先端部の付近に電子が閉じ込められ、同先端部の近傍に高密度の電子領域が形成される。これによって、針状電極先端部における電離効率が上がり放電電圧を低下させることができる。
また、本発明の第2の観点による負イオン生成装置は、上記第1の観点による負イオン生成装置において、前記電子抑制電極は、金属格子からなる網状電極であることを特徴とする。
したがって、このような構成によれば、筒状筐体の吸気口から流入した気体は、容易に電子抑制電極を通過することが可能であり、同電極を通過した気体の中性粒子と、上記反射点の近傍で速度が極端に低下した電子との結合を促進させることができる。
また、本発明の第3の観点による負イオン生成装置は、上記第1又は第2の観点による負イオン生成装置において、前記リング状電極の内径aと前記針状電極の直径bとの比率(a/b)がネイピア定数(e=2.718…)以上であることを特徴とする構成となっている。
したがって、このような構成によれば、針状電極の先端部に電気力線が集中して強電界が形成され、針状電極とリング状電極との間でいわゆる不平衡電界が形成される。これによって、針状電極の先端部とリング状電極との間で、いわゆるグロー・コロナ放電現を発生させることが容易となる。
また、本発明の第4の観点による負イオン生成装置は、上記第1乃至第3の少なくとも何れか一つの観点による負イオン生成装置において、前記針状電極と前記リング状電極との間に生起される放電現象は、グロー・コロナ放電現象であることを特徴とする。
このような構成によれば、放電時における短絡を抑えたグロー・コロナ放電現象によって、放電電極から大気中へ効率的に電子の放出を行なうことが可能となる。
本発明は、グロー・コロナ放電により大気中に放出された電子の速度を低下させ、電子と大気中の中性粒子との結合を容易にしたことを特徴とする。それ故、僅かな電力で大量の負イオンを発生させることが可能であり、小型・低消費電力の負イオン生成装置を実現することができる。したがって、本装置を用いれば、静電塗装の塗料スプレー中に高密度の負イオンを注入することが容易となり、塗料の付着力を飛躍的に高めることが可能となる。
本発明の一つの実施形態である負イオン生成装置1について説明を行なう。
先ず、負イオン生成装置1の主要部である負イオン発生部10の構造を図1の(1a)概略斜視図に示す。また、負イオン発生部10の一方の底面に設けられた吸気口12の方向から見た正面図を(1b)に、同図におけるA−A’方向の断面図を(1c)に示す。
先ず、負イオン生成装置1の主要部である負イオン発生部10の構造を図1の(1a)概略斜視図に示す。また、負イオン発生部10の一方の底面に設けられた吸気口12の方向から見た正面図を(1b)に、同図におけるA−A’方向の断面図を(1c)に示す。
図(1a)〜(1c)の各図からも明らかなように、負イオン発生部10は、主に、両端部が閉塞された筒状筐体11、該筐体の一方の底面に設けられた吸気口12、該筐体の側面に対して略垂直方向に設けられた排気口13、筒状筐体11の他方の底面を貫通して該筐体の内部に向かって突設された針状電極16、同電極の先端部を除いてその周囲に外嵌された絶縁筒17、並びに筒状筐体11の側面壁を貫通して設けられたN極磁石18及びS極磁石19からなる磁極対によって構成されている。
また、筒状筐体11の内部においては、吸気口12の後部に電子抑制電極14が張設されており、さらにその後部に、筒状筐体11の内周面に沿ってリング状電極15が環設されている。また、筒状筐体11の他方の底面を貫通して突設された針状電極16の先端部は、リング状電極15の略中央部を貫通しており、電子抑制電極14とリング状電極15との間に位置している。
筒状筐体11、吸気口12、及び排気口13は、電気的な絶縁特性が良好であって非磁性体であり、かつ耐熱性や耐衝撃性に優れた、例えば、アクリルやポリカーボネート等の有機樹脂素材で構成することが好ましい。なお、図1に示される事例では、これらの部位の形状は円筒型の構造となっているが本発明の実施はかかる事例に限定されるものではなく、例えば、これらの部位は四角或いはその他の多角形の筒状であっても良い。
また、吸気口12及び排気口13の取り付け位置や、その大きさ、或いは設置数等に関しても、図1に示される事例に限定されるものではなく、後述する流量制御部20の気体流量の制御能力に応じて、例えば、吸気口12や排気口13の内径を変更するようにしても良いし、或いは、筒状筐体11の側面に排気口13を複数設けるような構造としても良い。
電子抑制電極14は、導電性の素材から構成された通気性を有する面状電極であり、筒状筐体11の内部において吸気口12の後部に張設されている。電子抑制電極14の構造としては、例えば、図2の(2a)や(2b)に示すようなステンレス鋼線を用いたメッシュ状の円形や矩形、若しくはその他の多角形状とすることが好ましい。或いは、図(2c)に示すようなステンレス鋼材の板状電極に、通気性を確保するための多数の小孔を設けたものであっても良い。前述の如く、筒状筐体11は良好な絶縁体であるので、筒状筐体11の内部に張設された電子抑制電極14は、常に浮遊あるいは負にバイアスされた状態に保たれている。
また、リング状電極15は、例えば、図(3a)に示すようなステンレス製のリング状部材であり、筒状筐体11の内周面に沿って環設されている。なお、リング状電極15には、筒状筐体11の側壁を貫通して当該電極へ電圧を印加するためのリード線が接続されていることは言うまでもない。
一方、針状電極16は、例えば、ステンレス鋼などを用いた針状部材であり、筒状筐体11の吸気口12が設けられた底面と対向する他の底面の略中心部を貫通して該筐体の内部に向かって突設されている。また、図(3b)に示すように、同電極の先端部の近傍を除いて同電極の周囲には絶縁筒17が外嵌されている。なお、絶縁筒17の素材としては、例えば、セラミックやガラスなどの堅牢で電気的絶縁性に優れた素材を用いることが好ましい。
リング状電極15及び針状電極16の構造や寸法等については、図1に示される事例に特に限定されるものではないが、リング状電極15の内径aと、針状電極16の直径bとの比率(a/b)については、図(3c)に示すように、次式の関係を満たす必要がある。
a/b > e (但し、e=ネイピア定数;2.718…)
これは、リング状電極15と針状電極16の先端部との間に、いわゆる不平衡電界を生じさせるうえにおいて必須の条件であり、両電極間において良好なグロー・コロナ放電を維持するためにはかかる比率の値が極めて大であることが好ましい。
a/b > e (但し、e=ネイピア定数;2.718…)
これは、リング状電極15と針状電極16の先端部との間に、いわゆる不平衡電界を生じさせるうえにおいて必須の条件であり、両電極間において良好なグロー・コロナ放電を維持するためにはかかる比率の値が極めて大であることが好ましい。
N極磁石18及びS極磁石19は、図1に示す如く、筒状筐体11の側面壁を貫通して設けられた磁極対であり、筒状筐体11の内部において針状電極16と垂直方向の磁界を形成するものである。なお、かかる磁極対は一組に限定されることはなく、筒状筐体11の側面に沿って複数の磁極対を周設する構成としても良い。また、N極磁石18及びS極磁石19は、永久磁石ではなく電磁石を利用した構成としても良い。
次に、本発明の一実施形態である負イオン生成装置1の構成について、図4の説明図に基づいて説明を行なう。
先ず、図(4a)に示す如く、負イオン生成装置1は、前述の負イオン発生部10と、流量制御部20及び電源部30から構成されている。
先ず、図(4a)に示す如く、負イオン生成装置1は、前述の負イオン発生部10と、流量制御部20及び電源部30から構成されている。
流量制御部20は、例えば、小型の電動送風機であり、その送風ファンを駆動するモータ(何れも図示せず)に所定の制御を加えることによって、吸気口12に送り込む気体の流量を自在にコントロールすることができる。なお、本事例においては、流量制御部20を吸気口12の入口側に設けているが、流量制御部20を排気口13の出口側に設ける構成としても良い。或いは、流量制御部20を吸気口12の入口側と排気口13の出口側の双方に設け、これらの送風ファンを連動させて制御するようにしても良い。
電源部30は、負イオン発生部10のリング状電極15と針状電極16に放電電圧を印加するための電源回路である。図4に示す如く、電源部30の陽極側が針状電極16に接続されており、その陰極側がリング状電極15に接続されている。なお、電源部30から負イオン発生部10に供給される電圧の値は、2.0kVから3.5kV程度の電圧値であることが好ましい。
後述するように、リング状電極15と針状電極16との間に発生する放電現象はグロー・コロナ放電であるため、放電に伴って流れる電流は僅少であり、負イオン生成装置1における消費電力は極めて小さな値となる。したがって、電源部30は、例えば、通常の乾電池と簡単なDC/DCコンバータ(直流電圧変換器)によって構成することができる。それ故、上述した構造が単純で小型の負イオン発生部10の特徴と相俟って、負イオン生成装置1の全体を極めてコンパクトに構成することができる。
次に、負イオン生成装置1の具体的な動作について、図4に示される各図に基づいて説明を行なう。
先ず、負イオン発生部10のリング状電極15と針状電極16に電源部30からの電圧が印加されると、針状電極16とリング状電極15との間に電気力線が発生する。電気力線は、正電荷から発して負電荷に至るものであるため、電源部30の陽極側(正側)に接続されている針状電極16から発し、電源部30の陰極側(負側)に接続されているリング状電極15に至る形となる。また、針状電極16は、その先端部の近傍を除き絶縁筒17によって覆われているため、電気力線は針状電極16の先端部のみから発することになり、両電極間における電気力線の分布は、ほぼ図(4b)に示されるような、いわゆるドーム型の形状となる。
同図からも明らかなように、針状電極16においては、その先端部の微小部分に多数の電気力線が集中するため、電気力線密度の極めて高い強電界が形成される。一方、リング状電極15においては、針状電極16の先端部から発せられた電気力線がリングの全周に亘って拡散されるため電気力線密度の低い弱電界が形成される。一般に、このような両電極間における電界が平衡していない状態を不平衡電界と称し、かかる不平衡電界の下では、両電極間においてグロー・コロナ放電を生起させることができる。
グロー・コロナ放電は、アーク・コロナ放電と異なり放電路の全長に亘ってアークを生じることがなく、不平衡電界における強電界側の電極、即ち針状電極16の先端部の近傍にグロー・コロナによる微細な発光が視認されるのみとなる。それ故、本実施例による負イオン生成装置1においては、針状電極16とリング状電極15との放電に際し、放電時のアークによってオゾン等の活性粒子が大量に発生するおそれはない。
また、針状電極16とリング状電極15との間には、アークによる放電電流が流れず両電極間に流れる電流は、ほぼ、両電極間に形成された不平衡電界に伴って生ずる極めて微弱の暗電流のみとなる。また、グロー・コロナによる放電現象は、アーク・コロナ放電に比べて比較的低い電圧によって発生するため、両電極間に流れる微弱な暗電流と相俟って、本実施例による負イオン生成装置1の消費電力は極めて小さな値となる。
針状電極16とリング状電極15との間においてグロー・コロナ放電が開始されると、針状電極16の先端部から電子eの放出が始まり、放出された電子eは、高いエネルギーを有しているため同電極の先端部から周囲の空間に逐次移動・拡散して行く。
ところで、本発明による実施例においては、図(4a)に示される如く、筒状筐体11内部の円筒軸方向に対して鉛直方向に、N極磁石18から発してS極磁石19に至る磁力線によって磁場が形成されている。このため、かかる磁場の影響によって、針状電極16の先端部から放出された電子eは、ある程度の拘束力で同先端部近傍の空間内に閉じ込められることになる。因みに、かかる磁場による電子の拘束力の強さは、磁場(磁石)の強さや磁場と同先端部との相対的位置により自在に調整し得るものである。
本実施例においては、上記の磁場により閉じ込められた電子の集合体によって、針状電極16の先端部付近に高密度の電子領域が発生する。そして、このような高密度の電子領域の発生によって、針状電極16の先端部における電離効率が増加し、電極間の放電電圧をさらに低減させることが可能となる。
一方、針状電極16の先端部から放出された電子eは、前述の如くそれ自体が極めて高いエネルギーを有しているため、上記の磁場によって拘束されるものの、多数の電子が磁場による拘束を脱して上記の高密度電子領域の周囲にさらに拡散して行く。そして、針状電極16の先端部の前方方向に拡散した電子eは、電子抑制電極14に到達するとこれに付着して同電極を負電位に帯電させる。
電子抑制電極14は、良好な絶縁体である筒状筐体11にその周囲を担持されているので、一旦帯電されるとその電位を長時間保つことができる。したがって、電子抑制電極14が負電位に帯電されると、その後は、針状電極16の先端部から放出された電子eが電子抑制電極14の方向に向かって拡散しても、電子抑制電極14の負電位と電子eのマイナス電荷とがお互いに反発して、電子eは電子抑制電極14から反射されることになる(図(4a)参照のこと)。
前述のように、放電現象により放出された電子eは高エネルギーを有して高速度で運動しているが、電子eが電子抑制電極14から反射される反射点においては電子eの速度が0(ゼロ)となる。このため、速度が低下した電子eは、その周囲を遊弋している大気中の中性粒子nに極めて容易に付着することができる。これによって、電子eが付着した中性粒子nは、電子eの負電荷により負電位に帯電されて負イオンneとなる。
このようにして形成された負イオンneは、排気口13を通って負イオン発生部10の外部に放出されることになる。なお、放出される負イオンneを含む気体の流速及び流量は、流量制御部20におけるファン(図示せず)の回転数の制御によって容易に調整できることは言うまでもない。
次に、図5の測定回路により測定を行なった放電電圧と負イオンの発生量との相関に関するデータを図6に示す。因みに、図5に示す測定回路は、排気口13より約10mm離して吹出し口と平行に、約3cm×3cmの金属メッシュを配置し、同メッシュの電位Vcを高入力インピーダンスのオシロスコープによって観測したものである。
このような測定回路によれば、負イオン発生部10の排気口13から放出される負イオンによって排気口13の直下に置かれた金属メッシュが負電位に帯電され、その電位Vcが低下する。したがって、かかる金属メッシュの電位Vcの変動を測定することにより、負イオン発生部10で発生した負イオンの量を推測することができる。
図6に示された測定結果からも明らかなように、リング状電極15と針状電極16との間の放電電圧Vdが約2.5kVを越える辺りから針状電極16先端部からの電子放出が活発になり負イオンが発生し始め、それに伴い金属メッシュの電位Vcも低下する。その後、放電電圧の上昇に伴い負イオン発生部10によって生成される負イオンの数も増加する。これによって、排気口13から放出される気体中に含まれる負イオンの数も増加し、これに伴って金属メッシュの負電位も更に低下していることが判る。
また、本発明による負イオン生成装置によれば、従来の高い放電電圧を必要としたアーク・コロナ放電による負イオン生成装置と比べて、2.5kV〜3.5kV程度という比較的低い放電電圧により多量の負イオンが効率的に生成されていることも注目に値するものと言える。
なお、本発明は以上に説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、本発明を構成する各部位の形状や配置、或いはその素材等は、本発明の趣旨を逸脱することなく、現実の実施対応に即して適宜変更ができるものであることは言うまでもない。
以上に説明した本発明の構成は、負イオンを用いた空気清浄や微生物の繁殖防止等の環境衛生分野、静電塗装や静電付着等の工業製造分野、或いは整髪スプレーや髪染スプレー等への負イオン注入などの理容・美容分野においてもその利用が可能である。
1 … 負イオン生成装置
10 … 負イオン発生部
11 … 筒状筐体
12 … 吸気口
13 … 排気口
14 … 電子抑制電極
15 … リング状電極
16 … 針状電極
17 … 絶縁筒
18 … N極磁石
19 … S極磁石
20 … 流量制御部
30 … 電源部
n … 中性粒子
e … 電子
ne … 負イオン
10 … 負イオン発生部
11 … 筒状筐体
12 … 吸気口
13 … 排気口
14 … 電子抑制電極
15 … リング状電極
16 … 針状電極
17 … 絶縁筒
18 … N極磁石
19 … S極磁石
20 … 流量制御部
30 … 電源部
n … 中性粒子
e … 電子
ne … 負イオン
Claims (4)
- 少なくとも一組の吸気口と排気口とを有する負イオン発生部と、前記負イオン発生部に供給される気体流量を制御する流量制御部と、前記負イオン発生部に電圧を印加する電源部とを含む負イオン生成装置において、
前記負イオン発生部は、
一の底面に前記吸気口を有し、その側面に前記排気口を有する筒状筐体と、
前記筒状筐体の内周面に環設されたリング状電極と、
前記一の底面に対向する他の底面から前記筒状筐体の内部に向って突設され、その先端部が前記リング状電極を貫通している針状電極と、
前記針状電極の先端部を除いて該電極の周囲に外嵌された絶縁筒と、
前記筒状筐体の内部に在って前記吸気口と前記針状電極先端部との間に張設された通気性を有する電子抑制電極と、
前記筒状筐体に周設され、前記針状電極の先端部近傍の電界を包含した磁場を形成する少なくとも一組の磁極対と、を含み、
前記電源部からの供給電圧は前記リング状電極と前記針状電極との間に印加され、かつ、前記電子抑制電極は前記リング状電極及び針状電極の双方から絶縁されていることを特徴とする負イオン生成装置。 - 前記電子抑制電極は、金属格子からなる網状電極であることを特徴とする請求項1に記載の負イオン生成装置。
- 前記リング状電極の内径aと前記針状電極の直径bとの比率(a/b)は、ネイピア定数以上の値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の負イオン生成装置。
- 前記針状電極と前記リング状電極との間に生起される放電現象は、グロー・コロナ放電現象であることを特徴とする請求項1乃至3の少なくとも何れか1項に記載の負イオン生成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2007248599A JP2009081015A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 負イオン生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2007248599A JP2009081015A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 負イオン生成装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2009081015A true JP2009081015A (ja) | 2009-04-16 |
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ID=40655610
Family Applications (1)
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| JP2007248599A Pending JP2009081015A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 負イオン生成装置 |
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| JP (1) | JP2009081015A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015166601A1 (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-05 | 株式会社Ihi | 放電電極及び試験装置 |
| CN106058646A (zh) * | 2016-07-08 | 2016-10-26 | 淄博盛金稀土新材料科技股份有限公司 | 磁电极选小粒径氢氧离子发生器 |
| CN106229815A (zh) * | 2016-08-26 | 2016-12-14 | 崔金福 | 极选磁致小粒径负离子发生器 |
| JP2019042668A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | 公立大学法人首都大学東京 | 放電加工装置及び表面処理方法 |
| CN115089882A (zh) * | 2022-01-21 | 2022-09-23 | 广州市英侨科技发展有限公司 | 一种防电弧外爬的负离子美容仪 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248599A patent/JP2009081015A/ja active Pending
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| JPWO2015166601A1 (ja) * | 2014-05-01 | 2017-04-20 | 株式会社Ihi | 放電電極及び試験装置 |
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| JP7008317B2 (ja) | 2017-09-01 | 2022-01-25 | 東京都公立大学法人 | 放電加工装置及び表面処理方法 |
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